明 細 書
コード NCOおよび GPS受信機
技術分野
[0001] この発明は、 CZAコードや P (Y)コードである PNコードの生成に用いるコードイネ 一ブル信号を出力するコード NCOと、該コード NCOを備えた GPS受信機に関する ものである。
背景技術
[0002] 従来、 GPS受信機は、 ΡΝコードにより変調された信号を復調することで、信号に含 まれる、キャリア位相、コード位相、および航法メッセージ等を観測して測位に用いる 。この信号の復調方法としては、まず、受信した GPS信号を同相信号と直交信号とに 分離した後 AZD変換する。次に、キャリア NCOから出力されるキャリア位相信号に よりベースバンドの同相信号と直交信号とを生成し、これらの信号と ΡΝコード発生器 力もの ΡΝコードとを相関処理することで、キャリア位相、コード位相、および航法メッ セージ等の情報を再生する。
[0003] そして、 GPS受信機には、この ΡΝコード発生器に ΡΝコードの発生タイミングを与 えるコードィネーブル信号を生成するコード発生部としてコード NCOが備えられてい る。
[0004] 図 18は従来の一般的なコード NCOの概略構成を示すブロック図である。
[0005] 図 18に示すように、従来のコード NCOは、カロ算器 101、マルチプレクサ(ΜΡΧ) 10 2、レジスタ 103、およびラッチ回路 104を備える。加算器 101は、所定の設定値 Ρと 、レジスタ 103から出力された整数とを入力して、これらの加算値をマルチプレクサ 1 02に出力する。ラッチ回路 104は、図示しないマイクロプロセッサからコード NCOの 位相を調整するための位相調整値 CPA (Code Phase Adjustment)と、ライトイネーブ ル信号 WEとを入力して、ライトイネーブル信号 WEによるタイミングで位相調整値 CP Aを出力する。マルチプレクサ 102は、加算器 101から出力された整数とラッチ回路 104から出力された位相調整値 CPAとを入力して、調整タイミング信号 AD (Adjust Timing)に応じて一方を出力する。レジスタ 103はマルチプレクサ 102から入力される
信号をサンプリングクロック信号 SCLK (以下、「クロック信号」と称す。)に基づきラッ チして加算器 101に出力するとともに、コードィネーブル信号として出力する。
[0006] この際、設定値 Pは次の式により与えられる。
[0007] [数 1]
P = ^ x 2L - ( 1 )
[0008] しかしながら、クロック信号 SCLKの周波数 (f )と、コードィネーブル信号の周波数 f s
0との関係から、設定値 Pが整数になるとは限らない。この場合、いわゆる丸め誤差が 生じ、コード NCOのコード分解能が低下したり、累積誤差が発生したりする。ここで、 分解能の低下の問題は加算器やレジスタのビット数を増加させることにより解消でき、 累積誤差の発生は位相調整値を定期的に入力することにより解消できるが、コード N COの回路規模が大きくなつたり、制御が複雑になったりするという新たな問題が生じ る。
[0009] このような問題を解決する装置が特許文献 1に記載されており、その概略構成を示 すブロック図を図 19に示す。
[0010] 図 19に示すように、従来の他の構成のコード NCOはマルチプレクサ 201、加算器
202、ラッチ回路 203を備える。
[0011] マルチプレクサ 201はシフトモードまたはノーマルモードのいずれかで動作する。
シフトモードの場合に、マルチプレクサ 201は、位相制御値(CONTROL)を入力 して加算器 202に出力する。ここで、位相制御値 (CONTROL)は、加算器 202およ びラッチ回路 203のビット数を Lとすると次式で表される。
[0012] [数 2]
CONTROL二 M— S腿
[0013] ここで、 SHIFTは現時点の位相力 移動させる位相量であり、クロック信号(SCLK )の単位で表される。
[0014] また、マルチプレクサ 201は、ノーマルモードの場合に、セレクタ端子(SELECT) に入力されるラッチ回路 203の Q12の値に応じて、整数 Nまたは整数 Mを選択して 出力する。ここで、 Q12が「0」の時には整数 Nを出力し、 Q12が「1」の時には整数 M を出力する。
[0015] 加算器 202は、マルチプレクサ 201から入力された値とラッチ回路 203から出力さ れた値とを加算して、ラッチ回路 203に出力する。
ラッチ回路 203は、入力されるクロック信号 SCLKを用いて、加算器 202からの出 力をラッチして出力する。この際、 Q12が「1」ならば、ラッチ回路 203の出力信号を、 コードィネーブル信号 CECとして外部出力する。
[0016] このような構成の NCOに出力では、コードィネーブル信号 CECの周波数 f は次式
0 で表すことができる。
[0017] [数 3]
N x f
f, = 一 ( 3
2L -
[0018] そして、このコード NCOは次のような条件で最適に用いられる。
[0019] その条件とは、クロック信号 SCLKの周波数 f力^ 5MHzであり、ビット数 Lが 12であ つて、整数 Nを 1023とし、整数 Mを 2619とする場合であり、この時、コードイネーブ ル信号 CECの周波数 f は 10. 23MHzとなる。
0
特許文献 l : United States Patent, "5,663,733", Sep.2, 1997
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0020] ところが、前述の特許文献 1に記載のコード NCOでは、コードィネーブル信号 CEC の周波数 f 力 s10. 23MHzであるのに対してクロック信号 SCLKの周波数 f 力 ¾5ΜΗ
0 s
Ζである場合にのみ、最適な回路条件を得られるが、さらに、分解能をあげるためにク ロック信号 SCLKの周波数 fを高くした場合に、最適条件を得ることができなくなって しまう。
[0021] 特許文献 1に記載のコード NCOのマシンステート(Machine State)と回路構成のビ ット数から実現できる状態空間(State Space)との関係を図 20に示す。
[0022] 図 20は、マシンステートと状態空間との関係を示す状態図であり、 (a)はマシンステ ートを状態空間にマッピングする前の状態図を示し、 (b)はマシンステートを状態空 間にマッピングした後の状態図を示す。
[0023] 図 20に示すように、入力されるクロック信号 SCLKの周波数 fが 25MHzの場合、 s
マシンステートは 0〜2499の 2500のステートを有する。そして、図 19に示すコード N COでは、コードィネーブル信号 CECの周波数 f 10. 23MHzに対応する 1023のス
0
テートがマシンステートの上端側に位置し、マシンステートの 1477〜2499が利用さ れる。
[0024] 一方で、ラッチ回路 203の出力 Q12は、マルチプレクサ 201の出力用のイネーブ ル信号として用いられているので、コードィネーブル信号 CECに対応する 1023のス テートは、状態空間の全てのステート(0〜4095 (212- 1) )の上位半分に位置されな ければならない。すなわち、状態空間の 2047 (2U— 1)〜4095 (212— 1)のステート に位置しなければならない。この結果、コードィネーブル信号 CECに対応する前記 1 023のステートは、状態空間の 2047 (2U— 1)〜3076に位置させなければならない
[0025] ところが、このような構成では、クロック周波数 fを 30. 71MHz以上とする場合、マ s
シンステートが 3071以上必要となる。これにより、 30. 71MHz以上のクロック周波数 fを実現させると状態空間の上位半分に 1023以上のステートが存在してしまうので、 s
10. 23MHzのコードィネーブル信号を生成する事ができなくなる。この結果、前述 の構成では、ビット数を増加させない限り、 30. 71MHz以上のクロック信号で 10. 2 3MHzのコードィネーブル信号を発生することができない。すなわち、 30. 71MHz 以上のクロック信号に対して最適な回路規模で、容易な制御により 10. 23MHzのコ ードィネーブル信号を出力するコード NCOを構成することができない。
[0026] したがって、この発明の目的は、従来のクロック信号より高周波数のクロック信号が 入力されても、その周波数に応じて最適な回路規模で容易な制御を行って正確に所 定のコードィネーブル信号を出力するコード NCO、およびこれを備えた GPS受信機 を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0027] この発明は、コード位相観測に用いるコードィネーブル信号を生成するコード NCO において、互いに素となる 2つの整数が入力され、選択信号により 2つの整数のいず れかを出力する第 1マルチプレクサと、該第 1マルチプレクサから出力された整数とレ ジスタカゝら出力された整数とを加算して出力する加算器と、該加算器カゝら出力された 整数とコード位相調整値を入力して、調整信号に基づきこれらのいずれかを出力す る第 2マルチプレクサと、該第 2マルチプレクサ力もの出力をサンプリングクロック信号 に応じてラッチして出力するレジスタと、該レジスタからの出力値が予め設定した所定 整数値になることを検出して選択信号を出力する選択信号生成手段と、を備え、この 選択信号をコードイネ一ブル信号とすることを特徴としている。
[0028] この構成では、加算器により経時的に順次加算されて出力される整数が選択信号 生成手段で設定されている所定整数値になると、選択信号生成手段から第 1マルチ プレクサに選択信号が出力される。例えば、加算器力 出力される整数が予め設定 された整数範囲内の所定整数値であれば Hi状態「1」の選択信号が出力され、前記 所定整数値でなければ Low状態「0」の選択信号が出力される。第 1マルチプレクサ は、入力された選択信号に応じて、入力される 2つの整数のいずれかを加算器に出 力する。すなわち、 Low状態「0」の選択信号の場合と Hi状態「1」の選択信号の場合 とで異なる整数を加算器に出力する。このループ演算を行うことで、選択信号生成手 段から出力される選択信号が所定の周期性を有する。ここで、第 1マルチプレクサに
入力される 2つの整数と選択信号生成手段の所定整数値とを、使用するサンプリング クロック信号の周波数、得ようとするコードィネーブル信号の周波数、構成回路のビッ ト数に応じて適宜設定することで、コードィネーブル信号の周波数となる所定の周波 数で Hi状態「1」の選択信号が出力される。すなわち、所定周波数のコードイネーブ ル信号が出力される。
[0029] また、この発明は、選択信号出力手段を、レジスタ力もの出力と 2つの整数力も決定 される閾値とを比較して選択信号を出力するコンパレータで構成することを特徴とし ている。
[0030] この構成では、加算器により経時的に順次加算されてレジスタでラッチされてから 出力される整数がコンパレータで設定されている閾値に対して所定の関係となると、 コンパレータ力 第 1マルチプレクサに選択信号が出力される。例えば、加算器から 出力される整数が前記閾値により設定される所定整数範囲内にあれば Hi状態「1」の 選択信号が出力され、前記所定整数範囲内になければ Low状態「0」の選択信号が 出力される。第 1マルチプレクサは、入力された選択信号に応じて、入力される 2つの 整数のいずれかを加算器に出力する。すなわち、 Low状態「0」の選択信号の場合と Hi状態「1」の選択信号の場合とで異なる整数を加算器に出力する。このループ演算 を行うことで、コンパレータから出力される選択信号が所定の周期性を有する。ここで 、第 1マルチプレクサに入力される 2つの整数とコンパレータの閾値および所定整数 範囲とを、使用するサンプリングクロック信号の周波数、得ようとするコードィネーブル 信号の周波数、構成回路のビット数に応じて適宜設定することで、コードイネ一ブル 信号の周波数となる所定の周波数で Hi状態「1」の選択信号が出力される。すなわち 、所定周波数のコードィネーブル信号が出力される。
[0031] また、この発明は、選択信号出力手段をレジスタの所定の複数ビットの値を AND処 理した結果を用いて選択信号を出力する AND演算手段で構成することを特徴として いる。
[0032] この構成では、レジスタの所定ビットの値が所定の関係となると、 AND演算手段か ら第 1マルチプレクサに選択信号が出力される。例えば、レジスタの最上位ビットおよ びこの一つ下位のビットがともに Hi状態「1」であれば、 AND演算手段から Hi状態「1
」の選択信号が出力され、レジスタの最上位ビットおよびこの一つ下位のビットがとも に Hi状態「1」でなければ Low状態「0」の選択信号が出力される。第 1マルチプレク サは、入力された選択信号に応じて、入力される 2つの整数のいずれかを加算器に 出力する。すなわち、 Low状態「0」の選択信号の場合と Hi状態「1」の選択信号の場 合とで異なる整数を加算器に出力する。このループ演算を行うことで、 AND演算手 段から出力される選択信号が所定の周期性を有する。ここで、第 1マルチプレクサに 入力される 2つの整数と AND演算手段が AND処理するレジスタのビットを、使用す るサンプリングクロック信号の周波数、得ようとするコードィネーブル信号の周波数、 構成回路のビット数に応じて適宜設定することで、コードィネーブル信号の周波数と なる所定の周波数で Hi状態「1」の選択信号が出力される。すなわち、所定周波数の コードィネーブル信号が出力される。
[0033] また、この発明は、選択信号出力手段をレジスタの所定の複数ビットの値を NOR処 理した結果を用いて選択信号を出力する NOR演算手段で構成することを特徴として いる。
[0034] この構成では、レジスタの所定ビットの値が所定の関係となると、 NOR演算手段か ら第 1マルチプレクサに選択信号が出力される。例えば、レジスタの最上位ビットおよ びこの一つ下位のビットがともに Low状態「0」であれば、 NOR演算手段から Hi状態 「1」の選択信号が出力され、レジスタの最上位ビットおよびこの一つ下位のビットがと もに Low状態「0」でなければ Low状態「0」の選択信号が出力される。第 1マルチプ レクサは、入力された選択信号に応じて、入力される 2つの整数のいずれかを加算器 に出力する。すなわち、 Low状態「0」の選択信号の場合と Hi状態「1」の選択信号の 場合とで異なる整数を加算器に出力する。このループ演算を行うことで、 NOR演算 手段から出力される選択信号が所定の周期性を有する。ここで、第 1マルチプレクサ に入力される 2つの整数と NOR演算手段が NOR処理するレジスタのビットを、使用 するサンプリングクロック信号の周波数、得ようとするコードィネーブル信号の周波数 、構成回路のビット数に応じて適宜設定することで、コードィネーブル信号の周波数 となる所定の周波数で Hi状態「1」の選択信号が出力される。すなわち、所定周波数 のコードィネーブル信号が出力される。
[0035] また、この発明は、コード位相観測に用いるコードィネーブル信号を生成するコード NCOにおいて、互いに素となる 2つの整数が入力され、選択信号によりこれら 2つの 整数のいずれかを出力する第 1マルチプレクサと、該第 1マルチプレクサから出力さ れた整数とレジスタ力 出力された整数とを加算して出力するとともに、使用可能なビ ット領域の端部を検出して選択信号を出力する加算器と、該加算器から出力された 整数とコード位相調整値を入力して、調整信号に基づきこれらのいずれかを出力す る第 2マルチプレクサと、第 2マルチプレクサ力もの出力をサンプリングクロック信号に 応じてラッチして出力するレジスタと、を備え、選択信号をコードィネーブル信号とす ることを特徴としている。
[0036] この構成では、加算器により経時的に順次加算されて出力される整数が加算器の 上限または下限に達すると、加算器がこれを検出して第 1マルチプレクサに選択信号 が出力される。すなわち、加算器の上限および下限力 演算により整数が変化する 方向に対向する方向に所定範囲内に加算値が存在するかどうかにより、この状態に 応じて次のタイミングで選択信号が出力される。例えば、加算器が上限又は下限を 検出すれば、すなわち、前記所定範囲内に加算値が存在すれば、次のタイミングで Hi状態「1」の選択信号が出力される。一方、他の範囲に加算値が存在する間は、 L ow状態「0」の選択信号が出力される。第 1マルチプレクサは、入力された選択信号 に応じて、入力される 2つの整数のいずれかを加算器に出力する。すなわち、 Low状 態「0」の選択信号の場合と Hi状態「1」の選択信号の場合とで異なる整数を加算器 に出力する。このループ演算を行うことで、選択信号が所定の周期性を有する。ここ で、第 1マルチプレクサに入力される 2つの整数を、使用するサンプルクロック信号の 周波数、得ようとするコードィネーブル信号の周波数、構成回路のビット数に応じて 適宜設定することで、コードィネーブル信号の周波数となる所定の周波数で Hi状態「 1」の選択信号が出力される。すなわち、所定周波数のコードィネーブル信号が出力 される。
[0037] また、この発明の GPS受信機は、前述のコード NCOを備え、このコード NCO力ら 出力されるコードィネーブル信号に基づいて生成される PNコードを用いて、 GPS信 号のコード位相を捕捉 ·追尾することを特徴として 、る。
[0038] この構成では、前述のコード NCOで正確にコードィネーブル信号が出力されるの で、このコードィネーブル信号に基づき、正確な PNコードが生成される。この PNコー ドを用いることにより、 GPS信号との相関処理が高精度となる。これにより、コード位相 の捕捉 '追尾が高精度に行われ、高精度な相対測位が行われる。
発明の効果
[0039] この発明によれば、入力されるサンプリングクロック信号の周波数に応じて、最適な 回路構成で、且つ容易な制御により所望周波数のコードィネーブル信号を高精度に 出力するコード NCOを小型に構成することができる。言い換えれば、サンプルクロッ ク信号の周波数に影響されることなぐ必要最小限のビット数で形成された回路構成 要素を用いて、簡素な制御フローで高精度にコードィネーブル信号を出力するコー ド NCOを構成することができる。
[0040] また、この発明によれば、前述のコード NCOを用いることにより、高精度の PNコー ドを生成して、 GPS信号の相関処理を高精度に行う GPS受信機を構成することがで きる。そして、 GPS信号が高精度の相関処理されることで、コード位相の捕捉'追尾 が確実に行われ、精度良ぐ且つ確実に相対測位を行うことができる。
図面の簡単な説明
[0041] [図 1]第 1の実施形態に係るコード NCOの構成を示すブロック図
[図 2]第 1の実施形態のコード NCOにおける状態空間とマシンステートとコードイネ一 ブル信号に対応するステートとの関係を示す状態図
[図 3]第 2の実施形態に係るコード NCOの構成を示すブロック図
[図 4]第 2の実施形態のコード NCOにおける状態空間とマシンステートとコードイネ一 ブル信号に対応するステートとの関係を示す状態図
[図 5]第 3の実施形態に係るコード NCOの構成を示すブロック図
[図 6]第 3の実施形態のコード NCOにおける状態空間とマシンステートとコードイネ一 ブル信号に対応するステートとの関係を示す状態図
[図 7]第 4の実施形態に係るコード NCOの構成を示すブロック図
[図 8]第 4の実施形態のコード NCOにおける状態空間とマシンステートとコードイネ一 ブル信号に対応するステートとの関係を示す状態図
[図 9]第 5の実施形態に係るコード NCOの構成を示すブロック図
[図 10]第 5の実施形態のコード NCOにおける状態空間とマシンステートとコードイネ 一ブル信号に対応するステートとの関係を示す状態図
[図 11]第 6の実施形態に係るコード NCOの構成を示すブロック図
[図 12]第 6の実施形態のコード NCOにおける状態空間とマシンステートとコードイネ 一ブル信号に対応するステートとの関係を示す状態図
[図 13]第 7の実施形態に係るコード NCOの構成を示すブロック図
[図 14]第 7の実施形態のコード NCOにおける状態空間とマシンステートとコードイネ 一ブル信号に対応するステートとの関係を示す状態図
[図 15]第 8の実施形態に係るコード NCOの構成を示すブロック図
[図 16]第 8の実施形態のコード NCOにおける状態空間とマシンステートとコードイネ 一ブル信号に対応するステートとの関係を示す状態図
[図 17]第 9の実施形態に係る GPS受信機の構成を示すブロック図
[図 18]従来の一般的なコード NCOの概略構成を示すブロック図
[図 19]特許文献 1に記載のコード NCOの概略構成を示すブロック図
[図 20]従来のコード NCOのマシンステートと状態空間との関係を示す状態図 符号の説明
1, 4, 102, 201 マルチプレクサ(MPX)
2, 7, 101, 202—カロ算器
3, 104, 203 ラッチ回路
5, 103 レジスタ
6—コンノ レータ
61— AND演算部
62— NOR演算部
8—インノ ータ
11 アンテナ
12— RF処理部
13— AZDコンバータ
14 フェーズローテータ
15 相関器
16— PNコード発生器
17 コード NCO
18 キャリア NCO
19—マイクロプロセッサ
発明を実施するための最良の形態
[0043] 本発明の第 1の実施形態に係るコード NCOについて図 1, 2を参照して説明する。
図 1は本実施形態に係るコード NCOの構成を示すブロック図である。
図 1に示すコード NCOは、マルチプレクサ(MPX) 1, 4と、カロ算器 2と、ラッチ回路 3 と、レジスタ 5と、コンパレータ 6とを備える。そして、マルチプレクサ 1, 4、加算器 2、ラ ツチ回路 3,レジスタ 5はビット数 L力もなるディジタル演算回路で構成されて 、る。
[0044] マルチプレクサ 1は、互いに素となる 2つ整数 N, Mが入力されるとともに、コンパレ ータ 6の出力信号である選択信号が入力される。そして、この選択信号に応じて、 2 つの整数 N, Mのいずれかを出力する。例えば、本実施形態では、選択信号が Hi状 態「 1」である場合に整数 Nを出力し、選択信号が Low状態「0」である場合に整数 M を出力する。ここで、このマルチプレクサ 1が本発明の「第 1マルチプレクサ」に相当す る。
[0045] 加算器 2は、マルチプレクサ 1から出力される整数と、レジスタからの出力値とを加 算して出力する。
ラッチ回路 3は、コード位相を制御するための位相調整値 CPA (Code Phase Adjust ment)と、ライトイネーブル信号 WEとを入力して、ライトイネーブル信号 WEによるタイ ミングで位相調整値 CPAを出力する。
[0046] マルチプレクサ 4は、加算器 2の出力値と、ラッチ回路 3からの出力値 (位相調整値 CPA)が入力されるとともに、調整タイミング信号 AD (Adjust Timing)が入力される。 そして、この調整タイミング信号 ADにより与えられるタイミングにより、加算器 2からの 出力値力ラッチ回路 3からの出力値のいずれか一方を出力する。具体的には、調整 タイミング信号 ADが入力されたタイミングで位相調整値 CPAを出力し (シフトモード)
、それ以外のタイミングでは加算器 2からの出力値を出力する(ノーマルモード)。ここ で、このマルチプレクサ 4が本発明の「第 2マルチプレクサ」に相当する。
[0047] レジスタ 5は、マルチプレクサ 4の出力値と、サンプリングクロック信号 SCLK (以下、 「クロック信号」と称す)とが入力される。そして、レジスタ 5はサンプリングクロック信号 SCLKの周波数(以下、「クロック周波数」と称す) f に応じてマルチプレクサ 4の出力 s
値をラッチして出力する。この出力値は、コンパレータ 6に入力されるとともに、加算器 2に入力される。
[0048] コンパレータ 6は、レジスタ 5の出力値を入力して、予め設定された閾値と比較して、 比較結果に応じて Hi状態「1」または Low状態「0」の 、ずれかの値の選択信号を出 力する。この閾値は、クロック周波数 fと、得ようとするコードィネーブル信号の周波数 s
f と、前記マルチプレクサ 1に入力される整数 Nと力 設定されるものであり、
0
[0049] [数 4]
S
Μ'= Ν χ
f 0
[0050] として、(M,一 N— 1)で与えられる。
[0051] そして、具体的に、図 1に示すコード NCOでは、レジスタ 5の出力値が(M,—N—1 )で設定される閾値よりも大きければコンパレータ 6からの出力信号は Hi状態「1」とな り、レジスタ 5の出力値が(M,一 N— 1)で設定される閾値以下であればコンパレータ 6からの出力信号は Low状態「0」となる。ここで、このコンパレータ 6が本発明の「選 択信号生成手段」に相当する。
[0052] このようなコード NCOでは、整数 N, M、ビット数 Lはクロック周波数 fおよび得ようと するコードィネーブル信号の周波数 f から、次式を用いて設定される。
[0053] [数 5]
[0054] 園
L = min(M,< 2L ) - ( 5 )
[0055] [数 7]
M 二 2L _ M'+N — ( 6 )
[0056] このような設定を行い、図 1に示す構成を用いることで、ノーマルモード時には、コン パレータ 6からは周波数 f に応じた周期で選択信号が Hi状態「1」となる (具体的な動
0
作については次に示す)。この結果、コンパレータ 6から出力される信号を取り出すこ とにより、所望とする周波数 f
0のコードィネーブル信号を出力することができる。また、 一方でシフトモード時にはコード位相のズレ量に応じたステート移動量の調整を行い 、位相調整を行う。
[0057] ここで、図 1に示すコード NCOで、具体的に、整数 N, M、ビット数 L、クロック周波 数 f、コードィネーブル信号の周波数 f を設定した場合の動作について説明する。例
0
えば、クロック周波数 fを 40MHzとし、周波数 f 力 ^10. 23MHzのコードイネ
s 0 一ブル 信号を生成して出力する場合について説明する。
式 (4)から、整数 Nを 1023と設定すると、整数 M'は 4000に設定される。また、式( 5)は、 M,が 2Lを超えない最小の整数となるような Lを定義しているので、 M,力 000 であることから、 Lが 12に設定される。そして、式(6)から Mは 1119に設定される。
[0058] このような場合の状態空間とマシンステートとコードィネーブル信号に対応するステ ートとの関係を図 2に示す。
図 2は、本実施形態のコード NCOにおける状態空間とマシンステートとコードイネ 一ブル信号に対応するステートとの関係を示す状態図である。
図 2に示すように、図 1に示すコード NCOは、回路構成素子のビット数 Lが 12であ るので状態空間全体として 4096 (212)のステートを有し、クロック周波数 f力 ΟΜΗζ s であるのでマシンステートの総数力 000となる。そして、このマシンステート 4000は 状態空間のステート 0から始まる。また、コードィネーブル信号の周波数 f に対応する
0 ステート数は前記 4000のマシンステート内の 1023のステートで表される。
[0059] ここで、前述のように、コンパレータ 6は、レジスタ 5から出力される整数値が閾値 29 76 (=4000— 1023— 1)より大きければ Hi状態「1」の選択信号を出力し、閾値 297 6以下であれば Low状態「0」の選択信号を出力する。そして、本実施形態のコード N COはこの選択信号をコードィネーブル信号として出力する。このため、コードイネ一 ブル信号に対応するステートはマシンステート 4000内の閾値 2977以上(2977〜3 999)のステートで表される。すなわち、マシンステート 4000の最上位 1023ステート に対応する。
[0060] また、マルチプレクサ 1は、 Low状態「0」の選択信号が入力されると整数 N (1023) を加算器 2に出力し、 Hi状態「1」の選択信号が入力されると整数 M (1119)を加算 器 2に出力する。具体的には、マルチプレクサ 1は、加算器 2の出力をクロック周波数 でラッチした値力 Sステート番号 0〜2976を取る場合には整数 1023を出力し、加算器 2の出力をクロック周波数でラッチした値がステート番号 2977〜3999を取る場合に は整数 1119を出力する。
加算器 2は入力される 1023、 11191/、ずれかの整数をレジスタ 5の出力に加算する 。このため、マシンステートのステートは通常増加する方向で遷移する。
[0061] この動作はクロック周波数に応じて繰り返し行われ、加算器 2の出力をクロック周波
数でラッチした値がステート番号 2977〜3999を取る毎にコンパレータ 6から Hi状態 「1」の信号が出力される。
[0062] このような構成とすることで、従来技術の図 15に示したコード NCOのようにコードィ ネーブル信号を出力するステートが状態空間の中央に位置されることなぐ状態空間 内に配置されたマシンステートの端に位置されるので、入力されるクロック周波数に 応じて、所定の周波数のコードィネーブル信号を出力するステートを確実に実現する ことができる。この際、状態空間のステート数すなわち構成回路素子のビット数は、ク ロック周波数により設定されるステート数がビット数により得られるステート数を超えな いように設定されるので、最小のビット数の回路構成を必ず実現することができる。
[0063] 以上のように、本実施形態の構成のコード NCOを用いることで、クロック周波数に 応じて必要最小限のビット構成力 なる回路構成素子を用い、容易な制御で確実に 所望周波数のコードィネーブル信号を生成して出力することができる。
[0064] 次に、第 2の実施形態に係るコード NCOについて図 3, 4を参照して説明する。
図 3は本実施形態に係るコード NCOの構成を示すブロック図である。
図 3に示すように、本実施形態のコード NCOはマルチプレクサ 1に入力される整数 と、コンパレータ 6の閾値条件とが異なるものであり、他の構成は図 1に示したコード N COと同じである。ここで、このコンパレータ 6が本発明の「選択信号生成手段」に相当 する。
[0065] 本実施形態のコード NCOのマルチプレクサ 1には、整数(M,一 N)と整数(2し N) とが入力され、コンパレータ 6から Hi状態「0」の選択信号が入力されると、整数 (Μ' — Ν)を出力し、コンパレータ 6から Low状態「 1」の選択信号が入力されると整数( 2L —N)を出力する。また、本実施形態のコンパレータ 6はレジスタ 5からの出力値が整 数 Nよりも小さい場合に Hi状態「1」を出力し、レジスタ 5からの出力値が整数 N以上 であれば Low状態「0」を出力する。
[0066] このような構成のコード NCOにおける状態空間とマシンステートとコードィネーブル 信号に対応するステートとの関係を図 4に示す。
[0067] 図 4は、本実施形態のコード NCOにおける状態空間とマシンステートとコードイネ 一ブル信号に対応するステートとの関係を示す状態図である。なお、本例でも、 Lは 1
2、サンプノレクロック周波数 f は 40MHz、コードイネ一ブル信号の周波数 f は 10. 23 s 0
MHzであり、整数 Nは 1023、整数 M'は 4000とする。
図 4に示すように、図 3に示すコード NCOは、図 1に示したコード NCOと基本回路 構成が同じであるので、 4096のステートからなる状態空間内に、ステート 0から始まる マシンステート 4000が配置される。
[0068] ここで、本実施形態の構成では、コンパレータ 6は、レジスタ 5から出力される整数 値が閾値 1023未満であれば Hi状態「1」の選択信号を出力し、閾値 1023以上であ れば Low状態「0」の選択信号を出力する。そして、コード NCOはこの選択信号をコ ードィネーブル信号として出力する。このため、コードィネーブル信号に対応するス テートはマシンステート 4000内の閾値 1023未満(0〜1022)のステートで表される。 すなわち、マシンステート 4000の最下位 1023ステートに対応する。
[0069] また、マルチプレクサ 1は Low状態「0」の信号が入力されると整数値 M,一 N ( = 29 77)を出力し、 Hi状態「1」の信号が入力されると整数値 N ( = 3072)を出力する ことから、ステートは状態空間において減少する方向に遷移する。
[0070] そして、この動作はクロック周波数に応じて繰り返し行われ、加算器 2の出力をクロッ ク周波数でラッチした値がステート 0〜1022を取る毎にコンパレータ 6から Hi状態「1 」の信号が出力される。
[0071] このような構成を用いても、前述の第 1の実施形態に示したコード NCOと同様の効 果を奏することができる。
[0072] そして、コード NCOの回路構成を、本実施形態 (第 2の実施形態)、または、第 1の 実施形態に示すようにすることで、設定条件、すなわち、入力する整数、閾値条件を 変更するのみで、ステートの遷移方向を容易に逆転させることができる。これにより、 従来のコード NCOにおけるステートの遷移方向がいずれの方向であっても、本発明 の前記 2つの実施形態の構成を用いることで、高精度のコード位相観測を容易に実 現することができる。この際、第 1の実施形態で設定する整数 (位相設定値)を Pとす ると、第 2の実施形態で設定する整数 Pは、 P =M— 1 Pで容易に設定することが
2 2 1
できる。
[0073] この結果、従来使用している GPS受信機の仕様に応じて設定条件を変化させるだ
けで、高精度のコード位相観測が容易に実現されるので、従来の GPS受信機からの 改良が容易となる。
[0074] 次に、第 3の実施形態に係るコード NCOについて、図 5, 6を参照して説明する。
[0075] 図 5は本実施形態のコード NCOの構成を示すブロック図である。
図 5に示すコード NCOは、第 1の実施形態の図 1に示したコード NCOのコンパレー タ 6を AND演算部 61に置き換えたものであり、他の構成は図 1に示すコード NCOと 同じである。
AND演算部 61は、レジスタ 5の最上位ビット Lの出力と、その一つ下位のビット(L 1)の出力とを入力して、これらの AND演算結果をマルチプレクサ 1に出力する。 すなわち、 AND演算部 61は、レジスタ 5の最上位ビット Lからの入力信号とその一つ 下位のビット (L—1)力もの入力信号とがともに Hi状態「1」の場合にのみ、 Hi状態「1 」の信号をマルチプレクサ 1に出力する。また、これ以外の状態では Low状態「0」の 信号をマルチプレクサ 1に出力する。そして、本実施形態のコード NCOは AND演算 部 61から出力されるこの信号をコードィネーブル信号として出力する。ここで、この A ND演算部 61が本発明の「選択信号生成手段」に相当する。
[0076] 図 6は本実施形態のコード NCOにおける状態空間とマシンステートとコードイネ一 ブル信号に対応するステートとの関係を示す状態図である。なお、本例でも、 Lは 12 、サンプノレクロック周波数 f は 40MHz、コードイネ
s 一ブル信号の周波数 f は 10. 23
0
MHzであり、整数 Nは 1023、整数 Mは 1119とする。
図 5に示す構成では、前述のように最上位ビットとその一つ下位のビットが Hi状態 である時に Hi状態「 1」のコードィネーブル信号が出力されるので、コードィネーブル 信号を出力する状態を示すステートは、状態空間 0〜212—1 (=4095)の上位側で あるステート 2U + 21()( = 3072)〜212— 2 (=4094)に位置づけられる。そして、マシ ンステートは 212— 1— 4000 ( = 95)〜212— 2 (=4094)に位置づけられる。また、マ ルチプレクサ 1は Low状態「0」の信号が入力されると整数 1023を出力し、 Hi状態「1 」の信号が入力されると整数 1119を出力する。具体的には、マルチプレクサ 1は、加 算器 2の出力をクロック周波数でラッチした値がステート 95〜3071を取る場合には 整数 1023を出力し、加算器 2の出力をクロック周波数でラッチした値力ステート 307
2〜4094を取る場合には整数 1119を出力する。
加算器 2は入力される 1023、 11191/、ずれかの整数をレジスタ 5の出力に加算する 。このため、マシンステートのステートは通常増加する方向で遷移する。
[0077] この動作はクロック周波数に応じて繰り返し行われ、加算器 2の出力をクロック周波 数でラッチした値がステート番号 3072〜4094を取る毎に AND演算部 61から Hi状 態「1」の信号が出力される。
[0078] なお、本実施形態のコード NCOでは、前述のようにマシンステートの最下位ステー トカ 5 ( = 212— 1 4000)であるので、シフトモード時には、位相調整値 CPAに 95 を加算した整数を入力することで、コード位相が正確に補正される。すなわち、ビット 数 L、コンパレータに入力する整数 N, Mである場合に、 2L— 1 M,を位相調整値 C PAに加算することでコード位相を正確に補正することができる。
[0079] このような構成とすることで、コンパレータを用いることなぐより簡素な構造でコード NCOを最適な回路構成に実現することができる。
[0080] 次に、第 4の実施形態に係るコード NCOについて図 7, 8を参照して説明する。
[0081] 図 7は本実施形態に係るコード NCOの構成を示すブロック図である。
[0082] 本実施形態のコード NCOは、第 3の実施形態に示したコード NCOの AND演算部 61を NOR演算部 62に置き換えたものであり、他の構成は、マルチプレクサ 1に入力 される値を除き、図 5に示したコード NCOと同じである。ここで、図 7に示すマルチプ レクサ 1には、 M, Nに替わり M'— N, 2L— Nがそれぞれ入力される。
NOR演算部 62は、レジスタ 5の最上位ビット Lの出力と、その一つ下位のビット L— 1の出力とを入力して、これらの NOR演算結果をマルチプレクサ 1に出力する。すな わち、 NOR演算部 62は、レジスタ 5の最上位ビット Lからの入力信号とその一つ下位 のビット L—1からの入力信号とがともに Low状態「0」の場合にのみ、 Hi状態「1」の 信号をマルチプレクサ 1に出力する。また、これ以外の状態では Low状態「0」の信号 をマルチプレクサ 1に出力する。そして、本実施形態のコード NCOは NOR演算部 6 2から出力されるこの信号をコードィネーブル信号として出力する。ここで、この NOR 演算部 62が本発明の「選択信号生成手段」に相当する。
[0083] 図 8は本実施形態のコード NCOにおける状態空間とマシンステートとコードイネ一
ブル信号に対応するステートとの関係を示す状態図である。なお、本例でも、 Lは 12 、サンプノレクロック周波数 f は 40MHz、コードイネ一ブル信号の周波数 f は 10. 23 s 0
MHzであり、整数 Nは 1023、整数 M'は 4000とする。
図 7に示す構成では、前述のように最上位ビットとその一つ下位のビットが Low状態 「0」である時に Hi状態「1」のコードィネーブル信号が出力されるので、コードイネ一 ブル信号を出力する状態を示すステートは、状態空間 0〜212— 1 (=4095)のステ ート 1〜21Q— 1 (= 1023)に位置づけられる。そして、マシンステートは 1〜4000に位 置づけられる。また、マルチプレクサ 1は Low状態「0」の信号が入力されると整数 29 77を出力し、 Hi状態「1」の信号が入力されると整数 3072を出力する。具体的には、 マルチプレクサ 1は、加算器 2の出力をクロック周波数でラッチした値がステート 1024 〜4000を取る場合には整数 2977を出力し、加算器 2の出力をクロック周波数でラッ チした値がステート 1〜1023を取る場合には整数 3072を出力する。
カロ算器 2は入力される 2977、 3072いずれかの整数をレジスタ 5の出力に加算する 。このため、マシンステートのステートは通常減少する方向で遷移する。
[0084] この動作はクロック周波数に応じて繰り返し行われ、加算器 2の出力をクロック周波 数でラッチした値がステート番号 1〜1023を取る毎に NOR演算部 62から Hi状態「1 」の信号が出力される。
[0085] なお、本実施形態のコード NCOでは、前述のようにマシンステートの最下位ステー トが 1 ( = 21Q— 1023)であるので、シフトモード時には、位相調整値 CPAに 1を加算 した整数を入力することで、コード位相が正確に補正される。すなわち、ビット数 L、コ ンパレータに入力する整数 N, Mである場合に、 2 —Νを位相調整値 CPAに加算 することでコード位相を正確に補正することができる。
[0086] このような構成とすることで、前述の第 3の実施形態と同様に、コンパレータを用いる ことなぐより簡素な構造でコード NCOを最適な回路構成に実現することができる。
[0087] 次に、第 5の実施形態に係るコード NCOについて図 9, 10を参照して説明する。
図 9は本実施形態のコード NCOの構成を示すブロック図である。
図 9に示すコード NCOは、マルチプレクサ(MPX) 1, 4と、カロ算器 7と、ラッチ回路 3 と、レジスタ 5と、コンパレータ 6とを備える。そして、マルチプレクサ 1, 4、加算器 7、ラ
ツチ回路 3,レジスタ 5はビット数 L力もなるディジタル演算回路で構成されて 、る。
[0088] マルチプレクサ 1は、互いに素となる 2つ整数 N, Mが入力されるとともに、加算器 7 力もキャリア信号が入力される。そして、このキャリア信号に応じて、 2つの整数 N, M のいずれかを出力する。例えば、本実施形態では、キャリア信号が Hi状態「1」である 場合に整数 Nを出力し、キャリア信号力 ow状態「0」である場合に整数 Mを出力す る。ここで、このマルチプレクサ 1が本発明の「第 1マルチプレクサ」に相当し、キャリア 信号が本発明の「選択信号」に相当する。
[0089] 加算器 7は、マルチプレクサ 1から出力される整数と、レジスタからの出力値とを加 算して出力する。また、加算器 7は加算結果に応じて Hi状態と Low状態との 2値から なるキャリア信号をマルチプレクサ 1に出力する。具体的には、加算器 7は、加算結果 力 Sビット数で表される状態空間の上限に達して下位側に移動すると、 Hi状態「1」のキ ャリア信号をマルチプレクサ 1に出力し、加算結果がビット数で表される状態空間の 上限に達しなければ Low状態「0」のキャリア信号をマルチプレクサ 1に出力する。言 い換えれば、加算後の整数が加算前の整数よりも小さければ Hi状態「1」のキャリア 信号を出力し、加算後の整数が加算前の整数よりも大きければ Low状態「0」のキヤリ ァ信号を出力する。
[0090] ラッチ回路 3は、コード位相を制御するための位相調整値 CPA (Code Phase Adjust ment)と、ライトイネーブル信号 WEとを入力して、ライトイネーブル信号 WEによるタイ ミングで位相調整値 CPAを出力する。
[0091] マルチプレクサ 4は、加算器 2の出力値と、ラッチ回路 3からの出力値 (位相調整値 CPA)が入力されるとともに、調整タイミング信号 AD (Adjust Timing)が入力される。 そして、この調整タイミング信号 ADにより与えられるタイミングにより、加算器 2からの 出力値力ラッチ回路 3からの出力値のいずれか一方を出力する。具体的には、調整 タイミング信号 ADが入力されたタイミングで位相調整値 CPAを出力し (シフトモード) 、それ以外のタイミングでは加算器 2からの出力値を出力する(ノーマルモード)。ここ で、このマルチプレクサ 4が本発明の「第 2マルチプレクサ」に相当する。
[0092] レジスタ 5は、マルチプレクサ 4の出力値とクロック信号とが入力される。そして、レジ スタ 5はクロック周波数 f に応じてマルチプレクサ 4の出力値をラッチして加算器 7に s
出力する。
[0093] なお、本実施形態のコード NCOについても、整数 N, M、ビット数 Lはクロック周波 数 fおよび得ようとするコードィネーブル信号の周波数 f から、前述の第 1の実施形
0
態と同様に設定される。
[0094] このような設定を行い、図 9に示す構成を用いることで、ノーマルモード時には、カロ 算器 7からは周波数 f に応じた周期でキャリア信号が Hi状態「1」となる (具体的な動
0
作については次に示す)。この結果、加算器 7から出力されるキャリア信号を取り出す ことにより、所望とする周波数 f のコードィネーブル信号を出力することができる。また
0
、一方でシフトモード時にはコード位相のズレ量に応じたステート移動量の調整を行 い、位相調整を行う。
[0095] ここで、図 9に示すコード NCOで、具体的に、整数 N, M、ビット数 L、クロック信号 の周波数 f、コードィネーブル信号の周波数 f
0を設定した場合の動作について説明 する。例えば、クロック周波数 fを 40MHzとし、周波数 f 力 10. 23MHzのコードイネ s 0
一ブル信号を生成して出力する場合について説明する。
式 (4)から、整数 Nを 1023と設定すると、整数 M'は 4000に設定される。また、式( 5)は、 M,が 2Lを超えない最小の整数となるような Lを定義しているので、 M,力 000 であることから、 Lが 12に設定される。そして、式(6)から Mは 1119に設定される。
[0096] このような場合の状態空間とマシンステートとコードィネーブル信号に対応するステ ートとの関係を図 10に示す。
図 10は、本実施形態のコード NCOにおける状態空間とマシンステートとコードイネ 一ブル信号に対応するステートとの関係を示す状態図である。
図 10に示すように、図 9に示すコード NCOは、回路構成素子のビット数 Lが 12であ るので状態空間全体として 4096 (212)のステートを有し、クロック周波数 f力 ΟΜΗζ s であるのでマシンステートの総数力 000となる。また、コードィネーブル信号の周波 数 f に対応するステート数は前記 4000のマシンステート内の 1023のステートで表さ
0
れる。また、加算器 7がビットの最上位 (状態空間の上限)を検出することで Hi状態「1 」のキャリア信号を発してビットの最上位力も最下位に遷移するので、マシンステート 4 000の最上位は状態空間の最上位 4095に位置する。さらに、本実施形態のコード
NCOはこのキャリア信号をコードィネーブル信号として出力する。このため、コードィ ネーブル信号に対応するステートはマシンステート 4000内の閾値 2977以上(2977 〜3999)のステートで表される。これは、状態空間の最上位部の 1023ステート、す なわち、 3073〜4095のステートに対応する。
[0097] また、マルチプレクサ 1は、 Low状態「0」の選択信号が入力されると整数 N (1023) を加算器 7に出力し、 Hi状態「1」の選択信号が入力されると整数 M (1119)を加算 器 7に出力し、加算器 7は入力される 1023、 1119いずれかの整数をレジスタ 5の出 力に加算する。このため、マシンステートのステートは通常増加する方向で遷移する
[0098] このような構成では、ステート 3073〜4095 (最上位)までの間における加算器 7の 出力をクロック周波数でラッチした時点で、加算器 7から Hi状態「1」のキャリア信号が 出力される。具体的には、加算器 7の加算結果がステート 3073〜4095の間に入り、 これがレジスタ 5でラッチされた時点では加算器 7からは Low状態「0」のキャリア信号 が出力されている。この時点で、加算器 7には整数 N (= 1023)が入力され、加算器 7はレジスタ 6でラッチされた整数にこの整数 N (= 1023)を加算する。この結果、カロ 算値は状態空間の上限 (4095)に達するので、加算器 7は Hi状態「1」のキャリア信 号を出力するとともに、前記レジスタ 6にラッチされた整数に対して、新たにマルチプ レクサ 1から入力された整数 M ( = 1119)を加算して出力する。これにより、マシンス テート ίま、ステート 3073〜4095の状態力らステート 96〜: L 118の状態に移動する。 そして、この後は、加算器 7の加算結果が再度ステート 3073〜4095の整数となるま で、整数 Ν ( = 1023)が加算され続ける。
[0099] この動作はクロック周波数に応じて繰り返し行われ、加算器の出力をクロック周波数 でラッチした値がステート 3073〜4095の整数値を取る毎に加算器 7から Hi状態「1 」のキャリア信号が出力される。これにより、所定周波数 f のコードィネーブル信号を
0
生成して出力することができる。
[0100] なお、本実施形態のコード NCOでは、前述のようにマシンステートの最下位ステー トが 96であるので、シフトモード時には、位相調整値 CPAに 96を加算した整数を入 力することで、コード位相が正確に補正される。
[0101] このような構成とすることで、第 1の実施形態と同様の効果を得ることができるととも に、本実施形態のコード NCOは第 1の実施形態力 コンパレータを省略したもので あるのでコード NCOを小型化することができる。
[0102] 次に、第 6の実施形態に係るコード NCOについて図 11, 12を参照して説明する。
図 11は本実施形態のコード NCOの構成を示すブロック図である。
図 11に示すコード NCOは、加算器 7のキャリア信号出力部にインバータ回路 8を 備え、マルチプレクサ 1に整数 (Μ'— Ν)と整数(2L—N)とが入力されるものであり、 他の構成は第 5の実施形態の図 9に示したコード NCOと同じである。
[0103] 本実施形態のコード NCOのマルチプレクサ 1には、整数(M,一 N)と整数(2L— N) とが入力され、インバータ 8から Hi状態「1」の選択信号が入力されると、整数 (Μ'— Ν)を出力し、インバータ 8から Low状態「0」の選択信号が入力されると整数 (2L— Ν) を出力する。
[0104] このような構成のコード NCOにおける状態空間とマシンステートとコードィネーブル 信号に対応するステートとの関係を図 12に示す。
図 12は、本実施形態のコード NCOにおける状態空間とマシンステートとコードイネ 一ブル信号に対応するステートとの関係を示す状態図である。なお、本例でも、 Lは 1 2、サンプノレクロック周波数 f は 40MHz、コードイネ一ブル信号の周波数 f は 10. 23 s 0
MHzであり、整数 Nは 1023、整数 M'は 4000とする。
[0105] 図 12に示すように、図 11に示すコード NCOを用いることで、回路構成素子のビット 数 Lが 12であるので状態空間全体として 4096 ( = 212)のステートを有し、クロック周 波数 f力 S40MHzであるのでマシンステートの総数力 S4000となる。また、コードイネ一 ブル信号の周波数 f に対応するステート数は前記 4000のマシンステート内の 1023
0
のステートで表される。
[0106] また、加算器 7がビットの最上位 (状態空間の上限)を検出することで Hi状態「1」の キャリア信号を発してビットの最上位力も最下位に遷移するので、このような動作が行 われた時には、インバータ 8からマルチプレクサ 1に Low状態「0」の選択信号が入力 される。この場合、マルチプレクサ 1は整数値 2^— N ( = 3072)を出力する。一方、加 算器 7がビットの最上位 (状態空間の上限)を検出せず Hi状態「1」のキャリア信号を
発しない、すなわち加算器 7から Low状態「0」のキャリア信号が出力される時には、 インバータ 8からマルチプレクサ 1に Hi状態「1」の選択信号が入力される。この場合 マルチプレクサ 1は整数値 M,— N ( = 2977)を出力する。これにより、レジスタ 6でラ ツチされている整数がステート 1023〜3999に存在する場合に Hi状態「1」のキャリア 信号 (Low状態「0」の選択信号)がマルチプレクサ 1に出力され、レジスタ 6でラッチ されて ヽる整数がステート 0〜1022に存在する場合に Low状態「0」のキャリア信号 ( Hi状態「 1」の選択信号)がマルチプレクサ 1に出力される。
[0107] この結果、マシンステート 4000の最下位 0は状態空間の最下位 0に位置し、コード ィネーブル信号に対応するステートはマシンステート 4000内の閾値 1023未満(0〜 1022)のステートで表される。これは、状態空間の最下位部の 1023ステート、すなわ ち、 0〜1022のステートに対応する。
[0108] また、このような動作を行うことにより、レジスタ 6でラッチされた整数がステート 1023 〜3999に存在する場合には、マシンステートのステートは減少する方向に遷移し、 レジスタ 6でラッチされた整数がステート 0〜1022に存在する場合には、ステートは 増加する方向に遷移する。そして、この動作は繰り返し行われ、加算器 7の出力をク ロック周波数でラッチした値がステート 0〜1022を取る毎に加算器 7から Low状態「0 」のキャリア信号が出力される。これにより、インバータ 8からは Hi状態「1」の選択信 号が出力されるので、この選択信号を所定周波数 f のコードィネーブル
0 信号として出 力することができる。
[0109] このような構成を用いても、前述の第 5の実施形態に示したコード NCOと同様の効 果を奏することができる。
[0110] そして、コード NCOの回路構成を、本実施形態 (第 6の実施形態)、または、第 5の 実施形態に示すようにすることで、設定条件、すなわち、入力する整数、閾値条件を 変更するのみで、ステートの移動方向を逆転させることができる。これにより、従来の コード NCOにおけるステートの移動方向がいずれの方向であっても、本発明の前記 2つの実施形態の構成を用いることで、高精度のコード位相観測を容易に且つより簡 素な構造で実現することができる。この結果、従来使用している GPS受信機の仕様 に応じて設定条件を変化させるだけで、高精度のコード位相観測が容易に実現され
るので、従来の GPS受信機力もの改良が容易となる。
[0111] 次に、第 7の実施形態に係るコード NCOについて図 13, 14を参照して説明する。
図 13は本実施形態のコード NCOの構成を示すブロック図であり、図 14は図 13に 示すコード NCOの状態空間とマシンステートとコードィネーブル信号に対応するステ ートとの関係を示す状態図である。なお、本例でも、 Lは 12、サンプルクロック周波数 f は 40MHz、コードィネーブル信号の周波数 f は 10. 23MHzであり、整数 Nは 10 s 0
23、整数 M,は 4000とする。
図 13に示すように、本実施形態のコード NCOは加算器 7から出力されるキャリア信 号をレジスタ 6でラッチした後に、マルチプレクサ 1に出力する構造であり、他の構成 は第 5の実施形態に示したコード NCOと同じである。
[0112] このような構成のコード NCOでは、 Hi状態「1」のキャリア信号がマルチプレクサ 1に 出力されるタイミングが第 3の実施形態に示したコード NCOに対してサンプリングクロ ック信号 SCLKの 1タイミング分だけ遅れたものである。このため、この構成では、マ シンステートは 0〜1022、 1119〜4095 ( = 212— 1)となり、 Hi状態「1」のコードイネ 一ブル信号が出力されるタイミングでのステートは 0〜1022となる。そして、本実施形 態の構成を用いても、第 5の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[0113] 次に、第 8の実施形態に係るコード NCOについて図 15, 16を参照して説明する。
図 15は本実施形態のコード NCOの構成を示すブロック図であり、図 16は図 15に 示すコード NCOの状態空間とマシンステートとコードィネーブル信号に対応するステ ートとの関係を示す状態図である。なお、本例でも、 Lは 12、サンプルクロック周波数 f は 40MHz、コードィネーブル信号の周波数 f は 10. 23MHzであり、整数 Nは 10 s 0
23、整数 M,は 4000とする。
図 15に示すように、本実施形態のコード NCOはインバータ 8から出力される選択 信号をレジスタ 6でラッチした後に、マルチプレクサ 1に出力する構造であり、他の構 成は第 4の実施形態に示したコード NCOと同じである。
[0114] このような構成のコード NCOでは、 Hi状態「1」の選択信号がマルチプレクサ 1に出 力されるタイミングが第 4の実施形態に示したコード NCOに対してサンプリングクロッ ク信号 SCLKの 1タイミング分だけ遅れたものである。このため、この構成では、マシ
ンステートは 0〜2976、 3073〜4095 ( = 212— 1)となり、 Hi状態「1」のコードイネ一 ブル信号が出力されるタイミングでのステートは 3073〜4095 ( = 212—1)となる。そ して、本実施形態の構成を用いても、第 6の実施形態と同様の効果を得ることができ る。
[0115] 前述の各実施形態のコード NCOの具体的な説明は、サンプルクロック周波数 fを 4 s
OMHz、コードィネーブル信号の周波数 f を 10. 23MHzとした場合について示した
0
ものであるが、前述の各実施形態の構成を用いて、適宜各設定条件 (整数 N, M、ビ ット数 L)を設定することにより、所定周波数のコードィネーブル信号に対してこれより も高周波数のサンプリングクロック信号を用いるコード NCOを、それぞれに設定され た周波数条件に応じて最適な回路構成で実現することができる。
[0116] 次に、第 9の実施形態に係る GPS受信機について図 17を参照して説明する。
図 17は本実施形態に係る GPS受信機の構成を示すブロック図である。
[0117] 図 17に示すように、本実施形態の GPS受信機は、アンテナ 11と、 RF処理部 12と、 AZDコンバータ 13と、フェーズローテータ 14と、相関器 15と、 PNコード発生器 16と 、コード NC017と、キャリア NC018と、マイクロプロセッサ 19とを備える。
[0118] アンテナ 11は L1波および L2波力 なる GPS信号を受信して、 RF処理部 12に出 力する。 RF処理部 12は入力された GPS信号を中間周波数の同相信号と直交信号 とに変換して AZDコンバータ 13に出力する。また、 RF処理部 12は、入力された GP S信号力 サンプルクロック信号を検出して、これを各ブロックに出力する。 AZDコン バータ 13は、入力された同相信号と直交信号とを AZD変換してフェーズローテータ 14に出力する。
[0119] フェーズローテータ 14は、入力されたディジタル形式の同相信号と直交信号とを、 キャリア NC018から入力されるキャリア位相に基づきベースバンドの同相信号と直 交信号とに変換して相関器 15に出力する。相関器 15は GPS衛星数に応じた数の相 関処理部を備え、 PNコード発生器 16から出力される PNコードに基づいて相関処理 を行いキャリア位相誤差およびコード位相誤差を推定演算してマイクロプロセッサ 19 に出力する。マイクロプロセッサ 19は、入力されたキャリア位相誤差およびコード位 相誤差を用いてキャリア位相およびコード位相 (擬似距離)を推定演算するとともに測
位を行って、図示しない表示部等に出力する。
[0120] コード NC017は、マイクロプロセッサ 19から入力されるコード位相誤差に関する制 御信号に従うとともに、所定のループ処理により、所定周波数のコードィネーブル信 号を生成して PNコード発生器 16に出力する。 PNコード発生器 16は、コードイネ一 ブル信号に従い予め記憶された CZAコードまたは P (Y)コードを相関器 15の各相 関処理部に出力する。
[0121] キャリア NC018は、マイクロプロセッサ 19から入力されるキャリア位相誤差に関す る制御信号に基づいてキャリア位相を演算して、フェーズローテータ 14に出力する。
[0122] このような GPS受信機のコード NC017に前述の各実施形態に示したコード NCO を用いる。これにより、高精度且つ正確にコードィネーブル信号が生成されるので、 P Nコード発生器 16は高精度で且つ正確な PNコードを相関器 15に出力することがで きる。この結果、相関器 15は高精度且つ正確にコード位相およびキャリア位相を推 定演算することができ、測位精度が向上する。また、コード NCOの構成を所望の周 波数条件に応じた最小かつ最適な回路構成で実現することができるので、所望とす る条件に応じて、高精度で、且つ最適な回路構成の GPS受信機を小型に形成する ことができる。
[0123] さらには、コード NCOのステート移動方向を任意に選んで構成することができるの で、従来の GPS受信機のコード NCOのみを改変する場合にも、 GPS受信機の他部 の構成を殆ど替えることなぐキャリア位相の推定演算、コード位相の推定演算、およ び測位をより高精度に改善することができる。すなわち、従来在る資産 (実機および 設計データ)を有効に活用することができる。
[0124] なお、前述の実施形態では GPS受信機を用いた GPSシステムを例に説明を行つ た力 他の PNコードを信号に用いる全ての無線航法システム(GNSS)、例えば、 G ALILEOシステムや GLONASSシステムにも前述の構成を適用することができ、前 述の効果を奏することができる。さらには、 PNコードで変調された無線信号を受信す る、一般的な無線通信システムおよびこれに用いる無線通信機にも前述の構成を適 用でき、前述の効果を奏することができる。