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JPH1192837A - 銅合金の精錬方法 - Google Patents

銅合金の精錬方法

Info

Publication number
JPH1192837A
JPH1192837A JP25518497A JP25518497A JPH1192837A JP H1192837 A JPH1192837 A JP H1192837A JP 25518497 A JP25518497 A JP 25518497A JP 25518497 A JP25518497 A JP 25518497A JP H1192837 A JPH1192837 A JP H1192837A
Authority
JP
Japan
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copper
copper alloy
molten copper
refining
molten
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP25518497A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Osumi
研治 大隅
Shigenobu Yasunaga
繁信 安永
Yoji Miyagawa
洋二 宮川
Hirofumi Okada
裕文 岡田
Eiji Yoshida
栄次 吉田
Yoshiaki Narushige
芳昭 成重
Kazuhiro Oe
和宏 大江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Shinko Metal Products Co Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Shinko Metal Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd, Shinko Metal Products Co Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP25518497A priority Critical patent/JPH1192837A/ja
Publication of JPH1192837A publication Critical patent/JPH1192837A/ja
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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 銅合金を誘導炉にて溶解・鋳造する際、銅合
金溶銅中の高いレベルの酸素、水素、好ましくは介在物
を同時に除去しうる精錬方法を提供する。 【解決手段】 銅合金を誘導炉2 により溶解し、溶銅を
移湯樋3 を通じて鋳型4に供給する際、移湯樋3 におい
て溶銅を精錬する方法であって、移湯樋3 を流下する溶
銅表面をカーボン系固体還元剤8 にて被覆するととも
に、先端に回転羽根6 を有するノズル5 を溶銅中に装入
して、移湯樋3 を流下する溶銅の底部に不活性ガスの微
細気泡7 を吹き込み脱酸および脱水素を行い、銅合金鋳
塊中に含まれる酸素を20ppm 以下および水素を0.5ppm以
下にそれぞれ低減することである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅合金の精錬方法
に関し、特に、溶解炉から鋳型(鋳造機)の間に設けら
れた移湯樋において銅合金の溶銅を精錬する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】銅および銅合金は、その優れた電気およ
び熱伝導性、加工性などの特性を生かして、板や条材、
管や棒材などの製品に加工されて、電子、電気、あるい
は熱交換などの分野で多用されている。この内、特にリ
ードフレームなどの電子材料用銅合金の前記板や条材、
あるいは熱交換器用管材などの塑性加工乃至成形加工製
品は、図1 に示す通り、電気 (精錬) 銅や銅スクラップ
などの主原料1 を誘導炉2 により溶解し、誘導炉2 にお
いて溶銅中の酸素、水素、介在物の除去を行うととも
に、Cu-Fe 系、Cu-Sn 系、Cu-Mn 系、Cu-Mg 系、Cu-Ni
系、Cu-Cr 系などの銅合金に成分調整した後に、この溶
銅を移湯樋3 を通じて鋳造機の鋳型4 に注湯し鋳塊 (鋳
片) とする。そしてこの鋳塊をソーキング炉において均
質化熱処理を施したのち、熱間圧延などの熱間加工およ
び冷間圧延や冷間引き抜きなどの冷間加工を行って、前
記所望製品形状に加工し、調質のための熱処理や、耐食
性やハンダ付け性向上目的などの表面処理を行い、各銅
合金製品とする。
【0003】本発明が対象とする銅合金の場合は、添加
合金元素の成分調整をする必要が有り、かつ、その添加
合金元素やその量が異なるため、各銅合金系の溶解を行
う際には、直前のロッドの銅合金残渣の洗浄を含めてバ
ッチで行う必要がある。このため、銅合金の溶解には図
1 に示す誘導炉 (高周波誘導溶解炉)2が用いられる。こ
れに対し、純銅の場合は、添加合金元素の成分調整をす
る必要が無いので、前記誘導炉2 に代えて、連続的な溶
解が可能なシャフト炉が用いられるとともに、溶銅を移
湯樋を通じて一端保持炉に移湯し、該保持炉において酸
素、水素、介在物の除去を行った後に、更に移湯樋を通
じて鋳型に注湯し鋳塊とされる。
【0004】このような銅合金製品の品質を決定する大
きな因子のうちの一つは、銅合金溶湯の品質であり、こ
の溶湯の品質の中でも不純物量の制御が大きな比重を占
める。そして、この不純物の中でも、酸素、水素等のガ
スおよび介在物の管理が重要となる。
【0005】これら不純物のうち、まず、酸素は銅合金
製品の機械的性質や加工性、更には導電性などに悪影響
を及ぼし、できるだけ低減することが望ましい。特にリ
ードフレームなどの厚みが1mm 以下の電子材料用薄肉銅
合金では、酸素は、前記所定形状への銅合金の加工中や
製品としての使用中に、銅合金に割れや表面欠陥を発生
させる問題を引き起こすため、20ppm 以下、望ましくは
10ppm 以下の低い含有量レベルにすることが必要であ
る。
【0006】また、水素は前記所定形状への銅合金の加
工中や製品としての使用中に、銅合金製品にふくれを生
じさせ表面の平滑性やめっき処理性を阻害し、また水素
脆化の原因となるので、できるだけ低減することが望ま
しい。特に、Cu-0.1Fe-0.03P、Cu-1.8Ni-0.4Si-1.0Zn、
Cu-3.2Ni-0.7Si-1.25Sn-0.3Zn 、Cu-2.3Fe-0.03P-0.1Z
n、Cu-3.2Ni-0.7Si-1.0Znからなる組成の種々のリード
フレーム材など、厚みが1mm 以下の電子材料用薄肉銅合
金では、水素は0.5ppm以下、望ましくは0.2ppm以下の低
い含有量レベルにすることが必要である。
【0007】更に、前記溶銅中の酸素量によって決まる
酸化物、あるいは炭化物などの介在物は銅合金製品の表
面欠陥の原因となり、表面の均一性が要求される用途に
対しては致命的な問題となるため、できるだけ低減する
ことが望ましい。特にリードフレーム材などの厚みが1m
m 以下の電子材料用薄肉銅合金材では、前記問題から特
に酸化物を、酸素量に換算して、20ppm 以下、望ましく
は10ppm 以下の低い含有量レベルにすることが好まし
い。
【0008】一方、銅合金の溶解に用いる前記誘導炉
は、密閉し易く還元性雰囲気にしやすい筒状のシャフト
炉と違って、密閉しにくいルツボ型であり、銅合金の溶
解は基本的に大気雰囲気下で行われることになる。この
ため、溶解工程における大気雰囲気から、酸素が溶銅中
に吸収されやすく、また、銅原料( 原料中あるいは原料
に付着している水分など) に含まれる酸素も、溶銅中へ
の酸素混入源となる。また、水素は、前記酸素と同様
に、銅原料( 原料中あるいは原料に付着している水分な
ど) に含まれる分と、前記溶解工程における大気雰囲気
から溶銅中に吸収される水分が混入源となる。
【0009】更に、溶銅を誘導炉から移湯樋3 に移湯す
る際、図3 に示す通り、誘導炉2 の溶湯口と移湯樋3 に
は落差があり、この落差を流下して溶銅は移湯樋3 に移
湯される。したがって、この移湯の際の大気の巻き込み
により、前記溶解中の大気雰囲気からの吸収と合わせ、
合金銅の場合には、前記純銅に比して、溶銅中の酸素、
水素の量および酸化物系介在物の量が必然的に多くな
る。そして、前記銅合金の溶解において、通常は、木炭
などの固体還元剤で溶銅表面をカバーし、溶解工程にお
ける大気雰囲気からの酸素の溶銅中への吸収を防止する
方法が採用されているが、この方法は酸素の抑制には効
果があるものの、前記固体還元剤が必然的に含む水素
が、逆に溶銅中に吸収されて、溶銅中の水素量を高める
結果となっている。しかも銅合金系は、前記Fe、Sn、M
n、Mg、Ni、Crなどの、純銅系に比して酸化しやすい合
金元素を含んでおり、その分、溶銅中の酸素量も比較的
多くなる。したがって、前記銅合金の通常の溶解・鋳造
工程における、鋳造直前の移湯樋での溶銅中の不純物量
は、酸素50〜500ppm、水素5ppm、酸化物200 〜300ppm(
但し、酸素量に換算して) 程度の高い量となる。
【0010】従来から、これら銅乃至銅合金の不純物の
低減のための精錬が、前記溶解炉である誘導炉を中心に
行われている。このうち、酸素の低減手段としては、前
記した通り、通常は、木炭などの固体還元剤で溶銅表面
をカバーし、溶解工程における大気雰囲気からの酸素の
溶銅中への吸収を防止する方法が採用されている。
【0011】また水素の低減手段として、通常は、溶銅
中の酸素量を例えば250 〜500ppmに制御 (上昇) させ
て、この酸素により、水素を酸化、揮発、あるいはスラ
グ中に取り込む方法、あるいは前記溶解を真空中で行
い、水素を揮発させる方法などがある。
【0012】また、介在物は、主として、前記移湯樋に
設けたセラミック製の耐熱性の多孔質フィルターにより
溶銅を濾過して除去を行う。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの従来
技術には各々問題がある。まず、酸素の低減手段として
の木炭などの固体還元剤で溶銅表面をカバーする方法
は、溶解工程における大気雰囲気からの酸素の溶銅中へ
の吸収防止効果はあるものの、溶銅中に既に存在する酸
素の積極的な脱酸乃至低減効果は小さいし、前記したよ
うに、逆に水素の溶銅への吸収を促進する問題もある。
【0014】このため、溶銅中の脱酸を促進するために
特開平5 −25559 号や、特許第2561986 号、或いは特許
第2561987 号などの公報では、誘導炉などの溶解炉内の
溶銅表面を木炭などにより被覆するとともに、不活性ガ
スを吹き込み、CO2 +C →2CO なるブードワ反応を促進
させ、脱酸を行うことが開示されている。しかし、同公
報のように不活性ガスを吹き込んでも、誘導炉内の溶銅
全体は、基本的に静止した状態であるので、前記ブード
ワ反応の反応速度は遅く、溶銅全体に十分な脱酸効果を
得るためには20〜30分程度の処理時間が必要となる。言
い換えると、これらの精錬方法は、十分に精錬処理のた
めの時間をとれる溶解炉で行うのに適した方法と言え
る。
【0015】次に、水素の低減手段として、前記溶銅中
の酸素量を上昇する方法は、水素の低減効果はあるもの
の、その分溶銅中の酸素量を上昇させることになる。ま
た、前記溶解を真空中で行い水素を揮発させる方法も、
生産性が悪くなるととともに真空保持のための設備費や
溶解コストが高くなるなどの問題がある。
【0016】更に、介在物を、前記移湯樋に設けた多孔
質セラミックなどの耐熱性のフィルターにより溶銅を濾
過して除去する方法も、介在物の除去効率を上げるため
には、フィルターの孔乃至メッシュを細かくする必要が
あるが、反面フィルターが目詰まりし易い。したがっ
て、フィルターの交換などにより溶解・鋳造の生産性が
阻害されたり、溶解コストが高くなるなどの問題があ
る。
【0017】従って、これら従来の精錬技術では、溶銅
中の酸素、水素、介在物の除去を行う場合、低減できる
不純物量に限界があるとともに、各々新たな弊害を生む
可能性が避けられない。このため、従来の精錬技術で
は、銅合金溶銅中の不純物を、前記高いレベルから、酸
素を20ppm 以下および水素を0.5ppm以下、酸化物を20pp
m 以下に低減することはできず、鋳造される溶銅中に
は、不純物が前記レベル程度含まれることが多い。した
がって、従来の精錬技術では、これら不純物の含有によ
る前記製品不良発生が避けがたかったのが実情である。
【0018】そしてまた、これら従来技術の致命的な問
題は、これら技術によって溶解炉出側の溶銅中の不純物
量をある程度低減しえたとしても、その後の前記移湯時
の大気巻き込みによる不純物量の増加分を抑制しえない
ことである。したがって、銅合金鋳造直前の移湯樋にお
ける溶銅中の高い不純物量(酸素50〜500ppm、水素5pp
m、酸化物200 〜300ppm)を、酸素10ppm 以下および水
素0.3ppm以下、酸化物20ppm 以下の極めて低いレベルに
低減するためには、どうしても移湯樋において、鋳造直
前の溶銅を精錬し不純物を低減する必要が生じる。そし
て、移湯樋における限られた時間では、前記特開平5 −
25559 号や、特許第2561986 号、或いは特許第2561987
号などの公報に開示された処理時間のかかる精錬方法を
移湯樋の精錬方法に適用したとしても、移湯樋における
溶銅中の高い不純物量を、前記極めて低いレベルに低減
することは到底できない。
【0019】この移湯樋において、溶銅を精錬し不純物
を低減する方法として特開平6 −212300号公報がある。
同公報には、純銅系のP 含有低酸素銅を、密閉し易く還
元性雰囲気にしやすいシャフト炉により溶解し、次いで
該溶銅を保持炉、移湯樋を通じて連続的に鋳型に供給す
る際、移湯樋において溶銅を精錬する方法が開示されて
いる。そして、この移湯樋における精錬内容は、移湯樋
を流下する溶銅表面をカーボン系固体還元剤にて被覆す
るとともに、先端に回転羽根を有するノズルを溶銅中に
装入して、移湯樋を流下する溶銅に不活性ガスの微細気
泡を吹き込んで行い、溶銅中に含まれる酸素を10ppm 以
下および水素を0.3ppm以下にそれぞれ低減する技術であ
る。
【0020】しかし、同公報の技術は前記した通り、純
銅系を対象とし、大気からの酸素吸収量や水素吸収量の
少ない、還元性雰囲気にて連続的な溶解が可能なシャフ
ト炉−保持炉−移湯樋による鋳造を対象としている。し
かもこの技術が対象とする純銅系は、前記した通り、銅
合金に比して酸化しやすい元素を含んでおらず、その
分、溶銅中の酸素量も比較的少ない。したがって、鋳造
直前の移湯樋での溶銅中の不純物量は、せいぜい酸素30
〜40 ppm、水素2 〜3ppm、酸化物50〜100ppm程度の量で
あり、この溶銅から、これら不純物を前記低いレベルま
で低減することは、比較的容易に行うことができる。
【0021】これに対し、本発明が対象とする銅合金の
場合には、前記した通り、溶銅中に不純物が含まれ易い
工程により製造されている。そして銅合金の場合は、F
e、Sn、Mn、Mg、Ni、Crなどの、純銅系に比して酸化し
やすい元素を含んでいる。したがって、鋳造直前の移湯
樋における溶銅中の不純物量は、前記した通り、同公報
よりも数段高いレベルとなっている。したがって、本発
明者らが知見したところによれば、前記特開平6 −2123
00号公報の移湯樋における純銅系の精錬技術では、高い
レベルの不純物を含む銅合金溶銅を、溶銅が流下する移
湯樋中の時間的乃至容量的に限られた中で、溶銅全体を
均一に、しかも、特にリードフレーム等の電子材料用に
溶銅中の不純物量を前記したレベルにより低減すること
には限界がある。
【0022】本発明はこれら従来技術の問題点に鑑み、
銅合金を誘導炉にて溶解・鋳造する際、銅合金溶銅中の
高いレベルの酸素、水素、好ましくは酸化物系介在物を
同時に除去しうる、より具体的には、精錬後の銅合金鋳
塊中に含まれる酸素量を20ppm 以下、好ましくは10ppm
以下、水素量を0.5 ppm 以下、好ましくは0.2 ppm 以下
としうる精錬方法を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る銅合金の精錬方法は、銅合金を誘導
炉により溶解し、溶銅を移湯樋を通じて鋳型に供給する
際、移湯樋において溶銅を精錬する方法であって、移湯
樋を流下する溶銅表面をカーボン系固体還元剤にて被覆
するとともに、先端に回転羽根を有するノズルを溶銅中
に装入して、移湯樋を流下する溶銅の底部に不活性ガス
の微細気泡を吹き込み脱酸および脱水素を行い、銅合金
鋳塊中に含まれる酸素を20ppm 以下、好ましくは10 ppm
以下、および水素を0.5ppm以下、好ましくは0.2 ppm 以
下、そして好ましくは介在物としての酸化物量を20ppm
以下( 但し、酸素量に換算して) にそれぞれ低減するこ
とを要旨とする。
【0024】本発明の基本的原理は、移湯樋を流下する
溶銅表面を固体還元剤にて被覆することにより、大気雰
囲気からの酸素や水素の溶銅中への吸収を防止した上
で、溶銅中の酸素と前記固体還元剤との接触反応を、不
活性ガスの微細気泡のバブリング乃至攪拌と移湯樋を流
下する溶銅の流動によって促進し、溶銅中の酸素を低減
(脱酸) する。また、不活性ガスの微細気泡のバブリン
グにより、この微細気泡と溶銅中の水素との接触反応を
促進して、微細気泡中に水素を取り込み、溶銅中の水素
を低減する。更に、前記溶銅中の脱酸により、還元可能
な特にCu2Oなどの酸化物系介在物が還元分解され、介在
物が低減される。
【0025】そして本発明では、この精錬の際、先端に
回転羽根を有するノズルを溶銅中に装入して、移湯樋を
流下する溶銅の底部に不活性ガスの微細気泡を比較的多
量に吹き込み、不活性ガスの微細気泡の溶銅底部から溶
銅表面に抜ける放散量を大きくして、前記不活性ガスの
微細気泡を比較的多量吹き込みと相まって、溶銅中にお
ける物質移動を促進して、脱酸と脱水素の反応速度を加
速・促進することが特徴である。この脱酸と脱水素の反
応速度を加速・促進させるためには、不活性ガスの微細
気泡を、可能な限り、移湯樋を流下する溶銅の底部にお
いて吹き込むことが必要である。前記特開平6 −212300
号公報は、前記本発明の基本的原理は共通であるもの
の、この不活性ガスの微細気泡を溶銅の底部に吹き込む
技術思想の開示はなくその図や実施例からすると移湯樋
の溶銅の上部乃至中部から不活性ガスの微細気泡を吹き
込んでいる。
【0026】本発明者らが検討した結果、通常の銅合金
の溶解・鋳造に用いられる移湯樋の深さの範囲と溶銅深
さの範囲では、本発明における溶銅底部とは、移湯樋を
流下する溶銅流れの底部である。不活性ガス吹き込み位
置は、溶銅流れに対し深いほど溶銅の脱酸と脱水素の効
果が大きい。因みに、この不活性ガス吹き込み位置の上
限は、移湯樋の底部 (移湯樋の溶銅と接触する底部面)
から溶銅深さの1/3 の高さまでの部分であり、これを越
える溶銅上部への吹き込みでは、不活性ガス吹き込み位
置より下部における溶銅中の不活性ガスの微細気泡量が
少なくなり、この溶銅下部乃至底部の脱酸と脱水素の反
応速度を加速・促進することができず、溶銅全体の均一
でかつ所望の不純物低減効果が無くなる。また、不活性
ガス吹き込み位置の下限は、前記回転羽根が、移湯樋の
底部に接触しない位置までである。これ以上深くなる
と、前記回転羽根 (インペラー) が、移湯樋の底部に衝
突乃至接触してしまう。
【0027】更に、前記吹き込み不活性ガスの効果を発
揮させるためには、できるだけ微細な、具体的には気泡
径が1mm 以下の微細気泡とすることが好ましい。この微
細気泡化のため、溶銅中に装入したノズル先端に設けた
回転羽根を用い、この回転羽根の剪断力により微細気泡
とすることが好ましい。この回転羽根を用いることによ
り、不活性ガスによる溶銅のバブリング乃至流動化効果
も増し、溶銅中の酸素と前記固体還元剤との接触反応効
率も高くなる。また、不活性ガスの水素分圧ができるだ
け低い方が、水素の吸収率が高くなる。
【0028】本発明の溶銅中の酸素とカーボン系固体還
元剤との接触反応による脱酸のメカニズムは、カーボ
ンと溶銅中の酸素との反応による二酸化炭素の生成:2O
+C→CO2 と、生成二酸化炭素とカーボンとの反応に
よる一酸化炭素の生成:CO2+C →2CO (ブードワ反
応、生成COは溶銅外へ放散される) の2 段階の反応によ
り、脱酸が進行する。このうち、のブードワ反応は前
記した通り、溶解炉での精錬における溶銅が静止した状
態では、不活性ガスなどによりバブリング乃至攪拌した
としても、CO2 は溶銅中に溶解度が高く溶存して残り、
反応速度が遅い。これに対して、本発明では、前記と
の溶銅中の酸素と固体還元剤との接触反応を、不活性
ガスの溶銅底部からの微細気泡のバブリング乃至攪拌と
移湯樋を流下する溶銅の流動によって促進しているた
め、後述する通り、のブードワ反応および脱酸の速度
は飛躍的に速くなる。
【0029】次に、本発明の脱水素のメカニズムは、前
記脱酸のための不活性ガスの微細気泡のバブリングによ
り、この微細気泡と溶銅中の水素との接触反応を促進し
て、不活性ガス微細気泡中の水素の分圧差を利用して、
不活性ガス微細気泡中に水素を取り込み、この水素を取
り込んだ不活性ガスを大気中若しくは雰囲気中に放出し
て、溶銅中の水素を低減する。この本発明の脱水素のメ
カニズムは、前記脱酸と同様に、移湯樋の溶銅の底部に
不活性ガスの微細気泡を吹き込むことにより、飛躍的に
促進される。
【0030】なお、この不活性ガス微細気泡中の水素の
分圧差を利用して、溶湯中の水素を低減する方法は、ア
ルミニウム合金溶湯中の水素を低減する方法として、既
に実施されている。ただ、銅合金の場合、アルミニウム
合金よりも比重が大きく、溶銅の密度も8 g/m3であり、
アルミニウム合金溶湯の2g/m3 に対して、3 〜4 倍の密
度であり、その分だけ不活性ガスの溶銅中での浮上速度
が大きくなる。この不活性ガス微細気泡の浮上速度が大
きいと、不活性ガス微細気泡と溶銅中の水素との接触反
応時間が短くなるため、この接触反応効率を高めるため
には、不活性ガスの気泡をできるだけ微細な、具体的に
は気泡径が1mm 以下の微細気泡とすることが好ましい
し、溶銅の攪拌乃至流動を促進することが好ましい。そ
して、この微細気泡化のため、溶銅中に装入した回転羽
根 (インペラー) を用い、溶銅の攪拌乃至流動を促進す
るとともに、この回転羽根の剪断力により不活性ガス微
細気泡とすることが必要である。
【0031】この微細気泡化を得るための回転羽根の回
転数は、回転数が早いほど吹き込み不活性ガスの気泡を
微細化できる。そして、移湯量が1 〜10トン/ hrの通常
の移湯樋の範囲では、吹き込み不活性ガスの気泡の実質
量を前記1mm 以下の微細気泡とするためには、回転羽根
の直径を100 〜400mm φとした場合に、後述する通り、
回転羽根の回転数を200 r.p.m 以上とすることが好まし
いし、更に吹き込み不活性ガスの気泡全量を前記1mm 以
下の微細気泡とするためには、400r.p.m以上とすること
が好ましい。因みに、アルミニウム合金溶湯の場合、前
記程度の微細気泡を得るための、回転羽根の必要回転数
は100 〜300r.p.m程度である。したがって、本発明にお
ける不活性ガスの気泡の微細化は、前記脱酸と脱水素の
両方の技術的課題から必要となっており、これは銅合金
溶銅特有の問題であることが分かる。なお、高温の溶銅
中の不活性ガス微細気泡径を実際に測定することは難し
いので、前記不活性ガス微細気泡径の測定は、溶銅の代
わりに水を用いた水モデルにより行った。より具体的に
は、本発明における不活性ガス微細気泡径の規定は、ま
ず、前記本発明の脱酸と脱水素の効果を達成できる (あ
るいは達成できない) 、溶銅中の回転羽根の回転数を、
実際の移湯樋中の溶銅の攪拌実験により求め、この回転
羽根の回転数を、移湯樋を模した実験設備による水モデ
ルで再現試験した時の不活性ガス気泡の状態を映像化
し、該映像より気泡径を測定することにより行ってい
る。この水モデルの結果は、実際の溶銅の場合から推測
される気泡径と良く対応している。
【0032】更に、本発明の脱介在物のメカニズムは、
前記溶銅の脱酸により、介在物の内の主として酸化物系
介在物を低減することである。通常溶銅中の酸素は、溶
存酸素の形態ではなく、このCu2Oなどの酸化物系介在物
の形態で存在する。したがって、前記溶銅の脱酸によ
り、Cu2O→Cu+O の反応に従って、酸化物系介在物が還
元分解し、溶銅中の酸化物系介在物が、酸素量換算で20
ppm以下に大幅に低減する。この結果、前記移湯樋に設
けたセラミック製フィルターにより溶銅を濾過して溶銅
中の介在物の除去する際には、フィルターの負荷が大幅
に軽減する。したがって、前記溶銅の脱酸によっても除
去されなかった炭化物系介在物や、未反応の酸化物系介
在物などのフィルターにおける除去効率も高くなる。ま
た、酸化物系介在物によるフィルターの負荷の絶対量が
大幅に軽減する結果、フィルターの目詰まりが軽減され
てフィルターの寿命が延長される。この結果、フィルタ
ーの交換などにより溶解・鋳造の生産性が阻害された
り、溶解コストが高くなるなどの前記問題が、大幅に改
善される。
【0033】なお、本発明の精錬によって、溶銅は、好
ましくは溶銅中に含まれる酸素量が20ppm 以下、好まし
くは10ppm 以下、水素量が0.5ppm以下、好ましくは0.2p
pm以下に清浄化されるため、移湯樋に設けたフィルター
により溶銅を濾過して溶銅中の酸化物系の介在物の除去
を行うことは、銅の品種若しくは製品要求特性によって
は不要となる。しかし、特に製品要求特性が厳しい、言
い換えると、溶銅の清浄化が要求される電子材料用など
の銅合金では、前記移湯樋における精錬後、移湯樋に設
けたセラミックフィルターにより、更に溶銅中の酸化物
系、或いは他の炭化物系や耐火物からの介在物の除去を
行うことが、品質保証上好ましい。なお、このセラミッ
クフィルターは、溶銅の温度や熱衝撃にも耐えられるよ
うな、耐熱性と強度を有する、例えば、アルミナ、ムラ
イト、炭化珪素等のセラミック製で、ヌードル乃至ハニ
カム状の多孔質体を用いることが好ましい。
【0034】以上説明した通り、本発明においては、溶
銅の二次汚染を生じやすいフラックスなどの化合物を用
いず、溶湯の二次汚染を生じないカーボン系固体還元剤
や不活性ガスを用いることも特徴の一つである。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明精錬方法の実施態様を図1
乃至3 に示す。即ち、本発明精錬方法が実施されるの
は、誘導炉2 より鋳型4 に移湯する移湯樋3 においてで
あり、移湯樋3においても、本発明精錬方法の効果を発
揮できる処理時間乃至移湯樋長さを確保した上で、でき
るだけ鋳造直前( 移湯樋3 の下流側) に行うことが好ま
しい。本発明精錬方法に用いる不活性ガスは、移湯樋3
の上方から溶銅の底部に装入されたノズル5 およびノズ
ル5 の先端に設けられた回転羽根6 により、微細気泡7
として溶銅の底部に吹き込まれ、脱酸および脱水素を行
う。なお、図1 乃至3 ではノズル5 は1 本しか開示して
いないが、移湯樋3 の長手方向に渡って、複数本設けて
も良く、ノズルの配置本数や間隔などは、銅合金の量等
の条件に応じて適宜選択される。
【0036】本発明におけるカーボン系固体還元剤とし
ては、木炭、コークスなどが例示される。これらカーボ
ン系固体還元剤は粉末である必要はなく、通常に使用さ
れる範囲での大きさの塊状で良い。一般に用いられる固
体還元剤としては、金属Ca、金属Mg、金属Al等がある
が、これらは前記した通り、固体還元剤の成分により溶
銅の二次汚染を生じやすいため、本発明では基本的に使
用しないが、この溶銅の二次汚染を生じない範囲で、カ
ーボン系固体還元剤の還元能力を向上させるために、補
助的に使用されることは許容される。図1 乃至3 に示す
通り、このカーボン系固体還元剤8 は、溶銅の再酸化や
水素の再吸収の防止と、溶銅の精錬効率向上のために、
移湯樋の溶銅の表面の全面を覆う形で添加される。
【0037】本発明精錬方法に用いる不活性ガス供給ノ
ズル5 の先端には、ノズル5 の先端部を下方から見た図
2(A)、およびノズル5 の先端部の縦断面図2(B)に示すよ
うに、十字状に設けられた回転羽根6(図1 では4 枚)
と、この回転羽根6 に設けられたスリットS が一体に設
けられている。そしてノズル5 の回転駆動(駆動源は図
示せず)による回転羽根6 の回転により、溶銅の攪拌力
が生じるとともに、前記ノズル5 とスリットS を通じて
溶銅中に吹き込まれた不活性ガスが、回転羽根6の回転
力によって剪断されて微細な気泡7 とされ、溶銅中を浮
上乃至移動するようになっている。前記した通り、この
不活性ガスの気泡の微細化、好ましくは1mm 以下の気泡
径に微細化するためには、回転羽根の剪断力が大きいほ
ど好ましい。この剪断力を増すためには、回転羽根の回
転数が多いほど好ましく、また回転羽根の回転数が多い
ほど、溶銅の攪拌力が増す。したがって、回転羽根の直
径を100 〜400mm φとした場合に、回転羽根の回転数は
最低でも200r.p.m以上が好ましいが、1400r.p.m を越え
ると移湯樋における溶銅の流れ自体を乱す可能性が生じ
る。したがって、回転羽根の回転数は好ましくは200 〜
1400r.p.m の範囲、より好ましくは400 〜800r.p.mの範
囲とする。また回転羽根の数も、前記剪断力を増し、気
泡径に微細化するためには多い方が良いが、十字状に4
枚設けることが強度や制作上好ましい。なお、このノズ
ルおよび回転羽根は、溶銅の温度や高速回転の熱衝撃に
も耐えられるように、耐熱性と強度を有する、例えば、
黒鉛、SiC 等のセラミック製乃至これらセラミックの混
合乃至複合材とする。
【0038】本発明における不活性ガスとしては、窒素
(N2)、アルゴン(Ar)、二酸化炭素(CO2) などが例示され
る。但し、窒素は銅合金溶銅に吸収され、銅合金の機械
的性質を劣化させる可能性があるので、この点から、使
用する不活性ガスはアルゴンが好ましい。不活性ガスの
吹き込み量は、前記本発明の精錬のメカニズムである、
移湯樋を流下する溶銅の底部に不活性ガスの微細気泡を
比較的多量に吹き込み、不活性ガスの微細気泡の溶銅底
部から溶銅表面に抜ける放散量を大きくして、溶銅中に
おける物質移動を促進して、脱酸と脱水素の反応速度を
加速・促進することからすると、できるだけ多い方が好
ましい。その具体的な量は、移湯樋を流下する溶銅量に
よって異なるが、移湯量が1 〜10トン/ hrの通常の移湯
樋の範囲では、20Nl/ 分以上とする。ただ、あまり多く
しても、移湯樋における溶銅の流れ自体を乱すので、上
限は100Nl/分までとすることが好ましい。
【0039】更に、前記図3 に示した通り、誘導溶解炉
2 から移湯樋3 への移湯は、これらの炉を移湯樋に向け
て傾動させ、炉の移湯口から移湯樋に向けて、溶銅が落
差をつけて移湯される。そして、このような溶解炉から
鋳造機の間の溶銅を落差をつけて移湯する部分では、溶
銅が大気雰囲気中の酸素や水分などを巻き込み、吸収し
やすくなる。したがって、これによる溶銅中の酸素や水
素量の増加を防止するため、不活性ガスにより移湯中の
溶銅をシールすることが好ましい。そして溶銅をシール
するに際しては、図3 に示すように、炉の移湯口から移
湯樋の溶銅落下点までの雰囲気をカバー9 によって覆
い、カバー9 の導入口10からカバー内に不活性ガスを導
入して、この不活性ガスによって溶銅をシールし、大気
雰囲気中の酸素や水分の吸収を防止する態様が好まし
い。このシールにより、移湯樋に移湯された溶銅中の酸
素や水素量の増加を抑制することができ、移湯樋におけ
る本発明精錬方法の負荷を軽減することが可能となる。
【0040】なお、本発明精錬方法においては、前記溶
解炉における既存の精錬方法と組み合わせて行うことが
できる。前記した通り、本発明精錬方法では、溶銅の酸
素量を10ppm 以下、水素量を0.3ppm以下、好ましくは0.
2ppm以下、好ましくは介在物量を20ppm 以下にすること
ができ、基本的には、溶解炉や保持炉における既存の精
錬方法は銅の品種若しくは製品要求特性によっては不要
となる。しかし、特に製品要求特性が厳しい、言い換え
ると、より清浄化が要求される電子材料用などの銅合金
では、前記溶解炉や移湯樋における既存の精錬方法と組
み合わせた方が、品質保証上好ましいし、また、本発明
精錬方法に対する不純物負荷が減る点においても好まし
い。したがって、前記溶銅中の脱酸を促進するための特
開平5 −25559 号や、特許第2561986 号、或いは特許第
2561987 号公報などに開示された、誘導炉内の溶銅表面
を木炭などにより被覆するとともに、不活性ガスを吹き
込み、脱酸を行う方法や、移湯樋における本発明精錬
後、移湯樋に設けたフィルターにより溶銅を濾過して溶
銅中の介在物の除去を行う方法を適宜組み合わせておこ
なって良い。特に移湯樋に多孔質のセラミックフィルタ
ーを設けて溶銅中の介在物の除去を行う方法は、本発明
の脱酸によっても低減できない炭化物系介在物など非酸
化物系介在物の除去乃至低減に有効である。
【0041】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。大気雰囲
気の9tの高周波誘導溶解炉を用い、Cu-Fe 系、Cu-Sn
系、Cu-Mn 系、Cu-Mg 系、Cu-Ni 系、Cu-Cr 系の各銅合
金を得るべく、溶解原料を各合金の融点+150 ℃の温度
(1200 〜1250℃) で溶解し、合金成分量の調整を行っ
た。なお、Cu-Fe 系はCu-0.1Fe-0.03P、Cu-Sn 系はCu-
3.2Ni-0.7Si-1.25Sn-0.3Zn 、 Cu-Ni系はCu-1.8Ni-0.4S
i-1.0Znのリードフレーム材用銅合金とし、他のCu-Mn
系、Cu-Mg 系、Cu-Cr 系は、Mn、Mg、Crを各々0.2〜1 %
含む銅合金とした。溶解工程は、いずれも溶銅表面全
面を木炭で被覆して行った。そしてこの溶解後、溶解炉
を傾動して移湯樋に各溶銅を移湯した。溶解炉と移湯樋
との落差は約1m、移湯樋の移湯速度 (溶湯速度)4.5t/h
r、移湯樋における溶銅流れの深さ100mm 、溶銅温度は1
150〜1200℃であった。
【0042】これらの各溶銅の移湯樋における精錬条件
のうち、溶解炉と移湯樋との落差部の前記図3 に示した
シール使用条件 (アルゴン不活性ガスのシールの有り無
し)、移湯樋における不活性ガス吹き込み条件、不活性
ガス吹き込み後の溶銅濾過フィルター使用条件を種々変
えた上で、銅合金の鋳塊を製造した。なお、溶銅濾過フ
ィルターは、50mm厚みのアルミナ製ヌードル状の多孔質
板 (神戸製鋼所製、商品名アクトサーミック) を用い
た。また、溶銅精錬用の不活性ガス吹き込みは、アルゴ
ンを用い、図2 に示す、先端に十字状に4 枚の回転羽根
を設けたノズル半径100mm(回転羽根径300mm)のノズル一
本により行い、アルゴンガス吹き込み量は20 〜60Nl/
分、回転羽根の回転数は200 〜1000r.p.m までの範囲で
変えて実施した。更に、アルゴンガス吹き込みは、発明
例は移湯樋の底部から20mm上の溶銅底部 (移湯樋の底部
から1/3 溶銅深さ内) とし、比較例ではこの溶銅底部内
もしくは移湯樋の底部から50mm上の、移湯樋の底部から
1/3 溶銅深さ( 本発明の上限) を越える溶銅の上部内と
した。なお、表1 に、このノズル吹き込みによる気泡径
( 前記水モデルにより測定) を記載するが、気泡径大の
ものは、前記回転羽根を使用せず、通常のランス( 先端
に孔を設けたパイプ) によりアルゴンガスを吹き込んだ
ものである。そして、移湯樋における精錬前の溶銅と、
精錬後鋳型により鋳造した鋳片の酸素、水素を測定して
比較した。以上の銅合金の精錬条件と不純物量を表1 に
示す。
【0043】表1 から明らかな通り、発明例No.1〜10
は、銅合金鋳造直前の移湯樋における溶銅中の不純物量
が、酸素200 〜250ppm、水素3 〜5ppmと高いにも拘ら
ず、銅合金鋳片の酸素10ppm 以下および水素0.3ppm以下
の極めて低いレベルに低減されている。また酸化物系介
在物の量も、酸素量に換算すると前記酸素量と同じとな
るので、表1 の酸素量レベルからすると、20 ppm以下の
極めて低いレベルに低減されている。なお、溶解炉と移
湯樋との落差部を前記図3 に示したアルゴンガスのシー
ルを施さなかったNo.2、10は、シールを施した発明例に
比して銅合金鋳造直前の移湯樋における溶銅中の酸素、
水素の量が比較的高くなっており、アルゴンガスのシー
ル効果が表れている。更に、発明例の中でも、回転羽根
の回転数が200r.p.mと比較的少ないNo.1、アルゴンガス
の吹き込み量が20l/分と比較的少ないNo.6、アルゴンガ
スの気泡径が2mm と比較的大きいNo.8および移湯樋で精
錬後フィルターで介在物の除去を行わなかったNo.9で
は、各々鋳片の不純物量のレベルは本発明範囲内である
ものの、他の発明例に比して高くなっている。したがっ
て本発明精錬方法の各々の好ましい条件の優位性が分か
る。また、発明例の前記フィルターの寿命は、フィルタ
ーの目詰まり状態の観察からして、比較例のフィルター
の寿命の3 〜10倍の使用時間の延長が認められた。
【0044】一方、比較例No.11 〜14は、総じて、本発
明の銅合金鋳塊の酸素10ppm 以下および水素0.3ppm以下
の規定を上回り、不純物量が高くなっている。特に、比
較例No.11 、13は、前記特開平6 −212300号公報の移湯
樋精錬方法に対象銅を除いて相当するものであり、1mm
以下の微細気泡径を多量に吹き込んでいる等アルゴンガ
スの吹き込み位置を除いて発明条件内であるにも拘ら
ず、アルゴンガスの吹き込み位置が、本発明の溶銅底部
ではなく、溶銅の上部であり、不純物量が高めに本発明
範囲をはずれている。また、回転羽根を用いず、単にノ
ズルによりアルゴンガスを吹き込んだ比較例No.12 、14
も、気泡が粗大となるため、前記比較例No.11 、13より
も、不純物量が高くなっている。したがって、以上の結
果から、本発明の各要件の重要性が分かる。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の銅合金の
精錬方法によれば、銅合金を誘導炉にて溶解・鋳造する
際、銅合金溶銅中の酸素、水素、酸化物系介在物を同時
に除去することができ、精錬後の銅合金鋳塊中に含まれ
る酸素量を20ppm 以下、水素量を0.5 ppm 以下、介在物
量を酸素量換算で20ppm 以下とすることができる。した
がって、特にリードフレームなどの電子材料用の銅合金
の品質を格段に高めることができ、銅合金の用途を拡大
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を示し、移湯樋における溶
銅の精錬方法を示す説明図である。
【図2】本発明に用いる不活性ガス吹き込みノズル構造
を示し、図2(A)はノズルの先端部を下方から見た図、図
2(B)はノズル5 の先端部の縦断面図である。
【図3】本発明の他の実施態様を示し、溶湯落差部のシ
ールを含めた移湯樋における溶銅の精錬方法を示す説明
図である。
【符号の説明】
1:溶解原料 2:誘導溶解炉 3:移湯
樋 4:鋳造機 5:ノズル 6:回転
羽根 7:微細気泡 8:木炭 9:カバ
ー 10:不活性ガス導入口 S:スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安永 繁信 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 宮川 洋二 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内 (72)発明者 岡田 裕文 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内 (72)発明者 吉田 栄次 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内 (72)発明者 成重 芳昭 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内 (72)発明者 大江 和宏 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅合金を誘導炉により溶解し、溶銅を移
    湯樋を通じて鋳型に供給する際、移湯樋において溶銅を
    精錬する方法であって、移湯樋を流下する溶銅表面をカ
    ーボン系固体還元剤にて被覆するとともに、先端に回転
    羽根を有するノズルを溶銅中に装入して、移湯樋を流下
    する溶銅の底部において不活性ガスの微細気泡を吹き込
    み脱酸および脱水素を行い、銅合金鋳塊中に含まれる酸
    素を20ppm 以下および水素を0.5ppm以下にそれぞれ低減
    することを特徴とする銅合金の精錬方法。
  2. 【請求項2】 前記不活性ガスの微細気泡吹き込み位置
    の上限を、移湯樋の底部から溶銅深さの1/3 までの高さ
    部分とする請求項1に記載の銅合金の精錬方法。
  3. 【請求項3】 前記吹き込み不活性ガスを、前記溶銅中
    に装入した回転羽根の剪断力により、気泡径が1mm 以下
    の微細気泡とする請求項1または2に記載の銅合金の精
    錬方法。
  4. 【請求項4】 前記銅合金鋳塊中に含まれる酸素を10pp
    m 以下に低減する請求項1乃至3のいずれか1項に記載
    の銅合金の精錬方法。
  5. 【請求項5】 前記銅合金鋳塊中に含まれる水素を0.2p
    pm以下に低減する請求項1乃至4のいずれか1項に記載
    の銅合金の精錬方法。
  6. 【請求項6】 前記カーボン系固体還元剤を木炭および
    /またはコークスとする請求項1乃至5のいずれか1項
    に記載の銅合金の精錬方法。
  7. 【請求項7】 前記移湯樋における精錬を、鋳型の直前
    で行う請求項1乃至6のいずれか1項に記載の銅合金の
    精錬方法。
  8. 【請求項8】 前記移湯樋における精錬後、移湯樋に設
    けたフィルターにより溶銅を濾過して溶銅中の介在物の
    除去を行う請求項1乃至7のいずれか1項に記載の銅合
    金の精錬方法。
  9. 【請求項9】 前記誘導炉から移湯樋へ溶銅を落差をつ
    けて移湯する部分において、不活性ガスにより移湯中の
    溶銅をシールする請求項1乃至8のいずれか1項に記載
    の銅合金の精錬方法。
  10. 【請求項10】 前記銅合金が電子材料用である請求項
    1乃至9のいずれか1項に記載の銅合金の精錬方法。
  11. 【請求項11】 前記銅合金がリードフレーム用である
    請求項1乃至10のいずれか1項に記載の銅合金の精錬
    方法。
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