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JPH11511109A - 自浄式ガラスおよびその製造方法 - Google Patents

自浄式ガラスおよびその製造方法

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JPH11511109A
JPH11511109A JP9509342A JP50934297A JPH11511109A JP H11511109 A JPH11511109 A JP H11511109A JP 9509342 A JP9509342 A JP 9509342A JP 50934297 A JP50934297 A JP 50934297A JP H11511109 A JPH11511109 A JP H11511109A
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film
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photocatalyst
self
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JP9509342A
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ヘラー、アダム
パズ、ヤーロン
ハルヴィ、イエア
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Abstract

(57)【要約】 光触媒から成る光学的に透明で耐磨耗性を有するフィルムで被覆された、例えば窓または風防として使用できる自浄式ガラスが、ガラスからアルカリ金属酸化物を奪い取ることにより、および/またはこのようなガラス由来の酸化物が光触媒含有被膜に移動することを防ぐ障壁を形成することにより、普通のガラス上に形成される。光に曝されると、光触媒により吸収され、空気の存在下で、このフィルムはガラスの表面から汚れおよび汚染物質を取り去る。

Description

【発明の詳細な説明】 自浄式ガラスおよびその製造方法 発明の分野 本発明はガラスの表面から有機性汚染物質を光触媒酸化により除去することお よびこのような光触媒性ガラスの製造方法に関するものである。 発明の背景 光触媒、特にアナターゼ相の二酸化チタンは光、通常は紫外線に露出されると 光触媒に吸収されて有機化合物の空気酸化を促進することがしばらくの間知られ ていた。例えば、「水と空気の光触媒精製(Photocatlytic Purificaion of Wat er and Air)」D.F.オリスおよびH.アルエカビ編集、TiO2光触媒精製および水 と空気の処理に関する第一回国際委員会の議事録、カナダ、オンタリオ州、ロン ドン、1993年、エルセヴィアー、アムステルダムを参照せよ。前記議事録の主な 項目では、二酸化チタン(TiO2)光触媒作用、光触媒作用による水と空気の処理 、反応器の設計と光触媒酸化方法の経済性の理論と基本について記載している。 これらの適用例の全てにおいて、光触媒は接着するセラミック性支持体に結合さ れる。例えば、123頁で、R.W.マッシュウはTiO2被覆ガラスのメッシュとTiO2被 覆ガラス管を主成分とする光反応器について説明している。TiO2被覆ガラス管を 備えた別の反応器については、376頁にT.イブスキらが説明している。説明され ている光触媒フィルムは、例えば、直径が約0.1-0.3ミクロンの二酸化チタンの 粒子を豊富に有するデグッサ P25(Degussa P25)などの光触媒から作られたの で、全ての光を散乱させた。この粒径は、最も薄いフィルムでさえも、ミルク色 の外観を呈する。このような光散乱性フィルムは、窓や鏡用の透明な自浄式ガラ スの両面などに応用するには効果的でないし有用でない。 また、透明で接着性のある非光散乱性のTiO2フィルムが製造できることは知ら れている。このような周知のフイルムは光学機器の光学レンズに適用されて耐引 っかき性を提供し、また、通常は酸素を含有する大気中でチタンの反応性蒸発 または反応性スパッタリングを行うことにより抗反射性光学被覆に利用される。 このような被覆は、また、光触媒の前駆物質の例えばTiO2などを含有する溶液を ガラスの表面に塗布し、前駆物質フィルムを形成し、高温に加熱すると、その前 駆物質フィルム中の有機物質が酸化され、TiO2が結晶化されることにより作るこ とができる。しかし、アルカリ金属酸化物を組み合わせたもの、特に酸化ナトリ ウム(Na2O)と酸化カリウム(K2O)とを組み合わせたものを約10重量%を超えて 含有するガラスから成る支持体上において、これらのフィルムは光触媒としては 不十分なものである、すなわち、空気中で日光に露出されると、透明なガラスの 表面を維持するのに充分な割合では有機汚染物質を酸化しない。例えば、ステア リン酸のフィルムで被覆された場合、これらのフィルムは毎時4nmの割合で2.4mW cm-2365nm照射の下でステアリン酸フィルムを酸化する、すなわち、ステアリン 酸フィルムの厚さを毎時約4nm未満だけ減らす。同じ条件下で、優れた光触媒は ステアリン酸のフィルムを毎時約20nm以上の割合で除去する、すなわちステアリ ン酸フィルムの厚さを毎時約20nm(以上)ずつ減らす。 ナトリウムが光触媒フィルム中へ移動すること(例えば、普通のソーダ石灰ガ ラスから侵出すること)は、とくに前駆物質からフィルムを形成する間、光触媒 フィルムの活性を非常に減少させ、自浄式ガラスの光触媒効率を減少させること が今や判明している。自浄式光触媒フィルムを被覆したガラスの光活性に及ぼす 移動アルカリ金属酸化物および/またはナトリウムの有害な影響を軽減する手段 を提供することは極めて有利なはずである。 発明の概要 我々はガラスの支持体由来のアルカリ金属酸化物が光触媒被覆へ移動すること に対する障壁を発見したが、それは薄いが効果的である。この障壁層は前駆物質 から形成されている間およびその形成後も光触媒層の中へアルカリ金属酸化物が 移動する速度を低下させ、またはその移動を阻止する。 好ましい障壁は、「酸食刻」または単に「食刻」と呼ばれる方法において、先 ず被覆されるべきガラスの表面近い領域にプロトン、すなわち水素イオンを導入 し、アルカリ金属イオンを酸のプロトンと交換し、および/または酸による珪素 −酸素−珪素結合の加水分解へき開により形成される。次に、水素またはプロト ン含有ガラス層は4価の元素の酸化物の前駆物質、好ましくは無機酸化物を含有 する結晶性チタニアまたはジルコニアの前駆物質と反応する。この方法では、薄 いナトリウム移動阻止層はチタン、珪素および酸素および/またはジルコニウム 、珪素および酸素から成るものが形成される。 ナトリウム移動阻止層はまたプロトンまたは水素含有ガラス(酸性ガラス)が シリカの前駆物質と反応する場合にも形成される。酸性ガラス層を形成する好ま しい方法は酸で食刻すること、最も好ましくは9M硫酸で沸騰することである。ナ トリウム移動軽減障壁層は好ましくは酸性ガラスをチタニアおよび/またはジル コニアの前駆物質と共に約300°Cを超えて約500°C未満の温度、好ましくは約 400°Cの温度まで加熱して形成される。 ガラスの上に形成された光学的に透明なTiO2層の光触媒活性は、TiO2で被覆さ れたガラスを酸化ナトリウムと反応する物質、特に被覆に含まれている形成物中 のTiO2を溶解しない希釈酸で処理することによっても増大される。一般に、TiO2 を溶解しない酸のアニオンは4価のチタンと強力な錯体を形成しない。これらの 種類の酸類としては、プロトン酸、ルイズ酸およびブロンステッド酸が挙げられ 、液体または気体が可能である。例えば、硝酸、過塩素酸、およびテトリルフル オほう酸が4価のチタンと錯体を形成することが知られていないので、本発明で 使用できる。塩化物、フッ化物および硫酸塩類はチタンと強力に錯体を形成する ことが知られているので本発明で一般に使用できない(IV)。 ナトリウム含有ガラス、例えば普通のソーダ石灰ガラスの表面にナトリウム移 動阻止層を置くことは、ガラスからナトリウムが光触媒フィルムの前駆物質へ移 動することを阻止することにより所望の光触媒アナターゼ相を確実に形成するこ とである。この障壁も光触媒活性を低下させるアナターゼ相のナトリウム汚染を 軽減する。特に有用なナトリウム移動阻止層は、発生しようとしているがまだ結 晶性ではないアナターゼTiO2の前駆物質を空気中で加熱すると分解する有機チタ ン酸塩のフィルムを塗布し、被覆されたガラスの最終か焼を行う前に高温で、好 ましくは約450°Cで、該前駆物質をナトリウムの消耗した酸性ガラスと反応さ せることにより形成される。最終か焼の後で、透明な非散乱性の付着性微少結 晶の光触媒酸化物フィルムが形成され、ガラスと光触媒フィルムとの間にはっき りとナトリウム移動阻止界面が見られる。 本発明の光触媒被覆ガラスは、紫外線に露出されると、有機汚染物質を効果的 に自浄する。本発明のこの光触媒被覆ガラスは、例えば光触媒作用により自浄す る窓、風防ガラスおよび鏡などに適用すると特に有用である。 図面の簡単な説明 図1は融解されたシリカ上のTiO2フィルムの紫外線(UV)吸収スペクトルを示 すグラフである。 図2は紫外線吸収(UVA)光に7.5分間露出する前(点線)および露出した後( 実線)の融解されたシリカ上の透明なTiO2フィルム上に被覆されたステアリン酸 のFTIR(フーリエ変換赤外分光光度計)スペクトルを示す。 図3は食刻されたソーダ石灰ガラス(破線)と食刻されていないソーダ石灰ガ ラス(実線)上のTiO2の紫外線(UV)吸収スペクトルを示すグラフである。 図4は二酸化チタンの透明なフィルム:(A)融解されたシリカ上のTiO2の2つ の層;(B)食刻されたガラス上のTiO2の2つの層;(C)食刻されたガラス上のTiO2 の1つの層;(D)食刻されたガラス上のZrO2の1つの層の上のTiO2の1つの層の 紫外線吸収(UVA)、すなわち、ほぼ紫外線の光活性に及ぼす「か焼温度」の影 響を示すグラフである。 図5はソーダ石灰ガラス上の透明なTiO2フィルムの光効率に及ぼす食刻期間の 影響を示すグラフである。 好適実施例の詳細な説明 本発明は自浄式ガラスおよびその製造方法に関するものである。光触媒フィル ムは、例えば、自浄式窓、鏡、光学的成分、眼鏡レンズおよび自動車の風防とし て有用な自浄式または光酸化浄化ガラスの基礎を形成できる。これらの適用例に おいて、例えばTiO2などの光触媒フィルムを使用する場合、下記のことが最適化 されるべきである:すなわち、可視光の散乱をなくすこと;フィルムが洗浄また は塵の粒子の衝突により一般に損傷されない程度の耐磨耗性;および相対的 に清浄なガラスの表面を維持するための充分な光酸化率または効率。本発明の被 覆された自浄式ガラスは耐磨耗性であり、光有効性を有し、光学的に透明な自浄 式ガラスを提供する。 ガラスに有機汚染物質がつくと通常は可視度が減少する。さらに、特に対向車 のヘッドライトの光および太陽が水平線上に低くなるときの太陽の光は風防が汚 染されていると運転に差し障りがある。雨で操作したワイパーにより風防につい た有機汚染物フィルムも運転の障害を増す。車のバックミラーの外側または内側 についた汚染物から散乱した光はこれらの鏡の可視度を損なう。レンズまたは眼 鏡の上の汚れまたは指紋は視力を損なう。本発明のフィルムは有機汚染物のない きれいな表面を維持する。無機の非酸化性汚染物質は、該汚染物質をガラスの表 面に固着させている有機物質が酸化されると、吹き飛ばしたり洗い落としたりす ることにより容易に除去される。 光触媒ガラスを調製する最も好ましい方法はガラスを酸食刻し、次に光触媒組 成物を塗布した後に、か焼する。 光触媒フィルム 本発明の光触媒フィルムを被覆したガラスは、例えば、光触媒粒子を含有し、 ガラスに付着するが、光学的に透明である。色がつくかもしれないが、ガラスを 通過する可視度を損なうほどに可視光を吸収または散乱させないし、ギラギラと 反射しない。光触媒フィルムはまたガラスに固着し、磨耗に耐える。ガラスに固 着する本発明のフィルムは下記の実施例1で考察されるようにそれに接着テープ を押しつけ、素早く引っ張っても除去できない(テープ試験)。本発明の耐磨耗 性フィルムは濡れた紙や布または乾いた紙や布で拭いても傷が付かないし、一般 にH2の硬度またはそれより柔らかい鉛筆で引っかいても線がつかない。一般に、 光触媒フィルムは光触媒粒子、例えばTiO2から形成され、酸性ガラスに流し込ま れ、ガラスに特定の接着を施すために、か焼される。 本発明の光触媒含有フィルムは光、特に紫外線に露出すると、空気中でフィル ムに吸収または沈着された有機化合物の酸化を促進する。このようなフィルムの 1例としては、結晶、好ましくはアナターゼ、二酸化チタンを含有するフィルム が挙げられる。このフィルムは、一般にアルカリ金属酸化物、例えばナトリウム の移動を防ぐが、可視光線に対しては透明である中間の障壁層により本発明のガ ラスによく結合する。 ガラス 本発明で有用なガラスは様々な組成を有する。最も市場で重要で最も普通のガ ラスはナトリウムとカルシウムのイオンからなり、珪素原子と酸素原子の結合か ら形成された網目構造を有する。 本発明の自浄式ガラスは通常は普通のガラスに流し込まれた光触媒フィルムで あり、これは二酸化珪素、アルカリ金属酸化物類(周期律表の第I欄金属の酸化 物)、特にナトリウムとカリウム、およびアルカリ土類金属の酸化物(周期律表 の第2欄金属の酸化物)、特にカルシウムから形成される。一般に、本発明のガ ラスでは、酸素原子の数対珪素原子の数の比は2.2から2.7までの範囲である。好 ましいガラスにおいては、酸素原子対珪素原子の比は2.2から2.5までの範囲であ る。該ガラスは例えば3価または4価の希土類の酸化物またはアルミニウム、硼 素、アンチモン、ゲルマニウム、鉛および錫の酸化物など他の酸化物も含有でき る。該ガラスは透明であり、見通すことができるので窓、鏡、風防などとして有 用である。このような適用例において一般に使用され、本発明で有用なガラスの 例としては、ソーダ石灰ガラスが挙げられる。 本発明の方法はガラスからアルカリ金属酸化物、特にナトリウムおよび/また はカリウムが光触媒フィルムの前駆物質および/または光触媒フィルムに移動す るのをその移動に対する障壁を創り出すことにより防ぐことを意図している。過 剰のナトリウム移動が防げる場合、その前駆物質をか焼して形成される光触媒フ ィルムは、例えば、炭素に富んだ有機フィルムなどの酸化可能な汚染物質をその 表面から効果的に取り除くことができる。 窓、鏡および光学レンズで商業的に使用されるガラスは一般的に例えば酸化ナ トリウムおよび酸化カリウムなどのアルカリ金属酸化物の有意な量を含有してい る(通常は、少なくとも約10重量%)。従って、本発明の方法および被覆ガラス は初めて経済的に実行できる自浄式透明なガラスを提供する。 光触媒 本発明において有用な光触媒は一般に2.5eVより大きく、4.5eVより小さいバ ンドギャップを有する光伝導体または半導体である。光触媒フィルムは一般に厚 さが1ミクロン未満、好ましくは約40-80nmであり、可視光線の散乱を防ぐため に充分に小さい粒子からなる。さもなければ、光触媒粒子の結晶は高密度にびっ しりと充填され、可視光線を散乱しないように配向されている。好ましい光触媒 は結晶性の酸化物であり、特にチタン、錫、タングステンまたはモリブデンを含 有する結晶性酸化物である。特に有用な光触媒はアナターゼ相の二酸化チタンで ある。他の光触媒としては、例えば、Pt,Pd,Au,Ag,Cu,W,Mo,またはその硫化物 または酸化物などの助触媒を有するTiO2;例えば、(SrTiO3)またはCaTiO3など の化合物酸化物およびルチル相またはアナターゼ相とルチル相との混合相のTiO2 が挙げられる。好ましい光触媒である二酸化チタンがここに例示されるが、既に 上で述べたように、ガラス上に透明なフィルムを形成する他の光触媒も使用でき ることはもちろんである。 アナターゼ相またはルチル相の二酸化チタンは約2.4より大きい可視(黄色) 光の屈折率を有する。例えば、屈折率が1.6以下であるソーダ石灰ガラスなどの 屈折率の低いガラス上に光触媒フィルムを被覆すると屈折率を増加させる。自動 車風防の特別な場合では、このような増加は望ましくない。なぜならば、ダッシ ュボードと風防との間の角度が減少するまたは風防の屈折率が増加するので、ダ ッシュボードに反射した画像が風防を通して運転者に見えるようになるからであ る。このような反射は、光触媒と光触媒より低い反射率を有する材料とを組み合 わせたものから光触媒フィルムを形成することにより軽減できる。このようなフ ィルムの例としては、非結晶性二酸化珪素(SiO2)およびアナターゼまたはルチル のTiO2からなるフィルムが挙げられる。例えば、フィルムが90重量%までのSiO2 を含有するなら、可視の屈折率はたったの約1.46である(SiO2のない場合の2.4- 2.7と比較するとよく分かる)。 光触媒前駆物質 本発明において、光触媒前駆物質は一般に非結晶性の3価、4価、または5価 の元素、好ましくはこのような元素の酸化物から形成されたフィルムであり、こ のフィルムは例えば空気中でか焼すると活性の光触媒フィルムを形成する。該酸 化物は約600°Cで非揮発性であり、好ましい3価、4価または5価の元素はチ タン、錫、タングステン、またはモリブデンである。最も好ましいものはTi4+で ある。 光触媒前駆物質のフィルムは液相または気相からの析出により形成できる。有 用な光触媒前駆物質組成物としては、チタン、錫、タングステンまたはモリブデ ンのアルコキシド、ハロゲン化物およびオキシハロゲン化物が挙げられ、例えば 、チタンテトラアルコキシドなどがある。最も好ましい光触媒前駆物質はチタン テトラアルコキシドの部分加水分解を行い、得られた加水分解物を縮合重合して 形成されたフィルムである。 前述のように、例えば、自動車風防で使用するために、光触媒自体よりも低い 屈折率を有する光触媒からなるフィルムが望まれる場合は、光触媒前駆物質フィ ルムのゾルが流し込まれ、光触媒前駆物質の他にさらに低い屈折率のフィルムの 前駆物質も加えられる。例えば、好ましい第二成分、すなわち前駆物質ゾルは二 酸化珪素の前駆物質であり、例えば、珪素・テトラアルコキシド・珪素、アルキ ルトリアルキシドまたはジアルキルジアルコキシドなどの珪素・アルコキシドを チタン・アルコキシド・アセチルアセトネートと共に同時溶解して同時加水分解 することにより形成される。ゾル中の珪素の量と酸化チタン前駆物質の量の割合 は所望の屈折率を得るために必要とされるように調整される。光触媒フィルム組 成物は純粋な二酸化チタンから二酸化チタン:二酸化珪素のモル比が1:10である 組成物までの範囲にわたる。好ましい、低い屈折率のフィルムはガラス質の二酸 化珪素の相と結晶性の二酸化チタンの相とから成る。 障壁層 本発明において、障壁層とは、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオ ン)および/またはアルカリ金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム)を光触媒前 駆物質フィルムまたは光触媒フィルムに拡散または移動させることを遅らせるま たは停止する障壁と定義する。この障壁層は本発明の光触媒前駆物質および光触 媒フィルムが経験する温度で、そのフィルムの耐用期間に作用する。 一般に、本発明の障壁は前述のように水素ガラスと光触媒前駆物質との反応の 結果得られたものである。この障壁では、最も好ましい3価、4価、または5価 の元素はTi4+、Zr4+、Ge4+、Sn4+、およびSi4+である。最も好ましい障壁フィ ルムは酸性ガラスとTiO2の前駆物質との反応生成物であり、珪素、チタンおよび 酸素の元素を含有する。 ガラス上に光触媒被覆の形成 光触媒含有層はガラスの表面上に気相から、または液体に溶解または分散した 前駆物質から形成できる。前駆物質を含有する好ましい液体は寿命の長いゾルで ある。それらの1例が実施例1で説明されている。安定なゾルは、例えば、チタ ン・テトラアルコキシド類を先ずアセチルアセトンと反応させ、次に水と反応さ せることにより形成できる。ゾルが含有する光触媒の前駆物質類または結晶類の 重合体の最も長い寸法は約30nmより大きくなく、最も好ましくは約20nm以下であ り、大きい方の寸法が約5nmより小さいのが好ましい。ゾルが溶解または分散さ れる好ましい液相は過剰なアルコールを含有する。例えば、n-プロパノール、メ タノールおよびブタノールなどのアルコール類は使用することができる。 この液体のフィルムは、酸食刻(9M硫酸で沸騰)により形成された、ガラスの表 面、好ましくは酸性ガラスまたは食刻ガラスに塗布される。前駆物質の塗布量お よび濃度は、光触媒含有層の最終の厚さが10nm未満または500nm以上にならない ように選択される。好ましい最終厚さは20-200nmである。フィルムは、ガラスが 冷たい間または熱い間に微少滴を噴霧する方法;ガラスを液体中に浸し次に取り 出す方法;液体をガラス上に注ぎ、液体層を機械でまたは回転させて均一にする 方法などの周知の方法で形成できる。 フィルムはまた他の方法でも形成できるが、例えば、金属をスパッタリングす るまたは蒸着させてから酸化する;またはガラスに析出する前に気相中で低分子 量分子または金属性の前駆物質を反応させることによるなどの乾燥方法が挙げら れる。例えば、チタン・テトラアルコキシドはガラスの表面への途中またはガラ スの表面上のいずれかで蒸着され分解される。TiCl4は水と反応してガラスの表 面に到着する途中でTiO2を形成できる。さらに、金属のTiはO2含有の大気中でス パッタリングされて反応しTiO2フィルムを形成することができる。 普通のガラスを被覆する従来の試みに対して、ガラスの表面がナトリウムイオ ンをプロトンと交換することによりおよび/またはSi-O-Si結合を加水分解する ことにより(いずれも酸食刻の際に発生する)水素含有酸性ガラスをもたらす反 応物質で処理してある場合に、かなり活性の光触媒作用による自浄式フィルムが 普通の窓ガラス(ソーダ石灰ガラス)上に形成される。ガラス中の酸化ナトリウ ムなどの物質がガラスの近くの光触媒フィルム層の一部に拡散する場合、所望の 結晶性の光触媒相以外の相が形成され、所望の結晶性相は過剰なナトリウムで汚 染される。結局、フィルムの光活性がいくらか失われる。ガラスのナトリウムイ オンまたは他のアルカリ金属イオンをその表面でまたは表面近くで(プロトンに より)交換するのに有用であり、従って被覆されたガラスの光触媒活性を増大す る反応物質は一般に酸類である。酸性ガラスは結晶性のTiO2,ZrO2,またはSiO2 のフィルムの前駆物質と反応する場合、ナトリウムの移動を減少させる障壁層が 形成される。この障壁層が存在しても、ガラス上の結晶性二酸化チタン含有フィ ルムの光活性は、ガラスからの酸化ナトリウムがガラスの近くの二酸化チタン層 の一部に拡散する場合には、なおいくらか失われる。光活性は次の酸処理により 一部回復することができる。 酸食刻のガラス前処理 食刻は反応性酸性ガラスを形成する方法である。化学的には、食刻は下記の工 程の1つまたは両方から成る:すなわち、ガラスのアルカリ金属(例えば、ナト リウム)イオンをプロトンと交換する工程;およびSi-O-Siの結合を加水分解に より分離する工程である。両方の工程において、SiOH接合を有するガラスが得ら れる。腐食液の例としては沸騰する9M水性硫酸が挙げられる。これは好ましい腐 食液である。 ガラス上に光り活性フィルムを作る好ましい方法においては、ガラスを先ず酸 にさらしてナトリウムイオンをその表面から抽出し、プロトンと交換して珪素結 合のOH基を有する酸性ガラスを形成する。酸での処理は室温または好ましくは室 温より高い温度で、例えば酸の沸騰温度で行われる。ガラスの表面は酸にさらし た後で水で洗浄し、好ましくは脱イオン化水で洗浄し、水溶性のナトリウム塩を 除去する。ガラスに光触媒被膜を塗布する前にガラスを酸で処理すると光効率が 高まることに気が付いた。もし洗浄工程が実施されるなら、洗浄用液は脱イオン 化水であるか、または水酸化アンモニウムまたはアンモニア塩などの揮発性塩基 またはイオンを含有することができる。 ガラスを食刻するための好ましい酸類としては、ガラスと反応して水素ガラス を形成するものが挙げられる。このような酸の1例としては、9M(50%)硫酸が挙 げられる。最も好ましくは、ガラスは沸騰する9MのH2SO4と反応する。 次に、光触媒前駆物質または光触媒含有フィルムが酸で処理されたガラスの表 面上に析出される。酸で処理されたガラスは触媒フィルムを塗布する前にか焼さ れるべきではない。なぜならば、このようなか焼は光触媒活性を低下させるから である。酸で処理されたガラスと光触媒結晶性前駆物質との反応により、ガラス とフィルムの界面にナトリウム移動障壁が形成されることが提案される。 光触媒被覆 酸で処理され任意に洗浄されたガラスは光触媒前駆物質で被覆される。被覆が 液体で行われる場合、前駆物質は室温で1日以上の寿命を有するゾルの形である のが好ましい。ゾルは、例えばチタン・テトライソプロポキシドなどのチタン・ テトラアルコキシドから形成できる。このチタン・テトラアルコキシドは、先ず アルコール溶液中で、好ましくは過剰のアルコール中で、および好ましくはアル コールが加水分解された該チタン・テトラアルコキシドから溶出されたものとは 異なるアルコール溶液中で反応される。ゾルはチタン・テトラアルコキシド溶液 に水を加えることにより形成できるが、好ましい方法では、チタン・テトラアル コキシドが先ずアセチルアセトネートなどの二機能性Ti4+錯体化剤と反応してチ タン対アセチルアセトネートの比が1:1である錯体を形成する。次に、この錯体 は好ましくは室温で、好ましくは1モルのチタン当たり10モルの水のモル比で水 を(好ましくはアルコールに溶解して)加えることにより加水分解される。得ら れた前駆物質ゾルは一般に安定であり、これは5°C-35°Cの範囲の温度で少な くとも1日の間貯蔵する場合に溶液が実質的に透明なままであることを意味する 。 光触媒含有化合物の均一なフィルムは、例えば過剰の溶液を回転、浸清、塗装 、噴霧または塗布し、次にそれを刃で広げるなどの工程によりガラス上に流し込 まれる。次に、得られたキャストフィルムを乾燥させる。 か焼 乾燥したフィルムを被覆したガラスは次に、例えば光触媒結晶を形成し光触媒 層をガラスに接着させる温度で加熱するなどのか焼が行われる。か焼は好ましく は毎分50°Cの温度上昇の割合で空気中で加熱し、次に所望のか焼温度に好まし くは約15-30分間保持することにより行われる。被覆されたガラスを次に冷却す る。この時点で、このガラスは本発明の範囲内で光触媒作用による自浄式となる 。 か焼温度は一般に275°Cを超えて、650°C未満であり、好ましくは400°C- 650°Cの範囲内である。ガラス上のフィルムをか焼するための最も好ましい温 度は400-550°Cの範囲内であり、シリカ上のフィルムをか焼するための最も好 ましい温度範囲は550-600°Cの範囲である。 酸洗浄−後処理 既に光触媒を被覆したガラスの光触媒活性(すなわち、ガラス自体が有機汚染 物質を一掃する割合)は酸を使用する「後処理」と呼ばれる第二の処理によりさ れに増加することができる。後処理は、酸性ガラスを形成するための最初の酸食 刻が行われない場合でさえも、低い光触媒活性を増加させるが、ただその程度は 光触媒前駆物質の析出の前にガラスを酸で食刻した場合に観察される程度よりも 劣っている。出願人は多様な酸処理により自浄式ガラスの光効率を増加すること ができることを発見した。 この第二の酸洗浄による後処理工程では、光触媒フィルムで被覆したガラスは 再び酸にさらされ、酸化ナトリウムまたは酸化カルシウムまたはこれらの生成物 と反応しまたはそれらを中和する。この工程に好ましい酸類は強い鉱酸類であり 、そのイオンは例えばチタンイオン(Ti4+)などの4価のイオンと強い錯体を形成 しない。希釈した水性硝酸および特に0.1Mから3Mまでの濃度の硝酸、好ましい濃 度が0.2Mの硝酸がこの工程に有用である。他の有用な酸類としては、テトラふっ 化ほう酸および希釈した過塩素酸が挙げられる。有用でない酸類の例としては、 6M水性塩酸および6M水性硫酸が挙げられ、両方ともガラス上の光触媒二酸化チタ ンフィルムを溶解または損傷する。最終工程では、ガラスは好ましくは水で洗浄 され、次に乾燥させる。 自浄式ガラスの諸特性 本発明の自浄式ガラスは前述のように、支持体のガラス、障壁および光触媒か ら成る。 前述のように調製された本発明の自浄式ガラスは、ガラスに強力に接着する、 耐磨耗性の被膜を有する。これらの自浄式ガラスは、実施例1に定義されるよう に、フィルムのステアリン酸が光反応すると、少なくとも3.5x10-3の光効率を有 する。さらに一般的な言葉で言うと、本発明のガラスは直接の日光で1日当たり 50nmの割合であるいはそれ以上で有機汚染物質フィルムを毎日酸化するのに充分 な光酸化率を有する。この割合では風防や眼鏡のガラスの汚れによって損われ視 界を最少とする。汚染物質の厚さ50nmのしみは、例えば光を拡散したりぎら ぎらとさせたりして視界に障害をおこす。本発明のガラスは、実施例1でさらに 充分に考察されているように、その被覆された表面上にスコッチテープを貼り付 けそして取り除くことを繰り返しても耐えることができる(テープ試験)。本発 明のガラスは実施例1で説明されているように、硬度H2またはそれより柔らかい 鉛筆で引っかくことにも耐えることができる。 例 本発明は次の例を参照することにより更に理解されるであろう。これらの例は 本発明の範囲を限定することをまったく意図していない。 例1 遠心被覆(スピンコーティング)による溶融シリカスライド上 での二酸化チタンの透明な光活性フィルムの製造 ゾルゲル法により溶融シリカ上で、透明な約60nmの厚さのチタニアのフィルム を作成した。ゾルは4..5mlのTi(OCH(CH3)2)4(プロパノール中97%)をn-プロ パノール10.0mlとアセチルアセトン(acac)1.6mlを混合して製造した 約1.9:1.05のモル比のTi:プロパノール:acacのストック溶液である前 駆溶液から成っていた。室温(約20℃から25℃)で1週間保持したあと、前 駆溶液1.0mlを水/n−プロパノール溶液(1:9;v/v)と混合して鋳 造液を製造したが、ここにおける水とチタニウムの比率は約11:1であった。 少なくとも2ヶ月安定な2.3cpの粘度の透明で黄色の鋳造液が得られた。粘 度は落下球タイプの粘度計で測定した。 鋳造の前に、溶融シリカスライドを洗浄液(通常はメタノール)ですすぎ、脱 イオン水でよく洗浄し、空気の流れの中で乾燥した。ついで鋳造液を回転させた 基質(2.5ラ2.5cmのスライドあたり0.03ml)の上に広げ、塗付し たあとでそれを2分間4000rpmで遠心して乾燥した。つぎの段階で、被覆 されたシリカスライドを空気中で毎分50℃の割合で500℃まで加熱し、そし てこの温度で30分間カ焼(calcine)した。カ焼は加水分解反応生成物を、有 機物の残滓のまったくない微結晶性の酸化物へと変換させ、TiO2フィルムを 基質へ結合させた。1層を塗付し、オーブンで乾燥させ(90℃で10分間)、 別の層を用い、最後にカ焼して多層のTiO2を得た。 HP8452A分光計で測定(図1)したところ、この方法では均一、透明そ して非散乱のフイルムを得た。大きな粒子(Degussa P−25)で作ら れた「乳状の」フィルムコーティングのUV吸収スペクトルと比較したところ、電 子が封じられているナノ粒子で予測されるようにこの透明フィルムの吸収端は青 色のほうへ30〜40nmシフトしていることが分かった。 1層が60±15mmの厚さのフィルムを、Arpha step 200 profilometer(Te ncor Instruments)で測定した。この薄フィルムの透過電子回折パターンとイメ ージは、JEOL-1200EXおよびJEOL-2010顕微鏡を用いて得られた。これらの測定の ために、水酸化カリウム溶液(6M)中で煮沸しながらフィルムに対し200メ ッシュの銅のグリッドを押し付け次いでカリウム残滓を除去するためにグリッド を水洗して、フィルムをその支持体から外した。この方法で得られた電子回折リ ングパターンは、アナターゼ相のTiO2のそれとして指標化され、そして暗視 野像は結晶がセグメントされており典型的なセグメントは直径が約3nmである ことを示していた。 得られたフィルムは、Kimwipeのような複写用事務機器用紙や新聞用紙 を含め幾種類もの用紙に対して、乾燥または湿潤状態で強く拭き取っても損傷を うけない。更にこのフィルムは、スコッチ(登録商標)接着テープ(3M−810 )を20回接着と剥離を反復しても除去されず、またH2またはそれより柔らか い鉛筆で記入しても損傷をうけない。 種々の被覆スライドの光活性を、TiO2被覆基質上へステアリン酸(CH3( CH216COOH)の薄いフィルムをキャスティングし、2700cm-1 と3000cm-1の間でのC−H伸縮振動のアンサンブルの集積吸収の減少速度 を所定の放射照度で測定することによってテストした。 この測定は8〜12コのスライドのバッチで行われた。有機フィルムを、1ス ライドあたり3×10-2mlの8.8×10-3Mのステアリン酸のメタノール溶 液を用い、そして1000rpmで2分間遠心乾燥してキャスティングした。こ のステアリン酸フィルムの集積IR吸収を、Nicolet Magna IR −750FTIRで測定した。表面におけるステアリン酸分子の実際の数は、分 子(たとえばオクタデシルトリクロシラン、アラキドン酸やベヘン酸)ごとの公 知面積をもつ同族体の密にパックされた単一層の累積吸収に基づいて計算した。 照射前の典型的なステアリン酸フィルムは、〜1.9×1015分子/cm2に対 応する0.6cm-1の集積吸収をもっていた。 光効率測定のためのUV光源は、発光ピークが365nm(Hideaway 6000 So larium,Helitron Ltd.)のUVA広域バンドランプか、又は254nmの線発光 水銀灯(Sylvania G30T3)を用いた。スライド表面で測定した放射照度は、UV A光源では2.4±0.4mWcm-2であり、254nm光源では0.8±0. 15mWcm-2であり、これらは4.4×1015光子sec-1cm-2及び1.0 ×1015光子sec-1cm-2のフラックスに対応している。これらのフラックス は、わずか1.3の因子の差の光担体生成速度を生じるが、それは長い波長で吸 収される低いフラクションに比べて60nmの厚いフィルムで吸収される254 nmUVの光子の大きいフラクションに因るものである。放射照度に与えられた 値は、JBA100の測定器での読み取り値と、公知の光化学的方法であるカリウムフ ェリオキサレートアクリノメトリーによる第二の測定の平均値である。 この出願において光効率とは、入射光子dA×K×N/fあたりの光触媒表面 から剥離されるステアリン酸の炭素−水素結合の数として定義される。ここにd Aは毎分のステアリン酸のC−H振動の集積IR吸収の変化であり;Kはステア リン酸分子のC−H結合の数(35)であり;Nは3.17×1015の値をもつ 集積吸収単位ごとのcm2あたりのステアリン酸分子の数であり;そしてfは放 射照度(UVA光源では2.6×1017光子cm-2min-1であり、水銀灯では 6×1016光子cm-2min-1である)を表わす。 有機混入物の赤外C−H伸縮振動の集積吸収を、露出時間の関数として測定し た。図2は7.5分間UVA光に露出前と露出後の、ステアリン酸混入のシリカ 上のTiO2フィルムのFTIRスペクトルを表わす。一般にステアリン酸フィ ルムが剥離される速度は、連続したステアリン酸フイルムが光触媒表面にあるか ぎり、露出の間中は一定に保たれる。すなわち光反応の効率は、一般に時間とは 無関係に、反応期間中一定に保たれる。表1は光活性TiO2フィルムで被覆し たシリカ上のステアリン酸のUVA光照射後の集積吸収を表わす。この表に示す 効率は、7.5分間の照射後の変化に基づいて計算されたものである。 単一層のTiO2フィルムで被覆された溶融シリカ基質の光効率は、UVA光 照射では14×10-3から21×10-3の間であり、254nmの光での照射で は45×10-3から81×10-3の間であり、効率間の比は各波長での毎秒cm2 ごとの光子吸収の数の比で表わされる。25より多いスライドでの平均値を表 2に示す。 表1:UVA光照射時の、透明で光活性なTiO2で被覆したシリカスライド上 のステアリン酸のFTIR C−H伸縮バンドの集積吸収の変化。表に示す効率 は7.5分間の露出後の変化に基づいて計算されたものである。 表2:ガラス及び溶融シリカ基質上のTiO2透明フィルムの光効率(インピン ジング光子ごとに消費されたC−H結合の数)で、効率にたいする基質の硫酸エ ッチングの効果を示すものである。記載の値は20から30のサンプルの平均で ある。 例2 遠心被覆によるソーダ石灰ガラス上の二酸化チタン の透明な光活性フィルムの製造 透明で光活性の二酸化チタンフィルムを、例1に記載のゾル−ゲル法によりソ ーダ石灰ガラス(Corning 2947; 60原子%のO、24.5原子%のSi、10 原子%のNa、2.5原子%のCa、2原子%のMg、及び1原子%のAlから 成る)上に製造した。この製法の第一段階では、基質を有機溶媒(ふつうはメタ ノール又はクロロホルム)で洗浄し、ついで240℃で50%(9M)発煙硫酸 の中で少なくとも30分間燻蒸 してエッチングした。常温まで冷却した後、スライドを脱イオン水で洗い、空 気の気流中で乾燥した。次いで例1に記載のものと同じ有機チタン酸塩被膜溶液 を表面に塗付し(3.75×2.5×1mmのスライドあたり0.04ml)、 例1に記載のようにして遠心した。被覆されたガラス基質をほぼ400℃でカ焼 して、GEフィルムと称される透明で均一なフィルムを得た。比較のため、GN と称される、非エッチングガラススライド上の二酸化チタンフィルム、並びにエ ッチング及び非エッチングシリカ上の二酸化チタンフィルム(それぞれSE及び SNと称する)を同様にして製造した。厚いほうのフィルムは、チタン酸塩前駆 溶液の第一層を塗付し、オーブンで(90℃に10分間)乾燥させた後、第二層 を塗付しカ焼する方法か、または単一層の製造方法を反復して製造した。前者の ものを(2)、後者のものを(1+1)と表示する。 GE、GN、SEおよびSNの全てのフィルムは、例1に記載の摩擦試験に耐 えた。幾何学的表面積に対するBET(Brunauer-Emmett-Teller)の比(約20 )は、Micromeritics AccuSorb系を用いN2BET吸収等温式により二酸化チタ ン被覆ガラススライドで測定した。フィルムの特性化、すなわちUV、TEMお よびプロフィル測定は、例1に記載のようにして行った。図2は、エッチングし たガラス(破線)および非エッチングのガラス(実線)上の透明な二酸化チタン フィルムのUV吸収スペクトルであり、後者は前者よりも4〜5nmだけ青色の ほうへシフトされている。後記するように、エッチングしたガラス(GNタイプ )上のフィルムのスペクトル間の差は、GNタイプのフィルムにアナターゼ相を 生じないか又はGNタイプのフィルムの中に小さな結晶性の領域をもたらすよう である。例1の場合と同様にして基質から脱着した二酸化チタンフィルムの「俯 瞰図」的なTEM画像は、GEタイプとGNタイプのフィルムの間の明瞭な差を 示していた。GEタイプのフィルムは、例1に記載のSNフィルムと同等である (すなわちアナターゼ相をもつセグメント化ナノクリスタライトから成っている )ことが分かった。一方、GNタイプのフィルムは、2.6〜3.6Åの平面間 距離に対応する選択面積回折パターン中で拡散リングのある長い領域順序をもた ない材料に典型的のものであった。 ガラス基質と同様に、支持体をもつフィルムの組成はエックス線光電子分光法 (VG−ESCALAB)で測定された。深いプロフィルを得るために、サンプ ルをアルゴン銃(Varian 981-2043,3kV,25mA)でスパッタリングし、再度測定 した。予想されたスパッタリング速度は0.15nm/min-1であった。これ らの測定のために、サンプルを8mm±8mmのスライドに切断し、スパッタリ ング工程中電荷を減少させるために接着テープを用いて台座に付着させた。 表3はソーダ石灰ガラス上の種々の二酸化チタンの透明フィルム、およびガラ ススライド内の(あるものは前もってエッチングされ、あるものは非エッチング であり、またあるものはエッチング後にカ焼したものである)、XPS測定から 推論したナトリウム原子の百分率を表わすものである。これらの値は、それぞれ 2.51及び0.63の感度因子(sf)のナトリウム及び酸素1Sピークの面 積、並びに1.59の感度因子のチタニウムの2Pダブレット(2P3/2+2P1 /2 )ピークの面積に基づくものである。例えばガラスサンプルの中や二酸化チタ ンの長時間のスパッタリング後でシリコンが見い出されたならば、その原子フラ クションはその2Pピーク(sf=0.17)から計算した。二酸化チタンフィ ルムの中には、チタニウム、酸素およびナトリウム以外の成分は見い出されなか った。 ソーダ石灰ガラスの中、又はソーダ石灰ガラス上の二酸化チタンの透明フ ィルムの中の、XPSで測定したナトリウムの原始百分率(%)である 高い原子フラクションのナトリウムが、二酸化チタンとガラスとの界面だけで なく、空気との界面においても測定された。空気との界面でのナトリウム濃度は 、フィルムのバルクにおけるよりも実際に高かった。明らかに、ナトリウム拡散 の長さはフィルムの厚さ以上であり、ナトリウムは二酸化チタンフィルムの表面 で 分離していた。二酸化チタンフィルム表面のナトリウム濃度に及ぼす、二酸化チ タン前駆物質で被覆する前にガラスをエッチングする効果は明瞭であり、GEフ ィルムのナトリウムの原子百分率はGNフィルムのそれよりも2〜3倍も低かっ た。GNフィルムでは、ナトリウムの原子百分率は、ソーダ石灰ガラスのバルク の場合(10原子%)を超えており、このフィルムはナトリウムで汚染されてい るのみならずガラスから実際のところナトリウムを抽出していることを示してい た。有機チタン酸塩前駆物質を2層塗付した後、カ焼して得られた厚い光触媒フ ィルム中のナトリウム量は、1層から成るフィルムよりもほんの僅か少なかった 。エッチングしカ焼した後のガラス表面にナトリウムの高い原子百分率(7.5 %)が、見い出された。にもかかわらず、非エッチングでカ焼したガラスの表面 のナトリウムフラクションははるかに高かった(35%)。このように、光触媒 前駆物質フィルムを塗付しカ焼する前にガラスを前エッチングすることにより、 光触媒フィルムの中へのナトリウム移動を効果的に阻害することができた。 例1に定義したように、光触媒ステアリン酸ストリッピング工程の光効率は、 UVA光で照射したGEスライドでは5×10-3から12×10-3の間であり、 一方非エッチングのガラス(GNフィルム)上で作成した二酸化チタンフィルム においては、それは少なくとも7倍少なかった。12のスライドを含むバッチで 得られた光効率の結果は、表4に例示するように、半分はGEタイプであり、残 りの半分はGNタイプであった。表2には、溶融シリカ上の、およびチタニウム 前駆物質で被覆する前に硫酸でエッチングしたガラス上の、および非処理ガラス 上での二酸化チタンの透明フィルムについて得られた光効率の平均が示されてい る。表に記載の各数値は、25を超えるサンプルの平均値である。ソーダ石灰ガ ラス基質については、GEタイプとGNタイプのサンプルの間に光効率で大きな 差がみられ、後者は前者より数倍も効率が低かった。この差は、254nm光子 よりも365nm光子での励起のほうが大であった。エッチングされたガラスと されてないガラスの上のフィルムの間での効率の差とは対照的に、フイルムが溶 融シリカで被覆されている場合にはエッチングは光活性を増大もさせなければ減 少もさせなかった。 カ焼温度に対する二酸化チタンの透明フィルムの効率の依存性を、図4に示す 。ソーダ石灰ガラス上のエッチングしたガラスのタイプ(GE)のフィルムにお いては、カ焼温度が450℃を超えると効率は減少し(BおよびC)、一方、溶 融シリカ上のものは更に高いカ焼温度でも効率の減少は見られなかった(A)。 シリカで支持されたフィルムで効率減少がないことは、光活性減少の原因は、低 表面積を招く焼結ではないことを示している。254nmの光で得られた結果は 類似しているが、高温度でカ焼した場合にソーダ石灰ガラス上の二酸化チタンの 光活性の減少はそれ程顕著ではなかった。 365nmと254nmでの光効率に対する240℃における硫酸内のエッチ ング持続時間の影響を図5に示す。10分間のエッチングは、254nmの光( 黒丸印)で高度に光活性であるフィルムを製造するに十分であったが、365n mの光(白丸印)で最大活性を得るには45分を超えるエッチングが必要であっ た。 表5:インピンジングした光子毎に消費されたステアリン酸フィルム中のC− H結合の数で表わした、二酸化チタンフィルムの光効率。 a:硝酸ナトリウム中への浸漬(1M、10分、20℃) b:水酸化ナトリウム中への浸漬(1M、10分、20℃) c:バッチ3のスライドをメタノールで洗浄してステアリン酸残滓を除去し、 水に浸漬し、乾燥して得たバッチ4 d:硝酸ナトリウム中への浸漬(0.2M、10分、20℃) e:カ焼の後で洗浄 f:3層の二酸化チタン、カ焼、遠心被覆(0.2M、1250rpm、1分 )による硝酸ナトリウム層、カ焼、洗浄および更に4層の二酸化チタンでの被覆 g:3層の二酸化チタン、カ焼、遠心被覆(0.2M、1250rpm、1 分)による硝酸ナトリウム層、カ焼、洗浄およびさらに4層の二酸化チタンでの 被覆 表5は、ガラス上の二酸化チタンフィルムの効率に対するナトリウムの混在の 悪影響を示す。透明な二酸化チタンフィルムを水酸化ナトリウム(1M、20℃ )浸漬すると、365nmの光では効率がゼロとなり(表5、バッチ3)、引き 続いての脱イオン水で洗浄すると効率は回復した(表5、バッチ4)。しかし、 NaOHで処理したスライドをカ焼したときは、効率損失は回復しなかった(表 5、バッチ3と4)。GEフィルムの二重のカ焼(表5、バッチ3〜5)は、効 率の増大も減少も示さなかった。NaOHに浸漬したDegussa P-25で作ったフィ ルムは、365nmの光のもとでは、無処理のフィルムよりも10倍も効率が低 かった(表5、バッチ1)。しかしP−25サンプルをNaOH中への浸漬した が、254nmでの光活性にあまり強烈な影響は表れなかった(表5、バッチ2 )。無処理のP−25フィルムは、2回目のカ焼で効率のゆるやかな減少を示し た(表5、バッチ1)が、多分これは表面積の減少によるものであろう。 エッチングしたガラスのタイプ(GE)のフィルムは、0.2Mの硝酸ナトリ ウム溶液へ浸漬後、365nmでの光効率が顕著に減少した(表5、バッチ3〜 5)。しかし>1Mの硝酸ナトリウム中への浸漬は、365nm効率を−50% 減少だけさせた。P−25で作成したフィルムの効率は、1Mの硝酸ナトリウム への浸漬により、365nmで25%減少した(表5、バッチ1)。254nm の光では、効率の減少はみられなかった(表5、バッチ2)。カ焼してから硝酸 ナトリウムへ浸漬したフィルムは、365nmの光の下では無処理のフィルムの 効率の僅か10〜40%しかなかった(表5、バッチ3−5)。同様に処理した P−25フィルムの効率は、UVA光の下での無処理フィルムの効率の僅か20 %(表5、バッチ1)、また254nmの光の下では40%(表5、バッチ2) であった。硝酸ナトリウム処理のGEフィルムをカ焼後に水で洗うと、カ焼サン プルの効率が増大した。多分これは表面の若干のナトリウムイオンが除去された ためであろう(表5、バッチ4)。カ焼によってNa2Oに分解する硝酸ナトリ ウム層が3層の前駆物質層から成るカ焼二酸化チタンフィルムに導入され、次い で4層の二酸化チタン前駆物質で被覆され、カ焼されたサンドイッチ構造に おいては、その効率は硝酸ナトリウム層のない7層の前駆物質から成る透明フィ ルムの効率の僅か60%であった(表5、バッチ5)。 2回目のカ焼の効果を証明するために、スライドを2バッチ作成した。そのう ちの1つでは、エッチングしたガラスに第一の前駆物質層を塗付し、オーブンで 乾燥させ(90℃、10分)、第二の層で被覆し、次いでカ焼した。これらのス ライドをGE(2)と呼ぶこととする。第二のバッチは、エッチングしたガラス のスライドに被覆とカ焼を反復することによって作成した。これらのスライドを GE(1+1)と呼ぶこととする。2つのバッチの吸収スペクトルは同一であり 、これはクリスタライトの大きさ、相、およびフィルムの厚みに差がないことを 示している。GE(1+1)フィルムは、2回カ焼したにもかかわらず、GE( 2)フィルムよりも低い光活性を示さなかった。ガラスをエッチングし、カ焼し (GCタイプのサンプル)、二酸化チタン前駆物質で更に被覆され、再度カ焼し たとき、効率は標準の1層のGEフィルムの僅か20〜40%に過ぎなかった。 XPSの結果は、カ焼工程の間にナトリウムはソーダ石灰ガラス基質から二酸 化チタン層の中へ移動することを示している。ナトリウムがソーダ石灰ガラス表 面から抽出され、抽出されたガラスが有機チタネート前駆物質で更に被覆され、 カ焼された場合、チタニアフィルムの中のナトリウム含量は著しく低かった。そ のような低下は、生成したチタニウム含有層に、したがって光触媒性能に影響し てくる。550℃より低い温度ではガラスからのナトリウムの抽出はイオン交換 メカニズムによって支配され、そしてプロトンの拡散速度よりもナトリウムイオ ンの拡散速度によって限定されることは公知である。もしエッチング工程がガラ ス構造の変化をもたらさず、また電荷の中性度がもとのナトリウムが占めていた 部位のプロトン化によってのみ維持されるならば(すなわち、もしも「水素ガラ ス」が形成されたならば)、400℃でのカ焼は抽出からの完全な回復をもたら すはずであろう。この場合Na+は、240℃という抽出温度でのNa+拡散係数 に対して400℃というカ焼温度でのNa+拡散係数が高いという単純な理由だ けで再分配される(類似の組成のソーダ石灰ガラスについては、それぞれ2×1 0-9cm2sec-1対2×10-11cm2sec-1となる)。しかしながら、もし もナトリウムの抽出と「水素ガラス」の形成が水の損失を伴うものであれば、 少ないSi−OH交換機能とNa+イオン透過度の少ない更に密なガラスの層が 形成されるであろう。そのような層の形成は、水蒸気と二酸化硫黄を含む大気中 でのソーダ石灰ガラスの脱アルカリ化のために提案された。そのようなナトリウ ム拡散限定層は、エッチングとカ焼によってガラスの中に形成される。ナトリウ ム拡散の限定にもかかわらず、エッチングしたガラス中のカ焼の前(1.8%) と後(7.5%)のナトリウムの原子百分率の間の差から明らかなように、この 層はナトリウムの移動を完全には防ぐことができない。この結果は、エッチング しカ焼したソーダ石灰ガラスの表面層中のナトリウムの百分率が、エッチングせ ずにカ焼したガラスよりも遥かに小さいことを示している(表面では7.5%対 35%であり、90分間のアルゴンスパッタ−エッチング後では3.4%対12 .8%である)。 深いプロフィル測定は、GE及びGN両方のタイプのフィルムで空気との界面 でのナトリウム濃度の増大と共に、二酸化チタンフィルムを越えての一定濃度の ナトリウムを示す。明らかに、ナノ結晶性の二酸化チタンフィルムは結晶表面が 水和されプロトンがナトリウムと交換可能なときは(H2Tin2n+1がH2Sin 2n+1よりも強酸のときは)特に、ソーダ石灰ガラスのシリケート網目構造より もナトリウムに対して大きな親和力をもっている。シリケートガラスにおいては (ただしガラス上の二酸化チタンフィルムとは限らない)、ナトリウムはシリケ ート網目構造の水和により表面でも集積し、表面でのナトリウムの分離は下の層 からのナトリウムの放出と一体となる。シリケートガラスで見られるナトリウム 放出層は、GEフィルムでは見られず、これはNa+が空気との界面だけではな くフィルム全体に集積していることを示している。 GNフィルムにおけるナトリウム濃度がソーダ石灰ガラスそれ自体におけるよ りも高いことは特に注目すべき事であった。この高濃度は、Ti−OHがSi− OHよりも強酸であることから合理化され得る。何故ならばSi+4と比べTi+4 はより更に電気的陽性であり、かつフィルム中でのナトリウムの拡散が早いから である。 ナトリウムイオンは400℃のカ焼工程で均一に再分布され、該イオンはナノ 結晶性二酸化チタン層を通って迅速に拡散するので、二酸化チタン抽出ガラス界 面でのナトリウム輸送限定層の存在がなければ、「GEタイプ」と「GNタイプ 」のフィルム中では類似のナトリウム濃度が観察されるであろう。GEタイプと GNタイプのフィルムの間の大きな相違点は、ナトリウム透過が遅いGEタイプ のフィルムでのゾーンの創製によって説明される。前駆物質温度が核生成をおこ すときは、結晶成長と有機残滓の酸化がおこる。二酸化チタンフィルム中のナト リウム濃度がガラスとチタニアの界面における最終濃度と関連してせず、カ焼の 始まるときのこの界面での濃度に関連しており、ユニークなナトリウム拡散限定 層が形成される。ナトリウム抽出に次いでの第一のカ焼、二酸化チタン前駆物質 による被覆、そして最終のカ焼は、二酸化チタン前駆物質が既に存在している最 初のカ焼のときに得られたような光活性のフィルムを提供しない。従ってガラス の水和と緊密化は、層のナトリウム輸送特性の部分のみを説明するものである。 ユニークなナトリウム輸送限定特性は、分解アナターゼ二酸化チタン前駆物質と 脱水水素ガラスの反応、及び/又はガラスと二酸化チタン前駆物質層の間の界面 での迅速な核形成と成長によって説明される。 GNタイプのフイルムでは、GEタイプのフィルムとは対照的に、長い範囲順 序がない。初期の研究は、エッチングしてないソーダ石灰ガラス上の二酸化チタ ンフィルムは、水和チタンアルコキサイド前駆物質のフィルムの迅速加熱(>2 5℃/分)で形成されたときは板チタン石(brookite)相であること、そしてガ ラスから二酸化チタン層へナトリウムイオンが拡散するように充分にゆっくりと 温度を上昇させたときはNa2O.xTiO2層が形成されることを示している。 Na2O.xTiO2相の吸収端は、アナターゼの端と比べて10〜12nm短い 波長へとシフトされており、一方では板チタン石構造の吸収端はアナターゼのそ れと同等であることが分かった。このデータはGNフィルム中のよく定義された 層の存在を示していないが、これは多分ゆっくりと重合するキレート化された前 駆物質が用いられたからであろう。従ってナトリウムは、その結晶化を防ぐに充 分な量での発生期の二酸化チタンフィルムの中へ拡散するであろう。 光効率は、二酸化チタンフィルムの中でナトリウムイオン濃度が増大すると常 に減少する。更に、光活性GEフィルムは、硝酸ナトリウムへ浸漬し、硝酸ナト リウムが酸化ナトリウムに分解する温度でカ焼すると効率を喪失する。例1に示 した溶融シリカ上のフィルムにと比べてソーダ石灰ガラス上のフィルムの効率が 低いことは、非アナターゼ相の存在か、または、局地的なpHの上昇がおこる。 空気界面での酸化ナトリウムの存在による可能性がある。そこでエッチングして ないガラス上のフィルムでは、ナトリウムフラクションは10原子%を超え、そ の結果、整然としたアナターゼ、板チタン石またはチタン酸ナトリウム相の形成 が阻害される。その結果、365nmの発光について効率が事実上ゼロまで減少 した。これとは対照的にエッチングしたガラスでは、ナトリウム原子%が8%と いう高い値にもかかわらず、結晶性のアナターゼ領域しかなかった。 ナトリウム輸送阻害層は水素ガラスと、発生期の但し非結晶性の二酸化チタン 層から形成されているので、ナトリウム拡散は主にカ焼工程の開始時におこり、 第二のカ焼はフィルムの効率には僅かの影響しか及ぼさない(表5)。ナトリウ ムイオン移動を防ぐ重要工程は水素ガラスと発生期の二酸化チタン層の反応にあ るということは、次の2つの方法で製造したフィルムの効率の比較によっても示 唆された。すなわち(a)第一層を塗付し、カ焼し、第二層を塗付し、そして再 びカ焼すること;及び(b)2つ層を連続して塗付し、1回だけカ焼とすること 。この2つのフィルムの光効率の間の差は僅かであるか又はゼロであった。エッ チングしカ焼して作成した(GCタイプ)ガラス上の二酸化チタンフィルムの効 率がは、エッチングはするがカ焼してないガラス上に前駆物質を被覆して作成し た二酸化チタンフィルムの効率の僅か20〜40%であるという事実は、二酸化 チタンと水素ガラスの間の拡散によって生成されるナトリウム輸送限定層が脱水 水素ガラス上に形成されたフィルムよりも優れたナトリウム輸送ブロッカーであ ることを示唆する。 基質から光触媒フィルム前駆物質中と光触媒フィルム中へのナトリウムの移動 は、それらの光触媒活性に有害である。二酸化チタンフィルムは、ナトリウムイ オンに対してソーダ石灰ガラス自体よりも高い親和性をもっており、カ焼工程中 、ガラスからナトリウムイオンを抽出する。二酸化チタン層へのナトリウムの輸 送は、阻害層の形成によて遅らせることができる。そのような層は、硫酸のよう な強酸でナトリウムを抽出する際に形成される、水素ガラス上の二酸化チタン前 駆物質フィルムをカ焼して製造される。 例3 改善された光活性を有する透明な二酸化チタンの活性 フィルムの製造、ソーダ石灰ガラス上における 二酸化チタンの透明なフィルムを、例2で述べたようにして、酸で前処理をし たか又はしてないソーダ石灰ガラスの上に作成した(それぞれGEタイプ、GN タイプ)。カ焼後、サンプルを希硝酸で前処理、(通常は0.2M硝酸中22± 3℃で15分間浸漬)し、次に水洗して酸残滓を除去した。 ナトリウムの原子百分率に対する後処理の影響を表3に示す。すべてのフィル ム(例2で定義したGE(1)、GN(1)、GE(2)及びGN(2))にお けるナトリウムの原子百分率は、後処理によって著しく減少した。例えばエッチ ングしたガラス上の二酸化チタンフィルムの表面では8.4%から3.2%へ、 エッチングしてないガラス上の二酸化チタンの表面では21.5%から2%へと 減少しており、フィルムのナトリウムイオンが酸からのプロトンによって置換さ れていることが明らかであった。 表6は、UVA光源からの照射による、後処理を行ったまたは行わなかったG NとGEスライドを含むスライドのバッチについて測定した効率(例1で定義) を示すものである。表6において前処理とは、非被覆ガラスの9M硫酸中での3 0分間煮沸を意味する。「水洗なし」とは、スライドを硝酸の残滓をつけたまま乾 燥したことを意味する。「水洗あり」とは、硝酸残滓脱イオン水での洗浄によって 除去したことを意味する。後処理したスライドの平均効率と、後処理なしのスラ イドの平均効率の対比を表7に示す。表7で「硝酸処理」とは、0.2M硝酸に1 5分間浸漬したあとに水洗したことを意味する。 硝酸での後処理は、エッチングしてないガラス(GNタイプ)の二酸化チタン フィルムの光効率を著しく増大させた。但しその光効率は、標準的なエッチング したガラス(GEタイプ)上の二酸化チタンフィルムよりも遥かに低かった。G Eタイプのフィルムでは、この改善はもっと僅かであった。後処理は、ガラスの 前エッチングの効果的な置換手段でないことは明らかである。硝酸処理によって 得られるでの効率の増大は、反復測定で観察されるように、時間と共に部分的に 失われた。溶融シリカ上に例1に従って作成したフィルムを硝酸処理ものは、効 率の増大は観察されなかった(表8)。これは二酸化チタンで被覆したガラスで観 察された効率増大は、低い表面pHによるものでない事を意味する。改善の原因 は、カ焼工程の間に二酸化チタン層へ移動する酸化ナトリウム又はその生成物の 反応又は中和であった。 ソーダ石灰ガラス上の二酸化チタンを処理するために、酸として硝酸が選ばれ た。硫酸や塩酸のアニオンとは対照的に、この酸のアニオンは4価のチタンイオ ンとの複合体を作らない。したがって光活性フィルムの硝酸への溶解速度は、同 一規定濃度の硫酸や硝酸への溶解速度よりも遥かに遅かった。このような意味で 、GEフィルムがGNフィルムよりも濃酸への浸漬に耐性があることは注目すべ き ことである。 希酸(たとえば硝酸)への二酸化チタンフィルムの浸漬は、表面近辺のナトリ ウム濃度を減少させ、かつ二酸化チタンフィルムの機械的性質を低下させずにナ トリウムイオンをプロトンで置換することによって効率を改善させた。光効率は 、GNタイプのフィルムにおいて特に増大した。そのような浸漬は、チタニア前 駆物質の使用前のガラスのエッチングの適切な置換手段ではないが、ソーダ石灰 ガラス上の光触媒フィルムの形成過程の適切な最終工程である。 例4 ソーダ石灰ガラス上における制御された粘度をもつ被覆溶液 から二酸化チタンの透明な光活性フィルムの製造 例1に記載される方法で作成した被覆溶液(この例では「Ti溶液」と表わす) を、ヘキサン、メチレンクロリド、クロロホルム等の種々の非相互作用的有機溶 媒と混合して被覆溶液をつくった。それらの粘度は、被覆溶液と非相互作用的有 機溶媒の容量比によって定まる。比較のために、「Ti溶液」から作成したフィ ルム、並びに、他のアルコール等と相互作用するメタノールと同様に二酸化チタ ン前駆物質とTi溶液の混合物から作成したフィルムをつくった。混合溶液を酸 でエッチングしたガラス基質の上に広げ(3.75×3.5cm当たり40ml )、そのあと窒素雰囲気で2分間1000、2500又は4000rpmで遠心 して乾燥させた。次いでスライドを空気中において400℃で35分間カ焼した 。透明で均一でよく接着するフィルムが得られた。 種々のタイプのスライドの光効率を同時に測定した。結果を表9に示す。10 00rpmでの遠心被覆においては、被覆溶液の低粘度のため、フィルム中の二 酸化チタン量が少ないにもかかわらず「Ti」非相互作用溶媒混合物を含む溶液 で被覆した効率には実際的には悪影響はなかった。2500rpmでの遠心被覆 においては、Ti/非相互作用的溶媒溶液から作ったフィルムは、365nmの 光を照射した場合に「Ti」溶液から作ったフィルムの30%〜45%の効率で あり、254nmの光の照射では約70〜100%の効率であった。これとは対 照的に、Ti/メタノール溶液から作った二酸化チタンフィルムの365nmの 光で測定した効率は、2500rpmで被覆した通常のGEフィルムの僅か6% であり、1000rpmで被覆した通常のGEフィルムときの62%であった。 表9:二酸化チタン前駆物質被覆溶液と種々の非相互作用溶媒の混合物をの遠 心被覆して得られたスライドの効率の値。この表で「Ti」は通常の被覆溶液を 表わし、その製法は例1に記載してある。 二酸化チタン前駆物質と相互作用をおこさない溶媒で被覆溶液を希釈すること でガラス上に透明で均一な光活性フィルムを、形成することができ、またこの方 法は比較的低速度の遠心が必要なときに特に有用であると結論することができる 。 例5 浸漬被覆によるソーダ石灰ガラス上の二酸化チタニウムの 透明な光活性フィルムの製造 例4に記載したような方法で作成した、制御された粘度の被覆溶液を用いて、 ガラスの上に透明で光活性で均一な二酸化チタンフィルムを作成した。そのため に、7.5×2.5×0.1cmのサイズのコーニング2947ソーダ石灰ガラ ススライドを例2に示すようにしてエッチングし、速度制御された昇降機に接続 し、0.5cm/min-1から4.3cm/min-1の引き上げ速度で浸漬被覆 した。この二酸化チタン前駆物質で被覆したフィルムを次に400〜450℃で 35分間カ焼した。透明かつ均一で接着性の良好な二酸化チタンフィルムが得ら れた。透明性と均一性の観点から見た場合の最良の結果は、溶媒蒸気の多い窒素 雰囲気下で行うことによって得られた。例1に記載のステアリン酸試験法で測定 した浸漬被覆フィルムの光効率は、表10に示してある。 浸漬被覆フィルム(表10)と遠心被覆で作成した類似の厚さのフィルム(表 2)を比較すると、浸漬被覆フィルムの効率は遠心被覆フィルムの効率に比べて 低くなく、大規模の実施が可能であることが分かった。 表10:ヘキサンと二酸化チタン前駆物質被覆溶液の混合物中での浸漬被覆で 得られたスライドの効率の値。この表で「Ti」は水:チタンが11:1の通常 の被覆溶液を表わし、Ti#は水:チタンが約4:1の被覆溶液を表わす。 例6 ナトリウム拡散限定層のある二酸化チタンの 透明で光活性フィルムの製造 チタンテトライソプロポキシドの代わりにシリコンテトラプロポキシドを用い て例1と2に記載された方法でソーダ石灰ガラスの上にシリカフィルムを作成し た。ここでシリケート前駆物質は、10mlのn−プロパノール、1.6mlの アセチルアセトン(acac)及び4.9mlのSi(OPr)4溶液(アルド リッチ社、カタログ番号23574:95重量%)から成っている。被覆溶液は 、1.0mlのシリケート前駆物質溶液と1.8mlの水−ノルマルプロパノー ル(1:10;v:v)から作成した。次いで3.75cmラ2.5cmラ1mm のソーダ石灰ガラススライドを、例2に記載のように沸騰硫酸中で30分間エッ チングし、遠心被覆によって被覆した。80℃で20分間乾燥した後、例1に記 載のものと同一の被覆溶液から作成した第二層(「上乗せ層」と呼ぶ)を、そこに 記載のようにして遠心被覆で塗付した。次いでこのスライドを450℃で30分 間カ焼して、ガラス基質と光効率的二酸化チタン上乗せ層の間のシリカ層(「下 積み層」と呼ぶ)から成る透明フィルムを作成した。第一のジルコニア層と、第 二の光活性のチタニア層を含むフィルムで被覆したガラススライドを同様にして 作成した。ここでジルコニア溶液は、例1のチタニア前駆物質被覆溶液に関して 述べたジルコニウム、acac、水およびプロパノールのモル比と同じモル比の ジルコニウムテトラn−プロポキシド(アルドリッチ社S33,397−2;1 −プロパノール中70%)から成っている。硝酸での後処理は行わなかった。 スライドの効率を、例1に記載の方法で測定した。比較のために、ガラス上に 二酸化チタンを1層または2層含むフィルムを、同じ二酸化チタニウム前駆物質 被覆溶液で同一バッチのエッチングしたガラススライドから作成した。これらの スライドの効率を、ガラス−シリカ−チタニアのフィルムと同様にして測定した 。表11に示すように、シリカの下積み層と二酸化チタンの上乗せ層を含む2層 構 造の効率は、二酸化チタンの単一層の効率よりも1.4〜2.0倍ほど高く、2 層の二酸化チタンを含むフィルムよりも低かった。 ガラスの上に被覆したジルコニア下乗せ層と二酸化チタン上積み層から成る2 層構造は、500℃より高い温度でカ焼したとき、二酸化チタンの単一フィルム で被覆したガラスよりも高い効率をもっており、後者では形成された二酸化チタ ンフィルム中へのナトリウムの拡散は、酸でエッチングしたガラス基質の中にお いてもその効率を減少させるほど充分速かった(図4)。これによって、そのよ うなナトリウム拡散阻止構造は、例えばガラスを焼戻して作られる製品のように 、 ガラスを高温に耐えさせる必要のある応用に適切なものとなる。 例7 二酸化チタン前駆物質と二酸化珪素前駆物質の混合物から作られる 層上の透明で光活性な二酸化チタンフィルムの製造 1:1のモル比の二酸化チタンと二酸化珪素の混合物から成る層を、適当な被 覆溶液を作成し、それを例1及び2に記載の遠心被覆法で基質上へ塗付すること により、ソーダ石灰ガラス及び溶融シリカ上へ作成した。前駆物質溶液は、10 mlのn−プロパノール、2.25mlのチタンテトライソプロポキシド(プロ パノール中98%;密度は1.033g/cm-3)、1.6mlのアセチルアセ トン(acac)及び2.43mlのシリコンテトラプロポキシド(アルドリッ チ社23,574−1;プロパノール中95%;密度は0.916g/cm-3) から成っていた。この前駆物質溶液を1日熟成した後、1.0mlの混合前駆物 質溶液を1.8mlの水/n−プロパノール溶液(1:10;v:v)と混合し て被覆溶液を作成した。次いでこの被覆溶液を4000rpmの遠心被覆により 、硫酸でエッチングしたガラススライド上(3.75ラ2.5cmのスライド当 たり40μl)及びエッチングしてない溶融シリカスライド上(2.5ラ2.5 cmのスライド当たり30μl)に広げた。次いでこれらのスライドをオーブン の中で100℃で10分間乾燥した。スライドの一部分に、例1で述べた二酸化 チタン前駆物質被覆溶液から成る第二の層を例1や2と同様にして塗付した。参 照のために若干の他のエッチングしたガラスや溶融シリカスライドを、混合下積 み層で被覆せずに、同一の二酸化チタン前駆物質被覆溶液の2つの層で被覆した 。次いで全てのスライドを450℃で30分間カ焼して、透明で接着性のよいフ ィルムを作成した。硝酸での後処理は行わなかった。 スライドの効率を、例1に記載の方法で測定した。二酸化チタンと二酸化珪素 の混合物から作ったフィルムは全く不活性であった。しかし、二酸化チタンと二 酸化珪素から成る不活性の下積み層の上に二酸化チタンの上積み層を有すフィル ムは、基質とは無関係に、二酸化チタンの1層から成るフィルムよりも50%か ら100%も高い効率が見られた(表12)。 表12:二酸化チタンの1層、二酸化チタンの2層、及び二酸化チタン/二酸 化珪素の混合物の1層から成るフィルムと比較してた、シリカ/チタニア下積み 層上に二酸化チタンの1層を有するフィルムの光効率
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年7月28日 【補正内容】 明細書 自浄式ガラスおよびその製造方法 発明の分野 本発明はガラスの表面から有機性汚染物質を光触媒酸化により除去することお よびこのような光触媒性ガラスの製造方法に関するものである。 発明の背景 光触媒、特にアナターゼ相の二酸化チタンは光、通常は紫外線に露出されると 光触媒に吸収されて有機化合物の空気酸化を促進することがしばらくの間知られ ていた。例えば、「水と空気の光触媒精製(Photocatlytic Purificaion of Wat er and Air)」D.F.オリスおよびH.アルエカビ編集、TiO2光触媒精製および水 と空気の処理に関する第一回国際委員会の議事録、カナダ、オンタリオ州、ロン ドン、1993年、エルセヴィアー、アムステルダムを参照せよ。前記議事録の主な 項目では、二酸化チタン(TiO2)光触媒作用、光触媒作用による水と空気の処理 、反応器の設計と光触媒酸化方法の経済性の理論と基本について記載している。 これらの適用例の全てにおいて、光触媒は接着するセラミック性支持体に結合さ れる。例えば、123頁で、R.W.マッシュウはTiO2被覆ガラスのメッシュとTiO2被 覆ガラス管を主成分とする光反応器について説明している。TiO2被覆ガラス管を 備えた別の反応器については、376頁にT.イブスキらが説明している。説明され ている光触媒フィルムは、例えば、直径が約0.1-0.3 μm(ミクロン)の二酸化 チタンの粒子を豊富に有するデグッサP25(Degussa P25)などの光触媒から作ら れたので、全ての光を散乱させた。この粒径は、最も薄いフィルムでさえも、ミ ルク色の外観を呈する。このような光散乱性フィルムは、窓や鏡用の透明な自浄 式ガラスの両面などに応用するには効果的でないし有用でない。 また、透明で接着性のある非光散乱性のTiO2フィルムが製造できることは知ら れている。このような周知のフイルムは光学機器の光学レンズに適用されて耐引 っかき性を提供し、また、通常は酸素を含有する大気中でチタンの反応性蒸発 −酸素−珪素結合の加水分解へき開により形成される。次に、水素またはプロト ン含有ガラス層は4価の元素の酸化物の前駆物質、好ましくは無機酸化物を含有 する結晶性チタニアまたはジルコニアの前駆物質と反応する。この方法では、薄 いナトリウム移動阻止層はチタン、珪素および酸素および/またはジルコニウム 、珪素および酸素から成るものが形成される。 ナトリウム移動阻止層はまたプロトンまたは水素含有ガラス(酸性ガラス)が シリカの前駆物質と反応する場合にも形成される。酸性ガラス層を形成する好ま しい方法は酸で食刻すること、最も好ましくは9M硫酸で沸騰することである。ナ トリウム移動軽減障壁層は好ましくは酸性ガラスをチタニアおよび/またはジル コニアの前駆物質と共に約300°Cを超えて約500°C未満の温度、好ましくは約 400°Cの温度まで加熱して形成される。 ガラスの上に形成された光学的に透明なTiO2層の光触媒活性は、TiO2で被覆さ れたガラスを酸化ナトリウムと反応する物質、特に被覆に含まれている形成物中 のTiO2を溶解しない希釈酸で処理することによっても増大される。一般に、TiO2 を溶解しない酸のアニオンは4価のチタンと強力な錯体を形成しない。これらの 種類の酸類としては、プロトン酸、ルイズ酸およびブロンステッド酸が挙げられ 、液体または気体が可能である。例えば、硝酸、過塩素酸、およびテトラフルオ ロホウ酸 が4価のチタンと錯体を形成することが知られていないので、本発明で 使用できる。塩化物、フッ化物および硫酸塩類はチタンと強力に錯体を形成する ことが知られているので本発明で一般に使用できない(IV)。 ナトリウム含有ガラス、例えば普通のソーダ石灰ガラスの表面にナトリウム移 動阻止層を置くことは、ガラスからナトリウムが光触媒フィルムの前駆物質へ移 動することを阻止することにより所望の光触媒アナターゼ相を確実に形成するこ とである。この障壁も光触媒活性を低下させるアナターゼ相のナトリウム汚染を 軽減する。特に有用なナトリウム移動阻止層は、発生しようとしているがまだ結 晶性ではないアナターゼTiO2の前駆物質を空気中で加熱すると分解する有機チタ ン酸塩のフィルムを塗布し、被覆されたガラスの最終か焼を行う前に高温で、好 ましくは約450°Cで、該前駆物質をナトリウムの消耗した酸性ガラスと反応さ せることにより形成される。最終か焼の後で、透明な非散乱性の付着性微少結 ンドギャップを有する光伝導体または半導体である。光触媒フィルムは一般に厚 さが1μm(ミクロン)未満、好ましくは約40-80nmであり、可視光線の散乱を 防ぐために充分に小さい粒子からなる。さもなければ、光触媒粒子の結晶は高密 度にびっしりと充填され、可視光線を散乱しないように配向されている。好まし い光触媒は結晶性の酸化物であり、特にチタン、錫、タングステンまたはモリブ デンを含有する結晶性酸化物である。特に有用な光触媒はアナターゼ相の二酸化 チタンである。他の光触媒としては、例えば、Pt,Pd,Au,Ag,Cu,W,Mo,またはそ の硫化物または酸化物などの助触媒を有するTiO2;例えば、(SrTiO3)またはCa TiO3などの化合物酸化物およびルチル相またはアナターゼ相とルチル相との混合 相のTiO2が挙げられる。好ましい光触媒である二酸化チタンがここに例示される が、既に上で述べたように、ガラス上に透明なフィルムを形成する他の光触媒も 使用できることはもちろんである。 アナターゼ相またはルチル相の二酸化チタンは約2.4より大きい可視(黄色) 光の屈折率を有する。例えば、屈折率が1.6以下であるソーダ石灰ガラスなどの 屈折率の低いガラス上に光触媒フィルムを被覆すると屈折率を増加させる。自動 車風防の特別な場合では、このような増加は望ましくない。なぜならば、ダッシ ュボードと風防との間の角度が減少するまたは風防の屈折率が増加するので、ダ ッシュボードに反射した画像が風防を通して運転者に見えるようになるからであ る。このような反射は、光触媒と光触媒より低い反射率を有する材料とを組み合 わせたものから光触媒フィルムを形成することにより軽減できる。このようなフ ィルムの例としては、非結晶性二酸化珪素(SiO2)およびアナターゼまたはルチル のTiO2からなるフィルムが挙げられる。例えば、フィルムが90重量%までのSiO2 を含有するなら、可視の屈折率はたったの約1.46である(SiO2のない場合の2.4- 2.7と比較するとよく分かる)。 光触媒前駆物質 本発明において、光触媒前駆物質は一般に非結晶性の3価、4価、または5価 の元素、好ましくはこのような元素の酸化物から形成されたフィルムであり、こ のフィルムは例えば空気中でか焼すると活性の光触媒フィルムを形成する。該酸 化物は約600°Cで非揮発性であり、好ましい3価、4価または5価の元素はチ 請求の範囲 1. 光触媒ガラスの製造方法であって、 アルカリ金属イオンまたは酸化物を含有するガラスに光触媒前駆物質組成物を 塗布して光触媒含有フィルムを形成する工程と、 アルカリ金属イオンまたはアルカリ金属酸化物がガラスから光触媒前駆物質ま たはフィルムに移動することを防ぐ工程と、 からなることを特徴とする光触媒ガラスの製造方法。 2.前記ガラス上に障壁を形成し、前記光触媒含有フィルムを前記障壁上に形成 することを特徴とする請求項1に記載の方法。 3.前記ガラスは、光触媒前駆物質組成物の塗布に先だってプロトン濃縮ガラス を形成するため酸で処理されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 4.前記障壁は、前記プロトン濃縮ガラスと3価、4価または5価の元素の酸化 物の前駆物質との反応によって形成され、前記酸化物は300℃で固体であるこ とを特徴とする請求項1に記載の方法。 5.3価、4価または5価のチタン、ジルコニウム、タングステン、錫、珪素ま たはその組み合わせからなる酸化物の前駆物質から形成された第1フィルムが前 記プロトン濃縮ガラ上に形成され、光触媒含有第2フィルムが前記第1フィルム 上に形成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 6.前記プロトン濃縮ガラスと3価、4価または5価の形態のチタン、ジルコニ ウム、タングステン、錫、珪素またはその組み合わせの前駆物質との反応生成物 から成る障壁が前記ガラス上に形成され、光触媒含有フィルムが前記障壁上に形 成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 7.ガラスを処理して酸性ガラスを形成する工程と、 酸性ガラスに光触媒前駆物質を塗布して被覆ガラスを形成する工程と、 被覆されたガラスをか焼して光触媒作用による活性を有する自浄式ガラスを形 成する工程と、 から成ることを特徴とする請求項1に記載の方法。 8.前記光触媒は、2.5eV乃至4.5eVの範囲のバンドギャップを有する光伝導体ま たは半導体から成ることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方 法。 9.前記光触媒は、チタン、ジルコニウム、タングステン、錫またはモリブデン から成ることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。 10.前記光触媒は、二酸化チタンから成ることを特徴とする請求項1乃至7の いずれか1項に記載の方法。 11.前記二酸化チタンの少なくとも一部は、アナターゼ相にあることを特徴と する請求項10に記載の方法。 12.前記光触媒フィルムで被覆されたガラスをか焼して光触媒作用による活性 を有する自浄式ガラスを形成する工程を更に含むことを特徴とする請求項1乃至 6のいずれか1項に記載の方法。 13.前記ガラスはソーダ石灰ガラスから成ることを特徴とする請求項1乃至7 のいずれか1項に記載の方法。 14.前記前駆物質は二酸化チタンの前駆物質から成ることを特徴とする請求項 6に記載の方法。 15.前記前駆体は二酸化ジルコンの前駆体から成ることを特徴とする請求項6 に記載の方法。 16.前記前駆体は二酸化珪素の前駆体から成ることを特徴とする請求項6に記 載の方法。 17.光触媒ガラスであって、 アルカリイオンまたは酸化物からなるガラスと、 光触媒前駆物質から前記ガラス上に形成された光触媒含有フィルムと、 アルカリ金属イオンまたはアルカリ金属酸化物が前記光触媒前駆物質またはフ ィルムに移動することを防ぐとともに、プロトン濃縮ガラスと光触媒前駆物質と の反応により形成された障壁と、 から成ることを特徴とする光触媒ガラス。 18.前記光触媒前駆物質は、3価、4価または5価の元素の酸化物の前駆物質 であり、前記酸化物は300℃で固体であることを特徴とする請求項17に記載 のガラス。 19.前記元素は、チタン、ジルコン、タングステン、錫、珪素またはその組み 合わせから成ることを特徴とする請求項18に記載のガラス。 20.前記光触媒は、2.5eV乃至4.5eVの範囲のバンドギャップを有する光伝導体 または半導体から成ることを特徴とする請求項17乃至20のいずれか1項に記 載のガラス。 21.前記光触媒は、チタン、ジルコン、タングステン、錫またはモリブデンか ら成ることを特徴とする請求項17乃至20のいずれか1項に記載のガラス。 22.前記光触媒は二酸化チタンから成ることを特徴とする請求項17乃至20 のいずれか1項に記載のガラス。 23.前記二酸化チタンの少なくとも一部はアナターゼ相にあることを特徴とす る請求項22に記載の自浄式ガラス。 24.前記光触媒前駆物質は、前記ガラス上でか焼されて光触媒作用による活性 を有する自浄式ガラスを形成することを特徴とする請求項18乃至21のいずれ か1項に記載のガラス。 25.前記ガラスはソーダ石灰ガラスから成ることを特徴とする請求項18また は19に記載のガラス。 26.前記3価、4価または5価の元素の酸化物の前駆物質は二酸化ジルコンの 前駆物質から成ることを特徴とする請求項20または21に記載のガラス。 27.前記3価、4価または5価の元素の酸化物の前駆物質は二酸化珪素の前駆 物質から成ることを特徴とする請求項19または20に記載の自浄式ガラス。 28.前記光触媒前駆物質はチタン・テトラアルコキシドから成ることを特徴と する請求項18乃至21のいずれか1項に記載の自浄式ガラス。 29.前記光触媒前駆物質はチタン・テトラアルコキシドとアセチルアセトンの 錯体から成ることを特徴とする請求項18乃至21のいずれか1項に記載の自浄 式ガラス。 30.前記障壁は前記プロトン濃縮ガラスと前記光触媒前駆物質との反応生成物 から成り、前記ガラスは前駆物質との反応に先だって食刻されてプロトン濃縮ガ ラスを形成することを特徴とする請求項18に記載の自浄式ガラス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AT,AU ,AZ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,CZ,DE,DE,DK,DK,EE,E E,ES,FI,FI,GB,GE,HU,IL,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SK,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ハルヴィ、イエア イスラエル国 76345 レホヴォット、ケ ーケーエル・ストリート 7

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ガラスに光触媒前駆物質組成物を塗布して光触媒含有フィルムを形成する工 程; およびガラスからアルカリ金属イオンまたはアルカリ金属酸化物が光触媒前駆 物質またはフィルムに移動することを防ぐ工程からなることを特徴とする自浄式 ガラスの製造方法。 2.ガラスから出るアルカリ金属イオンまたはアルカリ金属酸化物の移動を防ぐ または遅らせる障壁をガラスに塗布する工程; および前記障壁上に光触媒含有フィルムを形成する工程から成ることを特徴と する自浄式ガラスを製造する方法。 3.食刻された酸性ガラスに光触媒前駆物質組成物を塗布して光触媒含有フィル ムを形成する工程から成ることを特徴とする自浄式ガラスの製造方法。 4.TiO2の前駆物質および約300°Cで固体となる3価、4価または5価の元素 の酸化物の前駆物質から形成されるフィルムをガラスに塗布する工程; および前記フィルム上に光触媒含有フィルムを形成する工程から成ることを特 徴とする自浄式ガラスの製造方法。 5.3価、4価または5価の元素の酸化物の前駆物質から形成され、前記元素が チタン、ジルコン、タングステン、錫、珪素またはその組み合わせである第一フ ィルムを酸性ガラスに塗布する工程; および前記第一フィルム上に光触媒含有第二フィルムを形成する工程から成る ことを特徴とする自浄式ガラスの製造方法。 6.酸性ガラスとチタン、ジルコン、タングステン、錫、珪素またはその組み合 わせの3価、4価または5価の形の前駆物質との反応生成物から成るフィルムを 酸性ガラスに塗布する工程; および前記障壁上に光触媒含有フィルムを形成する工程から成ることを特徴と する自浄式ガラスの製造方法。 7.ガラスを処理して酸性ガラスを形成する工程;酸性ガラスに光触媒前駆物質 を塗布して被覆されたガラスを形成する工程; および被覆されたガラスをか焼して光触媒作用による活性を有する自浄式ガラ スを形成する工程から成ることを特徴とする自浄式ガラスの製造方法。 8.前記光触媒が2.5eVから4.5eVまでの範囲のバンドギャップを有する光伝導 体または半導体から成ることを特徴とする請求項1-7のいずれかに記載の製造方 法。 9.前記光触媒がチタン、ジルコン、タングステン、錫またはモリブデンから成 ることを特徴とする請求項1-7のいずれかに記載の製造方法。 10.前記光触媒が二酸化チタンから成ることを特徴とする請求項1-7のいずれ かに記載の製造方法。 11.前記二酸化チタンの少なくとも一部がアナターゼ相にあることを特徴とす る請求項10に記載の製造方法。 12.さらに、光触媒フィルムで被覆されたガラスをか焼して光触媒作用による 活性を有する自浄式ガラスを形成する工程を包含することを特徴とする請求項1- 6のいずれかに記載の製造方法。 13.前記ガラスがソーダ石灰ガラスから成ることを特徴とする請求項1-7のい ずれかに記載の製造方法。 14.前記前駆物質が二酸化チタンの前駆物質から成ることを特徴とする請求項 6に記載の製造方法。 15.前記前駆体が二酸化ジルコンの前駆体から成ることを特徴とする請求項6 に記載の製造方法。 16.前記前駆体が二酸化珪素の前駆体から成ることを特徴とする請求項6に記 載の製造方法。 17.ガラス; ガラス上に光触媒前駆物質から形成された光触媒含有フィルム;およびアルカ リ金属イオンまたはアルカリ金属酸化物が光触媒前駆物質またはフィルムに移動 することを防ぐ障壁から成ることを特徴とする自浄式ガラス。 18.ガラス; ガラスを酸食刻し、得られた酸性ガラスに光触媒前駆物質を塗布することによ りガラス上に形成された光触媒含有フィルムから成ることを特徴とする自浄式ガ ラス。 19.ガラス; TiO2の前駆物質および約300°Cで固体となる3価、4価または5価の元素の 酸化物の前駆物質からガラス上に形成された第一フィルム;および 第一フィルム上に形成された光触媒含有第二フィルムから成ることを特徴とする 自浄式ガラス。 20.ガラス; ガラス上に3価、4価または5価の元素の酸化物の前駆物質から形成され、前記 元素がチタン、ジルコン、タングステン、錫、珪素またはその組み合わせである 第一フィルム; および第一フィルム上に形成された光触媒含有第二フィルムから成ることを特 徴とする自浄式ガラス。 21.前記光触媒が2.5eVから4.5eVまでの範囲のバンドギャップを有する光伝 導体または半導体から成ることを特徴とする請求項17-20のいずれかに記載の自 浄式ガラス。 22.前記光触媒がチタン、ジルコン、タングステン、錫またはモリブデンから 成ることを特徴とする請求項17-20のいずれかに記載の自浄式ガラス。 23.前記光触媒が二酸化チタンから成ることを特徴とする請求項17-20のいず れかに記載の自浄式ガラス。 24.前記二酸化チタンの少なくとも一部がアナターゼ相にあることを特徴とす る請求項23に記載の自浄式ガラス。 25.前記光触媒前駆物質がガラス上でか焼されて光触媒作用による活性を有す る自浄式ガラスを形成することを特徴とする請求項17-20のいずれかに記載の自 浄式ガラス。 26.前記ガラスがソーダ石灰ガラスから成ることを特徴とする請求項17-20の いずれかに記載の自浄式ガラス。 27.前記3価、4価または5価の元素の酸化物の前駆物質が二酸化ジルコンの 前駆物質から成ることを特徴とする請求項19-20のいずれかに記載の自浄式ガラ ス。 28.前記3価、4価または5価の元素の酸化物の前駆物質が二酸化珪素の前駆 物質から成ることを特徴とする請求項19-20のいずれかに記載の自浄式ガラス。 29.前記光触媒前駆物質がチタン・テトラアルコキシドから成ることを特徴と する請求項17-20のいずれかに記載の自浄式ガラス。 30.前記光触媒前駆物質がチタン・テトラアルコキシドとアセチルアセトンの 錯体から成ることを特徴とする請求項17-20のいずれかに記載の自浄式ガラス。 31.前記障壁がガラスと光触媒前駆物質との反応生成物から成り、ガラスは前 駆物質と反応する前に食刻されて酸性ガラスを形成することを特徴とする請求項 17に記載の自浄式ガラス。
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