JP2004060750A - 流体式変速機のクラッチ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持プレート3の小筒部32の内周面に弾性部材84が被着され、ハウジング1の小筒部12との間で所定の締め代を持った状態で圧縮されている。これにより、操作油の漏洩および摩耗粉の浸入を防止できるうえ、従来例のように支持プレート3とハウジング1との嵌合領域の軸方向途中にOリングの設置スペースを確保する必要がなくなり、クラッチ装置の小型化が可能となる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体式変速機のクラッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6に、従来例に係る流体式変速機のクラッチ装置の上半分を示している。図中、71はハウジング、72はピストン、73は支持プレート、74はリバーススプリング、75はC形止め輪、76,77はOリングである。
【0003】
上記ハウジング71は、大筒部78と、小筒部79と、環状壁部80とを有している。上記Oリング76,77は、小筒部79とピストン72および支持プレート73との各嵌合部分を密封するもので、小筒部79の外周面に設けられている周溝81,82内に装着されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例では、ハウジング71の小筒部79と、ピストン72および支持プレート73との各嵌合領域の軸方向途中にOリング76,77の設置スペースを確保する必要があるため、クラッチ装置全体の大型化、煩雑化の要因となっている。また、このOリング76,77を設置する周溝81,82を形成する工程が必要となり、製作コストが上昇することが指摘される。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、同心状に配置される大筒部と小筒部との軸方向一側を環状壁部で連接することにより環状空間を形成するハウジングと、前記環状空間に対して前記大筒部の内周面と小筒部の外周面とを案内面として軸方向スライド自在に収納されて前記環状壁部との対向面間に油圧室を形成するピストンと、前記小筒部の外周面上において前記環状壁部から軸方向に所定間隔離された位置に対して、前記環状壁部に近づく向きのみスライド可能に外嵌装着される支持プレートと、前記支持プレートと前記ピストンとの間に軸方向に圧縮される状態で介入されて弾性復元力により前記ピストンを前記環状壁部側へ押圧するリバーススプリングとを備え、前記支持プレートの内周に、当該支持プレートと前記小筒部との嵌合面を密封する弾性部材が一体に被着されている。
【0006】
この場合、従来例のように、支持プレートと、ハウジングとの嵌合部分の軸方向途中にOリングを設置するための周溝を設ける必要がなくなるので、当該嵌合部分の軸方向寸法を短くできるようになり、クラッチ装置の小型化が可能となる。さらには、前記周溝を加工する手間が省けるうえ、正確かつ丁寧な作業が要求されるOリングの装着工程も不要となるので、製作コストを低減することが可能となる。
【0007】
ところで、前記ピストンの内周に、当該ピストンと前記小筒部との嵌合面を密封する弾性部材を一体に被着させることができる。
【0008】
この場合、上記作用効果に加え、ピストンとハウジングとの嵌合部分の軸方向寸法をも短くできるようになり、クラッチ装置のさらなる小型化が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1および図2に、本発明の実施形態1を示している。
【0010】
本実施形態の流体式変速機のクラッチ装置は、ハウジング1、ピストン2、支持プレート3、リバーススプリング4とを備える。
【0011】
ハウジング1は、同心状に配置される小筒部12と大筒部13との軸方向一側を環状壁部11で連接した形状である。さらに、大筒部13は、小径部13aと、大径部13bとを有する形状になっている。
【0012】
ピストン2は、金属板を屈曲して製作されるものであり、ハウジング1の形状とほぼ同様に、同心状に配置される小筒部22と大筒部23との軸方向一側を環状壁部21で連接した形状である。
【0013】
支持プレート3は、金属板を屈曲して製作されるものであり、径方向に沿う環状板部31の内外周に同心状で互いに軸方向逆向きに伸びる小筒部32と大筒部33とを設けた形状になっている。さらに、大筒部33には、その自由端から外径側に向けて伸びるフランジ34が設けられている。この支持プレート3は、ハウジング1の小筒部12の外周面上において環状壁部11から軸方向に所定間隔離された位置に対して外嵌装着されており、支持プレート3の小筒部32の先端がハウジング1の小筒部22の外径部に設けられたC形止め輪6に当接されることにより、この支持プレート3は環状壁部11に近づく向きのみスライド可能となっており、環状壁部11から離れる向きに位置決めされている。
【0014】
リバーススプリング4は、支持プレート3と、ピストン2との間に軸方向に圧縮される状態で介入されるもので、その弾性復元力によりピストン2をハウジング1の環状壁部11側へ押圧する。
【0015】
そして、上記ピストン2は、ハウジング1の環状空間18に対してハウジング1の大筒部13の内周面と、小筒部12の外周面とを案内面として軸方向にスライド自在に収納されており、このハウジング1の環状壁部11と、ピストン2の環状壁部21との対向面間に油圧室7が形成される。この油圧室7の密封性を確保するため、ハウジング1と、ピストン2との対向面間の所定位置にはリップ81,Oリング82が設けられている。
【0016】
リップ81は、ピストン2の外面において環状板部21と大筒部23との境界の角部において、径方向斜め外向きに延びる状態で被着されており、ハウジング1の大筒部13の内周面に対して接触している。
【0017】
Oリング82は、ハウジング1の小筒部12の外周面に設けられた周溝16に収納されており、ピストン2の小筒部22の内周面に対して接触している。
【0018】
また、支持プレート3の所定位置にはリップ83,弾性部材84が設けられている。
【0019】
リップ83は、支持プレート3のフランジ34の外周縁において、径方向斜め外向きに延びる状態で被着されており、ピストン2の大筒部23の内周面に対して接触している。
【0020】
弾性部材84は、支持プレート3の小筒部32の内周面に被着されており、ハウジング1の小筒部12の外周面に対して接触している。
【0021】
なお、リップ81,Oリング82,リップ83,弾性部材84の好適な材料として、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、エラストマー、合成ゴムなどが挙げられるが、中でも耐油性、耐熱性ともに優れた水素化ニトリルゴム(HNBR)が最も好ましい。
【0022】
ここで、上記弾性部材84について詳述する。
【0023】
弾性部材84は、ガスケット状のもので、支持プレート3の小筒部32の内周面に対して加硫接着される。この弾性部材84は、支持プレート3の小筒部32と、ハウジング1の小筒部12との間で所定の締め代aを持った状態で圧縮される。この圧縮具合は、操作油の漏洩および摩耗粉の浸入を防止する観点から、締め代aを適切に管理することにより調整する。好ましくは、弾性部材84の最大厚さb=0.8mmに対して締め代a=0.08〜0.16mm、圧縮率で10〜20%に設定する。
【0024】
次に、流体式変速機のクラッチ装置の動作を説明する。
【0025】
油圧室7には、ハウジング1の小筒部12に設けられている給油路17より操作油が供給または回収されるようになっており、この操作油の供給、回収を制御することにより、ピストン2を図1の右側あるいは左側へスライドさせるようになっている。このスライド動作により、ピストン2の大筒部23の先端に配置されるクラッチプレート51がクラッチディスク52に対して圧接状態あるいは分離状態となり、動力を伝達する状態あるいは動力伝達を遮断する状態とするようになっている。
【0026】
以上説明したように、この実施形態では、支持プレート3の小筒部32の内周面に対して、当該小筒部32とハウジング1の小筒部12との間を密封するための弾性部材84を被着したことに特徴がある。この場合、従来例のように、支持プレート3と、ハウジング1との嵌合部分の軸方向途中にOリングを設置するための周溝を設ける必要がなくなるので、当該嵌合部分の軸方向寸法を短くすることができるようになり、クラッチ装置の小型化が可能となる。さらには、前記周溝を加工する手間が省けるうえ、正確かつ丁寧な作業が要求されるOリングの装着工程も不要となるので、製作コストを低減することが可能となる。
【0027】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、以下に述べる実施形態にも適用可能である。
【0028】
(1)図3に実施形態2を示す。この実施形態2では、支持プレート3の環状板部31の内周縁の小筒部32を省略している。そして、環状板部31の内周縁に弾性部材85を被着する。
【0029】
弾性部材85は、支持プレート3の環状板部31の内周縁において、内径側から油圧室側にかけて被着されており、ハウジング1の小筒部12との間で径方向に所定の締め代を持った状態で圧縮される。
【0030】
この場合、上記実施形態1の作用効果に加えて、支持プレート3の環状板部31の内周縁に小筒部32を設けていないので、その分、クラッチ装置の軸方向寸法をさらに短縮できる。
【0031】
また、図4に示すように、弾性部材85にリップ87を一体に被着するようにしてもよい。この場合、リップ87は、ハウジング1の小筒部12の外周面に対して径方向に所定の締め代を持った状態で圧縮される。
【0032】
(2)図5に実施形態3を示す。この実施形態3では、実施形態1の構成に加え、ピストン2の小筒部22の内周面にも弾性部材86を被着している。
【0033】
弾性部材86の取り付け形態および形状は、支持プレート3の小筒部32に取り付ける弾性部材84と同様である。
【0034】
この場合、実施形態1における作用効果に加えて、さらにピストン2の小筒部22をも軸方向に短縮できるので、クラッチ装置のさらなる小型化が可能となる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の流体式変速機のクラッチ装置では、ハウジングと、支持プレートとの嵌合面を伝って操作油が漏洩したり摩耗粉が浸入したりすることを防止したうえで、ハウジングと、支持プレートとの嵌合面の軸方向寸法を短縮化できるようにしている。そのため、密封性を確保しつつ装置の小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るクラッチ装置の断面図
【図2】図1の要部を示す断面図
【図3】本発明の実施形態2に係るクラッチ装置の要部の断面図
【図4】本発明の実施形態2に係るクラッチ装置の要部の断面図
【図5】本発明の実施形態3に係るクラッチ装置の断面図
【図6】従来のクラッチ装置を示す断面図
【符号の説明】
1 ハウジング
2 ピストン
3 支持プレート
4 リバーススプリング
7 油圧室
12 小筒部
32 小筒部
84 弾性部材
Claims (2)
- 同心状に配置される大筒部と小筒部との軸方向一側を環状壁部で連接することにより環状空間を形成するハウジングと、
前記環状空間に対して前記大筒部の内周面と小筒部の外周面とを案内面として軸方向スライド自在に収納されて前記環状壁部との対向面間に油圧室を形成するピストンと、
前記小筒部の外周面上において前記環状壁部から軸方向に所定間隔離された位置に対して、前記環状壁部に近づく向きのみスライド可能に外嵌装着される支持プレートと、
前記支持プレートと前記ピストンとの間に軸方向に圧縮される状態で介入されて弾性復元力により前記ピストンを前記環状壁部側へ押圧するリバーススプリングとを備え、
前記支持プレートの内周に、当該支持プレートと前記小筒部との嵌合面を密封する弾性部材が一体に被着されている、流体式変速機のクラッチ装置。 - 前記ピストンの内周に、当該ピストンと前記小筒部との嵌合面を密封する弾性部材が一体に被着されている、請求項1の流体式変速機のクラッチ装置。
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| JP2002219416A JP2004060750A (ja) | 2002-07-29 | 2002-07-29 | 流体式変速機のクラッチ装置 |
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| JP2002219416A JP2004060750A (ja) | 2002-07-29 | 2002-07-29 | 流体式変速機のクラッチ装置 |
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| JP2004060750A true JP2004060750A (ja) | 2004-02-26 |
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| JP2002219416A Pending JP2004060750A (ja) | 2002-07-29 | 2002-07-29 | 流体式変速機のクラッチ装置 |
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| Country | Link |
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Cited By (2)
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| JP2007224962A (ja) * | 2006-02-22 | 2007-09-06 | Nok Corp | シール構造 |
| US7921765B2 (en) | 2007-04-04 | 2011-04-12 | Nok Corporation | Piston for automatic transmission |
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2002
- 2002-07-29 JP JP2002219416A patent/JP2004060750A/ja active Pending
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