支持率が低迷するトランプ政権
2026年11月には米国で中間選挙が実施される予定であるが、現時点ではトランプ大統領を支える共和党にとって厳しい選挙戦となる可能性が高い。
2026年1月21日、ダボスで開催された世界経済フォーラム(WEF)年次総会に出席したドナルド・トランプ米大統領
最大の理由は、トランプ大統領自身の支持率が低迷している点にある。各種世論調査をみると、支持率はすでに「トランプ1.0」期の平均水準まで低下しており、特に経済・インフレ政策に対する評価が顕著に悪化している(図表1)。
皮肉なことに、トランプ氏は前回大統領選で「インフレ」を最大の争点とし、バイデン政権の物価高対応を批判することで勝利を収めた。
しかし現在では、同じインフレ、すなわち米国国民にとって「手ごろな価格(アフォーダビリティ)」が実現できていないことが政権への逆風となり、トランプ氏自身を追い詰めるキーワードになっている。インフレ率を勘案した、米国の労働者一人一人の賃金(実質賃金)については、バイデン前政権時からの上昇ペースとさして変わらないだけでなく、足元では雇用悪化を背景に足踏みすらしている(図表2)。
この点は、2025年11月に実施された地方選挙の結果にも端的に表れた。生活必需品価格や住宅費の高止まりに対する国民の不満を背景に、トランプ大統領を支持する共和党候補は民主党に全敗する結果となった。
地方選挙は国政選挙に比べて争点が限定されやすいものの、「生活が苦しい」という実感が投票行動を左右した点は、中間選挙を展望するうえで重い示唆を含んでいる。


