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JPH11348136A - 多層樹脂延伸フィルムの製造方法 - Google Patents

多層樹脂延伸フィルムの製造方法

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Publication number
JPH11348136A
JPH11348136A JP10155562A JP15556298A JPH11348136A JP H11348136 A JPH11348136 A JP H11348136A JP 10155562 A JP10155562 A JP 10155562A JP 15556298 A JP15556298 A JP 15556298A JP H11348136 A JPH11348136 A JP H11348136A
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JP
Japan
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layer
film
resin
stretched
fine powder
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Application number
JP10155562A
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English (en)
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JPH11348136A5 (ja
JP3841551B2 (ja
Inventor
Masatsuki Yamanaka
昌月 山中
Noriyoshi Chiba
徳美 千葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yupo Corp
Original Assignee
Yupo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Priority to JP15556298A priority Critical patent/JP3841551B2/ja
Application filed by Yupo Corp filed Critical Yupo Corp
Priority to CN99808806A priority patent/CN1125717C/zh
Priority to EP19990921172 priority patent/EP1097805B1/en
Priority to US09/700,795 priority patent/US6534150B1/en
Priority to PCT/JP1999/002605 priority patent/WO1999059813A1/ja
Priority to KR1020007012900A priority patent/KR20010043687A/ko
Priority to TW88108202A priority patent/TW426709B/zh
Publication of JPH11348136A publication Critical patent/JPH11348136A/ja
Publication of JPH11348136A5 publication Critical patent/JPH11348136A5/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】印刷適性、エンボス加工適性および裏打ち加工
適性に優れていて、表面強度が高い多層樹脂延伸フィル
ムの製造方法を提供すること。 【解決手段】熱可塑性樹脂40〜85重量%および無機
または有機微細粉末60〜15重量%を含有する基材層
(A)の表面に、前記基材層(A)の熱可塑性樹脂より
も融点が10℃以上低い熱可塑性樹脂30〜90重量
%、および前記基材層(A)の無機または有機微粒子よ
りも平均粒子径が小さい無機または有機微細粉末70〜
10重量%を含有する表面層(B)を形成し、前記表面
層(B)の熱可塑性樹脂の融点より5℃以上低い温度で
延伸する工程を含む多層樹脂延伸フィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷適性、エンボ
ス加工適性および裏打ち加工適性に優れていて、表面強
度が高い多層樹脂延伸フィルムの製造方法に関する。本
発明の製造方法によって製造される多層樹脂延伸フィル
ムは、微細空孔を有する建築装飾材をはじめとする様々
な用途に利用しうる。
【0002】
【従来の技術】印刷適性やエンボス加工適性に優れた熱
可塑性樹脂として、塩化ビニル樹脂や塩化ビニル・酢酸
ビニル共重合樹脂などの塩化ビニル系樹脂が知られてい
る。塩化ビニル系樹脂は、可塑剤による硬度調節が容易
でしかも安価であることから、産業上広く利用されてい
る。このため、建築装飾材に用いられる樹脂フィルムに
も、塩化ビニル系樹脂を主成分とするフィルムが多数使
用されている。しかしながら、塩化ビニル系樹脂は、廃
棄物処理時や火災時に塩素ガスや塩化水素ガスなどの有
害ガスを発生し、焼却炉の劣化や環境汚染を招くという
問題がある。また、可塑剤のブリーディングにより室内
が汚染されるという問題もあり、その使用は世界的に規
制される傾向にある。
【0003】これらの問題を解決するために、最近では
塩化ビニル系樹脂の代わりにポリオレフィン樹脂を用い
た材料の開発が活発に行われている。しかしながら、ポ
リオレフィン樹脂を用いた材料には、結晶性が有るとい
う欠点がある。また、延伸フィルムにする場合は、延伸
による分子の配向によりエンボスの掛かりが塩化ビニル
系フィルムに比べて悪くなるという問題もある。また、
グラビヤ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット輪転
印刷、水性フレキソ印刷等により絵柄を印刷するときに
は、インク密着性が悪く、多色印刷では絵柄のズレが起
こる等の欠点が指摘されている。
【0004】インク密着性を改善するために、一般にフ
ィルム表面にアンカー処理等が行われているが、生産コ
ストの上昇を招くため実用的とはいえない。また、例え
ばポリオレフィン系無延伸フィルムを用いて多色印刷を
行う場合は、印刷方向の抗張力が低いのでフィルムの張
力を低くして印刷しなければならず、フィルムの蛇行を
招いてしまう。また、このような蛇行を防止するため
に、フィルムの張力を上げるとフィルムが容易に伸びて
寸法変化を起こすために、1色目と2色目以降の印刷時
に絵柄がズレて高精細な印刷ができないという欠点もあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの従
来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とし
た。すなわち本発明は、表面強度が高く、エンボス加工
性に優れており、かつインク密着性も良好である多層樹
脂延伸フィルムの製造方法を提供することを解決すべき
課題とした。また本発明は、裏打ち加工適性に優れてい
て、建築装飾材などとして有効に利用することができる
安価な多層樹脂延伸フィルムの製造方法を提供すること
を解決すべき課題とした。さらに本発明は、環境汚染を
招くおそれがなく、廃棄物処理時に焼却炉を劣化させる
ことがない多層樹脂延伸フィルムの製造方法を提供する
ことを解決すべき課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を進めた結果、多層樹脂延伸フ
ィルムに使用する熱可塑性樹脂の融点と延伸温度を制御
することによって、本発明の目的にかなう優れた特性を
有する多層樹脂延伸フィルムを製造することができるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、熱可塑性樹脂40〜8
5重量%および無機または有機微細粉末60〜15重量
%を含有する基材層(A)の表面に、前記基材層(A)
の熱可塑性樹脂よりも融点が10℃以上低い熱可塑性樹
脂30〜90重量%、および前記基材層(A)の無機ま
たは有機微粒子よりも平均粒子径が小さい無機または有
機微細粉末70〜10重量%を含有する表面層(B)を
形成し、前記表面層(B)の熱可塑性樹脂の融点より5
℃以上低い温度で延伸する工程を含む多層樹脂延伸フィ
ルムの製造方法を提供するものである。
【0008】本発明の好ましい実施態様では、延伸を行
う前に、前記基材層(A)の裏面に熱可塑性樹脂30〜
70重量%および無機微細粉末70〜30重量%を含有
する裏面層(C)を形成する工程をさらに行う。また、
延伸を行った後に、表面層(B)にエンボス加工を施す
こともできる。延伸は一軸方向の延伸であるのが望まし
く、式(1)で計算される多層樹脂延伸フィルムの空孔
率が5〜60%の範囲内になる条件下で行うのが好まし
い。
【0009】
【数2】 ρ0・・・・・多層樹脂延伸フィルムの真密度 ρ1・・・・・多層樹脂延伸フィルムの密度
【0010】基材層(A)の無機または有機微細粉末の
平均粒子径は0.6〜3μmの範囲内、表面層(B)の
無機または有機微細粉末の平均粒子径は0.1〜2μm
の範囲内、裏面層(C)の無機または有機微細粉末の平
均粒子径は0.6〜3μmの範囲内に好ましく設定する
ことができる。また、裏面層(C)には表面を親水化処
理した無機微細粉末を使用するのが好ましい。基材層
(A)、表面層(B)および裏面層(C)の熱可塑性樹
脂として、ポリオレフィン系樹脂、オレフィン系熱可塑
性エラストマー、またはポリオレフィン系樹脂とオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーとの混合物を使用すること
ができる。ポリオレフィン系樹脂とオレフィン系熱可塑
性エラストマーとの混合物は、ポリオレフィン系樹脂1
00重量部に対してオレフィン系熱可塑性エラストマー
を5〜100重量部の割合で含有するものであるのが好
ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の実施形態
について詳細に説明する。本発明の多層樹脂延伸フィル
ムの製造方法は、基材層(A)の表面に表面層(B)を
形成する工程と、形成した積層体を延伸する工程を少な
くとも含む。
【0012】積層体形成工程 本発明の好ましい実施態様では、延伸工程の前に基材層
(A)の裏面に裏面層(C)を形成する。裏面層(C)
の形成は、基材層(A)に表面層(B)を形成する前で
あっても後であってもよい。また、場合によっては基材
層(A)の両面に表面層(B)と裏面層(C)を同時に
形成してもよい。本発明の製造方法で形成する基材層
(A)、表面層(B)および裏面層(C)は、それぞれ
熱可塑性樹脂および無機または有機微細粉末を含有す
る。
【0013】基材層(A)、表面層(B)および裏面層
(C)に使用する熱可塑性樹脂の種類は特に制限されな
い。例えば、ポリオレフィン系樹脂;ナイロン−6、ナ
イロン−6,6、ナイロン−6,T等のポリアミド系樹
脂;ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリ
ブチレンテレフタレートやその共重合体、脂肪族ポリエ
ステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂;ポリカーボネ
ート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティ
ックポリスチレン等を使用することができる。
【0014】中でも、非極性のポリオレフィン系樹脂を
用いることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂として
は、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘ
キセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1
−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等の炭素数2〜
8のα−オレフィンの単独重合体、およびこれらのαー
オレフィン2〜5種の共重合体が挙げられる。共重合体
は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
具体的には密度が0.89〜0.97g/cm、メル
トフローレート(190℃、2.16kg荷重)が1〜
10g/10分の分枝ポリエチレン、直鎖状ポリエチレ
ン;メルトフローレート(230℃、2.16kg荷
重)が0.2〜8g/10分のプロピレン単独重合体、
プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテ
ン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合
体、プロピレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、
プロピレン・3−メチル−1−ペンテン共重合体、ポリ
(1−ブテン)、ポリ(4ーメチル−1−ペンテン)、
プロピレン・エチレン・3−メチル−1−ペンテン共重
合体などが挙げられる。これらの中でもプロピレン単独
重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、高密
度ポリエチレンが、安価で成形加工性が良好であるため
好ましい。
【0015】基材層(A)、表面層(B)および裏面層
(C)には、熱可塑性樹脂として特に熱可塑性エラスト
マーを選択して使用することもできる。本明細書におい
て「熱可塑性エラストマー」とは、分子中に弾性を有す
るゴム成分(ソフトセグメント)と塑性変形を防止する
ための分子拘束成分(ハードセグメント)の両成分から
構成されていて、室温ではハードセグメントが加流ゴム
の加流点の働きをしてゴム的性質を示す一方、加熱する
ことによりハードセグメントが溶融して熱可塑性樹脂と
しての流動特性を示すものをいう。本明細書では、これ
以外の熱可塑性樹脂を「熱可塑性非エラストマー」と称
する。
【0016】熱可塑性エラストマーとしては、ソフトセ
グメントとハードセグメントの種類、分子量、配列等が
異なるものが多数知られている。例えば、スチレン系熱
可塑性エラストマーとしては、旭化成工業(株)製タフ
テック(商品名)、三菱化学(株)製ラバロン(商品
名)がある。オレフィン系熱可塑性エラストマーとして
は、三井石油化学工業(株)製ミラストマー(商品
名)、三菱化学(株)製サーモラン(商品名)がある。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、東レ・
デュポン(株)製ハイトレル(商品名)、東洋紡(株)
製ペルプレン(商品名)がある。その他にポリウレタン
系熱可塑性エラストマー等も知られている。
【0017】基材層(A)、表面層(B)および裏面層
(C)には、上記の熱可塑性樹脂の中から1種を選択し
てこれを単独で使用してもよいし、2種以上を選択して
組み合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせて
使用する場合には、熱可塑性非エラストマーと熱可塑性
エラストマーを混合して使用するのが好ましい。混合割
合は、熱可塑性非エラストマー100重量部に対して熱
可塑性エラストマーを5〜100重量部にするのが好ま
しい。特に熱可塑性エラストマーの配合量を基材層
(A)で5〜50重量部、表面層(B)で20〜100
重量部にすれば、基材層(A)の空孔量を表面層(B)
より多くしてエンボス適性、印刷適性および表面層
(B)の表面強度を良好にすることができるために好ま
しい。
【0018】基材層(A)、表面層(B)および裏面層
(C)には同一の熱可塑性樹脂を使用してもよいし、異
なる熱可塑性樹脂を使用してもよい。それぞれの層に求
められる特性に応じて、熱可塑性樹脂は適宜選択するこ
とができる。建築装飾材等として利用するために、特に
表面層(B)には各種の印刷が行われ、その後にエンボ
ス加工等の加工処理が施されることが多い。このため、
表面層(B)には各種印刷方式による高精細な印刷適性
や、エンボス加工時のインク脱落を防止しうるインク密
着強度が必要とされる。これらの要求に十分に応えるた
めに、表面層(B)には基材層(A)よりも融点が10
℃以上低い熱可塑性樹脂を使用する。なお、裏面層
(C)に使用する熱可塑性樹脂の融点は特に制限され
ず、基材層(A)または表面層(B)の熱可塑性樹脂の
融点と同じであってもよいし、またこれらの融点と異な
る融点であってもよい。
【0019】基材層(A)、表面層(B)および裏面層
(C)に使用する有機または無機微細粉末の種類は特に
制限されない。無機微細粉末としては、重質炭酸カルシ
ウム、軽質炭酸カルシウム、クレー、タルク、酸化チタ
ン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、珪藻
土、酸化珪素等を例示することができる。中でも重質炭
酸カルシウム、クレー、珪藻土を使用すれば、安価で延
伸時の空孔形成性がよいために好ましい。
【0020】有機微細粉末としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リスチレン、メラミン樹脂、ポリエチレンサルファイ
ト、ポリイミド、ポリエチルエーテルケトン、ポリフェ
ニレンサルファイト等を例示することができる。中で
も、使用する熱可塑性樹脂よりも融点が高くて非相溶性
の微細粉末を使用するのが空孔形成の点で好ましい。
【0021】基材層(A)、表面層(B)および裏面層
(C)には、上記の微細粉末の中から1種を選択してこ
れを単独で使用してもよいし、2種以上を選択して組み
合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせて使用
する場合には、有機微細粉末と無機微細粉末を混合して
使用してもよい。また、基材層(A)、表面層(B)お
よび裏面層(C)には同一の微細粉末を使用してもよい
し、異なる微細粉末を使用してもよい。ただし、基材層
(B)の微細粉末としては表面層(A)の微細粉末より
も平均粒子径が小さいものを選択する。このように平均
粒子径を調節することによって、延伸後の表面突起物が
減少して表面平滑性等がよくなり、その結果より高精細
な印刷が可能になる。
【0022】基材層(A)に使用する微細粉末の好まし
い平均粒子径の範囲は0.6〜3μmである。平均粒子
径を0.6μm以上にすれば延伸によってさらに十分な
空孔(ボイド)を形成することができる。また平均粒子
径を3μm以下にすれば空孔を適度な大きさに制御しフ
ィルムにしわが発生するのをより効果的に防止すること
ができる。表面層(B)に使用する微細粉末の好ましい
平均粒子径の範囲は0.1〜2μmである。平均粒子径
を上記範囲内にすることによって、表面に微細な亀裂を
形成させてインクの接着性を向上させ、印刷時の白抜け
をより有効に防ぐことができる。また、表面層(B)で
は、多層樹脂延伸フィルムの表面突起物の原因になる粒
径44μm以上の粗大粒子の含有量を10ppm以下に
しておくことが好ましい。
【0023】裏面層(C)に使用する微細粉末の好まし
い平均粒子径の範囲は、基材層(A)の微細粉末の場合
と同じ理由から0.6〜3μmである。ただ、裏面層
(C)には、表面を親水化処理した無機微細粉末を使用
するのが好ましい。親水化処理は、無機化合物を湿式粉
砕する際に平均分子量1,000〜150,000の水
溶性アニオンまたはカチオンないし非イオン系高分子界
面活性剤で処理することによって行うことができる。ま
た、無機化合物を湿式粉砕する際にアニオン、カチオン
または非イオン帯電防止剤で処理することによって行う
こともできる。これらの処理は2段階で両方とも行って
もよい。親水化処理した無機微細粉末の好ましい例とし
て、特開平7−300568号公報に記載されるものを
挙げることができる。
【0024】上記の2段階処理を平均粒子径0.6〜3
μmの無機微細粉末に施した親水化無機微細粉末を用い
れば、裏面層(C)の水に対する接触角(水接触角)を
好ましい範囲内に調節することができる。好ましい水接
触角の範囲は10〜80゜、より好ましい範囲は20〜
70゜である。水に対する接触角が10゜未満ではあま
りにも水の浸透速度が早くなり、水性糊を使った場合
は、糊成分自体が内部に多く浸透しすぎてしまう。この
ため、塗工すべき糊の量が多くなって生産コストが高く
なってしまう。また、接触角が80゜を越えると水の浸
透速度が遅くて糊の乾燥性が遅くなるため、生産性が低
下し生産コストが高くなってしまう。さらには接着剤成
分自体の浸透が少ないために接着剤と多層樹脂延伸フィ
ルムとの接着性も低下してしまう。なお、本明細書にお
ける水接触角は、接触角計(協和界面化学(株)製、型
式CA−D)を用いて測定したものを示す。
【0025】このように、裏面層(C)に親水化処理さ
れた無機微細粉末を使用し、水との濡れ性を向上させる
ことによって、裏面層(C)への水系接着剤等の吸着性
や乾燥性が良好になる。また、帯電防止剤で処理した無
機微細粉末を使用することによって、裏面層(C)に帯
電防止性を付与することもできる。したがって、裏打ち
等の接着剤や粘着剤等の塗工時における帯電障害がな
く、かつ乾燥性に優れるとともに接着性にも優れた多層
樹脂延伸フィルムを得ることができる。
【0026】本発明の製造方法では、上記熱可塑性樹脂
と上記微細粉末を混合して各層を形成する。基材層
(A)では、熱可塑性樹脂を40〜85重量%、無機ま
たは有機微細粉末を60〜15重量%配合する。微細粉
末の量が60重量%を超えると厚さが均一な多層樹脂延
伸フィルムを形成することが困難になり、15重量%未
満では延伸により形成される空孔の量が少ないためエン
ボス適性が悪くなってしまう。
【0027】表面層(B)では、熱可塑性樹脂を30〜
90重量%、無機または有機微細粉末を70〜10重量
%配合する。微細粉末の量が70重量%を超えると、均
一に延伸することが困難になり、製造される多層樹脂延
伸フィルムの表面膜に裂け目が生じやすくなって実用性
がなくなる。また、微細粉末の量が10重量%未満で
は、インク密着性が悪くなってしまう。裏面層(C)で
は、熱可塑性樹脂を30〜70重量%、無機または有機
微細粉末を70〜30重量%配合する。微細粉末の量が
70重量%を超えると厚さが均一な多層樹脂延伸フィル
ムを形成することが困難になる。また、特に親水化処理
した無機微細粉末は親水性発現のために10重量%以上
使用するのが好ましい。
【0028】微細粉末を熱可塑性樹脂中に配合混練する
際に、必要に応じて分散剤、酸化防止剤、相溶化剤、難
燃剤、紫外線安定剤、着色顔料等を添加することができ
る。特に基材層(A)および表面層(B)には無機また
は有機の着色顔料を使用して所望の色に着色することが
好ましい。また、多層樹脂延伸フィルムを耐久資材とし
て使用する場合には、酸化防止剤や紫外線安定剤等を添
加しておくのが好ましい。さらに、有機微細粉末を使用
する場合は、相溶化剤の種類や添加量が有機微細粉末の
粒子形態を決定することから重要である。好ましい相溶
化剤として、マレイン酸変性ポリプロピレン(三洋化成
工業(株)製、商品名ユーメックス)を例示することが
できる。また、相溶化剤の添加量は、有機微細粉末10
0重量部に対して0.5〜10重量部にするのが好まし
い。
【0029】熱可塑性樹脂、微細粉末およびその他の添
加成分を含有する配合物を用いて、積層体を調製する。
調製する積層体の各層の厚さは、表面層(B)/基材層
(A)/裏面層(C)=(1〜3)/(8〜4)/(1
〜3)になるように調製するのが好ましい。各層の厚さ
をこの範囲に設定することによって、表面強度、印刷適
性、エンボス加工性、エンボス戻りが良好な多層樹脂延
伸フィルムにすることができる。基材層(A)の厚み構
成が4以下になるとエンボスの掛かりが悪くなるので好
ましくない。
【0030】延伸工程 基材層(A)、表面層(B)および裏面層(C)の少な
くとも3層を含む積層体は次に延伸工程に付する。3層
をまとめて延伸する本発明によれば、3層をそれぞれ別
個に延伸して積層する場合に比べて簡便で安く多層樹脂
延伸フィルムを製造することができる。また、本発明の
製造方法によれば、基材層(A)と表面層(B)に形成
される空孔の制御もより容易になる。特に基材層(A)
には延伸により表面層(B)よりも多くの空孔が形成さ
れるように制御し、基材層(A)がエンボス適性を改善
しうる層として有効に機能させることが好ましい。
【0031】延伸には、公知の種々の方法を使用するこ
とができる。延伸の温度は、非結晶樹脂の場合は使用す
る熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上、結晶性樹脂の
場合には非結晶部分のガラス転移点温度以上から結晶部
の融点以下に設定することができる。延伸温度は、表面
層(B)の熱可塑性樹脂の融点より5℃以上低く、基材
層(A)の熱可塑性樹脂の融点より15℃以上低い温度
にする。このように温度を設定しなければ、特にロール
間延伸を行う場合はロール表面にシートが貼り付き、多
層樹脂延伸フィルム表面に貼り付き模様が出てしまう。
また、表面層(B)に形成される亀裂が少なくなるので
インク密着性が低下してしまう。
【0032】延伸の具体的な方法としては、ロール群の
周速差を利用したロール間延伸、テンターオーブンを利
用したクリップ延伸などを挙げることができる。中でも
1軸方向のロール延伸によれば、延伸倍率を任意に調節
することができ、形成される空孔の大きさや個数をコン
トロールすることができるために好ましい。特に全層を
1軸延伸することによって、フットボール状の空孔や亀
裂が形成されるため、2軸延伸よりも微細な空孔を数多
く形成させることができる。また、フィルムの流れ方向
に樹脂の延伸配向がなされるため、無延伸フィルムに比
べて高抗張力でかつ印刷時や加工時の張力による寸法変
化が小さい多層樹脂延伸フィルムを得ることができる。
さらに、2軸延伸に比べると樹脂の配向が少ないので、
エンボス戻りに対する抵抗性が良好な多層樹脂延伸フィ
ルムを得ることができる。
【0033】延伸倍率は特に限定されず、多層樹脂延伸
フィルムの使用目的と用いる熱可塑性樹脂の特性等を考
慮して適宜決定する。例えば、熱可塑性樹脂としてプロ
ピレン単独重合体ないしはその共重合体を使用するとき
には、一方向に延伸する場合は約1.2〜12倍、好ま
しくは2〜7倍にする。さらに、必要に応じて高温での
熱処理を施す。延伸速度は20〜350m/分であるの
が好ましい。
【0034】製造された多層樹脂延伸フィルムは、微細
な空孔を有する多孔性構造を有しており、上記式(1)
で計算される空孔率が5〜60%の範囲内であるのが好
ましい。空孔率が5%未満であるとエンボスのかかりが
悪くなる傾向にある。また、空孔率が60%を超える
と、フィルムの材料強度が低下して、セロテープ等によ
って表面破壊が起きやすくなる傾向にある。また、各層
の空孔率は、裏面層(B)<基材層(A)<表面層
(C)の関係を満足するのが好ましい。いかなる理論に
も拘泥されるものではないが、このような空孔率に関す
る条件を満足することによって、エンボス加工の際に起
こる樹脂部分の熱変形の吸収が可能になり、エンボス加
工性や戻り抵抗が良好になるものと考えられる。また、
表面層(B)には微細な亀裂が形成されるので、印刷適
性が良好になる。
【0035】式(1)のρ0は多層樹脂延伸フィルムま
たは各層の真密度を表わし、ρ1は多層樹脂延伸フィル
ムまたは各層の密度を表わす。延伸前の材料が多量の空
気を含有するものでない限り、真密度は延伸前の密度に
ほぼ等しい。多層樹脂延伸フィルムの密度は、0.60
〜1.20g/cmの範囲内であるのが好ましい。
【0036】本発明の製造方法によって製造される多層
樹脂延伸フィルムは、そのまま使用に供してもよいし、
さらに別の熱可塑性フィルム等に積層して使用してもよ
い。さらに積層する場合には、例えばポリエステルフィ
ルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルム等
の透明または不透明なフィルムに積層することができ
る。多層樹脂延伸フィルムの厚さは特に制限されない。
例えば、30〜400μm、好ましくは60〜200μ
mに調製することができる。また、上述のように他のフ
ィルムと積層することによって全体の厚さを1mm程度
にすることもできる。
【0037】製造される多層樹脂延伸フィルムは、様々
な用途に供することができる。例えば、建築装飾用の壁
紙、化粧合板用化粧紙、床材、自動車の内装材、粘着加
工を施したタックラベル等に有用である。
【0038】多層樹脂延伸フィルムの表面層(B)に
は、使用目的に応じて印刷を行うことができる。印刷の
種類や方法は特に制限されない。例えば、公知のビヒク
ルに顔料を分散したインクを用いたグラビヤ印刷、水性
フレキソ、シルクスクリーン、UVオフセット輪転等の
印刷等の公知の印刷手段を用いて印刷することができ
る。また、金属蒸着や、グロス印刷、マット印刷等によ
り印刷することもできる。印刷する絵柄は、石目、木
目、格子、水玉、花柄等の天然物柄、抽象柄、キャラク
ター等から適宜選択することができる。
【0039】多層樹脂延伸フィルムにはエンボス加工を
施すことができる。エンボス加工は、印刷を行った後に
行うのが一般的であるが、エンボス加工後にさらに印刷
を行っても構わない。エンボス加工は、例えば、平版プ
レス機、ロールエンボス機等公知の各種プレス、エンボ
ス機を用いて熱や圧力によりエンボス版の凹凸形状を賦
形することによって行うことができる。ロールエンボス
法は円筒状のエンボス版の凹凸形状を対象材料に熱圧で
賦形する方法である。熱圧賦形は、多層樹脂延伸フィル
ムの表面層(B)に使用している樹脂の熱変形温度と溶
融温度の間に加熱して、エンボス版を該多層樹脂延伸フ
ィルムの表面に押圧して賦形した後、冷却して形状を固
定することによって行う。加熱方法としては、例えば赤
外線照射、温風吹付け、加熱ローラーからの伝導熱、誘
電加熱等の方法が用いられる。なお、エンボスの賦形
は、エンボス機を用いずに、延伸前、延伸後のいずれに
おいてもフィルム成形と同時に行うこともできる。
【0040】多層樹脂延伸フィルムを化粧合板として用
いる場合には、エンボス形成後にワイピングを施して凹
部内にワイピングインクを充填することによって意匠性
を向上させることができる。特に木目の導管部の外観を
再現する場合には好適である。
【0041】また、最外層には透明な樹脂層からなる表
面保護層を形成するのが望ましい。表面保護層は表面層
を保護するとともに、下層の絵柄やエンボス等の意匠に
立体感を付与する機能も有する。したがって、多層樹脂
延伸フィルムを化粧板や壁紙として使用する場合に表面
保護層は特に有用である。表面保護層は塗工または貼合
により形成することができる。表面物性をさらに向上さ
せるためには耐候性、耐摩耗性、耐汚染性等の表面物性
の優れた無色透明または着色透明の樹脂を用いるのが好
ましい。このような樹脂として好ましいのは、例えば各
種アクリレート、ポリエステル等から電離放射線硬化性
樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル等の2液硬化
型樹脂、フッ素樹脂、ポリシロキサン系樹脂等である。
この表面保護層には、公知の抗菌剤、防カビ剤、香料等
を配合してもよい。
【0042】各種の印刷やエンボス加工が施された多層
樹脂延伸フィルムの裏面には、他の素材を貼合せること
ができる。例えば壁紙または床材として使用する場合
は、裏打ち紙等を貼合せることができる。裏打ちに使用
される素材は特に限定されず、例えば薄葉紙、クラフト
紙等の紙、ガラス繊維、炭素繊維等の無機質繊維、織
布、不織布、樹脂フィルムまたはシート、金属箔、木質
材料などの単体、或いは、上記の材料を接着や熱融着な
どの公知の手段で積層した複合材料を用いることができ
る。
【0043】また、多層樹脂延伸フィルムを鉄板やアル
ミニウム板等の金属板上に接着剤や熱融着等を用いて積
層することによって板状素材で裏打ちした樹脂化粧板を
製造することもできる。また、多層樹脂延伸フィルムを
各種木質合板上に接着剤で積層することによって樹脂化
粧合板を製造することもできる。さらに裏打ちに粘着剤
層、或いは該粘着剤層と離型シートとを積層形成して、
タックシール形式の壁紙を製造することもできる。
【0044】
【実施例】以下に実施例、比較例および試験例を記載し
て、本発明をさらに具体的に説明する。以下に示す材
料、使用量、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱し
ない限り適宜変更することができる。したがって、本発
明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではな
い。使用する材料を以下の表にまとめて示す。なお、表
中のMFRはメルトフローレートを意味する。
【0045】
【表1】
【0046】(実施例および比較例)以下の手順にした
がって、本発明の多層樹脂延伸フィルムの製造方法(実
施例1〜5)および比較用の製造方法(比較例1〜3)
を実施し、さらにこれらの方法により製造したフィルム
を用いて壁紙を製造した。表2に、各フィルムの製造に
あたって使用した材料の種類と量、延伸条件、および製
造したフィルムの状態をまとめて示した。熱可塑性樹
脂、エラストマーおよび微細粉末を混合することによっ
て、配合物[A]、[B]および[C]を調製した。こ
れらの配合物を250℃に設定された3台の押出機でそ
れぞれ溶融混練し、ダイ内で配合物[A]の表面側に配
合物[B]、裏面側に配合物[C]を積層して押出成形
し、冷却装置にて70℃まで冷却して、3層の無延伸シ
ートを得た。このシートを所定温度に加熱した後、縦方
向にロール間で所定倍率で延伸した。次いで、得られた
延伸フィルムの両面に放電処理機(春日電機(株)製)
を用いて50W/m・分のコロナ処理を行って3層構
造の多層樹脂延伸フィルムを得た。得られた多層樹脂延
伸フィルムの各層の空孔率、全体の空孔率、厚さおよび
密度は表2に示すとおりであった。
【0047】次いで、多層樹脂延伸フィルムの表面層
(B)に花柄のグラビヤ印刷(インク:東洋インク
(株)製:商品名「CCST」)を施した後、100℃
に加熱したエンボスロールにて絹目柄のエンボス加工を
行った。さらにその表面にUV硬化型樹脂(大日精化
製)を3g/mとなるように塗工し、高圧水銀灯(8
0W、10m/分)を2回照射した。さらに多層樹脂延
伸フィルムの裏面層(C)には水溶性の澱粉系糊を5g
/mとなるようにロールコーターを用いて塗工し、8
0℃に設定された乾燥機中で乾燥処理を行った後、離型
紙を裏打ちして壁紙を製造した。
【0048】
【表2】
【0049】(試験例)製造した多層樹脂延伸フィルム
および壁紙について、以下の試験と評価を行った。
【0050】1)エンボス加工性(掛かり) 壁紙の表面に形成されているエンボスの凹凸を肉眼で観
察し、下記の基準により評価した。 ○:立体感があり且つシャープさもある △:ややシャープさに欠けるが立体感があり、実用上は
問題ない ×:深さもシャープさも欠ける。実用上使用できない
【0051】2)エンボス戻り抵抗 壁紙の裏打ち紙を除去して澱粉糊の塗工面に刷毛で水を
適量塗り、空気が入らないように合板の表面に張りつけ
て壁板を得た。直ちにこの壁板2枚を壁紙の貼られた面
同士が接触するように重ねて、60℃の乾燥機中で30
0kg/mの加圧を3分行った。その後、壁板を取り
出してエンボスの状態変化を肉眼で観察し、下記の基準
により評価した ◎:変化無し ○:わずかに立体感が減少しているが、実用上は問題な
い △:立体感に欠け、明らかにエンボスの戻りがみられ
て、実用上問題がある ×:殆どエンボスが無くなっており、実用上使用できな
【0052】3)表面層(B)のインク密着性 グラビヤ印刷されている壁紙表面に粘着テープ(ニチバ
ン(株)製:商品名「セロテープ」)を貼り付けて十分
に押しつけた後、粘着テープを粘着面に対して90度の
方向に一定の速度で引き剥がした。壁紙表面からのイン
クの取られ方を肉眼で観察し、下記の基準により評価し
た ◎:全くインクが剥がれていない ○:フィルムの材料部分が破壊されているが、実用上は
問題ない △:テープ剥離時に抵抗があるがインクの殆どが剥が
れ、実用上問題がある X:テープ剥離時に抵抗がなくインク全量が剥がれて、
実用上使用できない
【0053】4)表面層(B)の表面強度 多層樹脂延伸フィルムの表面層(B)に粘着テープ(ニ
チバン(株)製:商品名「セロテープ」)を貼り付け十
分に指で押しつけた後、引張り試験機((株)島津製作
所製:商品名「オートグラフ」)で粘着テープを100
0mm/分の速度で剥離した。剥離後の表面層(B)の
状態変化を肉眼で観察し、下記の基準により評価した ◎:変化無し ○:極わずかに表面が毛羽立つが、実用上は問題ない △:表面の毛羽立ちが多く、実用上問題がある ×:フィルムの層内から剥離が起こり、実用上使用でき
ない
【0054】5)裏面層(C)の水接触角 多層樹脂延伸フィルムの裏面層(C)の接触角を、イオ
ン交換水を用いて接触角計(協和界面化学(株)製:型
式CA−D)により求めた。
【0055】6)裏面層(C)の糊乾燥性 多層樹脂延伸フィルムの裏面層(C)に澱粉糊(常磐化
学製)を固形分が5g/mになるようにロッドバーを
用いて塗工し、塗工した澱粉糊が表面光沢変化を起こす
までの時間を測定した。
【0056】7)裏面層(C)の糊密着性 6)の澱粉糊の乾燥塗工面に粘着テープ(ニチバン
(株)製:商品名「セロテープ」)を貼り付け、十分に
押しつけた後、粘着テープを粘着面に対して90度の方
向に一定の速度で引き剥がした。糊の取られ方を肉眼で
観察し、下記の基準により評価した。 ◎:糊が凝集破壊されている ○:フィルムの材料部分が破壊される △:テープ剥離時に抵抗があるが糊が裏面層(C)から
部分的に剥がれ、実用上問題がある X:テープ剥離時に抵抗がなく糊全量が裏面層(C)よ
り剥がれ、実用上使用できない
【0057】上記各試験の結果を以下の表にまとめて示
す。なお、表中には、表面層(B)の熱可塑性樹脂の融
点と延伸温度との差(温度差X)および基材層(A)の
熱可塑性樹脂の融点と表面層(B)の熱可塑性樹脂の融
点との差(温度差Y)についても併せて記載した。
【表3】
【0058】表3から明らかなように、本発明の製造方
法によって製造した多層樹脂延伸フィルムは、エンボス
加工性、エンボス戻り抵抗、表面層(B)のインク密着
性および表面強度、裏面層(C)の水接触角、糊乾燥性
および糊密着性のすべてが良好である(実施例1〜
5)。これに対して、表面層(B)の熱可塑性樹脂の融
点より5℃以上低いという条件を満足しない温度で延伸
を行った場合や、延伸そのものを行わなかった場合は、
製造したフィルムの特性が劣っており実用性がない。
【0059】
【発明の効果】本発明の多層樹脂延伸フィルムの製造方
法を用いれば、印刷適性、エンボス加工適性および裏打
ち加工適性が優れていて、表面強度も高い優れた多層樹
脂延伸フィルムを提供することができる。このため、本
発明によれば、建築装飾材をはじめとするさまざまな用
途に供し得る多層樹脂延伸フィルムを有効に製造するこ
とができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年7月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 多層樹脂延伸フィルムの製造方法
【特許請求の範囲】
【数1】 ρ0・・・・・多層樹脂延伸フィルムの真密度 ρ1・・・・・多層樹脂延伸フィルムの密度
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷適性、エンボ
ス加工適性および裏打ち加工適性に優れていて、表面強
度が高い多層樹脂延伸フィルムの製造方法に関する。本
発明の製造方法によって製造される多層樹脂延伸フィル
ムは、微細空孔を有する建築装飾材をはじめとする様々
な用途に利用しうる。
【0002】
【従来の技術】印刷適性やエンボス加工適性に優れた熱
可塑性樹脂として、塩化ビニル樹脂や塩化ビニル・酢酸
ビニル共重合樹脂などの塩化ビニル系樹脂が知られてい
る。塩化ビニル系樹脂は、可塑剤による硬度調節が容易
でしかも安価であることから、産業上広く利用されてい
る。このため、建築装飾材に用いられる樹脂フィルムに
も、塩化ビニル系樹脂を主成分とするフィルムが多数使
用されている。しかしながら、塩化ビニル系樹脂は、廃
棄物処理時や火災時に塩素ガスや塩化水素ガスなどの有
害ガスを発生し、焼却炉の劣化や環境汚染を招くという
問題がある。また、可塑剤のブリーディングにより室内
が汚染されるという問題もあり、その使用は世界的に規
制される傾向にある。
【0003】これらの問題を解決するために、最近では
塩化ビニル系樹脂の代わりにポリオレフィン樹脂を用い
た材料の開発が活発に行われている。しかしながら、ポ
リオレフィン樹脂を用いた材料には、結晶性が有るとい
う欠点がある。また、延伸フィルムにする場合は、延伸
による分子の配向によりエンボスの掛かりが塩化ビニル
系フィルムに比べて悪くなるという問題もある。また、
グラビヤ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット輪転
印刷、水性フレキソ印刷等により絵柄を印刷するときに
は、インク密着性が悪く、多色印刷では絵柄のズレが起
こる等の欠点が指摘されている。
【0004】インク密着性を改善するために、一般にフ
ィルム表面にアンカー処理等が行われているが、生産コ
ストの上昇を招くため実用的とはいえない。また、例え
ばポリオレフィン系無延伸フィルムを用いて多色印刷を
行う場合は、印刷方向の抗張力が低いのでフィルムの張
力を低くして印刷しなければならず、フィルムの蛇行を
招いてしまう。また、このような蛇行を防止するため
に、フィルムの張力を上げるとフィルムが容易に伸びて
寸法変化を起こすために、1色目と2色目以降の印刷時
に絵柄がズレて高精細な印刷ができないという欠点もあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの従
来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とし
た。すなわち本発明は、表面強度が高く、エンボス加工
性に優れており、かつインク密着性も良好である多層樹
脂延伸フィルムの製造方法を提供することを解決すべき
課題とした。また本発明は、裏打ち加工適性に優れてい
て、建築装飾材などとして有効に利用することができる
安価な多層樹脂延伸フィルムの製造方法を提供すること
を解決すべき課題とした。さらに本発明は、環境汚染を
招くおそれがなく、廃棄物処理時に焼却炉を劣化させる
ことがない多層樹脂延伸フィルムの製造方法を提供する
ことを解決すべき課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を進めた結果、多層樹脂延伸フ
ィルムに使用する熱可塑性樹脂の融点と延伸温度を制御
することによって、本発明の目的にかなう優れた特性を
有する多層樹脂延伸フィルムを製造することができるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、熱可塑性樹脂40〜8
5重量%および無機または有機微細粉末60〜15重量
%を含有する基材層(A)の表面に、前記基材層(A)
の熱可塑性樹脂よりも融点が10℃以上低い熱可塑性樹
脂30〜90重量%、および前記基材層(A)の無機ま
たは有機微粒子よりも平均粒子径が小さい無機または有
機微細粉末70〜10重量%を含有する表面層(B)を
形成し、前記表面層(B)の熱可塑性樹脂の融点より5
℃以上低い温度で延伸する工程を含む多層樹脂延伸フィ
ルムの製造方法を提供するものである。
【0008】本発明の好ましい実施態様では、延伸を行
う前に、前記基材層(A)の裏面に熱可塑性樹脂30〜
70重量%および無機微細粉末70〜30重量%を含有
する裏面層(C)を形成する工程をさらに行う。また、
延伸を行った後に、表面層(B)にエンボス加工を施す
こともできる。延伸は一軸方向の延伸であるのが望まし
く、式(1)で計算される多層樹脂延伸フィルムの空孔
率が5〜60%の範囲内になる条件下で行うのが好まし
い。
【0009】
【数2】 ρ0・・・・・多層樹脂延伸フィルムの真密度 ρ1・・・・・多層樹脂延伸フィルムの密度
【0010】基材層(A)の無機または有機微細粉末の
平均粒子径は0.6〜3μmの範囲内、表面層(B)の
無機または有機微細粉末の平均粒子径は0.1〜2μm
の範囲内、裏面層(C)の無機または有機微細粉末の平
均粒子径は0.6〜3μmの範囲内に好ましく設定する
ことができる。また、裏面層(C)には表面を親水化処
理した無機微細粉末を使用するのが好ましい。基材層
(A)、表面層(B)および裏面層(C)の熱可塑性樹
脂として、ポリオレフィン系樹脂、オレフィン系熱可塑
性エラストマー、またはポリオレフィン系樹脂とオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーとの混合物を使用すること
ができる。ポリオレフィン系樹脂とオレフィン系熱可塑
性エラストマーとの混合物は、ポリオレフィン系樹脂1
00重量部に対してオレフィン系熱可塑性エラストマー
を5〜100重量部の割合で含有するものであるのが好
ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の実施形態
について詳細に説明する。本発明の多層樹脂延伸フィル
ムの製造方法は、基材層(A)の表面に表面層(B)を
形成する工程と、形成した積層体を延伸する工程を少な
くとも含む。
【0012】積層体形成工程 本発明の好ましい実施態様では、延伸工程の前に基材層
(A)の裏面に裏面層(C)を形成する。裏面層(C)
の形成は、基材層(A)に表面層(B)を形成する前で
あっても後であってもよい。また、場合によっては基材
層(A)の両面に表面層(B)と裏面層(C)を同時に
形成してもよい。本発明の製造方法で形成する基材層
(A)、表面層(B)および裏面層(C)は、それぞれ
熱可塑性樹脂および無機または有機微細粉末を含有す
る。
【0013】基材層(A)、表面層(B)および裏面層
(C)に使用する熱可塑性樹脂の種類は特に制限されな
い。例えば、ポリオレフィン系樹脂;ナイロン−6、ナ
イロン−6,6、ナイロン−6,T等のポリアミド系樹
脂;ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリ
ブチレンテレフタレートやその共重合体、脂肪族ポリエ
ステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂;ポリカーボネ
ート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティ
ックポリスチレン等を使用することができる。
【0014】中でも、非極性のポリオレフィン系樹脂を
用いることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂として
は、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘ
キセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1
−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等の炭素数2〜
8のα−オレフィンの単独重合体、およびこれらのαー
オレフィン2〜5種の共重合体が挙げられる。共重合体
は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
具体的には密度が0.89〜0.97g/cm、メル
トフローレート(190℃、2.16kg荷重)が1〜
10g/10分の分枝ポリエチレン、直鎖状ポリエチレ
ン;メルトフローレート(230℃、2.16kg荷
重)が0.2〜8g/10分のプロピレン単独重合体、
プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテ
ン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合
体、プロピレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、
プロピレン・3−メチル−1−ペンテン共重合体、ポリ
(1−ブテン)、ポリ(4ーメチル−1−ペンテン)、
プロピレン・エチレン・3−メチル−1−ペンテン共重
合体などが挙げられる。これらの中でもプロピレン単独
重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、高密
度ポリエチレンが、安価で成形加工性が良好であるため
好ましい。
【0015】基材層(A)、表面層(B)および裏面層
(C)には、熱可塑性樹脂として特に熱可塑性エラスト
マーを選択して使用することもできる。本明細書におい
て「熱可塑性エラストマー」とは、分子中に弾性を有す
るゴム成分(ソフトセグメント)と塑性変形を防止する
ための分子拘束成分(ハードセグメント)の両成分から
構成されていて、室温ではハードセグメントが加流ゴム
の加流点の働きをしてゴム的性質を示す一方、加熱する
ことによりハードセグメントが溶融して熱可塑性樹脂と
しての流動特性を示すものをいう。本明細書では、これ
以外の熱可塑性樹脂を「熱可塑性非エラストマー」と称
する。
【0016】熱可塑性エラストマーとしては、ソフトセ
グメントとハードセグメントの種類、分子量、配列等が
異なるものが多数知られている。例えば、スチレン系熱
可塑性エラストマーとしては、旭化成工業(株)製タフ
テック(商品名)、三菱化学(株)製ラバロン(商品
名)がある。オレフィン系熱可塑性エラストマーとして
は、三井石油化学工業(株)製ミラストマー(商品
名)、三菱化学(株)製サーモラン(商品名)がある。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、東レ・
デュポン(株)製ハイトレル(商品名)、東洋紡(株)
製ペルプレン(商品名)がある。その他にポリウレタン
系熱可塑性エラストマー等も知られている。
【0017】基材層(A)、表面層(B)および裏面層
(C)には、上記の熱可塑性樹脂の中から1種を選択し
てこれを単独で使用してもよいし、2種以上を選択して
組み合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせて
使用する場合には、熱可塑性非エラストマーと熱可塑性
エラストマーを混合して使用するのが好ましい。混合割
合は、熱可塑性非エラストマー100重量部に対して熱
可塑性エラストマーを5〜100重量部にするのが好ま
しい。特に熱可塑性エラストマーの配合量を基材層
(A)で5〜50重量部、表面層(B)で20〜100
重量部にすれば、基材層(A)の空孔量を表面層(B)
より多くしてエンボス適性、印刷適性および表面層
(B)の表面強度を良好にすることができるために好ま
しい。
【0018】基材層(A)、表面層(B)および裏面層
(C)には同一の熱可塑性樹脂を使用してもよいし、異
なる熱可塑性樹脂を使用してもよい。それぞれの層に求
められる特性に応じて、熱可塑性樹脂は適宜選択するこ
とができる。建築装飾材等として利用するために、特に
表面層(B)には各種の印刷が行われ、その後にエンボ
ス加工等の加工処理が施されることが多い。このため、
表面層(B)には各種印刷方式による高精細な印刷適性
や、エンボス加工時のインク脱落を防止しうるインク密
着強度が必要とされる。これらの要求に十分に応えるた
めに、表面層(B)には基材層(A)よりも融点が10
℃以上低い熱可塑性樹脂を使用する。なお、裏面層
(C)に使用する熱可塑性樹脂の融点は特に制限され
ず、基材層(A)または表面層(B)の熱可塑性樹脂の
融点と同じであってもよいし、またこれらの融点と異な
る融点であってもよい。
【0019】基材層(A)、表面層(B)および裏面層
(C)に使用する有機または無機微細粉末の種類は特に
制限されない。無機微細粉末としては、重質炭酸カルシ
ウム、軽質炭酸カルシウム、クレー、タルク、酸化チタ
ン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、珪藻
土、酸化珪素等を例示することができる。中でも重質炭
酸カルシウム、クレー、珪藻土を使用すれば、安価で延
伸時の空孔形成性がよいために好ましい。
【0020】有機微細粉末としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リスチレン、メラミン樹脂、ポリエチレンサルファイ
ト、ポリイミド、ポリエチルエーテルケトン、ポリフェ
ニレンサルファイト等を例示することができる。中で
も、使用する熱可塑性樹脂よりも融点が高くて非相溶性
の微細粉末を使用するのが空孔形成の点で好ましい。
【0021】基材層(A)、表面層(B)および裏面層
(C)には、上記の微細粉末の中から1種を選択してこ
れを単独で使用してもよいし、2種以上を選択して組み
合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせて使用
する場合には、有機微細粉末と無機微細粉末を混合して
使用してもよい。また、基材層(A)、表面層(B)お
よび裏面層(C)には同一の微細粉末を使用してもよい
し、異なる微細粉末を使用してもよい。ただし、表面層
(B)の微細粉末としては基材層(A)の微細粉末より
も平均粒子径が小さいものを選択する。このように平均
粒子径を調節することによって、延伸後の表面突起物が
減少して表面平滑性等がよくなり、その結果より高精細
な印刷が可能になる。
【0022】基材層(A)に使用する微細粉末の好まし
い平均粒子径の範囲は0.6〜3μmである。平均粒子
径を0.6μm以上にすれば延伸によってさらに十分な
空孔(ボイド)を形成することができる。また平均粒子
径を3μm以下にすれば空孔を適度な大きさに制御しフ
ィルムにしわが発生するのをより効果的に防止すること
ができる。表面層(B)に使用する微細粉末の好ましい
平均粒子径の範囲は0.1〜2μmである。平均粒子径
を上記範囲内にすることによって、表面に微細な亀裂を
形成させてインクの接着性を向上させ、印刷時の白抜け
をより有効に防ぐことができる。また、表面層(B)で
は、多層樹脂延伸フィルムの表面突起物の原因になる粒
径44μm以上の粗大粒子の含有量を10ppm以下に
しておくことが好ましい。
【0023】裏面層(C)に使用する微細粉末の好まし
い平均粒子径の範囲は、基材層(A)の微細粉末の場合
と同じ理由から0.6〜3μmである。ただ、裏面層
(C)には、表面を親水化処理した無機微細粉末を使用
するのが好ましい。親水化処理は、無機化合物を湿式粉
砕する際に平均分子量1,000〜150,000の水
溶性アニオンまたはカチオンないし非イオン系高分子界
面活性剤で処理することによって行うことができる。ま
た、無機化合物を湿式粉砕する際にアニオン、カチオン
または非イオン帯電防止剤で処理することによって行う
こともできる。これらの処理は2段階で両方とも行って
もよい。親水化処理した無機微細粉末の好ましい例とし
て、特開平7−300568号公報に記載されるものを
挙げることができる。
【0024】上記の2段階処理を平均粒子径0.6〜3
μmの無機微細粉末に施した親水化無機微細粉末を用い
れば、裏面層(C)の水に対する接触角(水接触角)を
好ましい範囲内に調節することができる。好ましい水接
触角の範囲は10〜80゜、より好ましい範囲は20〜
70゜である。水に対する接触角が10゜未満ではあま
りにも水の浸透速度が早くなり、水性糊を使った場合
は、糊成分自体が内部に多く浸透しすぎてしまう。この
ため、塗工すべき糊の量が多くなって生産コストが高く
なってしまう。また、接触角が80゜を越えると水の浸
透速度が遅くて糊の乾燥性が遅くなるため、生産性が低
下し生産コストが高くなってしまう。さらには接着剤成
分自体の浸透が少ないために接着剤と多層樹脂延伸フィ
ルムとの接着性も低下してしまう。なお、本明細書にお
ける水接触角は、接触角計(協和界面化学(株)製、型
式CA−D)を用いて測定したものを示す。
【0025】このように、裏面層(C)に親水化処理さ
れた無機微細粉末を使用し、水との濡れ性を向上させる
ことによって、裏面層(C)への水系接着剤等の吸着性
や乾燥性が良好になる。また、帯電防止剤で処理した無
機微細粉末を使用することによって、裏面層(C)に帯
電防止性を付与することもできる。したがって、裏打ち
等の接着剤や粘着剤等の塗工時における帯電障害がな
く、かつ乾燥性に優れるとともに接着性にも優れた多層
樹脂延伸フィルムを得ることができる。
【0026】本発明の製造方法では、上記熱可塑性樹脂
と上記微細粉末を混合して各層を形成する。基材層
(A)では、熱可塑性樹脂を40〜85重量%、無機ま
たは有機微細粉末を60〜15重量%配合する。微細粉
末の量が60重量%を超えると厚さが均一な多層樹脂延
伸フィルムを形成することが困難になり、15重量%未
満では延伸により形成される空孔の量が少ないためエン
ボス適性が悪くなってしまう。
【0027】表面層(B)では、熱可塑性樹脂を30〜
90重量%、無機または有機微細粉末を70〜10重量
%配合する。微細粉末の量が70重量%を超えると、均
一に延伸することが困難になり、製造される多層樹脂延
伸フィルムの表面膜に裂け目が生じやすくなって実用性
がなくなる。また、微細粉末の量が10重量%未満で
は、インク密着性が悪くなってしまう。裏面層(C)で
は、熱可塑性樹脂を30〜70重量%、無機または有機
微細粉末を70〜30重量%配合する。微細粉末の量が
70重量%を超えると厚さが均一な多層樹脂延伸フィル
ムを形成することが困難になる。また、特に親水化処理
した無機微細粉末は親水性発現のために10重量%以上
使用するのが好ましい。
【0028】微細粉末を熱可塑性樹脂中に配合混練する
際に、必要に応じて分散剤、酸化防止剤、相溶化剤、難
燃剤、紫外線安定剤、着色顔料等を添加することができ
る。特に基材層(A)および表面層(B)には無機また
は有機の着色顔料を使用して所望の色に着色することが
好ましい。また、多層樹脂延伸フィルムを耐久資材とし
て使用する場合には、酸化防止剤や紫外線安定剤等を添
加しておくのが好ましい。さらに、有機微細粉末を使用
する場合は、相溶化剤の種類や添加量が有機微細粉末の
粒子形態を決定することから重要である。好ましい相溶
化剤として、マレイン酸変性ポリプロピレン(三洋化成
工業(株)製、商品名ユーメックス)を例示することが
できる。また、相溶化剤の添加量は、有機微細粉末10
0重量部に対して0.5〜10重量部にするのが好まし
い。
【0029】熱可塑性樹脂、微細粉末およびその他の添
加成分を含有する配合物を用いて、積層体を調製する。
調製する積層体の各層の厚さは、表面層(B)/基材層
(A)/裏面層(C)=(1〜3)/(8〜4)/(1
〜3)になるように調製するのが好ましい。各層の厚さ
をこの範囲に設定することによって、表面強度、印刷適
性、エンボス加工性、エンボス戻りが良好な多層樹脂延
伸フィルムにすることができる。基材層(A)の厚み構
成が4以下になるとエンボスの掛かりが悪くなるので好
ましくない。
【0030】延伸工程 基材層(A)、表面層(B)および裏面層(C)の少な
くとも3層を含む積層体は次に延伸工程に付する。3層
をまとめて延伸する本発明によれば、3層をそれぞれ別
個に延伸して積層する場合に比べて簡便で安く多層樹脂
延伸フィルムを製造することができる。また、本発明の
製造方法によれば、基材層(A)と表面層(B)に形成
される空孔の制御もより容易になる。特に基材層(A)
には延伸により表面層(B)よりも多くの空孔が形成さ
れるように制御し、基材層(A)がエンボス適性を改善
しうる層として有効に機能させることが好ましい。
【0031】延伸には、公知の種々の方法を使用するこ
とができる。延伸の温度は、非結晶樹脂の場合は使用す
る熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上、結晶性樹脂の
場合には非結晶部分のガラス転移点温度以上から結晶部
の融点以下に設定することができる。延伸温度は、表面
層(B)の熱可塑性樹脂の融点より5℃以上低く、基材
層(A)の熱可塑性樹脂の融点より15℃以上低い温度
にする。このように温度を設定しなければ、特にロール
間延伸を行う場合はロール表面にシートが貼り付き、多
層樹脂延伸フィルム表面に貼り付き模様が出てしまう。
また、表面層(B)に形成される亀裂が少なくなるので
インク密着性が低下してしまう。
【0032】延伸の具体的な方法としては、ロール群の
周速差を利用したロール間延伸、テンターオーブンを利
用したクリップ延伸などを挙げることができる。中でも
1軸方向のロール延伸によれば、延伸倍率を任意に調節
することができ、形成される空孔の大きさや個数をコン
トロールすることができるために好ましい。特に全層を
1軸延伸することによって、フットボール状の空孔や亀
裂が形成されるため、2軸延伸よりも微細な空孔を数多
く形成させることができる。また、フィルムの流れ方向
に樹脂の延伸配向がなされるため、無延伸フィルムに比
べて高抗張力でかつ印刷時や加工時の張力による寸法変
化が小さい多層樹脂延伸フィルムを得ることができる。
さらに、2軸延伸に比べると樹脂の配向が少ないので、
エンボス戻りに対する抵抗性が良好な多層樹脂延伸フィ
ルムを得ることができる。
【0033】延伸倍率は特に限定されず、多層樹脂延伸
フィルムの使用目的と用いる熱可塑性樹脂の特性等を考
慮して適宜決定する。例えば、熱可塑性樹脂としてプロ
ピレン単独重合体ないしはその共重合体を使用するとき
には、一方向に延伸する場合は約1.2〜12倍、好ま
しくは2〜7倍にする。さらに、必要に応じて高温での
熱処理を施す。延伸速度は20〜350m/分であるの
が好ましい。
【0034】製造された多層樹脂延伸フィルムは、微細
な空孔を有する多孔性構造を有しており、上記式(1)
で計算される空孔率が5〜60%の範囲内であるのが好
ましい。空孔率が5%未満であるとエンボスのかかりが
悪くなる傾向にある。また、空孔率が60%を超える
と、フィルムの材料強度が低下して、セロテープ等によ
って表面破壊が起きやすくなる傾向にある。また、各層
の空孔率は、表面層(B)<基材層(A)<裏面層
(C)の関係を満足するのが好ましい。いかなる理論に
も拘泥されるものではないが、このような空孔率に関す
る条件を満足することによって、エンボス加工の際に起
こる樹脂部分の熱変形の吸収が可能になり、エンボス加
工性や戻り抵抗が良好になるものと考えられる。また、
表面層(B)には微細な亀裂が形成されるので、印刷適
性が良好になる。
【0035】式(1)のρ0は多層樹脂延伸フィルムま
たは各層の真密度を表わし、ρ1は多層樹脂延伸フィル
ムまたは各層の密度を表わす。延伸前の材料が多量の空
気を含有するものでない限り、真密度は延伸前の密度に
ほぼ等しい。多層樹脂延伸フィルムの密度は、0.60
〜1.20g/cmの範囲内であるのが好ましい。
【0036】本発明の製造方法によって製造される多層
樹脂延伸フィルムは、そのまま使用に供してもよいし、
さらに別の熱可塑性フィルム等に積層して使用してもよ
い。さらに積層する場合には、例えばポリエステルフィ
ルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルム等
の透明または不透明なフィルムに積層することができ
る。多層樹脂延伸フィルムの厚さは特に制限されない。
例えば、30〜400μm、好ましくは60〜200μ
mに調製することができる。また、上述のように他のフ
ィルムと積層することによって全体の厚さを1mm程度
にすることもできる。
【0037】製造される多層樹脂延伸フィルムは、様々
な用途に供することができる。例えば、建築装飾用の壁
紙、化粧合板用化粧紙、床材、自動車の内装材、粘着加
工を施したタックラベル等に有用である。
【0038】多層樹脂延伸フィルムの表面層(B)に
は、使用目的に応じて印刷を行うことができる。印刷の
種類や方法は特に制限されない。例えば、公知のビヒク
ルに顔料を分散したインクを用いたグラビヤ印刷、水性
フレキソ、シルクスクリーン、UVオフセット輪転等の
印刷等の公知の印刷手段を用いて印刷することができ
る。また、金属蒸着や、グロス印刷、マット印刷等によ
り印刷することもできる。印刷する絵柄は、石目、木
目、格子、水玉、花柄等の天然物柄、抽象柄、キャラク
ター等から適宜選択することができる。
【0039】多層樹脂延伸フィルムにはエンボス加工を
施すことができる。エンボス加工は、印刷を行った後に
行うのが一般的であるが、エンボス加工後にさらに印刷
を行っても構わない。エンボス加工は、例えば、平版プ
レス機、ロールエンボス機等公知の各種プレス、エンボ
ス機を用いて熱や圧力によりエンボス版の凹凸形状を賦
形することによって行うことができる。ロールエンボス
法は円筒状のエンボス版の凹凸形状を対象材料に熱圧で
賦形する方法である。熱圧賦形は、多層樹脂延伸フィル
ムの表面層(B)に使用している樹脂の熱変形温度と溶
融温度の間に加熱して、エンボス版を該多層樹脂延伸フ
ィルムの表面に押圧して賦形した後、冷却して形状を固
定することによって行う。加熱方法としては、例えば赤
外線照射、温風吹付け、加熱ローラーからの伝導熱、誘
電加熱等の方法が用いられる。なお、エンボスの賦形
は、エンボス機を用いずに、延伸前、延伸後のいずれに
おいてもフィルム成形と同時に行うこともできる。
【0040】多層樹脂延伸フィルムを化粧合板として用
いる場合には、エンボス形成後にワイピングを施して凹
部内にワイピングインクを充填することによって意匠性
を向上させることができる。特に木目の導管部の外観を
再現する場合には好適である。
【0041】また、最外層には透明な樹脂層からなる表
面保護層を形成するのが望ましい。表面保護層は表面層
を保護するとともに、下層の絵柄やエンボス等の意匠に
立体感を付与する機能も有する。したがって、多層樹脂
延伸フィルムを化粧板や壁紙として使用する場合に表面
保護層は特に有用である。表面保護層は塗工または貼合
により形成することができる。表面物性をさらに向上さ
せるためには耐候性、耐摩耗性、耐汚染性等の表面物性
の優れた無色透明または着色透明の樹脂を用いるのが好
ましい。このような樹脂として好ましいのは、例えば各
種アクリレート、ポリエステル等から電離放射線硬化性
樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル等の2液硬化
型樹脂、フッ素樹脂、ポリシロキサン系樹脂等である。
この表面保護層には、公知の抗菌剤、防カビ剤、香料等
を配合してもよい。
【0042】各種の印刷やエンボス加工が施された多層
樹脂延伸フィルムの裏面には、他の素材を貼合せること
ができる。例えば壁紙または床材として使用する場合
は、裏打ち紙等を貼合せることができる。裏打ちに使用
される素材は特に限定されず、例えば薄葉紙、クラフト
紙等の紙、ガラス繊維、炭素繊維等の無機質繊維、織
布、不織布、樹脂フィルムまたはシート、金属箔、木質
材料などの単体、或いは、上記の材料を接着や熱融着な
どの公知の手段で積層した複合材料を用いることができ
る。
【0043】また、多層樹脂延伸フィルムを鉄板やアル
ミニウム板等の金属板上に接着剤や熱融着等を用いて積
層することによって板状素材で裏打ちした樹脂化粧板を
製造することもできる。また、多層樹脂延伸フィルムを
各種木質合板上に接着剤で積層することによって樹脂化
粧合板を製造することもできる。さらに裏打ちに粘着剤
層、或いは該粘着剤層と離型シートとを積層形成して、
タックシール形式の壁紙を製造することもできる。
【0044】
【実施例】以下に実施例、比較例および試験例を記載し
て、本発明をさらに具体的に説明する。以下に示す材
料、使用量、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱し
ない限り適宜変更することができる。したがって、本発
明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではな
い。使用する材料を以下の表にまとめて示す。なお、表
中のMFRはメルトフローレートを意味する。
【0045】
【表1】
【0046】(実施例および比較例)以下の手順にした
がって、本発明の多層樹脂延伸フィルムの製造方法(実
施例1〜5)および比較用の製造方法(比較例1〜3)
を実施し、さらにこれらの方法により製造したフィルム
を用いて壁紙を製造した。表2に、各フィルムの製造に
あたって使用した材料の種類と量、延伸条件、および製
造したフィルムの状態をまとめて示した。熱可塑性樹
脂、エラストマーおよび微細粉末を混合することによっ
て、配合物[A]、[B]および[C]を調製した。こ
れらの配合物を250℃に設定された3台の押出機でそ
れぞれ溶融混練し、ダイ内で配合物[A]の表面側に配
合物[B]、裏面側に配合物[C]を積層して押出成形
し、冷却装置にて70℃まで冷却して、3層の無延伸シ
ートを得た。このシートを所定温度に加熱した後、縦方
向にロール間で所定倍率で延伸した。次いで、得られた
延伸フィルムの両面に放電処理機(春日電機(株)製)
を用いて50W/m・分のコロナ処理を行って3層構
造の多層樹脂延伸フィルムを得た。得られた多層樹脂延
伸フィルムの各層の空孔率、全体の空孔率、厚さおよび
密度は表2に示すとおりであった。
【0047】次いで、多層樹脂延伸フィルムの表面層
(B)に花柄のグラビヤ印刷(インク:東洋インク
(株)製:商品名「CCST」)を施した後、100℃
に加熱したエンボスロールにて絹目柄のエンボス加工を
行った。さらにその表面にUV硬化型樹脂(大日精化
製)を3g/mとなるように塗工し、高圧水銀灯(8
0W、10m/分)を2回照射した。さらに多層樹脂延
伸フィルムの裏面層(C)には水溶性の澱粉系糊を5g
/mとなるようにロールコーターを用いて塗工し、8
0℃に設定された乾燥機中で乾燥処理を行った後、離型
紙を裏打ちして壁紙を製造した。
【0048】
【表2】
【0049】(試験例)製造した多層樹脂延伸フィルム
および壁紙について、以下の試験と評価を行った。
【0050】1)エンボス加工性(掛かり) 壁紙の表面に形成されているエンボスの凹凸を肉眼で観
察し、下記の基準により評価した。 ○:立体感があり且つシャープさもある △:ややシャープさに欠けるが立体感があり、実用上は
問題ない ×:深さもシャープさも欠ける。実用上使用できない
【0051】2)エンボス戻り抵抗 壁紙の裏打ち紙を除去して澱粉糊の塗工面に刷毛で水を
適量塗り、空気が入らないように合板の表面に張りつけ
て壁板を得た。直ちにこの壁板2枚を壁紙の貼られた面
同士が接触するように重ねて、60℃の乾燥機中で30
0kg/mの加圧を3分行った。その後、壁板を取り
出してエンボスの状態変化を肉眼で観察し、下記の基準
により評価した ◎:変化無し ○:わずかに立体感が減少しているが、実用上は問題な
い △:立体感に欠け、明らかにエンボスの戻りがみられ
て、実用上問題がある ×:殆どエンボスが無くなっており、実用上使用できな
【0052】3)表面層(B)のインク密着性 グラビヤ印刷されている壁紙表面に粘着テープ(ニチバ
ン(株)製:商品名「セロテープ」)を貼り付けて十分
に押しつけた後、粘着テープを粘着面に対して90度の
方向に一定の速度で引き剥がした。壁紙表面からのイン
クの取られ方を肉眼で観察し、下記の基準により評価し
た ◎:全くインクが剥がれていない ○:フィルムの材料部分が破壊されているが、実用上は
問題ない △:テープ剥離時に抵抗があるがインクの殆どが剥が
れ、実用上問題がある X:テープ剥離時に抵抗がなくインク全量が剥がれて、
実用上使用できない
【0053】4)表面層(B)の表面強度 多層樹脂延伸フィルムの表面層(B)に粘着テープ(ニ
チバン(株)製:商品名「セロテープ」)を貼り付け十
分に指で押しつけた後、引張り試験機((株)島津製作
所製:商品名「オートグラフ」)で粘着テープを100
0mm/分の速度で剥離した。剥離後の表面層(B)の
状態変化を肉眼で観察し、下記の基準により評価した ◎:変化無し ○:極わずかに表面が毛羽立つが、実用上は問題ない △:表面の毛羽立ちが多く、実用上問題がある ×:フィルムの層内から剥離が起こり、実用上使用でき
ない
【0054】5)裏面層(C)の水接触角 多層樹脂延伸フィルムの裏面層(C)の接触角を、イオ
ン交換水を用いて接触角計(協和界面化学(株)製:型
式CA−D)により求めた。
【0055】6)裏面層(C)の糊乾燥性 多層樹脂延伸フィルムの裏面層(C)に澱粉糊(常磐化
学製)を固形分が5g/mになるようにロッドバーを
用いて塗工し、塗工した澱粉糊が表面光沢変化を起こす
までの時間を測定した。
【0056】7)裏面層(C)の糊密着性 6)の澱粉糊の乾燥塗工面に粘着テープ(ニチバン
(株)製:商品名「セロテープ」)を貼り付け、十分に
押しつけた後、粘着テープを粘着面に対して90度の方
向に一定の速度で引き剥がした。糊の取られ方を肉眼で
観察し、下記の基準により評価した。 ◎:糊が凝集破壊されている ○:フィルムの材料部分が破壊される △:テープ剥離時に抵抗があるが糊が裏面層(C)から
部分的に剥がれ、実用上問題がある X:テープ剥離時に抵抗がなく糊全量が裏面層(C)よ
り剥がれ、実用上使用できない
【0057】上記各試験の結果を以下の表にまとめて示
す。なお、表中には、表面層(B)の熱可塑性樹脂の融
点と延伸温度との差(温度差X)および基材層(A)の
熱可塑性樹脂の融点と表面層(B)の熱可塑性樹脂の融
点との差(温度差Y)についても併せて記載した。
【表3】
【0058】表3から明らかなように、本発明の製造方
法によって製造した多層樹脂延伸フィルムは、エンボス
加工性、エンボス戻り抵抗、表面層(B)のインク密着
性および表面強度、裏面層(C)の水接触角、糊乾燥性
および糊密着性のすべてが良好である(実施例1〜
5)。これに対して、表面層(B)の熱可塑性樹脂の融
点より5℃以上低いという条件を満足しない温度で延伸
を行った場合や、延伸そのものを行わなかった場合は、
製造したフィルムの特性が劣っており実用性がない。
【0059】
【発明の効果】本発明の多層樹脂延伸フィルムの製造方
法を用いれば、印刷適性、エンボス加工適性および裏打
ち加工適性が優れていて、表面強度も高い優れた多層樹
脂延伸フィルムを提供することができる。このため、本
発明によれば、建築装飾材をはじめとするさまざまな用
途に供し得る多層樹脂延伸フィルムを有効に製造するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 13/04 C08K 13/04 // B29K 101:12 105:04 B29L 9:00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂40〜85重量%および無機
    または有機微細粉末60〜15重量%を含有する基材層
    (A)の表面に、 前記基材層(A)の熱可塑性樹脂よりも融点が10℃以
    上低い熱可塑性樹脂30〜90重量%、および前記基材
    層(A)の無機または有機微粒子よりも平均粒子径が小
    さい無機または有機微細粉末70〜10重量%を含有す
    る表面層(B)を形成し、 前記表面層(B)の熱可塑性樹脂の融点より5℃以上低
    い温度で延伸する工程を含む多層樹脂延伸フィルムの製
    造方法。
  2. 【請求項2】前記延伸を行う前に、前記基材層(A)の
    裏面に熱可塑性樹脂30〜70重量%および無機微細粉
    末70〜30重量%を含有する裏面層(C)を形成する
    工程をさらに含む請求項1の多層樹脂延伸フィルムの製
    造方法。
  3. 【請求項3】前記延伸を行った後に、表面層(B)にエ
    ンボス加工を施す工程をさらに含む請求項1または2に
    記載の多層樹脂延伸フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】前記延伸が一軸方向の延伸である請求項1
    〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂延伸フィルムの製
    造方法。
  5. 【請求項5】前記延伸を、式(1)で計算される多層樹
    脂延伸フィルムの空孔率が5〜60%の範囲内になる条
    件下で行う請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹
    脂延伸フィルムの製造方法。 【数1】 ρ0・・・・・多層樹脂延伸フィルムの真密度 ρ1・・・・・多層樹脂延伸フィルムの密度
  6. 【請求項6】前記基材層(A)の無機または有機微細粉
    末の平均粒子径が0.6〜3μmの範囲内であり、前記
    表面層(B)の無機または有機微細粉末の平均粒子径が
    0.1〜2μmの範囲内であり、前記裏面層(C)の無
    機または有機微細粉末の平均粒子径が0.6〜3μmの
    範囲内である請求項1〜5のいずれかに記載の多層樹脂
    延伸フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】前記裏面層(C)が表面を親水化処理した
    無機微細粉末を含有する請求項1〜6のいずれかに記載
    の多層樹脂延伸フィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】前記基材層(A)、前記表面層(B)およ
    び前記裏面層(C)の熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン
    系樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、またはポ
    リオレフィン系樹脂とオレフィン系熱可塑性エラストマ
    ーとの混合物である請求項3〜7のいずいれかに記載の
    多層樹脂延伸フィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】前記ポリオレフィン系樹脂とオレフィン系
    熱可塑性エラストマーとの混合物が、ポリオレフィン系
    樹脂100重量部に対してオレフィン系熱可塑性エラス
    トマーを5〜100重量部の割合で含有する請求項8に
    記載の多層樹脂延伸フィルムの製造方法。
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