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JP2005239564A - (メタ)アクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステルの製造方法 Download PDF

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JP2005239564A JP2004047586A JP2004047586A JP2005239564A JP 2005239564 A JP2005239564 A JP 2005239564A JP 2004047586 A JP2004047586 A JP 2004047586A JP 2004047586 A JP2004047586 A JP 2004047586A JP 2005239564 A JP2005239564 A JP 2005239564A
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Abstract

【課題】 精製コストの低減を図るとともに、品質の安定性および信頼性に優れた(メタ)アクリル酸エステルが得られるようにした(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供する
【解決手段】蒸留による精製工程を経て(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法において、仕切り壁カラム1からなる蒸留塔を備えた蒸留装置を用いて前記蒸留による精製工程を行う。
【選択図】 図1


Description

本発明は、(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。
下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステルは、通常、下記一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸と、下記一般式(3)で表されるアルコールとのエステル化反応、もしくは下記一般式(4)で表される(メタ)アクリル酸エステルと下記一般式(3)で表されるアルコールによるエステル交換反応によって製造される。
Figure 2005239564
(式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数1〜4の直鎖または分枝をもつアルキル基、もしくは一般式(A)で示されるアミノアルキル基である)
Figure 2005239564
(式中、nは1〜2を示し、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜2のアルキル基を示す。)
Figure 2005239564
(Rは水素原子またはメチル基を示す。)
Figure 2005239564
(Rは炭素数1〜4の直鎖または分枝をもつアルキル基、もしくは上記一般式(A)で示されるアミノアルキル基である。)
Figure 2005239564
(式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数1〜4の直鎖または分枝をもつアルキル基を示す。)
かかる反応後の反応液には、合成された(メタ)アクリル酸エステルのほかに未反応の原料や、エステル化反応の際に副生した水またはエステル交換反応の際に副生したアルキルアルコールが含まれている。
従って、(メタ)アクリル酸エステルを製品として得るためには、これら副生成物を除去する必要がある。
下記特許文献1には、蒸留塔の中段部分において、蒸留塔内部が高さ方向に沿う仕切り壁によって2つの区画に分けられた構造を有する仕切り壁カラムの基本概念が記載されている。かかる仕切り壁カラムによれば、中段部分の一方の区画に処理液を導入して、塔頂部分から低沸点成分を取り出し、塔底部分から高沸点成分を取り出し、前記中段部分の他方の区画から、前記低沸点成分と高沸点成分の中間の沸点を有する成分を取り出すことができる。
特許文献2には仕切り壁カラムを使用してプロピレングリコールモノアルキルエーテルを精製する方法が記載されている。
特許文献3にはジメチルテレフタレートを製造する際の粗製エステルの分離に仕切り壁カラムを用いる方法が記載されている。
ところで、前記エステル化反応またはエステル交換反応により生成される(メタ)アクリル酸エステルの沸点は、その原料である(メタ)アクリル酸の沸点および(メタ)アクリル酸エステルの沸点よりも高く、本反応で使用される重合防止剤や触媒を含んだ液体の沸点よりも低い。従って、1本の蒸留塔で(メタ)アクリル酸エステルを精製することは困難である。
そこで、従来は複数本の蒸留塔を使用して、(メタ)アクリル酸エステルを精製する方法が行われてきた。特許文献4には、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを3本の蒸留塔を使用して精製する方法が記載されている。
米国特許第2471124号明細書 特開2002−338511号公報 特開平9−301930号公報 特開平11−322680号公報
しかし、複数本の蒸留塔による精製では、各蒸留塔それぞれにおいて、塔底での加熱と塔頂での冷却が必要である。従って、プラント建設時に加熱・冷却設備のための費用が高くなってしまうだけでなく、運転時の消費エネルギーが多くなることで精製に必要なコストが高くなってしまうという欠点があった。
例えば、2本の蒸留塔で(メタ)アクリル酸エステルを精製する場合には、第1塔の塔底から排出された液を第2塔で再び加熱することによって、第2塔の塔頂から(メタ)アクリル酸エステルの製品を得るが、(メタ)アクリル酸エステル自体が受ける熱変動が大きいため、熱履歴による不純物の生成や重合が生じるおそれがあり、品質の安定性や信頼性に劣るという問題もあった。
一方、仕切り壁カラムを用いた蒸留によれば、低沸点成分と、高沸点成分と、これらの中間の沸点を有する成分とを分離することが可能であるが、前記特許文献1〜3中には、(メタ)アクリル酸エステルのような易重合性物質の精製方法について記載されていない。
一般に、易重合性物質を蒸留する際には蒸留中の重合の危険性を低減させるために、重合防止剤を蒸留塔内に添加するが、この際、飛沫となった重合防止剤は、蒸留過程では分離され難い。したがって蒸留塔から排出される(メタ)アクリル酸エステル製品に重合防止剤が高い濃度で含まれやすくなる。そして、製品としての(メタ)アクリル酸エステルが重合防止剤を含んでいると、該(メタ)アクリル酸エステルを重合してポリマーを製造しようとするときに、重合が十分進行しないので、品質の安定性や信頼性の点で問題となる。これらの問題についても、前記特許文献1〜3中には記載されていない。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、精製コストの低減を図るとともに、品質の安定性および信頼性に優れた(メタ)アクリル酸エステルが得られるようにした(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法は、蒸留による精製工程を経て(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法において、仕切り壁カラムからなる蒸留塔を備えた蒸留装置を用いて前記蒸留による精製工程を行うことを特徴とする。
前記蒸留塔の中段部分において、該蒸留塔から気体状の(メタ)アクリル酸エステルを取り出す形態が好ましい。
前記蒸留塔の、前記(メタ)アクリル酸エステルを取り出す位置よりも塔頂側において、該蒸留塔内に重合防止剤を供給する形態が好ましい。
前記蒸留塔から取り出した気体状の(メタ)アクリル酸エステルを、デミスター、棚段塔、充填塔のいずれか1つまたは2つ以上からなるミスト除去装置に通過させる形態が好ましい。
本発明によれば、(メタ)アクリル酸エステルの精製を1本の蒸留塔で行うことができる。したがって、従来の複数本の蒸留塔を用いる場合に比べて加熱・冷却のための機器を削減することが可能であり、これによって建設費の削減、消費エネルギーの低減、精製コストの大幅削減を達成することができる。また、精製過程において(メタ)アクリル酸エステル自体が受ける熱変動を低減することができるので、品質の安定性や信頼性の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明では前記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステルを製造する。本発明は、特にメタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、またはメタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert-ブチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルのいずれか1種を製造する場合に好適である。
本発明の方法により(メタ)アクリル酸エステルを製造するには、まず、前記一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸と、前記一般式(3)で表されるアルコールとのエステル化反応、または前記一般式(4)で表される(メタ)アクリル酸エステルと前記一般式(3)で表されるアルコールによるエステル交換反応を行って、(メタ)アクリル酸エステルを含む反応液を得る。
エステル化反応およびエステル交換反応は平衡反応であるため、副生する水またはアルキルアルコールを除去しながら行うことが好ましい。従って、溶媒を使用する場合は副生する水またはアルキルアルコールと共沸組成を形成するものが好ましい。該溶媒の具体例としては、ベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等が挙げられる。
該反応液には、得ようとする(メタ)アクリル酸エステル以外に、通常、未反応の原料、エステル化反応の際に副生した水またはエステル交換反応の際に副生したアルキルアルコールが含まれている。また、反応に使用した溶媒が含まれていてもよい。
前記一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸は、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸である。
前記一般式(3)で表されるアルコールは、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール、ターシャリブタノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノールである。
前記一般式(4)で表される(メタ)アクリル酸エステルは、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチルである。
次いで、得られた反応液を、仕切り壁カラムからなる蒸留塔を備えた蒸留装置を用いて精製して、製品としての(メタ)アクリル酸エステルを得る。
図1は、本発明の方法に好適に用いられる蒸留装置の一実施形態を模式的に示した概略構成図である。
図中符号11は、被精製物である(メタ)アクリル酸エステルの反応液を示す。
本実施形態の蒸留装置は、仕切り壁カラム1からなる蒸留塔と、仕切り壁カラム1に導入される反応液11を導入前に加熱するための予熱器2と、仕切り壁カラム1の塔頂部分から排出される留分を凝縮する第1のコンデンサー3と、仕切り壁カラム1の中段部分から排出される気体中の液滴(ミスト)を除去するミスト除去装置4と、ミスト除去装置4を通過した気体を凝縮する第2のコンデンサー5と、仕切り壁カラム1の塔底部分から排出される留分を加熱するリボイラー6とから概略構成されている。
仕切り壁カラム1は、中段部分の内部に、高さ方向に沿う仕切り壁1aが設けられており、中段部分の側面のうち、該仕切り壁1aを挟む一方の側面に、反応液11を導入するための導入口が設けられており、他方の側面に排出口が設けられている。なお、本明細書において、仕切り壁カラム1の高さ方向において仕切り壁1aが存在している部分を中段部分、該中段部分よりも塔頂側を塔頂部分、塔底側を塔底部分という。
仕切り壁カラム1としては、中段部分から導入された被精製物を、沸点の差を利用して3つの留分に分離し、各留分をそれぞれ排出できるものであればよく、既存の仕切り壁カラムを適宜用いることができる。例えば特許文献1に記載されている構造の仕切り壁カラムを好適に用いることができる。
仕切り壁カラム1の理論段数は、反応液11中の(メタ)アクリル酸エステルと未反応原料および副生成物とを分離するのに必要な段数以上であればよいが、好ましくは3〜50段であり、より好ましくは5〜30段である。理論段数を多くもたせることにより(メタ)アクリル酸エステルと未反応原料及び副生成物との分離を十分に行うことができ、理論段数を少なくすることにより設備が小さくなりコストが低くすむ。
仕切り壁カラム1の構成は棚段塔であっても充填塔であってもよい。棚段塔の場合、棚段の構造は特に限定されるものではなく、多孔板トレイ、泡鐘トレイ、シーブトレイなどいずれの構造であってもよい。充填塔の場合、充填物は特に限定されるものではなく、規則充填物でも不規則充填物でもよい。
図1に示す蒸留装置を用いた精製工程において、まず、反応液11は予熱器2で所定の温度に加熱された後、仕切り壁カラム1に導入され、蒸留される。
反応液11の予熱工程は必須ではないが、これを行うことにより蒸留塔内の状態を安定に保ちながら運転することができる。
反応液11の予熱温度は40〜150℃が好ましく、より好ましくは80〜120℃である。該余熱温度を蒸留塔内温度に近づけることにより塔内の温度分布に急激な変化をもたらさずに運転でき、該余熱温度を低くすることにより(メタ)アクリル酸エステルの重合や熱履歴による不純物の生成を抑制することができる。
蒸留の際に重合防止剤15を共存させることが好ましい。これによって蒸留中における(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止することができる。
重合防止剤15としては(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止する能力を有するものであればよく、具体的にはファノチアジン、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテルなどが挙げられる。重合防止剤15は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。重合防止剤15は、原料である反応液など適宜の液体に溶解させて溶液の状態で用いることが好ましい。重合防止剤の使用量は適宜決めることができる。
重合防止剤15は、中段部分の排出口よりも塔頂側において、仕切り壁カラム1内に供給することが好ましく、中段部分よりも塔頂側で供給するのがより好ましい。例えば、塔頂部分に重合防止剤の供給口を設けてもよく、塔頂部分に連通している第1のコンデンサー3に供給してもよく、第1のコンデンサ−3から仕切り壁カラム1へ向かう凝縮液の還流ライン上で供給してもよい。
重合防止剤の供給は連続的でもよく、断続的でもよい。蒸留中は仕切り壁カラム1内のいかなる部位においても重合が起きる可能性があり、重合防止の観点からはできるだけ広範囲に重合防止剤を分散させることが好ましい。
また、重合防止剤は被精製物である反応液11中に予め溶解させておいてもよい。
蒸留により、仕切り壁カラム1の塔頂部分からは、低沸点成分に富む留分が排出され、第1のコンデンサー3で凝縮されて液状となる。その一部は仕切り壁カラム1に還流され、他部は低沸点成分に富む留出液12として排出される。
塔底部分からは、高沸点成分に富む留分が排出される。該留分はリボイラー6で加熱され、蒸気となった一部は仕切り壁カラム1に還流され、他部は缶出液14として排出される。
また、中段部分の排出口からは、前記低沸点成分と高沸点成分の中間の沸点を有する成分として、(メタ)アクリル酸エステルに富む留分が、好ましくは気体状で排出される。該留分は、ミスト除去装置4を通過することによって気体中のミストが除去され、しかる後に第2のコンデンサ−5で凝縮されて液状となり、(メタ)アクリル酸エステル製品13として排出される。
ミスト除去装置4は、中段部分の排出口から排出される気体状の留分中に、ミストとして存在する重合防止剤を除去できるものであればよいが、デミスター、棚段塔、充填塔のいずれか1つまたは2つ以上の組み合わせを用いることが好ましい。
デミスターは除去必要なミスト径から決定された構造であればいかなる形態であってもよい。棚段塔、充填塔はいかなる構造であってもよい。充填塔を用いる場合、充填物は特に限定されるものではなく、規則充填物、不規則充填物などいかなる構造のものでもよい。棚段塔および/または充填塔を用いる場合、好ましくは1〜20段の理論段数を持たせることが好ましい。棚段塔および/または充填塔の理論段数を適切に設定することにより、(メタ)アクリル酸エステル製品13の純度を効果的に向上させることができる。
蒸留を行う際の塔頂圧力および塔頂温度は、適宜定めることができる。
具体的に、塔頂圧力は、塔頂温度との関係から適宜定めることができるが、好ましくは0〜303.9kPa(絶対圧、以下同じ)であり、より好ましくは5〜101.3kPaである。また、塔頂温度は塔頂圧力との関係から適宜決定されるが、好ましくは−20〜180℃であり、より好ましくは20〜150℃である。塔頂温度を高くすることにより凝縮に必要な冷却エネルギーを低くすることができ、塔頂温度を低くすることで不純物の生成や重合の危険性を回避することができる。
このように、仕切り壁カラム1を備えた蒸留装置を用いて(メタ)アクリル酸エステルの精製を行うことにより、精製工程で使用する加熱、冷却装置を従来の複数本の蒸留塔を用いる場合よりも削減することができる。また精製工程で使用するエネルギーを削減できるため、精製にかかるコストを削減させることができる。
例えば2本の蒸留塔で(メタ)アクリル酸エステルを精製する場合には、第1塔で塔底から排出された液を第2塔で再び加熱することで塔頂から(メタ)アクリル酸エステルの製品を得るため、熱履歴による不純物の生成や重合が生じるおそれがあったが、本実施形態によれば、反応液11を蒸留塔(仕切り壁カラム1)に導入し、蒸留塔の中段部分から排出(サイドカット)される留分として精製された(メタ)アクリル酸エステルを得ることができるので、従来の複数本の蒸留塔で精製する場合と比較して(メタ)アクリル酸エステルに印加される熱履歴が緩和され、不純物の生成や重合の危険性を抑制することができる。
また、蒸留を行う際に、重合防止剤を仕切り壁カラム1内に存在させることにより、蒸留中に(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止することができる。
通常、重合防止剤は高沸点であるため、精製された(メタ)アクリル酸エステルを仕切り壁カラム1の中段部分から気体状で抜き出すことにより、(メタ)アクリル酸エステル製品13中における重合防止剤の濃度を低減させることができる。
さらに、仕切り壁カラム1の中段部分から気体状で抜き出した留分を、ミスト除去装置4に通過させることによって、抜き出した気体中にミストとして存在している重合防止剤を除去することができる。したがって、重合防止剤を実質的に含有しない(メタ)アクリル酸エステル製品13を製造することが可能である。
なお、異常重合を防止する等の理由により、(メタ)アクリル酸エステル製品13に少量の重合防止剤が含まれていることが好ましい場合もあり、その場合には、ミスト除去装置4を用いず、仕切り壁カラム1の中段部分から、重合防止剤濃度が低い気体状の(メタ)アクリル酸エステルを得、その後、必要に応じて重合防止剤を添加してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例中において、メタクリル酸メチル、ブタノール、メタクリル酸ブチル、メタノールの含有量(濃度)はガスクロマトグラフィーで、フェノチアジンは高速液体クロマトグラフィーにて定量した。
(実施例1)
図1に示す構成の蒸留装置を用いてメタクリル酸ブチル(BMA)を製造した。
蒸留塔としては、仕切り壁カラム(ガラス製、内径50mm、高さ400mm、全理論段20段)を使用した。反応液としては、メタクリル酸メチル(MMA)とブタノール(BOH)のエステル交換反応を行って得られた反応液を使用した。
仕切り壁カラムの塔頂圧力が14.6kPaになるように減圧した後、反応液の供給を開始した。蒸留中、仕切り壁カラム内の重合を抑制するため、塔頂部より重合防止剤であるフェノチアジンをメタクリル酸メチルに、濃度が2質量%になるように溶解させた溶液を5ml/hで投入した。中段部分からサイドカットした気体を、ミスト除去装置としての棚段塔(ガラス製、内径30mm、高さ100mm、全理論段5段)に通過させた後、コンデンサーにより凝縮した。
仕切り壁カラムに供給した反応液、塔頂部分からの留出液、塔底部分からの缶出液、およびサイドカットした気体の凝縮液(メタクリル酸ブチル製品)について、それぞれの流量、温度、分析値(含有量)を測定した。その結果を下記表1に示す。
下記表において、MOHは副生成物であるメタノール、Pzは重合防止剤のフェノチアジンを示す(以下、同様。)
Figure 2005239564
(比較例1)
上記実施例1で用いた蒸留装置において、仕切り壁カラムに代えて、仕切り壁が設けられていない構造のカラム(ガラス製、内径50mm、高さ400mm、全理論段20段のオールダーショウ型蒸留塔)を用いた他は、同様の構成の蒸留装置を使用してメタクリル酸ブチル(BMA)を製造した。
本例では、実施例1と同様の中段位置から液状の留分をサイドカットし、該留分をそのままメタクリル酸ブチル製品とした。
それ以外は、実施例1と同様の条件で蒸留を行い、分析を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2005239564
表1,2の結果に示されるように、仕切り壁カラムを使用した実施例1では、工業用途に使用するのに十分な程度に高純度のメタクリル酸ブチル製品が得られた。また、そのメタクリル酸ブチル製品中の重合防止剤濃度は極めて低いものであった。
これに対して比較例1では、製品の純度が不十分であった。したがって、実用に供するためには、さらに蒸留等により精製を行う必要があり設備費・建設費が高くなってしまう。
本発明にかかる蒸留装置の一実施形態を示す概略構成図である。
符号の説明
1 仕切り壁カラム
4 ミスト除去装置
11 反応液
12 留出液(低沸点成分)
13 (メタ)アクリル酸エステル製品
14 缶出液(高沸点成分)
15 重合防止剤

Claims (4)

  1. 蒸留による精製工程を経て(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法において、
    仕切り壁カラムからなる蒸留塔を備えた蒸留装置を用いて前記蒸留による精製工程を行うことを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  2. 前記蒸留塔の中段部分において、該蒸留塔から気体状の(メタ)アクリル酸エステルを取り出すことを特徴とする請求項1記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  3. 前記蒸留塔の、前記(メタ)アクリル酸エステルを取り出す位置よりも塔頂側において、該蒸留塔内に重合防止剤を供給することを特徴とする請求項2記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  4. 前記蒸留塔から取り出した気体状の(メタ)アクリル酸エステルを、デミスター、棚段塔、充填塔のいずれか1つまたは2つ以上からなるミスト除去装置に通過させることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
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