JP2004088039A - 回路基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】回路パターンを乱すことなく絶縁基板に回路パターンを転写することができる、製造効率(生産性)や作業性の良い回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】金属箔からなる回路パターンが粘着テープの表面に形成された回路転写テープの回路パターンが形成された面を絶縁基板に圧着し、回路パターンを絶縁基板に接着させる工程と、上記回路パターンと上記粘着テープとを剥離して上記絶縁基板に回路パターンを転写する工程との少なくとも2工程を有する回路基板の製造方法であって、上記粘着テープは、樹脂フィルムの表面にゲル分率が10重量%以上の光架橋型粘着剤からなる粘着剤層が形成されたものであり、かつ、上記回路パターンと上記粘着テープとを剥離する際に、回路転写テープの粘着テープ側から光を照射して上記光架橋型粘着剤を架橋させることにより、上記粘着テープの粘着力を低減させることを特徴とする回路基板の製造方法、および、光架橋型粘着剤が光ラジカル重合型粘着剤であることを特徴とする上記回路基板の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】金属箔からなる回路パターンが粘着テープの表面に形成された回路転写テープの回路パターンが形成された面を絶縁基板に圧着し、回路パターンを絶縁基板に接着させる工程と、上記回路パターンと上記粘着テープとを剥離して上記絶縁基板に回路パターンを転写する工程との少なくとも2工程を有する回路基板の製造方法であって、上記粘着テープは、樹脂フィルムの表面にゲル分率が10重量%以上の光架橋型粘着剤からなる粘着剤層が形成されたものであり、かつ、上記回路パターンと上記粘着テープとを剥離する際に、回路転写テープの粘着テープ側から光を照射して上記光架橋型粘着剤を架橋させることにより、上記粘着テープの粘着力を低減させることを特徴とする回路基板の製造方法、および、光架橋型粘着剤が光ラジカル重合型粘着剤であることを特徴とする上記回路基板の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯情報端末の発達やコンピュータを持ち運んで使用する所謂モバイルコンピューティングの普及等によって、電子機器の小型化が進んでおり、これら電子機器に内蔵される回路基板には、一層の小型化や薄型化が要求されている。また、通信機器等の高速動作が求められる電子機器の普及によって、高い周波数の信号に対して正確なスイッチングが可能な高速動作に適した回路基板が求められている。このような回路基板では、電気信号の伝搬に要する時間を短縮するために、配線の長さを短くすると共に、配線の幅を細くし、かつ、配線の間隙を小さくすることが要求されている。このように回路基板には、電子機器の小型化および高速化に対応して、配線密度を高くして高密度実装を達成できることが求められている。
【0003】
従来、このような回路基板を製造する方法としては、金属箔からなる回路パターンを表面に形成した粘着テープ(回路転写テープ)を絶縁基板に圧着し、回路パターンを絶縁基板に埋め込ませた後に回路パターンと粘着テープとを剥離することにより、絶縁基板に回路パターンを転写する方法が採られている。しかし、絶縁基板に回路パターンを転写する際に、粘着テープの粘着剤層が絶縁基板に接触して絶縁基板から粘着テープを剥がし難くなるという問題点があった。特に、微細な回路パターンを転写する場合には、絶縁基板に粘着テープが強く接着すると、粘着テープを剥がす際に絶縁基板が変形して配線間隔を乱したり、配線の平面性が失われたりする等の回路パターンの乱れを発生させたり、埋め込んだ回路パターンが粘着テープと共に剥がれたりするという問題点があった。
【0004】
このような問題点に対応するため、例えば、特開平10−178255号公報には、強い粘着性を示す光架橋型粘着剤からなる粘着剤層が設けられた回路転写テープを用い、回路パターン側から回路転写テープに光を照射して回路パターンが形成されていない粘着剤層面の粘着力を低下させることにより、回路転写テープの粘着剤層が絶縁基板に接触しても絶縁基板に接着せず、回路パターンを乱すことなく転写することができる回路基板の製造方法が開示されている。
【0005】
しかし、上記公報に開示されている回路基板の製造方法の場合、線幅の非常に狭い回路パターンを絶縁基板に転写するためには、通常、転写の際に粘着テープ側から回路転写テープに光を照射して金属箔からなる回路パターンと光架橋型粘着剤層との粘着力を低減させる必要が生じるため、複数回の光照射工程が必要であって、製造効率(生産性)や作業性が悪いという問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、回路転写テープの粘着剤層が絶縁基板に強く接着しないため、回路パターンを乱すことなく絶縁基板に回路パターンを転写することができる、製造効率(生産性)や作業性の良い回路基板の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明(本発明)による回路基板の製造方法は、金属箔からなる回路パターンが粘着テープの表面に形成された回路転写テープの回路パターンが形成された面を絶縁基板に圧着し、回路パターンを絶縁基板に接着させる工程と、上記回路パターンと上記粘着テープとを剥離して上記絶縁基板に回路パターンを転写する工程との少なくとも2工程を有する回路基板の製造方法であって、上記粘着テープは、樹脂フィルムの表面にゲル分率が10重量%以上の光架橋型粘着剤からなる粘着剤層が形成されたものであり、かつ、上記回路パターンと上記粘着テープとを剥離する際に、回路転写テープの粘着テープ側から光を照射して上記光架橋型粘着剤を架橋させることにより、上記粘着テープの粘着力を低減させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明による回路基板の製造方法は、上記請求項1に記載の回路基板の製造方法において、光架橋型粘着剤が光ラジカル重合型粘着剤であることを特徴とする。
【0009】
本発明の回路基板の製造方法(以下、単に「製造方法」と略記する)は、回路転写テープの回路パターンが形成された面を絶縁基板に圧着し、回路パターンを絶縁基板に接着させる工程を有する。
【0010】
上記回路転写テープとは、金属箔からなる回路パターンが粘着テープの表面に形成されたものである。
【0011】
上記金属箔としては、回路パターンを形成するのに好適なものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、金、銀、銅、アルミニウムなどの低抵抗金属や、これら低抵抗金属の少なくとも1種類を含有する合金等からなる金属箔が挙げられる。これらの金属箔は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0012】
上記金属箔の厚みは、特に限定されるものではないが、1〜100μmであることが好ましく、より好ましくは5〜50μmである。
【0013】
金属箔の厚みが1μm未満であると、形成される回路パターンの抵抗率が高くなって、回路基板として不適当となることがあり、逆に金属箔の厚みが100μmを超えると、後述する回路基板を製造する際の積層時に絶縁基板の変形が大きくなり、また、金属箔から形成される回路パターンを絶縁基板に転写する際に回路パターンの埋め込み量が多くなり、絶縁基板の歪みが大きくなって、絶縁基板を構成するセラミックグリーンシートや半硬化状態の熱硬化性樹脂を硬化させるときに変形を生じ易くなる等の不都合を生じることがある。また、金属箔をエッチングして回路パターンを形成する際に、このエッチングが困難となって、精度の高い微細な回路を得ることが困難になることもある。
【0014】
上記金属箔には、光架橋型粘着剤からなる粘着剤層との密着力をより高めるために、金属箔の粘着テープと接する側の表面に粗面加工を施して、微細な凹凸を形成しておいても良く、例えば、金属箔表面にJIS B 0601「表面粗さ−定義及び表示」で定義される表面粗さ(Ra)が0.2〜0.7μm程度となるように微細な凹凸を形成しておいても良い。なお、金属箔の粘着テープと接する側とは反対側の表面についても、同様に粗面加工を施して、微細な凹凸を形成しておくことにより、絶縁基板と回路パターンとの接合力をより高めることができる。
【0015】
上記粘着テープは、樹脂フィルムの表面にゲル分率が10重量%以上の光架橋型粘着剤からなる粘着剤層が形成されたものである。
【0016】
上記樹脂フィルムとしては、粘着テープの基材(支持体)として好適な適度の柔軟性を有しているものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド等からなる各フィルム等が挙げられる。これらの樹脂フィルムは、単層構成であっても良いし、2層以上の複層構成であっても良い。
【0017】
上記樹脂フィルムの厚みは、特に限定されるものではないが、10〜500μmであることが好ましく、より好ましくは20〜300μmである。
【0018】
樹脂フィルムの厚みが10μm未満であると、金属箔を加工して回路パターンを形成した時に、樹脂フィルムの変形や折れ曲がりが起こって、回路パターンの断線を生じやすくなることがあり、逆に樹脂フィルムの厚みが500μmを超えると、樹脂フィルムの柔軟性が損なわれて、粘着テープを回路パターン(金属箔)から剥離し難くなることがある。
【0019】
上記光架橋型粘着剤としては、光の照射により架橋し、回路パターンおよび絶縁基板に対する粘着力が低減するものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、粘着性ポリマーと、光の照射により重合・硬化し、回路パターンおよび絶縁基板に対する粘着力を光照射前よりも低減させるように作用する光重合性基を含有する光重合性化合物と、光重合開始剤とを含有してなる粘着剤が挙げられる。なお、上記粘着性ポリマー自体が上記光重合性基を含有している場合には、光重合性化合物は含有していなくても良い。
【0020】
上記粘着性ポリマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリエーテル系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ポリマー、エチレン−アクリル酸エチル共重合体系ポリマー、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体系ポリマー、ウレタン系ポリマー、ゴム系(エラストマー系)ポリマー、ポリビニルブチラール系ポリマーなどのポリビニルアセタール系ポリマー、エポキシ系ポリマー等が挙げられ、なかでも、(メタ)アクリル系ポリマーが好適に用いられる。これらの粘着性ポリマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。なお、ここで言う(メタ)アクリルとは、アクリルまたはメタクリルを意味する。
【0021】
上記光架橋型粘着剤中に含有される光重合性基と光重合開始剤との組み合わせとしては、特に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル基、ビニル基などのラジカル重合性二重結合を有する光ラジカル重合性基と光ラジカル重合開始剤との組み合わせや、エポキシ基、オキセタン基などの光カチオン重合性環状エーテル基と光カチオン重合開始剤との組み合わせ等が挙げられ、なかでも、光ラジカル重合性基と光ラジカル重合開始剤との組み合わせが好適に用いられる。
【0022】
すなわち、本発明で用いられる光架橋型粘着剤は、上記光ラジカル重合性基を含有する光ラジカル重合性化合物と光ラジカル重合開始剤とを少なくとも含有してなる光ラジカル重合型粘着剤であることが好ましい。
【0023】
上記光ラジカル重合開始剤としては、上記光ラジカル重合性基を含有する光ラジカル重合性化合物のラジカル重合を開始させ得るものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどのアセトフェノン誘導体系化合物;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタールなどのケタール誘導体系化合物;ハロゲン化ケトン、アシルフォスフィンオキシド、アシルフォスフォナート、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルベンジルフォスフィンオキシド等が挙げられる。これらの光ラジカル重合開始剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0024】
また、上記光カチオン重合開始剤としては、上記光カチオン重合性基を含有する光カチオン重合性化合物のカチオン重合を開始させ得るものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩などのオニウム塩類等が挙げられる。これらの光ラジカル重合開始剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0025】
本発明で用いられる光架橋型粘着剤において、光重合性化合物として光ラジカル重合性化合物と光カチオン重合性化合物とを併用する場合には、上記光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤とが併用されても良い。
【0026】
本発明で用いられる光架橋型粘着剤は、光の照射による架橋(硬化)前のゲル分率が10重量%以上であることが必要であり、好ましくは20重量%以上であり、より好ましくは40重量%以上である。
【0027】
光架橋型粘着剤の上記ゲル分率が10重量%未満であると、光の照射による架橋前の光架橋型粘着剤からなる粘着剤層の凝集力が低くなるため、光の照射により上記粘着剤層を架橋させた後、回路転写テープを圧着した絶縁基板から粘着テープを剥離する際に、回路パターン上および/または絶縁基板上に粘着剤層が残る現象(糊残り現象)が発生したり、回路パターンの位置ずれが発生する等の不具合が起こる。
【0028】
上記光架橋型粘着剤は適度に架橋していて光の照射による架橋前のゲル分率が10重量%%以上であることにより、光架橋型粘着剤からなる粘着剤層と絶縁基板とを接触させても強く接着せず、絶縁基板と回路転写テープとの貼り合せの前に、回路転写テープの絶縁基板と接する面の光架橋型粘着剤層部分の粘着力を光の照射等により低減させるという工程を必ずしも行わなくても、絶縁基板に圧着された回路転写テープの回路パターンと粘着テープとを剥離する際に、回路転写テープの粘着テープ側から光を照射して光架橋型粘着剤層を架橋させ粘着力を低減させるという工程のみで、回路パターンと粘着テープとの剥離および絶縁基板と粘着テープとの剥離を容易にし、回路パターンを効率的に絶縁基板に転写することが可能となり、高密度の微細回路を高精度で有する小型かつ薄型の単層もしくは多層回路基板の製造を簡素化することができる。
【0029】
光の照射による架橋前の光架橋型粘着剤のゲル分率を10重量%以上とする方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、前記粘着性ポリマーと架橋剤とを反応させる方法が好適に用いられる。
【0030】
上記架橋剤としては、粘着性ポリマーと反応可能なものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、金属系架橋剤等が挙げられる。これらの架橋剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0031】本発明で用いられる光架橋型粘着剤は、特に限定されるものではないが、光の照射により架橋した後のゲル分率が40重量%以上であることが好ましい。光架橋型粘着剤の光照射による架橋後のゲル分率が40重量%未満であると、絶縁基板上や回路パターン上に光架橋型粘着剤層の糊残り現象が発生するという不具合が起こることがある。
【0032】
本発明で言うゲル分率とは、光架橋型粘着剤を一定量精秤し、粘着剤の50〜500倍量の有機溶媒中にこの光架橋型粘着剤を浸漬して、一昼夜振盪下で有機溶媒に膨潤させた後に、200メッシュ網にて濾別し、乾燥させた有機溶媒不溶解分の重量を測定することにより、下記式(1)から算出されるゲル分率を意味する。
ゲル分率(重量%)=(B/A)×100 式(1)
ここで、A:有機溶媒浸漬前の重量(g)
B:有機溶媒不溶解分の乾燥重量(g)
【0033】
上記有機溶媒としては、架橋剤による架橋反応前の各原材料を溶解可能なものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0034】
本発明で用いられる光架橋型粘着剤には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、粘接着性付与剤、フィラー(充填剤)、軟化剤(可塑剤)、増粘剤、揺変性付与剤、カップリング剤、界面活性剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、着色剤、消泡剤、難燃剤、帯電防止剤等の各種添加剤の1種類もしくは2種類以上が添加されていても良い。
【0035】
上記光架橋型粘着剤からなる粘着剤層の厚み(乾燥後の厚み)は、特に限定されるものではないが、1〜100μmであることが好ましい。上記粘着剤層の厚みが1μm未満であると、回路パターン形成用の金属箔が粘着テープの表面に十分な粘着力で保持されず、金属箔が剥がれ易くなることがあり、逆に粘着剤層の厚みが100μmを超えると、絶縁基板に回路パターンを転写させた後に粘着テープを剥離する際に、回路パターン上に光架橋型粘着剤層の糊残り現象が発生し易くなる等の不具合が起こることがある。
【0036】
上記光架橋型粘着剤からなる粘着剤層と回路パターン形成用の金属箔との粘着力は、光の照射による光架橋型粘着剤層の架橋後の方が架橋前よりも低い。
【0037】光架橋型粘着剤層の架橋前の上記粘着力は、特に限定されるものではないが、0.5〜40N/25mmであることが好ましく、より好ましくは1〜20N/25mmである。また、光架橋型粘着剤層の架橋後の上記粘着力は、特に限定されるものではないが、0〜3N/25mmであることが好ましく、より好ましくは0〜2N/25mmである。なお、ここで言う粘着力とは、JIS Z 0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠して測定される180度剥離粘着力を意味する。
【0038】
光架橋型粘着剤層の架橋前の上記粘着力が0.5〜40N/25mmの範囲内であると、回路パターンを形成するためのエッチング等に際しても金属箔が剥離することなく十分に保持される。また、光架橋型粘着剤層の架橋後の上記粘着力が0〜3N/25mmの範囲内であると、絶縁基板に対する回路パターンの転写時に回路パターンと粘着テープとを容易に剥離することができる。
【0039】
本発明で用いられる回路転写テープを作製する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、金属箔を粘着テープの表面に貼り付けて金属箔付き粘着テープを作製した後、この金属箔付き粘着テープの金属箔を回路パターン状に成形する方法等が挙げられる。
【0040】
上記金属箔付き粘着テープを作製する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂フィルムにゲル分率が10重量%以上の光架橋型粘着剤を塗工して粘着剤層を形成した後、金属箔と貼り合せる方法や、金属箔にゲル分率が10重量%以上の光架橋型粘着剤を塗工して粘着剤層を形成した後、樹脂フィルムと貼り合せる方法等が挙げられる。
【0041】
上記光架橋型粘着剤からなる粘着剤層を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、光架橋型粘着剤の有機溶媒溶液、水溶液またはエマルジョン等を樹脂フィルムまたは金属箔に常法により塗工した後、有機溶媒または水を乾燥して揮発させることにより粘着剤層を形成する方法や、光架橋型粘着剤を加熱溶融させ、樹脂フィルムまたは金属箔に常法により塗工した後、冷却することにより粘着剤層を形成する方法等が挙げられる。
【0042】
上記金属箔付粘着テープの金属箔を回路パターン状に成形する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、公知のレジスト法等が挙げられる。上記レジスト法では、金属箔の全面にフォトレジストを塗工し、所定パターンのマスクを介して露光を行い、現像後、プラズマエッチングやケミカルエッチング等のエッチングにより、非パターン部(フォトレジストが除去されている部分)の金属箔を除去することにより、金属箔を回路パターン状に成形する方法や、スクリーン印刷法等により、金属箔表面に所定の回路パターン状にフォトレジストを塗工し、次いで、上記と同様に露光、現像を行った後にエッチングすることにより、金属箔を回路パターン状に成形する方法等が挙げられる。
【0043】
上記エッチング終了後においては、回路パターン上にレジストが残存するが、レジスト除去液により残存するレジストを除去し、洗浄することにより、回路パターンが粘着テープの表面に形成されてなる回路転写テープを得ることができる。
【0044】
上記金属箔は適度な粘着力(好ましくは0.5〜40N/25mm)で粘着テープに保持されており、かつ、光架橋型粘着剤層がエッチングに際して用いる薬液に対する耐性を有し、薬液のしみ込みも抑制するため、エッチングによる回路パターン形成時に金属箔が剥離する等の不都合を有効に防止することができる。この結果、微細で高密度の回路パターンを高精度で形成することが可能となる。
【0045】
本発明の製造方法は、回路転写テープの回路パターンが形成された面を絶縁基板に圧着し、回路パターンを絶縁基板に接着させる工程を有する。
【0046】
本発明の製造方法における上記工程においては、必要に応じて、光架橋型粘着剤からなる粘着剤層(光架橋型粘着剤層)に予め光を照射して粘着力を低減させた後に、回路転写テープを絶縁基板に圧着しても良いし、回路転写テープを絶縁基板に圧着した後に、光架橋型粘着剤層に光を照射して粘着力を低減させても良いし、また、この両者を併用しても良い。
【0047】
回路転写テープを絶縁基板に圧着する前に光架橋型粘着剤層に光を照射する場合、光照射は回路転写テープの粘着テープ側および/または回路パターン側から行えば良い。また、回路転写テープを絶縁基板に圧着した後に光を照射する場合、光照射は回路転写テープの粘着テープ側から行えば良い。
【0048】
上記絶縁基板としては、特に限定されるものではないが、例えば、セラミックグリーンシートや半硬化状態の熱硬化性樹脂からなるもの等が挙げられる。
【0049】
上記セラミックグリーンシートとしては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミナ等のセラミック粉末、バインダー樹脂および可塑剤等からなる混合物をシート状に成形したもの等が挙げられる。
【0050】
また、上記熱硬化性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT)などのビスマレイミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられ、なかでも、室温で液状の熱硬化性樹脂が好適に用いられる。これらの熱硬化性樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0051】
上記半硬化状態の熱硬化性樹脂には、一般に強度を高めるためにフィラー(充填剤)が併用される。上記フィラーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、粉末状や繊維状の無機質フィラーや有機質フィラー等が挙げられる。
【0052】
上記無機質フィラーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、SiO2 、Al2 O3 、ZrO2 、TiO2 、AlN、SiC、BaTiO3 、SrTiO3 、ゼオライト、CaTiO3 、ホウ酸アルミニウム等が挙げられる。
【0053】
上記無機質フィラーは、ほぼ球形の粉末状であることが好ましく、その平均粒子径は20μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは7μm以下である。また、上記無機質フィラーは、繊維状であっても良く、その平均アスペクト比が5以上であっても良い。繊維状の無機質フィラーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ガラス繊維等からなる織布や不織布等が挙げられる。これらの無機質フィラーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0054】
また、上記有機質フィラーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、アラミド繊維やセルロース繊維等が挙げられる。これらの有機質フィラーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。また、上記無機質フィラーおよび有機質フィラーは、それぞれ単独で用いられても良いし、両者が併用されても良い。
【0055】
熱硬化性樹脂とフィラーとの混合割合は、特に限定されるものではないが、一般に、体積比で、熱硬化性樹脂/フィラー=15/85〜65/35であることが好ましい。
【0056】
熱硬化性樹脂からなる絶縁基板を作製する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱硬化性樹脂または熱硬化性樹脂と無機質フィラーや有機質フィラーとを含有するスラリーをドクターブレード法等によってシート状に成形し、半硬化状態となる程度まで加熱する方法等が挙げられる。
【0057】
本発明で用いられる絶縁基板には、炭酸ガスレーザ等によりバイアホールを形成し、このバイアホール内に、金、銀、銅、アルミニウム等の低抵抗金属の粉末を充填することによりバイアホール導体を形成しておくことが好ましい。
【0058】
本発明の製造方法において、前記回路転写テープの回路パターンが形成された面を絶縁基板に圧着し、回路パターンを絶縁基板に接着させる工程では、絶縁基板にバイアホール導体が形成されている場合には、バイアホール導体の表面露出部分と回路パターンとが重なり合うように位置設定する。上記回路転写テープと絶縁基板とを圧着する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、プレスによるアンカー効果で接着する方法や、絶縁基板および/または回路転写テープの金属箔に接着剤を塗工し、貼り合せる方法等が挙げられる。特に半硬化状態の熱硬化性樹脂からなる絶縁基板にプレスにより接着する際には、適度な温度で加熱プレスを行う方法が、熱硬化性樹脂の一部または全部を硬化させることにより接着力が増大し、回路パターンの位置ずれや転写不良といった不具合が生じ難くなるため、好ましい。
【0059】
本発明の製造方法は、回路転写テープを構成する回路パターンと粘着テープとを剥離して絶縁基板に回路パターンを転写する工程を有する。
【0060】
上記回路パターンと粘着テープとを剥離して絶縁基板に回路パターンを転写する工程では、回路転写テープの粘着テープ側から光を照射して光架橋型粘着剤を架橋させることにより、粘着テープの粘着力を低減させて回路パターンと粘着テープとを剥離する。このような方法を採ることにより、回路パターンを絶縁基板上に容易に転写することが可能となり、回路基板を良好な製造効率(生産性)や作業性で製造することができる。
【0061】
本発明で用いられる光としては、光架橋型粘着剤を架橋(硬化)させ得るものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、紫外線や可視光線等が挙げられ、なかでも、回路転写テープの取り扱い性や光の有するエネルギー量に優れることから、紫外線が好適に用いられる。これらの光は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0062】
上記光の照射条件としては、光架橋型粘着剤の架橋が可能な照射強度や照射時間であれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、光として紫外線を用いる場合には、紫外線の照射強度は0.1mJ/cm2 以上であることが好ましく、紫外線の照射時間は1秒〜1時間であることが好ましい。
【0063】
本発明の製造方法は、必要に応じて、複数を重ねての積層、焼成、加熱硬化、加圧等を行うことにより、単層の回路基板はもとより、多層の回路基板をも製造効率(生産性)や作業性良く製造することができる。
【0064】
【作用】
本発明の製造方法によれば、光の照射による光架橋型粘着剤の架橋(硬化)前には、金属箔が光架橋型粘着剤により適度な粘着力で粘着テープに保持されているため、エッチングにより金属箔から回路パターンを形成する場合にも金属箔が剥離を生じたり、形成される回路パターンが断線を生じることがなく、エッチングの際に用いる薬液が光架橋型粘着剤層と金属箔との間にしみ込むこともない。
【0065】
また、光の照射により光架橋型粘着剤が架橋(硬化)した後には、回路パターンや絶縁基板に対する粘着力が低減しているため、粘着テープを回路パターンや絶縁基板から剥離する際に回路パターン上や絶縁基板上に光架橋型粘着剤層の糊残りを起こすことなく、容易に粘着テープを剥離することが可能であり、得られる回路基板の回路の導通等における不具合の発生を効果的に抑制することができる。
【0066】
また、光の照射による架橋(硬化)前の光架橋型粘着剤層はゲル分率が10重量%以上の光架橋型粘着剤から形成されているため、光架橋型粘着剤層と絶縁基板とを接触させても強く接着せず、絶縁基板と回路転写テープとの貼り合せの前に、回路転写テープの絶縁基板と接する面の光架橋型粘着剤層部分の粘着力を光の照射等により低減させるという工程を必ずしも行わなくても、絶縁基板に圧着された回路転写テープの回路パターンと粘着テープとを剥離する際に、回路転写テープの粘着テープ側から光を照射して光架橋型粘着剤層を架橋させ粘着力を低減させるという工程のみで、回路パターンと粘着テープとの剥離および絶縁基板と粘着テープとの剥離を容易にし、回路パターンを効率的に絶縁基板に転写することが可能となり、高密度の微細回路を高精度で有する小型かつ薄型の単層もしくは多層回路基板の製造を簡素化することができる。
【0067】
さらに、絶縁基板の作製と回路パターンの形成とを別個の工程で同時に進行させることができるため、製造効率(生産性)や作業性も著しく向上する。
【0068】
【発明の実施の形態】
本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「重量部」を意味する。
【0069】
(実施例1)
ブチルアクリレート90部、アクリル酸10部およびアゾビスイソブチロニトリル0.2部を酢酸エチル300部に溶解し、窒素ガス雰囲気下、80℃に加熱して共重合反応を行い、カルボン酸基を有するアクリルポリマー溶液を合成した。得られたカルボン酸基を有するアクリルポリマー溶液にグリシジルメタクリレート5部を添加し、40℃に加熱して、アクリルポリマー中のカルボン酸基とグリシジルメタクリレートのグリシジル基とを反応させ、カルボン酸基とメタクリル基とを有するアクリルポリマー溶液を得た。得られたカルボン酸基とメタクリル基とを有するアクリルポリマー溶液にトリレンジイソシアネート2.5部および4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン0.5部を添加して、光架橋型粘着剤溶液を作製した。
【0070】
上記で得られた光架橋型粘着剤溶液を厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム表面に光架橋型粘着剤層の乾燥後の厚みが10μmとなるように塗工し、乾燥して、粘着テープを作製した。次いで、得られた粘着テープの光架橋型粘着剤層面と厚み12μmの電解銅箔とが接着するようにラミネートを行って、銅箔付きフィルムを作製した。また、上記で得られた光架橋型粘着剤溶液をシリコーン離型処理フィルムの離型処理面に光架橋型粘着剤層の乾燥後の厚みが20μmとなるように塗工し、乾燥して、ゲル分率測定用粘着テープを作製した。得られた銅箔付きフィルムおよびゲル分率測定用粘着テープは23℃の雰囲気下で1週間養生を行った。
【0071】
上記で得られた銅箔付きフィルムの銅箔側にドライフィルムレジストをラミネートし、線幅30μm、線間隔30μmの回路パターン形状のフォトマスクを通して露光、現像を行い、エッチング、レジスト剥離、洗浄工程を経て、回路転写テープを作製した。
【0072】
上記で得られた回路転写テープの銅箔からなる回路パターン側をガラスエポキシからなる半硬化状態の絶縁基板と位置合わせし、130℃で熱プレスを行って、銅箔回路パターンと絶縁基板とを接着させた。次いで、超高圧水銀灯を用いて、PETフィルム側より紫外線を1.5J/cm2 の照射量で照射した後、PETフィルムと光架橋型粘着剤層とを絶縁基板および銅箔回路パターンから剥離して、回路基板を作製した。
【0073】
(実施例2)
光架橋型粘着剤溶液の作製において、カルボン酸基とメタクリル基とを有するアクリルポリマー溶液に、さらにペンタエリスリトールトリアクリレート10部を添加したこと以外は実施例1の場合と同様にして、光架橋型粘着剤溶液、粘着テープ、銅箔付きフィルム、ゲル分率測定用粘着テープ、回路転写テープおよび回路基板を作製した。
【0074】
(実施例3)
ブチルアクリレート90部、ヒドロキシエチルアクリレート5部、グリシジルメタクリレート5部およびアゾビスイソブチロニトリル0.2部を酢酸エチル300部に溶解し、窒素ガス雰囲気下、80℃に加熱して共重合反応を行い、水酸基とグリシジル基とを有するアクリルポリマー溶液を合成した。得られた水酸基とグリシジル基とを有するアクリルポリマー溶液にトリレンジイソシアネート2.5部および芳香族スルホニウム塩系光カチオン重合開始剤(商品名「オプトマーSP−170」、旭電化工業社製)1部を添加して、光架橋型粘着剤溶液を作製した。得られた光架橋型粘着剤溶液を用いたこと以外は実施例1の場合と同様にして、粘着テープ、銅箔付きフィルム、ゲル分率測定用粘着テープ、回路転写テープおよび回路基板を作製した。
【0075】
(実施例4)
実施例1で作製した光架橋型粘着剤溶液を用い、実施例1の場合と同様にして、粘着テープ、銅箔付きフィルム、ゲル分率測定用粘着テープおよび回路転写テープを作製した。
【0076】超高圧水銀灯を用いて、上記で得られた回路転写テープのPETフィルム側より紫外線を1.5J/cm2 の照射量で照射し、銅箔からなる回路パターンと光架橋型粘着剤層との粘着力を予め低減させた。次いで、回路転写テープの銅箔回路パターン側をガラスエポキシからなる半硬化状態の絶縁基板と位置合わせし、130℃で熱プレスを行って、銅箔回路パターンと絶縁基板とを接着させた後、PETフィルムと光架橋型粘着剤層とを絶縁基板および銅箔回路パターンから剥離して、回路基板を作製した。
【0077】
(比較例1)
光架橋型粘着剤溶液の作製において、カルボン酸基とメタクリル基とを有するアクリルポリマー溶液にトリレンジイソシアネートを添加しなかったこと以外は実施例1の場合と同様にして、光架橋型粘着剤溶液、粘着テープ、銅箔付きフィルム、ゲル分率測定用粘着テープ、回路転写テープ、及び、回路基板を作製した。
【0078】
(比較例2)
ブチルアクリレート90部、アクリル酸10部およびアゾビスイソブチロニトリル0.2部を酢酸エチル300部に溶解し、窒素ガス雰囲気下、80℃に加熱して共重合反応を行い、カルボン酸基を有するアクリルポリマー溶液を合成した。得られたカルボン酸基を有するアクリルポリマー溶液にトリレンジイソシアネート2.5部を添加して、光架橋型粘着剤溶液を作製した。得られた光架橋型粘着剤溶液を用いたこと、および、回路転写テープに対する紫外線の照射を行わなかったこと以外は実施例1の場合と同様にして、粘着テープ、銅箔付きフィルム、ゲル分率測定用粘着テープ、回路転写テープおよび回路基板を作製した。
【0079】
実施例1〜実施例4、ならびに、比較例1および比較例2で得られた銅箔付きフィルム、ゲル分率測定用粘着テープおよび回路基板を用いて、▲1▼粘着力、▲2▼ゲル分率、▲3▼転写性および▲4▼糊残り性を以下の方法で評価した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0080】
▲1▼粘着力
光照射前粘着力:23℃の雰囲気下で1週間養生を行った後の銅箔付きフィルムの180度剥離粘着力を、JIS Z 0237に準拠して、温度23℃、剥離速度300mm/分の条件で測定した。
光照射後粘着力:23℃の雰囲気下で1週間養生を行った後の銅箔付きフィルムの光架橋型粘着剤層に、超高圧水銀灯を用いて、PETフィルム側より紫外線を1.5J/cm2 の照射量で照射し、光架橋型粘着剤層を架橋(硬化)させた後に、上記と同様にして、180度剥離粘着力を測定した。
【0081】
▲2▼ゲル分率
23℃の雰囲気下で1週間養生を行った後のゲル分率測定用粘着テープを0.5g程度精秤し、ガラス瓶中で酢酸エチル50mlに浸漬して、23℃で12時間振盪した。次いで、200メッシュの籠状に加工した金網を精秤し、その中にガラス瓶の内容物を移した。金網に残った酢酸エチル不溶の膨潤物を110℃のオーブン中で2時間乾燥した後、常温まで冷却し、再び精秤を行って、前記式(1)によりゲル分率を算出した。
【0082】
▲3▼転写性
マイクロスコープを用いて、回路基板の回路パターンおよび絶縁基板を観察し、下記判定基準により転写性を評価した。
〔判定基準〕
○‥‥回路パターンの絶縁基板からの浮きや剥離は認められなかった。
×‥‥回路パターンの絶縁基板からの浮きや剥離が認められた。
【0083】
▲4▼糊残り性
マイクロスコープを用いて、回路基板の回路パターンおよび絶縁基板を観察し、下記判定基準により糊残り性を評価した。
〔判定基準〕
○‥‥回路パターンおよび絶縁基板に糊残りは認められなかった。
×‥‥回路パターンおよび/または絶縁基板に糊残りが認められた。
【0084】
【表1】
【0085】表1から明らかなように、本発明の製造方法による実施例1〜実施例4の回路基板は、ゲル分率が10重量%以上であり、光照射前に比較して光照射後の粘着力が大幅に低減した光架橋型粘着剤を用いているので、いずれも回路パターンの転写性に優れ、かつ、回路パターンおよび絶縁基板のいずれにも糊残りは認められなかった。
【0086】
これに対し、ゲル分率は10重量%以上であったが、光照射後でも高い粘着力を発現した光架橋型粘着剤を用いた比較例1の回路基板は、回路パターンおよび絶縁基板と粘着テープとを剥離する際に光架橋型粘着剤層の糊残りが発生した。また、ゲル分率が0重量%の光架橋型粘着剤を用い、しかも光照射を行わなかった比較例2の回路基板は、回路パターンの転写性が悪く、かつ、回路パターンおよび絶縁基板と粘着テープとを剥離する際に光架橋型粘着剤層の糊残りが発生した。
【0087】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の製造方法によれば、回路転写テープの粘着剤層が絶縁基板に強く接着しないため、回路パターンを乱すことなく絶縁基板に回路パターンを転写することができ、製造効率(生産性)や作業性良く回路基板を製造することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯情報端末の発達やコンピュータを持ち運んで使用する所謂モバイルコンピューティングの普及等によって、電子機器の小型化が進んでおり、これら電子機器に内蔵される回路基板には、一層の小型化や薄型化が要求されている。また、通信機器等の高速動作が求められる電子機器の普及によって、高い周波数の信号に対して正確なスイッチングが可能な高速動作に適した回路基板が求められている。このような回路基板では、電気信号の伝搬に要する時間を短縮するために、配線の長さを短くすると共に、配線の幅を細くし、かつ、配線の間隙を小さくすることが要求されている。このように回路基板には、電子機器の小型化および高速化に対応して、配線密度を高くして高密度実装を達成できることが求められている。
【0003】
従来、このような回路基板を製造する方法としては、金属箔からなる回路パターンを表面に形成した粘着テープ(回路転写テープ)を絶縁基板に圧着し、回路パターンを絶縁基板に埋め込ませた後に回路パターンと粘着テープとを剥離することにより、絶縁基板に回路パターンを転写する方法が採られている。しかし、絶縁基板に回路パターンを転写する際に、粘着テープの粘着剤層が絶縁基板に接触して絶縁基板から粘着テープを剥がし難くなるという問題点があった。特に、微細な回路パターンを転写する場合には、絶縁基板に粘着テープが強く接着すると、粘着テープを剥がす際に絶縁基板が変形して配線間隔を乱したり、配線の平面性が失われたりする等の回路パターンの乱れを発生させたり、埋め込んだ回路パターンが粘着テープと共に剥がれたりするという問題点があった。
【0004】
このような問題点に対応するため、例えば、特開平10−178255号公報には、強い粘着性を示す光架橋型粘着剤からなる粘着剤層が設けられた回路転写テープを用い、回路パターン側から回路転写テープに光を照射して回路パターンが形成されていない粘着剤層面の粘着力を低下させることにより、回路転写テープの粘着剤層が絶縁基板に接触しても絶縁基板に接着せず、回路パターンを乱すことなく転写することができる回路基板の製造方法が開示されている。
【0005】
しかし、上記公報に開示されている回路基板の製造方法の場合、線幅の非常に狭い回路パターンを絶縁基板に転写するためには、通常、転写の際に粘着テープ側から回路転写テープに光を照射して金属箔からなる回路パターンと光架橋型粘着剤層との粘着力を低減させる必要が生じるため、複数回の光照射工程が必要であって、製造効率(生産性)や作業性が悪いという問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、回路転写テープの粘着剤層が絶縁基板に強く接着しないため、回路パターンを乱すことなく絶縁基板に回路パターンを転写することができる、製造効率(生産性)や作業性の良い回路基板の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明(本発明)による回路基板の製造方法は、金属箔からなる回路パターンが粘着テープの表面に形成された回路転写テープの回路パターンが形成された面を絶縁基板に圧着し、回路パターンを絶縁基板に接着させる工程と、上記回路パターンと上記粘着テープとを剥離して上記絶縁基板に回路パターンを転写する工程との少なくとも2工程を有する回路基板の製造方法であって、上記粘着テープは、樹脂フィルムの表面にゲル分率が10重量%以上の光架橋型粘着剤からなる粘着剤層が形成されたものであり、かつ、上記回路パターンと上記粘着テープとを剥離する際に、回路転写テープの粘着テープ側から光を照射して上記光架橋型粘着剤を架橋させることにより、上記粘着テープの粘着力を低減させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明による回路基板の製造方法は、上記請求項1に記載の回路基板の製造方法において、光架橋型粘着剤が光ラジカル重合型粘着剤であることを特徴とする。
【0009】
本発明の回路基板の製造方法(以下、単に「製造方法」と略記する)は、回路転写テープの回路パターンが形成された面を絶縁基板に圧着し、回路パターンを絶縁基板に接着させる工程を有する。
【0010】
上記回路転写テープとは、金属箔からなる回路パターンが粘着テープの表面に形成されたものである。
【0011】
上記金属箔としては、回路パターンを形成するのに好適なものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、金、銀、銅、アルミニウムなどの低抵抗金属や、これら低抵抗金属の少なくとも1種類を含有する合金等からなる金属箔が挙げられる。これらの金属箔は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0012】
上記金属箔の厚みは、特に限定されるものではないが、1〜100μmであることが好ましく、より好ましくは5〜50μmである。
【0013】
金属箔の厚みが1μm未満であると、形成される回路パターンの抵抗率が高くなって、回路基板として不適当となることがあり、逆に金属箔の厚みが100μmを超えると、後述する回路基板を製造する際の積層時に絶縁基板の変形が大きくなり、また、金属箔から形成される回路パターンを絶縁基板に転写する際に回路パターンの埋め込み量が多くなり、絶縁基板の歪みが大きくなって、絶縁基板を構成するセラミックグリーンシートや半硬化状態の熱硬化性樹脂を硬化させるときに変形を生じ易くなる等の不都合を生じることがある。また、金属箔をエッチングして回路パターンを形成する際に、このエッチングが困難となって、精度の高い微細な回路を得ることが困難になることもある。
【0014】
上記金属箔には、光架橋型粘着剤からなる粘着剤層との密着力をより高めるために、金属箔の粘着テープと接する側の表面に粗面加工を施して、微細な凹凸を形成しておいても良く、例えば、金属箔表面にJIS B 0601「表面粗さ−定義及び表示」で定義される表面粗さ(Ra)が0.2〜0.7μm程度となるように微細な凹凸を形成しておいても良い。なお、金属箔の粘着テープと接する側とは反対側の表面についても、同様に粗面加工を施して、微細な凹凸を形成しておくことにより、絶縁基板と回路パターンとの接合力をより高めることができる。
【0015】
上記粘着テープは、樹脂フィルムの表面にゲル分率が10重量%以上の光架橋型粘着剤からなる粘着剤層が形成されたものである。
【0016】
上記樹脂フィルムとしては、粘着テープの基材(支持体)として好適な適度の柔軟性を有しているものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド等からなる各フィルム等が挙げられる。これらの樹脂フィルムは、単層構成であっても良いし、2層以上の複層構成であっても良い。
【0017】
上記樹脂フィルムの厚みは、特に限定されるものではないが、10〜500μmであることが好ましく、より好ましくは20〜300μmである。
【0018】
樹脂フィルムの厚みが10μm未満であると、金属箔を加工して回路パターンを形成した時に、樹脂フィルムの変形や折れ曲がりが起こって、回路パターンの断線を生じやすくなることがあり、逆に樹脂フィルムの厚みが500μmを超えると、樹脂フィルムの柔軟性が損なわれて、粘着テープを回路パターン(金属箔)から剥離し難くなることがある。
【0019】
上記光架橋型粘着剤としては、光の照射により架橋し、回路パターンおよび絶縁基板に対する粘着力が低減するものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、粘着性ポリマーと、光の照射により重合・硬化し、回路パターンおよび絶縁基板に対する粘着力を光照射前よりも低減させるように作用する光重合性基を含有する光重合性化合物と、光重合開始剤とを含有してなる粘着剤が挙げられる。なお、上記粘着性ポリマー自体が上記光重合性基を含有している場合には、光重合性化合物は含有していなくても良い。
【0020】
上記粘着性ポリマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリエーテル系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ポリマー、エチレン−アクリル酸エチル共重合体系ポリマー、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体系ポリマー、ウレタン系ポリマー、ゴム系(エラストマー系)ポリマー、ポリビニルブチラール系ポリマーなどのポリビニルアセタール系ポリマー、エポキシ系ポリマー等が挙げられ、なかでも、(メタ)アクリル系ポリマーが好適に用いられる。これらの粘着性ポリマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。なお、ここで言う(メタ)アクリルとは、アクリルまたはメタクリルを意味する。
【0021】
上記光架橋型粘着剤中に含有される光重合性基と光重合開始剤との組み合わせとしては、特に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル基、ビニル基などのラジカル重合性二重結合を有する光ラジカル重合性基と光ラジカル重合開始剤との組み合わせや、エポキシ基、オキセタン基などの光カチオン重合性環状エーテル基と光カチオン重合開始剤との組み合わせ等が挙げられ、なかでも、光ラジカル重合性基と光ラジカル重合開始剤との組み合わせが好適に用いられる。
【0022】
すなわち、本発明で用いられる光架橋型粘着剤は、上記光ラジカル重合性基を含有する光ラジカル重合性化合物と光ラジカル重合開始剤とを少なくとも含有してなる光ラジカル重合型粘着剤であることが好ましい。
【0023】
上記光ラジカル重合開始剤としては、上記光ラジカル重合性基を含有する光ラジカル重合性化合物のラジカル重合を開始させ得るものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどのアセトフェノン誘導体系化合物;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタールなどのケタール誘導体系化合物;ハロゲン化ケトン、アシルフォスフィンオキシド、アシルフォスフォナート、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルベンジルフォスフィンオキシド等が挙げられる。これらの光ラジカル重合開始剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0024】
また、上記光カチオン重合開始剤としては、上記光カチオン重合性基を含有する光カチオン重合性化合物のカチオン重合を開始させ得るものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩などのオニウム塩類等が挙げられる。これらの光ラジカル重合開始剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0025】
本発明で用いられる光架橋型粘着剤において、光重合性化合物として光ラジカル重合性化合物と光カチオン重合性化合物とを併用する場合には、上記光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤とが併用されても良い。
【0026】
本発明で用いられる光架橋型粘着剤は、光の照射による架橋(硬化)前のゲル分率が10重量%以上であることが必要であり、好ましくは20重量%以上であり、より好ましくは40重量%以上である。
【0027】
光架橋型粘着剤の上記ゲル分率が10重量%未満であると、光の照射による架橋前の光架橋型粘着剤からなる粘着剤層の凝集力が低くなるため、光の照射により上記粘着剤層を架橋させた後、回路転写テープを圧着した絶縁基板から粘着テープを剥離する際に、回路パターン上および/または絶縁基板上に粘着剤層が残る現象(糊残り現象)が発生したり、回路パターンの位置ずれが発生する等の不具合が起こる。
【0028】
上記光架橋型粘着剤は適度に架橋していて光の照射による架橋前のゲル分率が10重量%%以上であることにより、光架橋型粘着剤からなる粘着剤層と絶縁基板とを接触させても強く接着せず、絶縁基板と回路転写テープとの貼り合せの前に、回路転写テープの絶縁基板と接する面の光架橋型粘着剤層部分の粘着力を光の照射等により低減させるという工程を必ずしも行わなくても、絶縁基板に圧着された回路転写テープの回路パターンと粘着テープとを剥離する際に、回路転写テープの粘着テープ側から光を照射して光架橋型粘着剤層を架橋させ粘着力を低減させるという工程のみで、回路パターンと粘着テープとの剥離および絶縁基板と粘着テープとの剥離を容易にし、回路パターンを効率的に絶縁基板に転写することが可能となり、高密度の微細回路を高精度で有する小型かつ薄型の単層もしくは多層回路基板の製造を簡素化することができる。
【0029】
光の照射による架橋前の光架橋型粘着剤のゲル分率を10重量%以上とする方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、前記粘着性ポリマーと架橋剤とを反応させる方法が好適に用いられる。
【0030】
上記架橋剤としては、粘着性ポリマーと反応可能なものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、金属系架橋剤等が挙げられる。これらの架橋剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0031】本発明で用いられる光架橋型粘着剤は、特に限定されるものではないが、光の照射により架橋した後のゲル分率が40重量%以上であることが好ましい。光架橋型粘着剤の光照射による架橋後のゲル分率が40重量%未満であると、絶縁基板上や回路パターン上に光架橋型粘着剤層の糊残り現象が発生するという不具合が起こることがある。
【0032】
本発明で言うゲル分率とは、光架橋型粘着剤を一定量精秤し、粘着剤の50〜500倍量の有機溶媒中にこの光架橋型粘着剤を浸漬して、一昼夜振盪下で有機溶媒に膨潤させた後に、200メッシュ網にて濾別し、乾燥させた有機溶媒不溶解分の重量を測定することにより、下記式(1)から算出されるゲル分率を意味する。
ゲル分率(重量%)=(B/A)×100 式(1)
ここで、A:有機溶媒浸漬前の重量(g)
B:有機溶媒不溶解分の乾燥重量(g)
【0033】
上記有機溶媒としては、架橋剤による架橋反応前の各原材料を溶解可能なものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0034】
本発明で用いられる光架橋型粘着剤には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、粘接着性付与剤、フィラー(充填剤)、軟化剤(可塑剤)、増粘剤、揺変性付与剤、カップリング剤、界面活性剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、着色剤、消泡剤、難燃剤、帯電防止剤等の各種添加剤の1種類もしくは2種類以上が添加されていても良い。
【0035】
上記光架橋型粘着剤からなる粘着剤層の厚み(乾燥後の厚み)は、特に限定されるものではないが、1〜100μmであることが好ましい。上記粘着剤層の厚みが1μm未満であると、回路パターン形成用の金属箔が粘着テープの表面に十分な粘着力で保持されず、金属箔が剥がれ易くなることがあり、逆に粘着剤層の厚みが100μmを超えると、絶縁基板に回路パターンを転写させた後に粘着テープを剥離する際に、回路パターン上に光架橋型粘着剤層の糊残り現象が発生し易くなる等の不具合が起こることがある。
【0036】
上記光架橋型粘着剤からなる粘着剤層と回路パターン形成用の金属箔との粘着力は、光の照射による光架橋型粘着剤層の架橋後の方が架橋前よりも低い。
【0037】光架橋型粘着剤層の架橋前の上記粘着力は、特に限定されるものではないが、0.5〜40N/25mmであることが好ましく、より好ましくは1〜20N/25mmである。また、光架橋型粘着剤層の架橋後の上記粘着力は、特に限定されるものではないが、0〜3N/25mmであることが好ましく、より好ましくは0〜2N/25mmである。なお、ここで言う粘着力とは、JIS Z 0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠して測定される180度剥離粘着力を意味する。
【0038】
光架橋型粘着剤層の架橋前の上記粘着力が0.5〜40N/25mmの範囲内であると、回路パターンを形成するためのエッチング等に際しても金属箔が剥離することなく十分に保持される。また、光架橋型粘着剤層の架橋後の上記粘着力が0〜3N/25mmの範囲内であると、絶縁基板に対する回路パターンの転写時に回路パターンと粘着テープとを容易に剥離することができる。
【0039】
本発明で用いられる回路転写テープを作製する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、金属箔を粘着テープの表面に貼り付けて金属箔付き粘着テープを作製した後、この金属箔付き粘着テープの金属箔を回路パターン状に成形する方法等が挙げられる。
【0040】
上記金属箔付き粘着テープを作製する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂フィルムにゲル分率が10重量%以上の光架橋型粘着剤を塗工して粘着剤層を形成した後、金属箔と貼り合せる方法や、金属箔にゲル分率が10重量%以上の光架橋型粘着剤を塗工して粘着剤層を形成した後、樹脂フィルムと貼り合せる方法等が挙げられる。
【0041】
上記光架橋型粘着剤からなる粘着剤層を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、光架橋型粘着剤の有機溶媒溶液、水溶液またはエマルジョン等を樹脂フィルムまたは金属箔に常法により塗工した後、有機溶媒または水を乾燥して揮発させることにより粘着剤層を形成する方法や、光架橋型粘着剤を加熱溶融させ、樹脂フィルムまたは金属箔に常法により塗工した後、冷却することにより粘着剤層を形成する方法等が挙げられる。
【0042】
上記金属箔付粘着テープの金属箔を回路パターン状に成形する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、公知のレジスト法等が挙げられる。上記レジスト法では、金属箔の全面にフォトレジストを塗工し、所定パターンのマスクを介して露光を行い、現像後、プラズマエッチングやケミカルエッチング等のエッチングにより、非パターン部(フォトレジストが除去されている部分)の金属箔を除去することにより、金属箔を回路パターン状に成形する方法や、スクリーン印刷法等により、金属箔表面に所定の回路パターン状にフォトレジストを塗工し、次いで、上記と同様に露光、現像を行った後にエッチングすることにより、金属箔を回路パターン状に成形する方法等が挙げられる。
【0043】
上記エッチング終了後においては、回路パターン上にレジストが残存するが、レジスト除去液により残存するレジストを除去し、洗浄することにより、回路パターンが粘着テープの表面に形成されてなる回路転写テープを得ることができる。
【0044】
上記金属箔は適度な粘着力(好ましくは0.5〜40N/25mm)で粘着テープに保持されており、かつ、光架橋型粘着剤層がエッチングに際して用いる薬液に対する耐性を有し、薬液のしみ込みも抑制するため、エッチングによる回路パターン形成時に金属箔が剥離する等の不都合を有効に防止することができる。この結果、微細で高密度の回路パターンを高精度で形成することが可能となる。
【0045】
本発明の製造方法は、回路転写テープの回路パターンが形成された面を絶縁基板に圧着し、回路パターンを絶縁基板に接着させる工程を有する。
【0046】
本発明の製造方法における上記工程においては、必要に応じて、光架橋型粘着剤からなる粘着剤層(光架橋型粘着剤層)に予め光を照射して粘着力を低減させた後に、回路転写テープを絶縁基板に圧着しても良いし、回路転写テープを絶縁基板に圧着した後に、光架橋型粘着剤層に光を照射して粘着力を低減させても良いし、また、この両者を併用しても良い。
【0047】
回路転写テープを絶縁基板に圧着する前に光架橋型粘着剤層に光を照射する場合、光照射は回路転写テープの粘着テープ側および/または回路パターン側から行えば良い。また、回路転写テープを絶縁基板に圧着した後に光を照射する場合、光照射は回路転写テープの粘着テープ側から行えば良い。
【0048】
上記絶縁基板としては、特に限定されるものではないが、例えば、セラミックグリーンシートや半硬化状態の熱硬化性樹脂からなるもの等が挙げられる。
【0049】
上記セラミックグリーンシートとしては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミナ等のセラミック粉末、バインダー樹脂および可塑剤等からなる混合物をシート状に成形したもの等が挙げられる。
【0050】
また、上記熱硬化性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT)などのビスマレイミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられ、なかでも、室温で液状の熱硬化性樹脂が好適に用いられる。これらの熱硬化性樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0051】
上記半硬化状態の熱硬化性樹脂には、一般に強度を高めるためにフィラー(充填剤)が併用される。上記フィラーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、粉末状や繊維状の無機質フィラーや有機質フィラー等が挙げられる。
【0052】
上記無機質フィラーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、SiO2 、Al2 O3 、ZrO2 、TiO2 、AlN、SiC、BaTiO3 、SrTiO3 、ゼオライト、CaTiO3 、ホウ酸アルミニウム等が挙げられる。
【0053】
上記無機質フィラーは、ほぼ球形の粉末状であることが好ましく、その平均粒子径は20μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは7μm以下である。また、上記無機質フィラーは、繊維状であっても良く、その平均アスペクト比が5以上であっても良い。繊維状の無機質フィラーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ガラス繊維等からなる織布や不織布等が挙げられる。これらの無機質フィラーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0054】
また、上記有機質フィラーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、アラミド繊維やセルロース繊維等が挙げられる。これらの有機質フィラーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。また、上記無機質フィラーおよび有機質フィラーは、それぞれ単独で用いられても良いし、両者が併用されても良い。
【0055】
熱硬化性樹脂とフィラーとの混合割合は、特に限定されるものではないが、一般に、体積比で、熱硬化性樹脂/フィラー=15/85〜65/35であることが好ましい。
【0056】
熱硬化性樹脂からなる絶縁基板を作製する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱硬化性樹脂または熱硬化性樹脂と無機質フィラーや有機質フィラーとを含有するスラリーをドクターブレード法等によってシート状に成形し、半硬化状態となる程度まで加熱する方法等が挙げられる。
【0057】
本発明で用いられる絶縁基板には、炭酸ガスレーザ等によりバイアホールを形成し、このバイアホール内に、金、銀、銅、アルミニウム等の低抵抗金属の粉末を充填することによりバイアホール導体を形成しておくことが好ましい。
【0058】
本発明の製造方法において、前記回路転写テープの回路パターンが形成された面を絶縁基板に圧着し、回路パターンを絶縁基板に接着させる工程では、絶縁基板にバイアホール導体が形成されている場合には、バイアホール導体の表面露出部分と回路パターンとが重なり合うように位置設定する。上記回路転写テープと絶縁基板とを圧着する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、プレスによるアンカー効果で接着する方法や、絶縁基板および/または回路転写テープの金属箔に接着剤を塗工し、貼り合せる方法等が挙げられる。特に半硬化状態の熱硬化性樹脂からなる絶縁基板にプレスにより接着する際には、適度な温度で加熱プレスを行う方法が、熱硬化性樹脂の一部または全部を硬化させることにより接着力が増大し、回路パターンの位置ずれや転写不良といった不具合が生じ難くなるため、好ましい。
【0059】
本発明の製造方法は、回路転写テープを構成する回路パターンと粘着テープとを剥離して絶縁基板に回路パターンを転写する工程を有する。
【0060】
上記回路パターンと粘着テープとを剥離して絶縁基板に回路パターンを転写する工程では、回路転写テープの粘着テープ側から光を照射して光架橋型粘着剤を架橋させることにより、粘着テープの粘着力を低減させて回路パターンと粘着テープとを剥離する。このような方法を採ることにより、回路パターンを絶縁基板上に容易に転写することが可能となり、回路基板を良好な製造効率(生産性)や作業性で製造することができる。
【0061】
本発明で用いられる光としては、光架橋型粘着剤を架橋(硬化)させ得るものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、紫外線や可視光線等が挙げられ、なかでも、回路転写テープの取り扱い性や光の有するエネルギー量に優れることから、紫外線が好適に用いられる。これらの光は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0062】
上記光の照射条件としては、光架橋型粘着剤の架橋が可能な照射強度や照射時間であれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、光として紫外線を用いる場合には、紫外線の照射強度は0.1mJ/cm2 以上であることが好ましく、紫外線の照射時間は1秒〜1時間であることが好ましい。
【0063】
本発明の製造方法は、必要に応じて、複数を重ねての積層、焼成、加熱硬化、加圧等を行うことにより、単層の回路基板はもとより、多層の回路基板をも製造効率(生産性)や作業性良く製造することができる。
【0064】
【作用】
本発明の製造方法によれば、光の照射による光架橋型粘着剤の架橋(硬化)前には、金属箔が光架橋型粘着剤により適度な粘着力で粘着テープに保持されているため、エッチングにより金属箔から回路パターンを形成する場合にも金属箔が剥離を生じたり、形成される回路パターンが断線を生じることがなく、エッチングの際に用いる薬液が光架橋型粘着剤層と金属箔との間にしみ込むこともない。
【0065】
また、光の照射により光架橋型粘着剤が架橋(硬化)した後には、回路パターンや絶縁基板に対する粘着力が低減しているため、粘着テープを回路パターンや絶縁基板から剥離する際に回路パターン上や絶縁基板上に光架橋型粘着剤層の糊残りを起こすことなく、容易に粘着テープを剥離することが可能であり、得られる回路基板の回路の導通等における不具合の発生を効果的に抑制することができる。
【0066】
また、光の照射による架橋(硬化)前の光架橋型粘着剤層はゲル分率が10重量%以上の光架橋型粘着剤から形成されているため、光架橋型粘着剤層と絶縁基板とを接触させても強く接着せず、絶縁基板と回路転写テープとの貼り合せの前に、回路転写テープの絶縁基板と接する面の光架橋型粘着剤層部分の粘着力を光の照射等により低減させるという工程を必ずしも行わなくても、絶縁基板に圧着された回路転写テープの回路パターンと粘着テープとを剥離する際に、回路転写テープの粘着テープ側から光を照射して光架橋型粘着剤層を架橋させ粘着力を低減させるという工程のみで、回路パターンと粘着テープとの剥離および絶縁基板と粘着テープとの剥離を容易にし、回路パターンを効率的に絶縁基板に転写することが可能となり、高密度の微細回路を高精度で有する小型かつ薄型の単層もしくは多層回路基板の製造を簡素化することができる。
【0067】
さらに、絶縁基板の作製と回路パターンの形成とを別個の工程で同時に進行させることができるため、製造効率(生産性)や作業性も著しく向上する。
【0068】
【発明の実施の形態】
本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「重量部」を意味する。
【0069】
(実施例1)
ブチルアクリレート90部、アクリル酸10部およびアゾビスイソブチロニトリル0.2部を酢酸エチル300部に溶解し、窒素ガス雰囲気下、80℃に加熱して共重合反応を行い、カルボン酸基を有するアクリルポリマー溶液を合成した。得られたカルボン酸基を有するアクリルポリマー溶液にグリシジルメタクリレート5部を添加し、40℃に加熱して、アクリルポリマー中のカルボン酸基とグリシジルメタクリレートのグリシジル基とを反応させ、カルボン酸基とメタクリル基とを有するアクリルポリマー溶液を得た。得られたカルボン酸基とメタクリル基とを有するアクリルポリマー溶液にトリレンジイソシアネート2.5部および4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン0.5部を添加して、光架橋型粘着剤溶液を作製した。
【0070】
上記で得られた光架橋型粘着剤溶液を厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム表面に光架橋型粘着剤層の乾燥後の厚みが10μmとなるように塗工し、乾燥して、粘着テープを作製した。次いで、得られた粘着テープの光架橋型粘着剤層面と厚み12μmの電解銅箔とが接着するようにラミネートを行って、銅箔付きフィルムを作製した。また、上記で得られた光架橋型粘着剤溶液をシリコーン離型処理フィルムの離型処理面に光架橋型粘着剤層の乾燥後の厚みが20μmとなるように塗工し、乾燥して、ゲル分率測定用粘着テープを作製した。得られた銅箔付きフィルムおよびゲル分率測定用粘着テープは23℃の雰囲気下で1週間養生を行った。
【0071】
上記で得られた銅箔付きフィルムの銅箔側にドライフィルムレジストをラミネートし、線幅30μm、線間隔30μmの回路パターン形状のフォトマスクを通して露光、現像を行い、エッチング、レジスト剥離、洗浄工程を経て、回路転写テープを作製した。
【0072】
上記で得られた回路転写テープの銅箔からなる回路パターン側をガラスエポキシからなる半硬化状態の絶縁基板と位置合わせし、130℃で熱プレスを行って、銅箔回路パターンと絶縁基板とを接着させた。次いで、超高圧水銀灯を用いて、PETフィルム側より紫外線を1.5J/cm2 の照射量で照射した後、PETフィルムと光架橋型粘着剤層とを絶縁基板および銅箔回路パターンから剥離して、回路基板を作製した。
【0073】
(実施例2)
光架橋型粘着剤溶液の作製において、カルボン酸基とメタクリル基とを有するアクリルポリマー溶液に、さらにペンタエリスリトールトリアクリレート10部を添加したこと以外は実施例1の場合と同様にして、光架橋型粘着剤溶液、粘着テープ、銅箔付きフィルム、ゲル分率測定用粘着テープ、回路転写テープおよび回路基板を作製した。
【0074】
(実施例3)
ブチルアクリレート90部、ヒドロキシエチルアクリレート5部、グリシジルメタクリレート5部およびアゾビスイソブチロニトリル0.2部を酢酸エチル300部に溶解し、窒素ガス雰囲気下、80℃に加熱して共重合反応を行い、水酸基とグリシジル基とを有するアクリルポリマー溶液を合成した。得られた水酸基とグリシジル基とを有するアクリルポリマー溶液にトリレンジイソシアネート2.5部および芳香族スルホニウム塩系光カチオン重合開始剤(商品名「オプトマーSP−170」、旭電化工業社製)1部を添加して、光架橋型粘着剤溶液を作製した。得られた光架橋型粘着剤溶液を用いたこと以外は実施例1の場合と同様にして、粘着テープ、銅箔付きフィルム、ゲル分率測定用粘着テープ、回路転写テープおよび回路基板を作製した。
【0075】
(実施例4)
実施例1で作製した光架橋型粘着剤溶液を用い、実施例1の場合と同様にして、粘着テープ、銅箔付きフィルム、ゲル分率測定用粘着テープおよび回路転写テープを作製した。
【0076】超高圧水銀灯を用いて、上記で得られた回路転写テープのPETフィルム側より紫外線を1.5J/cm2 の照射量で照射し、銅箔からなる回路パターンと光架橋型粘着剤層との粘着力を予め低減させた。次いで、回路転写テープの銅箔回路パターン側をガラスエポキシからなる半硬化状態の絶縁基板と位置合わせし、130℃で熱プレスを行って、銅箔回路パターンと絶縁基板とを接着させた後、PETフィルムと光架橋型粘着剤層とを絶縁基板および銅箔回路パターンから剥離して、回路基板を作製した。
【0077】
(比較例1)
光架橋型粘着剤溶液の作製において、カルボン酸基とメタクリル基とを有するアクリルポリマー溶液にトリレンジイソシアネートを添加しなかったこと以外は実施例1の場合と同様にして、光架橋型粘着剤溶液、粘着テープ、銅箔付きフィルム、ゲル分率測定用粘着テープ、回路転写テープ、及び、回路基板を作製した。
【0078】
(比較例2)
ブチルアクリレート90部、アクリル酸10部およびアゾビスイソブチロニトリル0.2部を酢酸エチル300部に溶解し、窒素ガス雰囲気下、80℃に加熱して共重合反応を行い、カルボン酸基を有するアクリルポリマー溶液を合成した。得られたカルボン酸基を有するアクリルポリマー溶液にトリレンジイソシアネート2.5部を添加して、光架橋型粘着剤溶液を作製した。得られた光架橋型粘着剤溶液を用いたこと、および、回路転写テープに対する紫外線の照射を行わなかったこと以外は実施例1の場合と同様にして、粘着テープ、銅箔付きフィルム、ゲル分率測定用粘着テープ、回路転写テープおよび回路基板を作製した。
【0079】
実施例1〜実施例4、ならびに、比較例1および比較例2で得られた銅箔付きフィルム、ゲル分率測定用粘着テープおよび回路基板を用いて、▲1▼粘着力、▲2▼ゲル分率、▲3▼転写性および▲4▼糊残り性を以下の方法で評価した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0080】
▲1▼粘着力
光照射前粘着力:23℃の雰囲気下で1週間養生を行った後の銅箔付きフィルムの180度剥離粘着力を、JIS Z 0237に準拠して、温度23℃、剥離速度300mm/分の条件で測定した。
光照射後粘着力:23℃の雰囲気下で1週間養生を行った後の銅箔付きフィルムの光架橋型粘着剤層に、超高圧水銀灯を用いて、PETフィルム側より紫外線を1.5J/cm2 の照射量で照射し、光架橋型粘着剤層を架橋(硬化)させた後に、上記と同様にして、180度剥離粘着力を測定した。
【0081】
▲2▼ゲル分率
23℃の雰囲気下で1週間養生を行った後のゲル分率測定用粘着テープを0.5g程度精秤し、ガラス瓶中で酢酸エチル50mlに浸漬して、23℃で12時間振盪した。次いで、200メッシュの籠状に加工した金網を精秤し、その中にガラス瓶の内容物を移した。金網に残った酢酸エチル不溶の膨潤物を110℃のオーブン中で2時間乾燥した後、常温まで冷却し、再び精秤を行って、前記式(1)によりゲル分率を算出した。
【0082】
▲3▼転写性
マイクロスコープを用いて、回路基板の回路パターンおよび絶縁基板を観察し、下記判定基準により転写性を評価した。
〔判定基準〕
○‥‥回路パターンの絶縁基板からの浮きや剥離は認められなかった。
×‥‥回路パターンの絶縁基板からの浮きや剥離が認められた。
【0083】
▲4▼糊残り性
マイクロスコープを用いて、回路基板の回路パターンおよび絶縁基板を観察し、下記判定基準により糊残り性を評価した。
〔判定基準〕
○‥‥回路パターンおよび絶縁基板に糊残りは認められなかった。
×‥‥回路パターンおよび/または絶縁基板に糊残りが認められた。
【0084】
【表1】
【0085】表1から明らかなように、本発明の製造方法による実施例1〜実施例4の回路基板は、ゲル分率が10重量%以上であり、光照射前に比較して光照射後の粘着力が大幅に低減した光架橋型粘着剤を用いているので、いずれも回路パターンの転写性に優れ、かつ、回路パターンおよび絶縁基板のいずれにも糊残りは認められなかった。
【0086】
これに対し、ゲル分率は10重量%以上であったが、光照射後でも高い粘着力を発現した光架橋型粘着剤を用いた比較例1の回路基板は、回路パターンおよび絶縁基板と粘着テープとを剥離する際に光架橋型粘着剤層の糊残りが発生した。また、ゲル分率が0重量%の光架橋型粘着剤を用い、しかも光照射を行わなかった比較例2の回路基板は、回路パターンの転写性が悪く、かつ、回路パターンおよび絶縁基板と粘着テープとを剥離する際に光架橋型粘着剤層の糊残りが発生した。
【0087】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の製造方法によれば、回路転写テープの粘着剤層が絶縁基板に強く接着しないため、回路パターンを乱すことなく絶縁基板に回路パターンを転写することができ、製造効率(生産性)や作業性良く回路基板を製造することができる。
Claims (2)
- 金属箔からなる回路パターンが粘着テープの表面に形成された回路転写テープの回路パターンが形成された面を絶縁基板に圧着し、回路パターンを絶縁基板に接着させる工程と、上記回路パターンと上記粘着テープとを剥離して上記絶縁基板に回路パターンを転写する工程との少なくとも2工程を有する回路基板の製造方法であって、上記粘着テープは、樹脂フィルムの表面にゲル分率が10重量%以上の光架橋型粘着剤からなる粘着剤層が形成されたものであり、かつ、上記回路パターンと上記粘着テープとを剥離する際に、回路転写テープの粘着テープ側から光を照射して上記光架橋型粘着剤を架橋させることにより、上記粘着テープの粘着力を低減させることを特徴とする回路基板の製造方法。
- 光架橋型粘着剤が光ラジカル重合型粘着剤であることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
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Cited By (2)
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|---|---|---|---|---|
| WO2006038547A1 (ja) * | 2004-10-01 | 2006-04-13 | Toyo Ink Manufacturing Co., Ltd. | 活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤、それを塗布した活性エネルギー線粘着力消失型粘着シート、及びエッチング化金属体の製造方法 |
| JP2011091304A (ja) * | 2009-10-26 | 2011-05-06 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 立体的回路基板の製造方法 |
-
2002
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