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JP2002121069A - ビスマス層状化合物焼結体およびその製造方法 - Google Patents

ビスマス層状化合物焼結体およびその製造方法

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JP2002121069A
JP2002121069A JP2000309785A JP2000309785A JP2002121069A JP 2002121069 A JP2002121069 A JP 2002121069A JP 2000309785 A JP2000309785 A JP 2000309785A JP 2000309785 A JP2000309785 A JP 2000309785A JP 2002121069 A JP2002121069 A JP 2002121069A
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layered compound
bismuth layered
sintered body
crystal
plane
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Kenichi Tajima
健一 田島
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Kyocera Corp
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Kyocera Corp
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Publication date
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2235/00Aspects relating to ceramic starting mixtures or sintered ceramic products
    • C04B2235/70Aspects relating to sintered or melt-casted ceramic products
    • C04B2235/74Physical characteristics
    • C04B2235/78Grain sizes and shapes, product microstructures, e.g. acicular grains, equiaxed grains, platelet-structures
    • C04B2235/787Oriented grains

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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】大きな圧電特性を有するとともに、圧電特性の
ばらつきの小さいビスマス層状化合物焼結体を提供す
る。 【解決手段】一般式が(Bi222+(Am-1
m3m+12-(但し、A:アルカリ金属、アルカリ土類
金属および鉛の群から選ばれる少なくとも1種、B:4
a金属または5a金属の群から選ばれる少なくとも1
種)で表されるビスマス層状化合物からなる扁平粒子を
主結晶2とし、c面と垂直な結晶面方向に配向した配向
方向と垂直な面Aを有し、配向方向と垂直な面Aにおけ
る主結晶2のうち、長径dが0.5da≦d≦2da(d
aは主結晶の平均長径)を満たす結晶2の割合が全主結
晶の80%以上であるビスマス層状化合物焼結体1を作
製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高いキュリー温
度、優れた圧電特性、良好な温度特性を有し、例えば、
発振子、超音波振動子、超音波モータ、あるいは加速度
センサ、ノッキングセンサおよびAEセンサ等の圧電セ
ンサなどに適し、特に、高周波レゾネータの共振子用圧
電材料として好適に用いられるビスマス層状化合物焼結
体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来から、例えばフィルタ、共振子、発振
子、超音波振動子、超音波モータ、圧電センサ等に使用
される圧電磁器組成物として、PbTiO3やPb(Z
r,Ti)O3、Pb(Mn1/3Nb2/3)O3やPb(N
1/3Nb2/3)O3などの多量の鉛を含む圧電セラミッ
クス材料が幅広く利用されている。
【0003】これら多量の鉛を含む圧電セラミックス材
料は生態系に有害であることから、環境保護の観点で鉛
の含有量が少ない圧電セラミックス材料の開発が強く求
められている。
【0004】このような鉛の含有量が少ない圧電セラミ
ック材料として、キュリー温度が高く、電気機械結合係
数k33、機械的品質係数Qmが大きいビスマス層状化合
物が挙げられ、特に発振子用への応用が期待されている
が、現状では上記鉛系圧電セラミックス材料に比べて圧
電特性が低く、圧電特性の向上が望まれている。
【0005】一方、かかるビスマス層状化合物は、c軸
と垂直な方向に容易に分極する(分極容易軸が存在す
る)ために、圧電特性の異方性が大きく、結晶を特定面
に対して配向させることによって、c軸に垂直な方向で
上述の鉛系圧電セラミックス材料に匹敵する大きなk値
が得られることが知られている。
【0006】例えば、特開昭52−86198号公報に
は、ホットプレス焼成によってビスマス層状化合物焼結
体中の主結晶をc軸配向させて圧電特性を向上できるこ
とが記載されている。また、特開平6−107448号
公報には、ビスマス層状化合物仮焼粉末を金型内に供給
し200MPa以上の高い成形圧にて一軸成形(プレス
成形)することによって、加圧軸方向に対してc軸が平
行に揃うように、すなわち主平面がc面配向するように
主結晶が配向した成形体および焼結体中を作製し、圧電
性の感度を高めることができることが記載されている。
さらに、特開2000−34192号公報では、板状の
Bi4Ti312等の種結晶粉末とCaCO3、TiO2
のセラミック原料粉末を混合し、板状に成形した後、焼
成することによって、ホットプレス等を用いることなく
相対密度およびc軸方向の配向度を高めたCaBi4
415等のビスマス層状化合物焼結体を作製できるこ
とが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
52−86198号公報のホットプレスを用いた方法で
は、配向度は高められるものの、生産性が悪く、ダイス
等との反応によって相対密度の高い焼結体を得ることが
難しく、また、焼結体中に大きな残留応力が残存し割れ
や欠けが生じて生産歩留まりが悪く、さらに、焼成時に
主結晶の粒成長度合いを制御できないことから焼結体中
の主結晶の粒径を揃えることができず圧電特性にばらつ
きが発生するという問題があった。
【0008】また、特開平6−107448号公報の一
軸加圧によって仮焼粉末を配向させる方法では、200
MPa以上という非常に高い圧力を発生させるための特
殊な装置が必要な上に、成形体表面(金型との接触面)
付近のみしか配向度を充分に高めることができず、ま
た、成形体表面と内部との密度および配向度が不均一で
あるために、焼結体の圧電特性は充分とはいえず、ま
た、ばらつきが大きいものであった。
【0009】さらに、特開2000−34192号公報
の板状の種結晶を用いる方法では、該種結晶以外にCa
CO3、TiO2等の他の原料粉末が存在するために、ス
ラリー中に板状の種結晶を均一に分散させることが困難
であるために部分的に種結晶の配向度にばらつきが生
じ、また、種結晶と焼結助剤成分とが充分に反応するよ
うに高温で焼成する必要があるために焼成中に生じるB
iの揮発等によって部分的に組成ずれを生じる恐れがあ
ることから、焼結体の圧電特性にもばらつきが生じると
いう問題があった。
【0010】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、その目的は、大きな圧電特性を有するとと
もに、圧電特性のばらつきの小さいビスマス層状化合物
焼結体を得ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題に
対して検討を重ねた結果、ビスマス層状化合物を90重
量%以上含む粉末に溶媒を加えたスラリーに対して特定
方向に高い磁場を印加することによって、非磁性材料に
属するビスマス層状化合物結晶を磁場の印加方向に垂直
にc軸が向くように特定の方向に配向させることがで
き、これを焼成して、結晶成長の異方性により粒径の揃
った扁平な主結晶が特定の向きに配向したビスマス層状
化合物焼結体を作製でき、高く、かつばらつきの小さい
圧電特性を達成できることを知見した。
【0012】すなわち、本発明のビスマス層状化合物焼
結体は、一般式が(Bi222+(Am-1m3m+12-
(但し、A:アルカリ金属、アルカリ土類金属および鉛
の群から選ばれる少なくとも1種、B:4a金属または
5a金属の群から選ばれる少なくとも1種、m>1)で
表されるビスマス層状化合物からなる扁平粒子を主結晶
とし、c面と垂直な結晶面方向に配向した配向方向と垂
直な面を有する焼結体であり、該配向方向と垂直な面に
おける主結晶のうち、長径dが0.5da≦d≦2d
a(daは主結晶の平均長径)を満たす結晶の割合が全主
結晶の80%以上であることを特徴とするものである。
【0013】ここで、前記配向方向と垂直な面のX線回
折強度において、(I(020)+I(22 0))/(I(020)
(220)+I(006)+I(008)+I(0010))で示される配
向度fが、0.75以上であること、前記配向方向と垂
直な面の表面での配向度f1と、該配向方向と垂直な面
の表面を0.1mm研磨した研磨面における配向度f2
との比(f2/f1)が0.8以上であること、相対密度
が95%以上であることが望ましい。
【0014】また、前記主結晶の長径が20μm以下で
ある割合が80%以上であることが望ましく、前記主結
晶の平均アスペクト比が3〜10であることが望まし
い。
【0015】さらに、本発明のビスマス層状化合物焼結
体の製造方法は、セラミック原料粉末としてビスマス層
状化合物を90重量%以上含む粉末に溶媒を添加したス
ラリーを作製し、該スラリーに対して一方向に1T以上
の磁場を印加して前記ビスマス層状化合物粉末をc面と
垂直な結晶面に配向させつつ前記スラリーを固化した
後、焼成することを特徴とするものである。
【0016】ここで、前記ビスマス層状化合物粉末の平
均粒径が0.5〜2.0μmであることが望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のビスマス層状化合物焼結
体は、一般式が(Bi222+(Am-1m 3m+1
2-(但し、A:アルカリ金属、アルカリ土類金属および
鉛の群から選ばれる少なくとも1種、B:4a金属また
は5a金属の群から選ばれる少なくとも1種)で表され
るビスマス層状化合物からなる扁平粒子を主結晶とする
ものである。
【0018】ビスマス層状化合物としては、例えば、P
bBi4Ti415(PBT)、SrBi4Ti415(S
BT)、BaBiTi415(BBT)、Na0.5Bi
4.5Ti415(NBT)、Na0.475Ca0.05Bi4.475
Ti415(NCBT)、Bi 2Sr1Ca1Cu2y
(Bi,Pb)2Sr2Ca2Cu3y等が挙げられ、特
に、鉛を含有せず、かつ圧電特性が大きい、SrBi4
Ti415(SBT)、BaBiTi415(BBT)、
Na0.5Bi4.5Ti415(NBT)、Na0.475Ca
0.05Bi4.475Ti415(NCBT)を主成分とするこ
と、またはこれらの複合化合物が望ましい。さらに、こ
れら化合物の一部を希土類元素、Mn、アルカリ金属元
素によって置換させておくことが温度特性などを高める
上で好ましい。
【0019】本発明によれば、図1の本発明のビスマス
層状化合物焼結体の模式図に示すように、ビスマス層状
化合物焼結体1が、c面と垂直な結晶面(図1ではA
面)に配向した配向方向と垂直な面(以下、単に配向方
向と垂直な面と略す。)を有するものであり、配向方向
と垂直な面Aにおける主結晶2のうち、平均長径da
対して、長径dが0.5da≦d≦2daを満たす結晶の
割合が全主結晶の80%以上、特に90%以上からなる
ことが大きな特徴であり、これによって、圧電特性が高
く、かつ特性のばらつきが小さい焼結体となる。なお、
本発明における配向方向と垂直な面とは、焼結体に対し
て特定の方向からX線回折測定を行い各ピークのピーク
強度比を比較した場合に、特定結晶面のピーク強度比が
最大となる面の意である。
【0020】すなわち、長径dの分布が上記範囲を逸脱
し、特に、長径dが0.5daよりも小さい主結晶2の
割合が増加すると圧電性が低下し、長径dが2daより
も大きい主結晶2の割合が増加すると圧電性のばらつき
が大きくなるとともに焼結体の強度が低下する。
【0021】また、圧電性を高めるためには、配向方向
と垂直な面AのX線回折強度において、例えば、具体的
には(020)面および(220)面の配向度fが0.
75以上、特に0.80以上、さらには0.90以上で
あることが望ましい。なお、本発明の配向度fとは、X
線回折により得られるビスマス層状化合物の配向方向と
垂直な面A(c面と垂直な結晶面)である(020)、
(220)面の回折強度とc面である(006)、(0
08)、(0010)面における回折強度比(I(020)
+I(220))/(I(020)+I(220)+I(006)+I(008)
+I(0010))から求められる値である。
【0022】すなわち、本発明によれば、配向方向と垂
直な面Aにおけるc面の配向度f’(f’=1−f)が
0.25以下、特に0.20以下、さらに0.10以下
となる。逆に、配向方向と垂直な面Aと垂直な面におい
てはc面配向度が相対的に高くなり、配向方向と垂直な
面Aと垂直な面における圧電特性が向上する。なお、配
向方向と垂直な面Aは後述する磁場を印加する方向と垂
直な面をなす。
【0023】さらに、圧電性を高め、かつばらつきを小
さくするためには、配向方向と垂直な面Aの表面の配向
度f1と、該配向方向と垂直な面Aの表面を0.1mm
研磨した研磨面における配向度f2との比(f2/f1
が0.8以上、特に0.9以上、さらに0.95以上で
あることが望ましい。
【0024】さらにまた、圧電性を高めるとともに、焼
結体の強度を高めるためには、焼結体の相対密度が95
%以上、特に97%以上であることが望ましく、前記主
結晶の長径が20μm以下である割合が80%以上、特
に90%以上であること、さらに、主結晶の平均長径が
3〜10μm、特に4〜7μmであること、前記主結晶
の平均アスペクト比が3〜10であることが望ましい。
なお、上記長径は配向方向と垂直な面Aについて鏡面加
工を行い、SEMあるいは金属顕微鏡で組織観察した写
真における各主結晶の最大径(長径)dであり、最大径
dとその厚み(最大径dと垂直方向の長さ)tから、そ
の比であるアスペクト比(d/t)を求めることができ
る。
【0025】また、上記態様の焼結体は、配向方向と垂
直な面A、すなわち主結晶のc面と垂直な配向方向と垂
直な面のk33値としては30%以上、特に40%以上、
さらに50%以上有し、また、前記k33値のばらつきが
5%以下、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以
下の優れた圧電特性を有するものである。
【0026】さらに、この焼結体を、例えばレゾネータ
等の電子部品として用いる場合には、特に厚み3mm以
下、特に1mm以下の板状体とし、その主平面において
主結晶がc面と垂直な結晶面に配向する、すなわち主平
面が配向方向と垂直な面Aをなすように形成されること
が望ましく、これによって、特に、両面に電極を形成し
て励起させる厚み縦振動k33が大きくなる。
【0027】(製造方法)次に、本発明のビスマス層状
化合物焼結体の製造方法について説明する。まず、例え
ば、ビスマス層状化合物粉末を形成するためのセラミッ
ク原料を準備する。セラミック原料としては、各金属の
酸化物、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩等の粉末が使用可能で
あり、その他にも金属アルコキシド等の溶液を用いても
よい。
【0028】これらセラミック原料を調合、混合して、
800〜1300℃、特に850〜1200℃、さらに
900〜1000℃にて1〜8時間、特に1〜5時間、
さらに1〜2時間熱処理することによって、90重量%
以上、特に95重量%以上、さらに99重量%以上がビ
スマス層状化合物をなすビスマス層状化合物の仮焼粉末
を作製する。また、仮焼粉末の作製方法としては、上記
以外に、公知の共沈法、ゾルゲル法、水熱合成法等を採
用することもできる。
【0029】ここで、前記仮焼粉末中のビスマス層状化
合物の含有量が90重量%より少ないと、焼結体中の主
結晶の粒径(長径)を揃えることができず、焼結体の圧
電特性が低下するとともに、特性のばらつきが大きくな
る。なお、前記仮焼粉末中のビスマス層状化合物の含有
量は、仮焼粉末のX線回折チャートからリートベルト法
によって求められる。なお、仮焼粉末中には少量の未反
応物または中間生成物が10重量%以下、特に5重量%
以下、さらに1重量%以下残存するが、これらは後述す
る焼成中に焼結助剤として機能し、焼結温度を低めた
り、焼成時間を短縮したりする働きをなす。
【0030】得られた仮焼体を解砕して仮焼粉末とした
後、所定量の溶媒を添加して、これらの混合物を、例え
ば、ボールミル等にて混合してスラリーを作製する。溶
媒としては、水、イソプロピルアルコール(IPA)等
のアルコール類、アセトン等が使用可能であり、特に安
全性、対環境面では水が望ましい。また、溶媒とともに
ポリビニルアルコール(PVA)等の有機バインダや可
塑剤、分散剤を加えてもよく、PVAは分散剤としての
機能をも有し、後述する仮焼粉末の配向性を高める働き
をなす。
【0031】さらに、仮焼粉末の凝集を抑制するととも
に、仮焼粉末のスラリー中の分散性を高め、かつ仮焼粉
末を後述する磁場中で容易に変位させるために、仮焼粉
末の平均粒径は0.5〜2μm、特に0.5〜1.5μ
m、さらに0.5〜1.0μmであることが望ましい。
なお、仮焼粉末の平均粒径とはマイクロトラック法によ
って求められるd50値の意である。
【0032】次に、上記スラリーに一方向から特定の平
行磁場Hを印加しつつ成形を行う。ここで、印加する磁
場Hの強さは、仮焼粉末を所望の向きに配向させるため
には、1T以上、特に9T以上、さらに11T以上であ
ることが重要である。かかる磁場を発生させる装置とし
ては、例えば高磁場を発生できる超伝導磁石を備えた磁
場発生装置を使用することが望ましい。印加する磁場が
1Tより小さいと仮焼粉末が所定の方向に配向しない。
また、成形方法は、鋳込成形法、射出成形法、押出成形
法やドクターブレード法、カレンダーロール法等のテー
プ成形法が採用できる。
【0033】このとき得られる成形体は、磁場の印加方
向に対してc軸が垂直となるように配向する、すなわち
磁場の印加方向にc面と垂直な結晶面が配向する。な
お、磁場による粒子配向機構は明確にはわからないが、
ビスマス層状化合物結晶においてa,b軸方向の磁化率
に比べてc軸のそれが小さいことに起因するためと考え
られる。
【0034】そのため、レゾネータ等の圧電部品用の板
状体を成形する場合、磁場を印加する方向は板状の成形
体の厚み方向、平面方向のいずれであってもよいが、特
に厚み方向に印加することが望ましい。
【0035】なお、上記磁場中では、仮焼粉末中に、例
えば、ビスマス層状化合物以外の副生成物が所定の比率
で生成してもよく、またはBi4Ti312等を仮焼粉末
に対して別途添加することもできるが、これら副成分は
結晶の焼結性を促進する働きをなす。
【0036】また、磁場中における粒子の配向は極めて
短時間で完了するが、成形体中のビスマス層状化合物粉
末の配向度を維持するためには、スラリー中の溶媒が揮
発してスラリーが固化する、あるいは鋳込成形等にて成
形する場合には、石膏等の多孔質体からなる成形型を用
いてスラリー中の溶媒が成形型の細孔を通して除去され
ることにより着肉し、粉末が流動せず固定される硬さま
で磁場を印加することが望ましい。このために、成形体
をなすスラリーの固化を早めるために、スラリー中に紫
外線硬化性樹脂を含有して磁場を印加してから紫外線を
照射させることによりスラリーの固化を早めたり、熱硬
化性樹脂や熱可塑性樹脂を添加して磁場を印加してから
温度を変化させることでスラリーの固化を早めることが
できる。
【0037】さらに、上述した結晶配向法では、表面の
みならず成形体の内部にまでわたって容易に主結晶の配
向度を高めることができ、主結晶のc軸が磁場の印加方
向に垂直に揃うように特定面に配向した成形体を作製す
ることができる。
【0038】その後、得られた成形体を、所望により所
定形状に加工して脱バインダー処理した後、大気中など
の酸化性雰囲気中、1000〜1300℃、特に110
0〜1250℃の温度で、特に1〜6時間焼成すること
によりビスマス層状化合物焼結体を作製することができ
る。
【0039】本発明によれば、上述した結晶配向法によ
って、仮焼粉末が特定面に配向しているために、焼成に
よっても結晶の粒成長速度が速いc面が優先的に成長し
て、主結晶の特定面への配向度をさらに高めることがで
きる。また、本発明の方法によれば、ホットプレス等に
比べて任意の形状の成形体および焼結体を作製すること
ができ、また、焼結体中の主結晶の大きさおよび向きを
揃えて、高く、かつばらつきの少ない圧電特性を得るこ
とができる。
【0040】さらに、本発明によれば、さらに焼結体の
密度を高めて機械的強度を高めるために、上記焼成後H
IP(熱間静水圧プレス)等の高温、高圧下での熱処理
を行うこともできる。
【0041】
【実施例】(実施例)純度99.9%のSrCO3
末、BaCO3粉末、Bi23粉末、TiO2粉末、Na
2CO3粉末、CaCO3粉末をそれぞれ表1に示すビス
マス層状化合物であるSrBi4Ti415(SBT)、
BaBiTi415(BBT)、Na0.5Bi4.5Ti4
15(NBT)、Na0.475Ca0.05Bi4.475Ti415
(NCBT)となる比率で秤量し、これにMnO2粉末
を上記粉末の総量100重量部に対して0.2重量%添
加した。これら混合粉末を回転ミルにて16時間混合
し、大気中にて表1に示す温度で3時間仮焼し、表1の
平均粒径となるように解砕した。得られた仮焼粉末につ
いてX線回折測定を行い、リートベルト法によってビス
マス層状化合物の比率(結晶化度、表中、比率と記載)
を算出した。
【0042】次に、得られた仮焼粉末に対して、固体
(仮焼粉末)含有率が40体積%となるように、アクリ
ル系樹脂を1.5重量%、溶媒として水を添加し、ボー
ルミルにて混合してスラリーを調製した。スラリーの粘
度は100sec-1において0.4〜0.6Pa・sで
あった。
【0043】このスラリーを内径50mmの多孔質の石
膏型に10cc(厚み5mm)注ぎ、ボア径100m
m、10Tの磁場が発生可能な冷凍機型磁場装置中に入
れて、スラリーの厚み方向が磁場の印加方向に対して平
行となるように表1に示す磁場を印加した状態でスラリ
ー中の溶媒を除去して鋳込み成形を行った。磁場の大き
さは超伝導磁石に通電させる電流値を変化させることに
より変化させた。得られた成形体は石膏から脱型し、大
気中、500℃で脱バインダーし、大気中、表1に示す
条件で焼成した(表中、PLSと記載)。
【0044】得られた焼結体に対して、アルキメデス法
により焼結体の相対密度を測定した。また、焼結体表面
(主平面)の任意の5カ所にてX線回折測定を行い、そ
のチャートの(020)、(220)、(006)、
(008)、(0010)ピーク強度から配向度f1
(I(020)+I(220))/(I(020)+I(220)+I(006)
+I(008)+I(0010))を求め、その平均値を配向度と
した。
【0045】さらに、得られた試料を上記X線回折を測
定した面が主平面となるように2mm×3mm×厚み1
mmに切り出し、また、それとは別に上記X線回折を測
定した面が側面となるように2mm×3mm×厚み1m
mに切り出し、それらの両主面に銀電極を形成し、15
0℃のオイルバス中で3〜5kV/mmを1時間印加し
分極処理を行った。そして、試料5つづつのk33値をイ
ンピーダンスアナライザーを用いて共振・反共振法によ
って求め、磁場に垂直な面については最大と最小の差を
ばらつきとして算出した。
【0046】また、焼結体のX線回折測定面にて鏡面加
工を行い、サーマルエッチングした後、SEM観察を行
い、粒子300個の板状結晶に対して各結晶の長径dの
長さとその厚みtを画像解析装置にて測定し、平均長径
aを求めて、(0.5da≦d≦2daを満たす結晶の
個数/300個)×100(%)の値(表中、K1と記
載)、粒径20μm以下の長径の主結晶の比率(表中、
2と記載)を算出した。さらに、JISR−1601
に準じてX線回折測定面が引っ張り面となるように3点
曲げ強度を測定した。結果は表1に示した。
【0047】(比較例1)実施例の試料No.1〜7の
仮焼粉末を用いて、磁場を印加することなく40MPa
の荷重を加えながら1150℃で2時間ホットプレス焼
成を行って焼結体を作製し、同様に評価した(試料N
o.19)。結果は表1に示した。
【0048】(比較例2)実施例の試料No.1〜7の
仮焼粉末を用いて、磁場を印加することなく200MP
aの圧力にて一軸プレス成形した後、大気中表1に示す
条件で焼成する以外は実施例と同様に焼結体を作製し、
同様に評価した(試料No.20)。結果は表1に示し
た。
【0049】(比較例3)Bi4Ti312粉末、SrC
3粉末およびTiO2粉末とをSrBi4Ti4 15とな
る比率で混合した粉末を用いてスラリーを調製し、ドク
ターブレード法により厚み300μmのテープ成形を行
った後、該テープを積層して1225℃で10時間焼成
する以外は実施例と同様に焼結体を作製し、同様に評価
した(試料No.21)。結果は表1に示した。
【0050】
【表1】
【0051】表1から明らかなように、成形時に1T以
上の磁場を印加しない試料No.1、2では、焼結体中
の主結晶が配向せず、k33値が小さいものであった。ま
た、スラリー中のセラミック原料粉末としてビスマス層
状化合物の含有量が90重量%より少ない試料No.1
3では、焼結体中における主結晶の長径のばらつきが大
きく、試料間でk33値のばらつきが大きくなった。
【0052】さらに、磁場を印加することなくホットプ
レス焼成を行った試料No.19およびビスマス層状化
合物以外の粉末を用いてテープ成形した試料No.21
では、主結晶の長径のばらつきが大きく、圧電特性のば
らつきが大きかった。また、高い成形圧力にてプレス成
形を行った試料No.20では、不均一な組織であり、
33値が小さく、ばらつきも大きかった。
【0053】これに対して、本発明に基づき、ビスマス
層状化合物を90重量%以上含む粉末を含有するスラリ
ーに1T以上の磁場を印加して成形した試料No.3〜
12、14〜18では、いずれの試料でも主結晶の長径
が均一で配向度が高く、板状体の主面のk33値が30%
よりも大きくばらつきが5%以下と小さい優れた圧電特
性を有するものであった。
【0054】また、上記試料について、配向度f1を測
定した面からそれぞれ0.1mmずつ研磨した面につい
てf1と同様に配向度f2を測定し、その比(f2/f1
を算出したところ、試料No.1、2および3〜18で
はいずれも0.95〜1.05であったのに対して、試
料No.19では0.9、試料No.20では0.7
0、試料No.21では0.75であった。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明のビスマス
層状化合物焼結体によれば、ビスマス層状化合物粉末に
溶媒を加えたスラリーに対して特定方向に高い磁場を印
加することによって、ビスマス層状化合物結晶のc軸が
磁場の印加方向と垂直な向きになるように配向させるこ
とができ、さらにこれを焼成することによって、結晶成
長の異方性により、粒径の揃った扁平な主結晶が特定の
向きに配向したビスマス層状化合物焼結体を作製でき、
高く、かつばらつきの小さい圧電特性を有する焼結体を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のビスマス層状化合物焼結体の模式図で
ある。
【符号の説明】
1 ビスマス層状化合物焼結体 2 主結晶 A 配向方向と垂直な面 H 磁場の印加方向

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式が(Bi222+(Am-1
    m3m+12-(但し、A:アルカリ金属、アルカリ土類
    金属および鉛の群から選ばれる少なくとも1種、B:4
    a金属または5a金属の群から選ばれる少なくとも1
    種、m>1)で表されるビスマス層状化合物からなる扁
    平粒子を主結晶とし、c面と垂直な結晶面方向に配向し
    た焼結体であり、該配向方向と垂直な面における主結晶
    のうち、長径dが0.5da≦d≦2da(daは主結晶
    の平均長径)を満たす結晶の割合が全主結晶の80%以
    上であることを特徴とするビスマス層状化合物焼結体。
  2. 【請求項2】前記配向方向と垂直な面のX線回折強度に
    おいて、(I(020)+I(220))/(I(020)+I(220)
    (006)+I(008)+I(0010))(ただし、I( hkl)は各
    結晶面のピーク強度)で示される配向度fが、0.75
    以上であることを特徴とする請求項1記載のビスマス層
    状化合物焼結体。
  3. 【請求項3】前記配向方向と垂直な面の表面での配向度
    1と、該配向方向と垂直な面の表面を0.1mm研磨
    した研磨面における配向度f2との比(f2/f 1)が
    0.8以上であることを特徴とする請求項2記載のビス
    マス層状化合物焼結体。
  4. 【請求項4】相対密度が95%以上であることを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれか記載のビスマス層状化合
    物焼結体。
  5. 【請求項5】前記主結晶の長径が20μm以下である割
    合が80%以上であることを特徴とする請求項1乃至4
    のいずれか記載のビスマス層状化合物焼結体。
  6. 【請求項6】前記主結晶の平均アスペクト比が3〜10
    であることを特徴とする請求項1乃至5記載のビスマス
    層状化合物焼結体。
  7. 【請求項7】セラミック原料粉末としてビスマス層状化
    合物を90重量%以上含む粉末に溶媒を添加したスラリ
    ーを作製し、該スラリーに対して一方向に1T以上の磁
    場を印加して前記ビスマス層状化合物粉末をc面と垂直
    な結晶面に配向させつつ前記スラリーを固化した後、焼
    成することを特徴とするビスマス層状化合物焼結体の製
    造方法。
  8. 【請求項8】前記ビスマス層状化合物粉末の平均粒径が
    0.5〜2.0μmであることを特徴とする請求項6記
    載のビスマス層状化合物焼結体の製造方法。
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