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JP2004174370A - ガス処理方法とその装置及びシステム - Google Patents

ガス処理方法とその装置及びシステム Download PDF

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JP2004174370A
JP2004174370A JP2002343509A JP2002343509A JP2004174370A JP 2004174370 A JP2004174370 A JP 2004174370A JP 2002343509 A JP2002343509 A JP 2002343509A JP 2002343509 A JP2002343509 A JP 2002343509A JP 2004174370 A JP2004174370 A JP 2004174370A
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gas
carbon dioxide
cathode
anode
electrolyte membrane
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JP2002343509A
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Satoshi Seike
聡 清家
Kazushiro Oishi
和城 大石
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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  • Gas Separation By Absorption (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

【課題】低廉かつ効率的に二酸化炭素を除去及び水素ガスを生成すると共に除去した二酸化炭素成分を有効利用する。
【解決手段】ナトリウムイオン交換機能を有するポリマーからなる電解質膜10にアノード11とカソード12とを設け、アノード11にはナトリウム化合物の水溶液を接触すると共にカソード12には二酸化炭素と水分とを含むガスを供し、この両極間に直流電圧を印加することにより、カソード12側において前記ガス中の二酸化炭素を炭酸塩の形態で分離除去すると共に水素ガスを生成する。被処理ガスはスクラバー15において水若しくは水酸化ナトリウム水溶液の液滴と接触させた後にカソード12に供するとよい。カソード12側から排出された炭酸塩の水溶液は水処理システムの硝化及び脱窒工程に供してやるとよい。水処理システムから排出された汚泥硝化ガスはアノード11に供してやれるとよい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス処理方法とその装置及びシステム、特に、ガス中の二酸化炭素の除去と水素の生成を低廉かつ効率的に行うことができるもの、さらには除去した炭酸成分を有効的に利用するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
1998年12月、京都市で、2000年以降における地球温暖化防止のための新たな国際的枠組みを決定する気候変動枠条約第3回締約国会議(地球温暖化防止会議、COP3)が開催された。京都会議では、先進国全体の温室効果ガスを2008〜2012年において1990年比5%強削減する数値目標などを含む「京都議定書」が採択され、この中で我が国についての数値目標は1990年比6%削減とされている。
【0003】
温室効果ガスの人為的排出の多くを占めるのが、エネルギーの燃焼に伴って発生する二酸化炭素(CO)である。我が国は、石油危機以降積極的な省エネルギー努力を行った結果、産業部門のエネルギー利用効率は世界最高水準にあり、GDP当りの一次エネルギー消費も米国の約3分の1、ドイツの約2分の1と他の先進国と比較して低い水準にある。
【0004】
しかし、近年の運輸、民生部門を中心としたエネルギー消費の著しい伸びに伴い、エネルギー起因の二酸化炭素排出量は1995年度には1990年比8%強の大幅な増加となっている。このことから、京都議定書の目標の達成に向けては、直ちに最大限の対策に着手していく必要がある。
【0005】
京都議定書において、温室効果ガスは二酸化炭素(CO)、メタンガス(CH)、亜酸化窒素(NO)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカーボン(PFC)、六フッ化硫黄(SF)の6種類とされているが、我が国における温室効果ガスの排出量は1995年度において1990年度比8.6%増加している。このうち、全体の9割近くを占めるとともに、経済社会活動全体と密接な関わりを持つのがエネルギーの燃焼に伴って発生する二酸化炭素である。
【0006】
我が国におけるこれらのエネルギー起因の二酸化炭素排出量は1980年代後半から急激な増加傾向にあり、特に近年は運輸、民生部門の伸びが著しく、1995年度には1990年度比8.1%の大幅な増加となっている。したがって、我が国で今後国内の温室効果ガス対策を考える際の中心的課題となるのが、運輸、民生部門での対策強化をはじめとしたエネルギー起因の二酸化炭素削減対策である。
【0007】
尚、二酸化炭素については、正確な量の把握は難しいものの森林等の働きによって吸収されるといわれており、また二酸化炭素固定技術に関する研究開発も進められている。さらに、代替フロン類(HFC,PFC及びSF)については半導体洗浄や製品の中の冷媒として使われ、市中に残存しているものを回収し、分解するための技術開発等が進められている。
【0008】
このように、温室効果ガス対策の全体において、ガスの排出削減対策を進める一方で、森林・農地の保全・整備や代替フロン類の回収に係るシステム創りなど、ガスの吸収・固定や回収・分離等に係る各種の対策を進めることも極めて重要である。
【0009】
排ガスのCO排出濃度としては、排ガス中でディーゼルエンジンが約10%、ボイラーで約13%、下水処理場、食品工場の消化ガスで約40%である。
【0010】
現在、多くの分野で二酸化炭素を分解・回収するための方法及び装置等の開発が進められている。特に、室温付近においてはゼオライト触媒などを用いて吸着・脱着する圧力スイング法(非特許文献1)、高分子膜を用いた膜分離法(特許文献1)、水及びアルカリ水溶液などへ溶解する方法(非特許文献2)などが開発され、これらが主流となっている。
【0011】
前記圧力スイング法は、ゼオライトなどの二酸化炭素吸着性物質を充填し、二酸化炭素を吸着させている。そして、吸着が飽和した後は、低圧若しくは高温状態に保持し、吸着した二酸化炭素を放出している。
【0012】
前記膜分離法は、二酸化炭素選択透過性の膜(ポリ([1−トリメチルシリル])プロピレン、ポリジメチルシロキサン等)の一方に加圧ガスを導入し、二酸化炭素を選択的に透過させ、二酸化炭素濃度を高める方法である。
【0013】
前記溶解方法は、大きく二つの方法がある。第一の方法は、水酸化ナトリウム水溶液に二酸化炭素を吸収させて炭酸塩(NaCO)となる現象を用いたものである。
【0014】
2NaOH + CO → NaCO + H
また、第二の方法は、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)の熱分解・吸収法を利用している。
【0015】
2NaHCO → NaCO + CO + HO (65℃以上)
NaCO + CO + HO → 2NaHCO (室温〜50℃)
また、水素ガスの工業的な製造方法として、主に以下の方法が挙げられる(非特許文献2)。
【0016】
1)水電解法 15〜20%苛性ソーダ溶液を、ニッケルメッキ電極を用いて、電解し、純水素とともに副生酸素をも得る方法である。
【0017】
2)コークスのガス化 コークスを原料として水性ガスを製造する方法である。通常、赤熱コークスに空気を送入して燃焼させ、炉温を上げるブローと水蒸気を送入してガスを発生させるランを短い周期で間欠式水素発生炉が古くから知られているが、その後に、酸素と水蒸気の混合気を送入する連続式水性ガス発生炉が登場した。ここで、水性ガスは除塵、水洗浄、脱硫などの、精製工程を経て、ガス中の一酸化炭素を、水性ガス転化反応を利用して、水素に転化させ、同時に生成する二酸化炭素を吸着除去し微量の一酸化炭素を除いて、不純物のない水素としている。
【0018】
3)石炭の完全ガス化 微細炭または微粉炭に酸素と水蒸気を送入してガス化する方法で、その主反応は炭化水素と酸素及び水蒸気の反応で、これにより水素、一酸化炭素、あるいはメタンを主成分とするガスを製造させている。ウインクラーガス発生炉、コッパース−トチェックガス発生炉、オットー−ルンメルガス発生炉など最近発展した方法はほとんどが、これに属する。生成ガスの性状や精製方法、変成方法は、ほとんど2)の方法と同じである。
【0019】
4)石油類のガス化、天然ガス、コークス炉ガス、石油精製廃ガスなどの変成原料が液体燃料のときはガス化といい、ガス体燃料のときは変成というが、これらは、反応の本質が炭化水素と酸素または水蒸気の反応により同一性状のガスを得る点で、同一である。また、前述の石炭の完全ガス化は固体炭化水素である石炭を原料とし、同一反応といえる。コッパース−トチェックガス発生炉、ファウザー−モンテカチニガス発生炉など、常圧のガス発生炉に対し、最近はテキサコガス発生炉、シェルガス発生炉など加圧ガス発生炉の進展が著しい。ガス体炭化水素の変成には触媒使用の接触分解法も広く行われている。
【0020】
5)コークスガスよりの分離 コークスガス発生炉からのガスを圧縮冷却して、水素以外のガスの全て液化除去し、水素を分離する方法である。炉ガスから常法によりイオウ化合物を除去し、約12気圧に圧縮して水及び苛性ソーダ溶液で洗浄し、二酸化炭素を除去、−40℃で水、−60℃でメタンその他の炭化水素、一酸化炭素を凝縮除去し、水素を分離している。
【0021】
6)鉄と水蒸気との反応 この手段はメーサシュミット法と呼ばれる。すなわち、リョウテツ鉱(FeCO)を焼いてFeとし、さらにこれを水性ガス(CO+H)などで還元してFeOとし、これにHOを反応させることで、FeOが酸化され、これに伴い、純水素が得られる。
【0022】
【非特許文献1】
長倉三郎他編「理化学辞典」、岩波書店
【0023】
【特許文献1】
特許第2521884号公報(第2〜4頁)
【0024】
【非特許文献2】
化学大辞典編集委員会編「化学大辞典」、共立出版
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
圧力スイング法は、二酸化炭素以外に水成分も吸着されるため、前段に脱水装置を設ける必要がある。また、連続処理が不可能であり、処理塔を最低2つ必要、加温設備、真空装置設備などの付加設備が必要で大規模な設備となる。
【0026】
高分子膜を用いた膜分離法は、膜自身に受けるガス圧力・二酸化炭素透過性を最適化するのが難しく高価となる。さらに、一般に、二酸化炭素の他に窒素、酸素などの気体も透過するため、完全な分離は困難となる。さらに、ガス加圧装置などの付加設備も大型となる。
【0027】
第一の溶解方法は、非常に簡単な方法であるが、生成した炭酸塩(NaCO)の後処理が困難であり(塩酸による中和)、これまでは加熱・乾燥後廃棄処分されているのが現状である。また、第二の溶解方法では、炭酸水素ナトリウムの二酸化炭素に対する吸収量及び吸収速度が水酸化ナトリウム水溶液に対して非常に遅いため非効率となる。
【0028】
一方、水素ガス製造方法においては、1)の方法は水を原料とするところに長所があるが、以下の短所がある。すなわち、純水を必要とする、多数の電解槽を必要とする、電流の過不足に対する適応性が十分でない、電解液の炭酸化による老化、床面積、イニシャルコストなどに多くの問題があり、経済的に不利となる。そこで、近年においては、重油や天然ガスなどの廃ガスを水素源として利用するようになったので、2〜5)の方法が主流となっているのが現状である。
【0029】
しかしながら、2〜6)の方法においては、設備が大掛かりとなり、イニシャルコスト及びランニングコストが増大する原因となる。さらに、水素ガス製造過程においては、一酸化炭素や二酸化炭素等の炭酸ガスを副生成させてしまい、これを除去する工程を具備せざるを得なく、水素ガスの生成効率が上がらない。
【0030】
このように、従来の二酸化炭素除去技術及び水素製造技術は、大掛かりな装置が必要であること、またイニシャルコスト及びランニングコストが高く、さらに二酸化炭素除去率及び水素生成効率が低いという問題がある。特に、温室効果ガスの大部分を占める二酸化炭素の排出源のほとんどは、下水処理場や工場であることからも、これら施設のランニングコストも考慮した二酸化炭素の除去と水素生成の方法の構築が必要となる。さらには、二酸化炭素の除去に伴い、吸蔵した炭酸成分は増えていくが、この炭酸成分をどのように取り扱うかが問題となる。
【0031】
本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、その目的は、低廉かつ効率的さらに安定した二酸化炭素の除去及び水素ガスの生成を実現すると共に、除去した二酸化炭素成分を有効的に利用できるガス処理方法とその装置及びシステムの提供にある。
【0032】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は以下のことを特徴とする。
【0033】
本発明のガス処理方法は、請求項1に示したように、ナトリウムイオン交換機能を有するポリマーからなる電解質膜にアノードとカソードとを設け、アノードにはナトリウム化合物の水溶液を接触すると共に、カソードには二酸化炭素と水分とを含むガスを供し、この両極間に直流電圧を印加することにより、カソード側において前記ガス中の二酸化炭素を炭酸塩の形態で分離除去すると共に水素ガスを生成することを特徴とする。アノード及びカソードは、多孔質で、一般的に用いられている導電性材料、Pt、Au、Cr、Cu及びNi若しくはこれらの酸化物等を基本材料としている。
【0034】
ここで、請求項2記載の発明は、請求項1記載のガス処理方法において、二酸化炭素と水分とを含むガスを、スクラバーにおいて水若しくは水酸化ナトリウム水溶液の液滴と接触させた後に、前記アノードに供することを特徴とする。
【0035】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のガス処理方法において、カソード側から排出された炭酸塩の水溶液を水処理の硝化工程におけるpH調整剤として用いることを特徴とする。
【0036】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載のガス処理方法において、前記ポリマーからなる電解質膜は、塩化ビニル樹脂またはフッ素樹脂を基材とすることを特徴とする。
【0037】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載のガス処理方法において、前記電解質膜は、スチレンとジビニルベンゼンの共重合物を母体とするスルホン酸樹脂、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂、ポリトリフルオロスチレンスルホン酸樹脂、ポリスチレンスルホン酸樹脂、フェノールスルホン酸樹脂のいずれかを含んで形成したを特徴とする。
【0038】
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載のガス処理方法におて、前記ナトリウム化合物は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム若しくは塩化ナトリウムの何れかであることを特徴とする。
【0039】
請求項7記載の発明は、請求項1から6いずれか1項に記載のガス処理方法において、アノードとカソードとの間に直流電圧を印加する際、電流密度を調整することで、二酸化炭素の除去量を調整することを特徴とする。
【0040】
請求項8記載の発明は、請求項1から7いずれか1項に記載のガス処理方法において、被処理ガスに水を混合させたことにより前記カソード側に生成した炭酸塩の水溶液を、ナトリウムイオン源物質として回収して、前記アノードに供給することを特徴とする。
【0041】
また、本発明のガス処理装置は、請求項9に示したように、ナトリウムイオン交換機能を有するポリマーからなる電解質膜と、前記電解質膜に設けられナトリウム化合物の水溶液が供されるアノードと、前記電解質膜に設けられ二酸化炭素と水分とを含むガスが供されるカソードと、を備え、この両極間に直流電圧を印加してカソード側においてガス中の二酸化炭素を炭酸塩として分離除去すると共に水素ガスを生成させることを特徴とする。
【0042】
さらに、本発明のガス処理装置は、請求項10に示したように、ナトリウムイオン交換機能を有するポリマーからなる電解質膜と該電解質膜に設けられナトリウムイオン源物質の水溶液が供給されるアノードと該電解質膜に設けられ二酸化炭素と水分とを含むガスが供給されるカソードとを設けてなる単位セルをセパレータによって複数積層してスタックを構成し、
このスタックの周囲にナトリウムイオン源物質の水溶液と被処理ガスの各々を流通させるマニホールドを設け、
前記各単位セルにおけるアノードとカソードの両極間に直流電源を印加してカソード側においてガス中の二酸化炭素を炭酸塩として分離除去すると共に水素ガスを生成させることを特徴とする。
【0043】
ここで、請求項11記載の発明は、請求項9または10記載のガス処理装置において、前記アノードは、ナトリウムイオン源物質水溶液中に浸漬されて前記電解質膜に接触していることを特徴とする。
【0044】
請求項12記載の発明は、請求項9から11のいずれか1項に記載のガス処理装置において、前記電解質膜のアノード側には、ナトリウムイオン源物質水溶液を一時的に滞留させてアノード表面に臨ませる流路を形成したアノード側枠体を設けると共に、該電解質膜のカソード側には、被処理ガスを一時的に滞留させてカソード表面に臨ませる流路を形成したカソード側枠体を設けたことを特徴とする。
【0045】
また、本発明のガス処理システムは、請求項13に示したように、請求項9から12のいずれか1項に記載のガス処理装置と、このガス処理装置のアノードに供される被処理ガスを微粒化した水若しくは水酸化ナトリウム水溶液と接触させるスクラバーとを備えたことを特徴とする。
【0046】
ここで、請求項14記載の発明は、請求項13記載のガス処理システムにおいて、前記ガス処理装置のカソード側から供された炭酸塩水溶液をpH調整剤として水処理システムにおける硝化工程に供することを特徴とする。
【0047】
さらに、請求項15記載の発明は、請求項1から14のいずれか1項に記載のガス処理方法及びその装置並びにシステムにおいて、被処理ガスは汚泥消化ガスであることを特徴とする。
【0048】
請求項1から15記載のガス処理方法及びその装置並びにそのシステムによる二酸化炭素の除去及び水素生成は、ナトリウムイオン源であるナトリウム化合物の水溶液が導入されるアノードに直流電源の陽極を導通させると共に、被処理ガスが導入されるカソードに同電源の陰極を導通させて、この両極間に直流電圧を印加することにより行う。すなわち、直流電圧が印加されると、アノード側で遊離した電子は当該直流電源を介してカソードに移行し、また同アノードで遊離したナトリウムイオンは電解質膜を介して移動する。このとき、カソード側に滞留している二酸化炭素が、該カソード表面に接触すると、その表面において、ナトリウムイオン及び水成分と反応し炭酸塩の形態で分離除去される。一方、水成分はこの反応に伴い水素ガスに変換される。このようにして、前記発明はガス中に含まれる二酸化炭素を除去すると共に水素ガスを生成することが可能となる。
【0049】
特に、請求項2及び13記載の発明のように、被処理ガスをアソードに供する前に、スクラバーにおいて、水若しくは水酸化ナトリウム水溶液の液滴と接触させてやれば、ガス中のおおまかな二酸化炭素成分は前記微細液体粒子に捕捉されるので、カソードに対する負荷が軽減され、二酸化炭素除去時及び水素ガス生成時の省電力化及び装置システムの小型化が図れる。また、スクラバーから供給された被処理ガスはより水分を含んでいるので、より多くの水素ガスの生成が可能となると同時に、吸蔵させた炭酸塩を容易に水溶液化させることができる。このことは、連続的な二酸化炭素の除去及び水素ガスの生成も可能となる。
【0050】
さらに、二酸化炭素の除去量は電流密度に依存するので、請求項7記載の発明のように、被処理ガスの負荷量に応じた電流密度で設定すれば、より低廉な二酸化炭素ガスの除去及び水素ガスの生成が可能となる。
【0051】
また、得られた炭酸塩はナトリウムイオン源として再利用できるので、請求項8記載の発明のような構成とすることで、前記作用効果はより一層高まる。
【0052】
尚、前記炭酸塩はpH調整剤として使用できるので、請求項3及び14記載の発明のように水処理システムに供すれば、同システムにおける硝化脱窒作用を安定させることができる。そして、請求項15記載の発明のように、汚泥消化ガスを被処理ガスとすれば、ガス中のメタンガスを高濃度に濃縮できるので、水処理システム等から排出汚泥消化化ガスを有効利用できる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0054】
図1は、本発明の実施形態例を示すガス処理システムの概略図である。
【0055】
ガス処理装置1は、ナトリウムイオン源物質(図おいてはNa源と呼称)が供給されるアノード11と被処理ガスが供給されるカソード12とを設けた電解質膜10と、この両極間に直流電圧を印加する電源13と、を備えている。
【0056】
電解質膜10は、ナトリウムイオン導電体からなるものが用いられる。ナトリウムイオン導電体には、例えばナトリウムイオン交換機能を有するポリマー製電解質膜が採用される。前記電解質膜としては、フッ素樹脂または塩化ビニル樹脂を基材とするものがある。また、スチレンとジビニルベンゼンの共重合物を母体とするスルホン酸樹脂、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂、ポリトリフルオロスチレンスルホン酸樹脂、ポリスチレンスルホン酸樹脂、またはフェノールスルホン酸樹脂等を含ませて形成したものがある。
【0057】
ナトリウムイオン源物質には、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液、炭酸ナトリウム(NaCO)水溶液または炭酸水素ナトリウム(NaHCO)水溶液等が採用される。
【0058】
アノード11とカソード12としては、Pt、Au、Cr、Cu及びNi、若しくはこれらの酸化物等が例示され、多孔質性の電極が用いられる。当該電極は、電解質膜10において、スクリーン印刷、はけ塗り、蒸着、溶射、ディップコーティング等によって形成される。
【0059】
電源13は、直流電圧を印加する機能を有するものが採用され、既知のものでよい。電圧を印加するための電源は、一般の定電位電源(ポテンションスタット等)を用いることができるが、電流密度が可変であるものを用いるとよい。尚、電流密度を調節する一つの手段として、印加電圧の調整がある。
【0060】
本実施形態において、ナトリウムイオン源物質は、調整槽4から循環ポンプによって経路142を介して供給管111から供給される。余剰のナトリウムイオン源物質は、排出管112から経路140を介して返送される。
【0061】
調整槽4は、アノード11に供給するナトリウムイオン水溶液を貯留する槽14を備える。このとき、槽内液相のナトリウムイオン濃度は一定に調整される。そのために、調整槽4は、ナトリウムイオン濃度を測定するためのイオン濃度測定手段143と、高濃度ナトリウムイオン源や水を供給するための経路141とを備え、さらに、経路141には、槽14内液相のイオン濃度に基づき開閉動作するバルブ手段を設けている。
【0062】
被処理ガスは、図示省略されたブロアーまたはファン等の移送手段によって経路100を介して供給管121からガス処理装置1内に供給される。二酸化炭素が除去されたガスは、排出管122から経路31を介して気液分離槽3を経た後、経路32を介して系外移送される。気液分離槽3は、炭酸塩の水溶液を滞留させて導入したガスを洗浄する。
【0063】
また、本実施形態では、経路100に、被処理ガスに水(水蒸気でもよい)を供給する水供給手段2を具備させている。水供給手段2は、被処理ガスに水分を供給できるものであれば既知のものよい。例えば、スプレー式のもの等が採用される。水供給手段2によって、カソード12で生成した炭酸塩を容易に水溶液化させることができるので、炭酸塩を系外除去しやすくなると共に、連続的な二酸化炭素の除去及び水素ガスの生成ができる。炭酸塩水溶液は、気液分離槽3に捕集され、ナトリウムイオン源として再利用できる。
【0064】
次に、ガス処理装置1の実施形態を示した。
【0065】
図3(a)は、二枚の電解質膜10を積層した場合の構成例であるが、積層枚数は被処理ガスの負荷量等によって定まる。図示されたように、2枚の電解質膜10が、セパレータ42を介して、積層され、上下からそれぞれプレート41,43が設けられている。このとき、プレート41には、イオン供給源物質(図においてはNa源)の流路が設けられている。セパレータ42の上面には、被処理ガスの流路が設けられ、また下面には、イオン供給源物質の流路が設けられている。セパレータ43には、被処理ガスの流路が設けられている。そして、図3(c)に示されたように、被処理ガスの流入側には供給管121を設けたマニホールド44が、処理ガスの排出側には排出管122を設けたマニホールド45が設置される。また、イオン供給源物質の流入側には、流入管111を設けたマニホールド46が、さらに排出側には、排出管112を設けたマニホールドが設置される。尚、図3(b)に示したように、プレート41,43及びセパレータ42に設けられた流路には、複数の仕切板421を設けるとよい。かかる構成により、被処理ガス及びイオン供給源物質を電解質膜10のアノード面及びカソード面に対し均一に供給することができるので、二酸化炭素除去効率が高まる。
【0066】
図4は、ガス処理装置の他の実施形態を示した概略構成を示す。
【0067】
図4(a)に示したガス処理装置は、アノード11とカソード12を備えた電解質膜10を、アノード側枠体51とカソード側枠体52とで挟み込んで構成されるセル50となっている。このとき、アノード側枠体51には、イオン供給源物質を一時的に滞留させる流路が設けられ、イオン供給源物質を供給するための供給管511と、イオン供給源物質を排出するための排出管512と、が接続される。同様に、カソード側枠体52には、被処理ガスを一時的に滞留させる流路が設けられ、被処理ガスを供給するための供給管521と、処理ガスを排出するための排出管522と、が接続される。また、アノード側枠体51及びカソード側枠体52の流路において、迂流板523が設けられている。図4(a)に開示されたカソード側枠体においては、迂流板523は一枚設置されているが、これに限定されず、図4(b)に示した枠体51,52のように、複数備えてもよい。かかる構成により、被処理ガス及びイオン供給源物質を電解質膜10のアノード面及びカソード面に対し均一に供給することができるので、二酸化炭素除去効率が高まる。
【0068】
また、セル構造を成したガス処理装置は、図4(c)に示したように、被処理ガスの負荷量等に応じて複数設置される。当該形態に係るガス処理装置は、セル50が4枚設置された構成となっている。このとき、装置の側面には、マニホールド53,54,55,56が設置される。マニホールド53には、被処理ガスを供給するための供給管121が接続されている。マニホールド54には、処理ガスを排出するための排出管122が接続されている。マニホールド55には、イオン供給源物質を供給するための供給管111が接続されている。マニホールド56には、イオン供給源物質を排出するための排出管121が接続されている。
【0069】
次に、図1を参照しながら本発明に係るガス処理システムの動作例を説明する。ここでは、ナトリウムイオン源が水酸化ナトリウム水溶液(以下、NaOH水溶液)で、被処理ガスがCHとCOとを含んだガスである場合について述べる。
【0070】
本発明における二酸化炭素ガス除去は、ナトリウムイオン源が導入されるアノード11と前記被処理ガスが導入されるカソード12を備えた電解質膜10の両極間に直流電圧を印加することによって行われる。
【0071】
図1において、アノード11側には供給管111からナトリウムイオン源であるNaOH水溶液が供給され、アノード11はナトリウムイオン源によって浸漬された状態となる。また、カソード12側には、供給管121から被処理ガスが供給される。ここで、被処理ガスには、水供給手段2から水または水蒸気が注入される。そして、アノード11とカソード12の両極間には電源13から直流電圧が印加される。このとき、先ずNaOHが接触したアノード11表面においては、以下の反応が起こる。
【0072】
NaOH → Na+OH …(1)
2OH → 1/2O +HO+ 2e …(2)
そして、ナトリウムイオン(Na)は、アノード11を通過し、電解質膜10を泳動し、カソード12に達する。一方、アノード11側で遊離した電子(e)は、電源13を経由して、カソード12に達する。
【0073】
ここで、気相中の二酸化炭素(CO)及び水分(HO)がカソード12表面に接触すると、以下の反応が起こる。
【0074】
Na+e+CO+HO → NaHCO + 1/2H …(3)
2Na+CO+HO+2e → NaCO + H …(4)
このようにして、被処理ガス中に含まれる二酸化炭素は、炭酸塩の形態でカソード12表面に固定されることで、分離除去される。そして、この反応に伴い水素ガスが生成される。このとき、生成した炭酸塩は、水に溶けた状態で存在し、生成と同時に電極表面から洗い落とされる。そして、生成した炭酸塩水溶液は気液分離槽3にてガスと分離される。このようにして、二酸化炭素の除去と水素ガスの生成を連続的に行うことができる。
【0075】
また、図1に示したように、経路100には、被処理ガスに液滴を接触させるスクラバー15を備えるとなおよい。スクラバー15は、例えばスプレー方式を採用している。液滴となる洗浄水としては、水または水酸化ナトリウム水溶液等がある。
【0076】
被処理ガスをスクラバー15に供すると、ガス中の二酸化炭素成分は、液滴と接触し、これに捕捉される。これにより、被処理ガス中のおおまかな二酸化炭素成分が除去される。また、これに伴い、ガス中に含まれたその他の成分、例えば硫化水素や硫黄酸化物または微細なホコリ成分等が除去されるので、被処理ガスがガス処理装置1に導入されたとき、二酸化炭素成分とカソード12との接触効率が高まる。スクラバー15を通過したガスは、直ちにガス処理装置1に供され、残留した二酸化炭素成分が除去される。スクラバー15にて処理されたガスは水成分をより含んでいるので、カソード12で生じた炭酸塩を容易に水溶液化させると共に、前記(3)及び(4)の反応を促進させることができる。このように、スクラバー15を設けることで、ガス処理装置1に対する二酸化炭素負荷量が軽減されるばかりか、より効率的に二酸炭素を除去及び水素を生成させることができる。
【0077】
したがって、被処理ガスがメタンを含んだガス例えば汚泥消化ガスのようなガスである場合、このガスを本実施形態のガス処理システムに供することで、効率的に濃縮メタンガスを得ることができる。この濃縮メタンガスは、燃料電池やガスタービン等の燃料またはその他の燃料として売却するなどの有効利用が可能となる。
【0078】
下水処理場で発生する汚泥の消化ガスや家畜糞尿設備で発生するバイオガスは有用なエネルギー源として活用が可能であるが、従来の技術においては特に中小容量の処理場において熱源としての用途しか見出すことができなかった。その一つの理由としては、メタンガス濃度が低いことが挙げられる。そこで、汚泥消化ガス中の二酸化炭素成分を前記ガス処理システムで除去することで、前記ガス中のメタンガス濃度を高めることができ、汚泥消化ガスを高発熱量ガスに転換させることができる。
【0079】
また、特に図2に示した実施形態例のように、下水処理システムにおいて、本発明のガス処理システムを具備させれば、汚泥消化ガスを有効利用することができる共に、水処理システムにおける硝化脱窒機能を安定化させることができる。
【0080】
図2に示された水処理システムは、汚泥消化ガスが得られる設備は主に下水処理施設で硝化工程さらには脱窒工程を有する。硝化工程及び脱窒工程の液相は最終沈殿池にて固液分離処理される。最終沈殿池で得られた上澄水は、さらに高度処理に供されるか若しくは放流される。ここで、最終沈殿池にて分離された汚泥の一部は活性汚泥として再利用するために硝化工程に返送される一方で、一部の汚泥は消化させるために汚泥消化工程に供される。汚泥消化工程では、汚泥を好気的または嫌気的に処理している。特に、嫌気処理の過程において、メタンガスを含んだガスが発生する。
【0081】
一般的な下水処理では先ず、硝化工程で下水中の窒素化合物(アンモニア性窒素)を硝化菌の作用で硝酸イオンなど(NO 、NO )に変換し、次いで脱窒工程で脱窒菌の作用により窒素ガス(N)へ還元する必要がある。硝化工程における下水のpHは8〜9の範囲であるが、硝化反応が進行していくとアルカリ度が消費されてpH値が低下する。pH値の低下が生じると処理効率が低下する落ちるばかりでなく、硝化菌が死滅する恐れがある。したがって、pH値を8〜9に調整するために、消石灰(Ca(OH))、ソーダ灰(NaCo)、水酸化ナトリウム(NaOH)といったアルカリ剤(pH調整剤)を投入しなければならない。
【0082】
前述のガス処理装置1のカソード12側から排出される炭酸塩水溶液(廃液)は、そのpH値は8〜10程度であり(尚、二酸化炭素を完全に吸収していない場合は、NaOH成分が高くなるためそれ以上のpH値となる)、アルカリ剤として利用できる。そこで、ガス処理装置1を備えたガス処理システムを下水処理システムに具備させることで、高発熱量ガスの生産と下水処理における硝化脱窒機能を安定化させることができる。
【0083】
以下に本発明のガス処理装置の実施例を示した。
【0084】
図5は、電流密度と二酸化炭素濃度及び水素濃度との関係を示した特性図である。
【0085】
当該実験に係るガス処理システムは、図1記載のシステムにおいて図4記載のガス処理装置を用いたものを採用した。ここでは、セルサイズ200mm×200mmの電解質を二枚積層(有効電極面積:600cm)したガス処理装置に、被処理ガス(ガス成分 二酸化炭素:40%、窒素:60%)を1l/minの流量で供給した。このとき、被処理ガスはスクラバーを介さないでガス処理装置のカソードに供給したまた、印加直流電圧は2.5Vに設定した。さらに、電解質はフッ素樹脂系のものを、ナトリウム化合物の水溶液には水酸化ナトリウム水溶液を、電極にはニッケルからなるものを採用した。
【0086】
図示された結果から明らかなように、電流密度の上昇に伴い、二酸化炭素濃度が減少していくことが確認できる。また、当該実施例においては、電流密度100mA/cm時において二酸化炭素は完全に除去できたことも確認された。
【0087】
ここで、当該実施例の結果に基づき算出した二酸化炭素除去に必要な電力、使用電力による二酸化炭素発生量(1分間)、二酸化炭素固定量(1分間)、水素発生量(1分間)を以下に示した。
【0088】
二酸化炭素除去に必要な電力:2.5[V]×60[A]=150[W]
使用電力による二酸化炭素発生量(1分間):150×1/1000×1/60×0.12/44=0.007[mol] 尚、0.12は、石油火力を電源として用いた時の二酸化炭素排出量を示す。
【0089】
二酸化炭素固定量(1分間):0.4[l/分]×1[分]/22.4[l]=0.018[mol]
水素発生量(1分間):0.018[mol]
かかる計算結果から明らかなように、わずかな電力で二酸化炭素を効率的に除去でき、かつ固定した二酸化炭素と等モルの水素が発生することが確認できる。
【0090】
また、表1に、被処理ガスをスクラバーに供した後にガス処理装置に供給した場合の各処理工程から排出されたガス、すなわちスクラバーを通過したガス(以下、第一処理ガス)及びガス処理装置から排出されたガス(以下、第二処理ガス)の組成を被処理ガスのガス組成と共に開示した。ここでは、被処理ガスの組成をメタン:二酸化炭素=60:40としたこと以外は図5記載の実施例と同様の条件でガスを処理した。
【0091】
【表1】
Figure 2004174370
【0092】
表に示された通り、第一処理ガスのメタンガス濃度は85%、また二酸化炭素濃度は15%となっていることが確認された。さらに、第二処理ガスにおいては、二酸化炭素が検出されず、可燃性ガスの濃度は100%となっていることが確認された。このことは、スクラバーを本発明のガス処理装置と組み合わせることで、ガス処理装置に対する二酸化炭素負荷量が軽減され、二酸化炭素除去及び水素ガス生成における省電力化及び装置システムの小型化が図れることを示唆するものである。
【0093】
図6は、本発明の実施例によるI−V特性を示した特性図である。
【0094】
実施例1に係るガス処理装置は電解質に塩化ビニル系の樹脂からなる電解質膜を、比較例に係るガス処理装置はセラミックス系の電解質を採用した。実施例1及び比較例は、イオン供給源物質に5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を採用し、動作温度は室温の20℃とした。図示された結果から明らかなように、電解質に塩化ビニル系樹脂の電解質膜を採用した実施例2においては、反応が始まってから電流の立ち上がりがよくなり、セラミックス系の電解質よりも、大幅な省電力化が可能であることが確認できる。
【0095】
ここで、図7に実施例1による二酸化炭素の除去特性を示した。当該特性試験は、100mA/cmの定格電流方式で行った。電極面積は300cmに設定した。図から明らかなように、初期濃度約20%の二酸化炭素は電流が流れ始めると同時に除去が始まり、約20分で0.6%程度までに低減させることができることが確認できる。このとき、電流を停止すると、二酸化炭素濃度は上昇し始めることが確認された。そして、当該試験においては、二酸化炭素の除去率は97%となることが確認された。また、二酸化炭素の除去率は電流が流れている間はほぼ一定に保持することも確認された。さらに、ナトリウムイオン供給源を供給続ければ、連続的に二酸化炭素を吸蔵することも確認されている。
【0096】
図8は、本発明の実施例によるI−V特性を示した特性図である。
【0097】
実施例2に係るガス処理装置は電解質にフッ素樹脂系の電解質膜を、比較例に係るガス処理装置はセラミックス系の電解質を採用した。実施例1及び比較例は、イオン供給源物質に5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を採用し、動作温度は86℃とした。図示された結果から明らかなように、電解質にフッ素樹脂系電解質膜を採用した実施例2においては、反応が始まってから電流の立ち上がりがよくなり、セラミックス系の電解質よりも、大幅な省電力化が可能であることが確認できる。
【0098】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の請求項記載のガス処理方法とその装置及びそのシステムによれば、低廉かつ効率的に二酸化炭素を除去及び水素ガスを生成すると共に除去した二酸化炭素成分を有効利用できる。
【0099】
特に、本発明において、二酸化炭素の除去量は電流密度に依存するので、被処理ガスの負荷量に応じた電流密度で設定でき、より低廉な二酸化炭素ガスの除去が可能となる。また、良好なI−V特性が得られるので、省電力化が図れる。
【0100】
さらに、本発明において吸蔵させた炭酸塩は、ナトリウムイオン源として再利用することができるので、大幅なランニングコストの削減が可能となる。
【0101】
そして、電解質は膜構造であると共に、被処理ガスの負荷量に応じた有効反応容量を調整できるため、小規模から大規模な施設までの用途が広がる。
【0102】
また、室温での除去反応が可能で、被処理ガスに水分を供給してやれば、連続的な二酸化炭素の除去ができるので、連続的に二酸化炭素を除去するための装置システムとしては簡略なものとなる。
【0103】
さらに、被処理ガスをアソードに供する前に、水若しくは水酸化ナトリウム水溶液の液滴と接触させてやれることで、ガス中のおおまかな二酸化炭素成分は前記微細液体粒子に捕捉されるので、カソードに対する負荷が軽減され、更なる二酸化炭素除去時及び水素ガス生成時の省電力化及び装置システムの小型化が可能となる。
【0104】
また、被処理ガスが例えば汚泥消化ガスのようなメタンを含んだガスである場合には、本発明によって、該ガスから効率的に濃縮メタンガス(高熱量ガス)を生産することができ、このガスは燃料電池やガスタービンまたはその他の燃料として売却及び利用ができるので、温室効果ガスの有効利用が図れる。
【0105】
さらに、本発明から排出された炭酸塩水溶液は、pH調整剤として使用できるので、水処理システムに供すれば、同システムにおける硝化脱窒作用を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水処理システムの実施形態例を示す概略図。
【図2】本発明に係る水処理システムの実施形態例を示す概略図。
【図3】本発明に係るガス処理装置の実施形態例を示す概略図。
【図4】本発明に係るガス処理装置の実施形態例を示す概略図。
【図5】電流密度と二酸化炭素濃度及び水素濃度との関係を示した特性図。
【図6】本発明(実施例1)と比較例におけるI−V特性図。
【図7】本発明による二酸化炭素の除去特性図。
【図8】本発明(実施例2)と比較例におけるI−V特性図。
【符号の説明】
1…ガス処理装置
2…水供給手段
3…気液分離槽
4…調整槽
10…電解質、11…アノード、12…カソード、13…電源、14…槽、15…スクラバー
42…セパレータ、41,43…プレート、421…仕切板
51…アノード側枠体、52…カソード側枠体、523…迂流板
44,45,46,47,53,54,55,56…マニホールド

Claims (15)

  1. ナトリウムイオン交換機能を有するポリマーからなる電解質膜にアノードとカソードとを設け、アノードにはナトリウム化合物の水溶液を接触すると共に、カソードには二酸化炭素と水分とを含むガスを供し、この両極間に直流電圧を印加することにより、カソード側において前記ガス中の二酸化炭素を炭酸塩の形態で分離除去すると共に水素ガスを生成することを特徴とするガス処理方法。
  2. 二酸化炭素と水分とを含むガスを、スクラバーにおいて水若しくは水酸化ナトリウム水溶液の液滴と接触させた後に、前記カソードに供すること
    を特徴とする請求項1記載のガス処理方法。
  3. カソード側から排出された炭酸塩の水溶液を水処理の硝化工程におけるpH調整剤として用いること
    を特徴とする請求項1または2記載のガス処理方法。
  4. 前記ポリマーからなる電解質膜は、塩化ビニル樹脂またはフッ素樹脂を基材とすること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のガス処理方法。
  5. 前記電解質膜は、スチレンとジビニルベンゼンの共重合物を母体とするスルホン酸樹脂、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂、ポリトリフルオロスチレンスルホン酸樹脂、ポリスチレンスルホン酸樹脂、フェノールスルホン酸樹脂のいずれかを含んで形成した
    を特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のガス処理方法。
  6. 前記ナトリウム化合物は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム若しくは塩化ナトリウムの何れかであること
    を特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のガス処理方法。
  7. アノードとカソードとの間に直流電圧を印加する際、電流密度を調整することで、二酸化炭素の除去量を調整すること
    を特徴とする請求項1から6いずれか1項に記載のガス処理方法。
  8. 被処理ガスに水を混合させたことにより前記カソード側に生成した炭酸塩の水溶液を、ナトリウムイオン源物質として回収して、前記アノードに供給すること
    を特徴とする請求項1から7いずれか1項に記載のガス処理方法。
  9. ナトリウムイオン交換機能を有するポリマーからなる電解質膜と、
    前記電解質膜に設けられ、ナトリウム化合物の水溶液が供されるアノードと、
    前記電解質膜に設けられ、二酸化炭素と水分とを含むガスが供されるカソードとを備え、
    この両極間に直流電圧を印加してカソード側においてガス中の二酸化炭素を炭酸塩として分離除去すると共に水素ガスを生成させる
    を特徴とするガス処理装置。
  10. ナトリウムイオン交換機能を有するポリマーからなる電解質膜と該電解質膜に設けられナトリウムイオン源物質の水溶液が供給されるアノードと該電解質膜に設けられ二酸化炭素と水分とを含むガスが供給されるカソードとを設けてなる単位セルをセパレータによって複数積層してスタックを構成し、このスタックの周囲にナトリウムイオン源物質の水溶液と被処理ガスの各々を流通させるマニホールドを設け、
    前記各単位セルにおけるアノードとカソードの両極間に直流電源を印加してカソード側においてガス中の二酸化炭素を炭酸塩として分離除去すると共に水素ガスを生成させる
    を特徴とするガス処理装置。
  11. 前記アノードは、ナトリウムイオン源物質水溶液中に浸漬されて前記電解質膜に接触していること
    を特徴とする請求項9または10記載のガス処理装置。
  12. 前記電解質膜のアノード側には、ナトリウムイオン源物質水溶液を一時的に滞留させてアノード表面に臨ませる流路を形成したアノード側枠体を設けると共に、該電解質膜のカソード側には、被処理ガスを一時的に滞留させてカソード表面に臨ませる流路を形成したカソード側枠体を設けたこと
    を特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載のガス処理装置。
  13. 請求項9から12のいずれか1項に記載のガス処理装置と、このガス処理装置のアノードに供される被処理ガスを水若しくは水酸化ナトリウム水溶液の液滴と接触させるスクラバーとを備えたこと
    を特徴とするガス処理システム。
  14. 前記ガス処理装置のカソード側から供された炭酸塩水溶液をpH調整剤として水処理システムにおける硝化工程に供すること
    を特徴とする請求項13記載のガス処理システム。
  15. 被処理ガスは汚泥消化ガスであること
    を特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載のガス処理方法及びその装置並びにシステム。
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