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JPH0733653A - アセトアルデヒド毒性の抑制剤 - Google Patents

アセトアルデヒド毒性の抑制剤

Info

Publication number
JPH0733653A
JPH0733653A JP5155463A JP15546393A JPH0733653A JP H0733653 A JPH0733653 A JP H0733653A JP 5155463 A JP5155463 A JP 5155463A JP 15546393 A JP15546393 A JP 15546393A JP H0733653 A JPH0733653 A JP H0733653A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acetaldehyde
hba
toxicity
hydroxybutyric acid
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5155463A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Koda
裕史 好田
Yoshihide Suwa
芳秀 諏訪
Teruo Amachi
輝夫 天知
Hiroshi Wada
博 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suntory Ltd filed Critical Suntory Ltd
Priority to JP5155463A priority Critical patent/JPH0733653A/ja
Publication of JPH0733653A publication Critical patent/JPH0733653A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルコール摂取に伴って生成する血中アセト
アルデヒドの毒性に対する安全性の高い抑制剤、より詳
しくはアセトアルデヒドによって惹起される悪酔い症状
や急性中毒、副次的作用の予防若しくは改善するための
薬剤または機能性食品を提供する。 【構成】 (R)型の立体配置を持つα−ヒドロキシ酪
酸、(R)型の立体配置を持つβ−ヒドロキシ酪酸、コ
ハク酸、及びこれらの塩からなる群より選ばれた少なく
とも1つを有効成分として含有することを特徴とする、
アセトアルデヒド毒性の抑制剤および飲酒に伴い血中に
生じるアセトアルデヒドによって惹起される悪酔い症状
の予防又は改善剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、(R)型の立体配置を
持つα−ヒドロキシ酪酸、(R)型の立体配置を持つβ
−ヒドロキシ酪酸、コハク酸、及びこれらの塩からなる
群より選ばれた少なくとも1つを有効成分として含有す
ることを特徴とするアセトアルデヒド毒性の抑制剤に関
し、さらに詳しくはアルコール飲料摂取に伴い血中に生
じるアセトアルデヒドのもたらす毒性から生体を防御す
る薬剤または機能性食品に関する。
【0002】
【従来の技術】アルコール、特にエチルアルコールは主
に肝臓でアルコール脱水素酵素によって酸化され、アセ
トアルデヒドに変換される。また、その一部はミクロゾ
ームのエタノール酸化系(microsomal ethanol oxidizi
ng system : MEOS)やペルオキシゾームに存在する
カタラーゼによってもアセトアルデヒドへと酸化される
(L.J. Kricka and P.M.S. Cleark, Biochemistry of a
lcohol and alcoholism,Ellis Horwood Ltd., Chichest
er, 1979)。アセトアルデヒドは更にアルデヒド脱水素
酵素により酢酸に変換される。肝臓に取り込まれたアル
コールの約75%は酢酸として循環系に放出されること
になる。(Lundquist, E. et al., J. Clin. Invest.,
Vol.41, 955-961, 1962)。一般に飲酒後の健康人の血
中アルコール濃度は0.01−0.1%である(Lundqu
ist, E., The metabolism of alcohol, 1-52, Biologic
al basis of alcoholism, Wiley-interscience, Toront
o,1971)。一方、アセトアルデヒドの血中濃度はアルコ
ールの1/1000程度である。
【0003】アセトアルデヒドは、アルコール代謝上不
可避的な生成物であり、アルコール飲料を過度に摂取し
たときの急性中毒や、いわゆる「悪酔い」の主因を形成
すると考えられているが、近年、飲酒に伴うアセトアル
デヒドの下記のような副次的な作用についても明らかに
されつつある。
【0004】(1)酸化的リン酸化の阻害、及び脳、肝
におけるコエンザイムA活性の抑制(Beer, C. T. and
Quastel, J. H., Can. J. Biochem. Physiol., Vol.36,
531-541, 1958) (2)カテコールアミンの遊離の促進、及びそれに伴う
心機能の低下(McCloy, R. B. et al., Cardiovasc. Re
s., Vol.8, 216, 1974)。
【0005】(3)テトラヒドロイソキノリン類の生
成。本物質は、ノルエピネフリンやエピネフリンとアセ
トアルデヒドが縮合することにより生成され、アルコー
ル依存症の主因を形成するとの説がある(Sandler, M.
et al., Nature(London), Vol.241, 439-443, 1973)。
【0006】(4)テトラヒドロ−β−カルボリン類の
生成。本物質は、アセトアルデヒドとインドールアミン
類の縮合により形成され、やはりアルコール依存症に関
与するとされている(Rahwan, R. G., Toxicol. Appl.
Pharmacol., Vol.34, 3-27,1975)。
【0007】(5)心拍数、換気、死腔の増加(Asmuss
en, E. et al., Acta Pharmacol. Toxicol., Vol.4, 31
1-320, 1948)。
【0008】(6)突然変異原性及び染色体異常誘発
(Obe, G. and Ristow, H., MutationRes., Vol.65, 22
9-259, 1979)。
【0009】従って、アルコールを健康的に嗜むために
は、アセトアルデヒドによる上記生体への不都合な作用
を低下させ、好ましからざる副次的作用を防止すること
が望ましい。
【0010】特に、日本人を始めとするモンゴロイドで
は、遺伝的にアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の欠
損が約50%の人々に見られる。そして、この酵素の欠
損者におけるアルコール摂取後の血中アセトアルデヒド
濃度は欠損していない人と比べ、著しく高い(約17
倍)ことが指摘されている(Harada, S., Lancet, 11,9
82, 1981)。
【0011】このような観点から、アセトアルデヒドの
血中濃度を低下させる物質についての多くの研究がなさ
れており、これまでに L−システイン、L−2−メチ
ルチアゾリン−4−カルボン酸、チアミン塩酸(Sprinc
e, H. et al., Agents and Actions, Vol.4/2, 125-13
0, 1974)、重亜硫酸ナトリウム、D−ペニシラミン(N
agasawa, H. T., et al., Life Sci., Vol.20, 1187-11
94, 1977)、ニコチンアミド(Eriksson, C. J. P., FE
BS Lett., Vol.40, 317, 1974)が報告されている。
【0012】しかしながら、L−システイン、チアミン
塩酸、D−ペニシラミンなどのSH基を有する化合物の
有効性については、D−ペニシラミンが臨床的に許容さ
れる投与領域ではアセトアルデヒドの血中濃度になんら
影響を及ぼさないことから否定的見解も出されている
(Inoue, K. et al., Jpn. J. Alcohol and Drug Depen
dence, Vol.19(1), 74-82, 1984)。また、L−システ
インは比較的毒性があり、他のチオール化合物も本発明
の目的とは別の薬理作用も併せ持つことから、理想的な
アセトアルデヒドの毒性低下剤とは言い難い。
【0013】最近、アミノ酸の1つであるL−α−アラ
ニンがアセトアルデヒドの急性毒性を有効に抑制するこ
とが報告されている(Fujiwara, N. et al., Jpn. J. A
lcohol and Dependence, Vol.23(1), 58-69, 1988)。
【0014】α及びβ−ヒドロキシ酪酸は、ケトン体の
一種である。これらの物質は、当初、糖尿病や飢餓状態
の時に尿中に見いだされるために、病的状態で生体内に
見いだされる無用の代謝産物と考えられていた。しか
し、近年、β−ヒドロキシ酪酸の(R)型に心筋代謝保
護作用があることが報告されている(特開昭58−20
1746)。さらに、β−ヒドロキシ酪酸は,in vitro
の実験で長鎖脂肪酸やブドウ糖に優先して組織で利用
されることが報告されている(Forsey, R. G. P.et a
l., Physiol. Pharmacol. Vol.65, 401-406, 1987; Rob
inson A. M. and Willamson D. H., Physiol. Rev. Vo
l.60. 143-147, 1980)。このような点からβ−ヒドロ
キシ酪酸は優れたエネルギー基質であると考えられ、こ
の特質を利用して最近は重度の外傷や熱傷など生体内で
ブドウ糖の補給が途絶えた場合の輸液に応用されている
(特開平2−191212)。
【0015】一方コハク酸は、植物中に多量に存在する
が、動物、微生物の細胞中にも存在しており、酵母、細
菌の発酵生産物の一つで、フマル酸、マレイン酸の水素
添加、リンゴ酸のヨウ化水素による還元や、酒石酸アン
モニウムあるいはリンゴ酸カリウムの発酵等によって得
られ、ナトリウム塩は貝類のうまみ成分であり、調味料
として魚肉ソーセージ、カマボコなどに用いられてい
る。またクエン酸回路の中間体で、2−オキソグルタル
酸の脱水素で生じたスクシニルCoAの分解により生
じ、コハク酸デヒドロゲナーゼによりフマル酸に脱水素
されることが知られている。
【0016】しかしながら、(R)型の立体配置を持つ
αまたはβ−ヒドロキシ酪酸や、コハク酸が、生体内で
アセトアルデヒドの毒性を抑制する作用を有することは
今まで知られていなかった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
コール摂取に伴って生成する血中アセトアルデヒドの毒
性に対する安全性の高い抑制剤、さらに詳細にはアセト
アルデヒドによって惹起される悪酔い症状や急性中毒、
副次的作用の予防若しくは改善するための薬剤または機
能性食品を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため、鋭意研究を行った結果、(R)型の立体
配置を持つα−ヒドロキシ酪酸、(R)型の立体配置を
持つβ−ヒドロキシ酪酸、コハク酸、及びこれらの塩
が、血中アセトアルデヒドの毒性から生体を極めて有効
に防御することを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0019】すなわち本発明は、(R)型の立体配置を
持つα−ヒドロキシ酪酸、(R)型の立体配置を持つβ
−ヒドロキシ酪酸、コハク酸、及びこれらの塩からなる
群より選ばれた少なくとも1つを有効成分として含有す
ることを特徴とするアセトアルデヒド毒性の抑制剤を提
供するものである。
【0020】本発明に用いられるヒドロキシ酪酸は、α
−ヒドロキシ酪酸(2−ヒドロキシ酪酸)、β−ヒドロ
キシ酪酸(3−ヒドロキシ酪酸)のいずれであってもよ
く、該ヒドロキシ酪酸は2位又は3位の不斉炭素につい
て(R)型の立体配置を持つものがアセトアルデヒド毒
性の抑制の有効成分である。従って、実際の使用におい
て(R)型はもちろんのこと、(RS)型のヒドロキシ
酪酸も使用することができる。また該ヒドロキシ酪酸は
薬学的に許容されうる塩の形であってもよく、例えば、
ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム等の無機塩の
他、L−リジン塩、L−ヒスチジン塩、L−アルギニン
塩などの塩基性アミノ酸の塩を挙げることができる。
【0021】本発明に用いられるコハク酸も、薬学的に
許容されうる塩の形であってもよく、例えば、ナトリウ
ム塩、カリウム塩、カルシウム塩等の無機塩を挙げるこ
とができる。
【0022】前記本発明に用いられるヒドロキシ酪酸及
びコハク酸は、単独で又は混合して使用することができ
る。
【0023】本発明のアセトアルデヒド毒性抑制剤は、
アルコール飲料の摂取に伴って血中に生じるアセトアル
デヒドのもたらす毒性から生体を防御するものであり、
医薬品としてのみならず、飲食品として使用することも
できる。アセトアルデヒドのもたらす毒性としては、過
飲による悪酔い症状や急性アルコール中毒の他、本明細
書の従来技術に記載されている副次的作用等を挙げるこ
とができる。また悪酔い症状として例えば、皮膚紅潮、
熱感、動悸、頻脈、頭痛、頭重、悪心、吐き気、口臭、
尿臭などを挙げることができる。
【0024】本発明の有効成分を医薬品に用いる場合、
投与形態は、経口投与または非経口投与が都合よく行わ
れるものであればどのような剤形のものであってもよ
く、例えば注射液、輸液、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセ
ル剤、腸溶剤、軟膏剤、吸入剤、トローチ等を挙げるこ
とができ、これらを症状に応じてそれぞれ単独で、また
は組み合わせて使用することができる。更にアルコール
飲料やミネラルウォーターに用事添加する易溶性製剤と
してもよい。
【0025】これらの各種製剤は、常法に従って目的に
応じて主薬に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤
などの医薬の製剤技術分野において通常使用しうる既知
の補助剤を用いて製剤化することができる。
【0026】本発明の有効成分を飲食品に用いる場合に
は、上記製剤の形態でもよいが、本発明の有効成分を食
品原料に加えて、一般の製造法により加工製造すること
ができる。食品の種類、形態は特に限定されず、例えば
固形、あるいは液状の食品ないしは嗜好品、例えばパ
ン、めん類、ごはん、菓子類(ビスケット、ケーキ、キ
ャンデー、チョコレート、和菓子、グミ、チューインガ
ム)、豆腐およびその加工品などの農産食品、清酒、薬
用酒などの発酵食品、みりん、食酢、醤油、味噌、ドレ
ッシング、ヨーグルト、ハム、ベーコン、ソーセージ、
マヨネーズなどの畜農食品、かまぼこ、揚げ天、はんぺ
んなどの水産食品、果汁飲料、清涼飲料、スポーツ飲
料、アルコール飲料、コーヒー飲料、茶飲料などの飲料
等の形態にすることができる。
【0027】また健康食品、機能性食品としての摂取
は、飲酒に伴い血中のアセトアルデヒドに起因する症状
に対する予防改善や健康維持に用いられ、薬品および食
品分野で慣用の補助成分、例えば乳糖、ショ糖、液糖、
蜂蜜、ステアリン酸マグネシウム、オキシプロピルセル
ロース、各種ビタミン類、クエン酸、リンゴ酸、香料、
無機塩などとともに、カプセル剤、錠剤、ドリンク剤等
の形態にすることができる。ドリンク剤の場合、必要に
応じ、他の生理活性成分、ミネラル、ビタミン、ホルモ
ン、栄養成分、香味剤等を混合することにより、嗜好飲
料的性格を持たせることも可能である。
【0028】本発明の有効成分は、マウスを用いた急性
毒性試験において、11mmol/kg腹腔内投与で死
亡例はなく、一般症状及び体重等に異常は認められず、
非常に弱毒または無害の物質であることを確認してい
る。後述のマウスを用いた実験において、本発明の有効
成分はアセトアルデヒドの毒性(アセトアルデヒドの致
死量11mmol/kg)を抑制するのに5.5mmo
l/kgを要した。しかし、ヒトの場合、飲酒時の血中
アセトアルデヒド濃度は決してマウスの致死量ほど高く
なることはなく、およそ20μmol/l以上になると
大部分の人に不快な悪酔い症状が出現することが知られ
ており、マウスの致死実験の結果と同じ比率で本発明の
有効成分がアセトアルデヒドの作用に対して拮抗すると
すれば、本発明の有効成分は、0.06mg/kgで悪
酔い症状の抑制に有効であると推測される。従って本発
明の有効成分の投与量は投与経路、剤形、症状、年齢、
体重などによって異なるが、通常は成人に対し、経口投
与の場合、1回服用当たり2.5mg−1g、好ましく
は5mg−1g、非経口投与の場合、0.25−100
mg、好ましくは0.5−100mgである。また飲食
品として摂取する場合は1回あたり2.5mg−1g、
好ましくは5mg−1gが望ましい。
【0029】また本発明のアセトアルデヒド毒性抑制剤
には、この発明の効果を損なわない限りにおいて、従来
から用いられている公知の悪酔い改善成分を含有せしめ
ることができる。これらの成分としては例えば、柿果
汁、アラニン、グルタミン、オルニチンなどのアミノ酸
類、タンニンなどのアルコール吸収阻害物質などが挙げ
られる。本発明のアセトアルデヒド毒性抑制剤は、飲酒
の前、後あるいは飲酒中のいずれの時点で摂取しても効
果を奏することができるが、特に飲酒前又は飲酒中に摂
取するのが望ましい。
【0030】以下、実施例により本発明を説明するが、
これらは本発明を制限するものではない。
【0031】
【実施例】
実施例1 以下に示す実験によって、αおよびβ−ヒドロキシ酪酸
のアセトアルデヒドの急性致死に対する著しい救命効果
が確認された。
【0032】試験方法 (i)実験動物:CDF1雄性マウス(日本チャールズリ
バー)を7週齢で購入し、1週間の予備飼育の後実験に
用いた。使用したマウスの体重は、約24.5−29g
であった。
【0033】(ii)飼育条件:マウスは室温23±1−
2℃、湿度55±5%、換気回数12−15回/時間
(オールフレッシュエアー方式)、照明時間(12時間
/日)(午前7時点灯、午後7時消灯)に設定された飼
育室でポリイソペンテンケージ(日本チャールズリバー
製、235×325×170Hmm)に6匹ずつ飼育し
た。固定飼料CE−2(日本クレア)及び飲料水は自由
に摂取させた。
【0034】(iii)試薬の調製:アセトアルデヒドは
蒸留水にて希釈し、投与量が11mmol/kgになる
様に調製した。また、(R)−α−ヒドロキシ酪酸(以
下「α−HBA」という)若しくは(R)−β−ヒドロ
キシ酪酸(以下「β−HBA」という)は、投与量が1
1mmol/kgになるように生理食塩水に溶解して試
験に供した。すべての注射量は10ml/kgとした。
【0035】(iv)アセトアルデヒドの急性致死抑制試
験:α−HBA又はβ−HBAを腹腔内投与し、30分
後にアセトアルデヒドを腹腔内投与した、アセトアルデ
ヒド投与2時間後及び24時間後の生存率を観察した。
【0036】(v)統計処理:効果判定基準としてはχ2
検定を用いた。
【0037】表1及び図1に示すように、生理食塩水を
投与した対照群において11mmol/kgのアセトア
ルデヒドを腹腔内投与した場合の生存率は、2時間後及
び24時間後において25%であった。一方、11mm
ol/kgのα−HBA又はβ−HBAをアセトアルデ
ヒド投与30分前に腹腔内投与すると、生存率がそれぞ
れ83%に上昇した。
【0038】
【表1】 表1 α−HBA又はβ−HBAによるアセトアルデヒド急性毒性の軽減 投与2時間後 生存匹数/使用匹数 (%) 生理食塩水 3/12 (25.0) α−HBA 11mmol/kg 10/12 (83.3)*β−HBA 11mmol/kg 10/12 (83.3)* 投与24時間後 生存匹数/使用匹数 (%) 生理食塩水 3/12 (25.0) α−HBA 11mmol/kg 10/12 (83.3)*β−HBA 11mmol/kg 10/12 (83.3)* *:生理食塩水投与による対照群に比べて有意差あり(p<0.05)。
【0039】以上のように、α−HBA及びβ−HBA
はアセトアルデヒドの急性致死に対して著しい救命効果
を示したことから、望ましいアセトアルデヒド毒性抑制
剤であることが示唆される。α−HBAやβ−HBAが
どのようにしてアセトアルデヒドの毒性を抑制するのか
は未だ明らかではないが、アセトアルデヒドは副腎皮質
や交感神経を刺激し、カテコールアミンの遊離を促進
し、心臓のβ−受容体を介して心拍数を上昇させる。動
物にアセトアルデヒドを大量に投与するとこの作用が強
くなり、不整脈を引き起こし、死に至ると考えられてい
る。よって、α−HBA及びβ−HBAのアセトアルデ
ヒド毒性抑制の機序として、アセトアルデヒドにより遊
離が促進されるカテコールアミンの作用に拮抗すること
が考えられる。
【0040】実施例2 実施例1のアセトアルデヒド(投与量11mmol/k
g)を、エピネフリン(投与量55μmol/kg)に
代える以外は、実施例1と同様の試験を行った。結果を
表2及び図2に示す。
【0041】
【表2】 表2 α−HBA又はβ−HBAによるエピネフリン急性毒性の軽減 投与2時間後 生存匹数/使用匹数 (%) エピネフリン 55μmol/kg 5/13 (38.4) α−HBA 11mmol/kg 13/13 (100)* β−HBA 11mmol/kg 12/12 (100)* 投与24時間後 生存匹数/使用匹数 (%) エピネフリン 55μmol/kg 1/13 (7.6) α−HBA 11mmol/kg 6/13 (46.1)*β−HBA 11mmol/kg 6/12 (50) * *:生理食塩水投与による対照群に比べて有意差あり(p<0.05)。
【0042】α−HBA及びβ−HBAは、エピネフリ
ンの急性致死を抑制した。この結果より、これらのケト
ン体のアセトアルデヒド急性致死抑制作用は、過剰に放
出されたカテコールアミンの生理作用と拮抗することに
より発現するものと考えられる。
【0043】実施例3 実施例1のα−HBA及びβ−HBA(投与量11mm
ol/kg)を、β−HBA(投与量5.5mmol/
kg)又はコハク酸(投与量5.5mmol/kg、
2.75mmol/kg)に代える以外は、実施例1と
同様の試験を行った。その結果、表3及び図3に示すよ
うに、投与量5.5mmol/kgのコハク酸は、β−
HBA(投与量5.5mmol/kg)と同程度にアセ
トアルデヒド急性毒性を抑制した。
【0044】
【表3】 表3 β−HBA又はコハク酸によるアセトアルデヒド急性毒性の軽減 投与2時間後 生存匹数/使用匹数 (%) 生理食塩水 2/13 (15.3) β−HBA 5.5 mmol/kg 7/12 (58.3)* コハク酸 2.75mmol/kg 3/13 (23.0)コハク酸 5.5 mmol/kg 7/12 (58.3)* 投与24時間後 生存匹数/使用匹数 (%) 生理食塩水 2/13 (15.3) β−HBA 5.5 mmol/kg 7/12 (58.3)* コハク酸 2.75mmol/kg 3/13 (23.0)コハク酸 5.5 mmol/kg 7/12 (58.3)* *:生理食塩水投与による対照群に比べて有意差あり(p<0.05)。
【0045】製剤例 以上を1用量単位としてβ−ヒドロキシ酪酸と乳糖を混
合し、打錠した後粉砕し、ステアリン酸マグネシウムを
混ぜる。混合物をそれぞれ2号カプセルに充填した。
【0046】 以上を1用量単位とし、これらを混合したのち、少量の
水を加えて練合機で練合、整粒し、乾燥して再び整粒
し、濾過し、上記の単位毎に分包した。
【0047】製剤例3(ドリンク剤) (R)−β−ヒドロキシ酪酸 200g DL−酒石酸ナトリウム 1g コハク酸 0.09g 液糖 8kg クエン酸 120g ビタミンC 100g 香料 150ml 塩化カリウム 10g 硫酸マグネシウム 5g 上記の成分を配合し、水を加えて100lとした。
【図面の簡単な説明】
【図1】 α−HBA又はβ−HBAによるアセトアル
デヒド急性毒性の軽減作用を示すグラフであり、アセト
アルデヒド投与24時間後の生存率を示す。
【図2】 α−HBA又はβ−HBAによるエピネフリ
ン急性毒性の軽減作用を示すグラフであり、エピネフリ
ン投与2時間及び24時間後の生存率を示す。
【図3】 β−HBA又はコハク酸によるアセトアルデ
ヒド急性毒性の軽減作用を示すグラフであり、アセトア
ルデヒド投与24時間後の生存率を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 博 大阪府三島郡島本町若山台1丁目1番1号 サントリー株式会社基礎研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(R)型の立体配置を持つα−ヒドロキシ
    酪酸、(R)型の立体配置を持つβ−ヒドロキシ酪酸、
    コハク酸、及びこれらの塩からなる群より選ばれた少な
    くとも1つを有効成分として含有することを特徴とする
    アセトアルデヒド毒性の抑制剤。
  2. 【請求項2】(R)型の立体配置を持つα−ヒドロキシ
    酪酸、(R)型の立体配置を持つβ−ヒドロキシ酪酸、
    コハク酸、及びこれらの塩からなる群より選ばれた少な
    くとも1つを有効成分として含有することを特徴とす
    る、飲酒に伴い血中に生じるアセトアルデヒドによって
    惹起される悪酔い症状の予防又は改善剤。
JP5155463A 1993-06-25 1993-06-25 アセトアルデヒド毒性の抑制剤 Pending JPH0733653A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5155463A JPH0733653A (ja) 1993-06-25 1993-06-25 アセトアルデヒド毒性の抑制剤

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JP5155463A JPH0733653A (ja) 1993-06-25 1993-06-25 アセトアルデヒド毒性の抑制剤

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