JP2002038241A - 快削ステンレス鋼 - Google Patents
快削ステンレス鋼Info
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Abstract
0.05〜2.00%、Mn:0.05〜1.00%、
S:0.05〜0.50%、Se:0.02〜0.20
%、Te:0.01〜0.10%、Cr:10.00〜
30.00%、かつ、Mn/S比:2以下、Se/S
比:0.2以上、Te/S比:0.04以上の成分比を
満たし、残部がFeおよび不可避的不純物からなる快削
ステンレス鋼。
Description
に関するものである。
SUS430FやSUS303に代表されるSを添加し
た快削ステンレス鋼のみならず、Pb,Te等のいわゆ
る快削元素を複合添加して被削性改善を図った快削鋼が
使用されてきた。しかしより一層の被削性に優れた快削
ステンレス鋼のニーズは極めて強い。近年では、機器の
小型化、高精密化に対応すべく、被削性の要求レベルが
厳しくなっている。特に、ハードディスクドライブ(H
DD)等の精密機器部品用材として多用されている快削
ステンレス鋼には、ステンレス鋼本来の耐食性に優れて
いること、切削加工表面の美麗さや寸法精度を満足する
被削性を有していること、快削鋼中の硫化物が空気中の
水分と反応して発生する硫化水素ガス(アウトガス)が
少ないことが求められている。
−46292号公報等に開示されているように、低Mn
化した快削ステンレス鋼が発明されている。しかし、低
Mn化した快削鋼は、Mn含有量が1%前後と高い従来
の快削鋼と比較して被削性が大幅に劣るという問題があ
る。これは低Mn化により硫化物がMnSから(Cr,
Mn)Sに組成変化する結果、硫化物硬さが上昇し、か
つ熱間延伸性に富むようになり、被削性改善効果が薄れ
るためである。
鋼の被削性改善方法として、硫化物(MnS)の形態制
御を目的に、SeやTeを添加することが知られてい
る。しかし、低Mn化により硫化物(Cr,Mn)Sが
生成した場合のSeやTeの効果を明らかにした従来知
見はなかった。コンピュターHDD部品のように、耐食
性、硫化水素アウトガス特性が優れ、高い被削性が要求
される部品に対して用いられてきた上記特開平10−4
6292号公報では、近年の精密機器の小型高性能化に
伴い厳しくなる部品の加工寸法精度を満足することが困
難になりつつあり、一層の高被削性が求められている。
本発明では、低MnのS快削鋼におけるSeおよびTe
の効果を明らかにし、これらを利用して大幅に被削鋼を
改善した快削ステンレス鋼を提供することを目的とす
る。
消するべく、発明者らは鋭意開発を進めた結果、S,S
e,Teを最適なバランスで同時に複合添加することに
より介在物組成を制御した結果、介在物の形状と硬さを
切削加工時の工具摩耗制御に好適なものにできることを
見出したものである。その発明の要旨とするところは、 (1)質量%で、C:0.50%以下、Si:0.05
〜2.00%、Mn:0.05〜1.00%、S:0.
05〜0.50%、Se:0.02〜0.20%、T
e:0.01〜0.10%、Cr:10.00〜30.
00%、かつ、Mn/S比:2以下、Se/S比:0.
2以上、Te/S比:0.04以上の成分比を満たし、
残部がFeおよび不可避的不純物からなる快削ステンレ
ス鋼。
40%を含有することを特徴とする前記(1)に記載の
快削ステンレス鋼。 (3)質量%で、Al:0.0001〜0.020%、
Ca:0.0005〜0.010%、Mg:0.000
5〜0.010%のうちの1種または2種以上を含有す
ることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の快
削ステンレス鋼。 (4)質量%で、Mo:3.00%以下を含有すること
を特徴とする前記(1)〜(3)に記載の快削ステンレ
ス鋼。
下、Cu:4.00%以下のうちの1種または2種を含
有することを特徴とする前記(1)〜(4)に記載の快
削ステンレス鋼。 (6)質量%で、Pb:0.03〜0.30%、Bi:
0.03〜0.30%のうちの1種または2種を含有す
ることを特徴とする前記(1)〜(5)に記載の快削ス
テンレス鋼。
0%、Nb:0.02〜1.00%、V:0.02〜
1.00%、W:0.02〜1.00%のうちの1種ま
たは2種以上を含有することを特徴とする前記(1)〜
(6)に記載の快削ステンレス鋼。 (8)質量%で、N:0.005〜0.10%、B:
0.001〜0.010%のうちの1種または2種を含
有することを特徴とする前記(1)〜(7)に記載の快
削ステンレス鋼にある。
定理由について説明する。 C:0.50%以下 Cは、強度を上げるに必要な元素である。しかし、0.
50%を超えると耐食性と靱性を劣化させるので、その
上限を0.50%とした。 Si:0.05〜2.00% Siは、脱酸元素として有用な元素であるが、しかし、
多いと焼なまし硬さが上昇するので、その範囲を0.0
5〜2.00%とした。
の組成制御に有用である。しかし、0.05%未満では
その効果を達成できず、また、多過ぎてもその効果は飽
和に達し、その範囲を0.05〜1.00%とした。 S:0.05〜0.50% Sは、快削元素である。しかし、0.05%未満ではそ
の効果が得られず、多いと熱間加工性を悪化させるの
で、その範囲を0.05〜0.50%とした。
%未満ではその効果が得られず、多いと熱間加工性を悪
化させるので、その範囲を0.02〜0.20%とし
た。 Te:0.01〜0.10% Teは、Sと同様に快削元素である。しかし、0.01
%未満ではその効果が得られず、多いと熱間加工性を悪
化させるので、その範囲を0.01〜0.10%とし
た。
10.00%未満では効果が少なく、多いと被削性を悪
化させ、かつ脆化しやすくなるので、その範囲を10.
00〜30.00%とした。 O:0.005〜0.040% Oは、硫化物系介在物の熱間変形能を下げ被削性を改善
させる。しかし、多いと不要な酸化物が増加するので、
その範囲を0.005〜0.040%とした。
である。しかし、0.0001%未満ではその効果は少
なく、多いと硬質酸化物が被削性を悪化させる。従っ
て、その範囲を0.0001〜0.020%とした。 Ca:0.0005〜0.010% Caは、強力な脱酸元素であり、酸化物組成制御に有効
である。しかし、0.0005%未満ではその効果は少
なく、0.010%を超える添加は困難である。従っ
て、その範囲を0.0005〜0.010%とした。
である。しかし、0.0005%未満ではその効果は少
なく、多いと硬質非延性酸化物が被削性を悪化させる。
従って、その範囲を0.0005〜0.010%とし
た。 Mo:3.00%以下 Moは、耐食性を向上させる元素である。しかし、多い
と脆化しやすく、しかも高価であるので、その上限を
3.00%とした。
テナイト相の安定化させる。しかし、多いと延性を増し
被削性を悪化させる。従って、その上限を20.00%
とした。 Cu:4.00%以下 Cuは、冷間加工性を改善する元素であり、また、オー
ステナイト相の安定化させる。しかし、多いと熱間加工
性を悪化させる。従って、その上限を4.00%とし
た。
その効果が得られず、多過ぎても快削性が飽和すると共
に、熱間加工性が悪化することから、その範囲を0.0
3〜0.30%とした。 Bi:0.03〜0.30% Biは、Pbと同様に、快削元素である。しかし、0.
03%未満ではその効果が得られず、多過ぎても快削性
が飽和すると共に、熱間加工性が悪化することから、そ
の範囲を0.03〜0.30%とした。
し、多いとその効果が飽和することから、その範囲を
0.02〜1.00%とした。 Nb:0.02〜1.00% Nbは、Tiと同様に、炭窒化物生成により耐食性を向
上させる。しかし、多いとその効果が飽和することか
ら、その範囲を0.02〜1.00%とした。
させる。しかし、多いとその効果が飽和することから、
その範囲を0.02〜1.00%とした。 W:0.02〜1.00% Wは、Tiと同様に、炭窒化物生成により耐食性を向上
させる。しかし、多いとその効果が飽和することから、
その範囲を0.02〜1.00%とした。
性を悪化させるので、その範囲を0.005〜0.10
%とした。 B:0.001〜0.010% Bは、熱間加工性を向上させる元素である。しかし、多
いと逆に熱間加工性が悪化することから、その範囲を
0.001〜0.010%とした。
に一定の割合で複合添加したときの効果について説明す
る。一般的に、硫化物系介在物(S,Se,Teのいず
れか、あるいは数種を含有する介在物)は、切削加工時
に応力集中源となって働き脆化させることで被削性を改
善し、中でもサイズが大きく、また球状の介在物である
ほど被削性への寄与が大きいとされている。Seおよび
Teの添加量を変化させた鋼種の介在物を詳細に調査し
た結果、Teは従来から知られているように介在物の延
伸を抑制し、球状あるいは紡錘状に保ち、加えてSeを
添加すると介在物サイズの大型化、および介在物延伸の
抑制傾向がわずかに認められた。
向もみられた。Se添加で硬さが増した介在物は、切削
加工時に受ける剪断応力下で、介在物自体が破壊し、す
べりの助長および亀裂の発生と伝播を容易にする様子が
見られたため、介在物硬さの上昇も被削性改善に効果が
あるのではないかと推察される。このように、SeやT
eの添加により変化する硫化物系介在物の諸性質が、被
削性を改善していると考えられる。
大きさに及ぼすSeとTe添加量の影響について、以下
のような傾向がある。Seの場合、介在物組織は、Se
/S比の増加に伴いSe濃度も一様に増加する。介在物
硬さは、Se/S比増加に伴い上昇し、その後一定とな
り、介在物大きさは、Se/S比が増加すると一様に大
きくなる傾向がある。また、介在物延伸性(アスペクト
比:介在物の長径長さ/短径長さで評価)は、Se/S
比の増加により緩やかに低下する。Teの場合、Te/
S比の増加とともに介在物中のTe濃度が増加してTe
/S比が0.1前後で飽和し、Teによる介在物延伸抑
制効果もTe/S比が0.1前後まで、この比の上昇に
伴って増す。介在物硬さは、わずかに上昇する傾向があ
るが変化は小さくほぼ一定である。
で決められ、Se/S比は0.2以上(好適な介在物硬
さを得るため、および延伸抑制のため)、Te/S比は
0.04以上(介在物延伸抑制のため)必要である。こ
のようにSeとTeの効果があいまって初めて好適な介
在物が生成し、被削性を著しく改善する効果を奏するも
のである。また、快削鋼の硫化水素アウトガスは、従来
より、Mn/S比の低下による硫化物系介在物の高Cr
化に伴って抑制されることが知られていたが、硫化物系
介在物にSeやTeが固溶するS−Se−Te快削鋼に
おいても同様にMn/S比によりアウトガス特性が決定
されることが分かった。耐食性においても同様である。
Se,Te)組成になるが、この場合でも材料の耐食
性、アウトガス特性(硫化水素発生量)はMn/S比で
決定される。Mn/S比が低いほどこれらの特性は向上
するが、Mn/S比が2以下であれば実際上工業的な使
用に耐えうる場合が多い。 Se/S比:0.2以上 Se/S比の増加に伴って硫化物系介在物中のSe濃度
は増加する。Se含有硫化物系介在物は、切削加工時に
破壊して亀裂の発生・伝播を容易にするとともに剪断変
形をしやすくする。Se/S比が0.2以上で有効であ
る。
は増加し、これに伴って硫化物系介在物が形態制御され
被削性が改善しTe/S比が0.04以上で効果が顕著
である。ただしTe/S比が0.1でTe濃度が飽和す
るまで被削性改善効果は持続するので、望ましくは0.
1以上である。
に説明する。真空誘導炉で100kg鋼塊を溶製し、表
1に示す化学成分を有する鋼を所定の寸法の棒鋼に鍛伸
した後、熱処理を行った。すなわち、表1に示すNo.
1〜18はフェライト系ステンレス鋼であり、焼なまし
を行い、また、No.19〜23はマルテンサイト系で
あり、介在物形状と被削性調査は焼なまし、アウトガス
試験、耐食性試験は焼入焼戻しを行い、No.24〜2
9はオーステナイト系であり、固溶化熱処理を行った。
その結果を表2に示す。
は、φ20mm棒鋼の鍛伸方向に平行な面の硫化物系介
在物の形状を画像解析装置にて測定した。解析項目は介
在物大きさ分布と介在物アスペクト比(長/短径)とし
た。 (2)被削性については、φ60mm棒鋼の長手方向に
超硬工具を用い旋削し(周速200m/min、切込み
1.0mm、送り0.2mm/rev、切削油なし)、
10min旋削後の逃げ面およびすくい面の工具摩耗を
測定した。さらに、仕上切削性評価として、φ24mm
棒鋼の端面をサーメット工具を用いて切削し(周速15
0m/min、切込み0.04mm、送り0.03mm
/rev、切削油剤使用)、200mm切削後の被削材
の仕上面の表面粗さ、ムシレの有無から仕上切削性の良
否を評価した。
φ12mm×L21mmの棒状試験片を80℃の飽和水
蒸気下にAg板と共に20h封入し、Ag板の変色度に
より硫化水素発生量の多寡を評価した。すなわち、硫化
水素アウトガスが多くなるのに従って、Ag板が白色か
ら褐色に変化する。 (4)耐食性については、φ12mm×L21mmの棒
状試験片について、90%RHで(20←→70)℃×
20回のサイクル中に放置し、表面の発銹状態を調査し
た。
o.15〜18はフェライト系ステンレス鋼、No.1
9〜23はマルテンサイト系ステンレス鋼、No.24
〜29はオーステナイト系ステンレス鋼の例である。N
o.1〜9、No.15〜16(フェライト系)、N
o.19〜21(マルテンサイト系)、No.24〜2
7(オーステナイト系)は本発明例であり、被削性、硫
化水素アウトガス特性、耐食性を兼ね備えた従来にない
優れた材料である。
であり、快削鋼でないため特に被削性が悪い。No.1
1はSUS430Fであり、被削性は良好だがアウトガ
ス特性、耐食性が悪い。No.12は高MnでMn/S
比が大きいためアウトガス特性、耐食性が悪い。No.
13はSe量が少なく、発明鋼と比べて介在物がやや小
さ目であり、被削性が劣っている。No.14はTe量
が少なく、アスペクト比が大きく被削性がやや劣ってい
る。No.17、18はそれぞれSe、Teを全く含ま
ず、被削性が悪い。No.22はSe、Teを両方とも
含まない場合で、介在物形態制御がされていないため被
削性が悪い。No.23は高Mn/S比のためアウトガ
ス特性、耐食性が悪い。No.28は従来鋼のSUS3
03であり、No.11と同様に被削性は良好だがアウ
トガス性、耐食性が悪い。No.29は低Teの場合
で、介在物形態制御が不十分で被削性が劣る。
e、Teを適度なバランスで同時に添加することにより
介在物組成を制御し、これにより介在物の形態と硬さを
好適なものとすることができ、切削部品の要求精度アッ
プに対して、従来より格段に被削性が優れた材料を提供
することが可能となった。
Claims (8)
- 【請求項1】 質量%で、 C:0.50%以下、 Si:0.05〜2.00%、 Mn:0.05〜1.00%、 S:0.05〜0.50%、 Se:0.02〜0.20%、 Te:0.01〜0.10%、 Cr:10.00〜30.00%、 かつ、Mn/S比:2以下、Se/S比:0.2以上、
Te/S比:0.04以上の成分比を満たし、残部がF
eおよび不可避的不純物からなる快削ステンレス鋼。 - 【請求項2】 質量%で、O:0.005〜0.040
%を含有することを特徴とする請求項1に記載の快削ス
テンレス鋼。 - 【請求項3】 質量%で、 Al:0.0001〜0.020%、 Ca:0.0005〜0.010%、 Mg:0.0005〜0.010% のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とす
る請求項1または2に記載の快削ステンレス鋼。 - 【請求項4】 質量%で、Mo:3.00%以下を含有
することを特徴とする請求項1〜3に記載の快削ステン
レス鋼。 - 【請求項5】 質量%で、 Ni:20.00%以下、 Cu:4.00%以下 のうちの1種または2種を含有することを特徴とする請
求項1〜4に記載の快削ステンレス鋼。 - 【請求項6】 質量%で、 Pb:0.03〜0.30%、 Bi:0.03〜0.30% のうちの1種または2種を含有することを特徴とする請
求項1〜5に記載の快削ステンレス鋼。 - 【請求項7】 質量%で、 Ti:0.02〜1.00%、 Nb:0.02〜1.00%、 V:0.02〜1.00%、 W:0.02〜1.00% のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とす
る請求項1〜6に記載の快削ステンレス鋼。 - 【請求項8】 質量%で、 N:0.005〜0.10%、 B:0.001〜0.010% のうちの1種または2種を含有することを特徴とする請
求項1〜7に記載の快削ステンレス鋼。
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|---|---|---|---|
| JP2000226743A JP3703008B2 (ja) | 2000-07-27 | 2000-07-27 | 快削ステンレス鋼 |
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| JP2000226743A JP3703008B2 (ja) | 2000-07-27 | 2000-07-27 | 快削ステンレス鋼 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002038241A true JP2002038241A (ja) | 2002-02-06 |
| JP3703008B2 JP3703008B2 (ja) | 2005-10-05 |
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
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-
2000
- 2000-07-27 JP JP2000226743A patent/JP3703008B2/ja not_active Expired - Fee Related
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