JP2004174371A - ガス処理方法とそのシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】より低廉かつ効率的さらに安定した二酸化炭素の除去を実現すると共に、除去した二酸化炭素成分を有効的に利用する。
【解決手段】ナトリウムイオンを透過する電解質膜10とナトリウム化合物の水溶液が供されるアノード11と被処理ガスが供されるカソード12とを備え、この両極間に直流電圧を印加してカソード12側においてガス中の二酸化炭素を炭酸塩の形態で分離除去するガス処理装置1と、ナトリウムイオンを透過する電解質膜を設置してアノード室とカソード室を形成しアノード室に炭酸塩の水溶液を供給する経路とカソード室に水を供給する経路とを備え前記両室の液相間に直流電圧を印加してカソード室において水酸化ナトリウムを生成する再生槽3と、カソード室で生成した水酸化ナトリウム水溶液のナトリウムイオン濃度及びガス処理装置1のアノードへの供給量を一定に制御する調整槽4とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】ナトリウムイオンを透過する電解質膜10とナトリウム化合物の水溶液が供されるアノード11と被処理ガスが供されるカソード12とを備え、この両極間に直流電圧を印加してカソード12側においてガス中の二酸化炭素を炭酸塩の形態で分離除去するガス処理装置1と、ナトリウムイオンを透過する電解質膜を設置してアノード室とカソード室を形成しアノード室に炭酸塩の水溶液を供給する経路とカソード室に水を供給する経路とを備え前記両室の液相間に直流電圧を印加してカソード室において水酸化ナトリウムを生成する再生槽3と、カソード室で生成した水酸化ナトリウム水溶液のナトリウムイオン濃度及びガス処理装置1のアノードへの供給量を一定に制御する調整槽4とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス処理方法とそのシステム、特に、ガス中の二酸化炭素の除去を低廉かつ効率的に行い、さらには除去した二酸化炭素成分を有効するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
1998年12月、京都市で、2000年以降における地球温暖化防止のための新たな国際的枠組みを決定する気候変動枠条約第3回締約国会議(地球温暖化防止会議、COP3)が開催された。京都会議では、先進国全体の温室効果ガスを2008〜2012年において1990年比5%強削減する数値目標などを含む「京都議定書」が採択され、この中で我が国についての数値目標は1990年比6%削減とされている。
【0003】
温室効果ガスの人為的排出の多くを占めるのが、エネルギーの燃焼に伴って発生する二酸化炭素(CO2)である。我が国は、石油危機以降積極的な省エネルギー努力を行った結果、産業部門のエネルギー利用効率は世界最高水準にあり、GDP当りの一次エネルギー消費も米国の約3分の1、ドイツの約2分の1と他の先進国と比較して低い水準にある。
【0004】
しかし、近年の運輸、民生部門を中心としたエネルギー消費の著しい伸びに伴い、エネルギー起因の二酸化炭素排出量は1995年度には1990比8%強の大幅な増加となっている。このことから、京都議定書の目標の達成に向けては、直ちに最大限の対策に着手していく必要がある。
【0005】
京都議定書において、温室効果ガスは二酸化炭素(CO2)、メタンガス(CH4)、亜酸化窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカーボン(PFC)、六フッ化硫黄(SF6)の6種類とされているが、我が国における温室効果ガスの排出量は1995年度において1990年度比8.6%増加している。このうち、全体の9割近くを占めるとともに、経済社会活動全体と密接な関わりを持つのがエネルギーの燃焼に伴って発生する二酸化炭素である。
【0006】
我が国におけるこれらのエネルギー起因の二酸化炭素排出量は1980年代後半から急激な増加傾向にあり、特に近年は運輸、民生部門の伸びが著しく、1995年度には1990年度比8.1%の大幅な増加となっている。したがって、我が国で今後国内の温室効果ガス対策を考える際の中心的課題となるのが、運輸、民生部門での対策強化をはじめとしたエネルギー起因の二酸化炭素削減対策である。
【0007】
尚、二酸化炭素については、正確な量の把握は難しいものの森林等の働きによって吸収されるといわれており、また二酸化炭素固定技術に関する研究開発も進められている。さらに、代替フロン類(HFC,PFC及びSF6)については半導体洗浄や製品の中の冷媒として使われ、市中に残存しているものを回収し、分解するための技術開発等が進められている。
【0008】
このように、温室効果ガス対策の全体において、ガスの排出削減対策を進める一方で、森林・農地の保全・整備や代替フロン類の回収に係るシステム創りなど、ガスの吸収・固定や回収・分離等に係る各種の対策を進めることも極めて重要である。
【0009】
排ガスのCO2排出濃度としては、排ガス中でディーゼルエンジンが約10%、ボイラーで約13%、下水処理場、食品工場の消化ガスで約40%である。
【0010】
現在、多くの分野で二酸化炭素を分解・回収するための方法及び装置等の開発が進められている。特に、室温付近においてはゼオライト触媒などを用いて吸着・脱着する圧力スイング法(非特許文献1)、高分子膜を用いた膜分離法(特許文献1)、水及びアルカリ水溶液などへ溶解する方法(非特許文献2)などが開発され、これらが主流となっている。
【0011】
圧力スイング法は、ゼオライトなどの二酸化炭素吸着性物質を充填し、二酸化炭素を吸着させている。そして、吸着が飽和した後は、低圧若しくは高温状態に保持し、吸着した二酸化炭素を放出している。しかしながら、この方法を用いる場合、二酸化炭素以外に水成分も吸着されるため、前段に脱水装置を設ける必要がある。また、連続処理が不可能であり、処理塔を最低2つ必要、加温設備、真空装置設備などの付加設備が必要で大規模な設備となる。
【0012】
高分子膜を用いた膜分離法は、二酸化炭素選択透過性の膜(ポリ([1−トリメチルシリル])プロピレン、ポリジメチルシロキサン等)の一方に加圧ガスを導入し、二酸化炭素を選択的に透過させ、二酸化炭素濃度を高める方法である。しかしながら、かかる方法では、膜自身に受けるガス圧力・二酸化炭素透過性を最適化するのが難しく高価となる。また、一般に、二酸化炭素の他に窒素、酸素などの気体も透過するため、完全な分離は困難となる。さらに、ガス加圧装置などの付加設備も大型となる。
【0013】
水及びアルカリ水溶液などへ溶解する方法は、大きく二つの方法がある。第一の方法は、水酸化ナトリウム水溶液に二酸化炭素を吸収させて炭酸塩(Na2CO3)となる現象を用いたものである。
【0014】
2NaOH + CO2 → Na2CO3 + H2O
かかる手段は非常に簡単な方法であるが、生成した炭酸塩(Na2CO3)の後処理が困難であり(塩酸による中和)、これまでは加熱・乾燥後廃棄処分されているのが現状である。
【0015】
また、第二の方法は、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)の熱分解・吸収法を利用している。
【0016】
2NaHCO3 → Na2CO3 + CO2 + H2O (65℃以上)
Na2CO3 + CO2 + H2O → 2NaHCO3 (室温〜50℃)
かかる方法では、炭酸水素ナトリウムの二酸化炭素に対する吸収量及び吸収速度が水酸化ナトリウム水溶液に対して非常に遅いため非効率となる。
【0017】
そこで、発明者らは、特許文献2に記載の二酸化炭素の除去方法を創出している。この方法は、正極(アノード)と負極(カソード)とを設けた固体電解質の正極(アノード)に、イオン供給源物質を接触させ、かつ、固定電解質の負極(カソード)に、二酸化炭素及び酸素を含有したガスを接触すると共に、正負極間に電圧を印加することにより、負極側にガス中の二酸化炭素を炭酸塩として分離固定している。炭酸塩はアノードにおけるイオン供給源物質として再利用できる。
【0018】
【非特許文献1】
長倉三郎他編「理化学辞典」、岩波書店
【0019】
【特許文献1】
特許第2521884号公報(第2〜4頁)
【0020】
【非特許文献2】
化学大辞典編集委員会編「化学大辞典」、共立出版
【0021】
【特許文献2】
特開平2002−239373号(第2〜4頁、図1)
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献2において、カソード側から二酸化炭素吸蔵によって排出される炭酸塩(主に炭酸水素ナトリウム)は室温の下においては約1mol/l程度しか水に溶解しない。このため、排出された炭酸塩の水溶液は、水分を蒸発させてもアノード側に用いる水酸化ナトリウム水溶液の濃度まで濃縮できない。したがって、これをそのままイオン供給源物質として利用すると、アノード側におけるナトリウムイオン濃度が低下してしまう。このことは、結果として、高濃度ナトリウム源の投入量が増加することになる。さらには、炭酸塩が溶けきれずに沈殿して配管を詰まらせる原因となり得る。これらのことは、二酸化炭素除去機能の安定性を欠くことととなる。
【0023】
また、二酸化炭素の除去に伴い、吸蔵した炭酸塩は増えていくが、この炭酸成分をどのように取り扱うかが問題となる。
【0024】
本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、その目的は、より低廉かつ効率的さらに安定した二酸化炭素の除去を実現すると共に、除去した二酸化炭素成分を有効的に利用できるガス処理方法とそのシステムの提供にある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は以下のことを特徴とする。
【0026】
請求項1記載の発明は、ガス処理方法であって、
ナトリウムイオンを透過する電解質膜にアノードとカソードとを設け、アノードにはナトリウム化合物の水溶液を接触すると共に、カソードには被処理ガスを供し、この両極間に直流電圧を印加することにより、カソード側において前記ガス中の二酸化炭素を炭酸塩の形態で分離除去する工程と、
ナトリウムイオンを透過する電解質膜を介してアノード液相とカソード液相を形成し、アノード液相には前記炭酸塩の水溶液を供給すると共にカソード液相には水を供給し、この液相間に直流電圧を印加することにより、カソード液相において水酸化ナトリウムを生成する工程と、
この工程で得た水酸化ナトリウムの水溶液のナトリウムイオン濃度を調整した後、この水溶液を前記アノードに供給する工程とを有することを特徴とする。
【0027】
請求項2記載の発明は、ガス処理方法であって、
ナトリウムイオンを透過する電解質膜にアノードとカソードとを設け、アノードにはナトリウム化合物の水溶液を接触すると共に、カソードには被処理ガスを供し、この両極間に直流電圧を印加することにより、カソード側において前記ガス中の二酸化炭素を炭酸塩の形態で分離除去する工程と、
前記炭酸塩を塩酸水溶液と反応させて、炭酸塩を二酸化炭素として遊離して系外に移送する工程と、
ナトリウムイオンを透過する電解質膜を介してアノード液相とカソード液相を形成し、アノード液相には炭酸塩と塩酸水溶液との反応によって生じた塩の水溶液を供給すると共にカソード液相には水を供給し、この液相間に直流電圧を印加することにより、カソード液相において水酸化ナトリウムを生成する工程と、
この工程で得た水酸化ナトリウムの水溶液のナトリウムイオン濃度を調整した後、この水溶液を前記アノードに供給する工程とを有することを特徴とする。
【0028】
請求項3記載の発明は、請求項1または2項に記載のガス処理方法において、被処理ガスを、スクラバーにおいて水若しくは水酸化ナトリウム水溶液の液滴と接触させた後に、前記カソードに供することを特徴とする。
【0029】
請求項4記載の発明は、請求項1から3項に記載のガス処理方法において、
カソード側から排出された炭酸塩の水溶液を水処理の硝化工程におけるpH調整剤として用いること
を特徴とする。
【0030】
請求項5記載の発明は、ガス処理システムであって、
ナトリウムイオンを透過する電解質膜と、前記電解質膜に設けられナトリウム化合物の水溶液が供されるアノードと、前記電解質膜に設けられ被処理ガスが供されるカソードと、を備え、この両極間に直流電圧を印加してカソード側においてガス中の二酸化炭素を炭酸塩の形態で分離除去するガス処理装置と、
ナトリウムイオンを透過する電解質膜を設置してアノード室とカソード室を形成すると共に、アノード室に炭酸塩の水溶液を供給する経路と、カソード室に水を供給する経路と、を備え、前記両室の液相間に直流電圧を印加してカソード室において水酸化ナトリウムを生成する再生槽と、
前記カソード室で生成した水酸化ナトリウムの水溶液が供給され、この水溶液のナトリウムイオン濃度及び前記ガス処理装置のアノードへの供給量を一定に制御する調整槽とを備えたことを特徴とする。
【0031】
請求項6記載の発明は、ガス処理システムであって、
ナトリウムイオンを透過する電解質膜と、前記電解質膜に設けられナトリウム化合物の水溶液が供されるアノードと、前記電解質膜に設けられ被処理ガスが供されるカソードと、を備え、この両極間に直流電圧を印加してカソード側においてガス中の二酸化炭素を炭酸塩の形態で分離除去するするガス処理装置と、
前記カソードで生成した炭酸塩に強酸の水溶液を供する酸供給経路と、
ナトリウムイオンを透過する電解質膜を設置してアノード室とカソード室を形成すると共に、アノード室に炭酸塩と塩酸水溶液との反応によって生じた塩の水溶液を供給する経路と、カソード室に水を供給する経路と、を備え、前記両室の液相間に直流電圧を印加してカソード室において水酸化ナトリウムを生成する再生槽と、
前記カソード室で生成した水酸化ナトリウムの水溶液が供給され、この水溶液のナトリウムイオン濃度及び前記ガス処理装置のアノードへの供給量を一定に制御する調整槽とを備えたことを特徴とする。
【0032】
請求項7記載の発明は、請求項5から6のいずれか1項に記載のガス処理システムにおいて、ガス処理装置のアノードに供される被処理ガスを水若しくは水酸化ナトリウム水溶液の液滴と接触させるスクラバーとを備えたことを特徴とする。
【0033】
請求項8記載の発明は、請求項5から7のいずれか1項に記載のガス処理システムにおいて、ガス処理装置から排出された炭酸塩水溶液をpH調整剤として水処理システムにおける硝化工程に供することを特徴とする。
【0034】
請求項9記載の発明は、請求項5から8のいずれか1項に記載のガス処理方法とそのシステムにおいて、被処理ガスは汚泥消化ガスであることを特徴とする。
【0035】
請求項1から9記載の発明は、二酸化炭素成分の除去に伴い吸蔵した炭酸塩を水酸化ナトリウムの水溶液に変換し、これを二酸化炭素除去に供するナトリウム化合物水溶液として利用しているので、大幅なランニングコストの削減が可能となる。このとき、アノード側におけるナトリウム化合物水溶液のナトリウムイオン濃度を一定に保持させているので、二酸化炭素の除去性能は安定する。
【0036】
また、請求項3及び7記載の発明のように、被処理ガスをアソードに供する前に、スクラバーにおいて、水若しくは水酸化ナトリウム水溶液の液滴と接触させてやれば、ガス中のおおまかな二酸化炭素成分は前記微細液体粒子に捕捉されるので、カソードに対する負荷が軽減され、二酸化炭素除去時及び水素ガス生成時の省電力化及び装置システムの小型化が図れる。そして、スクラバーから供給された被処理ガスはより水分を含んでいるので、より多くの水素ガスの生成が可能となると同時に、吸蔵させた炭酸塩を容易に水溶液化させることができる。このことは、連続的な二酸化炭素の除去及び水素ガスの生成も可能となる。
【0037】
さらに、前記炭酸塩はpH調整剤として使用できるので、請求項4及び8記載の発明のように水処理システムに供すれば、同システムにおける硝化脱窒作用を安定させることができる。
【0038】
そして、請求項9記載の発明のように、汚泥消化ガスを被処理ガスとすれば、ガス中のメタンガスを高濃度に濃縮できるので、水処理システム等から排出された汚泥消化化ガスを燃料電池、ガスタービン等の燃料や、燃料として売却するなどの有効利用に供することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0040】
(実施形態1)
図1は、本実施形態のガス処理処理システムの概略図である。
【0041】
ガス処理装置1は、ナトリウム化合物水溶液(図おいてはNa+源と呼称)が供給されるアノード11と被処理ガスが供給されるカソード12とを設けた電解質膜10と、この両極間に直流電圧を印加する電源13と、を備えている。
【0042】
電解質膜10は、ナトリウムイオンの導電体からなるものが用いられる。ナトリウムイオン導電体には、例えばナトリウムイオン交換機能を有するポリマー製電解質膜が採用される。前記電解質膜としては、フッ素樹脂または塩化ビニル樹脂を基材とするものがある。さらには、スチレンとジビニルベンゼンの共重合物を母体とするスルホン酸樹脂、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂、ポリトリフルオロスチレンスルホン酸樹脂、ポリスチレンスルホン酸樹脂、またはフェノールスルホン酸樹脂等を含ませて形成したものがある。
【0043】
ナトリウム化合物水溶液には、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液、炭酸ナトリウム(Na2CO3)水溶液または炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)水溶液等が採用される。
【0044】
アノード11とカソード12としては、Pt、Au、Cr、Cu及びNi、若しくはこれらの酸化物等が例示され、多孔質性の電極が用いられる。当該電極は、電解質膜10において、スクリーン印刷、はけ塗り、蒸着、溶射、ディップコーティング等によって形成される。
【0045】
電源13は、直流電圧を印加する機能を有するものが採用され、既知のものでよい。電圧を印加するための電源は、一般の定電位電源(ポテンションスタット等)を用いることができるが、電流密度が可変であるものを用いるとよい。尚、電流密度を調節する一つの手段として、印加電圧の調整がある。
【0046】
ここで、図3及び図4にガス処理装置1の実施形態例を示した。
【0047】
図3(a)に示したガス処理装置は、アノード11とカソード12を備えた電解質膜10を、アノード側枠体31とカソード側枠体32とで挟み込んで構成されるセル30となっている。このとき、アノード側枠体31には、ナトリウム化合物水溶液(図においてはNa+源と呼称)を一時的に滞留させる流路が設けられ、この水溶液を供給するための供給管311と、この水溶液を排出するための排出管312と、が接続される。同様に、カソード側枠体32には、被処理ガスを一時的に滞留させる流路が設けられ、被処理ガスを供給するための供給管321と、処理ガスを排出するための排出管322と、が接続される。また、アノード側枠体51及びカソード側枠体32の流路において、迂流板323が設けられている。図3(a)に開示されたカソード側枠体においては、迂流板323は一枚設置されているが、これに限定されず、図3(b)に示した枠体31,32のように、複数備えてもよい。かかる構成により、被処理ガス及びナトリウム化合物水溶液を電解質膜10のアノード面及びカソード面に対し均一に供給することができるので、二酸化炭素除去効率が高まる。
【0048】
また、セル構造を成したガス処理装置は、図3(c)に示したように、被処理ガスの負荷量等に応じて複数設置される。当該形態に係るガス処理装置は、セル30が3枚設置された構成となっている。このとき、装置の側面には、マニホールド33,34,35,36が設置される。マニホールド33には、被処理ガスを供給するための供給管121が接続されている。マニホールド34には、処理ガスを排出するための排出管122が接続されている。マニホールド35には、ナトリウム化合物水溶液を供給するための供給管111が接続されている。マニホールド36には、ナトリウム化合物水溶液を排出するための排出管121が接続されている。
【0049】
図4(a)は、二枚の電解質膜10を積層した場合の構成例である。積層枚数は被処理ガスの負荷量等によって定まる。図示されたように、2枚の電解質膜10が、セパレータ42を介して、積層され、上下からそれぞれプレート41,43が設けられている。このとき、プレート41には、ナトリウム化合物水溶液(図においてはNa+源)の流路が設けられている。セパレータ42の上面には、被処理ガスの流路が設けられ、また下面には、ナトリウム化合物水溶液の流路が設けられている。セパレータ43には、被処理ガスの流路が設けられている。そして、図4(c)に示されたように、被処理ガスの流入側には供給管121を設けたマニホールド44が、処理ガスの排出側には排出管122を設けたマニホールド45が設置される。また、ナトリウム化合物水溶液の流入側には、流入管111を設けたマニホールド46が、さらに排出側には、排出管112を設けたマニホールドが設置される。尚、図4(b)に示したように、プレート41,43及びセパレータ42に設けられた流路には、複数の仕切板421を設けるとよい。かかる構成により、被処理ガス及びナトリウム化合物水溶液を電解質膜10のアノード面及びカソード面に対し均一に供給することができるので、二酸化炭素除去効率が高まる。
【0050】
図1においては、ナトリウム化合物水溶液(Na+源)は、調整槽4から循環ポンプによって経路142を介して供給管111から供給される。余剰のナトリウム化合物水溶液は、排出管112から経路140を介して返送される。
【0051】
調整槽4は、アノード11に供給するためのナトリウム化合物水溶液を一時的に貯留するためのタンク14を備える。このとき、タンク14内液相のナトリウムイオン濃度は一定に調整される。そのために、調整槽4は、ナトリウムイオン濃度を測定するためのイオン濃度測定手段143と、高濃度ナトリウムイオン源や水を供給するための経路141とを備え、さらに、経路141には、タンク14内液相のイオン濃度に基づき開閉動作するバルブ手段を設けている。イオン濃度測定手段としては、例えば、pH測定機能を備え、pH値に基づきナトリウムイオンの濃度を算出している。
【0052】
被処理ガスは、図示省略されたブロアーまたはファン等の移送手段によって経路100を介して供給管121からガス処理装置1内に供給される。二酸化炭素が除去されたガスは、排出管122から経路31を介して気液分離槽3を経た後、経路32を介して系外移送される。気液分離槽3は、炭酸塩の水溶液を滞留させて導入したガスを洗浄する。
【0053】
また、本実施形態では、経路100に、被処理ガスに水(水蒸気でもよい)を供給する水供給手段2を具備させている。水供給手段2は、被処理ガスに水分を供給できるものであれば既知のものよい。例えば、スプレー式のもの等が採用される。水供給手段2によって、カソード12で生成した炭酸塩を容易に水溶液化させることができるので、炭酸塩を系外除去しやすくなり、連続的な二酸化炭素の除去ができる。炭酸塩水溶液は、気液分離槽3に捕集され、ナトリウムイオン源として再利用できる。
【0054】
さらに、本実施形態においては、吸蔵させた炭酸塩から水酸化ナトリウムの水溶液を得るための再生槽5を具備している。
【0055】
再生槽5の実施形態例の概略を図5に示した。図5(a)は炭酸塩水溶液が供された場合、図5(b)は炭酸水素水溶液が供された場合の形態例である。
【0056】
再生槽5は、炭酸塩水溶液が供給される槽50がイオン導電体54で仕切られた2槽構造となっている。そして、炭酸塩水溶液が供給される槽には直流電源53の陽極と導通可能なアノード51が設置され、また他方の槽には、純水が供給され、同電源63の陰極と導通可能なカソード52が設置されている。イオン導電体54は、ナトリウムイオンと水素イオンとを通過させることができるものであれば公知のものでよい。また、イオン導電体54は、ナトリウムイオン(Na+)と水素イオン(H+)が同時に透過するものまたはそれぞれイオンが透過する2つのイオン導電体の組み合わせたものが採用される。イオン導電体としては、例えば、NASICON、β−アルミナなどの、ナトリウムイオン導電性セラミックや、ナフィオンに代表されるナトリウムイオン透過性の電解質膜がある。また、その他の電解質膜としては、先で述べたフッ素樹脂、塩化ビニル樹脂またはスルホン酸樹脂等を含ませて形成したものがある。
【0057】
次に、図1及び図5を参照しながら、本実施形態のガス処理システムの動作例について説明する。ここでは、ナトリウムイオン源が水酸化ナトリウム水溶液(以下、NaOH水溶液)で、被処理ガスがCH4とCO2とを含んだガスである場合について述べる。
【0058】
当該ガス処理システムにおける二酸化炭素ガス除去は、アノード11とカソード12のと間に直流電圧を印加することによって行われる。
【0059】
すなわち、図1において、アノード11側には供給管111からNaOH水溶液が供給され、アノード11はこのナトリウムイオン源によって浸漬された状態となる。また、カソード12側には、供給管121から被処理ガスが供給される。ここでは、被処理ガスには、水供給手段2から水または水蒸気が注入される。そして、アノード11とカソード12の両極間には電源13から直流電圧が印加される。このとき、先ずNaOHが接触したアノード11表面においては、以下の反応が起こる。
【0060】
NaOH → Na++OH− …(1)
2OH− → 1/2O2 +H2O+ 2e− …(2)
そして、ナトリウムイオン(Na+)は、アノード11を通過し、電解質膜10を泳動し、カソード12に達する。一方、アノード11側で遊離した電子(e−)は、電源13を経由して、カソード12に達する。
【0061】
ここで、気相中の二酸化炭素(CO2)及び水分(H2O)がカソード12表面に接触すると、以下の反応が起こる。
【0062】
Na++e−+CO2+H2O → NaHCO3 + 1/2H2 …(3)
2Na++CO2+H2O+2e− → Na2CO3 + H2 …(4)
このようにして、被処理ガス中に含まれる二酸化炭素は、炭酸塩の形態でカソード12表面に固定されることで、分離除去される。そして、この反応に伴い水素ガスが生成される。このとき、生成した炭酸塩は、水に溶けた状態で存在し、生成と同時に電極表面から洗い落とされる。そして、生成した炭酸塩水溶液は気液分離槽3にてガスと分離される。このようにして、二酸化炭素の除去を連続的に行うことができる。
【0063】
ここで、図示されたように、経路100には、被処理ガスに液滴を接触させるスクラバー15を備えるとなおよい。スクラバー15は、例えばスプレー方式を採用している。液滴となる洗浄水としては、水または水酸化ナトリウム水溶液等がある。
【0064】
被処理ガスをスクラバー15に供すると、ガス中の二酸化炭素成分は、液滴と接触し、これに捕捉される。これにより、被処理ガス中のおおまかな二酸化炭素成分が除去される。また、これに伴い、ガス中に含まれたその他の成分、例えば硫化水素や硫黄酸化物または微細なホコリ成分等が除去されるので、被処理ガスがガス処理装置1に導入されたとき、二酸化炭素成分とカソード12との接触効率が高まる。スクラバー15を通過したガスは、直ちにガス処理装置1に供され、残留した二酸化炭素成分が除去される。スクラバー15にて処理されたガスは水成分をより含んでいるので、カソード12で生じた炭酸塩を容易に水溶液化させると共に、前記(3)及び(4)の反応を促進させることができる。このように、スクラバー15を設けることで、ガス処理装置1に対する二酸化炭素負荷量が軽減されるばかりか、より効率的に二酸炭素を除去できるばかりでなく、水素も生成させることができる。
【0065】
一方、炭酸塩水溶液は、再生槽5に供されると、図5(a)及び図5(b)に示したように、水酸化ナトリウム水溶液に変換される。
【0066】
炭酸ナトリウムが供された場合、図5(a)に示したように、ナトリウムイオン(Na+)と炭酸イオン(CO3 2−)に、水は若干の水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH−)に電離している。この状態で、炭酸ナトリウム水溶液側をアノード(+)、純水側をカソード(−)として電位をかけると、ナトリウムイオンと水素イオンはイオン導電体膜を透過していく。このとき、アノード(+)側では、炭酸イオンと水酸化物イオンが平衡分圧・電位の影響により電子を放出して、炭酸イオンが二酸化炭素と酸素に、水酸化物イオンは酸素となって、大気中に放出される。反対に、カソード(−)側へ透過したナトリウムイオンは電極から電子を受け取り金属ナトリウムとなるが、水(H2O)と作用し、NaOHとH2が生成される。透過した水素イオンも電極から電子を受け取り水素ガスとなる。そして、十分時間が透過した後の、カソード(−)側は高濃度の水酸化ナトリウム水溶液となっており、炭酸ナトリウム水溶液を水酸化ナトリウム水溶液として分離・回収できる。また、この方式は水の電気分解も兼ね備えているため、水素の供給源としても利用できる。このようにして得られた水酸化ナトリウム溶液は、図示省略されたポンプ等の移送手段によって、調整槽4に供給され、ナトリウムイオンの濃度が所定濃度(例えば5〜10mol/l)に調整された後に、ガス処理装置1のアノード11に適宜供給される。NaOH再生に係る反応を以下にまとめた。
【0067】
2Na+と2H+は、イオン導電体64を介してカソード側へ移動する。
【0068】
また、ガス処理装置1のカソード12において、十分な水(H2O)が存在した場合、温度が低いときは完全に炭酸ナトリウム水溶液とならず、炭酸水素ナトリウム水溶液となる場合がある。
【0069】
図5(b)は、この炭酸水素ナトリウムから水酸化ナトリウム水溶液を再生する場合の実施形態である。水酸化ナトリウム水溶液の再生の原理は図5(a)と同様である。すなわち、アノード51側の炭酸水素ナトリウム水溶液はナトリウムイオンと炭酸イオンとに電離し電極へ電子を放出して二酸化炭素及び酸素を放出する。分離したナトリウムイオンと水素イオンは、イオン導電体54を通って、カソード52側に移動し、水と反応して水素を発生しながら、水酸化ナトリウムとなる。得られた水素ガスは燃料ガスとして利用できる。このようにして得られた水酸化ナトリウム水溶液は、図示省略されたポンプ等の移送手段によって、調整槽4に供給され、ナトリウムイオンの濃度が所定濃度(例えば5〜10mol/l)に調整された後に、ガス処理装置1のアノード11に適宜供給される。NaOH再生に係る反応を以下にまとめた。
【0070】
2Na+と2H+は、イオン導電体64を介してカソード側へ移動する。
【0071】
以上のように、本実施形態に係るガス処理システムによれば、ナトリウムイオン源の回収・再利用を行え、低廉に二酸化炭素を除去することができる。
【0072】
また、被処理ガスがメタンを含んだガス例えば汚泥消化ガスのようなガスである場合、このガスを本実施形態のガス処理システムに供することで、効率的に濃縮メタンガスを得ることができる。この濃縮メタンガスは、燃料電池やガスタービン等の燃料またはその他の燃料として売却するなどの有効利用が可能となる。
【0073】
下水処理場で発生する汚泥の消化ガスや家畜糞尿設備で発生するバイオガスは有用なエネルギー源として活用が可能であるが、従来の技術においては特に中小容量の処理場において熱源としての用途しか見出すことができなかった。その一つの理由としては、メタンガス濃度が低いことが挙げられる。そこで、汚泥消化ガス中の二酸化炭素成分を前記ガス処理システムで除去することで、前記ガス中のメタンガス濃度を高めることができ、汚泥消化ガスを高発熱量ガスに転換させることができる。
【0074】
そして、特に図2に示した実施形態例のような下水処理システムにおいて、本発明のガス処理システムを具備させれば、汚泥消化ガスを有効利用することができる共に、水処理システムにおける硝化脱窒機能を安定化させることができる。
【0075】
図2に示された水処理システムは、汚泥消化ガスが得られる設備は主に下水処理施設で硝化工程さらには脱窒工程を有する。硝化工程及び脱窒工程の液相は最終沈殿池にて固液分離処理される。最終沈殿池で得られた上澄水は、さらに高度処理に供されるか若しくは放流される。ここで、最終沈殿池にて分離された汚泥の一部は活性汚泥として再利用するために硝化工程に返送される一方で、一部の汚泥は消化させるために汚泥消化工程に供される。汚泥消化工程では、汚泥を好気的または嫌気的に処理している。特に、嫌気処理の過程において、メタンガスを含んだガスが発生する。
【0076】
一般的な下水処理では先ず、硝化工程で下水中の窒素化合物(アンモニア性窒素)を硝化菌の作用で硝酸イオンなど(NO2 −、NO3 −)に変換し、次いで脱窒工程で脱窒菌の作用により窒素ガス(N2)へ還元する必要がある。硝化工程における下水のpHは8〜9の範囲であるが、硝化反応が進行していくとアルカリ度が消費されてpH値が低下する。pH値の低下が生じると処理効率が低下する落ちるばかりでなく、硝化菌が死滅する恐れがある。したがって、pH値を8〜9に調整するために、消石灰(Ca(OH)2)、ソーダ灰(Na2Co3)、水酸化ナトリウム(NaOH)といったアルカリ剤(pH調整剤)を投入しなければならない。
【0077】
前述のガス処理装置1のカソード12側から排出される炭酸塩水溶液(廃液)は、そのpH値は8〜10程度であり(尚、二酸化炭素を完全に吸収していない場合は、NaOH成分が高くなるためそれ以上のpH値となる)、アルカリ剤として利用できる。そこで、ガス処理装置1を備えたガス処理システムを下水処理システムに具備させることで、高発熱量ガスの生産と下水処理における硝化脱窒機能を安定化させることができる。
【0078】
以下に、本実施形態におけるガス処理システムの実施例を示した。
【0079】
図8は、電流密度と二酸化炭素濃度及び水素濃度との関係を示した特性図である。
【0080】
当該実験に係るガス処理システムは、図1記載のシステムにおいて図4記載のガス処理装置を用いたものを採用した。ここでは、セルサイズ200mm×200mmの電解質を二枚積層(有効電極面積:600cm2)したガス処理装置に、被処理ガス(ガス成分 二酸化炭素:40%、窒素:60%)を1l/minの流量で供給した。このとき、被処理ガスはスクラバーを介さないでガス処理装置のカソードに供給したまた、印加直流電圧は2.5Vに設定した。さらに、電解質はフッ素樹脂系のものを、ナトリウム化合物の水溶液には水酸化ナトリウム水溶液を、電極にはニッケルからなるものを採用した。
【0081】
図示された結果から明らかなように、電流密度の上昇に伴い、二酸化炭素濃度が減少していくことが確認できる。また、当該実施例においては、電流密度100mA/cm2時において二酸化炭素は完全に除去できたことも確認された。
【0082】
ここで、当該実施例の結果に基づき算出した二酸化炭素除去に必要な電力、使用電力による二酸化炭素発生量(1分間)、二酸化炭素固定量(1分間)、水素発生量(1分間)を以下に示した。
【0083】
二酸化炭素除去に必要な電力:2.5[V]×60[A]=150[W]
使用電力による二酸化炭素発生量(1分間):150×1/1000×1/60×0.12/44=0.007[mol] 尚、0.12は、石油火力を電源として用いた時の二酸化炭素排出量を示す。
【0084】
二酸化炭素固定量(1分間):0.4[l/分]×1[分]/22.4[l]=0.018[mol]
水素発生量(1分間):0.018[mol]
かかる計算結果から明らかなように、わずかな電力で二酸化炭素を効率的に除去でき、かつ固定した二酸化炭素と等モルの水素が発生することが確認できる。
【0085】
また、表1に、被処理ガスをスクラバーに供した後にガス処理装置に供給した場合の各処理工程から排出されたガス、すなわちスクラバーを通過したガス(以下、第一処理ガス)及びガス処理装置から排出されたガス(以下、第二処理ガス)の組成を被処理ガスのガス組成と共に開示した。ここでは、被処理ガスの組成をメタン:二酸化炭素=60:40としたこと以外は図5記載の実施例と同様の条件でガスを処理した。
【0086】
【表1】
【0087】
表に示された通り、第一処理ガスのメタンガス濃度は85%、また二酸化炭素濃度は15%となっていることが確認された。さらに、第二処理ガスにおいては、二酸化炭素が検出されず、可燃性ガスの濃度は100%となっていることが確認された。このことは、スクラバーを本発明のガス処理装置と組み合わせることで、ガス処理装置に対する二酸化炭素負荷量が軽減され、二酸化炭素除去における省電力化及び装置システムの小型化が図れることを示唆するものである。尚、第二処理ガスは、そのメタンガス濃度から明らかなように、燃料電池、ガスタービン等の燃料や、燃料として売却するなどの有効利用に供することができるがわかる。
【0088】
図9は、本発明の実施例によるI−V特性を示した特性図である。
【0089】
実施例1に係るガス処理装置は電解質に塩化ビニル系の樹脂からなる電解質膜を、比較例に係るガス処理装置はセラミックス系の電解質を採用した。実施例1及び比較例は、ナトリウム化合物水溶液に5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を採用し、動作温度は室温の20℃とした。図示された結果から明らかなように、電解質に塩化ビニル系樹脂の電解質膜を採用した実施例1においては、反応が始まってから電流の立ち上がりがよくなり、セラミックス系の電解質よりも、大幅な省電力化が可能であることが確認できる。
【0090】
ここで、図10に実施例1による二酸化炭素の除去特性を示した。当該特性試験は、100mA/cm2の定格電流方式で行った。電極面積は300cm2に設定した。図から明らかなように、初期濃度約20%の二酸化炭素は電流が流れ始めると同時に除去が始まり、約20分で0.6%程度までに低減させることができることが確認できる。このとき、電流を停止すると、二酸化炭素濃度は上昇し始めることが確認された。そして、当該試験においては、二酸化炭素の除去率は97%となることが確認された。また、二酸化炭素の除去率は電流が流れている間はほぼ一定に保持することも確認された。さらに、ナトリウムイオン供給源を供給続ければ、連続的に二酸化炭素を吸蔵することも確認されている。
【0091】
図11は、本発明の実施例によるI−V特性を示した特性図である。
【0092】
実施例2に係るガス処理装置は電解質にフッ素樹脂系の電解質膜を、比較例に係るガス処理装置はセラミックス系の電解質を採用した。実施例2及び比較例は、ナトリウム化合物水溶液に5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を採用し、動作温度は86℃とした。図示された結果から明らかなように、電解質にフッ素樹脂系電解質膜を採用した実施例2においては、反応が始まってから電流の立ち上がりがよくなり、セラミックス系の電解質よりも、大幅な省電力化が可能であることが確認できる。
【0093】
(実施形態2)
図6(a)は、本実施形態のガス処理システムを示した概略図である。また、図6(b)は、当該システムが備えた再生槽6の概略構成図である。
【0094】
本実施形態に係るガス処理システムは、二酸化炭素除去する工程でカソード12に吸蔵した二酸化炭素成分を強酸によって遊離し放出する工程と、この工程で生成した塩から水酸化ナトリウムを再生する工程とを有する。強酸としては例えば塩酸が用いられる。
【0095】
ガス処理装置1は、実施形態1に係るガス処理装置と同様の構成である。その構成の説明は当該実施形態に譲る。本実施形態においては、被処理ガスを導入するための経路には、三方バルブV1(以下V1とする)を介して、強酸水溶液を供給するための経路が接続されている。また、ガス処理装置1と気液分離槽3とを連絡する経路には、三方バルブV2(以下V2とする)を介して、カソード12側で生成した塩化ナトリウム水溶液を再生槽6に移送するための経路が接続されている。
【0096】
再生槽6は、図8(b)に示されたように、塩化ナトリウム水溶液が供給される槽60がイオン導電体64で仕切られた2槽構造となっている。そして、塩化ナトリウム水溶液が供給される槽には直流電源63の陽極と導通可能なアノード61が設置され、また他方の槽には、水が供給され、同電源63の陰極と導通可能なカソード62が設置されている。ナトリウムイオンを通過させることができるものであれば公知のものでよい。例えば、実施形態1で述べたフッ素樹脂、塩化ビニル樹脂またはスルホン酸樹脂等を含ませて形成した電解質膜がある。
【0097】
本実施形態のガス処理システムの動作例について図6及び図7に基づき説明する。
【0098】
二酸化炭素除去工程においては、図7(a)に示されたように、V1は、被処理ガスをガス処理装置1に供給するように制御される。V2は、処理ガスを気液分離槽3に供給するように制御される。当該工程におけるカソード12での作用の説明は実施形態1に譲る。
【0099】
二酸化炭素放出工程においては、図7(b)に示されたように、V1は、強酸水溶液をガス処理装置1に供給するように制御される。V2は、処理ガスを気液分離槽3に供給するように制御される。当該工程は、二酸化炭素除去工程において被処理ガス中に含まれる二酸化炭素成分を捕獲して得た炭酸ナトリウムは弱酸と強塩基の化合物であることに着目し、弱酸の二酸化炭素の取出しを行っている。すなわち、当該炭酸塩に強酸ここでは塩酸水溶液を噴霧することで以下の反応を起こさせ、二酸化炭素の取出し系外に移送させている。
【0100】
Na2CO3 + 2HCl → 2NaCl + H2O + CO2
また、炭酸水素ナトリウムを得ている場合には、これに強酸(例えば塩酸水溶液等)を噴霧することで以下の反応を起こさせ、二酸化炭素を取り出し系外に移送させる。
【0101】
NaHCO3 + HCl → NaCl + H2O + CO2
かかる反応により上記炭酸塩は直ちに分解し、二酸化炭素が遊離される。このとき、副生されたナトリウム塩であるところの塩化ナトリウム水溶液はナトリウムイオン源再生工程に供される。図12に本実施形態における二酸化炭素の吸蔵と放出示した実験結果例を開示した。該図によると、二酸化炭素の吸蔵量と放出量が一致していない。これは、二酸化炭素除去工程においてカソード12表面に得られた化合物が、炭酸ナトリウムではなく、炭酸水素ナトリウムであり、これが水溶液の形態で洗い流されているためであると考えられる。
【0102】
次いで、水酸化ナトリウムの再生工程では、図6(b)に示したように、アノード61には直流電源63の陽極が導通し、カソード62には同電源63の陰極と導通し、直流電圧が印加される。このとき、電気分解が進行し、カソード62側の液相において水成分は水酸化物イオンと水素ガスに分解される。ここで、副生された水素ガスは、燃料ガスとして利用が可能となるばかりでなく、共に生成した塩素ガス共に塩酸の原料となり得るので、系外に移送され二酸化炭素放出工程に用いられる塩酸の生成に供することができる。一方、ナトリウムイオンはイオン導電体64を経て、カソード52側の水槽に移行し、該水槽内の液相は水酸化ナトリウムの水溶液となる。このようにして得られた水酸化ナトリウム水溶液は、図示省略されたポンプ等の移送手段によって、調整槽4に供給され、ナトリウムイオンの濃度が所定濃度(例えば5〜10mol/l)に調整された後に、ガス処理装置1のアノード11に適時供給される。当該工程における反応を以下にまとめた。
【0103】
【0104】
尚、本実施形態において、ガス処理装置1への被処理ガス供給ラインには、実施形態1と同様の趣旨で、被処理ガスに液滴を接触させるスクラバー15を備えるとなおよい。さらに、実施形態1と同様に、下水処理システムにおいて、本実施形態のガス処理システムを具備させれば、汚泥消化ガスを有効利用することができる共に、炭酸塩水溶液をpH調整剤して水処理システムに供してやれば、水処理における硝化脱窒機能を安定化させることができる。
【0105】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の請求項記載のガス処理方法とそのシステムによれば、より低廉かつ効率的さらに安定した二酸化炭素の除去を実現すると共に、除去した二酸化炭素成分を有効的に利用できる。
【0106】
特に、本発明においては、アノード側におけるナトリウム化合物水溶液のナトリウムイオン濃度を一定に保持させているので、二酸化炭素の除去性能は安定する。
【0107】
また、二酸化炭素成分の除去に伴い吸蔵した炭酸塩を水酸化ナトリウムの水溶液に変換し、これを二酸化炭素除去に供するナトリウム化合物水溶液として利用しているので、大幅なランニングコストの削減が可能となる。
【0108】
さらに、被処理ガスをアソードに供する前に、スクラバーにおいて、水若しくは水酸化ナトリウム水溶液の液滴と接触させることで、ガス中のおおまかな二酸化炭素成分は前記微細液体粒子に捕捉されるので、カソードに対する負荷が軽減され、二酸化炭素除去時及び水素ガス生成時の省電力化が可能となり、これにより装置システムの小型化が図れる。また、スクラバーから供給された被処理ガスはより水分を含んでいるので、より多くの水素ガスの生成が可能となると同時に、吸蔵させた炭酸塩を容易に水溶液化させることができるので、連続的な二酸化炭素の除去及び水素ガスの生成も可能となる。
【0109】
そして、本発明から排出された炭酸塩水溶液は、pH調整剤として使用できるので、水処理システムに供することで、このシステムにおける硝化脱窒作用を安定させることができる。
【0110】
また、被処理ガスが例えば汚泥消化ガスのようなメタンを含んだガスである場合には、本発明によって、該ガスから効率的に濃縮メタンガス(高熱量ガス)を生産することができ、このガスは燃料電池やガスタービンまたはその他の燃料として売却及び利用ができるので、温室効果ガスの有効利用が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス処理システムの実施形態例を示す概略図。
【図2】本発明のガス処理システムの実施形態例を示す概略図。
【図3】ガス処理装置の実施形態例を示す概略図。
【図4】ガス処理装置の実施形態例を示す概略図。
【図5】(a)炭酸ナトリウム水溶液が供給される再生槽の概略説明図、(b)炭酸水素ナトリウム水溶液が供給される再生槽の概略説明図。
【図6】(a)本発明に係るガス処理システムの実施形態例を示す概略図、(b)塩化ナトリウム水溶液が供給される再生槽の概略説明図。
【図7】(a)二酸化炭素除去工程の概略説明図、(b)二酸化炭素放出の概略説明図。
【図8】電流密度と二酸化炭素濃度及び水素濃度との関係を示した特性図。
【図9】本発明(実施例1)と比較例におけるI−V特性図。
【図10】本発明による二酸化炭素の除去特性図。
【図11】本発明(実施例2)と比較例におけるI−V特性図。
【図12】二酸化炭素の吸蔵と放出を示した実験結果例。
【符号の説明】
1…ガス処理装置、10…電解質膜、11…アノード、12…カソード、13…電源
15…スクラバー
2…水供給手段
3…気液分離槽
4…調整槽、14…槽、143…イオン濃度測定手段
5,6…再生槽
7…ガス処理装置
50,60,70…槽、51,61,71…アノード、52,62,72…カソード、53,63,73…電源、54,64,74…イオン導電体
8,9…炭酸ガス吸収槽
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス処理方法とそのシステム、特に、ガス中の二酸化炭素の除去を低廉かつ効率的に行い、さらには除去した二酸化炭素成分を有効するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
1998年12月、京都市で、2000年以降における地球温暖化防止のための新たな国際的枠組みを決定する気候変動枠条約第3回締約国会議(地球温暖化防止会議、COP3)が開催された。京都会議では、先進国全体の温室効果ガスを2008〜2012年において1990年比5%強削減する数値目標などを含む「京都議定書」が採択され、この中で我が国についての数値目標は1990年比6%削減とされている。
【0003】
温室効果ガスの人為的排出の多くを占めるのが、エネルギーの燃焼に伴って発生する二酸化炭素(CO2)である。我が国は、石油危機以降積極的な省エネルギー努力を行った結果、産業部門のエネルギー利用効率は世界最高水準にあり、GDP当りの一次エネルギー消費も米国の約3分の1、ドイツの約2分の1と他の先進国と比較して低い水準にある。
【0004】
しかし、近年の運輸、民生部門を中心としたエネルギー消費の著しい伸びに伴い、エネルギー起因の二酸化炭素排出量は1995年度には1990比8%強の大幅な増加となっている。このことから、京都議定書の目標の達成に向けては、直ちに最大限の対策に着手していく必要がある。
【0005】
京都議定書において、温室効果ガスは二酸化炭素(CO2)、メタンガス(CH4)、亜酸化窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカーボン(PFC)、六フッ化硫黄(SF6)の6種類とされているが、我が国における温室効果ガスの排出量は1995年度において1990年度比8.6%増加している。このうち、全体の9割近くを占めるとともに、経済社会活動全体と密接な関わりを持つのがエネルギーの燃焼に伴って発生する二酸化炭素である。
【0006】
我が国におけるこれらのエネルギー起因の二酸化炭素排出量は1980年代後半から急激な増加傾向にあり、特に近年は運輸、民生部門の伸びが著しく、1995年度には1990年度比8.1%の大幅な増加となっている。したがって、我が国で今後国内の温室効果ガス対策を考える際の中心的課題となるのが、運輸、民生部門での対策強化をはじめとしたエネルギー起因の二酸化炭素削減対策である。
【0007】
尚、二酸化炭素については、正確な量の把握は難しいものの森林等の働きによって吸収されるといわれており、また二酸化炭素固定技術に関する研究開発も進められている。さらに、代替フロン類(HFC,PFC及びSF6)については半導体洗浄や製品の中の冷媒として使われ、市中に残存しているものを回収し、分解するための技術開発等が進められている。
【0008】
このように、温室効果ガス対策の全体において、ガスの排出削減対策を進める一方で、森林・農地の保全・整備や代替フロン類の回収に係るシステム創りなど、ガスの吸収・固定や回収・分離等に係る各種の対策を進めることも極めて重要である。
【0009】
排ガスのCO2排出濃度としては、排ガス中でディーゼルエンジンが約10%、ボイラーで約13%、下水処理場、食品工場の消化ガスで約40%である。
【0010】
現在、多くの分野で二酸化炭素を分解・回収するための方法及び装置等の開発が進められている。特に、室温付近においてはゼオライト触媒などを用いて吸着・脱着する圧力スイング法(非特許文献1)、高分子膜を用いた膜分離法(特許文献1)、水及びアルカリ水溶液などへ溶解する方法(非特許文献2)などが開発され、これらが主流となっている。
【0011】
圧力スイング法は、ゼオライトなどの二酸化炭素吸着性物質を充填し、二酸化炭素を吸着させている。そして、吸着が飽和した後は、低圧若しくは高温状態に保持し、吸着した二酸化炭素を放出している。しかしながら、この方法を用いる場合、二酸化炭素以外に水成分も吸着されるため、前段に脱水装置を設ける必要がある。また、連続処理が不可能であり、処理塔を最低2つ必要、加温設備、真空装置設備などの付加設備が必要で大規模な設備となる。
【0012】
高分子膜を用いた膜分離法は、二酸化炭素選択透過性の膜(ポリ([1−トリメチルシリル])プロピレン、ポリジメチルシロキサン等)の一方に加圧ガスを導入し、二酸化炭素を選択的に透過させ、二酸化炭素濃度を高める方法である。しかしながら、かかる方法では、膜自身に受けるガス圧力・二酸化炭素透過性を最適化するのが難しく高価となる。また、一般に、二酸化炭素の他に窒素、酸素などの気体も透過するため、完全な分離は困難となる。さらに、ガス加圧装置などの付加設備も大型となる。
【0013】
水及びアルカリ水溶液などへ溶解する方法は、大きく二つの方法がある。第一の方法は、水酸化ナトリウム水溶液に二酸化炭素を吸収させて炭酸塩(Na2CO3)となる現象を用いたものである。
【0014】
2NaOH + CO2 → Na2CO3 + H2O
かかる手段は非常に簡単な方法であるが、生成した炭酸塩(Na2CO3)の後処理が困難であり(塩酸による中和)、これまでは加熱・乾燥後廃棄処分されているのが現状である。
【0015】
また、第二の方法は、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)の熱分解・吸収法を利用している。
【0016】
2NaHCO3 → Na2CO3 + CO2 + H2O (65℃以上)
Na2CO3 + CO2 + H2O → 2NaHCO3 (室温〜50℃)
かかる方法では、炭酸水素ナトリウムの二酸化炭素に対する吸収量及び吸収速度が水酸化ナトリウム水溶液に対して非常に遅いため非効率となる。
【0017】
そこで、発明者らは、特許文献2に記載の二酸化炭素の除去方法を創出している。この方法は、正極(アノード)と負極(カソード)とを設けた固体電解質の正極(アノード)に、イオン供給源物質を接触させ、かつ、固定電解質の負極(カソード)に、二酸化炭素及び酸素を含有したガスを接触すると共に、正負極間に電圧を印加することにより、負極側にガス中の二酸化炭素を炭酸塩として分離固定している。炭酸塩はアノードにおけるイオン供給源物質として再利用できる。
【0018】
【非特許文献1】
長倉三郎他編「理化学辞典」、岩波書店
【0019】
【特許文献1】
特許第2521884号公報(第2〜4頁)
【0020】
【非特許文献2】
化学大辞典編集委員会編「化学大辞典」、共立出版
【0021】
【特許文献2】
特開平2002−239373号(第2〜4頁、図1)
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献2において、カソード側から二酸化炭素吸蔵によって排出される炭酸塩(主に炭酸水素ナトリウム)は室温の下においては約1mol/l程度しか水に溶解しない。このため、排出された炭酸塩の水溶液は、水分を蒸発させてもアノード側に用いる水酸化ナトリウム水溶液の濃度まで濃縮できない。したがって、これをそのままイオン供給源物質として利用すると、アノード側におけるナトリウムイオン濃度が低下してしまう。このことは、結果として、高濃度ナトリウム源の投入量が増加することになる。さらには、炭酸塩が溶けきれずに沈殿して配管を詰まらせる原因となり得る。これらのことは、二酸化炭素除去機能の安定性を欠くことととなる。
【0023】
また、二酸化炭素の除去に伴い、吸蔵した炭酸塩は増えていくが、この炭酸成分をどのように取り扱うかが問題となる。
【0024】
本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、その目的は、より低廉かつ効率的さらに安定した二酸化炭素の除去を実現すると共に、除去した二酸化炭素成分を有効的に利用できるガス処理方法とそのシステムの提供にある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は以下のことを特徴とする。
【0026】
請求項1記載の発明は、ガス処理方法であって、
ナトリウムイオンを透過する電解質膜にアノードとカソードとを設け、アノードにはナトリウム化合物の水溶液を接触すると共に、カソードには被処理ガスを供し、この両極間に直流電圧を印加することにより、カソード側において前記ガス中の二酸化炭素を炭酸塩の形態で分離除去する工程と、
ナトリウムイオンを透過する電解質膜を介してアノード液相とカソード液相を形成し、アノード液相には前記炭酸塩の水溶液を供給すると共にカソード液相には水を供給し、この液相間に直流電圧を印加することにより、カソード液相において水酸化ナトリウムを生成する工程と、
この工程で得た水酸化ナトリウムの水溶液のナトリウムイオン濃度を調整した後、この水溶液を前記アノードに供給する工程とを有することを特徴とする。
【0027】
請求項2記載の発明は、ガス処理方法であって、
ナトリウムイオンを透過する電解質膜にアノードとカソードとを設け、アノードにはナトリウム化合物の水溶液を接触すると共に、カソードには被処理ガスを供し、この両極間に直流電圧を印加することにより、カソード側において前記ガス中の二酸化炭素を炭酸塩の形態で分離除去する工程と、
前記炭酸塩を塩酸水溶液と反応させて、炭酸塩を二酸化炭素として遊離して系外に移送する工程と、
ナトリウムイオンを透過する電解質膜を介してアノード液相とカソード液相を形成し、アノード液相には炭酸塩と塩酸水溶液との反応によって生じた塩の水溶液を供給すると共にカソード液相には水を供給し、この液相間に直流電圧を印加することにより、カソード液相において水酸化ナトリウムを生成する工程と、
この工程で得た水酸化ナトリウムの水溶液のナトリウムイオン濃度を調整した後、この水溶液を前記アノードに供給する工程とを有することを特徴とする。
【0028】
請求項3記載の発明は、請求項1または2項に記載のガス処理方法において、被処理ガスを、スクラバーにおいて水若しくは水酸化ナトリウム水溶液の液滴と接触させた後に、前記カソードに供することを特徴とする。
【0029】
請求項4記載の発明は、請求項1から3項に記載のガス処理方法において、
カソード側から排出された炭酸塩の水溶液を水処理の硝化工程におけるpH調整剤として用いること
を特徴とする。
【0030】
請求項5記載の発明は、ガス処理システムであって、
ナトリウムイオンを透過する電解質膜と、前記電解質膜に設けられナトリウム化合物の水溶液が供されるアノードと、前記電解質膜に設けられ被処理ガスが供されるカソードと、を備え、この両極間に直流電圧を印加してカソード側においてガス中の二酸化炭素を炭酸塩の形態で分離除去するガス処理装置と、
ナトリウムイオンを透過する電解質膜を設置してアノード室とカソード室を形成すると共に、アノード室に炭酸塩の水溶液を供給する経路と、カソード室に水を供給する経路と、を備え、前記両室の液相間に直流電圧を印加してカソード室において水酸化ナトリウムを生成する再生槽と、
前記カソード室で生成した水酸化ナトリウムの水溶液が供給され、この水溶液のナトリウムイオン濃度及び前記ガス処理装置のアノードへの供給量を一定に制御する調整槽とを備えたことを特徴とする。
【0031】
請求項6記載の発明は、ガス処理システムであって、
ナトリウムイオンを透過する電解質膜と、前記電解質膜に設けられナトリウム化合物の水溶液が供されるアノードと、前記電解質膜に設けられ被処理ガスが供されるカソードと、を備え、この両極間に直流電圧を印加してカソード側においてガス中の二酸化炭素を炭酸塩の形態で分離除去するするガス処理装置と、
前記カソードで生成した炭酸塩に強酸の水溶液を供する酸供給経路と、
ナトリウムイオンを透過する電解質膜を設置してアノード室とカソード室を形成すると共に、アノード室に炭酸塩と塩酸水溶液との反応によって生じた塩の水溶液を供給する経路と、カソード室に水を供給する経路と、を備え、前記両室の液相間に直流電圧を印加してカソード室において水酸化ナトリウムを生成する再生槽と、
前記カソード室で生成した水酸化ナトリウムの水溶液が供給され、この水溶液のナトリウムイオン濃度及び前記ガス処理装置のアノードへの供給量を一定に制御する調整槽とを備えたことを特徴とする。
【0032】
請求項7記載の発明は、請求項5から6のいずれか1項に記載のガス処理システムにおいて、ガス処理装置のアノードに供される被処理ガスを水若しくは水酸化ナトリウム水溶液の液滴と接触させるスクラバーとを備えたことを特徴とする。
【0033】
請求項8記載の発明は、請求項5から7のいずれか1項に記載のガス処理システムにおいて、ガス処理装置から排出された炭酸塩水溶液をpH調整剤として水処理システムにおける硝化工程に供することを特徴とする。
【0034】
請求項9記載の発明は、請求項5から8のいずれか1項に記載のガス処理方法とそのシステムにおいて、被処理ガスは汚泥消化ガスであることを特徴とする。
【0035】
請求項1から9記載の発明は、二酸化炭素成分の除去に伴い吸蔵した炭酸塩を水酸化ナトリウムの水溶液に変換し、これを二酸化炭素除去に供するナトリウム化合物水溶液として利用しているので、大幅なランニングコストの削減が可能となる。このとき、アノード側におけるナトリウム化合物水溶液のナトリウムイオン濃度を一定に保持させているので、二酸化炭素の除去性能は安定する。
【0036】
また、請求項3及び7記載の発明のように、被処理ガスをアソードに供する前に、スクラバーにおいて、水若しくは水酸化ナトリウム水溶液の液滴と接触させてやれば、ガス中のおおまかな二酸化炭素成分は前記微細液体粒子に捕捉されるので、カソードに対する負荷が軽減され、二酸化炭素除去時及び水素ガス生成時の省電力化及び装置システムの小型化が図れる。そして、スクラバーから供給された被処理ガスはより水分を含んでいるので、より多くの水素ガスの生成が可能となると同時に、吸蔵させた炭酸塩を容易に水溶液化させることができる。このことは、連続的な二酸化炭素の除去及び水素ガスの生成も可能となる。
【0037】
さらに、前記炭酸塩はpH調整剤として使用できるので、請求項4及び8記載の発明のように水処理システムに供すれば、同システムにおける硝化脱窒作用を安定させることができる。
【0038】
そして、請求項9記載の発明のように、汚泥消化ガスを被処理ガスとすれば、ガス中のメタンガスを高濃度に濃縮できるので、水処理システム等から排出された汚泥消化化ガスを燃料電池、ガスタービン等の燃料や、燃料として売却するなどの有効利用に供することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0040】
(実施形態1)
図1は、本実施形態のガス処理処理システムの概略図である。
【0041】
ガス処理装置1は、ナトリウム化合物水溶液(図おいてはNa+源と呼称)が供給されるアノード11と被処理ガスが供給されるカソード12とを設けた電解質膜10と、この両極間に直流電圧を印加する電源13と、を備えている。
【0042】
電解質膜10は、ナトリウムイオンの導電体からなるものが用いられる。ナトリウムイオン導電体には、例えばナトリウムイオン交換機能を有するポリマー製電解質膜が採用される。前記電解質膜としては、フッ素樹脂または塩化ビニル樹脂を基材とするものがある。さらには、スチレンとジビニルベンゼンの共重合物を母体とするスルホン酸樹脂、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂、ポリトリフルオロスチレンスルホン酸樹脂、ポリスチレンスルホン酸樹脂、またはフェノールスルホン酸樹脂等を含ませて形成したものがある。
【0043】
ナトリウム化合物水溶液には、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液、炭酸ナトリウム(Na2CO3)水溶液または炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)水溶液等が採用される。
【0044】
アノード11とカソード12としては、Pt、Au、Cr、Cu及びNi、若しくはこれらの酸化物等が例示され、多孔質性の電極が用いられる。当該電極は、電解質膜10において、スクリーン印刷、はけ塗り、蒸着、溶射、ディップコーティング等によって形成される。
【0045】
電源13は、直流電圧を印加する機能を有するものが採用され、既知のものでよい。電圧を印加するための電源は、一般の定電位電源(ポテンションスタット等)を用いることができるが、電流密度が可変であるものを用いるとよい。尚、電流密度を調節する一つの手段として、印加電圧の調整がある。
【0046】
ここで、図3及び図4にガス処理装置1の実施形態例を示した。
【0047】
図3(a)に示したガス処理装置は、アノード11とカソード12を備えた電解質膜10を、アノード側枠体31とカソード側枠体32とで挟み込んで構成されるセル30となっている。このとき、アノード側枠体31には、ナトリウム化合物水溶液(図においてはNa+源と呼称)を一時的に滞留させる流路が設けられ、この水溶液を供給するための供給管311と、この水溶液を排出するための排出管312と、が接続される。同様に、カソード側枠体32には、被処理ガスを一時的に滞留させる流路が設けられ、被処理ガスを供給するための供給管321と、処理ガスを排出するための排出管322と、が接続される。また、アノード側枠体51及びカソード側枠体32の流路において、迂流板323が設けられている。図3(a)に開示されたカソード側枠体においては、迂流板323は一枚設置されているが、これに限定されず、図3(b)に示した枠体31,32のように、複数備えてもよい。かかる構成により、被処理ガス及びナトリウム化合物水溶液を電解質膜10のアノード面及びカソード面に対し均一に供給することができるので、二酸化炭素除去効率が高まる。
【0048】
また、セル構造を成したガス処理装置は、図3(c)に示したように、被処理ガスの負荷量等に応じて複数設置される。当該形態に係るガス処理装置は、セル30が3枚設置された構成となっている。このとき、装置の側面には、マニホールド33,34,35,36が設置される。マニホールド33には、被処理ガスを供給するための供給管121が接続されている。マニホールド34には、処理ガスを排出するための排出管122が接続されている。マニホールド35には、ナトリウム化合物水溶液を供給するための供給管111が接続されている。マニホールド36には、ナトリウム化合物水溶液を排出するための排出管121が接続されている。
【0049】
図4(a)は、二枚の電解質膜10を積層した場合の構成例である。積層枚数は被処理ガスの負荷量等によって定まる。図示されたように、2枚の電解質膜10が、セパレータ42を介して、積層され、上下からそれぞれプレート41,43が設けられている。このとき、プレート41には、ナトリウム化合物水溶液(図においてはNa+源)の流路が設けられている。セパレータ42の上面には、被処理ガスの流路が設けられ、また下面には、ナトリウム化合物水溶液の流路が設けられている。セパレータ43には、被処理ガスの流路が設けられている。そして、図4(c)に示されたように、被処理ガスの流入側には供給管121を設けたマニホールド44が、処理ガスの排出側には排出管122を設けたマニホールド45が設置される。また、ナトリウム化合物水溶液の流入側には、流入管111を設けたマニホールド46が、さらに排出側には、排出管112を設けたマニホールドが設置される。尚、図4(b)に示したように、プレート41,43及びセパレータ42に設けられた流路には、複数の仕切板421を設けるとよい。かかる構成により、被処理ガス及びナトリウム化合物水溶液を電解質膜10のアノード面及びカソード面に対し均一に供給することができるので、二酸化炭素除去効率が高まる。
【0050】
図1においては、ナトリウム化合物水溶液(Na+源)は、調整槽4から循環ポンプによって経路142を介して供給管111から供給される。余剰のナトリウム化合物水溶液は、排出管112から経路140を介して返送される。
【0051】
調整槽4は、アノード11に供給するためのナトリウム化合物水溶液を一時的に貯留するためのタンク14を備える。このとき、タンク14内液相のナトリウムイオン濃度は一定に調整される。そのために、調整槽4は、ナトリウムイオン濃度を測定するためのイオン濃度測定手段143と、高濃度ナトリウムイオン源や水を供給するための経路141とを備え、さらに、経路141には、タンク14内液相のイオン濃度に基づき開閉動作するバルブ手段を設けている。イオン濃度測定手段としては、例えば、pH測定機能を備え、pH値に基づきナトリウムイオンの濃度を算出している。
【0052】
被処理ガスは、図示省略されたブロアーまたはファン等の移送手段によって経路100を介して供給管121からガス処理装置1内に供給される。二酸化炭素が除去されたガスは、排出管122から経路31を介して気液分離槽3を経た後、経路32を介して系外移送される。気液分離槽3は、炭酸塩の水溶液を滞留させて導入したガスを洗浄する。
【0053】
また、本実施形態では、経路100に、被処理ガスに水(水蒸気でもよい)を供給する水供給手段2を具備させている。水供給手段2は、被処理ガスに水分を供給できるものであれば既知のものよい。例えば、スプレー式のもの等が採用される。水供給手段2によって、カソード12で生成した炭酸塩を容易に水溶液化させることができるので、炭酸塩を系外除去しやすくなり、連続的な二酸化炭素の除去ができる。炭酸塩水溶液は、気液分離槽3に捕集され、ナトリウムイオン源として再利用できる。
【0054】
さらに、本実施形態においては、吸蔵させた炭酸塩から水酸化ナトリウムの水溶液を得るための再生槽5を具備している。
【0055】
再生槽5の実施形態例の概略を図5に示した。図5(a)は炭酸塩水溶液が供された場合、図5(b)は炭酸水素水溶液が供された場合の形態例である。
【0056】
再生槽5は、炭酸塩水溶液が供給される槽50がイオン導電体54で仕切られた2槽構造となっている。そして、炭酸塩水溶液が供給される槽には直流電源53の陽極と導通可能なアノード51が設置され、また他方の槽には、純水が供給され、同電源63の陰極と導通可能なカソード52が設置されている。イオン導電体54は、ナトリウムイオンと水素イオンとを通過させることができるものであれば公知のものでよい。また、イオン導電体54は、ナトリウムイオン(Na+)と水素イオン(H+)が同時に透過するものまたはそれぞれイオンが透過する2つのイオン導電体の組み合わせたものが採用される。イオン導電体としては、例えば、NASICON、β−アルミナなどの、ナトリウムイオン導電性セラミックや、ナフィオンに代表されるナトリウムイオン透過性の電解質膜がある。また、その他の電解質膜としては、先で述べたフッ素樹脂、塩化ビニル樹脂またはスルホン酸樹脂等を含ませて形成したものがある。
【0057】
次に、図1及び図5を参照しながら、本実施形態のガス処理システムの動作例について説明する。ここでは、ナトリウムイオン源が水酸化ナトリウム水溶液(以下、NaOH水溶液)で、被処理ガスがCH4とCO2とを含んだガスである場合について述べる。
【0058】
当該ガス処理システムにおける二酸化炭素ガス除去は、アノード11とカソード12のと間に直流電圧を印加することによって行われる。
【0059】
すなわち、図1において、アノード11側には供給管111からNaOH水溶液が供給され、アノード11はこのナトリウムイオン源によって浸漬された状態となる。また、カソード12側には、供給管121から被処理ガスが供給される。ここでは、被処理ガスには、水供給手段2から水または水蒸気が注入される。そして、アノード11とカソード12の両極間には電源13から直流電圧が印加される。このとき、先ずNaOHが接触したアノード11表面においては、以下の反応が起こる。
【0060】
NaOH → Na++OH− …(1)
2OH− → 1/2O2 +H2O+ 2e− …(2)
そして、ナトリウムイオン(Na+)は、アノード11を通過し、電解質膜10を泳動し、カソード12に達する。一方、アノード11側で遊離した電子(e−)は、電源13を経由して、カソード12に達する。
【0061】
ここで、気相中の二酸化炭素(CO2)及び水分(H2O)がカソード12表面に接触すると、以下の反応が起こる。
【0062】
Na++e−+CO2+H2O → NaHCO3 + 1/2H2 …(3)
2Na++CO2+H2O+2e− → Na2CO3 + H2 …(4)
このようにして、被処理ガス中に含まれる二酸化炭素は、炭酸塩の形態でカソード12表面に固定されることで、分離除去される。そして、この反応に伴い水素ガスが生成される。このとき、生成した炭酸塩は、水に溶けた状態で存在し、生成と同時に電極表面から洗い落とされる。そして、生成した炭酸塩水溶液は気液分離槽3にてガスと分離される。このようにして、二酸化炭素の除去を連続的に行うことができる。
【0063】
ここで、図示されたように、経路100には、被処理ガスに液滴を接触させるスクラバー15を備えるとなおよい。スクラバー15は、例えばスプレー方式を採用している。液滴となる洗浄水としては、水または水酸化ナトリウム水溶液等がある。
【0064】
被処理ガスをスクラバー15に供すると、ガス中の二酸化炭素成分は、液滴と接触し、これに捕捉される。これにより、被処理ガス中のおおまかな二酸化炭素成分が除去される。また、これに伴い、ガス中に含まれたその他の成分、例えば硫化水素や硫黄酸化物または微細なホコリ成分等が除去されるので、被処理ガスがガス処理装置1に導入されたとき、二酸化炭素成分とカソード12との接触効率が高まる。スクラバー15を通過したガスは、直ちにガス処理装置1に供され、残留した二酸化炭素成分が除去される。スクラバー15にて処理されたガスは水成分をより含んでいるので、カソード12で生じた炭酸塩を容易に水溶液化させると共に、前記(3)及び(4)の反応を促進させることができる。このように、スクラバー15を設けることで、ガス処理装置1に対する二酸化炭素負荷量が軽減されるばかりか、より効率的に二酸炭素を除去できるばかりでなく、水素も生成させることができる。
【0065】
一方、炭酸塩水溶液は、再生槽5に供されると、図5(a)及び図5(b)に示したように、水酸化ナトリウム水溶液に変換される。
【0066】
炭酸ナトリウムが供された場合、図5(a)に示したように、ナトリウムイオン(Na+)と炭酸イオン(CO3 2−)に、水は若干の水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH−)に電離している。この状態で、炭酸ナトリウム水溶液側をアノード(+)、純水側をカソード(−)として電位をかけると、ナトリウムイオンと水素イオンはイオン導電体膜を透過していく。このとき、アノード(+)側では、炭酸イオンと水酸化物イオンが平衡分圧・電位の影響により電子を放出して、炭酸イオンが二酸化炭素と酸素に、水酸化物イオンは酸素となって、大気中に放出される。反対に、カソード(−)側へ透過したナトリウムイオンは電極から電子を受け取り金属ナトリウムとなるが、水(H2O)と作用し、NaOHとH2が生成される。透過した水素イオンも電極から電子を受け取り水素ガスとなる。そして、十分時間が透過した後の、カソード(−)側は高濃度の水酸化ナトリウム水溶液となっており、炭酸ナトリウム水溶液を水酸化ナトリウム水溶液として分離・回収できる。また、この方式は水の電気分解も兼ね備えているため、水素の供給源としても利用できる。このようにして得られた水酸化ナトリウム溶液は、図示省略されたポンプ等の移送手段によって、調整槽4に供給され、ナトリウムイオンの濃度が所定濃度(例えば5〜10mol/l)に調整された後に、ガス処理装置1のアノード11に適宜供給される。NaOH再生に係る反応を以下にまとめた。
【0067】
2Na+と2H+は、イオン導電体64を介してカソード側へ移動する。
【0068】
また、ガス処理装置1のカソード12において、十分な水(H2O)が存在した場合、温度が低いときは完全に炭酸ナトリウム水溶液とならず、炭酸水素ナトリウム水溶液となる場合がある。
【0069】
図5(b)は、この炭酸水素ナトリウムから水酸化ナトリウム水溶液を再生する場合の実施形態である。水酸化ナトリウム水溶液の再生の原理は図5(a)と同様である。すなわち、アノード51側の炭酸水素ナトリウム水溶液はナトリウムイオンと炭酸イオンとに電離し電極へ電子を放出して二酸化炭素及び酸素を放出する。分離したナトリウムイオンと水素イオンは、イオン導電体54を通って、カソード52側に移動し、水と反応して水素を発生しながら、水酸化ナトリウムとなる。得られた水素ガスは燃料ガスとして利用できる。このようにして得られた水酸化ナトリウム水溶液は、図示省略されたポンプ等の移送手段によって、調整槽4に供給され、ナトリウムイオンの濃度が所定濃度(例えば5〜10mol/l)に調整された後に、ガス処理装置1のアノード11に適宜供給される。NaOH再生に係る反応を以下にまとめた。
【0070】
2Na+と2H+は、イオン導電体64を介してカソード側へ移動する。
【0071】
以上のように、本実施形態に係るガス処理システムによれば、ナトリウムイオン源の回収・再利用を行え、低廉に二酸化炭素を除去することができる。
【0072】
また、被処理ガスがメタンを含んだガス例えば汚泥消化ガスのようなガスである場合、このガスを本実施形態のガス処理システムに供することで、効率的に濃縮メタンガスを得ることができる。この濃縮メタンガスは、燃料電池やガスタービン等の燃料またはその他の燃料として売却するなどの有効利用が可能となる。
【0073】
下水処理場で発生する汚泥の消化ガスや家畜糞尿設備で発生するバイオガスは有用なエネルギー源として活用が可能であるが、従来の技術においては特に中小容量の処理場において熱源としての用途しか見出すことができなかった。その一つの理由としては、メタンガス濃度が低いことが挙げられる。そこで、汚泥消化ガス中の二酸化炭素成分を前記ガス処理システムで除去することで、前記ガス中のメタンガス濃度を高めることができ、汚泥消化ガスを高発熱量ガスに転換させることができる。
【0074】
そして、特に図2に示した実施形態例のような下水処理システムにおいて、本発明のガス処理システムを具備させれば、汚泥消化ガスを有効利用することができる共に、水処理システムにおける硝化脱窒機能を安定化させることができる。
【0075】
図2に示された水処理システムは、汚泥消化ガスが得られる設備は主に下水処理施設で硝化工程さらには脱窒工程を有する。硝化工程及び脱窒工程の液相は最終沈殿池にて固液分離処理される。最終沈殿池で得られた上澄水は、さらに高度処理に供されるか若しくは放流される。ここで、最終沈殿池にて分離された汚泥の一部は活性汚泥として再利用するために硝化工程に返送される一方で、一部の汚泥は消化させるために汚泥消化工程に供される。汚泥消化工程では、汚泥を好気的または嫌気的に処理している。特に、嫌気処理の過程において、メタンガスを含んだガスが発生する。
【0076】
一般的な下水処理では先ず、硝化工程で下水中の窒素化合物(アンモニア性窒素)を硝化菌の作用で硝酸イオンなど(NO2 −、NO3 −)に変換し、次いで脱窒工程で脱窒菌の作用により窒素ガス(N2)へ還元する必要がある。硝化工程における下水のpHは8〜9の範囲であるが、硝化反応が進行していくとアルカリ度が消費されてpH値が低下する。pH値の低下が生じると処理効率が低下する落ちるばかりでなく、硝化菌が死滅する恐れがある。したがって、pH値を8〜9に調整するために、消石灰(Ca(OH)2)、ソーダ灰(Na2Co3)、水酸化ナトリウム(NaOH)といったアルカリ剤(pH調整剤)を投入しなければならない。
【0077】
前述のガス処理装置1のカソード12側から排出される炭酸塩水溶液(廃液)は、そのpH値は8〜10程度であり(尚、二酸化炭素を完全に吸収していない場合は、NaOH成分が高くなるためそれ以上のpH値となる)、アルカリ剤として利用できる。そこで、ガス処理装置1を備えたガス処理システムを下水処理システムに具備させることで、高発熱量ガスの生産と下水処理における硝化脱窒機能を安定化させることができる。
【0078】
以下に、本実施形態におけるガス処理システムの実施例を示した。
【0079】
図8は、電流密度と二酸化炭素濃度及び水素濃度との関係を示した特性図である。
【0080】
当該実験に係るガス処理システムは、図1記載のシステムにおいて図4記載のガス処理装置を用いたものを採用した。ここでは、セルサイズ200mm×200mmの電解質を二枚積層(有効電極面積:600cm2)したガス処理装置に、被処理ガス(ガス成分 二酸化炭素:40%、窒素:60%)を1l/minの流量で供給した。このとき、被処理ガスはスクラバーを介さないでガス処理装置のカソードに供給したまた、印加直流電圧は2.5Vに設定した。さらに、電解質はフッ素樹脂系のものを、ナトリウム化合物の水溶液には水酸化ナトリウム水溶液を、電極にはニッケルからなるものを採用した。
【0081】
図示された結果から明らかなように、電流密度の上昇に伴い、二酸化炭素濃度が減少していくことが確認できる。また、当該実施例においては、電流密度100mA/cm2時において二酸化炭素は完全に除去できたことも確認された。
【0082】
ここで、当該実施例の結果に基づき算出した二酸化炭素除去に必要な電力、使用電力による二酸化炭素発生量(1分間)、二酸化炭素固定量(1分間)、水素発生量(1分間)を以下に示した。
【0083】
二酸化炭素除去に必要な電力:2.5[V]×60[A]=150[W]
使用電力による二酸化炭素発生量(1分間):150×1/1000×1/60×0.12/44=0.007[mol] 尚、0.12は、石油火力を電源として用いた時の二酸化炭素排出量を示す。
【0084】
二酸化炭素固定量(1分間):0.4[l/分]×1[分]/22.4[l]=0.018[mol]
水素発生量(1分間):0.018[mol]
かかる計算結果から明らかなように、わずかな電力で二酸化炭素を効率的に除去でき、かつ固定した二酸化炭素と等モルの水素が発生することが確認できる。
【0085】
また、表1に、被処理ガスをスクラバーに供した後にガス処理装置に供給した場合の各処理工程から排出されたガス、すなわちスクラバーを通過したガス(以下、第一処理ガス)及びガス処理装置から排出されたガス(以下、第二処理ガス)の組成を被処理ガスのガス組成と共に開示した。ここでは、被処理ガスの組成をメタン:二酸化炭素=60:40としたこと以外は図5記載の実施例と同様の条件でガスを処理した。
【0086】
【表1】
【0087】
表に示された通り、第一処理ガスのメタンガス濃度は85%、また二酸化炭素濃度は15%となっていることが確認された。さらに、第二処理ガスにおいては、二酸化炭素が検出されず、可燃性ガスの濃度は100%となっていることが確認された。このことは、スクラバーを本発明のガス処理装置と組み合わせることで、ガス処理装置に対する二酸化炭素負荷量が軽減され、二酸化炭素除去における省電力化及び装置システムの小型化が図れることを示唆するものである。尚、第二処理ガスは、そのメタンガス濃度から明らかなように、燃料電池、ガスタービン等の燃料や、燃料として売却するなどの有効利用に供することができるがわかる。
【0088】
図9は、本発明の実施例によるI−V特性を示した特性図である。
【0089】
実施例1に係るガス処理装置は電解質に塩化ビニル系の樹脂からなる電解質膜を、比較例に係るガス処理装置はセラミックス系の電解質を採用した。実施例1及び比較例は、ナトリウム化合物水溶液に5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を採用し、動作温度は室温の20℃とした。図示された結果から明らかなように、電解質に塩化ビニル系樹脂の電解質膜を採用した実施例1においては、反応が始まってから電流の立ち上がりがよくなり、セラミックス系の電解質よりも、大幅な省電力化が可能であることが確認できる。
【0090】
ここで、図10に実施例1による二酸化炭素の除去特性を示した。当該特性試験は、100mA/cm2の定格電流方式で行った。電極面積は300cm2に設定した。図から明らかなように、初期濃度約20%の二酸化炭素は電流が流れ始めると同時に除去が始まり、約20分で0.6%程度までに低減させることができることが確認できる。このとき、電流を停止すると、二酸化炭素濃度は上昇し始めることが確認された。そして、当該試験においては、二酸化炭素の除去率は97%となることが確認された。また、二酸化炭素の除去率は電流が流れている間はほぼ一定に保持することも確認された。さらに、ナトリウムイオン供給源を供給続ければ、連続的に二酸化炭素を吸蔵することも確認されている。
【0091】
図11は、本発明の実施例によるI−V特性を示した特性図である。
【0092】
実施例2に係るガス処理装置は電解質にフッ素樹脂系の電解質膜を、比較例に係るガス処理装置はセラミックス系の電解質を採用した。実施例2及び比較例は、ナトリウム化合物水溶液に5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を採用し、動作温度は86℃とした。図示された結果から明らかなように、電解質にフッ素樹脂系電解質膜を採用した実施例2においては、反応が始まってから電流の立ち上がりがよくなり、セラミックス系の電解質よりも、大幅な省電力化が可能であることが確認できる。
【0093】
(実施形態2)
図6(a)は、本実施形態のガス処理システムを示した概略図である。また、図6(b)は、当該システムが備えた再生槽6の概略構成図である。
【0094】
本実施形態に係るガス処理システムは、二酸化炭素除去する工程でカソード12に吸蔵した二酸化炭素成分を強酸によって遊離し放出する工程と、この工程で生成した塩から水酸化ナトリウムを再生する工程とを有する。強酸としては例えば塩酸が用いられる。
【0095】
ガス処理装置1は、実施形態1に係るガス処理装置と同様の構成である。その構成の説明は当該実施形態に譲る。本実施形態においては、被処理ガスを導入するための経路には、三方バルブV1(以下V1とする)を介して、強酸水溶液を供給するための経路が接続されている。また、ガス処理装置1と気液分離槽3とを連絡する経路には、三方バルブV2(以下V2とする)を介して、カソード12側で生成した塩化ナトリウム水溶液を再生槽6に移送するための経路が接続されている。
【0096】
再生槽6は、図8(b)に示されたように、塩化ナトリウム水溶液が供給される槽60がイオン導電体64で仕切られた2槽構造となっている。そして、塩化ナトリウム水溶液が供給される槽には直流電源63の陽極と導通可能なアノード61が設置され、また他方の槽には、水が供給され、同電源63の陰極と導通可能なカソード62が設置されている。ナトリウムイオンを通過させることができるものであれば公知のものでよい。例えば、実施形態1で述べたフッ素樹脂、塩化ビニル樹脂またはスルホン酸樹脂等を含ませて形成した電解質膜がある。
【0097】
本実施形態のガス処理システムの動作例について図6及び図7に基づき説明する。
【0098】
二酸化炭素除去工程においては、図7(a)に示されたように、V1は、被処理ガスをガス処理装置1に供給するように制御される。V2は、処理ガスを気液分離槽3に供給するように制御される。当該工程におけるカソード12での作用の説明は実施形態1に譲る。
【0099】
二酸化炭素放出工程においては、図7(b)に示されたように、V1は、強酸水溶液をガス処理装置1に供給するように制御される。V2は、処理ガスを気液分離槽3に供給するように制御される。当該工程は、二酸化炭素除去工程において被処理ガス中に含まれる二酸化炭素成分を捕獲して得た炭酸ナトリウムは弱酸と強塩基の化合物であることに着目し、弱酸の二酸化炭素の取出しを行っている。すなわち、当該炭酸塩に強酸ここでは塩酸水溶液を噴霧することで以下の反応を起こさせ、二酸化炭素の取出し系外に移送させている。
【0100】
Na2CO3 + 2HCl → 2NaCl + H2O + CO2
また、炭酸水素ナトリウムを得ている場合には、これに強酸(例えば塩酸水溶液等)を噴霧することで以下の反応を起こさせ、二酸化炭素を取り出し系外に移送させる。
【0101】
NaHCO3 + HCl → NaCl + H2O + CO2
かかる反応により上記炭酸塩は直ちに分解し、二酸化炭素が遊離される。このとき、副生されたナトリウム塩であるところの塩化ナトリウム水溶液はナトリウムイオン源再生工程に供される。図12に本実施形態における二酸化炭素の吸蔵と放出示した実験結果例を開示した。該図によると、二酸化炭素の吸蔵量と放出量が一致していない。これは、二酸化炭素除去工程においてカソード12表面に得られた化合物が、炭酸ナトリウムではなく、炭酸水素ナトリウムであり、これが水溶液の形態で洗い流されているためであると考えられる。
【0102】
次いで、水酸化ナトリウムの再生工程では、図6(b)に示したように、アノード61には直流電源63の陽極が導通し、カソード62には同電源63の陰極と導通し、直流電圧が印加される。このとき、電気分解が進行し、カソード62側の液相において水成分は水酸化物イオンと水素ガスに分解される。ここで、副生された水素ガスは、燃料ガスとして利用が可能となるばかりでなく、共に生成した塩素ガス共に塩酸の原料となり得るので、系外に移送され二酸化炭素放出工程に用いられる塩酸の生成に供することができる。一方、ナトリウムイオンはイオン導電体64を経て、カソード52側の水槽に移行し、該水槽内の液相は水酸化ナトリウムの水溶液となる。このようにして得られた水酸化ナトリウム水溶液は、図示省略されたポンプ等の移送手段によって、調整槽4に供給され、ナトリウムイオンの濃度が所定濃度(例えば5〜10mol/l)に調整された後に、ガス処理装置1のアノード11に適時供給される。当該工程における反応を以下にまとめた。
【0103】
【0104】
尚、本実施形態において、ガス処理装置1への被処理ガス供給ラインには、実施形態1と同様の趣旨で、被処理ガスに液滴を接触させるスクラバー15を備えるとなおよい。さらに、実施形態1と同様に、下水処理システムにおいて、本実施形態のガス処理システムを具備させれば、汚泥消化ガスを有効利用することができる共に、炭酸塩水溶液をpH調整剤して水処理システムに供してやれば、水処理における硝化脱窒機能を安定化させることができる。
【0105】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の請求項記載のガス処理方法とそのシステムによれば、より低廉かつ効率的さらに安定した二酸化炭素の除去を実現すると共に、除去した二酸化炭素成分を有効的に利用できる。
【0106】
特に、本発明においては、アノード側におけるナトリウム化合物水溶液のナトリウムイオン濃度を一定に保持させているので、二酸化炭素の除去性能は安定する。
【0107】
また、二酸化炭素成分の除去に伴い吸蔵した炭酸塩を水酸化ナトリウムの水溶液に変換し、これを二酸化炭素除去に供するナトリウム化合物水溶液として利用しているので、大幅なランニングコストの削減が可能となる。
【0108】
さらに、被処理ガスをアソードに供する前に、スクラバーにおいて、水若しくは水酸化ナトリウム水溶液の液滴と接触させることで、ガス中のおおまかな二酸化炭素成分は前記微細液体粒子に捕捉されるので、カソードに対する負荷が軽減され、二酸化炭素除去時及び水素ガス生成時の省電力化が可能となり、これにより装置システムの小型化が図れる。また、スクラバーから供給された被処理ガスはより水分を含んでいるので、より多くの水素ガスの生成が可能となると同時に、吸蔵させた炭酸塩を容易に水溶液化させることができるので、連続的な二酸化炭素の除去及び水素ガスの生成も可能となる。
【0109】
そして、本発明から排出された炭酸塩水溶液は、pH調整剤として使用できるので、水処理システムに供することで、このシステムにおける硝化脱窒作用を安定させることができる。
【0110】
また、被処理ガスが例えば汚泥消化ガスのようなメタンを含んだガスである場合には、本発明によって、該ガスから効率的に濃縮メタンガス(高熱量ガス)を生産することができ、このガスは燃料電池やガスタービンまたはその他の燃料として売却及び利用ができるので、温室効果ガスの有効利用が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス処理システムの実施形態例を示す概略図。
【図2】本発明のガス処理システムの実施形態例を示す概略図。
【図3】ガス処理装置の実施形態例を示す概略図。
【図4】ガス処理装置の実施形態例を示す概略図。
【図5】(a)炭酸ナトリウム水溶液が供給される再生槽の概略説明図、(b)炭酸水素ナトリウム水溶液が供給される再生槽の概略説明図。
【図6】(a)本発明に係るガス処理システムの実施形態例を示す概略図、(b)塩化ナトリウム水溶液が供給される再生槽の概略説明図。
【図7】(a)二酸化炭素除去工程の概略説明図、(b)二酸化炭素放出の概略説明図。
【図8】電流密度と二酸化炭素濃度及び水素濃度との関係を示した特性図。
【図9】本発明(実施例1)と比較例におけるI−V特性図。
【図10】本発明による二酸化炭素の除去特性図。
【図11】本発明(実施例2)と比較例におけるI−V特性図。
【図12】二酸化炭素の吸蔵と放出を示した実験結果例。
【符号の説明】
1…ガス処理装置、10…電解質膜、11…アノード、12…カソード、13…電源
15…スクラバー
2…水供給手段
3…気液分離槽
4…調整槽、14…槽、143…イオン濃度測定手段
5,6…再生槽
7…ガス処理装置
50,60,70…槽、51,61,71…アノード、52,62,72…カソード、53,63,73…電源、54,64,74…イオン導電体
8,9…炭酸ガス吸収槽
Claims (9)
- ナトリウムイオンを透過する電解質膜にアノードとカソードとを設け、アノードにはナトリウム化合物の水溶液を接触すると共に、カソードには被処理ガスを供し、この両極間に直流電圧を印加することにより、カソード側において前記ガス中の二酸化炭素を炭酸塩の形態で分離除去する工程と、
ナトリウムイオンを透過する電解質膜を介してアノード液相とカソード液相を形成し、アノード液相には前記炭酸塩の水溶液を供給すると共にカソード液相には水を供給し、この液相間に直流電圧を印加することにより、カソード液相において水酸化ナトリウムを生成する工程と、
この工程で得た水酸化ナトリウムの水溶液のナトリウムイオン濃度を調整した後、この水溶液を前記アノードに供給する工程とを有すること
を特徴とするガス処理方法。 - ナトリウムイオンを透過する電解質膜にアノードとカソードとを設け、アノードにはナトリウム化合物の水溶液を接触すると共に、カソードには被処理ガスを供し、この両極間に直流電圧を印加することにより、カソード側において前記ガス中の二酸化炭素を炭酸塩の形態で分離除去する工程と、
前記炭酸塩を塩酸水溶液と反応させて、炭酸塩を二酸化炭素として遊離して系外に移送する工程と、
ナトリウムイオンを透過する電解質膜を介してアノード液相とカソード液相を形成し、アノード液相には炭酸塩と塩酸水溶液との反応によって生じた塩の水溶液を供給すると共にカソード液相には水を供給し、この液相間に直流電圧を印加することにより、カソード液相において水酸化ナトリウムを生成する工程と、
この工程で得た水酸化ナトリウムの水溶液のナトリウムイオン濃度を調整した後、この水溶液を前記アノードに供給する工程とを有すること
を特徴とするガス処理方法。 - 被処理ガスを、スクラバーにおいて水若しくは水酸化ナトリウム水溶液の液滴と接触させた後に、前記カソードに供すること
を特徴とする請求項1または2項に記載のガス処理方法。 - カソード側から排出された炭酸塩の水溶液を水処理の硝化工程におけるpH調整剤として用いること
を特徴とする請求項1から3項に記載のガス処理方法。 - ナトリウムイオンを透過する電解質膜と、前記電解質膜に設けられナトリウム化合物の水溶液が供されるアノードと、前記電解質膜に設けられ被処理ガスが供されるカソードと、を備え、この両極間に直流電圧を印加してカソード側においてガス中の二酸化炭素を炭酸塩の形態で分離除去するガス処理装置と、
ナトリウムイオンを透過する電解質膜を設置してアノード室とカソード室を形成すると共に、アノード室に炭酸塩の水溶液を供給する経路と、カソード室に水を供給する経路と、を備え、前記両室の液相間に直流電圧を印加してカソード室において水酸化ナトリウムを生成する再生槽と、
前記カソード室で生成した水酸化ナトリウムの水溶液が供給され、この水溶液のナトリウムイオン濃度及び前記ガス処理装置のアノードへの供給量を一定に制御する調整槽とを備えたこと
を特徴とするガス処理システム。 - ナトリウムイオンを透過する電解質膜と、前記電解質膜に設けられナトリウム化合物の水溶液が供されるアノードと、前記電解質膜に設けられ被処理ガスが供されるカソードと、を備え、この両極間に直流電圧を印加してカソード側においてガス中の二酸化炭素を炭酸塩の形態で分離除去するするガス処理装置と、
前記カソードで生成した炭酸塩に強酸の水溶液を供する酸供給経路と、
ナトリウムイオンを透過する電解質膜を設置してアノード室とカソード室を形成すると共に、アノード室に炭酸塩と塩酸水溶液との反応によって生じた塩の水溶液を供給する経路と、カソード室に水を供給する経路と、を備え、前記両室の液相間に直流電圧を印加してカソード室において水酸化ナトリウムを生成する再生槽と、
前記カソード室で生成した水酸化ナトリウムの水溶液が供給され、この水溶液のナトリウムイオン濃度及び前記ガス処理装置のアノードへの供給量を一定に制御する調整槽とを備えたこと
を特徴とするガス処理システム。 - ガス処理装置のアノードに供される被処理ガスを水若しくは水酸化ナトリウム水溶液の液滴と接触させるスクラバーとを備えたこと
を特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のガス処理システム。 - ガス処理装置から排出された炭酸塩水溶液をpH調整剤として水処理システムにおける硝化工程に供すること
を特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のガス処理システム。 - 被処理ガスは汚泥消化ガスであること
を特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のガス処理方法とそのシステム。
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