明 細 書
光学フィルム、及びそれを用いた偏光板及び液晶表示装置
技術分野
[0001] 本発明は溶融流延法により形成されたセルロースエステルを有してなる光学フィル ム、それを用いた偏光板、及び液晶表示装置に関する。
背景技術
[0002] セルロースエステルを有してなる光学フィルム(以下、単にセルロースエステルフィ ルムとも称する。)は、その高い透明性 ·低複屈折性 ·偏光子との易接着性などから、 写真用ネガフィルムの支持体や、液晶表示装置に用いられる偏光子を保護する光学 フィルムとして、偏光板などに多く用いられてきた。また、液晶表示装置に対するその 他の用途として、位相差フィルム、視野角拡大フィルム、プラズマディスプレイに用い られる反射防止フィルム等の各種機能フィルム、更には、有機 ELディスプレイ等で使 用される各種機能フィルム等にも利用することができる。
[0003] 液晶表示装置は、その奥行きの薄さ、軽さから近年大幅に生産量が増大しており、 需要が高くなつている。また液晶表示装置を用いたテレビは、薄く軽いという特徴を 有し、ブラウン管を用いたテレビでは達成されなかったような大型のテレビが生産され るようになっており、それに伴って液晶表示装置を構成する偏光子、偏光板保護フィ ルムの需要が増大してきて!/、る。偏光板保護フィルムとしてはその光学特性の優秀さ から、一般にセルロースエステルフィルムが用いられて!/、る。
[0004] これらのセルロースエステルフィルムは、これまで、専ら溶液流延法によって製造さ れてきた。溶液流延法とは、セルロースエステルを溶媒に溶解した溶液を流延してフ イルム形状を得た後、溶媒を蒸発 ·乾燥させてフィルムを得るとレ、つた製膜方法であ る。溶液流延法で製膜したフィルムは平面性が高いため、これを用いてムラのない高 画質な液晶表示装置を得ることが出来る。
[0005] し力、し溶液流延法は多量の有機溶媒を必要とし、環境負荷が大きいことも課題とな つている。セルロースエステルフィルムは、その溶解特性から、環境負荷の大きいハ ロゲン系溶媒を用いて製膜されているため、特に溶剤使用量の削減が求められてお
り、溶液流延製膜によってセルロースエステルフィルムを増産することは困難となって きている。このため、有機溶媒を使用しない製膜方法、例えば、加熱溶融により製膜 方法が望まれている。
[0006] 一方、液晶表示装置の偏光板に用いられる保護フィルムとして用いられているセル ロースエステノレフイノレムは、従来セノレローストリアセテートフイノレムがよく用いられて!/ヽ る。偏光板は、一般に、ヨウ素や染料を吸着配向させたポリビュルアルコールフィノレ ム等からなる偏光フィルムの表裏両側を、透明な樹脂層で積層した構成を有しており 、セルローストリアセテートフィルムがこの透明な樹脂層として良く使われてきた。しか しながら、溶液流延製膜で一般に用いられてレ、るセル口ースエステルであるセル口一 ストリアセテートを溶融製膜に適用しょうとした場合、セルローストリアセテートは溶融 開始温度が分解開始温度より高!/、セルロースエステルであるため、溶融製膜に用い ることは難しい。
[0007] 近年、セルロースエステルをァセチル基だけでなく特定の割合のプロピオ二ル基ゃ プチリル基で置換することによって、銀塩写真用(例えば、特許文献 1参照。)或いは 偏光板保護フィルム用(例えば、特許文献 2、 3参照。)として、このようなセルロース エステルを溶融製膜する試みが行われてレ、る。プロピオニル基ゃブチリル基の置換 度が高いと溶融時の粘度が小さくなるため、溶融製膜には有利であるが、反面、製膜 後のフィルムとしての機械的強度が劣り、銀塩写真用、偏光板保護フィルム用とも機 能を果たさないといった課題を有していることが判明した。一方、プロピオニル基ゃブ チリル基の置換度が低いと機械的強度は増す力 反面、溶融時の粘度が高くなり、 ダイスから押出し、冷却ドラムまたは冷却ベルト上にキャスティングしてもレべリングし 難ぐ形状ムラ、圧力ムラが生じやすい。その結果、得られるフィルムの物理特性であ る平面性やカール性が劣るといった課題、更には、光学特性であるリタ一デーシヨン の変動が大きレ、とレ、つた課題を有して!/、ることが判明した。
[0008] セルロースエステルを溶融製膜するに際し、特定の劣化防止剤を添加することが知 られている(例えば、特許文献 4参照。)。劣化防止剤を添加することによって、高分 子材料の化学特性の劣化(着色、分子量の低下)を防止することはよく知られている 力 高分子材料と劣化防止剤の組み合わせが適切でないと逆効果、つまり、高分子
材料をかえって劣化させてしまうことが課題である。ところで、化学特性の劣化はない ものの、光学特性を劣化させることがある。このような場合、セルロースエステルを光 学用途に用いる場合は致命的であり、高分子材料に対してそれにあった適切な劣化 防止剤を選択することが課題である。一方、溶融製膜されるセルロースエステルは溶 融製膜時の安定性のみならず、溶融製膜後の安定性も重要である。つまり、セル口 ースエステルを用いて何らかの製品を組み立てる期間、製品が消費者に渡り、それ を使用している期間、何等支障もないことが重要である。従来公知の技術では、溶融 製膜時と溶融製膜後の長期間の安定性の両立には課題があり、より高度な安定化技 術の構築が望まれていた。
[0009] ところで、保護フィルムと偏光子を貼り合わせて偏光板を作製する際、水溶性の接 着剤を塗りやすくするため、前記トリァセチルセルロースフィルムを高温、高濃度のァ ルカリ液に浸潰して、所謂ケン化処理してフィルム表面を親水化して力 接着剤を塗 布し偏光子と貼り合わせてレ、る。
[0010] 上記偏光子との易接着性から、偏光板保護フィルム用透明樹脂フィルムはもっぱら トリァセチルセルロースが使われてきたカ、未だに他のフィルムに置き換わらない理 由の一つとして、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、または環状ォレフ イン樹脂フィルム等他のポリマーフィルムはケン化処理をしても偏光子との易接着性 が得られな!/、とレ、う理由があった。
[0011] セルロースエステルのァシル基、例えば、ァセチル基、プロピオニル基、或いはブ チリル基というような脂肪酸の置換度を規定することによって、セルロースエステルフ イルムの種々の性能を改良する試みが行われている(例えば、特許文献 5参照。)。こ のようなァセチル基だけでなく特定の割合のプロピオニル基ゃブチリル基が置換した セルロースエステルフィルムは、セルロースエステル以外のポリマーフィルムと比べて 易接着性ではあるものの、プロピオニル基ゃブチリル基の置換度があまり高すぎると 、ケン化処理が進行しに《なり、その結果、接着性が劣ってしまうという課題を有して いること、及び機械特性、光学特性に関しても不十分であることが判明した。特にプロ ピオニル基とブチリル基を比べると、炭素数にして 1個だけの違いであるにもかかわら ず、プチリル基が結合することによって機械特性、光学特性が大きく劣化することが
判明した。
[0012] 従って、溶液流延法によって製膜されたトリアセチルセルロースフィルムに代わり、 優れた環境適性を有し、平面性、ケン化処理適性が高ぐカール性、リターデーショ ンの変動が小さぐ更には長期にわたって耐久性が良好な溶融製膜された光学フィ ルムの出現が待たれている状況にある。
[0013] ところで、これらのセルロースエステルフィルムは通常巻芯に巻かれてフィルム原反 となり、保存、輸送されている。このため、溶融製膜されたフィルムを巻芯に巻いたフ イルム原反の状態で長期間保存すると、馬の背故障やフィルム原反の巻芯部分には 巻芯転写と呼ばれる故障及び巻始めるときにフィルムにシヮが発生しやすい問題が あることが判明した。
[0014] 馬の背故障とは、馬の背中のようにフィルム原反が U字型に変形し、中央部付近に 2〜3cm程度のピッチで帯状の凸部ができる故障で、フィルムに変形が残ってしまう ため、偏光板に加工すると表面が歪んで見えてしまうため問題である。今まで、馬の 背故障はベース同士の動摩擦係数を低くしたり、両サイドにあるナーリング加工 (ェン ボス加工)の高さを調節することによって発生を低減させてきた。
[0015] また、巻芯転写は、巻芯やフィルムの凹凸よるフィルム変形による故障である。
[0016] 従来の溶液流延で作製したフィルムではこれらの故障は、大きな問題にならなかつ た力 溶融製膜で作製したフィルムでは、フィルムの平面性が低いため大きな問題と なることが分力、つた。
[0017] 特に、近年、大型画面化に伴って、フィルム原反の幅は広ぐ巻長は長くすることが 要望されている。そのため、フィルム原反は幅広となり、フィルム原反荷重は増加する 傾向にあり、これらの故障がより発生しやすい状況のため、改良が望まれている。 特許文献 1 :特表平 6— 501040号公報
特許文献 2:特開 2000— 352620号公報
特許文献 3:特開 2006 - 111796号公報
特許文献 4 :特開 2006— 241428号公報
特許文献 5:特開 2006 - 111842号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0018] 本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、優れた環境適 性、良好な機械特性、光学特性を有し、耐久性が良好な溶融製膜された光学フィル ム、詳しくは、馬の背故障や凸状故障等のフィルム原反の変形故障が発生しない光 学フィルム、平面性、ケン化処理適性が高ぐかつ、カール性、リタ一デーシヨンの変 動が小さい光学フィルム、及び、該光学フィルムを用いて長期にわたって耐久性が良 好な偏光板及び高いコントラストが達成された液晶表示装置を提供することにある。 課題を解決するための手段
[0019] 本発明者らは、上記の課題解決のために鋭意検討した結果、ある特定の置換基の 種類と量を有するセルロースエステルによって溶融製膜されたフィルムを用いること によって、すべての課題が解決できること見出し、本発明を完成するに至った。
[0020] すなわち、本発明の上記課題は以下の構成により達成される。
[0021] 1.少なくとも 1種の可塑剤及びセルロースエステルを含有するフィルム形成材料を 加熱溶融し、溶融流延法によって製膜した光学フィルムにおいて、該セルロースエス テルの置換基の種類とその置換度が下記式(1)〜(4)の条件を同時に満たすセル口 ースエステルを用いて製膜したことを特徴とする光学フィルム。
[0022] 式(1) 1. 25≤X≤1. 43
式(2) 1. 15≤Y≤1. 33
式(3) 2. 40≤Χ + Υ< 2. 75
式(4) -0. 05≤Χ-Υ< 0. 20
〔式中、 Xはァセチル基による置換度を表し、 Υはプロピオニル基による置換度を表 す。〕
2.前記セルロースエステルの空気下における 1 %質量減少温度 Td (l . 0)が、 27
0°C以上であることを特徴とする前記 1に記載の光学フィルム。
[0023] 3.前記フィルム形成材料が、更にフエノール系化合物の少なくとも 1種を含有する ことを特徴とする前記 1または 2に記載の光学フィルム。
[0024] 4.前記フィルム形成材料が、更にリン系化合物の少なくとも 1種を含有することを特 徴とする前記;!〜 3のいずれか 1項に記載の光学フィルム。
5.前記フィルム形成材料が、更にアルキルラジカル捕捉剤の少なくとも 1種を含有す ることを特徴とする前記 1〜4のいずれか 1項に記載の光学フィルム。
6.前記フィルム形成材料が、更にフエノール系化合物の少なくとも 1種、及びリン系 化合物の少なくとも 1種、及びアルキルラジカル捕捉剤の少なくとも 1種を含有するこ とを特徴とする前記 1または 2に記載の光学フィルム。
7.前記フエノール系化合物が、ヒンダードフエノール系化合物であることを特徴とす る前記 3〜6のいずれ力、 1項に記載の光学フィルム。
8.前記リン系化合物が、ホスホナイト系化合物であることを特徴とする前記 4〜7のい ずれか 1項に記載の光学フィルム。
9.前記アルキルラジカル捕捉剤が、下記一般式(1)で表される化合物または下記一 般式(2)で表される化合物であることを特徴とする前記 5〜8のいずれか 1項に記載 の光学フィルム。
[0025] [化 1]
[0026] 〔式中、 Rは水素原子または炭素数 1〜; 10のアルキル基を表し、 Rおよび Rは、そ
1 2 3 れぞれ独立して炭素数;!〜 8のアルキル基を表す。〕
[0027] [化 2]
'殺式 {2}
[0028] 〔式中、 R 〜R はおのおの互いに独立して水素原子または置換基を表し、 R は水
12 15 16 素原子または置換基を表し、 nは 1〜4の整数を表す。 nが 1であるとき、 R は置換基
11 を表し、 nが 2〜4の整数であるとき、 R は 2
11 〜4価の連結基を表す。〕
10.前記可塑剤が、多価アルコールエステルであることを特徴とする前記 1〜9のい ずれか 1項に記載の光学フィルム。
11.前記フィルム形成材料が、更にべンゾトリアゾール系化合物を含有することを特 徴とする前記 1〜; 10のいずれか 1項に記載の光学フィルム。
12.前記 1〜 11の!/、ずれ力、 1項に記載の光学フィルムを偏光子の少なくとも一方の 面に有することを特徴とする偏光板。
13.前記 12に記載の偏光板を液晶セルの少なくとも一方の面に用いることを特徴と する液晶表示装置。
発明の効果
[0029] 本発明により、馬の背故障や凸状故障等のフィルム原反の変形故障が発生しない 光学フィルム、平面性、ケン化処理適性が高ぐかつ、カール性、リタ一デーシヨンの 変動が小さい光学フィルム、及び、該光学フィルムを用いて長期にわたって耐久性が 良好な偏光板及び高いコントラストが達成された液晶表示装置を提供することができ 図面の簡単な説明
[0030] [図 1]本発明に係るセルロースエステルフィルムの製造方法を実施する装置の 1つの 実施形態を示す概略フローシートである。
[図 2]図 1の製造装置の要部拡大フローシートである。
[図 3]図 3 (a)は流延ダイの要部の外観図、図 3 (b)は流延ダイの要部の断面図である
〇
[図 4]挟圧回転体の第 1実施形態の断面図である。
[図 5]挟圧回転体の第 2実施形態の回転軸に垂直な平面での断面図である。
[図 6]挟圧回転体の第 2実施形態の回転軸を含む平面での断面図である。
[図 7]液晶表示装置の構成図の概略を示す分解斜視図である。
[図 8]セルロースエステルフィルム原反の保管の状態を示す図である。
押出し機
フィルター
スタチックミキサー
流延ダイ
回転支持体(第 1冷却ロール) 挟圧回転体(タツチロール) 回転支持体(第 2冷却ロール) 回転支持体(第 3冷却ロール) 、 11、 13、 14、 15 搬送ロール0 セノレロースァシレートフイノレム 延伸機
6 巻取り装置
1a, 21b 保護フィルム
2a, 22b 位相差フィルム3a, 23b フィルムの遅相軸方向4a, 24b 偏光子の透過軸方向5a, 25b 偏光子
6a, 26b 偏光板
7 液晶セル
9 液晶表示装置
1 ダイ本体
2 スリット
1 金属スリーブ
2 弾性ローラ
3 金属製の内筒
ゴム
5 冷却水
1 外筒
52 内筒
53 空間
54 冷却液
55a, 55b 回転軸
56a、 56b 外筒支持フランジ
60 流体軸筒
61a, 61b 内筒支持フランジ
62a, 62b 中間通路
110 巻芯本体
117 支え板
118 架台
120 セルロースエステルフィルム原反
発明を実施するための最良の形態
[0032] 以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこ れらに限定されるものではない。
[0033] 本発明は、良好な機械特性、光学特性を有し、耐久性が良好な光学フィルムを得 るものである。このような光学フィルムを用いることで、高品質の偏光板用保護フィル ム、反射防止フィルム、位相差フィルム等の光学フィルムを得ることが出来、さらには 表示品質の高い液晶表示装置を得ることが出来る。
[0034] 本発明は、溶融流延によって形成されたセルロースエステルフィルムを光学フィル ムとして用いることを特徴とする。本発明において、溶液流延のようにフィルム形成材 料を溶媒に溶解させることなしに、該フィルム形成材料を加熱することにより流動可能 な状態とし、流延することを溶融流延法として定義する。
[0035] 加熱溶融する成形法は、更に詳細には、溶融押出成形法、プレス成形法、インフレ ーシヨン法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法などに分類できる。これらの中 で、機械的強度及び表面精度などに優れる光学フィルムを得るためには、溶融押出 し法が優れている。
[0036] ここでフィルム形成材料が加熱されて、その流動性を発現させた後ドラム上または
エンドレスベルト上に押出し製膜する方法が溶融流延製膜法として本発明の溶融流 延法に含まれる。
[0037] そして、本発明の光学フィルムは、少なくとも 1種の可塑剤、及び下記のセルロース エステルを含むフィルム形成材料を、好ましくは 200°C以上 270°C以下の溶融温度 に加熱溶融し、溶融流延法により形成された光学フィルムであることが特徴である。
[0038] 以下、各フィルム形成材料について説明する。
[0039] 《セルロースエステル》
本発明の溶融流延法に用いるセルロースエステルは、ァセチル基の置換度を Xとし 、プロピオニル基の置換度を Yとしたとき、下記式(1)〜(4)を同時に満たすセルロー スエステルである。このようなセルロースエステルは、通常、セルロースアセテートプロ ピオネートと呼ばれる。なお、下記式の何れか一つ、何れか二つ、あるいは何れか三 つを満たしているだけでは上記課題のすべての解決にはならず、四つすベてを同時 に満たすことが重要である。
[0040] 式(1) 1. 25≤X≤1. 43
式(2) 1. 15≤Y≤1. 33
式(3) 2. 40≤Χ + Υ< 2. 75
式(4) -0. 05≤Χ-Υ< 0. 20
中でも、式(1)に対しては 1 · 30≤Χ≤1. 42とするのが好ましぐ式(2)に対しては 1. 18≤Υ≤1. 32とするの力《好ましく、式(3)に対しては 2. 50≤Χ + Υ≤2. 73とす るのが好ましぐ式 (4)に対しては 0· 01≤Χ-Υ≤0. 18とすることが好ましい。
[0041] 次に、本発明に用いられるセルロースエステルのァシル基(ァセチル基とプロピオ ニル基)の置換度について詳細に説明する。
[0042] セルロースには、 1グルコース単位の 2位、 3位、 6位に 1個ずつ、計 3個の水酸基が あり、総置換度とは、平均して 1グルコース単位にいくつのァシル基が結合しているか を示す数値である。従って、最大の置換度は 3. 00であり、上記ァシル基で置換され ていない部分は通常水酸基として存在しているものである。また、 2位と 3位は 2級の 水酸基、 6位は 1級の水酸基であり、ァセチル基とプロピオニル基がそれぞれどの位 置をどのような割合で置換するかによってセルロースエステルの高次構造や物性が
多少変化することがある。し力もながら、本発明の光学フィルムにおいては、ァセチノレ 基とプロピオニル基のそれぞれの置換位置と割合力^、かなるものであっても、上記式 (1)〜(4)の条件を同時に満たすセルロースエステルであれば、好ましく用いることが できる。なお、ァセチル基とプロピオニル基の置換度は、 ASTM D817— 96に規定 の方法により求めたものである。
[0043] 本発明に用いられるセルロースエステルは、 50000〜; 150000の数平均分子量( Mn)を有することが好ましぐ 55000〜; 120000の数平均分子量を有すること力 S更に 好ましぐ 60000〜100000の数平均分子量を有することが最も好ましい。
[0044] 更に、本発明に用いられるセルロースエステルは、重量平均分子量(Mw) /数平 均分子量(Mn)比が 1. 3〜5. 5のものが好ましく用いられ、特に好ましくは 1. 5〜5. 0であり、更に好ましくは 1. 7〜4· 0であり、更に好ましくは 2· 0〜3. 5のセルロース エステルが好ましく用いられる。
[0045] なお、 Mn及び Mw/Mnは下記の要領で、ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィー
(GPC)により算出できる。
[0046] 測定条件は以下の通りである。
[0047] 溶媒 :テトヒドロフラン
装置 : HLC— 8220 (東ソー(株)製)
カラム : TSKgel SuperHM— M (東ソ一(株)製)
カラム温度: 40°C
試料濃度 :0. 1質量%
注入量 :10 1
流直 : 0. 6ml/ min
校正曲線 :標準ポリスチレン: PS— 1 (Polymer Laboratories社製) Mw= 2, 5 60, 000〜580までの 9サンプノレ ίこよる校正曲泉を使用した。
[0048] フィルム形成材料中のセルロースエステルは 70質量%〜99質量%の範囲とするこ とにより、後述する劣化防止剤、可塑剤および紫外線吸収剤等の添加剤の存在下で 優れた溶融流延性と安定性を示し、得られたフィルムは光学フィルムとしての優れた 性能を付与することができる。セルロースエステルの含有量が 70質量%以下であると
、添加剤がブリードアウトしたり、フィルムの機械強度が小さくなつてしまうために好ま しくない。また光学フィルムとして必要な他の添加剤の添加量が 1.0質量%以下であ ると(セルロースエステルの含有量が 99%以上であると)、要求される物性を満たすこ と力難しい。より好ましくはセルロースエステルの含有量は 80〜95質量%である。
[0049] 本発明で用いられるセルロースエステルの原料セルロースは、木材パルプでも綿花 リンターでもよぐ木材パルプは針葉樹でも広葉樹でもよいが、針葉樹の方がより好ま しい。製膜の際の剥離性の点からは綿花リンターが好ましく用いられる。これらから作 られたセルロースエステルは適宜混合して、或!/、は単独で使用することができる。
[0050] 例えば、綿花リンター由来セルロースエステル:木材パルプ (針葉樹)由来セルロー スエステル:木材パルプ(広葉樹)由来セルロースエステルの比率が 100: 0: 0、 90: 10:0、 85:15:0、 50:50:0、 20:80:0、 10:90:0、 0:100:0、 0:0:100、 80:10 :10、 85:0:15、 40 :30 :30で用いることができる。
[0051] 本発明のセルロースエステルは、公知の方法を参考にして合成することができる。
例えば、原料セルロースの水酸基を無水酢酸、及び無水プロピオン酸を用いて常法 によりァセチル化、及びプロピオニル化し、ァセチル基、プロピオ二ル基を置換させる こと力 Sできる。このようなセルロースエステルの合成方法は、特に限定はないが、例え ば、特開平 10— 45804号或いは特表平 6— 501040号に記載の方法を参考にして 合成することができる。なお、用いる無水酢酸、及び無水プロピオン酸の使用量を適 宜変化させることによって、前記式( 1 )〜(4)を同時に満たすセル口ースエステルを 合成すること力でさる。
[0052] 本発明に用いられるセルロースエステルのアルカリ土類金属含有量は、;!〜 50pp mの範囲であることが好ましい。 50ppmを超えるとリップ付着汚れが増加或いは熱延 伸時や熱延伸後でのスリツティング部で破断しやすくなる。 lppm未満でも破断しや すくなるがその理由はよく分かっていない。更に l〜30ppmの範囲が好ましい。ここ でいうアルカリ土類金属とは Ca、 Mgの総含有量のことであり、 X線光電子分光分析 装置 (XPS)を用いて測定することができる。
[0053] 本発明に用いられるセルロースエステル中の残留硫酸含有量は、硫黄元素換算で 0. ;!〜 45ppmの範囲であることが好ましい。これらは塩の形で含有していると考えら
れる。残留硫酸含有量が 45ppmを超えると熱溶融時のダイリップ部の付着物が増加 するため好ましくない。また、熱延伸時や熱延伸後でのスリツティングの際に破断しや すくなるため好ましくない。少ない方が好ましいが、 0. 1未満とすると、逆に破断しや すくなることがあり好ましくないが、その理由はよく分かっていない。更に l〜30ppm の範囲が好ましい。残留硫酸含有量は、 ASTM D817— 96に規定の方法により測 定すること力 Sでさる。
[0054] 本発明に用いられるセルロースエステル中の遊離酸含有量は、;!〜 500ppmであ ること力 S好ましい。 500ppmを超えるとダイリップ部の付着物が増加し、また破断しや すくなる。更に l〜100ppmの範囲であることが好ましぐ更に破断しにくくなる。特に ;!〜 70ppmの範囲が好ましい。遊離酸含有量は ASTM D817— 96に規定の方法 により測定することカでさる。
[0055] 合成したセルロースエステルの洗浄を、溶液流延法に用いられる場合に比べて、更 に十分に行うことによって、残留アルカリ土類金属含有量、残留硫酸含有量、及び残 留酸含有量を上記の範囲とすることができ好ましい。また、セルロースエステルの洗 浄は、水に加えて、メタノール、エタノールのような貧溶媒、或いは結果として貧溶媒 であれば貧溶媒と良溶媒の混合溶媒を用いることができ、残留酸以外の無機物、低 分子の有機不純物を除去することができる。更に、セルロースエステルの洗浄は、劣 化防止剤の存在下で行うことも好ましぐセルロースエステルの耐熱性、製膜安定性 が向上する。使用される劣化防止剤は、セルロースエステルに発生したラジカルを不 活性化する、或いはセルロースエステルに発生したラジカルに酸素が付加したことが 起因のセルロースエステルの劣化を抑制する化合物であれば制限なく用いることが できる。
[0056] また、セルロースエステルの耐熱性、機械特性、光学特性等を向上させるため、セ ルロースエステルの良溶媒に溶解後、貧溶媒中に再沈殿、濾過することによって、或 いは、貧溶媒中に撹拌懸濁させ、濾過することによって、セルロースエステルの低分 子量成分、その他不純物を除去することができる。この時、前述のセルロースエステ ルの洗浄同様に、劣化防止剤の存在下で行うことが好まし!/、。
[0057] セルロースエステルの洗浄に使用する劣化防止剤は、洗浄後セルロースエステル
中に残存してレヽてもよレヽ。残存量 (ま 0. 0;!〜 2000ppmカよく、より好ましく (ま 0. 05〜 lOOOppmである。更に好まし <は 0. ;!〜 lOOppmである。
[0058] 更に、セルロースエステルの再沈殿処理の後、別のポリマー或いは低分子化合物 を添加してもよい。
[0059] また、本発明で用いられるセルロースエステルはフィルムにした時の輝点異物が少 ないものであることが好ましい。輝点異物とは、 2枚の偏光板を直交に配置し(クロス ニコル)、この間にセルロースエステルフィルムを配置して、一方の面から光源の光を 当てて、もう一方の面からセルロースエステルフィルムを観察した時に、光源の光が 漏れて見える点のことである。このとき評価に用いる偏光板は輝点異物がない保護フ イルムで構成されたものであることが望ましぐ偏光子の保護にガラス板を使用したも のが好ましく用いられる。輝点異物はセルロースエステルに含まれる未酢化もしくは 低酢化度のセルロースがその原因の 1つと考えられ、輝点異物の少ないセルロース エステルを用いる(置換度の分散の小さ!/、セルロースエステルを用いる)ことと、溶融 したセルロースエステルを濾過すること、或!/、はセルロースエステルの合成後期の過 程や沈殿物を得る過程の少なくともいずれかにおいて、一度溶液状態として同様に 濾過工程を経由して輝点異物を除去することもできる。溶融セルロースエステルは粘 度が高!/、ため、後者の方法の方が効率がよ!/、。
[0060] フィルム膜厚が薄くなるほど単位面積当たりの輝点異物数は少なくなり、フィルムに 含まれるセルロースエステルの含有量が少なくなるほど輝点異物は少なくなる傾向が ある力 輝点異物は、輝点の直径 0. 01mm以上が 200個/ cm2以下であることが好 ましぐ 100個/ cm2以下であることがより好ましぐ 50個/ cm2以下であることが更に 好ましぐ 30個/ cm2以下であることがさらにより好ましぐ 10個/ cm2以下であること が更に好ましいが、皆無であることが最も好ましい。また、 0. 005-0. 01mm以下の 輝点についても 200個/ cm2以下であることが好ましぐ 100個/ cm2以下であること がより好ましぐ 50個/ cm2以下であることがさらにより好ましぐ 30個/ cm2以下であ ること力 S更に好ましく、 10個/ cm2以下であることが更に好ましいが、皆無であること が最も好ましい。
[0061] 輝点異物を溶融濾過によって除去する場合、セルロースエステルを単独で溶融さ
せたものを濾過するよりも劣化防止剤、可塑剤等を添加混合したセルロースエステル 組成物を濾過することが輝点異物の除去効率が高く好ましい。もちろん、セルロース エステルの合成の際に溶媒に溶解させて濾過により低減させてもょレ、。紫外線吸収 剤、その他の添加物も適宜混合したものを濾過することができる。濾過はセルロース エステルを含む溶融物の粘度が lOOOOPa ' s以下で濾過されることが好ましぐ 5000 Pa ' s以下がより好ましぐ lOOOPa' s以下が更に好ましぐ 500Pa ' s以下であること 力さらにより好ましい。濾材としては、ガラス繊維、セルロース繊維、濾紙、四フッ化工 チレン樹脂等の弗素樹脂等の従来公知のものが好ましく用いられるカ、特にセラミツ タス、金属等が好ましく用いられる。絶対濾過精度としては 50 in以下のものが好ま しく用いられ、 30 m以下のものがより好ましぐ 10 m以下のものがさらにより好ま しぐ 5 in以下のものが更に好ましく用いられる。これらは適宜組み合わせて使用す ることもできる。濾材はサーフェースタイプでもデプスタイプでも用いることができるが 、デプスタイプの方が比較的目詰まりしに《好ましく用いられる。
[0062] 別の実施態様では、原料のセルロースエステルは少なくとも一度溶媒に溶解させた 後、溶媒を乾燥させたセルロースエステルを用いてもよい。その際には劣化防止剤、 可塑剤、紫外線吸収剤、及びマット剤の少なくとも 1つ以上と共に溶媒に溶解させた 後、乾燥させたセルロースエステルを用いる。溶媒としては、メチレンクロライド、酢酸 メチル、ジォキソラン等の溶液流延法で用いられる良溶媒を用いることができ、同時 にメタノール、エタノール、ブタノール等の貧溶媒を用いてもよい。溶解の過程で 2 0°C以下に冷却したり、 80°C以上に加熱したりしてもよい。このようなセルロースエス テルを用いると、溶融状態にした時の各添加物を均一にしゃすぐ光学特性を均一 にできることがある。
[0063] 本発明の光学フィルムはセルロースエステル以外の高分子成分を適宜混合したも のでもよ!/、。混合される高分子成分はセルロースエステルと相溶性に優れるものが好 ましぐフィルムにした時の透過率が 80%以上、更に好ましくは 90%以上、更に好ま しくは 92%以上であることが好ましい。
[0064] 本発明のセルロースエステルは溶融製膜に用いられることから、セルロースエステ ル自体が加熱溶融力 製膜に至るまで安定であることが必要である力 S、本発明者ら
は、このような溶融製膜時の安定性のみならず、溶融製膜後のセルロースエステルフ イルムの機械特性、光学特性、及び耐久性に関して、加熱溶融前のセルロースエス テルの空気下における 1 %質量減少温度 Td (l . 0)と関連性があることを見出した。 なお、本発明に係る前記の式( 1 )〜(4)を同時に満たすセル口ースエステルを用レ、 る限りにおいては、前記課題を解決することは可能である力 S、Td (l . 0)は高い方が 課題解決のためには好ましぐ Td (l . 0)は 270°C以上がより好ましぐ 280°C以上が 更に好ましぐ 290°C以上が最も好ましい。セルロースエステルの Td (l . 0)を高める ためには、セルロースエステルの合成において、最後の取り出しの際のセルロースェ ステルを濾過、洗浄する作業に当たって、洗浄液の pHが中性になるまで十分水で 洗浄することによって向上させること力 Sできる。ところで、詳細な理由は良く分かって いないが、セルロースエステルの種類によっては、洗浄を過度に行うと、破断しやすく なる等の機械特性が劣化してしまうものがある力 S、本発明に係る前記の式(1)〜(4) を同時に満たすセルロースエステルに関しては、洗浄に伴う機械特性の劣化が生じ ないことが判明した。なお、空気下における 1 %質量減少温度 Td (l . 0)は、市販の 示差熱重量分析 (TG— DTA)装置で測定することができる力 S、一般にセルロースェ ステルはわずかな量ではあるが水分を含有しているため、測定の際には注意が必要 である。具体的には、試料を 100°Cでしばらく保持し、水分の揮発による質量減少が なくなつたことを確認した後、その時点からの温度上昇に伴う質量減少を測定する方 法をとる。ところで、 Td (l . 0)には上限は無ぐ高い程好ましいと推定している力 セ ルロースエステルの洗浄工程の負担が大きくなるのを避けることを考慮すると、現実 的な上限値は 300〜310°C程度である。
[0065] 本発明のセルロースエステルは、劣化防止剤との組み合わせによって加熱時の安 定性を更に向上させることができる力 S、驚くべきことに、下記に説明する劣化防止剤と の組み合わせによって、馬の背故障や凸状故障等のフィルム原反の変形故障が発 生せず、平面性、ケン化処理適性、カール性、リタ一デーシヨンの変動性、及び耐久 性の!/、ずれにお!/、ても優れたセルロースエステルフィルムが得られることが分かった
〇
[0066] 《劣化防止剤》
劣化防止剤とは、高分子が熱や酸素、水分、酸などによって分解されることを化学 的な作用によって抑制する材料のことである。本発明の光学フィルムは、特に 200°C 以上の高温下で成形されるため、高分子の分解 ·劣化が起きやすい系であり、劣化 防止剤をフィルム形成材料中に含有させることが好ましい。
[0067] フィルム形成材料の酸化防止、分解して発生した酸の捕捉、光または熱によるラジ カル種基因の分解反応を抑制または禁止する等、解明できていない分解反応を含 めて、着色や分子量低下に代表される変質や材料の分解による揮発成分の生成を 抑制するために劣化防止剤を用いる。
[0068] 劣化防止剤としては、例えば、酸化防止剤、ヒンダードアミン光安定剤、酸捕捉剤、 金属不活性化剤などが挙げられる力 これらに限定されない。これらは、特開平 3— 1 99201号公報、特開平 5— 1907073号公報、特開平 5— 194789号公報、特開平 5— 271471号公報、特開平 6— 107854号公報などに記載がある。これらの中でも 、本発明の目的のためには、フィルム形成材料中に劣化防止剤として酸化防止剤を 含むことが好ましい。
[0069] 本発明に用いられるフィルム形成材料中の劣化防止剤は、少なくとも 1種以上選択 でき、添加する量は、本発明に係るセルロースエステルの質量に対して、劣化防止剤 の添加量は 0. 01質量%以上 10質量%以下が好ましぐより好ましくは 0. 1質量% 以上 5. 0質量%以下であり、更に好ましくは 0. 2質量%以上 2. 0質量%以下である
[0070] なお、劣化防止剤の添加量が上記添加量の範囲よりも多いとセルロースエステル への相溶性の観点から光学フィルムとしての透明性の低下を引き起こし、またフィノレ ムが脆くなることもあるために好ましくない。
[0071] フィルム形成材料は、材料の変質や吸湿性を回避する目的で、構成する材料が 1 種または複数種のペレットに分割して保存することができる。ペレット化は、加熱時の 溶融物の混合性または相溶性が向上でき、または得られたフィルムの光学的な均一 十生が確保できることもある。
[0072] フィルム形成材料を加熱溶融するとき、及び加熱溶融したものを後工程で使用する とき、更には製品として消費者のもとで使用されるとき、上述の劣化防止剤が存在す
ることは、材料の劣化や分解に基づく強度や光学的透明性の劣化を低減すること、 または材料固有の強度を維持できる観点で優れている。
[0073] フィルム形成材料が加熱により著しく劣化すると、着色が発生して光学フィルムとし ては用いることができなくなることがある。また、液晶表示装置用の光学補償フィルム として用いる際には、リタ一デーシヨン付与工程 (延伸工程)が流延工程の次に実施 される力 フィルム形成材料が加熱により著しく劣化すると、形成されたフィルムが脆 くなり、該延伸工程において破断が生じやすくなつたり、 目的の光学補償フィルムのリ ターデーシヨン値が発現できなくなることがある。更には、液晶表示装置用の偏光板 保護フィルムとして使用する場合、フィルム形成材料の劣化は、偏光子との貼合に支 障をきたしたりするので好ましくない。
[0074] そこで、上述の劣化防止剤の存在は、加熱溶融時にお!/、て可視光領域の着色物 の生成を抑制すること、または加熱溶融時及び加熱溶融後のフィルムを構成する材 料が分解して生じた揮発成分等によって生じる透過率やヘイズ値の低下といった光 学フィルムとして好ましくなレ、劣化を抑制または消滅できる点でも優れて!/、る。
[0075] 本発明において液晶表示装置の表示画像は、本発明の光学フィルムを用いるとき ヘイズ値が 1 %を超えると影響を与えるため、好ましくはヘイズ値は 1 %未満、より好ま しくは 0. 5%未満である。また着色性の指標としては黄色度 (イェローインデックス、 YI)を用いることができ、好ましくは 3. 0以下、より好ましくは 1. 0以下である。黄色度 は JIS— K7103に基づいて測定することができる。
[0076] 上述のフィルム形成材料の保存或いは製膜工程において、空気中の酸素あるいは 水分による劣化反応が併発することがある。この場合、上記劣化防止剤の安定化作 用とともに、空気中の湿度 ·酸素濃度を低減させることも本発明を具現化する上で好 ましく併用できる。これは、公知の技術として不活性ガスとして窒素やアルゴンの使用 、減圧〜真空による脱気操作、及び密閉環境下による操作が挙げられ、これら 3者の 内少なくとも 1つの方法を上記安定剤を存在させる方法と併用することができる。フィ ルム形成材料が空気中の酸素と接触する確率を低減することにより、該材料の劣化 が抑制できるため好ましい。
[0077] また、本発明の光学フィルムは、偏光板保護フィルムとしても活用するため、本発明
の偏光板及び偏光板を構成する偏光子に対して経時保存性を向上させる観点から も、フィルム形成材料中における上述の劣化防止剤の存在が重要な役割を担う。
[0078] 本発明の偏光板を用いた液晶表示装置において、本発明の光学フィルムに上述の 劣化防止剤が存在すると、上記の変質や劣化を抑制する観点から光学フィルムの経 時保存性が向上できるとともに、液晶表示装置の表示品質向上においても光学的な 補償設計が長期にわたって機能発現できる点で優れている。
[0079] 《酸化防止剤》
セルロースエステルは高温下では熱だけでなく酸素によっても分解が促進されるた め、本発明の光学フィルムにおいては劣化防止剤として酸化防止剤を含有すること が好ましい。
[0080] 本発明において有用な酸化防止剤としては、酸素によるフィルム形成材料の劣化 を抑制する化合物であれば制限なく用いることができる力 S、中でもフエノール系化合 物、リン系化合物、ィォゥ系化合物、アルキルラジカル捕捉剤、過酸化物分解剤、酸 素スカベンジャー等が挙げられる。これらの中でもフエノール系化合物、リン系化合 物、アルキルラジカル捕捉剤が好ましいが、フエノール系化合物とリン系化合物の 2 者の組み合わせを用いることがより好ましぐフエノール系化合物とリン系化合物とァ ルキルラジカル捕捉剤の 3者の組み合わせを用いることが最も好ましい。これらの化 合物を配合することにより、透明性、耐熱性等を低下させることなぐ溶融成型時の熱 や熱酸化劣化等による成形体の着色や強度低下を防止できる。これらの化合物は、 それぞれ単独で、或いは 2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、 本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択されるが、本発明に係るセルロースエス テルの質量に対して、 0. 01質量%以上 10質量%以下が好ましぐより好ましくは 0. 1質量%以上 5. 0質量%以下であり、更に好ましくは 0. 2質量%以上 2. 0質量%以 下である。
[0081] (フエノール系化合物)
フエノール系化合物は既知の化合物であり、パラー t-ブチルフエノール、パラー(1 , 1 , 3, 3-テトラメチルブチル)フエノール等のアルキル基置換フエノールの他、例えば 、米国特許第 4, 839, 405号明細書の第 12〜; 14欄に記載の、 2, 6—ジアルキルフ
ェノール誘導体化合物、所謂ヒンダードフエノール系化合物が挙げられるが、これら の中で、ヒンダードフエノール系化合物が好ましい。
ヒンダードフエノールフエノール系化合物の具体例としては、 n ォクタデシル 3— (3 , 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフエニル) プロピオネート、 n ォクタデシル 3 一(3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフエニル) アセテート、 n ォクタデシル 3 , 5—ジ—tーブチルー 4ーヒドロキシベンゾエート、 n へキシル 3, 5—ジ—tーブチ ルー 4ーヒドロキシフエニルベンゾエート、 n ドデシル 3, 5—ジ tーブチノレー 4ーヒ ドロキシフエニルベンゾエート、ネオードデシル 3—(3, 5—ジ tーブチノレー 4ーヒド ロキシフエ二ノレ)プロピオネート、ドデシノレ /3 (3, 5—ジ一 t ブチル 4—ヒドロキシフ ェニノレ)プロピオネート、ェチノレ α—(4ーヒドロキシ 3, 5—ジ tーブチノレフエ二ノレ )イソプチレート、ォクタデシル α—(4ーヒドロキシー 3, 5—ジー t ブチルフエニル) イソブチレート、ォクタデシル α—(4ーヒドロキシ 3, 5—ジ tーブチノレー 4ーヒドロ キシフエニル)プロピオネート、 2—(n ォクチルチオ)ェチル 3, 5 ジー tーブチノレ 4ーヒドロキシ一べンゾエート、 2—(n ォクチルチオ)ェチル 3, 5 ジー tーブチ ルー 4ーヒドロキシ一フエニルアセテート、 2—(n ォクタデシルチオ)ェチル 3, 5— ジー tーブチルー 4ーヒドロキシフエニルアセテート、 2—(n ォクタデシルチオ)ェチ ル 3, 5 ジ tーブチルー 4ーヒドロキシ一べンゾエート、 2—(2 ヒドロキシェチノレ チォ)ェチノレ 3, 5—ジー tーブチノレー 4ーヒドロキシベンゾエート、ジェチノレグリコーノレ ビス一(3, 5 ジー tーブチルー 4ーヒドロキシーフエ二ノレ)プロピオネート、 2—(n— ォクタデシルチオ)ェチル 3—(3, 5—ジー tーブチルー 4ーヒドロキシフエニル)プロ ピオネート、ステアルアミド N, N ビス一 [エチレン 3— (3, 5—ジ一 t ブチノレ一 4— ヒドロキシフエ二ノレ)プロピオネート]、 n ブチルイミノ N, N ビス一 [エチレン 3— (3 , 5 ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフエ二ノレ)プロピオネート]、 2—(2 ステアロイ ノレォキシェチノレチォ)ェチノレ 3, 5 ジー tーブチノレー 4ーヒドロキシベンゾエート、 2 一(2 ステアロイルォキシェチルチオ)ェチル 7—(3 メチルー 5— tーブチルー 4 ーヒドロキシフエ二ノレ)ヘプタノエート、 1 , 2 プロピレングリコールビス [3— (3, 5 ージー t ブチル 4ーヒドロキシフエニル)プロピオネート]、エチレングリコールビス
[3—(3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフエニル)プロピオネート]、ネオペン
チルダリコールビス [3—(3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフエ二ノレ)プロピオ ネート]、エチレングリコールビス一(3, 5—ジ一tーブチルー 4ーヒドロキシフエニルァ セテート)、グリセリン l— n ォクタデカノエートー 2, 3 ビスー(3, 5 ジ tーブ チルー 4ーヒドロキシフエニルアセテート)、ペンタエリスリトールーテトラキスー [3— (3 ' , 5' —ジー tーブチノレー 4' ーヒドロキシフエ二ノレ)プロピオネート]、 3, 9—ビス { 2 -〔3—(3— tert ブチルー 4ーヒドロキシ 5 メチルフエ二ノレ)プロピオ二ルォキ シ〕一 1 , 1—ジメチルェチル}— 2, 4, 8 , 10 テトラオキサスピロ〔5· 5〕ゥンデカン、 1 , 1 , 1—トリメチロールェタン一トリス一 [3— (3 , 5—ジ一 t ブチル 4—ヒドロキシ フエ二ノレ)プロピオネート]、ソルビトールへキサー [3— (3, 5—ジ tーブチノレー 4 ヒドロキシフエ二ノレ)プロピオネート]、 2 ヒドロキシェチル 7—(3 メチルー 5— tブチ ノレ 4ーヒドロキシフエ二ノレ)プロピオネート、 2 ステアロイルォキシェチル 7—(3— メチルー 5— tーブチルー 4ーヒドロキシフエ二ノレ)ヘプタノエート、 1 , 6— n へキサ ンジオール ビス [ (3' , 5' —ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフエ二ノレ)プロビオネ ート]、ペンタエリスリトールーテトラキス(3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシヒドロ シンナメート)が含まれる。上記タイプのフエノール化合物は、例えば、チバ .スぺシャ ルティ.ケミカルズから、 "IRGANOX1076"及び" IRGANOX1010"という商品名 で市販されている。
(リン系化合物)
本発明において有用なリン系化合物として、ホスファイト系化合物、及びホスホナイ ト系化合物が挙げられる。ホスファイト系化合物の具体例としては、トリフエニルホスフ ユルフェ二ノレ)ホスファイト、トリス(ジノユルフェ二ノレ)ホスファイト、トリス(2, 4 ジ一 t ブチルフエ二ノレ)ホスファイト、トリス(2, 4 ジ tーブチルー 5 メチルフエニル) ホスファイト、 10 - (3, 5 ジ一 t ブチル 4 ヒドロキシベンジル) 9, 10 ジヒド ロー 9 ォキサ 10 ホスファフェナントレン 10 オキサイド、 6— [3—(3— tーブ チル一 4 ヒドロキシ一 5 メチルフエ二ノレ)プロポキシ ]—2, 4, 8 , 10 テトラ一 t— ブチルジベンズ [d, f] [ l , 3, 2]ジォキサホスフエピン、トリデシルホスファイト等のモ ノホスファイト系化合物; 4, Α' ーブチリデン一ビス(3—メチルー 6— t ブチルフエ
二ル一ジ一トリデシルホスフアイト)、 4, 4' —イソプロピリデン一ビス(フエニル一ジ一 アルキル(C 12〜C 15)ホスファイト)等のジホスファイト系化合物;等が挙げられる。 上記タイプのホスファイト系化合物は、例えば、住友化学株式会社から、 " Sumilizer GP"、 (株) ADEKAから ADK STAB PEP— 24G"、 "ADK STAB PEP— 36 "、"ADK STAB 3010"、 "ADK STAB HP— 10"及び" ADK STAB 21 1 2"という商品名で市販されている。
ホスホナイト系化合物の具体例としては、ジメチル—フエニルホスホナイト、ジ— t— ブチルーフェニルホスホナイト、ジフエ二ルーフェニルホスホナイト、ジー(4 ペンチ ノレ一フエニル)一フエニルホスホナイト、ジ一(2— t ブチル一フエニル)一フエニルホ スホナイト、ジー(2 メチルー 3 ペンチルーフエニル) フエニルホスホナイト、ジー (2 メチルー 4ーォクチルーフエニル) フエニルホスホナイト、ジー(3 ブチルー 4 —メチルーフエニル)一フエニルホスホナイト、ジ一(3—へキシル 4—ェチル一フエ ニル) フエニルホスホナイト、ジー(2, 4, 6 トリメチルフエニル) フエニルホスホ ナイト、ジー(2, 3 ジメチルー 4ーェチルーフエニル) フエニルホスホナイト、ジー( 2, 6 ジェチルー 3 ブチルフエニル) フエニルホスホナイト、ジ一(2, 3 ジプロ ピル 5 ブチルフエニル) フエニルホスホナイト、ジ一(2, 4, 6 トリー tーブチノレ フエニル) フエニルホスホナイト、ビス (2, 4 ジ tーブチルー 5 メチルフエニル) ビフエ二ルー 4ーィルーホスホナイト、ビス (2, 4 ジー tーブチルー 5 メチルフエ二 ノレ)一 4, - (ビス(2, 4 ジ一 t ブチル 5 メチルフエノキシ)ホスフイノ)ビフエニル 4ーィルーホスホナイト、テトラキス(2, 4 ジー tーブチルーフエニル) 4, A' ビフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 5 ジ tーブチルーフェニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(3, 5—ジー tーブチルーフエニル) 4, 4 ' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 3, 4 トリメチルフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 3 ジメチルー 5 ェチルーフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 3 ジメチルー 4 プロピルフ ェニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 3 ジメチルー 5— t ブチルフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 5 ジメチノレ 4 t ブチルフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 3—
ジェチルー 5 メチルフエニル) 4, 4' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2 , 6—ジェチルー 4 メチルフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラ キス(2, 4, 5 トリェチルフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキ ス(2, 6 ジェチルー 4 プロピルフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、 テトラキス(2, 5 ジェチルー 6 ブチルフエ二ル)一 4, A' —ビフエ二レンジホスホ ナイト、テトラキス(2, 3 ジェチル一 5— t ブチルフエ二ル)一 4, A' —ビフエユレ ンジホスホナイト、テトラキス(2, 5 ジェチルー 6— t ブチルフエニル) 4, A' ビフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 3 ジプロピル 5 メチルフエニル) 4 , ' —ビフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 6 ジプロピル一 4 メチルフエ二 ノレ) 4, 4' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 6 ジプロピルー5 ェチ ルフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 3 ジプロピルー6 ブチルフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 6 ジプロ ピル 5 ブチルフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 3 ジブチルー 4 メチルフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス (2, 5 ジブチルー 3 メチルフエニル) 4, ービフエ二レンジホスホナイト、テト ラキス(2, 6 ジブチル一 4 メチルフエ二ル)一 4, A' —ビフエ二レンジホスホナイト 、テトラキス(2, 4 ジ一 t ブチル 3 メチルフエニル) 4, A' —ビフエ二レンジ ホスホナイト、テトラキス(2, 4 ジ tーブチルー 5 メチルフエニル) 4, A' ービ フエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 4 ジー tーブチルー 6 メチルフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 5 ジ tーブチルー 3 メチル フエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 5 ジ tーブチノレ 4 メチルフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 5 ジ —tーブチルー 6—メチルフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキ ス(2, 6 ジー tーブチルー 3 メチルフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイ ト、テトラキス(2, 6 ジ一 t ブチル 4 メチルフエ二ル)一 4, A' —ビフエ二レン ジホスホナイト、テトラキス(2, 6 ジ tーブチルー 5 メチルフエニル) 4, Α' ビフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 3 ジブチルー 4 ェチルフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 4 ジブチルー 3 ェチルフエ二ノレ)
- 4, ' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 5 ジブチルー 4 ェチルフエ ニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 4 ジ tーブチルー 3 ェチルフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 4 ジー t ーブチルー 5—ェチルフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス( 2, 4 ジ一 t ブチル 6 ェチルフエ二ル)一 4 , A' —ビフエ二レンジホスホナイト 、テトラキス(2, 5 ジ一 t ブチル 3 ェチルフエ二ル)一 4, A' —ビフエ二レンジ ホスホナイト、テトラキス(2, 5 ジ tーブチルー 4 ェチルフエニル) 4, A' ービ フエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 5 ジ tーブチルー 6 ェチルフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 6 ジ tーブチルー 3 ェチル フエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 6 ジ tーブチノレ 4 ェチルフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2 , 6 ジ —tーブチルー 5—ェチルフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナイト、テトラキ ス(2, 3, 4 トリブチルフエ二ル)一 4, A' —ビフエ二レンジホスホナイト、テトラキス( 2, 4, 6 トリ一 t ブチルフエ二ル)一 4, Α' —ビフエ二レンジホスホナイト等が挙げ られる。上記タイプのリン系化合物は、例えば、チバ 'スペシャルティ'ケミカノレズ株式 会社から" IRGAFOS Ρ— EPQ"、堺化学工業株式会社から" GSY— P 101 "という 商品名で市販されている。
[0084] 本発明において有用なリン系化合物として、ホスホナイト系化合物が好ましぐ中で も、テトラキス(2, 4 ジー tーブチルーフエニル) 4, A' ービフエ二レンジホスホナ イト等の 4, 一ビフエ二レンジホスホナイト化合物が好ましぐ特に好ましいものは テトラキス(2, 4 ジ一 t ブチル 5 メチルフエ二ル)一 4, A' —ビフエ二レンジホ スホナイトである。
[0085] (アルキルラジカル捕捉剤)
本発明において「アルキルラジカル捕捉剤」とは、アルキルラジカルが速やかに反 応しうる基を有し、かつアルキルラジカルと反応後に後続反応が起こらない安定な生 成物を与える化合物を意味する。
[0086] 本発明において好ましいアルキルラジカル捕捉剤として、前記一般式(1 )で表され る化合物、及び前記一般式 (2)で表される化合物が挙げられる。
[0087] 以下、本発明に用いられる前記一般式(1)で表される化合物について具体例に説 明する力 本発明はこれらに限定されるものではない。
[0088] 前記一般式(1)中、 Rは水素原子または炭素数 1〜; 10のアルキル基を表し、好ま しくは水素原子または炭素数 1〜4のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子ま たはメチル基である。
[0089] Rおよび Rは、それぞれ独立して炭素数;!〜 8のアルキル基を表し、直鎖でも、分
2 3
岐構造または環構造を有してもよい。 Rおよび Rは、好ましくは 4級炭素を含む「*
2 3
C (CH ) — R'」で表される構造(*は芳香環への連結部位を表し、 R'は炭素数 1
3 2
〜 5のアルキル基を表す。)である。 Rは、より好ましくは tert ブチル基、 tert アミ
2
ノレ基である。 Rは、より好ましくは tert ブチル基、 tert ァミル基または tert オタ
3
チル基である。
[0090] 上記一般式(1)で表される化合物として、住友化学株式会社から、 "SumilizerG
M"、 "SumilizerGS"という商品名で市販されている。
[0091] 以下に前記一般式(1)で表される化合物の具体例を例示するが、本発明はこれら に限定されるものではない。
[0092] [化 3]
[0096] 次に、本発明に用いられる前記一般式(2)で表される化合物について具体例に説 明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[0097] 一般式(2)において、 R 〜〜Ri はおのおの互いに独立して水素原子または置換基
12 15
、または R と R は、互いに結合して環を形成してもよレ
。 R は水素原子または置換基を表し、 nは 1〜4の整数を表し、 nが 1であるとき、 R
16 11 は置換基を表し、 nが 2〜4の整数であるとき、 R は 2〜4価の連結基を表す。
11
R 〜R が置換基を表すとき、該置換基としては特に制限はないが、例えば、アルキ
12 15
ル基(例えば、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、 t ブチル基、ペン チノレ基、へキシル基、ォクチル基、ドデシル基、トリフルォロメチル基等)、シクロアル キル基(例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基等)、ァリール基(例えば、フエ ニル基、ナフチル基等)、ァシルァミノ基(例えば、ァセチルァミノ基、ベンゾィルァミノ 基等)、アルキルチオ基 (例えば、メチルチオ基、ェチルチオ基等)、ァリールチオ基( 例えば、フエ二ルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルケニル基(例えば、ビュル基、 2 プロぺニル基、 3—ブテュル基、 1ーメチルー 3—プロぺニル基、 3—ペンテュル基 、 1ーメチルー 3—ブテュル基、 4一へキセニル基、シクロへキセニル基等)、ハロゲン 原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、アルキニル基 (例え ば、プロパルギル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、ォキサゾリル 基、イミダゾリル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、ェチル スルホニル基等)、ァリールスルホニル基(例えば、フエニルスルホニル基、ナフチノレ スルホニル基等)、アルキルスルフィエル基(例えば、メチルスルフィエル基等)、ァリ 一ルスルフィエル基(例えば、フエニルスルフィエル基等)、ホスホノ基、ァシル基(例 えば、ァセチル基、ビバロイル基、ベンゾィル基等)、力ルバモイル基(例えば、ァミノ カルボニル基、メチルァミノカルボニル基、ジメチルァミノカルボニル基、ブチルァミノ カルボニル基、シクロへキシルァミノカルボニル基、フエニルァミノカルボニル基、 2— ピリジルァミノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチ ルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、へキ シルアミノスルホニル基、シクロへキシルアミノスルホニル基、ォクチルアミノスルホニ ル基、ドデシルアミノスルホニル基、フエニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスル ホニル基、 2—ピリジルアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスル ホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、シァノ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ 基、エトキシ基、プロポキシ基等)、ァリーノレォキシ基 (例えば、フエノキシ基、ナフチ ノレォキシ基等)、複素環ォキシ基、シロキシ基、ァシルォキシ基(例えば、ァセチルォ
キシ基、ベンゾィルォキシ基等)、スルホン酸基、スルホン酸の塩、ァミノカルボニル ォキシ基、アミノ基(例えば、アミノ基、ェチルァミノ基、ジメチルァミノ基、ブチルァミノ 基、シクロペンチルァミノ基、 2—ェチルへキシルァミノ基、ドデシルァミノ基等)、ァニ リノ基(例えば、フエニルァミノ基、クロ口フエニルァミノ基、トルイジノ基、ァニシジノ基 、ナフチルァミノ基、 2—ピリジルァミノ基等)、イミド基、ウレイド基 (例えば、メチルウレ イド基、ェチルウレイド基、ペンチルゥレイド基、シクロへキシルウレイド基、ォクチルゥ レイド基、ドデシノレウレイド基、フエ二ノレウレイド基、ナフチノレゥレイド基、 2—ピリジル アミノウレイド基等)、アルコキシカルボニルァミノ基(例えば、メトキシカルボニルァミノ 基、フエノキシカルボニルァミノ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカル ボニル基、エトキシカルボニル基、フエノキシカルボニル等)、ァリールォキシカルボ ニル基(例えば、フエノキシカルボニル基等)、複素環チォ基、チォウレイド基、カルボ キシル基、カルボン酸の塩、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基等の各基が挙げら れる。これらの置換基は同様の置換基によってさらに置換されて!/、てもよ!/、。
[0098] 前記一般式(2)において、 R 〜R は水素原子またはアルキル基が好ましい。
12 15
[0099] 前記一般式(2)において、 R は水素原子または置換基を表し、 R で表される置
16 16
換基は、 R 〜R が表す置換基と同様な基を挙げることができる。特に、 R は水素
12 15 16 原子が好ましい。
[0100] 前記一般式(2)において、 nは 1〜4の整数を表す力 S、 nが 1であるとき、 R は置換
11 基を表し、置換基としては、 R 〜R が表す置換基と同様な基を挙げることができる
12 15
。 nが 2〜4の整数であるとき、 R はそれぞれ対応して 2〜4価の連結基を表す。
11
[0101] R 力 ¾〜4価の連結基を表すとき、 2価の連結基として例えば、置換基を有してもよ
11
い 2価のアルキレン基、置換基を有してもよい 2価のァリーレン基、酸素原子、窒素原 子、硫黄原子、あるいはこれらの連結基の組み合わせを挙げることができる。
[0102] 3価の連結基としては、例えば、置換基を有してもよい 3価のアルキレン基、置換基 を有してもよい 3価のァリーレン基、窒素原子、あるいはこれらの連結基の組み合わ せを挙げること力 Sでき、 4価の連結基として例えば、置換基を有してもよい 4価のアル キレン基、置換基を有してもよい 4価のァリーレン基、あるいはこれらの連結基の組み 合わせを挙げることができる。
[0103] 前記一般式(2)において、 nは 1が好ましぐその時の R は置換または無置換のフ
11
ェニル基が好ましぐ置換基としては、炭素原子数 1ないし 18のアルキル基、炭素原 子数 1ないし 18のアルコキシ基が好ましぐ炭素原子数 1ないし 8のアルキル基、炭 素原子数 1な!/、し 8のアルコキシ基がより好まし!/、。
[0104] 以下に、本発明における前記一般式(2)で表される化合物の具体例を示すが、本 発明はこれに限定されるものではない。
[0105] [化 7]
[8^ ] [画]
TCl0.0/.00Zdf/X3d 38 Ϊ96890/800Ζ OAV
[0108] [化 10]
[0111] [化 13]
[0112] [化 14]
化合物
Mo, R4 R5
(2) - 52 ― CHj — H — C4¾is) — H
(2| -53 — ¾Hs(s> —H 一 ¾曜 —H
(2) -5 — H — CsH"(t》 — H 2}-5S — CsH1t( — H ― H"《i》 — H
(2}™56 ——H ~ ~ QsH ¾t) — H
(2卜 S7 ——H —C4H3{s) — H
(2) -58 — C4H#) — H —: H
(2) -59 — H — H
O
{2) 60 — ¾H ) — H — H
(2) -61 ― C'i;jH — H — CH3 — H
{2) -62 —― CjiH" — H ~GH3 — H
(2}~63 — H — CHS 一 H }→4 — H ™~ CH¾ — H
(2) -65 ~C4H9{t) — H —CI .— H
{2)→ — H ~OCH3 — H
(2) -8? — C H
9(t) — H — G-C
8H
17(n) — H
(2) -69 — H — H (2) -70 — H -OCH3 """"" j«j
(2}- 71 — H "CH3 — H ]
i i w r i K¾ N> f¾> N>
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cs * m & W N> O φ W Mf〕〔 〔
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{278〜
¾。 〜 へ ΐ t
化合物
No,
(2) 89 — N [-C it— <
H O
{2)" -90 — H CH3 — CH3 — H
-91 — H H — H
-92 — H n — H
{2)~ -93 — H -H ~~(CH2)3OH — H
(2)- -94 — 曜 H — {GHz)2OH — H
(2)- -95 ー H ― iCH2i¾OCOCH3 — H
{2»- -96 — H 0(CH2 OH — C4H9{t) — H は) - -97 — H -H ― C3H ii — H
-98 —H O(CH2}20CH3 — H — H
No. R2 R3 R4 R5
(2)- 112 — H -H — CH2OH — H
(2) - 113 — H -H — CH2OH — H
(2)_ 114 — H -H — S02C8H17(i) — H
(2)- 115 — H -C15H31(n) — H — H
(2)- 116 — C9H -H ― ^9Η 9 — H
(2)- 117 — CF3 -H — H — H
[0117] [化 19]
[0118] [化 20]
その他の酸化防止剤としては、具体的には、ジラウリル 3, 3—チォジプロピオネート 、ジミリスチル 3, 3' —チォジプロピオネート、ジステアリル 3, 3—チォジプロビオネ ート、ラウリルステアリル 3, 3—チォジプロピオネート、ペンタエリスリトールーテトラキ ス(/3 ラウリル チォープロピオネート)、 3, 9 ビス(2 ドデシルチオェチル) 2 , 4, 8, 10—テトラオキサスピロ [5, 5]ゥンデカン等のィォゥ系化合物が挙げられる。 上記タイプのィォゥ系化合物は、例えば、住友化学株式会社から、 "Sumilizer TP L— R"及び" Sumilizer TP— D"という商品名で市販されている。更には、特公平 0 8— 27508記載の 3, 4 ジヒドロ一 2H—1—ベンゾピラン系化合物、 3, 3' —スピロ ジクロマン系化合物、 1 , 1ースピロインダン系化合物、モルホリン、チオモルホリン、
チオモルホリンォキシド、チオモルホリンジォキシド、ピぺラジン骨格を部分構造に有 する化合物、特開平 3— 174150号記載のジアルコキシベンゼン系化合物等の酸素 スカベンジャー等が挙げられる。これら酸化防止剤の部分構造が、ポリマーの一部、 或いは規則的にポリマーへペンダントされてレ、ても良レ、。
[0120] 《ヒンダードアミン光安定剤》
本発明において、フィルム形成材料の熱溶融時の劣化防止剤、また製造後に偏光 子保護フィルムとして晒される外光や液晶ディスプレイのバックライトからの光に対す る劣化防止剤として、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)化合物が挙げられ、これは 既知の化合物であり、例えば、米国特許第 4, 619, 956号明細書の第 5〜; 11欄及 び米国特許第 4, 839, 405号明細書の第 3〜5欄に記載されているように、 2, 2, 6 , 6—テトラアルキルピぺリジン化合物、またはそれらの酸付加塩もしくはそれらと金 属化合物との錯体が含まれる。
[0121] ヒンダードアミン光安定剤の具体例としては、ビス(2, 2, 6, 6 テトラメチルー 4 ピペリジル)セバケート、ビス(2, 2, 6, 6 テトラメチルー 4ーピペリジル)スクシネート 、ビス(1 , 2, 2, 6, 6—ペンタメチルー 4ーピペリジル)セバケート、ビス(N オタトキ シー 2, 2, 6, 6 テトラメチルー 4ーピペリジル)セバケート、ビス(N べンジルォキ シ 2, 2, 6, 6 テトラメチルー 4ーピペリジル)セバケート、ビス(N シクロへキシル ォキシ 2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピペリジル)セバケート、ビス(1 , 2, 2, 6, 6 ペンタメチルー 4ーピペリジノレ) 2—(3, 5 ジ tーブチルー 4ーヒドロキシベンジ ノレ) 2 ブチルマロネート、ビス(1ーァクロイルー 2, 2, 6, 6 テトラメチルー 4ーピ ペリジノレ) 2, 2 ビス(3, 5 ジ tーブチルー 4ーヒドロキシベンジル)ー2 ブチル マロネート、ビス(1 , 2, 2, 6, 6 ペンタメチルー 4ーピペリジル)デカンジォエート、 2 , 2, 6, 6 テトラメチルー 4ーピペリジルメタタリレート、 4 [3— (3, 5 ジ tーブ チルー 4ーヒドロキシフエ二ノレ)プロピオニルォキシ ]ー1 [2—(3—(3, 5 ジー t— ブチルー 4ーヒドロキシフエ二ノレ)プロピオニルォキシ)ェチル ]—2, 2, 6, 6 テトラメ チルピペリジン、 2 メチルー 2—(2, 2, 6, 6 テトラメチルー 4ーピペリジル)ァミノ -N- (2, 2, 6, 6 テトラメチルー 4ーピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2, 2 , 6, 6 テトラメチルー 4ーピペリジル) 1 , 2, 3, 4 ブタンテトラカルボキシレート、テ
トラキス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチノレー 4 ピペリジノレ) 1, 2, 3, 4 フ、、タンテトラ力 ルポキシレート等が挙げられる。
[0122] また、高分子タイプの化合物でもよぐ具体例としては、 N, N' , N" , N" ' —テ トラキスー [4, 6 ビス 〔ブチルー(N メチルー 2, 2, 6, 6 テトラメチルピペリジ ン— 4 ィル)ァミノ〕—トリァジン— 2 ィル]—4, 7 ジァザデカン— 1, 10 ジアミ ン、ジブチルァミンと 1, 3, 5 トリアジン N, N' ビス(2, 2, 6, 6 テトラメチル 4ーピペリジル)ー1, 6 へキサメチレンジァミンと N— (2, 2, 6, 6 テトラメチル 4ーピペリジル)ブチルァミンとの重縮合物、ジブチルァミンと 1, 3, 5—トリァジンと N, N' ビス(2, 2, 6, 6 テトラメチルー 4ーピペリジル)ブチルァミンとの重縮合 物、ポリ〔{(1, 1, 3, 3 テトラメチルブチル)ァミノ一 1, 3, 5 トリァジン一 2, 4 ジ ィル }{(2, 2, 6, 6 テトラメチルー 4ーピペリジル)イミノ}へキサメチレン {(2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4—ピペリジル)ィミノ }〕、 1, 6—へキサンジァミン一 N, N' —ビス (2, 2, 6, 6—テトラメチノレー 4ーピペリジノレ)とモノレホリン 2, 4, 6—トリクロロー 1, 3 , 5 トリァジンとの重縮合物、ポリ [(6 モルホリノ一 s トリァジン一 2, 4 ジィノレ)〔 (2, 2, 6, 6, ーテトラメチルー 4ーピペリジル)ィミノ〕一へキサメチレン〔(2, 2, 6, 6 ーテトラメチルー 4ーピペリジル)ィミノ〕]等の、ピぺリジン環がトリァジン骨格を介して 複数結合した高分子量 HALS;コハク酸ジメチルと 4ーヒドロキシ 2, 2, 6, 6 テト ラメチルー 1ーピペリジンエタノールとの重合物、 1, 2, 3, 4—ブタンテトラカルボン酸 と 1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチノレー 4ーピペリジノーノレと 3, 9 ビス(2 ヒドロキシー 1 , 1ージメチルェチル) 2, 4, 8, 10 テトラオキサスピロ [5, 5]ゥンデカンとの混合 エステル化物等の、ピぺリジン環がエステル結合を介して結合した化合物等が挙げ られる力 S、これらに限定されるものではない。
[0123] これらの中でも、ジブチルァミンと 1, 3, 5 トリァジンと N, Nf ビス(2, 2, 6, 6 ーテトラメチルー 4ーピペリジル)プチルァミンとの重縮合物、ポリ〔{(1, 1, 3, 3—テト ラメチルブチル)アミノー 1, 3, 5 トリアジンー 2, 4 ジィル }{ (2, 2, 6, 6 テトラメ チルー 4ーピペリジル)イミノ}へキサメチレン {(2, 2, 6, 6 テトラメチルー 4ーピペリ ジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと 4ーヒドロキシ 2, 2, 6, 6 テトラメチルー 1ーピ ペリジンエタノールとの重合物等で、数平均分子量(Mn)が 2, 000—5, 000のもの
が好ましい。
[0124] 上記タイプのヒンダードァミン化合物は、例えば、チノ 'スペシャルティ'ケミカルズ から、 "TINUVIN144"及び" TINUVIN770"、(株) ADEKAから" ADK STAB LA— 52"と!/、う商品名で市販されて!/、る。
[0125] 本発明においては、ヒンダードアミン光安定剤は、本発明に係るセルロースエステ ルの質量に対して、 0. ;!〜 10質量%添加することが好ましぐ更に 0. 2〜5質量%添 カロすること力 S好ましく、更に 0. 5〜2質量%添加することが好ましい。これらは 2種以 上を併用してもよい。
[0126] 《酸捕捉剤》
セルロースエステルは、溶融製膜が行われるような高温環境下では酸によっても分 解が促進されるため、本発明の光学フィルムにおいては劣化防止剤として酸捕捉剤 を含有することが好ましい。本発明において有用な酸捕捉剤としては、酸と反応して 酸を不活性化する化合物であれば制限なく用いることができる力 S、中でも米国特許 第 4, 137, 201号明細書に記載されているような、エポキシ基を有する化合物が好 ましい。このような酸捕捉剤としてのエポキシ化合物は当該技術分野において既知で あり、種々のポリグリコールのジグリシジルエーテル、特にポリグリコール 1モル当たり に約 8〜40モルのエチレンォキシド等の縮合によって誘導されるポリグリコール、ダリ セロールのジグリシジルエーテル等、金属エポキシ化合物(例えば、塩化ビュルポリ マー組成物において、及び塩化ビュルポリマー組成物と共に、従来から利用されて いるもの)、エポキシ化エーテル縮合生成物、ビスフエノール Aのジグリシジルエーテ ノレ(即ち、 4, 4' —ジヒドロキシジフエニルジメチルメタン)、エポキシ化不飽和脂肪酸 エステル (特に、 2〜22個の炭素原子の脂肪酸の 4〜2個程度の炭素原子のアルキ ルのエステル(例えば、ブチルエポキシステアレート)等)、及び種々のエポキシ化長 鎖脂肪酸トリグリセリド等(例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等)の組 成物によって代表され例示され得るエポキシ化植物油及び他の不飽和天然油(これ らはときとしてエポキシ化天然グリセリドまたは不飽和脂肪酸と称され、これらの脂肪 酸は一般に 12〜22個の炭素原子を含有している)が含まれる。また、市販のェポキ シ基含有エポキシド樹脂化合物として、 EPON 815Cやその他のエポキシ化工一
テルオリゴマー縮合生成物も好ましく用いることができる。
[0127] 更に上記以外に用いることが可能な酸捕捉剤としては、ォキセタン化合物やォキサ ゾリン化合物、あるいはアルカリ土類金属の有機酸塩やァセチルァセトナート錯体、 特開平 5— 194788号公報の段落 68〜; 105に記載されているものが含まれる。
[0128] 本発明にお!/、ては、酸捕捉剤は、本発明に係るセルロースエステルの質量に対し て、 0. ;!〜 10質量%添加することが好ましぐ更に 0. 2〜5質量%添加することが好 ましぐ更に 0. 5〜2質量%添加することが好ましい。これらは 2種以上を併用しても よい。
[0129] なお酸捕捉剤は、酸掃去剤、酸捕獲剤、酸キャッチャー等と称されることもある力 本発明にお!/、てはこれらの呼称による差異なく用いることができる。
[0130] 《金属不活性剤》
金属不活性剤とは、酸化反応において開始剤あるいは触媒として作用する金属ィ オン不活性化する化合物を意味し、ヒドラジド系化合物、シユウ酸ジアミド系化合物、 トリァゾール系化合物等が挙げられ、例えば、 N, N' —ビス〔3—(3, 5—ジー tーブ チルー 4ーヒドロキシフエ二ノレ)プロピオ二ノレ〕ヒドラジン、 2—ヒドロキシェチルシユウ酸 ジアミド、 2—ヒドロキシ一 N— (1H— 1 , 2, 4—トリァゾール一 3—ィノレ)ベンズアミド、 N—(5— yert—ブチルー 2—エトキシフエニル)一 N, 一 (2—ェチルフエニル)シユウ 酸アミド等が挙げられる。
[0131] 本発明においては、金属不活性剤は、本発明に係るセルロースエステルの質量に 対して、 0. 0002〜2質量0 /0添カロすることカ好ましく、更に 0. 0005〜2質量0 /0添カロ すること力 S好ましく、更に 0. 00;!〜 1質量%添加することが好ましい。これらは 2種以 上を併用してもよい。
[0132] 《可塑剤》
本発明の溶融流延による光学フィルムに形成においては、フィルム形成材料中に 可塑剤の少なくとも 1種を添加することが必要である。
[0133] 可塑剤とは、一般的には高分子中に添加することによって脆弱性を改良したり、柔 軟性を付与したりする効果のある添加剤である力 本発明においては、フィルム形成 材料の溶融温度を低下させる添加剤、または同じ温度にお!/、てフィルム形成材料の
粘度を低下させる添加剤として用いる。溶融温度を低下させたり溶融粘度を低下させ ることにより、溶融プロセス中におけるセルロースエステルの劣化を抑制することがで きるため、本発明ではこのような効果を有する材料であれば制限なく可塑剤として用 いること力 Sできる。このような融点低下効果 ·粘度低減降下は、添加する可塑剤がセ ルロースエステルのガラス転移温度よりも低い融点またはガラス転移温度をもつ可塑 剤を用いると、より大きい効果が得られやすい。
[0134] また、可塑剤を添加することによってセルロースエステルフィルムの機械的性質向 上、引き裂き強度向上、耐吸水性付与、水分透過率の低減等の効果が見られること もあるため、このような効果を有する材料を可塑剤として用いることがより好ましい。
[0135] なお可塑剤も、上記のように添加によってセルロースエステルの熱溶融プロセスに おける劣化を抑制する効果があるが、その効果は物理的な効果によるものであり、化 学的な効果に起因するものではなレ、ため、本発明におレ、ては劣化防止剤としては分 類しない。
[0136] 上記のような条件を満たし、本発明に用いられる可塑剤としては、例えば、リン酸ェ ステル系可塑剤、多価アルコールエステル系可塑剤(エチレングリコールエステル系 可塑剤、グリセリンエステル系可塑剤、ジグリセリンエステル系可塑剤など)、多価力 ルボン酸エステル系可塑剤、炭水化物エステル系可塑剤、ポリマー可塑剤等が挙げ られる。この中でも多価アルコールエステル系可塑剤及び多価カルボン酸エステル 系可塑剤が好ましぐ更に多価アルコールエステル系可塑剤が好ましい。また、可塑 剤は液体であっても固体であっても良ぐ組成物の制約上無色であることが好ましい 。添加量は光学物性'機械物性に悪影響がなければ良ぐその配合量は、本発明の 目的を損なわない範囲で適宜選択され、本発明に係るセルロースエステルの質量に 対して、好ましくは 1〜25質量0 /0含有することを特徴とするセルロースエステルフィル ムである。 1質量%よりも少ないと平面性改善の効果が認められず、 25質量%よりも 多いとブリードアウトが発生しやすくなり、フィルムの経時安定性が低下するために好 ましくない。より好ましくは可塑剤を 3〜20質量0 /0含有するセルロースエステルフィル ムであり、更に好ましくは 5〜 15質量%含有するセルロースエステルフィルムである。
[0137] 以下、本発明に用いられる可塑剤について具体例に説明する力 本発明はこれら
に限定されるものではない。
[0138] 本発明においては、多価アルコールと 1価のカルボン酸からなるエステル系可塑剤 、及び多価カルボン酸と 1価のアルコールからなるエステル系可塑剤はセルロースェ ステルと親和性が高いので好ましぐ多価アルコールと 1価のカルボン酸からなるエス テル系可塑剤はセル口ースエステルと親和性がさらに高まるので、特に好まし!/、。
[0139] なお、多価アルコールエステル系の可塑剤とは、一分子中に複数の水酸基を有す る化合物と、 1価の有機酸とを縮合した化合物を多価アルコールエステル系可塑剤と 称し、多価カルボン酸エステル系の可塑剤とは、一分子中に複数のカルボン酸基を 有する化合物と、複数の 1価のアルコールまたはフエノールとが縮合した化合物を、 多価カルボン酸エステル系可塑剤と称する。
[0140] 本発明において好ましく用いられるエステル系可塑剤の原料である多価アルコー ルの例としては、例えば以下のようなものを挙げることができる力 本発明はこれらに 限定されるものではない。
[0141] アド二トール、ァラビトール、エチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ジェチレ ングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレンダリコール、 1 , 2—プロパンジォ 一ノレ、 1 , 3—プロパンジォーノレ、ジプロピレングリコーノレ、トリプロピレングリコーノレ、 1 リコール、 1 , 2, 4—ブタントリオール、 1 , 5—ペンタンジオール、 1 , 6—へキサンジ ォーノレ、へキサントリオ一ノレ、ガラクチトーノレ、 マンニトーノレ、 3—メチノレペンタン 1 , 3, 5—トリオ一ノレ、ピナコール、ソノレビトーノレ、トリメチロールプロパン、ジトリメチロー ノレプロノ ン、トリメチローノレエタン、ペンタエリスリトーノレ、ジペンタエリスリトーノレ、キシ リトール等を挙げることができる。特に、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロール プロパンが好ましい。
[0142] また、好ましい有機酸の例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ビバリン 酸、アクリル酸、メタクリル酸、シクロへキサンカルボン酸、安息香酸、ァニス酸、 3, 4 , 5—トリメトキシ安息香酸、トルィル酸、 tert ブチル安息香酸、ナフトェ酸、ピコリン 酸等が挙げられる力 セルロースエステルの透湿度を低減する効果が高!/、不飽和力 ルボン酸、例えば芳香族カルボン酸によって多価アルコールエステルを形成してい
ることが好ましい。
[0143] 多価アルコールエステルに用いられる有機酸は 1種類でもよいし、 2種以上の混合 であってもよい。また、多価アルコール中の OH基は、全てエステル化してもよいし、 一部を OH基のままで残してもよ!/、。
[0144] 多価アルコールエステル系の一つであるエチレングリコールエステル系の可塑剤と しては、具体的には、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールジブチレ ート等のエチレングリコールアルキルエステル系の可塑剤、エチレングリコールジシク 口プロピルカルボキシレート、エチレングリコールジシクロへキルカルボキシレート等 のエチレングリコールシクロアルキルエステル系の可塑剤、エチレングリコールジベン ゾエート、エチレングリコーノレジ 4ーメチノレべンゾエート等のエチレングリコーノレアリー ルエステル系の可塑剤が挙げられる。これらアルキレート基、シクロアルキレート基、 ァリレート基は、同一でもあっても異なっていてもよぐ更に置換されていてもよい。ま たアルキレート基、シクロアルキレート基、ァリレート基のミックスでもよぐまたこれら置 換基同志が共有結合で結合していてもよい。更にエチレングリコール部も置換されて いてもよく、エチレングリコールエステルの部分構造力 S、ポリマーの一部、或いは規則 的にペンダントされていてもよぐまた酸化防止剤、酸掃去剤、紫外線吸収剤等の添 加剤の分子構造の一部に導入されて!/、てもよレ、。
[0145] 多価アルコールエステル系の一つであるグリセリンエステル系の可塑剤としては、 具体的にはトリァセチン、トリブチリン、グリセリンジアセテートカプリレート、グリセリン カルボキシレート、グリセリントリシクロへキシルカルボキシレート等のグリセリンシクロ アルキルエステル、グリセリントリべンゾエート、グリセリン 4 メチルベンゾエート等の ォネート、ジグリセリンアセテートトリカプリレート、ジグリセリンテトララウレート、等のジ セリンテトラシクロペンチルカルポキシレート等のジグリセリンシクロアルキルエステル 、ジグリセリンテトラべンゾエート、ジグリセリン 3—メチノレべンゾエート等のジグリセリン ァリールエステル等が挙げられる。これらアルキレート基、シクロアルキルカルボキシ
レート基、ァリレート基は同一でもあっても異なっていてもよぐ更に置換されていても よい。またアルキレート基、シクロアルキルカルボキシレート基、ァリレート基のミックス でもよく、またこれら置換基同志が共有結合で結合していてもよい。更にグリセリン、 ジグリセリン部も置換されていてもよぐグリセリンエステル、ジグリセリンエステルの部 分構造がポリマーの一部、或いは規則的にペンダントされていてもよぐまた酸化防 止剤、酸掃去剤、紫外線吸収剤等の添加剤の分子構造の一部に導入されていても よい。
[0146] その他の多価アルコールエステル系の可塑剤としては、具体的には特開 2003— 1 2823号公報の段落 30〜33記載の多価アルコールエステル系可塑剤が挙げられる
[0147] これらアルキレート基、シクロアルキルカルボキシレート基、ァリレート基は、同一で もあっても異なっていてもよく、更に置換されていてもよい。またアルキレート基、シク 口アルキルカルボキシレート基、ァリレート基のミックスでもよぐまたこれら置換基同 志が共有結合で結合してレ、てもよ!/、。更に多価アルコール部も置換されて!/、てもよく 、多価アルコールの部分構造力 ポリマーの一部、或いは規則的にペンダントされて いてもよぐまた酸化防止剤、酸掃去剤、紫外線吸収剤等の添加剤の分子構造の一 部に導入されていてもよい。
[0148] 上記多価アルコールと 1価のカルボン酸からなるエステル系可塑剤の中では、アル キル多価アルコールァリールエステルが好ましぐ具体的には上記のエチレングリコ ールジベンゾエート、グリセリントリべンゾエート、ジグリセリンテトラべンゾエート、特開 2003— 12823号公報の段落 31記載例示化合物 16が挙げられる。
[0149] 多価カルボン酸エステル系の一つであるジカルボン酸エステル系の可塑剤として は、具体的には、ジドデシルマロネート、ジォクチルアジペート、ジブチルセバケート 等のアルキルジカルボン酸アルキルエステル系の可塑剤、ジシクロペンチルサクシネ ート、ジシクロへキシルアジ一ペート等のアルキルジカルボン酸シクロアルキルエステ ノレ系の可塑剤、ジフエニルサクシネート、ジ 4 メチルフエニルダルタレート等のアル キルジカルボン酸ァリールエステル系の可塑剤、ジへキシルー 1 , 4ーシクロへキサン ジカルボキシレート、ジデシルビシクロ [2· 2. 1]ヘプタン 2, 3 ジカルボキシレー
ト等のシクロアルキルジカルボン酸アルキルエステル系の可塑剤、ジシクロへキシル - 1 , 2—シクロブタンジカルボキシレート、ジシクロプロピル 1 , 2—シクロへキシル ジカルボキシレート等のシクロアルキルジカルボン酸シクロアルキルエステル系の可 塑剤、ジフエ二ルー 1 , 1ーシクロプロピルジカルボキシレート、ジ 2—ナフチルー 1 , 4 ーシクロへキサンジカルボキシレート等のシクロアルキルジカルボン酸ァリールエステ ノレ系の可塑剤、ジェチルフタレート、ジメチルフタレート、ジォクチルフタレート、ジブ チルフタレート、ジー 2—ェチルへキシルフタレート等のァリールジカルボン酸アルキ ノレエステル系の可塑剤、ジシクロプロピルフタレート、ジシクロへキシルフタレート等の ァリールジカルボン酸シクロアルキルエステル系の可塑剤、ジフエニルフタレート、ジ 4 メチルフエニルフタレート等のァリールジカルボン酸ァリールエステル系の可塑剤 酸エステル系の可塑剤、クェン酸ァセチルトリメチル、クェン酸ァセチルトリエチル、ク ェン酸ァセチルトリブチル等のクェン酸系の可塑剤等が挙げられる。これらアルコキ シ基、シクロアルコキシ基は、同一でもあっても異なっていてもよぐまた一置換でもよ ぐこれらの置換基は更に置換されていてもよい。アルキル基、シクロアルキル基はミ ックスでもよく、またこれら置換基同志が共有結合で結合していてもよい。更にフタル 酸の芳香環も置換されていてよぐダイマー、トリマー、テトラマー等の多量体でもよい 。またフタル酸エステルの部分構造力 ポリマーの一部、或いは規則的にポリマーへ ペンダントされていてもよぐ酸化防止剤、酸掃去剤、紫外線吸収剤等の添加剤の分 子構造の一部に導入されて!/、てもよレ、。
その他の多価カルボン酸エステル系の可塑剤としては、具体的にはトリドデシルトリ 力ルバレート、トリブチルー meso ブタン 1 , 2, 3, 4 テトラカルボキシレート等の アルキル多価カルボン酸アルキルエステル系の可塑剤、トリシクロへキシルトリ力ルバ レート、トリシクロプロピルー2—ヒドロキシ 1 , 2, 3—プロパントリカルボキシレート等 のアルキル多価カルボン酸シクロアルキルエステル系の可塑剤、トリフエニル 2—ヒド 口キシ一 1 , 2, 3—プロパントリカルボキシレート、テトラ 3—メチルフエニルテトラヒドロ フラン 2, 3, 4, 5 テトラカルボキシレート等のアルキル多価カルボン酸ァリールェ ステル系の可塑剤、テトラへキシルー 1 , 2, 3, 4 シクロブタンテトラカルボキシレー
ト、テトラプチルー 1 , 2, 3, 4 シクロペンタンテトラカルボキシレート等のシクロアル キル多価カルボン酸アルキルエステル系の可塑剤、テトラシクロプロピル 1 , 2, 3, 4ーシクロブタンテトラカルボキシレート、トリシクロへキシルー 1 , 3, 5—シクロへキシ ノレトリカルボキシレート等のシクロアルキル多価カルボン酸シクロアルキルエステル系 の可塑剤、トリフエ二ルー 1 , 3, 5—シクロへキシルトリカルボキシレート、へキサ 4ーメ チルフエ二ルー 1 , 2, 3, 4, 5, 6 シクロへキシルへキサカルボキシレート等のシクロ アルキル多価カルボン酸ァリールエステル系の可塑剤、トリドデシルベンゼン 1 , 2 , 4 トリカルボキシレート、テトラオクチルベンゼン 1 , 2, 4, 5 テトラカルボキシレ ート等のァリール多価カルボン酸アルキルエステル系の可塑剤、トリシクロペンチノレ ベンゼン 1 , 3, 5 トリカルボキシレート、テトラシクロへキシルベンゼン 1 , 2, 3, 5—テトラカルボキシレート等のァリール多価カルボン酸シクロアルキルエステル系の 可塑剤トリフエニルベンゼン 1 , 3, 5—テトラカルボキシレート、へキサ 4ーメチルフ ェニルベンゼン 1 , 2, 3, 4, 5, 6 へキサカルボキシレート等のァリール多価カル ボン酸ァリールエステル系の可塑剤が挙げられる。これらアルコキシ基、シクロアルコ キシ基は、同一でもあっても異なっていてもよぐまた 1置換でもよぐこれらの置換基 は更に置換されていてもよい。アルキル基、シクロアルキル基はミックスでもよぐまた これら置換基同志が共有結合で結合していてもよい。更にフタル酸の芳香環も置換 されていてよぐダイマー、トリマー、テトラマー等の多量体でもよい。またフタル酸ェ ステルの部分構造がポリマーの一部、或いは規則的にポリマーへペンダントされてい てもよぐ酸化防止剤、酸掃去剤、紫外線吸収剤等の添加剤の分子構造の一部に導 入されていてもよい。
[0151] 上記多価カルボン酸と 1価のアルコールからなるエステル系可塑剤の中では、アル キルジカルボン酸アルキルエステルが好ましぐ具体的には上記のジォクチルアジべ ートが挙げられる。
[0152] 本発明に用いられるその他の可塑剤としては、リン酸エステル系可塑剤、炭水化物 エステル系可塑剤、ポリマー可塑剤等が挙げられる。
[0153] リン酸エステル系の可塑剤としては、具体的には、トリァセチルホスフェート、トリブ チルホスフェート等のリン酸アルキルエステル、トリシクロベンチルホスフェート、シクロ
へキシルホスフェート等のリン酸シクロアルキルエステル、トリフエニルホスフェート、ト リクレジノレホスフェート、クレジノレフエニノレホスフェート、オタチノレジフエニノレホスフエー ト、ジフエニノレビフエニノレホスフェート、トリオクチノレホスフェート、トリブチノレホスフエ一 ト、トリナフチルホスフェート、トリキシリルォスフェート、トリスオルトービフエニルホスフ エート等のリン酸ァリールエステルが挙げられる。これらの置換基は同一でもあっても 異なっていてもよぐ更に置換されていてもよい。またアルキル基、シクロアルキル基、 ァリール基のミックスでもよぐまた置換基同志が共有結合で結合していてもよい。
等のァリーレンビス(ジアルキルホスフェート)、フエ二レンビス(ジフエニルホスフェート )、ナフチレンビス(ジトルィルホスフェート)等のァリーレンビス(ジァリールホスフエ一 ト)等のリン酸エステルが挙げられる。これらの置換基は同一でもあっても異なってい てもよく、更に置換されていてもよい。またアルキル基、シクロアルキル基、ァリール基 のミックスでもよぐまた置換基同志が共有結合で結合していてもよい。
[0155] 更にリン酸エステルの部分構造力 ポリマーの一部、或いは規則的にペンダントさ れていてもよぐまた酸化防止剤、酸掃去剤、紫外線吸収剤等の添加剤の分子構造 の一部に導入されていてもよい。上記化合物の中では、リン酸ァリールエステル、ァリ 一レンビス(ジァリールホスフェート)が好ましぐ具体的にはトリフエニルホスフェート、 フエ二レンビス(ジフエニルホスフェート)が好まし!/、。
[0156] 次に、炭水化物エステル系可塑剤について説明する。炭水化物とは、糖類がピラノ ースまたはフラノース ½員環または 5員環)の形態で存在する単糖類、二糖類または 三糖類を意味する。炭水化物の非限定的例としては、グルコース、サッカロース、ラタ トース、セロビオース、マンノース、キシロース、リボース、ガラクトース、ァラビノース、 フルクトース、ソルボース、セロトリオース及びラフイノース等が挙げられる。炭水化物 エステルとは、炭水化物の水酸基とカルボン酸が脱水縮合してエステル化合物を形 成したものを指し、詳しくは、炭水化物の脂肪族カルボン酸エステル、或いは芳香族
カルボン酸エステルを意味する。脂肪族カルボン酸として、例えば酢酸、プロピオン 酸等を挙げることができ、芳香族カルボン酸として、例えば安息香酸、トルィル酸、ァ ニス酸等を挙げることができる。炭水化物は、その種類に応じた水酸基の数を有する
1S 水酸基の一部とカルボン酸が反応してエステル化合物を形成しても、水酸基の 全部とカルボン酸が反応してエステル化合物を形成してもよ!/、。本発明にお!/、ては、 水酸基の全部とカルボン酸が反応してエステル化合物を形成するのが好ましい。
[0157] 炭水化物エステル系可塑剤として、具体的には、グルコースペンタアセテート、ダル コースペンタプロピオネート、グノレコースペンタブチレート、サッカロースォクタァセテ ート、サッカロースォクタべンゾエート等を好ましく挙げることができ、この内、サッカロ ースォクタアセテート、サッカロースォクタべンゾエートがより好ましぐサッカロースォ クタべンゾエートが特に好ましい。上記タイプの炭水化物エステル系可塑剤は、例え ば、第一工業製薬社から、 "モノペット SB"及び"モノペット SOA"という商品名で巿 販されている。
[0158] ポリマー可塑剤としては、具体的には、脂肪族炭化水素系ポリマー、脂環式炭化水 素系ポリマー、ポリアクリル酸ェチル、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチルとメタ クリル酸 2—ヒドロキシェチルとの共重合体、メタクリル酸メチルとアクリル酸メチルと メタクリル酸 2—ヒドロキシェチルとの共重合体等のアクリル系ポリマー、ポリビュル イソブチルエーテル、ポリ N ビュルピロリドン等のビュル系ポリマー、ポリスチレン、 ポリ 4ーヒドロキシスチレン等のスチレン系ポリマー、ポリブチレンサクシネート、ポリエ チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレンォキシ ド、ポリプロピレンォキシド等のポリエーテル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレァ等が 挙げられる。数平均分子量は 1000〜500000程度が好ましぐ特に好ましくは、 500 0〜200000である。 1000以下では揮発十生に問題カ生じ、 500000を超えると可證 化能力が低下し、セルロースエステルフィルムの機械的性質に悪影響を及ぼす。こ れらポリマー可塑剤は 1種の繰り返し単位からなる単独重合体でも、複数の繰り返し 構造体を有する共重合体でもよい。また、上記ポリマーを 2種以上併用して用いても よい。
[0159] 本発明に係るセルロースエステルフィルムにおいて、多価アルコールと 1価のカル
酸からなるエステル系可塑剤、多価カルボン酸と 1価のアルコールか テル系可塑剤を 1〜25質量%含有することが好ましいが、それ以外の可塑剤と併用 してもよい。
[0160] 本発明に係るセルロースエステルフィルムにおいて、多価アルコールと 1価のカル ボン酸からなるエステル系可塑剤が更に好ましいが、 3価以上のアルコールと 1価の カルボン酸からなるエステル系可塑剤がセルロースエステルに対する相溶性が高ぐ 高添加率で添加することができる特徴があるため、他の可塑剤や添加剤を併用して もブリードアウトを発生することがなぐ必要に応じて他種の可塑剤や添加剤を容易に 併用することができるので最も好ましレ、。
[0161] 《紫外線吸収剤》
本発明おいて、フィルム形成材料力 更に紫外線吸収剤を含有することが耐久性 を向上させる点で好ましい。紫外線吸収剤は、偏光子や表示装置の紫外線に対する 劣化防止の観点から、波長 370nm以下の紫外線の吸収能に優れており、かつ液晶 表示性の観点から、波長 400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。本 発明に用いられる紫外線吸収剤としては、例えば、ォキシベンゾフエノン系化合物、 ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフエノン系化合 物、シァノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、トリアジン系化合物等を挙 げること力 Sできる力 ベンゾフエノン系化合物や着色の少ないベンゾトリアゾール系化 合物、トリアジン系化合物が好ましい。また、特開平 10— 182621号、同 8— 33757 4号公報記載の紫外線吸収剤、特開平 6— 148430号、特開 2003— 113317号公 報記載の高分子紫外線吸収剤を用いてもょレ、。
[0162] ベンゾトリアゾール系化合物の具体例として、 2—(2' —ヒドロキシ 5' メチル フエ二ノレ)ベンゾトリアゾール、 2—(2' —ヒドロキシ 3' , 5' —ジ tert ブチノレ フエ二ノレ)ベンゾトリアゾール、 2— (2' —ヒドロキシ一 3' —tert ブチル 5' —メ チルフエ二ノレ)ベンゾトリアゾール、 2—(2' —ヒドロキシ 3' , 5' ージ tert ブ チルフエ二ル)一 5 クロ口べンゾトリアゾール、 2— (2' —ヒドロキシ一 3' —(3" , 4 " , 5" , ら" ーテトラヒドロフタルイミドメチル) 5' —メチルフエニル)ベンゾトリアゾ ール、 2, 2 メチレンビス(4— (1 , 1 , 3, 3 テトラメチルブチル)ー6—(2H—ベン
ゾトリァゾールー 2 ィノレ)フエノール)、 2—(2' —ヒドロキシ 3' —tert ブチノレ - 5 —メチルフエ二ル)一 5 クロ口べンゾトリアゾール、 2— (2' —ヒドロキシ一 3' tert ブチルー 5' —(2 ォクチルォキシカルボニルェチル) フエニル) 5— クロ口べンゾトリアゾール、 2— (2' —ヒドロキシ一 3' — (1—メチル 1—フエニルェ チル) 5' - (1 , 1 , 3, 3, —テトラメチルブチル) フエ二ノレ)ベンゾトリアゾール、 2 一(2H べンゾトリァゾールー 2 ィル)ー6 (直鎖及び側鎖ドデシル)ー4 メチル フエノール、ォクチルー 3—〔3— tert ブチル 4 ヒドロキシ一 5— (クロ口一 2H— ベンゾトリァゾールー 2 ィノレ)フェニル〕プロビオネートと 2 ェチルへキシル 3—〔 3— tert ブチル 4 ヒドロキシ一 5— (5 クロ口一 2H ベンゾトリアゾール 2— ィル)フエニル〕プロピオネートの混合物等を挙げることができる力 S、これらに限定され ない。
[0163] また、市販品として、チヌビン(TINUVIN) 326、チヌビン(TINUVIN) 109、チヌ ビン(TINUVIN) 171、チヌビン(TINUVIN) 900、チヌビン(TINUVIN) 928、チ ヌビン(TINUVIN) 360 (V、ずれもチノ 'スペシャルティ'ケミカルズ社製)、 LA31 (A DEKA社製)、 Sumisorb250 (住友化学社製)、 RUVA— 100 (大塚化学製)が挙 げられる。
[0164] ベンゾフエノン系化合物の具体例として、 2, 4—ジヒドロキシベンゾフエノン、 2, 2' —ジヒドロキシ一 4 メトキシベンゾフエノン、 2 ヒドロキシ一 4 メトキシ一 5 スルホ ベンゾフエノン、ビス(2 メトキシ一 4 ヒドロキシ一 5 ベンゾィルフエニルメタン)等 を挙げることができる力 S、これらに限定されるものではない。
本発明においては、紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物であることが好ま しい。
[0165] 本発明にお!/、ては、紫外線吸収剤は、本発明に係るセルロースエステルの質量に 対して、 0. ;!〜 10質量%添加することが好ましぐ更に 0. 2〜5質量%添加すること が好ましぐ更に 0. 5〜3質量%添加することが好ましい。これらは 2種以上を併用し てもよい。
[0166] またべンゾトリアゾール構造やトリァジン構造力 ポリマーの一部、或いは規則的に ポリマーへペンダントされていてもよぐ可塑剤、酸化防止剤、酸掃去剤等の他の添
加剤の分子構造の一部に導入されて!/、てもよレ、。
[0167] 従来公知の紫外線吸収性ポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、 RUVA
93 (大塚化学製)を単独重合させたポリマー及び RUVA— 93と他のモノマーとを 共重合させたポリマー等が挙げられる。具体的には、 RUVA— 93とメチルメタクリレ ートを 3: 7の比(質量比)で共重合させた PUVA— 30M、 5: 5の比(質量比)で共重 合させた PUVA—50M等が挙げられる。更に、特開 2003— 113317号公報に記載 のポリマー等が挙げられる。
[0168] 《その他の添加剤》
本発明においては、セルロースエステルに劣化防止剤、可塑剤や紫外線吸収剤の 他、種々の添加剤を含有することができる。例えば、マット剤、フィラー、シリカゃケィ 酸塩等の無機化合物、染料、顔料、蛍光体、二色性色素、リタ一デーシヨン制御剤、 屈折率調整剤、ガス透過抑制剤、抗菌剤、生分解性付与剤などが挙げられる。また 、上記機能を有するものであれば、これに分類されない添加剤も用いることができる。
[0169] そして、これらの添加剤をセルロースエステルに含有させる方法としては、各々の材 料を固体或いは液体のまま混合し、加熱溶融し混練して均一な溶融物とした後、流 延して光学フィルムを形成する方法であっても、予め全ての材料を溶媒等を用いて、 溶解して均一溶液とした後、溶媒を除去して、添加剤とセルロースエステルの混合物 を形成し、これを加熱溶融し、流延して光学フィルムを形成してもよい。
[0170] (マット剤)
本発明に係るフィルムは、滑り性や光学的、機械的機能を付与するためにマット剤 を添加すること力 Sできる。マット剤としては、無機化合物の微粒子または有機化合物 の微粒子が挙げられる。
[0171] マット剤の形状は、球状、棒状、針状、層状、平板状等の形状のものが好ましく用い られる。マット剤としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、 酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケィ酸カルシウム、水和ケ ィ酸カルシウム、ケィ酸アルミニウム、ケィ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の金属 の酸化物、リン酸塩、ケィ酸塩、炭酸塩等の無機微粒子や架橋高分子微粒子を挙げ ること力 Sできる。中でも、二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを低くできるので好ましい。
これらの微粒子は有機物により表面処理されていることカ、フィルムのヘイズを低下 できるため好ましい。
[0172] 表面処理は、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサン等で行うこと が好ましい。微粒子の平均粒径が大きい方が滑り性効果は大きぐ反対に平均粒径 の小さい方は透明性に優れる。また、微粒子の一次粒子の平均粒径は 0. 01〜; 1. 0 a mの範囲である。好ましい微粒子の一次粒子の平均粒径は 5 50nmが好ましぐ 更に好ましくは、 7 14nmである。これらの微粒子は、セルロースエステルフィルム 表面に 0. 01-1. 0 mの凹凸を生成させるために好ましく用いられる。
[0173] 二酸化ケイ素の微粒子としては、 日本ァエロジル(株)製のァエロジル (AEROSIL ) 200 200V 300 R972 R972V R974 R202 R812 0X50 TT600 NA X50等、 日本触媒(株)製の KE— P10 KE— P30 KE— P100 KE— P150等を 挙げること力 Sでき、好ましくはァエロジル 200V R972V NAX50 KE— P30 KE P100である。これらの微粒子は 2種以上併用してもよい。
[0174] 2種以上併用する場合、任意の割合で混合して使用することができる。平均粒径や 材質の異なる微粒子、例えば、ァエロジル 200Vと R972Vを質量比で 0· 1 : 99. 9 99. 9 : 0. 1の範囲で使用できる。
[0175] これらのマット剤の添加方法は混練する等によって行うことが好ましい。また、別の 形態として予め溶媒に分散したマット剤とセルロースエステル及び/または可塑剤及 び/または酸化防止剤及び/または紫外線吸収剤を混合分散させた後、溶媒を揮 発または沈殿させた固形物を得て、これをセルロースエステル溶融物の製造過程で 用いること力 S、マット剤がセルロースエステル中で均一に分散できる観点から好ましい
[0176] 上記マット剤は、フィルムの機械的、電気的、光学的特性改善のために添加するこ ともできる。
[0177] なお、これらの微粒子を添加するほど、得られるフィルムの滑り性は向上する力 添 加するほどヘイズが上昇するため、含有量は好ましくは 0. 00;! 5質量%が好ましく 、より好ましくは 0. 005 1質量%であり、更に好ましくは 0. 01-0. 5質量%である
[0178] なお、本発明に係るフィルムとしては、ヘイズ値が 1. 0%を超えると光学用材料とし て影響を与えるため、好ましくはヘイズ値は 1. 0%未満、より好ましくは 0. 5%未満で ある。ヘイズ値は JIS— K7136に基づいて測定することができる。
[0179] 上述のフィルム形成材料の保存或いは製膜工程において、空気中の酸素による劣 化反応が併発することがある。この場合、上記添加剤の安定化作用とともに、空気中 の酸素濃度を低減させる効果を用いることも本発明を具現化する上で併用できる。こ れは、公知の技術として不活性ガスとして窒素やアルゴンの使用、減圧〜真空による 脱気操作、及び密閉環境下による操作が挙げられ、これら 3者の内少なくとも 1つの 方法を上記添加剤を存在させる方法と併用することができる。フィルム形成材料が空 気中の酸素と接触する確率を低減することにより、該材料の劣化が抑制でき、本発明 の目的のためには好ましい。
[0180] 《光学フィルム》
次に、本発明の光学フィルムの詳細について説明する。
[0181] 本発明にお!/、て光学フィルムとは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機 E Lディスプレイ等の各種表示装置に用いられる機能フィルムのことであり、詳しくは液 晶表示装置用の偏光板保護フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、輝度向 上フィルム、ハードコートフィルム、防眩フィルム、帯電防止フィルム、視野角拡大等 の光学補償フィルム等を含む。
[0182] 本発明に係る光学フィルムにおいて、本発明に係るセルロースエステルの他、本発 明に係らないセルロースエステル系樹脂、セルロースエーテル系樹脂、ビュル系樹 脂 (ポリ酢酸ビュル系樹脂、ポリビュルアルコール系樹脂等も含む)、ォレフィン系樹 脂 (ノルボルネン系樹脂、単環の環状ォレフィン系樹脂、環状共役ジェン系樹脂、ビ 二ル脂環式炭化水素系樹脂等)、ポリエステル系樹脂 (芳香族ポリエステル、脂肪族 ポリエステル、もしくはそれらを含む共重合体)、アクリル系樹脂(共重合体も含む)、 ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアリレート系 樹脂等を含有させることができる。セルロースエステル以外の樹脂の含有量としては 0. ;!〜 30質量%が好ましい。
[0183] 本発明に係る光学フィルムは、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、光学補償フィ
ルムに好ましく用いられ、特に、偏光板保護フィルムに好ましく用いられる。
[0184] 《溶融流延法》
本発明に係る光学フィルムは、前述のように溶融流延によって製造される。溶液流 延法において用いられる溶媒 (例えば塩化メチレン等)を用いずに、加熱溶融する溶 融流延による成形法は、更に詳細には、溶融押出成形法、プレス成形法、インフレ一 シヨン法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法等に分類できる。これらの中で、 機械的強度及び表面精度等に優れる偏光板保護フィルムを得るためには、溶融押 出成形法が優れている。
[0185] フィルム形成材料は溶融及び製膜工程にお!/、て、揮発成分が少な!/、または発生し ないことが求められる。これは加熱溶融時に発泡して、フィルム内部の欠陥ゃフィノレ ム表面の平面性劣化を削減または回避するためである。
[0186] フィルム形成材料が溶融されるときの揮発成分の含有量は、 1質量%以下、好まし くは 0. 5質量%以下、更に好ましくは 0. 2質量%以下、さらにより好ましくは 0. 1質量 %以下であることが望まれる。本発明においては、示差熱重量測定装置 (セイコー電 子工業社製 TG/DTA200)を用いて、 30°Cから溶融流延時に相当する温度まで の加熱減量を求め、その量を揮発成分の含有量としている。
[0187] 用いるフィルム形成材料は、前記水分や前記溶媒等に代表される揮発成分を、製 膜する前に、または加熱時に除去することが好ましい。除去する方法は、公知の乾燥 方法が適用でき、加熱法、減圧法、加熱減圧法等の方法で行うことができ、空気中ま たは不活性ガスとして窒素を選択した雰囲気下で行ってもよ!/、。これらの公知の乾燥 方法を行うとき、フィルム形成材料が分解しなレ、温度領域で行うことがフィルムの品質 上好ましい。
[0188] 製膜前に乾燥することにより、揮発成分の発生を削減することができ、セルロースェ ステル単独、またはセルロースエステルとフィルム形成材料の内、セルロースエステ ル以外の少なくとも 1種以上の混合物または相溶物に分割して乾燥することもできる 。乾燥温度は 70°C以上が好ましい。乾燥する材料にガラス転移温度を有する物が存 在するときには、そのガラス転移温度よりも高い乾燥温度に加熱すると、材料が融着 して取り扱いが困難になることがあるので、乾燥温度は、ガラス転移温度以下である
ことが好ましい。複数の物質がガラス転移温度を有する場合は、ガラス転移温度が低 い方のガラス転移温度を基準とする。より好ましくは 70°C以上、(ガラス転移温度— 5 ) °C以下、更に好ましくは 110°C以上、(ガラス転移温度 20) °C以下である。乾燥時 間は、好ましくは 0. 5〜24時間、より好ましくは 1〜; 18時間、更に好ましくは 1. 5〜1 2時間である。乾燥温度が低くなり過ぎると揮発成分の除去率が低くなり、また乾燥す るのに時間に力、かり過ぎることになる。また、乾燥工程は 2段階以上にわけてもよぐ 例えば、乾燥工程が、材料の保管のための予備乾燥工程と、製膜する直前〜 1週間 前の間に行う直前乾燥工程を含むものであってもよい。
[0189] (溶融押出成形法)
以下、溶融押出成形法を例にとり、本発明のセルロースエステルフィルムの製造方 法について説明する。
[0190] 図 1は、本発明に係るセルロースエステルフィルムの製造方法を実施する装置の全 体構成を示す概略フローシートであり、図 2は、流延ダイから冷却ロール部分の拡大 図である。
[0191] 図 1と図 2において、本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法は、セル ロース樹脂等のフィルム材料を混合した後、押出し機 1を用いて、流延ダイ 4から第 1 冷却ロール 5上に溶融押出し、第 1冷却ロール 5に外接させるとともに、更に、第 2冷 却ロール 7、第 3冷却ロール 8の合計 3本の冷却ロールに順に外接させて、冷却固化 してフィルム 10とする。次いで、剥離ロール 9によって剥離したフィルム 10を、次いで 延伸装置 12によりフィルムの両端部を把持して幅方向に延伸した後、巻取り装置 16 により巻き取る。また、平面性を矯正するために溶融フィルムを第 1冷却ロール 5表面 に挟圧するタツチロール 6が設けられている。このタツチロール 6は表面が弾性を有し 、第 1冷却ロール 5との間で二ップを形成している。タツチロール 6についての詳細は 後述する。
[0192] 本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法において、溶融押出しの条件 は、他のポリエステル等の熱可塑性樹脂に用いられる条件と同様にして行うことがで きる。材料は予め乾燥させておくことが好ましい。真空または減圧乾燥機や除湿熱風 乾燥機等で水分を lOOOppm以下、好ましくは 200ppm以下に乾燥させることが望ま
しい。
[0193] 例えば、熱風や真空または減圧下で乾燥したセルロースエステルを押出し機 1を用 いて、押出し温度 200〜300°C程度で溶融し、リーフディスクタイプのフィルター 2等 で濾過し、異物を除去する。
[0194] 供給ホッパー(図示略)から押出し機 1へ導入する際は、真空下または減圧下ゃ不 活性ガス雰囲気下にして、酸化分解等を防止することが好ましい。
[0195] 可塑剤等の添加剤を予め混合しない場合は、それらを押出し機の途中で練り込ん でもよい。均一に添加するために、スタチックミキサー 3等の混合装置を用いることが 好ましい。
[0196] 本発明において、セルロースエステルと、その他必要により添加される劣化防止剤 等の添加剤は、溶融する前に混合しておくことが好ましぐセルロースエステルと添加 剤を加熱前に混合することが更に好ましい。混合は、混合機等により行ってもよぐま た、前記したようにセルロース樹脂調製過程において混合してもよい。混合機を使用 する場合は、 V型混合機、円錐スクリュー型混合機、水平円筒型混合機等、ヘンシェ ルミキサー、リボンミキサ一一般的な混合機を用いることができる。
[0197] 上記のようにフィルム形成材料を混合した後に、その混合物を押出し機 1を用いて 直接溶融して製膜するようにしてもよいが、一旦、フィルム形成材料をペレット化した 後、該ペレットを押出し機 1で溶融して製膜するようにしてもよい。また、フィルム形成 材料が、融点の異なる複数の材料を含む場合には、融点の低い材料のみが溶融す る温度で一旦、いわゆるおこし状の半溶融物を作製し、半溶融物を押出し機 1に投 入して製膜することも可能である。フィルム形成材料に熱分解しやす!/、材料が含まれ る場合には、溶融回数を減らす目的で、ペレットを作製せずに直接製膜する方法や 、上記のようなおこし状の半溶融物を作って力 製膜する方法が好ましレ、。
[0198] 押出し機 1は、市場で入手可能な種々の押出し機を使用可能である力 溶融混練 押出し機が好ましぐ単軸押出し機でも 2軸押出し機でもよい。フィルム形成材料から ペレットを作製せずに、直接製膜を行う場合、適当な混練度が必要であるため 2軸押 出し機を用いることが好ましいが、単軸押出し機でも、スクリューの形状をマドック型、 ュニメルト型、ダルメージ等の混練型のスクリューに変更することにより、適度の混練
が得られるので、使用可能である。フィルム形成材料として、一旦、ペレットやおこし 状の半溶融物を使用する場合は、単軸押出し機でも 2軸押出し機でも使用可能であ
[0199] 押出し機 1内及び押出した後の冷却工程は、窒素ガス等の不活性ガスで置換する 、、或いは減圧することにより、酸素の濃度を下げることが好ましい。
[0200] 押出し機 1内のフィルム形成材料の溶融温度は、フィルム形成材料の粘度や吐出 量、製造するシートの厚み等によって好ましい条件が異なる力 一般的には、フィノレ ムのガラス転移温度 Tgに対して、 Tg以上、 Tg+ 130°C以下、好ましくは Tg+ 10°C 以上、 Tg+ 120°C以下である。
[0201] 本発明の溶融押出し時の温度は 200°C以上 270°C以下の範囲であることが好まし V、。更に 230〜260°Cの範囲であることが好まし!/、。
[0202] 押出し時の溶融粘度は、 l~10000Pa- s,好ましくは 10〜; lOOOPa' sである。また 、押出し機 1内でのフィルム形成材料の滞留時間は短い方が好ましぐ 5分以内、好 ましくは 3分以内、より好ましくは 2分以内である。滞留時間は、押出し機 1の種類、押 し出す条件にも左右されるが、材料の供給量や L/D、スクリュー回転数、スクリュー の溝の深さ等を調整することにより短縮することが可能である。
[0203] 押出し機 1のスクリューの形状や回転数等は、フィルム形成材料の粘度や吐出量等 により適宜選択される。本発明において押出し機 1でのせん断速度は、 1/秒〜 100 00/秒、好ましくは 5/秒〜 1000/秒、より好ましくは 10/秒〜 100/秒である。
[0204] 本発明に使用できる押出し機 1としては、一般的にプラスチック成形機として入手可 能である。
[0205] 押出し機 1から押し出されたフィルム形成材料は、流延ダイ 4に送られ、流延ダイ 4 のスリットからフィルム状に押し出される。流延ダイ 4はシートやフィルムを製造するた めに用いられるものであれば特に限定はされない。流延ダイ 4の材質としては、ハー ドクロム、炭化クロム、窒化クロム、炭化チタン、炭窒化チタン、窒化チタン、超鋼、セ ラミック (タングステンカーバイド、酸化アルミ、酸化クロム)等を溶射もしくはメツキし、 表面加工としてバフ、 # 1000番手以降の砥石を用いるラッピング、 # 1000番手以 上のダイヤモンド砥石を用いる平面切削(切削方向は樹脂の流れ方向に垂直な方向
)、電解研磨、電解複合研磨等の加工を施したもの等が挙げられる。流延ダイ 4のリツ プ部の好ましい材質は、流延ダイ 4と同様である。またリップ部の表面精度は 0. 5S以 下が好ましぐ 0. 2S以下がより好ましい。
[0206] この流延ダイ 4のスリットは、そのギャップが調整可能なように構成されている。これ を図 3に示す。流延ダイ 4のスリット 32を形成する一対のリップのうち、一方は剛性の 低い変形しやすいフレキシブルリップ 33であり、他方は固定リップ 34である。そして、 多数のヒートボルト 35が流延ダイ 4の幅方向すなわちスリット 32の長さ方向に一定ピ ツチで配列されている。各ヒートボルト 5には、埋め込み電気ヒータ 37と冷却媒体通 路とを具えたブロック 36が設けられ、各ヒートボルト 35が各ブロック 36を縦に貫通して いる。ヒートボルト 35の基部はダイ本体 31に固定され、先端はフレキシブルリップ 33 の外面に当接している。そしてブロック 36を常時空冷しながら、埋め込み電気ヒータ 37の入力を増減してブロック 36の温度を上下させ、これによりヒートボルト 35を熱伸 縮させて、フレキシブルリップ 33を変位させてフィルムの厚さを調整する。ダイ後流の 所要箇所に厚さ計を設け、これによつて検出されたウェブ厚さ情報を制御装置にフィ ードバックし、この厚さ情報を制御装置で設定厚み情報と比較し、同装置から来る補 正制御量の信号によってヒートボルトの発熱体の電力またはオン率を制御するように することもできる。ヒートボルトは、好ましくは、長さ 20〜40cm、直径 7〜; 14mmを有 し、複数、例えば数十本のヒートボルトが、好ましくはピッチ 20〜40mmで配列されて いる。ヒートボルトの代わりに、手動で軸方向に前後動させることによりスリットギャップ を調節するボルトを主体とするギャップ調節部材を設けてもょレ、。ギャップ調節部材 によって調節されたスリットギャップは、通常 200〜; 1000 m、好ましくは 300〜800 〃m、より好ましくは 400〜600〃111である。
[0207] 第 1〜第 3冷却ロールは、肉厚が 20〜30mm程度のシームレスな鋼管製で、表面 が鏡面に仕上げられている。その内部には、冷却液を流す配管が配置されており、 配管を流れる冷却液によってロール上のフィルムから熱を吸収できるように構成され ている。この第 1乃至第 3冷却ロールの内、第 1冷却ロール 5が本発明の回転支持体 に相当する。
[0208] 一方、第 1冷却ロール 5に当接するタツチロール 6は、表面が弾性を有し、第 1冷却
ロール 5への押圧力によって第 1冷却ロール 5の表面に沿って変形し、第 1ロール 5と の間に二ップを形成する。すなわち、タツチロール 6が本発明の挟圧回転体に相当す
[0209] 図 4に、タツチロール 6の一実施形態(以下、タツチロール A)の概略断面を示す。図 に示すように、タツチローノレ Aは、可撓性の金属スリーブ 41の内部に弾性ローラ 42を 配したものである。
[0210] 金属スリーブ 41は厚さ 0. 3mmのステンレス製であり、可撓性を有する。金属スリー ブ 41が薄過ぎると強度が不足し、逆に厚過ぎると弾性が不足する。これらのこと力 、 金属スリーブ 41の厚さとしては、 0. ;!〜 1. 5mmが好ましい。弾性ローラ 42は、軸受 を介して回転自在な金属製の内筒 43の表面にゴム 44を設けてロール状としたもの である。そして、タツチロール Aが第 1冷却ロール 5に向けて押圧されると、弾性ローラ 42が金属スリーブ 41を第 1冷却ロール 5に押しつけ、金属スリープ 41及び弾性ロー ラ 42は第 1冷却ロール 5の形状になじんだ形状に対応しつつ変形し、第 1冷却ロー ルとの間に二ップを形成する。金属スリーブ 41の内部で弾性ローラ 42との間に形成 される空間には、冷却水 45が流される。
[0211] 図 5、図 6は挟圧回転体の別の実施形態であるタツチロール Bを示している。タツチ ロール Bは、可撓性を有する、シームレスなステンレス鋼管製(厚さ 4mm)の外筒 51 と、この外筒 51の内側に同一軸心状に配置された高剛性の金属内筒 52とから概略 構成されている。外筒 51と内筒 52との間の空間 53には、冷却液 54が流される。詳し くは、タツチロール Bは、両端の回転軸 55a、 55bに外筒支持フランジ 56a、 56bが取 付けられ、これら両外筒支持フランジ 56a、 56bの外周部間に薄肉金属外筒 51が取 付けられている。また、一方の回転軸 55aの軸心部に形成されて流体戻り通路 57を 形成する流体排出孔 58内に、流体供給管 59が同一軸心状に配設され、この流体供 給管 59が薄肉金属外筒 51内の軸心部に配置された流体軸筒 60に接続固定されて いる。この流体軸筒 60の両端部に内筒支持フランジ 61a、 61bがそれぞれ取り付け られ、これら内筒支持フランジ 61a、 61bの外周部間から他端側外筒支持フランジ 56 bにわたつて約 15〜20mm程度の肉厚を有する金属内筒 52が取付けられている。 そしてこの金属内筒 52と薄肉金属外筒 51との間に、例えば 10mm程度の冷却液の
流送空間 53が形成され、また金属内筒 52に両端部近傍には、流送空間 53と内筒 支持フランジ 61a、 61b外側の中間通路 62a、 62bとを連通する流出口 52a及び流入 口 52bがそれぞれ形成されて!/、る。
[0212] また、外筒 51は、ゴム弾性に近い柔軟性と可撓性、復元性をもたせるために、弾性 力学の薄肉円筒理論が適用できる範囲内で薄肉化が図られている。この薄肉円筒 理論で評価される可撓性は、肉厚 t/ロール半径 rで表されており、 t/rが小さいほど 可撓性が高まる。このタツチロール Bでは t/r≤0. 03の場合に可撓性が最適の条件 となる。通常、一般的に使用されているタツチロールは、ロール径 R= 200〜500mm (ロール半径 r=R/2)、ローノレ有効幅 L = 500〜; 1600mmで、 r/Lく 1で横長の开$ 状である。そして図 6に示すように、例えばロール径 R= 300mm、ロール有効幅 L = 1200mmの場合、肉厚 tの適正範囲は 150 X 0. 03 = 4. 5mm以下であるが、溶融 シート幅を 1300mmに対して平均線圧を 98N/cmで挟圧する場合、同一形状のゴ ムロールと比較して、外筒 51の肉厚を 3mmとすることで相当ばね定数も等しぐ外筒 51と冷却ロールとの二ップのロール回転方向の二ップ幅 kも約 9mmで、このゴムロー ルのニップ幅約 12mmとほぼ近い値を示し、同じような条件下で挟圧できることが分 力、る。なお、この二ップ幅 kにおけるたわみ量は 0. 05—0. 1mm程度である。
[0213] ここで、 t/r≤0. 03とした力 一般的なロール径 R= 200〜500mmの場合では、 特に 2mm≤t≤5mmの範囲とすると、可撓性も十分に得られ、また機械加工による 薄肉化も容易に実施でき、極めて実用的な範囲となる。肉厚が 2mm以下では加工 時の弾性変形で高精度な加工ができない。
[0214] この 2mm≤t≤ 5mmの換算値は、一般的なロール径に対して 0. 008≤t/r≤0.
05となるが、実用にあたっては 03の条件下でロール径に比例して肉厚も 大きくするとよい。例えばロール径: R = 200では t = 2〜3mm、ロール径: R= 500で は t = 4〜 5mmの範囲で選択する。
[0215] このタツチロール A、 Bは不図示の付勢手段により第 1冷却ロールに向けて付勢さ れる。その付勢手段の付勢力を F、ニップにおけるフィルムの、第 1冷却ロール 5の回 転軸に沿った方向の幅 Wを除した値 F/W (線圧)は、 9. 8〜; 147N/cmに設定さ れる。本実施の形態によれば、タツチロール A、 Bと第 1冷却ロール 5との間にニップ
が形成され、当該二ップをフィルムが通過する間に平面性を矯正すればよい。従って 、タツチロールが剛体で構成され、第 1冷却ロールとの間にエップが形成されない場 合と比べて、小さい線圧で長時間かけてフィルムを挟圧するので、平面性をより確実 に矯正することができる。すなわち、線圧が 9· 8N/cmよりも小さいと、ダイラインを 十分に解消することができなくなる。逆に、線圧が 147N/cmよりも大きいと、フィノレ ムがニップを通過しにくくなり、フィルムの厚さにかえってムラができてしまう。
[0216] また、タツチロール A、 Bの表面を金属で構成することにより、タツチロールの表面が ゴムである場合よりもタツチロール A、 Bの表面を平滑にすることができるので、平滑 性の高いフィルムを得ることができる。なお、弾性ローラ 42の弾性体 44の材質として は、エチレンプロピレンゴム、ネオプレンゴム、シリコンゴム等を用いることができる。
[0217] さて、タツチロール 6によってダイラインを良好に解消するためには、タツチロール 6 力 Sフィルムを挟圧するときのフィルムの粘度が適切な範囲であることが重要となる。ま た、セルロースエステルは温度による粘度の変化が比較的大きいことが知られている 。従って、タツチロール 6がセルロースエステルフィルムを挟圧するときの粘度を適切 な範囲に設定するためには、タツチロール 6がセルロースフィルムを挟圧するときのフ イルムの温度を適切な範囲に設定することが重要となる。そして本発明者は、セル口 ースエステルフィルムのガラス転移温度を Tgとしたとき、フィルムがタツチロール 6に 挟圧される直前のフィルムの温度 Tを、 Tg<T<Tg+ 110°Cを満たすように設定す ればよいことを見出した。フィルム温度 T力 STgよりも低いとフィルムの粘度が高過ぎて 、ダイラインを矯正できなくなる。逆に、フィルムの温度 T力 STg+ 110°Cよりも高いと、 フィルム表面とロールが均一に接着せず、やはりダイラインを矯正することができない 。好ましくは丁§+ 10°じ<丁2<丁§ + 90° 更に好ましくは Tg + 20°C <T2く Tg+ 7 0°Cである。タツチロール 6がセルロースエステルフィルムを挟圧するときのフィルムの 温度を適切な範囲に設定するには、流延ダイ 4から押し出された溶融物が第 1冷却口 ール 5に接触する位置 P1から第 1冷却ロール 5とタツチロール 6とのニップの、第 1冷 却ロール 5の回転方向に沿った長さ Lを調整すればよい。
[0218] 本発明において、第 1ロール 5、第 2ロール 6に好ましい材質は、炭素鋼、ステンレス 鋼、樹脂、等が挙げられる。また、表面精度は高くすることが好ましく表面粗さとして 0
. 3S以下、より好ましくは 0. 01S以下とする。
[0219] 本発明においては、流延ダイ 4の開口部(リップ)から第 1ロール 5までの部分を 70k Pa以下に減圧させることにより、上記、ダイラインの矯正効果がより大きく発現するこ とを発見した。好ましくは減圧は 50〜70kPaである。流延ダイ 4の開口部(リップ)から 第 1ロール 5までの部分の圧力を 70kPa以下に保つ方法としては、特に制限はない 力 流延ダイ 4からロール周辺を耐圧部材で覆い、減圧する等の方法がある。このと き、吸引装置は、装置自体が昇華物の付着場所にならないようヒーターで加熱する 等の処置を施すことが好ましい。本発明では、吸引圧が小さ過ぎると昇華物を効果的 に吸引できないため、適当な吸引圧とする必要がある。
[0220] 本発明にお!/、て、 Tダイ 4から溶融状態のフィルム状のセルロースエステルを、第 1 ロール(第 1冷却ロール) 5、第 2冷却ロール 7、及び第 3冷却ロール 8に順次密着させ て搬送しながら冷却固化させ、未延伸のセル口ースエステルフィルム 10を得る。
[0221] 図 1に示す本発明の実施形態では、第 3冷却ロール 8から剥離ロール 9によって剥 離した冷却固化された未延伸のフィルム 10は、ダンサーロール(フィルム張力調整口 ール) 11を経て延伸機 12に導き、そこでフィルム 10を横方向(幅方向)に延伸する。 この延伸により、フィルム中の分子が配向される。
[0222] フィルムを幅方向に延伸する方法は、公知のテンター等を好ましく用いることができ る。特に延伸方向を幅方向とすることで、偏光フィルムとの積層がロール形態で実施 できるので好ましい。幅方向に延伸することで、セルロースエステルフィルムからなる セルロースエステルフィルムの遅相軸は幅方向になる。
[0223] 一方、偏光フィルムの透過軸も、通常、幅方向である。偏光フィルムの透過軸と光 学フィルムの遅相軸とが平行になるように積層した偏光板を液晶表示装置に組み込 むことで、液晶表示装置の表示コントラストを高くすることができるとともに、良好な視 野角が得られるのである。
[0224] フィルム形成材料のガラス転移温度 Tgはフィルムを構成する材料種及び構成する 材料の比率を異ならしめることにより制御できる。セルロースエステルフィルムとして位 相差フィルムを作製する場合、 Tgは 120°C以上、好ましくは 135°C以上とすることが 好ましい。液晶表示装置においては、画像の表示状態において、装置自身の温度
上昇、例えば光源由来の温度上昇によってフィルムの温度環境が変化する。このとき フィルムの使用環境温度よりもフィルムの Tgが低いと、延伸によってフィルム内部に 固定された分子の配向状態に由来するリタ一デーシヨン値及びフィルムとしての寸法 形状に大きな変化を与えることとなる。フィルムの Tgが高過ぎると、フィルム形成材料 をフィルム化するとき温度が高くなるために加熱するエネルギー消費が高くなり、また フィルム化するときの材料自身の分解、それによる着色が生じることがあり、従って、 T gは 250°C以下が好ましい。
[0225] また延伸工程には公知の熱固定条件、冷却、緩和処理を行ってもよぐ 目的とする 光学フィルムに要求される特性を有するように適宜調整すればよい。
[0226] 位相差フィルムの物性と液晶表示装置の視野角拡大のための位相差フィルムとし ての機能付与するために、上記延伸工程、熱固定処理は適宜選択して行われてい る。このような延伸工程、熱固定処理を含む場合、加熱加圧工程は、それらの延伸ェ 程、熱固定処理の前に行うようにする。
[0227] セルロースエステルフィルムとして位相差フィルムを製造し、更に偏光板保護フィル ムの機能を複合させる場合、屈折率制御を行う必要が生じるが、その屈折率制御は 延伸操作により行うことが可能であり、また延伸操作が好ましい方法である。以下、そ の延伸方法につ!/、て説明する。
[0228] 位相差フィルムの延伸工程において、セルロース樹脂の 1方向に 1. 0〜2. 0倍及 びフィルム面内にそれと直交する方向に 1. 01 -2. 5倍延伸することで、必要とされ るリタ一デーシヨン Ro及び Rtを制御することができる。ここで、 Roとは面内リターデー シヨンを示し、 Rtとは厚み方向リタ一デーシヨンを示す。
[0229] リタ一デーシヨン Ro、 Rtは下記式により求められる。
[0230] 式(i) Ro= (nx-ny) X d
式(ii) Rt= ( (nx + ny) /2 -nz) X d
(式中、 nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、 nyはフィルム面内の進相軸方向 の屈折率、 nzはフィルムの厚み方向の屈折率(屈折率は 23°C、 55%RHの環境下、 波長 590nmで測定)、 dはフィルムの厚さ(nm)を表す。 )
光学フィルムの屈折率は、アッベ屈折率計(4T)を用いて、フィルムの厚さは市販の
マイクロメーターを用いて、リタ一デーシヨン値は、自動複屈折計 KOBRA—21AD H (王子計測機器 (株)製)等を用レ、て、各々測定することが出来る。
[0231] 延伸は、例えばフィルムの長手方向及びそれとフィルム面内で直交する方向、即ち 幅方向に対して、逐次または同時に行うことができる。このとき少なくとも 1方向に対し ての延伸倍率が小さ過ぎると十分な位相差が得られず、大き過ぎると延伸が困難とな りフィルム破断が発生してしまう場合がある。
[0232] 例えば溶融流延方向に延伸した場合、幅方向の収縮が大き過ぎると、 nzの値が大 きくなり過ぎてしまう。この場合、フィルムの幅収縮を抑制、或いは幅方向にも延伸す ることで改善できる。幅方向に延伸する場合、幅方向で屈折率に分布が生じることが ある。この分布は、テンター法を用いた場合に現れることがあり、フィルムを幅方向に 延伸したことで、フィルム中央部に収縮力が発生し、端部は固定されていることにより 生じる現象で、いわゆるボーイング現象と呼ばれるものと考えられる。この場合でも、 流延方向に延伸することで、ボーイング現象を抑制でき、幅方向の位相差の分布を 少なくできる。
[0233] 互いに直行する 2軸方向に延伸することにより、得られるフィルムの膜厚変動が減 少できる。位相差フィルムの膜厚変動が大き過ぎると位相差のムラとなり、液晶表示 装置に用いたとき着色等のムラが問題となることがある。
[0234] セルロースエステルフィルムの膜厚変動は、 ± 3%、更に ± 1 %の範囲とすることが 好ましい。以上のような目的において、互いに直交する 2軸方向に延伸する方法は 有効であり、互いに直交する 2軸方向の延伸倍率は、それぞれ最終的には流延方向 に 1. 0〜2. 0倍、幅方向に 1. 01-2. 5倍の範囲とすることが好ましぐ流延方向に 1. 01〜; 1. 5倍、幅方向に 1. 05-2. 0倍に範囲で行うことが必要とされるリターデ ーシヨン値を得るためにより好ましい。
[0235] 長手方向に偏光子の吸収軸が存在する場合、幅方向に偏光子の透過軸が一致す ることになる。長尺状の偏光板を得るためには、位相差フィルムは、幅方向に遅相軸 を得るように延 ί申することが好ましレヽ。
[0236] 応力に対して、正の複屈折を得るセルロースエステルを用いる場合、上述の構成か ら、幅方向に延伸することで、位相差フィルムの遅相軸が幅方向に付与することがで
きる。この場合、表示品質の向上のためには、位相差フィルムの遅相軸力 幅方向に あるほうが好ましぐ 目的とするリタ一デーシヨン値を得るためには、
式、(幅方向の延伸倍率)〉(流延方向の延伸倍率)
の条件を満たすことが必要である。
[0237] 延伸後、フィルムの端部をスリツター 13により製品となる幅にスリットして裁ち落とし た後、エンボスリング 14及びバックロール 15よりなるナール加工装置によりナール加 ェ(ェンボッシング加工)をフィルム両端部に施し、巻取り機 16によって巻き取ること により、セルロースエステルフィルム(元巻き) F中の貼り付きや、すり傷の発生を防止 する。ナール加工の方法は、凸凹のパターンを側面に有する金属リングを加熱や加 圧によりカロェすること力 Sできる。なお、フィルム両端部のクリップの把持部分は通常、 変形しており、フィルム製品として使用できないので、切除されて、原料として再利用 される。
[0238] 次に、フィルムの巻取り工程は、円筒形巻きフィルムの外周面とこれの直前の移動 式搬送ロールの外周面との間の最短距離を一定に保持しながらフィルムを巻取り口 ールに巻き取るものである。かつ巻取りロールの手前には、フィルムの表面電位を除 去または低減する除電ブロア等の手段が設けられている。
[0239] 本発明の光学フィルムの製造に係わる巻き取り機は一般的に使用されているもの でよぐ定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプロダラ ムテンションコントロール法等の巻き取り方法で巻き取ることができる。なお、光学フィ ルムの巻取り時の初期巻取り張力が 90. 2-300. 8N/mであるのが好ましい。
[0240] 本発明の方法におけるフィルムの巻き取り工程では、温度 20〜30°C、湿度 20〜6 0%RHの環境条件にて、フィルムを巻き取ることが好ましい。このように、フィルムの 巻き取り工程での温度及び湿度を規定することにより、厚み方向リタ一デーシヨン (Rt )の湿度変化の耐性が向上する。
[0241] 巻き取り工程における温度が 20°C未満であれば、シヮが発生し、フィルム巻品質劣 化のため実用に耐えないので、好ましくない。フィルムの巻き取り工程における温度 力 ¾0°Cを超えると、やはりシヮが発生し、フィルム巻品質劣化のため実用に耐えない ので、好ましくない。
[0242] また、フィルムの巻き取り工程における湿度が 20%RH未満であれば、帯電しやす ぐフィルム巻品質劣化のため実用に耐えないので、好ましくない。フィルムの巻き取 り工程における湿度が 60%RHを超えると、巻品質、貼り付き故障、搬送性が劣化す るので、好ましくない。
[0243] 光学フィルムをロール状に巻き取る際の、巻きコアとしては、円筒上のコアであれは 、どのような材質のものであってもよいが、好ましくは中空プラスチックコアであり、プラ スチック材料としては加熱処理温度にも耐える耐熱性プラスチックであればどのような ものであってもよく、フエノール樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、 エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。またガラス繊維等の充填材により強化した熱 硬化性樹脂が好ましい。例えば、中空プラスチックコア: FRP製の外径 6インチ(以下 、インチは 2· 54cmを表す。)、内径 5インチの巻きコアが用いられる。
[0244] これらの巻きコアへの巻き数は、 100巻き以上であることが好ましぐ 500巻き以上 であることが更に好ましぐ巻き厚は 5cm以上であることが好ましぐフィルム基材の幅 は 80cm以上であることが好ましぐ lm以上であることが特に好ましい。
[0245] 本発明に係る光学フィルムの膜の厚さは、使用目的によって異なる力 仕上がりフィ ノレムとして、 10〜500〃111力《好ましい。特に、下限は 20〃 m以上、好ましくは 35〃 m 以上である。上限は 150 111以下、好ましくは 120 m以下である。特に好ましい範 囲は 25〜90 mである。本発明の光学フィルムが位相差フィルムであり偏光板保護 フィルムを兼ねる場合、フィルムが厚いと、偏光板加工後の偏光板が厚くなり過ぎ、ノ ート型パソコンゃモパイル型電子機器に用いる液晶表示においては、特に薄型軽量 の目的に適さない。一方、フィルムが薄いと、位相差フィルムとしてのリタ一デーシヨン の発現が困難となり、加えてフィルムの透湿性が高くなり、偏光子を湿度から保護す る能力が低下してしまうために好ましくない。
[0246] 位相差フィルムの遅相軸または進相軸がフィルム面内に存在し、製膜方向とのなす 角度を θ 1とすると、 θ 1は一;!〜 + 1° 、好ましくは一 0· 5〜 + 0· 5° となるようにす
[0247] この θ 1は配向角として定義でき、 θ 1の測定は、自動複屈折計 KOBRA— 21AD Η (王子計測機器社製)を用いて行うことができる。
[0248] θ 1が各々上記関係を満たすことは、表示画像において高い輝度を得ること、光漏 れを抑制または防止することに寄与し、カラー液晶表示装置においては忠実な色再 現に寄与する。
[0249] 位相差フィルムがマルチドメイン化された VAモードに用いられるとき、位相差フィノレ ムの配置は、位相差フィルムの進相軸が Θ 1として上記領域に配置することで、表示 画質の向上に寄与し、偏光板及び液晶表示装置として MVAモードとしたとき、例え ば図 7に示す構成をとることができる。
[0250] 図 7ίこおレヽて、 21a, 21biま保護フイノレム、 22a, 22b ίま位申目差フイノレム、 25a, 25b は偏光子、 23a, 23bはフィルムの遅相軸方向、 24a、 24bは偏光子の透過軸方向、 26a, 26bは偏光板、 27は液晶セル、 29は液晶表示装置を示している。
[0251] セルロースエステルフィルムの面内方向のリタ一デーシヨン Ro分布は、 5%以下に 調整することが好ましぐより好ましくは 2%以下であり、特に好ましくは、 1. 5%以下 である。また、フィルムの厚み方向のリタ一デーシヨン Rt分布を 10%以下に調整する ことが好ましいが、更に好ましくは、 2%以下であり、特に好ましくは、 1. 5%以下であ
[0252] 位相差フィルムにおいて、リタ一デーシヨン値の分布変動が小さい方が好ましぐ液 晶表示装置に位相差フィルムを含む偏光板を用いるとき、該リターデーシヨン分布変 動が小さ!/、ことが色ムラ等を防止する観点で好まし!/、。
[0253] 位相差フィルムを、 VAモードまたは TNモードの液晶セルの表示品質の向上に適 したリタ一デーシヨン値を有するように調整し、特に VAモードとして上記のマルチドメ インに分割して MVAモードに好ましく用いられるようにするには、面内リターデーショ ン Roを 30nmよりも大きく、 95nm以下に、かつ厚み方向リタ一デーシヨン Rtを 70nm よりも大きく、 400nm以下の値に調整することが求められる。
[0254] 上記の面内リタ一デーシヨン Roは、 2枚の偏光板がクロスニコルに配置され、偏光 板の間に液晶セルが配置された、例えば図 7に示す構成であるときに、表示面の法 線方向から観察するときを基準にしてクロスニコル状態にあるとき、表示面の法線から 斜めに観察したとき、偏光板のクロスニコル状態からのずれが生じ、これが要因となる 光漏れを、主に補償する。厚さ方向のリタ一デーシヨンは、上記 TNモードや VAモー
ド、特に MVAモードにおいて液晶セルが黒表示状態であるときに、同様に斜めから 見たときに認められる液晶セルの複屈折を主に補償するために寄与する。
[0255] 図 7に示すように、液晶表示装置において、液晶セルの上下に偏光板が二枚配置 された構成である場合、図中の 22a及び 22bは、厚み方向リタ一デーシヨン Rtの配分 を選択することができ、上記範囲を満たしかつ厚み方向リタ一デーシヨン Rtの両者の 合計値が 140nmよりも大きくかつ 500nm以下にすることが好ましい。このとき 22a及 び 22bの面内リタ一デーシヨン Ro、厚み方向リタ一デーシヨン Rtが両者同じであるこ と力 工業的な偏光板の生産性向上において好ましい。特に好ましくは面内リターデ ーシヨン Roが 35nmよりも大きくかつ 65nm以下であり、かつ厚み方向リターデーショ ン Rtが 90nmよりも大きく 180nm以下で、図 7の構成で MVAモードの液晶セルに適 用することである。
[0256] 液晶表示装置において、一方の偏光板に例えば市販の偏光板保護フィルムとして 面内リタ一デーシヨン Ro = 0〜4nm及び厚み方向リタ一デーシヨン Rt = 20〜50nm で厚さ 35〜85 111の TACフィルム力 例えば図 7の 22bの位置で使用されている場 合、他方の偏光板に配置される偏光フィルム、例えば、図 7の 22aに配置する位相差 フイノレムは、面内リタ一デーシヨン Roが 30nmよりも大きく 95nm以下であり、かつ厚 み方向リタ一デーシヨン Rtが 140nmよりも大きく 400nm以下であるものを使用するよ うにすると、表示品質が向上し、かつフィルムの生産面からも好ましい。
[0257] 《リサイクル》
製膜工程において、カットされたフィルム両端のクリップ把持部分は、粉砕処理され た後、或いは必要に応じて造粒処理を行った後、同じ品種のフィルム用原料としてま たは異なる品種のフィルム用原料として再利用することが好ましい。
[0258] 《機能性層》
本発明の光学フィルム製造に際し、延伸の前及び/または後で帯電防止層、透明 導電層、ハードコート層、反射防止層、防汚層、易滑性層、易接着層、防眩層、ガス ノ リア層、光学補償層等の機能性層を塗設してもよい。特に、帯電防止層、ハードコ ート層、反射防止層、易接着層、防眩層及び光学補償層から選ばれる少なくとも 1層 を設けることが好ましい。この際、コロナ放電処理、プラズマ処理、薬液処理等の各種
表面処理を必要に応じて施すことができる。
[0259] 《偏光板》
本発明に係る光学フィルムを偏光板保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製 方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。本発明の光学フィ ルムの裏面側をアルカリケン化処理し、処理した光学フィルムを、ヨウ素溶液中に浸 漬延伸して作製した偏光膜の少なくとも一方の面に、完全ケン化型ポリビュルアルコ ール水溶液を用いて貼り合わせることが好ましい。もう一方の面にも本発明の光学フ イルムを用いても、別の偏光板保護フィルムを用いてもよい。本発明の光学フィルム に対して、もう一方の面に用いられる偏光板保護フィルムは市販のセルロースエステ ルフィルムを用いることが出来る。例えば、市販のセルロースエステルフィルムとして、 KC8UX2M, KC4UX、 KC5UX、 KC4UY、 KC8UY、 KC12UR, KC8UCR- 3、 KC8UCR— 4、 KC4FR— 1、 KC8UY— HA、 KC8UX— RHA (以上、コニカミ ノルタォブト (株)製)等が好ましく用いられる。或いは更にディスコチック液晶、棒状 液晶、コレステリック液晶などの液晶化合物を配向させて形成した光学異方層を有し ている光学補償フィルムを兼ねる偏光板保護フィルムを用いることも好ましい。例えば 、特開 2003— 98348記載の方法で光学異方性層を形成することが出来る。本発明 の光学フィルムと組み合わせて使用することによって、平面性に優れ、安定した視野 角拡大効果を有する偏光板を得ることが出来る。或いは、セルロースエステルフィル ム以外の環状ォレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート等のフィ ルムをもう一方の面の偏光板保護フィルムとして用いてもょレ、。
[0260] 上記アルカリ処理の代わりに特開平 6— 94915号公報、同 6— 118232号公報に 記載されて!/、るような易接着加工を施して偏光板加工を行ってもよ!/、。
[0261] 偏光板の主たる構成要素である偏光膜とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素 子であり、現在知られている代表的な偏光膜は、ポリビュルアルコール系偏光フィノレ ムで、これはポリビュルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料 を染色させたものがある。偏光膜は、ポリビュルアルコール水溶液を製膜し、これを一 軸延伸させて染色する力、、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で 耐久性処理を行ったものが用いられている。偏光膜の膜厚は5〜40 111、好ましくは
5〜30 111であり、特に好ましくは 5〜20 111である。該偏光膜の面上に、本発明の セルロースエステルフィルムの片面を貼り合わせて偏光板を形成する。好ましくは完 全ケン化ポリビュルアルコール等を主成分とする水系の接着剤によって貼り合わせる
〇
[0262] 偏光膜は一軸方向(通常は長手方向)に延伸されているため、偏光板を高温高湿 の環境下に置くと延伸方向(通常は長手方向)は縮み、延伸と垂直方向(通常は幅 方向)には伸びる。偏光板保護用フィルムの膜厚が薄くなるほど偏光板の伸縮率は 大きくなり、特に偏光膜の延伸方向の収縮量が大きい。通常、偏光膜の延伸方向は 偏光板保護用フィルムの流延方向(MD方向)と貼り合わせるため、偏光板保護用フ イルムを薄膜化する場合は、特に流延方向の伸縮率を抑えることが重要である。本発 明の光学フィルムは極めて寸法安定に優れる為、このような偏光板保護フィルムとし て好適に使用される。
[0263] 即ち、本発明の光学フィルムは 60°C、 90%RHの条件での耐久性試験によっても 波打ち状のむらが増加することはなぐ裏面側に光学補償フィルムを有する偏光板で あっても、耐久性試験後に視野角特性が変動することなく良好な視認性を提供する ことが出来る。
[0264] 偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、更に該 偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構 成することが出来る。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製 品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィ ルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面 の反対面側に用いられる。また、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層を力 バーする目的で用いられ、偏光板を液晶セルへ貼合する面側に用いられる。
[0265] 《液晶表示装置》
本発明の光学フィルムを用いた偏光板保護フィルム (位相差フィルムを兼ねる場合 も含む)を含む偏光板は、通常の偏光板と比較して高!、表示品質を発現させることが でき、特にマルチドメイン型の液晶表示装置、より好ましくは複屈折モードによってマ ルチドメイン型の液晶表示装置への使用に適して!/、る。
[0266] 本発明の偏光板は、 MVA (Multi— domein Vertical Alignment)モード、 PV A (Patterned Vertical Alignment)モート、 CPA (Continuous Pinwheel A lignment)モード、 OCB (Optical Compensated Bend)モード、 IPS (In Plane Switching)モード等に用いることができ、特定の液晶モード、偏光板の配置に限 定されるものではない。
[0267] 液晶表示装置はカラー化及び動画表示用の装置としても応用されつつあり、本発 明により表示品質が改良され、コントラストの改善や偏光板の耐性が向上したことによ り、疲れにくく忠実な動画像表示が可能となる。
[0268] 位相差フィルムを含む偏光板を少なくとも含む液晶表示装置においては、本発明 の光学フィルムとしての偏光板保護フィルムを含む偏光板を、液晶セルに対して、一 枚配置するか、或いは液晶セルの両側に二枚配置する。このとき偏光板に含まれる 偏光板保護フィルム側が液晶表示装置の液晶セルに面するように用いることで表示 品質の向上に寄与できる。図 7においては 22a及び 22bのフィルムが液晶表示装置 の液晶セルに面することになる。
[0269] このような構成において、本発明の光学フィルムとしての偏光板保護フィルムは、液 晶セルを光学的に補償することができる。本発明の偏光板を液晶表示装置に用いる 場合は、液晶表示装置の偏光板の内の少なくとも一つの偏光板を、本発明の偏光板 とすればよい。本発明の偏光板を用いることで、表示品質が向上し、視野角特性に 優れた液晶表示装置が提供できる。
[0270] 本発明の偏光板において、偏光子からみて本発明の光学フィルムとしての偏光板 保護フィルムとは反対側の面には、セルロース誘導体の偏光板保護フィルムが用い られ、汎用の TACフィルム等を用いることができる。液晶セルから遠い側に位置する 偏光板保護フィルムは、表示装置の品質を向上する上で、他の機能性層を配置する ことも可能である。
[0271] 例えば、反射防止、防眩、耐キズ、ゴミ付着防止、輝度向上のためにディスプレイと しての公知の機能層を構成物として含むフィルムや、または本発明の偏光板表面に 貝占付してもょレ、がこれらに限定されるものではなレ、。
[0272] 一般に位相差フィルムでは、上述のリタ一デーシヨン Roまたは Rtの変動が少な!/、こ
とが安定した光学特性を得るために求められている。特に複屈折モードの液晶表示 装置は、これらの変動が画像のムラを引き起こす原因となることがある。
[0273] 本発明に従い溶融流延製膜法により製造される長尺状偏光板保護フィルムは、セ ノレロースエステルを主体として構成されるため、セルロースエステル固有のケン化を 活用してアルカリ処理工程を活用することができる。これは、偏光子を構成する樹脂 がポリビュルアルコールであるとき、従来の偏光板保護フィルムと同様に完全ケン化 ポリビュルアルコール水溶液を用いて偏光板保護フィルムと貼合することができる。こ のために本発明は、従来の偏光板加工方法が適用できる点で優れており、特に長尺 状であるロール偏光板が得られる点で優れている。
[0274] 本発明により得られる製造的効果は、特に 100m以上の長尺の巻物においてより 顕著となり、 1500m, 2500m, 5000mとより長尺化する程、偏光板製造の製造的効 果を得る。
[0275] 例えば、偏光板保護フィルム製造にお!/、て、ロール長さは、生産性と運搬性を考慮 すると、 10〜5000m、好ましくは 50〜4500mであり、このときのフィルムの幅は、偏 光子の幅や製造ラインに適した幅を選択することができる。 0. 5〜4. Om、好ましくは 0. 6〜3. Omの幅でフィルムを製造してロール状に巻き取り、偏光板加工に供しても よぐまた、 目的の倍幅以上のフィルムを製造してロールに巻き取った後、断裁して目 的の幅のロールを得て、このようなロールを偏光板加工に用いるようにしてもよい。
[0276] 偏光板保護フィルム製造に際し、延伸の前及び/または後で帯電防止層、ハード コート層、易滑性層、接着層、防眩層、ノ リア一層等の機能性層を塗設してもよい。こ の際、コロナ放電処理、プラズマ処理、薬液処理等の各種表面処理を必要に応じて 施すことができる。
[0277] 前述の可塑剤、紫外線吸収剤、マット剤等の添加物濃度が異なるセルロースエス テルを含む組成物を共押出しして、積層構造のセルロースエステルフィルムを作製 することもできる。例えば、スキン層/コア層/スキン層といった構成のセルロースェ ステルフィルムを作ることができる。例えば、マット剤は、スキン層に多ぐまたはスキン 層のみに入れることができる。可塑剤、紫外線吸収剤はスキン層よりもコア層に多く入 れること力 Sでき、コア層のみに入れてもよい。また、コア層とスキン層で可塑剤、紫外
線吸収剤の種類を変更することもでき、例えば、スキン層に低揮発性の可塑剤及び /または紫外線吸収剤を含ませ、コア層に可塑性に優れた可塑剤、或いは紫外線 吸収性に優れた紫外線吸収剤を添加することもできる。スキン層とコア層のガラス転 移温度が異なっていてもよぐスキン層のガラス転移温度よりコア層のガラス転移温度 が低いことが好ましい。このとき、スキンとコアの両者のガラス転移温度を測定し、これ らの体積分率より算出した平均値を上記ガラス転移温度 Tgと定義して同様に极うこと もできる。また、溶融流延時のセルロースエステルを含む溶融物の粘度もスキン層と コア層で異なっていてもよぐスキン層の粘度〉コア層の粘度でも、コア層の粘度≥ス キン層の粘度でもよい。
[0278] 本発明に係るセルロースエステルフィルムは、寸度安定性が、 23°C、 55%RHに 2 4時間放置したフィルムの寸法を基準としたとき、 80°C、 90%RHにおける寸法の変 動値が ± 2. 0%未満であり、好ましくは 1. 0%未満であり、更に好ましくは 0. 5%未 満である。
[0279] 本発明に係るセルロースエステルフィルムを位相差フィルムとして偏光板保護フィ ルムに用いる際に、位相差フィルム自身が上記の範囲内の変動であると、偏光板とし てのリタ一デーシヨンの絶対値と配向角が当初の設定がずれないために、表示品質 の向上能の減少或いは表示品質の劣化を引き起こすことがないため好ましい。 実施例
[0280] 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定され るものではない。
[0281] 〈セルロースエステルの合成〉
(セルロースエステル 1の合成)
セルロース(日本製紙 (株)製溶解パルプ) 30gに酢酸 80g、及びプロピオン酸 30g を加え、 54°Cで 30分撹拌した。混合物を冷却した後、氷浴中で冷却した無水酢酸 7 g、無水プロピオン酸 120g、及び硫酸 1. 2gを加えてエステル化を行った。エステル 化において、 40°Cを超えないように調節しながら、撹拌を 150分行った。反応終了後 、酢酸 30gと水 10gの混合液を 20分かけて滴下して過剰の無水物を加水分解した。 反応液の温度を 40°Cに保持しながら、酢酸 90gと水 30gを加えて 1時間撹拌した。
酢酸マグネシウム 2gを含有した水溶液中に混合物をあけてしばらく撹拌した後にろ 過、洗浄液の pHが中性になるまで十分水で洗浄した後、乾燥し、セルロースエステ ル 1を得た。得られたセルロースエステル 1に関して、前述の ASTM D817— 96に 規定の方法によりァセチル基の置換度 (X)、及びプロピオニル基の置換度 (Y)を求 めたところ、 Χ= 1 · 31、 Υ= 1 · 23であった。また、前述の条件でゲルパーミエーショ ンクロマトグラフィーにより数平均分子量を求めたところ、 66000であり、更に、示差 熱重量分析装置を用いて、空気下における 1 %質量減少温度 Td (l . 0)を測定した ところ、 292°Cであった。
[0282] (セルロースエステル 2〜; 15の合成)
セルロースエステル 1の合成に対して、酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、及び無水 プロピオン酸の使用量を変化させた以外はセルロースエステル 1の合成と同様の合 成操作を行い、セルロースエステル 2〜; 15を得た。
[0283] セルロースエステル 1〜 15の各々に対し、ァセチル基の置換度(X)、プロピオニル 基の置換度(γ)、 X+Yの値、 X— Yの値、数平均分子量(Mn)、及び 1 %質量減少 温度 Td (l . 0)の値を表 1に示す。
[0284] (比較のセルロースエステル 16〜25の合成)
ここで、比較のセルロースエステル 16〜23は、セルロースエステル 1の合成に対し て、酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、及び無水プロピオン酸の使用量を変化させた以 外はセルロースエステル 1と同様の合成操作を行うことにより合成した。一方、比較の セルロースエステル 24、 25は、セルロースエステル 1の合成に対して、酢酸、無水酢 酸、酪酸、及び無水酪酸の組み合わせを用い、さらにそれらの使用量を変化させた 以外はセルロースエステル 1と同様の合成操作を行うことによって合成した。
[0285] 得られた比較のセルロースエステル 16〜25の各々に対し、ァセチル基の置換度( X)、プロピオニル基の置換度 (Y)、 X+Yの値、 X—Yの値もしくはブチリル基の置換 度(Z)、 X + Zの値、 X— Zの値、及び数平均分子量 (Mn)、 1 %質量減少温度 Td (l . 0)の値を表 1に示す。
[0286] [表 1]
セル CJ—スエステル置換度
セル Ή—ス プ Qピオ二ル
エステル 'ァセチル 基罱換度 Y Χ + Υ x-y 備 考 SO, 基置換度 X 《プチリル (χ-ί-ζ5 (Χ~Ζ)
基置換度
1 1.31 1.23 2.54 0.08 66000 292 本発明
2 1.3S 1.26 2.61 0.09 69000 293 本発明
3 1.32 1.3ί 2.63 0.01 67000 300 本翻
4 1.35 1.3! 2.66 0.G4 80000 297 本綱
5 1.39 1.3ί 2.70 0.Q8 ?6000 294 本発朋
6 t .41 1.32 2,73 0.09 70000 290 本発明
7 1.38 1.30 2.68 0,08 74.爾 302 本発明
8 1.35 1.24 2.59 ο.η 74000 298 本発明
1.32 1.18 2.50 0.14 86000 t 本発明
10 1.35 \ . )9 2,54 0,16 66000 2 0 本発明
11 1.25 1.15 2.40 0.10 91000 263 本発明
12 1.34 1.15 2-49 0.19 62000 270 本発明
IS 1.28 1.33 ■2,6! -0.05 71000 275 本発明
14 $ ί.31 2.74 0.12 68000 288 本発明
15 1.34 ί.30 2.64 0.04 65000 2S1 本発明
IS 1.90 0.80 2,70 1 ,10 71000 273 比 较 1? 1.SO ϊ . U 2.6 0.39 65000 272 比 較
18 1.40 1.35 2.7S 0,05 69000 272 比 絞
19 1 ,50 1.30 2.80 0.20 83000 261 比 铰
20 1.40 1.15 2.55 Q.25 70000 274
b 1 比 較
21 t ,25 1.35 2.60 -0.10 72000 2S0 比: 铰
22 t,17 1.15 2.32 0.02 92000 255 比 較
23 1.45 1.35 2.80 0.10 S3000 271 比 鲛
24 1 ,40 (1.30) (2.70) (0.10) ?3000 260 比 較
25 1.20 (1-40) (2.60) ί-ΰ,20) 68000 253 比 較
[0287] 実施例 1
〔セルロースエステルを有してなる光学フィルム(以下、単にセルロースエステルフィ ルムと称する)試料 1 1の作製〕
下記のように、上記合成したセルロースエステルと各種添加剤を用いて溶融流延に より、本発明のセル口ースエステルフィルム 1—1を作製した。
[0288] セルロースエステル 1 100質量部
可塑剤 A 8質量部
IRGANOX1010 (チノく'スペシャルティ'ケミカルズ社製) 0· 50質量部 GSY— P101 (堺化学工業社製) 0.25質量部
SumilizerGS (住友化学社製) 0.25質量部
TINUVIN928 (チノく'スペシャルティ'ケミカルズ社製) 1. 5質量部 セルロースエステル 1を 130°C、 4時間減圧下で乾燥を行!/、室温まで冷却した後、 添加剤を混合した。以上の混合物を 2軸式押出し機を用いて 230°Cで溶融混合しぺ レット化した。なお、このペレットのガラス転移温度 Tgは 140°Cであった。
[0289] このペレットを用いて窒素雰囲気下、 250°Cにて溶融して流延ダイ 4から第 1冷却口 ール 5上に押出し、第 1冷却ロール 5とタツチロール 6との間にフィルムを挟圧して成 形した。また押出し機 1中間部のホッパー開口部から、滑り剤としてシリカ粒子、ァェ ロジル NAX50 (日本ァエロジル社製)を 0· 2質量部、及び KE— P100 (日本触媒社 製)を 0. 02質量部となるよう添加した。
[0290] 流延ダイ 4のギャップの幅がフィルムの幅方向端部から 30mm以内では 0. 5mm、 その他の場所では lmmとなるようにヒートボルトを調整した。タツチロールとしては、タ ツチロール Aを使用し、その内部に冷却水として 80°Cの水を流した。
[0291] 流延ダイ 4から押し出された樹脂が第 1冷却ロール 5に接触する位置 P1から第 1冷 却ロール 5とタツチロール 6とのエップの第 1冷却ロール 5回転方向上流端の位置 P2 までの、第 1冷却ローラ 5の周面に沿った長さ Lを 20mmに設定した。その後、タツチ ロール 6を第 1冷却ロール 5から離間させ、第 1冷却ロール 5とタツチロール 6とのニッ プに挟圧される直前の溶融部の温度 Tを測定した。本実施例において、第 1冷却口 ール 5とタツチロール 6とのエップに挟圧される直前の溶融部の温度 Tは、ニップ上流 端 P2よりも更に lmm上流側の位置で、温度計 (安立計器株式会社製 HA— 200E) により測定した。本実施例では測定の結果、温度 Tは 141°Cであった。タツチロール 6 の第 1冷却ロール 5に対する線圧は 14· 7N/cmとした。更に、テンターに導入し、 巾方向に 160°Cで 1. 3倍延伸した後、巾方向に 3%緩和しながら 30°Cまで冷却し、 その後クリップから開放し、クリップ把持部を裁ち落とし、フィルム両端に幅 10mm、高 さ 5 mのナーリング加工を施し、巻き取り張力 220N/m、テーパー 40%で巻芯に 巻き取った。なお、フィルムは、厚さが 80 mとなるように、押出し量及び引き取り速 度を調整し、仕上がりのフィルム幅は、 1430mm幅になるようにスリットし、巻き取った 。巻芯の大きさは、内径 152mm、外径 165〜; 180mm、長さ 1550mmであった。こ の巻芯母材として、エポキシ樹脂をガラス繊維、カーボン繊維に含浸させたプリプレ
グ樹脂を用いた。巻芯表面にはエポキシ導電性樹脂をコーティングし、表面を研磨し て、表面粗さ Raは 0. 3 111に仕上げた。なお、巻長は 2500mとした。この本発明の フィルム原反試料をセルロースエステルフィルム原反 1—1とする。また、このフィルム 原反試料から一部セルロースエステルフィルムを切り出し、それを本発明のセルロー スエステルフィルム 1—1とする。
[0292] 〔セルロースエステルフィルム 1— 2〜 1— 25の作製〕
セルロースエステルフィルム原反 1—1の作製において、セルロースエステルの種類 を表 1のように変更した以外は同様にして、本発明のセルロースエステルフィルム原 反 1 2〜;!一 15、及び比較のセルロースエステルフィルム原反 1 16〜1 25を作 製した。なお、使用したセルロースエステル 1に代わるセルロースエステルの添加量 は、セルロースエステル 1と同じ質量部とした。また、前記と同様に本発明のセルロー スエステルフィルム原反 1 2〜;!一 15、及び比較のセルロースエステルフィルム原 反 1 16〜 1— 25から一部セルロースエステルフィルムを切り出し、それらをそれぞ れ本発明のセル口ースエステルフィルム 1 2〜;!一 15、及び比較のセル口ースエス テノレフイノレム 1 16〜;!一 25とする。
[0293] 実施例 1で使用した可塑剤 A、 IRGANOX1010, GSY— P101、 SumilizerG S、及び TINUVIN928の構造は下記の通りである。なお、セルロースエステル;!〜 2 3はセルロースアセテートプロピオネートであり、セルロースエステル 24、 25はセル口 ースアセテートブチレートである。
[0294] [化 21]
GSY -P101
\
物
Sumili2erGS TINUVIN928
[0295] 得られたセルロースエステルフィルム原反試料、及びセルロースエステルフィルム 試料に対して、下記方法で評価を行った。結果を表 2に示す。
[0296] 《馬の背故障、巻芯転写》
巻き取ったセルロースエステルフィルム原反試料をポリエチレンシートで 2重に包み 、図 8 (a)、(b)、(c)に示すような保存方法で、 25°C、 50%の条件下で 30日間保存 した。その後、箱から取り出し、ポリエチレンシートを開け、フィルム原反試料表面に 点灯してレ、る蛍光灯の管を反射させて映し、その歪み或いは細か!/、乱れを観察し、
馬の背故障の評価として下記レベルにランク分けした。
[0297] ◎:蛍光灯が真つすぐに見える
△:蛍光灯が部分的に曲がって見える
X:蛍光灯がまだらに映って見える
また、保存後のフィルム原反試料を巻き返して、 50 m以上の点状の変形、または 幅手方向の帯状の変形がはっきり見える巻芯転写が、巻芯部分より何 mまで発生し て!/、るかを測定し、下記レベルにランク分けを行った。
[0298] ◎:巻芯部分より 15m未満
〇:巻芯部分より 15〜30m未満
△:巻芯部分より 30〜50m未満
X:巻芯部分より 50m以上
《巻始めシヮ》
巻芯に原反フィルムを巻き取る作業を行い、巻始めでシヮが発生して不良となった 場合は巻芯から原反フィルムを取り外して、再度巻き取る作業を行った。この時の不 良回数をカウントした。この作業を 10回行平均値を求め、下記レベルにランク分けを 行った。
[0299] (§) : 0回以上1回未満
〇:1回以上 3回未満
△ : 3回以上 5回未満
X : 5回以上
《平面性》
幅 90cm、長さ 100cmの大きさに各セルロースエステルフィルム試料を切り出し、 5 0W蛍光灯を 5本並べて試料台に 45° の角度から照らせるように高さ 1. 5mの高さに 固定し、試料台の上に各フィルム試料を置き、フィルム表面に反射して見える凹凸を 目で見て、次のように判定した。この方法によって「つれ」および「しわ」の判定が出来
[0300] ◎:蛍光灯が 5本とも真つすぐに見えた
〇:蛍光灯が少し曲がって見えるところがある
△:蛍光灯が全体的に少し曲がって見える
X:蛍光灯が大きくうねって見える
《カール性の評価》
5mm X 5cmのセルロースエステルフィルム試料を切り出し、温度 28°C、 55%RH の恒温恒湿室にて 24時間放置した後、平板上に置き、曲率スケールを用いて、試料 と合致するカーブを有する曲率半径を求め、カールの大きさと取り扱い易さを下記の ようにランク評価した。
[0301] 曲率半径: 1/試料と合致するカーブを有する円の半径(1/m)
◎ : 0〜5未満
〇: 5〜; 10未満
△ : 10〜30未満
X : 30以上
ここで、◎、〇は取り扱い易さが実用可であるが、△以下は取り扱いが極めて困難 になる。
[0302] 《リタ一デーシヨンの変動係数 (CV)》
セルロースエステルフィルムの幅手方向に lcm間隔でリタ一デーシヨンを測定し、 下記式より得られたリタ一デーシヨンの変動係数 (CV)で表したものである。測定には 自動複屈折計 KOBURA.21ADH (王子計測器 (株)製)を用いて、 28°C、 55%R Hの環境下で、波長が 590nmにおいて、試料の幅手方向に lcm間隔で 3次元複屈 折率測定を行い測定値を次式に代入して求めた。
[0303] 面内リタ一デーシヨン Ro= (nx-ny) X d
厚み方向リタ一デーシヨン Rt= ( (nx + ny) /2— nz) X d
式中、 dはフィルムの厚み(nm)、屈折率 nx (フィルムの面内の最大の屈折率、遅相 軸方向の屈折率ともいう)、 ny (フィルム面内で遅相軸に直角な方向の屈折率)、 nz ( 厚み方向におけるフィルムの屈折率)である。得られた面内及び厚み方向のリターデ ーシヨンをそれぞれ (n— 1)法による標準偏差を求めた。リタ一デーシヨン分布は以下 で示される変動係数 (CV)を求め、指標とした。実際の測定にあたっては、 nとしては 130〜; 140に設定した。
[0304] 変動係数 (CV) =標準偏差/リタ一デーシヨン平均値
◎:ばらつきが(CV)が 1. 5%未満
〇:ばらつき(CV)が 1. 5%以上 5%未満
△:ばらつき(CV)が 5%以上、 10%未満
X:ばらつき(CV)が 10%以上
《ケン化処理適性》
厚さ 120 μ mのポリビュルアルコールフィルムを沃素 1質量部、沃化カリウム 2質量 部、ホウ酸 4質量部を含む水溶液に浸漬し、 50°Cで 4倍に延伸して偏光子を作製し た。セルロースエステルフィルム試料を、 40°Cの 2. 5N—水酸化ナトリウム水溶液で 6 0秒間アルカリ処理し、更に水洗乾燥して表面をケン化処理した。前記偏光子の両面 に、上記セルロースエステルフィルムのアルカリ処理面を、完全ケン化型ポリビュルァ ルコール 5%水溶液を接着剤として両面から貼合し、保護フィルムを接着した評価用 偏光板を作製した。
[0305] 次いでこの評価用偏光板を、 80°C、 90%RHで 1200時間処理し、偏光子と保護フ イルムとの張り合わせ状態を観察し下記の基準でランク付けした。
[0306] ◎:剥離なし
〇:僅かに剥離認められるが実用上問題ないレベル
△:やや剥離認められ実用上問題となるレベル
X:剥離発生
ここで、〇以上がケン化処理適性において実用上問題ないレベルと判断した。
[0307] 《偏光板耐久性テスト(白抜け)》
上記ケン化処理適性評価の際に作製した 500mm X 500mmの偏光板試料 2枚を 熱処理 (条件: 90°Cで 120時間放置する)し、直交状態にしたときの縦または横の中 心線部分のどちらか大きいほうの縁の白抜け部分の長さを測定して辺の長さ(500m m)に対する比率を算出し、その比率に応じて下記のように判定した。縁の白抜けと は直交状態で光を通さない偏光板の縁の部分が光を通す状態になることで、 目視で 判定できる。偏光板の状態では縁の部分の表示が見えなくなる故障となる。
[0308] ◎:縁の白抜けが 5%未満
〇:縁の白抜けが 5 %以上 10 %未満
△:縁の白抜けが 10%以上 20%未満
X:縁の白抜けが 20%以上
ここで、〇以上が実用上問題ないレベルと判断した [表 2]
[0310] 以上、表 2の結果から、本発明のセルロースエステルフィルム原反試料 1 1〜1 15は、比較例のセルロースエステルフィルム原反試料 1—16〜1— 25に対して、長 期間保存しても馬の背故障、巻芯転写が少なぐ巻始めシヮ等のフィルム原反の変 形故障が発生しにくいセルロースエステルフィルムであることが分かる。また、原反か ら切り出したセル口ースエステルフィルム自身に関しても、本発明のセル口ースエステ ルフィルムは平面性、ケン化処理適性が高ぐかつ、カール性、リタ一デーシヨンの変 動が小さいセルロースエステルフィルムであることが分かる。更に、本発明のセルロー スエステルフィルムを用レ、て作製された偏光板は耐久性が良好であり、実用上優れ た光学フィルムであることが分かる。
[0311] 実施例 2
表 3に記載のセルロースエステル、可塑剤、劣化防止剤、及び紫外線吸収剤の組 み合わせに変更する以外は、実施例 1のセルロースエステルフィルム原反 1 1と同 様な方法で、本発明のセルロースエステルフィルム原反 2— ;!〜 2— 18、及び比較の セルロースエステルフィルム原反 2— 19、 2— 20を、及び実施例 1のセルロースエス テルフィルム 1 1と同様な方法で、本発明のセル口ースエステルフィルム 2— ;!〜 2 18、及び比較のセルロースエステルフィルム 2— 19、 2— 20を作製した。更に実施 例 1の偏光板 1 1と同様な方法で本発明の偏光板 2— ;!〜 2— 18、及び比較の偏 光板 2— 19、 2— 20を作製した。なお、表 3中の可塑剤、劣化防止剤、及び紫外線 吸収剤の欄に記載の括弧内の数値はセルロースエステル 100質量部に対する、用 V、た各材料の質量部を表す。
[0312] なお、実施例 2で使用した可塑剤 B、可塑剤 C、可塑剤 D、可塑剤 E、可 塑剤ー F、可塑剤 G、 SumilizerGP (住友化学社製)、 TINUVIN900 (チノく'スぺ シャルティ'ケミカルズ社製)、 Sumisorb250 (住友化学社製)、及び LA31 (ADEK A社製)の構造は下記の通りである。
[0313] [表 3]
¾〔〕
可塑剤一 D
(安息香酸ショ糖エステル (安息香酸とショ糖を反応させる,
1によりできる下記構造の化合物を主成分とする混合物)
可塑剤—Ε
メタクリル酸メチル、 アクリル酸メチル、 及びメタクリル酸一2—ヒドロキジェチル 、の共重合体 (組成比、 重量平均分子量は下記参照) 組成比: p/q/r= 80/10/10 重量平均分子量: 8,000
]
可塑剤 可塑剤一 G
SumilizerGP
[0317] 作製したセルロースエステルフィルム原反、セルロースエステルフィルム、及び偏光 板に対して、実施例 1と同様の評価を行った。結果を表 4に示す。
[0318] [表 4]
[0319] 以上、表 4の結果から、本発明のセルロースエステルフィルム原反試料 2
18は、比較例のセルロースエステルフィルム原反試料 2— 19、 2— 20に対して、長 期間保存しても馬の背故障、巻芯転写が少なぐ巻始めシヮ等のフィルム原反の変 形故障が発生しにくいセルロースエステルフィルムであることが分かる。また、原反か ら切り出したセル口ースエステルフィルム自身に関しても、本発明のセル口ースエステ ルフィルムは平面性、ケン化処理適性が高ぐかつ、カール性、リタ一デーシヨンの変 動が小さいセルロースエステルフィルムであることが分かる。更に、本発明のセルロー スエステルフィルムを用レ、て作製された偏光板は耐久性が良好であり、実用上優れ た光学フィルムであることが分かる。なお、フィルム原反試料 2— 1、フィルム試料 2— 1、及び偏光板試料 2— 1において、例示化合物(2)— 8を同質量部の例示化合物( 2)—3に替えて、同様な評価を行ったところ、表 4中のそれぞれの試料 No. 2—1と 同様に良好な結果であった。前記と同様に例示化合物(2)— 8を同質量部の例示化 合物(2)—45に替えても、試料 No. 2—1と同様に良好な結果であった。一方、フィ ルム原反試料 2— 5、フィルム試料 2— 5、及び偏光板試料 2— 5において、 GSY— P 101を同質量部のテトラキス(2, 4—ジ一 t—ブチル一フエ二ル)一 4, A' —ビフエ二 レンジホスホナイトに替えて、同様な評価を行ったところ、白抜けの評価結果が◎から 〇になった以外は表 4中のそれぞれの試料 No. 2— 5と同様に良好な結果であった 。更には、フィルム原反試料 2— 7、フィルム試料 2— 7、及び偏光板試料 2— 7におい て、 IRGANOX1010を同質量部の 1 , 1 , 1—トリメチロールエタン一トリス一 [3— (3 , 5—ジ—tーブチルー 4ーヒドロキシフエニル)プロピオネート]に替えて、同様な評価 を行ったところ、表 4中のそれぞれの試料 No. 2— 7と同様に良好な結果であった。 実施例 3
下記のような、セルロースエステルと各種添加剤を用いて、フィルムの厚さ力 0 μ m となるように、押出し量、引き取り速度、及び延伸倍率を調整した以外は実施例 1と同 様にして、本発明のセルロースエステルフィルム原反 3—1を作製したところ、長期間 保存しても馬の背故障、巻芯転写が少なぐ巻始めシヮ等のフィルム原反の変形故 障が発生しにくいセルロースエステルフィルムであることが分力、つた。また、この原反 からセルロースエステルフィルムを切り出して評価したところ、平面性、ケン化処理適 性が高ぐかつ、カール性、リタ一デーシヨンの変動が小さいセルロースエステルフィ
ルムであること、及び、該セルロースエステルフィルムを用いて作製された偏光板は 耐久性が良好であり、実用上優れた光学フィルムであることが分かった。
セルロースエステル 1 100質量部
可塑剤 A 8質量部
IRGANOX1010 (チノく'スペシャルティ'ケミカルズ社製) 0· 50質量部
GSY— P101 (堺化学工業社製) 0. 25質量部
例示化合物(2)— 8 0. 30質量部
TINUVIN928 (チノく'スペシャルティ'ケミカルズ社製) 2· 25質量部
実施例 4
(液晶表示装置としての特性評価)
VA型液晶表示装置であるシャープ (株)製 32型テレビ AQ— 32AD5の偏光板を 剥がし、実施例;!〜 3で作製した各々の偏光板(実施例 3で作製した本発明のセル口 ースエステルフィルム 3 1を用いて、偏光板 1 1と同様にして偏光板 3 1を作製し た。)を液晶セルのサイズに合わせて断裁した。液晶セルを挟むようにして、前記作 製した偏光板 2枚を偏光板の偏光軸が元と変わらないように互いに直交するように貼 り付け、 32型 VA型カラー液晶ディスプレイを作製し、セルロースエステルフィルムの 偏光板としての特性を評価したところ、本発明の偏光板 1一;!〜 1 15、 2— ;!〜 2— 18、 3—1を用いた液晶表示装置は、比較の偏光板 1 16〜1 25、 2— 19、 2— 2 0を用いた液晶表示装置に対してコントラストも高ぐ更に色ムラもない優れた表示性 を示した。これにより、液晶ディスプレイなどの画像表示装置用の偏光板として優れて いることが確認された。