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JPWO2001027115A1 - 五環性タキサン化合物 - Google Patents

五環性タキサン化合物

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JPWO2001027115A1
JPWO2001027115A1 JP2001-530333A JP2001530333A JPWO2001027115A1 JP WO2001027115 A1 JPWO2001027115 A1 JP WO2001027115A1 JP 2001530333 A JP2001530333 A JP 2001530333A JP WO2001027115 A1 JPWO2001027115 A1 JP WO2001027115A1
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JP
Japan
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group
compound
salt
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tert
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JP2001-530333A
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恒彦 曽我
浩一 魚戸
泰幸 武田
Original Assignee
第一製薬株式会社
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 本発明は各種置換基を有する下記式で表される経口投与可能な抗腫瘍性化合物として用いられる新規タキソール誘導体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
技術分野 本発明は経口投与可能な、抗腫瘍活性を有するタキソール誘導体に関する。 背景技術 タキソールは次に示す化学構造式で表される天然物で、西洋イチイの幹などか
ら微量得られる。 タキソールは抗腫瘍活性を有することが知られているが、その作用機作は細胞
分裂における微小管の解重合阻害作用に基づくものとされており、従来の抗腫瘍
剤とは異なる作用機作を有する抗腫瘍剤としてその臨床応用が期待されている。
これまでは、タキソールは天然から極く微量しか得られなかった。しかし、イチ
イ類の葉等から比較的多量に得ることのできる次式で表されるタキソール前駆体
である10−0−デアセチルバッカチンIIIを原料に用いて合成したタキソー
ル誘導体が報告されている。 なかでも次式で表される構造を有する化合物(タキソテール、以下、化合物A
と記す)は、タキソールと同等以上の抗腫瘍活性を有する化合物として注目され
、抗腫瘍剤としての開発が進んでいる。 本発明者らは、9位ケトンの還元によって生じる水酸基と10位水酸基を環状
アセタール型に変換した化合物が強い抗腫瘍活性を有することを報告している(
特開平9−12578号)。 タキソール、タキソテールおよび特開平9−12578号に開示された化合物
は抗腫瘍剤として有望なものである。しかしながら、特開平9−12578号に
開示された実施例の化合物については毒性面で難点があり、また、これらの化合
物の経口投与における有効性は知られていない。患者の投与時負担の軽減、医療
経済性の観点などから、経口投与可能な、タキソール誘導体が望まれている。 本発明者は高い抗腫瘍活性を維持しつつ、毒性面も改善され、経口投与に適し
た高い安全性を確保できるタキソール誘導体を得るべく、種々の研究を行った結
果、マウスを用いた抗腫瘍試験等において、経口投与においても有意な抗腫瘍活
性を示す次の式 に示す化合物(以下、化合物Bと記す)を得た。本化合物は、特開平9−125
78号に開示された実施例の化合物に比べて、毒性面が改善されていた。しかし
、本化合物はヒト肝ミクロソームを用いたin vitro代謝実験により、ヒ
ト肝ミクロソームで急速に代謝を受けることが判明し、ヒトでの経口投与での適
用性が保証できなかった。 発明の開示 本発明者は代謝による化合物修飾の抑制を目的に、新たなドラッグデザイン研
究を行い、13位側鎖のピリジン環に置換基を導入した化合物が、抗腫瘍活性を
維持しつつも、毒性面も改善され、ヒト肝ミクロソームでの代謝を受けにくく、
経口投与に適した安全性を確保できることを見出し、本発明を完成した。 すなわち本発明は、次の式で表される化合物またはその塩、並びに、次の式で
表される化合物またはその塩からなる医薬、更には次の式で表される化合物また
はその塩を含有する抗腫瘍剤を提供するものである。 更に本発明は、次式で表される、タキソール誘導体製造のための中間体(以下
、本発明の中間体ともいう)および、その使用を提供するものである。 次の式で表される化合物において、Rは、ジメチルアミノメチル基またはモ
ルホリノメチル基、Rはハロゲン原子または炭素数1〜6のアルコキシ基を意
味する。Rの好ましくは、メトキシ基、フッ素原子、塩素原子等が挙げられる
。特に好ましくはフッ素原子、メトキシ基が挙げられる。 更に、次の式 で表される化合物、つまり、(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,1
0R,13S)−4−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−9,10−[(1S
)−2−(ジメチルアミノ)エチリデンジオキシ]−5,20−エポキシ−1−
ヒドロキシタクス−11−エン−13−イル(2R,3S)−3−(tert−
ブトキシカルボニルアミノ)−3−(3−フルオロ−2−ピリジル)−2−ヒド
ロキシプロピオネートまたはその塩が特に好ましい。 また、上記本発明の中間体において、Rは、ジメチルアミノメチル基、モル
ホリノメチル基またはビニル基、Rは保護基を有することもある水酸基、R
は炭素数が1〜6のアルコキシ基またはハロゲン原子を意味する。更に、次の式
で示す本発明の中間体の部分構造の6位と7位の点線部分は、当該部分の結合が
二重結合となることもあることを意味する。 本発明の中間体において、Rの保護基としては、トリアルキルシリル基、ベ
ンジル基、置換ベンジル基、1−エトキシエチル基、ベンジルオキシカルボニル
基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基等が挙げられる。好ましくは
トリイソプロピルシリル基、第三ブチルジメチルシリル基、トリエチルシリル基
等のトリアルキルシリル基、および、ベンジル基が挙げられ、特に好ましくはト
リイソプロピルシリル基およびベンジル基が挙げられる。 本発明のタキソール誘導体の製造中間体は、目的の最終生成物に合わせて、適
宜選択して使用することができる。例えば、次の式 で表される化合物またはその塩の製造には、次の式 [式中、Rは、トリイソプロピルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基、
トリエチルシリル基またはベンジル基を意味する。]で表される化合物またはそ
の塩、および、次の式 [式中、Rは、トリイソプロピルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基、
トリエチルシリル基またはベンジル基を意味する。]で表される化合物またはそ
の塩、および、次の式 [式中、Rは、トリイソプロピルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基、
トリエチルシリル基またはベンジル基を意味する。]で表される化合物またはそ
の塩の使用が好ましい。 本発明の化合物は遊離体でもよいが、酸付加塩であってもよい。酸付加塩とし
ては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素塩、ヨウ化水素塩、リン酸塩等の無機
酸塩類、あるいは酢酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエ
ンスルホン酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩等の有機塩類
を挙げることができる。更に溶媒和物であってもよく、溶媒としては水、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、アセトニトリル、ベ
ンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドなどが
挙げられる。 本発明の化合物は特開平9−12578号で報告されている方法に従って合成
できる。なお、反応に際しては、必要に応じて置換基を保護基で保護して行うが
、脱保護の操作順序は、特に限定されない。例えば、以下の合成法が例示される
。 合成法1 化合物(1)と化合物(2)を塩基の存在下で縮合させて化合物(3)を得る
。次いで、水酸基の保護基を除去して化合物(4)に導く。末端オレフィンを四
酸化オスミウム触媒下でN−メチルモルホリン−N−オキシド等の酸化剤により
ジオールに変換後、過よう素酸ナトリウム等で酸化的に開裂させてアルデヒドと
した後、対応するアミンと還元的に反応させて化合物(5)を得ることができる
。 合成法2 合成法1と同様に化合物(6)を化合物(2)と縮合させて化合物(7)を得
る。次いで、合成法1と同様に末端オレフィン部分を変換して化合物(8)を得
ることができる。次いで、6,7位のオレフィンを水素添加により還元して化合
物(9)を得た後、最後に水酸基の保護基を除去して化合物(5)を得ることが
できる。 原料となる化合物(1)および(6)の合成法は特開平9−12578号に記
載されている。また、化合物(2)は種々の文献(例えば、J.Am.Chem
.Soc.,110巻,1917頁、1988年)で報告されているβラクタム
化合物の合成法に準じて合成することができる。 上記合成法のR、RおよびRの意味は前記と同じである。略号について
は、Bocは第三ブトキシカルボニル基、Acはアセチル基、Bzはベンゾイル
基を意味する。 また、本発明の医薬は、抗腫瘍作用に基づく癌の治療が達成でき、その治療対
象としては、肺癌、消化器癌、卵巣癌、子宮癌、乳癌、肝癌、頭頸部癌、血液癌
、腎癌、睾丸腫瘍等の各種癌が挙げられる。 本発明の化合物は、静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射等の各種注射剤として
、あるいは、経口投与、経皮投与等の種々の方法によって投与することができる
。これらの投与法の中では、後に述べる効果達成の面から、経口投与が好ましい
。経口投与の場合は遊離体や塩の何れでも良い。 本発明の化合物は、非坦癌マウスを用いた試験の結果、腎毒性は認められなか
った。 本発明の化合物の経口剤としての適用性はヒト肝ミクロソームを用いたin
vitro試験により予測することができる。経口投与では、薬物は胃腸管で溶
解し、消化管内および肝臓での代謝を受けた後に血流の循環系に入る。そのため
、肝臓における薬物の代謝は薬物の薬効発現に影響をおよぼすと考えられる。特
に、本発明の化合物およびその類縁化合物は肝ミクロソーム内の酵素であるCY
P3Aにより代謝を受けることが予測されている。そこで、肝ミクロソームを用
いたin vitro試験による代謝予測は実際の臨床での使用を考える上で重
要である。肝ミクロソームを用いたin vitro試験からの代謝予測値がヒ
ト臨床試験における実測値にほぼ対応することはPharm.Tech.Jap
an 13 17−39,1997、J.Pharmacol.Exp.The
r.283 46−58,1997等に記載されている。ヒト肝ミクロソームは
Xenotech LLC社等から入手可能であり、代謝速度の測定は上記文献
等を参考におこなえる。 肝ミクロソームにおける薬物代謝速度を測定すると、さらに、その薬物のバイ
オアベイアビリティを理論値として計算することができる(J.Pharmac
ol.Exp.Ther.283 46−58,1997)。バイオアベイアビ
リティは全身循環血中に到達する薬物の投与薬物に対する相対的な量とその速度
と定義されている(医薬品開発における薬物動態研究 杉山雄一編 p.15薬
事時報社)。経口投与では薬物が循環血に入るまでに、胃腸管での溶解、消化管
粘膜の通過、消化管内および肝臓での代謝等の様々な障害が存在する。このため
、最終的血中濃度すなわちバイオアベイアビリティの個体間ばらつきの幅は循環
血内直接投与に比較して大きくなると考えられる。Hellriegelらは市
販されているさまざまな薬物149品目についてバイオアベイアビリティ値とそ
の個体間ばらつき(CV値)を調査し、両者に負の相関があることを報告してい
る(Clin.Pharmacol.Ther.60 601−607,199
6)。つまり、バイオアベイアビリティの個体間におけるばらつきの幅は、バイ
オアベイアビリティの値が小さいほど大きくなることが知られている。 抗腫瘍剤の場合、奏効率を上げるために、最大耐量近辺の用量で投与される場
合が多く、それに伴って治療域と毒性域は近接し、結果として安全域は狭くなる
。したがって、個体間バイオアベイアビリティのばらつきの幅が大きい薬物の抗
腫瘍剤としての使用は困難となる。 本発明の化合物はヒト肝ミクロソームにおける代謝速度が低減され、未変化体
の理論バイオアベイアビリティ値も向上した。したがって、個体間での未変化体
バイオアベイアビリティ値のばらつきの幅が小さいことが予測された。この効果
により、有効な薬効発現と安全域を大きくするという安全性の面から、本発明の
化合物は経口投与が充分可能である。なお、未変化体のバイオアベイアビリティ
値のばらつきの幅を低減するためには、未変化体の理論バイオアベイアビリティ
値は0.4以上であることが好ましく、0.7以上であることがさらに好ましい
。 さらに、本発明の化合物の経口剤としての適用性はサルを用いたBA試験によ
っても予測することができる。化合物Bは、マウスおよびイヌの肝ミクロソーム
による代謝は遅く実際にマウスでの経口吸収性は優れている。一方、サルの肝ミ
クロソームによる代謝はヒト肝ミクロソームによる場合と同様に早かった。この
場合、化合物Bについてはサルにおける経口吸収性は低かった。これに対し、本
発明の化合物についてはサルの肝ミクロソームによる代謝はヒト、マウスおよび
イヌの肝ミクロソームの場合と同様に遅かった。そこで、代謝の抑制による経口
吸収改善効果を確認する目的で、サルを用いてバイオアベイラビリティー(BA
)を測定したところ、本発明の化合物は化合物Bに比べサルにおける経口吸収が
大幅に改善されたことが確認された。 医薬および抗腫瘍剤の製剤の調整方法としては投与法に応じ適当な製剤を選択
し、通常用いられている各種製剤の調製方法にて調製できる。本発明の抗腫瘍剤
の剤型のうち経口投与用製剤としては、例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル
剤などが挙げられる。その剤の形態としては、溶液剤、シロップ剤、エリキシル
剤、油性ないし水性の懸濁液等が挙げられる。このうち、カプセル剤、錠剤や溶
液剤が好ましい。注射剤の場合は製剤中に安定剤、防腐剤、溶解補助剤等を使用
することもできる。これらの補助剤等を含むこともある溶液を凍結乾燥等によっ
て固形製剤として用時調製の製剤として利用できる。 液体製剤としては、溶液、懸濁液、乳液剤等を挙げることができるが、これら
の製剤を調整する際、添加剤として懸濁剤、乳化剤等を使用することもできる。
本発明の化合物は哺乳類、特にヒトの癌治療に用いることができ、ヒトに投与す
る場合、1日あたり1回投与し、適当な間隔で繰り返すのが好ましい。 投与量としては、体表面積1mにつき約0.5mgから50mg、好ましく
は約1mgから20mgの範囲で投与するのが好ましい。 次に実施例で詳しく説明する。なお、実施例の記載において、以下の略語を用
いることもある。Bocは第三ブトキシカルボニル基、Acはアセチル基、Bz
はベンゾイル基、TIPSはトリイソプロピルシリル基を意味する。 発明を実施するための最良の形態 (実施例1) 工程1:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−
9,10−(2−プロペニリデンジオキシ)タクス−11−エン−13−イル(
2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(5−メト
キシ−2−ピリジル)−2−トリイソプロピルシリルオキシプロピオネート (1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4−アセ
トキシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1,13−ジヒドロキシ
−9,10−(2−プロペニリデンジオキシ)タクス−11−エン300mgを
乾燥したテトラヒドロフラン10mlに溶解し、−60℃でリチウムヘキサメチ
ルジシラジド(1モル−テトラヒドロフラン溶液)0.63mlを加え25分間
攪拌した。同温度で反応液に(3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボ
ニル)−4−(5−メトキシ−2−ピリジル)−3−トリイソプロピルシリルオ
キシ−2−アゼチジノン280mgのテトラヒドロフラン5ml溶液を加え、氷
冷下で40分間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液及び酢酸エチル
を加え分液操作し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水
で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=5:1(v
/v))で精製し、標記化合物540mgを得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 0.89−0.95(21H,m),1.32(3H,s),1.33−1.6
2(3H,m),1.41(9H,s),1.52(3H,s),1.65(3
H,s),1.82(3H,s),1.92−2.32(3H,m),2.49
(3H,s),2.98(1H,d,J=4.9Hz),3.85(3H,s)
,4.20(1H,d,J=7.4Hz),4.22(1H,d,J=6.8H
z),4.32(1H,d,J=8.3Hz),4.95(1H,s),5.2
1(1H,d,J=5.8Hz),5.26−5.29(2H,m),5.39
−5.47(3H,m),5.57(1H,d,J=17.6Hz),5.96
−6.02(2H,m),6.11(1H,t−like,J=8.3Hz),
7.15(1H,dd,J=2.4,8.8Hz),7.31(1H,d,J=
8.8Hz),7.44(2H,t,J=7.8Hz),7.56(1H,t,
J=7.8Hz),8.13(2H,d,J=7.8Hz),8.26(1H,
d,J=3.0Hz). 工程2:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−
9,10−(2−プロペニリデンジオキシ)タクス−11−エン−13−イル(
2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシ
−3−(5−メトキシ−2−ピリジル)プロピオネート 上記工程1で得た化合物530mgを乾燥したテトラヒドロフラン10mlに
溶解し、氷冷下テトラブチルアンモニウムフルオリド(1モル−テトラヒドロフ
ラン溶液)1.0mlを加え、同温度で30分間攪拌した。反応液に水および酢
酸エチルを加え分液操作し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて飽
和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。減
圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘ
キサン:酢酸エチル=1:1(v/v))で精製し、標記化合物410mgを得
た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 1.26(3H,s),1.43(9H,s),1.50(3H,s),1.6
0−1.91(3H,m),1.64(3H,s),1.74(3H,s),1
.91(1H,s),2.04−2.16(2H,m),2.32−2.37(
1H,m),2.34(3H,s),2.93(1H,d,J=5.3Hz),
3.85(3H,s),4.18(1H,d,J=7.3Hz),4.22(1
H,d,J=8.3Hz),4.33(1H,d,J=8.3Hz),4.79
(1H,br s),4.85(1H,br s),4.92(1H,br s
),5.23(1H,d,J=5.8Hz),5.29−5.30(2H,m)
,5.46(1H,d,J=10.3Hz),5.58(1H,d,J=17.
1Hz),5.90(1H,d,J=9.7Hz),5.96−6.03(2H
,m),6.09(1H,t−like,J=8.4Hz),7.22(1H,
dd,J=2.4,8.8Hz),7.34(1H,d,J=8.8Hz),7
.47(2H,t,J=7.8Hz),7.60(1H,t,J=7.8Hz)
,8.13(2H,d,J=7.8Hz),8.22(1H,d,J=2.4H
z). 工程3:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−
9,10−[(1S)−2−(モルホリノ)エチリデンジオキシ]タクス−11
−エン−13−イル(2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−2−ヒドロキシ−3−(5−メトキシ−2−ピリジル)プロピオネート 上記工程2で得た化合物400mgをテトラヒドロフラン5mlに溶解し、ア
セトン5ml、水5ml、四酸化オスミウム5.9mg、およびN−メチルモル
ホリン−N−オキシド270mgを加え、室温で4.5時間攪拌した。反応液に
酢酸エチルおよび10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え分液操作し、水層を酢
酸エチルで抽出した。有機層を合わせて飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去後、残渣をテトラヒドロフラ
ン5mlに溶解し、メタノール5ml、水5mlおよびメタ過よう素酸ナトリウ
ム990mgを加え、室温で1.5時間攪拌した。反応液に酢酸エチルおよび水
を加え分液操作し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水
で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣
をエタノール30mlに溶解し、モルホリン0.2ml、酢酸0.13mlおよ
び水素化シアノホウ素ナトリウム140mgを加え、室温で1時間攪拌した。反
応液に飽和重曹水、酢酸エチルおよび水を加え分液操作し、水層を酢酸エチルで
抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶
媒;クロロホルム:メタノール=50:1(v/v))を用いて精製し、標記化
合物220mgを得た。 融点:160−161℃ H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 1.27(3H,s),1.43(9H,s),1.48(3H,s),1.6
0(3H,s),1.72(3H,s),1.78−2.12(6H,m),2
.31−2.38(1H,m),2.34(3H,s),2.58−2.68(
4H,m),2.71(1H,dd,J=5.4,13.2Hz),2.79(
1H,dd,J=3.9,13.2Hz),2.93(1H,d,J=5.3H
z),3.75(4H,t,J=4.9Hz),3.86(3H,s),4.1
2(1H,d,J7.3Hz),4.21(1H,d,J=8.3Hz),4.
33(1H,d,J=8.3Hz),4.76(1H,br s),4.85(
1H,br s),4.92(1H,s),5.04(1H,t,J=4.6H
z),5.23(1H,d,J=6.9Hz),5.29(1H,d,J=8.
8Hz),5.90(1H,d,J=9.3Hz),5.98(1H,d,J=
4.9Hz),6.08(1H,t−like,J=8.3Hz),7.22(
1H,dd,J=2.9,8.8Hz),7.34(1H,d,J=8.8Hz
),7.47(2H,t,J=7.8Hz),7.60(1H,t,J=7.8
Hz),8.13(2H,d,J=7.8Hz),8.22(1H,d,J=2
.9Hz).,H,HH 元素分析(C496515として) 計算値 :C,62.87;H,7.00;N,4.49 実測値 :C,62.66;H,7.08;N,4.28 (実施例2) 工程1:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−
9,10−(2−プロペニリデンジオキシ)タクス−11−エン−13−イル(
2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(5−クロ
ロ−2−ピリジル)−2−トリイソプロピルシリルオキシプロピオネート (3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(5−メトキ
シ−2−ピリジル)−3−トリイソプロピルシリルオキシ−2−アゼチジノンの
代わりに(3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(5−
クロロ−2−ピリジル)−3−トリイソプロピルシリルオキシ−2−アゼチジノ
ンを使用して、実施例1の工程1と同様な操作を行うことにより、標記化合物を
得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 0.87−0.94(21H,m),1.18−1.69(2H,m),1.3
1(3H,s),1.41(9H,s),1.52(3H,s),1.65(3
H,s),1.82(3H,s),1.72−2.05(2H,m),2.24
−2.34(2H,m),2.48(3H,s),2.97(1H,d,J=5
.4Hz),4.19−4.23(2H,m),4.33(1H,d,J=7.
8Hz),4.95(1H,s),5.21(1H,d,J=5.8Hz),5
.27−5.31(2H,m),5.42−5.47(3H,m),5.58(
1H,d,J=17.5Hz),5.96−6.04(2H,m),6.11(
1H,t,J=8.8Hz),7.38(1H,d,J=8.3Hz),7.4
4(2H,t,J=7.3Hz),7.57(1H,t,J=7.3Hz),7
.65(1H,dd,J=8.3Hz,2.5Hz),8.13(2H,d,J
=7.3Hz),8.53(1H,d,J=2.5Hz). 工程2:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−
9,10−(2−プロペニリデンジオキシ)タクス−11−エン−13−イル(
2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(5−クロ
ロ−2−ピリジル)−2−ヒドロキシプロピオネート 上記工程1で得た化合物を原料に用い、実施例1の工程2と同様な操作を行う
ことにより、標記化合物を得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 1.26(3H,s),1.22−1.65(2H,m),1.43(9H,s
),1.49(3H,s),1.64(3H,s),1.74(3H,s),1
.75−2.09(2H,m),2.30−2.39(2H,m),2.33(
3H,s),2.94(1H,d,J=4.9Hz),4.18(1H,d,J
=5.3Hz),4.22(1H,d,J=8.3Hz)4.32(1H,d,
J=8.3Hz),4.61(1H,br s),4.92(2H,m),5.
24(1H,d,J=6.3Hz),5.30(1H,d,J=6.8Hz),
5.36(1H,d,J=9.3Hz),5.46(1H,d,J=10.5H
z),5.58(1H,d,J=17.5Hz),5.87(1H,d,J=9
.3Hz),5.96−6.05(2H,m),6.11(1H,t,J=7.
8Hz),7.39(1H,d,J=8.3Hz),7.47(2H,t,J=
7.3Hz),7.60(1H,t,J=7.3Hz),7.69(1H,dd
,J=8.3Hz,2.4Hz),8.12(2H,d,J=7.3Hz),8
.51(1H,d,J=2.4Hz). 工程3:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−
9,10−[(1S)−2−(モルホリノ)エチリデンジオキシ]タクス−11
−エン−13−イル(2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(5−クロロ−2−ピリジル)−2−ヒドロキシプロピオネート 上記工程2で得た化合物を原料に用い、実施例1の工程3と同様な操作を行う
ことにより、標記化合物を得た。 融点:146−150℃ H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 1.26(3H,s),1.20−1.72(2H,m),1.43(9H,s
),1.48(3H,s),1.63(3H,s),1.73(3H,s),1
.75−2.03(2H,m),2.33(3H,s),2.30−2.38(
2H,m),2.59−2.69(4H,m),2.72(1H,dd,J=5
.4,13.2Hz),2.79(1H,dd,J=3.9,13.2Hz),
2.92(1H,d,J=4.9Hz),3.74(4H,t,J=4.9Hz
),4.12(1H,d,J=7.9Hz),4.22(1H,d,J=8.8
Hz),4.32(1H,d,J=8.8Hz),4.59(1H,br s)
,4.91(2H,m),5.05(1H,t,J=4.4Hz),5.24(
1H,d,J=6.8Hz),5.35(1H,d,J=9.3Hz),5.8
7(1H,d,J=9.8Hz),5.99(1H,d,J=4.9Hz),6
.10(1H,t,J=8.0Hz),7.39(1H,d,J=8.3Hz)
,7.47(2H,t,J=7.3Hz),7.60(1H,t,J=7.3H
z),7.69(1H,dd,J=8.3Hz,2.5Hz),8.12(2H
,d,J=7.3Hz),8.50(1H,d,J=2.5Hz). 元素分析(C4862ClN14・HOとして) 計算値 :C,60.15;H,6.73;N,4.38;Cl,3. 70 実測値 :C,60.15;H,6.74;N,4.20;Cl,3. 63 (実施例3) 工程1:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−
9,10−(2−プロペニリデンジオキシ)タクス−11−エン−13−イル(
2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(5−フル
オロ−2−ピリジル)−2−トリイソプロピルシリルオキシプロピオネート (3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(5−メトキ
シ−2−ピリジル)−3−トリイソプロピルシリルオキシ−2−アゼチジノンの
代わりに(3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(5−
フルオロ−2−ピリジル)−3−トリイソプロピルシリルオキシ−2−アゼチジ
ノンを使用して、実施例1の工程1と同様な操作を行うことにより、標記化合物
を得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 0.87−0.94(21H,m),1.20−1.70(2H,m),1.3
1(3H,s),1.42(9H,s),1.52(3H,s),1.65(3
H,s),1.82(3H,s),1.75−2.07(2H,m),2.26
−2.32(2H,m),2.49(3H,s),2.97(1H,d,J=5
.4Hz),4.19−4.23(2H,m),4.33(1H,d,J=8H
z),4.96(1H,s),5.21(1H,d,J=5.9Hz),5.2
7−5.32(2H,m),5.43−5.49(3H,m),5.58(1H
,d,J=17.5Hz),5.96−6.04(2H,m),6.12(1H
,t,J=8Hz),7.36−7.47(4H,m),7.57(1H,t,
J=7.3Hz),8.13(2H,d,J=7.3Hz),8.43(1H,
d,J=2.4Hz). 工程2:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−
9,10−(2−プロペニリデンジオキシ)タクス−11−エン−13−イル(
2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(5−フル
オロ−2−ピリジル)−2−ヒドロキシプロピオネート 上記工程1で得た化合物を原料に用い、実施例1の工程2と同様な操作を行う
ことにより、標記化合物を得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 1.27(3H,s),1.20−1.68(2H,m),1.44(9H,s
),1.49(3H,s),1.64(3H,s),1.74(3H,s),1
.75−2.05(2H,m),2.30−2.39(2H,m),2.34(
3H,s),2.93(1H,d,J=4.9Hz),4.18(1H,d,J
=6.8Hz),4.23(1H,d,J=8.3Hz)4.33(1H,d,
J=8.3Hz),4.62(1H,d,J=2.5Hz),4.90−4.9
2(2H,m),5.24(1H,d,J=5.8Hz),5.30(1H,d
,J=6.8Hz),5.37(1H,d,J=9.3Hz),5.46(1H
,d,J=10.2Hz),5.58(1H,d,J=17Hz),5.90(
1H,d,J=10.2Hz),5.96−6.05(2H,m),6.10(
1H,t,J=7.8Hz),7.40−7.49(4H,m),7.60(1
H,t,J=7.3Hz),8.12(2H,d,J=7.3Hz),8.41
(1H,s). 工程3:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−
9,10−[(1S)−2−(モルホリノ)エチリデンジオキシ]タクス−11
−エン−13−イル(2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(5−フルオロ−2−ピリジル)−2−ヒドロキシプロピオネート 上記工程2で得た化合物を原料に用い、実施例1の工程3と同様な操作を行う
ことにより、標記化合物を得た。 融点:148−152℃ H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 1.26(3H,s),1.20−1.69(2H,m),1.43(9H,s
),1.48(3H,s),1.62(3H,s),1.72(3H,s),1
.75−2.02(2H,m),2.33(3H,s),2.30−2.39(
2H,m),2.59−2.69(4H,m),2.71(1H,dd,J=5
.4,13.2Hz),2.79(1H,dd,J=3.9,13.2Hz)2
.92(1H,d,J=4.9Hz),3.74(4H,t,J=4.9Hz)
,4.12(1H,d,J=7.3Hz),4.22(1H,d,J=8.3H
z),4.32(1H,d,J=8.3Hz),4.60(1H,br s),
4.90−4.92(2H,m),5.04(1H,t,J=4.9Hz),5
.24(1H,d,J=6.8Hz),5.36(1H,d,J=9.3Hz)
,5.89(1H,d,J=9.8Hz),5.99(1H,d,J=4.9H
z),6.09(1H,t,J=8.0Hz),7.42−7.49(3H,m
),7.60(1H,t,J=7.3Hz),7.60(1H,t,J=7.3
Hz),8.12(2H,d,J=7.3Hz),8.40(1H,s). 元素分析(C4862FN14・HOとして) 計算値 :C,61.19;H,6.85;N,4.46;F,2.0 2 実測値 :C,61.16;H,6.85;N,4.36;F,2.0 5 (実施例4) (1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4−アセト
キシ−2−ベンゾイルオキシ−9,10−[(1S)−2−(ジメチルアミノ)
エチリデンジオキシ]−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシタクス−11−エ
ン−13−イル(2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)
−2−ヒドロキシ−3−(5−メトキシ−2−ピリジル)プロピオネート 実施例1の工程2で得た化合物を原料に用いて、モルホリンの代わりにジメチ
ルアミン(2モル−メタノール溶液)を使用して実施例1の工程3と同様な操作
を行うことにより、標記化合物を得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 1.26(3H,s),1.43(9H,s),1.48(3H,s),1.6
1(3H,s),1.73(3H,s),1.83−1.97(3H,m),2
.04−2.12(2H,m),2.31−2.38(2H,m),2.34(
3H,s),2.38(6H,s),2.64−2.76(2H,m),2.9
3(1H,d,J=4.9Hz),3.85(3H,s),4.13(1H,d
,J=7.4Hz),4.21(1H,d,J=8.3Hz),4.33(1H
,d,J=8.3Hz),4.84(1H,d,J=2.4Hz),4.92(
1H,s),5.01(1H,t,J=4.9Hz),5.24(1H,d,J
=6.8Hz),5.29(1H,d,J=8.8Hz),5.91(1H,d
,J=9.3Hz),5.99(1H,d,J=5.4Hz),6.08(1H
,t,J=7.8Hz),7.23(1H,dd,J=3.0,8.3Hz),
7.34(1H,d,J=8.8Hz),7.47(2H,t,J=7.8Hz
),7.60(1H,t,J=7.8Hz),8.12(2H,d,J=7.8
Hz),8.22(1H,d,J=3.0Hz). (実施例5) (1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4−アセト
キシ−2−ベンゾイルオキシ−9,10−[(1S)−2−(ジメチルアミノ)
エチリデンジオキシ]−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシタクス−11−エ
ン−13−イル(2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)
−3−(5−フルオロ−2−ピリジル)−2−ヒドロキシプロピオネート 実施例3の工程2で得た化合物を原料に用いて、モルホリンの代わりにジメチ
ルアミン(2モル−メタノール溶液)を使用して実施例1の工程3と同様な操作
を行うことにより、標記化合物を得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 1.26(3H,s),1.20−1.70(2H,m),1.43(9H,s
),1.48(3H,s),1.62(3H,s),1.73(3H,s),1
.75−2.01(3H,m),2.33(3H,s),2.38(6H,s)
,2.32−2.39(2H,m),2.66(1H,dd,J=5.4,13
.2Hz),2.74(1H,dd,J=4.0,13.2Hz),2.93(
1H,d,J=4.9Hz),4.12(1H,d,J=7.3Hz),4.2
2(1H,d,J=8.3Hz),4.32(1H,d,J=8.3Hz),4
.90−4.92(2H,m),5.02(1H,t,J=5.4Hz),5.
25(1H,d,J=6.8Hz),5.36(1H,d,J=6.8Hz),
5.90(1H,d,J=8.8Hz),5.99(1H,d,J=4.9Hz
),6.09(1H,t,J=8.1Hz),7.42−7.49(4H,m)
,7.60(1H,t,J=7.3Hz),8.12(2H,d,J=7.3H
z),8.41(1H,s). (実施例6) 工程1:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−
9,10−(2−プロペニリデンジオキシ)タクス−11−エン−13−イル(
2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(3−フル
オロ−2−ピリジル)−2−トリイソプロピルシリルオキシプロピオネート (3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(5−メトキ
シ−2−ピリジル)−3−トリイソプロピルシリルオキシ−2−アゼチジノンの
代わりに(3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(3−
フルオロ−2−ピリジル)−3−トリイソプロピルシリルオキシ−2−アゼチジ
ノンを使用して、実施例1の工程1と同様な操作を行うことにより、標記化合物
を得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 0.89−0.93(21H,m),1.28(3H,s),1.39(9H,
s),1.54(3H,s),1.66(3H,s),1.82(3H,s),
1.61−1.64(3H,m),1.89−1.96(2H,m),2.33
−2.39(2H,m),2.49(3H,s),2.98(1H,d,J=4
.8Hz),4.21−4.23(2H,m),4.36(1H,d,J=7.
8Hz),4.96(2H,br s),5.20(1H,d,J=5.9Hz
),5.27(1H,d,J=6.8Hz),5.46(1H,d,J=9.8
Hz),5.58(1H,d,J=17.1Hz),5.61(1H,d,J=
6.8Hz),5.96−6.03(2H,m),6.08−6.12(2H,
m),7.25−7.29(1H,m),7.40(1H,t,J=8.3Hz
),7.47(2H,t,J=7.8Hz),7.59(1H,t,J=7.8
Hz),8.16(2H,d,J=7.8Hz),8.39(1H,d,J=3
.4Hz). 工程2:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−
9,10−(2−プロペニリデンジオキシ)タクス−11−エン−13−イル(
2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(3−フル
オロ−2−ピリジル)−2−ヒドロキシプロピオネート 上記工程1で得た化合物を原料に用い、実施例1の工程2と同様な操作を行う
ことにより、標記化合物を得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 1.30(3H,s),1.41(9H,s),1.51(3H,s),1.6
5(3H,s),1.81(3H,s),1.57−1.63(3H,m),1
.89−1.95(2H,m),2.03−2.10(1H,m),2.35(
3H,s),2.43−2.49(1H,m),2.95(1H,d,J=4.
9Hz),4.20(1H,d,J=7.4Hz),4.23(1H,d,J=
8.8Hz),4.33(1H,d,J=8.3Hz),4.68(1H,d,
J=2.5Hz),4.92(1H,s),5.24(1H,d,J=6.4H
z),5.31(1H,d,J=6.8Hz),5.46(1H,d,J=9.
8Hz),5.58(1H,d,J=17.1Hz),5.65(1H,d,J
=8.3Hz),5.97−6.05(2H,m),6.10(1H,t,J=
8.8Hz),6.21(1H,d,J=8.3Hz),7.29−7.32(
1H,m),7.43−7.49(3H,m),7.60(1H,t,J=7.
3Hz),8.14(2H,d,J=7.3Hz),8.41(1H,d,J=
4.9Hz). 工程3:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−
9,10−[(1S)−2−(モルホリノ)エチリデンジオキシ]タクス−11
−エン−13−イル(2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(3−フルオロ−2−ピリジル)−2−ヒドロキシプロピオネート 上記工程2で得た化合物を原料に用い、実施例1の工程3と同様な操作を行う
ことにより、標記化合物を得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 1.29(3H,s),1.40(9H,s),1.49(3H,s),1.6
1(3H,s),1.79(3H,s),1.70−2.03(5H,m),2
.30−2.44(2H,m),2.35(3H,s),2.61−2.65(
4H,m),2.70−2.82(2H,m),2.94(1H,d,J=4.
8Hz),3.75(4H,t,J=4.9Hz),4.14(1H,d,J=
7.3Hz),4.23(1H,d,J=8.3Hz),4.33(1H,d,
J=7.8Hz),4.67(1H,s),4.92(1H,s),5.05(
1H,t,J=4.9Hz),5.25(1H,d,J=7.3Hz),5.6
5(1H,d,J=7.8Hz),5.99(1H,d,J=5.4Hz),6
.09(1H,t,J=7.8Hz),6.20(1H,d,J=8.3Hz)
,7.29−7.33(1H,m),7.43−7.49(3H,m),7.6
0(1H,t,J=7.3Hz),8.13(2H,d,J=7.3Hz),8
.40(1H,d,J=4.9Hz). (実施例7) (1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4−アセト
キシ−2−ベンゾイルオキシ−9,10−[(1S)−2−(ジメチルアミノ)
エチリデンジオキシ]−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシタクス−11−エ
ン−13−イル(2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)
−3−(3−フルオロ−2−ピリジル)−2−ヒドロキシプロピオネート 実施例6の工程2で得た化合物を原料に用いて、モルホリンの代わりにジメチ
ルアミン(2モル−メタノール溶液)を使用して実施例1の工程3と同様な操作
を行うことにより、標記化合物を得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 1.29(3H,s),1.41(9H,s),1.49(3H,s),1.6
3(3H,s),1.79(3H,s),1.86−2.08(5H,m),2
.32−2.38(2H,m),2.34(3H,s),2.38(6H,s)
,2.66(1H,dd,J=5.4,13.6Hz),2.75(1H,dd
,J=3.9,13.6Hz),2.94(1H,d,J=4.9Hz),4.
14(1H,d,J=6.9Hz),4.23(1H,d,J=8.3Hz),
4.33(1H,d,J=8.3Hz),4.68(1H,d,J=2.9Hz
),4.92(1H,s),5.02(1H,t,J=4.9Hz),5.25
(1H,d,J=6.8Hz),5.65(1H,d,J=8.3Hz),6.
00(1H,d,J=4.9Hz),6.09(1H,t,J=7.8Hz),
6.21(1H,d,J=8.3Hz),7.28−7.33(1H,m),7
.43−7.49(3H,m),7.60(1H,t,J=7.3Hz),8.
14(2H,d,J=7.3Hz),8.40(1H,d,J=4.4Hz).
(実施例8) 工程1:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−
9,10−(2−プロペニリデンジオキシ)タクス−6,11−ジエン−13−
イル(2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(5
−メトキシ−2−ピリジル)−2−トリイソプロピルシリルオキシプロピオネー
ト (1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4−アセ
トキシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1,13−ジヒドロキシ
−9,10−(2−プロペニリデンジオキシ)タクス−6,11−ジエン300
mgを乾燥したテトラヒドロフラン10mlに溶解し、−60℃でリチウムヘキ
サメチルジシラジド(1モル−テトラヒドロフラン溶液)0.63mlを加え2
0分間攪拌した。同温で反応液に(3R,4S)−1−(tert−ブトキシカ
ルボニル)−4−(5−メトキシ−2−ピリジル)−3−トリイソプロピルシリ
ルオキシ−2−アゼチジノン280mgのテトラヒドロフラン5ml溶液を加え
、氷冷下で30分間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニア水および酢酸エチル
を加え分液操作し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層をあわせて飽和食塩水
で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1(v/v)で溶
出)で精製し、標記化合物530mgを得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 0.87−0.93(21H,m),1.29(3H,s),1.41(9H,
s),1.54(3H,s),1.69(3H,s),1.75(3H,s),
1.82(1H,s),2.29(1H,dd,J=9.8,15.1Hz),
2.40(1H,dd,J=8.8,15.1Hz),2.53(3H,s),
3.13(1H,d,J=5.8Hz),3.85(3H,s),4.04(1
H,d,J=7.3Hz),4.30(2H,br s),4.90(1H,d
,J=3.9Hz),5.20−5.23(2H,m),5.28(1H,d,
J=9.8Hz),5.38(1H,s),5.47−5.49(2H,m),
5.60(1H,d,J=17.0Hz),5.71(1H,dd,J=4.4
,10.2Hz),5.96−6.06(2H,m),6.09−6.14(2
H,m),7.16(1H,dd,J=2.9,8.3Hz),7.31(1H
,d,J=8.3Hz),7.47(2H,t,J=7.8Hz),7.58(
1H,t,J=7.8Hz),8.14(2H,d,J=7.8Hz),8.2
6(1H,d,J=2.9Hz). 工程2:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−
9,10−[(1S)−2−(モルホリノ)エチリデンジオキシ]タクス−6,
11−ジエン−13−イル(2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニ
ルアミノ)−3−(5−メトキシ−2−ピリジル)−2−トリイソプロピルシリ
ルオキシプロピオネート 上記工程1で得た化合物520mgをテトラヒドロフラン5mlに溶解し、ア
セトン5ml、水5ml、四酸化オスミウム13mg、およびN−メチルモルホ
リン−N−オキシド300mgを加え、室温で7.5時間攪拌した。反応液に酢
酸エチルおよび10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え分液操作し、水層を酢酸
エチルで抽出した。有機層を合わせて飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去後、得られた残渣をテトラヒド
ロフラン5mlに溶解し、メタノール5ml、水5mlおよびメタ過よう素酸ナ
トリウム1.1gを加え、室温で1.5時間攪拌した。反応液に酢酸エチルおよ
び水を加え分液操作し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて飽和食
塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた
残渣をエタノール30mlに溶解し、氷冷下モルホリン0.22ml、酢酸0.
15mlおよび水素化シアノホウ素ナトリウム160mgを加え、室温で1時間
攪拌した。反応液に飽和重曹水、酢酸エチルおよび水を加え分液操作し、水層を
酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:2(v/v)で溶出)を用いて精製し、標記
化合物290mgを得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 0.87−0.93(21H,m),1.28(3H,s),1.41(9H,
s),1.53(3H,s),1.55(3H,s),1.73(3H,s),
1.80(1H,s),2.26(1H,dd,J=8.8,15.1Hz),
2.39(1H,dd,J=9.8,15.1Hz),2.53(3H,s),
2.60−2.68(4H,m),2.74(1H,dd,J=4.9,13.
7Hz),2.81(1H,dd,J=4.9,13.7Hz),3.12(1
H,d,J=5.4Hz),3.76(4H,t,J=4.8Hz),3.85
(3H,s),3.99(1H,d,J=7.9Hz),4.30(2H,s)
,4.89(1H,d,J=3.9Hz),5.02(1H,t,J=3.9H
z),5.14(1H,d,J=7.3Hz),5.27(1H,d,J=9.
8Hz),5.37(1H,d,J=1.5Hz),5.47(1H,d,J=
9.8Hz),5.69(1H,dd,J=3.9,10.5Hz),5.94
(1H,d,J=5.3Hz),6.07−6.13(2H,m),7.16(
1H,dd,J=2.9,6.3Hz),7.30(1H,d,J=6.3Hz
),7.47(2H,t,J=7.8Hz),7.58(1H,t,J=7.8
Hz),8.15(2H,d,J=7.8Hz),8.26(1H,d,J=2
.9Hz). 工程3:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−
9,10−[(1S)−2−(モルホリノ)エチリデンジオキシ]タクス−11
−エン−13−イル(2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−3−(5−メトキシ−2−ピリジル)−2−トリイソプロピルシリルオキ
シプロピオネート 上記工程2で得た化合物235mgをエタノール10mlに溶解し、5%パラ
ジウム炭素触媒(ウエット)235mgを加え水素加圧下(392kPa)、1
0時間振盪した。触媒をろ去後、ろ液を濃縮し、標記化合物230mgを得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 0.88−0.94(21H,m),1.30(3H,s),1.42(9H,
s),1.50(3H,s),1.60(3H,s),1.79(3H,s),
1.84−2.30(7H,m),2.50(3H,s),2.60−2.84
(4H,m),2.85−2.92(2H,m),2.95(1H,d,J=4
.4Hz),3.80(4H,t,J=4.4Hz),3.85(3H,s),
4.17(1H,d,J=7.3Hz),4.19(1H,d,J=8.7Hz
),4.33(1H,d,J=8.3Hz),4.96(1H,s),5.10
(1H,br s),5.22−5.28(2H,m),5.40(1H,s)
,5.48(1H,d,J=10.3Hz),5.96(1H,d,J=4.9
Hz),6.10(1H,t,J=8.3Hz),7.12−7.17(1H,
m),7.31(1H,d,J=8.3Hz),7.45(2H,t,J=7.
8Hz),7.57(1H,t,J=7.8Hz),8.13(2H,d,J=
7.8Hz),8.26(1H,d,J=2.9Hz) 工程4:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−
9,10−[(1S)−2−(モルホリノ)エチリデンジオキシ]タクス−11
−エン−13−イル(2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−2−ヒドロキシ−3−(5−メトキシ−2−ピリジル)プロピオネート 上記工程3で得た化合物230mgを乾燥したテトラヒドロフラン5mlに溶
解し、氷冷下テトラブチルアンモニウムフルオリド(1モル−テトラヒドロフラ
ン溶液)0.43mlを加え、同温で30分間攪拌した。反応液に飽和食塩水お
よび酢酸エチルを加え分液操作し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層をあわ
せて飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減
圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム
:メタノール=50:1(v/v)で溶出)で精製後、含水エタノールより再結
晶を行い、標記化合物110mgを得た。機器データは実施例1の工程3で得た
化合物と一致していた。 (実施例9) 工程1:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−
9,10−(2−プロペニリデンジオキシ)タクス−6,11−ジエン−13−
イル(2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(3
−フルオロ−2−ピリジル)−2−トリイソプロピルシリルオキシプロピオネー
ト (3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(5−メトキ
シ−2−ピリジル)−3−トリイソプロピルシリルオキシ−2−アゼチジノンの
代わりに(3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(3−
フルオロ−2−ピリジル)−3−トリイソプロピルシリルオキシ−2−アゼチジ
ノンを使用して、実施例8の工程1と同様な操作を行うことにより、標記化合物
を得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 0.88−0.92(21H,m),1.33(3H,s),1.38(9H,
s),1.56(3H,s),1.60(3H,s),1.76(3H,s),
2.41−2.45(2H,m),2.51(3H,s),3.14(1H,d
,J=5.8Hz),4.06(1H,d,J=7.8Hz),4.33(2H
,s),4.90(1H,d,J=4.4Hz),4.94(1H,d,J=2
.4Hz),5.19−5.22(2H,m),5.48(1H,d,J=10
.3Hz),5.58−5.64(2H,m),5.70(1H,dd,J=1
0.3,4.4Hz),5.96−6.14(5H,m),7.26−7.30
(1H,m),7.41(1H,t,J=8.5Hz),7.49(2H,t,
J=7.5Hz),7.59(1H,t,J=7.5Hz),8.17(2H,
d,J=7.5Hz),8.40(1H,d,J=4.4Hz). 工程2:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−9,10−[(1S)−2−(ジメチル
アミノ)エチリデンジオキシ]−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシタクス−
6,11−ジエン−13−イル(2R,3S)−3−(tert−ブトキシカル
ボニルアミノ)−3−(3−フルオロ−2−ピリジル)−2−トリイソプロピル
シリルオキシプロピオネート 上記工程1で得た化合物を原料に用い、モルホリンの代わりにジメチルアミン
(2モル−メタノール溶液)を使用して実施例8の工程2と同様な操作を行うこ
とにより、標記化合物を得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 0.87−0.92(21H,m),1.32(3H,s),1.38(9H,
s),1.55(3H,s),1.57(3H,s),1.75(3H,s),
2.39(6H,s),2.42−2.45(2H,m),2.51(3H,s
),2.66(1H,dd,J=5.1,13.2Hz),2.74(1H,d
d,J=4.2,13.2Hz),3.14(1H,d,J=5.8Hz),4
.01(1H,d,J=7.9Hz),4.32(2H,s),4.90−4.
94(2H,m),5.00(1H,t,J=4.9Hz),5.15(1H,
d,J=7.9Hz),5.63(1H,d,J=9.8Hz),5.69(1
H,dd,J=9.8,4.4Hz),5.95(1H,d,J=5.8Hz)
,6.07−6.13(3H,m),7.26−7.28(1H,m),7.4
1(1H,t,J=9.2Hz),7.49(2H,t,J=7.5Hz),7
.59(1H,t,J=7.5Hz),8.17(2H,d,J=7.5Hz)
,8.40(1H,d,J=4.4Hz). 工程3:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−9,10−[(1S)−2−(ジメチル
アミノ)エチリデンジオキシ]−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシタクス−
11−エン−13−イル(2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニル
アミノ)−3−(3−フルオロ−2−ピリジル)−2−トリイソプロピルシリル
オキシプロピオネート 上記工程2で得た化合物を原料に用い、実施例8の工程3と同様な操作を行う
ことにより、標記化合物を得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 0.83−0.93(21H,m),1.35(3H,s),1.38(9H,
s),1.52(3H,s),1.56−2.07(5H,m),1.62(3
H,s),1.81(3H,s),2.34−2.43(2H,m),2.38
(6H,s),2.49(3H,s),2.66(1H,dd,J=5.4,1
3.2Hz),2.74(1H,dd,J=3.4,13.2Hz),2.98
(1H,d,J=5.4Hz),4.17(1H,d,J=7.3Hz),4.
22(1H,d,J=7.8Hz),4.36(1H,d,J=8.3Hz),
4.96(2H,s),5.00(1H,t,J=4.8Hz),5.22(1
H,d,J=7.3Hz),5.60(1H,d,J=8.8Hz),5.98
(1H,d,J=4.9Hz),6.08−6.10(2H,m),7.26−
7.28(1H,m),7.40(1H,t,J=9.2Hz),7.48(2
H,t,J=7.5Hz),7.59(1H,t,J=7.5Hz),8.16
(2H,d,J=7.5Hz),8.40(1H,d,J=3.9Hz). 工程4:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−9,10−[(1S)−2−(ジメチル
アミノ)エチリデンジオキシ]−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシタクス−
11−エン−13−イル(2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニル
アミノ)−3−(3−フルオロ−2−ピリジル)−2−ヒドロキシプロピオネー
ト 上記工程3で得た化合物を原料に用い、実施例8の工程4と同様な操作を行う
ことにより、標記化合物を得た。機器データは実施例7の工程3で得た化合物と
一致していた。 (実施例10) (1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4−アセト
キシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−9,10
−(2−プロペニリデンジオキシ)タクス−6,11−ジエン−13−イル(2
R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(3−フルオ
ロ−2−ピリジル)−2−ヒドロキシプロピオネート 実施例9の工程1で得た化合物を原料に用いて、実施例1の工程2と同様な操
作を行うことにより、標記化合物を得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 1.29(3H,s),1.39(9H,s),1.54(3H,s),1.6
0(3H,s),1.74(3H,s),1.91(1H,s),2.35−2
.48(2H,m),2.41(3H,s),3.11(1H,d,J=5.4
Hz),3.92(1H,br s),4.03(1H,d,J=7.6Hz)
,4.27(1H,d,J=8.1Hz),4.33(1H,d,J=8.2H
z),4.67(1H,br s),4.87(1H,d,J=4.1Hz),
5.22−5.25(2H,m),5.48(1H,d,J=10.8Hz),
5.60(1H,d,J=17.3Hz),5.62−5.64(1H,m),
5.69(1H,dd,J=4.1,10.3Hz),5.98−6.13(4
H,m),6.21(1H,d,J=8.3Hz),7.29−7.33(1H
,m),7.43−7.50(3H,m),7.60(1H,t,J=7.3H
z),8.15(2H,d,J=7.6Hz),8.39(1H,d,J=4.
6Hz). (実施例11) (1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4−アセト
キシ−2−ベンゾイルオキシ−9,10−[(1S)−2−(ジメチルアミノ)
エチリデンジオキシ]−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシタクス−6,11
−ジエン−13−イル(2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルア
ミノ)−3−(3−フルオロ−2−ピリジル)−2−ヒドロキシプロピオネート 実施例9の工程2で得た化合物を原料に用いて、実施例1の工程2と同様な操
作を行うことにより、標記化合物を得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 1.28(3H,s),1.39(9H,s),1.52(3H,s),1.5
7(3H,s),1.72(3H,s),1.86(1H,s),2.27−2
.46(2H,m),2.39(6H,s),2.41(3H,s),2.69
(1H,dd,J=5.2,13.2Hz),2.79(1H,dd,J=4.
2,13.2Hz),3.11(1H,d,J=5.9Hz),3.98(1H
,d,J=7.6Hz),4.28(1H,d,J=8.1Hz),4.33(
1H,d,J=8.3Hz),4.66(1H,d,J=2.5Hz),4.8
7(1H,d,J=4.1Hz),5.02(1H,dd,J=4.2,4.8
Hz),5.17(1H,d,J=7.8Hz),5.62(1H,d,J=8
.5Hz),5.68(1H,dd,J=4.1,10.3Hz),5.96(
1H,m),6.10(2H,m),6.20(1H,d,J=6.9Hz),
7.27−7.60(6H,m),8.15(2H,d,J=7.3Hz),8
.40(1H,d,J=4.6Hz). (実施例12) 工程1:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−
9,10−(2−プロペニリデンジオキシ)タクス−6,11−ジエン−13−
イル(2R,3S)−2−ベンジルオキシ−3−(tert−ブトキシカルボニ
ルアミノ)−3−(3−フルオロ−2−ピリジル)プロピオネート (3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(5−メトキ
シ−2−ピリジル)−3−トリイソプロピルシリルオキシ−2−アゼチジノンの
代わりに(3R,4S)−3−ベンジルオキシ−1−(tert−ブトキシカル
ボニル)−4−(3−フルオロ−2−ピリジル)−2−アゼチジノンを使用して
、実施例8の工程1と同様な操作を行うことにより、標記化合物を得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 1.32(3H,s),1.39(9H,s),1.56(3H,s),1.5
9(3H,s),1.77(3H,s),1.85(1H,s),2.31(3
H,s),2.39(2H,m),3.13(1H,d,J=6.1Hz),4
.07(1H,d,J=7.6Hz),4.18(1H,d,J=12.0Hz
),4.31(3H,m),4.68(1H,d,J=12.2Hz),4.9
0(1H,d,J=4.2Hz),5.23(2H,t,J=7.1Hz),5
.48(1H,d,J=11.0Hz),5.59(2H,m),5.70(1
H,dd,J=4.4,10.5Hz),6.02(1H,m),6.13(2
H,d,J=10.2Hz),6.26(1H,d,J=9.0Hz),6.8
8(2H,d,J=7.1Hz),7.19(3H,m),7.29(2H,t
,J=6.8Hz),7.49(2H,t,J=7.8Hz),7.60(1H
,t,J=7.3Hz),8.16(2H,d,J=7.3Hz),8.42(
1H,m). 工程2:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−9,10−[(1S)−2−(ジメチル
アミノ)エチリデンジオキシ]−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシタクス−
6,11−ジエン−13−イル(2R,3S)−2−ベンジルオキシ−3−(t
ert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(3−フルオロ−2−ピリジル)プ
ロピオネート 上記工程1で得た化合物を原料に用い、モルホリンの代わりにジメチルアミン
(2モル−メタノール溶液)を使用して実施例8の工程2と同様な操作を行うこ
とにより、標記化合物を得た。 H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ: 1.26(3H,s),1.39(9H,s),1.54(3H,s),1.5
7(3H,s),1.75(3H,s),1.82(1H,s),2.31(3
H,s),2.36−2.39(2H,m),2.38(6H,s),2.71
(1H,dd,J=5.2,13.2Hz),2.77(1H,dd,J=4.
1,13.2Hz),3.12(1H,d,J=5.6Hz),4.02(1H
,d,J=7.8Hz),4.19(1H,d,J=12.2Hz),4.31
(2H,m),4.36(1H,d,J=2.9Hz),4.68(1H,d,
J=12.7Hz),4.88(1H,d,J=4.1Hz),5.01(1H
,t,J=4.7Hz),5.16(1H,d,J=7.8Hz),5.60(
1H,d,J=8.8Hz),5.69(1H,dd,J=4.2,10.3H
z),5.93(1H,d,J=5.6Hz),6.11(2H,m),6.2
3(1H,d,J=9.3Hz),6.88(2H,d,J=6.6Hz),7
.16−7.31(5H,m),7.48(2H,t,J=7.8Hz),7.
59(1H,t,J=7.3Hz),8.15(2H,dd,J=1.5,7.
1Hz),8.41(1H,d,J=2.9Hz). 工程3:(1S,2S,3R,4S,5R,8R,9S,10R,13S)−4
−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシ−9,10−[(1S)−2−(ジメチル
アミノ)エチリデンジオキシ]−5,20−エポキシ−1−ヒドロキシタクス−
11−エン−13−イル(2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニル
アミノ)−3−(3−フルオロ−2−ピリジル)−2−ヒドロキシプロピオネー
ト 上記工程2で得た化合物を原料に用い、実施例8の工程3と同様な操作を行う
ことにより、標記化合物を得た。機器データは実施例7の工程3で得た化合物と
一致していた。 (試験例1) マウス(系統名;Balb/c)にマウス繊維肉腫Meth Aを皮下移植し
、移植後6,8,10日後(あるいは6日後のみ)に化合物をエタノール、Tw
een80、5%グルコース(5:5:90(v/v))の混合溶媒に溶解して
静脈内投与した。17日目に解剖し、腫瘍重量、血小板数、腎毒性、を検索した
。マウスは各群6匹を使用した。 抗腫瘍効果は、次の式で算出した。 {1−(化合物投与群の腫瘍重量/溶媒投与群の腫瘍重量)}×100 血小板数は(化合物投与群の血小板数/溶媒投与群の血小板数)×100で表
記した。 腎毒性所見は、解剖時の肉眼的観察で退色等の変化が認められた場合または組
織学的検査で腎尿細管細胞・細胞質内の硝子滴物質の沈着等の変化が認められた
場合に変化ありと表記した。 (試験例2) マウス(C57BL/6)にB16メラノーマBL6を皮下移植し、4日後に
化合物を投与した。静脈内投与では、化合物Aはエタノール、Tween80、
5%グルコース(5:15:80(v/v))の混合溶媒に溶解して、実施例7
の化合物は5:5:90(v/v)の同混合溶媒に溶解して投与した。経口投与
では、0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液に懸濁させて投与
した。投与後2、3日毎に体重を測定し、移植15日後に解剖して腫瘍重量を測
定した。抗腫瘍効果は、次の式で算出した。 {1−(化合物投与群の腫瘍重量/溶媒投与群の腫瘍重量)}×100 マウスは各群6匹を使用した。 (試験例3) ヒトミクロソームP450における代謝 評価検体をアセトニトリル/水(1:1,v/v)に500μMとなるように
溶解し、これをヒト肝ミクロソーム(Xenotech LLC社製)および各
種補酵素、緩衝液等と混合し、37℃で代謝反応を起こさせた。反応液の組成は
リン酸緩衝液(最終濃度、以下同じ、0.076M)、評価検体(10μM)、
ヒト肝ミクロソーム(1mg/ml)、グルコース6−リン酸(10mM)、グ
ルコース6−リン酸脱水素酵素(1unit/ml)、塩化マグネシウム(4m
M)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド−リン酸還元型(β−NADPH
、1mM)であり、一つの反応に対して500μlを使用した。なお、β−NA
DPHを除いた反応液を37℃で2分間温めておき、β−NADPH水溶液(5
0mM,10μl)を添加することで反応を開始した。 反応開始後1,2および5分後に氷冷したアセトニトリル1mlを添加し反応
を停止した。 なお、反応開始後0分はβ−NADPH水溶液の代わりに水を加えて、直ちに
アセトニトリル1mlを加えて作製した。これらサンプルに内部標準物質を10
0μl添加し、反応液を15分間遠心した。上清を高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)に注入し、評価検体の濃度を測定した。反応開始0分の濃度からの
減少量を代謝物の生成量(nmol/mg protein)とした。代謝物の
生成量を反応時間に対してプロットし、最小二乗法で直線回帰を行い、傾きより
1分間あたりの代謝物生成量(代謝速度定数:k(nmol/min/mg p
rotein))を算出した。 求められた代謝速度定数k(nmol/min/mg protein)より
肝固有クリアランス(CLint)を以下の式より算出した。 CLint(ml/min/kg体重)=k×{(g肝重量)/(kg体重)
}×(45mgのミクロソーム蛋白質)/(g肝重量) ただし、体重1kgあたりの肝重量は20gとした。 さらにCLintよりWell−stirred model(J.Phar
macol.Exp.Ther.283 46−58,1997)に従い肝クリ
アランス(CLh)を算出した。 CLh(ml/min/kg体重)=CLh(ml/min/kg体重)=Q
×CLint/(Q+CLint) ただし、Qはヒトにおける肝血流量で20ml/min/kgとした。 CLhより以下の式から代謝物の理論バイオアベイラビリティ(F)値を算出
した。 F=(1−CLh/Q) さらに、1−F式により、未変化体の理論バイオアベイアビリティ値を算出し
た。 結果を図1および表1に示した。本発明の化合物の未変化体の理論F値は、対象
化合物(化合物B)の未変化体理論F値0.27よりも大きな値を示し、これは
、バイオアベイアビリティのばらつき幅が抑えられ、ひいては、治療域と毒性域
の乖離がより精度良く図れ、経口投与可能なことを示している。 (試験例4) 化合物Bまたは実施例7の化合物をサルに単回で静脈内または経口投与し、血
中濃度推移を測定してAUC0−∞を算出した。AUC0−∞は投与時を0hと
した場合の無限時間までの薬物血中濃度の濃度−時間曲線下面積のことを指し、
文献記載の方法を用いて算出することができる(薬物速度論入門 山岡清・谷川
原祐介共著 p.116−117 南江堂)。さらに、静脈内投与時のAUCに
対する経口投与時のAUCの割合を経口BAとして算出した。化合物Aでは静脈
内および経口投与において別個体で1匹ずつのサルを用いて実施し、実施例7の
化合物では静脈内および経口投与で同一個体で4匹ずつのサルで実施しAUCを
平均値で求めた。 動物:雌カニクイサル、投与方法(化合物B)[静脈内] EtOH:Twe
en 80:5% Glucose=5:5:90,[経口]0.1N HCl solution、(実施例7の化合物)[静脈内]10%βCyD−SBE
7(pH=3.5生理食塩水),[経口]40mM酢酸緩衝液(pH4.0) 産業上の利用可能性 本発明の化合物は毒性面で改善され、腎毒性は認められなかった。また、本発
明の化合物はマウスで経口投与による高い抗腫瘍性効果が認められた。更に、本
発明の化合物は未変化体の理論F値が大きく、これにより、バイオアベイアビリ
ティのばらつき幅が抑えられ、治療域と毒性域の乖離が図られる。本発明の化合
物はサルでの優れた経口吸収性を示した。このことにより、本発明の化合物は経
口投与可能な抗腫瘍剤として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、化合物の代謝物生成量の経時変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (注)この公表は、国際事務局(WIPO)により国際公開された公報を基に作 成したものである。 なおこの公表に係る日本語特許出願(日本語実用新案登録出願)の国際公開の 効果は、特許法第184条の10第1項(実用新案法第48条の13第2項)に より生ずるものであり、本掲載とは関係ありません。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の式で表される化合物またはその塩。 [式中、Rは、ジメチルアミノメチル基またはモルホリノメチル基、および、
    はハロゲン原子または炭素数1〜6のアルコキシ基を意味する。]
  2. 【請求項2】Rがメトキシ基またはフッ素原子である請求項1に記載の化合物
    またはその塩。
  3. 【請求項3】次の式で表される化合物またはその塩。
  4. 【請求項4】請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の化合物またはその塩
    からなる医薬。
  5. 【請求項5】請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の化合物またはその塩
    を含有する抗腫瘍剤。
  6. 【請求項6】次の式で表される化合物またはその塩。 [式中、Rは、ジメチルアミノメチル基、モルホリノメチル基またはビニル基
    、Rは保護基を有することもある水酸基、および、Rはハロゲン原子または
    炭素数が1〜6のアルコキシ基を意味する。更に、次の式 で示す部分構造の6位と7位の点線部分は、当該部分の結合が二重結合となるこ
    ともあることを意味する。]
  7. 【請求項7】次の式で表される化合物またはその塩。 [式中、Rは、トリイソプロピルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基、
    トリエチルシリル基またはベンジル基を意味する。]
  8. 【請求項8】次の式で表される化合物またはその塩。 [式中、Rは、トリイソプロピルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基、
    トリエチルシリル基またはベンジル基を意味する。]
  9. 【請求項9】次の式で表される化合物またはその塩。 [式中、Rは、トリイソプロピルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基、
    トリエチルシリル基またはベンジル基を意味する。]
  10. 【請求項10】請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の化合物またはその
    塩を製造するための請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の化合物または
    その塩の使用。
  11. 【請求項11】次の式 で表される化合物またはその塩を製造するための、次の式 [式中、Rは、トリイソプロピルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基、
    トリエチルシリル基またはベンジル基を意味する。]で表される化合物またはそ
    の塩の使用。
  12. 【請求項12】次の式 で表される化合物またはその塩を製造するための、次の式 [式中、Rは、トリイソプロピルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基、
    トリエチルシリル基またはベンジル基を意味する。]で表される化合物またはそ
    の塩の使用。
  13. 【請求項13】次の式 で表される化合物またはその塩を製造するための、次の式 [式中、Rは、トリイソプロピルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基、
    トリエチルシリル基またはベンジル基を意味する。]で表される化合物またはそ
    の塩の使用。
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