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JPH11127859A - 造血幹細胞の分化・増殖調節方法 - Google Patents

造血幹細胞の分化・増殖調節方法

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Publication number
JPH11127859A
JPH11127859A JP9296041A JP29604197A JPH11127859A JP H11127859 A JPH11127859 A JP H11127859A JP 9296041 A JP9296041 A JP 9296041A JP 29604197 A JP29604197 A JP 29604197A JP H11127859 A JPH11127859 A JP H11127859A
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JP
Japan
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gene
cells
hematopoietic stem
differentiation
vector
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JP9296041A
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Masakatsu Osawa
匡毅 大沢
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Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
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Publication date
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Priority to AU96498/98A priority patent/AU9649898A/en
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

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  • Cell Biology (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 造血幹細胞及び/または造血前駆細胞を、分
化を抑制した状態で生存させ、増殖させる。 【解決手段】 ウイルスベクターに組込まれた分化抑制
遺伝子を導入することなどにより、哺乳動物の造血幹細
胞中で分化抑制遺伝子の発現を強化すると共に、血液細
胞刺激因子を作用させることにより、前記造血幹細胞及
び/または前記造血幹細胞から分化した造血前駆細胞の
分化および増殖を調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、造血幹細胞及び/
または造血前駆細胞の分化および増殖を調節する方法、
及びその方法に用いるベクター及び細胞に関する。造血
幹細胞及び造血前駆細胞は、骨髄移植や臍帯血移植に代
わる血液細胞移植、あるいは遺伝子治療に用いることが
できる。
【0002】
【従来の技術】生体内を流れる成熟血液細胞は、短期間
の寿命(ヒトでは赤血球で約120日、血小板で約7
日)しかなく、成熟血液細胞は造血前駆細胞から毎日分
化増殖することによって、末梢血の成熟血液細胞の恒常
性を保っている。末梢血に供給される成熟血液細胞の数
は、ヒトの場合赤血球で2000億個/日、好中球で7
00億個/日にもなる。これらの各分化系列の前駆細胞
は、さらに未分化な造血幹細胞から分化しながら増殖す
ることで恒常的に末梢血液細胞が枯渇しないようなシス
テムができている(須田年生、血液幹細胞の運命、羊土
社、1992)。
【0003】このような血液細胞の分化系については、
マウスを用いた実験系においてその性質が明らかにされ
てきた。末梢血を流れる種々の成熟血液細胞が、骨髄に
存在する造血幹細胞に由来することが明らかにされたの
は、TillとMcCullochの研究による(Till, J. E., Rad.R
es., 14:213-222, 1961)。放射線を照射して骨髄の造血
系を破壊したマウスに他のマウス由来の骨髄細胞を移植
したところ、脾臓に血液細胞からなるコロニーの形成(C
FU-S; colony-forming-unit spleen)が確認された。こ
のコロニーの数は移植する骨髄細胞の数に比例するこ
と、さらに一個の細胞に由来するコロニーの中に多くの
血球系の細胞の存在が確認されることから、多くの血液
細胞種に分化できる多分化能を持つ造血幹細胞(多能性
幹細胞)が骨髄中に存在することが明らかにされたので
ある。
【0004】その後、造血細胞の性質を解析する手段と
して放射線照射マウスを用いた移植実験系、さらには、
in vitro(インビトロ)のコロニー形成法(Bradley, T.
R.,J. Exp. Med., 44: 287-299, 1966)が開発され、造
血幹細胞および、造血前駆細胞の分化に関する知見が蓄
積されてきた。
【0005】放射線照射マウスを用いた移植実験系は、
最も直接的に造血幹細胞の性質を解析する手法である。
放射線照射し造血系に障害を与えたマウス(レシピエン
ト)に、他のマウス(ドナー)から分離した骨髄細胞を
移植すると、レシピエントマウス中にドナー由来の造血
系を再構築することができる。造血細胞に発現される各
種分化抗原(Spangrude, G.J., Proc.Natl.Acad.Sci.U.
S.A., 87:7433-7437, 1990; Visser, J.M.W., 「Flow
cytometry in hematology」, Academic Press, p9-29, 1
992)を利用して、あるいは、造血細胞の大きさ(Jones,
R.J., Nature, 347: 188-189, 1990)を利用して、ある
いは、細胞の性質、状態によって染色性の異なる蛍光物
質等(Rh123, Hoechst 33342) (Wolf, N.S., Exp. Hemat
ol., 21:614-622, 1993)を用いて、骨髄細胞を分画し上
記の移植実験を行うことで、骨髄細胞中の造血幹細胞を
同定する試みがなされてきた。これまでの知見から、造
血幹細胞は一個の細胞を移植しただけでも、リンパ球系
の細胞にも骨髄球系の細胞にも分化することができ、か
つ、長期にわたり移植先個体の中で造血系を構築するこ
とができることも明らかにされている (Osawa, M., Sci
ence, 273: 242-245,1996)。造血幹細胞は、移植先の個
体で長期間にわたり生着し、分化血球を供給することが
できるのである。一方、造血前駆細胞を用いた移植実験
では、短期間に移植先個体から移植した細胞群が消失し
てゆき長期にわたり造血をになうことができない(Osaw
a, M., Science, 278: 242-245, 1996)。
【0006】近年、種々のサイトカインが取得され、in
vitroで形成されるコロニー形態から、血液細胞の性質
を解析できるようになった(Ogawa, M., Blood, 81:284
4-2853, 1993)。造血前駆細胞は、多くのサイトカイン
が存在しても、限られた分化系列の成熟血液細胞にしか
分化することはできないが、移植マウスで長期の造血系
を構築できる造血幹細胞は、多くの細胞分化系列に分化
することが可能である。
【0007】これらの結果から、造血幹細胞から末梢血
を流れる成熟血液細胞までの分化は、以下のように解釈
されている。造血幹細胞は、各種分化系列に分化可能な
多分化能を有しており、かつ、この多分化能の性質(分
化多能性)を保持したまま自己複製することが可能であ
る。造血幹細胞は、自己複製するとともに一部は分化
し、各種サイトカインの作用を受け、次第に分化できる
細胞系列が狭まり、限られた細胞種へしか分化できない
造血前駆細胞へと分化増殖し、最終的に成熟血液細胞に
なる(Hematopoietic Stem Cells, Levitt, D., Marcel
Dekker, Inc., 1995)。
【0008】骨髄移植療法、臍帯血移植療法は患者に造
血細胞を移植する治療法であるが、移植後長期に治療効
果が持続するかは、前述のように移植した造血幹細胞が
移植先の患者に生着できるかに関わる。
【0009】先天性の遺伝子疾患患者に対し、欠失ある
いは、変異遺伝子を相補する遺伝子治療の試みがなされ
ている(大橋十也、実験医学、12:333、199
4)。このような遺伝子治療においては、造血幹細胞
は、前述のように移植先個体で長期に生存しうることか
ら、最適な標的として考えられている。すなわち、造血
幹細胞の遺伝的な欠損を補完する遺伝子治療は、疾患の
根本的な治療になると考えられている。
【0010】このように、造血幹細胞の有用性が臨床的
に認識されており、造血幹細胞をいかに未分化のままで
増殖させるかが課題となっている。造血幹細胞をサイト
カインや血液細胞刺激因子を用いて増殖させる試みがな
されてきたが、効率的に造血幹細胞を増殖させることに
成功するに至っていない(Trevisan, M.,Blood, 88:41
49,1996)。これらの培養系では造血幹細胞が分化し、
造血前駆細胞の増殖が優位になっている。そこで、造血
幹細胞の分化を抑制することができれば、サイトカイ
ン、造血細胞刺激因子の存在下で造血幹細胞を増殖させ
ることも可能になると思われる。
【0011】造血系の細胞の分化を人為的に調節しよう
とするとき、造血系以外の細胞の分化の制御様式を調べ
ることも重要と考えられる( Morrison, S.J., Cell, 8
8:287, 1997)。近年、ショウジョウバエの発生分化の研
究を通して、分化の調節を行う分子群が存在することが
明らかにされてきた。Notch/Delta(ノッチ/デルタ)
を介したシグナル伝達系はこれら分化調節をになうシグ
ナル伝達系の1つである。
【0012】Notch/Deltaは、ショウジョウバエの胚発
生時の神経、翅などの種々の器官の形成に関わっている
ことが遺伝学的な解析により明らかにされてきた(Artav
anis-Tsakonas, S., Science, 268:225, 1995)。リガン
ドであるDelta(デルタ)蛋白質は受容体であるNotch
(ノッチ)蛋白質と結合し、Notchを通して分化を抑制
するようなシグナルを伝達する。また、哺乳類において
も、Notch/Delta遺伝子ファミリーの相同遺伝子が知ら
れている( Blaumueller, C. M., Perspectiveson Deve
lopmental Neurobiology, 4:325, 1997)。さらには、N
otch/Deltaのシグナル伝達を細胞内で担う分子について
も、ショウジョウバエの相同遺伝子が哺乳類においても
見出されており(Artavanis-Tsakonas, S., Science, 2
68: 225,1995)、Notch/Delta系の分化調節機構は、基
本的には昆虫から哺乳類までほぼ似通った経路で行われ
るものと考えられる。
【0013】神経細胞分化におけるNotchシグナル伝達
系による分化制御は、以下のように考えられている(Ar
tavanis-Tsakonas, S., Science, 268: 225, 1995; Sim
pson, P.,Perspectives on Developmental Neurobiolog
y, 4:297, 1997)。胚発生時に背腹軸、前後軸が決定さ
れてくると、外胚葉に神経芽細胞、及び表皮細胞に分化
が可能な細胞集塊(proneural cluster)が出現する。
この細胞集塊の中から神経細胞に分化可能な細胞が選別
される際に、Notch/Delta系のシグナル伝達系が重要な
役割を果たす。この細胞集塊に存在する細胞は等しくNo
tchを発現しているが、一部の細胞がNotchリガンドを発
現するようになり、その細胞は隣接する細胞が神経細胞
に分化することを抑制する(側方抑制)。Notchリガン
ドを発現する細胞は、神経芽細胞へと分化し、さらに種
々の刺激を受けて分化を続けることで機能的な神経細胞
へ終末分化を遂げる。一方、Notchリガンドと結合する
ことでNotch/Deltaシグナル伝達系が活性化された細胞
は、神経細胞に分化することができず、表皮細胞へと分
化していく。
【0014】Notch/Deltaシグナル伝達系が機能できな
い変異を持つ個体では、神経細胞への分化が抑制されな
いため、神経細胞が過形成されることになる。逆に、細
胞外領域がほとんど欠失している、あるいは細胞領域内
のみがタンパクとして発現するようになった活性化型No
tch/Deltaを発現する個体では神経細胞への分化が抑制
されている(Artavanis-Tsakonas, S., Science, 268:
225, 1995)。
【0015】さらに、細胞内におけるNotch/Delta系の
シグナル伝達については以下のように考えられている。
Notchは、Deltaと結合することで活性化され、Notchの
細胞内領域を介して、核移行タンパクであるRBP-Jκ(CB
F-1、KBF-2ともいう)と相互作用する(Honjo, T., Gen
es to Cells, 1:1, 1996)。RBP-Jκは、Notch活性化に
したがい核内へ移行し、HLH(ヘリックス−ループ−ヘリ
ックス)転写因子であるHES-1(影山 龍一郎、生化学、
67:1093、1995)の発現を誘導する。HLH 型の転写因子
は、3つのドメイン構造からなる転写因子で、つまり、
1)ヘリックス−ループ−ヘリックスの立体構造を形成
する部分で自身との結合あるいは他のHLH型の転写因子
との結合により、ホモダイマーあるいはヘテロダイマー
を形成するための結合部分、2)塩基性のDNAとの結合
能を有する部分、3)転写促進活性を有する部分、より
なる。HLH型転写因子の特徴は、DNA結合能がヘテロダイ
マーを形成する相手によって調節されることにある。
【0016】一方、神経細胞の分化を正に調節するHLH
型転写因子として、Mash-1、MATHが知られている。これ
らMash-1、MATHはともにHLH型の転写因子で、普遍的に
存在するHLH型転写因子E12/E47とヘテロダイマーを形成
し、特異な塩基配列を認識して神経細胞の分化を促進す
る遺伝子群を活性化する(Johnson, J.E., Proc. Natl.
Acad. Sci. U.S.A., 89:3596, 1992)。HES-1は、E12/E4
7と拮抗的にMash-1、MATHと結合しそのDNA結合活性を抑
制することで、神経細胞への分化を促進する遺伝子の発
現を阻害することによって、神経細胞への分化を抑制す
るものと考えられている(Sasai, Y., Genes Dev., 6:2
620, 1992)。
【0017】上記のように、HES-1は、Notch/Delta系の
分化調節において最終段階で分化を正の方向に調節する
転写因子の活性を阻害するという重要な役割を果たして
いる。HES-1類似遺伝子であるHES-3、HES-5にも同様な
調節機構が類推されている。(影山 龍一郎、生化学、6
7:1093、1995) 一方、骨格筋系の分化ではNotch/Delta系による分化の
調節がなされているが、HES-1遺伝子を骨格筋芽細胞に
直接導入し発現させても、骨格筋細胞への分化は抑制さ
れず、RBP-JκからHESファミリー遺伝子へのシグナル伝
達系とは異なった分化調節機構が推測されている(Shaw
ber, C., Development, 122:3765, 1996)。つまり、全
ての細胞種において、HES-1を介して分化制御が行われ
ているのではない。
【0018】血液細胞におけるNotch遺伝子の機能の解
析は、Notch-1遺伝子の転座により細胞外領域のほとん
どが欠失したNotch-1遺伝子(TAN-1ともいう)がT細胞
の白血病化を引き起こすことが明らかとなったことに始
まる(Ellison, L.W., Cell, 66:649, 1991; Reynolds,
T. C., Cell, 50:107, 1987)。そして、活性化型のNo
tchを導入されたトランスジェニックマウスでは、未熟
なT細胞の性質を持つ白血病が生じることから、T細胞
の増殖制御に関与することが報告されている(Pear, W.
S., J. Exp. Med.,183:2283, 1996)。その後T細胞の
分化の過程で、実際にNotchがCD4+CD8-、CD4-CD8+の表
現形を持つ成熟T細胞の分化決定に関わることも明らか
にされた(Robey, E., Cell, 87:483, 1996)。さらに、
前骨髄球細胞株の分化をNotchシグナル伝達系が阻害す
ることが報告されている(Milner, L., Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA, 93:13014, 1997)。
【0019】一方、造血幹細胞では、Notch遺伝子が造
血幹細胞で発現されていることは報告されているが(Mil
ner, L. A., Blood, 83:2057, 1994)、造血幹細胞から
各種の分化細胞に分化する過程でのNotch/Deltaの機能
については今まで報告はない。
【0020】Deltaの哺乳類の相同遺伝子にはDll-1(Ch
itnis, A., Nature, 375: 761, 1995)、Dll-3(Dunwoo
die, S.L., Development, 124: 3065, 1997)ならびにJ
agged-1(Lindsell, C.E., Cell, 80: 909, 1995)、Ja
gged-2(Shauber, C., Dev.Biolo., 180: 370, 1996)
が報告されているが、その造血幹細胞に対する作用の報
告はない。一方、Deltaに低いながら相同性を有する分
子として、Delta-likeprotein;DLK(SCP-1、Pref-1と
もいう)(Laborda, J., Jounal of BiologicalChemistr
y, 268:3817, 1993)が造血系の細胞に作用するという報
告がある(Moore, K. A., Proc Natl. Acad. Sci. U.S.
A., 94:4011, 1997; WO97/31647)。DLKを造血細胞を支
持するストローマ細胞に発現させ、造血幹細胞分画と共
培養を行なうと、造血前駆細胞の増殖を支持する活性が
確認されている。しかし、膜タンパクであるDLKを可溶
化型にして、DLKを直接造血幹細胞に作用させても活性
は認められない。したがって、DLKが造血前駆細胞に直
接作用して分化を抑制する活性を発揮しているのかは明
らかでない。さらに、DLKはDeltaとの相同性が低いこと
から、DLKがNotchを介してシグナル伝達を行なうのかに
ついても、今のところ不明である。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、造血幹細胞及び/または造血前
駆細胞の分化を抑制する方法、ならびに分化を抑制した
状態で生存させ、好ましくはさらに増殖させる方法及び
これらの方法に用いる手段を提供することを課題とす
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明者は、造血幹細胞
の分化制御にNotch/Delta系の分子を利用できないかと
考え、まず、実際に造血幹細胞を含む造血細胞でNotch-
1、 Notch-2、 Notch-3、 Notch-4及び、HES-1、HES-
3、HES-5が発現しているかを詳細に調べた。その結果、
Notch、HES遺伝子が、種々の分化段階における造血細胞
で広汎に発現していることを世界で初めて確認した。そ
して、この発現状況からNotch/Delta系のシグナル伝達
系が造血幹細胞からの細胞分化にも重要な役割を果たし
ていると推測した。そこで、HES-1遺伝子を造血幹細胞
に導入することで造血幹細胞を未分化な状態に留めて置
くことも可能と考え、造血幹細胞の分化調節にHES-1を
利用することを検討した。その結果、HES-1を造血幹細
胞に強制発現させることで造血幹細胞の分化を抑制する
ことに成功し、本発明を完成させるに至った。
【0023】すなわち本発明は、哺乳動物の造血幹細胞
中で分化抑制遺伝子の発現を強化すると共に、血液細胞
刺激因子を作用させることにより、前記造血幹細胞及び
/または前記造血幹細胞から分化した造血前駆細胞の分
化および増殖を調節する方法である。
【0024】本発明はまた、分化抑制遺伝子がウイルス
ベクターに組込まれた、遺伝子導入ベクターを提供す
る。本発明はさらに、分化抑制遺伝子の発現が強化され
た哺乳類の造血幹細胞を提供する。
【0025】また本発明は、分化抑制遺伝子の発現が強
化された哺乳類の造血幹細胞又はこの造血幹細胞から分
化した造血前駆細胞を、血液細胞刺激因子を作用させつ
つ培養することを特徴とする造血幹細胞及び/または造
血前駆細胞の生産方法を提供する。
【0026】本明細書において用いる用語につき、以下
の通り定義する。
【0027】造血幹細胞とは、血球の全ての分化系列に
分化し得る多分化能を有する細胞であり、かつ、その多
分化能を維持したまま自己複製ができる細胞である。造
血幹細胞の評価系では、in vitroのアッセイ系で赤血球
を含む複数の分化系統の細胞種を含むコロニー(CFU-Em
ix)を形成し得る細胞として識別される。これらの細胞
は生体内で自己複製し、長期にわたり生存する細胞を含
むと考えられる。
【0028】造血前駆細胞とは、造血幹細胞よりやや分
化した血液細胞であり、単一あるいは、2種類の分化系
列に分化する能力を持つ。分化抑制遺伝子とは、分化能
を持つ細胞内において発現させた時に、その細胞の分化
を抑制する活性を持つ転写因子をコードする遺伝子をい
う。
【0029】血液細胞刺激因子とは、いわゆるサイトカ
イン、インターロイキン、増殖刺激因子、インターフェ
ロン、ケモカインなど造血細胞に対し増殖能、サイトカ
イン産生能、分化能、遊走能などの生物学的活性の変化
をもたらす刺激因子のことを指す。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる造血幹細胞の採取源としては、ヒト及び
マウス等の哺乳動物の臍帯血、胎児肝臓、骨髄、胎児骨
髄、末梢血、サイトカインおよび/または抗癌剤の投与
によって幹細胞を動員した末梢血、及び末梢血由来の細
胞群等が挙げられ、造血幹細胞を含む組織であればいず
れであってもよい。これらの組織からの造血幹細胞の取
得は、Herzenberg, L.A. 「Weir's Handbook of Experim
ental Immunology, 5th edition」, Blackwell Science
Inc. 1997に従い実施することができる。すなわち、抗C
D34抗体、抗CD33抗体、抗CD38抗体などを用いて免疫学
的に染色し、セルソーターを用いてこれらの抗体の染色
性により分離することができる。
【0031】本発明に用いる分化抑制遺伝子として、具
体的にはHES-1遺伝子、HES-3遺伝子、HES-5遺伝子等が
挙げられる。後述の実施例に示されるように、造血幹細
胞中でHES-1遺伝子の発現を強化することによって、こ
の造血幹細胞及びこの造血幹細胞から分化した造血前駆
細胞の分化および増殖を調節することができる。造血幹
細胞におけるHES-1遺伝子発現の効果は、同様にHES-1類
似の蛋白質であるHES-3(影山 龍一郎、生化学、67:1
093、1995)、HES−5(影山 龍一郎、生化学、67:
1093、1995)をコードする遺伝子を発現させることによ
っても得られると推測される。
【0032】HES-1遺伝子(ヒト由来のものはHRYともい
う)、HES-3遺伝子及びHES-5遺伝子はいずれも公知の遺
伝子であり、Sasaiら(Genes Dev., 6: 2620, 1992;マ
ウス由来HES-1とHES-3)、Akazawaら(J. Biol. Chem.,
267:21879, 1992;マウス由来HES-5)およびFederら
(Genomics, 20: 56, 1994;ヒト由来HES-1)に開示さ
れている配列に基づいて作製したオリゴヌクレオチドを
用いたPCR(ポリメラーゼ・チェイン・リアクション)
により各遺伝子を含むDNA断片を増幅することによっ
て、取得することができる。
【0033】本発明において、造血幹細胞中で分化抑制
遺伝子の発現を強化するとは、造血幹細胞中の分化抑制
遺伝子の発現量を、少なくとも一定期間、通常の発現量
よりも高くなるように造血幹細胞を操作することをい
う。尚、分化抑制遺伝子の発現量は常に高い必要はな
く、本発明により造血幹細胞および造血前駆細胞の分化
および増殖を調節する際に高くすることができればよ
い。
【0034】造血幹細胞中で分化抑制遺伝子の発現を強
化する方法として具体的には、哺乳動物細胞用のベクタ
ーに発現可能な形態で分化抑制遺伝子を組み込み、得ら
れる組換えベクターを造血幹細胞に導入する方法が挙げ
られる。発現可能な形態の分化抑制遺伝子は、プロモー
ター等の発現調節因子を分化抑制遺伝子のコード配列の
上流に連結することにより得られる。分化抑制遺伝子の
発現は、調節可能であることが好ましい。すなわち、本
発明を利用して増殖された造血幹細胞又は造血前駆細胞
を移植に用いる場合には、分化抑制遺伝子は培養時にの
み発現し、生体に細胞を移植してからも発現することは
好ましくないため、必要に応じて発現を調節できること
が好ましい。そのような発現調節としては、テトラサイ
クリンによる発現調節系(Gossen, M., Proc. Natl. Ac
ad. Sci. U.S.A., 89:5547, 1992)、昆虫ホルモン・エ
クダイソンを用いる発現調節系(No, D., Proc. Natl.
Acad. Sci. U.S.A., 93:3346, 1996)、IPTG(イソプロ
ピル−β−D−チオガラクトピラノシド)を用いる発現
調節系(Biard, D.S., Biochem. Biophys. Acta.,1130:
68, 1992)等が挙げられる。
【0035】上記ベクターとしては、レトロウイルスベ
クター、アデノウイルスベクター(Neering, S.J., Blo
od, 88:1147, 1996)、ヘルペスウイルスベクター(Dill
oo,D., Blood, 89:119, 1997)、HIVベクターが挙げら
れる。このようなベクターに分化抑制遺伝子を組み込む
ことにより、本発明の遺伝子導入ベクターが得られる。
特にアデノウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクタ
ーは、移入された遺伝子は染色体外に存在し、一過性に
遺伝子の発現を行なった後消失してゆく。このような一
過性発現ベクターを用いることは、分化抑制遺伝子を培
養時にのみ発現させることができる点で、優位性があ
る。
【0036】また、造血幹細胞中で分化抑制遺伝子の発
現を強化するには、造血幹細胞の染色体DNA上の分化抑
制遺伝子の発現量を増加させてもよい。例えば、造血幹
細胞の染色体DNA上の分化抑制遺伝子固有のプロモータ
ー等の発現調節配列を、これよりも強力な発現調節配列
で置換することによって、あるいは強力な発現調節配列
を分化抑制遺伝子の上流に挿入することによって、該遺
伝子の発現量を増加させることができる。発現調節配列
の置換、挿入は、相同組換え等によって行うことができ
る。
【0037】上記のようにして造血幹細胞中で分化抑制
遺伝子の発現を強化すると共に、血液細胞刺激因子を作
用させることにより、前記造血幹細胞及び/または前記
造血幹細胞から分化した造血前駆細胞の分化および増殖
を調節することができる。例えば、分化抑制遺伝子の発
現が強化された造血幹細胞又はこの造血幹細胞から分化
した造血前駆細胞を、血液細胞刺激因子を作用させつつ
培養することにより、造血幹細胞及び/または造血前駆
細胞を増殖させることができる。
【0038】血液細胞刺激因子は、造血幹細胞の増殖を
促進するために培地に添加されるものであり、いわゆる
サイトカイン、インターロイキン、増殖刺激因子、イン
ターフェロン、ケモカイン、発生関連遺伝子産物などが
挙げられる(サイトカインについては、The Cytokine F
actsbook, Callard, R.E., Academic Press, 1994 参
照)。血液細胞刺激因子として具体的には、SCF(幹
細胞成長因子(stem cellfactor))、IL-3(インターロイ
キン−3)、IL-6(インターロイキン−6)、GM-CSF
(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)、TPO(ス
ロンボポエチン)、EPO(エリスロポエチン)、Wnt(Thi
moth, A. W., Blood, 89:3624-3635, 1997)やNotch/Del
ta系の遺伝子産物であるDll-1、Dll-3、Jagged-1、Jagg
ed-2、およびDLKなどが挙げられる。
【0039】上記血液細胞刺激因子を培地に添加する際
に、その濃度を調節することで、造血幹細胞の生育に良
い培養条件をさらに有効なものに改善できる。さらに、
造血幹細胞を維持できるストローマ細胞の培養上清を添
加して培養してもよい。
【0040】造血幹細胞または造血前駆細胞を培養する
にあたっては、いわゆる培養用のシャーレ、フラスコを
用いた培養法が可能であるが、培地組成、pHなどを機械
的に制御し、高密度での培養が可能なバイオリアクター
によって、その培養系を改善することもできる(Schwart
z, Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,88:6760,1991; Koller,
M.R., Bio/Technology, 11:358, 1993; Koller, M.R.,
Blood, 82: 378, 1993; Palsson, B.O., Bio/Technolog
y, 11:368, 1993)。
【0041】培養に用いる培地としては、造血幹細胞ま
たは造血前駆細胞の増殖、生存が害されない限り特に制
限されないが、例えばMEM-α培地(GIBCO BRL)、SF-02
培地(三光純薬)、Opti-MEM培地(GIBCO BRL)、IMDM
培地(GIBCO BRL)、PRMI1640培地(GIBCO BRL)、が好
ましいものとして挙げられる。培養温度は、通常25〜39
℃、好ましくは33〜39℃である。また、培地に添加する
物質としては、ウシ胎児血清、ヒト血清、ウマ血清、イ
ンシュリン、トランスフェリン、ラクトフェリン、エタ
ノールアミン、亜セレン酸ナトリウム、モノチオグリセ
ロール、2−メルカプトエタノール、ウシ血清アルブミ
ン、ピルビン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、
各種ビタミン、各種アミノ酸、CO2は、通常、4〜6%であ
り、5%が好ましい。
【0042】本発明において、「造血幹細胞及び前記造
血幹細胞から分化した造血前駆細胞の分化および増殖を
調節する」とは、具体的には例えば、造血幹細胞及び/
又はこの造血幹細胞から分化した造血前駆細胞を、少な
くとも一部が多分化能を維持したまま生存、好ましくは
増殖させることをいう。多分化能を維持したまま増殖さ
せることにより、造血幹細胞又は造血前駆細胞を生産す
ることができる。さらに、これら造血幹細胞又は造血前
駆細胞の分化を誘導することにより、各種血液細胞を生
産することができる。
【0043】上記のようにして産生される造血幹細胞ま
たは造血前駆細胞は、従来の骨髄移植や臍帯血移植に代
わる血液細胞移植用の移植片として用いることができ
る。造血幹細胞の移植は、移植片が半永久的に生着させ
られることから、従来の血液細胞移植治療を改善するこ
とができる。
【0044】造血幹細胞の移植は、白血病に対する全身
X線療法や高度化学療法を行う際に、これらの治療と組
み合わせる他、種々の疾患に用いることができる。例え
ば、固形癌患者の化学療法、放射線療法等の骨髄抑制が
副作用として生じる治療を実施する際に、施術前に骨髄
を採取しておき、造血幹細胞、造血前駆細胞を試験管内
で増幅し、施術後に患者に戻すことで、副作用による造
血系の障害から早期に回復させることができ、より強力
な化学療法を行えるようになり、化学療法の治療効果を
改善する事ができる。また、本発明により得られる造血
幹細胞ならびに造血前駆細胞を各種血液細胞に分化さ
せ、それらを患者の体内に移入することにより、各種血
液細胞の低形成により不全な状況を呈している患者の改
善を図ることができる。また、再生不良性貧血などの貧
血を呈する骨髄低形成に起因する造血不全症を改善する
ことができる。その他、本発明の方法による造血幹細胞
の移植が有効な疾患としては、慢性肉芽腫症、重複免疫
不全症候群、無ガンマグロブリン血症、Wiskott-Aldric
h症候群、後天性免疫不全症候群(AIDS)等の免疫不全
症候群、サラセミア、酵素欠損による溶血性貧血、鎌状
赤血球症等の先天性貧血、Gaucher病、ムコ多糖症等の
リソゾーム蓄積症、副腎白質変性症、各種の癌または腫
瘍等が挙げられる。
【0045】造血幹細胞の移植は、用いる細胞以外は、
従来行われている骨髄移植や臍帯血移植と同様に行えば
よい。上記のような造血幹細胞移植に用いられる可能性
のある造血幹細胞の由来は、骨髄に限られず、前述した
ような胎児肝臓、胎児骨髄、末梢血、サイトカインおよ
び/または抗癌剤の投与によって幹細胞を動員した末梢
血、及び臍帯血等を用いることができる。
【0046】移植片は、本発明の方法によって産生した
造血幹細胞及び造血前駆細胞の他に、緩衝液等を含む組
成物としてもよい。また、本発明により産生される造血
幹細胞または造血前駆細胞は、ex vivoの遺伝子治療に
用いることができる。この遺伝子治療には、造血幹細胞
または造血前駆細胞に外来遺伝子(治療用遺伝子)を導
入し、得られる遺伝子導入細胞を用いて行われる。導入
される外来遺伝子は、疾患によって適宜選択される。血
液細胞を標的細胞とする遺伝子治療の対象となる疾患と
しては、慢性肉芽腫症、重複免疫不全症候群、無ガンマ
グロブリン血症、Wiskott-Aldrich症候群、後天性免疫
不全症候群(AIDS)等の免疫不全症候群、サラセミア、
酵素欠損による溶血性貧血、鎌状赤血球症等の先天性貧
血、Gaucher病、ムコ多糖症等のリソゾーム蓄積症、副
腎白質変性症、各種の癌または腫瘍等が挙げられる。
【0047】造血幹細胞または造血前駆細胞に治療用遺
伝子を導入するには、通常動物細胞の遺伝子導入に用い
られる方法、例えば、モロニーマウス白血病ウイルス等
のレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、単純ヘルペスウ
イルスベクター、HIVベクター等のウイルス由来の遺伝
子治療に用いられる動物細胞用ベクター(遺伝子治療用
ベクターについては、Verma, I.M., Nature, 389:239,
1997 参照)を用いる方法、リン酸カルシウム共沈法、D
EAE-デキストラン法、エレクトロポレーション法、リポ
ソーム法、リポフェクション法、マイクロインジェクシ
ョン法等を用いることができる。これらの中では、標的
細胞の染色体DNAに組み込まれて恒久的に遺伝子の発現
が期待できるという点から、レトロウイルスベクター、
アデノ随伴ウイルスベクターまたはHIVベクターが好ま
しい。
【0048】例えば、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベク
ターは、次のようにして作製することができる。まず、
野生型アデノ随伴ウイルスDNAの両端のITR(inverted t
erminal repeat)の間に治療用遺伝子を挿入したベクタ
ープラスミドと、ウイルスタンパク質を補うためのヘル
パープラスミドを293細胞にトランスフェクションす
る。続いてヘルパーウイルスのアデノウイルスを感染さ
せると、AAVベクターを含むウイルス粒子が産生され
る。あるいは、アデノウイルスの代わりに、ヘルパー機
能を担うアデノウイルス遺伝子を発現するプラスミドを
トランスフェクションしてもよい。次に、得られるウイ
ルス粒子を造血幹細胞または造血前駆細胞に感染させ
る。ベクターDNA中において、目的遺伝子の上流には、
適当なプロモーター及びエンハンサーを挿入し、これら
によって遺伝子の発現を調節することが好ましい。さら
に、治療用遺伝子に加えて薬剤耐性遺伝子等のマーカー
遺伝子を用いると、治療用遺伝子が導入された細胞の選
択が容易となる。治療用遺伝子は、センス遺伝子であっ
てもアンチセンス遺伝子であってもよい。
【0049】遺伝子治療用組成物は、本発明の方法によ
って産生された造血幹細胞及び造血前駆細胞の他に、緩
衝液、新規の活性物質等を含む組成物としてもよい。
【0050】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに具体的
に説明する。尚、以下の実施例において、細胞分離に用
いた抗体は全てPharmingen社より購入した。遺伝子組み
換えに用いた制限酵素は、全てベーリンガーマンハイム
社より購入した。また、各血球細胞の分離は、おおむ
ね、Herzenberg, L.A. 「Weir's Handbook of Experimen
tal Immunology, 5th edition」, Blackwell Science In
c. 1997 に従い実施した。
【0051】
【実施例1】Notch/Delta関連遺伝子の造血細胞におけ
る発現 造血細胞におけるNotch/Delta関連遺伝子の果たす役割
を知る目的で、RT-PCR法によりNotch、HES遺伝子の造血
細胞における発現を確認した。
【0052】<1>造血細胞の分離 6-8週齢のC57Bl/6マウス(日本チャールスリバー株式会
社より購入)より骨髄細胞、脾臓細胞、胸腺細胞をそれ
ぞれ分離し、セルソーターを用いて単核球、顆粒球、成
熟T細胞、未熟T細胞、成熟B細胞、造血前駆細胞、お
よび造血幹細胞を選別した。
【0053】(1)単核球、顆粒球細胞の分離法 マウス大腿骨骨髄より取り出した骨髄細胞に対し、抗CD
32抗体を添加し氷中にて10分放置した後、FITC標識抗Ma
c-1抗体、PE標識抗Gr-1抗体を加え、氷中にて30分間反
応させた。反応後、染色バッファー(PBS(リン酸緩衝
生理食塩水)、5%FCS(ウシ胎児血清)、0.05% NaN3
で2回洗い、染色バッファーに懸濁した後、セルソータ
ー(FACS Vantage, Becton Dickinson社)により単核球
(Mac-1陽性・Gr-1陰性細胞)、および顆粒球(Mac-1陽
性・Gr-1陽性細胞)を分離した。
【0054】(2)T細胞の分離法 胸腺細胞の懸濁液を、細胞分離用高密度溶液(Nycomed
社、Lymphoprep)に重層し、1500 rpm、25℃、30分間遠
心し、懸濁液とLymphoprepとの界面に集まった細胞を回
収した。細胞を染色バッファーで2回洗浄した後、抗CD
32抗体、FITC標識抗CD4抗体、PE標識抗CD8抗体を加え、
氷中にて30分間反応させた。反応後、染色バッファーで
2回洗い、染色バッファーに懸濁した後、セルソーター
により未熟T細胞(CD4陰性・CD8陰性細胞およびCD4陽
性・CD8陽性細胞)、および成熟T細胞(CD4陽性・CD8
陰性細胞およびCD4陰性・CD8陽性細胞)を分離した。
【0055】(3)B細胞の分離法 脾臓細胞の懸濁液をLymphoprep(Nycomed社)に重層
し、1500 rpm、25℃、30分間遠心し、界面に集まった細
胞を回収した。細胞を染色バッファーで2回洗浄し、抗
CD32抗体を添加し氷中にて10分放置した後、FITC標識
抗B220抗体、PE標識抗マウスIgM抗体を加え、氷中にて3
0分間反応させた。反応後、染色バッファーで2回洗
い、染色バッファーに懸濁した後、セルソーターにより
成熟B細胞(B220陽性・IgM陽性細胞)を分離した。
【0056】(4)造血前駆細胞、および造血幹細胞の
分離法 骨髄細胞の懸濁液をLymphoprep(Nycomed社)に重層
し、1500 rpm、25℃、30分間遠心し、界面に集まった細
胞を回収した。細胞を染色バッファーで2回洗浄した
後、細胞をPBSで2回洗浄し、染色バッファーに懸濁し
た。細胞懸濁液にビオチン化した分化抗原マーカーに対
する抗体、つまり抗CD4抗体、抗CD8抗体、抗B220抗体、
抗Gr-1抗体、抗Ter119抗体を添加し、氷中に30分間放置
した。その後、染色バッファーで2回洗浄の後、アビジ
ンをコートした磁性体ビーズ(アビジンマグネットビー
ズ、Perseptive社)を添加し、氷中で30分放置した。再
度染色バッファーで2回洗浄の後、磁石を用いてアビジ
ンマグネットビーズを集めて、分化抗原を提示している
細胞群を除去し、分化抗原陰性細胞(Lin-)を取得した。
分化抗原陰性細胞溶液に、FITC標識抗CD34抗体、PE標識
抗Sca-1抗体、テキサスレッド標識アビジン、APC標識抗
c-Kit抗体を添加し、氷中30分放置した。2回染色バッ
ファーで洗浄の後、セルソーターにて造血前駆細胞(Sc
a-1陰性・c-kit陽性細胞およびCD34陽性・Sca-1陽性・
c-kit陽性細胞)および造血幹細胞(CD34陰性〜弱陽性
・Sca-1陽性・c-kit陽性細胞)を選別した。
【0057】<2>cDNA合成とPCRによる発現の検出 上記で得られた細胞を遠心し、ペレットとした後、RNA
を抽出するためRNA抽出用試薬(アイソジェン、日本ジー
ン社)を添加し、試薬の使用説明書に従いRNAを取得し
た。これに対し、5ユニットのDNaseI(RNase free, GIB
CO-BRL社)を加え37℃で30分間保温し、混在するゲノム
DNAを消化分解させ、再びアイソジェン(日本ジーン)を
添加し、純粋なRNAを取得した。このRNAから、オリゴ d
TをプライマーとしてcDNAを合成した。つまり、105
の細胞にあたるRNAが20マイクロリットル反応液に相当
するように反応液を調製した。反応液の組成は、逆転写
酵素(SuperscriptII、GIBCO-BRL社)の使用説明書に推
奨されているものを使用した。反応は、42℃で60分間実
施し、その後72℃10分の保温により逆転写酵素の活性を
失活させた。
【0058】PCR反応に使用した各種プライマーの配
列、アニーリング温度は以下の通りである。
【0059】
【表1】
【0060】PCR反応は、TaqポリメラーゼとしてExTaq
(宝酒造(株))を使用し、鋳型cDNAには上記にて作製し
た各種血球cDNAを2マイクロリットルずつ使用し、緩衝
液、核酸の組成は添付の使用説明書に推薦される条件で
全量25マイクロリットルで実施した。反応は、94℃で2
分インキュベートした後、94℃、30秒;表1に記載の各
プライマー毎に設定されたアニーリング温度、30秒;72
℃、1分のサイクルを35回行い、さらに72℃で7分イン
キュベートすることにより行った。PCR反応産物10マイ
クロリットルを、1.2%アガロースゲル電気泳動に供しエ
チジウムブロマイド染色により増幅バンドを確認した。
【0061】<3>結果 上記の増幅バンドの濃さにより、発現量を評価した結果
を表2に示す。表中の記号は、次のとおりである。
【0062】 − : 発現が認められない + : 発現が認められる ++ : 強く発現している ± : 発現が認められないか、弱く発現している
【0063】
【表2】
【0064】表2に示すように、Notch-1、Notch-2は調
べた造血細胞の全てで発現していた。Notch-3は、未熟
T細胞、成熟T細胞、及びB細胞に細胞種特異的な発現
が確認される。Notch-4は造血系の細胞には発現が認め
られなかった。一方、Notch/Deltaのシグナル伝達系の
下流に存在しているHES-1、HES-3は、調べた全ての細胞
で発現が認められた。HES-5は、造血幹細胞、造血前駆
細胞以外の細胞で細胞種特異的に発現が認められた。
【0065】以上の結果は、Notchのシグナル伝達系が
これら造血系の細胞中で実際に機能していることを示し
ている。前述のようにNotch/Deltaのシグナル伝達系は
神経系や筋肉形成の分化制御に重要な役割を果たしてい
ることが分かっている。これらのことより、 Notch/Del
taのシグナル伝達系は血液細胞の分化調節についても密
接に関与していると推測できる。
【0066】
【実施例2】造血幹細胞でのHES-1の強制発現 <1>EGFP-HES-1発現ベクターの構築 (1)レトロウイルスで遺伝子移入した細胞内で、HES-
1の発現及び局在をモニターすることを可能にするた
め、 HES-1と蛍光発光タンパクであるEGFP(Enhanced g
reen fluorescent fluorescence protein、Kodak社)が
融合タンパクとして発現するようにベクターを構築した
(図1〜4参照)。
【0067】詳しくは、pSV2CMVHES-1(京都大学、影山
龍一郎博士より分与、Sasai, Y., Genes Dev., 6:2620,
1992 参照)をEcoRI消化し、pFLAG-CMV2ベクター(Kod
ak社)のEcoRIサイトに、FLAGの転写方向と同一方向に
なるようにサブクローニングしたpFLAG-CMV2-HES-1.1
(図1)を作成した。一方で、HES-1の翻訳開始コドン
を変更し、EGFPとHES-1が融合タンパクとして発現する
ようにHES- 1の翻訳開始コドンを改変し、BglIIサイト
に変更した。つまり、翻訳開始点ATGをBglIIに変更する
ような配列を有する合成オリゴヌクレオチド(配列番号
15)と、HES-1遺伝子の中に存在するPstIサイトより
下流に位置する部位のアンチセンスオリゴヌクレオチド
(配列番号16)をプライマーに用いて、pSV2CMVHES-1
を鋳型として、PCRを行った。このPCR産物を、BglIIとP
stIで消化して得られるHES-1遺伝子を含む断片を、上記
に記載のpFLAG-CMV2-HES-1.1のBglIIとPst-Iサイトにク
ローニングした。このプラスミドをpFLAG-CMV2-HES-1.2
(図2)とした。
【0068】pFLAG-CMV2-HES-1.2を、BglIIとEcoRIで消
化して得られるHES-1を含む断片を、pEGFP-CI(Clontec
h社)のBglII/EcoRIサイトにクローニングし、pEGFP-CI
-HES-1と名づけた(図3)。これにより、EGFPとHES-1
が一つの転写単位に乗った遺伝子が構築できた。さら
に、pEGFP-CI-HES-1をEco47IIIとSalIで消化して得られ
るHES-1を含む断片を、HpaIとXhoIで消化したpMSCV2.1
ベクター(トロント大学、R.Hawley博士より入手、Hawl
ey, R.G., Gene Ther., 1:136, 1994 参照)にクローン
化した。このベクターをpMSCV-EH(図4)とした。以
後、このプラスミドをHES-1感染用のレトロウイルス産
生用に用いた。
【0069】(2)ネガティブコントロールとして、EG
FP遺伝子のみを移入するレトロウイルスベクターを構築
した。pEGFP-CIをEco47IIIとSalIで消化して得られるEG
FPを含む断片を、HpaIとXhoIで消化したpMSCV2.1ベクタ
ーに挿入した。このベクターをpMSCV-Eとした。
【0070】<2>GP+E86細胞への遺伝子導入 上記方法により調製したpMSCV-EHならびにpMSCV-Eを制
限酵素ScaIで消化し、線状DNAとした。線状pMSCV-EH
をリポフェクション法(TransIT LT-1、宝酒造(株))を
用いてGP+E86細胞(レトロウイルス産生細胞株、筑波大
学 中内啓光教授より入手、Markowits, D., J. Viro
l., 62:1120, 1994 参照)にトランスフェクトした。Tr
ansITによる導入は、添付の使用説明書に従い行なっ
た。8時間のトランスフェクションの後、10% FCSを添
加したMEM-α培地を添加し、そのまま2日間培養を継続
した。その後、 GP+E86細胞をトリプシンにて剥離し、G
418(1mg/ml)を含む10% FCSを添加したMEM-α培地中に
て再度培養し増殖してくる、G418耐性GP+E86細胞を選別
した。これを再度トリプシンにより培養皿より剥離し、
PBSに懸濁し、フローサイトメーター(FACS Vantage, B
ecton Dickinson)に供した。EGFPの発現状況を検出
し、EGFPの発現の高い株を選別し、分取した。
【0071】このようにして得られたEGFP高発現細胞を
10% FCSを添加したMEM-α培地中にて培養して得た培養
上清を、感染ウイルス溶液として使用した。
【0072】<3>造血幹細胞へのHES−1遺伝子移入 (1)マウス胎児肝臓由来造血幹細胞の選別 妊娠C57Bl/6マウスは、日本チャールスリバー株式会社
より購入した。妊娠14日目のマウスを開腹し、胎児を無
菌的に摘出した。胎児肝臓を他の組織が混入しないよう
に慎重に分離した後、21ゲージの注射針をつけたシリン
ジで細胞を分散させ、Lymphoprep( Nycomed社)に重層
した。これを1500rpm、25℃、30分遠心し界面に集
まった細胞を回収した。細胞をPBSで2回洗浄した後、染
色バッファー(PBS、5% FCS、0.05% NaN3)に懸濁し
た。
【0073】以後の細胞分画法の基本的な手技は、おお
むね、Herzenberg, L.A. 「Weir's Handbook of Experim
ental Immunology, 5th edition」, Blackwell Science
Inc.1997 にしたがって行なった。抗CD32抗体を添加し
氷中に10分放置した後、細胞懸濁液にビオチン化した分
化抗原マーカー、つまり抗CD8抗体、抗B220抗体、抗Gr-
1抗体、抗Ter119抗体を添加し、氷中に30分間放置し
た。その後、染色バッファーで2回洗浄の後アビジンマ
グネットビーズを添加し、氷中30分放置した。再度2回
染色バッファーで洗浄の後、磁石を用いて分化抗原を提
示している細胞群を除去し、分化抗原陰性細胞(Lin-)を
取得した。分化抗原陰性細胞溶液にFITC標識抗CD34抗
体、PE標識抗Sca-1抗体、テキサスレッド標識アビジ
ン、APC標識抗c-kit抗体を添加し、氷中30分放置し
た。2回染色バッファーで洗浄の後、セルソーターにて
Lin-Sca-1+c-kit+細胞を選別した。
【0074】(2)HES-1遺伝子発現レトロウイルスの
造血幹細胞への感染 レトロネクチン(宝酒造(株))をコートした24穴プレー
トに、pMSCV-EHをトランスフェクトした0.5mlのGP+E86
上清、さらにSCF(10ng/ml)、IL-6(10ng/ml)を含むMEM-
α、10% FCSを0.5ml添加した。ここへ、Lin-c-KIT+Sca-
1+ 造血幹細胞を添加し、1週間培養した。その後、細胞
を回収し、コロニー形成能について検討した。コロニー
形成能は、MEM-α培地に0.9%メチルセルロース、30% FC
S、0.1%ウシ血清アルブミン、及び10ng/mlずつのSCF、
IL-3、IL-6、EPO、TPO、さらに、0.5mg/mlG418の存在
下で実施した。14日間の培養の後、出現してくるコロニ
ーの形態、ならびに数を検出した。尚、上記で用いた各
種造血因子は、いずれもリコンビナント体であり、純粋
なものである。
【0075】<4>結果 上記条件における実施結果を表3に示す。表中の数字
は、感染させた造血幹細胞2,000個あたりのコロニー数
である。
【0076】
【表3】
【0077】表に示したコロニー数はG418に抵抗性のコ
ロニーであり、EGFP遺伝子のみ、あるいはEGFP-HES-1の
融合遺伝子が導入された細胞のみを示す。さらに、これ
らのコロニーにおいて目的の遺伝子の発現は、蛍光顕微
鏡下でEGFPの発現を観察することでも確認した。EGFP遺
伝子のみを移入した細胞では、細胞質全体が蛍光を発し
ており核内での局在は確認されなかった。一方、EGFP-H
ES-1の融合遺伝子が導入された株では、核が特異的蛍光
を発していることが蛍光顕微鏡による観察から確かめら
れ、このHES-1が正常に発現され核内で機能するものと
推測された。
【0078】EGFP遺伝子のみを遺伝子移入したもので
は、未分化な造血細胞であるlarge E-mixコロニーの形
成は見られない。一方、HES-1を遺伝子移入した細胞群
ではlarge E-mixコロニーの出現が観察されている。こ
れらのコロニーは非常に巨大なコロニーを形成してお
り、造血幹細胞の分化が抑制されていたことを物語って
いる。さらにEGFP遺伝子とEGFP-HES-1の融合遺伝子の遺
伝子移入用のレトロウイルスの感染効率について評価し
ていないので、全コロニー数についての比較はできない
が、EGFP遺伝子のみを移入した細胞群の方が、全コロニ
ー数が多いにも関わらずlarge E-mixコロニーは全く出
現していない。これらの結果をまとめると、HES-1を強
制発現していない培養系では、造血幹細胞は分化し、造
血前駆細胞であるGM-CFC、G-CFC、M-CFCのみが出現して
くるが、HES-1を高発現させた培養系では未分化な造血
細胞が維持されており、造血幹細胞の分化をHES-1の遺
伝子移入により調節することに成功した。
【0079】
【発明の効果】本発明により、造血幹細胞及び/または
造血前駆細胞を、分化を抑制した状態で生存させ、増殖
させることができる。
【0080】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:NO 配列 GGGGCGGAGC TTCTTGAGTG G 21
【0081】配列番号:2 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:YES 配列 CTGGTGGCTG GGGGTGTTGT C 21
【0082】配列番号:3 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:NO 配列 CAGGAGAGGG GAGCAGTGTA T 21
【0083】配列番号:4 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:YES 配列 GGTGGGGGCT GTGTAGAGTT 20
【0084】配列番号:5 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:NO 配列 CATTCCCCTT CCTCACTTCA C 21
【0085】配列番号:6 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:YES 配列 CCCACCTTCT GCCCTGTATT T 21
【0086】配列番号:7 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:NO 配列 ATAGGGCAGC TTCAAGAGGA C 21
【0087】配列番号:8 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:YES 配列 TGGGCCACTG GTTACTTACT G 21
【0088】配列番号:9 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:NO 配列 CGAAAATGCC AGCTGATATA A 21
【0089】配列番号:10 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:YES 配列 ACACGCTCGG GTCTGTGCTG A 21
【0090】配列番号:11 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:NO 配列 ACTGGCTTTG AGCAACCACA G 21
【0091】配列番号:12 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:YES 配列 TCTTCTCCAT CAGAGGCTTG G 21
【0092】配列番号:13 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:NO 配列 CGCTCCGCTC CGCTCGCTAA T 21
【0093】配列番号:14 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:YES 配列 GCTCTATGCT GCTGTTGATG C 21
【0094】配列番号:15 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:NO 配列 GGAAGATCTC CAGCTGATAT AATGGAGAAA AAT 33
【0095】配列番号:16 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:YES 配列 AGCGGCGGTC ATCTGCGCCC GCTGCAGGTT 30
【図面の簡単な説明】
【図1】 pFLAG-CMV2-HES-1.1の構築手順を示す図。
【図2】 pFLAG-CMV2-HES-1.2の構築手順を示す図。
【図3】 pEGFP-CI-HES-1の構築手順を示す図。
【図4】 pMSCV-EHの構築手順を示す図。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12N 5/10 C12R 1:91)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物の造血幹細胞中で分化抑制遺伝
    子の発現を強化すると共に、血液細胞刺激因子を作用さ
    せることにより、前記造血幹細胞及び/または前記造血
    幹細胞から分化した造血前駆細胞の分化および増殖を調
    節する方法。
  2. 【請求項2】 哺乳動物がヒトであり、分化抑制遺伝子
    及び血液細胞刺激因子がヒト由来またはその類縁体であ
    る請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 造血幹細胞が、臍帯血、胎児肝臓、骨
    髄、胎児骨髄、または末梢血から得られるものである請
    求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 分化抑制遺伝子がHES−1遺伝子、H
    ES−3遺伝子、HES−5遺伝子から選ばれるもので
    ある請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 血液細胞刺激因子がサイトカイン、イン
    ターロイキン、増殖刺激因子、インターフェロン、ケモ
    カインから選ばれる請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 血液細胞刺激因子がSCF、IL−3、
    IL−6、GM−CSF、TPO、Wnt、Dll−
    1、Dll−3、Jagged−1、Jagged−
    2、DLKから選ばれる請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 分化抑制遺伝子の発現を、ウイルスベク
    ターに組込まれた分化抑制遺伝子を造血幹細胞に導入す
    ることにより強化する請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 ウイルスベクターが、レトロウイルスベ
    クター、アデノウイルスベクター、ヘルペスウイルスベ
    クター、HIVベクターから選ばれる請求項7記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 分化抑制遺伝子が、発現調節を受けるも
    のである請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 分化抑制遺伝子の発現調節が、テトラ
    サイクリンによる調節、エクダイソンによる調節、IP
    TGによる調節から選ばれる請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 分化抑制遺伝子がウイルスベクターに
    組込まれた、遺伝子導入ベクター。
  12. 【請求項12】 分化抑制遺伝子がHES−1遺伝子、
    HES−3遺伝子、HES−5遺伝子から選ばれる請求
    項11記載の遺伝子導入ベクター。
  13. 【請求項13】 ウイルスベクターがレトロウイルスベ
    クター、アデノウイルスベクター、ヘルペスウイルスベ
    クター、HIVベクターから選ばれる請求項11記載の
    遺伝子導入ベクター。
  14. 【請求項14】 分化抑制遺伝子の発現が強化された哺
    乳類の造血幹細胞。
  15. 【請求項15】 分化抑制遺伝子の発現が強化された哺
    乳類の造血幹細胞又はこの造血幹細胞から分化した造血
    前駆細胞を、血液細胞刺激因子を作用させつつ培養する
    ことを特徴とする造血幹細胞及び/または造血前駆細胞
    の生産方法。
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