JP2018131670A - フェライト系快削ステンレス線材 - Google Patents
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Abstract
Description
C:0.005〜0.050%、
Si:0.10〜1.0%、
Mn:0.10〜0.50%、
P:0.005〜0.05%、
S:0.25〜0.60%、
Cr:10.5〜19.5%、
Te:0.002〜0.024%、
Al:0.001〜0.010%、
N:0.005〜0.050%、
O:0.001〜0.020%、
Ca:0〜0.010%、
B:0〜0.02%、
Ni:0〜3.0%、
Mo:0〜3.0%、
Nb:0〜1.00%、
Ti:0〜1.00%、
V:0〜0.50%、
Ta:0〜0.5%、
W:0〜0.5%、
Co:0〜1.00%、
Zr:0〜0.020%、
Cu:0〜3.0%、
Sn:0〜0.5%、
Mg:0〜0.050%、
REM:0〜0.200%、
残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
Te/Sが0.040以下である、フェライト系快削ステンレス線材。
硫化物中のMnとCrの組成比であるMn/Crが0.1〜0.5、硫化物の外接する圧延方向に平行な径と圧延方向に垂直な径との比をアスペクト比とするとき、硫化物のアスペクト比が8.0以下である、(1)に記載のフェライト系快削ステンレス線材。
Ca:0.0005〜0.010%、
B:0.0001〜0.02%、
Ni:0.1〜3.0%、
Mo:0.1〜3.0%、
Nb:0.05〜1.00%、
Ti:0.05〜1.00%、
V:0.05〜0.50%、
Ta:0.1〜0.5%、
W:0.1〜0.5%、
Co:0.05〜1.00%、
Zr:0.001〜0.020%、
Cu:0.1〜3.0%、
Sn:0.03〜0.5%、
Mg:0.0005〜0.050%、
REM:0.0005〜0.200%、
から選択される1種以上を含有する、(1)または(2)に記載のフェライト系快削ステンレス線材。
各元素の限定理由は下記の通りである。なお、以下の説明において化学組成についての「%」は「質量%」を意味する。
Cは、炭化物を生成し、強度を得るために必要である。このため、C含有量は、0.005%以上とし、C含有量は、0.010%以上であるのが好ましい。一方、過剰な炭化物は、切削加工時に構成刃先の生成を促進して切削面精度を劣化させるため、C含有量は、0.050%以下とし、C含有量は0.030%以下であるのが好ましい。
Siは、脱酸のために使用される。このため、Si含有量は0.10%以上とし、Si含有量は、0.30%以上であるのが好ましい。一方で、1.0%超含有させると、棒線熱間圧延時のスケール生成を抑制し、熱間圧延疵の生成を助長する。そのため、Si含有量は、1.0%以下とする。
Mnは、Crと共に硫化物を生成し、被削性、特に切削面精度を向上させる元素である。このため、Mn含有量は、0.10%以上とする。一方、Mn含有量が0.50%を超えると、硫化物におけるMn/Crが高くなり、硫化物が展伸してアスペクト比が大きくなる。そのため、Mn含有量は、0.50%以下とし、Mn含有量は、0.40%以下であるのが好ましい。
Pは、粒界偏析して切削加工時の材料延性を低下させて、表面精度を向上させる。このため、P含有量は、0.005%以上とし、P含有量は、0.01%以上であるのが好ましい。しかしながら、0.05%を超えて含有させると、その効果は飽和するばかりか、製造性が著しく劣化する。そのため、P含有量は、0.05%以下とする。
Sは、硫化物を形成し、硫化物には切削加工時に応力が集中する。そして、切りくず生成時におけるせん断変形域で硫化物を起点にき裂が発生し、構成刃先の成長が抑制される。このため、線材の切削面精度が向上する。この効果を得るために、S含有量は、0.25%以上とし、S含有量は、0.28%以上であるのが好ましい。一方で、0.60%を超えて含有させると、熱間加工性が著しく劣化する。そのため、S含有量は、0.60%以下とし、S含有量は、0.55%以下であるのが好ましい。
Crは、Mnと共に硫化物を形成し、特に硫化物中のMnとCrの組成比(Mn/Cr)を適正化することで、硫化物のアスペクト比を小さくすることができる。アスペクト比を小さくし、切削面精度を向上させるためには、Cr含有量は、10.5%以上とし、Cr含有量は、15.0%以上であるのが好ましく、16.0%以上であるのがより好ましい。しかしながら、多量に含有させると、硫化物中のMn/Crが小さくなりすぎて、却って硫化物が展伸しやすくなり、アスペクト比が大きくなる。そのため、Cr含有量は19.5%以下とし、Cr含有量は18.5%以下であるのが好ましい。
Teは、本発明において被削性、特に切削面精度を向上させるために重要な元素である。Teは、硫化物中への固溶により変形を抑制して、アスペクト比を小さくする。その結果、構成刃先の成長を抑制し、切削面精度を向上させる。このため、Te含有量は、0.002%以上とし、Te含有量は、0.003%以上であるのが好ましい。一方で、Teを、0.024%を超えて含有させると、その効果は飽和するばかりか、硫化物周囲のMnTeの形成により、却って製造性が著しく劣化する。そのため、Te含有量は0.024%以下とし、Te含有量は、0.015%以下であるのが好ましく、0.010%以下であるのがより好ましい。
Alは、脱酸元素として使用する。そのため、Al含有量は、0.001%以上とする。一方で、0.010%を超えて含有させると、硬質なAl系の酸化物を形成し、被削性を劣化させ、工具寿命を低下させる。そのため、Al含有量は、0.010%以下とし、Al含有量は、0.008%以下であるのが好ましい。
Nは、マトリックスのフェライト強度を高める。このため、N含有量は、0.005%以上とし、N含有量は、0.008%以上であるのが好ましい。しかし、N含有量を、0.050%を超えて含有させると、過度の強度上昇により工具寿命を劣化させる。そのため、N含有量は、0.050%以下とし、N含有量は0.030%以下であるのが好ましい。
Oは、凝固時の脱酸生成物を粗大化させることで被削性を向上させる。このため、O含有量は0.001%以上とし、O含有量は、0.003%以上であるのが好ましく、0.005%以上であるのがより好ましい。しかし、0.020%を超えて含有させると、硬質な介在物が増加し、被削性を劣化させる。そのため、O含有量は、0.020%以下とする。
Caは、酸化物系介在物を軟質化し、被削性を向上させ、工具寿命を改善する効果があるため、含有させてもよい。しかしながら、0.010%を超えて含有させると、効果が飽和し、熱間加工性が低下する。このため、Ca含有量は、0.010%以下とし、Ca含有量は、0.008%以下であるのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、Ca含有量は、0.0005%以上であるのが好ましく、0.0010%以上がより好ましい。またCa含有量が、0.003%以上であるのが最も好ましい。
Bは、熱間加工性を改善するために使用する元素であり、安定した効果を得るために、含有させてもよい。しかしながら、過剰に含有させると、Bの化合物が析出し、熱間加工性を劣化させるので、B含有量は0.02%以下とし、B含有量は、0.015%以下であるのが好ましい。一方で、上記効果を得るためには、B含有量は0.0001%以上であるのが好ましく、B含有量は0.0002%以上であるのがより好ましい。
Niは、固溶強化により材料の硬さを高めて構成刃先の生成を防止し、切削加工時の表面精度を向上させるため、含有させてもよい。しかしながら、3.0%を超えて含有させてもその効果は飽和し、また、線材が過度に硬質化して、工具寿命劣化を引き起こす。そのため、Ni含有量は、3.0%以下とし、Ni含有量は、1.5%以下であるのが好ましい。一方で、上記効果を得るためには、Ni含有量は、0.1%以上であるのが好ましく、Ni含有量は、0.15%以上であるのがより好ましい。
Moは、耐食性を向上させる元素であり、含有させてもよい。しかしながら、Moを多量に含有させると、靭性を低下させる。このため、Mo含有量は、3.0%以下とし、Mo含有量は2.0%以下であるのが好ましい。一方で、上記効果を得るためには、Mo含有量は0.1%以上であるのが好ましい。
Ti:0〜1.00%
V:0〜0.50%
Ta:0〜0.5%
W:0〜0.5%
Nb、Ti、V、Ta、Wは炭窒化物を形成し、耐食性を改善する効果があるため、含有させてもよい。しかしながら、多量の含有は、被削性が劣化することから、Nb含有量は、1.00%以下とし、Ti含有量は、1.00%以下とする。また、V含有量は、0.50%以下とし、Ta含有量は、0.5%以下とし、W含有量は、0.5%以下とする。一方で、上記効果を得るためには、Nb含有量は、0.05%以上であるのが好ましく、Ti含有量は、0.05%以上であるのが好ましく、V含有量は、0.05%以上であるのが好ましい。また、Ta含有量は、0.1%以上であるのが好ましく、W含有量は、0.1%以上であるのが好ましい。
Coは、マトリックスの靭性を高めるため、含有させてもよい。しかしながら、過剰に含有させると、マルテンサイト組織が析出し、被削性を劣化させるため、Co含有量は1.00%以下とし、Co含有量は、0.60%以下であるのが好ましい。一方で、上記効果を得るためには、Co含有量は、0.05%以上であるのが好ましい。
Zrは、強度を向上させる効果があるので、含有させてもよい。しかしながら、多量の含有は靭性を低下させるため、Zr含有量は、0.020%以下とする。一方で、強度効果を十分に得るためには、Zr含有量は、0.001%以上であるのが好ましい。
Cuは、固溶強化により材料の硬さを高めて構成刃先の生成を防止し、切削加工時の表面精度を向上させるため、含有させてもよい。しかしながら、3.0%を超えて含有させても、その効果は飽和し、鋳片割れが発生するなど、製造性が劣化するため、Cu含有量は、3.0%以下とする。一方で、上記効果を得るためには、Cu含有量は、0.1%以上であるのが好ましい。
Snは、耐食性を劣化させる硫化物と共存させることで、耐食性劣化を抑制するため、含有させてもよい。しかしながら、0.5%を超えて含有させると、製造性を劣化させるため、Sn含有量は0.5%以下とし、Sn含有量は0.3%以下であるのが好ましい。一方で、上記効果を得るためには、Sn含有量は、0.03%以上であるのが好ましく、Sn含有量は、0.05%以上であるのが好ましい。
Mgは、熱間加工性を向上させるため、含有させてもよい。しかしながら、0.050%を超えて含有させると、却って熱間加工性を劣化させるため、Mg含有量は、0.050%以下とする。一方で、上記効果を得るためには、Mg含有量は、0.0005%以上であるのが好ましい。
REMは、熱間加工性の劣化を防止するのに有効な元素であり、含有させてもよい。しかしながら、0.200%を超えて含有させると却って熱間加工性を劣化させるため、REM含有量は、0.200%以下とする。一方で、上記効果を得るためには、REM含有量は、0.0005%以上であるのが好ましい。
後述する硫化物中のMn/Crが0.1〜0.5の範囲にある時、さらに、鋼材のTe/Sが小さい場合に、製造性(熱間加工性)を維持しつつ、硫化物を効果的に球状化し、アスペクト比を8.0以下に小さくすることができる。このような効果を得るために、TeおよびSの組成比である、Te/Sは0.040以下とする。Te/Sは0.040未満であるのが好ましく、0.030以下であるのがより好ましい。
S含有のフェライト系快削ステンレス線材は、一般に、鋳造から最終圧延までの総減面率が95%以上となるため、MnS系硫化物は、線材長手方向に展伸する。展伸したMnS系硫化物は、切削加工した際の、表面精度低下の原因となる。そのため本発明では、硫化物にCrを固溶させて、硫化物中のMn/Crを0.5以下にすることで、圧延中の硫化物変形を抑制し、アスペクト比を小さく維持する。また硫化物中のMn/Crは0.4以下であるのが好ましい。一方、過剰な固溶は、却って変形能を大きくするので、硫化物中のMn/Crは0.1以上とし、0.2以上であるのが好ましい。
S含有のフェライト系快削ステンレス線材は、MnS系硫化物は線材長手方向に展伸するため、アスペクト比も通常の鋼板と比較し、大きくなる。しかしながら、硫化物のアスペクト比の値が大きくなりすぎると、切削加工した際の表面精度の低下原因となる。このため、硫化物のアスペクト比を、8.0以下とする。また、加工粗さを安定して低減するため、アスペクト比は5.0以下とすることが好ましい。尚、ここで、アスペクト比とは、硫化物に外接する圧延方向に平行な径、つまり水平フェレ径と、圧延方向に垂直な径、つまり垂直フェレ径との比であり、硫化物の水平フェレ径/垂直フェレ径で表される。
本発明の線材の製造工程については、例えば(1)製鋼⇒(2)熱延⇒(3)線材への加工(伸線、切削等)⇒(4)焼鈍の工程よりなる。必要に応じて、製鋼工程後に熱間鍛造を施しても良い。製鋼においては、本発明の必須元素、および/または選択元素を含む鋼を、溶製・精錬し、溶製した溶鋼は、連続鋳造で鋳片とする。その後、鋳片は、熱間圧延される。この際の好ましい条件は、900℃以上の仕上げ圧延温度で、熱間圧延を施すことである。続いて、伸線、切削が行われる。この際の好ましい条件は室温から100℃程度である。最後に、焼鈍工程が行われる。
切削は旋削加工であり、材質が超硬P種、刃先Rが0.4mmの工具を用い、切削速度50m/min、送り量0.02mm/rev、切込み0.1mm、切削油(鉱物油)塗布の条件下で行った。
本発明では表面粗さRaが0.5μm以下の場合に良好と判断した。
Claims (3)
- 質量%で、
C:0.005〜0.050%、
Si:0.10〜1.0%、
Mn:0.10〜0.50%、
P:0.005〜0.05%、
S:0.25〜0.60%、
Cr:10.5〜19.5%、
Te:0.002〜0.024%、
Al:0.001〜0.010%、
N:0.005〜0.050%、
O:0.001〜0.020%、
Ca:0〜0.010%、
B:0〜0.02%、
Ni:0〜3.0%、
Mo:0〜3.0%、
Nb:0〜1.00%、
Ti:0〜1.00%、
V:0〜0.50%、
Ta:0〜0.5%、
W:0〜0.5%、
Co:0〜1.00%、
Zr:0〜0.020%、
Cu:0〜3.0%、
Sn:0〜0.5%、
Mg:0〜0.050%、
REM:0〜0.200%、
残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
Te/Sが0.040以下である、フェライト系快削ステンレス線材。 - 前記化学組成を有する、フェライト系快削ステンレス線材であって、
硫化物中のMnとCrの組成比であるMn/Crが0.1〜0.5、
硫化物の外接する圧延方向に平行な径と圧延方向に垂直な径との比をアスペクト比とするとき、硫化物のアスペクト比が8.0以下である、請求項1記載のフェライト系快削ステンレス線材。 - 質量%で、さらに、
Ca:0.0005〜0.010%、
B:0.0001〜0.02%、
Ni:0.1〜3.0%、
Mo:0.1〜3.0%、
Nb:0.05〜1.00%、
Ti:0.05〜1.00%、
V:0.05〜0.50%、
Ta:0.1〜0.5%、
W:0.1〜0.5%、
Co:0.05〜1.00%、
Zr:0.001〜0.020%、
Cu:0.1〜3.0%、
Sn:0.03〜0.5%、
Mg:0.0005〜0.050%、
REM:0.0005〜0.200%、
から選択される1種以上を含有する、請求項1または請求項2に記載のフェライト系快削ステンレス線材。
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