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JPH11329078A - 導電性樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

導電性樹脂組成物およびその成形品

Info

Publication number
JPH11329078A
JPH11329078A JP6121099A JP6121099A JPH11329078A JP H11329078 A JPH11329078 A JP H11329078A JP 6121099 A JP6121099 A JP 6121099A JP 6121099 A JP6121099 A JP 6121099A JP H11329078 A JPH11329078 A JP H11329078A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
conductive resin
conductive
carbon black
raman
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6121099A
Other languages
English (en)
Inventor
Eisuke Wadahara
英輔 和田原
Kenichi Yoshioka
健一 吉岡
Soichi Ishibashi
壮一 石橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP6121099A priority Critical patent/JPH11329078A/ja
Publication of JPH11329078A publication Critical patent/JPH11329078A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Conductive Materials (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、高い導電性、高い薄肉成形性(成形
時の流動性等)、および高い外観品位を兼ね備えた導電
性樹脂組成物およびその成形品を提供せんとするもので
ある。 【解決手段】本発明の導電性樹脂組成物は、少なくとも
次の構成要素[A]、[B]、[C]からなることを特
徴とするものである。 [A]:導電性繊維 [B]:ラマンシフト1360cm-1付近に現れるラマ
ンバンドの極大値I1 と、ラマンシフト1500cm-1
付近に現れるラマンバンドの極小値I2 とのラマン散乱
強度比I2 /I1 が、0.4〜0.8の範囲であるカー
ボンブラック [C]:樹脂 また、本発明の導電性樹脂成形品は、かかる導電性樹脂
組成物を用いて成形されたものであることを特徴とする
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い導電性、高い
薄肉成形性、および高い外観品位を兼ね備えた導電性樹
脂組成物およびその成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、樹脂に導電性繊維(もしくは
カーボンブラック)を配合することによって、所望の導
電性を有する導電性樹脂組成物、およびその成形品を得
ることは公知である。
【0003】前述の導電性繊維(もしくはカーボンブラ
ック)を配合してなる導電性樹脂組成物、およびその成
形品は、一般的に0.25Ω・cmよりも高い体積固有
抵抗値を示し、それ以下が望ましいと考えられている電
磁波シールド材等の用途においては適用されることは少
なかった。この様に0.25Ω・cm以下の体積固有抵
抗値が求められる場合、導電性繊維(もしくはカーボン
ブラック)の増量、あるいは導電性繊維とカーボンブラ
ックを併用する等が試みられてきた。
【0004】導電性繊維(もしくはカーボンブラック)
の増量による高導電化は、導電性樹脂組成物、およびそ
の成形品のいたずらな高コスト化、高比重化を招き、し
かも耐衝撃性、および成形時の流動性の大幅な低下、更
には成形品外観品位をも損なうといった問題が生じる場
合がほとんどである。前述の組成物の高粘度化に関する
問題に対しては、例えば特開平7−330987号公報
で、各種のカーボンブラックを物理的に大量に配合する
技術が提案されており、導電性繊維とカーボンブラック
の併用する技術としては、例えば特開平9−87417
号公報や特開平8−269228号公報で提案されてい
る。しかし、これらの提案は、いずれも高導電化と成形
性とを同時に満足させるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、高い導電性、高い薄肉成形性(成形
時の流動性等)、および高い外観品位を兼ね備えた導電
性樹脂組成物およびその成形品を提供せんとするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、つぎのような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の導電性樹脂組成物は、少なくと
も次の構成要素[A]、[B]、[C]からなることを
特徴とするものである。 [A]:導電性繊維 [B]:ラマンシフト1360cm-1付近に現れるラマ
ンバンドの極大値I1 と、ラマンシフト1500cm-1
付近に現れるラマンバンドの極小値I2 とのラマン散乱
強度比I2 /I1 が、0.4〜0.8の範囲であるカー
ボンブラック [C]:樹脂 また、本発明の導電性樹脂成形品は、かかる導電性樹脂
組成物を用いて成形されたものであることを特徴とする
ものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、すなわち、
高い導電性、高い薄肉成形性(成形時の流動性等)、お
よび高い外観品位を兼ね備えた導電性樹脂組成物につい
て、鋭意検討し、特定条件を満たすカーボンブラックと
導電性繊維とを組み合わせて使用して導電性樹脂組成物
をつくってみたところ、かかる課題を一挙に解決するこ
とを究明したものである。
【0008】本発明における導電性樹脂組成物は、少な
くとも次の構成要素[A]、[B]、[C]からなる。
つまり、[A]:導電性繊維と、 [B]:ラマンシフト1360cm-1付近に現れるラマ
ンバンドの極大値I1 と、ラマンシフト1500cm-1
付近に現れるラマンバンドの極小値I2 とのラマン散乱
強度比I2 /I1 が、0.4〜0.8の範囲であるカー
ボンブラックと、 [C]:樹脂とからなる組成物である。
【0009】かかる構成要素[A]は、導電性繊維であ
ればよく、例えば、PAN系、ピッチ系、レーヨン系等
からつくられた炭素繊維や、ステンレス鋼繊維、銅繊維
等の金属繊維等を使用することができる。また、炭素繊
維、S−ガラスやE−ガラス等のガラス繊維の他に、ボ
ロン繊維やシリコンカーバイド繊維やシリコンナイトラ
イド繊維などの無機繊維、アラミド繊維やポリステル繊
維やアクリル繊維やナイロン繊維やポリフェニレンサル
ファイド繊維等の有機繊維などに、ニッケルや銅等の金
属を被覆して構成された導電性繊維や、これらを2種類
以上ブレンドして構成された導電性繊維なども使用する
ことができる。
【0010】かかる構成要素[A]は、シランカップリ
ング剤、アルミネートカップリング剤、チタネートカッ
プリング剤等で、表面処理されたり、また、ウレタン系
樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン
系樹脂、オレフィン系樹脂、アミド系樹脂、テルペン・
フェノール共重合樹脂等で、集束処理されたものも使用
することができる。
【0011】次に、構成要素[B]のカーボンブラック
としては、ラマンシフト1360cm-1付近に現れるラ
マンバンドの極大値I1 と、ラマンシフト1500cm
-1付近に現れるラマンバンドの極小値I2 との、ラマン
散乱強度比I2 /I1 が、0.4〜0.8の範囲にある
カーボンブラックを選択して使用する。
【0012】一般的に、カーボンブラックの分散性等の
基本的な特性は、その製造条件により大きく変化し、前
記製造条件はカーボンブラックの結晶構造に大きく影響
を及ぼす。炭素材料であるカーボンブラックは、ラマン
スペクトルの測定により、その結晶構造(ここではグラ
ファイト構造)の発達具合が推定が可能となる。つま
り、カーボンブラックの基本的特性は、ラマンスペクト
ルを測定するだけで、簡易に把握できるといえる。
【0013】すなわち、本発明におけるカーボンブラッ
クは、かかるラマンスペクトルのラマンバンドの極大値
1 と、ラマンバンドの極小値I2 との、ラマン散乱強
度比I2 /I1 が、0.4〜0.8という特定な範囲に
あるものを選択して、これを使用するところに特徴を有
する。
【0014】ここで、前記I2 /I1 は、ベースライン
補正後のラマンバンドの散乱強度についてのものであ
る。上記ベースライン補正とは、600cm-1〜220
0cm -1のラマンシフト範囲において、ラマンスペクト
ルのベースラインを直線近似し、その近似直線からの距
離をラマン散乱強度とし、測定時のベースラインの傾き
を補正する操作のことをいう。なお、後述のI2
3 、また、I1 :I2 :I 3 についても、いずれもベ
ースライン補正後のラマンバンドの散乱強度についての
ものである。
【0015】本発明は、かかる特定な構成を有するカー
ボンブラックを用いた場合、特異的に高い導電性、およ
び薄肉成形性(特に成形時の流動性)を兼ね備えた導電
性樹脂組成物を提供することができることを究明したも
のである。すなわち、本発明では、特定なラマンスペク
トルを有するカーボンブラックのみが、上記高導電性お
よび薄肉成形性を同時に満足するという優れた効果を達
成することを見出したものである。前記ラマンスペクト
ルによる選定は、カーボンブラックの様々な特性を各々
測定することなく、簡便に、かつ、正確に選定すること
ができることから、工業的見地からも非常に有意義であ
る。
【0016】かかるカーボンブラックとしては、その一
つの選択要件は、I2 /I1 が、0.4〜0.8である
が、望ましくは0.50〜0.77、さらに望ましくは
0.65〜0.75、とりわけ望ましくは0.66〜
0.71の範囲にあるものを使用するのがよい。すなわ
ち、このI2 /I1 が、0.4〜0.8の範囲外のカー
ボンブラックを用いた場合には、高い導電性は達成でき
るものの、成形時の流動性に著しく劣るものとなり、導
電性と薄肉成形性を兼ね備えた導電性樹脂組成物が得ら
れない。すなわち、I2 /I1 が0.4未満であるカー
ボンブラックの場合は、導電性はともかく、成形時の流
動性が大きく劣るものとなる。例えばこれを、カーボン
ブラック30重量部をナイロン6樹脂70重量部に混練
したペレットでのメルトフローレイトに置き換えて説明
すると、I2 /I1 が、0.4〜0.8の範囲内である
カーボンブラックの場合には、高い流動性を示すが、I
2 /I1 が、かかる範囲外、例えば0.4未満のカーボ
ンブラックの場合には、該範囲内のカーボンブラックに
比べて、約1/20以下の極めて低い流動性しか示さ
ず、成形性が著しく劣るものとなる。
【0017】また、本発明のカーボンブラックとしての
別の選択方法の一つは、ラマンシフト1500cm-1
近に現れるラマンバンドの極小値I2 と、ラマンシフト
1580cm-1付近に現れるラマンバンドの極大値I3
とのラマン散乱強度比I2 /I3 が、0.4〜0.7、
望ましくは0.50〜0.67、更に望ましくは0.5
6〜0.65、とりわけ望ましくは0.57〜0.61
の範囲にあるカーボンブラックを選択して使用するのが
よい。
【0018】かかるカーボンブラック、つまりI2 /I
3 が、0.4〜0.7の範囲にあるカーボンブラック
と、その範囲外のカーボンブラックとの効果的な違い
は、前記方法で選択したもの場合と同様であり、該範囲
外のものは、高い導電性は達成できるものの、成形時の
流動性に著しく劣り、導電性と薄肉成形性を兼ね備えた
導電性樹脂組成物が得られない。例えばこれを、カーボ
ンブラック30重量部をナイロン6樹脂70重量部に混
練したペレットでのメルトフローレイトを測定した例で
説明すると、流動性において、該範囲内のものに比し
て、範囲外の場合には、約1/50以下の極めて低い流
動性を示す点で、さらに流動性にシビアな性質を示すカ
ーボンブラックを選ぶことができる。
【0019】本発明において、上述の構成要素[B]よ
りも、さらに望ましい構成要素[B]のカーボンブラッ
クとして、ラマンバンドの散乱強度比I1 :I2 :I3
=1.3〜2.1:1:1.5〜2.5の範囲にあるカ
ーボンブラックを選択して使用することができる。
【0020】かかるカーボンブラックも、先のI2 /I
1 やI2 /I3 で選択したものと同様に、高い導電性
と、成形時の流動性とを同時に満足するか否かであり、
その点には変わりはないが、かかるラマンバンドの散乱
強度比I1 :I2 :I3 が、1.3〜2.1:1:1.
5〜2.5、望ましくは1.3〜2.0:1:1.5〜
2.2、更に望ましくは1.3〜1.7:1:1.5〜
1.9、とりわけ望ましくは1.40〜1.55:1:
1.60〜1.75の範囲にあるカーボンブラックは、
さらに優れた高導電化と高成形性を兼ね備えた導電性樹
脂組成物を確実に提供することができるものである。こ
の選択方法で選んだカーボンブラックを用いた場合は、
先に説明した方法で選択したものに比して、同等の流動
性の差異で示される上に、確実に本発明の課題を満足す
る導電性樹脂組成物を提供することができる利点があ
る。
【0021】なお、本発明でのメルトフローレートの測
定は、東洋精機製作所製メルトインデックサ(C−50
59D2−1)を用い、JIS K 7210に基づい
て、260℃にて6min保持した後、荷重1kgにて
行った。
【0022】ラマンスペクトルの測定法は、レーザーラ
マン分光法により測定する。ラマンスペクトルの測定
は、樹脂に配合する前のカーボンブラックから測定して
もよいし、樹脂組成物、もしくは、その成形品中からカ
ーボンブラックを分離した後に測定してもよい。前者か
ら測定する場合は、マクロラマン(レーザースポット径
が100μm程度)、後者から測定する場合は、顕微ラ
マン(レーザースポット径が5μm程度)にて測定を行
うのが好ましい。本発明では、JobinYvon社製
Ramaonor T−64000を用いて測定を行っ
た。
【0023】樹脂成形品からのカーボンブラックの分離
は、配合物の比重差を利用して行うのがよい。かかるカ
ーボンブラックの分離手法の具体的手段の一例を以下に
記述する。
【0024】まず、樹脂成形品をカーボンブラックを侵
さずに樹脂を溶解する溶媒に浸漬し、完全に樹脂を溶解
させる。その後、5000rpmにて30分間遠心分離
を行い、更に遠心分離後の上澄み液を30000rpm
にて30分間超遠心分離を行う。超遠心分離後の上澄み
液を、PTFEフィルター(0.2μm)で濾過するこ
とによりカーボンブラックを分離する。この場合のラマ
ンスペクトルの測定は、顕微ラマンにより上記分離によ
る回収物中の黒色微粒子部分について行うのが好まし
い。
【0025】本発明の構成要素[B]は、前述のラマン
散乱強度比の範囲であるカーボンブラックであれば、種
類は特に限定されず、例えば、ファーネスブラック(原
料油を高温炉で燃焼させて製造)、アセチレンブラック
(アセチレンガスの発熱分解により製造)、サーマルブ
ラック、チャンネルブラック等を使用することができ、
これらを2種類以上ブレンドしたカーボンブラックでも
よい。
【0026】次に、本発明の構成要素[C]の樹脂は、
熱可塑性、熱硬化性のどちらでも使用することができる
が、望ましくは耐衝撃性に優れ、かつ、生産性の高い、
射出成形が可能な熱可塑性樹脂が好ましく使用される。
例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテ
レフタレートや液晶ポリエステル等のポリエステル、ポ
リエチレン、ポリプロピレンやポリブチレン等のポリオ
レフィンの他、ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリ
カーボネイト、ポリスチレン、スチレン・アクリロニト
リル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレ
ン共重合体、アクリレート・スチレン・アクリロニトリ
ル共重合体、ポリメチレンメタクリレート、ポリ塩化ビ
ニル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエー
テル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイ
ミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエー
テルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等や、これら
の共重合体、変性体、および、2種類以上ブレンドした
樹脂なども使用することができる。また、更に耐衝撃性
向上のために、上記樹脂にエラストマー、もしくは、ゴ
ム成分を添加した樹脂も使用することができる。
【0027】かかる構成要素[C]の熱可塑性樹脂とし
ては、望ましくは導電性繊維の界面接着性の面から、ポ
リアミド樹脂を使用するのがよい。かかるポリアミド樹
脂としては、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジ
カルボン酸を主たる原料とするナイロンである。その原
料の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−ア
ミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミ
ノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−アミノカプロラ
クタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチル
ペンタメチレンジアミン、ノナンメチレンジアミン、ウ
ンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、
2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレン
ジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシ
レンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス
(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミ
ノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメ
チル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス
(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチ
ル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス
(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノ
プロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの
脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、および、アジピン
酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフ
タル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタ
ル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒド
ロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪
族、脂環族、芳香族のジカルボン酸などを採用すること
ができる。本発明においては、これらの原料から誘導さ
れるナイロンホモポリマーまたはコポリマーを各々単独
または混合物の形で使用することができる。
【0028】本発明において、特に有用なポリアミド樹
脂は、150℃以上の融点を有する上に、耐熱性や強度
に優れたナイロン樹脂であり、具体的な例としてはポリ
カプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジ
パミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミ
ド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド
(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド
(ナイロン612)、ポリノナンメチレンテレフタルア
ミド(ナイロン9T)、ポリヘキサメチレンアジパミド
/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナ
イロン66/6T)、ポリヘキサメチレンテレフタルア
ミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン6T/
6)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプ
ロアミドコポリマー(ナイロン6I/6)、ポリヘキサ
メチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルア
ミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメ
チレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミ
ドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリドデカミド
/ポリヘキサメチレンテレフタラミドコポリマー(ナイ
ロン12/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポ
リヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレ
ンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/
6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘ
キサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6
T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポ
リ(2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド)コポ
リマー(ナイロン6T/M5T)、ポリキシリレンアジ
パミド(ナイロンXD6)およびこれらの混合物ないし
共重合体などを好ましく使用することができる。
【0029】また、特性(特に耐衝撃性)改良の必要性
に応じて、無水マレイン酸などによる酸変性オレフィン
系重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/
1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジ
エン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、
エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン
/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体および
エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、
ABSなどのオレフィン系共重合体、ポリエステルポリ
エーテルエラストマー、ポリエステルポリエステルエラ
ストマーなどのエラストマーから選ばれる1種または2
種以上の混合物を添加して、所望の特性をさらに付与し
た樹脂も使用することもできる。
【0030】これらのポリアミド樹脂の重合度に関して
は、特に制限はないが、1%の濃硫酸溶液中、25℃で
測定した相対粘度が、好ましくは1.5〜5.0、さら
に好ましくは2.0〜4.0の範囲のものが使用され
る。相対粘度が1.5未満のものだと、流動性には優れ
るものの、ポリマー自体の力学的特性(特に耐衝撃性や
伸度など)に大きく劣る。また、相対粘度が5.0を越
えるものだと、特に成形時の流動性に著しく劣り、薄肉
成形品を成形した場合、成形品表面にフローマークや導
電性繊維の浮き等が発生し、表面平滑性が損なわれると
共に、強いウェルドラインが発生し、外観品位が大きく
劣るものを提供する可能性がでてくる。このような樹脂
を使用した場合、成形時の流動性が著しく損なわれる結
果、構成要素[B]の効果をも損なう恐れがでてくるの
で好ましくない。
【0031】かかる導電性樹脂組成物には、その目的に
応じて、充填材(例えば、ワラステナイト、セピオライ
ト、ゾノトライト、セリサイト、マイカ、タルク、カオ
リン、クレー、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビー
ズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、二硫化
モリブデン、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、ポリリ
ン酸カルシウム、グラファイト、チタン酸カリウムウィ
スカ、ホウ酸アルミウィスカ、マグネシウムオキシサル
フェートウィスカ、など)、難燃剤、難燃助剤、顔料、
染料、滑剤、離型剤、相溶化剤、分散剤、結晶核剤、可
塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、紫外線吸収
剤、流動性改質剤、発泡剤、抗菌剤、制振剤、防臭剤、
摺動性改質剤、導電性付与剤、帯電防止剤等の任意の添
加剤を使用することができる。
【0032】本発明の導電性樹脂組成物は、その体積固
有抵抗値が、望ましくは0.25Ω・cm以下、さらに
望ましくは0.2Ω・cm以下であるものがよい。すな
わち、かかる体積固有抵抗値が0.25Ω・cmを越え
る場合、電磁波シールド材等の用途には適応しにくく、
用途が限定される。
【0033】なお、かかる導電性樹脂組成物において、
成形品の導電性と外観品位とを同時に満足させるために
は、構成要素[A]の添加量を低く抑えるのがベターで
あり、また、構成要素[B]により高導電化が容易にな
ることが、該組成物の組成に影響を与えるものである。
【0034】前記体積固有抵抗値は、樹脂組成物からな
る成形品から測定する。ここでいう体積固有抵抗値と
は、直方体形状を有している試験片の導電ペーストを塗
布された両端部の電気抵抗値から、測定機器、治具など
の接触抵抗値を減じた値について、前記試験片の端部面
積を乗じ、試験片長さで除すことにより算出する。本発
明では、単位はΩ・cmを用いた。
【0035】本発明の導電性樹脂組成物は、該導電性樹
脂組成物100重量%に対して、構成要素[A]は、望
ましくは5〜50重量%、さらに望ましくは10〜50
重量%、構成要素[B]は、望ましくは0.5〜10重
量%の範囲で配合されていることがよい。構成要素
[A]が5重量%未満であると、所望の導電性が得にく
く、50重量%を越えると、成形時の流動性が低下し、
薄肉成形性に劣る。また、構成要素[B]が0.5重量
%未満であると、所望の導電性を得にくく、10重量%
を越えると、成形時の流動性が低下し、薄肉成形性に劣
る。上述よりもさらに望ましくは構成要素[A]が15
〜45重量%、構成要素[B]が1〜8重量%であり、
特に望ましくは構成要素[A]が20〜40重量%、構
成要素[B]が1.5〜7重量%である組成がよい。
【0036】次に、該構成要素[A]は、少なくとも次
の構成要素[A1]、[A2]の両方、もしくはいずれ
か一方からなるものがよい。
【0037】構成要素[A1]は、高い強度、弾性率を
兼ね備え、かつ、比重の小さい炭素繊維である。望まし
くは、強度と弾性率とのバランスに優れるPAN系炭素
繊維を使用するのがよい。更に望ましくは、引張破断伸
度は少なくとも1.5%以上の炭素繊維がよい。引張破
断伸度が1.5%未満である場合、成形工程で構成要素
[A1]が切断されやすく、樹脂組成物およびその成形
品中の導電性繊維長さを大きくすることができないた
め、高い導電性が達成できないだけでなく、力学的特性
(特に耐衝撃性)にも大きく劣る。かかる樹脂組成物お
よびその成形品に高い導電性、および耐衝撃性を同時に
付与するためには、引張破断伸度が望ましくは1.5%
以上、より望ましくは引張破断伸度が1.7%以上、特
に望ましくは引張破断伸度が1.9%以上の炭素繊維を
用いるのがよい。前記炭素繊維の引張破断伸度に上限は
ないが、望ましくは5%未満である。
【0038】構成要素[A2]は金属被覆繊維である。
被覆する金属は、ニッケル、銅、銀、金等を使用するこ
とができ、前記金属は、少なくとも1層、場合によって
は複数層にて繊維に被覆させる。かかる被覆される繊維
としては、特に制限はなく、炭素繊維、ガラス繊維、有
機繊維等を使用することができる。そのなかでも、強
度、弾性率が高いレベルでバランスがとれ、かつ、比重
の小さい構成要素[A1]が望ましい。金属の繊維への
被覆方法については、特に制限はないが、好ましくは電
解や無電解によるメッキ、CVDやPVDや蒸着等によ
り被覆するのがよい。
【0039】構成要素[A]100重量%に対して、構
成要素[A1]は50〜100重量%、構成要素[A
2]は0〜50重量%の範囲で配合されていることが望
ましい。構成要素[A1]は構成要素[A2]に比べ
て、樹脂との接着性に優れるため、50重量%未満であ
ると、導電性樹脂組成物の力学的特性(特に耐衝撃性)
が大きく低下する。また、構成要素[A2]は金属が被
覆されていることにより、構成要素[A]に比べて、樹
脂との接着性に劣る、比重が大きい、価格が高い、とい
った問題を有する。そのため、導電性樹脂組成物に構成
要素[A2]を50重量%を越えて配合すると、力学的
特性(特に耐衝撃性)が低下する、比重が大きくなる、
価格が高くなるといった問題が生じる。したがって、よ
り望ましくは構成要素[A1]が55〜95重量%、構
成要素[A2]が5〜45重量%であり、特に望ましく
は構成要素[A1]が60〜90重量%、構成要素[A
2]が10〜40重量%である組成がよい。
【0040】本発明の導電性樹脂組成物は、例えば射出
成形(射出圧縮成形、ガスアシスト射出成形、インサー
ト成形など)、ブロー成形、押出成形、プレス成形、ト
ランスファー成形、フィラメントワインディング成形な
どの公知の成形方法によって成形されるが、最も望まし
い成形法は、生産性の高い射出成形(射出圧縮成形、ガ
スアシスト射出成形、など)法により成形するのがよ
い。かかる成形に用いられる成形材料の形態としては、
ペレット、BMC、SMC、スタンパブルシート、プリ
プレグ等を使用することができるが、最も望ましい成形
材料はペレットである。前記ペレットは、一般的には、
所望量の樹脂と繊維のチョップド糸、もしくは連続糸を
押出機中で混練し、押出、ペレタイズすることによって
得られたものを指す。この場合、カーボンブラックは、
予め樹脂にカーボンブラックを混練したマスターバッチ
を用いて繊維と混練してもよいし、繊維と同時に樹脂に
混練してもよい。また、繊維のサイジング剤に、予め混
練しておいてもよい。前述のペレットは、ペレットの長
手方向の長さより、ペレット中の繊維長さの方が短くな
るが、本発明でいうペレットには、長繊維ペレットも含
まれる。長繊維ペレットとは、特公昭63−37694
号公報に示されるような、繊維がペレットの長手方向
に、ほぼ平行に配列し、ペレット中の繊維長さが、ペレ
ット長さと同一もしくはそれ以上であるものを指す。こ
の場合、樹脂は繊維束中に含浸されていても、繊維束に
被覆されていてもよい。特に樹脂が被覆された長繊維ペ
レットの場合、繊維束には被覆されたものと同じか、あ
るいは被覆された樹脂よりも低粘度(もしくは低分子
量)の樹脂が、予め含浸されていてもよい。例えば、被
覆された樹脂がポリアミド樹脂の場合、繊維束に液晶性
樹脂、低分子量ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、テルペ
ン・フェノール樹脂等が含浸されていてもよい。長繊維
ペレットの場合、カーボンブラックは、予め樹脂もしく
は前記低粘度(低分子量)の樹脂に、カーボンブラック
を混練したマスターバッチを用いて、繊維束に含浸もし
くは被覆してもよいし、繊維のサイジング剤に、予め混
練しておいてもよい。また、含浸もしくは被覆前の繊維
束中に予め混入してあってもよい。
【0041】本発明の導電性樹脂組成物からなる導電性
樹脂成形品が、高い導電性、力学的特性(特に強度、耐
衝撃性)を兼ね備えるためには、成形品中の導電性繊維
長さを長くすることが有効であるが、そのためには、前
述のペレットの中でも長繊維ペレットを用いて成形する
のが望ましい。
【0042】前記ペレットを用いた射出成形による導電
性樹脂成形品において、高い導電性、力学的特性(強
度、耐衝撃性)を同時に達成するためには、成形品中の
導電性繊維長さを長くすることが有効であることは前述
の通りであるが、この場合、特に成形条件および射出成
形機、さらに金型の影響を考慮しなければならない。成
形条件に関していえば、背圧が低いほど、射出速度が遅
いほど、スクリュー回転数が遅いほど、樹脂成形品中の
導電性繊維長さが長くなる傾向があり、特に背圧は、計
量性が不安定にならない程度に、できるだけ低く設定す
るのが望ましい。望ましい背圧は1〜10kgf/cm
2 である。射出成形機については、ノズル径が太いほ
ど、ノズルのテーパー角度が小さいほど、スクリュー溝
深さが深いほど、圧縮比が低いほど、樹脂成形品中の導
電性繊維長さが長くなる傾向がある。金型については、
スプルー径を大きくするほど、ゲート径を大きくするほ
ど、樹脂成形品中の導電性繊維長さが長くなる傾向があ
る。
【0043】本発明における導電性樹脂成形品は、高い
導電性、高い薄肉成形性だけではなく、構成要素
[A]、[B]の添加に起因する高い難燃性(特にドリ
ップ防止)を兼ね備えているため、UL−94規格にお
いて、1/16インチ厚での難燃性が、望ましくはV−
2以上、より望ましくはV−0以上であり、特に望まし
くは1/32インチ厚での難燃性がV−0以上である難
燃性成形品として用いるのがよい。
【0044】本発明の導電性樹脂成形品に高い難燃性を
付与する場合、構成要素[B]は難燃助剤として使用
し、難燃剤としてハロゲン系、燐系、シリコン系の難燃
剤を併用すると効果的である。高い難燃性(1/32イ
ンチ厚での難燃性がV−0)を付与する場合には、難燃
剤と難燃助剤の配合例としては、赤燐と水酸化マグネシ
ウムとを使用することが特に好まれ、かつ、これに構成
要素[A]と構成要素[B]とを併用する手段が採用さ
れる。
【0045】本発明における導電性樹脂成形品は、高い
導電性、高い薄肉成形性に加え、高い力学的特性(強
度、剛性、耐衝撃性等)を兼ね備えているため、それら
の特性が要求される電子・電気機器用部品、特に軽量化
の要求が高い携帯用の電子・電気機器のハウジング等に
好適に使用されるものである。より具体的には、大型デ
ィスプレイ、ノート型パソコン、携帯用電話機、PH
S、PDA(電子手帳等の携帯情報端末)、ビデオカメ
ラ、デジタルスチルカメラ、携帯用ラジオカセット再生
機等のハウジング等に好んで使用される。
【0046】また、本発明における導電性樹脂成形品
は、高い導電性に加え、高い力学的特性(強度、剛性、
耐衝撃性)を兼ね備えているので、従来の成形品より肉
厚をより小さくすることが可能であり、好ましくは肉厚
が4mm以下の薄肉成形品として用いるのが最適であ
り、さらに好ましくは肉厚3mm以下、特に好ましくは
肉厚2mm以下の薄肉成形品として用いるのがよい。こ
こでいう成形品の肉厚とは、成形品のうち、リブ部分や
ボス部分などの突起物などを除いた平板部分の肉厚を指
す。
【0047】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の主旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは、全て本発明の技術範囲に包含される。
【0048】得られた導電性樹脂成形品の評価項目およ
びその方法を下記に示す。 (a)比重 ASTM D 792に基づいて測定した。 (b)体積固有抵抗値(表2中ではVRと表記) ファンゲートにて射出成形した幅70mm×長さ70m
m×厚さ2mmの平板中から、幅12.7mm×長さ6
0mm×厚さ2mmの試験片を、成形流動方向を長手方
向として切り出し、絶乾状態(水分率0.1%以下)で
測定に供した。まず、幅×厚さ面に導電性ペースト(藤
倉化成(株)製ドータイト)を塗布し、十分に導電性ペ
ーストを乾燥させてから、その面を電極に圧着し、電極
間の電気抵抗値をデジタルマルチメーター(FLUKE
社製)にて測定する。前記電気抵抗値から測定機器、治
具等の接触抵抗を減じた値に、導電性ペースト塗布面の
面積を乗じ、次いで、その値を試験片長さで除したもの
を体積固有抵抗値とした。 (c)耐衝撃性(表2中ではCHと表記) シャルピー衝撃値で代表させた。試験は、4Jシャルピ
ー衝撃試験機((株)米倉製作所製)を用いて、スパン
長さ40mmで行った。試験片として、(b)項の体積
固有抵抗値測定と同様にして得られた試験片を、絶乾状
態で試験に供した。 (d)強度、弾性率(表2中ではそれぞれσ、Eと表
記) 3点曲げ試験(ASTM D 790)による値で代表
させた。試験は、万能試験機(INSTRON社製)を
用いて、スパン間距離L/厚さD=16にて行った。試
験片として、サイドゲートにて射出成形した幅12.7
mm×長さ101.6mm×厚さ6.4mmの成形品
を、絶乾状態で試験に供した。 (e)成形性 成形時の樹脂流動性(成形時の射出圧力)について、◎
(充填に十分余裕があり、成形条件の自由大)、○(充
填に余裕があり、ある程度成形条件の自由度中)、△
(充填に余裕はなく、成形条件の自由度小)、×(なん
とか充填できるが、成形条件の自由度無)、××(充填
不可)、の5段階で相対的に評価した。 (f)外観品位 表面光沢、導電性繊維の浮き、色ムラの欠陥について、
相対的に評価した。◎(前述欠陥なし)、○(前述欠陥
を1つ有する)、△(前述欠陥を2つ有する)、×(前
述欠陥を全て有する) 実施例1〜8、比較例1〜7 所望量のカーボンブラックと樹脂とを2軸押出機にてコ
ンパウンドし、マスターペレットを用意する。このマス
ターペレットと樹脂ペレットを、所望の比率でドライブ
レンドしたものを、1軸押出機にて、その先端に取り付
けたクロスヘッドダイ中に、十分溶融混練された状態で
押し出し、同時に、導電性繊維束も連続して、前記クロ
スヘッドダイ中に供給することによって、溶融樹脂およ
びカーボンブラックを導電性繊維束中に十分含浸させ
る。前記クロスヘッドダイとは、そのダイ中で繊維束を
開繊させながら溶融樹脂等を繊維束中に含浸させる装置
のことをいう。
【0049】このようにして得られた連続した導電性繊
維束を含有した樹脂ストランドを冷却後、カッターで7
mmに切断して、長繊維ペレットを得た。用いた樹脂、
導電性繊維、カーボンブラックのそれぞれの種類および
その配合率は表1に示した通りである。この表1中で
は、樹脂成形品中の導電性繊維の重量配合率をWf、カ
ーボンブラックの重量配合率をWcbと表記した。
【0050】得られたペレットを80℃にて5時間以上
真空中で乾燥させた後、シリンダ温度280℃、金型温
度80℃にて射出成形し、それぞれの試験片を得た。
【0051】評価結果を表2に示す。
【0052】表2から明らかなように、実施例1〜8の
いずれの材料も、体積固有抵抗値が0.25Ω・cmよ
りも低いため、良好な電磁波シールド効果が期待され
る。また、力学的特性(強度、剛性、シャルピー衝撃
値)、薄肉成形性、外観品位についても、樹脂成形品の
総合的なバランスに優れていることがわかる。
【0053】一方、比較例1〜3のいずれの材料も、体
積固有抵抗値は2.5×10-1Ω・cmよりも高いた
め、良好な電磁波シールド効果は期待できない。また、
比較例5〜7のいずれの材料も、体積固有抵抗値が0.
25Ω・cmよりも低いため、良好な電磁波シールド効
果が期待されるが、薄肉成形性に劣るものであった。な
お、比較例4は、流動性に極端に劣り成形不能であっ
た。 実施例9、比較例8〜10 所望量のカーボンブラックと樹脂とを、2軸押出機にて
コンパウンドし、マスターペレットを製造する。このマ
スターペレットと樹脂ペレットを、所望の比率でドライ
ブレンドしたものを、2軸押出機にて押し出しながら、
導電性繊維束をサイドフィーダーを用いて連続的に供給
することによって、溶融樹脂およびカーボンブラックを
導電性繊維束中に含浸させる。
【0054】このようにして得られた不連続の導電性繊
維束のみを含有する樹脂ストランドを冷却後、カッター
で7mmに切断して、通常のペレット(コンパウンドペ
レット)を得た。樹脂、導電性繊維、カーボンブラック
のそれぞれの種類、およびその配合率は表1に示した通
りである。
【0055】得られたペレットを80℃にて5時間以上
真空中で乾燥させた後、シリンダ温度280℃、金型温
度80℃にて射出成形し、それぞれの試験片を得た。
【0056】評価結果を表2に示す。
【0057】表2から明らかなように、実施例9は、実
施例1〜8と同様に、体積固有抵抗値が0.25Ω・c
mよりも低いため、良好な電磁波シールド効果が期待さ
れる。また、力学的特性(強度、剛性、シャルピー衝撃
値)、薄肉成形性、外観品位についても、バランスに優
れていることがわかる。
【0058】一方、比較例8〜10は、体積固有抵抗値
は0.25Ω・cmよりも大幅に高いため、良好な電磁
波シールド効果は期待できないものであることがわか
る。
【0059】次に、成形品中の繊維長さの影響につい
て、実施例5、9の対比により説明する。長繊維ペレッ
トを用いた実施例5における樹脂成形品中の重量的平均
繊維長さ(算出方法については”複合材料入門”D.H
ull著、p.65、培風館に詳細な記載がある)は
0.466mmであり、樹脂成形品中に数mmの長い導
電性繊維が多く観察された。なお、体積固有抵抗値は
0.105Ω・cmであった。これに対して、コンパウ
ンドペレットを用いた実施例9の場合には、得られた樹
脂成形品の重量平均繊維長は0.239mmであった
が、樹脂成形品中に数mm程度の長い導電性繊維は皆無
であった。体積固有抵抗値は0.193Ω・cmであ
り、実施例5に比べて2倍近い高い値を示した。これら
の比較から、導電性に及ぼす樹脂成形品中の導電性繊維
長さの重要性は明らかであり、本発明で用いられる成形
材料としては、長繊維ペレットがより望ましい。
【0060】
【表1】
【0061】表1における樹脂、導電性繊維、カーボン
ブラックの表記は下記に準じる。 N6:ナイロン6樹脂[東レ(株)製アミランCM10
17] CF1:炭素繊維[東レ(株)製トレカT300、ε=
1.5%] CF2:炭素繊維[東レ(株)製トレカT700S、ε
=2.1%] NiCF:ニッケル被覆炭素繊維 MF:ステンレス鋼繊維 CB1:カーボンブラック CB2:カーボンブラック CB3:カーボンブラック CB4:カーボンブラック
【0062】
【表2】
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、低比重で、且つ高い導
電性、力学的特性(強度、剛性、耐衝撃性等)、薄肉成
形性(成形時の流動性等)、外観品位を兼ね備えた導電
性樹脂成形品を安価に提供することができる。このよう
な導電性樹脂成形品は、特に電子機器類のハウジング等
を始め、前記特性を必要とする幅広い産業分野に好適で
あり、その工業的な効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性樹脂組成物を構成するカーボン
ブラックの一例のラマンスペクトルである。
【符号の説明】
1 :ラマンシフト1360cm-1付近に現れるラマン
バンドの散乱強度の極大値。 I2 :ラマンシフト1500cm-1付近に現れるラマン
バンドの散乱強度の極小値。 I3 :ラマンシフト1580cm-1付近に現れるラマン
バンドの散乱強度の極大値。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3:04 7:02)

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも次の構成要素[A]、
    [B]、[C]からなることを特徴とする導電性樹脂組
    成物。 [A]:導電性繊維 [B]:ラマンシフト1360cm-1付近に現れるラマ
    ンバンドの極大値I1 と、ラマンシフト1500cm-1
    付近に現れるラマンバンドの極小値I2 とのラマン散乱
    強度比I2 /I1 が、0.4〜0.8の範囲であるカー
    ボンブラック [C]:樹脂
  2. 【請求項2】 該構成要素[B]が、ラマンシフト15
    00cm-1付近に現れるラマンバンドの極小値I2 と、
    ラマンシフト1580cm-1付近に現れるラマンバンド
    の極大値I3 とのラマン散乱強度比I2 /I3 が、0.
    4〜0.7の範囲であるカーボンブラックであることを
    特徴とする請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 該構成要素[B]が、I1 :I2 :I3
    =1.3〜2.1:1:1.5〜2.5の範囲であるカ
    ーボンブラックであることを特徴とする請求項1または
    2のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 該構成要素[B]が、ラマンラマンバン
    ドの散乱強度比I2 /I 1 が、0.65〜0.75の範
    囲であるカーボンブラックであることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 該構成要素[B]が、ラマンバンドの散
    乱強度比I2 /I3 が、0.56〜0.65の範囲であ
    るカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 該構成要素[B]が、I1 :I2 :I3
    =1.3〜1.7:1:1.5〜1.9の範囲であるカ
    ーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載の導電性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 該導電性樹脂組成物が、0.25Ω・c
    m以下の体積固有抵抗値を有するものである請求項1〜
    6のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 該導電性樹脂組成物100重量%中に、
    構成要素[A]、[B]が、次の範囲で含有されている
    ものである請求項1〜7のいずれかに記載の導電性樹脂
    組成物。 [A]5〜50重量% [B]0.5〜10重量%
  9. 【請求項9】 該構成要素[A]が、少なくとも次の構
    成要素[A1]、[A2]の両方、もしくはいずれか一
    方からなるものである請求項1〜8のいずれかに記載の
    導電性樹脂組成物。 [A1]:炭素繊維。 [A2]:金属被覆繊維。
  10. 【請求項10】 該構成要素[A]100重量%中に、
    構成要素[A1]、[A2]が、次の範囲で含有されて
    いるものである請求項9記載の導電性樹脂組成物。 [A1]:50〜100重量% [A2]:0〜50重量%
  11. 【請求項11】 該構成要素[C]が、熱可塑性樹脂で
    あることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載
    の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 該構成要素[C]として、少なくとも
    ポリアミド樹脂を含有するものである請求項1〜11の
    いずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の導
    電性樹脂組成物が、長繊維ペレットの形態をとるもので
    あることを特徴とする導電性熱可塑性樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載の導
    電性樹脂組成物を用いて成形されたものであることを特
    徴とする導電性樹脂成形品。
  15. 【請求項15】 該成形が、射出成形によるものである
    請求項14記載の導電性樹脂成形品。
  16. 【請求項16】 該導電性樹脂成形品が、UL−94規
    格において、1/16インチ厚での難燃性がV−2以上
    であることを特徴とする請求項14または15のいずれ
    かに記載の導電性樹脂成形品。
  17. 【請求項17】 該導電性樹脂成形品が、電子・電気機
    器用のものである請求項14〜16のいずれかに記載の
    導電性樹脂成形品。
  18. 【請求項18】 該導電性樹脂成形品が、4mm以下の
    肉厚を有するものである請求項14〜17のいずれかに
    記載の導電性樹脂成形品。
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