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JP2004099635A - 光硬化性・熱硬化性樹脂組成物とその成形物、及びそれらの硬化物 - Google Patents

光硬化性・熱硬化性樹脂組成物とその成形物、及びそれらの硬化物 Download PDF

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JP2004099635A
JP2004099635A JP2002259234A JP2002259234A JP2004099635A JP 2004099635 A JP2004099635 A JP 2004099635A JP 2002259234 A JP2002259234 A JP 2002259234A JP 2002259234 A JP2002259234 A JP 2002259234A JP 2004099635 A JP2004099635 A JP 2004099635A
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JP
Japan
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resin
photocurable
composition
photocurable resin
molecule
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Application number
JP2002259234A
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English (en)
Inventor
Masayuki Isono
磯野 正幸
Hiromitsu Morino
森野 博満
Momoko Shiina
椎名 桃子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Holdings Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
Application filed by Taiyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Taiyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP2002259234A priority Critical patent/JP2004099635A/ja
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Abstract

【課題】高感度で、かつフレキシブルプリント配線板やTABテープに用いられるソルダーレジストに要求される耐屈曲性、耐折性、柔軟性、耐めっき性、耐熱性、電気特性に優れる光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物は、(A)特定構造の線状の多官能エポキシ化合物に不飽和モノカルボン酸を反応させた後、多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有光硬化性性樹脂、(B)1分子中に3個以上のフェノール性水酸基を有する化合物にアルキレンオキシドを付加し、得られたアルコール性水酸基を部分的に不飽和モノカルボン酸でエステル化し、更に未反応のアルコール性水酸基に多塩基酸無水物を付加させて得られるカルボキシル基含有光硬化性樹脂、(C)光重合開始剤、(D)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、及び(E)希釈剤を含有する。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレキシブルプリント配線板やTAB(Tape automated bonding)テープに有用な光硬化性・熱硬化性樹脂に関する。更に詳しくは、フレキシブルプリント配線板やTABテープに要求される耐屈曲性、耐折性、柔軟性、反り、耐めっき性、耐熱性、電気特性に優れた塗膜形成に適し、かつ高感度な光硬化性・熱硬化性樹脂組成物とその成形物、及びそれらの硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の半導体部品の急速な進歩により、電子機器は小型軽量化、高性能化、多機能化の傾向にあり、これらに追従してプリント配線板の高密度化が進みつつある。このようなプリント配線板に用いられるソルダーレジストは、従来、熱硬化性組成物や光硬化性組成物をスクリーン印刷法によってパターン形成し、転写部を熱硬化あるいは光硬化させる方法が一般的であったが、プリント配線板の高密度化、及び環境問題から、アルカリ現像型ソルダーレジストが主流になっている(特開昭61−243869号公報参照)。
【0003】
また、ノート型パソコンの本体とディスプレーとの接続やプリンターヘッドと本体の接続のような可動部の接続、カメラなどのスペースが少なく複雑な形状をした電子機器には、フレキシブルプリント配線板やTABテープが必要不可欠となっている。このようなフレキシブルプリント配線板やTABテープに用いられるソルダーレジストは、耐屈曲性、耐折性、柔軟性、耐めっき性、耐熱性、電気特性などの塗膜特性が要求されている。特に、ソルダーレジストの硬化収縮による反りは、フレキシブルプリント配線板の搬送や実装時に問題を発生するおそれがあるため、できる限り少ないことが要求されている。
【0004】
このような要求から、従来、ビスフェノール骨格の多官能エポキシ樹脂を(メタ)アクリル酸でエステル化した後、酸無水物を付加してなる感光性プレポリマーを用いたアルカリ現像型の光硬化性・熱硬化性組成物が提案されている(特開平9−54434号公報参照)。
しかしながら、かかる従来技術では、線状ポリマーを使用していることから、耐屈曲性に優れているものの、現像性が悪いという問題がある。特にフレキシブルプリント配線板やTABテープは、その基材の柔らかさにより、現像時のスプレー圧が伝わらず、現像残りを発生し易くなる傾向がある。
これに対し、上記感光性プレポリマーの分子量を下げた場合、現像性の向上はみられるものの、十分な耐屈曲性、耐折性、柔軟性が得られなくなると共に、指触乾燥性の面から光重合性モノマーを多用できず、感度が低くなるという問題が発生する。
【0005】
また、ノボラック型フェノール樹脂とアルキレンオキシドの反応生成物に不飽和モノカルボン酸を反応させ、得られた反応生成物と酸無水物とを反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂を用いたアルカリ現像可能な光硬化性・熱硬化性組成物が提案されている(特願平2000−332850号公報参照)。しかしながら、柔軟性を付与するためにアルキレンオキシドを付加することにより生成するエーテル結合が、耐水性を低下させる傾向がある。また、感度を上げるために、(メタ)アクリル酸の付加量を上げた場合、アルカリ水溶液に溶解させるために付加する酸無水物量が減り、現像性、及び指触乾燥性が低下する傾向がある。
【0006】
さらに、フレキシブルプリント配線板やTABテープの製造は、ロール・ツー・ロール(roll−to−roll)法が用いられており、作業性、信頼性、膜厚精度、平滑性の観点からドライフィルムタイプのソルダーレジストが求められている。このようなドライフィルムタイプのソルダーレジストは、シート又はロール状にて供給され、その形態における特性上、樹脂組成物中に柔軟性・造膜性に優れた樹脂成分を含有させる必要性がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、従来技術が抱える上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、高感度で、かつフレキシブルプリント配線板やTABテープに用いられるソルダーレジストに要求される耐屈曲性、耐折性、柔軟性、耐めっき性、耐熱性、電気特性に優れる光硬化性・熱硬化性樹脂組成物、及び上記組成物又はその成形物を、塗布・乾燥又はラミネートした後、活性エネルギー線照射及び加熱硬化して得られる硬化物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、フレキシブルプリント配線板やTABテープに用いられるソルダーレジストに必要な上記特性を有し、さらに作業性、信頼性、膜厚精度、平滑性に優れたドライフィルムへの加工性に優れた光硬化性・熱硬化性樹脂組成物、及びその成形物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明によれば、(A)(a)下記一般式(1)で示される線状の多官能エポキシ化合物
【化2】
Figure 2004099635
(式中、R、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、水素原子又はグリシジル基を示し、nは、1〜20の値を示す。)
に、(b)不飽和モノカルボン酸を反応させた後、(c)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有光硬化性樹脂、
(B)(d)1分子中に3個以上のフェノール性水酸基を有する化合物に(e)アルキレンオキシドを付加し、得られたアルコール性水酸基を部分的に(b)不飽和モノカルボン酸でエステル化し、更に未反応のアルコール性水酸基に(c)多塩基酸無水物を付加させて得られるカルボキシル基含有光硬化性樹脂、
(C)光重合開始剤、(D)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、及び(E)希釈剤を含有することを特徴とする光硬化性・熱硬化性樹脂組成物が提供される。
さらに本発明によれば、上記組成物を用いて絶縁層を形成したことを特徴とするフレキシブルプリント配線板、又はTABテープからなる電子部品が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、前記目的の実現に向け鋭意研究した結果、(A)(a)下記一般式(1)で示される線状の多官能エポキシ化合物
【化3】
Figure 2004099635
(式中、R、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、水素原子又はグリシジル基を示し、nは、1〜20の値を示す。)
に、(b)不飽和モノカルボン酸を反応させた後、(c)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有光硬化性樹脂、
(B)(d)1分子中に3個以上のフェノール性水酸基を有する化合物に(e)アルキレンオキシドを付加し、得られたアルコール性水酸基を部分的に(b)不飽和モノカルボン酸でエステル化し、更に未反応のアルコール性水酸基に(c)多塩基酸無水物を付加させて得られるカルボキシル基含有光硬化性樹脂、
(C)光重合開始剤、(D)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、及び(E)希釈剤を含有する組成物が、高感度で、かつフレキシブルプリント配線板やTABテープに用いられるソルダーレジストに要求される耐屈曲性、耐折性、柔軟性、耐めっき性、耐熱性、電気特性に優れ、かつドライフィルムへの加工性に優れた光硬化性・熱硬化性組成物であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物は、前記カルボキシル基含有光硬化性樹脂(B)を乳化補助剤兼感光性プレポリマーとして使用することにより、前記カルボキシル基含有光硬化性樹脂(A)だけでは不十分な現像性を、他の特性を維持しながら付与するものである。このように、現像性が向上することにより、前記カルボキシル基含有光硬化性樹脂(A)の分子量を上げることが可能になり、高感度化、及び耐屈曲性、耐折性、柔軟性の向上が、可能となった。
【0010】
以下、本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物の各構成成分について詳しく説明する。
まず、前記カルボキシル基含有光硬化性樹脂(A)としては、(a)下記一般式(1)で示される線状の多官能エポキシ化合物
【化4】
Figure 2004099635
(式中、R、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、水素原子又はグリシジル基を示し、nは、1〜20の値を示す。)
に、(b)不飽和モノカルボン酸を反応させた後、(c)多塩基酸無水物を反応させた樹脂が用いられる。
具体的には、一般式(1)で表される多官能エポキシ化合物は、一般式(1)中のRが全て水素原子であり、nの値が1〜20であるビスフェノールF型あるいはビスフェノールA型2官能エポキシ化合物をジメチルスルホキシドなどの極性溶媒等に溶解し、エピハロヒドリン(例えば、エピクロルヒドリンなど)とアルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウムなど)を反応させることにより、多官能化したビスフェノール骨格の樹脂である。
一般式(1)のnの値が、1未満の場合、指触乾燥性、ドライフィルム化する時の造膜性や耐クラック性が低下するので好ましくない。一方、nが20を超えた場合、現像性が低下し、解像性が得られなくなるので好ましくない。また、エピハロヒドリンの付加量は、平均50%以上が好ましく、より好ましくは、80%以上である。エピハロヒドリンの付加量が50%未満の場合、感光化した時の耐現像性が得られ難く、また耐水性も低下するので好ましくない。
このようにして得られた多官能エポキシ化合物(a)と、上記不飽和モノカルボン酸(b)との反応生成物に、上記多塩基酸無水物(c)を反応させることにより、カルボキシル基含有光硬化性樹脂(A)が得られる。
【0011】
上記不飽和モノカルボン酸(b)は、前記多官能エポキシ化合物(a)にラジカル重合性(光硬化性)を付与するためのものであり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、β−アクリロキシプロピオン酸などが挙げられる。また、1個のヒドロキシ基と1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物と二塩基酸無水物との反応物などを用いることも出来る。これらの中で特に好ましいものとして、アクリル酸、メタアクリル酸が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記不飽和モノカルボン酸(b)の付加量は、前記多官能エポキシ化合物のエポキシ基1当量当たり、0.8〜1.2当量である。不飽和モノカルボン酸(b)の付加量が0.8当量未満の場合、未反応のエポキシ基が残り、次に付加する多塩基酸無水物から誘導されるカルボキシル基と反応するため、ゲル化を起こしたり、保存安定性を低下させるため好ましくない。一方、付加量が1.2当量を超える場合、未反応の不飽和モノカルボン酸による臭気の問題や塗膜特性が低下するので好ましくない。
【0012】
また、上記多塩基酸無水物(c)としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニルコハク酸無水物、無水クロレンド酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸などの脂環式二塩基酸無水物が、現像性、硬化性の面から特に好ましい。
上記多塩基酸無水物(c)の付加量は、前記カルボキシル基含有光硬化性樹脂(A)の酸価が60〜120mgKOH/gとなる範囲が好ましい。前記カルボキシル基含有光硬化性樹脂の酸価が60mgKOH/g未満の場合、現像性が得られなくなるので好ましくない。一方、この酸価が120mgKOH/gを超える場合、耐めっき性等の塗膜特性が低下するので好ましくない。
【0013】
前記カルボキシル基含有光硬化性樹脂(B)は、1分子中に3個以上のフェノール性水酸基を有する化合物(d)にアルキレンオキシド(e)を付加し、得られたアルコール性水酸基を部分的に不飽和モノカルボン酸(b)でエステル化し、さらに未反応のアルコール性水酸基に多塩基酸無水物(c)を付加させて得られる。
即ち、1分子中に3個以上のフェノール性水酸基を有する化合物(d)に、アルキレンオキシド(e)を付加することにより、主骨格から離れた自由度の高い位置にアルコール性水酸基を有するポリエーテルポリオールを、合成することができる。このポリエーテルポリオールのアルコール性水酸基に、部分的に前記不飽和モノカルボン酸(b)でエステル化することにより、光硬化性を付与することができる。さらに、残存するアルコール性水酸基に前記多塩基酸無水物(d)を反応させることにより、カルボキシル基を導入することができ、アルカリ可溶性にすることが可能となる。
【0014】
上記1分子中に3個以上のフェノール性水酸基を有する化合物(d)としては、例えば、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、テトラ(ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、アルキル変性フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック型樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ザイロック樹脂、コプナ樹脂、テルペンフェノール変性フェノール樹脂、ポリビニルフェノール類など公知慣用のものを、単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記化合物(d)中のフェノール性水酸基が3個未満の化合物の場合、得られるカルボキシル基含有光硬化性樹脂の感光基数が少なく、光硬化しても三次元化し難くなり、耐現像性が得られ無くなるので好ましくない。
【0015】
上記アルキレンオキシド(e)としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イチブチレンオキシド、トリメチレンオキシド、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどが挙げられる。これらの中で、柔軟性、反応の容易さ等から、エチレンオキシド、プロピレンオキシドが好ましく、より好ましくは耐水性の良いプロピレンオキシドが用いられる。
アルキレンオキシド(e)の付加量は、上記1分子中に3個以上のフェノール性水酸基を持つ化合物(d)のフェノール性水酸基1モルに対して、1.0〜10.0モルである。アルキレンオキシド(e)の付加量がフェノール性水酸基1モルに対して1.0モル未満の場合、不飽和モノカルボン酸(b)によるエステル化や多塩基酸無水物(c)の付加反応の起こり難いフェノール性水酸基が残り、また柔軟性等が得られ難くなるので好ましくなく、一方、付加量が10.0モルを超える場合、耐水性、指触乾燥性等が得られ難くなるで、好ましくない。
【0016】
また、カルボキシル基含有光硬化性樹脂(B)の合成に用いられる不飽和モノカルボン酸(b)と多塩基酸無水物(c)は、カルボキシル基含有光硬化性樹脂(A)に用いたものと同様のものが用いられる。
上記多塩基酸無水物(c)の付加量は、上記カルボキシル基含有光硬化性樹脂(B)の酸価が20〜120mgKOH/gとなる範囲が好ましい。上記カルボキシル基含有光硬化性樹脂(B)の酸価が20mgKOH/g未満の場合、アルカリ水溶液による現像性が得られなくなるので好ましくない。一方、この酸価が120mgKOH/gを超える場合、光硬化基の付加量が低減し、感度が低下するので好ましくない。
具体的には、前記1分子中に3個以上のフェノール性水酸基を有する化合物(d)から誘導されるポリオール化合物のアルコール性水酸基に、不飽和モノカルボン酸(b)と多塩基酸無水物(c)を、8:2〜4:6の範囲で反応させることが好ましい。
【0017】
前記光重合開始剤(C)としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4,4´−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類又はキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。これら公知慣用の光重合開始剤は、単独で又は2種類以上の混合物として使用でき、さらにはN,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類などの光開始助剤を加えることができる。また可視光領域に吸収のあるCGI−784(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等のチタノセン化合物等も、光反応を促進するために添加することもできる。特に好ましい光重合開始剤は、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等であるが、特にこれらに限られるものではなく、紫外光もしくは可視光領域で光を吸収し、(メタ)アクリロイル基等の不飽和基をラジカル重合させるものであれば、光重合開始剤、光開始助剤に限らず、単独で又は2種類以上を併用して使用できる。
【0018】
前記光重合開始剤(C)の配合量は、前記カルボキシル基含有光硬化性樹脂(A),(B)の合計量100質量部(固形分として、以下同様)に対して、0.1〜25質量部、好ましくは0.5〜20質量部の割合が望ましい。光重合開始剤(C)の配合量が上記範囲よりも少ない場合、活性エネルギー線の照射を行なっても硬化しないか、もしくは照射時間を増やす必要があり、適切な塗膜物性が得られ難くなる。一方、上記範囲よりも多量に光重合開始剤を添加しても、光硬化性に変化は無く、経済的に好ましくない。
【0019】
前記1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(D)としては、公知慣用の各種エポキシ樹脂、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル化合物;テレフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステルなどのグリシジルエステル化合物;トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素環式エポキシ樹脂;N,N,N’,N’−テトラグリシジルメタキシレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリンなどのグリシジルアミン化合物;ゴム変性エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で又は二種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】
上記エポキシ樹脂(D)は、熱硬化することにより、ソルダーレジストに必要な密着性、耐熱性等の特性を向上させる。その配合量は、前記カルボキシル基含有光硬化性樹脂(A),(B)のカルボキシル基1当量当たり、0.8〜2.0当量であり、好ましくは1.0〜1.6当量である。エポキシ樹脂(D)の配合量が0.8当量未満の場合、硬化塗膜の吸湿性、はんだ耐熱性、電気特性等が低下するので好ましくない。一方、エポキシ樹脂(D)の配合量が2.0当量を超えると、塗膜の現像性や硬化塗膜の耐めっき性が悪くなり、また耐クラック性も低下するので好ましくない。
【0021】
本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物は、指触乾燥性を得るために、固形又は半固形のカルボキシル基含有光硬化性樹脂(A),(B)を用いているため、樹脂を溶解させ、また組成物を塗布方法に適した粘度に調整するため、光重合性モノマーや有機溶剤等を希釈剤(E)として用いる必要がある。また、光重合性モノマーは、光硬化性を上げることもできる。
上記希釈剤(E)として用いられる光重合性モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのモノ又はジアクリレート類;N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのアクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリシクロデカンジメタノール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコール又はこれらのエチレオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、及びこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などのアクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルのアクリレート類;各種ウレタンアクリレート類;及びメラミンアクリレート、及び/又は上記アクリレートに対応する各メタクリレート類などが挙げられる。これらの光重合性モノマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】
上記希釈剤(E)として用いられる有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エーテル、酢酸ブチル及び上記グリコールエーテル類の酢酸エステル化物などのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などが挙げられ、前記光硬化性樹脂(A)及び(B)と相溶性が良いものが好ましい。また、ドライフィルム化に際しては、沸点が150℃以下の有機溶剤が作業性の面から好ましい。
【0023】
本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物は、塗膜の硬化収縮を抑制し、印刷性、密着性、硬度などの特性を向上させるため、必要に応じて、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素紛、微粉状酸化ケイ素、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、マイカ等の公知慣用の無機フィラー及び/又はウレタンビーズなどの有機フィラーを、単独で又は2種以上を組み合わせて配合することができる。これら無機フィラー及び/又は有機フィラーの配合量は、前記カルボキシル基含有光硬化性樹脂(A),(B)の合計量100質量部当り、0〜200質量部、好ましくは10〜100質量部が適当である。
【0024】
また、本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物は、更に必要に応じて、カーボンブラック、酸化チタン、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、ナフタレンブラックなどの公知慣用の着色剤;ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジンなどの公知慣用の熱重合禁止剤;シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤及び/又はレベリング剤;イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤;ジシアンジアミド、メラミンなどの硬化触媒等、公知慣用の添加剤類を配合することができる。
【0025】
以上のような組成を有する本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて前記有機溶剤等で希釈して塗布方法に適した粘度に調整し、これを例えば、回路形成されたフレキシブルプリント配線板、又はTABテープにスクリーン印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の方法により塗布し、例えば約60〜100℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥させることにより、塗膜を形成できる。
【0026】
あるいは、前記組成物をドライフィルム化し回路形成されたフレキシブルプリント配線板、又はTABテープにラミネートし、光硬化性・熱硬化性樹脂組成物の塗膜を形成できる。
ドライフィルム化に際しては、本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を前記有機溶剤で希釈して適切な粘度とし、支持体フィルム上にフィルムコーター等で塗布・乾燥して、ドライフィルムを作製することができる。塗布膜厚としては、乾燥後で、通常10〜50μm、好ましくは15〜40μmである。
支持体フィルムに上記組成物を塗布する方法としては、例えば、ナイフコーター塗布、コンマコーター塗布、ダイコーター塗布、グラビアコーター塗布、ロールコータ塗布、スプレーコーター塗布等で行なうことができる。また、支持体フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等のフィルムを用いることができる。
【0027】
支持体フィルム上に上記組成物を塗布した後、通常、50〜130℃の温度で1〜30分間乾燥して膜を得ることができる。さらに、膜の表面に塵が付着するのを防ぐなどの目的で、膜の表面に剥離可能なカバーフィルムを積層することが望ましい。
剥離可能なカバーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面処理した紙等を用いることができ、カバーフィルムを剥離するときに膜と支持体との接着力よりも膜とカバーフィルムとの接着力がより小さいものであればよい。
【0028】
その後、上記いずれかの方法で作製した塗膜を、所定のパターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光し、未露光部を希アルカリ水溶液により現像してレジストパターンを形成でき、さらに、活性エネルギー線の照射後加熱硬化もしくは加熱硬化後活性エネルギー線の照射、又は、加熱硬化のみで最終硬化(本硬化)させることにより、耐屈曲性、耐折性、耐柔軟性、反り、耐めっき性、耐熱性、電気特性に優れた硬化皮膜(例えば、ソルダーレジスト皮膜)を形成することができる。
【0029】
上記希アルカリ水溶液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類などの希アルカリ水溶液が使用できる。
また、光硬化させるための照射光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプなどが適当である。その他、レーザー光線なども活性エネルギー線として利用できる。
【0030】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。なお、以下において「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
【0031】
〔カルボキシル基含有光硬化性樹脂(A)の合成〕
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量=950、軟化点85℃、平均重合度n=6.2)380部とエピクロルヒドリン925部をジメチルスルホキシド462.5部に溶解させた後、攪拌下70℃で純度98.5%NaOH60.9部(1.5モル)を100分かけて添加した。添加後さらに70℃で3時間反応を行った。反応終了後、水250部を加え水洗を行った。油水分離後、油層よりジメチルスルホキシドの大半及び過剰の未反応エピクロルヒドリンを減圧下に蒸留回収し、残留した複製塩とジメチルスルホキシドを含む反応生成物をメチルイソブチルケトン750部に溶解させ、さらに30%NaOH水溶液10部を加え、70℃で1時間反応させた。反応終了後、水200部で2回水洗を行った。油水分離後、油層よりチルイソブチルケトンを蒸留回収して、エポキシ当量=310、軟化点69℃の多官能エポキシ化合物(a)を得た。得られた多官能エポキシ化合物(a)は、エポキシ当量から計算すると、前記出発物質ビスフェノールF型エポキシ樹脂におけるアルコール性水酸基6.2個のうち約5個がエポキシ化されたものであった。
この多官能エポキシ化合物(a)310部及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート282部を攪拌機及び還流冷却器の付いた四つ口フラスコに仕込み、90℃で加熱・攪拌し、溶解した。得られた溶液を一旦60℃まで冷却し、アクリル酸72部、メチルハイドロキノン0.5部、トリフェニルホスフィン2部を加え、100℃に加熱し、約60時間反応させ、酸価が0.2mgKOH/gの反応物を得た。これに無水テトラヒドロフタル酸140部を加え、90℃に加熱し、固形分酸価が100mgKOH/gになるまで反応を行い、光硬化性樹脂(B)を65%含有する溶液を得た。以下、この溶液をA−1ワニスと称す。
【0032】
〔カルボキシル基含有光硬化性樹脂(B)の合成〕
温度計、窒素導入装置兼アルキレンオキシド導入装置及び撹拌装置を備えたオートクレーブに、昭和高分子(株)製クレゾールノボラック樹脂(商品名「ショウノール CRG−951」、OH当量:118)59部、50%水酸化ナトリウム水溶液2.6部、トルエン/メチルイソブチルケトン(質量比=2/1)50部を仕込み、撹拌しながら系内を窒素置換し、次に加熱昇温し、150℃、9kg/cmでプロピレンオキシド90部を徐々に導入し反応させた。反応はゲージ圧0.0kg/cmとなるまで約6時間続けた後、室温まで冷却した。さらに、50%水酸化カリウム水溶液3.0部を添加し、系内を窒素置換して、加熱昇温し、150℃、9kg/cmでプロピレンオキシド90部を徐々に導入し、ゲージ圧0.0kg/cmとなるまで反応を続けた後、室温まで冷却した。この反応溶液を35%塩酸水溶液で、触媒として添加した水酸化ナトリウムと水酸化カリウムを中和した。その後、この反応生成物をトルエンで希釈し、3回水洗し、エバポレーターにて脱溶剤して、水酸基当量が467g/eq.であるクレゾールノボラック樹脂のアルキレンオキシド付加物を得た。これは、フェノール性水酸基1モルに対して、アルキレンオキシドが平均6.0モル付加したものであった。
得られたクレゾールノボラック樹脂のアルキレンオキシド付加物233.5部、アクリル酸25.2部、p−トルエンスルホン酸3.0部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.05部、トルエン100部を撹拌機、温度計、空気吹き込み管を備えた反応器に仕込み、空気を吹き込みながら攪拌して、110℃で6時間反応させた。反応により生成した水がトルエンとの共沸混合物として留出し始めた後、さらに5時間反応させ、室温まで冷却した。得られた反応溶液を5%NaCl水溶液で水洗し、エバポレーターにてトルエンを留去し、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを加えて、不揮発分60%のクレゾールノボラック骨格のアクリレート樹脂溶液を得た。
次に、撹拌器及び還流冷却器の付いた4つ口フラスコに、得られたクレゾールノボラック骨格のアクリレート樹脂溶液215.5部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.05部、トリフェニルホスフィン0.2部を仕込み、この混合物を120℃に加熱し、無水テトラヒドロフタル酸11.4部を加え、6時間反応させ、冷却後、取り出した。このようにして得られたカルボキシル基含有光硬化性樹脂は、不揮発分62%、固形分酸価30mgKOH/gであった。以下、この反応溶液をB−1ワニスと称す。
【0033】
〔ウレタンアクリレート樹脂の合成〕
温度計、撹拌器、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピクロン 4050、大日本インキ化学工業社製、エポキシ当量=950)475部とジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート465部を量り取り、加熱溶解した。次に、重合禁止剤としてハイドロキノン0.1部と、反応触媒としてトリフェニルホスフィン1.0部を加えた。この混合物を95〜105℃に加熱し、アクリル酸36部を徐々に滴下し、酸価が1.0mgKOH/g以下になるまで、約16時間反応させた。この反応生成物を、常温まで冷却し、ジラウリン酸ジブチル錫0.2部を加え、約70℃に加熱し、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート186部を徐々に加え、赤外吸光分析により、イソシアネートの吸収ピークが無くなるまで、約6時間反応させ、エポキシウレタンアクリレートの不揮発分60%の溶液を得た。以下、この溶液をウレタンアクリートワニスと称す。
【0034】
〔比較合成例〕
温度計、撹拌器、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エピクロンN−680、大日本インキ化学工業社製、エポキシ当量=210)210部とジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート96.4部を量り取り、加熱溶解した。次に、重合禁止剤としてハイドロキノン0.1部と、反応触媒としてトリフェニルホスフィン2.0部を加えた。この混合物を95〜105℃に加熱し、アクリル酸72部を徐々に滴下し、酸価が3.0mgKOH/g以下になるまで、約16時間反応させた。この反応生成物を、80〜90℃まで冷却し、無水テトラヒドロフタル酸76.1部を加え、赤外吸光分析により、酸無水物の吸収ピーク(1780cm−1)が無くなるまで、約6時間反応させた。この反応液に、出光石油化学社製の芳香族系溶剤イプゾール#150 96.4部を加え、希釈した後、取り出した。このようにして得られた2個以上のアクリロイル基とカルボキシル基を併せ持つ樹脂化合物は、不揮発分65%、固形物の酸価78mgKOH/gであった。以下、この反応溶液をR−1ワニスと称す。
【0035】
(実施例1〜3及び比較例1〜3)
上記合成例で得たA−1,B−1,R−1ワニス及びウレタンアクリレートワニスを用いて、表1に示す配合割合で各成分を配合し、3本ロールミルを用いて混練して、各光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を調製した。
【0036】
【表1】
Figure 2004099635
【0037】
(1)ドライフィルム形成性
上記のようにして得られた各組成物を、厚さ38μmのPETフィルムにナイフコーターを用いて、乾燥膜厚が35μmになるように塗布した後、110℃で5分間乾燥して、各組成物のドライフィルムを得た。
各組成物のドライフィルムを、ロールに巻き取った後、乾燥塗膜表面の状態を、ルーペを用いてクラック等の発生状況を調べ、以下のように評価した。
○:クラック等の発生が全く無い。
△:微細なクラックが少し発生。
×:クラックが発生し、剥がれが起こる。
【0038】
(2)現像性
上記各実施例及び比較例の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を、パターン形成された銅箔基板上にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分乾燥し、室温まで放冷した後、30℃の1%NaCO水溶液をスプレー圧2kg/cmの条件で30秒間現像を行い、乾燥塗膜の現像残りの有無を目視で確認した。判定基準は以下のとおりである。
○:完全に現像されている。
△:一部塗膜が残っている。
×:塗膜が完全に残っている。
【0039】
(3)感度
上記のようにして得られた各組成物を、ポリイミドフレキシブルプリント配線板にスクリーン印刷法で乾燥膜厚が約20μmになるように全面印刷し、熱風循環式乾燥炉で80℃,20分乾燥し、評価基板を作製した。この評価基板に、コダックNo.2のステップタブレットを当て、300mJ/cmで露光し、スプレー圧2kg/cmの1wt%NaCO水溶液で1分間現像し、塗膜が完全に除去されている段数を評価した。
【0040】
上記のようにして得られた各組成物を、回路形成されたポリイミドフレキシブルプリント配線板に、スクリーン印刷法で乾燥膜厚が約20μmになるように全面印刷し、熱風循環式乾燥炉で80℃,20分乾燥した。これを室温まで冷却した後、各組成物で感度が6段となるような適正露光量でパターン露光し、スプレー圧2kg/cmの1wt%NaCO水溶液で1分間現像した。この基板を、熱風循環式乾燥炉を用いて、150℃で60分間熱硬化を行い、評価基板を作製した。
以下、この評価基板を用いて、反り、耐屈曲性、はんだ耐熱性、無電解金めっき耐性を評価した。
【0041】
(4)反り
上記評価基板を、5cm四方に裁断し、水平な場所にサンプルを置き、ノギスを用いて、反り量を測定した。
○:反り量が1mm未満。
△:反り量が1mm以上3mm未満。
×:反り量が3mm以上。
【0042】
(5)耐屈曲性
前記評価基板を、幅1cm、長さ10cmに裁断し、塗膜面を外側に180℃折り曲げを行い、クラックの有無を観察した。
○:全く、異常の無いもの。
△:僅かに、微細なクラックが見られるもの。
×:基材部まで到達するクラックが見られるもの。
【0043】
(6)はんだ耐熱性
前記評価基板に、ロジン系フラックスを塗布し、260℃に設定したはんだ槽に、30秒間浸漬した。この評価基板を有機溶剤で洗浄したのち、セロハンテープによるピーリング試験を行い、以下のように判定した。
○:膨れ、剥がれ、変色等の異常なし。
△:変色のみ発生。
×:膨れ、又は剥がれを発生。
【0044】
(7)無電解金めっき耐性
前記評価基板を、市販の無電解ニッケルめっき液と無電解金めっき液を用いて、無電解めっきを行った。
このめっき後の評価基板について、セロハン粘着テープによるピールテストを行い、レジスト層の剥がれについて評価した。
○:全く変化が認められないもの。
△:ほんの僅か剥がれの変化があるもの。
×:塗膜全体に剥がれがあるのもの。
【0045】
これらの結果を、表2にまとめて示す。
【表2】
Figure 2004099635
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物によれば、高感度で、フレキシブルプリント配線板やTABテープに必要な耐屈曲性、耐折性、柔軟性、反り、耐めっき性、耐熱性、電気特性等に優れた塗膜を形成することができる。
また、ドライフィルム形成性に優れていることから、ロール・ツー・ロール法に適した光硬化性・熱硬化性樹脂組成物のドライフィルムを提供することができる。
しかも、本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物又はその成形物を、フレキシブルプリント配線板又はTABテープ上に、塗布・乾燥又はラミネートした後、活性エネルギー線照射及び加熱硬化することにより、耐屈曲性、耐折性、柔軟性、耐めっき性、耐熱性、電気特性に優れた硬化物が得られ、信頼性の高いフレキシブルプリント配線板、又はTABテープを提供することができる。

Claims (7)

  1. (A)(a)下記一般式(1)で示される線状の多官能エポキシ化合物
    Figure 2004099635
    (式中、R、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、水素原子又はグリシジル基を示し、nは、1〜20の値を示す。)
    に、(b)不飽和モノカルボン酸を反応させた後、(c)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有光硬化性性樹脂、
    (B)(d)1分子中に3個以上のフェノール性水酸基を有する化合物に(e)アルキレンオキシドを付加し、得られたアルコール性水酸基を部分的に(b)不飽和モノカルボン酸でエステル化し、更に未反応のアルコール性水酸基に(c)多塩基酸無水物を付加させて得られるカルボキシル基含有光硬化性樹脂、
    (C)光重合開始剤、(D)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、及び(E)希釈剤を含有することを特徴とする光硬化性・熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記光硬化性樹脂(B)の酸価が、20〜120mgKOH/gであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 前記光硬化性樹脂(B)に用いられる1分子中に3個以上のフェノール性水酸基を有する化合物(d)が、フェノールノボラック樹脂及び/又はクレゾールノボラック樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記1分子中に3個以上のフェノール性水酸基を有する化合物(d)に付加するアルキレンオキシド(e)の量が、フェノール性水酸基1モルに対して、1.0〜10.0モルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記光硬化性樹脂(B)の配合量が、前記光硬化性樹脂(A)100質量部当たり、5〜100質量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物を、支持フィルムに塗布した後、乾燥させて得られるフィルム状の成形物。
  7. 前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物又は成形物を、フレキシブルプリント配線板又はTABテープ上に、塗布・乾燥又はラミネートした後、活性エネルギー線照射及び加熱硬化して得られる硬化物。
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