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JPH11246476A - 芳香族カルボン酸の製造方法 - Google Patents

芳香族カルボン酸の製造方法

Info

Publication number
JPH11246476A
JPH11246476A JP10053707A JP5370798A JPH11246476A JP H11246476 A JPH11246476 A JP H11246476A JP 10053707 A JP10053707 A JP 10053707A JP 5370798 A JP5370798 A JP 5370798A JP H11246476 A JPH11246476 A JP H11246476A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carboxylic acid
acetic acid
oxidation
distillation
extraction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10053707A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Mori
宏治 森
Takashi Komatani
隆志 駒谷
Motomiki Numata
元幹 沼田
Hirotetsu Azumi
弘哲 安積
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP10053707A priority Critical patent/JPH11246476A/ja
Publication of JPH11246476A publication Critical patent/JPH11246476A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化反応温度が比較的低温の140〜190
℃で行う芳香族カルボン酸の製造において、蒸留と抽出
を組み合わせた酢酸分離法の採用により、消費熱量が低
減化でき、酢酸溶媒に含まれる酸化反応による生成水を
効率よく分離でき、また排水中の酢酸濃度を低減するこ
とも可能である工業的に極めて有利な方法を提供するこ
と。 【解決手段】 アルキル芳香族炭化水素を低級脂肪族カ
ルボン酸中、触媒の存在下、分子状酸素含有ガスによっ
て液相酸化し、上記酸化によって生成した水と上記低級
脂肪族カルボン酸及び低級脂肪酸エステル等の低沸点副
生物を含む混合物を分離して低級脂肪族カルボン酸を再
利用する芳香族カルボン酸の製造方法において、上記酸
化反応を140〜190℃で行い、この反応で発生した
熱を回収してこれを上記分離の熱源として利用し、且つ
上記低級脂肪族カルボン酸の分離の方法として蒸留と抽
出を組み合わせて用いることを特徴とする芳香族カルボ
ン酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は芳香族カルボン酸の
製造方法に関する。詳しくは、アルキル芳香族炭化水素
の液相酸化反応において、工業的に有利に反応溶媒を回
収して行う芳香族カルボン酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テレフタル酸などの芳香族カルボン酸の
製造方法としては、工業的には、パラキシレンなどのア
ルキル芳香族炭化水素を、酢酸溶媒中、コバルト、マン
ガン、及び臭素を含有する触媒の存在下、分子状酸素で
液相酸化反応させる方法が最も一般的である。
【0003】通常、テレフタル酸の品質は、酸化反応器
の反応温度、触媒使用量、滞留時間などの酸化反応条件
を選定することにより調整することが可能である。しか
しながら一般的に、高品質のテレフタル酸を製造するた
めには、酸化反応条件を厳しくする必要がある。それに
伴い、酢酸溶媒が燃焼または分解を起こし、損失する量
が多くなり、これによってテレフタル酸の製造コストが
高くなるという問題がある。
【0004】このような背景の中、酢酸の燃焼または分
解による損失減少を防ぐ試みとして、酸化反応を低温で
行う方法が注目されつつあり、この方法の例として共酸
化剤等の促進剤を用いた反応系を採用したケースや、酸
化排ガスの一部を反応器の液相部に循環供給することで
反応活性を高めるケース等の、低温下でも品質の優れた
テレフタル酸を製造できる改良技術が報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この低温下での酸化反
応方法でパラキシレンを液相酸化反応させてテレフタル
酸を製造する場合、スラリー状の酸化反応生成物からテ
レフタル酸を分離した後の反応母液の主成分である酢酸
溶媒は、循環使用するために反応母液から回収する必要
があり、一般に特公昭39−10119号公報で提案さ
れているような蒸留による方法が工業的に採用されてい
る。つまり、酸化反応で生成する水と酢酸溶媒の混合物
を、蒸留分離して水を溜出させて系外に排出させ、塔底
より回収される酢酸を酸化反応用及び/又は洗浄用に再
利用する。また、酸化反応で発生する熱をスチームとし
て回収し、この一部を上記蒸留分離の熱源として利用す
るというものである。水と酢酸の蒸留分離では、大気圧
下での操作条件でも塔底温度は約120℃以上であり、
当然、熱源とするスチームの温度もそれ以上が必要とな
る。スチーム温度は高いほど有利であるが、これは酸化
反応温度により制約される。したがって、0.3〜0.
6MPaの圧力を有するスチームを用いるのが一般的で
ある。また、この蒸留分離では、蒸発熱が大きい水を蒸
発させるので、多量のスチームを消費する。特に、酸化
反応温度が比較的低温の140〜190℃の場合には、
該温度が190℃を超える場合に比べ、反応熱から回収
が可能で、且つ必要温度以上を有するスチームの副生量
が減少し、スチームの消費に制約が生じるといった問題
が発生する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記実情に
鑑み、酸化反応温度が比較的低温の140〜190℃、
好ましくは140〜180℃、更に好ましくは150〜
175℃の範囲においてテレフタル酸を製造するに当た
り、再利用する酢酸溶媒中に含まれる酸化反応生成水を
効率よく分離する方法について種々検討した結果、蒸留
と抽出を組み合わせることにより、従来法では達成でき
なかった工業的に有利なテレフタル酸の製造方法を提供
するに至った。
【0007】即ち、本発明の要旨は、アルキル芳香族炭
化水素を低級脂肪族カルボン酸中、触媒の存在下、分子
状酸素含有ガスによって液相酸化し、上記酸化によって
生成した水と上記低級脂肪族カルボン酸との混合物を分
離して低級脂肪族カルボン酸を再利用する芳香族カルボ
ン酸の製造方法において、上記酸化反応を140〜19
0℃で行い、この反応で発生した熱を回収してこれを上
記分離の熱源として利用し、且つ上記分離の方法として
蒸留と抽出を組み合わせて用いることを特徴とする芳香
族カルボン酸の製造方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明において、原料として用いるアルキル芳
香族炭化水素は、液相酸化により芳香族モノカルボン
酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族トリカルボン酸等の芳
香族カルボン酸に変換されるモノ、ジ、トリアルキルベ
ンゼン、あるいはモノ、ジ、トリアルキルナフタレン等
のアルキル芳香族炭化水素であり、その一部のアルキル
基が酸化されたものも含む。具体的には、パラキシレ
ン、メタキシレン、オルトキシレン、トリメチルベンゼ
ン、トルエン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン
等が例示される。また、生成する芳香族カルボン酸とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、
トリメリット酸、安息香酸、ナフトエ酸、ナフタレンジ
カルボン酸等が例示されるが、本発明の方法は、テレフ
タル酸やイソフタル酸の製造に適用するのが好ましく、
これらの場合、原料となるアルキルベンゼンとしては、
パラキシレンやメタキシレン等が挙げられる。特に好ま
しいのは、パラキシレンを原料としてテレフタル酸を製
造する方法である。
【0009】低級脂肪族カルボン酸、好ましくは酢酸か
らなる溶媒の使用量は、通常、アルキル芳香族炭化水素
に対して2〜6重量倍である。また、該溶媒には、若干
量、例えば10重量%以下の水を含有していてもよい。
分子状酸素含有ガスとしては、空気、不活性ガスに希釈
された酸素、酸素富化空気などが用いられるが、設備面
及び運転コスト面などからは空気が好ましい。
【0010】触媒としては、通常重金属を含有するもの
が挙げられ、特にコバルト、マンガン及び臭素の各成分
を含有するものが好ましい。これらの具体例としては、
コバルト化合物では、酢酸コバルト、ナフテン酸コバル
ト、臭化コバルトなどが例示される。マンガン化合物で
は、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、臭化マンガン
などが例示される。臭素化合物では、臭化水素、臭化ナ
トリウム、臭化コバルト、臭化マンガンなどが例示され
る。各成分共、これらの化合物を併用しても良い。
【0011】なお触媒成分として、上記のコバルト、マ
ンガン、臭素成分以外の成分が存在していても良い。例
えば、テレフタル酸の製造の場合にナトリウム成分が通
常1〜1000ppm程度存在すると、マンガン成分の
沈殿の防止、あるいは得られるテレフタル酸の透過率な
どの効果が認められる。ナトリウム成分は触媒調整時に
添加してもよいし、また製造プロセス中で系内に蓄積す
るナトリウム成分をそのまま利用してもよい。更に、必
要に応じて、反応促進のために共酸化剤を併用しても良
い。共酸化剤としては、アセトアルデヒドなどのアルデ
ヒド化合物、メチルエチルケトンなどのケトン化合物等
が用いられる。
【0012】以上のような反応原料を用い、反応温度を
140〜190℃、好ましくは140〜180℃、更に
好ましくは150〜175℃の条件下で酸化反応を行
う。140℃未満では反応速度が低下し、190℃を超
えると酢酸溶媒の燃焼による損失量が増加するので好ま
しくない。反応圧力は、少なくとも反応温度において混
合物が液相を保持できる圧力以上で、通常0.2〜5M
Paである。反応系内の水分濃度は、通常5〜25重量
%、好ましくは7〜20重量%であり、この水分濃度の
調節は、通常反応器内で揮発したガスを抜き出し、該ガ
スを凝縮して得られる凝縮性成分の還流液の一部を系外
に排出(パージ)することにより行うことができる。
【0013】また、反応器から抜き出したガスから凝縮
性成分を凝縮除去して得た酸化排ガスを、2つの流れに
分岐させ、一方は系外に排出し、他方は反応器の液相部
に連続的に循環供給するのが好ましい。この方法は、反
応圧力を高め、酸素分圧を高めることを可能にする。こ
の場合、系外に排出される流れに対する反応器に循環さ
れる流れの容量割合(排ガス循環量)は、通常0.1〜
10、好ましくは0.3〜5、特に好ましくは0.5〜
3に設定される。この場合の酸化反応温度は140〜1
80℃で行うのが好ましい。
【0014】本発明においては、上記の酸化反応の後、
直ちに生成物の回収のため晶析してもよいし、必要に応
じて追加の酸化処理を行った後で晶析処理してもよい。
追加の酸化処理とは、アルキル芳香族炭化水素を供給せ
ずに、140〜190℃の温度で第2酸化処理を行う方
法や、該第2酸化処理の後に、酸化反応温度をより高温
の210℃以上、好ましくは220〜280℃として第
3酸化処理を行う方法が挙げられる。晶析処理は通常、
多段で行い、徐々に温度や圧力を下げて行く方法が好ま
しい。晶析されたスラリー溶液は結晶分離手段、例えば
ロータリーバキュームフィルター法、遠心分離法、ある
いは他の適当な分離法で、生成する芳香族カルボン酸結
晶と酸化反応母液に分離する。また得られた芳香族カル
ボン酸の精製方法としては、粗芳香族カルボン酸中の不
純物を水素還元して精製する方法、あるいは酸化処理し
て除去する方法が知られている。このうち、芳香族カル
ボン酸中の不純物を水素還元精製する方法として、高温
高圧下において芳香族カルボン酸を水に溶解させ、水素
化触媒と接触させ、該水溶液から芳香族カルボン酸の結
晶を回収する方法が提案されている(特公昭41−16
860号)。
【0015】上記芳香族カルボン酸の製造方法におい
て、得られるスラリー状の酸化反応生成物から芳香族カ
ルボン酸を分離した後、反応母液から主成分である酢酸
溶媒を回収して循環使用する。即ち、反応母液中には酢
酸溶媒及び反応生成水のほかに、触媒として使用される
コバルト、マンガン等の重金属化合物や臭素化合物、な
らびにp−トルイル酸、4−カルボキシベンズアルデヒ
ド等の反応中間生成物、さらには反応副生成物等を含有
している。そこで反応母液は、先ず溶媒フラッシング蒸
留塔に送られ、塔頂部から溜出する酢酸溶媒及び水の混
合物と、塔底部から得られる触媒成分、反応中間生成物
及び反応副生成物等からなる蒸留残留物とに分けられ
る。次いで上記溜出混合物、及び酸化反応排ガスを凝縮
して得られる凝縮性成分の還流液の一部は、蒸留及び抽
出により水分を除去した後に酸化反応に再使用する。
【0016】ところで反応母液からの酢酸溶媒の分離を
一般の蒸留法のみで行う場合、水と酢酸の沸点(沸点1
17.8℃/標準圧)が接近しているため、70段以上
の高い段数の蒸留塔が必要となり、しかも酢酸に対する
水の比揮発度が小さいため、塔頂における還流比を大き
くとる必要があり、効率が悪い。更に蒸発熱の大きな水
を多量に蒸発しなければならないので、多大な熱源消費
量を要する。
【0017】この問題を解決するために、従来から種々
の提案がなされている。このうち、本発明では、有機溶
剤による抽出法と蒸留法との組み合わせを採用した。す
なわち、特開平7−53443号には、テレフタル酸の
製造工程において、蒸留操作と抽出操作の組み合わせに
よる酢酸回収方法が提案されている。該方法は、蒸留塔
塔頂に於ける還流比を下げて水の溜出に要する熱量を低
減できるという利点がある。
【0018】上記抽出に使用される抽剤は、主として酢
酸と水からなる混合溶液の抽出に用いられる公知の化合
物(ギ酸ブチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオ
ン酸エチル、ブタン酸エチル等の低級脂肪酸エステル
類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ
エチルケトン、メチルブチルケトン等のケトン類、ブタ
ノール、tert-アミルアルコール、3-ペンタノール
等のアルコール類、Cytek社からCyanexとし
て商品化されているフォスフィン酸化物等)が使用でき
る。これらの中で酢酸エチルなどの低級脂肪酸エステル
類が最も好ましい。
【0019】抽出後、溶媒回収工程に送られる蒸気ある
いは凝縮液中には、酢酸や酢酸メチル等の低沸点副生成
物の他に、酸化反応の生成水が含まれており、生成水を
系外へ排出するために、まず蒸留塔を用いて蒸留分離を
行う。上記蒸留塔に送られる蒸気あるいは凝縮液は蒸留
塔の中段へ供給され、塔底からは酸化反応に使用できる
程度に脱水された酢酸が得られる。この際蒸留塔の塔頂
から得られる溜出液の成分濃度は特に限定されるもので
はないが、酢酸濃度は水溶液に対して通常1重量%以
上、好ましくは5重量%以上、特に好ましくは10重量
%が望ましい。あまり酢酸濃度が低すぎると、酢酸蒸留
塔のリボイラー負荷が大きくなってしまうので好ましく
ない。一方、上限値としては通常50重量%以下、好ま
しくは40重量%以下、更に好ましくは30重量%以下
である。あまり酢酸濃度が高すぎると、抽出装置の負荷
が大きくなるので好ましくない。この蒸留塔は、上記の
ような割合の酢酸を含む還流比及び/又は蒸留塔の理論
段の条件とする。この溜出液は、抽出塔に送られる。酢
酸抽出後、酢酸と抽出溶剤(抽剤)との分離を効率よく
行うためには、酢酸との沸点差が少なくとも10℃の抽
剤を使用するのが好ましい。また、抽出塔としては、通
常用いられる形式、例えばミキサーセトラ型抽出塔、多
孔板型、充填塔型、バッフル塔型、振動多孔板型、攪拌
混合型、脈動充填型などが使用できる。抽出により得ら
れる抽剤を主成分とする抽出相は、蒸留によって後処理
するのが有利である。酢酸と抽剤との沸点差が十分あれ
ば、通常の蒸留操作で容易に高純度酢酸を回収できる。
又、抽出後の水を主成分とする抽残相に溶出した抽剤も
蒸留操作によって回収される。用いられた抽剤は再び抽
出塔へ循環供給するが、この抽剤中に含まれる低沸点副
生成物、例えば酢酸メチル等を蒸留等で除去した後に、
抽出塔へ循環供給した方が好ましい。もしくは抽出工程
に送られる前に、蒸留塔塔頂溜出液を蒸留等により、酢
酸メチル等を除去する方法も有効である。前者の場合、
抽剤中への酢酸メチル等の蓄積を避けるために、酢酸メ
チル等を蒸留等で分離しようとすると、抽剤の損失が一
緒に起きてしまうが、後者では抽剤の損失が前者に比べ
少ないことから有利である。どちらの場合も酢酸メチル
等を反応系にリサイクルすることが好ましい。
【0020】本発明では、上記分離の熱源に、酸化反応
で発生した熱をスチームとして回収してこれを利用す
る。上記分離熱源の対象としては酢酸脱水塔、酢酸メチ
ル回収塔、酢酸回収塔、抽剤回収塔が挙げられ、そのう
ちの1カ所でも良いし、数カ所でも良い。上記分離は一
般に常圧下で行い、熱源温度は120℃以上を必要とす
るので、この温度に応じた圧力を有するスチームを酸化
反応熱から副生させる。副生スチーム温度は高いほど好
ましいが、酸化反応温度により制約があり、通常、0.
3〜0.6MPaの圧力を有するスチームを副生するの
が一般的である。特に本発明のように酸化反応温度が1
40〜190℃と比較的低温である場合は、反応温度1
90℃を超える場合に比べて、この圧力を有するスチー
ム副生量は大幅な減少を余儀なくされ、これにより蒸留
塔等のスチーム消費量を抑制する必要がある。
【0021】上述したように、芳香族カルボン酸製造に
おいて、酸化反応母液中に含まれる酸化反応生成水を分
離により除去する場合、蒸留と抽出を組み合わせること
は、消費熱量が低減化されるという利点がある。特に本
発明のように、酸化反応温度が140〜190℃と比較
的低温条件下での芳香族カルボン酸の製造プロセスにお
いて、酸化反応の反応熱を利用した副生スチームが減少
した場合、該酸化反応溶媒の分離に蒸留と抽出の組み合
わせを採用することで、該分離の熱源であるスチームの
消費量を大幅に抑制することは、その効果が大きく、工
業的に非常に有利なプロセスである。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその趣旨を超えないかぎりこれら実施
例により何ら限定されるものではない。なお、実施例
中、「部」とあるのは「重量部」を表す。
【0023】実施例1 以下図1を参照して説明する。撹拌機(番号無し)、加
熱装置(番号無し)、触媒の溶媒スラリー及びパラキシ
レンの供給ライン4、空気導入ライン5、反応スラリー
抜き出しライン8、還流液抜き出しライン9、酸化排ガ
スを反応器に循環させるためのブロワー3、及びその循
環ライン7を備えたチタン製耐圧主酸化反応器1のライ
ン4よりパラキシレン30.6部/hr、水9%を含む
酢酸154.4部/hr、並びにコバルト、マンガン及
び臭素を触媒成分として含む混合物を供給し、ライン5
より酸化ガスとして空気を酸化排ガス中の酸素濃度が6
容量%となるように供給する。スチーム副生装置を兼ね
たチタン製コンデンサー2から酸化排ガスをライン6よ
りパージするとともに、系外にパージする酸化排ガス量
に対し非凝縮性成分を基準とした循環ガス量の容量割合
が1.0となるように、酸化排ガスをブロワー3により
ライン7を経て主酸化反応器1の液相部に循環する。ま
たライン9より還流液100.2部/hrを抜き出し、
反応系内の水分濃度を約10%に調整し、滞留時間10
0分、圧力1.36MPa、反応温度175℃の条件下
でパラキシレンの酸化反応を行う。
【0024】このコンデンサー2では、酸化反応熱を利
用して0.35MPaの圧力を有するスチームを回収す
る。ここで言う回収熱とは、その殆どが酸化反応生成熱
であり、テレフタル酸生産量が同一であれば該酸化反応
生成熱はほぼ一定であり、設定する酸化反応温度に関係
なく回収熱量そのものは大差ないと解釈して良い。
【0025】次いで、主酸化反応器1よりライン8を通
して反応スラリーを抜き出し、このスラリーを追酸化反
応器に連続的に送り、滞留時間45分、圧力1.22M
Pa、反応温度174℃の条件下、酸化排ガス中の酸素
濃度が6容量%となるように空気を供給して、追酸化を
行う。追酸化後の反応スラリーは、引き続き反応スラリ
ーの入口と出口を備えたチタン製の冷却晶析器に送って
晶析した後固液分離し、得られた固体を乾燥することに
よりテレフタル酸結晶を得る。固液分離して得られる反
応母液の50%は酸化反応系へ循環使用する。
【0026】一方、ライン9より酸化反応排ガスの凝縮
液100.2部/hr(酢酸=81重量%、水=18.
0重量%)及びライン10より混合蒸気60.8部/h
r(酢酸=50.5重量%、水=49.3重量%)を塔
頂100℃、塔底120℃の実段=70段、還流比=
1.7である、リボイラー17を備えた酢酸脱水蒸留塔
11に導入する。該塔11下部(ライン16)から水
7.2重量%を含む酢酸を回収すると共に、塔11上部
からコンデンサー12、デカンター13で処理して水を
主体とする溜出液(ライン15)20.4部/hr(酢
酸=15.3重量%、酢酸メチル=2.6重量%)を得
る。さらにこの溜出液を塔頂50℃、塔底103℃、実
段=17、還流比=5のリボイラー25を備えた酢酸メ
チル回収塔18に導入し、塔頂部からライン19を通っ
てコンデンサー20、デカンター21で処理し、酢酸メ
チルを主成分とする溜出液(ライン23)0.6部/h
rを回収すると共に、塔底より水を主体とする液(ライ
ン26)19.8部/hr(酢酸15.8重量%)を得
る。回収された酢酸メチルを主成分とする液(ライン2
3)は反応系にリサイクルされる。
【0027】酢酸メチル回収塔18の溜出液24をライ
ン26を通じてRDCタイプ抽出塔27(実段=55)
上部より連続供給する。また抽剤である酢酸エチルを抽
出塔27底部より連続供給する。この時の抽剤/該水溶
液=1.5とする。抽出塔27最下部からは溶解度に相
当する酢酸エチルを含有した水を得、抽出塔27の最上
部からは酢酸を抽出した酢酸エチル相を得る(ライン2
8)。抽出塔27最下部から得る液は塔頂71℃、塔底
100℃、実段=10、還流比=1.1の抽剤回収塔3
9へ導入される。抽剤回収塔39上部から抽剤を回収す
る(ライン40)と共に、抽剤回収塔39下部より処理
水(ライン43)14.9部/hr(酢酸=560pp
m)を得る。また抽出塔27最上部から得る液はライン
28を通じて塔頂71℃、塔底103℃実段=24、還
流比=0.1の酢酸蒸留塔29へ導入される。酢酸蒸留
塔29上部からも抽剤を回収する(ライン30)と共
に、酢酸蒸留塔29下部より回収酢酸(ライン36)
4.8部/hr(酢酸=64.7重量%)を回収する。
酢酸蒸留塔29、抽剤回収塔39からそれぞれ抜き出さ
れる水を含む抽剤成分(ライン30、ライン40)はそ
れぞれコンデンサー31、41で冷却されたのち、それ
らを合わせて液液分離器32に導いて、回収抽剤を主体
とする成分と水を主体とする成分にそれぞれ分離され
る。水を主体とする成分は還流液(ライン42)として
抽剤回収塔39へ送られ、蒸留分離に供される。その水
成分は処理水としてパージされる。また、回収抽剤はラ
イン33、ライン35を経て酢酸回収塔29、及びライ
ン33、ライン34を経て抽出塔27に循環されて再利
用される。
【0028】このような工程中、酢酸脱水蒸留塔11及
び酢酸メチル回収塔18、酢酸回収塔29、及び抽剤回
収塔39の熱源は、酸化反応熱を回収して得られる0.
40MPaの圧力を有するスチームを利用する。この時
の酸化反応器1、酢酸脱水蒸留塔11、酢酸メチル回収
塔18、抽出塔27、酢酸回収塔29、抽剤回収塔39
の操作条件及び装置仕様を表−1に示す。
【0029】比較例1 蒸留分離を一般蒸留法のみで行うこと以外は実施例1と
同様にして反応、蒸留を行う(図2参照)。酢酸脱水蒸
留塔11は理論段70段を有し、還流比(還流液量/溜
出液量)は3.4で行う。この結果を表−1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】なお、上記表−1における*1〜*4の意
味は以下の通りである。 *1 排ガス循環量:系外にパージする酸化排ガス量に
対し、非凝縮性成分を基準とした循環ガス量の容量割合
を示す。 *2 コンデンサー伝熱面積比:酸化反応で発生する熱
を0.40MPaの圧力を有するスチームとして回収す
るコンデンサー2の伝熱面積について、実施例1の値を
基準とした相対値を示す。
【0032】*3 リボイラー消費熱量比:酢酸脱水蒸
留系で消費される熱量について、実施例1の値を基準と
した相対値を示す。尚、ここで対象となるのは、酢酸脱
水蒸留塔11のリボイラー17と酢酸メチル回収塔18
のリボイラー25、酢酸回収塔29のリボイラー37、
抽剤回収塔39のリボイラー44の消費熱量である。 *4 リボイラー伝熱面積比:酢酸脱水蒸留塔11のリ
ボイラー17の伝熱面積について、実施例1の値を基準
とした相対値を示す。
【0033】上記の結果から、酢酸の脱水分離に、蒸留
と抽出を組み合わせた実施例1に対し、一般蒸留法のみ
を採用した比較例1では、必要な消費熱量が1.2倍と
大きく、この結果、酸化反応の排ガスから回収する0.
40MPaの圧力を有するスチームの副生量を増大させ
るために、コンデンサー2の伝熱面積を1.6倍にする
必要があることがわかる(*2)。一方、酢酸脱水蒸留
塔11のリボイラー17の伝熱面積も消費熱量増大に伴
い、1.6倍にする必要があるというものである(*
4)。
【0034】このように比較例1で該コンデンサー2及
び該リボイラー17の伝熱面積が実施例1よりも増大す
るのは、酸化反応温度を175℃と比較的低温とするこ
とにより、必要なスチーム副生量を維持するのに制約が
発生することが大きな要因である。従って、酸化反応温
度が190℃を超えるような場合では問題にはならな
い、本発明における比較的低温での反応特有の問題と言
える。
【0035】また、該コンデンサー2及び該リボイラー
17の材質は、何れも酢酸濃度が高い使用環境であるこ
とから、耐腐食性を考慮して、一般にチタン等の高級金
属又は合金を使用する。したがって、酸化反応温度が比
較的低温の140〜190℃の場合において、酢酸の脱
水蒸留に抽出蒸留法を採用することは、設備コスト縮小
にも大きく影響を及ぼすことにもなるので、以上のこと
から本発明の方法は工業的に極めて有利な方法であると
言える。
【0036】
【発明の効果】本発明は、酸化反応温度が比較的低温の
140〜190℃で行う芳香族カルボン酸の製造におい
て、蒸留と抽出を組み合わせた酢酸分離法の採用によ
り、消費熱量が低減化でき、酢酸溶媒に含まれる酸化反
応による生成水を効率よく分離できるものであって、工
業的に極めて有利である。この効果は、芳香族カルボン
酸製造において、特定の酸化反応温度とすることや、蒸
留と抽出を組み合わせた酢酸分離法を独立に行うだけで
は到底達し得なかったものであり、これらの要素の組合
せにより、予想外に効率的であり、かつ初めて得られる
格別な効果である。更に蒸留法のみの場合よりも、排水
中の酢酸濃度を低減することも可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例1で用いた主酸化反応系
及び蒸留と抽出の組み合わせによる酢酸脱水分離系の工
程を示す図である。
【図2】図2は本発明の比較例1で用いた主酸化反応系
及び一般蒸留法による酢酸脱水蒸留系の工程を示す図で
ある。
【符号の説明】
1:主酸化反応器 2:コンデンサー 3:ブロワー 4:触媒の酢酸溶媒スラリー及びパラキシレンの供給ラ
イン 5:空気の導入ライン 6:酸化排ガスのパージライン 7:酸化排ガスのリサイクルライン 8:反応スラリー
の抜き出しライン 9:還流液の抜き出しライン 10:反応副生成物を除
去した溜出蒸気ライン 11:酢酸脱水蒸留塔 12:コンデンサー 13:デ
カンター 17:リボイラー 18:酢酸メチル回収塔 20:コンデンサー 21:
デカンター 25:リボイラー 27:抽出塔 29:酢酸回収塔 31:コンデンサー 32:液液分
離器 37:リボイラー 39:抽剤回収塔 41:コンデンサー 44:リボイ
ラー その他14、15、16、19、22、23、24、2
6、28、30、33、34、35、36、38、4
0、42、43、45は配管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 安積 弘哲 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社黒崎事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル芳香族炭化水素を低級脂肪族カ
    ルボン酸中、触媒の存在下、分子状酸素含有ガスによっ
    て液相酸化し、上記酸化によって生成した水と上記低級
    脂肪族カルボン酸及び低級脂肪酸エステル等の低沸点副
    生物を含む混合物を分離して低級脂肪族カルボン酸を再
    利用する芳香族カルボン酸の製造方法において、上記酸
    化反応を140〜190℃で行い、この反応で発生した
    熱を回収してこれを上記分離の熱源として利用し、且つ
    上記低級脂肪族カルボン酸の分離の方法として蒸留と抽
    出を組み合わせて用いることを特徴とする芳香族カルボ
    ン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸化反応を行う反応器からガスを抜き出
    し、該ガスから凝縮性成分を凝縮除去して得た酸化排ガ
    スの一部を、該反応器の液相部に循環供給する請求項1
    に記載の芳香族カルボン酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルキル芳香族炭化水素を低級脂肪族カ
    ルボン酸中、触媒の存在下、分子状酸素含有ガスによっ
    て液相酸化し、上記酸化によって生成した水と上記低級
    脂肪族カルボン酸及び低級脂肪酸エステル等の低沸点副
    生物を含む混合物から蒸留により低沸点副生物を除去し
    た後、抽出に供する請求項1又は2に記載の芳香族カル
    ボン酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 抽出で使用した抽剤を循環使用するに当
    たり、該抽剤に含まれる低沸点副生成物を、蒸留により
    除去する請求項1又は2に記載の芳香族カルボン酸の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 アルキル芳香族カルボン酸がパラキシレ
    ンである請求項1乃至3の何れかに記載の芳香族カルボ
    ン酸の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007527309A (ja) * 2003-07-10 2007-09-27 イーストマン ケミカル カンパニー 芳香族カルボン酸の製造法におけるエネルギー回収方法
CN103476738A (zh) * 2010-11-22 2013-12-25 英威达技术有限公司 芳族羧酸的生产

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EP2643285A4 (en) * 2010-11-22 2015-03-18 Invista Tech Sarl Production of aromatic carboxylic acids
EP2937330A1 (en) * 2010-11-22 2015-10-28 Invista Technologies S.a r.l. Production of aromatic carboxylic acids

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