明 細 書
含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法 ぐ技術分野 >
本発明は、 イオン交換樹脂原料等として有用な含フッ素スルホニルフルオリド 化合物の製造方法に関する。
ぐ背景技術 >
フルォロホルミル基を有する含フッ素スルホニルフルオリド化合物 (たとえば
、 下記化合物 (i)) は、 イオン交換樹脂の原料として有用な化合物である。従来 フルォロホルミル基を有する化合物は、 テトラフルォロエチレンと三酸化ィォゥ
(SO
s)との反応により得られる環状化合物に、ペルフルォロアルキレンォキシ ドを反応させる方法により合成されている。 たとえば、 下式に示されるように、 上記環状化合物に、 へキサフルォロプロピレンォキシドを反応させることにより 、 下記化合物 (i) を得ることができる (檜山爲次郎 (T. H i y ama) ら著 , オルガノフルォリン 'コンパウンズ:ケミストリー ·アンド ·アプリケーショ ンズ (O r g a n o f l uo r i ne Comp ound s : Chemi s t r y and App l i c a t i on s),スプリンゲルーベルラグ (S p r i n g e r— Ve r 1 a g) 社, ベルリン (B e r 1 i n), 2000年, ρ p. 2 28 - 230参照)。 m m "、 F
2C=CF
2 (り
しかし、従来の合成法は、 so
3の取扱いに注意を要することから工業的に実施 するには不利な方法であった。 また合成の困難性も高いため、 低価格化が達成で きなかった。 さらに、 得られる化合物 (i) が側鎖 (一 CF
3) を有する化合物に 限定されるため、 化合物 (i) の誘導体から合成されるイオン交換膜の性能や膜
特性上の問題もあった。
上記問題を解決する方法として、 水酸基を有する炭化水素系スルホン酸誘導体 を出発原料として、 含フッ素カルボン酸とのエステルとし、 これを直接フッ素化 、 熱分解することにより、 フルォロホルミル基を有する含フッ素スルホニルフル オリド化合物を得る下記方法が提案されている (国際公開第 WO 0 2 / 4 4 1 3 8号パンフレツ 1、参照)。
しかし、 該方法においても出発物質がイセチオン酸等のスルホン酸化合物に限 定されるため、 得られる化合物の骨格に制約があった。
ぐ発明の開示 >
本発明は、 従来技術の問題点を解決する目的でなされたものであり、 容易に入 手可能な原料を使用して、 従来技術では効率的に得ることが困難であった構造を 有するスルホニルフルオリド化合物を製造できる方法を提供する。
本発明者らは、 ジスルフイド化合物をスルホニルハライド化合物に変換し、 こ れを液相中でフッ素と反応させた後に、 反応物を分解する方法を発明することに より、 目的とする含フッ素スルホニルフルオリド化合物を製造できることを見い 出し、 本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明の要旨は、 下記ぐ 1 >〜< 8〉のとおりである。
< 1 >下式 ( 1 ) で表される化合物を酸化して下式 ( 2 ) で表される化合物と し、 該式 (2 ) で表される化合物の Xがフッ素原子である場合にはそのまま、 ま たは Xがフッ素原子以外のハロゲン原子である場合には Xをフッ素原子に置換し 、 つぎに該 Xがフッ素原子である該式 ( 2 ) で表される化合物を液相中でフッ素 と反応させて下式 (3 ) で表される化合物とし、 さらに、 該式 (3 ) で表される
化合物を分解して下式 (4) で表される化合物を得ることを特徴とする含フッ素 スルホニルフルオリド化合物の製造方法。
RB-E-RA-S-S-RA-E-RB - - · (1)
XS02 -RA-E-RB . . . (2)
FS02-RAF-EF-RBF · · · (3)
FS〇2 - RAF— C〇F · · · (4)
(式中、 RAは、 2価有機基を示す。 RBは、 1価有機基を示す。 Eは、 — COO CH2—を表わし、 Eのケト基を形成する炭素原子は RAに結合するかまたは RB に結合する。 Xは、 ハロゲン原子を示す。 RAFは、 RAと同一の 2価有機基または RAがフッ素化された 2価有機基を示す。 RBFは、 RBと同一の 1価有機基または RBがフッ素化された 1価有機基を示す。 EFは、 一 CO〇CF2—を表す。)
<2>式 (2) で表される化合物のフッ素含量が 30質量%以上である <1> に記載の製造方法。
ぐ 3〉式 (2) で表される化合物の分子量が 200〜1300である <1>ま たはぐ 2 >のいずれかに記載の製造方法。
<4>RAFが、 ペルフルォロ 2価飽和炭化水素基、 ペルフルォロ (部分ハロゲ ノ 2価飽和炭化水素) 基、 ペルフルォロ (ヘテロ原子含有 2価飽和炭化水素) 基 、 およびペルフルォロ (部分ハロゲノ (ヘテロ原子含有 2価飽和炭化水素))基か らなる群より選ばれる 2価有機基であり、 RBFが、 ペルフルォロ 1価飽和炭化水 素基、 ペルフルォロ (部分ハロゲノ 1価飽和炭化水素) 基、 ペルフルォロ (へテ 口原子含有 1価飽和炭化水素) 基、 およびペルフルォロ (部分ハロゲノ (ヘテロ 原子含有 1価飽和炭化水素))基からなる群より選ばれる 1価有機基であるぐ 1 > 〜く 3 >のいずれかに記載の製造方法。
<5>式 (1) で表される化合物が、 下式 (5) で表される化合物と下式 (6 ) で表される化合物を反応させて得た化合物であるぐ 1>〜<4>のいずれかに 記載の製造方法。
E1— RA - S— S - RA— E1 · · · (5)
RB-E2 · · · (6)
(式中、 RAおよび RBは前記と同じ意味を示し、 E1と E2は一方が一 COYであ
り、 他方が一 CH2 OHを示し、 Yはハロゲン原子または水酸基を示す。 ) く 6〉式 (3) で表される化合物を分解して式 (4) で表される化合物を得る とともに、 下式 (7) で表される化合物を得るぐ 1 >〜< 5 >のいずれかに記載 の製造方法。
RBF -COF · · · (7)
(式中、 RBFは前記と同じ意味を示す。)
<7>該式 (6) で表される化合物として、 式 (3) で表される化合物を分解 して得られる式 (7) で表される化合物、 または式 (7) で表される化合物を還 元して得られる下式 (8) で表される化合物を用いる < 5 >に記載の製造方法。
RBF -COF · · · (7)
RBF -CH2OH · · · (8)
(式中、 RBFは前記と同じ意味を示す。)
<8><1>〜<7>のぃずれかに記載の製造方法で得た式 (4) で表される 化合物にへキサフルォロプロピレンォキシドを付加して下式 (9) で表される化 合物を得て、 該化合物 (9) を熱分解反応させて下式 (10) で表される化合物 を得ることを特徴とする含フッ素スルホ二ルビニルエーテル化合物の製造方法。
FS〇2— RAF— COF · · · (4)
FS02-RAF-CF2OCF (CF3) COF · · - (9)
FS02-RAF-CF2OCF = CF2 · ' · (10)。
ぐ発明を実施するための最良の形態 >
以下、 本発明の含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法について説明 する。 本明細書においては、 式 (1) で表される化合物を、 「化合物 1」と略記し
、 他の式で表される化合物においても同様に略記する。
まず、 本明細書で使用する用語について以下に説明する。 なお、 下記の説明は 化合物が異なる場合であっても一貫して適用される。
本明細書において、 「有機基」 とは炭素原子を 1以上含む基をいう。 「ハロゲノ 基」とは、炭素原子に結合した水素原子の 1個以上がハロゲン原子で置換された基
004/005874
をいう。 「ベルハロゲノ基」とは、 炭素原子に結合した水素原子の実質的に全てが ハロゲン原子で置換された基をいい、 「部分ハロゲノ基」とは、 炭素原子に結合し た水素原子の一部がハロゲン原子で置換された基をいう。 この場合において、 た とえば八口ゲン原子がフッ素原子である場合は、 「フルォ口」、 「ペルフルォ口」、 Γ 部分フルォロ」等のように記載する。 「ペルフルォロ基」 としては、 炭素原子に結 合した水素原子の全部がフッ素原子に置換された基が好ましいが、 非置換の水素 原子が残っている場合であっても、 基としての性質が 「ペルフルォロ基」 と実質 的に同等である場合には、本発明においては、 「ペルフルォロ基」の概念に含める 本発明において、 「フッ素化」とは、化合物中にフッ素原子を導入することをい い、 フッ素化は、 通常、 炭素原子に結合した水素原子をフッ素原子に置換するこ とにより行われる。 ヘテロ原子含有基としては、 特にエーテル性酸素原子 (一〇 -) を含有する基が好ましい。
本発明の含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法は、 化合物 1を酸化 し化合物 2とし (以下、 「酸化工程」 ともいう。)、 次に、 化合物 2を液相中でフッ 素と反応させて化合物 3とし (以下、 「フッ素化工程」 ともいう。)、 さらに、化合 物 3を分解して下記化合物 4を得る (以下、 「分解工程」 ともいう。) 方法である 。 化合物 4は、 イオン交換樹脂原料等として有用な化合物である。
RB-E-RA-S-S-RA-E-RB · · · (1)
XS〇2— RA— E - RB · · · (2)
FS〇2 - RAF - EF— RBF · · · (3)
F S〇2 - RAF - C〇F · · · (4)
化合物 1における RAとしては、 2価炭化水素基、ハロゲノ 2価炭化水素基、へ テロ原子含有 2価炭化水素基、 またはハロゲノ (ヘテロ原子含有 2価炭化水素) 基が好ましい。 2価炭化水素基としては、 2価脂肪族炭化水素基、 2価芳香族炭 化水素基、 および 2価脂環式炭化水素基が挙げられ、 2価脂肪族炭化水素基が好 ましい。 2価脂肪族炭化水素基中には、 炭素一炭素結合として、 単結合、 二重結 合、 または三重結合が存在 (または併存) していてもよい。 また、 2価脂肪族炭 化水素基は、 直鎖構造、 分岐構造、 環構造、 または環構造を部分的に有する構造
のいずれであってもよい。
RAは、 2価飽和炭化水素基、部分八ロゲノ 2価飽和炭化水素基、ヘテロ原子含 有 2価飽和炭化水素基または部分八ロゲノ (ヘテロ原子含有 2価飽和炭化水素) 基がより好ましく、 フッ素原子を含まないこれらの基が特に好ましく、 2価飽和 炭化水素基またはへテロ原子含有 2価飽和炭化水素基がとりわけ好ましい。
RAが 2価飽和炭化水素基である場合には、アルキレン基、シクロアルキレン基 、 シクロアルキルアルキレン基が挙げられる。 アルキレン基としては、 炭素数 1 〜1 0のアルキレン基が好ましい。 シクロアルキレン基としては、 3〜6員環の シクロアルキレン基、 または該シク口アルキレン基の水素原子の 1個以上がアル キル基で置換された基が好ましい。 シクロアルキルアルキレン基としては、 炭素 数が 1〜 3であるアルキル基の水素原子の 1個が 3〜 6員環のシクロアルキル基 で置換された基が好ましい。
R Aが部分ハロゲノ 2価飽和炭化水素基である場合には、上記 2価飽和炭化水素 基が部分的にハロゲン化された基が挙げられる。 部分ハロゲノ 2価飽和炭化水素 基は、 直鎖構造であっても分岐構造であっても、 また、 部分的に環構造を有して いてもよく、 部分フルォロアルキレン基または部分フルォロ (部分クロロアルキ レン) 基が好ましい。 部分ハロゲノ 2価飽和炭化水素基の炭素数は 1〜 2 0が好 ましい。
RAがへテロ原子含有 2価飽和炭化水素基である場合には、上記 2価飽和炭化水 素基の炭素—炭素原子間に 2価へテロ原子または 2価へテロ原子団が揷入された 基、 または上記 2価飽和炭化水素基の炭素原子にヘテロ原子が結合した基、 また は上記 2価飽和炭化水素基の結合末端の炭素原子に 2価へテロ原子または 2価へ テロ原子団が結合した基が挙げられる。 ヘテロ原子含有 2価飽和炭化水素基とし ては、 炭素数 1〜2 0の基が好ましく、 化合物の有用性の点からエーテル性酸素 原子含有 2価飽和炭化水素基が好ましく、 エーテル性酸素原子含有アルキレン基 が特に好ましい。
RAが部分ハロゲノ (ヘテロ原子含有 2価飽和炭化水素)基である場合には、上 記へテロ原子含有 2価飽和炭化水素基が部分的にハロゲン化された基が挙げられ 、 部分フルォロ (エーテル性酸素原子含有アルキレン) 基が好ましい。 部分ハロ
ゲノ (ヘテロ原子含有 2価飽和炭化水素) 基は、 直鎖構造であっても分岐構造で あっても、 また、 部分的に環構造を有していてもよい。 部分ハロゲノ (ヘテロ原 子含有 2価飽和炭化水素) 基の炭素数は 1〜 20が好ましい。
化合物 1における RB (1価有機基) としては、 1価炭化水素基、 ハロゲノ 1価 炭化水素基、 ヘテロ原子含有 1価炭化水素基、 またはハロゲノ (ヘテロ原子含有 1価炭化水素) 基が好ましい。
RBは、含フッ素の基であるのが好ましく、 フルォロ 1価飽和炭化水素基、 また はフルォロ (ヘテロ原子含有 1価飽和炭化水素) 基が特に好ましく、 ペルフルォ 口 1価飽和炭化水素基、 またはペルフルォロ (ヘテロ原子含有 1価飽和炭化水素 ) 基がとりわけ好ましい。
R Bがペルフルォロ 1価飽和炭化水素基である場合には、直鎖構造であっても分 岐構造であっても、 また、 部分的に環構造を有していてもよく、 ペルフルォロア ルキル基が好ましい。 ペルフルォロ 1価飽和炭化水素基の炭素数は 1〜20が好 ましく、 2~20が特に好ましい。
RBがペルフルォロ (ヘテロ原子含有 1価飽和炭化水素)基である場合には、炭 素数 1〜20の基が好ましく、 炭素数 2〜10が特に好ましい。 また入手しやす さ、 製造しやすさ、 および生成物の有用性の点から、 エーテル性酸素原子含有の 基が好ましく、 ペルフルォロ (アルコキシアルキル) 基またはペルフルォロアル コキシル基が特に好ましい。
Eは一 C〇〇CH2—を表わし、 式(1) 中の 2つの Eは、 2つともケト基を形 成する炭素原子で RBと結合する、 または、 2つともケト基を形成する炭素原子で RAと結合するのが好ましい。これにより化合物 1の酸化により生成する 2分子の 化合物 2は同一分子となる。
化合物 1は、 化合物 5と化合物 6をエステル化反応させて得ることができる ( 以下、 「エステル化工程」 という。)。
E1 - RA - S— S— RA— E1 · · - (5)
RB-E2 · · · (6)
E1と E2は一方が— COYであり、 他方が— CH2OHを表し、 E1および E2 のどちらが一 CH2OHでどちらが一 COYであるかということに関しては、特に
限定はない。 Yは八ロゲン原子または水酸基を表し、 Υはフッ素原子、 塩素原子 または水酸基が好ましい。
エステル化工程における化合物 5と化合物 6とのエステル化反応は、 公知のェ ステル化反応の条件により実施できる。
該反応は、 溶媒 (以下、 「溶媒 1」という。) の存在下に実施してもよいが、 溶媒 1の不存在下に実施することが容積効率の点から好ましい (たとえば、 日本化学 会編, 「実験化学講座」 , 第 4版, Vo l . 22 (有機合成 I V—酸 ·アミノ酸- ペプチド) , 丸善, 東京, 1992年, pp. 50— 51)。 溶媒 1を用いる場合 には、 ジクロロメタン、 クロ口ホルムが好ましい。 溶媒 1の使用量は、 化合物 5 と化合物 6の総量に対して 50〜500質量%であることが好ましい。
エステル化反応では、 E1または E2中の Yがハロゲン原子である場合に、 HY で表される酸が発生する。 該酸は窒素気流に同伴させて反応系外に排出すること が好ましい。
また、 E1または E2中の Yが水酸基である場合には水が生成するため、 反応系 中に脱水剤を存在させて、 反応を進行させることが好ましい (たとえば、 日本化 学会編, 「実験化学講座」 , 第 4版, Vo l . 22 (有機合成 I V—酸 'アミノ酸 'ペプチド) , 丸善, 東京, 1992年, p p. 45— 46)。 該脱水剤としては 、 無水トリフルォロ酢酸、 塩化チォニルが好適に用いられる。 該脱水剤の量は、 化合物 5に対して 2〜 20倍モルとすることが好ましい。
エステル化反応の反応温度は、 一 50^以上であることが好ましく、 + 100 °C以下または溶媒の沸点温度以下が好ましい。 また、 該反応の反応時間は原料の 供給速度と反応に用いる化合物量に応じて適宜変更されうる。 反応圧力 (ゲージ 圧、 以下同様。) は常圧〜 2MP aが好ましい。
エステル化反応で生成した化合物 1を含む粗生成物は、 目的に応じて精製を行 つても、 そのまま、 つぎの反応等に用いてもよく、 次の工程における反応を円滑 に進行させうる点から、 精製を行うことが望ましい。
該粗生成物の精製方法は、 国際公開 WO02/44138号公報に記載の方法 を適用できる。
化合物 5は、 容易に入手可能であるか、 または公知の方法により容易に合成で
きる化合物である。 また、化合物 5における RA部分を容易に設計できるため、得 られる化合物 1の分子構造も種々設定することができる。
化合物 5の具体例としては、 下記化合物が挙げられる。
H0C0C¾ C¾ SSCH2 CH2圆、
H0C0C¾ CH2 CH2 SSC¾ CH2 CH2 COOH (5— 1)、
C1C0C¾ C¾ SSCH2 C¾ COCL
C1C0CH2 CH2 C¾ SSCH2 CH2 CH2 C0C1、
H0C¾CH2SSC¾CH20H。
また、 化合物 6の具体例としては、 下記化合物が挙げられるが、 これらに限定 されない。
CF3 CF2 CH2 OH,
CF3 CF2 CF2 CH20H、
CF3 CF2 CF2 CF2 CH20H、
(CF3)2CFC¾ OH,
CF3 CF2 CF20CF (CF3)CH2 OE
CF3 CF2 CF2 OCF (CF3 ) CF2 OCF (CF3 ) CH2 OH (6-1) 、
HCF2 CF2 C¾0H,
HCF2 CF2 CF2 CF2 C¾ 0H、
CF3 C0F、
CF3 CF2 C0F、
CF3 CF2 CF2 C0F、
(CF3)2CFC0F、
CF3 CF2 CF2 CF2 OCF (CF3)C0F、
CF3 CF2 CF2 CF2 OCF (CF3 ) CF2 OCF (CF3 ) C0F。
化合物 1の具体例としては、 下記化合物が挙げられるが、 これらに限定されな い。
CF3 CF2 C¾ 0C0C¾ C¾ SSC¾ C¾ C00C¾ CF2 CF3、
CF3 CF2 CF2 CH20C0CH2 CH2 SSCH2 CH2 C00CH2 CF2 CF2 CF3、
CF3 CF2 CF2 CF2 CH20C0CH2 C¾ SSC¾ CH2 C00CH2 CF2 CF2 CF2 CF3、
5874
10
(CF3 ) 2 CFC¾ 0C0C¾ CH2 SSC¾ CH2 C00C¾ CF (CF3 ) 2、
CF3 CF2 CF2 OCF (CF3 ) C¾ OCOC¾ CH2 SSC¾ CH2 COOCH2 CF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3、
(CF3 CF2 CF2 OCF (CF3 ) CF2 OCF (CF3 ) C¾ OCOC¾ CH2 S) 2、
HCF2 CF2 CH2 OCOCH2 CH2 SSC¾ C¾ C00CH2 CF2 CF2 H、
HCF2 CF2 CH2 CF2 CH20C0CH2 CH2 SSC¾ C¾ C00CH2 CF2 C¾ CF2 CF2 H、
CF3 CF2 C¾ 0C0CH2 C¾ CH2 SSCH2 CH2 CH2 C00CH2 CF2 CF3、
CF3 CF2 CF2 CH2 OCOC¾ CH2 CH2 SSCH2 CH2 CH2 COOC¾ CF2 CF2 CF3、
CF3 CF2 CF2 CF2 C¾ 0C0CH2 CH2 CH2 SSCH2 CH2 CH2 COOCH2 CF2 CF2 CF2 CF3、
(CF3 ) 2 CFCH20C0CH2 CH2 C¾ SSCH2 CH2 CH2 COOCH2 CF (CF3 ) 2、
CF3 CF2 CF2 OCF (CF3 ) CH2 OCOCH2 CH2 CH2 SSCH2 C¾ CH2 COOCH2 CF (CF3 ) OCF2 CF2 CF3、 (CF3 CF2 CF2 OCF (CF3 ) CF2 OCF (CF3 ) CH20C0CH2 CH2 CH2 S) 2 ( 1 - 1 ) ,
HCF2 CF2 CH20C0CH2 CH2 CH2 SSC¾ C¾ C¾ C00CH2 CF2 CF2 H、
HCF2 CF2 CH2 CF2 CH2 OCOC¾ C¾ CH2 SSCH2 CH2 CH2 COOC¾ CF2 CH2 CF2 CF2 H、
CF3 CF2 C00CH2 C¾ SSCH2 CH20C0CF2 CF3、
CF3 CF2 CF2 COOC¾ CH2 SSC¾ C¾ OCOCF2 CF2 CF3、
(CF3 ) 2 CFC00CH2 CH2 SSCH2 C¾ OCOCF (CF3 ) 2、
CF3 CF2 CF2 OCF (CF3 ) COOC¾ CH2 SSCH2 CH2 OCOCF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3、
CF3 CF2 CF2 OCF (CF3 ) CF2 OCF (CF3 ) COOC¾ CH2 SSC¾ CH2 OCOCF (CF3 ) OCF2 CF (CF3 ) 0 - CF2 CF2 CF3
本発明においては、 化合物 1を酸化して化合物 2とする酸化工程を行う。 化合物 2において、 RA、 RB、 および Eは、 式 (1 ) におけるものと同様であ る。 Xはハロゲン原子を表す。 Xは、 フッ素原子、 塩素原子または臭素原子が好 ましく、 塩素原子が特に好ましい。
Xがハロゲン原子である化合物 2を製造する方法としては、 水を含む溶媒中で ハロゲン (X2 ) を反応させる方法が挙げられる。 ハロゲン (X2 ) の Xは、 化合 物 2中の Xに対応する。 該方法によれば、 化合物 1の Yの種類に関係なく、 所望 の Xを有する化合物 2が製造できる。 この反応は、 ハロゲン(X2 ) が水と反応す ることにより式 HO Xで表される化合物が生成し、 該 HO Xで表される化合物が 硫黄原子を酸化し、 それと同時に Y— S結合が酸化的に開裂することによって進
行するものと考えられる。
水を含む溶媒 (以下、 「溶媒 2」 という。) としては、 水、 水と酢酸との混合溶 媒、 または水とァセ卜二トリルとの混合溶媒が好ましい。 溶媒 2の量は、 化合物 1に対して、 2倍質量以上が好ましく、 特に 5〜 50倍質量が好ましい。 水の量 は化合物 1に対して 4〜2000倍モルが好ましく、 特に 20〜 1000倍モル が好ましい。
化合物 1の酸化反応で Xが塩素原子である化合物 2を生成させる方法としては 、 化合物 1に対して、 水を含む溶媒中で塩素を作用させて、 化合物 2とする方法 が好ましい (たとえば、 日本化学会編, 「実験化学講座」 , Vo 1. 14 (有機化 合物の合成と反応 I I I) , 丸善, 東京, 1978年, p p. 1785 - 178 6)。
塩素は、 塩素ガスをそのまま用いても、 不活性ガスで希釈された塩素ガスを用 いてもよい。 不活性ガスとしては、 窒素ガス、 またはヘリウムガスが好ましく、 経済的な理由から窒素ガスが特に好ましい。 窒素ガス中の塩素量は特に限定され ず、 10 V o 1 %以上とすることが効率の点で好ましく、 20 vo l %以上とす ることが特に好ましい。
酸化反応における反応温度は、 通常は一 20°C以上かつ溶媒 2の沸点以下が好 ましく、 反応収率、 選択率、 および工業的実施のしゃすさの点から 0°C〜+ 60 が好ましい。 酸化反応における反応圧力は特に限定されず、 常圧〜 2MP aが 、 反応収率、 選択率、 工業的な実施のしゃすさの観点から特に好ましい。
Xが臭素原子である化合物 2を生成させる方法としては、 水を含む溶媒中で化 合物 1を臭素 (B r2) と反応させる方法が好ましい。
また Xがフッ素原子である化合物 2を生成させる方法としては、 化合物 1をフ ッ酸中で N02で酸化する方法を採用してもよい。
Xが塩素原子である場合の化合物 2の具体例としては、 下記化合物が挙げられ る。 Xが臭素原子またはフッ素原子である場合の具体例としては、 下記化合物の C 1を B rまたは Fに置換した例が挙げられる。
C1S02 C¾ CH2 C00CH2 CF2 CFい
C1S02 C¾ CH2C00CH2CF2 CF2 CF3、
C1S02 C¾ CH2 C00C¾ CF2 CF2 CF2 CF3、
C1S02 CH2 C¾ C00CH2 CF (CF山、
C1S02 CH2 CH2 C00CH2 CF (CF3 ) OCF2 CF2 CF3、
C1S02 C¾ CH2 C00CH2 CF (CF3 ) OCF2 CF (CF3 ) OCF2 CF2 CF3、
C1S02 CH2 CH2 C00CH2 CF2 CF2 H、
C1S02 CH2 C¾ C00CH2 CF2 CF2 CF2 CF2H、
C1S02 CH2 CH2 CH2 COOCH2 CF2 CF"
C1S02 CH2 CH2 C¾ COOCH2 CF2 CF2 CF3、
C1S02 CH2 CH2 C¾ C00CH2 CF2 CF2 CF2 CF3、
C1S02 C¾ CH2 CH2 COOCH2 CF (CF3)い
C1S02 CH2 CH2 CH2 COOC¾ CF (CF3 ) OCF2 CF2 CF3、
C 1 S02 CH2 CH2 CH2 C00CH2 CF (CF3 ) OCF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3、
C1S02 CH2 CH2 CH2 COOCH2 CF2 CF2H、
C1S02 C¾ CH2 CH2 C00CH2 CF2 CF2 CF2 CF2H、
C1S02 CH2 CH20C0CF2 CF3、
C1S02 CH2 CH2 OCOCF2 CF2 CF3、
C1S02 C¾ CH2 OCOCF (CF3 ) 2、
C1S02 CH2 CH2 OCOCF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3、
C1S02 C¾ CH2 OCOCF (CF3 ) 0CF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3。
本発明においては酸化工程において生成する化合物 2の Xがフッ素原子である 場合には、 該化合物 2をそのままフッ素化反応に用いる。 一方、 化合物 2の Xが フッ素原子以外のハロゲン原子(以下、他のハロゲン原子と記す。)である場合に は、 該他のハロゲン原子をフッ素原子に置換した後にフッ素化反応を行う。
Xがフッ素原子である化合物 2において、 Xが他のハロゲン原子である場合に 比べて、 顕著にフッ素化反応の収率が向上する利点がある。 そのため、 本発明に おいては、 Xがフッ素原子である化合物 2をフッ素化反応に用いる。
他の八ロゲン原子をフッ素原子に置換する方法としては、 溶媒中で、 フッ化力 リウム (S c o t t , R. B . ; G o r d X o n , M. J . J . O r g . C h e m . 1 9 5 6 , 2 1 , 3 8 5. )、 またはフッ化水素カリウム (G r a m s t a
5874
13 d , T. ; H a z e 1 d i n e , R . N. J . C h e m. S o c . 1 9 5 5 , 1 7 3 . ) を作用させる方法が好ましい。
該置換反応に用いる溶媒 (以下、 「溶媒 3」 という。) としては、 水とジォキサ ンとの混合溶媒、 または水とァセ卜二トリルとの混合溶媒が好ましい。 溶媒 3の 量は、 化合物 6に対して、 2倍質量以上が好ましく、 特に 5〜 5 0倍質量が好ま しい。
該置換反応の反応温度は、 通常は一 2 0で〜溶媒 3の沸点が好ましく、 反応収 率、 選択率、 および工業的実施のしゃすさの点から 0 °C〜十 6 0 °Cが好ましい。 該置換化反応の反応圧力は特に限定されず、 常圧〜 2 M P aが、 反応収率、 選択 率、 工業的な実施のしゃすさの観点から特に好ましい。
該置換反応によって得られる Xがフッ素原子である化合物 2の具体例としては 、 化合物 2の具体例における塩素原子をフッ素原子で置換した化合物が挙げられ る。
本発明においては、 化合物 2のフッ素含量は 3 0質量%以上であることが好ま しい。 フッ素含量が 3 0質量%以上とすることにより、 フッ素化反応の際の液相 への溶解性が良好となる。 化合物 2のフッ素含量は、 フッ素化反応の液相の種類 に応じて適宜調節でき、 該フッ素含量は 3 0〜8 6質量%がより好ましく、 3 0 〜7 6質量%がさらに好ましい。 フッ素含量が 8 6質量%以下の化合物 2を用い る場合には経済性の点で優れる点、 および、 入手できる化合物が制限されない点 で有利である。
また、 化合物 2の分子量は 2 0 0〜1 3 0 0であることが好ましい。 化合物 2 の分子量が 2 0 0以上とすることで、 化合物 2の沸点の低下を抑え、 フッ素化の 過程で化合物 2が揮発してフッ素化物の収率が低下したり、 分解反応が起こるこ とを防止できる。 一方、 分子量を 1 3 0 0以下にすることで、 液相への溶解性の 低下を防止できる。
化合物 2は、 液相中でフッ素と反応させるフッ素化工程を行い化合物 3を得る 式 (3 ) における RA Fは RAと同一の 2価有機基または RAがフッ素化された 2 価有機基である。 RAがフッ素化されない基であったり、 RAがフッ素化されうる
基であったとしてもフッ素化されなかつた場合の RA Fは、 RAと同一の基である。 たとえば、 RAが、 ベルハロゲノ 2価炭化水素基、 ベルハロゲノ (ヘテロ原子含有 2価炭化水素) 基である場合は、 これらの基におけるハロゲン原子は、 液相中で フッ素と反応させても変化をしないため、 RAFは RAと同一の基となる。
RBFは RBと同一の基または RBがフッ素化された基である。 RBFは、 RBがフッ 素化されない基であったり、 RBがフッ素化されうる基であったとしてもフッ素化 されなかった場合には、 RBと同一の基である。 たとえば、 RBが、 ベルハロゲノ 1価炭化水素基、 ベルハロゲノ (ヘテロ原子含有 1価炭化水素) 基である場合は 、 これらの基におけるハロゲン原子は、 液相中でフッ素と反応させても変化をし ないため、 RBFは RBと同一の基となる。
RAFは、 ペルフルォロ 2価飽和炭化水素基、 ペルフルォロ (部分ハロゲノ 2価 飽和炭化水素) 基、 ペルフルォロ (ヘテロ原子含有 2価飽和炭化水素) 基、 また はペルフルォロ (部分ハロゲノ (ヘテロ原子含有 2価飽和炭化水素))基であるこ とが好ましく、 これらの基は、 それぞれ、 RAと同数の炭素原子と RAに対応する 炭素骨格構造を有する基である。
また、 RBFは、 ペルフルォロ 1価飽和炭化水素基、 ペルフルォロ (部分ハロゲ ノ 1価飽和炭化水素) 基、 ペルフルォロ (ヘテロ原子含有 1価飽和炭化水素) 基 、 またはペルフルォロ (部分ハロゲノ (ヘテロ原子含有 1価飽和炭化水素))基で あることが好ましい。 RBと RBFとは同一の基であるのが後述するフッ素化反 応を実施しやすく、 連続プロセスを実施できる点で特に好ましい。 すなわち、 式 (2)における RBもまた、ペルフルォロ 1価飽和炭化水素基またはペルフルォロ
(ヘテロ原子含有 1価飽和炭化水素) 基であるのが好ましい。
EFは一 C〇OCF2—を表す。
EFの基の向きも Eに対応する。 たとえば Eのケト基を形成する炭素原子が RA と結合している場合、 EFの該炭素原子は RAFと結合し、 Eのケト基を形成する炭 素原子が RBと結合している場合、 EFの該炭素原子は RBFと結合する。
フッ素化反応は、 反応の操作性および収率の点から液相中で実施する液相フッ 素化反応により実施する (Ok a z o e T. e t a 1., Adv. Syn t h . C a t a 1., 2001, 343, 219·)。 該フッ素化反応は、 ECF法、 コ
4
15 バルトフッ素化法、 気相でフッ素と反応させる方法でも理論的には実施できるが 、 反応収率、 反応操作の容易さ等の点から液相中でのフッ素化が特段に有利な方 法である。
フッ素化反応は、 化合物 2とフッ素 ( F2 ) とを溶媒 (以下、 「溶媒 4」という。 ) の存在下で反応させて、 化合物 3とする方法により実施するのが好ましい。 フ ッ素は、 フッ素ガスをそのまま用いても、 不活性ガスで希釈されたフッ素ガスを 用いてもよい。 不活性ガスとしては、 窒素ガス、 ヘリウムガスが好ましく、 経済 的な理由から窒素ガスが特に好ましい。 窒素ガス中のフッ素量は特に限定されず 、 1 0 v o 1 %以上とすることが効率の点で好ましく、 2 0 v o l %以上とする ことが特に好ましい。
溶媒 4としては、 C—H結合を含まず C一 F結合を必須とする溶媒が好ましく 、 さらに、 ペルフルォロアルカン類、 または、 塩素原子、 窒素原子および酸素原 子からなる群より選ばれる 1種以上の原子を構造中に有する公知の有機溶剤をべ ルフルォロ化した有機溶剤が好ましい。 さらに溶媒 4としては、 化合物 2の溶解 性が高い溶媒を用いることが好ましく、 化合物 2を 1質量%以上溶解しうる溶媒 、 特に 5質量%以上溶解しうる溶媒を用いることが好ましい。
溶媒 4の例としては、 W〇0 2 / 4 4 1 3 8号公報に記載のフッ素化工程で用 いた溶媒と同様の溶媒を使用できる。 溶媒 4の量は、 化合物 2に対して、 5倍質 量以上が好ましく、 特に 1 0〜1 0 0倍質量が好ましい。
フッ素化反応の反応形式は、 バッチ方式または連続方式が挙げられ、 それぞれ の方法については、 WO 0 2 / 4 4 1 3 8号公報に記載される方法を適用できる 。 フッ素ガスは、 パッチ方式で実施する場合においても連続方式で実施する場合 においても、 窒素ガス等の不活性ガスで希釈したものを使用するのが好ましい。 フッ素化反応に用いるフッ素量は、 バッチ方式で反応を実施する場合にも連続 方式で実施する場合にも、 フッ素化されうる水素原子に対して、 フッ素の量が常 に過剰当量となるようにフッ素ガスを存在させることが好ましく、 特に 1 . 5倍 当量以上 (すなわち、 1 . 5倍モル以上) となるようにフッ素ガスを使用するこ とが選択率の点から好ましい。 またフッ素ガスの量は、 反応の開始時点から終了 時点まで常に過剰量に保たれるのが好ましい。
フッ素化反応の反応温度は、 通常は一 6 0で以上かつ化合物 2の沸点以下が好 ましく、 反応収率、 選択率、 および工業的実施のしゃすさの点から— 5 0 〜 + 1 0 0 °Cが特に好ましく、 一 2 0で〜十 5 0でが特に好ましい。 フッ素化反応の 反応圧力は特に限定されず、 常圧〜 2 M P aが、 反応収率、 選択率、 工業的な実 施のしゃすさの観点から特に好ましい。
さらに、 フッ素化反応を効率的に進行させるためには、 反応の後期に C一 H結 合含有化合物を反応系中に添加したり、 紫外線照射を行うことが好ましい。 その 添加方法、 添加量、 具体的な化合物は、 WO 0 2 / 4 4 1 3 8号公報に記載のフ ッ素化工程に記載される具体例を適用できる。
本発明におけるフッ素化反応は、 化合物 2をペルフルォロ化する反応であるこ とが好ましい。 すなわち化合物 3は、 化合物 2がペルフルォロ化された化合物で あることが好ましい。
フッ素化工程において得られる化合物 3の具体例としては、 下記化合物が挙げ られる。
FS02 CF2 CF2 C00CF2 CF2 CF3、
FS02 CF2 CF2 C00CF2 CF2 CF2 CF3、
FS02 CF2 CF2 C00CF2 CF2 CF2 CF2 CF3、
FS02 CF2 CF2 C00CF2 CF (CF山、
FS02 CF2 CF2 C00CF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3、
FS02 CF2 CF2 C00CF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3、
FS02 CF2 CF2 CF2 C00CF2 CF2 CF3、
FS02 CF2 CF2 CF2 C00CF2 CF2 CF2 CF3、
FS02 CF2 CF2 CF2 C00CF2 CF2 CF2 CF2 CF3、
FS02 CF2 CF2 CF2 C00CF2 CF (CF山、
FS02 CF2 CF2 CF2 C00CF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3、
FS02 CF2 CF2 CF2 C00CF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3 ( 3 - 1 ) ,
FS02 CF2 CF2 0C0CF2 CF3、
FS02 CF2 CF2 0C0CF2 CF2 CFい
FS02 CF2 CF2 0C0CF (CF3 )い
FS02 CF2 CF2 OCOCF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3、
FS02 CF2 CF2 OCOCF (CF3 ) 0CF2 CF (CF3 ) OCF2 CF2 CF3。
次に、 本発明においては、 化合物 3のエステル結合を分解し、 化合物 4を得る 分解工程を行う。
該分解工程は、 熱分解反応または求核剤もしくは求電子剤の存在下に行なう分 解反応により実施することが好ましい (O k a z o e T . e t a 1 . , A d v . S y n t h . C a t a 1 . , 2 0 0 1 , 3 4 3 , 2 1 9 . )。
熱分解反応は、 化合物 3を加熱することにより実施できる。 熱分解反応の反応 形式としては、 化合物 3の沸点とその安定性により選択することが好ましい。 た とえば、 気化しやすい化合物 3を熱分解する場合には、 気相で連続的に分解させ て、 得られた化合物 4を含む出口ガスを凝縮、 回収する気相熱分解法を採用しう る。
気相熱分解法の反応温度は 5 0〜 3 5 0 °Cが好ましく、 5 0〜 3 0 0でが特に 好ましく、 1 5 0〜2 5 0 °Cがとりわけ好ましい。 また、 反応には直接は関与し ない不活性ガスを反応系中に共存させて反応を行ってもよい。 不活性ガスとして は、 窒素ガス、 二酸化炭素ガス等が挙げられる。 不活性ガスは化合物 3に対して 0 . 0 1〜5 0 v o l %程度を添加することが好ましい。 不活性ガスの添加量が 多いと、 生成物の回収量が低減することがある。
一方、 化合物 3が気化しにくい化合物である場合には、 反応器内で液のまま加 熱する液相熱分解法を採用することが好ましい。 この場合の反応圧力は限定され ない。 通常の場合、 蒸留塔をつけた反応器を用いて反応を行い、 化合物 4を含む 生成物は化合物 3より低沸点であることから、 生成物を気化させて連続的に抜き 出す反応蒸留形式による方法で得ることが好ましい。 また加熱終了後に反応器中 から一括して生成物を抜き出す方法であってもよい。 この液相熱分解法の反応温 度は 5 0〜 3 0 0 °Cが好ましく、 特に 1 0 0〜 2 5 0 °Cが好ましい。
液相熱分解法で熱分解を行う場合には、 無溶媒で行っても、 溶媒(以下、 「溶媒 5 Jという。) の存在下に行ってもよい。 溶媒 5としては、 化合物 3と反応せず、 かつ化合物 3と相溶性のあるもので、 生成する化合物 4と反応しないものであれ ば特に限定されない。 また、 溶媒 5としては、 化合物 4の精製時に分離しやすい
ものを選定することが好ましい。 溶媒 5の具体例としては、 ペルフルォロトリア ルキルァミン、 ペルフルォロナフ夕レンなどの不活性溶媒、 クロ口フルォロカ一 ボン類等のなかでも高沸点であるクロ口卜リフルォロエチレンオリゴマーが好ま しい。 また、 溶媒 5の量は化合物 3に対して 1 0〜1 0 0 0質量%が好ましい。 また、 化合物 3を液相中で求核剤または求電子剤と反応させて分解させる場合 、 該反応は、 無溶媒で行っても、 溶媒 (以下、 「溶媒 6」という。) の存在下に行つ てもよい。溶媒 6としては、溶媒 5と同一のものがよい。求核剤としては F—が好 ましく、特にアルカリ金厲のフッ化物由来の F—が好ましい。アルカリ金属のフッ 化物としては、 N a F、 N a H F2、 K F、 C s Fがよく、 これらのうち経済性お よび反応性の面から N a Fおよび K Fが特に好ましい。
求核剤(たとえば F— ) を用いた場合には、 反応の最初に用いた求核剤は触媒量 であってもよく、過剰量であってもよい。 F—等の求核剤の量は化合物 3に対して 1〜5 0 0モル%が好ましく、 1〜1 0 0モル%が特に好ましく、 とりわけ 5〜 5 0モル%が好ましい。 反応温度は、 — 3 0 °C〜 (溶媒 6、 または化合物 3の沸 点までの間の温度) が好ましく、 一 2 0 °C〜十 2 5 0 が特に好ましい。 この方 法も、 蒸留塔をつけた反応器で反応蒸留法によって実施することが好ましい。 分解工程では EFの分解反応がおこり、 2つの— C O F基が形成される。分解ェ 程において得られる化合物 4の具体例としては、 下記化合物が挙げられる。
FS02 CF2 CF2 COF,
FS02 CF2 CF2 CF2 COF ( 4 - 1 ) >
本発明の製造方法により得られる化合物 4は、末端に F S〇 2—基を有すること からィォン交換樹脂用モノマ一原料として有用な化合物である。 該モノマーへの 誘導は他末端に存在する一 C 0 F基の反応性を利用した種々の方法が適用できる 。そして、 本発明によれば式 ( 1 ) で表される化合物として種々の RA基を有する 化合物が入手できることから該 RAに対応した RA F基を有する化合吻 4を得るこ とができる。
本発明の製造プロセスはプロセス中の化合物の製造や生成物のリサイクルを行 うことによって、 より効率的なプロセスに改良できる。 たとえば、 化合物 5と反
応させる化合物 6として、 下記化合物 7または下記化合物 8を用いる方法が挙げ られる。
このプロセスの概念は下式で表すことができる。 ただし、 下式中の記号は前記 と同じ意味を示し、 X1はフッ素原子以外のハロゲン原子を示す。
(4) 化合物 7は化合物 3の分解工程の反応生成物から化合物 4とともに得ることが できる。 また、 化合物 8は化合物 7の還元反応により入手できる。
RBF -COF · · · (7)
RBF-CH2OH · · · (8)
(式中、 式 (3) における RBFと同じ意味を示す。)
化合物 7を還元して化合物 8を得る場合には、 化合物 7を適当なエステルに交 換した後、 液相中で金属水素化物と反応させる方法 (たとえば、 N i e d e r p r u em H., Vo s s , P. Ge r. 1, 300, 539, p. 3-4.), ま たは化合物 7を適当な触媒の存在下、 水素ガスと接触させる方法 (Novo t n y M" U. S. 4, 273, 947, p. 7— 10.) により実施するのが好 ましい。
金属水素化物を用いる還元反応において、 該金属水素化物としては、 水素化ホ ゥ素ナトリウム、 水素化リチウムアルミニウムが好ましい。 該反応には溶媒 (以 下、 「溶媒 7」 という。) として、 テトラヒドロフラン、 ジォキサン、 テトラヒド
口フランを用いるのが好ましい。 金属水素化物として水素化ホウ素ナトリウムを 用いる場合は、 溶媒 7としてメタノール、 エタノール、 2—プロパノ一ルを用い ることもできる。 溶媒 7の量は、 化合物 7に対して、 2倍質量以上が好ましく、 特に 5〜5 0倍質量が好ましい。
金属水素化物を用いる還元反応の反応温度は、 通常は一 5 0 °C以上でありかつ 溶媒 7の沸点以下であるのが好ましく、 反応収率、 選択率、 および工業的実施の しゃすさの点から 0 °C以上でありかつ、 溶媒の沸点以下であるのが好ましい。 反 応圧力は特に限定されず、 常圧〜 2 M P aが、 反応収率、 選択率、 工業的な実施 のしやすさの観点から特に好ましい。
触媒の存在下に水素ガスと接触させる方法において、 触媒としては、 パラジゥ ム系、 ロジウム系、 イリジウム系の触媒が好ましい。 該反応は溶媒の存在下に実 施してもよいが、 溶媒の不存在下に実施することが容積効率の点から好ましい。 反応温度は、 通常は 0〜2 0 0 が好ましい。 反応圧力は特に限定されず、 常圧 〜1 0 M P a (ゲージ圧) が、 反応収率、 選択率、 工業的な実施のしゃすさの観 点から特に好ましい。
上記プロセスの具体例としては、 以下の例が挙げられる。
<プロセス例 1 >
下記化合物 5— 1と下記化合物 8― 1をエステル化反応させて下記化合物 1一 1とし、 次に、 化合物 1一 1を水を含む溶媒中で塩素の存在下で酸化して、 さら に塩素原子をフッ素原子で置換して下記化合物 2 _ 1とし、 次に、 化合物 2 _ 1 を液相中でフッ素と反応させて下記化合物 3— 1とし、 さらに、 化合物 3— 1を 分解して目的とする下記化合物 4一 1を得るとともに化合物 7— 1を得る。 つぎ に化合物 7—1を還元して化合物 8— 1とし、 化合物 8— 1を再び化合物 5— 1 と反応させるプロセス力挙げられる。 ただし RB 1は
-CF (CF3 ) 0CF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3を示す。
4
21
S
S 1
CJSOaiCHsJsCOOCHsR1 B1
CF3CF2CF2OCF(C CF2OCF(CF3)CH2OH
(8-1)
FS02(CH2)3COOCH2RB1
CF
3CF
2CF
2OCF(CF3) CF
2OCF(CF
3) COF ] (2-1) CF
2R
B
(4-1)
前記プロセスにより製造された化合物 4は、 末端の一 C〇 F基の反応性を利用 して種々の有用な化合物へ導きうる。たとえば化合物 4の末端が一 C F 2 C F 2 C ◦ F基または一 CF2CF (CF3) C OF基である場合には、 熱分解反応 (たと えば、 Me t hod s o f Or gan i c Chemi s t r y (H o u b en—We y 1 ), t h e d., Ba a s ne r B.,Hagemann H . , Ta t 1 ow J . C. , Ed s., Ge o r g Th i erne, S t u t t ga r t, 1999, Vo l. E 10 b, (Or gano-F l uo r i n e C omp ound s), P t. 1, . 703. 等に記載される方法) により一 CF = CF2基に変換することによってフッ素樹脂用のモノマー原料を製造できる。 イオン交換膜とする塲合には、 該モノマ一由来の一 S〇2F基は、 その後の工程 で一 S O 3 H基等のイオン交換基に変換されるのが好ましい。
また化合物 4の末端にへキサフルォロプロピレンォキシド (HFPO) を反応 させて下記化合物 9を得て、 つぎに末端基を前記と同じ方法で熱分解反応するこ とにより下記化合物 10を得ることができる (ただし、 RAFは前記と同じ意味を 示す。)。
FSO。一 RAF— CF2OCF (CF3) COF · · · (9)
FSO,— R AF CF9OCF = CF (10),
化合物 10はイオン交換膜合成モノマーとして有用な化合物である。 化合物 1
0を得る方法の一例としては、 下記化合物 (4-1) を HFPOと反応させるこ とによって下記化合物 (9- 1) とし、 該化合物 (9-1) の末端基を熱分解反 応により一 CF = CF 2基に変換して下記化合物 (10- 1) に導く方法が挙げ られる。
HFPO
FSO。CF2GF2CF2COF FS02(CF2)4CF(CF3)COF→^ FS02(CF2)4GF=CF2
F
化合物 9一 1等の化合物 9の熱分解反応は、 気相熱分解反応、 または水酸化ァ ルカリを反応させてカルボン酸アルカリ塩とした後に行う熱分解反応が挙げられ る。
気相熱分解反応における反応温度は、 250〜400 であることが好ましく 、 250〜35 O :であることがより好ましい。 また、 上記カルボン酸アルカリ 塩の熱分解反応における反応温度は、 150〜350でが好ましく、 200〜2 80°Cがより好ましい。 気相熱分解反応における反応温度が 250°C以上である 場合やカルボン酸アルカリ塩の熱分解反応における反応温度が 150 以上であ る場合は、 変換率に優れる利点がある。 また気相熱分解反応における反応温度が
400°C以下の場合やカルボン酸アルカリ塩の熱分解反応における反応温度が 3
50°C以下の場合は、 目的外の熱分解物の発生を抑制することができる。
これらの気相熱分解反応の手法は、 WO02/44138号公報等に記載され る方法を適用できる。
以上のように、 本発明の製造方法によれば、 入手容易な原料から、 様々な構造 を有するスルホニルフルオリド化合物を安価に製造できる。 さらに、 本発明にお いては、 生成物中の副生物を原料や反応溶媒として再利用できる。 よって、 原料 使用量や廃棄物量を低減する経済的な方法である。 実施例
以下に本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、 これらによって本発明は 限定されない。 なお、 以下においてガスクロマトグラフィを GCと、 ガスクロマ トグラフィ質量分析を GC— MSと記す。 また、 テトラメチルシランを TMS、
CC 12 FCC 1 F2を R— 1 13と、 テトラヒドロフランを TH Fと記す。 また 、 NMRスペクトルデータは、 みかけの化学シフト範囲として示した。 19 F-N MRによる定量では C6 F6を内部標準に用いた。
(例 1) FS02 (CF2)3COFの製造例
(例 1一 1 ) (S (CH2 ) 3 C00CH2 CF (CF3 ) 0CF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3 ) 2の製造(エステル 化工程)
室温、 窒素気流下、 無水トリフルォロ酢酸 (1 9. 3 g) と (012)3(00丑)2 ( 10.5 g)の混合物を 1時間撹拌した。これに F(CF2)3OCF (CF3)CF2 OCF (CF3)CH2 OH (39. 7 g) を、 内温を 13°C以下に保つように水冷しながら、 60分かけて 滴下した。 2. 5時間後、 内容物を水 (120mL) に加え、 t一ブチルメチル エーテル (40mL) で 4回抽出し、 有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、 濾過、 濃縮して、 (S(CH2)3C00CH2CF(CF3)0CF2CF(CF3)0CF2CF2CF3)2を得た。 収率 79%。 生成物は精製せずそのまま、 例 1一 2の酸化工程に供した。
NMR (300. 4MHz; CDC 13, TMS) <5 2. 05 (qu i, J = 7. 1Hz, 2H), 2. 54 ( t m, J =7. 3Hz, 2 H) , 2. 7 1 ( t, J= 7. 1 Hz, 2H), 4. 46〜 4. 74 (m, 2 H) ;
19 FNMR (282. 7MHz ; CDC 13, CFC 13) δ 一 78. 6〜一 84. 5 (4F) , 一 80. 0 (3 F), -81. 3 (3 F) , 一 82. 8 (3 F), 一 129. 2 (2 F), 一 133. 7 (1 F), - 144. 6 (1 F) ;
I R (n e a t) 1762. 8, 1333. 4, 1236. 5, 1 1 59. 3, 993. 4 cm-1.
(例 1一 2) C1S02 (CH2)3COOC¾CF(CF3)OCF2CF(CF3)OCF2CF2CF3の製造 (酸化工程
)
ドライアイスコンデンサ一を備えたフラスコに例 1一 1で得た
(S (C¾ ) 3 C00C¾ CF (CF3 ) 0CF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3 ) 2 (9. 5 g)、 水 (9mL)、 ァ セトニトリル (8 lmL) を入れ、 室温で撹拌しているところに塩素ガスをバブ' リングした。 その状態で、 6時間室温で撹拌した。 系内を窒素でパージしたあと 、 内容物を水 (1 50mL) に加え、 t—プチルメチルエーテル (40mL) で 3回抽出し、 有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、 濾過、 濃縮して
C 1 S02 (C¾ ) 3 C00CH2 CF (CF3 ) OCF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3 (9. 0 g) を得た。 収率 84
%。 生成物は精製せずそのまま、 次のフッ素置換反応に供した。
(例 1一 3)FS02 (CH2 ) 3 C00CH2 CF (CF3 ) 0CF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3の製造 (フッ素置換 工程)
例 1— 2で得た C 1 S02 (C¾ ) 3 C00C¾ CF (CF3 ) 0CF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3 (6. 9 g )、 フッ化水素力リウム (1. 6 g)、 水 (2 OmL) とァセトニトリル (20 m L) をフラスコに入れ、 22時間室温で撹拌した。 内容物を水 (4 OmL) に加 え、 t—プチルメチルエーテル (25mL) で 4回抽出し、 有機層を硫酸マグネ シゥムで乾燥した後、 濾過、 濃縮し、 粗液を得た。 粗液をシリカゲルカラムクロ マ卜グラフィ (展開溶媒:へキサン (10):酢酸ェチル (1) 混合溶媒) で精製 して FS02 (C )3COOC¾CF(CF3)OCF2CF(CF3)OCF2CF2CF3 (4. 9 g) を得た。 収率 80%、 純度 98 %。
!H NMR (300. 4 MHz; CDC 13, TMS) δ 2. 29 (qu i, J = 7. 4 Hz, 2H), 2. 67 (t, J =7. 1 Hz , 2 H) , 3. 50 (d t, J = 4. 7, 7. 3Hz, 2H), 4. 51〜 4. 78 (m, 2 H) ;
19 FNMR (282. 7MHz ; CDC ", CFC 13) δ 53. 5 (I F) , -78. 5〜― 84. 4 (4 F), -79. 8 (3 F), -81. 1 (3 F), 一 82. 7 (3 F) , 一 129. 1 (2F) , 一 133. 7 (I F) , 一 144. 5 (I F) ;
I R (ne a t) 1761. 8, 1418. 7, 1306. 3, 1237. 2 , 1200. 4, 1 146. 0, 992. 8 cm -】.
(例 1— 4) FS02 (CF2)3C00CF2CF(CF3)0CF2CF(CF3)0CF2CF2CF3の製造 (フッ素化 工程)
50 OmLのニッケル製ォ一トクレーブに、 R- 113 (312 g) を加えた 後に撹拌して 25でに保った。 オートクレープガス出口には、 20°Cに保持した 冷却器、 NaFペレット充填層、 および一 10 に保持した冷却器を直列に設置 した。 また— 1 o°cに保持した冷却器からは凝集した液をオートクレーブに戻す ための液体返送ラインを設置した。 オートクレープに窒素ガスを室温で 1時間吹 き込んだ後、 窒素ガスで 20%に希釈したフッ素ガス (以下、 20%希釈フッ素
ガスと記す。 ) を室温で流速 12. 86L/hで 30分吹き込んだ後、 オートクレ ーブ内圧力を 0. 1 5 MP aまで昇圧してから更に 30分吹き込んだ。 つぎに反 応器内圧力を 0. 1 5MP aに保ったまま、 20 %希釈フッ素ガスを同じ流速で 吹き込みながら、 例 3で得た生成物 (5 g) を R— 1 13 (100 g) に溶解し た溶液を 2. 8時間かけて注入した。
つぎに、 反応器内圧力を 0. 1 5MP aに保ち、 20 %希釈フッ素ガスを同じ 流速で吹き込みながらベンゼン濃度が 0 - 01 g/mLである R— 1 13溶液を 25 から 40°Cにまで昇温しながら 9mL注入し、 オートクレープのベンゼン 溶液注入口を閉め、 0. 3時間撹拌を続けた。 ベンゼンの注入総量は 0. 09 g 、 R— 1 13の注入総量は 9mLであった。
さらに 20 %希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら 1時間撹拌を続けた 。 つぎに、 反応器内圧力を常圧にして、 窒素ガスを 1時間吹き込んだ。 生成物を 19 F—NMRで分析した結果、 標記化合物が収率 60%で含まれていることを確 認した。
19 F NMR (282. 7 MH z; CDC ", CFC 13) δ 46. 3 (I F ), 一 79. 0〜一 8 1. 5 (7 F) , - 81. 9〜― 82. 3 (5 F), -82 . 5〜一 88. 5 (3 F) , — 108. 4 (2 F) , - 1 1 8. 3 (2 F) , - 121. 1 (2 F) , - 130. 2 (2 F) , -145. 6 (2 F) .
(例 1— 5) FS02 (CF2)3C0Fの製造
(分解工程)
例 1一 4で得た FS02 (CF2 ) 3 C00CF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3 (4. 2 g) を NaF粉末 (0. 03 g) と共にフラスコに仕込み、 激しく撹拌を行いながら オイルバス中で.140°Cで 10時間加熱した。 フラスコ上部には 20 に温度調 節した還流器を設置した。 冷却後液状サンプル (4. 0 g) を回収した。 GC— M Sにより分析した結果、 CF3 CF2 CF2 OCF (CF3 ) CF2 OCF (CF3 ) COFおよび
FS02 (CF2)3 COFが主生成物として確認され、標記化合物の収率は 73. 7%であつ た。 また、 CF3 CF2 CF2 OCF (CF3 ) CF2 OCF (CF3 ) COFを収率 74. 6%で得た。
(例 1一 6 ) CF3 CF2 CF2 OCF (CF3 ) CF2 OCF (CF3 ) COFの再利用
例 1— 5で得た CF3 CF2 CF2 OCF (CF3 ) CF2 OCF (CF3 ) COFを当モル量のメタノールと、
フッ化ナトリウムの存在下、 反応させて、 CF3 CF2 CF2 OCF (CF3 ) CF2 OCF (CF3 ) C00CH3 を得た。 得られた CF3 CF2 CF2 OCF (CF3 ) CF2 OCF (CF3 ) C00C¾を 2—プロパノール中で 、水素化ホウ素ナトリウムと反応させ、 CF3 CF2 CF2 OCF (CF3 ) CF2 OCF (CF3 ) C¾ OHを得 た。得られた CF3 CF2 CF2 OCF (CF3)CF2 OCF (CF3)C¾ OHを、上記エステル化工程と同様 の条件で (SC¾ CH2 CH2 COOH) 2と反応させて、
(S (C¾ ) 3 C00CH2 CF (CF3 ) 0CF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3 ) 2を得た。
得られた (S (CH2) 3 C00C¾ CF (CF3)0CF2 CF (CF3)0CF2 CF2 CF3)2を、 上記の酸化工程 、 およびフッ素置換反応と同様の条件で反応を行い、
FS02 (CH2 ) 3 C00CH2 CF (CF3 ) 0CF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3を得た。 得られた
FS02 (CH2 ) 3 C00CH2 CF (CF3 ) 0CF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3を、 上記フッ素化工程と同様の 条件で反応させ、 FS02 (CF2)3COOCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)OCF2CF2CF3を得た。 得ら れた FS02 (CF2 ) 3 C00CF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF (CF3 ) 0CF2 CF2 CF3を上記分解工程と同様の条 件で分解して、 FS02 (CF2)3 C0Fおよび CF3 CF2 CF2 OCF (CF3)CF2 OCF (CF3) COFを得た。
(例 2) FS02 (CF2)40CF=CF2の製造例
(例 2— 1 ) FS02 (CH2 ) 3COOCH2CF2CF2CF2CHF2の製造
(S (CH2)3COOH)2 (3 0 0 g) と H0CH2CF2CF2CF2CHF2 ( 2 9 2 g) を用いる以外は 、 同様の方法で、 例 1一 1に記載のエステル化工程、 例 1一 2に記載の酸化工程 、例 1一 3に記載のフッ素置換工程を順に行って、 FS02 (CH2)3COOC¾CF2CF2CF2CHF2 (3 80 g) を得た。
]H NMR (3 0 0. 4MHz ; CDC ", TMS) δ 2. 30 (m, 2 H), 2. 7 0 (t, J =7. lHz, 2H), 3. 5 2 (m, 2 H) , 4. 6 3 ( t, J = 1 3. 7 Hz, 2H), 6. 0 5 (t t, J = 5. 1 , 5 1. 8 Hz, 1 H) ;
19 F NMR (2 8 2. 7 MHz ; CDC 13, CFC 13) δ 53. 2 (1 F ) , - 1 1 9. 3 (2 F), - 1 24. 8 (2 F), 一 1 2 9. 4 (2 F) , - 1 3 6. 6 (2 F).
(例 2 _ 2 ) FS02 (CF,) 3 C00CF2CF2CF2CF2CF3の製造
例 2— 1で得た FS02 (CH2)3C00CH2CF2CF2CF2CHF2 (3 8 0 g) を用いる以外は、 同 様の方法で、例 1一 4に記載のフッ素化工程を行い、 FS02 (CF2) C00CF2CF2CF2CF2CF3
を 280 g含む粗液を得た。 収率 55%。
19 F NMR (282. 7 MH z; CDC 13, CFC 13) 6 46. 3 (1 F), -8 1. 2 (3 F), -86. 5 (2 F) , - 108. 3 (2 F) , 一 1 18. 1 (2 F) , - 120. 8 (2 F) , - 1 23. 6 (2 F) , - 125. 8 ( 2 F), - 1 26. 7 (2 F)。
(例 2 _ 3 ) FS02 (CF2) 3 C0Fの製造 (その 2)
例 2— 2で得た FS02 (CF2) 3C00CF2CF2CF2CF2CF3を 280 g含む粗液を KF粉末 (3. 2 g) と共にフラスコに仕込み、 激しく撹拌を行いながらオイルバス中で 85〜90°Cのオイルバス中で 85〜90°Cで 2時間加熱した。 フラスコ上部に は 20°Cに温度調節した還流器を設置した。 冷却後、 回収された液状サンプルを 蒸留して FS02 (CF2) 3 COF (150 g) を得た。 収率 95%。
(例 2— 4 ) FS02 (CF2 ) 4 OCF (CF3) COFの製造例 (その 2 )
例 2— 3で得た FS02 (CF2) 3 COF (1 50 g) を、 C s F粉末 (6. 5 g)、 ジ グライム (32 g) と共にォ一トクレーブ (内容積 250mL) に仕込み、 氷冷 下、 撹拌を行いながら HFPO (93 g) を 3時間かけて導入した。 つづいて 1 時間撹拌してから、オートクレープ内容物を減圧蒸留して FS02 (CF2)40CF (CF3) COF (21 5 g) を得た。 収率 90%。
(例 2— 5 ) FS02 (CF2 ) 4 OCF (CF3) COOKの製造
炭酸水素カリウム (48 g) とモノグライム (240mL) をフラスコに仕込 み、 氷冷下、 撹拌を行いながら例 2— 4で得た FS02 (CF2)40CF (CF3) COF (21 5 g ) を滴下した。 滴下終了後、 さらに 30分撹拌してから、 溶媒を留去した後、 9 5°Cで 8日間、 真空乾燥して FS02 (CF2)40CF (CF3) COOK (184 g) を得た。 収率 80%。
液体窒素で冷やした卜ラップを備えたフラスコに例 2— 5で得た
FS02 (CF2)40CF(CF3)C00K (1 84 g) を仕込み、 フラスコを減圧 (400 P a、 ただし絶対圧) して 1 80〜210°Cに加熱すると、 トラップに液体 (140 g ) が留出した。 液体を19 F NMRで分析した結果、 FS02 (CF2)40CF=CF2の生成を 確認した。 収率 95 %。
1 9 F NMR (282. 7MHz ; CDC ", CFC 13) δ 46. 1 (1 F), -85. 1 (3 F), — 108. 1 (2 F), —113. 9 (1 F), — 12 0. 6 (2 F), -122. 0 (1 F), - 125. 2 (2 F), - 136. 0 (1 F) .
<産業上の利用可能性 >
本発明によれば、 従来の方法が有する製造上の困難性を解決し、 安価で入手が 容易な原料から効率的に、 様々な分子構造を有する含フッ素スルホニルフルオリ ド化合物を製造できる。