[go: up one dir, main page]

JPH0864848A - 光電気変換装置、反射防止膜及び電極基板 - Google Patents

光電気変換装置、反射防止膜及び電極基板

Info

Publication number
JPH0864848A
JPH0864848A JP6198845A JP19884594A JPH0864848A JP H0864848 A JPH0864848 A JP H0864848A JP 6198845 A JP6198845 A JP 6198845A JP 19884594 A JP19884594 A JP 19884594A JP H0864848 A JPH0864848 A JP H0864848A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
antireflection
photoelectric conversion
oxide
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6198845A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Shiozaki
篤志 塩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP6198845A priority Critical patent/JPH0864848A/ja
Publication of JPH0864848A publication Critical patent/JPH0864848A/ja
Priority to US08/769,318 priority patent/US5718773A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10FINORGANIC SEMICONDUCTOR DEVICES SENSITIVE TO INFRARED RADIATION, LIGHT, ELECTROMAGNETIC RADIATION OF SHORTER WAVELENGTH OR CORPUSCULAR RADIATION
    • H10F77/00Constructional details of devices covered by this subclass
    • H10F77/30Coatings
    • H10F77/306Coatings for devices having potential barriers
    • H10F77/311Coatings for devices having potential barriers for photovoltaic cells
    • H10F77/315Coatings for devices having potential barriers for photovoltaic cells the coatings being antireflective or having enhancing optical properties
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10FINORGANIC SEMICONDUCTOR DEVICES SENSITIVE TO INFRARED RADIATION, LIGHT, ELECTROMAGNETIC RADIATION OF SHORTER WAVELENGTH OR CORPUSCULAR RADIATION
    • H10F77/00Constructional details of devices covered by this subclass
    • H10F77/20Electrodes
    • H10F77/206Electrodes for devices having potential barriers
    • H10F77/211Electrodes for devices having potential barriers for photovoltaic cells
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10FINORGANIC SEMICONDUCTOR DEVICES SENSITIVE TO INFRARED RADIATION, LIGHT, ELECTROMAGNETIC RADIATION OF SHORTER WAVELENGTH OR CORPUSCULAR RADIATION
    • H10F77/00Constructional details of devices covered by this subclass
    • H10F77/70Surface textures, e.g. pyramid structures
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10FINORGANIC SEMICONDUCTOR DEVICES SENSITIVE TO INFRARED RADIATION, LIGHT, ELECTROMAGNETIC RADIATION OF SHORTER WAVELENGTH OR CORPUSCULAR RADIATION
    • H10F77/00Constructional details of devices covered by this subclass
    • H10F77/70Surface textures, e.g. pyramid structures
    • H10F77/707Surface textures, e.g. pyramid structures of the substrates or of layers on substrates, e.g. textured ITO layer on a glass substrate
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 入射する光を有効に利用できるため変換効率
が高く、より小面積での利用が可能な光電気変換体を提
供する。 【構成】 導電性基体の表面上に、半導体層、反射防止
層および集電電極を順次積層して形成される光電気変換
体、または透明基体の表面上に、反射防止層、半導体
層、および集電電極を順次積層して形成される光電気変
換体において、前記反射防止層が、カドミウム(C
d)、インジウム(In)およびスズ(Sn)のうち少
なくとも1つの元素を含む酸化物層Aと、亜鉛(Zn)
またはチタン(Ti)の元素を含む酸化物層Bとを、交
互に積層した構造体からなり、かつ前記反射防止層の表
面を構成する結晶粒子の粒径が20nm以下である。前
記反射防止層において、前記酸化物層Aの膜厚が10n
m以上20nm以下である。前記反射防止層において、
前記酸化物層Bの膜厚が5nm以上10nm以下であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光電気変換体に係る。
より詳細には、反射防止層を、異なる材質からなる酸化
物層を交互に積層した構造体とした光電気変換体に関す
る。本発明の光電気変換体は、太陽電池、各種センサー
等に好適に適用される。
【0002】
【従来の技術】従来、光電気変換体は、様々な電気機器
の独立電源としての用途や、太陽光を利用する系統電力
の代替えエネルギー源としての用途において実用化され
ている。しかし、さらに発電効率を向上させるために、
各種の研究課題に関して現在もなお開発が進められてい
る。
【0003】その研究課題の1つとして、「入射する光
を有効に利用する技術」の開発がある。たとえば光電気
変換体の光電気変換部としては、変換効率の高い単結晶
または多結晶のシリコンからなる結晶系光電気変換体
や、低価格での提供が可能なアモルファスシリコン(以
下a−Siと記載)や、CdS・CuInSe2などの
化合物半導体を用いた、いわゆる薄膜半導体光電気変換
体など挙げられるが、いずれの光電気変換体においても
限られた面積からより多くの電気エネルギーを取り出す
ために、「入射する光をより有効に利用する技術」がも
っとも重要な技術のひとつである。
【0004】上述した「入射する光を有効に利用する技
術」には、光の入射面での反射を防止することにより光
電気変換部へより多くの光を到達させる反射防止層や、
入射した光を散乱させ光電気変換部での光路長を長くす
る散乱層や、光電気変換部で吸収されなかった光を再び
光電気変換部に反射し利用するための裏面反射層などの
技術がある。
【0005】例えば、特公昭62−16033号公報に
は反射防止膜として光の干渉を利用した屈折率が順次異
なる多層膜の開示がある。また、特公平4−70788
号公報には結晶粒の大きい透明導電層を用いる事により
光を散乱させ吸収効率を増加させる技術が開示されてい
る。さらに、米国特許4,419,533には金属層の
表面がテクスチャー構造を持ち、且つその上に透明層が
形成された裏面反射層の考え方が開示されている。この
様な技術を組み合わせることによって、光電気変換体の
変換効率が向上し、その結果として、得られる電気エネ
ルギーの価格低下が期待されていた。
【0006】しかしながら、上述した現状技術の組み合
わせだけでは、得られる電気エネルギーの価格を充分に
低下させるほどの効果を実現できていない。このため光
電気変換体は、系統電力用として本格的な普及に至って
いない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、変換効率が
高く、より小面積での利用が可能な光電気変換体を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の光電気変換体
は、導電性基体の表面上に、半導体層、反射防止層およ
び集電電極を順次積層して形成される光電気変換体、ま
たは透明基体の表面上に、反射防止層、半導体層、およ
び集電電極を順次積層して形成される光電気変換体にお
いて、前記反射防止層が、カドミウム(Cd)、インジ
ウム(In)およびスズ(Sn)のうち少なくとも1つ
の元素を含む酸化物層Aと、亜鉛(Zn)またはチタン
(Ti)の元素を含む酸化物層Bとを、交互に積層した
構造体からなり、かつ前記反射防止層の表面を構成する
結晶粒子の粒径が20nm以下であることを特徴とす
る。
【0009】
【作用】本発明では、光電気変換体の光入射側の反射防
止層を、カドミウム(Cd)、インジウム(In)およ
びスズ(Sn)のうち少なくとも1つの元素を含む酸化
物層Aと、亜鉛(Zn)またはチタン(Ti)の元素を
含む酸化物層Bとを、交互に積層した構造体としたた
め、反射防止層の結晶粒子の粒径を小さく抑制すること
が可能となる。特に、酸化物層Aと酸化物層Bの膜厚を
限定することによって、さらにその効果が高くなる。そ
の結果、反射防止層の反射率は小さくなり、半導体層へ
の入射光量が増えることから、光電変換効率を改善する
ことができる。
【0010】
【実施態様例】以下では、図1に基づき本発明の光電気
変換体の作製手順について説明する。
【0011】(1)導電性の基板101の表面に反射率
の高い金属の層102を形成する。但し、基板自身が十
分反射率の高い材料でできている場合は、金属層102
は省略しても良い。
【0012】(2)反射率の高い金属の層102の表面
上に、表面粗さの最大値が数100nmである凹凸形状
の透明層103を形成する。
【0013】(3)透明層103の表面上に、半導体接
合104を形成する。この半導体接合104は、n型a
−Si層105、i型a−Si層106およびp型a−
Si層107から構成される。半導体接合104の厚さ
が薄い場合には、図1に示すように半導体接合全体が、
透明層103と同様の凹凸形状を示す事が多い。
【0014】(4)半導体接合104の表面上に、反射
防止層108を形成する。この反射防止層108は、異
なった材質からなる2種類の酸化物層(109,11
0)を、交互に積層した構造体からなる。
【0015】(5)反射防止層108の表面上に、櫛型
の集電電極111を形成する。
【0016】以下では、本発明の実施態様例を説明す
る。
【0017】(基体)基体が導電性である場合、すなわ
ち導電性の基板101としては、各種の金属が用いられ
る。中でもステンレススティール板、亜鉛鋼板、アルミ
ニウム板、銅板等は、価格が比較的低く好適である。こ
れらの金属板は、一定の形状に切断して用いても良い
し、板厚によっては長尺のシート状の形態で用いても良
い。この場合にはコイル状に巻く事ができるので連続生
産に適合性がよく、保管や輪送も容易になる。また、用
途によってはシリコン等の結晶基板、ガラスやセラミッ
クスの板を用いる事もできる。基体が透明である場合、
例えばガラスを使用する場合は、ガラス側から光を入射
させてもよく、その場合には後述する半導体層と反射防
止層を上下逆転した配置とする。
【0018】基板の表面は研磨しても良いが、例えばブ
ライトアニール処理されたステンレス板の様に仕上がり
の良い場合にはそのまま用いても良い。
【0019】基板自身が十分反射率の高い材料でできて
いない場合は、基板101の表面上に金属層102が設
けられる。金属層102としては、例えば銀、銅、アル
ミニウムなど反射率の高い材料を用い、抵抗加熱や電子
ビームによる真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプ
レーティング法、CVD法、メッキ法等の作製方法が利
用できる。
【0020】さらに、基板101の表面上に、薄膜表面
が徴細な凹凸状を有する透明層103が設けられる場合
もある。透明層103は、例えばスパッタリング法など
によって形成される。透明層103としては、半導体膜
の欠陥を通じて流れる電流を抑制するためある程度の抵
抗があっても良く、たとえば酸化錫や酸化亜鉛などが好
適に用いられる。
【0021】(半導体層)半導体層104としては、例
えばSiH4ガス等を原料として用い、高周波電力やマ
イクロ波電力を利用したCVD装置にて作製したアモル
ファスSi(a−Siと表記)薄膜やマイクロクリスタ
ルSi(μc−Siと表記)が好適に用いられる。半導
体層104は、通常nipの半導体接合からなり、n型
a−Si層105は、SiH4,SiF4,PH3,H2
どのガスを用いて、透明層103の表面上に形成され
る。次に、i型a−Si層106は、SiH4,Si
4,H2などのガスを用いて、n型a−Si層105の
表面上に形成される。さらに、p型μc−Si層107
は、SiH4,BF3,H2などのガスを用いて、i型a
−Si層106の表面上に形成される。この半導体層
は、a−Si薄膜やμc−Si薄膜に制限されるもので
はない。また、半導体接合の順番は、nipでもpin
でも構わない。さらに、半導体接合は、複数層の構造で
あっても良い。
【0022】(反射防止層)反射防止層108として
は、例えば、酸化インジウムと酸化スズまたはその混合
物を主成分とする層が好適に用いられ、透明電極として
の機能も兼ね備える場合が多い。反射防止層108の厚
みdは、主に吸収させたい光の波長λの1/(4n)程
度にするのが良い。ここで、nは反射防止層の屈折率で
ある。また、反射防止層108は、主に吸収させたい光
の波長域では、透明すなわち反射率が低く、その表面は
平滑面である方が好ましい。また、主に吸収させたい光
の波長域は、半導体層の特性に依存する。例えば、Si
にGeを含む場合には、含まない場合よりバンドギャッ
プが広いため、より長波長の光が望ましい。
【0023】さらに、透明基体の表面上に、反射防止
層、半導体層、および集電電極を順次積層して形成され
る光電気変換体においては、反射防止層は透明電極とし
ての機能も兼ね備える必要があり、適度な電気抵抗を有
することも要求される。
【0024】また、一般に薄膜の結晶粒子の大きさは、
膜厚が厚くなるにともない大きくなる傾向がある。その
結果、薄膜の表面には凹凸形状が発生しやすくなり、薄
膜内部への光の入射量を低下させてしまうという問題が
ある。この対策として、本発明者は、次に示す手法、す
なわち反射防止層108を異なる材質からなる酸化物層
を交互に積層した構造体とすることが有効であることを
見いだした。
【0025】(1)反射防止層108の第1層として、
例えば、酸化インジウムと酸化スズからなる層(酸化物
層A)109を、その結晶粒子の粒径が20nm以上に
成長する以前の薄い厚さで堆積する。
【0026】(2)反射防止層108の第1層の表面上
に、第2層として、例えば結晶粒の成長の程度が第1層
とは異なる酸化亜鉛からなる層(酸化物層B)110
を、その結晶粒子の粒径が20nm以上に成長する以前
の薄い厚さで堆積する。
【0027】(3)上記の(1)と(2)の工程を何度
か繰り返し、異なる材質からなる酸化物層を交互に積層
した構造体である反射防止層108の膜厚dが、主に吸
収させたい光の波長λの1/(4n)程度となるように
する。ここで、nは反射防止層の屈折率である。
【0028】上述した手法により、反射防止層108
は、可視域の波長では透明膜であり、酸化亜鉛の層11
0が極めて薄いために適度な電気抵抗を保ち、かつその
表面を20nm以下の細かい結晶粒子からなる平滑面と
することができる。
【0029】(集電電極)集電電極111は、透明電極
すなわち上述した反射防止層108の表面抵抗値を低減
させる目的で、反射防止層108の表面上に設けられ
る。集電電極111としては、例えば、Ag,Cr,N
i,Al,Ag,Au,Ti,Pt,Cu,Mo,W等
の金属またはこれらの合金からなる薄膜が挙げられる。
これらの薄膜は、積層させて用いることもできる。ま
た、透明電極すなわち上述した反射防止層108を介し
て、上述した半導体層104への光入射量が十分に確保
されるよに、集電電極111の形状や面積は適宜設計さ
れる。集電電極111の面積は、例えば、受光面積に対
して好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下
であることが望ましい。また、集電電極111のシート
抵抗値は、好ましくは50Ω/□以下、より好ましくは
10Ω/□以下であることが望ましい。
【0030】(光電気変換体)光電気変換体としては、
例えば、上述した基体、半導体層、反射防止層および集
電電極を用いて、導電性基体の表面上に、半導体層、反
射防止層および集電電極を順次積層して形成した構造
体、または透明基体の表面上に、反射防止層、半導体
層、および集電電極を順次積層して形成した構造体が好
適に用いられる。
【0031】(酸化物層A)酸化物層A109として
は、例えば、カドミウム(Cd)、インジウム(In)
およびスズ(Sn)のうち少なくとも1つの元素を含む
酸化物が好ましい。光学的には、可視域の波長に対して
透明であり、結晶粒子の粒径が20nm以下となる膜厚
範囲で用いるのが望ましく、好ましくは10nm以上2
0nm以下である。
【0032】また、酸化物層Aは、上述した半導体層1
04の表面上、あるいは後述する酸化物層Bの表面上に
形成することから、半導体層104や酸化物層Bとの密
着性が優れる方が良い。さらに、10nm程度の薄膜と
した場合でも、ピンホール等の発生が生じない成膜条件
にて作製する必要がある。
【0033】(酸化物層B)酸化物層B110として
は、例えば、亜鉛(Zn)またはチタン(Ti)の元素
を含む酸化物が好ましい。光学的には、可視域の波長に
対して透明であり、結晶粒子の粒径が20nm以下とな
る膜厚範囲で用いるのが望ましく、好ましくは5nm以
上10nm以下である。
【0034】また、酸化物層Bは、上述した半導体層1
04の表面上、あるいは上述した酸化物層Aの表面上に
形成することから、半導体層104や酸化物層Aとの密
着性が優れる方が良い。
【0035】
【実施例】
(実施例1)本例では、半導体層104の表面上に、次
の構造体からなる反射防止層108を有する光電気変換
体を作製した。但し、Aは「酸化物層A」を、Bは「酸
化物層B」を示す。反射防止層の全厚さは、61nmで
ある。
【0036】半導体層/[反射防止層]=半導体層/
[A(17nm)/B(5nm)/A(17nm)/B(5nm)/A(17nm)] 以下では、図1に基づき本例の光電気変換体の作製手順
について説明する。
【0037】(1)基体101としては、表面を研磨し
た5cm角で、厚さ0.2mmのステンレススティール
板を用いた。図2に示したスパッタ装置にて、基体10
1の表面上に、金属層102として厚さが60nmの銀
膜を堆積した。主な作製条件は、ターゲット材料=銀、
基板温度=200℃、ターゲットの単位面積当たりの投
入電力量=0.2W/cm2である。
【0038】(2)金属層102の成膜後、同じスパッ
タ装置にて、金属層102の表面上に、透明層103と
して厚さが500nmの酸化亜鉛膜を堆積した。主な作
製条件は、ターゲット材料=酸化亜鉛、基板温度=42
0℃、不活性ガス=Ar、ガス流量=50sccm、堆
積室内のガス圧=3mTorr、ターゲットの単位面積
当たりの投入電力量=2W/cm2である。
【0039】(3)透明層103の成膜後、容量結合型
高周波CVD装置(アルバック社製CHJ−3030)
にて、透明層103の表面上に、半導体層104を堆積
した。半導体層104は、n型a−Si層105、i型
a−Si層106、p型μc−Si層107を順次積層
したnipの半導体接合からなる。半導体層104は、
表1に示した作製条件にて形成した。
【0040】
【表1】 (4)半導体層104まで成膜した試料(5cm角)
を、4分割に切断し2.5cm角の試料4個(a,b,
c,d)を作製した。後述する工程は、試料a、bに対
して実施した。
【0041】(5)2個の試料(a,b)を、図2に示
したDCマグネトロンスッパッタ装置のアノード206
の表面に取り付け、ステンレススティールのマスクで試
料の周囲を遮蔽して、中央部2cm角の領域に酸化スズ
と酸化インジウムからなる膜(酸化物層A)109を堆
積した。主な成膜条件は、ターゲット207の材料=1
0重量%の酸化スズを含む酸化インジウム、基板温度=
200℃、不活性ガス=Ar、ガス流量=50scc
m、堆積室内のガス圧=3mTorr、ターゲットの単
位面積当たりの投入電力量=0.2W/cm2、膜厚=
17nmである。
【0042】(6)電源209を、酸化亜鉛のターゲッ
ト208に切り替え、上記(5)と同じ条件で、膜厚が
5nmとなるように酸化亜鉛からなる膜(酸化物層B)
110を堆積した。
【0043】(7)上記(6)の処理をした試料(a,
b)の表面上に、再度上記(5)の処理をした。
【0044】(8)上記(7)の処理をした試料(a,
b)の表面上に、再度上記(6)の処理をした。
【0045】(9)上記(8)の処理をした試料(a,
b)の表面上に、再度上記(5)の処理をした。
【0046】以上の工程にて作製された反射防止層10
8は、可視域の波長において透明であり、十分低い電気
抵抗を持ち、かつ電子顕微鏡を用いた観察によると、そ
の表面を20nm以下の細かい結晶粒子からなる平滑面
とすることができた。
【0047】(10)上記(9)の処理をした試料aは、
分光光度計により反射率を測定するために使われた。
【0048】(11)上記(9)の処理をした試料bは、
その表面上に集電電極111が形成された。集電電極1
11は、試料bの表面積の2%にあたる領城に、Agペ
ーストをスクリーン印刷することで作製した。この(1
1)の処理により、薄膜半導体光電気変換体を完成し
た。
【0049】(比較例1)本例では、反射防止層108
が単層からなる点が、実施例1と異なる。本例におけ
る、半導体層104の表面上に形成した反射防止層10
8を有する光電気変換体の層構成を以下に示した。但
し、Aは「酸化物層A」を示す。
【0050】 半導体層/[反射防止層]=半導体層/[A(60nm)] 上記の反射防止層108を形成するために用いた試料
は、実施例1で作製した残りの2つの試料(c,d)で
ある。試料cは、分光光度計により反射率を測定するた
めに使われた。また、試料dは、その表面上に集電電極
111が形成され、薄膜半導体光電気変換体とした。
【0051】他の点は、実施例1と同様とした。
【0052】本例にて作製された反射防止層108は、
可視域の波長において透明であり、十分低い電気抵抗を
有していた。しかし、電子顕微鏡を用いた観察による
と、その表面は約30nmの結晶粒子からなっており、
実施例1より粗い表面形状であった。
【0053】図3は、各試料における反射率の測定結果
である。301が実施例1の試料aであり、302が比
較例1の試料cにて観測されたものである。302に比
べて301の方が、観測した全波長域に渡って低い反射
率となっている。従って、実施例1の方が、入射する光
を十分に半導体層へ導入できると判断した。
【0054】また、実施例1の試料bと比較例1の試料
dに対して、AM1.5(100mW/cm2)の光照
射下にて特性評価を行い、光電変換効率を計算した。そ
の結果、試料bは9.7%、試料dは9.2%であっ
た。この光電変換効率の差は、試料dが試料bより粗い
表面形状を有することから、結晶粒子による凹凸形状が
光の干渉を利用した反射防止効果を低下させているため
に生じたと、本発明者は推定した。従って、反射防止層
を、実施例1に示したような構造体とすることで、より
優れた変換効率を有する薄膜半導体光電気変換体が実現
できることが分かった。
【0055】また、上述した結果は、酸化物層Aが、カ
ドミウム(Cd)、インジウム(In)およびスズ(S
n)のうち少なくとも1つの元素を含む酸化物であり、
酸化物層Bが、亜鉛(Zn)またはチタン(Ti)の元
素を含む酸化物とした場合においても確認することがで
きた。
【0056】さらに、上述した結果は、反射防止層10
8において、半導体層104や集電電極111に接する
層が、酸化物層Aに限定されることはなく、酸化物層B
でも良い。
【0057】(比較例2)本例では、反射防止層108
を構成する各酸化物層Bを酸化インジウムとした点が、
実施例1と異なる。
【0058】他の点は、実施例1と同様とした。
【0059】本例にて作製された反射防止層108は、
可視域の波長において透明であり、十分低い電気抵抗を
有していた。しかし、電子顕微鏡を用いた観察による
と、その表面は約30nmの結晶粒子からなっており、
実施例1より粗い表面形状であった。従って、酸化物層
Bの材料が酸化物層Aと同質の材料では、両層の結晶格
子間隔が一致してしまい、結晶成長を抑制する効果が低
いと本発明者は推定した。
【0060】また、実施例1と比較例2の試料に対し
て、AM1.5(100mW/cm2)の光照射下にて
特性評価を行い、光電変換効率を計算した。その結果、
実施例1の試料は9.7%、比較例2の試料は9.2%
であった。
【0061】従って、酸化物層Bの材料は、酸化物層A
と異質の材料とする必要があることが分かった。
【0062】(実施例2)本例では、反射防止層108
を構成する各酸化物層Aが、異なる膜厚からなっている
点が、実施例1と異なる。本例における、半導体層10
4の表面上に形成した反射防止層108を有する光電気
変換体の層構成を以下に示した。但し、Aは「酸化物層
A」を、Bは「酸化物層B」を示す。また、x,y,z
の組み合わせは、x+y+z=50(但し、z=17に
固定)となる範囲で可変とした。反射防止層の全厚さ
は、60nmである。
【0063】半導体層/[反射防止層]=半導体層/
[A(xnm)/B(5nm)/A(ynm)/B(5nm)/A(znm)] 他の点は、実施例1と同様とした。
【0064】表2は、本例にて作製された試料において
得られた、反射率、光電変換効率および反射防止層の表
面における結晶粒子の粒径の結果である。反射率は、5
00nmの波長における値である。光電変換効率は、A
M1.5(100mW/cm 2)の光照射下にて得られ
た特性評価より計算した値である。また、結晶粒子の粒
径は、電子顕微鏡を用いた観察によって得られた値であ
る。
【0065】
【表2】 表2の結果から、酸化物層Aの各膜厚を20nm以下と
した場合に、反射防止層の表面における結晶粒子の粒径
が20nm以下であることが分かる。また、この粒径が
20nm以下のとき、8%の反射率と、9.5%以上の
光電変換効率が実現でき、可視域の波長において透明で
あり、十分低い電気抵抗を有することも確認できた。従
って、酸化物層Aの膜厚は、20nm以下とすることが
好ましい。
【0066】(実施例3)本例では、反射防止層108
を構成する各酸化物層Bの膜厚を8nmとした点が、実
施例2と異なる。本例における、半導体層104の表面
上に形成した反射防止層108を有する光電気変換体の
層構成を以下に示した。但し、Aは「酸化物層A」を、
Bは「酸化物層B」を示す。また、x,y,zの組み合
わせは、x+y+z=44(但し、z=17に固定)と
なる範囲で可変とした。反射防止層の全厚さは、60n
mである。
【0067】半導体層/[反射防止層]=半導体層/
[A(xnm)/B(8nm)/A(ynm)/B(8nm)/A(znm)] 他の点は、実施例2と同様とした。
【0068】表3は、本例にて作製された試料において
得られた電気抵抗の値である。この電気抵抗の値は、反
射防止層108が酸化スズと酸化インジウムのみ(膜厚
=60nm)から構成された場合のシート抵抗値で規格
化してある。
【0069】
【表3】 表3の結果から、酸化物層Aの膜厚のうち、yを10n
m未満とした場合に、電気抵抗の値が1.5以上となる
ことが分かった。透明電極としての機能も有する反射防
止層108としては、電気抵抗が高くなり、損失が大き
くなり芳しくない結果である。xが10nm未満の条件
ではこの現象が生じないことから、酸化物層Aは10n
m未満になると島状膜化し、その状態となった酸化物層
Aが酸化物層Bで挟まれたとき、抵抗の高い酸化亜鉛の
影響がでてしまったものと推定した。従って、酸化物層
Aの膜厚は、10nm以上とすることが好ましい。
【0070】(実施例4)本例では、反射防止層108
を構成する各酸化物層Bが、異なる膜厚からなっている
点が、実施例1と異なる。本例における、半導体層10
4の表面上に形成した反射防止層108を有する光電気
変換体の層構成を以下に示した。但し、Aは「酸化物層
A」を、Bは「酸化物層B」を示す。また、x,yの組
み合わせは、x+y=12となる範囲で可変とした。反
射防止層の全厚さは、60nmである。
【0071】半導体層/[反射防止層]=半導体層/
[A(16nm)/B(xnm)/A(16nm)/B(ynm)/A(16n
m)] 他の点は、実施例1と同様とした。
【0072】表4は、本例にて作製された試料において
得られた、反射率、光電変換効率および反射防止層の表
面における結晶粒子の粒径の結果である。反射率は、5
00nmの波長における値である。光電変換効率は、A
M1.5(100mW/cm 2)の光照射下にて得られ
た特性評価より計算した値である。また、結晶粒子の粒
径は、電子顕微鏡を用いた観察によって得られた値であ
る。
【0073】
【表4】 表4の結果から、酸化物層Bの各膜厚を5nm以上とし
た場合に、反射防止層の表面における結晶粒子の粒径が
20nm以下であることが分かる。また、この粒径が2
0nm以下のとき、8%の反射率と、9.5%以上の光
電変換効率が実現でき、可視域の波長において透明であ
り、十分低い電気抵抗を有することも確認できた。酸化
物層Bは5nm未満になると島状膜化し、その状態とな
った酸化物層Bを挟んで上下にある酸化物層Aが連続膜
となってしまい、酸化物層Aの凹凸化が進んだ結果、反
射防止層108の反射率が増加したものと推定した。従
って、酸化物層Bの膜厚は、5nm以上とすることが好
ましい。
【0074】(実施例5)本例では、反射防止層108
を構成する各酸化物層Aの膜厚を、半導体層側から順に
16nm、14nm、12nmとした点が、実施例4と
異なる。本例における、半導体層104の表面上に形成
した反射防止層108を有する光電気変換体の層構成を
以下に示した。但し、Aは「酸化物層A」を、Bは「酸
化物層B」を示す。また、x,yの組み合わせは、x+
y=18となる範囲で可変とした。反射防止層の全厚さ
は、60nmである。
【0075】半導体層/[反射防止層]=半導体層/
[A(16nm)/B(xnm)/A(14nm)/B(ynm)/A(12n
m)] 他の点は、実施例4と同様とした。
【0076】表5は、本例にて作製された試料において
得られた電気抵抗の値である。この電気抵抗の値は、反
射防止層108が酸化スズと酸化インジウムのみ(膜厚
=60nm)から構成された場合のシート抵抗値で規格
化してある。
【0077】
【表5】 表5の結果から、酸化物層Bの各膜厚を10nm以下と
した場合に、電気抵抗の値は1.5より小さくできるこ
とが分かる。10nmより厚い酸化物層Bを用いた場合
は、透明電極としての機能も有する反射防止層108の
電気抵抗が高くなってしまい、損失が大きくなり芳しく
ない。従って、酸化物層Bの膜厚は、10nm以下とす
ることが好ましい。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
入射する光を有効に利用できるため半導体への光の吸収
が増加した結果、変換効率が高く、より小面積での利用
ができる光電気変換体がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る薄膜半導体光電気変換体の模式
的断面図である。
【図2】実施例1に係る薄膜半導体光電気変換体の反射
防止層を製造するに好適なスパッタリング装置の概念図
である。
【図3】実施例1と比較例1に係る試料で得られた反射
率データを示すグラフである。
【符号の説明】
101 基板、 102 金属層、 103 透明層、 104 半導体接合層、 105 n型a−Si、 106 i型a−Si、 107 p型μc−Si、 108 反射防止膜、 109 反射防止層の主なる層、 110 間の結晶性の異なる層、 111 集電電極、 201 堆積室、 202 ガス導入管、 203 排気弁、 204 基板、 205 ヒータ、 206 アノード、 207、208 ターゲット、 209 電源、 301 実施例1の試料の反射率、 302 比較例1の試料の反射率。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年10月9日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 光電気変換装置、反射防止膜及び電
極基板
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光電気変換装置、反射
防止膜及び電極基板に係る。より詳細には、反射防止層
を、異なる材質からなる酸化物層を交互に積層した構造
体とした、光電気変換装置、反射防止膜及び電極基板に
関する。本発明の光電気変換装置、反射防止膜及び電極
基板は、太陽電池、各種センサー等に好適に適用され
る。
【0002】
【従来の技術】従来、光電気変換装置は、様々な電気機
器の独立電源としての用途や、太陽光を利用する系統電
力の代替えエネルギー源としての用途において実用化さ
れている。しかし、さらに発電効率を向上させるため
に、各種の研究課題に関して現在もなお開発が進められ
ている。
【0003】その研究課題の1つとして、「入射する光
を有効に利用する技術」の開発がある。たとえば光電気
変換装置の光電気変換部としては、変換効率の高い単結
晶または多結晶のシリコンからなる結晶系光電気変換体
や、低価格での提供が可能なアモルファスシリコン(以
下a−Siと記載)や、CdS・CuInSe2などの
化合物半導体を用いた、いわゆる薄膜半導体光電気変換
体など挙げられるが、いずれの光電気変換体においても
限られた面積からより多くの電気エネルギーを取り出す
ために、「入射する光をより有効に利用する技術」がも
っとも重要な技術のひとつである。
【0004】上述した「入射する光を有効に利用する技
術」には、光の入射面での反射を防止することにより光
電気変換部へより多くの光を到達させる反射防止層や、
入射した光を散乱させ光電気変換部での光路長を長くす
る散乱層や、光電気変換部で吸収されなかった光を再び
光電気変換部に反射し利用するための裏面反射層などの
技術がある。
【0005】例えば、特公昭62−16033号公報に
は反射防止膜として光の干渉を利用した屈折率が順次異
なる多層膜の開示がある。また、特公平4−70788
号公報には結晶粒の大きい透明導電層を用いる事により
光を散乱させ吸収効率を増加させる技術が開示されてい
る。さらに、米国特許第4,419,533号には金属
層の表面がテクスチャー構造を持ち、且つその上に透明
層が形成された裏面反射層の考え方が開示されている。
この様な技術を組み合わせることによって、光電気変換
体の変換効率が向上し、その結果として、得られる電気
エネルギーの価格低下が期待されていた。
【0006】しかしながら、上述した現状技術の組み合
わせだけでは、得られる電気エネルギーの価格を充分に
低下させるほどの効果を実現できていない。このため光
電気変換体は、系統電力用として本格的な普及に至って
いない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、変換効率が
高く、より小面積での利用が可能な、光電気変換装置、
反射防止膜及び電極基板を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の光電気変換装置
は、一方の電極、他方の電極として機能する反射防止膜
及び一対の電極間に配置した半導体層を有する光電気変
換装置において、前記反射防止膜は、第1の酸化物によ
って形成した20nm以下の結晶粒子の粒径を含有した
第1の薄膜酸化物層と、第2の酸化物によって形成した
20nm以下の結晶粒子の粒径を含有した第2の薄膜酸
化物層との積層体を有する事を特徴とする。
【0009】
【作用】本発明では、一方の電極、他方の電極として機
能する反射防止膜及び一対の電極間に配置した半導体層
を有する光電気変換装置において、前記反射防止膜は、
第1の酸化物によって形成した20nm以下の結晶粒子
の粒径を含有した第1の薄膜酸化物層と、第2の酸化物
によって形成した20nm以下の結晶粒子の粒径を含有
した第2の薄膜酸化物層との積層体を有するため、反射
防止膜の結晶粒子の粒径を小さく抑制することが可能と
なる。特に、第1の酸化物と第2の酸化物の膜厚を限定
することによって、さらにその効果が高くなる。その結
果、反射防止膜の反射率は小さくなり、半導体層への入
射光量が増えることから、光電変換効率を改善すること
ができる。
【0010】
【実施態様例】以下では、図1に基づき本発明の光電気
変換装置の作製手順について説明する。 (1)導電性の基板101の表面に反射率の高い金属の
層102を形成する。但し、基板自身が十分反射率の高
い材料でできている場合は、金属層102は省略しても
良い。
【0011】(2)反射率の高い金属の層102の表面
上に、表面粗さの最大値が数100nmである凹凸形状
の透明層103を形成する。
【0012】(3)透明層103の表面上に、半導体接
合104を形成する。この半導体接合104は、n型a
−Si層105、i型a−Si層106およびp型a−
Si層107から構成される。半導体接合104の厚さ
が薄い場合には、図1に示すように半導体接合全体が、
透明層103と同様の凹凸形状を示す事が多い。
【0013】(4)半導体接合104の表面上に、反射
防止膜108を形成する。この反射防止膜108は、異
なった材質からなる2種類の酸化物層(109,11
0)を、交互に積層した構造体からなる。
【0014】(5)反射防止膜108の表面上に、櫛型
の集電電極111を形成する。以下では、本発明の実施
態様例を説明する。
【0015】(基体)基体が導電性である場合、すなわ
ち導電性の基板101としては、各種の金属が用いられ
る。中でもステンレススティール板、亜鉛鋼板、アルミ
ニウム板、銅板等は、価格が比較的低く好適である。こ
れらの金属板は、一定の形状に切断して用いても良い
し、板厚によっては長尺のシート状の形態で用いても良
い。この場合にはコイル状に巻く事ができるので連続生
産に適合性がよく、保管や輪送も容易になる。また、用
途によってはシリコン等の結晶基板、ガラスやセラミッ
クスの板を用いる事もできる。基体が透明である場合、
例えばガラスを使用する場合は、ガラス側から光を入射
させてもよく、その場合には後述する半導体層と反射防
止層を上下逆転した配置とする。
【0016】基板の表面は研磨しても良いが、例えばブ
ライトアニール処理されたステンレス板の様に仕上がり
の良い場合にはそのまま用いても良い。
【0017】基板自身が十分反射率の高い材料でできて
いない場合は、基板101の表面上に金属層102が設
けられる。金属層102としては、例えば銀、銅、アル
ミニウムなど反射率の高い材料を用い、抵抗加熱や電子
ビームによる真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプ
レーティング法、CVD法、メッキ法等の作製方法が利
用できる。
【0018】さらに、基板101の表面上に、薄膜表面
が徴細な凹凸状を有する透明層103が設けられる場合
もある。透明層103は、例えばスパッタリング法など
によって形成される。透明層103としては、半導体膜
の欠陥を通じて流れる電流を抑制するためある程度の抵
抗があっても良く、たとえば酸化錫や酸化亜鉛などが好
適に用いられる。
【0019】(半導体層)半導体層104としては、例
えばSiH4ガス等を原料として用い、高周波電力やマ
イクロ波電力を利用したCVD装置にて作製したアモル
ファスSi(a−Siと表記)薄膜やマイクロクリスタ
ルSi(μc−Siと表記)が好適に用いられる。半導
体層104は、通常nipの半導体接合からなり、n型
a−Si層105は、SiH4,SiF4,PH3,H2
どのガスを用いて、透明層103の表面上に形成され
る。次に、i型a−Si層106は、SiH4,Si
4,H2などのガスを用いて、n型a−Si層105の
表面上に形成される。さらに、p型μc−Si層107
は、SiH4,BF3,H2などのガスを用いて、i型a
−Si層106の表面上に形成される。この半導体層
は、a−Si薄膜やμc−Si薄膜に制限されるもので
はない。また、半導体接合の順番は、nipでもpin
でも構わない。さらに、半導体接合は、複数層の構造で
あっても良い。
【0020】(反射防止膜)反射防止膜108として
は、例えば、酸化インジウムと酸化スズまたはその混合
物を主成分とする層が好適に用いられ、透明電極として
の機能も兼ね備える場合が多い。反射防止膜108の厚
みdは、主に吸収させたい光の波長λの1/(4n)程
度にするのが良い。ここで、nは反射防止膜の屈折率で
ある。また、反射防止膜108は、主に吸収させたい光
の波長域では、透明すなわち反射率が低く、その表面は
平滑面である方が好ましい。また、主に吸収させたい光
の波長域は、半導体層の特性に依存する。例えば、Si
にGeを含む場合には、含まない場合よりバンドギャッ
プが広いため、より長波長の光が望ましい。
【0021】さらに、透明基体の表面上に、反射防止
膜、半導体層、および集電電極を順次積層して形成され
る光電気変換装置においては、反射防止膜は透明電極と
しての機能も兼ね備える必要があり、適度な電気抵抗を
有することも要求される。
【0022】また、一般に薄膜の結晶粒子の大きさは、
膜厚が厚くなるにともない大きくなる傾向がある。その
結果、薄膜の表面には凹凸形状が発生しやすくなり、薄
膜内部への光の入射量を低下させてしまうという問題が
ある。この対策として、本発明者は、次に示す手法、す
なわち反射防止膜108を異なる材質からなる酸化物層
を交互に積層した構造体とすることが有効であることを
見いだした。
【0023】(1)反射防止膜108の第1層として、
例えば、酸化インジウムと酸化スズからなる層(第1の
薄膜酸化物層)109を、その結晶粒子の粒径が20n
m以上に成長する以前の薄い厚さで堆積する。
【0024】(2)反射防止膜108の第1層の表面上
に、第2層として、例えば結晶粒の成長の程度が第1層
とは異なる酸化亜鉛からなる層(第2の薄膜酸化物層)
110を、その結晶粒子の粒径が20nm以上に成長す
る以前の薄い厚さで堆積する。
【0025】(3)上記の(1)と(2)の工程を何度
か繰り返し、異なる材質からなる酸化物層を交互に積層
した構造体である反射防止膜108の膜厚dが、主に吸
収させたい光の波長λの1/(4n)程度となるように
する。ここで、nは反射防止層の屈折率である。
【0026】上述した手法により、反射防止膜108
は、可視域の波長では透明膜であり、酸化亜鉛の層11
0が極めて薄いために適度な電気抵抗を保ち、かつその
表面を20nm以下の細かい結晶粒子からなる平滑面と
することができる。
【0027】(集電電極)集電電極111は、透明電極
すなわち上述した反射防止膜108の表面抵抗値を低減
させる目的で、反射防止膜108の表面上に設けられ
る。集電電極111としては、例えば、Ag,Cr,N
i,Al,Ag,Au,Ti,Pt,Cu,Mo,W等
の金属またはこれらの合金からなる薄膜が挙げられる。
これらの薄膜は、積層させて用いることもできる。ま
た、透明電極すなわち上述した反射防止層108を介し
て、上述した半導体層104への光入射量が十分に確保
されるよに、集電電極111の形状や面積は適宜設計さ
れる。集電電極111の面積は、例えば、受光面積に対
して好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下
であることが望ましい。また、集電電極111のシート
抵抗値は、好ましくは50Ω/□以下、より好ましくは
10Ω/□以下であることが望ましい。
【0028】(光電気変換装置)光電気変換体として
は、例えば、上述した基体、半導体層、反射防止膜およ
び集電電極を用いて、導電性基体の表面上に、半導体
層、反射防止膜および集電電極を順次積層して形成した
構造体、または透明基体の表面上に、反射防止膜、半導
体層、および集電電極を順次積層して形成した構造体が
好適に用いられる。
【0029】(第1の薄膜酸化物層)第1の薄膜酸化物
層109としては、例えば、カドミウム(Cd)、イン
ジウム(In)およびスズ(Sn)のうち少なくとも1
つの元素を含む酸化物が好ましい。光学的には、可視域
の波長に対して透明であり、結晶粒子の粒径が20nm
以下となる膜厚範囲で用いるのが望ましく、好ましくは
10nm以上20nm以下である。
【0030】また、第1の薄膜酸化物層は、上述した半
導体層104の表面上、あるいは後述する第2の薄膜酸
化物層の表面上に形成することから、半導体層104や
第2の薄膜酸化物層との密着性が優れる方が良い。さら
に、10nm程度の薄膜とした場合でもピンホール等の
発生が生じない成膜条件にて作製する必要がある。
【0031】(第2の薄膜酸化物層)第2の薄膜酸化物
層110としては、例えば、亜鉛(Zn)またはチタン
(Ti)の元素を含む酸化物が好ましい。光学的には、
可視域の波長に対して透明であり、結晶粒子の粒径が2
0nm以下となる膜厚範囲で用いるのが望ましく、好ま
しくは5nm以上10nm以下である。
【0032】また、第2の薄膜酸化物層は、上述した半
導体層104の表面上、あるいは上述した第1の薄膜酸
化物層の表面上に形成することから、半導体層104や
第1の薄膜酸化物層との密着性が優れる方が良い。
【0033】
【実施例】 (実施例1)本例では、半導体層104の表面上に、次
の構造体からなる反射防止膜108を有する光電気変換
装置を作製した。但し、Aは「第1の薄膜酸化物層」
を、Bは「第2の薄膜酸化物層」を示す。反射防止膜の
全厚さは、61nmである。
【0034】半導体層/[反射防止膜]=半導体層/
[A(17nm)/B(5nm)/A(17nm)/B(5nm)/A(17nm)] 以下では図1に基づき本例の光電気変換装置の作製手順
について説明する。
【0035】(1)基体101としては、表面を研磨し
た5cm角で、厚さ0.2mmのステンレススティール
板を用いた。図2に示したスパッタ装置にて、基体10
1の表面上に、金属層102として厚さが60nmの銀
膜を堆積した。主な作製条件は、ターゲット材料=銀、
基板温度=200℃、ターゲットの単位面積当たりの投
入電力量=0.2W/cm2である。
【0036】(2)金属層102の成膜後、同じスパッ
タ装置にて、金属層102の表面上に、透明層103と
して厚さが500nmの酸化亜鉛膜を堆積した。主な作
製条件は、ターゲット材料=酸化亜鉛、基板温度=42
0℃、不活性ガス=Ar、ガス流量=50sccm、堆
積室内のガス圧=3mTorr、ターゲットの単位面積
当たりの投入電力量=2W/cm2である。
【0037】(3)透明層103の成膜後、容量結合型
高周波CVD装置(アルバック社製CHJ−3030)
にて、透明層103の表面上に、半導体層104を堆積
した。半導体層104は、n型a−Si層105、i型
a−Si層106、p型μc−Si層107を順次積層
したnipの半導体接合からなる。半導体層104は、
表1に示した作製条件にて形成した。
【0038】
【表1】
【0039】(4)半導体層104まで成膜した試料
(5cm角)を、4分割に切断し2.5cm角の試料4
個(a,b,c,d)を作製した。後述する工程は、試
料a、bに対して実施した。
【0040】(5)2個の試料(a,b)を、図2に示
したDCマグネトロンスッパッタ装置のアノード206
の表面に取り付け、ステンレススティールのマスクで試
料の周囲を遮蔽して、中央部2cm角の領域に酸化スズ
と酸化インジウムからなる膜(第1の薄膜酸化物層)1
09を堆積した。主な成膜条件は、ターゲット207の
材料=10重量%の酸化スズを含む酸化インジウム、基
板温度=200℃、不活性ガス=Ar、ガス流量=50
sccm、堆積室内のガス圧=3mTorr、ターゲッ
トの単位面積当たりの投入電力量=0.2W/cm2
膜厚=17nmである。
【0041】(6)電源209を、酸化亜鉛のターゲッ
ト208に切り替え、上記(5)と同じ条件で、膜厚が
5nmとなるように酸化亜鉛からなる膜(第2の薄膜酸
化物層)110を堆積した。
【0042】(7)上記(6)の処理をした試料(a,
b)の表面上に、再度上記(5)の処理をした。 (8)上記(7)の処理をした試料(a,b)の表面上
に、再度上記(6)の処理をした。 (9)上記(8)の処理をした試料(a,b)の表面上
に、再度上記(5)の処理をした。
【0043】以上の工程にて作製された反射防止膜10
8は、可視域の波長において透明であり、十分低い電気
抵抗を持ち、かつ電子顕微鏡を用いた観察によると、そ
の表面を20nm以下の細かい結晶粒子からなる平滑面
とすることができた。
【0044】(10)上記(9)の処理をした試料aは、
分光光度計により反射率を測定するために使われた。
【0045】(11)上記(9)の処理をした試料bは、
その表面上に集電電極111が形成された。集電電極1
11は、試料bの表面積の2%にあたる領城に、Agペ
ーストをスクリーン印刷することで作製した。この(1
1)の処理により、薄膜半導体光電気変換装置を完成し
た。
【0046】(比較例1)本例では、反射防止膜108
が単層からなる点が、実施例1と異なる。本例におけ
る、半導体層104の表面上に形成した反射防止膜10
8を有する光電気変換装置の層構成を以下に示した。但
し、Aは「第1の薄膜酸化物層」を示す。
【0047】 半導体層/[反射防止層]=半導体層/[A(60nm)] 上記の反射防止膜108を形成するために用いた試料
は、実施例1で作製した残りの2つの試料(c,d)で
ある。試料cは、分光光度計により反射率を測定するた
めに使われた。また、試料dは、その表面上に集電電極
111が形成され、薄膜半導体光電気変換装置とした。
他の点は、実施例1と同様とした。
【0048】本例にて作製された反射防止膜108は、
可視域の波長において透明であり、十分低い電気抵抗を
有していた。しかし、電子顕微鏡を用いた観察による
と、その表面は約30nmの結晶粒子からなっており、
実施例1より粗い表面形状であった。
【0049】図3は、各試料における反射率の測定結果
である。301が実施例1の試料aであり、302が比
較例1の試料cにて観測されたものである。302に比
べて301の方が、観測した全波長域に渡って低い反射
率となっている。従って、実施例1の方が、入射する光
を十分に半導体層へ導入できると判断した。
【0050】また、実施例1の試料bと比較例1の試料
dに対して、AM1.5(100mW/cm2)の光照
射下にて特性評価を行い、光電変換効率を計算した。そ
の結果、試料bは9.7%、試料dは9.2%であっ
た。この光電変換効率の差は、試料dが試料bより粗い
表面形状を有することから、結晶粒子による凹凸形状が
光の干渉を利用した反射防止効果を低下させているため
に生じたと、本発明者は推定した。従って、反射防止膜
を、実施例1に示したような構造体とすることで、より
優れた変換効率を有する薄膜半導体光電気変換装置が実
現できることが分かった。
【0051】また、上述した結果は、第1の薄膜酸化物
層が、カドミウム(Cd)、インジウム(In)および
スズ(Sn)のうち少なくとも1つの元素を含む酸化物
であり、第2の薄膜酸化物層が、亜鉛(Zn)またはチ
タン(Ti)の元素を含む酸化物とした場合においても
確認することができた。
【0052】さらに、上述した結果は、反射防止膜10
8において、半導体層104や集電電極111に接する
層が、第1の薄膜酸化物層に限定されることはなく、第
2の薄膜酸化物層でも良い。
【0053】(比較例2)本例では、反射防止膜108
を構成する各第2の薄膜酸化物層を酸化インジウムとし
た点が、実施例1と異なる。他の点は、実施例1と同様
とした。
【0054】本例にて作製された反射防止膜108は、
可視域の波長において透明であり、十分低い電気抵抗を
有していた。しかし、電子顕微鏡を用いた観察による
と、その表面は約30nmの結晶粒子からなっており、
実施例1より粗い表面形状であった。従って、第2の薄
膜酸化物層の材料が第1の薄膜酸化物層と同質の材料で
は、両層の結晶格子間隔が一致してしまい、結晶成長を
抑制する効果が低いと本発明者は推定した。
【0055】また、実施例1と比較例2の試料に対し
て、AM1.5(100mW/cm2)の光照射下にて
特性評価を行い、光電変換効率を計算した。その結果、
実施例1の試料は9.7%、比較例2の試料は9.2%
であった。
【0056】従って、第2の薄膜酸化物層の材料は、第
1の薄膜酸化物層と異質の材料とする必要があることが
分かった。
【0057】(実施例2)本例では、反射防止膜108
を構成する各第1の薄膜酸化物層が、異なる膜厚からな
っている点が、実施例1と異なる。本例における、半導
体層104の表面上に形成した反射防止膜108を有す
る光電気変換装置の層構成を以下に示した。但し、Aは
「第1の薄膜酸化物層」を、Bは「第2の薄膜酸化物
層」を示す。また、x,y,zの組み合わせは、x+y
+z=50(但し、z=17に固定)となる範囲で可変
とした。反射防止膜の全厚さは、60nmである。
【0058】半導体層/[反射防止膜]=半導体層/
[A(xnm)/B(5nm)/A(ynm)/B(5nm)/A(znm)] 他の点は、実施例1と同様とした。
【0059】表2は、本例にて作製された試料において
得られた、反射率、光電変換効率および反射防止層の表
面における結晶粒子の粒径の結果である。反射率は、5
00nmの波長における値である。光電変換効率は、A
M1.5(100mW/cm 2)の光照射下にて得られ
た特性評価より計算した値である。また、結晶粒子の粒
径は、電子顕微鏡を用いた観察によって得られた値であ
る。
【0060】
【表2】 表2の結果から、第1の薄膜酸化物層の各膜厚を20n
m以下とした場合に、反射防止膜の表面における結晶粒
子の粒径が20nm以下であることが分かる。また、こ
の粒径が20nm以下のとき、8%の反射率と、9.5
%以上の光電変換効率が実現でき、可視域の波長におい
て透明であり、十分低い電気抵抗を有することも確認で
きた。従って、第1の薄膜酸化物層の膜厚は、20nm
以下とすることが好ましい。
【0061】(実施例3)本例では、反射防止膜108
を構成する各第2の薄膜酸化物層の膜厚を8nmとした
点が、実施例2と異なる。本例における、半導体層10
4の表面上に形成した反射防止膜108を有する光電気
変換装置の層構成を以下に示した。但し、Aは「第1の
薄膜酸化物層」を、Bは「第2の薄膜酸化物層」を示
す。また、x,y,zの組み合わせは、x+y+z=4
4(但し、z=17に固定)となる範囲で可変とした。
反射防止膜の全厚さは、60nmである。
【0062】半導体層/[反射防止膜]=半導体層/
[A(xnm)/B(8nm)/A(ynm)/B(8nm)/A(znm)] 他の点は、実施例2と同様とした。
【0063】表3は、本例にて作製された試料において
得られた電気抵抗の値である。この電気抵抗の値は、反
射防止膜108が酸化スズと酸化インジウムのみ(膜厚
=60nm)から構成された場合のシート抵抗値で規格
化してある。
【0064】
【表3】 表3の結果から、第1の薄膜酸化物層の膜厚のうち、y
を10nm未満とした場合に、電気抵抗の値が1.5以
上となることが分かった。透明電極としての機能も有す
る反射防止膜108としては、電気抵抗が高くなり、損
失が大きくなり芳しくない結果である。xが10nm未
満の条件ではこの現象が生じないことから、第1の薄膜
酸化物層は10nm未満になると島状膜化し、その状態
となった第1の薄膜酸化物層が第2の薄膜酸化物層で挟
まれたとき、抵抗の高い酸化亜鉛の影響がでてしまった
ものと推定した。従って、第1の薄膜酸化物層の膜厚
は、10nm以上とすることが好ましい。
【0065】(実施例4)本例では、反射防止膜108
を構成する各第2の薄膜酸化物層が、異なる膜厚からな
っている点が、実施例1と異なる。本例における、半導
体層104の表面上に形成した反射防止膜108を有す
る光電気変換装置の層構成を以下に示した。但し、Aは
「第1の薄膜酸化物層」を、Bは「第2の薄膜酸化物
層」を示す。また、x,yの組み合わせは、x+y=1
2となる範囲で可変とした。反射防止膜の全厚さは、6
0nmである。
【0066】半導体層/[反射防止膜]=半導体層/
[A(16nm)/B(xnm)/A(16nm)/B(ynm)/A(16n
m)] 他の点は、実施例1と同様とした。
【0067】表4は、本例にて作製された試料において
得られた、反射率、光電変換効率および反射防止膜の表
面における結晶粒子の粒径の結果である。反射率は、5
00nmの波長における値である。光電変換効率は、A
M1.5(100mW/cm 2)の光照射下にて得られ
た特性評価より計算した値である。また、結晶粒子の粒
径は、電子顕微鏡を用いた観察によって得られた値であ
る。
【0068】
【表4】 表4の結果から、第2の薄膜酸化物層の各膜厚を5nm
以上とした場合に、反射防止膜の表面における結晶粒子
の粒径が20nm以下であることが分かる。また、この
粒径が20nm以下のとき、8%の反射率と、9.5%
以上の光電変換効率が実現でき、可視域の波長において
透明であり、十分低い電気抵抗を有することも確認でき
た。第2の薄膜酸化物層は5nm未満になると島状膜化
し、その状態となった第2の薄膜酸化物層を挟んで上下
にある第1の薄膜酸化物層が連続膜となってしまい、第
1の薄膜酸化物層の凹凸化が進んだ結果、反射防止膜1
08の反射率が増加したものと推定した。従って、第2
の薄膜酸化物層の膜厚は、5nm以上とすることが好ま
しい。
【0069】(実施例5)本例では、反射防止膜108
を構成する各第1の薄膜酸化物層の膜厚を、半導体層側
から順に16nm、14nm、12nmとした点が、実
施例4と異なる。本例における、半導体層104の表面
上に形成した反射防止膜108を有する光電気変換装置
の層構成を以下に示した。但し、Aは「第1の薄膜酸化
物層」を、Bは「第2の薄膜酸化物層」を示す。また、
x,yの組み合わせは、x+y=18となる範囲で可変
とした。反射防止膜の全厚さは、60nmである。
【0070】半導体層/[反射防止膜]=半導体層/
[A(16nm)/B(xnm)/A(14nm)/B(ynm)/A(12n
m)] 他の点は、実施例4と同様とした。
【0071】表5は、本例にて作製された試料において
得られた電気抵抗の値である。この電気抵抗の値は、反
射防止膜108が酸化スズと酸化インジウムのみ(膜厚
=60nm)から構成された場合のシート抵抗値で規格
化してある。
【0072】
【表5】 表5の結果から、第2の薄膜酸化物層の各膜厚を10n
m以下とした場合に、電気抵抗の値は1.5より小さく
できることが分かる。10nmより厚い第2の薄膜酸化
物層を用いた場合は、透明電極としての機能も有する反
射防止膜108の電気抵抗が高くなってしまい、損失が
大きくなり芳しくない。従って、第2の薄膜酸化物層の
膜厚は、10nm以下とすることが好ましい。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
入射する光を有効に利用できるため半導体への光の吸収
が増加した結果、変換効率が高く、より小面積での利用
ができる光電気変換装置、反射防止膜及び電極基板が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る薄膜半導体光電気変換装置の模
式的断面図である。
【図2】実施例1に係る薄膜半導体光電気変換装置の反
射防止膜を製造するに好適なスパッタリング装置の概念
図である。
【図3】実施例1と比較例1に係る試料で得られた反射
率データを示すグラフである。
【符号の説明】 101 基板、 102 金属層、 103 透明層、 104 半導体接合層、 105 n型a−Si、 106 i型a−Si、 107 p型μc−Si、 108 反射防止膜、 109 第1の薄膜酸化物層、 110 第2の薄膜酸化物層、 111 集電電極、 201 堆積室、 202 ガス導入管、 203 排気弁、 204 基板、 205 ヒータ、 206 アノード、 207、208 ターゲット、 209 電源、 301 実施例1の試料の反射率、 302 比較例1の試料の反射率。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体の表面上に、半導体層、反射
    防止層および集電電極を順次積層して形成される光電気
    変換体、または透明基体の表面上に、反射防止層、半導
    体層、および集電電極を順次積層して形成される光電気
    変換体において、 前記反射防止層が、カドミウム(Cd)、インジウム
    (In)およびスズ(Sn)のうち少なくとも1つの元
    素を含む酸化物層Aと、亜鉛(Zn)またはチタン(T
    i)の元素を含む酸化物層Bとを、交互に積層した構造
    体からなり、かつ前記反射防止層の表面を構成する結晶
    粒子の粒径が20nm以下であることを特徴とする光電
    気変換体。
  2. 【請求項2】 前記反射防止層において、前記酸化物層
    Aの膜厚が10nm以上20nm以下であることを特徴
    とする請求項1に記載の光電気変換体。
  3. 【請求項3】 前記反射防止層において、前記酸化物層
    Bの膜厚が5nm以上10nm以下であることを特徴と
    する請求項1及び2に記載の光電気変換体。
JP6198845A 1994-08-23 1994-08-23 光電気変換装置、反射防止膜及び電極基板 Pending JPH0864848A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6198845A JPH0864848A (ja) 1994-08-23 1994-08-23 光電気変換装置、反射防止膜及び電極基板
US08/769,318 US5718773A (en) 1994-08-23 1996-12-19 Photoelectric transducer

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6198845A JPH0864848A (ja) 1994-08-23 1994-08-23 光電気変換装置、反射防止膜及び電極基板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0864848A true JPH0864848A (ja) 1996-03-08

Family

ID=16397878

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6198845A Pending JPH0864848A (ja) 1994-08-23 1994-08-23 光電気変換装置、反射防止膜及び電極基板

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5718773A (ja)
JP (1) JPH0864848A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8779439B2 (en) 2011-11-07 2014-07-15 Hyundai Motor Company Silicon carbide Schottky-barrier diode device and method for manufacturing the same
KR20180101754A (ko) * 2017-03-06 2018-09-14 한양대학교 산학협력단 아연 및 인듐을 포함하는 산화물 반도체 박막 및 그 제조 방법

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6057587A (en) * 1997-08-28 2000-05-02 Vlsi Technology, Inc. Semiconductor device with anti-reflective structure
JP2001320067A (ja) * 2000-03-02 2001-11-16 Nippon Sheet Glass Co Ltd 光電変換装置
WO2005003049A1 (en) * 2003-06-24 2005-01-13 Cardinal Cg Company Concentration-modulated coatings
DE10342501A1 (de) * 2003-09-12 2005-05-04 Zeiss Carl Smt Ag Lichtdetektor mit erhöhter Quanteneffizienz
JP4568254B2 (ja) * 2006-07-20 2010-10-27 三洋電機株式会社 太陽電池モジュール
JP5470633B2 (ja) * 2008-12-11 2014-04-16 国立大学法人東北大学 光電変換素子及び太陽電池
JP2012530378A (ja) * 2009-06-16 2012-11-29 エルジー イノテック カンパニー リミテッド 太陽電池及びその製造方法
CN102231398B (zh) * 2011-06-29 2012-11-21 中国科学院深圳先进技术研究院 具有绒面的铜铟镓硒薄膜电池及其制备方法
US9366784B2 (en) * 2013-05-07 2016-06-14 Corning Incorporated Low-color scratch-resistant articles with a multilayer optical film
US9110230B2 (en) 2013-05-07 2015-08-18 Corning Incorporated Scratch-resistant articles with retained optical properties
US9703011B2 (en) 2013-05-07 2017-07-11 Corning Incorporated Scratch-resistant articles with a gradient layer
US9684097B2 (en) 2013-05-07 2017-06-20 Corning Incorporated Scratch-resistant articles with retained optical properties
US9359261B2 (en) 2013-05-07 2016-06-07 Corning Incorporated Low-color scratch-resistant articles with a multilayer optical film
US11267973B2 (en) 2014-05-12 2022-03-08 Corning Incorporated Durable anti-reflective articles
US9335444B2 (en) 2014-05-12 2016-05-10 Corning Incorporated Durable and scratch-resistant anti-reflective articles
US9790593B2 (en) 2014-08-01 2017-10-17 Corning Incorporated Scratch-resistant materials and articles including the same
KR102591067B1 (ko) 2015-09-14 2023-10-18 코닝 인코포레이티드 높은 광 투과율 및 내-스크래치성 반사-방지 제품
JP7228028B2 (ja) 2018-08-17 2023-02-22 コーニング インコーポレイテッド 薄い耐久性の反射防止構造を有する無機酸化物物品
US20220009824A1 (en) 2020-07-09 2022-01-13 Corning Incorporated Anti-glare substrate for a display article including a textured region with primary surface features and secondary surface features imparting a surface roughness that increases surface scattering

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4419533A (en) * 1982-03-03 1983-12-06 Energy Conversion Devices, Inc. Photovoltaic device having incident radiation directing means for total internal reflection
JPH0614554B2 (ja) * 1985-03-22 1994-02-23 工業技術院長 薄膜太陽電池の製造方法
JPS6216033A (ja) * 1985-07-10 1987-01-24 Hitachi Ltd 小形モ−タのア−マチユア
JPS639158A (ja) * 1986-06-30 1988-01-14 Hoya Corp 太陽電池用透明導電膜
US5064477A (en) * 1990-01-16 1991-11-12 Delahoy Alan E Radiant energy sensitive device and method
JPH0470788A (ja) * 1990-07-12 1992-03-05 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8779439B2 (en) 2011-11-07 2014-07-15 Hyundai Motor Company Silicon carbide Schottky-barrier diode device and method for manufacturing the same
US8936964B2 (en) 2011-11-07 2015-01-20 Hyundai Motor Company Silicon carbide schottky-barrier diode device and method for manufacturing the same
KR20180101754A (ko) * 2017-03-06 2018-09-14 한양대학교 산학협력단 아연 및 인듐을 포함하는 산화물 반도체 박막 및 그 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
US5718773A (en) 1998-02-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0864848A (ja) 光電気変換装置、反射防止膜及び電極基板
JP2908067B2 (ja) 太陽電池用基板および太陽電池
JP3651932B2 (ja) 光起電力素子用裏面反射層及びその形成方法並びに光起電力素子及びその製造方法
JP3029178B2 (ja) 薄膜半導体太陽電池の製造方法
JP2984595B2 (ja) 光起電力素子
US5252142A (en) Pin junction photovoltaic element having an I-type semiconductor layer with a plurality of regions having different graded band gaps
EP1650812B1 (en) Method for making a silicon based thin film solar cell
WO2019095731A1 (zh) 异质结太阳能电池及其制备方法
CN1218995A (zh) 光电元件以及由其组成的组件
JPH07326783A (ja) 光起電力素子の形成方法及びそれに用いる薄膜製造装置
JP2005268239A (ja) 光電変換装置
JP2962897B2 (ja) 光起電力素子
Lee et al. Enhanced optical and electrical properties of ITO/Ag/AZO transparent conductors for photoelectric applications
JPH11195801A (ja) 光起電力素子
JP2011192896A (ja) 薄膜太陽電池およびその製造方法
JP4178513B2 (ja) テクスチャー構造を有する導電性薄膜の形成方法
JP2846508B2 (ja) 光起電力素子
JP3162261B2 (ja) 太陽電池の製造方法及び製造装置
JPH0832094A (ja) 薄膜半導体太陽電池及びその製造方法
JP2000077692A (ja) 光起電力素子及びその製造方法
JP2004296652A (ja) 積層型光起電力素子
JP4574709B2 (ja) 積層型光起電力素子の製造方法
JP3006701B2 (ja) 薄膜半導体太陽電池
JP2004296650A (ja) 積層型光起電力素子
JP2000012879A (ja) 光電変換素子用透明電極およびそれを用いた光電変換素子

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040908

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050323