JPWO2001066814A1 - 鍛造性と被削性に優れた鋼 - Google Patents
鍛造性と被削性に優れた鋼Info
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Abstract
(57)【要約】
最弱方向の機械的性質の低下を抑制して鍛造加工性を向上させつつ、被削性の良好な鋼で、重量%で、C:0.1〜0.85%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.05〜2.0%、P:0.003〜0.2%、S:0.003〜0.5%、Zr:0.0003〜0.01%を含有するとともにAl:0.01%以下、total−0:0.02%以下、total−N:0.02%以下を制限し、かつ、MnSの平均アスペクト比10以下、最大アスペクト比30以下を有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなることを特徴とする鍛造性と被削性に優れる鋼。
Description
技術分野
本発明は自動車や一般機械などに用いられる鋼に関するものであり、特に熱間
鍛造と被削性に優れた鋼に関するものである。 背景技術 近年鋼の高強度化が進む反面、加工性が低下するため、鍛造や切削能率の低下
させない鋼に対するニーズが高まっている。これまで熱間鍛造に対しては介在物
の低減、高温延性を増す元素の添加、高温延性阻害元素の低減などが一般的な対
策であった。一方、被削性を向上させるためにS,Pbなどの被削性向上元素を
添加するのが有効であることが知られているが、それら被削性向上に有効な元素
は高温延性を低下させるので、熱間鍛造と被削性の両立は困難である。Pb,B
iは被削性を向上し、鍛造への影響も比較的少ないとされているが、高温延性を
低減することが知られている。SはMnSのような切削環境下で軟質となる介在
物を形成して被削性を向上させるが、MnS寸法はPb等の粒子に比べて大きく
、応力集中元となり易い。特に鍛造や圧延によりMnSは伸延すると異方性を生
じ、特定の方向に極端に弱くなる。また設計上もその様な異方性を考慮する必要
が生じる。したがってこのような快削元素の異方性を最低限にする技術が必要に
なる。またPに関しても被削性を向上させることが知られているが、熱間鋳造時
に割れを生じ易いために多く添加することが出来ず、被削性向上効果にも限界が
ある。Teを添加すれば異方性が解消されることが主張されているが(特開昭5
5−41943)、Teは鋳造時および圧延、鍛造時に割れを生じ易い。 また、鋼中にZr,Caを含む脱酸剤を添加して、鋼の被削性を低速から高速
切削の広い範囲にわたって改善を図った特開昭49−66522号公報に開示さ
れた技術がある。しかしながら、この技術においても圧延または鍛造により延伸
されたMnSによる破壊の問題は依然として解決されていない。 そこでこのような熱間延性と被削性を両立するにはさらなる技術革新が必要で
ある。 発明の開示 本発明は上記実状に対応するため、熱間延性と被削性の良好な鋼を提供するこ
とを目的とするものである。 一般に鋼は圧延や鍛造により加工が加わるが、その際の塑性流動により、機械
的性質に異方性を生じる。鍛造時にはその異方性に起因する割れが実質の鍛造限
界を示す。したがって鍛造性を向上させるにはMnSのような介在物の形状を極
力球形に近くし、異方性を最低限に抑制することが有効である。またたとえ異方
性を生じても介在物の寸法が小さければ、異方性の影響は小さく出来る。そのた
め、被削性を向上させるMnSを微細に分散し、かつその形状を球状に維持する
ための鋼材成分とすることが望ましい。 本発明は以上の知見に基づいてなされた鍛造性と被削性に優れた鋼であって、
その要旨は以下に示すとおりである。 (1)質量%で、 C :0.1〜0.85%、 Si:0.01〜1.5%、 Mn:0.05〜2.0%、 P :0.003〜0.2%、 S :0.003〜0.5%、 Zr:0.0003〜0.01% を含有するとともに Al:0.01%以下、 total−O:0.02%以下、 total−N:0.02%以下 に制限し、かつ、MnSの平均アスペクト比10以下で、最大アスペクト比30
以下を有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなることを特徴とする鍛造性
と被削性に優れた鋼。 (2)質量%で、 C :0.1〜0.85%、 Si:0.01〜1.5%、 Mn:0.05〜2.0%、 P :0.003〜0.2%、 S :0.003〜0.5%、 Zr:0.0003〜0.01% を含有するとともに Al:0.01%以下、 total−O:0.02%以下、 total−N:0.02%以下 に制限し、かつ、MnSの平均アスペクト比10以下で、最大アスペクト比30
以下を有し、更に最大MnS粒径(μm)が110×〔S%〕−15以下、1m
m2あたりのMnS数が3800×〔S%〕−150以下を有し、残部がFeお
よび不可避的不純物よりなることを特徴とする鍛造性と被削性に優れた鋼。 (3)質量%で、 C :0.1〜0.85%、 Si:0.01〜1.5%、 Mn:0.05〜2.0%、 P :0.003〜0.2%、 S :0.003〜0.5%、 Zr:0.0003〜0.01% を含有するとともに Al:0.01%以下、 total−O:0.02%以下、 total−N:0.02%以下 に制限し、さらに、 Cr:0.01〜2.0%、 Ni:0.05〜2.0%、 Mo:0.05〜1.0% のうち1種または2種以上を含み、かつ、MnSの平均アスペクト比10以下で
、最大アスペクト比30以下を有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる
ことを特徴とする鋼。 (4)質量%で、 C :0.1〜0.85%、 Si:0.01〜1.5%、 Mn:0.05〜2.0%、 P :0.003〜0.2%、 S :0.003〜0.5%、 Zr:0.0003〜0.01% を含有するとともに Al:0.01%以下、 total−O:0.02%以下、 total−N:0.02%以下 に制限し、さらに、 Cr:0.01〜2.0%、 Ni:0.05〜2.0%、 Mo:0.05〜1.0% のうち1種または2種以上を含み、かつ、MnSの平均アスペクト比10以下で
、最大アスペクト比30以下を有し、更に、最大MnS粒径(μm)が110×
〔S%〕−15以下、1mm2あたりのMnS数が3800×〔S%〕+150
以下を有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなることを特徴とする鍛造性
と被削性に優れた鋼。 (5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の鋼が、質量%で、 V :0.05〜1.0%、 Nb:0.005〜0.2%、 Ti:0.005〜0.1% のうち少くとも1種以上を含み、残部がFeおよび不可避的不純物よりなること
を特徴とする鍛造性と被削性に優れた鋼。 (6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の鋼が、質量%で、 Ca:0.0002〜0.005%、 Mg:0.0003〜0.005%、 Te:0.0003〜0.005% のうち1種または2種以上を含み、残部がFeおよび不可避的不純物よりなるこ
とを特徴とする鍛造性と被削性に優れた鋼。 (7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の鋼が、質量%で、 Bi:0.05〜0.5%、 Pb:0.01〜0.5% のうちの1種または2種を含み、残部がFeおよび不可避的不純物よりなること
を特徴とする鍛造性と被削性に優れた鋼。 (8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の鋼が、質量%で、 B:0.0005%以上0.004%未満を含み、残部がFeおよび不可避的不
純物よりなることを特徴とする鍛造性と被削性に優れた鋼。 発明を実施するための最良の形態 先ず、本発明による鋼成分組成について説明する。 Cは鋼材の基本強度に大きな影響を及ぼす元素であり、十分な強度を得るため
に0.1〜0.85%とした。0.1%未満では十分な強度を得られず、他の合
金元素をさらに多量に投入せざるを得ず、0.85%を超えると過共析に近くな
り、硬質の炭化物を多く析出するので被削性を著しく低下させる。 Siは脱酸元素として添加されるが、フェライトの強化や焼戻し軟化抵抗を付
与するために添加する。本発明においては脱酸元素としても必要である。0.0
1%未満ではその効果は認められず、1.5%を超えると脆化し、高温での変形
抵抗も増加するのでこれを上限とした。 Mnは鋼中硫黄をMnSとして固定・分散させるために必要であるとともに、
マトリックスに固溶させて焼入れ性の向上や焼入れ後の強度を確保するために必
要である。その下限値は0.05%で、それ未満であるとSがFeSとなり脆く
なる。Mn量が大きくなると素地の硬さが大きくなり冷間加工性が低下するとと
もに、強度や焼入れ性に及ぼす影響も飽和するので、2.0%を上限とした。 Pは鋼中において素地の硬さが大きくなり、冷間加工性だけでなく、熱間加工
性や鋳造特性が低下するので、その上限を0.2%にしなければならない。一方
、被削性に効果がある元素で下限値を0.003%とした。 SはMnと結合してMnS介在物として存在する。MnSは被削性を向上させ
るが、伸延したMnSは鍛造時の異方性を生じる原因の一つである。異方性の程
度と要求される被削性によって調整されるべきであるが、同時に熱間および冷間
鍛造における割れの原因となり易いので、その上限値を0.5%とした。下限は
現状の工業生産レベルでコストが大幅に上昇しない限界である0.003%とし
た。 Zrは脱酸元素であり、ZrO2またはZrを含む酸化物(以下Zr酸化物と
いう。)を生成する。酸化物はZrO2と考えられZrO2がMnSの析出核と
なるので、MnSの析出サイトを増やし、MnSを均一分散させる。またZrは
MnSに固溶して複合硫化物を生成してその変形能を低下させ、圧延や熱間鍛造
してもMnS形状の伸延を抑制する働きがある。したがって異方性の低減に有効
な元素である。0.0003%未満ではその効果は顕著ではなく、0.01%以
上添加しても歩留まりが極端に悪くなるばかりでなく、硬質のZrO2やZrS
などを大量に生成し、かえって被削性や衝撃値や疲労特性などの機械的性質を低
下させる。したがって成分範囲を0.0003〜0.01%と規定した。 これまでもZr添加によってMnSが球状化するとの知見はあったが、「鉄と
鋼」第62年(1976)7号p.893には、MnS−Zr3S4の共晶介在
物を生じるとMnSの変形能を低下させてMnSの伸延を抑制できること、それ
には0.07%Sに対して0.02%以上必要であることが記されている。この
ような知見はMnSの変形能を抑制するために複合硫化物を生成させることが重
要であり、そのために多量のZr添加を必要としていた。しかし、過剰なZrは
Zr系の窒化物および硫化物のような酸化物以外の硬質介在物およびそのクラス
ターを生成し、機械的性質と被削性を低下させる。つまり、多量Zr添加によっ
てMnS変形能を低下させるには硬質介在物とクラスターによる弊害を伴う。 一方、本発明は、MnSの変形能よりもMnSの析出核としてのZr系酸化物
の役割に注目した。そして、鋼中にMnSが微細に分散すれば、たとえMnSが
圧延や鍛造によって伸延されても鋼にとって致命的な欠陥にならないと考えて快
削鋼を開発してきた。検討の結果、0.01%以下のZr添加で生成されるZr
系酸化物は微細分散可能であるとともにMnSの析出核となり易いことを見出し
、それを積極的に利用することで、MnSを微細分散した機械的性質と被削性に
優れた鋼を開発した。 本発明では、Zrは酸化物として単独または他の酸化物と複合して存在し、そ
の分布は微細分散し、鋼中でMnSの析出核になり易い。そしてMnSの析出核
としてのZr系酸化物を微細分散させるだけであれば、Sに対して過剰なZrを
添加する必要がないので、過剰Zrから生成されるZr系の窒化物および硫化物
のような酸化物以外の硬質介在物およびそのクラスターを生成せず、多量Zr添
加になる弊害、即ち衝撃値などの機械的性質や被削性の低下を伴わない。 Alは脱酸元素で鋼中ではAl2O3を形成する。Al2O3は硬質なので切
削時に工具損傷の原因となり、摩耗を促進させる。またAlを添加するとOが少
なくなり、Zr酸化物が生成しにくい。また微細なZrO2を均一分散させるた
めにもAlを添加しない方が良い。この影響はZrの添加量や歩留まり、そして
MnSの分布や形状に大きく影響し、本発明では硬質Al2O3の抑制とZr酸
化物を微細均一分散させるために0.01%以下に制限した。このことでZrの
添加量を大きく低減でき、Zr添加の析出核としての効果とMnSとの複合化効
果を大きくすることが出来る。 Oはfreeで存在する場合には冷却時に気泡となり、ピンホールの原因とな
る。またSi,Al,Zrなどと結合すると硬質酸化物を生成するため、制限が
必要である。本鋼ではZrの微細分散効果が無くなる0.02%を上限として制
限した。 Nは固溶Nの場合、鋼を硬化させる。特に切削においては動的ひずみ時効によ
って刃先近傍で硬化し、工具の寿命を低下させる。またTi,Al,Vなどの窒
化物として存在する場合もオーステナイト粒の成長を抑制するので制限が必要で
ある。特に高温域ではTiNやZrNを生成する。また窒化物を生成しない場合
でも鋳造途中に気泡を生成し、疵などの原因となる。本発明ではその弊害が顕著
になる0.02%を上限とした。 Crは焼入れ性向上、焼戻し軟化抵抗付与元素である。そのため高強度化が必
要な鋼には添加される。その場合、0.01%以上の添加を必要とする。しかし
多量に添加するとCr炭化物を生成し脆化させるため、2.0%を上限とした。 Niはフェライトを強化し、延性を向上させるとともに焼入れ性向上、耐食性
向上にも有効である。0.05%未満ではその効果は認められず、2.0%を超
えて添加しても、機械的性質の点では効果が飽和するので、これを上限とした。 Moは焼戻し軟化抵抗を付与するとともに、焼入れ性を向上させる元素である
。0.05%未満ではその効果が認められず、1.0%を超えて添加してもその
効果が飽和しているので、0.05〜1.0%を添加範囲とした。 Bは固溶している場合は粒界強化や焼入れ性に効果があり、析出する場合には
BNとして析出するので被削性に効果がある。これらの効果は0.0005%未
満では顕著でなく、0.004%以上添加してもその効果が飽和し、BNが多く
析出しすぎるとかえって鋼の機械的性質を損なう。そこで0.0005%以上0
.004%未満を範囲とした。 Vは炭窒化物を形成し、二次析出硬化により鋼を強化することが出来る。0.
05%以下では高強度化に効果はなく、1.0%を超えて添加すると多くの炭窒
化物を析出し、かえって機械的性質を損なうので、これを上限とした。なお、V
の添加は0.2%超が好ましい。 V,Nb,Tiなどは鋼中で窒化物、炭化物、炭窒化物などを生成する。それ
らはピン止め粒子としてオーステナイト粒の成長を抑制するために、鍛造や熱処
理時に変態点以上に加熱した場合のオーステナイト粒径を制御する元素として用
いられることも多い。その析出温度はそれぞれ異なるが、工業的に実施されてい
る熱処理の温度制御の精度を考えると、極力広い温度域でピン止め効果を発揮し
てオーステナイト粒径を制御することが必要である。特に熱間鍛造では、形状に
より冷却温度が部材内の位置によっても大きく異なる。 Nb,Tiは比較的高温において析出物を生成するのに対して、Vはこれらよ
り低温において炭化物を析出するのでVを添加することが好ましいが、Vを単独
で添加する場合には、Vは0.2%超1.0%以下とすることにより効果が達成
できる。また、VとNb,Tiのいずれかまたは両方を併用することでピン止め
粒子として最適な寸法の析出物を均一に鋼中に分散させることが出来る。 このような数種の元素を併用する場合には、単独添加の場合より添加量を抑制
してもオーステナイト粒径を制御することが出来、Vの下限は0.05%の添加
でも効果が認められるようになる。 したがって、Nb,Tiの1種または2種をVと同時に添加する場合のVの下
限は0.05%とした。 Nbも炭窒化物を形成し、二次析出硬化により鋼を強化することが出来る。0
.005%以下では高強度化に効果はなく、0.2%を超えて添加すると多くの
炭窒化物を析出し、かえって機械的性質を損なうので、これを上限とした。 Tiも炭窒化物を形成し、鋼を強化する。また脱酸元素でもあり、軟質酸化物
を形成させることで被削性を向上させることが可能である。0.005%以下で
はその効果が認められず、0.1%を超えて添加してもその効果が飽和する。ま
たTiは高温でも窒化物となりオーステナイト粒の成長を抑制する。そこで上限
を0.1%とした。 Caは脱酸元素であり、軟質酸化物を生成し、被削性を向上させるだけでなく
、MnSに固溶してその変形能を低下させ、圧延や熱間鍛造してもMnS形状の
伸延を抑制する働きがある。したがって異方性の低減に有効な元素である。0.
0002%未満ではその効果は顕著ではなく、0.005%を超えて添加しても
歩留まりが極端に悪くなるばかりでなく、硬質のCaOを大量に生成し、かえっ
て被削性を低下させる。したがって成分範囲を0.0002〜0.005%と規
定した。 Mgは脱酸元素であり、酸化物を生成する。酸化物はMnSの析出核になりM
nSの微細均一分散に効果がある。したがって異方性の低減に有効な元素である
。0.0003%未満ではその効果は顕著ではなく、0.005%を超えて添加
しても歩留まりが極端に悪くなるばかりで効果は飽和する。したがって成分範囲
を0.0003〜0.005%と規定した。 Teは被削性向上元素である。またMnTeを生成したり、MnSと共存する
ことでMnSの変形能を低下させてMnS形状の伸延を抑制する働きがある。し
たがって異方性の低減に有効な元素である。この効果は0.0003%未満では
認められず、0.005%を超えると鋳造時の割れの原因となり易い。 BiおよびPbは被削性向上に効果のある元素である。その効果は0.05%
未満では認められず、0.5%を超えて添加しても被削性向上効果が飽和するだ
けでなく、熱間鋳造特性が低下して疵の原因となり易い。 次に、本発明においては上述した成分組成に加え、MnSの平均アスペクト比
、および最大アスペクト比、また、最大MnS粒径、単位面積(1mm2)あた
りのMnS数が重要な要素であり、MnSの平均アスペクト比は10以下、最大
アスペクト比は30以下、最大MnS粒径(μm)は110×〔S%〕+15以
下、1mm2あたりのMnS数は3800×〔S%〕+150以下とする必要が
ある。 平均アスペクト比10以下、最大アスペクト比30以下とする理由は、図8(
a)、図9に示すように、アスペクト比は初期MnS粒径が大きくなれば、アス
ペクト比も大きくなる傾向にある。実施例にもあるようにアスペクト比が大きい
と、材質の異方性が助長され、断面方向の衝撃値が疲労強度を低下させることに
なる。また鍛造においてはさまざまな変形を加えられるため、伸延されたMnS
は破壊起点となることが多い。したがってMnSの平均アスペクト比<20以上
ではこの伸延されたMnSによる破壊特性の劣化が顕著になる。またMnSの最
大アスペクト比に関しても30を超えるとMnSによる破壊特性の劣化が顕著に
なる。 また、最大MnS粒径(μm)110×〔S%〕+15以下、1mm2あたり
のMnS数3800×〔S%〕+150以下とする理由は以下の理由に基づくも
のである。MnSは応力集中源となるため破壊起点となりやすいことが知られて
おり、特にその大きさの影響が強い。一方、被削性はS量に比例して向上するも
のの、それほどMnSの大きさの影響は顕著ではないことをみいだした。そのた
め、同一S量の鋼で比較するとMnSは小さく多数分散した鋼は大きく少数分散
した鋼より被削性は同等でも破壊特性や鍛造性は優れる。その効果はS量の影響
を受けるが、図8(a)、図9に示すように、最大MnS粒径(μm)<110
×〔S%〕+15かつ1mm2あたりのMnS数>3800×〔S%〕+150
であれば鍛造特性と破壊特性の劣化を最小限に抑制しつつ、S添加量相当の被削
性を確保できることを見出した。逆に最大MnS粒径(μm)>110×(S%
〕+15あるいは1mm2あたりのMnS数<3800×〔S%〕+150であ
ると破壊特性や鍛造性に劣る。 画像処理装置によってMnS系介在物を抽出し、それぞれのMnSに関して以
下の項目を算出する。画像処理装置では光学的取り込まれた像をCCDカメラに
よってデジタル化するのでMnSの大きさ、占有面積などが測定可能である。測
定視野は倍率500倍で、1視野9000μm2として50視野を繰返し測定す
る。この測定の対象は、円相当径(R)、圧延方向長さ(L)、半径方向厚さ(
H)、アスペクト比(L/H)である。個々のMnSに関するこれら測定値の最
大値および平均値を算出することが可能で、平均アスペクト比とは個々のMnS
のアスペクト比の平均値であり、測定された個々のアスペクト比の中で最大のも
のを最大アスペクト比と記す。 また、MnSの粒径に関しては、画像処理装置にて測定し、MnSの測定面積
を円にした場合の直径、いわゆる円相当径であり、1mm2あたりのMnS数と
は測定面積に含まれたMnS数を測定面積で除した値である。 実施例 本発明の効果を実施例によって説明する。表1に示す供試材は2t真空溶解炉
で溶製後、ビレットに分解圧延、さらにφ60mmに圧延した。圧延後、熱間加
工性評価用熱間据え込み試験片、冷間加工評価用冷間据え込み試験片を切り出し
て据え込み試験を行った。また一部は熱処理として1200℃に加熱後、放冷し
て切削試験に供した。 ここで鋼中Zrの分析方法であるが、JIS G 1237−1997付属書
3と同様の方法でサンプルを処理した後、鋼中Nb量と同様に鋼中Zr量をIC
P(誘導結合プラズマ発光分光分析法)によって測定した。ただし、本発明での
実施例の測定に供したサンプルは2g/鋼種で、ICPにおける検量線も微量Z
rに適するように設定して測定した。即ち、Zr濃度が1〜200ppmとなる
ようにZr標準液を希釈して異なるZr濃度の溶液を作成し、そのZr量を測定
することで検量線を作成した。なお、これらのICPに関する共通的な方法につ
いては、JIS K 0116−1995(発光分光分析方法通則)およびJI
S Z 8002−1991(分析、試験の許容差通則)による。 図1は鍛造加工性(熱間、冷間)評価用試験片切り出し位置と試験片形状を説
明するための図である。図1(a)の切り出し位置1で、据え込み試験片の切り
出し方向は、鋼中MnS2が長手方向になるように図1(b)、図1(c)に示
す熱間据え込み試験片3およびノッチ5を設けた冷間据え込み試験片4を切り出
した。 図2は据え込み試験での割れ発生位置を説明する図である。据え込み試験では
図2に示すように荷重6の負荷をかけて試験片が変形7すると外周部に周方向に
引張応力が生じる。その際、多くの場合、鋼中のMnSが破壊源となり割れ8を
生じる場合が多い。このように切り出した試験片の据え込み試験により、鍛造時
の加工性を評価できる。 熱間における据え込み試験片はφ20mm×30mmで熱電対を取り付けてあ
り、高周波により1000℃まで加熱し、3s以内に据え込み鍛造を行った。さ
まざまなひずみで鍛造し、図3に示すように、試験片の変形前9および変形後1
0の割れの発生するひずみを限界ひずみとして測定した。ここでひずみとは式(
1)で定義される、いわゆる公称ひずみである。 ε=(Ho−H)/Ho 式(1) ここでε:ひずみ、Ho:変形前の試験片高さ、H:変形後の試験片高さを意味
する。 表1に加工性を評価した実施例を示す。表1実施例1〜5はS45Cをベース
とした鋼でS量を変化させている。その比較例として実施例6〜10はZrを添
加していない鋼である。また実施例(比較例)11および12はAl量多量添加
かつZr無添加でPbを添加したもの、実施例(比較例)13および14はZr
を添加しているものの、Al量を多量添加してS量を変化させてある。実施例1
5はAl多量添加し、Zrを無添加の比較例である。同一のS量で比較すると、
Pbを添加した実施例11,12は熱間鍛造性に劣る。またS量が多くなると、
Zrを添加した発明例2〜5は比較例7〜10より優れる。さらにS量が多い場
合にはZrの有無に関わらず、Al量が多いと実施例14,15のように熱間加
工性か発明例より劣った。 図4は表1の実施例に関して熱間鍛造性に及ぼすS量の影響を示す図である。 また冷間加工性を評価するために冷間据え込み試験を行った。図1のように切
り出した素材を850℃から焼き入れた後、700℃で12hrの球状化焼鈍し
た。その後、機械加工で2mmのノッチ付φ7mm×14mm冷間据え込み試験
片を作成した。図5は実施例1〜15の冷間加工における限界ひずみ測定結果で
ある。ひずみの定義は式1と同様である。 同様に表2にS45CにVを添加し、オーステナイト粒径を微細化するととも
に、強度を向上させた実施例を示す。図6に表2の実施例の1000℃における
熱間鍛造性評価結果を示す。この場合にもS量が増加すれば熱間鍛造性が低下し
ているが、同一S量で比較すると実施例17〜20(発明例)は実施例22〜2
5(比較例)より良好な熱間鍛造性を示した。 表1に示した実施例について被削性を評価した結果を図7に示す。被削性評価
はドリル穿孔試験で行い、表3にその切削条件を示す。累積穴深さ1000mm
まで切削可能な最高の切削速度(いわゆるVL1000)で被削性を評価した。 図7に示すようにS量が多くなると被削性が向上する。しかし同一S量で比較
するとAlを多量に添加した場合(実施例13〜15)はAlを規定内に制限し
た場合より被削性が劣る。Alが規定内の場合、Zrの有無で比較すると、いず
れのS量においても同等の被削性である。またPbを添加した実施例11,12
と比較すると、実施例2と11が同等の被削性であるが、図4に示すように熱間
加工性は実施例2の方が優れた。同様に実施例3と12の比較では同等の被削性
にもかかわらず実施例3(発明例)の方が熱間加工性が優れた。このように本発
明は熱間加工性と被削性を両立するのに有効である。 同様の効果はVを添加して高強度化した場合でも見られ、表2に被削性を評価
した結果を数値で示したが、同一S量で比較した場合には発明例は比較例と同様
の被削性であった。したがって、本発明を用いれば高強度化しても鍛造性と被削
性の両立が達成できる。 表4にZr量を変化させた実施例を示す。表4の実施例に実施例2および3を
加え、機械的性質とZr量の関係を検討した。図8(a)にZr量の衝撃値、硫
化物アスペクト比および硫化物の単位面積当たりの個数を示す。衝撃試験片の切
り出しかたは図8(b)にあるとおりで、長手方向に切り出す場合をL、断面方
向に切り出す場合をCとした。Zrを添加しない場合、圧延長手方向の衝撃値は
優れるものの、断面方向の衝撃値は極めて低い。S量が多くなるとその傾向がよ
り顕著になる。しかしZrを添加すると長手方向の衝撃値がわずかに低下するも
のの、断面方向は大きく向上する。その原因は硫化物の微細分散とアスペクト比
の改善によるものと考えられる。特に硫化物数が増加し、微細に分散するとたと
えアスペクト比の大きな硫化物が含まれていても寸法が小さいために機械的性質
への影響も小さくなると考えられる。 さらに表5にAl量を変化させた実施例を示す。Al量が増加すると被削性が
低下することは既に述べたが、Al量の効果を明確にするため、表5の実施例に
実施例2および27を加え、硫化物形状に及ぼすAl量の影響を図9に示す。Z
rを微量添加した場合にはAl量が0.01%を超えると硫化物数が減少すると
ともに、アスペクト比が増加した。この場合、熱間据え込み試験における限界ひ
ずみが低下する。またAlの増加とともに被削性AL1000が明らかに低下す
る。このため本発明ではAlを0.01%以下に規定した。 表6に他の元素への影響を検討した実施例を示す。その製造方法と熱間加工性
および被削性評価方法は表1に示す実施例と同様である。表6、表6−1、表6
−2、表6−3は、実施Nos.41〜72においてさまざまな合成元素を添加
した場合の熱間限界ひずみと被削性を示したものである。これらの表における各
比較例は被削性の差は小さくとも熱間限界ひずみの点で大きく劣った。また、こ
れらの表における実施Nos.73〜78に示すような基本的な強度をC量によ
って変化させた場合にも発明例は比較例より優れる。表6−1、表6−3におけ
る実施Nos.79,80はそれぞれtotal−O量とtotal−N量を発
明の範囲外にした比較例である。これらは実施No.2と比較すると、熱間限界
ひずみと被削性の両面で劣った。このように本発明に含まれる実施例は同一のS
量で比較した場合、良好な熱間加工性と被削性を両立していることがわかる。 図10は、被削性への弊害をドリル工具寿命の指標であるVL1000(10
00mmの累積孔深さを穿孔可能な最大切削速度)にて評価した結果である。Z
rを多量に添加すると被削性が低下していることがわかる。また、図8の衝撃値
においても過剰なZr添加はMnSのアスペクトに優れるものの、ZrNやZr
Sなどのクラスターを生じて衝撃値が低下していることがわかる。 なお、図4〜10において、図中の添字は実施例No.を示している。 産業上の利用可能性 以上のような内容により、熱間加工性、機械的性質、被削性を兼ね備えた鋼を
供することが出来る。特に本発明の技術は熱処理やミクロ組織などの影響を大き
く受けず、硫化物の形状制御を基本としているので、調質鋼や非調質鋼を区別す
る必要がない。また加工に関しても熱間鍛造だけでなく、冷間鍛造に対しても有
効で、鍛造加工性、機械的性質、被削性を必要とする広範囲な鋼に対して有効で
ある。
鍛造と被削性に優れた鋼に関するものである。 背景技術 近年鋼の高強度化が進む反面、加工性が低下するため、鍛造や切削能率の低下
させない鋼に対するニーズが高まっている。これまで熱間鍛造に対しては介在物
の低減、高温延性を増す元素の添加、高温延性阻害元素の低減などが一般的な対
策であった。一方、被削性を向上させるためにS,Pbなどの被削性向上元素を
添加するのが有効であることが知られているが、それら被削性向上に有効な元素
は高温延性を低下させるので、熱間鍛造と被削性の両立は困難である。Pb,B
iは被削性を向上し、鍛造への影響も比較的少ないとされているが、高温延性を
低減することが知られている。SはMnSのような切削環境下で軟質となる介在
物を形成して被削性を向上させるが、MnS寸法はPb等の粒子に比べて大きく
、応力集中元となり易い。特に鍛造や圧延によりMnSは伸延すると異方性を生
じ、特定の方向に極端に弱くなる。また設計上もその様な異方性を考慮する必要
が生じる。したがってこのような快削元素の異方性を最低限にする技術が必要に
なる。またPに関しても被削性を向上させることが知られているが、熱間鋳造時
に割れを生じ易いために多く添加することが出来ず、被削性向上効果にも限界が
ある。Teを添加すれば異方性が解消されることが主張されているが(特開昭5
5−41943)、Teは鋳造時および圧延、鍛造時に割れを生じ易い。 また、鋼中にZr,Caを含む脱酸剤を添加して、鋼の被削性を低速から高速
切削の広い範囲にわたって改善を図った特開昭49−66522号公報に開示さ
れた技術がある。しかしながら、この技術においても圧延または鍛造により延伸
されたMnSによる破壊の問題は依然として解決されていない。 そこでこのような熱間延性と被削性を両立するにはさらなる技術革新が必要で
ある。 発明の開示 本発明は上記実状に対応するため、熱間延性と被削性の良好な鋼を提供するこ
とを目的とするものである。 一般に鋼は圧延や鍛造により加工が加わるが、その際の塑性流動により、機械
的性質に異方性を生じる。鍛造時にはその異方性に起因する割れが実質の鍛造限
界を示す。したがって鍛造性を向上させるにはMnSのような介在物の形状を極
力球形に近くし、異方性を最低限に抑制することが有効である。またたとえ異方
性を生じても介在物の寸法が小さければ、異方性の影響は小さく出来る。そのた
め、被削性を向上させるMnSを微細に分散し、かつその形状を球状に維持する
ための鋼材成分とすることが望ましい。 本発明は以上の知見に基づいてなされた鍛造性と被削性に優れた鋼であって、
その要旨は以下に示すとおりである。 (1)質量%で、 C :0.1〜0.85%、 Si:0.01〜1.5%、 Mn:0.05〜2.0%、 P :0.003〜0.2%、 S :0.003〜0.5%、 Zr:0.0003〜0.01% を含有するとともに Al:0.01%以下、 total−O:0.02%以下、 total−N:0.02%以下 に制限し、かつ、MnSの平均アスペクト比10以下で、最大アスペクト比30
以下を有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなることを特徴とする鍛造性
と被削性に優れた鋼。 (2)質量%で、 C :0.1〜0.85%、 Si:0.01〜1.5%、 Mn:0.05〜2.0%、 P :0.003〜0.2%、 S :0.003〜0.5%、 Zr:0.0003〜0.01% を含有するとともに Al:0.01%以下、 total−O:0.02%以下、 total−N:0.02%以下 に制限し、かつ、MnSの平均アスペクト比10以下で、最大アスペクト比30
以下を有し、更に最大MnS粒径(μm)が110×〔S%〕−15以下、1m
m2あたりのMnS数が3800×〔S%〕−150以下を有し、残部がFeお
よび不可避的不純物よりなることを特徴とする鍛造性と被削性に優れた鋼。 (3)質量%で、 C :0.1〜0.85%、 Si:0.01〜1.5%、 Mn:0.05〜2.0%、 P :0.003〜0.2%、 S :0.003〜0.5%、 Zr:0.0003〜0.01% を含有するとともに Al:0.01%以下、 total−O:0.02%以下、 total−N:0.02%以下 に制限し、さらに、 Cr:0.01〜2.0%、 Ni:0.05〜2.0%、 Mo:0.05〜1.0% のうち1種または2種以上を含み、かつ、MnSの平均アスペクト比10以下で
、最大アスペクト比30以下を有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる
ことを特徴とする鋼。 (4)質量%で、 C :0.1〜0.85%、 Si:0.01〜1.5%、 Mn:0.05〜2.0%、 P :0.003〜0.2%、 S :0.003〜0.5%、 Zr:0.0003〜0.01% を含有するとともに Al:0.01%以下、 total−O:0.02%以下、 total−N:0.02%以下 に制限し、さらに、 Cr:0.01〜2.0%、 Ni:0.05〜2.0%、 Mo:0.05〜1.0% のうち1種または2種以上を含み、かつ、MnSの平均アスペクト比10以下で
、最大アスペクト比30以下を有し、更に、最大MnS粒径(μm)が110×
〔S%〕−15以下、1mm2あたりのMnS数が3800×〔S%〕+150
以下を有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなることを特徴とする鍛造性
と被削性に優れた鋼。 (5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の鋼が、質量%で、 V :0.05〜1.0%、 Nb:0.005〜0.2%、 Ti:0.005〜0.1% のうち少くとも1種以上を含み、残部がFeおよび不可避的不純物よりなること
を特徴とする鍛造性と被削性に優れた鋼。 (6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の鋼が、質量%で、 Ca:0.0002〜0.005%、 Mg:0.0003〜0.005%、 Te:0.0003〜0.005% のうち1種または2種以上を含み、残部がFeおよび不可避的不純物よりなるこ
とを特徴とする鍛造性と被削性に優れた鋼。 (7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の鋼が、質量%で、 Bi:0.05〜0.5%、 Pb:0.01〜0.5% のうちの1種または2種を含み、残部がFeおよび不可避的不純物よりなること
を特徴とする鍛造性と被削性に優れた鋼。 (8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の鋼が、質量%で、 B:0.0005%以上0.004%未満を含み、残部がFeおよび不可避的不
純物よりなることを特徴とする鍛造性と被削性に優れた鋼。 発明を実施するための最良の形態 先ず、本発明による鋼成分組成について説明する。 Cは鋼材の基本強度に大きな影響を及ぼす元素であり、十分な強度を得るため
に0.1〜0.85%とした。0.1%未満では十分な強度を得られず、他の合
金元素をさらに多量に投入せざるを得ず、0.85%を超えると過共析に近くな
り、硬質の炭化物を多く析出するので被削性を著しく低下させる。 Siは脱酸元素として添加されるが、フェライトの強化や焼戻し軟化抵抗を付
与するために添加する。本発明においては脱酸元素としても必要である。0.0
1%未満ではその効果は認められず、1.5%を超えると脆化し、高温での変形
抵抗も増加するのでこれを上限とした。 Mnは鋼中硫黄をMnSとして固定・分散させるために必要であるとともに、
マトリックスに固溶させて焼入れ性の向上や焼入れ後の強度を確保するために必
要である。その下限値は0.05%で、それ未満であるとSがFeSとなり脆く
なる。Mn量が大きくなると素地の硬さが大きくなり冷間加工性が低下するとと
もに、強度や焼入れ性に及ぼす影響も飽和するので、2.0%を上限とした。 Pは鋼中において素地の硬さが大きくなり、冷間加工性だけでなく、熱間加工
性や鋳造特性が低下するので、その上限を0.2%にしなければならない。一方
、被削性に効果がある元素で下限値を0.003%とした。 SはMnと結合してMnS介在物として存在する。MnSは被削性を向上させ
るが、伸延したMnSは鍛造時の異方性を生じる原因の一つである。異方性の程
度と要求される被削性によって調整されるべきであるが、同時に熱間および冷間
鍛造における割れの原因となり易いので、その上限値を0.5%とした。下限は
現状の工業生産レベルでコストが大幅に上昇しない限界である0.003%とし
た。 Zrは脱酸元素であり、ZrO2またはZrを含む酸化物(以下Zr酸化物と
いう。)を生成する。酸化物はZrO2と考えられZrO2がMnSの析出核と
なるので、MnSの析出サイトを増やし、MnSを均一分散させる。またZrは
MnSに固溶して複合硫化物を生成してその変形能を低下させ、圧延や熱間鍛造
してもMnS形状の伸延を抑制する働きがある。したがって異方性の低減に有効
な元素である。0.0003%未満ではその効果は顕著ではなく、0.01%以
上添加しても歩留まりが極端に悪くなるばかりでなく、硬質のZrO2やZrS
などを大量に生成し、かえって被削性や衝撃値や疲労特性などの機械的性質を低
下させる。したがって成分範囲を0.0003〜0.01%と規定した。 これまでもZr添加によってMnSが球状化するとの知見はあったが、「鉄と
鋼」第62年(1976)7号p.893には、MnS−Zr3S4の共晶介在
物を生じるとMnSの変形能を低下させてMnSの伸延を抑制できること、それ
には0.07%Sに対して0.02%以上必要であることが記されている。この
ような知見はMnSの変形能を抑制するために複合硫化物を生成させることが重
要であり、そのために多量のZr添加を必要としていた。しかし、過剰なZrは
Zr系の窒化物および硫化物のような酸化物以外の硬質介在物およびそのクラス
ターを生成し、機械的性質と被削性を低下させる。つまり、多量Zr添加によっ
てMnS変形能を低下させるには硬質介在物とクラスターによる弊害を伴う。 一方、本発明は、MnSの変形能よりもMnSの析出核としてのZr系酸化物
の役割に注目した。そして、鋼中にMnSが微細に分散すれば、たとえMnSが
圧延や鍛造によって伸延されても鋼にとって致命的な欠陥にならないと考えて快
削鋼を開発してきた。検討の結果、0.01%以下のZr添加で生成されるZr
系酸化物は微細分散可能であるとともにMnSの析出核となり易いことを見出し
、それを積極的に利用することで、MnSを微細分散した機械的性質と被削性に
優れた鋼を開発した。 本発明では、Zrは酸化物として単独または他の酸化物と複合して存在し、そ
の分布は微細分散し、鋼中でMnSの析出核になり易い。そしてMnSの析出核
としてのZr系酸化物を微細分散させるだけであれば、Sに対して過剰なZrを
添加する必要がないので、過剰Zrから生成されるZr系の窒化物および硫化物
のような酸化物以外の硬質介在物およびそのクラスターを生成せず、多量Zr添
加になる弊害、即ち衝撃値などの機械的性質や被削性の低下を伴わない。 Alは脱酸元素で鋼中ではAl2O3を形成する。Al2O3は硬質なので切
削時に工具損傷の原因となり、摩耗を促進させる。またAlを添加するとOが少
なくなり、Zr酸化物が生成しにくい。また微細なZrO2を均一分散させるた
めにもAlを添加しない方が良い。この影響はZrの添加量や歩留まり、そして
MnSの分布や形状に大きく影響し、本発明では硬質Al2O3の抑制とZr酸
化物を微細均一分散させるために0.01%以下に制限した。このことでZrの
添加量を大きく低減でき、Zr添加の析出核としての効果とMnSとの複合化効
果を大きくすることが出来る。 Oはfreeで存在する場合には冷却時に気泡となり、ピンホールの原因とな
る。またSi,Al,Zrなどと結合すると硬質酸化物を生成するため、制限が
必要である。本鋼ではZrの微細分散効果が無くなる0.02%を上限として制
限した。 Nは固溶Nの場合、鋼を硬化させる。特に切削においては動的ひずみ時効によ
って刃先近傍で硬化し、工具の寿命を低下させる。またTi,Al,Vなどの窒
化物として存在する場合もオーステナイト粒の成長を抑制するので制限が必要で
ある。特に高温域ではTiNやZrNを生成する。また窒化物を生成しない場合
でも鋳造途中に気泡を生成し、疵などの原因となる。本発明ではその弊害が顕著
になる0.02%を上限とした。 Crは焼入れ性向上、焼戻し軟化抵抗付与元素である。そのため高強度化が必
要な鋼には添加される。その場合、0.01%以上の添加を必要とする。しかし
多量に添加するとCr炭化物を生成し脆化させるため、2.0%を上限とした。 Niはフェライトを強化し、延性を向上させるとともに焼入れ性向上、耐食性
向上にも有効である。0.05%未満ではその効果は認められず、2.0%を超
えて添加しても、機械的性質の点では効果が飽和するので、これを上限とした。 Moは焼戻し軟化抵抗を付与するとともに、焼入れ性を向上させる元素である
。0.05%未満ではその効果が認められず、1.0%を超えて添加してもその
効果が飽和しているので、0.05〜1.0%を添加範囲とした。 Bは固溶している場合は粒界強化や焼入れ性に効果があり、析出する場合には
BNとして析出するので被削性に効果がある。これらの効果は0.0005%未
満では顕著でなく、0.004%以上添加してもその効果が飽和し、BNが多く
析出しすぎるとかえって鋼の機械的性質を損なう。そこで0.0005%以上0
.004%未満を範囲とした。 Vは炭窒化物を形成し、二次析出硬化により鋼を強化することが出来る。0.
05%以下では高強度化に効果はなく、1.0%を超えて添加すると多くの炭窒
化物を析出し、かえって機械的性質を損なうので、これを上限とした。なお、V
の添加は0.2%超が好ましい。 V,Nb,Tiなどは鋼中で窒化物、炭化物、炭窒化物などを生成する。それ
らはピン止め粒子としてオーステナイト粒の成長を抑制するために、鍛造や熱処
理時に変態点以上に加熱した場合のオーステナイト粒径を制御する元素として用
いられることも多い。その析出温度はそれぞれ異なるが、工業的に実施されてい
る熱処理の温度制御の精度を考えると、極力広い温度域でピン止め効果を発揮し
てオーステナイト粒径を制御することが必要である。特に熱間鍛造では、形状に
より冷却温度が部材内の位置によっても大きく異なる。 Nb,Tiは比較的高温において析出物を生成するのに対して、Vはこれらよ
り低温において炭化物を析出するのでVを添加することが好ましいが、Vを単独
で添加する場合には、Vは0.2%超1.0%以下とすることにより効果が達成
できる。また、VとNb,Tiのいずれかまたは両方を併用することでピン止め
粒子として最適な寸法の析出物を均一に鋼中に分散させることが出来る。 このような数種の元素を併用する場合には、単独添加の場合より添加量を抑制
してもオーステナイト粒径を制御することが出来、Vの下限は0.05%の添加
でも効果が認められるようになる。 したがって、Nb,Tiの1種または2種をVと同時に添加する場合のVの下
限は0.05%とした。 Nbも炭窒化物を形成し、二次析出硬化により鋼を強化することが出来る。0
.005%以下では高強度化に効果はなく、0.2%を超えて添加すると多くの
炭窒化物を析出し、かえって機械的性質を損なうので、これを上限とした。 Tiも炭窒化物を形成し、鋼を強化する。また脱酸元素でもあり、軟質酸化物
を形成させることで被削性を向上させることが可能である。0.005%以下で
はその効果が認められず、0.1%を超えて添加してもその効果が飽和する。ま
たTiは高温でも窒化物となりオーステナイト粒の成長を抑制する。そこで上限
を0.1%とした。 Caは脱酸元素であり、軟質酸化物を生成し、被削性を向上させるだけでなく
、MnSに固溶してその変形能を低下させ、圧延や熱間鍛造してもMnS形状の
伸延を抑制する働きがある。したがって異方性の低減に有効な元素である。0.
0002%未満ではその効果は顕著ではなく、0.005%を超えて添加しても
歩留まりが極端に悪くなるばかりでなく、硬質のCaOを大量に生成し、かえっ
て被削性を低下させる。したがって成分範囲を0.0002〜0.005%と規
定した。 Mgは脱酸元素であり、酸化物を生成する。酸化物はMnSの析出核になりM
nSの微細均一分散に効果がある。したがって異方性の低減に有効な元素である
。0.0003%未満ではその効果は顕著ではなく、0.005%を超えて添加
しても歩留まりが極端に悪くなるばかりで効果は飽和する。したがって成分範囲
を0.0003〜0.005%と規定した。 Teは被削性向上元素である。またMnTeを生成したり、MnSと共存する
ことでMnSの変形能を低下させてMnS形状の伸延を抑制する働きがある。し
たがって異方性の低減に有効な元素である。この効果は0.0003%未満では
認められず、0.005%を超えると鋳造時の割れの原因となり易い。 BiおよびPbは被削性向上に効果のある元素である。その効果は0.05%
未満では認められず、0.5%を超えて添加しても被削性向上効果が飽和するだ
けでなく、熱間鋳造特性が低下して疵の原因となり易い。 次に、本発明においては上述した成分組成に加え、MnSの平均アスペクト比
、および最大アスペクト比、また、最大MnS粒径、単位面積(1mm2)あた
りのMnS数が重要な要素であり、MnSの平均アスペクト比は10以下、最大
アスペクト比は30以下、最大MnS粒径(μm)は110×〔S%〕+15以
下、1mm2あたりのMnS数は3800×〔S%〕+150以下とする必要が
ある。 平均アスペクト比10以下、最大アスペクト比30以下とする理由は、図8(
a)、図9に示すように、アスペクト比は初期MnS粒径が大きくなれば、アス
ペクト比も大きくなる傾向にある。実施例にもあるようにアスペクト比が大きい
と、材質の異方性が助長され、断面方向の衝撃値が疲労強度を低下させることに
なる。また鍛造においてはさまざまな変形を加えられるため、伸延されたMnS
は破壊起点となることが多い。したがってMnSの平均アスペクト比<20以上
ではこの伸延されたMnSによる破壊特性の劣化が顕著になる。またMnSの最
大アスペクト比に関しても30を超えるとMnSによる破壊特性の劣化が顕著に
なる。 また、最大MnS粒径(μm)110×〔S%〕+15以下、1mm2あたり
のMnS数3800×〔S%〕+150以下とする理由は以下の理由に基づくも
のである。MnSは応力集中源となるため破壊起点となりやすいことが知られて
おり、特にその大きさの影響が強い。一方、被削性はS量に比例して向上するも
のの、それほどMnSの大きさの影響は顕著ではないことをみいだした。そのた
め、同一S量の鋼で比較するとMnSは小さく多数分散した鋼は大きく少数分散
した鋼より被削性は同等でも破壊特性や鍛造性は優れる。その効果はS量の影響
を受けるが、図8(a)、図9に示すように、最大MnS粒径(μm)<110
×〔S%〕+15かつ1mm2あたりのMnS数>3800×〔S%〕+150
であれば鍛造特性と破壊特性の劣化を最小限に抑制しつつ、S添加量相当の被削
性を確保できることを見出した。逆に最大MnS粒径(μm)>110×(S%
〕+15あるいは1mm2あたりのMnS数<3800×〔S%〕+150であ
ると破壊特性や鍛造性に劣る。 画像処理装置によってMnS系介在物を抽出し、それぞれのMnSに関して以
下の項目を算出する。画像処理装置では光学的取り込まれた像をCCDカメラに
よってデジタル化するのでMnSの大きさ、占有面積などが測定可能である。測
定視野は倍率500倍で、1視野9000μm2として50視野を繰返し測定す
る。この測定の対象は、円相当径(R)、圧延方向長さ(L)、半径方向厚さ(
H)、アスペクト比(L/H)である。個々のMnSに関するこれら測定値の最
大値および平均値を算出することが可能で、平均アスペクト比とは個々のMnS
のアスペクト比の平均値であり、測定された個々のアスペクト比の中で最大のも
のを最大アスペクト比と記す。 また、MnSの粒径に関しては、画像処理装置にて測定し、MnSの測定面積
を円にした場合の直径、いわゆる円相当径であり、1mm2あたりのMnS数と
は測定面積に含まれたMnS数を測定面積で除した値である。 実施例 本発明の効果を実施例によって説明する。表1に示す供試材は2t真空溶解炉
で溶製後、ビレットに分解圧延、さらにφ60mmに圧延した。圧延後、熱間加
工性評価用熱間据え込み試験片、冷間加工評価用冷間据え込み試験片を切り出し
て据え込み試験を行った。また一部は熱処理として1200℃に加熱後、放冷し
て切削試験に供した。 ここで鋼中Zrの分析方法であるが、JIS G 1237−1997付属書
3と同様の方法でサンプルを処理した後、鋼中Nb量と同様に鋼中Zr量をIC
P(誘導結合プラズマ発光分光分析法)によって測定した。ただし、本発明での
実施例の測定に供したサンプルは2g/鋼種で、ICPにおける検量線も微量Z
rに適するように設定して測定した。即ち、Zr濃度が1〜200ppmとなる
ようにZr標準液を希釈して異なるZr濃度の溶液を作成し、そのZr量を測定
することで検量線を作成した。なお、これらのICPに関する共通的な方法につ
いては、JIS K 0116−1995(発光分光分析方法通則)およびJI
S Z 8002−1991(分析、試験の許容差通則)による。 図1は鍛造加工性(熱間、冷間)評価用試験片切り出し位置と試験片形状を説
明するための図である。図1(a)の切り出し位置1で、据え込み試験片の切り
出し方向は、鋼中MnS2が長手方向になるように図1(b)、図1(c)に示
す熱間据え込み試験片3およびノッチ5を設けた冷間据え込み試験片4を切り出
した。 図2は据え込み試験での割れ発生位置を説明する図である。据え込み試験では
図2に示すように荷重6の負荷をかけて試験片が変形7すると外周部に周方向に
引張応力が生じる。その際、多くの場合、鋼中のMnSが破壊源となり割れ8を
生じる場合が多い。このように切り出した試験片の据え込み試験により、鍛造時
の加工性を評価できる。 熱間における据え込み試験片はφ20mm×30mmで熱電対を取り付けてあ
り、高周波により1000℃まで加熱し、3s以内に据え込み鍛造を行った。さ
まざまなひずみで鍛造し、図3に示すように、試験片の変形前9および変形後1
0の割れの発生するひずみを限界ひずみとして測定した。ここでひずみとは式(
1)で定義される、いわゆる公称ひずみである。 ε=(Ho−H)/Ho 式(1) ここでε:ひずみ、Ho:変形前の試験片高さ、H:変形後の試験片高さを意味
する。 表1に加工性を評価した実施例を示す。表1実施例1〜5はS45Cをベース
とした鋼でS量を変化させている。その比較例として実施例6〜10はZrを添
加していない鋼である。また実施例(比較例)11および12はAl量多量添加
かつZr無添加でPbを添加したもの、実施例(比較例)13および14はZr
を添加しているものの、Al量を多量添加してS量を変化させてある。実施例1
5はAl多量添加し、Zrを無添加の比較例である。同一のS量で比較すると、
Pbを添加した実施例11,12は熱間鍛造性に劣る。またS量が多くなると、
Zrを添加した発明例2〜5は比較例7〜10より優れる。さらにS量が多い場
合にはZrの有無に関わらず、Al量が多いと実施例14,15のように熱間加
工性か発明例より劣った。 図4は表1の実施例に関して熱間鍛造性に及ぼすS量の影響を示す図である。 また冷間加工性を評価するために冷間据え込み試験を行った。図1のように切
り出した素材を850℃から焼き入れた後、700℃で12hrの球状化焼鈍し
た。その後、機械加工で2mmのノッチ付φ7mm×14mm冷間据え込み試験
片を作成した。図5は実施例1〜15の冷間加工における限界ひずみ測定結果で
ある。ひずみの定義は式1と同様である。 同様に表2にS45CにVを添加し、オーステナイト粒径を微細化するととも
に、強度を向上させた実施例を示す。図6に表2の実施例の1000℃における
熱間鍛造性評価結果を示す。この場合にもS量が増加すれば熱間鍛造性が低下し
ているが、同一S量で比較すると実施例17〜20(発明例)は実施例22〜2
5(比較例)より良好な熱間鍛造性を示した。 表1に示した実施例について被削性を評価した結果を図7に示す。被削性評価
はドリル穿孔試験で行い、表3にその切削条件を示す。累積穴深さ1000mm
まで切削可能な最高の切削速度(いわゆるVL1000)で被削性を評価した。 図7に示すようにS量が多くなると被削性が向上する。しかし同一S量で比較
するとAlを多量に添加した場合(実施例13〜15)はAlを規定内に制限し
た場合より被削性が劣る。Alが規定内の場合、Zrの有無で比較すると、いず
れのS量においても同等の被削性である。またPbを添加した実施例11,12
と比較すると、実施例2と11が同等の被削性であるが、図4に示すように熱間
加工性は実施例2の方が優れた。同様に実施例3と12の比較では同等の被削性
にもかかわらず実施例3(発明例)の方が熱間加工性が優れた。このように本発
明は熱間加工性と被削性を両立するのに有効である。 同様の効果はVを添加して高強度化した場合でも見られ、表2に被削性を評価
した結果を数値で示したが、同一S量で比較した場合には発明例は比較例と同様
の被削性であった。したがって、本発明を用いれば高強度化しても鍛造性と被削
性の両立が達成できる。 表4にZr量を変化させた実施例を示す。表4の実施例に実施例2および3を
加え、機械的性質とZr量の関係を検討した。図8(a)にZr量の衝撃値、硫
化物アスペクト比および硫化物の単位面積当たりの個数を示す。衝撃試験片の切
り出しかたは図8(b)にあるとおりで、長手方向に切り出す場合をL、断面方
向に切り出す場合をCとした。Zrを添加しない場合、圧延長手方向の衝撃値は
優れるものの、断面方向の衝撃値は極めて低い。S量が多くなるとその傾向がよ
り顕著になる。しかしZrを添加すると長手方向の衝撃値がわずかに低下するも
のの、断面方向は大きく向上する。その原因は硫化物の微細分散とアスペクト比
の改善によるものと考えられる。特に硫化物数が増加し、微細に分散するとたと
えアスペクト比の大きな硫化物が含まれていても寸法が小さいために機械的性質
への影響も小さくなると考えられる。 さらに表5にAl量を変化させた実施例を示す。Al量が増加すると被削性が
低下することは既に述べたが、Al量の効果を明確にするため、表5の実施例に
実施例2および27を加え、硫化物形状に及ぼすAl量の影響を図9に示す。Z
rを微量添加した場合にはAl量が0.01%を超えると硫化物数が減少すると
ともに、アスペクト比が増加した。この場合、熱間据え込み試験における限界ひ
ずみが低下する。またAlの増加とともに被削性AL1000が明らかに低下す
る。このため本発明ではAlを0.01%以下に規定した。 表6に他の元素への影響を検討した実施例を示す。その製造方法と熱間加工性
および被削性評価方法は表1に示す実施例と同様である。表6、表6−1、表6
−2、表6−3は、実施Nos.41〜72においてさまざまな合成元素を添加
した場合の熱間限界ひずみと被削性を示したものである。これらの表における各
比較例は被削性の差は小さくとも熱間限界ひずみの点で大きく劣った。また、こ
れらの表における実施Nos.73〜78に示すような基本的な強度をC量によ
って変化させた場合にも発明例は比較例より優れる。表6−1、表6−3におけ
る実施Nos.79,80はそれぞれtotal−O量とtotal−N量を発
明の範囲外にした比較例である。これらは実施No.2と比較すると、熱間限界
ひずみと被削性の両面で劣った。このように本発明に含まれる実施例は同一のS
量で比較した場合、良好な熱間加工性と被削性を両立していることがわかる。 図10は、被削性への弊害をドリル工具寿命の指標であるVL1000(10
00mmの累積孔深さを穿孔可能な最大切削速度)にて評価した結果である。Z
rを多量に添加すると被削性が低下していることがわかる。また、図8の衝撃値
においても過剰なZr添加はMnSのアスペクトに優れるものの、ZrNやZr
Sなどのクラスターを生じて衝撃値が低下していることがわかる。 なお、図4〜10において、図中の添字は実施例No.を示している。 産業上の利用可能性 以上のような内容により、熱間加工性、機械的性質、被削性を兼ね備えた鋼を
供することが出来る。特に本発明の技術は熱処理やミクロ組織などの影響を大き
く受けず、硫化物の形状制御を基本としているので、調質鋼や非調質鋼を区別す
る必要がない。また加工に関しても熱間鍛造だけでなく、冷間鍛造に対しても有
効で、鍛造加工性、機械的性質、被削性を必要とする広範囲な鋼に対して有効で
ある。
図1(a),図1(b),図1(c)は、鍛造加工性(熱間、冷間)評価用試
験片切り出し位置と試験片形状を説明するための図である。 図2は、据え込み試験での割れ発生位置を説明する図である。 図3は、鍛造加工性評価(据え込み試験)時のひずみの定義を説明する図であ
る。 図4は、表1の実施例に関して熱間鍛造性に及ぼすS量の影響を示す図である
。 図5は、表1の実施例に関して冷間鍛造性に及ぼすS量の影響を示す図である
。 図6は、表2の実施例に関して熱間加工性に及ぼすS量の影響を示す図である
。 図7は、表1の実施例に関して被削性に及ぼすS量の影響を示す図である。 図8(a)は、衝撃値、硫化物形状および硫化物数に及ぼすZr量の影響を示
す図で、図8(b)は試験片採取位置を示す図である。 図9は、硫化物形状、数、熱間鍛造性および被削性に及ぼすAl添加量の影響
を示す図である。 図10は、工具寿命に及ぼすZr量の影響を示す図である。
験片切り出し位置と試験片形状を説明するための図である。 図2は、据え込み試験での割れ発生位置を説明する図である。 図3は、鍛造加工性評価(据え込み試験)時のひずみの定義を説明する図であ
る。 図4は、表1の実施例に関して熱間鍛造性に及ぼすS量の影響を示す図である
。 図5は、表1の実施例に関して冷間鍛造性に及ぼすS量の影響を示す図である
。 図6は、表2の実施例に関して熱間加工性に及ぼすS量の影響を示す図である
。 図7は、表1の実施例に関して被削性に及ぼすS量の影響を示す図である。 図8(a)は、衝撃値、硫化物形状および硫化物数に及ぼすZr量の影響を示
す図で、図8(b)は試験片採取位置を示す図である。 図9は、硫化物形状、数、熱間鍛造性および被削性に及ぼすAl添加量の影響
を示す図である。 図10は、工具寿命に及ぼすZr量の影響を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 内藤 賢一郎
北海道室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株式
会社 室蘭製鐵所内
(72)発明者 福安 憲次
東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新
日本製鐵株式会社内
(注)この公表は、国際事務局(WIPO)により国際公開された公報を基に作
成したものである。
なおこの公表に係る日本語特許出願(日本語実用新案登録出願)の国際公開の
効果は、特許法第184条の10第1項(実用新案法第48条の13第2項)に
より生ずるものであり、本掲載とは関係ありません。
Claims (8)
- 【請求項1】質量%で、 C :0.1〜0.85%、 Si:0.01〜1.5%、 Mn:0.05〜2.0%、 P :0.003〜0.2%、 S :0.003〜0.5%、 Zr:0.0003〜0.01% を含有するとともに Al:0.01%以下、 total−O:0.02%以下、 total−N:0.02%以下 に制限し、かつ、MnSの平均アスペクト比10以下で、最大アスペクト比30
以下を有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなることを特徴とする鍛造性
と被削性に優れた鋼。 - 【請求項2】質量%で、 C :0.1〜0.85%、 Si:0.01〜1.5%、 Mn:0.05〜2.0%、 P :0.003〜0.2%、 S :0.003〜0.5%、 Zr:0.0003〜0.01% を含有するとともに Al:0.01%以下、 total−O:0.02%以下、 total−N:0.02%以下 に制限し、かつ、MnSの平均アスペクト比10以下で、最大アスペクト比30
以下を有し、更に最大MnS粒径(μm)が110×〔S%〕+15以下、1m
m2あたりのMnS数が3800×〔S%〕+150以下を有し、残部がFeお
よび不可避的不純物よりなることを特徴とする鍛造性と被削性に優れた鋼。 - 【請求項3】質量%で、 C :0.1〜0.85%、 Si:0.01〜1.5%、 Mn:0.05〜2.0%、 P :0.003〜0.2%、 S :0.003〜0.5%、 Zr:0.0003〜0.01% を含有するとともに Al:0.01%以下、 total−O:0.02%以下、 total−N:0.02%以下 に制限し、さらに、 Cr:0.01〜2.0%、 Ni:0.05〜2.0%、 Mo:0.05〜1.0% のうち1種または2種以上を含み、かつ、MnSの平均アスペクト比10以下で
、最大アスペクト比30以下を有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる
ことを特徴とする鍛造性と被削性に優れた鋼。 - 【請求項4】質量%で、 C :0.1〜0.85%、 Si:0.01〜1.5%、 Mn:0.05〜2.0%、 P :0.003〜0.2%、 S :0.003〜0.5%、 Zr:0.0003〜0.01% を含有するとともに Al:0.01%以下、 total−O:0.02%以下、 total−N:0.02%以下 に制限し、さらに、 Cr:0.01〜2.0%、 Ni:0.05〜2.0%、 Mo:0.05〜1.0% のうち1種または2種以上を含み、かつ、MnSの平均アスペクト比10以下で
、最大アスペクト比30以下を有し、更に、最大MnS粒径(μm)が110×
〔S%〕+15以下、1mm2あたりのMnS数が3800×〔S%〕+150
以下を有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなることを特徴とする鍛造性
と被削性に優れた鋼。 - 【請求項5】請求項1〜請求項4のいずれかに記載の鋼が、質量%で、 V :0.05〜1.0%、 Nb:0.005〜0.2%、 Ti:0.005〜0.1% のうち少くとも1種以上を含み、残部がFeおよび不可避的不純物よりなること
を特徴とする鍛造性と被削性に優れた鋼。 - 【請求項6】請求項1〜請求項5のいずれかに記載の鋼が、質量%で、 Ca:0.0002〜0.005%、 Mg:0.0003〜0.005%、 Te:0.0003〜0.005% のうち1種または2種以上を含み、残部がFeおよび不可避的不純物よりなるこ
とを特徴とする鍛造性と被削性に優れた鋼。 - 【請求項7】請求項1〜請求項6のいずれかに記載の鋼が、質量%で、 Bi:0.05〜0.5%、 Pb:0.01〜0.5% のうちの1種または2種を含み、残部がFeおよび不可避的不純物よりなること
を特徴とする鍛造性と被削性に優れた鋼。 - 【請求項8】請求項1〜請求項7のいずれかに記載の鋼が、質量%で、B:0.
0005%以上0.004%未満を含み、残部がFeおよび不可避的不純物より
なることを特徴とする鍛造性と被削性に優れた鋼。
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