JPWO2002053267A1 - ファンフィルタユニット及びその製造方法、露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ファンフィルタユニット及びその製造方法、露光装置、並びにデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、半導体素子等の電子デバイスを製造する際に露光装置等のデバイス製造装置に接続されるファンフィルタユニット及びその製造方法、前記ファンフィルタユニットと接続された露光装置、並びに前記露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
背景技術
従来より、半導体素子、液晶表示素子等を製造するリソグラフィ工程では、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)などの露光装置が用いられている。
近年、これらの露光装置では、半導体素子等の高集積化に応じて回路パターンが微細化し、必然的に解像力の向上が要請されるようになったのに伴い、露光波長が短波長化している。現在では、発振波長248nmのKrFエキシマレーザや、更に短波長の発振波長193nmのArFエキシマレーザが光源として使用されるに至っている。かかる短波長化した光源を用いる露光装置では、各光源の輝度不足を補うためにレジストの感度を上げて対応しようとの観点から、基板上に塗布されるレジストとして、レジスト中の感光剤に酸発生剤を含み、露光で発生した酸により、続く熱処理(PEB)において触媒反応が誘起され、現像液に対して不溶化(ネガ型)又は可溶化(ポジ型)が促進される、高感度の化学増幅型レジスト(chemically amplified resist)が用いられるようになっている。
ところで、最近になって雰囲気中の微量ガスが、露光装置に対して悪影響をもたらすことが分かってきた。例えば、基板上にポジ型化学増幅型レジストを塗布した場合、雰囲気中のppbレベルの微量な塩基性ガス(アンモニア等)が、当該ポジ型化学増幅型レジストの表面に発生した酸触媒を中和して表面難溶化層を形成し、露光して現像した後、矩形になるべきレジスト断面がTシェイプと呼ばれる、Tの字に似たひさしを形成してしまう現象が生じる。そのままでは高感度レジストである化学増幅型レジストを用いることができないので、オーバーコート等が必要となり、スループットが低下することになる。
また、露光光の短波長化、高照度化に伴い、雰囲気中の例えばアンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物あるいは有機物などが短波長の露光光による強いエネルギを受けて光化学反応を起こし、露光装置内の光学部品の表面に曇り物質として析出する。この析出が、ある程度の量になってくると光線の散乱や光吸収の原因となり、照射面上での照度低下や照度の面内均一性悪化という現象を生じさせることがわかってきた。このように、雰囲気中の化学的汚染物質を低濃度に抑え込んでおくことが重要になってきている。
このような理由により、現状の露光装置では、内部の環境を厳密に管理することが求められている。
一方、露光装置は、非常に精密な装置であることからその各部に所望の性能を発揮させるため、従来の露光装置では、露光装置本体が環境制御チャンバ(エンバイロンメンタル・チャンバ)内に収容されている。そして、この環境制御チャンバ内部には、前述したアンモニアその他の化学的汚染物質の濃度を低濃度にするため、化学的汚染物質を化学吸着及び物理吸着にて除去するフィルタ装置(以下、適宜「ケミカルフィルタ装置」とも呼ぶ)が配置されている。
半導体素子は将来的に更なる高集積化の実現が要請されることは確実であり、露光装置に対してもこれに応えるべく、より高精度な露光を実現できることが要請される。このため、露光装置の構成各部の更なる性能の向上が求められ、その1つとして、環境制御チャンバ内部の化学的汚染物質の更なる低減がある。
環境制御チャンバ内部には、環境制御チャンバ内部の気体に含まれる化学的汚染物質を効率的に除去するためのケミカルフィルタ装置が複数個配置されている。
環境制御チャンバ内部の気体は、大部分循環しているが、環境制御チャンバ内部を陽圧に維持するため一部外気を取り入れている。ところが、この外気中に含まれる化学的汚染物質の種類や濃度は、環境制御チャンバの設置場所等により必ずしも一定ではない。もし、高濃度の化学的汚染物質が外気中に含まれていると、環境制御チャンバ内部のケミカルフィルタ装置では十分に除去できない。このことは、要求される露光精度が厳しくなると、その露光精度を実現する障害となりかねない。また、環境制御チャンバ内部に配置されているケミカルフィルタ装置の劣化が加速され、フィルタ媒体の頻繁な交換により生産性の低下を招くおそれがある。
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたもので、その第1の目的は、設置場所の気体中に含まれる化学的汚染物質を選択的に除去し、ケミカルクリーンな気体を送出できるファンフィルタユニットを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、環境制御チャンバ内に供給される気体の化学的汚染物質の濃度を許容される範囲内に維持することにより、露光精度の向上及び生産性の向上を図ることができる露光装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、高集積度のマイクロデバイスを生産性良く製造することができるデバイス製造方法を提供することにある。
発明の開示
本発明は、第1の観点からすると、気体に含まれる化学的汚染物質を除去して外部に送出するファンフィルタユニットであって、気体の流路が内部に形成されたユニット本体と;前記ユニット本体の内部に配置され、前記流路内に前記気体を吸い込むとともに前記流路を通過した気体を前記ユニット本体の外部に送出する送風機と;前記ユニット本体の内部の前記流路部分に配置され、前記流路内を通過する前記気体中に含まれる、アンモニア、硫黄酸化物、及び窒素酸化物の少なくとも一つの特定化学物質を含む化学物質を除去対象の化学物質とし、通過後の前記気体中に含まれる前記特定化学物質の濃度を0.01μg/m3〜0.5μg/m3の範囲の濃度に調整するフィルタ部と;を備えるファンフィルタユニットである。
これによれば、送風機により気体がユニット本体の内部に形成された流路内に吸い込まれ、その気体中に含まれる除去対象の化学物質、すなわち化学的汚染物質のうち、アンモニア、硫黄酸化物、及び窒素酸化物のうちの少なくとも一つの特定化学物質の濃度が、上記規定範囲の最大値(0.5μg/m3)を超える濃度である場合は、前記フィルタ部により選択的に除去され、前記特定化学物質の濃度が上記規定範囲(0.01μg/m3〜0.5μg/m3)の濃度に調整される。従って、特定化学物質の濃度が規定範囲の上限値以下に抑えられたケミカルクリーンな気体をユニット本体の外部に送出することができる。ここで、特定化学物質がアンモニア、硫黄酸化物、及び窒素酸化物の全てを含む場合には、これらの全ての濃度が規定範囲の上限値以下に抑えられる。
また、規定範囲の上限値は、特定化学物質がアンモニア、硫黄酸化物、及び窒素酸化物等の複数の物質を含む場合、これら複数の物質を総合した総合濃度に対して設定しても良い。
この場合において、前記フィルタ部は、前記通過後の前記気体中に含まれる前記特定化学物質の濃度を0.01μg/m3〜0.2μg/m3の範囲の濃度に調整することが好ましい。
本発明のファンフィルタユニットでは、前記除去対象の化学物質に、有機物が更に含まれている場合には、前記フィルタ部は、通過後の前記気体中に含まれる前記有機物の濃度を、トルエン換算で0.1μg/m3〜30μg/m3の範囲の濃度に調整することとすることができる。
この場合において、前記フィルタ部は、通過後の前記気体中に含まれる前記有機物の濃度を、トルエン換算で0.1μg/m3〜10μg/m3の範囲の濃度に調整することが好ましい。
本発明のファンフィルタユニットでは、前記ユニット本体に設けられ、前記フィルタ部を通過した前記気体をデバイス製造装置に供給する供給部を有することとすることができる。
この場合において、デバイス製造装置としては種々の装置がファンフィルタユニットに接続可能であるが、例えば、前記デバイス製造装置が、エネルギビームにより光学系を介して基板を露光して所定のパターンを前記基板上に形成する露光装置である場合には、前記供給部は、前記露光装置の少なくとも一部を収容するチャンバに接続されることとすることができる。
本発明は、第2の観点からすると、気体中に含まれる化学的汚染物質をフィルタ部により除去して外部に送出するファンフィルタユニットの製造方法であって、設置空間の気体中に含まれる複数種類の化学的汚染物質の濃度をそれぞれ測定する工程と;前記測定結果に基づいて、前記気体中から前記複数種類の化学的汚染物質をそれぞれ除去する複数種類のフィルタ媒体の中から少なくも1つのフィルタ媒体を選択し、その選択したフィルタ媒体を用いて前記フィルタ部を構成する工程と;を含むファンフィルタユニットの製造方法である。
これによれば、ファンフィルタユニットが設置される場所の雰囲気に応じて測定対象となる化学的汚染物質を予め定めることにより、その設置される場所に最適なフィルタ部が構成される。このため、ファンフィルタユニットから外部に送出される気体中に含まれる濃度測定が行われた化学的汚染物質、すなわち特に濃度の抑制が必要な化学的汚染物質の濃度を規定範囲内に抑えることができる。
この場合において、前記測定の対象となる化学的汚染物質には、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、及び有機物の少なくとも1つが含まれることとすることができる。
本発明は、第3の観点からすると、エネルギビームにより光学系を介して基板を露光して所定のパターンを前記基板上に形成する露光装置であって、本発明のファンフィルタユニットに接続され、前記ファンフィルタユニットを介して化学的汚染物質が抑制された気体が供給されるチャンバと;前記エネルギビームの光路の少なくとも一部を含むその構成部分が前記チャンバ内に収容され、前記エネルギビームにより光学系を介して基板を露光する露光装置本体と;を備える第1の露光装置である。
これによれば、本発明のファンフィルタユニットにより、化学的汚染物質のうち、アンモニア、硫黄酸化物、及び窒素酸化物のうちの少なくとも一つの特定化学物質の濃度が、前述の規定範囲の上限値以下に抑えられた気体がチャンバ内に供給される。このため、前記チャンバ内をケミカルクリーンな状態に維持することができる。従って、結果的にエネルギビームの光路を構成する光学部材の化学的汚染に起因する露光精度の低下を抑制することができる。
本発明は、第4の観点からすると、ファンフィルタユニットに接続される露光装置であって、エネルギビームにより光学系を介して基板を露光して所定のパターンを前記基板上に形成する露光装置本体と;前記エネルギビームの光路の少なくとも一部を含む前記露光装置本体の少なくとも一部が収容され、前記ファンフィルタユニットを介して化学的汚染物質が抑制された気体が供給されるチャンバと;を備え、前記チャンバ内の気体中に含まれるアンモニア、硫黄酸化物、及び窒素酸化物の濃度は、0.01μg/m3〜0.5μg/m3の範囲の濃度にそれぞれ維持されていることを特徴とする第2の露光装置である。
これによれば、前記ファンフィルタユニットから前記チャンバ内に供給される気体中に含まれる化学的汚染物質であるアンモニア、硫黄酸化物、及び窒素酸化物の濃度は、それぞれ前記チャンバ内で許容される上限値(0.5μg/m3)以下に抑えられているため、前記チャンバ内の気体をケミカルクリーンな状態に維持することができる。従って、結果的にエネルギビームの光路を構成する光学部材の化学的汚染に起因する露光精度の低下を抑制することができる。
この場合において、前記チャンバ内の気体中に含まれるアンモニア、硫黄酸化物、及び窒素酸化物の濃度は、0.01μg/m3〜0.2μg/m3の範囲の濃度にそれぞれ維持されていることが好ましい。
本発明の第2の露光装置では、前記チャンバ内に配置されるとともに、アンモニア、硫黄酸化物、及び窒素酸化物の少なくとも1つを除去対象物質とする化学物質除去フィルタを更に備えることとすることができる。かかる場合には、その化学物質除去フィルタの劣化が抑制され、化学物質除去フィルタを交換するまでの時間間隔が長くなり、結果的に生産性を向上させることが可能となる。
本発明は、第5の観点からすると、ファンフィルタユニットに接続される露光装置であって、エネルギビームにより光学系を介して基板を露光して所定のパターンを前記基板上に形成する露光装置本体と;前記エネルギビームの光路の少なくとも一部を含む前記露光装置本体の少なくとも一部が収容され、前記ファンフィルタユニットを介して化学的汚染物質が抑制された気体が供給されるチャンバと;を備え、前記チャンバ内の気体中に含まれる有機物の濃度は、前記エネルギビームの波長に応じた許容範囲内の濃度に維持されていることを特徴とする第3の露光装置である。
これによれば、前記ファンフィルタユニットから前記チャンバ内に供給される気体中に含まれる化学的汚染物質である有機物の濃度は、前記エネルギビームの波長に応じて許容される上限値以下に抑えられているため、前記チャンバ内の気体を前記エネルギビームの波長に応じたケミカルクリーンな状態に維持することができる。従って、結果的にエネルギビームの光路を構成する光学部材の化学的汚染に起因する露光精度の低下を抑制することができる。
この場合において、前記エネルギビームが波長193nmのArFエキシマレーザ光の場合である場合、前記チャンバ内の気体中に含まれる有機物の濃度は、許容範囲としてトルエン換算で0.1μg/m3〜30μg/m3の範囲、好ましくは0.1μg/m3〜10μg/m3の範囲の濃度に維持されていることとすることができる。
本発明の第3の露光装置では、前記エネルギビームが波長248nmのKrFエキシマレーザ光である場合には、前記チャンバ内の気体中に含まれる有機物の濃度は、許容範囲としてトルエン換算で0.1μg/m3〜150μg/m3、好ましくは0.1μg/m3〜50μg/m3に維持されていることとすることができる。
本発明の第3の露光装置では、前記チャンバ内に配置されるとともに、少なくとも有機物を除去対象物質とする化学物質除去フィルタを更に備えることとすることができる。かかる場合には、その化学物質除去フィルタの劣化が抑制され、化学物質除去フィルタを交換するまでの時間間隔が長くなり、結果的に生産性を向上させることが可能となる。
本発明は、第6の観点からすると、ファンフィルタユニットに接続される露光装置であって、エネルギビームにより光学系を介して基板を露光して所定のパターンを前記基板上に形成する露光装置本体と;前記露光装置本体の少なくとも一部が収容され、前記ファンフィルタユニットを介して化学的汚染物質が抑制された気体が供給されるチャンバと;前記チャンバ内の空調を行う空調装置と;前記ファンフィルタユニットと前記空調装置及び前記露光装置本体とを互いの稼動状態に応じてそれぞれを制御する制御装置と;を備える第4の露光装置である。
これによれば、制御装置が、前記ファンフィルタユニットと前記空調装置及び前記露光装置本体とを互いの稼動状態に応じてそれぞれを制御する。すなわち、制御装置は、前記ファンフィルタユニットと前記空調装置及び前記露光装置本体とを連動して制御する。このため、制御装置は、例えば前記空調装置及び前記露光装置本体が停止した時に、前記ファンフィルタユニットからの気体供給を自動的に停止させることができ、これにより前記チャンバ内に化学的汚染物質が混入するのを防止することができる。また、制御装置は、例えば前記ファンフィルタユニットに異常が発生した時に、前記空調装置及び前記露光装置本体を自動的に停止させることができ、これにより前記チャンバ内に化学的汚染物質が混入するのを防止することができる。
この場合において、前記制御装置は、前記空調装置及び前記露光装置本体の稼動状態が電源オフの及び緊急停止のいずれかの場合に、前記ファンフィルタユニットから前記チャンバ内への気体の供給を停止することとすることができる。
また、本発明の第4の露光装置では、制御装置は、前記ファンフィルタユニットの稼動状態が緊急停止の場合に、前記空調装置及び前記露光装置本体への電源供給を停止することとすることができる。
本発明の第4の露光装置では、前記ファンフィルタユニットからの外気供給状況を通知するための警報装置を更に備える場合に、前記制御装置は、前記ファンフィルタユニットの稼動状態が電源オフの場合、前記警報装置を用いて前記外気供給が停止されたことを外部に通知することとすることができる。
また、リソグラフィ工程において、本発明の第1〜第4の露光装置のいずれかを用いて露光を行うことにより、長期に渡って光学材料の曇りによる照度低下等の弊害の発生を抑制することができ、これにより高いスループットを維持して高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。従って、本発明は、更に別の観点からは、本発明の第1〜第4の露光装置のいずれかを用いて露光を行うデバイス製造方法であるとも言える。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の一実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。図1には、本発明に係るファンフィルタユニット100が接続された一実施形態に係るデバイス製造装置としての露光装置10の全体構成が概略的に示されている。
先ず、露光装置10の構成について説明する。
この露光装置10は、図1に示されるように、クリーンルーム内の床面F上に設置されたチャンバ12と、このチャンバ12に隣接して配置された機械室14とを備えている。 そして、この機械室14底部のチャンバ12と反対側には、外気取り入れ口としての取入口50が形成されており、前記ファンフィルタユニット100は、供給部としてのステンレス鋼製のダクト200を介して、この取入口50に接続されている。
なお、ダクト200は、ステンレス鋼製に限定されるものではなく、脱ガスが少なく、しかも洗浄が容易な材料(例えば、フッ素系の樹脂)で形成されていれば良い。
チャンバ12内は、高度に雰囲気調整された空気が循環しており、チャンバ12内の清浄度を保つために、外部に対して常に陽圧に保たれている。そのためチャンバ12の前面等や不図示のインラインインターフェイス部等から空気が外部に漏れており、この漏れ分を補うため、外気(チャンバ12が設置されているクリーンルームの空気)を取り入れる取入口50が設けられている。
また、露光装置10は、露光装置全体を統括制御する図示しない制御ラックを備えており、この制御ラックには制御装置70(図1では図示せず、図2参照)が設置されている。さらに、この制御ラックには露光装置の電源スイッチ95、及び緊急停止ボタン96(図1では図示せず、図2参照)が具備されており、オペレータが操作するようになっている。そして、オペレータがこれら電源スイッチ95、及び緊急停止ボタン96を操作すると制御装置70に通知されるようになっている。また、制御ラックには外気供給停止ランプ97(図1では図示せず、図2参照)が具備されており、オペレータに前記ファンフィルタユニット100からの外気供給状況を通知するようになっている。この外気供給停止ランプ97は制御装置70の指示で点灯、及び消灯するようになっている。
さらに、制御装置70は、図2に示されるように、前記ファンフィルタユニット100と連動するために、4本の信号線(運転/停止入力信号OPI、緊急停止入力信号EMI、エラー出力信号ERO、緊急停止出力信号EMO)を介して前記ファンフィルタユニット100と電気的に接続されている。
また、チャンバ12の内部は、環境条件(清浄度、温度、圧力等)がほぼ一定に維持され、その内部空間内には、機械室14側の1つの大部屋16と、この大部屋16の機械室14と反対側に上下2段に配置された2つの小部屋18、20とが設けられている。この内、大部屋16は、その内部に露光装置本体22が収容された露光室となっている。以下においては、この大部屋16を、露光室16と呼ぶ。
前記露光室16に収容された露光装置本体22は、ミラーM1,M2を含む照明光学系28、この照明光学系28の下方に配置された投影光学系PL、この投影光学系PLと照明光学系28との間に配置され、マスクとしてのレチクルRを保持するレチクルステージRST、投影光学系PLの下方に配置され、基板としてのウエハWを保持するウエハステージWST、及び投影光学系PLを保持するとともにウエハステージWSTが搭載された本体コラム30等を備えている。なお、前記照明光学系28、及び前記投影光学系PLは露光装置本体22の光学系の一部をなしている。
照明光学系28は、ミラーM1,M2の他、オプチカルインテグレータ、視野絞り(いずれも図示省略)等を含み、これらの光学部材が不図示の照明系ハウジング内に所定の位置関係で収容されて成る。この照明光学系28は、不図示の引き回し光学系(リレー光学系)を介して不図示の光源としてのKrFエキシマレーザ(出力波長248nm)あるいはArFエキシマレーザ(出力波長193nm)等のエキシマレーザに接続されている。上記の引き回し光学系は、その少なくとも一部にビーム・マッチング・ユニットと呼ばれる、光源と照明光学系28との間の光軸調整用の光学系を含んでいる。また、図示は省略されているが、照明光学系28が収容される照明系ハウジング、上記引き回し光学系が収容される筐体(鏡筒)は、それぞれ内部が不活性ガス(例えば窒素、ヘリウムなど)でパージされ、清浄度が極めて良好に維持されるようになっている。
また、前記一方の小部屋18は、その内部に、複数枚のマスクとしてのレチクルを保管するレチクルライブラリ80、水平多関節型ロボットから成るレチクルローダ82が、露光室16と反対側から順次配置されている。レチクルローダ82によって、レチクルRが露光装置本体22を構成するレチクルステージRST上に搬入され、かつレチクルステージRST上から搬出される。本実施形態では、これらレチクルライブラリ80とレチクルローダ82とによってレチクルローダ系が構成され、小部屋18に収容されている。そこで、以下においては、小部屋18をレチクルローダ室18と呼ぶものとする。
なお、レチクルローダ系は、上記構成に限られるものではなく、例えば複数枚のレチクルを収容可能なボトムオープンタイプの密閉式カセット(コンテナ)をレチクルライブラリ80の代わりに用いても良いし、あるいはレチクルローダとして搬送アームをスライドさせる機構を用いても良い。また、レチクル保管部(レチクルライブラリ80)とレチクルローダ82とを異なる部屋に配置しても良いし、あるいは前述の密閉式カセットをレチクルローダ室18の上部に載置し、その気密性を維持した状態でボトムオープンにてレチクルをレチクルローダ室18内に搬入するようにしても良い。つまり、小部屋18にはレチクルローダのみが配置されていても良い。
また、他方の小部屋20は、その内部に、複数枚の基板としてのウエハを保管するウエハキャリア84、ウエハキャリア84に対してウエハを出し入れする水平多関節型ロボット86及び該ロボット86と露光装置本体22を構成するウエハステージWSTとの間でウエハを搬送するウエハ搬送装置88とが収容されている。本実施形態では、これらウエハキャリア84、ロボット86及びウエハ搬送装置88によってウエハローダ系が構成され、小部屋20に収容されている。そこで、以下においては、小部屋20をウエハローダ室20と呼ぶものとする。
なお、ウエハローダ系は、上記構成に限られるものではなく、例えば多関節型のロボットのみでウエハローダ系を構成しても良いし、ウエハローダ室20内にウエハローダのみを配置しても良い。
また、上記露光室16、レチクルローダ室18、ウエハローダ室20は、ステンレス鋼あるいはテフロン(登録商標)等の脱ガスの少ない素材から成る給気管路24及び伸縮可能な蛇腹状の接続部26を介して機械室14に接続されている。
前記照明光学系28は、少なくとも一部を露光室16の外部に配置しても良いし、これに加えて、あるいは単独で、光源、引き回し光学系、及び照明光学系28を除く残りの一部(例えばウエハステージWSTなど)を露光室とは別の筐体内に配置しても良い。この場合、上記別の筐体は、露光室の内部に配置しても良いし、露光室外に配置しても良い。要は、露光室16内には露光装置本体の少なくとも一部が配置されていれば良く、露光室16内に配置する部材やその構成は任意で構わない。
前記本体コラム30は、チャンバ12の底面上に設置されたベースプレートBPの上方に複数の防振台32を介して支持されている。この本体コラム30は、防振台32によって支持されたメインコラム34と、このメインコラム34上部に立設されたサポートコラム36とを有している。メインコラム34の天井面を成すメインフレームにファーストインバと呼ばれる不図示の保持部材を介して投影光学系PLがその光軸方向を図1における上下方向として保持されている。この投影光学系PLとしては、ここでは、投影倍率が1/4あるいは1/5の縮小光学系が用いられている。サポートコラム36は、不図示の照明系ハウジングの少なくとも一部を下方から支持している。
前記ウエハステージWSTは、メインコラム34の底板を構成するステージベース上で不図示の平面モータやリニアモータ等の駆動装置によって2次元方向に駆動される。このウエハステージWSTの上面には、ウエハホルダ38を介してウエハWが真空吸着等によって固定されている。ウエハステージWSTのXY面内の位置、及び回転量(ヨーイング量、ピッチング量、及びローリング量の少なくとも1つ)は、ウエハステージWST上に設けられた不図示の移動鏡を介してレーザ干渉計IFによって例えば0.5〜1nm程度の分解能で計測されている。
前記レチクルステージRSTは、メインコラム34の上面に設けられた不図示のセカンドインバと呼ばれる支持部材の天井部を構成する不図示のレチクルステージベース上に載置されている。このレチクルステージRSTは、露光装置本体22が静止露光を行うタイプの場合には、水平面内で微少駆動可能に構成され、走査露光を行うタイプの場合には、上記に加え、所定の走査方向に所定ストローク範囲で駆動可能に構成される。
このようにして構成された露光装置本体22によると、不図示のエキシマレーザから出射されたパルス紫外光が、各種レンズやミラー等からなる照明光学系28で必要な大きさ、及び照度均一性に整形されて、所定のパターンが形成されたレチクルRを照明し、このレチクルRに形成されたパターンが投影光学系PLを介してウエハステージWST上に保持されたウエハW上の各ショット領域に縮小転写されるようになっている。
本実施形態では、ウエハWとして、例えば、その表面に感光剤としてポジ型の化学増幅型レジストが塗布されたものが使用される。
チャンバ12内における前記給気管路24の一端(機械室14側の端部)には、機械室14からチャンバ12内に供給される空気中に含まれる化学的汚染物質を除去するケミカルフィルタCF1aが配置されている。
給気管路24の他端側は、2つに分岐され、その一方の分岐路24aはレチクルローダ室18に接続され、そのレチクルローダ室18側の噴き出し口の部分には、レチクルローダ室18内に流入する空気中のパーティクルを除去するULPAフィルタ(ultra low penetration air−filter)及びフィルタプレナムから成るフィルタボックスAF1が設けられている。また、レチクルローダ室18のフィルタボックスAF1と反対側には、リターン部40が設けられ、このリターン部40の外側の部分にリターンダクト42の一端が接続され、このリターンダクト42の他端側は機械室14の底面の一部に接続されている。
前記分岐路24aには、更に分岐路24cが設けられ、この分岐路24cは、ウエハローダ室20に接続され、そのウエハローダ室20側の噴き出し口の部分には、ウエハローダ室20内に流入する空気中のパーティクルを除去するエアフィルタとしてのULPAフィルタ及びフィルタプレナムから成るフィルタボックスAF2が設けられている。また、ウエハローダ室20のフィルタボックスAF2と反対側には、リターン部44が設けられ、このリターン部44のウエハローダ室20と反対側には、リターンダクト42に連通する排気口が設けられている。
また、前記他方の分岐路24bは、レチクルローダ室18の露光室16との境界部に形成された噴き出し口90のレチクルローダ室18側に配置された露光室16内に流入する空気中のパーティクルを除去するULPAフィルタ及びフィルタプレナムから成るフィルタボックスAF3に接続されている。そして、噴き出し口90から均一な気流がサイドフローにて露光室16の上部空間に送り込まれるようになっている。噴き出し口90が形成されたレチクルローダ室18と露光室16との境界部分には、図1のA−A線断面図である図3に示されるように、レチクル搬送エリア92を除いて、その周囲に複数のフィルタボックスAF3が配置されている。
また、露光室16の底部の機械室14側には、図1に示されるように、リターン部46が設けられ、このリターン部46下方のチャンバ12の底壁には、リターンダクト48の一端側に連通する排気口が形成され、リターンダクト48の他端側は機械室14の底面の一部に接続されている。
取入口50部分に対向して、取り込まれる外気中に含まれる化学的汚染物質を除去するケミカルフィルタCF2bが配置されている。前記ファンフィルタユニット100から供給された外気は、このケミカルフィルタCF2bを通過して機械室14内に送りこまれる。但し、このケミカルフィルタCF2bは、本実施形態のようにファンフィルタユニットが接続されている場合には必ずしも必要ではない。
機械室14内部の高さ方向中央やや下側の位置には、クーラー(ドライコイル)52が設けられている。このクーラー52の出口部分には、クーラー表面の温度を検出する第1温度センサ54が配置されている。この第1温度センサ54の検出値は、制御装置70(図1では図示せず、図2参照)に供給されている。
機械室14内の空気通路のクーラー52上方には、クーラー52から所定間隔を隔てて第1ヒータ56が配置されている。この第1ヒータ56上方の機械室14の出口部分には、第1送風機58が配置されている。
また、機械室14内の空気通路の第1ヒータ56の下方には、クーラー52を下方から上方に通過した空気の約1/5が流れ込む分岐路60が設けられ、この分岐路60の機械室14側の端部は、伸縮可能な蛇腹状部材60aにより構成されている。分岐路60の蛇腹状部材60aより機械室14と反対側の部分は、露光室16内に配置されている。分岐路60内には、第2ヒータ62、第2送風機64が順次配置され、この第2送風機64の機械室14と反対側に、ウエハステージWST近傍に対する空気の噴き出し口が形成されている。なお、クーラー52、第1ヒータ56、第2ヒータ62、第1送風機58、第2送風機64及びこれらの制御系等により、チャンバ12内の空調を行う空調装置が構成されている。
ウエハステージWST近傍の、第2送風機64から送られる空気の噴き出し口部分にケミカルフィルタCF1b、ULPAフィルタ及びフィルタプレナムから成るフィルタボックスAF4が配置されている。これらケミカルフィルタCF1b、フィルタボックスAF4が設けられた噴き出し口に対向して、露光室16のウエハローダ室20寄りの部分には、リターンダクト66の一端側の開口端が配置され、このリターンダクト66の他端側は機械室14の底面の一部に接続されている。
前記3つのリターンダクト42,48,66が接続された機械室14の底面の一部には、開口が形成され、この開口部に対向してケミカルフィルタCF2aが設けられている。このケミカルフィルタCF2aは、機械室14に設けられた不図示の開閉扉を介して容易に出し入れできるようになっている。
更に、機械室14内のクーラー52の下方には、ドレインパン68が配置されている。
前記チャンバ12内の前記給気管路24の分岐部の機械室14寄りの部分には、給気管路24内部の空気の温度を検出する第2温度センサ72が配置されている。この第2温度センサ72の検出値は、制御装置70(図1では図示せず、図2参照)に供給されている。
また、ケミカルフィルタCF1bの上流側には、第2送風機64から送り出される空気の温度を検出する第3温度センサ74が配置されている。この第3温度センサ74の検出値は、制御装置70(図1では図示せず、図2参照)に供給されている。
次に、本実施形態に係るファンフィルタユニット100の構成について説明する。
ファンフィルタユニット100は、図4に示されるように、内部に空気の流路130が形成されたユニット本体180と、該ユニット本体180の内部に下から上に順に配置された送風機120、フィルタ部140、HEPAフィルタ(high efficiency particulate air−filter)150等を備えている。
前記ユニット本体180の側壁の一部(図4における右側壁の下端部近傍)には、外気(クリーンルーム内の空気)を取り入れる外気取り入れ口110が形成され、この外気取り入れ口110がユニット本体180の内部に形成された前述の流路130の一端に連通している。ユニット本体180の他端(図4における上端)には、前記流路130の他端に連通する出口170が形成されている。この出口170は、ダクト200の一端部210が気密性を保った状態で接続可能な構造を有している。ダクト200の他端部220は、露光装置10の機械室14との接続部となっている。
前記送風機120は、流路130内部の一端部に配置され、外気取り入れ口110を介して空気を吸い込むとともに流路130の他端側に向けて送出するようになっている。
前記フィルタ部140は、流路130内の送風機120の下流側に配置され、送風機120から送出された空気中に含まれる除去対象の化学物質としてのアンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、及び有機物の少なくとも一つを選択的に除去する。ここで、フィルタ部140について更に説明すると、フィルタ部140は、気体中に含まれるアンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、及び有機物のうちいずれか一つを選択的に除去する2種のケミカルフィルタ141,142とから構成されている。
また、ケミカルフィルタ141,142は、フィルタ媒体と、このフィルタ媒体を保持する保持枠(不図示)とを備えている。フィルタ媒体の保持枠は、気体の通過方向に対する垂直断面が矩形状である枠状の部材であり、気体の通過方向両側(図4における紙面上下方向)に開口部が形成されている。しかもこの保持枠は、フィルタ媒体の外周部を隙間なく保持しており、保持枠の内部空間に入り込んだ気体は全てフィルタ媒体を通過するようになっている。また、保持枠の外周部は流路130の壁と隙間なく密着している。ここで、さらに保持枠と流路130の壁とを隙間なく密着させるために、フッ素系のゴム材を保持枠と流路130の壁との間に充填しても良い。
なお、保持枠は、フィルタの能力に関しては必ずしも必要なものではないが、フィルタ媒体の交換等の作業性及びメンテナンス性の向上に大いに寄与している。
また、フィルタ部140は、複数のケミカルフィルタを備える場合があるので、ユニット本体180内部のフィルタ部140が配置される部分には、少なくとも、アンモニア除去用、硫黄酸化物除去用、窒素酸化物除去用、及び有機物除去用の4種類のケミカルフィルタが同時に配置可能なスペースが確保されている。しかも、これらのケミカルフィルタの交換が短時間で容易に行えるような構造になっている。
さらに、ケミカルフィルタにおけるフィルタ媒体の空気の通過方向の幅と、その充填率は、いずれも、除去対象の化学物質としての化学的汚染物質の種類、濃度、及びファンフィルタユニットの供給流量等を総合的に勘案して決定される。
一般的に、ケミカルフィルタのフィルタ媒体としては、ハニカム状の構造をした炭素繊維が用いられているが、本実施形態では、除去対象の化学物質としての化学的汚染物質の種類や濃度によって種々の構造、及び材料成分のものが用いられる。
すなわち、カチオン成分及びアニオン成分の一方を活性炭やセラミック等の多孔質部材に添着させた添着型や、イオン交換基を有する繊維、樹脂シート等から成るイオン交換型、及び粒状活性炭、粉末状活性炭、セラミック等の多孔質部材から成る物質吸着型を用いることもできる。
前記HEPAフィルタ150は、流路130内のフィルタ部140の下流側に配置され、フィルタ部140を通過した空気中に含まれるパーティクルを除去するようになっている。
なお、本実施形態では、フィルタ部140の下流側に前記HEPAフィルタ150が配置されているが、これに限定されるものではなく、フィルタ部140の上流側にHEPAフィルタ150を配置しても良い。
さらに、ファンフィルタユニット100は、制御装置70とのインターフェース部160を備えている。
また、ファンフィルタユニット100には、3相200V(50/60HZ)の電源が接続されており、この電源をファンフィルタユニット100の各部に供給する電源スイッチ167(図4では図示せず、図5参照)と、異常発生時などにファンフィルタユニット100を強制的に停止させる緊急停止ボタン166(図4では図示せず、図5参照)とが具備されている。これら電源スイッチ167、及び緊急停止ボタン166は、オペレータが操作できるようになっている。
そして、オペレータがこれら電源スイッチ167、及び緊急停止ボタン166を操作すると、インターフェース部160に通知されるようになっている。
さらに、インターフェース部160には、図5に示されるように、制御装置70から入力信号として運転/停止入力信号OPIと、緊急停止入力信号EMIとが、それぞれの信号線を介して入力されるようになっている。また、インターフェース部160は、出力信号として緊急停止出力信号EMOと、エラー出力信号EROとをそれぞれの信号線を介して制御装置70へ出力するようになっている。そして、各信号はそれぞれリレー161,162,163,164を介して入力又は出力されるようになっている。
運転/停止入力信号OPIに対しては、リレー161を介して送風機120への供給電源が対応している。すなわち、運転/停止入力信号OPIが「ハイ」レベルになると、送風機120への電源供給が遮断され、反対に運転/停止入力信号OPIが「ロー」レベルになると、送風機120への電源供給が再開されるようになっている。但し、主電源165がオンであり、しかも緊急停止ボタン166が押されていない場合のみ有効である。
また、緊急停止入力信号EMIに対しては、リレー162を介してファンフィルタユニット100全体への供給電源すなわち主電源165が対応している。誤作動を防止し、動作を確実なものとするため、正常時は緊急停止入力信号EMIは「ハイ」レベルに維持されている。そして、緊急停止入力信号EMIが「ロー」レベルになると主電源165が遮断されるようになっている。また、ノイズ等の外乱による誤作動を防止するために、一定時間以上連続して、緊急停止入力信号EMIが「ロー」レベルに維持されている場合のみ有効としている。そして、それを判断する仕組みが付加されている。
さらに、緊急停止出力信号EMOは、リレー163を介して緊急停止ボタン166の接点状態が出力される。誤作動を防止し、動作を確実なものとするため、正常時は緊急停止出力信号EMOは「ハイ」レベルとなっている。オペレータにより緊急停止ボタン166が押されるとリレー163が作動し、緊急停止出力信号EMOが「ロー」レベルになる。なお、ノイズ等の外乱による誤作動を防止するため、緊急停止ボタン166が一定時間以上押され続けている場合のみリレー163を作動させる仕組みが付加されている。さらに、接点のチャタリング対策も当然行われている。また、緊急停止の重要性を考慮して、再度、主電源165がオフ・オンされるまで緊急停止出力信号EMOの「ロー」レベルを維持させる仕組みも付加されている。
また、エラー出力信号EROは、リレー164を介して電源スイッチ167のオン・オフ状態と連動している。電源スイッチ167がオンの時は、エラー出力信号EROは「ハイ」レベルであり、オペレータにより電源スイッチ167がオフになると、エラー出力信号EROは「ロー」レベルとなるようになっている。
なお、本実施形態では、インターフェース部160にリレーを備えているが、
これに限定されるものではない。すなわち、インターフェース部160は、単なる端子台のみとし、制御装置70にリレー等のスイッチング部材を備えることも可能である。また、制御装置70又はインターフェース部160にシーケンサ(プログラマブルコントローラ)を備え、上記のシーケンス制御を行うこともできる。
さらに、インターフェース部160への入出力信号は、上記4種類(運転/停止入力信号OPI、緊急停止入力信号EMI、緊急停止出力信号EMO、及びエラー出力信号ERO)に限定されるものではない。例えば、フィルタの配置情報、フィルタの汚染情報、及び送風機120の異常情報等を出力することも可能である。また、本実施形態では、各入出力信号はパラレル方式で伝達されているが、RS232C等のシリアル方式で伝達することも可能である。
つぎに、チャンバ12内で許容される化学的汚染物質の濃度について説明する。
露光装置10において、チャンバ12内部を循環している空気中に含まれる化学的汚染物質が照明光学系28及び投影光学系PLを構成する光学部材の表面に析出すると、露光光の透過率が低下し、照度の低下や不均一化を引き起こす。すなわち、露光精度が大きく低下する。
露光光が、照明光学系28や投影光学系PL等の光学系を通過する場合に、所定の照度を安定して確保するためには1枚の光学素子につき露光光の透過率は例えば99.5%以上が確保されていることが必要である。本実施形態では、光源から照射された露光光がウエハW上に到達するまでに通過する光学系において、空気中に露出していて化学的汚染物質の影響を受け易い光学素子の枚数は2枚(投影光学系PLにおけるレチクルステージRST直下の光学素子とウエハW直上の光学素子)であるものとする。この場合、(0.995)2≒0.990、すなわち、化学的汚染物質による上記光学系全体での露光光の透過率の低下率は1.0%以下であることが要求される。
そこで、露光光がArFエキシマレーザ光の場合に、ケミカルフィルタCF1aを通過後の空気中に含まれる有機物のトルエン換算濃度と、上記光学系を通過した露光光の透過率との関係を実験で求めた。その結果、図6に示されるように、ケミカルフィルタCF1aを通過後の空気中に含まれる有機物のトルエン換算濃度が30μg/m3の時に、上記光学系を通過した露光光の透過率の低下率が1.0%となった。この実験結果に基づいて、ケミカルフィルタCF1aを通過後の空気中に許容される有機物の濃度はトルエン換算で30μg/m3以下であると規定した。
しかしながら、メンテナンス間隔を長くし、生産性を向上させるためには、1枚の光学素子につき露光光の透過率は99.9%以上が確保されていることが望ましい。そこで、本実施形態のように2枚相当の光学素子が化学的汚染物質の影響を受ける場合には、(0.999)2≒0.998、すなわち、化学的汚染物質による上記光学系全体での露光光の透過率の低下率は0.2%以下であることが望ましいとした。図6に示されるように、実験によると、ケミカルフィルタCF1aを通過後の空気中に含まれる有機物のトルエン換算濃度が10μg/m3の時に、上記光学系を通過した露光光の透過率の低下率が0.2%となった。この実験結果に基づいて、ケミカルフィルタCF1aを通過後の空気中に含まれる有機物の濃度はトルエン換算で10μg/m3以下であることが望ましいとした。
なお、有機物が全く含まれていないことが理想ではあるが、現在用いられている分析装置の検出限界が0.1μg/m3であることから、下限値を0.1μg/m3と規定した。換言すれば、下限値は、分析装置の検出限界によって変動する値である。
すなわち、露光光がArFエキシマレーザ光の場合に、ケミカルフィルタCF1aを通過後の空気中に含まれる有機物の濃度は、トルエン換算で0.1μg/m3〜30μg/m3、好ましくは0.1μg/m3〜10μg/m3に維持されていることが必要である。
また、露光光がKrFエキシマレーザ光の場合には、実験では、図7に示されるように、ケミカルフィルタCF1aを通過後の空気中に含まれる有機物のトルエン換算濃度が150μg/m3の時に、上記光学系を通過した露光光の透過率の低下率が1.0%となった。この実験結果に基づいて、ケミカルフィルタCF1aを通過後の空気中に許容される有機物の濃度はトルエン換算で150μg/m3以下であると規定した。
しかしながら、メンテナンス間隔を長くし、生産性を向上させるためには、ArFエキシマレーザ光の場合と同様な理由で、化学的汚染物質による上記光学系全体での露光光の透過率の低下は0.2%以下であることが望ましい。図7に示されるように、実験では、ケミカルフィルタCF1aを通過後の空気中に含まれる有機物のトルエン換算濃度が50μg/m3の時に、上記光学系を通過した露光光の透過率の低下率が0.2%となった。この実験結果に基づいて、ケミカルフィルタCF1aを通過後の空気中に含まれる有機物の濃度はトルエン換算で50μg/m3以下であることが望ましいとした。また、下限値については、ArFエキシマレーザ光の場合と同様な理由で0.1μg/m3と規定した。
すなわち、露光光がKrFエキシマレーザ光の場合に、ケミカルフィルタCF1aを通過後の空気中に含まれる有機物の濃度は、トルエン換算で0.1μg/m3〜150μg/m3、好ましくは0.1μg/m3〜50μg/m3に維持されていることが必要である。
また、露光光がArFエキシマレーザ光の場合に、アンモニア、硫黄酸化物、及び窒素酸化物についても、有機物の場合と同様な実験を行った。そして、これらの実験結果に基づいて、有機物の場合と同様な理由で、ケミカルフィルタCF1aを通過後の空気中に許容される濃度範囲を規定した。
すなわち、ケミカルフィルタCF1aを通過後の空気中に許容される化学的汚染物質としてのアンモニアの濃度は、0.01μg/m3〜0.5μg/m3、好ましくは0.01μg/m3〜0.2μg/m3に維持されていることが必要である。
また、ケミカルフィルタCF1aを通過後の空気中に許容される化学的汚染物質としての硫黄酸化物の濃度は、0.01μg/m3〜0.5μg/m3、好ましくは0.01μg/m3〜0.2μg/m3に維持されていることが必要である。
さらに、ケミカルフィルタCF1aを通過後の空気中に許容される化学的汚染物質としての窒素酸化物の濃度は、0.01μg/m3〜0.5μg/m3、好ましくは0.01μg/m3〜0.2μg/m3に維持されていることが必要である。
また、アンモニア、硫黄酸化物、及び窒素酸化物については、露光光がKrFエキシマレーザ光の場合の実験結果は、ArFエキシマレーザ光の場合の実験結果とほぼ同じであった。従って、アンモニア、硫黄酸化物、及び窒素酸化物についての上記規定範囲は、露光光がKrFエキシマレーザ光の場合も同じである。
以降は、便宜上、露光光がArFエキシマレーザ光の場合について説明する。
なお、本実施形態では、光源から照射された露光光が通過する光学系等において、化学的汚染物質の影響を受ける光学素子として2枚を有しているが、これに限定されるものではない。従って、光学系の構成によっては、上記の各規定範囲は異なってくる場合がある。
次に、ファンフィルタユニットの製造工程の一部を成す、ケミカルフィルタ部140の製作の手順について説明する。
先ず、ファンフィルタユニットが設置されるクリーンルームの空気中に含まれる除去対象の化学物質としてアンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、及び有機物の各濃度が分析装置によって測定(定量分析)される。そして、各化学的汚染物質に関して、この測定結果と上記の規定値とを比較し、規定値の上限を越えている化学物質が除去対象の化学物質として特定される。例えば、クリーンルームの空気中に含まれるアンモニア濃度が0.5μg/m3を越えていれば、アンモニアが除去対象の化学物質とされ、また、クリーンルームの空気中に含まれる有機物濃度が30μg/m3を越えていれば、有機物が除去対象の化学物質とされる。
次に、この除去対象の化学物質を選択的に除去するフィルタ媒体が選択される。例えば、除去対象の化学物質がアンモニアであれば、空気中のアンモニアを効率的に除去するフィルタ媒体が選択され、また、除去対象の化学物質が有機物であれば、空気中の有機物を効率的に除去するフィルタ媒体が選択される。もし、除去対象の化学物質が複数ある場合には、各除去対象の化学物質毎に最適なフィルタ媒体が選択される。例えば、除去対象の化学物質が硫黄酸化物と窒素酸化物であれば、空気中の硫黄酸化物を効率的に除去するフィルタ媒体と、空気中の窒素酸化物を効率的に除去するフィルタ媒体の2つのフィルタ媒体が選択される。
そして、このようにして選択されたフィルタ媒体は保持枠で固定され、ケミカルフィルタ部に配置される。
本実施形態では、一例として除去対象の化学物質が2つの場合について説明しているがこれに限定されるものでないことは、上記の説明から明白である。
ここでは、除去対象の化学物質がアンモニアと有機物であるとものとする。この場合、図4のフィルタ部140は、空気中のアンモニアを効率的に除去するフィルタ媒体を備えたケミカルフィルタ141と、空気中の有機物を効率的に除去するフィルタ媒体を備えたケミカルフィルタ142とから構成される。
次に、このように構成されたフィルタ部140を備えたファンフィルタユニットの出口170から送出される空気中の除去対象の化学物質としてのアンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、及び有機物の濃度が測定(定量分析)される。
そして、各化学物質とも上記の規定範囲内にあるかどうか確認される。もし、ここで、上記の規定範囲外の化学物質があれば、さらに該化学物質を効率的に除去するフィルタ媒体を前記ケミカルフィルタ部140に追加する。すなわち、同一フィルタ媒体が複数備わることになる。一方、ファンフィルタユニット100の出口170から送出される空気中のアンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、及び有機物の濃度がすべて上記規定範囲内であれば、前記フィルタ部140は最適な構成であると判断される。すなわち、ファンフィルタユニット100は、本実施形態でのクリーンルームの空気に最適なフィルタ部140を備えたこととなる。
次に、上記のようにして製造されたファンフィルタユニットが接続された露光装置における空調について説明する。
ファンフィルタユニット100では、オペレータにより電源スイッチ167がオンされると、送風機120が作動し、外気取り入れ口110からクリーンルーム内の空気が強制的に取り込まれる。なお、この時、インターフェース部160から出力される緊急停止出力信号EMOは正常であることを示す「ハイ」レベルであり、エラー出力信号EROは電源スイッチ167がオンであることを示す「ハイ」レベルである。
送風機120から送出された空気は、ケミカルフィルタ141を通過中にアンモニアが除去される。ケミカルフィルタ141を通過した空気は、ケミカルフィルタ142を通過中に有機物が除去される。これにより、フィルタ部140を通過した空気中に含まれるアンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、及び有機物の濃度は、全て上記規定範囲内となる。
さらに、ケミカルフィルタ142を通過した空気中に含まれるパーティクルは、HEPAフィルタ150によって除去される。
HEPAフィルタ150を通過した空気は、出口170に接続されているステンレス鋼製のダクト200を介して取入口50に供給される。
すなわち、クリーンルームの空気中から、アンモニア、及び有機物が選択的に除去され、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、及び有機物の濃度がそれぞれ上記規定範囲内にあるケミカルクリーンな空気が、ファンフィルタユニット100から露光装置10に供給されることになる。
なお、本実施形態では、ケミカルフィルタ141にはアンモニア除去用のフィルタ媒体が、ケミカルフィルタ142には有機物除去用のフィルタ媒体が装備されているが、ケミカルフィルタ141に有機物除去用のフィルタ媒体が、ケミカルフィルタ142にアンモニア除去用のフィルタ媒体が装備されていても良い。
一方、露光装置10では、オペレータにより電源スイッチ95がオンされると、制御装置70により、第1、第2送風機58,64が作動され、これにより、フィルタボックスAF1,AF2,AF3,AF4をそれぞれ介してレチクルローダ室18、ウエハローダ室20、露光室16及び露光室16内のウエハステージWST近傍に、空気が送り込まれ、前記各部の空調が行われる。この場合、レチクルローダ室18、ウエハローダ室20内では、ダウンフローにより空調が行われる。また、露光室16内では、前述した露光動作中の露光装置本体22の各部の空調がサイドフローにより行われる。そして、リターン部40,44をそれぞれ介してリターンダクト42に戻された空気、リターン部46を介してリターンダクト48に戻された空気、及びリターンダクト66に戻された空気は、これらのリターンダクトの機械室14側の出口(本実施形態では機械室14の入口)部分に設けられたケミカルフィルタCF2aを通過する。
ファンフィルタユニット100にて、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、及び有機物の濃度がそれぞれ規定範囲内に抑制されたクリーンルームの空気はダクト200を介して取入口50から供給される。そして、この空気はケミカルフィルタCF2bを通過し、ケミカルフィルタCF2aを通過した空気と一緒になってクーラー52によって所定温度まで冷却される。この場合において、本実施形態では、制御装置70により、第1温度センサ54の出力をモニタしつつ、クーラー52の冷却動作が制御され、この際、クーラー部分を通過する空気の湿度、圧力においてクーラー表面に結露が生じない程度の温度、例えば5℃より僅かに高い温度ないしは15℃前後まで冷却される。このように、クーラー52表面には、結露が生じないので、本実施形態ではドレイン配管系を設けていない。但し、第1温度センサ54の故障や、クーラー52の何らかの不具合の発生により、上述したようなクーラー52の表面温度制御が困難となるおそれがある。そこで、本実施形態ではかかる非常事態を考慮して、ドレインパン68を設けているのである。
そして、クーラー52を通過して所定温度まで冷却された空気は、約80%が第1ヒータ56に送り込まれ、残りの約20%が分岐路60内の第2ヒータ62に送り込まれ、それぞれの目標温度まで加熱される。この場合、制御装置70では、第2温度センサ72の検出値に基づいて第1ヒータ56をフィードバック制御するとともに、第3温度センサ74の検出値に基づいて第2ヒータ62をフィードバック制御する。この場合、給気管路24を介して露光室16等の内部に噴き出される空気の目標温度と、分岐路60を介してウエハステージWST近傍に噴き出される空気の目標温度とは、それぞれ個別に設定することができる。
そして、第1、第2ヒータ56,62によりそれぞれの目標温度まで加熱された空気は、第1、第2送風機58,64により、ケミカルフィルタCF1a,CF1bにそれぞれ送り込まれる。そして、ケミカルフィルタCF1aを通過した空気は、チャンバ12内の給気管路24及びフィルタボックスAF1,AF2,AF3をそれぞれ介して、レチクルローダ室18、ウエハローダ室20、露光室16内にそれぞれ送り込まれる。また、ケミカルフィルタCF1bを通過した空気は、フィルタボックスAF4を通過してウエハステージWST(及びレーザ干渉計IF)の近傍に送り込まれる。
空気中のパーティクルは、フィルタボックスAF1,AF2,AF3,AF4内のULPAフィルタをそれぞれ通過することにより、ほぼ確実に除去されるので、レチクルローダ室18、ウエハローダ室20、露光室16内及びウエハステージWST近傍には、パーティクル及び化学的汚染物質等の微小粒子を含まないという意味で清浄度の高い空気のみが供給され、この清浄な空気によってレチクルローダ系、ウエハローダ系、露光装置本体22が空調される。そして、この空調が終了し、露光装置本体22等からの脱ガスに起因する化学的汚染物質を含む化学的に汚れた空気が、リターンダクト42,48,66内に戻され、以後、上述したようにして各部の空調が繰り返し行われる。
本実施形態では、チャンバ12内のケミカルフィルタCF1aを通過する前の空気中に含まれるアンモニアの濃度は1.0μg/m3以下、硫黄酸化物の濃度は0.5μg/m3以下、窒素酸化物の濃度は0.5μg/m3以下、及び有機物の濃度はトルエン換算で30μg/m3以下を維持することが可能であった。
さらに、ウエハW近傍での空気中に含まれるアンモニアの濃度は0.5μg/m3以下、及び有機物の濃度はトルエン換算で30μg/m3以下を維持することが可能であった。
また、ウエハローダ室内での空気中に含まれるアンモニア濃度は0.5μg/m3以下を維持することが可能であった。
なお、ファンフィルタユニット100に設定される規定範囲として、ファンフィルタユニット100の出口から送出される空気中のアンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、及び有機物のトータルの濃度を設定しても良い。
次に、本実施形態における制御装置70とファンフィルタユニットのインターフェース部160との連動動作について説明する。
露光装置本体22及び空調装置が正常に稼動している時は、制御装置70は、運転/停止入力信号OPIを「ロー」レベル、緊急停止入力信号EMIを「ハイ」レベルに維持する。
露光装置本体22及び空調装置を停止させるために、オペレータが電源スイッチ95をオフにすると、制御装置70は、運転/停止入力信号OPIを「ハイ」レベルに変化させる。一方、ファンフィルタユニットのインターフェース部160は、運転/停止入力信号OPIが「ハイ」レベルに変化したことを認知すると、リレー161を作動させ、送風機120への電源供給を遮断する。これにより、ファンフィルタユニット100からの気体供給は停止される。これは、チャンバ12内の空調装置が作動していない状態で、ファンフィルタユニット100から外気の供給が行われると、機械室14内の圧力が高くなり、ケミカルフィルタCF2a、CF2b、及び空調装置に悪影響を与えるからである。
続いて、露光装置本体22及び空調装置を稼動させるために、オペレータが露光装置の電源スイッチ167をオンにすると、制御装置70は、運転/停止入力信号OPIを「ロー」レベルに変化させる。一方、ファンフィルタユニットのインターフェース部160は、運転/停止入力信号OPIが「ロー」レベルに変化したことを認知すると、リレー161を不作動にし、送風機120へ電源を供給する。これにより、ファンフィルタユニット100からの気体供給は再開される。
さらに、オペレータが制御ラックの緊急停止ボタン96を押すと、制御装置70は、緊急停止入力信号EMIを「ロー」レベルに変化させる。一方、ファンフィルタユニットのインターフェース部160は、緊急停止入力信号EMIが「ロー」レベルに変化したことを認知すると、リレー162を不作動にし、ファンフィルタユニットの主電源165をオフにする。緊急時には、予期せぬ異常が発生しないように、全ての電源供給を止めることが望ましいからである。再度、ファンフィルタユニット100を作動させたい場合には、異常のないことを確認した後、手動で主電源165をオンにする。
また、オペレータによりファンフィルタユニットの緊急停止ボタン166が押されると、インターフェース部160は、緊急停止出力信号EMOを「ロー」レベルに変化させる。一方、制御装置70は、緊急停止出力信号EMOが「ロー」レベルに変化したことを認知すると、強制的に露光装置の電源98をオフにする。ファンフィルタユニット100の緊急事態は、露光装置全体に予期せぬ異常が発生するおそれがあるためである。再度、露光装置10を作動させたい場合には、異常のないことを確認した後、手動で電源98をオンにする。
本実施形態では、緊急停止ボタン166が押されたときに、緊急停止出力信号EMOを「ロー」レベルに変化させる構成について説明したが、この構成に限られるものではない。例えば、ファンフィルタユニット100の出口に、フィルタを通過した空気中に含まれる化学的汚染物質の濃度を計測するセンサを配置し、このセンサの出力結果から化学的汚染物質の濃度が所定の許容値を超えていると判断した場合に、例えばインターフェース部160が、緊急停止出力信号EMOを「ロー」レベルに変化させることとしても良い。このような構成を採用することによって、フィルタ寿命若しくはフィルタ異常を確認することができ、露光装置(又は露光装置本体)を収容するチャンバ内の化学的汚染物質の濃度が高くなることを効果的に防止することができる。
ファンフィルタユニット100を停止させるために、オペレータが電源スイッチ167をオフにすると、インターフェース部160は、エラー出力信号EROを「ロー」レベルに変化させる。一方、制御装置70は、エラー出力信号EROが「ロー」レベルに変化したことを認知すると、制御ラックの外気供給停止ランプ97を点灯させる。露光装置10では、実際の露光処理動作が行われる前に、雰囲気の安定化や、各種データの収集といった種々の準備処理が行われる。すなわち、露光装置の電源98を一旦オフにすると、再度電源98をオンにしても、準備時間が必要となる。一方、ファンフィルタユニット100では、露光装置の電源98がオンの時でも、フィルタの交換や、異常チェックのためファンフィルタユニットの電源スイッチ167をオフにする場合がある。もし、この場合にファンフィルタユニット100に連動して露光装置の電源98が自動的にオフになると、再度電源98をオンにした時に準備時間が必要となる。つまり、生産性が低下する。これを防止するために、緊急停止以外の理由でファンフィルタユニットの電源スイッチ167がオフになった場合には、露光装置の電源98はオフにせず、外気供給停止ランプ97を点灯させてオペレータに通知するだけに留めている。もし、ファンフィルタユニット100からの外気の供給が停止していることを制御装置70に通知しなければ、露光装置10は外気の供給なしで動作を継続する場合があり、この場合には、チャンバ12内を陽圧に維持することができなくなり、結果として、チャンバ12内の環境を高度に維持制御できなくなる。これは、当然ながら、デバイスの品質や生産性に悪影響を及ぼす。
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、露光室16内を循環している空気中に含まれる化学的汚染物質(アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、及び有機物)の濃度は規定範囲内に維持される。これによりチャンバ内の照明光学系及び投影光学系等の光学部材の曇りによる照度低下等の弊害の発生を長時間に渡って効果的に抑制することができる。
さらに、ウエハステージWST近傍の空間は、化学的汚染物質(アンモニア、及び有機物)の濃度が規定範囲内に維持されたケミカルクリーンな雰囲気を担保することができる。
また、ウエハローダ室20、及びレチクルローダ室18は、化学的汚染物質(アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、及び有機物)の濃度が規定範囲内に維持されたケミカルクリーンな雰囲気を担保することができる。
しかも、ケミカルフィルタCF2a,CF2b,CF1a,CF1bの寿命が長くなり、長期間に渡って交換が不要となるために、結果として生産性の向上に寄与することができる。
なお、本実施形態に係るファンフィルタユニットは、露光装置だけでなく、他のデバイス製造装置、例えば、イオンエッチング装置、ドライエッチング装置、CVD装置、アッシング装置、イオン注入装置等にも好適に適用することができる。
なお、上記実施形態では、ファンフィルタユニットの製造に際して、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、及び有機物を除去対象とする場合について説明したが、本発明のファンフィルタユニットの製造方法がこれに限定されるものではない。すなわち、本発明のファンフィルタユニットの製造方法は、設置空間の気体中に含まれる複数種類の化学的汚染物質の濃度をそれぞれ測定する工程と;前記測定結果に基づいて、前記気体中から前記複数種類の化学的汚染物質をそれぞれ除去する複数種類のフィルタ媒体の中から少なくも1つのフィルタ媒体を選択し、その選択したフィルタ媒体を用いて前記フィルタ部を構成する工程と;を含んでいれば良い。換言すれば、本発明のファンフィルタユニットの製造方法は、ファンフィルタユニットの設置が予定される空間の気体中に含まれる特に濃度の抑制が必要な化学的汚染物質の濃度を実際に測定し、その測定結果に基づいて、濃度値が規定値を超えた化学的汚染物質を除去するフィルタ媒体を選択し、あるいは選択的に組み合わせて、最適なフィルタ部を構成するものである。従って、その結果製造されたファンフィルタユニットを用いれば、ファンフィルタユニットから外部に送出される気体中に含まれる濃度測定が行われた化学的汚染物質、すなわち特に濃度の抑制が必要な化学的汚染物質の濃度を規定範囲内に抑えることができる。
また、上記実施形態で説明したケミカルフィルタCF1a,CF1b等の配置、及び通気経路等の構成は任意で構わない。例えば、露光装置16内の不純物濃度を上記規定範囲内に維持するために、フィルタボックスAF3に代えて、あるいは、フィルタボックスAF3と共にケミカルフィルタCF1aを設けても良い。
また、上記実施形態ではレチクルローダ室、ウエハローダ室と露光室とがチャンバ内に設けられる場合について説明したが、これに限らず、チャンバ内に露光室のみを設け、レチクルローダ室、ウエハローダ室を別の環境制御チャンバ内に一緒あるいはそれぞれ単独に設けても良い。
また、上記実施形態では、チャンバとは別に機械室が設けられる場合について説明したが、これに限らず、1つのチャンバを隔壁により仕切って露光装置本体が収容されるチャンバと機械室とを形成しても良い。ファンフィルタユニットと接続するための取入口が形成されていれば、ダクトを介して外気の供給は可能であるからである。
なお、図1ではチャンバに隣接して機械室を配置するものとしたが、クリーンルームの床下(ユーティリティスペース)などに機械室を配置するようにしても良い。この場合、光源もその床下に配置しても良い。ファンフィルタユニットと接続するための取入口が形成されていれば、ダクトを介して外気の供給は可能であるからである。
なお、上記実施形態では、光源としてArFエキシマレーザを用いる場合について説明したが、これに限らず、光源としてKrFエキシマレーザ、F2レーザ、Ar2レーザを用いても良く、あるいは金属蒸気レーザやYAGレーザを用い、これらの高調波を露光用照明光としても良い。あるいは、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を、露光用照明光として用いても良い。
また、本発明はステップ・アンド・リピート方式、ステップ・アンド・スキャン方式、又はステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置だけでなく、例えばミラープロジェクション・アライナー、プロキシミティ方式の露光装置、及びフォトリピータなどにも適用することができる。即ち、露光装置本体の構成などに関係なく本発明を適用できる。
《デバイス製造方法》
次に、上述したファンフィルタユニットが接続された露光装置をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
図8には、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されている。図7に示されるように、まず、ステップ301(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ302(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ303(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップ304(ウエハ処理ステップ)において、ステップ301〜ステップ303で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ305(デバイス組立ステップ)において、ステップ304で処理されたウエハを用いてデバイス組立を行う。このステップ305には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップ306(検査ステップ)において、ステップ305で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図9には、半導体デバイスの場合における、上記ステップ304の詳細なフロー例が示されている。図9において、ステップ311(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ312(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ313(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ314(イオン打込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ311〜ステップ314それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ315(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップ316(露光ステップ)において、上で説明した露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ317(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップ318(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ319(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップ316)において上記実施形態のファンフィルタユニット100が接続された露光装置10が用いられるので、長期に渡って化学的汚染物質等による露光精度の低下等を効果的に抑制することができ、これにより高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
産業上の利用可能性
以上説明したように、本発明のファンフィルタユニットは、設置される雰囲気中に含まれる特定化学物質を効率よく除去し、ケミカルクリーンな気体を作り出すのに適している。また、本発明のファンフィルタユニットの製造方法は、設置される雰囲気中に含まれる特定化学物質を効率よく除去するファンフィルタユニットの製造に適している。また、本発明の露光装置は、基板上にパターンを形成するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、高集積度のマイクロデバイスの生産に適している。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係るファンフィルタユニットが接続された一実施形態に係る露光装置を概略的に示す図である。
図2は、図1の露光装置の制御系を概略的に示すブロック図である。
図3は、図1のA−A線断面図である。
図4は、図1のファンフィルタユニットの全体構成を概略的に示す図である。
図5は、図4のファンフィルタユニットのインターフェース部を概略的に示すブロック図である。
図6は、露光光がArFエキシマレーザ光の場合における、露光光の透過率の低下率と空気中の有機物濃度との関係を示す図である。
図7は、露光光がKrFエキシマレーザ光の場合における、露光光の透過率の低下率と空気中の有機物濃度との関係を示す図である。
図8は、本発明に係るデバイスを製造する製造方法の実施形態を説明するためのフローチャートである。
図9は、図8のステップ304における処理を示すフローチャートである。
Claims (23)
- 気体に含まれる化学的汚染物質を除去して外部に送出するファンフィルタユニットであって、
気体の流路が内部に形成されたユニット本体と;
前記ユニット本体の内部に配置され、前記流路内に前記気体を吸い込むとともに前記流路を通過した気体を前記ユニット本体の外部に送出する送風機と;
前記ユニット本体の内部の前記流路部分に配置され、前記流路内を通過する前記気体中に含まれる、アンモニア、硫黄酸化物、及び窒素酸化物の少なくとも一つの特定化学物質を含む化学物質を除去対象の化学物質とし、通過後の前記気体中に含まれる前記特定化学物質の濃度を0.01μg/m3〜0.5μg/m3の範囲の濃度に調整するフィルタ部と;を備えるファンフィルタユニット。 - 請求項1に記載のファンフィルタユニットにおいて、
前記フィルタ部は、前記通過後の前記気体中に含まれる前記特定化学物質の濃度を0.01μg/m3〜0.2μg/m3の範囲の濃度に調整することを特徴とするファンフィルタユニット。 - 請求項1に記載のファンフィルタユニットにおいて、
前記除去対象の化学物質には、有機物が更に含まれ、
前記フィルタ部は、通過後の前記気体中に含まれる前記有機物の濃度を、トルエン換算で0.1μg/m3〜30μg/m3の範囲の濃度に調整することを特徴とするファンフィルタユニット。 - 請求項3に記載のファンフィルタユニットにおいて、
前記フィルタ部は、通過後の前記気体中に含まれる前記有機物の濃度を、トルエン換算で0.1μg/m3〜10μg/m3の範囲の濃度に調整することを特徴とするファンフィルタユニット。 - 請求項1に記載のファンフィルタユニットにおいて、
前記ユニット本体に設けられ、前記フィルタ部を通過した前記気体をデバイス製造装置に供給する供給部を有することを特徴とするファンフィルタユニット。 - 請求項5に記載のファンフィルタユニットにおいて、
前記デバイス製造装置は、エネルギビームにより光学系を介して基板を露光して所定のパターンを前記基板上に形成する露光装置であり、
前記供給部は、前記露光装置の少なくとも一部を収容するチャンバに接続されることを特徴とするファンフィルタユニット。 - 気体中に含まれる化学的汚染物質をフィルタ部により除去して外部に送出するファンフィルタユニットの製造方法であって、
設置空間の気体中に含まれる複数種類の化学的汚染物質の濃度をそれぞれ測定する工程と;
前記測定結果に基づいて、前記気体中から前記複数種類の化学的汚染物質をそれぞれ除去する複数種類のフィルタ媒体の中から少なくも1つのフィルタ媒体を選択し、その選択したフィルタ媒体を用いて前記フィルタ部を構成する工程と;を含むファンフィルタユニットの製造方法。 - 請求項7に記載のファンフィルタユニットの製造方法において、
前記測定の対象となる化学的汚染物質には、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、及び有機物の少なくとも1つが含まれることを特徴とするファンフィルタユニットの製造方法。 - エネルギビームにより光学系を介して基板を露光して所定のパターンを前記基板上に形成する露光装置であって、
請求項1に記載のファンフィルタユニットに接続され、前記ファンフィルタユニットを介して化学的汚染物質が抑制された気体が供給されるチャンバと;
前記エネルギビームの光路の少なくとも一部を含むその構成部分が前記チャンバ内に収容され、前記エネルギビームにより光学系を介して基板を露光する露光装置本体と;を備える露光装置。 - ファンフィルタユニットに接続される露光装置であって、
エネルギビームにより光学系を介して基板を露光して所定のパターンを前記基板上に形成する露光装置本体と;
前記エネルギビームの光路の少なくとも一部を含む前記露光装置本体の少なくとも一部が収容され、前記ファンフィルタユニットを介して化学的汚染物質が抑制された気体が供給されるチャンバと;を備え、
前記チャンバ内の気体中に含まれるアンモニア、硫黄酸化物、及び窒素酸化物の濃度は、0.01μg/m3〜0.5μg/m3の範囲の濃度にそれぞれ維持されていることを特徴とする露光装置。 - 請求項10に記載の露光装置において、
前記チャンバ内の気体中に含まれるアンモニア、硫黄酸化物、及び窒素酸化物の濃度は、0.01μg/m3〜0.2μg/m3の範囲の濃度にそれぞれ維持されていることを特徴とする露光装置。 - 請求項10に記載の露光装置において、
前記チャンバ内に配置されるとともに、アンモニア、硫黄酸化物、及び窒素酸化物の少なくとも1つを除去対象物質とする化学物質除去フィルタを更に備えることを特徴とする露光装置。 - ファンフィルタユニットに接続される露光装置であって、
エネルギビームにより光学系を介して基板を露光して所定のパターンを前記基板上に形成する露光装置本体と;
前記エネルギビームの光路の少なくとも一部を含む前記露光装置本体の少なくとも一部が収容され、前記ファンフィルタユニットを介して化学的汚染物質が抑制された気体が供給されるチャンバと;を備え、
前記チャンバ内の気体中に含まれる有機物の濃度は、前記エネルギビームの波長に応じた許容範囲内の濃度に維持されていることを特徴とする露光装置。 - 請求項13に記載の露光装置において、
前記エネルギビームが波長193nmのArFエキシマレーザ光であり、
前記チャンバ内の気体中に含まれる有機物の濃度は、トルエン換算で0.1μg/m3〜30μg/m3の範囲の濃度に維持されていることを特徴とする露光装置。 - 請求項14に記載の露光装置において、
前記チャンバ内の気体中に含まれる有機物の濃度は、トルエン換算で0.1μg/m3〜10μg/m3の範囲の濃度維持されていることを特徴とする露光装置。 - 請求項13に記載の露光装置において、
前記エネルギビームが波長248nmのKrFエキシマレーザ光であり、
前記チャンバ内の気体中に含まれる有機物の濃度は、トルエン換算で0.1μg/m3〜150μg/m3の範囲の濃度に維持されていることを特徴とする露光装置。 - 請求項16に記載の露光装置において、
前記チャンバ内の気体中に含まれる有機物の濃度は、トルエン換算で0.1μg/m3〜50μg/m3に維持されていることを特徴とする露光装置。 - 請求項13に記載の露光装置において、
前記チャンバ内に配置されるとともに、少なくとも有機物を除去対象物質とする化学物質除去フィルタを更に備えることを特徴とする露光装置。 - ファンフィルタユニットに接続される露光装置であって、
エネルギビームにより光学系を介して基板を露光して所定のパターンを前記基板上に形成する露光装置本体と;
前記露光装置本体の少なくとも一部が収容され、前記ファンフィルタユニットを介して化学的汚染物質が抑制された気体が供給されるチャンバと;
前記チャンバ内の空調を行う空調装置と;
前記ファンフィルタユニットと前記空調装置及び前記露光装置本体とを互いの稼動状態に応じてそれぞれを制御する制御装置と;を備える露光装置。 - 請求項19に記載の露光装置において、
前記制御装置は、前記空調装置及び前記露光装置本体の稼動状態が電源オフ及び緊急停止のいずれかの場合に、前記ファンフィルタユニットから前記チャンバ内への気体の供給を停止することを特徴とする露光装置。 - 請求項19に記載の露光装置において、
前記制御装置は、前記ファンフィルタユニットの稼動状態が緊急停止の場合に、前記空調装置及び前記露光装置本体への電源供給を停止することを特徴とする露光装置。 - 請求項19に記載の露光装置において、
前記ファンフィルタユニットからの外気供給状況を通知するための警報装置を更に備え、
前記制御装置は、前記ファンフィルタユニットの稼動状態が電源オフの場合、前記警報装置を用いて前記外気供給が停止されたことを外部に通知することを特徴とする露光装置。 - リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、
前記リソグラフィ工程では、請求項9〜22のいずれか一項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法。
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