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JPH0891935A - 窒化アルミニウム焼結体、窒化アルミニウム焼結体の製造方法および回路基板 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体、窒化アルミニウム焼結体の製造方法および回路基板

Info

Publication number
JPH0891935A
JPH0891935A JP6246832A JP24683294A JPH0891935A JP H0891935 A JPH0891935 A JP H0891935A JP 6246832 A JP6246832 A JP 6246832A JP 24683294 A JP24683294 A JP 24683294A JP H0891935 A JPH0891935 A JP H0891935A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aln
aluminum nitride
sintered body
sintering
grain boundary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6246832A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyasu Sumino
裕康 角野
Katsuyoshi Oishi
克嘉 大石
Akihiro Horiguchi
昭宏 堀口
Mitsuo Kasori
光男 加曽利
Fumio Ueno
文雄 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP6246832A priority Critical patent/JPH0891935A/ja
Publication of JPH0891935A publication Critical patent/JPH0891935A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高熱伝導で機械的強度が高く、かつメタライ
ズ金属との濡れ性が良好なAlN焼結体を提供すること
を目的とする。 【構成】 平均粒径2μm以下のAlN粒子を有し、表
面に位置するAlN粒子表面の5〜100%が粒界相で
覆われていることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化アルミニウム(A
lN)焼結体、AlN焼結体の製造方法および回路基板
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体用回路基板においては一般
にアルミナ系セラミックを基材として使用されてきた。
しかしながら、前記回路基板に大電力用半導体素子を搭
載する場合や集積密度が高い半導体素子を搭載する場合
には、アルミナ系セラミックからなる基材では熱伝導性
が必ずしも十分ではなく、前記半導体素子で発生した熱
を十分に放出させることが困難であった。
【0003】このようなことから、熱伝導性に優れたA
lN焼結体を基材として有する回路基板が開発され、使
用されるようになった。さらに前記AlN焼結体に係わ
るその後の研究により、例えば特開昭61−84037
号に開示されているようにAlN焼結体からなる基材の
表面粗さなどの表面状態のデータが蓄積され、メタライ
ズ基材に関する製造方法や技術も進展した。
【0004】前記AlN焼結体をメタライズ基材として
用いた場合には、AlN焼結体とメタライズ金属との濡
れ性が劣るために、メタライジングの前ら前記AlN焼
結体を空気中で酸化処理することにより表面に濡れ性の
良好なアルミナ(Al2 3)を新たに生成することが
必要である。しかしながら、AlN焼結体の表面を酸化
処理する方法では前記AlN焼結体の表面にAl2 3
が島状に形成されたり、あるいは十分な厚さのAl2
3 が形成されないために、金属膜(例えば銅箔)と前記
AlN焼結体の接合界面で剥離して信頼性の低下を招く
という問題があった。
【0005】そこで、特開平2−9766号公報にはA
lN焼結体中の粒界相を表面に偏在させて、この粒界相
を利用してメタライズ層との接合を強固にする方法が開
示されている。しかしながら、前記AlN焼結体は高温
(1800℃以上)の温度で焼結しているため、AlN
結晶粒子の成長が起こり、結果として機械的強度が低下
する問題が生じる。この機械的強度の低下は、半導体用
回路基板として応用する場合において致命的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、機械
的強度が高く、かつメタライズ層との濡れ性が良好なA
lN焼結体およびその製造方法を提供しようとするもの
である。
【0007】本発明の別の目的は、前記AlN焼結体か
らなる基材に金属(回路パターン)が強固に密着された
回路基板を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】本発明に係わ
るAlN焼結体は、平均粒径2μm以下のAlN粒子を
有し、表面に位置するAlN粒子表面の5〜100%が
粒界相で覆われていることを特徴とするものである。
【0009】このような本発明に係わるAlN焼結体
は、熱伝導率が高く、かつ平均粒径が2μm以下である
ことに起因して従来の焼結体よりも高い強度を示すとと
もに、表面に位置するAlN粒子表面が粒界相で覆われ
ているためにメタライズ層との濡れ性が良好となり、接
合強度も向上される。また、焼結体内部の粒界相が表面
側に移行されているため、粒界相によるフォノンの散乱
が抑えられるため、この粒界相による熱伝導率の低下が
改善される。
【0010】前記AlN粒子の平均粒径を規定したの
は、その平均粒径が2μmを越えると機械的強度の高い
AlN焼結体が得られなくなるからである。より好まし
いAlN粒子の平均粒径は、0.7〜2.0μmであ
る。
【0011】前記粒界相とは、AlNの焼結助剤として
添加されるアルカリ土類、希土類等の化合物、前記焼結
助剤とAlNとの反応生成物、または焼結助剤同士の反
応生成物を意味する。
【0012】前記表面に位置するAlN粒子表面を覆う
粒界相の面積率を規定したのは、その面積率を5%未満
にすると、メタライズ層との濡れ性を向上できなくな
る。より好ましいAlN粒子表面を覆う粒界相の面積率
は50〜100%である。
【0013】次に、発明に係わるAlN焼結体の好まし
い製造方法(第1の方法または第2の方法)を説明す
る。
【0014】1)第1の方法 この方法は、AlN粉末および焼結助剤を含む原料を成
形した後、この成形体を0.1〜0.9気圧の減圧の非
酸化性雰囲気中、1600℃以下、好ましくは1550
℃以下で焼結する方法である。
【0015】すなわち、まず、AlN粉末に焼結助剤を
添加し、ボールミル等で混合し、必要に応じてバインダ
などを加えて混練、造粒を行って原料を調製した後、こ
の原料を成形することにより成形体を作製する。
【0016】前記AlN粉末は、平均一次粒径が0.0
3〜1.2μmで、不純物酸素量が0.2〜3.5重量
%であることが好ましい。
【0017】前記AlN粉末の平均一次粒径を前記範囲
に限定したのは、次のような理由によるものである。A
lN粉末の平均一次粒径を0.03μm未満にすると粉
末の取り扱いが困難になり、かつ粉末の成形も困難にな
る恐れがある。一方、AlN粉末の平均一次粒径が1.
2μmを越えると1600℃以下、特に1550℃以下
での低温焼結が困難になる恐れがあり、また焼結後の粒
径が2μmを越えて機械的強度が低下する恐れがある。
より好ましいAlN粉末の平均一次粒径は、0.05〜
1.0μmである。
【0018】前記AlN粉末の不純物酸素量とは、焼結
直前の実効的に焼結に関与する量を意味するものであ
る。この不純物酸素量を前記範囲に限定したのは、次の
ような理由によるものである。不純物酸素量を0.2重
量%未満にすると、1600℃以下、特に1550℃以
下での焼結が困難になったり、焼結前の混合や成形の取
扱い段階でAlN焼結体が変質したりする恐れがある。
一方、不純物酸素量が3.5重量%を越えると高熱伝導
性のAlN焼結体を得ることができなくなる恐れがあ
る。より好ましい不純物酸素量は、0.5〜2重量%で
ある。
【0019】前記焼結助剤としては、例えばCa,B
a,Sr等のアルカリ土類金属の酸化物、炭化物、炭酸
塩、シュウ酸塩、硝酸塩、アルコキシド、Sc,Yを含
む希土類元素の酸化物、炭化物、炭酸塩、シュウ酸塩、
硝酸塩、アルコキシドから選ばれる1種または2種以上
のものを用いることができる。また、前記焼結助剤の添
加量は前記AlN粉末100重量部に対してアルカリ土
類金属換算および/または希土類元素換算で0.5〜1
0重量部の範囲にすることが望ましい。
【0020】前記AlN粉末および焼結助剤からなる原
料中には、前記平均粒径(0.03〜1.2μm)より
大きい粒径を有するAlN粉末が含有されることを許容
する。また、前記原料中には必要に応じて着色化、高強
度化のためにTi,W,Mo,Ta,Nb,Mn等の遷
移金属の酸化物、炭化物、フッ化物、炭酸塩、シュウ酸
塩、硝酸塩を前記AlN粉末に対して遷移金属換算で
0.05〜1重量%の範囲で配合してもよい。さらに、
焼結温度の低下に有効なAl2 3 、AlF3 等のアル
ミニウム化合物、リンの化合物、ホウ素の化合物や機械
的強度を向上させるための酸化珪素(SiO2 )、窒化
珪素(Si3 4 )等の珪素化合物をAlN粉末に対し
て1重量%以下の範囲で配合することを許容する。
【0021】前記成形法としては、例えば金型プレス、
静水圧プレスまたはシート成形などを採用することがで
きる。
【0022】次いで、前記成形体を窒素ガス気流中など
の非酸化性雰囲気中で加熱して前記バインダを除去した
後、0.1〜0.9気圧の減圧の非酸化性雰囲気中、1
600℃以下、好ましくは1550℃以下で焼結させる
ことによりAlN焼結体を製造する。なお、前記バイン
ダを除去する工程は、AlNの酸化などに留意して加熱
する最高温度を適宜選択することにより、酸素を含む雰
囲気、あるいは水蒸気を含む雰囲気を用いることも可能
である。
【0023】前記焼結工程は、前記成形体をAlN製容
器などに収納し前記圧力の窒素ガス等の雰囲気で10分
間〜90時間行うことが好ましい。
【0024】前記焼結工程における雰囲気の圧力を前記
範囲に限定したのは次のような理由によるものである。
前記雰囲気の圧力を0.1気圧未満にすると、前記成形
体およびAlN製容器等からのAlNの蒸発、ならびに
前記成形体からの焼結助剤成分の蒸発が激しくなり好ま
しくない。一方、前記雰囲気の圧力が0.9気圧を越え
ると減圧の効果が小さくなり、内部の粒界相を表面に位
置するAlN粒子表面に移行させることが困難になり、
前記焼結体表面に位置するAlN粒子表面を粒界相によ
って被覆することができなくなる。好ましい雰囲気の圧
力は、0.1〜0.5気圧である。
【0025】以上のような第1の方法によれば、AlN
粒子に焼結助剤を添加した後、0.1〜0.9気圧の減
圧の非酸化性雰囲気中、1600℃以下で焼結すること
により、AlN粒子の成長を抑制できる。その結果、平
均粒径が2μm以下のAlN粒子を有し、高熱伝導性で
AlN粒子の微細化による強度向上がなされたAlN焼
結体を製造できる。前記熱伝導率が向上されるメカニズ
ムは、焼結工程における添加された焼結助剤によるAl
N粉末の不純物酸素のトラップ効果である。焼結助剤が
AlNに含まれる不純物酸素(Al2 3 )と反応し
て、希土類−Al−O系あるいはアルカリ土類−Al−
O系化合物等の形で不純物酸素をAlN焼結体の粒界に
移動させるため、AlN格子内への酸素の固溶が防止さ
れる。これにより熱伝導率を向上させることができるも
のと考えられる。
【0026】また、前記焼結工程において内部の焼結助
剤に起因する粒界相をその表面に位置するAlN粒子表
面に移行させることができる。このメカニズムは、生成
した前記希土類−Al−O系あるいはアルカリ土類−A
l−O系化合物が焼結工程で粘度の低下した液相とな
り、前記減圧下において容易に表面側に移行してAlN
粒子表面を覆うものと考えられる。その結果、表面に位
置するAlN粒子表面が5〜100%の面積率で粒界相
によって被覆されたAlN焼結体を製造できる。前記粒
界相としては、例えば焼結助剤として希土類酸化物であ
るY2 3 を添加した場合には、Y2 3 、Y3 Al5
12、YAlO3 、Y4 Al2 9 等を挙げることがで
きる。焼結助剤としてアルカリ土類炭素塩であるCaC
3 を添加した場合には、Ca3 Al2 6 、Ca12
1433、CaAl2 4 、CaAl4 7 、CaAl
1219等を挙げることができる。また、これらの表面を
覆う粒界相の面積率は、焼結助剤の添加量、焼結時の最
高温度での保持時間、圧力、昇降温の速度等を適宜選択
することによって制御することが可能である。
【0027】したがって、平均粒径が2μm以下のAl
N粒子を有することにより高熱伝導性でAlN粒子の微
細化による強度向上がなされ、かつ表面に位置するAl
N粒子表面が5〜100%の面積率で被覆されることに
よりメタライズ層との濡れ性が改善されたAlN焼結体
を製造することができる。
【0028】2)第2の方法 この方法は、AlN粉末およびハロゲンを含む焼結助剤
とを含有する原料を成形した後、この成形体を0.5〜
10気圧の非酸化性雰囲気中、1600℃以下、好まし
くは1550℃以下で焼結する方法である。
【0029】すなわち、まず、AlN粉末にハロゲンを
含む焼結助剤を添加し、ボールミル等の方法で混合し、
必要に応じてバインダなどを加えて混練、造粒を行って
原料を調製した後、この原料を成形することにより成形
体を作製する。
【0030】前記AlN粉末は、前述した第1の方法で
説明したのと同様の粒径、不純物酸素量を有することが
好ましい。
【0031】前記ハロゲンを含む焼結助剤としては、例
えばアルカリ土類金属のハロゲン化物、酸ハロゲン化
物、Sc,Yを含む希土類元素のハロゲン化物、酸ハロ
ゲン化物から選ばれる少なくとも1種を用いることがで
きる。
【0032】前記焼結助剤の添加量は、前記AlN粉末
100重量部に対してアルカリ土類金属換算および/ま
たは希土類元素換算で0.5〜10重量部の範囲とする
ことが好ましい。また、前記焼結助剤はその一部をアル
カリ土類金属の酸化物および/または希土類元素の酸化
物で置き換えることも許容される。
【0033】前記AlN粉末および焼結助剤からなる原
料中には、前述した第1の方法と同様にさらに前記平均
粒径(0.03〜1.2μm)より大きい粒径を有する
AlN粉末が含有されることを許容する。また、必要に
応じて着色化、高強度化のためにTi,W,Mo,T
a,Nb,Mn等の遷移金属の酸化物、炭化物、フッ化
物、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩を前記AlN粉末に対
して遷移金属換算で0.05〜1重量%の範囲で配合し
てもよい。さらに、焼結温度の低下に有効なAl
2 3 、AlF3 等のアルミニウム化合物、リンの化合
物、ホウ素の化合物や機械的強度を向上させるための酸
化珪素(SiO2 )、窒化珪素(Si3 4 )等の珪素
化合物をAlN粉末に対して1重量%以下の範囲で配合
することを許容する。
【0034】前記成形方法としては、例えば金型プレ
ス、静水圧プレスまたはシート成形などを採用すること
ができる。
【0035】次いで、前記成形体を窒素ガス気流中など
の非酸化性雰囲気中で加熱して前記バインダを除去した
後、0.5〜10気圧の非酸化性雰囲気中、1600℃
以下、好ましくは1550℃以下で焼結させることによ
りAlN焼結体を製造する。なお、前記バインダを除去
する工程は、AlNの酸化などに留意して加熱する最高
温度を適宜選択することにより、酸素を含む雰囲気、あ
るいは水蒸気を含む雰囲気を用いることも可能である。
【0036】前記焼結工程は、前記成形体をAlN製容
器などに収納し前記圧力の窒素ガス等の雰囲気で10分
間〜90時間を行うことが望ましい。
【0037】前記焼結工程における雰囲気の圧力を前記
範囲に限定したのは、次のような理由によるものであ
る。雰囲気の圧力を0.5気圧未満にすると、前記成形
体からの焼結助剤であるハロゲン化物の蒸発、あるいは
酸ハロゲン化物の分解が激しくなり焼結性が著しく悪化
するため好ましくない。一方、雰囲気の圧力が10気圧
を越えると内部の粒界相を表面に位置するAlN粒子表
面に移行させることが困難になり、前記焼結体表面に位
置するAlN粒子表面を粒界相によって被覆することが
できなくなる。好ましい雰囲気の圧力範囲は、0.7〜
5気圧である。
【0038】以上のような第2の方法によれば、所定の
平均一次粒子径および不純物酸素量を有するAlN粒子
にアルカリ土類金属のハロゲン化物、酸ハロゲン化物、
Sc,Yを含む希土類元素のハロゲン化物、酸ハロゲン
化物から選ばれる少なくとも1種の焼結助剤、ハロゲン
を含む特定の焼結助剤を添加した後、0.5〜0.9気
圧の非酸化性製雰囲気中、1600℃以下で焼結するこ
とにより、AlN粒子の成長を抑制できる。その結果、
平均粒径が2μm以下のAlN粒子を有し、高熱伝導性
でAlN粒子の微細化による強度向上がなされたAlN
焼結体を製造できる。前記熱伝導率が向上されるメカニ
ズムは、焼結工程における添加された焼結助剤によるA
lN粉末の不純物酸素のトラップ効果である。焼結助剤
がAlNに含まれる不純物酸素(Al2 3 )と反応し
て、希土類−Al−O系あるいはアルカリ土類−Al−
O系化合物等の形で不純物酸素をAlN焼結体の粒界に
移動させるため、AlN格子内への酸素の固溶が防止さ
れる。これにより熱伝導率を向上させることができるも
のと考えられる。
【0039】また、前記焼結工程において内部の焼結助
剤に起因する粒界相をその表面に位置するAlN粒子表
面に移行させることができる。このメカニズムは、生成
したハロゲンを含む前記希土類−Al−O系あるいはア
ルカリ土類−Al−O系化合物が焼結工程で粘度の低下
した液相となるが、この液相はハロゲン成分が比較的蒸
発しやすいため表面での濃度が低下し、結果としてこの
濃度勾配を緩和するために焼結体内部から表面へ移動し
やすくなると考えられる。このため、ハロゲンを含む焼
結助剤を添加する第2の方法では前述した第1の方法に
比べて焼結工程での圧力がやや高くても容易に粒界相が
焼結体表面に位置するAlN粒子表面を覆うものと推定
される。その結果、表面に位置するAlN粒子表面が5
〜100%の面積率で被覆されたAlN焼結体を製造で
きる。前記粒界相としては、例えば焼結助剤として希土
類元素のフッ化物であるYF3 を添加した場合には、Y
23 、Y3 Al5 12、YAlO3 、Y4 Al
2 9 、YOF等を挙げることができる。また、これら
の表面を覆う粒界相の面積率は、焼結助剤の添加量、焼
結時の最高温度での保持時間、圧力、昇降温の速度等を
適宜選択することによって制御可能なものである。
【0040】したがって、平均粒径が2μm以下のAl
N粒子を有することにより高熱伝導性でAlN粒子の微
細化による強度向上がなされ、かつ表面に位置するAl
N粒子表面が0.05〜100%の面積率で被覆される
ことによりメタライズ層との濡れ性が改善されたAlN
焼結体を製造することができる。
【0041】本発明に係わる回路基板は、前述したAl
N焼結体からなる基材に金属を金属を接合した構造を有
する。
【0042】前記金属は、例えばメタライズ法などによ
り前記基材に直接接合される。
【0043】前述した表面に位置するAlN粒子表面が
ハロゲンを含む粒界相で被覆されてたAlN焼結体から
なる基材はメタライズ層に対して高い濡れ性を有するた
め、前記基材にメタライズ層(導体回路)を接合するこ
とによって、前記導体回路が前記基材に対して強固に接
合された回路基板を得ることができる。
【0044】また、表面に位置するAlN粒子表面がハ
ロゲンを含む粒界相で被覆されているAlN焼結体を基
材とした場合、前記粒界相の誘電率はハロゲンを含まな
い粒界相に比べてわずかに低下する。このようなAlN
焼結体からなる基材上にメタライズ法などによって導体
回路を形成すると、前記誘電率の低下に起因して前記導
体回路の信号伝達を高速化することができる。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に
説明する。なお、これら実施例は本発明の理解を容易に
する目的で記載されるものであり、本発明を特に限定す
るものではない。
【0046】(実施例1)平均一次粒径が0.2μmで
不純物酸素量が1.8重量%のAlN粉末に平均粒径が
0.1μm、純度99.9%のY2 3 粉末を5重量%
と平均粒径が0.1μmで純度99.9%のWO3 をW
換算で0.3重量%添加し、さらにアクリル系バインダ
を有機溶剤とともに加えボールミルを用いて混合、脱泡
した後テープキャスティング法により厚さ0.7mmの
シートを成形した。つづいて、前記シートを切断した
後、3枚積層して熱圧着することにより100×100
×2.1mm3 の成形体を作製した。ひきつづき、前記
成形体を窒素中、最高温度700℃まで加熱してバイン
ダを除去した。
【0047】次いで、脱脂後の前記成形体をAlN製容
器に入れ、この容器をカーボン製ヒータ炉内にセット
し、窒素ガス0.6気圧の雰囲気下、1600℃、12
時間の焼結を行ってAlN焼結体を製造した。
【0048】(比較例1)実施例1と同様な脱脂後の成
形体をAlN製容器に入れ、この容器をカーボン製ヒー
タ炉内にセットし、窒素ガス0.6気圧の雰囲気下、1
800℃、12時間の焼結を行ってAlN焼結体を製造
した。
【0049】(比較例2)実施例1と同様な脱脂後の成
形体をAlN製容器に入れ、この容器をカーボン製ヒー
タ炉内にセットし、窒素ガス1気圧の雰囲気下、160
0℃、8時間の焼結を行ってAlN焼結体を製造した。
【0050】(実施例2)平均一次粒径が0.08μm
で不純物酸素量が2.8重量%のAlN粉末に焼結助剤
として平均粒径が0.2μm、純度99.9%のCaC
3 をCaO換算で1重量%添加し、さらにアクリル系
バインダを有機溶剤とともに加えボールミルを用いて混
合、脱泡した後テープキャスティング法により厚さ0.
7mmのシートを成形した。このシートを切断し、積層
した後、実施例1と同様に脱脂し、さらに脱脂後の成形
体をAlN製容器内に入れ、この容器をカーボン製ヒー
タ炉内にセットし、窒素ガス0.9気圧の雰囲気下、1
550℃、12時間の焼結を行ってAlN焼結体を製造
した。
【0051】(実施例3)平均一次粒径が0.2μm、
不純物酸素量が1.5重量%のAlN粉末に焼結助剤と
して平均粒径が0.1μm、純度99.9%のDy2
3 を3重量%、平均粒径0.2μm、純度99.9%の
CaCO3 をCaO換算で1重量%および平均粒径0.
1μm、純度99.9%の酸化チタン(TiO2 )粉末
をTi換算で0.3重量%添加し、さらにアクリル系バ
インダを有機溶剤とともに加えボールミルを用いて混
合、脱泡した後テープキャスティング法により厚さ0.
7mmのシートを成形した。このシートを切断し、積層
した後、実施例1と同様に脱脂し、さらに脱脂後の成形
体をAlN製容器内に入れ、この容器をカーボン製ヒー
タ炉内にセットし、窒素ガス0.1気圧の雰囲気下、1
500℃、10時間の焼結を行ってAlN焼結体を製造
した。
【0052】(実施例4)平均一次粒径が0.6μm、
不純物酸素量が0.8重量%のAlN粉末に焼結助剤と
して平均粒径が0.2μmで純度99.9%のYF3
3重量%、平均粒径が1.0μmで純度99.9%のA
2 3 を0.5重量%および平均粒径が0.1μmで
純度99.9%のWO3 をW換算で0.3重量%添加し
た混合物にn−ブタノールを加え、湿式ボールミルによ
り解砕、混合した後、n−ブタノールを除去して原料粉
体とした。つづいて、この原料粉にアクリル系バインダ
5重量%を有機溶剤とともに添加して造粒した後、50
MPaの圧力で一軸加圧して成形体を作製した。この成
形体をAlN焼結体からなる容器にいれ、この容器をグ
ラファイト製ヒータ炉内にセットし、窒素ガス1気圧の
雰囲気下、1550℃、8時間の焼結を行ってAlN焼
結体を製造した。
【0053】得られた実施例1〜4および比較例1〜2
のAlN焼結体について、密度、熱伝導率、平均粒径、
機械的強度ならびに粒界相による焼結体表面の被覆率を
測定した。前記密度はアルキメデス法により測定し、前
記熱伝導率はJIS−R1611にしたがってレーザー
フラッシュ法により測定した。前記平均粒径は、前記焼
結体の破断面をSEMで観察し、インターセプト法によ
り求めた。前記機械的強度は、JIS−R1601にし
たがって4点曲げ法で測定した。粒界相による表面の被
覆率は、焼結体表面の低倍のSEM写真、あるいは光学
顕微鏡写真をスキャナーで読み取り画像解析することに
よって粒界相の面積率を求めた。これらの結果を下記表
1に示す。
【0054】また、実施例4および比較例2により得ら
れた焼結体の表面付近の破断面のSEM写真を図1およ
び図2にそれぞれ示す。
【0055】さらに、前記各AlN焼結体に酸素を40
0ppm含有する35×35mm2の銅板を接触させ、
酸素を7ppm含有する窒素ガス雰囲気中で、最高温度
1070℃で3分間保存して、前記焼結体と銅板を接合
させてピール強度を測定した。前記ピール強度は、イン
ストロン製強度試験機を用いて、クロスヘッド50mm
/minの速度で銅板の剥離強度を測定することにより
求めた。その結果を下記表1に併記する。
【0056】また、実施例4のAlN焼結体からなる基
材に接合した銅板を選択的にエッチングすることにより
図3および図4に示す回路基板1を製造した。なお、図
3および図4の回路基板1はるAlN焼結体からなる基
材2を有し、この基材2の表面に滲み出した粒界相3に
銅回路パターン4が共晶液相の固化層5を介して接合さ
れた構造になっている。
【0057】
【表1】 (実施例5〜12)下記表2に示すAlN粉末および添
加物を用い、かつ焼結条件を下記表2に示す温度、時
間、圧力にした以外、実施例1と同様な方法により8種
のAlN焼結体を製造した。なお、実施例6ではY2
3 をY(NO3 3 ・6H2 Oをn−ブタノールに溶解
して添加した。
【0058】得られた実施例5〜12のAlN焼結体に
ついて、密度、熱伝導率、平均粒径、機械的強度ならび
に粒界相による焼結体表面の被覆率を実施例1と同様な
方法により測定した。また、前記各AlN焼結体に実施
例1と同様な条件で銅板を接合させてピール強度を測定
した。これらの結果を下記表3に示す。
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】 (実施例13〜21)下記表4に示すAlN粉末および
添加物を用い、かつ焼結条件を下記表4に示す温度、時
間、圧力にした以外、実施例1と同様な方法により9種
のAlN焼結体を製造した。
【0061】得られた実施例13〜21のAlN焼結体
について、密度、熱伝導率、平均粒径、機械的強度なら
びに粒界相による焼結体表面の被覆率を実施例1と同様
な方法により測定した。また、前記各AlN焼結体に実
施例1と同様な条件で銅板を接合させてピール強度を測
定した。これらの結果を下記表5に示す。
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】 (比較例3)実施例4と同じ組成物を同じ条件で、ただ
し圧力を0.2気圧にして1550℃で8時間焼結し
た。しかし密度は3.24g・cm-3と完全には緻密化
しなかった。
【0064】(比較例4)実施例4と同じ組成物を同じ
条件で、ただし圧力を12気圧にして1550℃で8時
間焼結した。密度は3.31g・cm-3と十分緻密化し
ていたが、表面に粒界相がほとんど見られずまた実施例
1〜4までと同様の方法で鋼板を接合しようとしたが、
接合できなかった。
【0065】(実施例22)実施例4と同じ組成物を同
じ条件で焼結してAlN焼結体を得た。この表面にMo
とTiNの混合比が1:2(重量比)のメタライズペー
ストをスクリーン印刷法で塗布した。この焼結体を窒素
ガス雰囲気中、最高温度1700℃、保持時間1時間、
圧力1.2気圧で熱処理し焼結体表面をメタライズし
た。得られたメタライズAlN回路基板は外観上はがれ
や色むらはほとんどなく十分実用に供することができる
ものであった。
【0066】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、平
均粒径が小さいことに起因して機械的強度が高く、かつ
酸化処理を施さずにメタライズ金属との濡れ性が良好な
AlN焼結体を提供することができる。
【0067】また、前記AlN焼結体を基材としてメタ
ライズ金属を直接接合することにより前記基材と前記メ
タライズ金属との界面での剥離発生を抑制した信頼性の
高い回路基板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例4により得られたAlN焼結体
付近の断面構造を示すSEM写真。
【図2】比較例2により得られたAlN焼結体表面付近
の断面構造を示すSEM写真。
【図3】本発明の実施例4により得られたAlN焼結体
からなる基材を有する回路基板の断面図。
【図4】図3の平面図。
【符号の説明】
1…回路基板、2…AlN焼結体からなる基材、3…粒
界相、4…銅回路パターン、5…共晶液相の固化層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加曽利 光男 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 上野 文雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径2μm以下の窒化アルミニウム
    粒子を有し、かつ表面に位置する窒化アルミニウム粒子
    表面の5〜100%が粒界相で覆われていることを特徴
    とする窒化アルミニウム焼結体。
  2. 【請求項2】 前記窒化アルミニウム粒子表面を覆う粒
    界相はハロゲンを含むことを特徴とする請求項1項記載
    の窒化アルミニウム焼結体。
  3. 【請求項3】 平均粒径2μm以下の窒化アルミニウム
    粒子を有し、かつ表面に位置する窒化アルミニウム粒子
    表面の5〜100%が粒界相で覆われている窒化アルミ
    ニウム焼結体の製造に際し、窒化アルミニウム粉末およ
    び焼結助剤を含む原料を成形した後、この成形体を0.
    1〜0.9気圧の減圧の非酸化性雰囲気中、1600℃
    以下で焼結することを特徴とする窒化アルミニウム焼結
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 平均粒径2μm以下の窒化アルミニウム
    粒子を有し、かつ表面に位置する窒化アルミニウム粒子
    表面の5〜100%が粒界相で覆われている窒化アルミ
    ニウム焼結体の製造に際し、窒化アルミニウム粉末とハ
    ロゲンを含む焼結助剤とを含有する原料を成形した後、
    この成形体を0.5〜10気圧の非酸化性雰囲気中、1
    600℃以下で焼結することを特徴とする窒化アルミニ
    ウム焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の窒化アルミニウ
    ム焼結体からなる基材に金属を接合したことを特徴とす
    る回路基板。
JP6246832A 1994-09-16 1994-09-16 窒化アルミニウム焼結体、窒化アルミニウム焼結体の製造方法および回路基板 Pending JPH0891935A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001097780A (ja) * 1999-09-30 2001-04-10 Toshiba Corp 窒化アルミニウム焼結体及びそれを用いた半導体装置用基板
JP2002201072A (ja) * 2000-12-27 2002-07-16 Toshiba Corp AlN焼結体およびこれを用いたAlN回路基板
JP2006001834A (ja) * 2004-06-18 2006-01-05 Ngk Insulators Ltd 窒化アルミニウム質セラミックス、半導体製造部材及び窒化アルミニウム質セラミックスの製造方法
JP2008239387A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Ngk Insulators Ltd 窒化アルミニウム耐食性部材及び半導体製造装置用部材
US7553788B2 (en) 2006-09-26 2009-06-30 Tokuyama Corporation Process for producing an aluminum nitride sintered body

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