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朝日新聞デジタル

AJICOとは。青春をともに過ごしたUAと浅井健一、「親友」から生まれる音楽(後編)

ARTS & CULTURE
2021.06.18

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  • 中津海麻子
    ライター

    執筆テーマは「酒とワンコと男と女」。日本酒とワイン、それらにまつわる旅や食、ペット、人物インタビューなどを中心に取材する。JALカード会員向けウェブマガジン「AGORA」、JAL機内誌「SKYWARD」、ワイン専門誌「ワイン王国」、朝日新聞のブックサイト「好書好日」、同ペットサイト「sippo」などに寄稿。

再始動が話題のスーパーバンド、「AJICO」。活動休止から復活までの20年、UAさん、浅井健一さんが見た風景、感じたこと、変わったこと、変わらないもの……。「親友」の2人が語り合う。

前編「UAと浅井健一、2人の変わらない関係。伝説のバンド「AJICO」の“なれ初め”」から続く 

結成当時、カセットテープをUAのポストへ

――AJICOを結成した際、方向性やビジョンを共有しましたか?

UA:なかったですね。ロジックや理屈でどうこうということじゃなくて、すごく衝動的だった。私は初めてのバンドだったから「メンバーどうする? ベースは女子がいいな~」とか、めっちゃはしゃいでたし(笑)。ベンジー(浅井さんの愛称)がギターで音源はたくさん作ってくれていて。デモを録音したカセットテープ、うちのポストに入れてってくれたよね?

浅井健一:入れたような気がする。当時UAが住んでた家への道順、聞いた覚えがあるね。

UA:始動したのが2000年。この年は、私は「これまでやりたかったのにやれなかったことをやろう」と決めた年だった。正月から運転免許を取り、サーフィンに挑戦し、そしてバンドもやって。

浅井:ライブをやっていく中でどんどん変化して、最終的にはすごくいいバンドになったと思う。楽しかったね。UAの番長っぷりも(笑)。ツアーでも「終わったら絶対に温泉行く!」とかさ。

UA:そんなん普通やん(笑)。そっちこそツアー中に野球だバスケだって呼び出してたくせに。ケンカもいっぱいしたよね。理由は覚えていないけど、私が怒って氷の入った水をベンジーの頭からかけたり……。

浅井:オレの新車のダッシュボードに土足で足を乗せたから、246(国道246号)沿いで強制的に降ろしたりね(笑)。

――なんか……青春ですね。

UA:青春!  ほんとにそうだった。2人ともとんがってたのかもね。時代が大きく変わっていくまさに過渡期で、とんがってなければまずいと思っていたような気もします。

――AJICOは話題となり、ファンの心をつかんだにもかかわらず、わずか1年で活動休止に。

浅井:そんなもんだったっけ?

UA:ツアーが終わったら、誰が何を言うでもなく、「お疲れさま~」みたいな感じで。バンドも終わった(笑)。ベンジーはSHERBETSが始まってたし、私もまた自分の活動に戻って。それぞれがそれぞれの場所に帰っていった感じですね。多分、ベンジーも私も不器用なんだろうと思うんです。同時にいくつものことをできない。似た者同士ですね。

――その後、再結成の話は出なかったのでしょうか?

浅井:6年前だったか8年前だったか、昔のブランキーのマネージャーから「AJICO復活させたら」と言われたことがあって、オレは一度考えた。でも、行動には移さなかった。UAの気持ちが大事だからね。

UA:そのころの私は沖縄で暮らし、東京とは関係のない生き方を模索していました。沖縄にいる間は、音楽を作りたいのに作れない自分がいた。東日本大震災や福島原発の事故があり、私の中のテーマがどんどん壮大になっていって、言葉が降りてこなかったんです。2015年に沖縄を離れてカナダに移住し、ようやく言葉にできるようになった。そして生み出したのがアルバム『JaPo』(2016年)でした。

日本から離れ、日本のメディアから離れ、誰もUAなんて知らない世界で暮らし、子育てに追われる中で、いろんなことを考えた。「UA」っていうこと自体がフィクションで、私が一生懸命「UA」を演じようとしていたの? とか、そんな気持ちにも。でも、そういう時間を過ごす中で日本のことを俯瞰(ふかん)して見られるようになって、音楽シーンも無責任におもしろいと思えるようになった。東京にずっといたら、きっとそうはならなかった。もう1回ポップを本気でやってみたいな、と思い始めたんです。

それまでAJICOのことを改めて思い出すことはなかったんだけど、AJICOの『波動』はライブでよく歌っていたし、ベンジーが作った『ストロベリータイム』はリクエストが多かった。でも、ほかの人の演奏で歌ってもベンジーと一緒にやった感じにはならなくて。だから、もう一度AJICOをやろうと。今回は私が言い出しっぺでした。

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