半導体装置及び半導体装置の製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、高誘電率薄膜を有した半導体装置及び半導体装置の製造方法に関す るものであり、特に、高性能で低消費電力を実現する MOSFET (Metal— Oxide— Semiconductor Field Effect Transistor)を構成するゲート絶縁膜の信頼性 を高めた半導体装置及び半導体装置の製造方法に関するものである。
背景技術
[0002] シリコン酸ィ匕膜は、プロセス上の安定性が高ぐまた、優れた絶縁特性を有するため 、 MOSFETのゲート絶縁膜材料として有用である。近年、素子微細化と共にゲート 絶縁膜の薄膜化が進んでおり、ゲート長が lOOnm以下のデバイスでは、スケーリン グ則の要請力もゲート絶縁膜であるシリコン酸ィ匕膜の厚さは 2. Onm以下であることが 必要となっている。
[0003] このような極薄の絶縁膜を用いた場合、ゲートバイアス印加時に絶縁層を挿んで流 れるトンネル電流力 ソース Zドレイン電流に対して無視できない値となる。従って M OSFETの高性能化と低消費電力化を図るために、実効的 (電気的)なゲート絶縁膜 の膜厚を薄くし、かつ、トンネル電流をデバイス設計上の許容値内に抑えるための研 究開発が盛んに進められているのが現状である。
[0004] その研究開発の 1つとして、シリコン酸ィ匕膜中に窒素を添加することで、純粋なシリ コン酸化膜に比べて誘電率を増加させ、物理的な膜厚を薄層化することなしに実効 的 (電気的)なゲート絶縁層の膜厚を減少させる方法がある。このようなシリコン酸窒 化膜の形成手法としては、シリコン基板表面に酸化膜を形成した後、アンモニア H )などの窒素を含有したガス中で高温熱処理することで窒素導入する方法や、窒
3
素プラズマにシリコン酸ィ匕膜を曝し、表面側を選択的に窒化する技術 (プラズマ窒化 技術)が検討されている。
[0005] し力しながら、純粋なシリコン窒化膜の比誘電率でもシリコン酸ィ匕膜の 2倍程度であ るため、シリコン酸ィ匕膜への窒素添カ卩による高誘電率ィ匕には限界があり、比誘電率を
10以上にすることは原理的に不可能である。
[0006] 従って、さらに素子の微細化が進んだ世代の技術として、シリコン酸化膜や酸窒化 膜に代えて比誘電率が 10以上の薄膜材料をゲート絶縁膜に採用する試みがなされ ている。このような高誘電率材料としては Al O
2 3、 ZrOや HfO、および Y Oなどの数
2 2 2 3 多くの希土類元素酸化物、さら〖こは、 La Oなどのランタノイド系希土類元素の酸ィ匕
2 3
物が候補材料として検討されている。また、これらの金属酸化物にシリコンを混入した シリケート材料も比誘電率が低下するものの熱安定性が向上することから候補材料と して検討されて 、る。これらの材料を用いればゲート長を微細にしてもスケーリング則 に矛盾しないゲート絶縁膜容量を保持しつつトンネル電流を低減可能な物理的な厚 さにすることは可能である。
[0007] し力しながら、高誘電率酸化膜の移動度は、シリコン酸ィ匕膜に比べて低ぐ MOSF ETの電流駆動能力の低下によりゲート絶縁膜を薄層化した効果が相殺されてしまう ことが問題となっており、この問題は、高誘電率酸ィ匕膜の移動度劣化の主要因が膜 中電子トラップによるリモートクーロン散乱であることが判明し (例えば、非特許文献 1 参照)、膜中電子トラップを低減するための努力がなされているのが現状である。
[0008] また、電子トラップが存在すると、トランジスタの閾値電圧 (VT)が動作時に変化し、 トランジスタの出力電流の長期安定性を確保することが難しくなる。
[0009] なお、シリコン基板表面への高誘電率ゲート絶縁膜の堆積手法として、シリコン基 板表面に高誘電率膜を直接堆積するか、もしくは、極薄 (通常 lnm未満)のシリコン 酸化膜を堆積した後で、高誘電率膜を堆積し、該堆積した高誘電率膜と下地との反 応を極力抑制して形成する方法がある(例えば、特許文献 1参照)。
[0010] シリコン基板表面への高誘電率ゲート絶縁膜の堆積手法は、主に、 MOCVD (Me tal Organic し hemical Vapor Depositionリ装食や ALCVD (Atomic Layer Chemical Vapor Deposition)装置を用いて研究開発が進められており、プリカ 一サーゃ成膜温度、成膜シーケンスを最適化することで堆積する高誘電率膜が化学 量論的な組成を有する金属酸化物(あるいは、酸素濃度に過不足のないシリケート 組成)と一致するように条件出しが行われている。これは、膜中酸素欠損などの構造 欠陥が膜中電子トラップの要因の 1つと考えられているからである。
[0011] また、シリコン基板表面に予めシリコン酸ィ匕膜を形成した後に、該形成したシリコン 酸化膜内に少なくとも一種類の金属をイオン注入し、熱処理により、該注入した金属 をシリコン酸ィ匕膜内に拡散させ、半導体基板との間の界面状態の良好な、かつ、リー ク特性の良好な半導体装置の製造方法がある (例えば、特許文献 2参照)。
[0012] また、シリコン基板上にシリコン酸ィ匕膜を形成する工程と、前記シリコン酸ィ匕膜上に 、前記シリコン酸化膜に対する固溶限界以上の金属原子を有する金属膜又は金属 シリサイド膜を形成する工程と、前記金属膜真又は金属シリサイド膜中の金属原子を 前記シリコン酸化膜中に拡散させて金属シリケイト層を形成する工程と、を有し、固溶 限界による拡散の抑制作用により、金属原子を制御性よぐ必要十分にシリコン酸ィ匕 膜中に含有させることができ、誘電率の高い金属シリケイト層を形成し、シリコン基板 と金属シリケイト層との間の界面特性に優れた半導体装置の製造方法がある (例えば 、特許文献 3参照)。
特許文献 1:特開 2002— 289844号公報
特許文献 2:特開 2002— 314074号公報
特許文献 3:特開 2001— 332547号公報
非特許文献 1 :A. Morioka et. all,「High Mobility MISFET with Low Tr apped Charge in HfSiO FilmsJ , 2003 Symposium on VLSI Technol ogy Digest oi fechnical Papers, p.上り 5
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0013] し力しながら、上記特許文献 1の方法は、シリコン酸ィ匕膜が界面熱安定性を向上さ せることになるが、シリコン酸ィ匕膜の比誘電率が低いために、シリコン基板表面に形 成する初期シリコン酸化膜の膜厚を 0. 6nm以下にすることが重要であると考えられ る。
[0014] また、上記特許文献 2の方法は、シリコン酸ィ匕膜内に金属をイオン注入する際に、 欠陥が生じやすぐまた、熱処理時に金属元素の拡散の制御を行うことが出来ないこ とになる。
[0015] また、上記特許文献 3は、固溶限界による拡散の抑制作用により、金属原子を制御
性よく必要十分にシリコン酸ィ匕膜中に含有させることができ、誘電率の高い金属シリ ケイト層を形成することになるが、金属原子をシリコン酸化膜中に含有できない領域 が発生してしまった場合には、特性劣化を引き起こす虞がある。
[0016] 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、シリコン基板の界面に良質のゲ ート絶縁膜の形成を可能とし、界面電気特性を改善した半導体装置及び半導体装 置の製造方法を提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段
[0017] かかる目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有することとする。
[0018] 本発明にかかる半導体装置は、ゲート電極をシリコン基板から電気的に絶縁するゲ ート絶縁膜を有する半導体装置であって、シリコン基板上にシリコンを含有する下地 層を形成し、該形成した下地層上に、金属拡散源としての金属化合物を堆積し、熱 処理を施すことで、金属化合物の金属元素を下地層に拡散させ、シリコン基板上に 高誘電率のゲート絶縁膜が形成されてなり、金属化合物中の金属原子量が、 1. 5E + 15cm— 2力ら 2. 6E+ 15cm— 2の範囲であることを特徴とするものである。
[0019] また、本発明にかかる半導体装置は、金属拡散源としての金属化合物の膜厚 (nm
)と、金属濃度 (金属原子数 Z (シリコン原子数 +金属原子数))と、の積により決定す る金属化合物中の金属量が、 0. 6以上 0. 9以下であることを特徴とするものである。
[0020] また、本発明にかかる半導体装置において、下地層は、シリコン酸ィ匕物、または、シ リコン酸窒化物力もなることを特徴とするものである。
[0021] また、本発明にかかる半導体装置において、熱処理は、アンモニアまたは酸素を少 なくとも含む雰囲気で行うことで、金属化合物の金属元素が下地層に拡散した金属 拡散膜が形成されることを特徴とするものである。
[0022] また、本発明にかかる半導体装置において、熱処理は、不活性ガス中で行い、そ の後に、アンモニアまたは酸素を少なくとも含む雰囲気で熱処理を施すことで、金属 化合物の金属元素が下地層に拡散した金属拡散膜が形成されることを特徴とするも のである。
[0023] また、本発明にかかる半導体装置は、アンモニアまたは酸素を少なくとも含む雰囲 気で行う熱処理を、 700°C以上 950°C以下で行うことで、金属化合物の金属元素が
下地層に拡散した金属拡散膜が形成されることを特徴とするものである。
[0024] また、本発明にかかる半導体装置において、熱処理は、アンモニアを少なくとも含 む雰囲気において 750°C以上 900°C以下で行われ、金属化合物中の金属原子量 1S 2. 3E+ 15cm— 2力ら 2. 6E+ 15cm— 2の範囲であることを特徴とするものである。
[0025] また、本発明にかかる半導体装置において、熱処理は、アンモニアを少なくとも含 む雰囲気において 700°C以上 750°C未満で行われ、金属化合物中の金属原子量 1S 1. 5E+ 15cm— 2力ら 1. 7E+ 15cm— 2の範囲であることを特徴とするものである。
[0026] また、本発明にかかる半導体装置において、熱処理は、不活性ガス中で行い、そ の後に、窒素ラジカルを含む雰囲気に暴露することで、金属化合物の金属元素が下 地層に拡散した金属拡散膜が形成されることを特徴とするものである。
[0027] また、本発明にかかる半導体装置において、熱処理は、酸素を少なくとも含む雰囲 気で行い、その後に、窒素ラジカルを含む雰囲気に暴露することで、金属化合物の 金属元素が下地層に拡散した金属拡散膜が形成されることを特徴とするものである。
[0028] また、本発明にかかる半導体装置は、酸素を少なくとも含む雰囲気での熱処理の 際に、下地層の下部を酸ィ匕してなることを特徴とするものである。
[0029] また、本発明にかかる半導体装置は、金属化合物の金属濃度 (金属原子数 Z (シリ コン原子数 +金属原子数))が 0. 3以上であることを特徴とするものである。
[0030] また、本発明にかかる半導体装置は、熱処理後における、高誘電率ゲート酸化膜 の酸ィ匕膜換算膜厚が、高誘電率ゲート酸ィ匕膜を形成する際に用いた下地層よりも薄 くなることを特徴とするものである。
[0031] また、本発明に力かる半導体装置において、金属化合物は、 Zr、 Hf、 Ta、 Al、 Ti、 Nb、 Sc、 Y、 La、 Ce、 Pr、 Nd、 Sm、 Eu、 Gd、 Tb、 Dy、 Ho、 Er、 Tm、 Yb、 Luの少 なくとも 1つの金属元素を含有することを特徴とするものである。
[0032] また、本発明にかかる半導体装置の製造方法は、ゲート電極をシリコン基板から電 気的に絶縁するゲート絶縁膜を有する半導体装置の製造方法であって、シリコン基 板上にシリコンを含有する下地層を形成する工程と、下地層上に金属拡散源として 金属化合物を堆積する工程と、下地層と、金属化合物と、に熱処理を施し、金属化 合物の金属元素を下地層に拡散させ、シリコン基板上に高誘電率のゲート絶縁膜を
形成する工程と、を行い、金属化合物中の金属原子量が、 1. 5E+ 15cm から 2. 6
E+ 15cm— 2の範囲であることを特徴とするものである。
[0033] また、本発明にかかる半導体装置の製造方法において、金属拡散源として用いる 金属化合物の膜厚 (nm)と、金属濃度 (金属原子数 Z (シリコン原子数 +金属原子 数))と、の積により決定する金属化合物中の金属量は、 0. 6以上 0. 9以下の範囲で あることを特徴とするものである。
[0034] また、本発明にかかる半導体装置の製造方法において、下地層は、シリコン酸化物
、または、シリコン酸窒化物力もなることを特徴とするものである。
[0035] また、本発明に力かる半導体装置の製造方法にぉ 、て、熱処理は、アンモニアま たは酸素を少なくとも含む雰囲気で行うことで、金属化合物の金属元素が下地層に 拡散した金属拡散膜を形成することを特徴とするものである。
[0036] また、本発明にかかる半導体装置の製造方法において、熱処理は、不活性ガス中 で行い、その後に、アンモニアまたは酸素を少なくとも含む雰囲気で行うことで、金属 化合物の金属元素が下地層に拡散した金属拡散膜を形成することを特徴とするもの である。
[0037] また、本発明に力かる半導体装置の製造方法にぉ 、て、アンモニアまたは酸素を 少なくとも含む雰囲気で行う熱処理は、 700°C以上 950°C以下で行うことを特徴とす るものである。
[0038] また、本発明に力かる半導体装置の製造方法にぉ 、て、熱処理は、アンモニアを 少なくとも含む雰囲気において、 750°C以上 900°C以下で行われ、金属化合物中の 金属原子量が、 2. 3E+ 15cm— 2から 2. 6E+ 15cm— 2の範囲であることを特徴とする ものである。
[0039] また、本発明に力かる半導体装置の製造方法にぉ 、て、熱処理は、アンモニアを 少なくとも含む雰囲気において、 700°C以上 750°C未満で行われ、金属化合物中の 金属原子量が、 1. 5E+ 15cm— 2から 1. 7E+ 15cm— 2の範囲であることを特徴とする ものである。
[0040] また、本発明に力かる半導体装置の製造方法にぉ 、て、熱処理は、不活性ガス中 で行い、その後に、窒素ラジカルを含む雰囲気に暴露することで、金属化合物の金
属元素が下地層に拡散した金属拡散膜を形成することを特徴とするものである。
[0041] また、本発明にかかる半導体装置の製造方法において、熱処理は、酸素を少なくと も含む雰囲気で行い、その後に、窒素ラジカルを含む雰囲気に暴露することで、金 属化合物の金属元素が下地層に拡散した金属拡散膜を形成することを特徴とするも のである。
[0042] また、本発明にかかる半導体装置の製造方法において、酸素を少なくとも含む雰 囲気での熱処理の際に、下地層の下部を酸ィ匕することを特徴とするものである。
[0043] また、本発明にかかる半導体装置の製造方法において、金属化合物の金属濃度( 金属原子数 Z (シリコン原子数 +金属原子数))は、 0. 3以上であることを特徴とする ものである。
[0044] また、本発明にかかる半導体装置の製造方法は、熱処理後における、高誘電率ゲ 一ト酸ィ匕膜の酸ィ匕膜換算膜厚が、高誘電率のゲート酸ィ匕膜を形成する際に用いた 下地層よりも薄くなることを特徴とするものである。
[0045] また、本発明に力かる半導体装置の製造方法にぉ 、て、金属化合物は、 Zr、 Hf、 Ta、 Al、 Ti、 Nb、 Sc、 Y、 La、 Ce、 Pr、 Nd、 Sm、 Eu、 Gd、 Tb、 Dy、 Ho、 Er、 Tm、 Yb、Luの少なくとも 1つの金属元素を含有することを特徴とするものである。
[0046] このように、本発明は、ゲート電極をシリコン基板力も電気的に絶縁するゲート絶縁 膜を有する半導体装置において、シリコン基板上に、下地シリコン酸化膜を形成し、 該形成した下地シリコン酸化膜上に、金属拡散源として、 Zr、 Hf、 Ta、 Al、 Ti、 Nb、 Sc、 Y、 La、 Ce、 Pr、 Nd、 Sm、 Eu、 Gd、 Tb、 Dy、 Ho、 Er、 Tm、 Yb、 Luの少なくと も 1つの金属元素を含有する金属酸化物、金属シリコン酸ィヒ物、あるいは、窒化物を 堆積し、界面シリケート反応を促進するための熱処理を行い、下地シリコン酸化膜中 に、金属元素を拡散させることで、シリコン基板上に、高誘電率のゲート絶縁膜が形 成されることになり、金属酸ィ匕膜 (窒化膜)中の金属原子量が、 1. 5E+ 15cm—2〜 2 . 6E+ 15cm— 2の範囲であることを特徴とするものである。つまり、電子トラップのほ とんど無い固相反応膜形成にとって、ウェハ上に生成された下地シリコン酸ィ匕膜に供 給する金属原子量が重要となる。金属拡散源として用いる金属シリコン酸ィ匕膜、また は、金属窒化膜の堆積法は、どのような堆積法を用いても良ぐ拡散源である金属含
有酸化物、あるいは、金属窒化物中に含まれる金属量を適正な値にすることが固相 反応膜を形成する上で必須となる。なお、下地シリコン酸ィ匕膜に代えてシリコン酸窒 化膜を下地層として用 、た場合も同様である。
[0047] また、本発明は、金属拡散した後に、あるいは、金属拡散している間に、金属シリコ ン酸窒化物を形成する低コストで再現性に優れた方法を採用して ヽる。金属酸化物 を窒化処理することで、誘電率が大幅に増加することになる。
[0048] このため、固相反応膜下部に用いるシリコン酸窒化膜、あるいは、シリコン酸ィ匕膜に 、厚い膜厚を適用しても、薄い電気的酸化膜厚を形成することが可能となる。また、 金属酸化物を窒化処理することで、結晶化温度を高めることも可能となるため、半導 体装置の製造工程時の温度マージンを広げることが可能となる。特に、固相反応し た膜は、窒化に加えて Siが膜中に拡散してくるため、 CVD等で成長した膜に比べて 緻密な膜となっており、窒化処理した後の非晶質性を維持する限界温度が、従来の MOCVDや ALDを使用した結晶化温度に比べて高くなる。一方、純粋な金属窒化 物は、リーク電流が大きぐ絶縁膜としての機能に乏しいことになる。したがって、金属 酸窒化物の形成が必要となる。
[0049] また、本発明における、 Hf濃度と膜厚、及び、 Hf量の関係は、単なる設計事項で はなぐ例えば、膜厚や Si濃度で膜を形成しても、固相反応させなければ、電子トラッ プの低減を実現することはできないことになる。
発明の効果
[0050] 本発明にかかる半導体装置及び半導体装置の製造方法は、ゲート電極をシリコン 基板力も電気的に絶縁するゲート絶縁膜を有する半導体装置において、シリコン基 板上にシリコンを含有する下地層を形成し、該形成した下地層上に金属拡散源とし て金属化合物を堆積し、下地層と、金属化合物と、に熱処理を施し、金属化合物の 金属元素を下地層に拡散させ、シリコン基板上に高誘電率のゲート絶縁膜を形成し 、金属化合物中の金属原子量が、 1. 5E+ 15cm 2力ら 2. 6E+ 15cm— 2の範囲であ ることを特徴とするものである。このように、成膜条件を最適化することで、シリコン基 板の界面に良質のゲート絶縁膜の形成を可能とし、界面電気特性の改善を図ること が可能となる。
発明を実施するための最良の形態
[0051] まず、図 1を参照しながら、本実施形態における半導体装置について説明する。本 実施形態における半導体装置は、シリコン基板(101)表面にシリコンを含む下地層( 酸化膜、または、酸窒化膜)(102)を形成する工程 (図 1 (a) )と、下地層(102)表面 上に金属供給源または金属拡散源として金属化合物力 なる金属化合物層(103) を堆積する工程(図 1 (b) )と、下地層(102)と、金属化合物層(103)と、に熱処理を 施すことで、金属化合物層(103)に含まれる金属化合物の金属元素を下地層(102 )に拡散させ、シリコン基板(101)上に高誘電率のゲート絶縁膜(106)を形成するェ 程(図 1 (c) )と、を行うことになる。これにより、シリコン基板(101)の界面に良質のゲ ート絶縁膜(106)の形成を可能とし、界面電気特性の改善を図ることが可能となる( 図 l (d) )。なお、ゲート絶縁膜(106)は、 Hfリッチ領域(104)と、 Siリッチ領域(105) と、で構成されること〖こなる。
[0052] なお、本実施形態における半導体装置は、シリケートからなる高誘電率のゲート絶 縁膜をシリコン基板(101)上に直接堆積するのではなぐ図 1 (c)に示唆するように、 下地層(102)と金属化合物層(103)との界面反応によって形成した高品質なシリケ 一ト膜をゲート絶縁膜(106)として用いることになる。このゲート絶縁膜(106)は、高 誘電率であり、極めて薄い絶縁膜にすることが可能となる。なお、本実施形態におけ る半導体装置は、金属化合物層(103)の金属化合物中の金属原子量が、 1. 5E + 15cm— 2力ら 2. 6E+ 15cm— 2の範囲で、金属拡散源としての金属化合物の膜厚(nm )と、金属濃度 (金属原子数 Z (シリコン原子数 +金属原子数))と、の積により決定す る金属化合物中の金属量が、 0. 6以上 0. 9以下の範囲であることを特徴とするもの である。以下、添付図面を参照しながら、膜厚 (nm)と濃度の異なる金属化合物を、 金属拡散源として適用し、電子トラップの低減とリーク電流低減効果とを最大限に引 き出すことが可能な固相反応膜の形成方法について説明する。
[0053] (第 1の実施形態)
まず、第 1の実施形態における半導体装置について説明する。
第 1の実施形態では、特に、金属拡散源として HfO
2、 HfSiOを用いた場合につい て説明する。
[0054] なお、図 1は、本実施形態における高品質の HfSiOゲート絶縁膜の作製工程を示 唆するものである。
[0055] 図 1に示唆するように、まず、シリコン基板(101)を硫酸過水、及び、アンモニア過 水によって洗浄した後、熱酸化を施すことにより下地酸化膜層 (102)となるシリコン酸 化膜をここでは 1. 8nm形成することになる(図 l (a) )。そして、下地酸化膜層(102) 表面に Hf濃度の異なるハフニウムシリケ一ト(103) (HfSiO膜、もしくは、 HfO膜)を
2 堆積する(図 l (b) )。
[0056] なお、 Si濃度の異なる HfSiO膜(103)の堆積には、 MOCVD (Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、 ALCVD (Atomic Layer Chemical Vap or Deposition)法もしくは PVD (Physical Vapor Deposition)法を用いるのが 好ましい。
[0057] MOCVD法を用いた場合の第 1の堆積方法としては、 Hf原料ガスとして HTB (Ter tiary Butoxy Hafnium)、 Si原料として、シラン、もしくは、ジシランを用いて、 Hf SiO層(103)を堆積する。そして、酸素、もしくは、オゾン雰囲気でァニールすること になる。
[0058] MOCVD法を用いた場合の第 2の堆積方法としては、 Hf原料ガスとして TDEAH
、 Si原料として TDMASを用いて、 HfSiO膜(103)を堆積することになる。
[0059] ALCVD法を用いた場合の堆積方法としては、 Hf原料ガスとして TEMAHを用い て、 Hf原料と、 Si原料と、を堆積した後に、 HF原料と、 Si原料と、を酸化する工程を 繰り返すことで、 HfSiO膜(103)を形成することになる。
[0060] PVD法を用いた場合の堆積方法としては、 Hf原子をスパッタリングして堆積し、 70
0°Cの酸素雰囲気で、 Hf層を酸ィ匕して HfO膜(103)を形成することになる。
2
[0061] Hf SiO膜( 103)、もしくは、 HfO膜( 103)の堆積後、熱処理を施すことで(図 1 (c)
2
)、下地酸ィ匕膜層(102)と、 HfSiO膜(103)、もしくは、 HfO膜(103)と、の界面反
2
応 (金属拡散反応)を促進させ、ゲート絶縁膜 (106)を作製することになる(図 1 (d) ) 。なお、ゲート絶縁膜 (106)を作製する下地層(102)と、金属化合物層(103)と、の 界面においては、界面シリケート反応が進行してシリケート領域となり、 Hfリッチ領域 (104)と、 Siリッチ領域(105)と、に区分されることになる。
[0062] 次に、金属拡散源として 1. 5nmの HfSiO膜(103)を堆積した場合に、電子トラッ プの低減とリーク電流低減効果とを最大限に引き出すことが可能となる Hf量を決定 する際の実験結果について説明する。
[0063] なお、本実形態における金属拡散反応のための熱処理は、アンモニア雰囲気にお いて 800°C、 10分の条件を用い、金属拡散源中の金属元素が十分拡散できるように した。
[0064] なお、図 2から図 4は、下地酸ィ匕膜層(102)上に堆積する HfSiO膜(103)の膜厚 を 1. 5nmに固定し、供給 Hf量を変化させて作製した固相反応 HfSiON膜(103)の MISFETの特性評価結果を示唆するものである。
[0065] 図 2は、電気的酸ィ匕膜換算膜厚が同等な SiON膜に対するゲート絶縁膜 (106)の 反転側リーク電流低減効果の Hf量依存性を示唆するものである。
[0066] 図 2に示唆するように、 Hf量の低下とともに固相反応後の HfSiO膜(103)の誘電 率が減少し、ゲートリーク低減効果が低下していくことになる。なお、図 2に示唆する ように、 Hf量が 2. 3E+ 15cm 2未満でゲートリーク低減効果が急激に減るため、下 地酸ィ匕膜層(102)上に堆積する HfSiO膜(103)の Hf量は、少なくとも 2. 3E+ 15c m 2以上にする必要があることがわかる。
[0067] 図 3は、種々の Hf量におけるヒステリシス測定結果を示唆したものである。ヒステリシ スは、電圧印加時にゲート絶縁膜(106)中の電子トラップに電荷が捕獲される現象 に対応することになる。なお、図 3は、電圧スイープ幅を 1. 8Vまで変化させた場合の 測定結果を示唆している。図 3では、 Hf量が低くなるに従って、ヒステリシスが減少す ることがわ力る。これは、金属拡散源となる HfSiO膜(103)中に残された未反応の余 剰 Hf原子が減少するためである。特に、 Hf量: 2. 6E+ 15cm 2以下においてヒステ リシスが数 mV以下と非常に低ぐヒステリシス抑制のためには Hf量を 2. 6E+ 15cm — 2以下にする必要があることがわかる。
[0068] 図 4は、トランジスタのオン電流 (Ion)を反転容量で規格化し、参照用の SiONゲー ト絶縁膜を有したトランジスタの特性と比較したものである。 Hf量が 2. 3E+ 15cm"2 〜2. 6E+ 15cm— 2にオン電流のピークがあり、 2. 6E+ 15cm— 2以上の Hf量ではォ ン電流が急激に劣化することがわかる。
[0069] つまり、図 3に示唆するヒステリシスの傾向と完全に一致しており、金属拡散源中の 余剰 Hf原子を減らして電子トラップを低減することで移動度が向上していることがわ かる。
[0070] 即ち、図 4に示唆するように、 Hf量が 2. 3E+ 15cm— 2〜2. 6E+ 15cm— 2の範囲の ときに、 SiONの 90%程度の特性を維持することが可能となる。
[0071] この図 2〜図 4の測定結果を総合すると、 Hf拡散源となる HfSiON膜中の Hf量を、 2. 3E+ 15cm— 2力ら 2. 6E+ 15cm 2の範囲にすることで電子トラップの低減とリーク 電流低減効果とを最大限に引き出した固相反応膜を形成することが可能となることが ゎカゝる。
[0072] また、 Hf量を、 2. 3E+ 15cm 2力ら 2. 6E+ 15cm 2の範囲とした場合は、 NMOS BT不安定性(Bias Temperature Instability)の実験から得られる予測値(動作 温度 85°C、動作電圧 1. IVの条件における 10年後の VTシフト量)は、 20mV以下 であった。この値は、本実施形態において作製したゲート絶縁膜(106)が非常に優 れたな信頼性を有することを示唆している。これは、本実施形態において作製したゲ ート絶縁膜(106)中の電子トラップが少ないことに起因するためである。
[0073] さらに、本実施形態において、 1. 8nmの下地酸化膜層 (102)に対して、 Hf量原 子量 2. 4E+ 15Cm 2のHfSiOをl. 5nm堆積した場合、固相反応後の酸化膜換算 膜厚が 1. 7nmとなり、下地酸ィ匕膜層(102)の酸ィ匕膜換算膜厚よりも薄膜ィ匕すること が可能となる。これは、固相反応と窒化により下地酸化膜層(102)も高誘電率化した ためである。
[0074] 次に、図 5を参照しながら、固相反応処理の温度を下げた場合における、供給可能 な Hf量の変化について説明する。なお、固相拡散のための熱処理は、すべてアンモ ユア雰囲気で 10分間行った。図 5は、ヒステリシスの固相拡散温度、及び、 Hf量依存 性を示唆する。
[0075] 図 5に示唆するように、金属拡散源の Hf量が、 2. 3E+ 15cm— 2〜2. 6E+ 15cm"2 の場合、固相拡散処理温度が 750°C未満になると、ヒステリシスが急激に増大し、特 性が劣化することになる。このため、図 5に示唆するように、固相拡散処理温度が 750 °C未満の場合には、 Hf量を 1. 5E+ 15cm— 2〜1. 7E+ 15cm— 2に減らすことで、ヒス
テリシスの劣化を抑制することが可能となる。
[0076] なお、熱処理温度を下げることで、供給可能な金属量が減少するのは、固相反応 可能な Hf量の低下により、余剰 Hfによる電子トラップの増大が起こるためと、窒化の 強度が低下することで、結晶化温度の低下を抑制しきれないためである。なお、 700 °C未満では Hfの固相反応が起きず、特性劣化の改善は見られな力つた。
[0077] 上記と同様な実験を、 HfSiO膜(103)の成膜法、膜厚、及び、濃度を変化させ、固 相反応に最適な Hf拡散源が成膜法に関係なく Hf量によって決定される図 6に示唆 する結果を導いた。なお、図 6に示唆する、 Hf量: 1. 5E+ 15cm 2〜2. 6E+ 15cm" 2の範囲は、金属シリコン酸化物膜厚 (nm)と、金属濃度 (金属原子数 Z (金属原子数 +シリコン原子数))と、の積により決定する金属化合物中の金属量が 0. 6から 0. 9 になるような金属拡散源の膜厚と、金属濃度と、の組み合わせに対応することになる
[0078] 図 6に示唆するように、金属化合物中の金属原子量が 1. 5E+ 15cm— 2〜2. 6E + 15cm 2の範囲で、金属拡散源としての金属化合物の膜厚 (nm)と、金属濃度 (金属 原子数 Z (シリコン原子数 +金属原子数))と、の積により決定する金属化合物中の 金属量が、 0. 6以上 0. 9以下の範囲の Hf量であれば、異なる膜厚と、組成と、の Hf SiO膜をいかなる方法で堆積しても、固相拡散後には同一の膜質となることがわかる 。つまり、 MOCVD法を用いて、 Hf濃度 0. 6の HfSiO膜を 1. 5nm堆積後、 850°C の少なくともアンモニアを含む雰囲気で固相反応させた場合でも、 PVD法を用いて、 HfO膜 (Hf濃度: 1. 0)を 0. 9nm堆積後、 850°Cのアンモニア雰囲気で固相反応さ
2
せた場合でも、同様の性能の固相反応膜を形成することが可能となる。
[0079] しかし、金属拡散層の金属濃度が 0. 3以下では、最適な金属量を得るための膜厚 力^ nm以上となり、固相拡散をする上で非常に厚くなる。そのため、金属拡散層上部 が固相拡散しにくぐ完全に固相拡散させるためには長時間の熱処理を必要とし、生 産効率上望ましくない。
[0080] なお、上記実施形態では、金属拡散源の固相反応のための熱処理に、アンモニア を含む雰囲気で行ったが、アンモニアの替わりに窒素や Ar、 He等の不活性ガス中 で拡散反応を行い、その後に、少なくともアンモニアを含む雰囲気で熱処理を行うか
、または、窒素ラジカルへの曝露を行って窒素を導入することでも同様の結果が得ら れることになる。つまり、初めの熱処理による固相反応で電子トラップが低減し、次の 窒化処理で、膜中に窒素が導入されることで耐熱性が向上することになる。特に、窒 素ラジカルを用いた場合の最終的な膜中窒素濃度プロファイルは、表面で高ぐ基 板界面にいくに従って低くなる。この場合、基板界面の窒素濃度を低減することがで きるため、 PMOSの BT信頼性 (動作温度 85°C、動作電圧 1. IVの条件における 10年後 VTシフト量)を、アンモニア処理を行った場合に比べて 5mV以上改善するこ とが可能となる。
[0081] なお、上記実施形態では下地層(102)にシリコン酸化膜を用いたが、下地層(102 )にシリコン酸窒化膜を用いても同様の電子トラップ低減効果を得ることになり、下地 層(102)が窒化によって高誘電率ィ匕しているためより薄膜ィ匕することが可能となる。
[0082] (第 2の実施形態)
次に、第 2の実施形態について説明する。
[0083] 第 2の実施形態では、金属拡散源として Hf窒化物 (HfN)もしくは Hfシリコン窒化 物 (HfSiN)を用いることとする。シリコン基板(101)を硫酸過水、及び、アンモニア 過水で洗浄後、熱酸化を施して下地酸化膜層(102)となるシリコン酸化膜 1. 8nmを 形成した(図 l (a) )。なお、下地酸ィ匕膜層(102)の形成にはどのような装置を用いて も良いが、本実施形態では、枚葉式のランプア-一ラー装置を用い、 50%の窒素希 釈酸素雰囲気中で 900°Cの熱処理を行うことで下地酸化膜層 (102)を形成する。
[0084] 次に、下地酸化膜層(102)表面に HfN層(103)もしくは HfSiN層(103)を 0. 5n m〜2. Onm堆積する(図 l (b) )。
[0085] なお、 PVD法を用いた場合の HfN層(103)の形成は、金属 Hfターゲットと、スパッ タガス (反応ガス)としてアルゴンと窒素との混合ガスを用いて成膜する。また、 HfSi N層(103)の形成は、金属 Hfターゲットと Siターゲットとを交互に用い、反応ガスとし てアルゴンと窒素の混合ガスを用いて成膜することになる。
[0086] また、 ALD法を用いた場合は、 Hf原料ガスとして TEMAHを用い、 Hf原料と Si原 料とを堆積後、アンモニア雰囲気で窒化する工程を繰り返すことで HfSiN膜層 (103 )を形成し、 Si原料の堆積工程を無くすことで、 HfN膜層(103)を形成する。なお、
本実施形態では主に PVD法を用いることとする。
[0087] 金属拡散層の堆積後、窒素や Ar、 Heなどの希ガス等の不活性ガス雰囲気で 800 °Cの熱処理を 10分間行い、下地シリコン酸ィ匕膜層 (102)に Hf金属を拡散した (図 1 (c) ) 0なお、熱処理では、下地酸ィ匕膜層(102)に堆積した HfN膜(103)、もしくは、 HfSiN膜(103)中の窒素の大部分が膜外に放出され、最終的な HfSiON膜中の窒 素濃度は、 5%まで減少することになる。 HfN膜(103)そのものは非常にリーク電流 の大きい膜であるが、逆に、膜中窒素濃度が非常に少ない場合、耐熱性劣化の原因 となるため、膜中窒素量を補充する目的で Hf拡散後に、窒素ラジカルに曝したり、ァ ンモニァ雰囲気で 800°Cの熱処理を施したりすることで、最終的な窒素濃度を 10% 〜20%にすることになる。
[0088] このように、金属原子を拡散する工程と、窒化する工程と、を分ける方法は、金属原 子を十分に拡散するための熱処理条件と所望の窒素濃度、及び、窒素プロファイル を実現するための窒化条件をそれぞれ独立に制御できる利点がある。
[0089] 一方、金属原子の拡散を、アンモニアを少なくとも含む雰囲気で行うことで、上述し たような独立した制御はできないものの、金属原子の拡散と、窒素原子の補充と、を 同時に行うことが可能となり、処理時間を短縮することが可能となる。なお、本実施形 態では、主に、枚葉式ランプアニール装置を用いてアンモニアを含む雰囲気で 850 °C、 2分間の熱処理を行い、金属原子の拡散と窒素原子との補充を同時に行った。 縦型炉を用いてアンモニアを含む雰囲気で 800°C、 30分の処理を行っても同様の 結果が得られた。このとき最終的な窒素濃度は、 15%〜20%となる。
[0090] なお、図 7から図 9は、金属拡散源として用いる 1. 5nmの Hf窒化物、および、 Hfシ リコン窒化物中の Hf量を変化させた場合におけるゲートリーク電流低減効果(図 7)、 ヒステリシス(図 8)、トランジスタオン電流(図 9)を評価した測定結果を示唆する。
[0091] なお、図 7は、電気的酸ィ匕膜換算膜厚が同等な SiON膜に対するゲート絶縁膜の 反転側リーク電流低減効果について Hf量依存性を示唆したものである。
[0092] 図 7に示唆するように、 Hf量の低下とともに固相反応後の HfSiO膜の誘電率が減 少し、ゲートリーク低減効果が低下して 、くことがわかる。
[0093] 図 7に示唆するように、 Hf量が 2. 3E+ 15cm 2未満でゲートリーク低減効果が急激
に減るため、堆積する HfSiO膜の Hf量は少なくとも 2. 3E+ 15cm 以上にする必要 がある。
[0094] また、図 8は、種々の Hf量におけるヒステリシス測定結果を示唆したものである。ヒス テリシスは、電圧印加時にゲート絶縁膜中の電子トラップに電荷が捕獲される現象に 対応すること〖こなる。図 8は、電圧スイープ幅を 1. 8Vまで変化させた場合の測定結 果を示唆している。図 8に示唆するように、 Hf量が低くなるに従って、ヒステリシスが減 少することがわかる。これは、金属拡散源となる HfSiO膜中に残された未反応の余剰 Hf原子が減少するためである。特に、 Hf量: 2. 3E+ 15cm 2以下においてヒステリ シスが数 mV以下と非常に小さぐヒステリシス抑制のためには金属拡散源の Hf量を 2. 3E+ 15cm— 2以下にする必要があること示している。
[0095] また、図 9は、トランジスタのオン電流 (Ion)を反転容量で規格化し、参照用の SiO Nゲート絶縁膜を有したトランジスタの特性と比較したものである。図 9に示唆するよう に、 Hf量が 2. 3E+ 15cm— 2〜2. 6E+ 15cm— 2付近にオン電流のピークがあり、 2. 6 E+ 15cm— 2以上の Hf量ではオン電流が急激に劣化することがわかる。つまり、図 8 に示唆するヒステリシスの傾向と完全に一致しており、金属拡散源中の余剰 Hf原子 を減らして電子トラップを低減することで移動度が向上することがわかる。また、図 9に 示唆するように、 Hf量が 2. 3E+ 15cm— 2〜2. 6E+ 15cm— 2の範囲のときに、 SiON の 90%程度の特性を実現することが可能となる。
[0096] 図 7〜図 9に示唆する測定結果を総合すると、 Hf拡散源となる HfSiON膜中の Hf 量を 2. 3E+ 15cm— 2〜2. 6E+ 15cm— 2とすることで電子トラップの低減とリーク電流 低減効果とを最大限に引き出した固相反応膜を形成することが可能なことが判明し、 第 1の実施形態と同様の結果を得ることになる。
[0097] なお、 Hf量が 2. 3E+ 15cm 2の HfSiN膜を金属拡散層として堆積し、 TZDB (初 期破壊)測定の固相拡散温度依存性を評価した。その結果、 750°C以上では 1個 Z cm2の欠陥密度であった力 750°C未満で激増し、 700°Cでは 5000個/ cm2となつ た。また、 750°C未満でヒステリシスも急激に増加し、 10mV以上となった。熱処理温 度を下げること〖こよる電子トラップの増加は、第 1の実施形態と同様に、固相反応が 起こる量が低下するためである。また、 TZDBの劣化は窒化の強度が低下し、結晶
化温度の低下を抑制しきれな 、ためである。上記低温固相拡散でのヒステリシスと欠 陥密度とは Hf量の低減により改善することは可能であり、 Hf量を 1. 5E+ 15cm 2〜 1. 7E+ 15cm— 2にすることでヒステリシスを 5mv以下、欠陥密度を 1個/ cm2まで改 善することが可能となる。つまり、固相反応のための処理温度を 700°C以上 750°C未 満とした場合、 Hf拡散反応に最適な Hf量は、 750°C以上の場合に比べて低く 1. 5E + 15cm— 2〜1. 7E+ 15cm— 2であった。 700°C以下においては、固相拡散は発生し なかった。
[0098] また、本実施形態と同様の実験を、 HfSiN膜の成膜法、膜厚、及び、濃度を変化さ せて行い、固相反応に最適な Hf拡散源が成膜法に関係なく Hf量によって決まり、 H f拡散源中の Hf原子量を 1. 5E+ 15cm— 2〜2. 6E+ 15cm— 2にしなければならないと いう結論に至った。
[0099] なお、本実施形態では下地層にシリコン酸ィ匕膜を用いたが、シリコン酸ィ匕膜に換え てシリコン酸窒化膜を用いても、同様の電子トラップ低減効果が得られることになる。 この場合は、下地層が窒化によって高誘電率ィ匕しているためより薄膜ィ匕することにな る。
[0100] (第 3の実施形態)
次に、第 3の実施形態について説明する。
[0101] 第 3の実施形態は、金属拡散層(203)から下地層(202)に金属を固相拡散する際
、もしくは、固相拡散後において、少なくとも酸素を含む雰囲気で熱処理を行うことを 特徴とするものである。
[0102] 図 10は、金属拡散層(203)から下地層(202)に金属を固相拡散する際に、少なく とも酸素を含む雰囲気で熱処理を行った場合の高品質の HfSiOゲート絶縁膜 (206 )を作製する工程を示して 、る。
[0103] 図 10に示唆するように、まず、シリコン基板(201)を洗浄後、下地層(202)となるシ リコン酸化膜を 1. 5nm形成する(図 10 (a) )。そして、この下地シリコン酸ィ匕膜 (202) 表面に金属拡散源となる HfSiO膜、 HfO膜、 HfN膜、もしくは、 HfSiN膜の金属拡
2
散層(203)を堆積する(図 10 (b) )。本実施形態では、それぞれ、 MOCVD法と PV D法とを用いて、膜中 Hf量が、 2. 5E+ 15cm 2の HfSiO膜、または、 HfSiN膜 1. 5
nmを堆積する。
[0104] その後、枚様式のランプア-一ラーを用いて窒素希釈した酸素雰囲気 (0. 5%0 )
2 中 800°C、 10分間の熱処理を行い(図 10 (c) )、金属拡散源中の Hf原子を、完全に 下地シリコン酸ィ匕膜 (202)中に固相拡散する。拡散雰囲気中に酸素が含まれる場合 、図 10 (d)に示唆するように、金属原子の下地シリコン酸ィ匕膜 (202)への拡散による 膜中電子トラップの低減に加えて、酸素原子もしくは酸素分子の拡散によりシリコン 基板 (201)と下地シリコン酸ィ匕膜層(202)の界面が新たに酸化され、界面酸化膜層 (207)が形成されることになり、界面準位が改善することになる。このため、移動度が 界面酸ィ匕をしない場合に比べて約 8%向上することになる。ただし、 1オングストロー ム以上の酸化膜増加に起因した反転層容量の低下により、移動度の向上分は相殺 され、トランジスタオン電流の改善は、 4%程度であった。よって、少なくとも 1オングス トローム以上は下地シリコン酸ィ匕膜 (202)を薄くしておき、最終的な酸ィ匕膜換算膜厚 が所望の膜厚になるように調整する必要がある。なお、ゲート絶縁膜 (206)を作製す る下地層(202)と、金属化合物層(203)と、の界面にお 1、ては、界面シリケート反応 が進行してシリケート領域となり、 Hfリッチ領域(204)と、 Siリッチ領域(205)と、に区 分されること〖こなる。
[0105] なお、上記実施形態において、金属原子の固相拡散を窒素や Ar、 Heなどの不活 性ガスで行い、その後、酸素を少なくとも含む雰囲気で熱処理を行うことでも界面に 新たな酸ィ匕膜が形成され同様の効果が得られることになる。ただし、 HfSiO膜、 HfO 膜を金属拡散源として使用した場合、膜中に窒素が含まれないため、金属原子の拡
2
散による耐熱性の劣化を抑制できないことになる。従って、酸素雰囲気での固相反 応後、窒素ラジカル等を用いて膜中に窒素を導入することが望ま 、。
[0106] なお、上記第 1から第 3の実施形態では、金属拡散源として HfSiO、 HfO、 HfN、
2
HfSiNを用いて説明した力 金属拡散源が Zr、 Hf、 Ta、 Al、 Ti、 Nb、 Sc、 Y、 La、 Ce、 Pr、 Nd、 Sm、 Eu、 Gd、 Tb、 Dy、 Ho、 Er、 Tm、 Yb、 Luの少なくとも 1つの元 素を含有することを特徴とする金属酸化物、金属窒化物、またはそれらの、シリケート 材料を用いた場合も同様の結果が得られることになる。
[0107] このように、本実施形態における半導体装置は、ゲート電極をシリコン基板から電気
的に絶縁するゲート絶縁膜を有する半導体装置において、シリコン基板上に下地シ リコン酸化膜を形成し、該形成した下地シリコン酸化膜上に金属拡散源として金属酸 化物、金属窒化物あるいはそれらのシリケート材料を堆積し、熱処理を施すことで、 界面シリケート反応を促進させ、下地シリコン酸ィ匕膜中に金属元素を拡散させること でシリコン基板上に高誘電率のゲート絶縁膜を形成することになる。そして、本実施 形態において示された Hf量を含有する膜厚と、組成比と、の金属拡散源を用いるこ とで、どのような金属拡散源の形成方法を用いても最大のゲートリーク低減効果とトラ ンジスタオン電流とを実現することが可能となる。また、下地酸化膜厚を高誘電率の ゲート絶縁膜の酸ィ匕膜換算膜厚よりも厚めに設定することが可能となるため、薄膜ィ匕 しゃす 、特徴をもつことが可能となる。
[0108] なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみ に本発明の範囲を限定するものではなぐ本発明の要旨を逸脱しない範囲において 種々の変更を施した形態での実施が可能である。
産業上の利用可能性
[0109] 本発明にかかる半導体装置及び半導体装置の製造方法は、高誘電率薄膜を有す る半導体装置及びその半導体装置の製造方法に適用可能である。
図面の簡単な説明
[0110] [図 1]本実施形態における Hfシリケート高誘電率膜の作製工程を示唆する図である。
[図 2]金属拡散源 (HfSiO)の膜厚が 1. 5nmにおける、 SiON膜と比較したゲートリ ーク低減効果の Hf量依存性を示唆する図である。
[図 3]金属拡散源 (HfSiO)の膜厚が 1. 5nmにおける、ヒステリシスの Hf量依存性を 示唆する図である。
[図 4]金属拡散源 (HfSiO)の膜厚が 1. 5nmにおける、反転容量で規格化し、 SiON 膜と比較したトランジスタオン電流の Hf量依存性を示唆する図である。
[図 5]ヒステリシスの処理温度依存性を示唆する図である。
[図 6]金属拡散源として用いた場合に、固相反応に最適な HfSiO膜の膜厚と組成比 を示唆する図である。
[図 7]金属拡散源 (HfSiN)の膜厚が 1. 5nmにおける、 SiON膜と比較したゲートリ
ーク低減効果の Hf量依存性を示唆する図である。
[図 8]金属拡散源 (HfSiN)の膜厚が 1. 5nmにおける、ヒステリシスの Hf量依存性を 示唆する図である。
[図 9]金属拡散源 (HfSiN)の膜厚が 1. 5nmにおける、反転容量で規格化し、 SiON 膜と比較したトランジスタオン電流の Hf量依存性を示唆する図である。
圆 10]第 3の実施形態における Hfシリケート高誘電率膜の作製工程を示唆する図で ある。
符号の説明
101、 201 シリコン基板
102、 202 下地層(下地シリコン酸ィ匕膜層、または、下地シリコン酸窒化膜層)
103、 203 ノヽフユウムシリケート(Hf SiO)層(または、 HfO、 HfN)
2
104、 204 HfUツチ領域
105、 205 Siリッチ領域
106、 206 ゲート絶縁膜
207 界面酸化膜層