明 細 書
セルロースエステル光学フィルムとその製造方法、偏光板及び液晶表示 装置
技術分野
[0001] 本発明は、溶融流延法によって形成されたセルロースエステルフィルムを有する光 学フィルム、及びそれを偏光板保護フィルムとして用いる偏光板、及びその偏光板を 用いる液晶表示装置に関する。
背景技術
[0002] 液晶ディスプレー等に用いられる偏光板保護フィルムなどに使用される、透明な榭 脂フィルム(単にフィルムともいう)には、セルロースエステルフィルムが用いられ、特 にセルローストリアセテートフィルムが用いられて 、る。セルロースエステルフィルムは 、光学的、物理的に偏光板保護フィルムとして有用であるため一般にも広く用いられ ている。
[0003] 従来、セルロースエステルフィルムは、ジクロロメタンのようなハロゲン系溶媒にセル ロースエステルを溶解しドープを調製し、このドープを延流ダイからドラムやベルト等 の流延支持体上に流延し乾燥して製膜されて ヽた (溶液流延製膜法)。ジクロロメタ ンは、沸点が低く(沸点約 40°C)、乾燥しやすいという利点があるため、従来、セル口 ースエステルフィルムの溶媒として好適に用 、られてきた。
[0004] しかしながら、ジクロロメタンのようなハロゲン系溶媒は、近年の環境保全の観点か ら密閉設備での取り扱いが義務付けられている。例えば、徹底的なクローズドシステ ムによりハロゲン系溶媒の漏れを防止し、万一漏れたとしても外気に出る前にガス吸 収塔内でハロゲン系溶媒を吸着させて処理する方法等の対策が採られている。さら に、外気に排出する前に火力による燃焼または電子線ビームによってハロゲン系溶 媒の分解を行った後、排出する方法も採られている。
[0005] このように、ハロゲン系溶媒を用いた溶液流延製膜法は、環境的にも工業的にも、 溶媒回収に要する費用が非常に大きい負担となっていた。そのため、ハロゲン系溶 媒以外の溶媒が 、ろ 、ろと検討された力 セルロースエステルの溶解性を満足する
代替溶媒はな力つた。
[0006] 大気中へのハロゲン系溶媒の排出を防ぐ、あるいは溶液流延製膜法の溶媒乾燥の 負荷を下げる方法として、特許文献 1に、溶媒を用いない溶融流延法によるセルロー スエステルフィルムの製膜方法が開示されて 、る。
[0007] この製膜方法では、セルロースエステルとして、エステル基の炭素鎖を長くして融点 を下げることで溶融製膜をしやすくしている。具体的には、セルロースエステルとして アセテート基より長鎖のプロピオネート基、プチレート基等で高度に置換されたセル口 ースエステルを用いて溶融製膜を可能として 、る。
[0008] しかしながら、前記方法で得られたセルロースエステルフィルムは、アセテート基より 長鎖のプロピオネート基、ブチレート基等で高度に置換されているため、フィルムの 機械的強度の低下、ケンィ匕性の低下が生じるという欠点があった。このような特性の 低下したセルロースエステルフィルムを用いると、偏光板の作製に際し偏光板との密 着性が悪ぐさらに液晶表示装置に組み込んで使用した場合、温湿度変化により視 野特性が著しく低下し、さらなる改良が望まれていた。
特許文献 1:特開 2005— 178194号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0009] 本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、セルロースエステル の種類によらず溶融粘度を低減することができ、溶融温度が低ぐ成形材料の熱劣 化が少なぐ機械特性、光学特性、寸法安定性、溶融成形性に優れた光学フィルム 及びその製造方法、並びに該光学フィルムを用いた偏光板、液晶表示装置を提供 することである。
課題を解決するための手段
[0010] 本発明の上記課題は、以下の構成により達成された。
[0011] 1.セルロースエステル(A)と、多価アルコールと 1価のカルボン酸からなるエステル 系可塑剤または多価カルボン酸と 1価のアルコールからなるエステル系可塑剤から 選ばれる少なくとも一種以上のエステル系可塑剤(B)と、フエノール系安定剤、ヒンダ 一ドアミン系安定剤またはリン系安定剤力も選ばれる少なくとも一種以上の安定剤(C
)と、水素結合性溶媒 (D)とを含有することを特徴とするセルロースエステル光学フィ ノレム。
[0012] 2.セルロースエステル光学フィルム中のセルロースエステル 100質量部に対する 水素結合性溶媒 (D)量が 0. 005〜2. 0質量部であることを特徴とする 1に記載のセ ルロースエステル光学フィルム。
[0013] 3.セルロースエステル(A)と、多価アルコールと 1価のカルボン酸からなるエステル 系可塑剤または多価カルボン酸と 1価のアルコールからなるエステル系可塑剤から 選ばれる少なくとも一種以上のエステル系可塑剤(B)と、フエノール系安定剤、ヒンダ 一ドアミン系安定剤またはリン系安定剤力も選ばれる少なくとも一種以上の安定剤(C )と、水素結合性溶媒 (D)とを含有する組成物を溶融流延するセルロースエステル光 学フィルムの製造方法において、該組成物が、セルロースエステル 100質量部に対 し水素結合性溶媒 (D)を 0. 1〜5質量部含有し、かつ該セルロースエステル光学フ イルムがセルロースエステル 100質量部に対し該水素結合性溶媒(D)を 0. 005-2 . 0質量部含有することを特徴とするセルロースエステル光学フィルムの製造方法。
[0014] 4. 1または 2に記載のセルロースエステル光学フィルムを用いることを特徴とする偏 光板。
[0015] 5. 4に記載の偏光板を用いることを特徴とする液晶表示装置。
発明の効果
[0016] 本発明によれば、セルロースエステルの種類によらず溶融粘度を低減することがで き、溶融温度が低ぐ成形材料の熱劣化が少なぐ機械特性、光学特性、寸法安定 性、溶融成形性に優れた光学フィルム及びその製造方法、並びに該光学フィルムを 用いた偏光板、液晶表示装置を提供することができる。
発明を実施するための最良の形態
[0017] セルロースエステルフィルムの製法の 1つである溶液流延法は、溶媒に溶解した溶 液を流延し、溶媒を蒸発、乾燥することによって製膜する。この方法は、フィルム内部 に残存する溶媒を除去しなければならないため、乾燥ライン、乾燥エネルギー、及び 蒸発した溶媒の回収及び再生装置等、製造ラインへの設備投資及び製造コストが膨 大になっており、これらを削減することが重要な課題となっている。
[0018] これに対し、溶融流延法による製膜では、セルロースエステルの溶液を調製する溶 媒を用いないため、前述の乾燥負荷、設備負荷が生じない。
[0019] 本発明者は鋭意検討の結果、セルロースエステル (A)と、多価アルコールと 1価の カルボン酸からなるエステル系可塑剤または多価カルボン酸と 1価のアルコールから なるエステル系可塑剤から選ばれる少なくとも一種以上のエステル系可塑剤 (B)と、 フエノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤またはリン系安定剤力 選ばれる少 なくとも一種以上の安定剤 (C)と、水素結合性溶媒 (D)とを含有するセルロースエス テル光学フィルムにより、セルロースエステルの種類によらず溶融粘度を低減するこ とができ、溶融温度が低ぐ成形材料の熱劣化が少なぐ機械特性、光学特性、寸法 安定性、溶融成形性に優れた光学フィルムが得られることを見出した。
[0020] なお、本発明にお 、て光学フィルムとは、液晶ディスプレー、プラズマディスプレー 、有機 ELディスプレー等の各種表示装置に用いられる機能フィルムのことであり、特 に偏光板保護フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム、視 野角拡大等の光学補償フィルム等を含む。
[0021] 以下、本発明を詳細に説明する。
[0022] (溶融流延法)
本発明のセルロースエステルフィルム光学フィルム(以下、単に光学フィルムともい う)は、溶融流延法によって形成されたセルロースエステルフィルムであることを特徴 とする。本発明における溶融流延とは、セルロースエステルが流動性を示す温度まで 加熱溶融し、その後、流動性のセルロースエステルを流延することを溶融流延として 定義する。
[0023] 加熱溶融する成形法は、さらに詳細には、溶融押出成形法、プレス成形法、インフ レーシヨン法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法等に分類できる。これらの中 で、機械的強度及び表面精度等に優れる光学フィルムを得るためには、溶融押し出 し法が優れている。ここで組成物が加熱され、その流動性を発現させた後、ドラムまた はエンドレスベルト上に押し出し製膜する。
[0024] (セルロースエステル)
本発明に用いられるセルロースエステルは、置換または無置換の芳香族ァシル基
、脂肪族ァシル基により置換されたセルロースの単独または混合酸エステルである。
[0025] 芳香族ァシル基にぉ 、て、芳香族環がベンゼン環であるとき、ベンゼン環の置換基 の例としては、ハロゲン原子、シァノ基、アルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリ ールォキシ基、ァシル基、カルボアミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、ァラルキル 基、ニトロ基、アルコキシカルボ-ル基、ァリールォキシカルボ-ル基、ァラルキルォ キシカルボ-ル基、力ルバモイル基、スルファモイル基、ァシルォキシ基、アルケニル 基、アルキ-ル基、アルキルスルホ-ル基、ァリールスルホ-ル基、アルキルォキシス ルホ-ル基、ァリールォキシスルホ -ル基、アルキルスルホ-ルォキシ基、ァリール ォキシスノレホニノレ基、一 S— R、一 NH— CO— OR、一 PH— R、一 P (— R) 、一 PH
2 一 O— R、一 P (— R) (— O— R)ゝ一 P (— O— R) 、一 PH ( = 0)— R— P ( = 0) (— R
2
) 、一 PH ( = 0)— O— R、一 P ( = 0) (— R) (— O— R)ゝ一 P ( = 0) (— O— R) 、一
2 2
O— PH ( = 0)— R、一 O— P ( = 0) (— R) — O— PH ( = 0)— O— R、一 O— P (=
2
O) (一 R) (— O— R)、一 O— P ( = 0) (— O— R) 2、一 NH— PH ( = 0)— R、一而 一 P ( = 0) (— R) (— O— R)、一 NH— P ( = 0) (— O— R) 、一 SiH— R、一 SiH (
2 2
一 R) 、一 Si (— R) 、一 O— SiH— R、一 O— SiH (— R)及び一 O— Si (— R) が挙
2 3 2 2 3 げられる。上記 Rは脂肪族基、芳香族基またはへテロ環基である。置換基の数は、 1 〜5個であることが好ましぐ 1〜4個であることがより好ましぐ 1〜3個であることがさら に好ましぐ 1個または 2個であることが最も好ましい。置換基としては、ハロゲン原子 、シァノ基、アルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ基、ァシル基、力 ルボンアミド基、スルホンアミド基及びウレイド基が好ましぐハロゲン原子、シァノ基、 アルキル基、アルコキシ基、ァリールォキシ基、ァシル基及びカルボアミド基がより好 ましぐハロゲン原子、シァノ基、アルキル基、アルコキシ基及びァリールォキシ基が さらに好ましぐハロゲン原子、アルキル基及びアルコキシ基が最も好ましい。
[0026] 上記ハロゲン原子には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が含ま れる。上記アルキル基は、環状構造または分岐を有していてもよい。アルキル基の炭 素原子数は、 1〜20であることが好ましぐ 1〜12であることがより好ましぐ 1〜6であ ることがさらに好ましぐ 1〜4であることが最も好ましい。アルキル基の例には、メチル 、ェチノレ、プロピル、イソプロピル、ブチノレ、 t—ブチノレ、へキシル、シクロへキシル、ォ
クチル及び 2—ェチルへキシルが挙げられる。上記アルコキシ基は、環状構造または 分岐を有していてもよい。アルコキシ基の炭素原子数は、 1〜20であることが好ましく 、 1〜12であることがより好ましぐ 1〜6であることがさらに好ましぐ 1〜4であることが 最も好ましい。アルコキシ基は、さらに別のアルコキシ基で置換されていてもよい。ァ ノレコキシ基の^ Jには、メトキシ、エトキシ、 2—メトキシエトキシ、 2—メトキシー 2—エト キシエトキシ、ブチルォキシ、へキシルォキシ及びォクチルォキシが挙げられる。
[0027] 上記ァリール基の炭素原子数は、 6〜20であることが好ましぐ 6〜12であることが さらに好ましい。ァリール基の例には、フエニル及びナフチルが含まれる。上記ァリー ルォキシ基の炭素原子数は、 6〜20であることが好ましぐ 6〜12であることがさらに 好ましい。ァリールォキシ基の例には、フエノキシ及びナフトキシが含まれる。上記ァ シル基の炭素原子数は、 1〜20であることが好ましぐ 1〜12であることがさらに好ま しい。ァシル基の例には、ホルミル、ァセチル及びベンゾィルが含まれる。上記カル ボアミド基の炭素原子数は、 1〜20であることが好ましぐ 1〜12であることがさらに好 ましい。カルボアミド基の例には、ァセトアミド及びべンズアミドが含まれる。上記スル ホンアミド基の炭素原子数は、 1〜20であることが好ましぐ 1〜12であることがさらに 好ましい。スルホンアミド基の例には、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド及 び p—トルエンスルホンアミドが含まれる。上記ウレイド基の炭素原子数は、 1〜20で あることが好ましぐ 1〜 12であることがさらに好ましい。ウレイド基の例には、置換また は無置換のウレイドが含まれる。
[0028] 上記ァラルキル基の炭素原子数は、 7〜20であることが好ましぐ 7〜 12であること 力 Sさらに好ましい。ァラルキル基の例には、ベンジル、フエネチル及びナフチルメチ ルが含まれる。上記アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、 1〜20であることが好 ましぐ 2〜12であることがさらに好ましい。アルコキシカルボ-ル基の例には、メトキ シカルボニルが含まれる。上記ァリールォキシカルボニル基の炭素原子数は、 7〜2 0であることが好ましぐ 7〜12であることがさらに好ましい。ァリールォキシカルボ- ル基の例には、フエノキシカルボ-ルが含まれる。上記ァラルキルォキシカルボ-ル 基の炭素原子数は、 8〜20であることが好ましぐ 8〜 12であることがさらに好ましい。 ァラルキルォキシカルボ-ル基の例には、ベンジルォキシカルボ-ルが含まれる。上
記力ルバモイル基の炭素原子数は、 1〜20であることが好ましぐ 1〜12であることが さらに好ましい。力ルバモイル基の例には、置換または無置換の力ルバモイル及び N —メチルカルバモイルが含まれる。上記スルファモイル基の炭素原子数は、 20以下 であることが好ましぐ 12以下であることがさらに好ましい。スルファモイル基の例には 、置換または無置換のスルファモイル及び N—メチルスルファモイルが含まれる。上 記ァシルォキシ基の炭素原子数は、 1〜20であることが好ましぐ 2〜12であることが さらに好ましい。ァシルォキシ基の例には、ァセトキシ及びベンゾィルォキシが含まれ る。
[0029] 上記ァルケ-ル基の炭素原子数は、 2〜20であることが好ましぐ 2〜 12であること 力 Sさらに好ましい。アルケニル基の例には、ビニル、ァリル及びイソプロべ-ルが含ま れる。上記アルキ-ル基の炭素原子数は、 2〜20であることが好ましぐ 2〜12である ことがさらに好ましい。アルキ-ル基の例には、チェ-ルが含まれる。上記アルキルス ルホ-ル基の炭素原子数は、 1〜20であることが好ましぐ 1〜12であることがさらに 好ましい。上記ァリールスルホニル基の炭素原子数は、 6〜20であることが好ましぐ 6〜 12であることがさらに好ましい。上記アルキルォキシスルホ -ル基の炭素原子数 は、 1〜20であることが好ましぐ 1〜12であることがさらに好ましい。上記ァリールォ キシスルホ-ル基の炭素原子数は、 6〜20であることが好ましぐ 6〜 12であることが さらに好ましい。上記アルキルスルホ-ルォキシ基の炭素原子数は、 1〜20であるこ と力 子ましく、 1〜12であることがさらに好ましい。上記ァリールォキシスルホ -ル基の 炭素原子数は、 6〜20であることが好ましぐ 6〜12であることがさらに好ましい。
[0030] 本発明に用いられるセルロースエステルにお!/、て、セルロースの水酸基部分の水 素原子が脂肪族ァシル基との脂肪酸エステルであるとき、脂肪族ァシル基は炭素原 子数が 2〜20で、具体的にはァセチル、プロピオ-ル、ブチリル、イソブチリル、バレ リル、ビバロイル、へキサノィル、オタタノィル、ラウロイル、ステアロイル等が挙げられ る。本発明において前記脂肪族ァシル基とは、さらに置換基を有するものも包含する 意味であり、置換基としては上述の芳香族ァシル基において、芳香族環がベンゼン 環であるとき、ベンゼン環の置換基として例示したものが挙げられる。また、上記セル ロースエステルのエステルイ匕された置換基が芳香環であるとき、芳香族環に置換する
置換基の数は 0または 1〜5個であり、好ましくは 1〜3個で、特に好ましいのは 1また は 2個である。さらに、芳香族環に置換する置換基の数が 2個以上の時、互いに同じ でも異なっていてもよいが、また、互いに連結して縮合多環化合物(例えばナフタレ ン、インデン、インダン、フエナントレン、キノリン、イソキノリン、クロメン、クロマン、フタ ラジン、アタリジン、インドール、インドリン等)を形成してもよい。
[0031] 本発明に用いられるセルロースエステルは、置換または無置換の脂肪族ァシル基 、置換または無置換の芳香族ァシル基の 1種で置換されていることが好ましい。これ らは、セルロースの単独または混合酸エステルでもよぐ二種以上のセルロースエス テルを混合して用いてもょ ヽ。
[0032] 本発明に用いられるセルロースエステルとしては、セルロースアセテート、セルロー スプロピオネート、セノレロースブチレート、セノレロースアセテートプロピオネート、セノレ ロースアセテートブチレート、セノレロースアセテートフタレート及びセノレロースフタレー トから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
[0033] これらの中で特に好まし!/、セルロースエステルは、セルロースアセテート、セルロー スプロピオネート、セノレロースブチレート、セノレロースアセテートプロピオネートゃセノレ ロースアセテートブチレートである。
[0034] さらに好ましいセルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレ ートの低級脂肪酸エステルは、炭素原子数 2〜4のァシル基を置換基として有し、ァ セチル基の置換度を Xとし、プロピオニル基またはブチリル基の置換度を Yとした時、 下記式 (I)及び (Π)を同時に満たすセルロースエステルを含むセルロース榭脂である
[0035] 式(I) 2. 5≤X+Y≤2. 9
式(Π) 0. 1≤Χ≤2. 0
この内、特にセルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられ、中でも 1. 0 ≤Χ≤2. 5であり、 0. 5≤Υ≤2. 5であることが好ましい。上記ァシル基で置換されて V、な 、部分は通常水酸基として存在して 、るものである。これらは公知の方法で合成 することができる。
[0036] さらに、本発明で用いられるセルロースエステルは、重量平均分子量 MwZ数平均
子量 Mnit力 Si.5〜5.5のちの力 S女子ましく、 2.0〜4.5力 り女子ましく、 2.3〜4.0 力 Sさらに好ましぐ 2.5〜3.5が最も好ましい。
[0037] 本発明で用いられるセルロースエステルの原料セルロースは、木材パルプでも綿花 リンターでもよぐ木材パルプは針葉樹でも広葉樹でもよいが、針葉樹の方がより好ま しい。製膜の際の剥離性の点力もは綿花リンターが好ましく用いられる。これらから作 られたセルロースエステルは適宜混合して、または単独で使用することができる。例 えば、綿花リンター由来セルロースエステル:木材パルプ (針葉樹)由来セルロースェ ステル:木材パルプ(広葉樹)由来セルロースエステルの比率が 100: 0: 0、 90: 10: 0、 85:15:0、 50:50:0、 20:80:0、 10:90:0、 0:100:0、 0:0:100、 80:10:10 、85:0:15、 40 :30 :30で用! /、ること力できる。
[0038] (水素結合性溶媒)
本発明において、水素結合性溶媒とは、 J. N.イスラエルァチビリ著、「分子間力と 表面力」(近藤保、大島広行訳、マグロウヒル出版、 1991年)に記載されるように、電 気的に陰性な原子 (酸素、窒素、フッ素、塩素)と、電気的に陰性な原子と共有結合 した水素原子間に生ずる、水素原子を媒介した「結合」を生ずることができるような有 機溶媒、すなわち、結合モーメントが大きぐかつ水素を含む結合、例えば、 0-H( 酸素水素結合)、 N— H (窒素水素結合)、 F— H (フッ素水素結合)を含むことで近接 した分子同士が配列できるような有機溶媒をいう。
[0039] これらは、セルロースエステルの分子間水素結合よりもセルロースとの間で強い水 素結合を形成する能力を有するもので、本発明で行う溶融流延法においては、用い るセルロースエステル単独のガラス転移温度よりも、水素結合性溶媒の添カ卩により組 成物の溶融温度を低下することができる、または同じ溶融温度においてセルロースェ ステルよりも水素結合性溶媒を含む組成物の溶融粘度を低下することができる。
[0040] 水素結合性溶媒としては、アルコール類 (例えば、メタノール、エタノール、プロパノ ール、イソプロパノール、 n—ブタノール、 sec—ブタノール、 tーブタノール、 2—ェチ ルへキサノール、ヘプタノール、ォクタノール、ノナノール、ドデカノール、エチレング リコーノレ、プロピレングリコール、へキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリ エチレングリコーノレ、ポリプロピレングリコール、メチルセ口ソルブ、ェチノレセロソノレブ、
ブチルセ口ソルブ、へキシルセ口ソルブ、グリセリン等)、ケトン類(例えば、アセトン、メ チルェチルケトン等)、カルボン酸類 (例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等)、 エーテル類 (例えば、ジェチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジォキサン等)、ピロリド ン類 (例えば、 N—メチルピロリドン等)、アミン類 (例えば、トリメチルァミン、ピリジン等 )等が挙げられる。
[0041] これら水素結合性溶媒は、単独で、または 2種以上混合して用いることができる。
[0042] これらのうちでも、アルコール、ケトン、エーテル類が好ましぐ特にメタノール、エタ ノール、プロパノール、イソプロパノール、ォクタノール、ドデカノール、エチレングリコ ール、グリセリン、アセトン、テトラヒドロフランが好ましい。さらに、メタノール、エタノー ル、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、グリセリン、アセトン、テトラ ヒドロフランのような水溶性溶媒が特に好ましい。ここで水溶性とは、水 lOOgに対する 溶解度が 10g以上のものを 、う。
[0043] 溶融時の低粘度化、乾燥時の溶媒除去負荷の低減の観点から、セルロースエステ ル、添加剤、水素結合性溶媒等の組成物中のセルロースエステル 100質量部に対 する水素結合性溶媒量は、 0. 1〜5質量部であり、セルロースエステル光学フィルム 100質量部に対する水素結合性溶媒量は 2質量部以下、 0. 005〜2. 0質量部であ ることが好ましい。
[0044] (添加剤)
本発明に用いられる添加剤としては、可塑剤、酸化防止剤、酸捕捉剤、光安定剤、 過酸化物分解剤、ラジカル捕捉剤、金属不活性化剤、紫外線吸収剤、マット剤、染 料、顔料等が挙げられる。また、上記機能を有するものであれば、これに分類されな い添加剤も用いられる。
[0045] 組成物の酸化防止、分解して発生した酸の捕捉、光または熱によるラジカル種基 因の分解反応を抑制または禁止する等、解明できていない分解反応を含めて、着色 や分子量低下に代表される変質や材料の分解による揮発成分の生成を抑制するた めに添加剤を用いる。
[0046] 一方、組成物を加熱溶融すると分解反応が著しくなり、この分解反応によって着色 や分子量低下に由来した該構成材料の強度劣化を伴うことがある。また組成物の分
解反応によって、好ましくない揮発成分の発生も併発することもある。組成物を加熱 溶融するとき、上述の添加剤が存在することは、材料の劣化や分解に基づく強度の 劣化を抑制すること、または材料固有の強度を維持できる観点で優れており、本発明 の光学フィルムを製造できる観点力も上述の添加剤が存在することが必要である。
[0047] また、上述の添加剤の存在は、加熱溶融時にお!、て可視光領域の着色物の生成 を抑制すること、または揮発成分力 Sフィルム中に混入することによって生じる透過率 やヘイズ値と 、つた光学フィルムとして好ましくな 、性能を抑制または消滅できる点で 優れている。
[0048] 本発明にお 、て液晶表示装置の表示画像は、本発明の構成で光学フィルムを用 V、るときヘイズ値が 1%を超えると影響を与えるため、好ま 、ヘイズ値は 1%未満、 より好ましくは 0. 5%未満である。
[0049] フィルム製造時、リタ一デーシヨンを付与する工程において、上述の添加剤の存在 は、該組成物の強度の劣化を抑制すること、または材料固有の強度を維持すること にある。組成物が著しい劣化によって脆くなると、該延伸工程において破断が生じや すくなり、リタ一デーシヨン値の制御ができなくなることがあるためである。
[0050] 上述の組成物の保存または製膜工程において、空気中の酸素による劣化反応が 併発することがある。この場合、上記添加剤の安定ィ匕作用とともに、空気中の酸素濃 度を低減させることも本発明を具現ィ匕する上で併用できる。これは、公知の技術とし て不活性ガスとして窒素やアルゴンの使用、減圧〜真空による脱気操作、及び密閉 環境下による操作が挙げられ、これら 3者の内少なくとも 1つの方法を、上記添加剤を 存在させる方法と併用することができる。組成物が空気中の酸素と接触する確率を低 減することにより、該材料の劣化が抑制でき、本発明の目的のためには好ましい。
[0051] 本発明の光学フィルムは、偏光板保護フィルムとして利用するため、本発明の偏光 板及び偏光板を構成する偏光子に対して経時保存性を向上させる観点からも、組成 物中に上述の添加剤が存在することが好ま 、。
[0052] 本発明の偏光板を用いた液晶表示装置において、本発明の光学フィルムに上述 の添加剤が存在するため、上記の変質や劣化を抑制する観点力 光学フィルムの経 時保存性が向上できるとともに、液晶表示装置の表示品質向上においても、光学フィ
ルムが付与された光学的な補償設計が長期にわたって機能発現できる点で優れて いる。
[0053] 以下、添加剤について、さらに詳述する。
[0054] (可塑剤)
本発明の光学フィルムに可塑剤として知られる化合物を添加することは、機械的性 質向上、柔軟性付与、耐吸水性付与、水分透過率低減等のフィルムの改質の観点 において好ましい。また、本発明で行う溶融流延法においては、可塑剤の添加は、 用いるセルロースエステル単独のガラス転移温度よりも組成物の溶融温度を低下さ せ、または同じ加熱温度にぉ 、てセルロースエステルよりも可塑剤を含む組成物の 粘度を低下させる目的を含んでいる。
[0055] ここで、本発明にお 、て、組成物の溶融温度とは、該材料が加熱され流動性が発 現される温度を意味する。セルロースエステル単独では、ガラス転移温度よりも低いと フィルム化するための流動性は発現されな 、。しかしながらセルロースエステルは、 ガラス転移温度以上において、熱量の吸収により弾性率または粘度が低下し、流動 性が発現される。組成物を溶融させるためには、添加する可塑剤がセルロースエステ ルのガラス転移温度よりも低い融点またはガラス転移温度をもつことが上記目的を満 たすために好ましい。
[0056] 本発明においては、下記一般式(1)で表される有機酸と多価アルコールが縮合し た構造を有する多価アルコールエステル系可塑剤が好まし 、。一般式(1)で表され る有機酸と多価アルコールが縮合した構造を有する多価アルコールエステル系可塑 剤は、セルロースエステルの溶融温度を低下させ、溶融製膜プロセスや製造後にも 揮発性が小さく工程適性が良好であり、かつ得られるセルロースエステルフィルムの 光学特性 ·寸法安定性 ·平面性が良好となる点で優れて 、る。
[0058] 前記一般式(1)において、 R〜Rは水素原子またはシクロアルキル基、ァラルキル
1 5
基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ァリールォキシ基、ァラルキルォキシ基、ァシ ル基、カルボニルォキシ基、ォキシカルボニル基、ォキシカルボ二ルォキシ基を表し 、これらはさらに置換基を有していてよぐ R〜Rのうち、少なくともいずれか 1つは水
1 5
素原子ではない。 Lは 2価の連結基を表し、置換または無置換のアルキレン基、酸素 原子、または直接結合を表す。
[0059] R〜Rで表されるシクロアルキル基としては、同様に炭素数 3〜8のシクロアルキル
1 5
基が好ましぐ具体的にはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロへキシル等の基で ある。これらの基は置換されていてもよぐ好ましい置換基としては、ハロゲン原子、例 えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ 基、シクロアルコキシ基、ァラルキル基(このフエ-ル基にはアルキル基またはハロゲ ン原子等によってさらに置換されていてもよい)、ビュル基、ァリル基等のァルケ-ル 基、フエ-ル基(このフエ-ル基にはアルキル基またはハロゲン原子等によってさらに 置換されていてもよい)、フエノキシ基(このフエ-ル基にはアルキル基またはハロゲン 原子等によってさらに置換されていてもよい)、ァセチル基、プロピオニル基等の炭素 数 2〜8のァシル基、またァセチルォキシ基、プロピオ-ルォキシ基等の炭素数 2〜8 の無置換のカルボ-ルォキシ基等が挙げられる。
[0060] R〜Rで表されるァラルキル基としては、ベンジル基、フエネチル基、 Ύ フエニル
1 5
プロピル基等の基を表し、また、これらの基は置換されていてもよぐ好ましい置換基 としては、前記のシクロアルキル基に置換してもよい基を同様に挙げることができる。
[0061] R〜Rで表されるアルコキシ基としては、炭素数 1〜8のアルコキシ基が挙げられ、
1 5
具体的には、メトキシ、エトキシ、 n—プロポキシ、 n—ブトキシ、 n—ォクチルォキシ、 イソプロポキシ、イソブトキシ、 2—ェチルへキシルォキシ、もしくは t—ブトキシ等の各
アルコキシ基である。また、これらの基は置換されていてもよぐ好ましい置換基として は、ハロゲン原子、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等、ヒドロキシル基、ァ ルコキシ基、シクロアルコキシ基、ァラルキル基(このフエ-ル基にはアルキル基また はハロゲン原子等を置換していてもよい)、ァルケ-ル基、フエ-ル基(このフエ-ル 基にはアルキル基またはハロゲン原子等によってさらに置換されていてもよい)、ァリ ールォキシ基(例えばフエノキシ基(このフエ-ル基にはアルキル基またはハロゲン原 子等によってさらに置換されていてもよい))、ァセチル基、プロピオニル基等のァシ ル基が、またァセチルォキシ基、プロピオ-ルォキシ基等の炭素数 2〜8の無置換の ァシルォキシ基、またベンゾィルォキシ基等のァリールカルボ-ルォキシ基が挙げら れる。
[0062] R〜Rで表されるシクロアルコキシ基としては、無置換のシクロアルコキシ基として
1 5
は炭素数 1〜8のシクロアルコキシ基が挙げられ、具体的には、シクロプロピルォキシ 、シクロペンチルォキシ、シクロへキシルォキシ等の基が挙げられる。また、これらの 基は置換されていてもよぐ好ましい置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換 してもょ 、基を同様に挙げることができる。
[0063] R〜Rで表されるァリールォキシ基としては、フエノキシ基が挙げられる力 このフエ
1 5
-ル基にはアルキル基またはハロゲン原子等前記シクロアルキル基に置換してもよ
V、基として挙げられた置換基で置換されて 、てもよ 、。
[0064] R〜Rで表されるァラルキルォキシ基としては、ベンジルォキシ基、フエネチルォキ
1 5
シ基等が挙げられ、これらの置換基は更に置換されていてもよぐ好ましい置換基と しては、前記のシクロアルキル基に置換してもよ 、基を同様に挙げることができる。
[0065] R〜Rで表されるァシル基としては、ァセチル基、プロピオニル基等の炭素数 2〜
1 5
8の無置換のァシル基が挙げられ (ァシル基の炭化水素基としては、アルキル、アル ケニル、アルキ-ル基を含む。)、これらの置換基は更に置換されていてもよぐ好ま し 、置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換してもよ 、基を同様に挙げるこ とがでさる。
[0066] R〜Rで表されるカルボ-ルォキシ基としては、ァセチルォキシ基、プロピオ-ル
1 5
ォキシ基等の炭素数 2〜8の無置換のァシルォキシ基 (ァシル基の炭化水素基として
は、アルキル、ァルケ-ル、アルキ-ル基を含む。)、またベンゾィルォキシ基等のァ リールカルボ-ルォキシ基が挙げられる力 これらの基は更に前記シクロアルキル基 に置換してもよ 、基と同様の基により置換されて 、てもよ 、。
[0067] R〜Rで表されるォキシカルボ-ル基としては、メトキシカルボ-ル基、エトキシカ
1 5
ルボニル基、プロピルォキシカルボ-ル基等のアルコキシカルボ-ル基、またフエノ キシカルボ-ル基等のァリールォキシカルボ-ル基を表す。これらの置換基は更に 置換されていてもよぐ好ましい置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換して もよ 、基を同様に挙げることができる。
[0068] また、 R〜Rで表されるォキシカルボ-ルォキシ基としては、メトキシカルボ-ルォ
1 5
キシ基等の炭素数 1〜8のアルコキシカルボ二ルォキシ基を表し、これらの置換基は 更に置換されていてもよぐ好ましい置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換 してもょ 、基を同様に挙げることができる。
[0069] また、これら R〜Rのうち、少なくともいずれかは 1つは水素原子ではない。なお R
1 5 1
〜Rのうちのいずれか同士で互いに連結し、環構造を形成していてもよい。
5
[0070] また、 Lで表される連結基としては、置換または無置換のアルキレン基、酸素原子、 または直接結合を表す力 アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレ ン基等の基であり、これらの基は、更に前記の R〜Rで表される基に置換してもよい
1 5
基としてあげられた基で置換されて 、てもよ!、。
[0071] 中でも、 Lで表される連結基として特に好ましいのは直接結合であり芳香族カルボ ン酸である。
[0072] またこれら本発明にお ヽて可塑剤となるエステルイ匕合物を構成する、前記一般式( 1)で表される有機酸としては、少なくとも Rまたは Rに前記アルコキシ基、ァシル基、
1 2
ォキシカルボ-ル基、カルボ-ルォキシ基、ォキシカルボ-ルォキシ基を有するもの が好まし!/、。また複数の置換基を有する化合物も好ま 、。
[0073] なお本発明にお 、ては 3価以上のアルコールの水酸基を置換する有機酸は単一 種であっても複数種であってもよ!/、。
[0074] 本発明において、前記一般式(1)で表される有機酸と反応して多価アルコールェ ステルイ匕合物を形成する 3価以上のアルコールィ匕合物としては、好ましくは 3〜20価
の脂肪族多価アルコールであり、本発明おいて 3価以上のアルコールは下記の一般 式(3)で表されるものが好まし!/、。
[0075] 一般式(3) R' 一(OH) m
式中、!^ は m価の有機基、 mは 3以上の正の整数、 OH基はアルコール性水酸基 を表す。特に好ましいのは、 mとしては 3または 4の多価アルコールである。
[0076] 好ましい多価アルコールの例としては、例えば以下のようなものを挙げることができ る力 本発明はこれらに限定されるものではない。アド-トール、ァラビトール、 1, 2, 4 ブタントリオール、 1, 2, 3 へキサントリオール、 1, 2, 6 へキサントリオール、 グリセリン、ジグリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、 トリペンタエリスリトーノレ、ガラクチトール、グルコース、セロビオース、イノシトール、マ ンニトール、 3—メチルペンタン 1, 3, 5 トリオール、ピナコール、ソルビトール、ト リメチロールプロパン、トリメチロールェタン、キシリトール等を挙げることができる。特 に、グリセリン、トリメチロールェタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが 好ましい。
[0077] 一般式(1)で表される有機酸と 3価以上の多価アルコールのエステルは、公知の方 法により合成できる。実施例に代表的合成例を示した力 前記一般式(1)で表される 有機酸と、多価アルコールを例えば、酸の存在下縮合させエステルイ匕する方法、また 、有機酸を予め酸クロライド或いは酸無水物としておき、多価アルコールと反応させる 方法、有機酸のフエニルエステルと多価アルコールを反応させる方法等があり、 目的 とするエステルィヒ合物により、適宜、収率のよい方法を選択することが好ましい。
[0078] 一般式(1)で表される有機酸と 3価以上の多価アルコールのエステル力 なる可塑 剤としては、下記一般式(2)で表される化合物が好ま U、。
[0079] [化 2]
[0080] 前記一般式(2)にお 、て、 R〜R は水素原子またはシクロアルキル基、ァラルキ
6 20
ル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ァリールォキシ基、ァラルキルォキシ基、 ァシル基、カルボ-ルォキシ基、ォキシカルボ-ル基、ォキシカルボ-ルォキシ基を 表し、これらはさらに置換基を有していてよい。 R〜R のうち、少なくともいずれか 1
6 10
つは水素原子ではなぐ R 〜R のうち、少なくともいずれか 1つは水素原子ではなく
11 15
、R 〜R のうち、少なくともいずれ力 1つは水素原子ではない。また、 R はアルキル
16 20 21 基を表す。
[0081] R〜R のシクロアルキル基、ァラルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ァ
6 21
リールォキシ基、ァラルキルォキシ基、ァシル基、カルボニルォキシ基、ォキシカルボ
-ル基、ォキシカルボ-ルォキシ基については、前記 R〜Rと同様の基が挙げられ
1 5
る。
[0082] この様にして得られる多価アルコールエステルの分子量には特に制限はないが、 3 00〜 1500であることが好ましぐ 400〜1000であることが更に好ましい。分子量が 大きい方が揮発し難くなるため好ましぐ透湿性、セルロースエステルとの相溶性の 点では小さい方が好ましい。
[0083] 以下に、本発明に係わる多価アルコールエステルの具体的化合物を例示する。
[0084] [化 3]
剛 [5800]
Z9ll£/900ZdT/L3d 81· 0ひ 690細 Z OAV
[9800]
Z9ZZ£/900ZdT/XJd 61· 0ひ 690歸1 OAV
剛 800]
[8800]
Z9而 900Zdf/ェ:) d zz 0ひ 690/ 00Z OAV
[6^ ] [0600]
[Οΐ^>] [1600]
[Zl^ [S600]
Z9而 900Zdf/ェ:) d 93 0ひ 690/ 00Z OAV
[0094] [化 13]
[0095] 本発明で用いられるセルロースエステルフィルムは、少なくとも前記一般式(1)で表
される有機酸及び 3価以上の多価アルコールから製造されるエステル化合物を可塑 剤として 1〜25質量%含有することが好ましいが、それ以外の可塑剤と併用してもよ い。
[0096] 前記一般式(1)で表される有機酸と 3価以上の多価アルコール力 なるエステルイ匕 合物は、セルロースエステルに対する相溶性が高ぐ高添加率で添加することができ る特徴があるため、他の可塑剤や添加剤を併用してもブリードアウトを発生することが なぐ必要に応じて他種の可塑剤や添加剤を容易に併用することができる。
[0097] なお他の可塑剤を併用する際には、一般式(1)で表される有機酸及び 3価以上の 多価アルコール力 製造されるエステルイ匕合物の可塑剤力 可塑剤全体の少なくと も 50質量%以上含有されることが好ましい。より好ましくは 70%以上、さらに好ましく は 80%以上含有されることが好ましい。このような範囲で用いれば、他の可塑剤との 併用によっても、溶融流延時のセルロールエステルフィルムの平面性を向上させるこ とができるという、一定の効果を得ることができる。
[0098] また、または多価カルボン酸と 1価のアルコールからなるエステル系可塑剤から選 ばれる少なくとも一種以上のエステル系可塑剤も、セルロースエステルの溶融温度を 低下させ、溶融製膜プロセスや製造後にも揮発性力 S小さく工程適性が良好であり、 かつ得られるセルロースエステルフィルムの光学特性.寸法安定性.平面性が良好と なる点で優れている。
[0099] これら多価カルボン酸と 1価のアルコールからなるエステル系可塑剤としては、ジォ クチルアジペート、ジシクロへキシルアジペート、ジフエニルサクシネート、ジ 2—ナフ チルー 1, 4ーシクロへキサンジカルボキシレート、トリシクロへキシルトリ力ルバレート 、テトラ 3 メチルフエ-ルテトラヒドロフラン 2, 3, 4, 5—テトラカルボキシレート、テ トラブチルー 1, 2, 3, 4ーシクロペンタンテトラカルボキシレート、トリフエ-ルー 1, 3, 5 シクロへキシルトリカルボキシレート、トリフエ-ルベンゼン 1, 3, 5—テトラカル ボキシレート、フタル酸系可塑剤(例えばジェチルフタレート、ジメトキシェチルフタレ ート、ジメチルフタレート、ジォクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジー 2—ェチル へキシルフタレート、ジォクチルフタレート、ジシクロへキシルフタレート、ジシクロへキ シルテレフタレート、メチルフタリルメチルダリコレート、ェチルフタリルェチルダリコレ
ート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルダリコレート等)、ク ェン酸系可塑剤(タエン酸ァセチルトリメチル、クェン酸ァセチルトリエチル、クェン酸 ァセチルトリブチル等)等の多価カルボン酸と 1価のアルコールからなるエステル系可 塑剤も好ましい。
[0100] 上記多価アルコールと 1価のカルボン酸からなるエステル系可塑剤、また、多価力 ルボン酸と 1価のアルコールからなるエステル系可塑剤のうち、好ましいのは、上記 多価アルコールと 1価のカルボン酸からなるエステル系可塑剤であり、一般式(1)で 表される有機酸と 3価以上の多価アルコールのエステル力もなる可塑剤である。また 、上記多価アルコールと 1価のカルボン酸力 なるエステル系可塑剤、及び、多価力 ルボン酸と 1価のアルコールからなるエステル系可塑剤を併用してもよい。
[0101] 併用するその他の可塑剤としては、脂肪族カルボン酸 多価アルコール系可塑剤 、特開 2003— 12823公報段落 30〜33に記載されているような、無置換の芳香族力 ルボン酸またはシクロアルキルカルボン酸—多価アルコールエステル系可塑剤、また 、トリフエ-ルホスフェート、ビフエ-ルジフエ-ルホスフェート、ブチレンビス(ジェチ ノレホスフェート)、エチレンビス(ジフエ二ノレホスフェート)、フエ-レンビス(ジブチノレホ スフエート)、フエ-レンビス(ジフエ-ルホスフェート)(旭電化製アデカスタブ PFR)、 フエ-レンビス(ジキシレニルホスフェート)(旭電化製アデカスタブ FP500)、ビスフエ ノール Aジフヱ-ルホスフェート(旭電化製アデカスタブ FP600)等のリン酸エステル 系可塑剤、例えば特開 2002— 22956の段落番号 49〜56に記載のポリマーポリエ ステル等、ポリエーテル系可塑剤等が挙げられる。
[0102] し力し前述の通り、リン酸系可塑剤はセルロースエステルの溶融製膜に使用すると 着色が発生しやすいため、フタル酸エステル系可塑剤、多価カルボン酸エステル系 可塑剤、クェン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤 を使用することが好ましい。
[0103] (酸化防止剤)
セルロースエステルは、溶融製膜が行われるような高温環境下では熱だけでなく酸 素によっても分解が促進されるため、本発明の光学フィルムにおいては安定化剤とし て酸化防止剤を含有することが好ま Uヽ。
[0104] 本発明において有用な酸ィ匕防止剤としては、酸素による溶融成形材料の劣化を抑 制する化合物であれば制限なく用いることができるが、中でも有用な酸化防止剤とし ては、ヒンダードフエノール系酸ィ匕防止剤、ヒンダードアミン系酸ィ匕防止剤、リン系酸 化防止剤、ィォゥ系酸化防止剤、耐熱加工安定剤、酸素スカベンジャー等が挙げら れ、これらの中でも特にヒンダードフ ノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、リ ン系化合物、耐熱加工安定剤が好ましい。
[0105] これらの酸化防止剤を配合することにより、透明性、耐熱性等を低下させることなく 、溶融成型時の熱や熱酸化劣化等による成形体の着色や強度低下を防止できる。こ れらの酸化防止剤は、それぞれ単独で、或いは 2種以上を組み合わせて用いること ができる。
[0106] 上記の酸化防止剤の中でも、ヒンダードフエノール系酸化防止剤が好まし 、。ヒン ダードフ ノール系酸化防止剤化合物は既知の化合物であり、例えば、米国特許第 4, 839, 405号明細書の第 12〜14欄に記載されており、 2, 6 ジアルキルフエノー ル誘導体化合物が含まれる。このような化合物のうち好ましい化合物として、下記一 般式 (4
)で表される化合物が含まれる。
[0107] [化 14] 般式 (4)
式中、 R 、 R 及び R は、さらに置換されている力または置換されていないアルキ
21 22 23
ル置換基を表す。ヒンダードフエノール化合物の具体例には、 n—ォクタデシル 3— ( 3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシフエ-ル)一プロピオネート、 n—ォクタデシル 3— (3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシフエ-ル)一アセテート、 n—ォクタデシル 3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシベンゾエート、 n—へキシル 3, 5—ジ tーブ
チルー 4ーヒドロキシフエ-ルペンゾエート、 n—ドデシル 3, 5—ジ—tーブチルー 4 ヒドロキシフエ-ルペンゾエート、ネオードデシル 3— (3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒ ドロキシフエ-ル)プロピオネート、ドデシル (3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシ フエ-ル)プロピオネート、ェチルひ一(4—ヒドロキシ一 3, 5—ジ一 t—ブチルフエ- ル)イソブチレート、ォクタデシル α—(4ーヒドロキシ 3, 5—ジー t—ブチルフエ- ル)イソブチレート、ォクタデシル α—(4ーヒドロキシ 3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒ ドロキシフエ-ル)プロピオネート、 2 (n—ォクチルチオ)ェチル 3, 5 ジー tーブチ ルー 4ーヒドロキシ一べンゾエート、 2 (n—ォクチルチオ)ェチル 3, 5 ジ—tーブ チルー 4ーヒドロキシ—フエ-ルアセテート、 2—(n—ォクタデシルチオ)ェチル 3, 5 ージ—tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ルアセテート、 2—(n—ォクタデシルチオ)ェ チル 3, 5 ジ一 t—ブチル 4 ヒドロキシ一ベンゾエート、 2— (2 ヒドロキシェチ ルチオ)ェチル 3, 5—ジー tーブチルー 4ーヒドロキシベンゾエート、ジェチルダリコー ルビス—(3, 5 ジ— t ブチル—4 ヒドロキシ—フエ-ル)プロピオネート、 2— (n ーォクタデシルチオ)ェチル 3— (3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プ 口ピオネート、ステアルアミド N, N ビス一 [エチレン 3— (3, 5—ジ一 t—ブチル 4 —ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、 n—ブチルイミノ N, N ビス一 [エチレン 3— (3, 5 ジ— t—ブチル—4 ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、 2— (2—ステア口 ィルォキシェチルチオ)ェチル 3, 5 ジー tーブチルー 4ーヒドロキシベンゾエート、 2 一(2—ステアロイルォキシェチルチオ)ェチル 7—(3—メチルー 5—t—ブチルー 4 —ヒドロキシフエ-ル)ヘプタノエート、 1, 2 プロピレングリコールビス一 [3— (3, 5 ージー t ブチル 4 ヒドロキシフエニル)プロピオネート]、エチレングリコールビス
[3— (3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、ネオペン チルダリコールビス [3— (3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオ ネート]、エチレングリコールビス— (3, 5—ジ— t—ブチル—4—ヒドロキシフエ-ルァ セテート)、グリセリン一 1—n—ォクタデカノエートー 2, 3 ビス一(3, 5 ジ一 t—ブ チル一 4—ヒドロキシフエ-ルアセテート)、ペンタエリトリトールーテトラキス一 [3— (3 ' , 5' —ジ一 t—ブチルー^ —ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、 1, 1, 1—トリ メチロールエタン―トリス— [3— (3, 5—ジ— t—ブチル—4—ヒドロキシフエ-ル)プ
口ピオネート]、ソルビトールへキサ— [3— (3, 5—ジ— t—ブチル—4—ヒドロキシフ ェ -ル)プロピオネート]、 2 ヒドロキシェチル 7— (3—メチル—5— t—ブチル—4— ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート、 2—ステアロイルォキシェチル 7—(3—メチルー 5—t ブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)ヘプタノエート、 1, 6—n—へキサンジォー ルービス [ (3' , 5' —ジ— t ブチル—4—ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、ぺ ンタエリトリトールーテトラキス(3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシヒドロシンナメー ト)が含まれる。上記タイプのヒンダードフエノール化合物は、例えば、 Ciba Special ty Chemicalsから、 "Irganoxl076"及び" IrganoxlOlO"という商品名で巿販さ れている。
[0109] リン系酸化防止剤の具体例としては、トリフエ-ルホスフアイト、ジフエ-ルイソデシ ルホスフアイト、フエ-ルジイソデシルホスフアイト、トリス(ノ -ルフエ-ル)ホスファイト、 トリス(ジノユルフェ-ル)ホスファイト、トリス(2, 4 ジ一 t—ブチルフエ-ル)ホスファ イト、 10— (3, 5 ジ一 t—ブチル 4 ヒドロキシベンジル) 9, 10 ジヒドロ一 9— ォキサ 10 ホスファフェナントレン 10 オキサイド、 6—[3—(3—t—ブチルー 4 ヒドロキシ一 5—メチルフエ-ル)プロポキシ ]—2, 4, 8, 10—テトラ一 t—ブチル ジベンズ [d, f] [l. 3. 2]ジォキサホスフエピンなどのモノホスファイト系化合物; 4, 4 ' -ブチリデン ビス(3—メチル— 6— t ブチルフエ-ル—ジ—トリデシルホスファ イト)、 4, 4' —イソプロピリデン—ビス(フエ-ル―ジ—アルキル(C12〜C15)ホスフ アイト)などのジホスファイト系化合物などが挙げられる。また、テトラキス(2, 4 ジ t —ブチル一フエ-ル) 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 4 ジ一 t ブチル 5—メチルフエ-ル)一 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイトなどのホスホ ナイト系化合物が挙げられる。上記タイプのリン系化合物は、例えば、住友化学工業 株式会社から、 "SumilizerGP"、旭電化工業株式会社から、 "ADK STAB PEP — 24G"及び,, ADK STAB PEP— 36"、 Ciba Specialty Chemicalsから、" Ir gafosP— EPQ"、堺ィ匕学工業株式会社から、 "GSY—P101"という商品名で巿販さ れている。
[0110] 耐熱加工安定剤の具体例としては、 2—tert—ブチルー 6—(3—tert—ブチルー 2 ヒドロキシ一 5—メチルベンジル) 4—メチルフエ-ルアタリレート、 2— [1— (2
ーヒドロキシー 3、 5—ジー tert ペンチルフエ-ル)ェチル ]—4, 6—ジー tert—ぺ ンチルフエ-ルアタリレート等のアタリレート系化合物、 3—[4一(2 ァセトキシェトキ シ)フエ-ル ]—5, 7 ジ第三ブチルベンゾフラン 2 オン、 5, 7 ジ第三ブチル —3— [4— (2—ステアロイルォキシエトキシ)フエ-ル]ベンゾフラン一 2—オン、 3, 3 , 一ビス [5, 7 ジ第三ブチルー 3—(4 [2 ヒドロキシエトキシ]フエ-ル)ベンゾフ ラン一 2—オン]、 5, 7 ジ第三ブチル 3— (4—メトキシフエ-ル)ベンゾフラン一 2 オン、 5, 7 ジ第三ブチルー 3 フエニルベンゾフラン 2 オン、 5, 7 ジ第三 ブチル 4—メチル 3—フエ-ルペンゾフラン一 2—オン、 3— (4 ァセトキシ一 3, 5 ジメチルフエ-ル)ー 5, 7 ジ第三ブチルベンゾフラン 2 オン、 3—(3, 5— ジメチルー 4ーピバロィルォキシフエニル)—5, 7 ジ第三ブチルベンゾフラン 2— オン、 3—(3, 4 ジメチルフエ-ル)ー 5, 7 ジ第三ブチルベンゾフラン 2 オン 、 3- (2, 3 ジメチルフエ-ル)ー 5, 7 ジ第三ブチル -ベンゾフラン- 2-オン等の ベンゾフラノン系化合物などが挙げられる。上記タイプの耐熱加工安定剤は、例えば 、住友化学工業株式会社から、 "SumilizerGM"及び" SumilizerGS"という商品名 で市販されている。
[0111] 酸化防止剤は 0. 1〜: L0質量%添加することが好ましぐさらに 0. 2〜5質量%添加 することが好ましぐさらに 0. 5〜2質量%添加することが好ましい。これらは 2種以上 を併用してもよい。
[0112] (酸捕捉剤)
セルロースエステルは溶融製膜が行われるような高温環境下では酸によっても分解 が促進されるため、本発明の光学フィルムにおいては安定化剤として酸捕捉剤を含 有することが好ましい。本発明において有用な酸捕捉剤としては、酸と反応して酸を 不活性ィ匕する化合物であれば制限なく用いることができるが、中でも米国特許第 4, 137, 201号明細書に記載されているような、エポキシ基を有する化合物が好ましい 。このような酸捕捉剤としてのエポキシィ匕合物は当該技術分野において既知であり、 種々のポリグリコールのジグリシジルエーテル、特にポリグリコール 1モル当たりに約 8 〜40モルのエチレンォキシド等の縮合によって誘導されるポリグリコール、グリセロー ルのジグリシジルエーテル等、金属エポキシィ匕合物(例えば、塩ィ匕ビ二ルポリマー組
成物において、及び塩ィ匕ビュルポリマー組成物と共に、従来から利用されているもの
)、エポキシ化エーテル縮合生成物、ビスフエノール Aのジグリシジルエーテル(即ち 、 4, 4' ージヒドロキシジフエ-ルジメチルメタン)、エポキシ化不飽和脂肪酸エステ ル(特に、 2〜22この炭素原子の脂肪酸の 4〜2個程度の炭素原子のアルキルのェ ステル (例えば、ブチルエポキシステアレート)等)、及び種々のエポキシィ匕長鎖脂肪 酸トリグリセリド等 (例えば、エポキシィ匕大豆油、エポキシィ匕亜麻仁油等)の組成物に よって代表され例示され得るエポキシ化植物油及び他の不飽和天然油(これらはとき としてエポキシィ匕天然グリセリドまたは不飽和脂肪酸と称され、これらの脂肪酸は一 般に 12〜22個の炭素原子を含有している)が含まれる。また、市販のエポキシ基含 有エポキシド榭脂化合物として、 EPON 815C、及び下記一般式(5)の他のェポキ シ化エーテルオリゴマー縮合生成物も好ましく用いることができる。
[0113] [化 15]
[0114] 式中、 nは 0〜12の整数である。用いることができるその他の酸捕捉剤としては、特 開平 5— 194788号公報の段落 87〜105に記載されているものが含まれる。
[0115] 酸捕捉剤は 0. 1〜10質量%添加することが好ましぐさらに 0. 2〜5質量%添加す ることが好ましぐさらに 0. 5〜2質量%添加することが好ましい。これらは 2種以上を 併用してちょい。
[0116] なお酸捕捉剤は、酸掃去剤、酸捕獲剤、酸キャッチャー等と称されることもあるが、 本発明にお ヽてはこれらの呼称による差異なく用いることができる。
[0117] (光安定剤)
上記の酸化防止剤、酸捕捉剤、紫外線吸収剤以外に、熱及び光によってセルロー スエステルが分解されることを抑制しうる光安定剤として、ヒンダードアミンィ匕合物が挙
げられ、必要に応じてセルロースエステルフィルム中に添カ卩してもょ 、。
[0118] 本発明に用いられるヒンダードアミンィ匕合物 (HALS)としては、例えば、米国特許 第 4, 619, 956号明細書の第 5〜: L 1欄及び米国特許第 4, 839, 405号明細書の 第 3〜5欄に記載されているように、 2, 2, 6, 6—テトラアルキルピぺリジンィ匕合物、ま たはそれらの酸付加塩もしくはそれらと金属化合物との錯体が含まれる。このような化 合物には、下記一般式 (6)で表される化合物が含まれる。
[0119] [化 16]
[0120] 式中、 R 及び R は、 Hまたは置換基である。ヒンダードアミンィ匕合物の具体例には
31 32
、4 ヒドロキシ一 2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジン、 1—ァリル一 4 ヒドロキシ一 2 , 2, 6, 6—テトラメチルピペリジン、 1—ベンジル一 4 ヒドロキシ一 2,
2, 6, 6—テトラメチルピペリジン、 1ー(4 1;ーブチルー2—ブテ-ル)ー4ーヒドロキ シー 2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジン、 4ーステアロイルォキシー 2, 2, 6, 6—テト ラメチルピペリジン、 1ーェチルー 4 サリチロイルォキシー 2, 2, 6, 6—テトラメチル ピぺリジン、 4—メタクリロイルォキシ— 1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチルピペリジン、 1, 2 , 2, 6, 6 ペンタメチルピペリジンー4ーィルー j8 (3, 5 ジ tーブチルー 4ーヒド ロキシフエ-ル)一プロピオネート、 1—ベンジル一 2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピ ベリジ-ルマレイネート(maleinate)、(ジー 2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジン 4 ィル) アジペート、(ジ 2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジンー4 ィル) セバケ ート、(ジ—1, 2, 3, 6—テトラメチルー 2, 6 ジェチルーピペリジンー4 ィル)ーセ バケート、(ジー1ーァリル 2, 2, 6, 6—テトラメチルーピペリジンー4 ィル) フタ レート、 1 ァセチルー 2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジン 4ーィルーアセテート、 トリメリト酸一トリ一(2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジン一 4—ィル)エステル、 1—ァク リロイルー 4 ベンジルォキシー 2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジン、ジブチルーマ
ロン酸ージ一(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチルーピペリジンー4 ィル) エステル、ジ ベンジルーマロン酸ージ一(1, 2, 3, 6—テトラメチルー 2, 6 ジェチルーピベリジ ンー4 ィル) エステル、ジメチルービス 2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジン 4 ーォキシ)ーシラン,トリスー(1 プロピル 2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジンー4 —ィル)一ホスフィット、トリス一(1—プロピル一 2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジン一 4—ィル)一ホスフェート, N, N' —ビス一(2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジン一 4 —ィル) キサメチレン—; L, 6 ジァミン、 N, N' —ビス一 (2, 2, 6, 6—テトラメ チルピペリジン— 4—ィル) キサメチレン— 1, 6 ジァセトアミド、 1—ァセチル— 4— (N シクロへキシルァセトアミド)一 2, 2, 6, 6—テトラメチルーピペリジン、 4— ベンジルァミノ一 2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジン、 N, N' —ビス一(2, 2, 6, 6 —テトラメチルピペリジン— 4—ィル)—N, N' —ジブチル—アジパミド、 N, N' - ビス—(2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジン— 4—ィル)—N, N' —ジシクロへキシ ル一(2 ヒドロキシプロピレン)、 N, N' —ビス一 (2, 2, 6, 6—テトラメチルピベリジ ン一 4—ィル) p キシリレン一ジァミン、 4— (ビス一 2 ヒドロキシェチル)一ァミノ - 1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチルピペリジン、 4—メタクリルアミド— 1, 2, 2, 6, 6 ぺ ンタメチルピペリジン、 (X—シァノ一 13—メチル一 13 - [N— (2, 2, 6, 6—テトラメチ ルビペリジンー4ーィル)] アミノーアクリル酸メチルエステル。好ましいヒンダードァ ミン化合物の例には、以下の HALS— 1及び HALS— 2が含まれるがこれのみに限 定されない。
[化 17]
HALS -2
[0122] 上記化合物は、少なくとも 1種以上含有させることが好ましぐセルロースエステル榭 脂の質量に対して、含有量は 0. 01〜5質量%が好ましぐより好ましくは 0. 1〜3質 量%であり、さらに好ましくは 0. 2〜2質量%である。
[0123] 上記化合物の含有量が上記範囲よりも少ないと、セルロースエステル榭脂の熱分 解が生じやすぐまた上記添加量の範囲よりも多いと榭脂への相溶性の観点力 偏 光板保護フィルムとしての透明性の低下を引き起こし、またフィルムが脆くなるために 好ましくない。
[0124] (紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤は、偏光子や表示装置の紫外線に対する劣化防止の観点から、波 長 370nm以下の紫外線の吸収能に優れており、かつ液晶表示性の観点から、波長 400nm以上の可視光の吸収が少な 、ものが好ま 、。本発明に用いられる紫外線 吸収剤としては、例えば、ォキシベンゾフエノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合 物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフエノン系化合物、シァノアクリレート系化 合物、ニッケル錯塩系化合物、トリアジン系化合物等を挙げることができる力 ベンゾ フエノン系化合物や着色の少な 、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物 が好ましい。また、特開平 10— 182621号、同 8— 337574号公報記載の紫外線吸 収剤、特開平 6— 148430号、特開 2003— 1 13317号公報記載の高分子紫外線吸 収剤を用いてもよい。
[0125] ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例として、 2— (2' —ヒドロキシ一 5' - メチルフエ-ル)ベンゾトリアゾール、 2— (2' —ヒドロキシ— 3' , 5' —ジ— tert— ブチルフエ-ル)ベンゾトリアゾール、 2—(2' —ヒドロキシ—3' —tert—ブチルー 5 ' —メチルフエ-ル)ベンゾトリアゾール、 2— (2' —ヒドロキシ— 3' , 5' —ジ— ter t ブチルフエ-ル)ー5 クロ口べンゾトリアゾール、 2—(2' —ヒドロキシ 3' —( 3" , " , 5グ , Q" —テトラヒドロフタルイミドメチル) 5, —メチルフエニル)ベンゾ トリァゾール、 2, 2—メチレンビス(4— ( 1 , 1 , 3, 3—テトラメチルブチル) 6— (2H —ベンゾトリアゾール 2—ィル)フエノール)、 2— (2' —ヒドロキシ一 3' —tert— ブチル 5' —メチルフエニル) 5 クロ口べンゾトリァゾール、 2— (2H ベンゾトリ ァゾールー 2 ィル)ー6 (直鎖及び側鎖ドデシル)ー4 メチルフエノール、ォクチ
ルー 3—〔3—tert—ブチルー
4 ヒドロキシ一 5— (クロ口一 2H ベンゾトリアゾール 2—ィル)フエ-ル〕プロピオ ネートと 2 ェチルへキシル 3—〔3— tert—ブチル 4 ヒドロキシ一 5— (5 クロ 口— 2H—ベンゾトリアゾール—2—ィル)フエ-ル〕プロピオネートの混合物、 2— (2 ' —ヒドロキシ一 3' — (1—メチル 1—フエ-ルェチル)一 5' —(1, 1, 3, 3, — テトラメチルブチル)—フエ-ル)ベンゾトリアゾール、 2— (2' —ヒドロキシ— 3' , 5 ' —ジ—(1—メチル— 1—フエ-ルェチル)—フエ-ル)ベンゾトリアゾール等を挙げ ることができるが、これらに限定されない。
[0126] また、市販品として、チヌビン (TINUVIN) 171、チヌビン (TINUVIN) 234、チヌ ビン(TINUVIN) 360 (V、ずれもチバ—スペシャルティ―ケミカルズ社製)、 LA31 ( 旭電化社製)が挙げられる。
[0127] ベンゾフエノン系化合物の具体例として、 2, 4 ジヒドロキシベンゾフエノン、 2, 2' —ジヒドロキシ一 4—メトキシベンゾフエノン、 2 ヒドロキシ一 4—メトキシ一 5—スルホ ベンゾフエノン、ビス(2 メトキシ 4 ヒドロキシ 5 ベンゾィルフエ-ルメタン)等 を挙げることができる力 S、これらに限定されるものではない。
[0128] 本発明においては、紫外線吸収剤は 0. 1〜5質量%添加することが好ましぐさら に 0. 2〜3質量%添加することが好ましぐさらに 0. 5〜2質量%添加することが好ま しい。これらは 2種以上を併用してもよい。
[0129] またこれらのベンゾトリアゾール構造やベンゾフヱノン構造力 ポリマーの一部、或 いは規則的にポリマーへペンダントされていてもよぐ可塑剤、酸化防止剤、酸掃去 剤等の他の添加剤の分子構造の一部に導入されて 、てもよ 、。
[0130] (マット剤)
本発明の光学フィルムは、滑り性を付与するためにマット剤等の微粒子を添加する ことができ、微粒子としては、無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒子が挙 げられる。マット剤はできるだけ微粒子のものが好ましぐ微粒子としては、例えば、二 酸化ケィ素、二酸化チタン、酸ィ匕アルミニウム、酸ィ匕ジルコニウム、炭酸カルシウム、 カオリン、タルク、焼成ケィ酸カルシウム、水和ケィ酸カルシウム、ケィ酸アルミニウム 、ケィ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子微粒子を挙
げることができる。中でも、二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを低くできるので好ましい 。ニ酸ィ匕ケィ素のような微粒子は有機物により表面処理されている場合が多いが、こ のようなものはフィルムのヘイズを低下できるため好ましい。
[0131] 表面処理で好ま 、有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、 シロキサン等が挙げられる。微粒子の平均粒径が大きい方が滑り性効果は大きぐ反 対に平均粒径の小さい方は透明性に優れる。また、微粒子の二次粒子の平均粒径 は 0. 05〜: L 0 mの範囲である。好ましい微粒子の二次粒子の平均粒径は 5〜50 nmが好ましぐさらに好ましくは、 7〜14nmである。これらの微粒子はセルロースェ ステルフィルム中では、セルロースエステルフィルム表面に 0. 01〜1. O /z mの凹凸 を生成させるために好ましく用いられる。微粒子のセルロースエステル中の含有量は セルロースエステルに対して 0. 005〜0. 3質量0 /0が好ましい。
[0132] 二酸化ケイ素の微粒子としては、 日本ァエロジル (株)製のァエロジル (AEROSIL ) 200、 200V、 300、 R972、 R972V、 R974、 R202、 R812、 0X50、 TT600等を 挙げ、ること力 Sでき、好ましくはァエロジノレ 200V、 R972、 R972V, R974、 R202、 R8 12である。これらの微粒子は 2種以上併用してもよい。 2種以上併用する場合、任意 の割合で混合して使用することができる。この場合、平均粒径や材質の異なる微粒 子、例えば、ァェロジル 200Vと R972Vを質量比で 0. 1 : 99. 9〜99. 9 : 0. 1の範 囲で使用できる。
[0133] (リタ一デーシヨン制御剤)
上記マット剤として用いられるフィルム中の微粒子の存在は、別の目的としてフィル ムの強度向上のために用いることもできる。また、微粒子が複屈折性を有する場合、 例えば国際公開番号 01Z025264号パンフレットゃ特開 2004— 35347号公報記 載の微粒子及びリタ一デーシヨンの発現方法を活用して、延伸工程により光学フィル ム中で微粒子が配向することによって、セルロースエステルと該微粒子との各々由来 のリタ一デーシヨン値を複合することができ、液晶表示装置の表示品質向上のために 用いてもよい。また、フィルム中の上記微粒子の存在は、本発明の光学フィルムを構 成するセルロースエステル自身の配向性が向上できる場合に適用することもできる。
[0134] また、本発明の光学フィルムにおいて配向膜を形成して液晶層を設け、光学フィル
ムと液晶層由来のリタ一デーシヨンを複合ィ匕して光学補償能を付与して液晶表示品 質の向上のために偏光板加工を行!、用いてもよ!、。リタ一デーシヨンを調節するため に添加する化合物は、欧州特許 911, 656A2号明細書に記載されているような、二 つ以上の芳香族環を有する芳香族化合物をリタ一デーシヨン制御剤として使用する こともできる。また二種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。該芳香族化合物の 芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性へテロ環を含む。芳香族性 ヘテロ環であることが特に好ましぐ芳香族性へテロ環は一般に、不飽和へテロ環で ある。中でも 1, 3, 5—トリァジン環が特に好ましい。
[0135] (高分子材料)
本発明の光学フィルムはセルロースエステル以外の高分子材料やオリゴマーを適 宜選択して混合してもよ ヽ。前述の高分子材料やオリゴマーはセルロースエステルと 相溶性に優れるものが好ましぐフィルムにしたときの透過率が 80%以上、さらに好ま しくは 90%以上、さらに好ましくは 92%以上であることが好ましい。セルロースエステ ル以外の高分子材料やオリゴマーの少なくとも 1種以上を混合する目的は、加熱溶 融時の粘度制御やフィルム加工後のフィルム物性を向上するために行う意味を含ん でいる。この場合は、上述のその他添加剤として含むことができる。
[0136] (乾燥)
前記セルロースエステル、添加剤、高分子材料及び回収セルロースエステルは、加 熱溶融前または加熱溶融時に乾燥されることが望ましい。ここで乾燥とは、溶融材料 の!ヽずれかが吸湿した水分に加え、セルロースエステルと添加剤の混合物の調製時 に用いた水または溶媒、添加剤の合成時に混入して 、る溶媒の 、ずれかの除去を 指す。
[0137] この除去は、公知の乾燥方法が適用でき、加熱法、減圧法、加熱減圧法等の方法 で行うことができ、空気中または不活性ガスとして窒素を選択した雰囲気下で行って もよい。これらの公知の乾燥方法を行うとき、材料が分解しない温度領域で行うことが フィルムの品質上好まし 、。
[0138] 例えば、前記乾燥工程で除去した後の残存する水分または溶媒は、各々組成物の 全体の質量に対して 10質量%以下、好ましくは 5質量%以下、より好ましくは 1質量
%以下、さらに好ましくは 0. 1質量%以下にすることである。このときの乾燥温度は、 100°C以上乾燥する材料の Tg以下であることが好まし 、。材料同士の融着を回避す る観点を含めると、乾燥温度はより好ましくは 100°C以上 (Tg— 5) °C以下、さらに好 ましくは 110°C以上 (Tg— 20) °C以下である。好ましい乾燥時間は 0. 5〜24時間、 より好ましくは 1〜18時間、さらに好ましくは 1. 5〜12時間である。これらの範囲よりも 低いと乾燥度が低いか、または乾燥時間が力かり過ぎることがある。また乾燥する材 料に Tgが存在するときには、 Tgよりも高い乾燥温度に加熱すると、材料が融着して 取り扱いが困難になることがある。
[0139] 乾燥工程は 2段階以上に分離してもよぐ例えば予備乾燥工程による材料の保管と 、溶融製膜する直前〜 1週間前の間に行う直前乾燥工程を介して溶融製膜してもよ い。
[0140] (製膜)
本発明の光学フィルムは、例えば米国特許第 2, 492, 978号、同第 2, 739, 070 号、同第 2, 739, 069号、同第 2, 492, 977号、同第 2, 336, 310号、同第 2, 367 , 603号、同第 2, 607, 704号、英国特許第 64, 071号、同第 735, 892号、特公 昭 45— 9074号、同 49— 4554号、同 49— 5614号、同 60— 27562号、同 61— 39 890号、同 62— 4208号に記載の方法を参照して製膜できる。
[0141] 例えば、セルロースエステル、添加剤の混合物を、熱風乾燥または真空乾燥した後 、溶媒を添加混合した後、溶融押出し、 T型ダイよりフィルム状に押出して、静電印加 法等により冷却ドラムに密着させ、冷却固化させ、未延伸フィルムを得る。冷却ドラム の温度は 90〜150°Cに維持することが好ましい。
[0142] 溶融押出しは、一軸押出し機、二軸押出し機、さらには二軸押出し機の下流に一 軸押出し機を連結して用いてもよい。さらに、原料タンク、原料の投入部、押出し機内 といった原料の供給、溶融工程を、窒素ガス等の不活性ガスで置換、あるいは減圧 することが好ましい。
[0143] セルロースを含む原料を溶融後、異物除去のためにフィルターを通した後、ダイより 押出することが好ましい。
[0144] 添加した水素結合性溶媒の除去方法として、溶融工程、例えば前述のフィルター
の前部、または後部にベント口を設け、添加した溶媒を除去することができ、この時 ベント口の前工程にギアポンプ等の送液装置を設置してもよい。また、ダイよりフィノレ ム状に押し出した後、フィルムを赤外線ヒーター等で加熱し、溶媒を乾燥除去する方 法、フィルムを水に浸漬し溶媒を除去する方法が挙げられる。
[0145] 本発明の光学フィルムを偏光板保護フィルムとして偏光板を作製した場合、該セル ロースエステルフィルムは、幅手方向もしくは製膜方向に延伸製膜されたフィルムで あることが特に好ましい。
[0146] 前述の冷却ドラム力 剥離され、得られた未延伸フィルムを複数のロール群及び Z または赤外線ヒーター等の加熱装置を介してセルロースエステルのガラス転移温度( Tg)〜Tg+ 100°Cの範囲内に加熱し、一段または多段縦延伸することが好ましい。 次に、上記のようにして得られた縦方向に延伸されたセルロースエステルフィルムを、 Tg〜Tg— 20°Cの温度範囲内で横延伸し、次 、で熱固定することが好ま 、。
[0147] 横延伸する場合、 2つ以上に分割された延伸領域で温度差を 1〜50°Cの範囲で順 次昇温しながら横延伸すると、巾方向の物性の分布が低減でき好ましい。さらに横延 伸後、フィルムをその最終横延伸温度〜 Tg— 40°Cの範囲に 0. 01〜5分間保持す ると巾方向の物性の分布がさらに低減でき好まし 、。
[0148] 熱固定は、その最終横延伸温度より高温で、 Tg— 20°C以下の温度範囲内で通常 0. 5〜300秒間熱固定する。この際、 2つ以上に分割された領域で温度差を 1〜: LO o°cの範囲で順次昇温しながら熱固定することが好ましい。
[0149] 熱固定されたフィルムは通常 Tg以下まで冷却され、フィルム両端のクリップ把持部 分をカットし巻き取られる。この際、最終熱固定温度以下、 Tg以上の温度範囲内で、 横方向及び Zまたは縦方向に 0. 1〜10%弛緩処理することが好ましい。また冷却は 、最終熱固定温度から Tgまでを、毎秒 100°C以下の冷却速度で徐冷することが好ま しい。冷却、弛緩処理する手段は特に限定はなぐ従来公知の手段で行えるが、特 に複数の温度領域で順次冷却しながらこれらの処理を行うことがフィルムの寸法安定 性向上の点で好ましい。なお、冷却速度は、最終熱固定温度を Tl、フィルムが最終 熱固定温度から Tgに達するまでの時間を tとしたとき、 (Ti— Tg) Ztで求めた値であ る。
[0150] これら熱固定条件、冷却、弛緩処理条件のより最適な条件は、フィルムを構成する セルロースエステルにより異なるので、得られた二軸延伸フィルムの物性を測定し、 好ま 、特性を有するように適宜調整することにより決定すればょ ヽ。
[0151] (機能性層)
本発明の光学フィルム製造に際し、延伸の前及び Zまたは後で、帯電防止層、ハ ードコート層、易滑性層、易接着層、防眩層、バリアー層、光学補償層等の機能性層 を塗設してもよい。この際、コロナ放電処理、プラズマ処理、薬液処理等の各種表面 処理を必要に応じて施すことができる。
[0152] 前述の可塑剤、紫外線吸収剤、マット剤等の添加物濃度が異なるセルロース榭脂 を含む組成物を共押出して、積層構造のセルロースエステルフィルムを作製すること もできる。例えば、スキン層 Zコア層 Zスキン層といった構成のセルロースエステルフ イルムを作ることができる。例えば、マット剤は、スキン層に多ぐまたはスキン層のみ に入れることができる。可塑剤、紫外線吸収剤はスキン層よりもコア層に多く入れるこ とができ、コア層のみに入れてもよい。また、コア層とスキン層で可塑剤、紫外線吸収 剤の種類を変更することもでき、例えば、スキン層に低揮発性の可塑剤及び Zまたは 紫外線吸収剤を含ませ、コア層に可塑性に優れた可塑剤、または紫外線吸収性に 優れた紫外線吸収剤を添加することもできる。スキン層とコア層の Tgが異なっていて もよぐスキン層の Tgよりコア層の Tgが低いことが好ましい。また、溶融流延時のセル ロースエステルを含む溶融物の粘度もスキン層とコア層で異なっていてもよぐスキン 層の粘度 >コア層の粘度でも、コア層の粘度≥スキン層の粘度でもよい。
[0153] 本発明の光学フィルムは偏光板保護フィルム用として用いることができる。偏光板 保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方 法で作製することができる。得られた光学フィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコ ールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全鹼ィ匕ポリビ -ルアルコール水溶液を用いて、偏光子の両面に偏光板保護フィルムを貼り合わせ る方法があり、少なくとの片面に本発明の偏光板保護フィルムである光学フィルムが 偏光子に直接貼合できる観点で好ま U、。
[0154] また、上記アルカリ処理の代わりに特開平 6— 94915号、同 6— 118232号に記載
されて 、るような易接着加工を施して偏光板加工を行ってもょ 、。
[0155] 偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、さらに該 偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構 成することができる。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製 品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィ ルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面 の反対面側に用いられる。また、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層を力 バーする目的で用いられ、偏光板を液晶セルへ貼合する面側に用いられる。
[0156] (組成物)
溶融流延法による本発明の光学フィルムにおいて、組成物とは、フィルムを構成す るセルロースエステル、可塑剤、酸化防止剤が挙げられ、必要に応じて紫外線吸収 剤、滑り剤としてマット剤やフィルムの強度や光学的の制御のために上記微粒子を添 カロしてもよぐまた上述のリタ一デーシヨン制御剤を添加してもよい。
[0157] 組成物中の添加剤の存在は、該セルロースエステル、可塑剤、酸化防止剤、その 他必要に応じて添加する紫外線吸収剤やマット剤、リタ一デーシヨン制御剤等、フィ ルムを構成する材料の少なくとも 1種以上に対して、変質や分解による揮発成分の発 生を抑制または防止する観点で優れて 、る。
[0158] (延伸操作、屈折率制御)
本発明の光学フィルムは、延伸操作により屈折率制御を行うことができる。延伸操 作としては、セルロースエステルの 1方向に 1. 0〜2. 0倍及びフィルム面内にそれと 直交する方向に 1. 01〜2. 5倍延伸することで好ましい範囲の屈折率に制御するこ とがでさる。
[0159] 例えばフィルムの長手方向及びそれとフィルム面内で直交する方向、即ち幅手方 向に対して、逐次または同時に延伸することができる。このとき少なくとも 1方向に対し ての延伸倍率が小さ過ぎると十分な位相差が得られず、大き過ぎると延伸が困難とな り破断が発生してしまう場合がある。
[0160] 例えば溶融して流延した方向に延伸した場合、幅方向の収縮が大き過ぎると、フィ ルムの厚み方向の屈折率が大きくなり過ぎてしまう。この場合、フィルムの幅収縮を抑
制または、幅方向にも延伸することで改善できる。幅方向に延伸する場合、幅手で屈 折率に分布が生じる場合がある。これは、テンター法を用いた場合にみられることが あるが、幅方向に延伸したことで、フィルム中央部に収縮力が発生し、端部は固定さ れていることにより生じる現象で、所謂ボーイング現象と呼ばれるものと考えられる。こ の場合でも、流延方向に延伸することで、ボーイング現象を抑制でき、幅手の位相差 の分布を少なく改善できるのである。
[0161] さらに、互いに直行する 2軸方向に延伸することにより、得られるフィルムの膜厚変 動が減少できる。光学フィルムの膜厚変動が大き過ぎると位相差のムラとなり、液晶 ディスプレーに用いたとき着色等のムラが問題となることがある。
[0162] セルロースエステルフィルム支持体の膜厚変動は、 ± 3%、さらに ± 1%の範囲とす ることが好ましい。以上のような目的において、互いに直交する 2軸方向に延伸する 方法は有効であり、互いに直交する 2軸方向の延伸倍率は、それぞれ最終的には流 延方向に 1. 0〜2. 0倍、幅方向に 1. 01-2. 5倍の範囲とすることが好ましぐ流延 方向に 1. 01〜: L 5倍、幅方向に 1. 05〜2. 0倍に範囲で行うこと力好まし!/ヽ。
[0163] 応力に対して、正の複屈折を得るセルロースエステルを用いる場合、幅方向に延伸 することで、光学フィルムの遅相軸が幅方向に付与することができる。この場合、本発 明において、表示品質の向上のためには、光学フィルムの遅相軸が、幅方向にある 方が好ましぐ
(幅方向の延伸倍率) > (流延方向の延伸倍率)を満たすことが必要である。
[0164] ウェブを延伸する方法には特に限定はない。例えば、複数のロールに周速差をつ け、その間でロール周速差を利用して縦方向に延伸する方法、ウェブの両端をクリツ プゃピンで固定し、クリップやピンの間隔を進行方向に広げて縦方向に延伸する方 法、同様に横方向に広げて横方向に延伸する方法、または縦横同時に広げて縦横 両方向に延伸する方法等が挙げられる。もちろんこれ等の方法は、組み合わせて用 いてもよい。また、所謂テンター法の場合、リニアドライブ方式でクリップ部分を駆動 すると滑らかな延伸を行うことができ、破断等の危険性が減少できるので好ましい。
[0165] 製膜工程のこれらの幅保持または横方向の延伸はテンターによって行うことが好ま しぐピンテンターでもクリップテンターでもよい。
[0166] 本発明の光学フィルムを偏光板保護フィルムとした場合、該保護フィルムの厚さは 1 0〜500 m力好ましい。特に 20 m以上、さらには 35 m以上が好ましい。また、 150 /z m以下、さらには 120 /z m以下が好ましい。特に好ましくは 25〜90 mが好 ましい。上記領域よりも光学フィルムが厚いと偏光板加工後の偏光板が厚くなり過ぎ 、ノート型パソコンやモノィル型電子機器に用いる液晶表示においては、特に薄型 軽量の目的には適さない。一方、上記領域よりも薄いと、リタ一デーシヨンの発現が困 難となること、フィルムの透湿性が高くなり偏光子に対して湿度力 保護する能力が 低下してしまうために好ましくな!/、。
[0167] 本発明の光学フィルムの遅相軸または進相軸がフィルム面内に存在し、製膜方向 とのなす角を 0 1とすると 0 1はー1〜+ 1° であることが好ましぐ -0. 5〜+ 0. 5° であることがより好ましい。この Θ 1は配向角として定義でき、 Θ 1の測定は、自動複屈 折計 KOBRA— 21ADH (王子計測機器)を用いて行うことができる。
[0168] θ 1が各々上記関係を満たすことは、表示画像において高い輝度を得ること、光漏 れを抑制または防止することに寄与でき、カラー液晶表示装置においては忠実な色 再現を得ることに寄与できる。
[0169] (液晶表示装置)
液晶表示装置には通常 2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、 本発明の光学フィルムを適用した偏光板保護フィルムはどの部位に配置しても優れ た表示性が得られる。特に液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フィルムに はクリアハードコート層、防眩層、反射防止層等が設けられるため、該偏光板保護フ イルムをこの部分に用いることが特に好ま 、。
実施例
[0170] 以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されな い。
[0171] 実施例
〔光学フィルムの作製〕
(使用材料)
以下の材料を用いた。
[0172] 〈セルロースエステル〉
C—l :セルロースアセテートプロピオネート ァセチル置換度 1. 9、プロピオ-ル基 置換度 0. 7、重量平均分子量 195000
C— 2 :セルロースアセテートプロピオネート ァセチル置換度 1. 7、プロピオ-ル基 置換度 0. 9、重量平均分子量 189000
C— 3 :セルロースアセテートプロピオネート ァセチル置換度 1. 5、プロピオ-ル基 置換度 1. 0、重量平均分子量 192000
C—4 :セルロースアセテートプロピオネート ァセチル置換度 1. 3、プロピオ-ル 基置換度 1. 3、重量平均分子量 201000
なお、重量平均分子量の測定は GPC HLC— 8220 (東ソ一社製)で行った。
[0173] 〈可塑剤〉
TMPTB:トリメチロールプロパントリべンゾエート
ATBC:タエン酸ァセチルトリブチル(ァセチルタエン酸トリブチル)
PETB:ペンタエリスリトーノレテトラべンゾエート
及び表 1記載の化合物
〈安定剤〉
A— 1 :IRGANOX— 1010 (チバスペシャルティケミカルズ社製)
A— 2: Tinuvinl44 (チバスペシャルティケミカルズ社製)
A- 3 :スミライザ一 GP (住友化学工業社製)
〈紫外線吸収剤〉
LA— 31 (旭電化社製)
〈マット剤〉
ァエロジル R972V (日本ァエロジル社製)
(光学フィルム 1の作製)
セルロースエステル C 1 100質量部、可塑剤 TMPTB 10質量部、紫外線吸収 剤 LA— 31 1質量部、マット剤ァエロジル R972V 0. 3質量部を混合し、 90°Cで 5 時間減圧乾燥した。これを、 2軸溶融押出機を用いて、窒素雰囲気下、溶融温度 24 0°C、スクリュー回転数 200rpmの溶融条件で溶融した。これを膜厚 80 mとなるよう
に Tダイよりドラム上に流延し、剥離、卷取りを行い、光学フィルム 1を得た。
[0174] (光学フィルム 2の作製)
セルロースエステル C 1 100質量部、可塑剤 ΤΜΡΤΒ 10質量部、紫外線吸収 剤 LA—31 1質量部、マット剤ァエロジル R972V 0. 3質量部を混合し、 90°Cで 5 時間減圧乾燥した。これに、水素結合性溶媒として 1 ドデカノール 0. 01質量部を 混合し、 2軸溶融押出機を用いて、窒素雰囲気下、溶融温度 240°C、スクリュー回転 数 200rpmの溶融条件で溶融した。これを膜厚 80 mとなるように Tダイよりドラム上 に流延し、剥離、卷取りを行い、光学フィルム 2を得た。
[0175] (光学フィルム 3〜 19の作製)
光学フィルム 2の作製において、表 1に示す材料を用い、表 1に示す溶融温度にて 他は同様にして光学フィルム 3〜 19を作製した。なお、紫外線吸収剤及びマット剤は 光学フィルム 2と同様とし、光学フィルム 10〜19は表 1記載の安定剤を 2種併用した
[0176] また、表 1記載の除去方法にて、添加した水素結合性溶媒の一部を除去した。
[0177] 除去方法として
1:溶融押出機に設けたベント口より、気化した溶媒を吸引
2 : 1の操作に加えて、ダイより流延したフィルムを赤外線ヒーターで加熱 3 : 1の操作に加えて、ダイより流延したフィルムを水に浸漬した後、赤外線ヒーター で加熱。
[0178] [表 1]
(溶媒含有量の定量)
作製した光学フィルム中の溶媒含有量 (残存溶媒量)の定量は、ヘッドスペースガ
スクロマトグラフィー HP5890及びヘッドスペースサンプラー HP7694 (横川アナリテ ィカルシステム社製)を用いて行った。
[0180] 作製した光学フィルムにつ 、て、以下のようにして、成形性、強度、透湿度及びプリ ードアウトの評価を行った。
[0181] (成形性)
光学フィルムの長手方向、巾手方向の膜厚をそれぞれ 5cm毎に 10点測定し、膜厚 の標準偏差を算出し、下記基準で評価した。
[0182] 膜厚の標準偏差が 0〜1 μ m未満
〇:膜厚の標準偏差が 1〜 m未満
△:膜厚の標準偏差が 2〜5 μ m未満
X:膜厚の標準偏差が 5 m以上
(強度)
機械強度試験機テンシロンを用い、室温下で光学フィルムの製膜方向の破断伸度 を測定し、下記基準で評価した。
[0183] ◎:破断伸度が 30%以上
〇:破断伸度が 20〜30%未満
△:破断伸度が 10〜20%未満
X:破断伸度が 5〜 10%未満
X X:破断伸度が 0〜5%未満
(透湿度)
JIS— Z— 0208に記載の方法に従い、 40°C90%RH下で透湿度を測定し、光学フ イルム 1の透湿度を 100とする相対透湿度を算出し、下記基準で評価した。
[0184] ◎:相対透湿度が 0〜: LOO未満
〇:相対透湿度が 10〜 120%未満
△:相対透湿度が 120〜 140%未満
X:相対透湿度が 140以上
相対透湿度の値が小さ 、ほど好ま U、。
[0185] (ブリードアウト)
光学フィルムを 80°C90%RHの環境下で 2週間放置した後、 23°C55%RHの環境 下で 1日放置した。この光学フィルムに、油性フェルトペンで文字を記入し、文字がに じむものは X、にじまないものは〇とした。
[0186] 測定及び評価の結果を表 2に示す。
[0187] [表 2]
溶媒含有量は、 セルロースエステル 100質量部に対する質量部を表す。
[0188] 表 2より、本発明の光学フィルムは、セルロースエステルの種類によらず溶融粘度を 低減することができ、成形性、強度、透湿度に優れていることが分力る。
[0189] なお、光学フィルム 2の作製において、 1一ドデカノールを水素結合性溶媒のメタノ ール、プロパノール、イソプロパノールに代えて作製した光学フィルムは、成形性、強 度、透湿度及びブリードアウトともに良好であった。
[0190] 〔偏光板の作製〕
厚さ 120 mのポリビュルアルコールフィルムを沃素 1質量部、沃化カリウム 2質量
部、ホウ酸 4質量部を含む水溶液に浸漬し、 50°Cで 4倍に延伸し偏光子を作製した。
[0191] 作製した光学フィルムを、 40°Cの 2. 5molZL水酸化ナトリウム水溶液で 60秒間ァ ルカリ処理し、さらに水洗乾燥して表面をアルカリ処理した。
[0192] 前記偏光子の両面に、光学フィルムのアルカリ処理面を、完全酸化型ポリビニルァ ルコール 5質量%水溶液を接着剤として両面力ゝら貼合し、保護フィルムが形成された 偏光板を作製した。
[0193] 本発明の光学フィルムを用いて作製した本発明の偏光板は、比較例の光学フィル ムを用いて作製した比較の偏光板と比較して光学的、物理的に優れ、良好な偏光度 を有する偏光板であった。
[0194] 〔液晶表示装置としての評価〕
15型 TFT型カラー液晶ディスプレー LA— 1529HM (NEC製)の偏光板を剥がし 、上記で作製した各々の偏光板を液晶セルのサイズに合わせて断裁した。液晶セル を挟むようにして、前記作製した偏光板 2枚を偏光板の偏光軸がもとと変わらないよう に互いに直交するように貼り付け、 15型 TFT型カラー液晶ディスプレーを作製し、セ ルロースエステルフィルムの偏光板としての特性を評価したところ、本発明の偏光板 は、比較の偏光板と比較してコントラストも高ぐ優れた表示性を示した。これにより、 液晶ディスプレー等の画像表示装置用の偏光板として優れて ヽることが確認された。