明 細 書
モールドプレス成形用光学ガラス
技術分野
[0001] 本発明はモールドプレス成形用光学ガラスに関するものである。
背景技術
[0002] CD、 MD、 DVDその他各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、ビデオカメ ラゃ一般のカメラの撮影用レンズ等の光学レンズ用に、屈折率 (nd)が 1. 57〜: L 62 、アッベ数(v d)が 55以上、より具体的には屈折率 (nd)が 1. 575-1. 610、アッベ 数(v d)が 58. 5〜62. 0の光学ガラスが使用されている。従来、このようなガラスとし て SiO -PbO-R' 0 (R, Oはアルカリ金属酸ィ匕物)を基本とした鉛含有ガラスが
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広く使用されていた力 近年では環境上の問題から SiO— B O— RO (ROはアル
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カリ土類金属酸化物) R' O系等の非鉛系ガラスに切り替えられつつある(例えば
2
特許文献 1、 2)。
特許文献 1 :特開平 6— 107425号公報
特許文献 2:特開 2000 - 302479号公報
特許文献 3:特開 2004 - 328068号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0003] これらの光ピックアップレンズや撮影用レンズは、次のようにして成形される。まず、 溶融ガラスをノズルの先端カゝら滴下し一旦液滴状ガラスを作製し、研肖 I』、研磨、洗浄 してプリフォームガラスを作製する。または溶融ガラスを急冷铸造しー且ガラスブロッ クを作製し、同じく研肖 I』、研磨、洗浄してプリフォームガラスを作製する。その後、精密 加工を施した金型によって、再び軟化状態にしたプリフォームガラスを加圧成形し、 金型の表面形状をガラスに転写させる。このような方法は、いわゆるモールドプレス 成形法と呼ばれており、広く用いられている。
[0004] モールドプレス成形により成形されるガラスには、求められる光学定数 (屈折率、ァ ッべ数)を満足するのは勿論のこと、金型を劣化させないように軟ィ匕点が低いこと、金
型との融着が起こりにく ヽこと、耐候性が高 ヽこと等が要求される。
[0005] また上記したような従来の非鉛系のプリフォームガラスは、十分な耐候性を有してい ないことが多い。ガラスの耐候性が十分でないと、切肖 ij、研磨、洗浄工程においてガ ラス成分が研磨洗浄水や各種洗浄溶液中へ溶出し、表面の変質が起こる。その結果 、成形工程で失透ブッが発生し易ぐガラスに欠陥が生じて量産化が困難になる。ま た最終製品においても、高温多湿状態に長時間晒されるとガラスの表面が変質し、 信頼性を損なう t ヽぅ問題がある。
[0006] 本発明の目的は、モールドプレス成形用光学ガラスとして要求される諸特性を満足 し、特に屈折率 (nd)が 1. 57〜: L 62、アッベ数(v d)が 55以上 (好ましくは屈折率( nd)力 S1. 575〜1. 610、アッベ数( v d)力 58. 5〜62. 0)であり、而候' 14に優れる 非鉛系のモールドプレス成形用光学ガラスを提供することである。
課題を解決するための手段
[0007] 本発明者は種々の実験を行った結果、 SiO— B O -RO-R' O— La O系ガラ
2 2 3 2 2 3 スの組成を厳密に限定することによって上記目的が達成できることを見いだし、本発 明として提案するものである。
[0008] 即ち、本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、質量0 /0で、 SiO 41〜56%
2
、 Al O 1. 5〜5%、 B O 7〜16%、 CaO 0. 1〜10%、 BaO 0〜10%、 SrO
2 3 2 3
0〜10%、 ZnO 0〜5%、 Li O 1〜10%、 Na O 0〜5%、 La O 5〜15%含
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有することを特徴とする。
発明の効果
[0009] 本発明の光学ガラスは、 CD、 MD、 DVDその他各種光ディスクシステムの光ピック アップレンズ、ビデオカメラや一般のカメラの撮影用レンズ等の光学レンズに使用さ れる 1. 57〜: L 62の屈折率(nd)、 55以上のアッベ数(v d)を有している。また軟ィ匕 点が低くガラス成分が揮発し難いため、成形精度の低下および金型の劣化や汚染が 生じない。し力も作業温度範囲が広ぐプリフォームガラスの量産性に優れるとともに 、耐候性が良好であるため、製造工程や製品の使用中に物性の劣化や表面の変質 を起こすことがな 、。それゆえモールドプレス成形用光学ガラスとして好適である。 発明を実施するための最良の形態
[0010] 本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、質量0 /0で、 SiO 41
2 〜56%、 Al O
2
1. 5〜5%、B O 7〜16%、CaO 0. 1〜10%、 BaO 0〜10%、 SrO 0〜1
3 2 3
0%、 ZnO 0〜5%、 Li O 1
2 〜10%、 Na O 0
2 〜5%、 La O 5
2 3 〜15%の基本組 成を有するガラスである。一般に、非鉛系のガラスでは、高い屈折率を得るために、 アルカリ土類金属酸ィ匕物である ROを多量に含有させており、この系のガラスの耐候 性を低下させる原因となっている。そこで、本発明のガラスでは、屈折率を高める成 分である La Oと、耐侯性を向上させる成分である Al Oを含有させて、 ROの含有
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量を抑えるとともに、 ROとして CaOを必須成分として含有することで、屈折率を維持 しながら、ガラスの耐候性を改善している。また、 La Oを含有させると、アッベ数が低
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下する傾向にある力 B Oを含有させることで、アッベ数の低下を防止している。こ
2 3
のようにすることで、優れた耐侯'性と、 1. 57〜: L 62の屈折率 (nd)、 55以上のアツ ベ数(v d)、特に 1. 575〜1. 610の屈折率(nd)、 58. 5〜62. 0のアッベ数(v d) を有するモールドプレス成形用光学ガラスを得ることができ、色分散が少なぐ高機 能で小型の光学素子用の光学レンズとして使用することができる。また、本発明のモ 一ルドプレス成形用光学ガラスは、ガラスの軟化点が 650°C以下 (好ましくは 640°C 以下、更に好ましくは 630°C以下)であることが好ましい。ガラスの軟ィ匕点が低くなると 、低温でのプレス成形が可能となり、金型の酸化、ガラス成分の揮発による金型の汚 染ゃガラスと金型との融着を抑えることができる。
[0011] 各成分の範囲を上記のように限定した理由を述べる。
[0012] SiOはガラスの骨格を構成する成分であり、耐候性を向上させる効果がある。その
2
含有量は 41〜56%、好ましくは 42〜53%、さらに好ましくは 43〜50. 5%である。 なお SiOが多くなると屈折率が低下したり、軟ィ匕点が高くなる傾向がある。また失透
2
傾向が強くなる。一方、 SiOが少なくなると耐酸性や耐水性等の耐候性が悪ィ匕する
2
[0013] B Oはガラスの骨格成分であり、耐失透性の向上に効果がある。またアッベ数を高
2 3
め、軟ィ匕点を低下させる成分である。さらにガラスの塩基性度を下げる作用もあり、モ 一ルドプレス成形におけるガラスと金型の融着防止に効果がある。その含有量は 7〜 16%、好ましくは 9〜16%、特に好ましくは 10〜15. 5%、さらに好ましくは 12〜15
%である。なお B Oが多くなるとガラス溶融時に B O R' Oで形成される揮発物が
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多くなり、脈理の生成を助長する。さらに耐候性が悪ィ匕する。一方、 B Oが少ないと
2 3
、耐失透性が低下して十分な作業温度範囲を確保できなくなる可能性がある。また 金型と融着し易くなる。さらに SiOの少ない組成域では、 B Oが少ないとアッベ数を
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55以上に維持することが難しくなる。
[0014] Al Oは SiOと共にガラスの骨格を構成する成分であり、耐候性を向上させる効果
2 3 2
がある。特に SiO -B O -RO-R, O La O系ガラスでは、ガラス中アルカリ成分の
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、水への選択的溶出を抑制する効果が顕著であり、その含有量は 1. 5〜5%、好ま しくは 2〜4. 5%、さらに好ましくは 2. 7〜4. 5%である。なお Al Oが多いと失透し
2 3
易くなる。また溶融性が悪ィ匕して脈理ゃ泡がガラス中に残り、レンズ用ガラスとしての 要求品位を満たさなくなる可能性がある。一方、 Al Oが少ないと、耐水性'耐酸性
2 3
が低下し、非常に高い耐候性を有するガラスを得に《なる。
[0015] CaO、 BaO、 SrOといったアルカリ土類金属酸ィ匕物 (RO)は融剤として作用すると ともに、 SiO -B O -RO R' O La O系ガラスにおいて、アッベ数を低下させずに
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屈折率を高める効果がある。 CaO、 BaO、及び SrOは合量で 10〜30%、特に 10〜 20%、さらには 12〜18%であることが望ましい。なお ROが多くなると、プリフォーム ガラスの溶融、成形工程中に失透ブッが析出し易くなり、液相温度が上がって作業 範囲が狭くなり量産化し難くなる傾向がある。さらにガラスから研磨洗浄水や各種洗 浄溶液中への溶出が増大する、高温多湿状態でのガラス表面の変質が顕著になる 等、耐候性が悪ィ匕し易い。一方 ROが少なくなると、屈折率が低下したり、軟化点が 高くなる等の不都合が生じやすい。
[0016] CaOはアッベ数を低下させることなく屈折率を高める成分である。また、高温多湿 状態においてアルカリやアルカリ土類の表面への析出を防止する効果が高くなること から、耐候性向上のための必須成分である。 CaOの含有量は 0. 1〜10%、特に 0. 5〜5%、さらに 1〜4%であることが好ましい。なお CaOが多くなると液相温度が上が り、失透し易くなる。
[0017] BaOは屈折率を高める成分であり、またこのガラス系においては液相温度を低下さ せ作業性を向上させる効果もある。しかし、高温多湿状態でガラス表面からの析出量
が他の RO成分に比べ著しく多いため、多量に含有させると最終製品の耐候性を損 なうおそれがある。 BaOの含有量は 0〜10%、特に 0. 5〜9. 5%、さらに 4〜9%で あることが好ましい。
[0018] SrOは屈折率を高める成分である。また BaOに比べると高温多湿状態でのガラス 表面からの析出量が少ない。従って SrOを積極的に使用することにより、耐候性に優 れた製品を得ることができる。その含有量は 0〜10%、好ましくは 0. 5〜9%、さらに 好ましくは 3〜8%である。なお SrOが多くなると液相温度が上がって作業範囲が狭く なる傾向にある。
[0019] なお CaO、 BaO、或いは SrO以外にも、屈折率を高めるために MgOを添加しても よい。 MgOを添加する場合、その含有量は 0〜5%、特に 0〜3%であることが好まし い。 MgOが多くなると失透し易くなる。
[0020] ZnOは屈折率を高めるとともに、耐候性を向上させる効果がある。また失透傾向が 強くないため、多量に含有させても均質なガラスを得ることができる。その含有量は 0 〜5%、好ましくは 0. 5〜4%、さらに好ましくは 1〜3%である。 ZnOが多くなるとアツ ベ数が低下する傾向がある。
[0021] Li Oや Na Oといったアルカリ金属酸化物(R, O)は軟化点を低下させるための成
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分である。 Li Oと Na Oは合量で 5〜12%、特に 6〜: L l%、さらには 7〜10%である
2 2
ことが望ましい。なお R' Oが多くなると液相温度が上昇して作業温度範囲が狭くなり
2
易い。この場合、量産性に悪影響を与えるおそれがある。また耐候性が悪ィ匕する傾 向がある。逆に R' Oが少なくなると軟ィ匕点が高くなる。
2
[0022] R' Oのなかでも Li Oが最も軟ィ匕点を低下させる効果が大きい。その含有量は 1〜
2 2
10%、好ましくは 3〜9%、さらに好ましくは 5〜8. 5%である。ただし Li Oは分相性
2
が強いため、多量に添加すれば液相温度が高くなつて作業性を悪化させる傾向があ る。また Field Strength (以下 F. S.と表記する)が低ぐ後述するガラスの塩基性 度を上げる成分であるため、プレス成形時に金型との融着を引き起こす原因となる。 一方、 Li Oが少なくなると軟ィ匕点が高くなる。
2
[0023] Na Oは軟ィ匕点を低下させる効果がある力 多量に含有させると溶融時に B O R
2 2 3
' oで形成される揮発物が多くなり、脈理の生成を助長してしまう。またモールド成形
時にも揮発が生じて金型を汚染し、金型の寿命を大きく縮めてしまう。 Na O
2 の含有 量は 0〜5%、特に 0. 5〜3%であることが好ましい。
[0024] なお Li Oや Na O以外にも、軟化点を低下するために K Oを添カ卩してもよい。 K O
2 2 2 2 を添加する場合、その含有量は 0〜7%、特に 0〜5%であることが好ましい。 K Oが
2 多くなると耐候性が悪ィ匕する。
[0025] La Oは、アッベ数を低下させることなく屈折率を高める効果があるため、多量の R
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oを含有させる必要がなくなり耐候性の向上に効果がある。また、耐失透性を向上す る効果があり、作業温度範囲を拡大することができる成分であるが、多量に含有する とガラスの分相傾向が強くなり、均質なガラスを得に《なる。 La Oの含有量は 5〜1
2 3
5%、好ましくは 6〜12%、さらに好ましくは 7〜10%である。
[0026] また SiOと La Oの含有量は、質量%基準で SiO /La Oの値が 3. 2〜15. 0、
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特に 3. 2-10. 0の範囲内となるように調節することが好ましい。この比を 3. 2-15. 0とすることで屈折率を低下させることなぐ高い耐失透性を維持することができる。こ の比が小さくなると耐失透性が低下し、大きくなると屈折率が低下する傾向がある。
[0027] 清澄剤として Sb Oを添加することができる。ただし、ガラスに対する過度の着色を
2 3
避けるため、 Sb Oの含有量は 1%以下とすることが望ましい。
2 3
[0028] 尚、 TiO、 Nb Oはガラスの屈折率を高める成分である力 アッベ数を低下させた
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り、紫外域での吸収が大きぐ 390〜440nmでの透過率が減少し、短波長用レンズ としての使用に支障をきたしたりするため、実質的なガラスへの導入は避けるべきで ある。
[0029] さらに、 PbO、 Bi O及び As Oは環境上の理由から、 Ag及びハロゲン類は光可
2 3 2 3
逆変色キヤリヤーとなるため、実質的なガラスへの導入は避けるべきである。
[0030] 尚、本発明における「実質的なガラスへの導入を避ける」とは、含有量が 0. 1%以 下であることを意味する。
[0031] また、本発明のモールドプレス成形用光学ガラスにお!、て、モールドプレス成形時 におけるガラスと金型の融着をより防止するには、上記特徴に加えて、ガラスの塩基 性度を 11以下 (好ましくは 9. 5以下)にすることが望ましい。
[0032] 尚、本発明にお 、て、塩基性度とは、(酸素原子のモル数の総和 Z陽イオンの Fiel
d Strengthの総和) X 100として定義され、 Field Strength (以下 F. S.と表記す る)は下記の式 1により求められる。
[0033] 式 1 F. S. =Z/r2
Zはイオン価数、 rはイオン半径を示している。尚、本発明における Z、 rの数値は表 1の値 (『科学便覧基礎偏 改訂 2版 (1975年 丸善株式会社発行)』に記載された 値)を用いた。本発明者の知見によれば、塩基性度が低いほど、金型と融着しにくく なる。以下にガラスの塩基性度が融着を支配する機構について説明する。
[0034] [表 1]
z r
S i 4 + 4 0 . 4 0
A 1 3 + 3 0 . 5 3
B 3 + 3 0 . 3 2
M g 2 + 2 0 . 8 6
C a 2 + 2 1 . 1 4
B a 2 + 2 1 . 5 0
S r 2 + 2 1 . 3 9
Z n 2 + 2 0 . 8 9 し i 1 + 1 0 . 8 8
N a 1 + 1 1 . 1 6
K 1 + 1 1 . 5 2 τ i 4 + 4 0 . 7 5
Z r 4 + 4 0 . 8 6
N b 5 + 5 0 . 7 8 し a 3 + 3 1 . 3 2
G d 3 + 3 1 . 0 8
T a 5 + 5 0 . 8 3
W 6 + 6 0 . 7 2
B i 3 + 3 0 . 8 6
S b 3 + 3 0 . 7 5 p 5 + 5 0 . 3 2
[0035] ここで SiOを例に挙げて、ガラスの塩基性度の求め方を示す。
2
[0036] まず、酸素原子のモル数を求める。 lmolの SiO中には、 2molの酸素原子が含ま
2
れる。よって、この酸素の原子数 2molに、ガラス組成中の SiOのモル%を掛けること
2
で、ガラス中の SiOが持つ酸素原子のモル数が求められる。同様に各成分の酸素
2
原子のモル数を求め、その合計を「酸素原子のモル数の総和」とする。
[0037] 次に F. S.を求める。陽イオン Si4+は Z=4、 r=0. 4であるため、 F. S. = 25となる
。 Si4+は SiOに lmol含まれているのでガラス中の F. S.は、 25 X l (mol) X (組成
2
中の SiOのモル0 /0)として求められる。
2
[0038] これを各成分について求め、その合計を「陽イオンの F. S.の総和」とする。そして「 酸素原子のモル数の総和」を「陽イオンの F. S.の総和」で割った値に 100をかけた ものを「ガラスの塩基性度」とする。
[0039] 次にガラスの塩基性度が融着を支配する機構について説明する。
[0040] ガラスの塩基性度はガラス中の酸素の電子がガラス中の陽イオンにどのくらい引き つけられて 、るかを示す指標になる。塩基性度の高!、ガラスではガラス中の陽イオン による酸素の電子の引きつけが弱い。したがって、塩基性度の高いガラスは、電子を 求める傾向の強い陽イオン (金型成分)と接した際、塩基性度の低いガラスに比ベガ ラス中に金型からの陽イオンの侵入が起きやす!/、。金型成分である陽イオンがガラス 中へ侵入 (拡散)すると、界面付近のガラス相中の金型成分濃度が増加する。これに よりガラス相と金型相の組成差が減少するため、両者の間の親和性が増し、ガラスが 金型に濡れやすくなる。このような機構により、ガラスと金型が融着すると考えられる。 従って塩基性度が低くなるにしたがって、ガラス中に金型成分が侵入しに《なり、ガ ラスと金型は融着しなくなる。
[0041] 具体的にはガラスの塩基性度が 11以下、好ましくは 9. 5以下であれば融着が起こ らなくなると考えられる。ガラスの塩基性度が 9. 5を超えると金型と融着する傾向が現 れ、 11を超えるとガラスと金型が融着して製品の面精度が損なわれ、量産性が顕著 に悪ィ匕する傾向にある。
[0042] 次に、本発明のガラスを用いて光ピックアップレンズや撮影用レンズ等を製造する 方法を述べる。
[0043] まず、所望の組成になるようにガラス原料を調合した後、ガラス溶融炉中で溶融す る。
[0044] 次に、溶融ガラスをノズルの先端カゝら滴下し一旦液滴状ガラスを作製し、プリフォー ムガラスを得る。または溶融ガラスを急冷铸造し一旦ガラスブロックを作製し、研削、 研磨、洗浄してプリフォームガラスを得る。
[0045] 続いて、精密加工を施した金型中にプリフォームガラスに入れて軟ィ匕状態となるま
で加熱しながら加圧成形し、金型の表面形状をガラスに転写させる。この成形方法は モールドプレス成形法と呼ばれ、広く用いられている。このようにして光ピックアップレ ンズゃ撮影用レンズを得ることができる。
実施例
[0046] 以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
[0047] [表 2]
1 2 3 4 組成 (質量%)
S i O 2 4 8. 0 5 0. 2 4 8. 0 4 8. 1
A 1 2 O 2. 7 2. 7 3. 7 3. 7
B 203 1 3. 0 1 3. 0 1 5. 0 1 4. 0
C a O 5. 0 9. 0 2. 0 2. 0
B a O 5. 0 0. 5 6. 5 8. 0
S r O 8 - 0 7. 0 5. 0 5. 0
Z n O 一 - 2. 0
L i 2 O 7. 4 7 - 9 7. 9 7. 9
N a O 2. 7 1 - 7 1. 2 1. 2
L a 2 O 8. 0 8. 0 1 0. 5 8. 0
S b 2 O 0. 2 一 0. 2 0. 1
O 1 8. 0 1 5. 0 1 3. 5 1 5. 0
R' 2 O 1 0. 1 9. 1 9. 1 9. 1
S i O 2/ L a O 6. 0 6. 3 4. 6 6. 0 屈折率 n d 1. 5 3 8 7 1. 5 8 8 9 1. 5 8 5 1 1. 5 3 5 5 アッベ数 v d 5 9. 6 5 9. 6 6 0. 5 6 0. 1 軟化点 (°C) 5 9 9 6 0 1 6 0 2 6 0 5 液相温度 (°C) 8 4 5 8 5 5 8 6 5 8 4 4 耐候性
1. 5 1 . 4 1. 3 1 . 1 (透過率の差 Δ T % )
塩基性度 8. 5 3 8. 5 8 8. 2 4 8. 3 4
[0048] [表 3]
5 6 組成 (質量%)
S i O 2 5 1 . 0 4 9 . 0
A i 2 O 3 0 . 7 2 . 5
B 2 O 3 1 3 . 0 1 3 . 0
C a O 5 . 0 ―
B a O 5 . 0 8 . 0
S r O 9 . 0 9 . 0
Z n O —— 2 . 7
L i 2 O 6 . 4 7 . 5
N a 2 O 2 . 7 0 . 9
L a 2 O 3 7 . 0 7 . 4
S b 2 O 3 0 . 2 ―
R O 1 9 . 0 1 7 . 0
R ' 2 9 . 1 8 . 4
S i O 2 / L a a O 3 7 . 3 6 . 6 屈折率 n d 1 . 5 Β 3 7 1 . 5 8 5 1 アッベ数 v d 6 0 . 5 6 0 . 4 軟化点 ( °C ) 6 1 7 6 0 6 液相温度 (。C ) 8 6 6 8 4 0 耐候性
4 · Q
Ο . 丄
(透過率の差 Δ Τ % )
塩基性度 8 . 3 6 8 . 3 6
7 8 9 1 0 組成 (質量%)
S i 02 4 3. 1 5 0. 0 4 8. 6 4 2. 0
A 1 203 4. 5 3. 0 3. 5 4. 8
B 2 O 3 1 5. 0 1 5. 0 1 3. 5 1 6. 0
C a O 4. 0 2. 0 1. 3 0. 6
B a O 9. 0 6. 0 9. 0 9. 0
S r O 4. 8 4. 0 4. 0 8. 0
Z n O 3. 0 1. 0 3. 0 3. 0 し i 2 O 7. 5 9. 0 8. 0 8. 0
N a O 1. 0 0. 5 1. 0
L a O 8. 0 9. 3 8. 0 8. 4
S b 2 O 0. 1 0. 2 0. 1 0. 2
R O 1 7. 8 1 2. 0 1 4. 3 1 7. 6
R' O 8. 5 9. 5 9. 0 8. 0
S i O 2/L a O 3 5. 4 5. 4 6. 1 5. 0 屈折率 n d 1. 5 9 5 9 1. 5 8 3 0 1. 5 8 5 9 1. 5 9 6 2 ァッベ数 d 5 9. 3 6 0. 7 5 9. 9 5 9. 6 軟化点 (V) 6 0 1 6 0 0 6 0 4 5 9 8 液相温度 (°C) 8 6 8 8 5 8 8 4 5 8 5 2 耐候性
1 . 5 1. 3 1 . 1 1. 2 (透過率の差 Δ T % )
塩基性度 8. 4 0 8. 2 3 8. 3 6 8. 2 6
5]
組成 (質量%)
S i O 2 5 5 . 3 4 6 . 8 4 1 . 0
A 1 2 O a 1 . 7 1 . 6 4 . 0
B 2 O 3 7 . 2 7 . 4 1 5 . 0
C a O 4 . 2 9 . 7 5 . 0
B a O 9 . 6 1 0 . 0
S r O 5 . 0 5 . 0
Z n O 5 . 0 3 . 0 5 . 0
L i 2 O 9 . 8 7 . 0 2 . 5
N a 2 O 2 . 0 4 . 9 4 . 9
L a 2 O a 5 . 2 1 4 . 6 7 . 6
S b 2 O 3
R O 1 3 . 8 1 4 . 7 2 0 . 0
R ' 2 O 1 1 . 8 1 1 . 9 7 . 4
S i O 2 / L 2 O 3 1 0 . 6 3 . 2 5 . 4 屈折率 n d 1 . 5 8 2 1 1 . 6 0 6 1 1 . 5 9 4 8 アッベ数 v d 5 8 . 7 5 6 . 6 5 8 . 6 軟化点 (。c ) 5 7 6 5 9 9 6 4 8 液相温度 ( °C ) 8 7 5 8 Β 7 8 3 8 耐候性
1 . 6 1 . 5 1 . 1
(透過率の差 Δ T % )
塩基性度 9 . 0 9 9 . 5 5 8 . 2 7
[0051] 表 2、 4、 5は本発明の実施例(試料 No. 1〜4、 7〜13)及び表 3は比較例(試料 N o. 5〜6)を示している。
[0052] 各試料は次のようにして調製した。まず表に示す組成になるようにガラス原料を調 合し、白金ルツボを用いて 1400°Cで 3時間溶融した。溶融後、融液をカーボン板上 に流しだし、更にァニール後、各測定に適した試料を作製した。
[0053] 得られた試料につ!、て、屈折率 (nd)、アッベ数 d)、軟化点 (Ts)、耐候性を測 定した。また塩基性度を算出した。それらの結果を各表に示す。
[0054] 表から明らかなように、本発明の実施例である No. 1〜4、 7〜13の各試料は、屈 折率が 1. 5821-1. 6061、アッベ数力 6. 6以上、軟化点が 648°C以下、液相温
度が 887°C以下であった。また、高温多湿状態の曝露試験前後での透過率変化は 1 . 6%以下と小さぐ耐候性も良好であった。また B Oを多く含有し、塩基性度も 9. 5
2 3
5以下と低 、ため、金型との融着が起こりにく!/、と考えられる。
[0055] これに対して、比較例である No. 5及び No. 6の各試料は、曝露試験前後での透 過率の変化が 3. 1%以上と大きぐ耐候性が低力つた。
[0056] なお屈折率 (nd)は、ヘリウムランプの d線 (587. 6nm)に対する測定値で示した。
[0057] アッベ数( V d)は上記した d線の屈折率と水素ランプの F線 (486. lnm)、同じく水 素ランプの C線 (656. 3nm)の屈折率の値を用い、アッベ数( v d) = { (nd— 1) / (n
F— nC) }式力も算出した。
[0058] 軟化点 Tは、日本工業規格 R— 3104に基づいたファイバーェロンゲーシヨン法に s
よって測定した。
液相温度 Tは、 297〜500 /ζ πιの粉末状になるよう試料を粉砕、分級してから白金
し
製のボートに入れ、温度勾配を有する電気炉に 24時間保持した後、空気中で放冷し
、光学顕微鏡で失透の析出位置を求めることで測定した。
[0059] 耐候性の評価は高温多湿状態の曝露試験前後のガラスの透過率を分光光度計で 測定し、可視域の波長 590nmにおけるガラスの透過率の差で評価した。なお、曝露 試験は、温度 60°C、湿度 90%、 300時間の条件で行ない、ガラス試料は、大きさ 30
X 25mmで両面を光学研磨し、 10mmの肉厚にしたものを用いた。
[0060] 塩基性度は、(酸素原子のモル数の総和 Z陽イオンの Field Strengthの総和) X
100の式に基づいて算出したものである。なお式中の Field Strength (以下 F. S. と表記する)は次式により求められる。
[0061] F. S. =Z/r2
Zはイオン価数、 rはイオン半径を示している。
[0062] 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲 を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明ら かである。
本出願は、 2006年 4月 5日出願の日本特許出願(特願 2006— 103806)、 2007 年 3月 29日出願の日本特許出願 (特願 2007— 86412)に基づくものであり、その内
容はここに参照として取り込まれる。