JPWO2006009073A1 - シリコンナノシート、ナノシート溶液及びその製造方法、ナノシート含有複合体、並びに、ナノシート凝集体 - Google Patents
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Abstract
2次元方向に、かつ周期的に配列しているシリコン原子がSi−Si結合により互いに結合しているシリコン原子層を含むシリコンナノシート1、このシリコンナノシート1を含むナノシート溶液、ナノシート含有複合体及びナノシート凝集体。ナノシート溶液は、層状シリコン化合物12を酸水溶液と接触させて、シロキセン系化合物3を誘導し(酸処理工程)、シロキセン系化合物3を、界面活性剤4を含有する溶媒中に加えて振とうし、シロキセン系化合物3を剥離させる(剥離工程)ことにより得られる。また、ナノシート溶液は、炭素数3以上のアミンと水との混合溶媒に層状シリコン化合物を分散させ、水熱処理し(巣熱処理工程)、未反応物を分離する(分離工程)ことにより得られる。
Description
本発明は、シリコン原子が2次元方向に、かつ、周期的に配列しているシリコン原子層の単層からなるシリコンナノシート又はこのようなシリコン原子層が複数層凝集しているシリコンナノシート、該シリコンナノシートを含有するナノシート溶液及びその製造方法、ナノシート凝集体、並びに、ナノシート含有複合体に関する。
従来より、シリコンは、半導体集積回路、薄膜トランジスタ等の重要な電子材料として広く用いられている。シリコンは、電子デバイス用材料として優れた特性を有しており、DRAMやLSI等の電子情報処理デバイスとしても使用されている。また、シロキセン(Si6O3H6)等の層状シリコン骨格を有する化合物の水素化・水酸化化合物、多孔質シリコン、水素化アモルファスシリコン等は、発光性材料として知られている。
最近になって、シリコン基板を電気化学的エッチングすることにより形成したポーラスシリコンが可視発光するということが見出された(非特許文献1参照)。ポーラスシリコンからの発光メカニズムについては、未だ明らかにされていないが、量子効果によるもの、表面構造によるもの、又は表面酸化膜によるものと推察されている。
最近になって、シリコン基板を電気化学的エッチングすることにより形成したポーラスシリコンが可視発光するということが見出された(非特許文献1参照)。ポーラスシリコンからの発光メカニズムについては、未だ明らかにされていないが、量子効果によるもの、表面構造によるもの、又は表面酸化膜によるものと推察されている。
一方、近年、TiO2、MnO2、Ca2Nb3O10等の半導体材料からなるナノシートの研究が盛んに行われるようになった。TiO2は、レピドクロサイト型層状チタン酸塩のCs0.7Ti1.825O4から得ることができ(非特許文献2参照)、MnO2は、α−NaFeO2型関連構造の層状マンガン酸化物K0.45MnO2から得ることができ(特許文献1、及び非特許文献3参照)、Ca2Nb3O10は、層状ペロブスカイト構造のKCa2Nb3O10から得ることができる(非特許文献4参照)。いずれの場合においても層間のイオンを水素イオンで交換し、その後、4級アンモニウムイオン(特にテトラブチルアンモニウム)をその層間にインターカレートさせ、水和膨潤により層間を拡大させて激しく振とうすることにより、層状化合物を剥離し、ナノシートを作製している。
シリコン材料においては、ナノスケールの材料として、ナノ結晶シリコンがある。ナノ結晶シリコンは、従来のシリコン材料にはない量子効果を示すので、新たな電子材料等として注目を集めている。このナノ結晶シリコンは、一般に、例えばシリコンと石英ガラスとを同時にスパッタリングすることにより、SiO2中にSiが過剰に入ったアモルファス膜を別のシリコン基板上に成膜し、温度900〜1100℃熱処理する方法等によって作製できることが知られている(特許文献2参照)。
このような背景の中、次世代の電子材料として、ポーラスシリコンやナノ結晶シリコンの開発が近年ますます盛んに行われている。さらに新たな電子材料や発光性材料としての利用を図るべく、新規な構成を有する有用なシリコン材料の開発が望まれていた。
しかしながら、ナノ結晶シリコンは、間接遷移型半導体であり、励起されたキャリアが基底状態に落ちる際に、運動量の変化が必要となる。そのため、発光効率が低く、発光素子等の発光性材料には適していなかった。
また、ナノ結晶シリコンは、電子材料等として実用価値が極めて高いにもかかわらず、その合成方法のバリエーションが非常に少ない。その合成には、減圧下で過剰のSiを含むSiO2膜を成膜し、これを1000℃付近の高温でアニールする方法が主として用いられていた。
これに対し、シリコンからなるナノシートは、量子効果や発光性が期待できるため、新規な電子材料及び発光材料として期待される。しかしながら、これまでナノシート化に成功した例はいずれも遷移金属酸化物であり、非酸化物のシリコンからなるナノシートが作製された例は、従来にはない。
また、ナノ結晶シリコンは、電子材料等として実用価値が極めて高いにもかかわらず、その合成方法のバリエーションが非常に少ない。その合成には、減圧下で過剰のSiを含むSiO2膜を成膜し、これを1000℃付近の高温でアニールする方法が主として用いられていた。
これに対し、シリコンからなるナノシートは、量子効果や発光性が期待できるため、新規な電子材料及び発光材料として期待される。しかしながら、これまでナノシート化に成功した例はいずれも遷移金属酸化物であり、非酸化物のシリコンからなるナノシートが作製された例は、従来にはない。
本発明が解決しようとする課題は、シリコン原子が2次元方向に、かつ、周期的に配列している新規なシリコンナノシート、このシリコンナノシートが分散又は懸濁しているナノシート溶液及びその製造方法、シリコンナノシートを凝集させたナノシート凝集体、並びにシリコンナノシートを含有するナノシート含有複合体を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、発光効率が高く、かつ、電子材料として有用なシリコンナノシートを提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、発光効率が高く、かつ、電子材料として有用なシリコンナノシートを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係るシリコンナノシートは、2次元方向に、かつ周期的に配列しているシリコン原子がSi−Si結合により互いに結合しているシリコン原子層を含むものからなる。
また、本発明に係るナノシート溶液は、本発明に係るシリコンナノシートを溶媒液中に分散又は懸濁させたものからなる。
また、本発明に係るナノシート含有複合体は、基材の表面又は/及び内部に、本発明に係るシリコンナノシートを含有させたものからなる。
また、本発明に係るナノシート凝集体は、本発明に係るシリコンナノシートを凝集させることにより得られるものからなる。
さらに、本発明に係るナノシート溶液の製造方法は、層状シリコン化合物を酸水溶液と接触させて、シロキセン系化合物を誘導する酸処理工程と、前記シロキセン系化合物を、界面活性剤を含有する溶媒中に加えて振とうし、前記シロキセン系化合物を剥離させる剥離工程とを備えている。
また、本発明に係るナノシート溶液の製造方法の2番目は、炭素数3以上のアミンと水との混合溶媒に層状シリコン化合物を分散させ、水熱処理する水熱処理工程と、未反応物を分離する分離工程とを備えている。
また、本発明に係るナノシート溶液は、本発明に係るシリコンナノシートを溶媒液中に分散又は懸濁させたものからなる。
また、本発明に係るナノシート含有複合体は、基材の表面又は/及び内部に、本発明に係るシリコンナノシートを含有させたものからなる。
また、本発明に係るナノシート凝集体は、本発明に係るシリコンナノシートを凝集させることにより得られるものからなる。
さらに、本発明に係るナノシート溶液の製造方法は、層状シリコン化合物を酸水溶液と接触させて、シロキセン系化合物を誘導する酸処理工程と、前記シロキセン系化合物を、界面活性剤を含有する溶媒中に加えて振とうし、前記シロキセン系化合物を剥離させる剥離工程とを備えている。
また、本発明に係るナノシート溶液の製造方法の2番目は、炭素数3以上のアミンと水との混合溶媒に層状シリコン化合物を分散させ、水熱処理する水熱処理工程と、未反応物を分離する分離工程とを備えている。
層状シリコン化合物と酸とを反応させると、層状シリコン化合物の層間原子が酸分子と入れ替わり、シロキセン系化合物となる。次いで、これを含む溶液に界面活性剤を加えて振とうさせると、界面活性剤が層間に入り込み、シロキセン系化合物が無限膨潤する。また、層状シリコン化合物に、ある種のアミンを加えて水熱処理すると、層状シリコン化合物の層間原子が嵩高いアミンに置換され、層状シリコン化合物が無限膨潤する。その結果、単層又は複数層のシリコン原子層を含むシリコンナノシートが得られる。
このようにして得られたシリコンナノシートは、実質的にSi原子によって構成され、かつ、二次元異方性を有しているので、
(1) 特定の励起波長によって特定の波長の蛍光を放出する、
(2) バルクのシリコンに比べて、バンドギャップが著しく大きい、
(3) 基材表面にナノシートをコートした時に、形状のトレース性に優れる、
(4) 極めて高い比表面積を有する、
(5) 化学反応に対して高い触媒性を発揮する、
(6) 熱伝導率が高い、
などの従来にはない優れた特性を示す。
このようにして得られたシリコンナノシートは、実質的にSi原子によって構成され、かつ、二次元異方性を有しているので、
(1) 特定の励起波長によって特定の波長の蛍光を放出する、
(2) バルクのシリコンに比べて、バンドギャップが著しく大きい、
(3) 基材表面にナノシートをコートした時に、形状のトレース性に優れる、
(4) 極めて高い比表面積を有する、
(5) 化学反応に対して高い触媒性を発揮する、
(6) 熱伝導率が高い、
などの従来にはない優れた特性を示す。
1 シリコンナノシート
15 シリコン原子層
15 シリコン原子層
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
本発明に係るシリコンナノシートは、シリコン原子層を含む。
本発明において、「シリコン原子層」とは、2次元方向に、かつ周期的に配列しているシリコン原子がSi−Si結合により互いに結合している単原子層をいう。
また、「シリコン原子が2次元方向に配列している」とは、ab軸方向(層面に対して平行方向)に複数個のシリコン原子が周期的に配列しており、c軸方向(層面に対して垂直方向)には、Si原子が実質的に1個のみであることをいう。
本発明に係るシリコンナノシートは、このようなシリコン原子層の単層、又は、複数層のシリコン原子層が積層した積層体からなる。
本発明に係るシリコンナノシートは、シリコン原子層を含む。
本発明において、「シリコン原子層」とは、2次元方向に、かつ周期的に配列しているシリコン原子がSi−Si結合により互いに結合している単原子層をいう。
また、「シリコン原子が2次元方向に配列している」とは、ab軸方向(層面に対して平行方向)に複数個のシリコン原子が周期的に配列しており、c軸方向(層面に対して垂直方向)には、Si原子が実質的に1個のみであることをいう。
本発明に係るシリコンナノシートは、このようなシリコン原子層の単層、又は、複数層のシリコン原子層が積層した積層体からなる。
単層のシリコン原子層からなるシリコンナノシート(以下、これを「単層ナノシート」という)の場合、その厚さは、およそ0.5〜1nmである。シリコン原子層の厚さは、その構造に応じて若干異なる。例えば、シリコン原子がダイヤモンド構造の(111)面と同様の構造となるように規則配列している場合、単層ナノシートの厚さは、0.6nm〜0.8nmとなる。
単層ナノシートは、サイズ異方性(厚さに対する幅の比)が大きい。そのため、例えば、シリコンナノシートを基材等にコートする場合には、基材の表面形状を再現よくトレースすることができる。また、厚さに比べてシートの面積が著しく大きいので、基材の表面形状を大きく変えることなく、基材表面を効率よく被覆することができる。
単層ナノシートは、サイズ異方性(厚さに対する幅の比)が大きい。そのため、例えば、シリコンナノシートを基材等にコートする場合には、基材の表面形状を再現よくトレースすることができる。また、厚さに比べてシートの面積が著しく大きいので、基材の表面形状を大きく変えることなく、基材表面を効率よく被覆することができる。
一方、複数層のシリコン原子層の積層体からなるシリコンナノシート(以下、これを「多層ナノシート」という)の場合、その厚さは、シリコン原子層の積層数に比例して厚くなる。後述する製造方法を用い、かつ、製造条件を最適化すると、その厚さが10〜20nm程度のシリコンナノシートを合成することができる。
また、本発明に係るシリコンナノシートを発光素子、表示素子等に用いる場合、その厚さは、10nm以下が好ましい。シリコンナノシートの厚さが10nmを超えると、量子サイズ効果が発現しなくなるので、特定の励起波長に対して蛍光を放出することができなくなるおそれがある。
また、本発明に係るシリコンナノシートを発光素子、表示素子等に用いる場合、その厚さは、10nm以下が好ましい。シリコンナノシートの厚さが10nmを超えると、量子サイズ効果が発現しなくなるので、特定の励起波長に対して蛍光を放出することができなくなるおそれがある。
シリコンナノシートの幅は、後述する製造条件(例えば、剥離工程における振とう時の攪拌強度など)に依存する。後述する方法を用いると、その幅が10nm〜10μmであるナノシートが得られる。一般に、シリコンナノシートの幅が10nm未満であると、ナノシートが液体中において再凝集しやすくなる。一方、シリコンナノシートの幅が1μmを超えると、ナノシートが沈殿しやすくなる。ナノシートの再凝集や沈殿を抑制するには、ナノシートの幅は、50nm〜500nmが好ましい。
シリコンナノシートは、その製造条件に応じて、種々の構造及び組成を持つ。具体的には、以下のようなものがある。
シリコンナノシートの第1の具体例は、シリコン原子層が「ダイヤモンドタイプ」からなるナノシートである。
ダイヤモンドは、その中心及び頂点に炭素原子がある正四面体が頂点を共有する形で連結した構造を持つ(図18(a)参照)。ダイヤモンド構造の単位格子は、立方体の中にこのような正四面体が4個入ったものであり、単位格子当たり8個の原子を持つ。各原子は、(a)000+面心の並進の位置、及び、(b)1/4,1/4,1/4+面心の並進の位置、にある。
このダイヤモンド構造の(111)面を<111>方向から見ると、炭素6員環が周期的に配列しているように見える。炭素6員環を構成する6個の原子の内、隣り合わない3個の原子は、000+面心の並進の位置(すなわち、ミラー指数表示で(111)面上)にある。残りの3個の原子は、1/4,1/4,1/4+面心の並進の位置(すなわち、ミラー指数表示で(444)面上)にある。すなわち、ダイヤモンド構造において、炭素6員環は、ジグザグに波打った構造を持つ。
「ダイヤモンドタイプのシリコン原子層」とは、シリコン原子をダイヤモンドの(111)面構造となるように規則配列させたものである。換言すれば、「ダイヤモンドタイプのシリコン原子層」とは、Si6員環が2次元方向に、かつ、周期的に配列しており、Si6員環を構成する6個のシリコン原子の内、隣り合わない3個のシリコン原子がダイヤモンド構造を有するSiの(111)面に相当する面上にあり、残りの3個のシリコン原子がダイヤモンド構造を有するSiの(444)面に相当する面上にあるものをいう。
シリコンナノシートの第1の具体例は、シリコン原子層が「ダイヤモンドタイプ」からなるナノシートである。
ダイヤモンドは、その中心及び頂点に炭素原子がある正四面体が頂点を共有する形で連結した構造を持つ(図18(a)参照)。ダイヤモンド構造の単位格子は、立方体の中にこのような正四面体が4個入ったものであり、単位格子当たり8個の原子を持つ。各原子は、(a)000+面心の並進の位置、及び、(b)1/4,1/4,1/4+面心の並進の位置、にある。
このダイヤモンド構造の(111)面を<111>方向から見ると、炭素6員環が周期的に配列しているように見える。炭素6員環を構成する6個の原子の内、隣り合わない3個の原子は、000+面心の並進の位置(すなわち、ミラー指数表示で(111)面上)にある。残りの3個の原子は、1/4,1/4,1/4+面心の並進の位置(すなわち、ミラー指数表示で(444)面上)にある。すなわち、ダイヤモンド構造において、炭素6員環は、ジグザグに波打った構造を持つ。
「ダイヤモンドタイプのシリコン原子層」とは、シリコン原子をダイヤモンドの(111)面構造となるように規則配列させたものである。換言すれば、「ダイヤモンドタイプのシリコン原子層」とは、Si6員環が2次元方向に、かつ、周期的に配列しており、Si6員環を構成する6個のシリコン原子の内、隣り合わない3個のシリコン原子がダイヤモンド構造を有するSiの(111)面に相当する面上にあり、残りの3個のシリコン原子がダイヤモンド構造を有するSiの(444)面に相当する面上にあるものをいう。
ダイヤモンドタイプのシリコン原子層は、出発原料の種類及び製造条件に応じて、種々の組成を持つ。
例えば、CaSi2を室温において濃塩酸で酸処理し、界面活性剤で無限膨潤させると、(a)式で表される組成を有し、かつ、ダイヤモンドタイプのシリコン原子層を含むナノシートが得られる。
Si6H3−δ(OH)3+δ(0≦δ≦3) ・・・(a)
図1に、(a)式で表される組成を有するシリコンナノシートの構造を示す。図1において、シリコンナノシート1は、ダイヤモンドタイプのシリコン原子層15の単層からなる。シリコン原子層15は、AsやPと同様に、ジグザグに波打った構造を持つ。4個あるSi原子の結合手の内、3個はSi−Si結合に使われ、残りの1個には、H又はOHが結合している。
(a)式で表される組成を有するシリコンナノシートは、その表面を負に帯電させることができる。この表面電荷を利用すると、基材表面にシリコンナノシートを容易にコートすることができる。
また、例えば、CaSi2を−30℃前後において濃塩酸で酸処理し、界面活性剤で無限膨潤させると、(b)式で表される組成を有し、かつ、ダイヤモンドタイプのシリコン原子層を含むナノシートが得られる。
(SiH)n ・・・(b)
(b)式で表される組成を有するシリコンナノシートは、Si−Si結合に寄与しない結合手のすべてにHが結合している以外は、図1に示すシリコンナノシート1と同様の構造を有している。
例えば、CaSi2を室温において濃塩酸で酸処理し、界面活性剤で無限膨潤させると、(a)式で表される組成を有し、かつ、ダイヤモンドタイプのシリコン原子層を含むナノシートが得られる。
Si6H3−δ(OH)3+δ(0≦δ≦3) ・・・(a)
図1に、(a)式で表される組成を有するシリコンナノシートの構造を示す。図1において、シリコンナノシート1は、ダイヤモンドタイプのシリコン原子層15の単層からなる。シリコン原子層15は、AsやPと同様に、ジグザグに波打った構造を持つ。4個あるSi原子の結合手の内、3個はSi−Si結合に使われ、残りの1個には、H又はOHが結合している。
(a)式で表される組成を有するシリコンナノシートは、その表面を負に帯電させることができる。この表面電荷を利用すると、基材表面にシリコンナノシートを容易にコートすることができる。
また、例えば、CaSi2を−30℃前後において濃塩酸で酸処理し、界面活性剤で無限膨潤させると、(b)式で表される組成を有し、かつ、ダイヤモンドタイプのシリコン原子層を含むナノシートが得られる。
(SiH)n ・・・(b)
(b)式で表される組成を有するシリコンナノシートは、Si−Si結合に寄与しない結合手のすべてにHが結合している以外は、図1に示すシリコンナノシート1と同様の構造を有している。
シリコンナノシートの第2の具体例は、シリコン原子層が「グラファイトタイプ」からなるナノシートである。
グラファイトは、炭素6員環によって形成された平面(c面)がc軸方向に積層した構造を持つ。「グラファイトタイプのシリコン原子層」とは、シリコン原子をグラファイトのc面構造又はこれに類似の構造となるように規則配列させたものである。換言すれば、「グラファイトタイプのシリコン原子層」とは、Si6員環が2次元方向に、かつ、周期的に配列しており、Si6員環を構成する6個のシリコン原子のc軸方向(シリコン原子層の層面に対して垂直方向)の間隔が、ダイヤモンド構造を有するSiの(111)面と(444)面との間隔より狭いものをいう。すなわち、「グラファイトタイプのシリコン原子層」とは、Si6員環を構成する6個のシリコン原子が同一平面上にあるもの、又は、ダイヤモンドタイプのシリコン原子層よりもc軸方向の振幅が小さいジグザグ構造を有するものをいう。
後述する方法を用いると、シリコン原子層のa軸方向(層面に対して平行方向)から見た時に、水平面と隣接するSi原子の方向とのなす角が0〜10°であるシリコン原子層を含むナノシートが得られる。
グラファイトは、炭素6員環によって形成された平面(c面)がc軸方向に積層した構造を持つ。「グラファイトタイプのシリコン原子層」とは、シリコン原子をグラファイトのc面構造又はこれに類似の構造となるように規則配列させたものである。換言すれば、「グラファイトタイプのシリコン原子層」とは、Si6員環が2次元方向に、かつ、周期的に配列しており、Si6員環を構成する6個のシリコン原子のc軸方向(シリコン原子層の層面に対して垂直方向)の間隔が、ダイヤモンド構造を有するSiの(111)面と(444)面との間隔より狭いものをいう。すなわち、「グラファイトタイプのシリコン原子層」とは、Si6員環を構成する6個のシリコン原子が同一平面上にあるもの、又は、ダイヤモンドタイプのシリコン原子層よりもc軸方向の振幅が小さいジグザグ構造を有するものをいう。
後述する方法を用いると、シリコン原子層のa軸方向(層面に対して平行方向)から見た時に、水平面と隣接するSi原子の方向とのなす角が0〜10°であるシリコン原子層を含むナノシートが得られる。
グラファイトタイプのシリコン原子層は、出発原料の種類及び製造条件に応じて、種々の組成を持つ。
例えば、YbSi2を所定の条件下で酸処理し、界面活性剤で無限膨潤させると、(c)式で表される組成を有し、かつ、グラファイトタイプのシリコン原子層を含むナノシートが得られる。
Si6H3−δ(OH)3+δ(0≦δ≦3) ・・・(c)
図14に、(c)式で表される組成を有するシリコンナノシートの構造を示す。図14において、シリコンナノシート7は、グラファイトタイプのシリコン原子層75の単層からなる。4個あるSi原子の結合手の内、3個はSi−Si結合に使われ、残りの1個には、H又はOHが結合している。
また、例えば、CaSi2をアミン水溶液中で水熱処理すると、(d)式で表される組成を有し、かつ、グラファイトタイプのシリコン原子層を含むナノシートが得られる。
SiOx(0≦x≦0.5) ・・・(d)
図18(b)に、(d)式で表される組成を有するシリコンナノシートの構造を示す。なお、図18(a)には、ダイヤモンド型シリコンの構造も併せて示した。(d)式で表される組成を有するシリコンナノシートは、Si6員環によって形成された平面状のシリコン原子層を含む。また、シリコン原子層の一部には、酸素が付加されている。
例えば、YbSi2を所定の条件下で酸処理し、界面活性剤で無限膨潤させると、(c)式で表される組成を有し、かつ、グラファイトタイプのシリコン原子層を含むナノシートが得られる。
Si6H3−δ(OH)3+δ(0≦δ≦3) ・・・(c)
図14に、(c)式で表される組成を有するシリコンナノシートの構造を示す。図14において、シリコンナノシート7は、グラファイトタイプのシリコン原子層75の単層からなる。4個あるSi原子の結合手の内、3個はSi−Si結合に使われ、残りの1個には、H又はOHが結合している。
また、例えば、CaSi2をアミン水溶液中で水熱処理すると、(d)式で表される組成を有し、かつ、グラファイトタイプのシリコン原子層を含むナノシートが得られる。
SiOx(0≦x≦0.5) ・・・(d)
図18(b)に、(d)式で表される組成を有するシリコンナノシートの構造を示す。なお、図18(a)には、ダイヤモンド型シリコンの構造も併せて示した。(d)式で表される組成を有するシリコンナノシートは、Si6員環によって形成された平面状のシリコン原子層を含む。また、シリコン原子層の一部には、酸素が付加されている。
シリコン原子層は、その一部が有機修飾基によって修飾されていても良い。上述した各種のシリコン原子層において、Si原子は、Si−Si結合に寄与しない結合手を持つ。この結合手には、H、OH、Oなどが付加していると考えられている。この結合手の全部又は一部が有機修飾基(置換基)によって修飾されると、シリコンナノシートに有機修飾基が持つ機能(例えば、化学触媒としての機能など)を付与することができる。
有機修飾基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アシル基、チオール基、スルホ基、アミノ基などがある。
有機修飾基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アシル基、チオール基、スルホ基、アミノ基などがある。
本発明に係るシリコンナノシートにおいて最も注目すべき点は、シリコン原子が略平面状に配列しているシリコン原子層が単層又は複数層凝集していることにある。即ち、本発明に係るシリコンナノシートは、二次元異方性を有するシリコン原子層からなる新規なものであり、マンガン酸化物やチタン酸化物等の従来の遷移金属酸化物からなるナノシートとは異なる。シリコンナノシートは、基本的には非酸化物であり、かつ、二次元異方性を有しているので、以下のような優れた特徴を持つ。
第1に、シリコンナノシートは、蛍光スペクトル測定において可視光領域にピークを示す。シリコンナノシートに特定の励起波長を有する励起光が照射されると、特定の波長を有する蛍光を放出する。具体的には、400〜500nmの励起波長に対して、450〜600nmの波長を有する蛍光を放出する。また、ナノシートの厚さを最適化すると、例えば400nmの励起波長に対して、ピーク波長が、それぞれ、465±5nm、505±5nm、560±5nmである3種類の光から構成される蛍光を放出する。なお、蛍光スペクトル測定における「ピーク」とは、スペクトルの頂点をいう。
これらの波長はいずれも可視光領域にあり、緑色の蛍光として観察することができる。この現象を利用して、シリコンナノシート又はこれを溶媒中に分散若しくは懸濁させたナノシート溶液を発光素子や表示材料等に用いることができる。
これらの波長はいずれも可視光領域にあり、緑色の蛍光として観察することができる。この現象を利用して、シリコンナノシート又はこれを溶媒中に分散若しくは懸濁させたナノシート溶液を発光素子や表示材料等に用いることができる。
第2に、シリコンナノシートは、光吸収から求めたバンドギャップが3.0eV以上である。
半導体として用いられている主な材料のバンドギャップは、Si:1.1135eV、GaAs:1.428eV、4H−SiC:3.02eV、ダイヤモンド:5.47eVである。バルクのシリコンは、常圧では、ダイヤモンド型の3次元構造のみを取り、他の構造は知られていない。そのため、従来のシリコンは、バンドギャップがバルクの値(1.1135eV)を超えることはなかった。
これに対し、シリコンナノシートは、バルクのシリコンより大きいバンドギャップを示す。バンドギャップは、ナノシートの厚さが薄くなるほど、大きくなる傾向がある。後述する方法を用いると、バンドギャップが3.0eV以上であるシリコンナノシートが得られる。ナノシート化することによってワイドバンドギャップとなる機構の詳細は、明らかではないが、おそらく平面構造や、少量含まれる酸素などが影響していると考えられる。
バンドギャップが大きく、絶縁破壊電界の大きい材料で従来用いられているシリコンを置き換えると、素子の各層の厚さを薄くすることができ、また、高濃度ドープも可能になる。その結果として、高耐圧かつオン抵抗の小さな素子を作ることができる。すなわち、本発明に係るシリコンナノシートを用いることによって、耐圧−オン抵抗のトレードオフから脱却でき、低損失高耐圧パワー素子を作製することが可能となる。
半導体として用いられている主な材料のバンドギャップは、Si:1.1135eV、GaAs:1.428eV、4H−SiC:3.02eV、ダイヤモンド:5.47eVである。バルクのシリコンは、常圧では、ダイヤモンド型の3次元構造のみを取り、他の構造は知られていない。そのため、従来のシリコンは、バンドギャップがバルクの値(1.1135eV)を超えることはなかった。
これに対し、シリコンナノシートは、バルクのシリコンより大きいバンドギャップを示す。バンドギャップは、ナノシートの厚さが薄くなるほど、大きくなる傾向がある。後述する方法を用いると、バンドギャップが3.0eV以上であるシリコンナノシートが得られる。ナノシート化することによってワイドバンドギャップとなる機構の詳細は、明らかではないが、おそらく平面構造や、少量含まれる酸素などが影響していると考えられる。
バンドギャップが大きく、絶縁破壊電界の大きい材料で従来用いられているシリコンを置き換えると、素子の各層の厚さを薄くすることができ、また、高濃度ドープも可能になる。その結果として、高耐圧かつオン抵抗の小さな素子を作ることができる。すなわち、本発明に係るシリコンナノシートを用いることによって、耐圧−オン抵抗のトレードオフから脱却でき、低損失高耐圧パワー素子を作製することが可能となる。
第3に、シリコンナノシートは、形状の二次元異方性が大きい。そのため、各種基材の表面や内面にナノシートを被覆することができる。また、これによって、ナノシートが持つ特有の機能を基材に付与することができる。
第4に、シリコンナノシート又はその凝集体は、極めて大きな比表面積を有する。そのため、このような高比表面積を利用して、各種の用途(例えば、光触媒、固体潤滑剤など)に用いることができる。
第5に、シリコンナノシートは、化学反応に対して高い活性を発揮する。そのため、これを例えば、リチウム二次電池の負極活物質として用いることができる。また、シリコンナノシートからなる負極活物質は、高容量物質となり得るため、少量の使用で良い超薄膜電極であるので、電極からの滑落が起こり難く、サイクル特性に優れているという特徴がある。
第6に、シリコンナノシートは、実質的にSiで構成されているので、熱伝導率が高い。そのため、これを例えば樹脂と複合化させると、樹脂の放熱性を高めることができる。
本発明に係るシリコンナノシートは、上述のような優れた特性を有しているので、半導体集積回路、薄膜トランジスタ等を構成する電子材料、あるいは、発光素子、表示素子等として使用することができる。
第4に、シリコンナノシート又はその凝集体は、極めて大きな比表面積を有する。そのため、このような高比表面積を利用して、各種の用途(例えば、光触媒、固体潤滑剤など)に用いることができる。
第5に、シリコンナノシートは、化学反応に対して高い活性を発揮する。そのため、これを例えば、リチウム二次電池の負極活物質として用いることができる。また、シリコンナノシートからなる負極活物質は、高容量物質となり得るため、少量の使用で良い超薄膜電極であるので、電極からの滑落が起こり難く、サイクル特性に優れているという特徴がある。
第6に、シリコンナノシートは、実質的にSiで構成されているので、熱伝導率が高い。そのため、これを例えば樹脂と複合化させると、樹脂の放熱性を高めることができる。
本発明に係るシリコンナノシートは、上述のような優れた特性を有しているので、半導体集積回路、薄膜トランジスタ等を構成する電子材料、あるいは、発光素子、表示素子等として使用することができる。
次に、本発明に係るナノシート溶液について説明する。本発明に係るナノシート溶液は、本発明に係るシリコンナノシートを溶媒液中に分散又は懸濁させたものである。
シリコンナノシートを分散させる溶媒液としては、水、アルコール、グリコール、エーテル等の極性溶媒、又は、これらの混合溶媒を用いることができる。
また、シリコンナノシート溶液には、後述する製造方法に起因する界面活性剤又はアミンが含まれる。界面活性剤又はアミンは、溶媒中に分散しているシリコンナノシートの凝集を防ぎ、安定した分散状態を維持する効果がある。
シリコンナノシートを分散させる溶媒液としては、水、アルコール、グリコール、エーテル等の極性溶媒、又は、これらの混合溶媒を用いることができる。
また、シリコンナノシート溶液には、後述する製造方法に起因する界面活性剤又はアミンが含まれる。界面活性剤又はアミンは、溶媒中に分散しているシリコンナノシートの凝集を防ぎ、安定した分散状態を維持する効果がある。
溶液中のシリコンナノシートの濃度は、特に限定されるものではなく、溶液の用途に応じて任意に選択することができる。一般に、シリコンナノシートの濃度が低すぎると、各種の用途に用いる時に作業効率を低下させたり、あるいは、ナノシートが持つ各種機能の低下を招く。一方、シリコンナノシートの濃度が高すぎると、溶液中でシリコンナノシートの凝集が起こる可能性がある。作業効率や機能を低下させることなく、シリコンナノシートを安定に分散させるためには、シリコンナノシートの濃度は、0.1〜10wt%が好ましく、さらに好ましくは、0.5〜3.0wt%である。
溶媒中にシリコンナノシートを安定に分散させるためには、シリコンナノシートの幅は、小さい方が好ましい。具体的には、シリコンナノシートの幅が1μm以下であると、安定なコロイド溶液となり、いわゆる「チンダル現象」を示す。
溶媒中にシリコンナノシートを安定に分散させるためには、シリコンナノシートの幅は、小さい方が好ましい。具体的には、シリコンナノシートの幅が1μm以下であると、安定なコロイド溶液となり、いわゆる「チンダル現象」を示す。
次に、本発明に係るナノシート溶液の製造方法について説明する。
本発明の第1の実施の形態に係るナノシート溶液の製造方法は、酸処理工程と、剥離工程とを備えている。
本発明の第1の実施の形態に係るナノシート溶液の製造方法は、酸処理工程と、剥離工程とを備えている。
酸処理工程は、層状シリコン化合物を酸水溶液と接触させて、シロキセン系化合物を誘導する工程である。
ここで、「層状シリコン化合物」とは、組成式:AxSi2(Aは、Ca及び/又はYb、0.8≦x≦1.2)で表される一群の化合物をいう。層状シリコン化合物は、Siの層状網目構造(シリコン原子層)の間にA原子層がサンドイッチされた構造を持つ。層間の原子Aは、Ca又はYbのいずれか一方であっても良く、あるいは、Ca及びYbの両方であっても良い。
「シロキセン系化合物」とは、層状シリコン化合物を酸水溶液と接触させることにより得られる化合物であって、層間の原子Aの全部又は一部が酸分子により置換されているものをいう。隣接するシリコン原子層は、層間に挿入された酸分子によって互いに引きつけあっている。
「酸水溶液」とは、HCl等の酸を含有する水溶液をいう。酸水溶液の溶媒には、水の他、エタノールやメタノール等のアルコールと水の混合溶媒を用いることもできる。
ここで、「層状シリコン化合物」とは、組成式:AxSi2(Aは、Ca及び/又はYb、0.8≦x≦1.2)で表される一群の化合物をいう。層状シリコン化合物は、Siの層状網目構造(シリコン原子層)の間にA原子層がサンドイッチされた構造を持つ。層間の原子Aは、Ca又はYbのいずれか一方であっても良く、あるいは、Ca及びYbの両方であっても良い。
「シロキセン系化合物」とは、層状シリコン化合物を酸水溶液と接触させることにより得られる化合物であって、層間の原子Aの全部又は一部が酸分子により置換されているものをいう。隣接するシリコン原子層は、層間に挿入された酸分子によって互いに引きつけあっている。
「酸水溶液」とは、HCl等の酸を含有する水溶液をいう。酸水溶液の溶媒には、水の他、エタノールやメタノール等のアルコールと水の混合溶媒を用いることもできる。
Siが形成する層状網目構造の層間にある原子(Ca又はYb)は、直接取り除くことが困難である。そのため、酸処理工程においては、層状シリコン化合物を酸処理することにより層間原子を酸分子で置換し、シロキセン系化合物を誘導する。
酸処理工程において使用する酸の種類は、特に限定されるものではないが、濃塩酸が特に好適である。酸水溶液として濃塩酸を用いると、Siの二次元骨格を酸化させることなく、層間原子を容易に除去することができる。
また、酸水溶液の量は、層状シリコン化合物に含まれる層間原子を酸分子で置換できる量以上であればよい。最適な量は、層状シリコン化合物の種類や酸水溶液の濃度等により異なるが、通常は、1gの層状シリコン化合物に対して、濃塩酸(12N)100mLを加える。
酸処理工程において使用する酸の種類は、特に限定されるものではないが、濃塩酸が特に好適である。酸水溶液として濃塩酸を用いると、Siの二次元骨格を酸化させることなく、層間原子を容易に除去することができる。
また、酸水溶液の量は、層状シリコン化合物に含まれる層間原子を酸分子で置換できる量以上であればよい。最適な量は、層状シリコン化合物の種類や酸水溶液の濃度等により異なるが、通常は、1gの層状シリコン化合物に対して、濃塩酸(12N)100mLを加える。
層状シリコン化合物を酸処理する場合において、酸水溶液の温度は、シロキセン系化合物の組成に影響を及ぼす。例えば、層状シリコン化合物の一種であるCaSi2を室温前後において濃塩酸で処理すると、組成式:Si6H3−δ(OH)3+δ(0≦δ≦3)で表されるシロキセン系化合物(ワイス型シロキセン)が得られる。また、例えば、CaSi2を−30℃前後において濃塩酸で処理すると、組成式:(SiH)nで表されるシロキセン系化合物(層状ポリシラン)が得られる。
また、一般に、酸水溶液の温度が高くなるほど、Siの2次元骨格が酸化されやすくなる。層状シリコン化合物を構成するSiの2次元骨格をほとんど酸化させることなく、層間原子を除去するためには、酸水溶液の温度は、低い方が好ましい。酸水溶液の温度は、具体的には、0℃以下が好ましい。この場合には、シリカ(SiO2)等の不純物をほとんど含有しないシロキセン系化合物を簡単に合成することができる。
酸処理の時間は、層状シリコン化合物の層間原子が酸分子で置換されるに十分な時間であればよい。最適な時間は、酸水溶液の濃度や温度、酸水溶液中に添加する層状シリコン化合物の量等に応じて若干異なるが、通常は、1〜3日である。
また、酸処理は、Siの2次元骨格の酸化を防ぐために、アルゴン雰囲気、N2等の不活性雰囲気下で行うのが好ましい。
また、一般に、酸水溶液の温度が高くなるほど、Siの2次元骨格が酸化されやすくなる。層状シリコン化合物を構成するSiの2次元骨格をほとんど酸化させることなく、層間原子を除去するためには、酸水溶液の温度は、低い方が好ましい。酸水溶液の温度は、具体的には、0℃以下が好ましい。この場合には、シリカ(SiO2)等の不純物をほとんど含有しないシロキセン系化合物を簡単に合成することができる。
酸処理の時間は、層状シリコン化合物の層間原子が酸分子で置換されるに十分な時間であればよい。最適な時間は、酸水溶液の濃度や温度、酸水溶液中に添加する層状シリコン化合物の量等に応じて若干異なるが、通常は、1〜3日である。
また、酸処理は、Siの2次元骨格の酸化を防ぐために、アルゴン雰囲気、N2等の不活性雰囲気下で行うのが好ましい。
酸処理工程で得られたシロキセン系化合物は、そのまま後述する剥離工程に供しても良く、あるいは、シロキセン系化合物をさらに塩酸等の酸水溶液で洗浄しても良い(第1洗浄工程)。酸処理後にさらにシロキセン系化合物を酸で洗浄すると、副生成物である塩(例えば、カルシウム塩)を除去することができるので、より純度の高いナノシート溶液を作製することができる。
また、シロキセン系化合物を酸水溶液で洗浄した後、さらに有機溶媒で洗浄しても良い(第2洗浄工程)。シロキセン系化合物をさらに有機溶媒で洗浄すると、第1洗浄工程で用いた塩酸などの余分な酸を除去することができるので、より一層高い純度のナノシート溶液を作製することができる。洗浄に使用する有機溶媒としては、例えば、アセトン、エタノール、メタノール、テトラヒドロフランなどがある。
また、シロキセン系化合物を酸水溶液で洗浄した後、さらに有機溶媒で洗浄しても良い(第2洗浄工程)。シロキセン系化合物をさらに有機溶媒で洗浄すると、第1洗浄工程で用いた塩酸などの余分な酸を除去することができるので、より一層高い純度のナノシート溶液を作製することができる。洗浄に使用する有機溶媒としては、例えば、アセトン、エタノール、メタノール、テトラヒドロフランなどがある。
また、層状シリコン化合物を酸処理することにより得られるシロキセン系化合物は、Si原子の一部が水素化及び/又は水酸化されている。このシロキセン系化合物に対して、さらに、水に分散させて室温で攪拌する処理を施すと、Si原子の一部に酸素を付加することができる。あるいは、シロキセン系化合物に対して、さらに、ヨウ化メチル(CH3I)などのヨウ素化合物RI(Rは、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アシル基、チオール基、スルホ基、アミノ基など)を含む水溶液中で還流する処理を施すと、Si原子の一部に有機修飾基を付与することができる。シロキセン系化合物に対して施す処理の種類に応じて、後述する剥離工程後に、酸化、水素化、水酸化されたシリコンナノシートや、有機修飾基が付加されたシリコンナノシートを作製することができる。
剥離工程は、シロキセン系化合物を、界面活性剤を含有する溶媒中に加えて振とうし、シロキセン系化合物を剥離させる工程である。これにより、シロキセン系化合物が無限膨潤し、シリコン原子がほほ平面状に、かつ、周期的に配列している単層ナノシート又は多層ナノシートが得られる。
界面活性剤には、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、中性界面活性剤などがある。本発明においては、いずれであっても使用することができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ペルフルオロオクタン酸ナトリウム(Sodium perfluorooctanoate;SPFO)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウムなどがある。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、テトラブチルアンモニウム水酸化物(TBAOH)、テトラメチルアンモニウム((CH3)4NOH)、テトラエチルアンモニウム((C2H5)4NOH)、テトラプロピルアンモニウム((C3H7)4NOH)、n−エチルアミン(C2H5NH2)、n−プロピルアミン(C3H7NH2)などがある。
中性界面活性剤としては、例えば、P−1,2,3(ブロックコポリマー;HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H)がある。
界面活性剤を加える溶媒は、界面活性剤を溶解できるものであれば良い。溶媒としては、具体的には、水、エタノール、エチレングリコールなどを用いることができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ペルフルオロオクタン酸ナトリウム(Sodium perfluorooctanoate;SPFO)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウムなどがある。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、テトラブチルアンモニウム水酸化物(TBAOH)、テトラメチルアンモニウム((CH3)4NOH)、テトラエチルアンモニウム((C2H5)4NOH)、テトラプロピルアンモニウム((C3H7)4NOH)、n−エチルアミン(C2H5NH2)、n−プロピルアミン(C3H7NH2)などがある。
中性界面活性剤としては、例えば、P−1,2,3(ブロックコポリマー;HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H)がある。
界面活性剤を加える溶媒は、界面活性剤を溶解できるものであれば良い。溶媒としては、具体的には、水、エタノール、エチレングリコールなどを用いることができる。
溶液中の界面活性剤の濃度は、シリコンナノシートの厚さに影響を及ぼす。界面活性剤は、シロキセン系化合物の層間に入り込み、シリコン原子層の層間距離を拡大させ、剥離を容易化させる作用がある。一般に、界面活性剤の濃度が相対的に高くなほど、層間に挿入されたすべての酸分子又はその構成イオンを界面活性剤で置換しやすくなるので、シリコン原子層を単層まで剥離させるのが容易となる。一方、界面活性剤の濃度が相対的に低くなると、多層ナノシートが得られる傾向がある。なお、多層ナノシートは、一旦、単層まで剥離したナノシートが溶液中で凝集することによっても生成する場合もある。
最適な濃度は、作製しようとするナノシートの構造や組成、界面活性剤の種類等によって異なるが、通常は、0.01〜1.0mol/dm3である。
界面活性剤溶液の量は、シロキセン系化合物の層間に効率よく界面活性剤を挿入することができる量以上の量であればよい。最適な量は、界面活性剤の濃度、溶液に添加するシロキセン系化合物の量等に応じて異なるが、通常は、シロキセン系化合物の1〜2倍モルに相当する界面活性剤を含む界面活性剤溶液を加える。
最適な濃度は、作製しようとするナノシートの構造や組成、界面活性剤の種類等によって異なるが、通常は、0.01〜1.0mol/dm3である。
界面活性剤溶液の量は、シロキセン系化合物の層間に効率よく界面活性剤を挿入することができる量以上の量であればよい。最適な量は、界面活性剤の濃度、溶液に添加するシロキセン系化合物の量等に応じて異なるが、通常は、シロキセン系化合物の1〜2倍モルに相当する界面活性剤を含む界面活性剤溶液を加える。
また、界面活性剤溶液は、酸性であることが好ましい。シロキセン系化合物を界面活性剤溶液に加えて振とうする場合において、溶液のpHが大きくなると、Si二次元骨格が酸化され、シリカが生成しやすくなる。これに対し、溶液が酸性であると、Si二次元骨格の酸化を抑制することができる。界面活性剤溶液のpHは、具体的には、5以下が好ましい。
例えば、界面活性剤としてアニオン性界面活性剤又は中性界面活性剤を用いる場合、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等の酸を溶液に加え、pHを5以下に調整することが好ましい。特に、アニオン性界面活性剤は、シロキセン系化合物の剥離が容易であることに加えて、溶液のpHを調節することによりシリカの発生を容易かつ確実に防止することができるので、剥離工程で使用する界面活性剤として特に好適である。
一方、界面活性剤としてカチオン性界面活性剤を用いる場合、反応過程で酸が生成するので、結果的に酸性領域でシリコン原子層の剥離が進行する場合がある。このような場合には、特にpHを酸性領域に調整しなくても、Si二次元骨格を酸化させることなく、シロキセン化合物を剥離させることができる。
例えば、界面活性剤としてアニオン性界面活性剤又は中性界面活性剤を用いる場合、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等の酸を溶液に加え、pHを5以下に調整することが好ましい。特に、アニオン性界面活性剤は、シロキセン系化合物の剥離が容易であることに加えて、溶液のpHを調節することによりシリカの発生を容易かつ確実に防止することができるので、剥離工程で使用する界面活性剤として特に好適である。
一方、界面活性剤としてカチオン性界面活性剤を用いる場合、反応過程で酸が生成するので、結果的に酸性領域でシリコン原子層の剥離が進行する場合がある。このような場合には、特にpHを酸性領域に調整しなくても、Si二次元骨格を酸化させることなく、シロキセン化合物を剥離させることができる。
シロキセン系化合物を界面活性剤溶液に加えた後、溶液を機械的又は超音波で振とうする。振とう強度や振とう時間は、ナノシートの厚さや幅に影響を及ぼす。一般に、振とう強度が大きくなるほど、及び/又は、振とう時間が長くなるほど、ナノシートの厚さが薄くなり(すなわち、単層ナノシートが得られる確率が高くなり)、及び/又は、ナノシートの幅が小さくなる傾向がある。最適な振とう時間は、振とう方法、振とう強度等に応じて異なるが、通常は、3〜7日である。
例えば、シロキセン系化合物を10nm以下の厚さまで剥離させるためには、1gのシロキセン系化合物に対して、界面活性剤の濃度が0.01〜1.0mol/dm3である界面活性剤溶液100〜1000mLを加え、100〜250r.p.m.の条件下で3〜7日間、溶液を振とうさせるのが好ましい。
また、例えば、シロキセン系化合物を単層まで剥離させるためには、1gのシロキセン系化合物に対して、界面活性剤の濃度が0.5〜0.8mol/dm3である界面活性剤溶液500〜1000mLを加え、100〜250r.p.m.の条件下で5〜10日間、溶液を振とうさせるのが好ましい。
例えば、シロキセン系化合物を10nm以下の厚さまで剥離させるためには、1gのシロキセン系化合物に対して、界面活性剤の濃度が0.01〜1.0mol/dm3である界面活性剤溶液100〜1000mLを加え、100〜250r.p.m.の条件下で3〜7日間、溶液を振とうさせるのが好ましい。
また、例えば、シロキセン系化合物を単層まで剥離させるためには、1gのシロキセン系化合物に対して、界面活性剤の濃度が0.5〜0.8mol/dm3である界面活性剤溶液500〜1000mLを加え、100〜250r.p.m.の条件下で5〜10日間、溶液を振とうさせるのが好ましい。
界面活性剤溶液にシロキセン系化合物を加えて所定の条件下で振とうすると、シロキセン系化合物が剥離し、シリコンナノシートを含むナノシート溶液が得られる。例えば、界面活性剤溶液にワイス型シロキセンSi6H3(OH)3を加えて振とうすると、淡黄緑色に懸濁したナノシート溶液が得られる。
なお、振とうの条件によっては、溶液中に固形物の沈殿(未反応のシロキセン系化合物、粗大なナノシートなど)が生じることがある。このような場合には、遠心分離等により固形物を取り除く。固形物を除去した後のナノシート溶液は、極めて安定であり、コロイド特有の光散乱(チンダル現象)を示す。さらに、ナノシート溶液を遠心分離する場合において、分離条件を最適化すると、溶液中から大半の多層ナノシートが除去され、単層ナノシートの含有率の高いナノシート溶液が得られる。
なお、振とうの条件によっては、溶液中に固形物の沈殿(未反応のシロキセン系化合物、粗大なナノシートなど)が生じることがある。このような場合には、遠心分離等により固形物を取り除く。固形物を除去した後のナノシート溶液は、極めて安定であり、コロイド特有の光散乱(チンダル現象)を示す。さらに、ナノシート溶液を遠心分離する場合において、分離条件を最適化すると、溶液中から大半の多層ナノシートが除去され、単層ナノシートの含有率の高いナノシート溶液が得られる。
このようにして得られたナノシート溶液に含まれるシリコンナノシートは、層状シリコン化合物の種類や製造条件に応じて異なる構造や組成を持つ。例えば、層状シリコン化合物としてCaSi2を用いて酸処理及び剥離を行うと、ダイヤモンドタイプのシリコン原子層を含むナノシートが得られる。
図2に、層状シリコン化合物の一種であるCaSi2の結晶構造を示す。図2において、CaSi2(層状シリコン化合物12)は、Siの層状網目構造21の層間にCa原子層22がサンドイッチされた構造を有している。
CaSi2は、代表的なZintl相の1つであり、形式電荷は、Ca2+(Si−)2で表される。ここで、Si−は、元素の周期律におけるV族元素の一つであるとリンと同等の電子構造を有し、ヒ素や黒リンと類似の層状網目構造を形成している。即ち、CaSi2は、ダイヤモンド構造を有するSiの(111)面(Siの層状網目構造21)の間に、Ca原子層22が挿入された層状結晶と見ることができる。
CaSi2は、代表的なZintl相の1つであり、形式電荷は、Ca2+(Si−)2で表される。ここで、Si−は、元素の周期律におけるV族元素の一つであるとリンと同等の電子構造を有し、ヒ素や黒リンと類似の層状網目構造を形成している。即ち、CaSi2は、ダイヤモンド構造を有するSiの(111)面(Siの層状網目構造21)の間に、Ca原子層22が挿入された層状結晶と見ることができる。
このような層状シリコン化合物を酸水溶液で処理すると、層間原子が取り除かれ、層間には、酸分子が入り込む。層状シリコン化合物の一種であるCaSi2をHCl水溶液を用いて酸処理するときの反応を次の(1)式に示す。
3CaSi2+7HCl→Si6H3(OH)3・HCl+3CaCl2+3H2 ・・・(1)
図3に、(1)式の反応により得られるシロキセン系化合物の結晶構造を示す。CaSi2をHCl水溶液で処理すると、層間のCaが除去され、シロキセン系化合物の一種であるワイス型シロキセン(Si6H3(OH)3・HCl)が誘導される。ワイス型シロキセン(シロキセン系化合物3)は、図3に示すように、シリコン原子層15の層間にHCl分子が挿入された構造を持つ。各シリコン原子層15は、このHClを介して互いに引きつけあっている。各シリコン原子層15間の距離は、約6Åである。
3CaSi2+7HCl→Si6H3(OH)3・HCl+3CaCl2+3H2 ・・・(1)
図3に、(1)式の反応により得られるシロキセン系化合物の結晶構造を示す。CaSi2をHCl水溶液で処理すると、層間のCaが除去され、シロキセン系化合物の一種であるワイス型シロキセン(Si6H3(OH)3・HCl)が誘導される。ワイス型シロキセン(シロキセン系化合物3)は、図3に示すように、シリコン原子層15の層間にHCl分子が挿入された構造を持つ。各シリコン原子層15は、このHClを介して互いに引きつけあっている。各シリコン原子層15間の距離は、約6Åである。
酸処理により得られらシロキセン系化合物は、必要に応じて、酸水溶液による洗浄(第1洗浄工程)、有機溶媒による洗浄(第2洗浄工程)、酸化、有機修飾基による修飾等の処理が施された後、所定の濃度及び量の界面活性剤溶液に加えられる。シロキセン系化合物を界面活性剤溶液に加えると、シロキセン系化合物の層間に界面活性剤が入り込み、層間の距離が拡大する。
図4に、図3に示すシロキセン系化合物3をドデシル硫酸ナトリウム(SDS)溶液に加えることにより得られる化合物の結晶構造を示す。図4に示すように、シロキセン系化合物3を界面活性剤(SDS)4を含む溶液に加えると、シリコン原子層15の間に挿入されているHCl分子又はその構成イオンが嵩高いゲスト分子(SDS)に交換される。その結果、各シリコン原子層15間の距離は、約100Åに拡大する。
シリコン原子層15間に界面活性剤4が挿入されると、シリコン原子層15間の結合力が弱まる。そのため、溶液を振とうさせると、図5に示すように、シリコン原子層15間の束縛力が切れ、シリコン原子層15が剥離する。また、剥離工程の条件を最適化すれば、シリコン原子層15を単層まで剥離させることができる。さらに、剥離工程の条件を最適化すると、シリコン原子層15を剥離させる際にSi骨格の酸化が抑制される。その結果、実質的にSiからなるシリコンナノシートが得られる。
図4に、図3に示すシロキセン系化合物3をドデシル硫酸ナトリウム(SDS)溶液に加えることにより得られる化合物の結晶構造を示す。図4に示すように、シロキセン系化合物3を界面活性剤(SDS)4を含む溶液に加えると、シリコン原子層15の間に挿入されているHCl分子又はその構成イオンが嵩高いゲスト分子(SDS)に交換される。その結果、各シリコン原子層15間の距離は、約100Åに拡大する。
シリコン原子層15間に界面活性剤4が挿入されると、シリコン原子層15間の結合力が弱まる。そのため、溶液を振とうさせると、図5に示すように、シリコン原子層15間の束縛力が切れ、シリコン原子層15が剥離する。また、剥離工程の条件を最適化すれば、シリコン原子層15を単層まで剥離させることができる。さらに、剥離工程の条件を最適化すると、シリコン原子層15を剥離させる際にSi骨格の酸化が抑制される。その結果、実質的にSiからなるシリコンナノシートが得られる。
図13に、層状シリコン化合物の一種であるYbSi2の結晶構造を示す。図13において、YbSi2(層状シリコン化合物6)は、Siの層状網目構造61の層間にYb原子層62がサンドイッチされた構造を有しており、A1B2型の層状ジシリサイド構造を形成している。YbSi2においては、Siは、黒鉛と類似の平坦な層状網目構造61を形成している。
層状シリコン化合物としてYbSi2を用いた場合も同様であり、酸処理によってシロキセン系化合物が誘導される。次いで、得られたシロキセン系化合物を界面活性剤溶液に加え、溶液を振とうさせると、図14に示すように、グラファイトタイプのシリコン原子層75を含むシリコンナノシート7が得られる。
層状シリコン化合物としてYbSi2を用いた場合も同様であり、酸処理によってシロキセン系化合物が誘導される。次いで、得られたシロキセン系化合物を界面活性剤溶液に加え、溶液を振とうさせると、図14に示すように、グラファイトタイプのシリコン原子層75を含むシリコンナノシート7が得られる。
このようにして得られたナノシート溶液には、本発明に係るシリコンナノシートが含まれているので、その特性を利用して、以下のような各種の用途に用いることができる。
(1) シリコンナノシートは、上述したように、特定の励起波長に対して特定の波長を有する蛍光を放出する。そのため、ナノシート溶液は、そのままの状態で液体の蛍光剤などに利用することができる。
(2) ナノシート溶液を基材表面に塗布したり、あるいは、基材をナノシート溶液に浸漬させると、基材表面をナノシートでコートすることができる。特にコロイド状態にあるナノシート溶液は、成膜性やキャスティング性に優れているので、複雑な形状を有する基材であっても、その表面をナノシートで均一にコートすることができる。
(3) ナノシートでコートされた基材表面を適当な条件下で加熱すると、水素、ヒドロキシ基等が離脱し、基材表面にシリコン結晶やシリコン薄膜を形成することができる。すなわち、ナノシート溶液を用いることによって、粉砕法、溶融法、スパッタ法、蒸着法等によらず、シリコン結晶や薄膜を簡単に得ることができる。得られたシリコン結晶や薄膜は、半導体集積回路、薄膜トランジスタ等を作製するための電子材料、あるいは、発光素子、表示素子等に用いることができる。
(4) 基材表面をナノシートでコートした後、これを酸化雰囲気下で加熱すると、基材表面を極めて薄いシリカ(SiO2)薄膜で均一にコートすることができる。
(5) 化学蒸着法(CVD法)等により得られるシリコンは、概して球状であるのに対し、本発明に係る製造方法によれば、薄片状のシリコンナノシートが得られる。ナノシートは、非常に大きな比表面積を有しており、化学反応に対して高い触媒性を発揮するので、これを分散させたナノシート溶液は、各種の触媒として使用することができる。
(1) シリコンナノシートは、上述したように、特定の励起波長に対して特定の波長を有する蛍光を放出する。そのため、ナノシート溶液は、そのままの状態で液体の蛍光剤などに利用することができる。
(2) ナノシート溶液を基材表面に塗布したり、あるいは、基材をナノシート溶液に浸漬させると、基材表面をナノシートでコートすることができる。特にコロイド状態にあるナノシート溶液は、成膜性やキャスティング性に優れているので、複雑な形状を有する基材であっても、その表面をナノシートで均一にコートすることができる。
(3) ナノシートでコートされた基材表面を適当な条件下で加熱すると、水素、ヒドロキシ基等が離脱し、基材表面にシリコン結晶やシリコン薄膜を形成することができる。すなわち、ナノシート溶液を用いることによって、粉砕法、溶融法、スパッタ法、蒸着法等によらず、シリコン結晶や薄膜を簡単に得ることができる。得られたシリコン結晶や薄膜は、半導体集積回路、薄膜トランジスタ等を作製するための電子材料、あるいは、発光素子、表示素子等に用いることができる。
(4) 基材表面をナノシートでコートした後、これを酸化雰囲気下で加熱すると、基材表面を極めて薄いシリカ(SiO2)薄膜で均一にコートすることができる。
(5) 化学蒸着法(CVD法)等により得られるシリコンは、概して球状であるのに対し、本発明に係る製造方法によれば、薄片状のシリコンナノシートが得られる。ナノシートは、非常に大きな比表面積を有しており、化学反応に対して高い触媒性を発揮するので、これを分散させたナノシート溶液は、各種の触媒として使用することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係るナノシート溶液の製造方法につて説明する。
本実施の形態に係るナノシート溶液の製造方法は、水熱処理工程と、分離工程とを備えている。
水熱処理工程は、炭素数3以上のアミンと水との混合溶媒に層状シリコン化合物を分散させ、水熱処理する工程である。
本発明において、「アミン」とは、アミノ基(−NH2)を有する有機化合物(第1アミン)をいう。アミンは、1個のアミノ基を有するアミン(1価アミン)であっても良く、あるいは、2個以上のアミノ基を有するアミン(多価アミン)であっても良い。特に、1価アミンは、シリコン原子層を単層まで剥離させる効果が大きいので、水熱処理工程で使用するアミンとして好適である。
また、アミンは、炭素数が3以上であるものが好ましい。さらに、アミンは、直鎖状であることが好ましい。アミンとして、相対的に炭素数の多い分子及び/又は直鎖状である分子(すなわち、ある程度嵩高い分子)を用いると、シリコン原子層間にアミンが挿入されることによってシリコン原子層の層間距離が広がり、シリコン原子層を単層まで剥離させることが容易化する。
アミンとしては、具体的には、プロピルアミン(C3H7NH2)、ブチルアミン(C4H9NH2)、ペンチルアミン(C5H11NH2)、ヘキシルアミン(C6H13NH2)、ヘプチルアミン(C7H15NH2)、オクチルアミン(C8H17NH2)などがある。
なお、層状シリコン化合物については、第1の実施の形態に係る製造方法と同様であるので、説明を省略する。
本実施の形態に係るナノシート溶液の製造方法は、水熱処理工程と、分離工程とを備えている。
水熱処理工程は、炭素数3以上のアミンと水との混合溶媒に層状シリコン化合物を分散させ、水熱処理する工程である。
本発明において、「アミン」とは、アミノ基(−NH2)を有する有機化合物(第1アミン)をいう。アミンは、1個のアミノ基を有するアミン(1価アミン)であっても良く、あるいは、2個以上のアミノ基を有するアミン(多価アミン)であっても良い。特に、1価アミンは、シリコン原子層を単層まで剥離させる効果が大きいので、水熱処理工程で使用するアミンとして好適である。
また、アミンは、炭素数が3以上であるものが好ましい。さらに、アミンは、直鎖状であることが好ましい。アミンとして、相対的に炭素数の多い分子及び/又は直鎖状である分子(すなわち、ある程度嵩高い分子)を用いると、シリコン原子層間にアミンが挿入されることによってシリコン原子層の層間距離が広がり、シリコン原子層を単層まで剥離させることが容易化する。
アミンとしては、具体的には、プロピルアミン(C3H7NH2)、ブチルアミン(C4H9NH2)、ペンチルアミン(C5H11NH2)、ヘキシルアミン(C6H13NH2)、ヘプチルアミン(C7H15NH2)、オクチルアミン(C8H17NH2)などがある。
なお、層状シリコン化合物については、第1の実施の形態に係る製造方法と同様であるので、説明を省略する。
混合溶媒に含まれるアミンの濃度は、層状シリコン化合物に含まれる層間原子をアミンで効率よく置換できる濃度以上であれば良い。一般に、アミン濃度が高くなるほど、層間原子の置換が容易化する。一方、アミンの濃度が高すぎると、シリコン層とアミンが結合したラメラ構造を形成するので好ましくない。
ナノシートを効率よく得るためには、混合溶媒中のアミン濃度は、10〜30vol%が好ましく、さらに好ましくは、15〜25vol%である。
水熱処理工程において使用する混合溶媒の量は、層状シリコン化合物に含まれる層間原子をアミンで置換できる量以上であればよい。最適な量は、層状シリコン化合物の種類や混合溶媒の濃度等により異なるが、通常は、1gの層状シリコン化合物に対して、50〜200mLである。
ナノシートを効率よく得るためには、混合溶媒中のアミン濃度は、10〜30vol%が好ましく、さらに好ましくは、15〜25vol%である。
水熱処理工程において使用する混合溶媒の量は、層状シリコン化合物に含まれる層間原子をアミンで置換できる量以上であればよい。最適な量は、層状シリコン化合物の種類や混合溶媒の濃度等により異なるが、通常は、1gの層状シリコン化合物に対して、50〜200mLである。
水熱処理温度は、120℃以上180℃以下が好ましい。温度が120℃未満になると、シリコン原子層の剥離が現実的な時間内に進行しない。一方、水熱処理温度が180℃を超えると、シートが分解しやすくなる。
水熱処理時間は、水熱処理温度に応じて、最適な時間を選択する。一般に、水熱処理時間が短いと、シリコン原子層の剥離が不十分となる。一方、必要以上の水熱処理は、実益がない。例えば、水熱処理温度が120℃である場合、3日以上の水熱処理によって、ナノシートが得られる。
水熱処理時間は、水熱処理温度に応じて、最適な時間を選択する。一般に、水熱処理時間が短いと、シリコン原子層の剥離が不十分となる。一方、必要以上の水熱処理は、実益がない。例えば、水熱処理温度が120℃である場合、3日以上の水熱処理によって、ナノシートが得られる。
分離工程は、水熱処理後の混合溶媒から未反応物を分離する工程である。混合溶媒から未反応物を分離すると、本発明に係るナノシート溶液が得られる。未反応物の分離方法は、特に限定されるものではないが、遠心分離が好適である。
本実施の形態に係る方法を用いると、種々の幅を有するシリコンナノシートを含むナノシート溶液、あるいは、単層ナノシートと多層ナノシートが混在しているナノシート溶液が得られる。得られたナノシート溶液を適当な条件下で遠心分離すると、粗大なナノシートが分離され、コロイド状態のナノシート溶液が得られる。また、分離条件を最適化すると、単層ナノシートをより多く含むナノシート溶液が得られる。
本実施の形態に係る方法によりシリコンナノシートが得られる機構の詳細は不明であるが、おそらく、水熱処理によって層状シリコン化合物の層間原子が嵩高いアミン分子に置換され、シリコン原子層が無限膨潤するためと考えられる。また、本実施の形態に係る方法により、多層ナノシートが得られるのは、水熱処理によって一旦、単層まで剥離したナノシートが溶液中で再凝集するためと考えられる。
さらに、本実施の形態に係る方法は、使用する層状シリコン化合物の種類や条件によって、種々の構造を有するシリコンナノシートが得られる。例えば、層状シリコン化合物としてCaSi2を用い、直鎖状の1価アミンを含む混合溶媒で水熱処理すると、グラファイトタイプのシリコン原子層を含むナノシートを合成することができる。
さらに、本実施の形態に係る方法は、使用する層状シリコン化合物の種類や条件によって、種々の構造を有するシリコンナノシートが得られる。例えば、層状シリコン化合物としてCaSi2を用い、直鎖状の1価アミンを含む混合溶媒で水熱処理すると、グラファイトタイプのシリコン原子層を含むナノシートを合成することができる。
次に、本発明に係るナノシート含有複合体及びその製造方法について説明する。
本発明に係るナノシート含有複合体は、基材の表面又は/及び内部に、本発明に係るシリコンナノシートを含有させたものからなる。
ここで、「基材」とは、シリコンナノシート以外の材料をいい、その材質や形状は問わない。すなわち、基材の材質は、ガラス、セラミックス、金属、樹脂等のいずれであっても良い。また、基材の形状は、板、棒、管、シート、多孔体、粉末等のいずれであっても良い。
「基材の表面にシリコンナノシートを含有する」とは、基材の表面(内表面を含む)の全部又は一部がシリコンナノシートで被覆されていることをいう。基材表面は、1層のシリコンナノシートで被覆されていても良く、あるいは、2層以上のシリコンナノシートで被覆されていても良い。
「基材の内部にシリコンナノシートを含有する」とは、基材の内部にシリコンナノシートが分散していることをいう。ナノシートは、基材全体に均一に分散していても良く、あるいは、ナノシートの含有量が場所に応じて変化していても良い。
本発明に係るナノシート含有複合体は、基材の表面又は/及び内部に、本発明に係るシリコンナノシートを含有させたものからなる。
ここで、「基材」とは、シリコンナノシート以外の材料をいい、その材質や形状は問わない。すなわち、基材の材質は、ガラス、セラミックス、金属、樹脂等のいずれであっても良い。また、基材の形状は、板、棒、管、シート、多孔体、粉末等のいずれであっても良い。
「基材の表面にシリコンナノシートを含有する」とは、基材の表面(内表面を含む)の全部又は一部がシリコンナノシートで被覆されていることをいう。基材表面は、1層のシリコンナノシートで被覆されていても良く、あるいは、2層以上のシリコンナノシートで被覆されていても良い。
「基材の内部にシリコンナノシートを含有する」とは、基材の内部にシリコンナノシートが分散していることをいう。ナノシートは、基材全体に均一に分散していても良く、あるいは、ナノシートの含有量が場所に応じて変化していても良い。
本発明に係るナノシート含有複合体は、種々の方法により製造することができる。具体的には、以下のような方法がある。
第1の方法は、基材表面に、直接、ナノシート溶液を塗布し、あるいは、基材を、直接、ナノシート溶液に浸漬する方法である。
ナノシートは、溶液中において負電荷を帯びやすい。このような場合には、基材として、溶液中において正電荷を帯びるもの(例えば、ポリジアリルジメチルアンモニウム(Poly(diallyldimethylammonium)(PDDA))、ポリエチレンイミン(polyethylenimine(PEI))など)を用いるのが好ましい。基材として正電荷を帯びやすいものを用いると、基材にナノシート溶液を塗布し、あるいは、基材をナノシート溶液に浸漬するだけで、両者の電気的相互作用により、基材表面にナノシート被膜を容易に形成することができる。
第1の方法は、基材表面に、直接、ナノシート溶液を塗布し、あるいは、基材を、直接、ナノシート溶液に浸漬する方法である。
ナノシートは、溶液中において負電荷を帯びやすい。このような場合には、基材として、溶液中において正電荷を帯びるもの(例えば、ポリジアリルジメチルアンモニウム(Poly(diallyldimethylammonium)(PDDA))、ポリエチレンイミン(polyethylenimine(PEI))など)を用いるのが好ましい。基材として正電荷を帯びやすいものを用いると、基材にナノシート溶液を塗布し、あるいは、基材をナノシート溶液に浸漬するだけで、両者の電気的相互作用により、基材表面にナノシート被膜を容易に形成することができる。
第2の方法は、基材表面に、ナノシートと、溶液中においてナノシートとは反対の電荷を有する材料(以下、これを「第2材料」という)とを交互に吸着させる方法である。
基材が溶液中において電荷を持たないもの、あるいは、ナノシートと同電荷を帯びるもの(例えば、ポリ(ナトリウム4−スチレンスルホネート(poly(sodium4-styrenesulfonate):[-CH2CH(C6H4SO3Na)-]nなど)である場合、基材表面に、直接、ナノシート溶液を塗布しても、均一なナノシート被膜は形成されにくい。これに対し、基材表面を、予め第2材料で被覆しておくと、両者の電気的相互作用により、基材表面にナノシート被膜を容易に形成することができる。
上述したように、ナノシートは、溶液中において負電荷を帯びやすい。このような場合には、予め基材表面を、溶液中において正電荷を帯びる材料で被覆する。正電荷を帯びる材料としては、具体的には、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDADMAC)、ポリエチレンイミン(PEI)、塩酸ポリアリルアミン(PAH)等のカチオン性樹脂がある。基材表面には、第2材料とナノシートとをこの順でそれぞれ一層づつ被覆しても良く、あるいは、両者を交互に多数層吸着させても良い。
また、基材が溶液中においてナノシートとは反対の電荷を有する材料である場合、上述したように、基材表面にナノシート溶液を塗布するだけで、ナノシート被膜を形成することができる。しかしながら、ナノシート被膜の厚さは、溶液中のナノシートの厚さでほぼ決まり、厚膜を形成するのが困難である。これに対し、ナノシートと第2材料とを基材表面に交互に吸着させると、基材表面の電荷の有無及びその正負によらず、交互吸着の繰り返し数にほぼ比例して、ナノシート被膜の厚さを厚くすることができる。
基材が溶液中において電荷を持たないもの、あるいは、ナノシートと同電荷を帯びるもの(例えば、ポリ(ナトリウム4−スチレンスルホネート(poly(sodium4-styrenesulfonate):[-CH2CH(C6H4SO3Na)-]nなど)である場合、基材表面に、直接、ナノシート溶液を塗布しても、均一なナノシート被膜は形成されにくい。これに対し、基材表面を、予め第2材料で被覆しておくと、両者の電気的相互作用により、基材表面にナノシート被膜を容易に形成することができる。
上述したように、ナノシートは、溶液中において負電荷を帯びやすい。このような場合には、予め基材表面を、溶液中において正電荷を帯びる材料で被覆する。正電荷を帯びる材料としては、具体的には、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDADMAC)、ポリエチレンイミン(PEI)、塩酸ポリアリルアミン(PAH)等のカチオン性樹脂がある。基材表面には、第2材料とナノシートとをこの順でそれぞれ一層づつ被覆しても良く、あるいは、両者を交互に多数層吸着させても良い。
また、基材が溶液中においてナノシートとは反対の電荷を有する材料である場合、上述したように、基材表面にナノシート溶液を塗布するだけで、ナノシート被膜を形成することができる。しかしながら、ナノシート被膜の厚さは、溶液中のナノシートの厚さでほぼ決まり、厚膜を形成するのが困難である。これに対し、ナノシートと第2材料とを基材表面に交互に吸着させると、基材表面の電荷の有無及びその正負によらず、交互吸着の繰り返し数にほぼ比例して、ナノシート被膜の厚さを厚くすることができる。
第3の方法は、ナノシート溶液又はナノシートと、基材を含む溶液又は基材の融液とを混合し、固化させる方法である。
第3の方法において、基材の材質は特に限定されるものではないが、この方法は、特に、樹脂材料の内部にナノシートを分散させる方法として好適である。この方法を用いると、例えば、シリコンナノシートを分散させた樹脂フィルムを作製することができる。シリコンナノシートは、熱伝導性に優れているので、これを分散させた樹脂フィルムは、電気絶縁性と熱伝導性とを併せ持つ。そのため、これを例えば、電子部品等における放熱性の高い電気絶縁材等として利用することができる。
第3の方法において、基材の材質は特に限定されるものではないが、この方法は、特に、樹脂材料の内部にナノシートを分散させる方法として好適である。この方法を用いると、例えば、シリコンナノシートを分散させた樹脂フィルムを作製することができる。シリコンナノシートは、熱伝導性に優れているので、これを分散させた樹脂フィルムは、電気絶縁性と熱伝導性とを併せ持つ。そのため、これを例えば、電子部品等における放熱性の高い電気絶縁材等として利用することができる。
上述の方法により得られたナノシート含有複合体は、そのまま各種の用途に使用することができる。また、基材の材質が許す場合には、これを所定の条件下で熱処理しても良い。
例えば、基材の表面又は内部にナノシートを含有させた後、これを不活性雰囲気下において、800〜1000℃で加熱すると、シリコンナノシートに含まれる水素やヒドロキシ基を除去することができる。その結果、基材の表面又は内部に、実質的にSi原子のみからなる結晶や薄膜を形成することができる。
また、例えば、基材の表面又は内部にナノシートを含有させた後、これを酸化雰囲気下において、500〜1000℃で加熱すると、基材の表面又は内部にシリカ(SiO2)の結晶又は薄膜を形成することができる。
例えば、基材の表面又は内部にナノシートを含有させた後、これを不活性雰囲気下において、800〜1000℃で加熱すると、シリコンナノシートに含まれる水素やヒドロキシ基を除去することができる。その結果、基材の表面又は内部に、実質的にSi原子のみからなる結晶や薄膜を形成することができる。
また、例えば、基材の表面又は内部にナノシートを含有させた後、これを酸化雰囲気下において、500〜1000℃で加熱すると、基材の表面又は内部にシリカ(SiO2)の結晶又は薄膜を形成することができる。
次に、本発明に係るナノシート凝集体及びその製造方法について説明する。
本発明に係るナノシート凝集体は、本発明に係るナノシートを凝集させることにより得られるものからなる。
ナノシート溶液において、シリコンナノシートは、液体(溶媒)中に分散又は懸濁している状態にある。このナノシートを凝集させる方法としては、
(1) ナノシート溶液のpHを7〜5に調整し、ナノシートを凝集させる方法(いわゆる「ゾル・ゲル法」)、
(2) ナノシート溶液中の電解質濃度を1〜10molの範囲で制御し、ナノシートを凝集させる方法、
(3) ナノシート溶液を加熱し、あるいは、凍結乾燥させることによって、溶液中の溶媒を除去する方法、
などがある。
シリコンナノシートは、二次元異方性が極めて大きいので、これを凝集させることにより得られるナノシート凝集体は、微粒(平均粒径0.1〜3μm)、かつ、高比表面積(50〜200m2/g)である。そのため、ナノシート凝集体は、各種担体、吸着剤等として利用することができる。また、リチウム二次電池の負極活物質として用いることにより、大きな容量を有し、サイクル特性の優れたリチウム二次電池を構成することができる。
本発明に係るナノシート凝集体は、本発明に係るナノシートを凝集させることにより得られるものからなる。
ナノシート溶液において、シリコンナノシートは、液体(溶媒)中に分散又は懸濁している状態にある。このナノシートを凝集させる方法としては、
(1) ナノシート溶液のpHを7〜5に調整し、ナノシートを凝集させる方法(いわゆる「ゾル・ゲル法」)、
(2) ナノシート溶液中の電解質濃度を1〜10molの範囲で制御し、ナノシートを凝集させる方法、
(3) ナノシート溶液を加熱し、あるいは、凍結乾燥させることによって、溶液中の溶媒を除去する方法、
などがある。
シリコンナノシートは、二次元異方性が極めて大きいので、これを凝集させることにより得られるナノシート凝集体は、微粒(平均粒径0.1〜3μm)、かつ、高比表面積(50〜200m2/g)である。そのため、ナノシート凝集体は、各種担体、吸着剤等として利用することができる。また、リチウム二次電池の負極活物質として用いることにより、大きな容量を有し、サイクル特性の優れたリチウム二次電池を構成することができる。
(実施例1)
1. ワイス型シロキセンの誘導。
層状シリコン化合物としてCaSi2(図2参照)を用いて、ナノシート溶液を作製した。まず、1gのCaSi2粉末に対し、100cm3の割合で濃塩酸(12N)を接触させて、アルゴン雰囲気下において温度0℃で反応させた(酸処理工程)。8時間の反応後、黄緑色を呈したワイス型シロキセン(Si6H3(OH)3・HCl、図3参照)を得た。
次いで、粉末を濾過した後、アルゴン雰囲気下において、0℃に冷却した濃塩酸で粉末を洗浄し、副生成物であるCaCl2を除去した(第1洗浄工程)。その後、さらに粉末をアセトンで洗浄した(第2洗浄工程)。
1. ワイス型シロキセンの誘導。
層状シリコン化合物としてCaSi2(図2参照)を用いて、ナノシート溶液を作製した。まず、1gのCaSi2粉末に対し、100cm3の割合で濃塩酸(12N)を接触させて、アルゴン雰囲気下において温度0℃で反応させた(酸処理工程)。8時間の反応後、黄緑色を呈したワイス型シロキセン(Si6H3(OH)3・HCl、図3参照)を得た。
次いで、粉末を濾過した後、アルゴン雰囲気下において、0℃に冷却した濃塩酸で粉末を洗浄し、副生成物であるCaCl2を除去した(第1洗浄工程)。その後、さらに粉末をアセトンで洗浄した(第2洗浄工程)。
2. ワイス型シロキセンの剥離。
次に、ワイス型シロキセン0.2gを、塩酸でpHを5以下に調整した濃度0.1mol/dm3のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液に加えた。これにより、ワイス型シロキセンのシリコン原子層の層間に入ったHClがSDS(界面活性剤)に交換され、シリコン原子層の層間距離が約6Åから約100Åに拡大する(図3及び図4参照)。
次いで、シェーカー(アズワン社製)で速度100rpm程度の振とうを10日間行っい(剥離工程)、SDSを含んだワイス型シロキセンを厚さ10nm以下、即ちほぼ単層のシリコン原子層の厚みまで剥離させた(図5参照)。これにより、図1に示す構造を有するシリコンナノシート1が分散しているナノシート溶液を得た。
次に、ワイス型シロキセン0.2gを、塩酸でpHを5以下に調整した濃度0.1mol/dm3のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液に加えた。これにより、ワイス型シロキセンのシリコン原子層の層間に入ったHClがSDS(界面活性剤)に交換され、シリコン原子層の層間距離が約6Åから約100Åに拡大する(図3及び図4参照)。
次いで、シェーカー(アズワン社製)で速度100rpm程度の振とうを10日間行っい(剥離工程)、SDSを含んだワイス型シロキセンを厚さ10nm以下、即ちほぼ単層のシリコン原子層の厚みまで剥離させた(図5参照)。これにより、図1に示す構造を有するシリコンナノシート1が分散しているナノシート溶液を得た。
本例においては、特に界面活性剤としてアニオン性界面活性剤であるSDSを用いるため、シロキセン系化合物のシリコン原子層の層間に入ったHCl分子のうち、Cl−イオンを界面活性剤で交換することができる。そして、アニオン性界面活性剤でCl−イオンを交換すると共に、pH5以下という強い酸性条件下で振とうを行っているため、シロキセン系化合物を10nm以下の厚みまで容易に剥離させることができる。
3. 評価。
このナノシート溶液をビーカに入れ、一方から光を当てるとコロイド溶液に特有なチンダル現象を示すことが観察された。したがって、本例において得られたナノシート溶液は、コロイド溶液であることがわかる。
また、このナノシート溶液について、X線回折を行って、シリコン原子層間の距離を測定した。その結果を図6に示す。図6より、各シリコン原子層は、大部分が100Å以上の距離をあけて溶媒中に分散していること、すなわち、シリコンナノシートは、その大部分が単層のシリコン原子層からなることがわかる。
このナノシート溶液をビーカに入れ、一方から光を当てるとコロイド溶液に特有なチンダル現象を示すことが観察された。したがって、本例において得られたナノシート溶液は、コロイド溶液であることがわかる。
また、このナノシート溶液について、X線回折を行って、シリコン原子層間の距離を測定した。その結果を図6に示す。図6より、各シリコン原子層は、大部分が100Å以上の距離をあけて溶媒中に分散していること、すなわち、シリコンナノシートは、その大部分が単層のシリコン原子層からなることがわかる。
次に、このナノシート溶液をマイカ(雲母)の上にたらし、乾燥させた後、原子間力顕微鏡(AFM)(VEECO社製、D3100)で観察した。その結果を図7に示す。図7より、ナノシートは、厚み0.7〜0.8nm、横サイズ100nm前後であることがわかる。
次に、ナノシート溶液を透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子社製)観察用の銅メッシュ上にたらし、乾燥させた後、TEM観察を行った。その結果、一枚のシリコンナノシート内では濃淡の分布がなく、シリコンナノシートはその厚みが非常に均一であることがわかった。
次に、シリコンナノシートの電子線回折パターンをTEM装置(日本電子社製)を用いて測定した。その結果を、図8に示す。
図8に示すように、シリコンナノシートは、面心立方格子(FCC)構造をとる結晶の(111)方向からビームが入射された際に生じる回折パターンを示すことが確認された。即ち、本例のシリコンナノシートは、出発原料として用いたCaSi2からなる層状シリコン化合物のシリコン(111)面がそのまま維持された状態で単層(一分子層)に剥離したものであることがわかる。
なお、図8において、白い点(ドット)は、面心立方格子(FCC)の(220)面を示すものであり、同図においては、このドットが見えにくいため、便宜上矢印でドットを指し示してある。図8に示すように、ドットはほぼ正六角形の頂点の位置に観察された。
図8に示すように、シリコンナノシートは、面心立方格子(FCC)構造をとる結晶の(111)方向からビームが入射された際に生じる回折パターンを示すことが確認された。即ち、本例のシリコンナノシートは、出発原料として用いたCaSi2からなる層状シリコン化合物のシリコン(111)面がそのまま維持された状態で単層(一分子層)に剥離したものであることがわかる。
なお、図8において、白い点(ドット)は、面心立方格子(FCC)の(220)面を示すものであり、同図においては、このドットが見えにくいため、便宜上矢印でドットを指し示してある。図8に示すように、ドットはほぼ正六角形の頂点の位置に観察された。
このように本例においては、0.7〜0.8nmの均一な厚みを有し、シリコン(111)面と同じ構造からなり、その面内は単結晶であるシリコンナノシートを得ることができた。得られたシリコンナノシートは、図1に示すように、ワイス型シロキセン(Si6H3(OH)3・HCl)の水素の一部が水酸化されていた。この水酸化は、剥離工程において少量のガスが発生したことから考えると、剥離工程においてワイス型シロキセンと水とが例えば下記の式(2)のように反応して起こったと考えられる。
Si6H3(OH)3+δH2O→Si6H3-δ(OH) 3+δ+δH2↑(0≦δ≦3) ・・・(2)
Si6H3(OH)3+δH2O→Si6H3-δ(OH) 3+δ+δH2↑(0≦δ≦3) ・・・(2)
次に、ナノシート溶液の蛍光スペクトルを、分光蛍光光度計(JASCO社製、FP−6600)を用いて測定した。励起波長を400nmに設定し、固形分濃度(シリコンナノシートの濃度)を0.5重量%とした場合の蛍光スペクトルを図9に示す。図9においては、横軸は波長(nm)を示し、縦軸は強度を示す。また、図9においては、蛍光スペクトルの測定結果を実線で示し、この測定結果(実線)を波形分離することにより得られる波形を点線で示した。
図9より、
(1) 本例のシリコンナノシートに励起波長400nmの光を照射すると、450〜600nmの波長を有する蛍光を放出すること、及び、
(2) 蛍光スペクトルは、ピーク波長が、それぞれ、465±5nm、505±5nm、及び、560±5nmである3種類の波形に分離できること、
がわかる。
また、図示はしないが、ナノシート溶液の固形成分濃度を0.05重量%に希釈すると、ピーク波長が465±5nmである波形のピークの強度が増加した。このピーク強度の増加は、シリコンナノシートの量子サイズ効果として説明できるものである。
このように本例のシリコンナノシートは、可視光領域にピークを有する3種類の光で構成される緑色の蛍光を放出する。この現象を利用して、このシリコンナノシートやこれを分散又は懸濁させたナノシート溶液を表示材料等に用いることができる。
(1) 本例のシリコンナノシートに励起波長400nmの光を照射すると、450〜600nmの波長を有する蛍光を放出すること、及び、
(2) 蛍光スペクトルは、ピーク波長が、それぞれ、465±5nm、505±5nm、及び、560±5nmである3種類の波形に分離できること、
がわかる。
また、図示はしないが、ナノシート溶液の固形成分濃度を0.05重量%に希釈すると、ピーク波長が465±5nmである波形のピークの強度が増加した。このピーク強度の増加は、シリコンナノシートの量子サイズ効果として説明できるものである。
このように本例のシリコンナノシートは、可視光領域にピークを有する3種類の光で構成される緑色の蛍光を放出する。この現象を利用して、このシリコンナノシートやこれを分散又は懸濁させたナノシート溶液を表示材料等に用いることができる。
(実施例2)
実施例1の「1.」と同一の手順に従い、ワイス型シロキセン(Si6H3(OH)3・HCl)を作製した。次に、このワイス型シロキセン0.2gを、テトラブチルアンモニウム(TBAOH、カチオン性界面活性剤)水溶液に加えた。このとき、テトラブチルアンモニウム水溶液の濃度は、ワイス型シロキセン(Si6H3(OH)3・HCl)中のClと等モルの濃度、即ち0.1mol/dm3とした。この溶液に対し、シェーカー(アズワン社製)で速度100rpm程度の振とうを10日間行っい、ナノシート溶液を得た。
本例にて得られたナノシート溶液においても、実施例1と同様に、ほぼ単層のシリコン原子層からなるシリコンナノシートが溶媒中に分散していること、及び、蛍光スペクトルの測定において可視光領域にピークを有すること、が確認された。
実施例1の「1.」と同一の手順に従い、ワイス型シロキセン(Si6H3(OH)3・HCl)を作製した。次に、このワイス型シロキセン0.2gを、テトラブチルアンモニウム(TBAOH、カチオン性界面活性剤)水溶液に加えた。このとき、テトラブチルアンモニウム水溶液の濃度は、ワイス型シロキセン(Si6H3(OH)3・HCl)中のClと等モルの濃度、即ち0.1mol/dm3とした。この溶液に対し、シェーカー(アズワン社製)で速度100rpm程度の振とうを10日間行っい、ナノシート溶液を得た。
本例にて得られたナノシート溶液においても、実施例1と同様に、ほぼ単層のシリコン原子層からなるシリコンナノシートが溶媒中に分散していること、及び、蛍光スペクトルの測定において可視光領域にピークを有すること、が確認された。
(実施例3)
1. ナノシート含有複合体の作製。
以下の手順に従い、図10及び図11に示すように、基材51の表面に樹脂層53とナノシート層55とが交互に3層ずつ積層されたナノシート含有複合体5を作製した。
まず、基材として、20mm×20mmで厚み2mmの石英ガラス基板を準備した。また、実施例1にて作製したナノシート溶液と、PDADMACとNaClを含有するポリマー溶液とを準備した。ポリマー溶液において、PDADMACの濃度は、1mg/mLであり、NaClの濃度は、0.5Mである。また、洗浄用として水を準備した。
1. ナノシート含有複合体の作製。
以下の手順に従い、図10及び図11に示すように、基材51の表面に樹脂層53とナノシート層55とが交互に3層ずつ積層されたナノシート含有複合体5を作製した。
まず、基材として、20mm×20mmで厚み2mmの石英ガラス基板を準備した。また、実施例1にて作製したナノシート溶液と、PDADMACとNaClを含有するポリマー溶液とを準備した。ポリマー溶液において、PDADMACの濃度は、1mg/mLであり、NaClの濃度は、0.5Mである。また、洗浄用として水を準備した。
次に、ガラス基板をポリマー溶液に浸漬し、乾燥させてガラス基板の表面にPDADMACからなる樹脂層を形成させた(樹脂層形成工程)。このガラス基板を水にて洗浄し、乾燥させた(洗浄工程)。その後、ナノシート溶液に浸漬し、再び乾燥させることにより、樹脂層の上にシリコンナノシートからなるナノシート層を形成させた(ナノシート層形成工程)。再び水にて洗浄した後、樹脂層形成工程と洗浄工程とナノシート形成工程とをさらに繰り返し行った。
2. 評価。
得られたナノシート含有複合体の蛍光スペクトルを、分光蛍光光度計(JASCO社製、FP−6600)を用いて測定した。励起波長を450nmに設定した場合の蛍光スペクトルを図12に示す。図12に示すように、本例のナノシート含有複合体は、540±5nmにピークが観察された。すなわち、本例のナノシート含有複合体は、可視光領域において蛍光を放出することがわかった。
さらに、このナノシート複合体を真空中(10−5Pa以下)において温度800℃〜1000℃で熱処理したところ、シリコンナノシート中の水素及びヒドロキシ基が除去され、ガラス基板上にシリコン膜を形成することができた。
得られたナノシート含有複合体の蛍光スペクトルを、分光蛍光光度計(JASCO社製、FP−6600)を用いて測定した。励起波長を450nmに設定した場合の蛍光スペクトルを図12に示す。図12に示すように、本例のナノシート含有複合体は、540±5nmにピークが観察された。すなわち、本例のナノシート含有複合体は、可視光領域において蛍光を放出することがわかった。
さらに、このナノシート複合体を真空中(10−5Pa以下)において温度800℃〜1000℃で熱処理したところ、シリコンナノシート中の水素及びヒドロキシ基が除去され、ガラス基板上にシリコン膜を形成することができた。
(実施例4)
実施例1で作製したナノシート溶液を凍結乾燥させ、ナノシート凝集体を得た。具体的には、0.5wt%に調整したナノシート溶液を液体窒素にて凍結させ、これをロータリーポンプで吸引することにより、徐々に溶媒を除去した。このナノシート凝集体は、微粒(0.1〜0.3μm)、かつ、高比表面積(50〜200m2/g)であった。
実施例1で作製したナノシート溶液を凍結乾燥させ、ナノシート凝集体を得た。具体的には、0.5wt%に調整したナノシート溶液を液体窒素にて凍結させ、これをロータリーポンプで吸引することにより、徐々に溶媒を除去した。このナノシート凝集体は、微粒(0.1〜0.3μm)、かつ、高比表面積(50〜200m2/g)であった。
(実施例5)
層状シリコン化合物として、YbSi2(図13参照)を用いた以外は、実施例1と同一の手順に従い、ナノシート溶液を作製した。
得られたナノシート溶液中には、図14に示すように、略平坦な構造のシリコン原子層75を含むシリコンナノシート7が溶媒中に分散していることを確認した。
層状シリコン化合物として、YbSi2(図13参照)を用いた以外は、実施例1と同一の手順に従い、ナノシート溶液を作製した。
得られたナノシート溶液中には、図14に示すように、略平坦な構造のシリコン原子層75を含むシリコンナノシート7が溶媒中に分散していることを確認した。
(実施例6)
実施例1の「1.」と同様の手順に従い、ナノシート溶液を作製した。
次に、シロキセン系化合物0.2gを濃度0.01mol/dm3のP−1,2,3(ブロックコポリマー;HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H)のエタノール溶液に加えて激しく振とうした(剥離工程)。その結果、シリコンナノシートが分散しているこげ茶色の懸濁液が得られた。
この懸濁液をビーカに入れ、一方から光を当てるとコロイド溶液に特有なチンダル現象を示した。すなわち、懸濁液は、シリコンナノシートが懸濁しているコロイド溶液であることがわかった。
このように、界面活性剤として中性界面活性剤を用いても、シリコンナノシートが分散しているコロイド溶液を作製できることがわかる。
実施例1の「1.」と同様の手順に従い、ナノシート溶液を作製した。
次に、シロキセン系化合物0.2gを濃度0.01mol/dm3のP−1,2,3(ブロックコポリマー;HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H)のエタノール溶液に加えて激しく振とうした(剥離工程)。その結果、シリコンナノシートが分散しているこげ茶色の懸濁液が得られた。
この懸濁液をビーカに入れ、一方から光を当てるとコロイド溶液に特有なチンダル現象を示した。すなわち、懸濁液は、シリコンナノシートが懸濁しているコロイド溶液であることがわかった。
このように、界面活性剤として中性界面活性剤を用いても、シリコンナノシートが分散しているコロイド溶液を作製できることがわかる。
(実施例7)
1. ナノシート溶液の作製。
CaSi2(0.1g)を、プロピルアミン(2mL)と蒸留水(8mL)の混合溶媒に分散させた。これをテトラフルオロエチレンビーカ内で、120℃で3日間の水熱処理を行った。その後、10000rpmの回転数で未反応物を遠心分離し、上澄み液を分取した。
1. ナノシート溶液の作製。
CaSi2(0.1g)を、プロピルアミン(2mL)と蒸留水(8mL)の混合溶媒に分散させた。これをテトラフルオロエチレンビーカ内で、120℃で3日間の水熱処理を行った。その後、10000rpmの回転数で未反応物を遠心分離し、上澄み液を分取した。
2. 構造の評価。
図15に、得られたナノシート溶液に含まれるシリコンナノシートの面内の電子線回折パターンを示す。図15より、スポットが正六角形に現れており、6回回転対称を有することがわかる。得られたスポットは、0.215nm及び0.124nmに現れており、それぞれ、(220)及び(440)と指数付けができた。この回折スポットを<111>入射と考えると、その面間隔は、Siのバルクの値(Si(220)=0.192nm、Si(440)=0.096nm)と比較して約10%大きな値となった。
また、シリコンナノシートの端は、しばしば立ち上がっており、この部分からシートの積層形状を詳細に観察した。図16に、シリコンナノシートの端部のTEM写真を示す。図16より、観察されたナノシートは、20〜30層の積層構造を持つことがわかる。その層間距離は、0.30nmと実測された。
図17に、シリコンナノシートのEDX分析結果を示す。図17中、CとCuは、TEM観察時のグリッド由来である。図17より、ナノシートには、Siの他に酸素が含まれていることがわかる。
図15に、得られたナノシート溶液に含まれるシリコンナノシートの面内の電子線回折パターンを示す。図15より、スポットが正六角形に現れており、6回回転対称を有することがわかる。得られたスポットは、0.215nm及び0.124nmに現れており、それぞれ、(220)及び(440)と指数付けができた。この回折スポットを<111>入射と考えると、その面間隔は、Siのバルクの値(Si(220)=0.192nm、Si(440)=0.096nm)と比較して約10%大きな値となった。
また、シリコンナノシートの端は、しばしば立ち上がっており、この部分からシートの積層形状を詳細に観察した。図16に、シリコンナノシートの端部のTEM写真を示す。図16より、観察されたナノシートは、20〜30層の積層構造を持つことがわかる。その層間距離は、0.30nmと実測された。
図17に、シリコンナノシートのEDX分析結果を示す。図17中、CとCuは、TEM観察時のグリッド由来である。図17より、ナノシートには、Siの他に酸素が含まれていることがわかる。
以上の結果から、本実施例で得られたシリコンナノシートは、六方晶系で指数付けでき、その格子定数は、a=0.43nm、c=0.30nmと決定された。一方、出発原料のCaSi2は、六方晶系で指数付けを行うと、a=0.38nm、c=0.31nmとなる。これは、本実施例で得られたシリコンナノシートが従来のsp3軌道から構成されると考えるには、誤差が大きすぎることを示している。そこで、シリコンナノシートがグラファイトのようなsp2軌道(平面構造)で構成され、かつ、Si−Si結合距離を0.25nmと仮定すると、六方晶系の格子定数は、a=0.43nm、c=0.30nmとなり、実測値と良く一致する。図15及び図16の結果と考え合わせると、本実施例で得られたシリコンナノシートは、図18(b)に示すような平面構造を有するシリコン原子層が積層した構造を有していると考えられる。
3. 光物性の評価。
1wt%のシリコンナノシートを含むナノシート溶液について、UV−vis測定を行った。図19に、その結果を示す。図19より、本実施例で得られたシリコンナノシートのバンドギャップは、立ち上がり部の吸収端から3.6eVと求められた。この値は、量子効果の発現を意味する。すなわち、この値は、溶液中に分散しているナノシートが1nm以下のナノサイズのシリコンであることを裏付けるものである。
1wt%のシリコンナノシートを含むナノシート溶液について、UV−vis測定を行った。図19に、その結果を示す。図19より、本実施例で得られたシリコンナノシートのバンドギャップは、立ち上がり部の吸収端から3.6eVと求められた。この値は、量子効果の発現を意味する。すなわち、この値は、溶液中に分散しているナノシートが1nm以下のナノサイズのシリコンであることを裏付けるものである。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係るシリコンナノシートは、半導体集積回路、薄膜トランジスタ等を構成する電子材料、発光素子、電子素子、化学触媒、触媒担体、リチウム二次電池の負極活物質などに用いることができる。
また、本発明に係るナノシート溶液は、液体の蛍光剤、ナノシート含有複合体やナノシート凝集体の製造原料などに用いることができる。
また、本発明に係るナノシート含有複合体は、各種電子素子、放熱シート、圧粉磁芯用原料などに用いることができる。
さらに、本発明に係るナノシート凝集体は、各種触媒担体、リチウム二次電池用の負極活物質、吸着剤などに用いることができる。
また、本発明に係るナノシート溶液は、液体の蛍光剤、ナノシート含有複合体やナノシート凝集体の製造原料などに用いることができる。
また、本発明に係るナノシート含有複合体は、各種電子素子、放熱シート、圧粉磁芯用原料などに用いることができる。
さらに、本発明に係るナノシート凝集体は、各種触媒担体、リチウム二次電池用の負極活物質、吸着剤などに用いることができる。
Claims (27)
- 2次元方向に、かつ周期的に配列しているシリコン原子がSi−Si結合により互いに結合しているシリコン原子層を含むシリコンナノシート。
- 前記シリコン原子層は、Si6員環が2次元方向に、かつ、周期的に配列しており、
前記Si6員環を構成する6個の前記シリコン原子の内、隣り合わない3個のシリコン原子は、ダイヤモンド構造を有するSiの(111)面に相当する面上にあり、残りの3個のシリコン原子は、ダイヤモンド構造を有するSiの(444)面に相当する面上にある請求項1に記載のシリコンナノシート。 - 前記シリコン原子層は、組成式:Si6H3−δ(OH)3+δ(0≦δ≦3)で表される請求項2に記載のシリコンナノシート。
- 前記シリコン原子層は、組成式:(SiH)nで表される請求項2に記載のシリコンナノシート。
- 前記シリコン原子層は、Si6員環が2次元方向に、かつ、周期的に配列しており、
前記Si6員環を構成する6個の前記シリコン原子の前記シリコン原子層の層面に対して垂直方向の間隔は、ダイヤモンド構造を有するSiの(111)面と(444)面との間隔より狭い請求項1に記載のシリコンナノシート。 - 前記シリコン原子層は、組成式:Si6H3−δ(OH)3+δ(0≦δ≦3)で表される請求項5に記載のシリコンナノシート。
- 前記シリコン原子層は、組成式:SiOx(0≦x≦0.5)で表される請求5に記載のシリコンナノシート。
- 前記シリコンナノシートは、前記シリコン原子層の単層からなる請求項1に記載のシリコンナノシート。
- 前記シリコンナノシートは、その厚さが1nm以下である請求項8に記載のシリコンナノシート。
- 前記シリコンナノシートは、前記シリコン原子層が複数層積層している積層体からなる請求項1に記載のシリコンナノシート。
- 前記シリコンナノシートは、その厚さが10nm以下である請求項10に記載のシリコンナノシート。
- 前記シリコン原子層は、その一部が有機修飾基によって修飾されている請求項1に記載のシリコンナノシート。
- 蛍光スペクトルの測定において、可視光領域にピークを示す請求項1に記載のシリコンナノシート。
- 400〜500nmの励起波長に対して、450nm〜600nmにピークを示す請求項13に記載のシリコンナノシート。
- 光吸収から求めたバンドギャップが3.0eV以上である請求項1に記載のシリコンナノシート。
- 請求項1から15までのいずれかに記載のシリコンナノシートを溶媒液中に分散又は懸濁させたナノシート溶液。
- 前記ナノシート溶液は、チンダル現象を示す請求項16に記載のナノシート溶液。
- 基材の表面又は/及び内部に、請求項1から15までのいずれかに記載のシリコンナノシートを含有するナノシート含有複合体。
- 請求項1から15までのいずれかに記載のシリコンナノシートを凝集させることにより得られるナノシート凝集体。
- 層状シリコン化合物を酸水溶液と接触させて、シロキセン系化合物を誘導する酸処理工程と、
前記シロキセン系化合物を、界面活性剤を含有する溶媒中に加えて振とうし、前記シロキセン系化合物を剥離させる剥離工程と
を備えたナノシート溶液の製造方法。 - 前記剥離工程は、前記シロキセン系化合物を10nm以下の厚みまで剥離させるものである請求項20に記載のナノシート溶液の製造方法。
- 前記剥離工程は、前記シロキセン系化合物を単層まで剥離させるものである請求項20に記載のナノシート溶液の製造方法。
- 前記剥離工程は、酸性下において前記シロキセン系化合物を剥離させるものである請求項20に記載のナノシート溶液の製造方法。
- 前記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤である請求項20に記載のナノシート溶液の製造方法。
- 炭素数3以上のアミンと水との混合溶媒に層状シリコン化合物を分散させ、水熱処理する水熱処理工程と、
未反応物を分離する分離工程と
を備えたナノシート溶液の製造方法。 - 前記水熱処理工程は、120℃以上180℃以下の温度において、3日以上水熱処理するものである請求項25に記載のナノシート溶液の製造方法。
- 請求項20から26までのいずれかに記載の方法により得られるシリコンナノシート。
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