JPH06287567A - 石炭液化方法 - Google Patents
石炭液化方法Info
- Publication number
- JPH06287567A JPH06287567A JP7978893A JP7978893A JPH06287567A JP H06287567 A JPH06287567 A JP H06287567A JP 7978893 A JP7978893 A JP 7978893A JP 7978893 A JP7978893 A JP 7978893A JP H06287567 A JPH06287567 A JP H06287567A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coal
- oil
- solvent
- liquefaction
- radiation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 微粉石炭、石炭系溶剤および触媒を混合した
スラリーを還元性雰囲気下、高温高圧条件で石炭の液
化、特に水素化分解を通じて燃料油(軽質油、中質油)
を製造する際に、比較的簡単なプロセスを用いて、より
良好な転化率および液化油収率を得ることのできる石炭
の液化方法を提供する。 【構成】 原料石炭、溶剤および触媒を混合した石炭ス
ラリーに放射線を照射し、その後に還元性雰囲気の高温
高圧条件下で石炭液化反応させることを特徴とする。 【効果】 放射線照射を行う事前処理部分は、常温常圧
に近く、これに要する装置等を含めたプロセスがシンプ
ルにでき、所望とする液化油収率をマイルドな条件でも
向上させることができて、経済性が向上する。
スラリーを還元性雰囲気下、高温高圧条件で石炭の液
化、特に水素化分解を通じて燃料油(軽質油、中質油)
を製造する際に、比較的簡単なプロセスを用いて、より
良好な転化率および液化油収率を得ることのできる石炭
の液化方法を提供する。 【構成】 原料石炭、溶剤および触媒を混合した石炭ス
ラリーに放射線を照射し、その後に還元性雰囲気の高温
高圧条件下で石炭液化反応させることを特徴とする。 【効果】 放射線照射を行う事前処理部分は、常温常圧
に近く、これに要する装置等を含めたプロセスがシンプ
ルにでき、所望とする液化油収率をマイルドな条件でも
向上させることができて、経済性が向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射線を用いてなる新
規な石炭液化方法に関するものである。さらに詳述すれ
ば、石炭、溶剤および触媒を混合して調製した石炭スラ
リーに事前処理として一定量の放射線を照射した後に、
還元性ガス雰囲気下、高温高圧条件下で石炭液化反応さ
せる石炭の液化方法に関するものである。
規な石炭液化方法に関するものである。さらに詳述すれ
ば、石炭、溶剤および触媒を混合して調製した石炭スラ
リーに事前処理として一定量の放射線を照射した後に、
還元性ガス雰囲気下、高温高圧条件下で石炭液化反応さ
せる石炭の液化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、石油資源の枯渇および石油価格の
高騰に伴って代替エネルギーの必要性が認識されるよう
になり、その代替エネルギーの1つとして石炭の液化反
応についても数多くの研究がなされている。
高騰に伴って代替エネルギーの必要性が認識されるよう
になり、その代替エネルギーの1つとして石炭の液化反
応についても数多くの研究がなされている。
【0003】こうした石炭液化方法に関しては、現在ま
でに、石炭、溶剤および触媒を混合して調製したスラリ
ーを高温、高圧で触媒の存在下、水素添加により液化反
応させ、得られた液化油を軽質油、中質油、重質油(残
渣を含む)に分離精製し、得られた該液化油の内、重質
油(残渣を含む)に対しては、減圧蒸留により重質油と
残渣成分とを分離した後、得られた重質油は水素化反応
塔で水素化反応を行い、得られた溶剤を戻して、再び石
炭液化用溶剤として循環使用する石炭液化方法などが良
く知られている。こうした石炭の液化においては、石炭
液化用溶剤に石炭液化生成重質油を水素化した油を用
い、これと原料石炭、触媒などを混合してスラリーを調
製した後、液化反応に供することにより、該石炭液化用
溶剤の水素供与能力の増大による液化反応時の水素移動
の円滑化を図り、もって液化反応を促進することとして
いるものである。
でに、石炭、溶剤および触媒を混合して調製したスラリ
ーを高温、高圧で触媒の存在下、水素添加により液化反
応させ、得られた液化油を軽質油、中質油、重質油(残
渣を含む)に分離精製し、得られた該液化油の内、重質
油(残渣を含む)に対しては、減圧蒸留により重質油と
残渣成分とを分離した後、得られた重質油は水素化反応
塔で水素化反応を行い、得られた溶剤を戻して、再び石
炭液化用溶剤として循環使用する石炭液化方法などが良
く知られている。こうした石炭の液化においては、石炭
液化用溶剤に石炭液化生成重質油を水素化した油を用
い、これと原料石炭、触媒などを混合してスラリーを調
製した後、液化反応に供することにより、該石炭液化用
溶剤の水素供与能力の増大による液化反応時の水素移動
の円滑化を図り、もって液化反応を促進することとして
いるものである。
【0004】図2は、従来技術として知られている石炭
液化方法における石炭液化装置の一実施態様を示す概略
図である。
液化方法における石炭液化装置の一実施態様を示す概略
図である。
【0005】図2より、従来法における石炭液化装置5
1の構成としては、石炭貯蔵槽2、溶剤貯蔵槽3および
触媒貯蔵槽4が設けられ、これらはすべて配管5、6お
よび7により攪拌機8を備えてなる石炭スラリー調製槽
9の上頭部にそれぞれ連結されている。また該石炭スラ
リー調製槽9の底槽部は、石炭液化反応塔10の底塔部
に配管11で連結されており、該配管11の経路上に
は、高圧ポンプ12が設けられている。さらに水素貯蔵
槽13に配管14が連結され、該配管14の他端は高圧
水素ガスが供給できるように該高圧ポンプ12より該反
応塔10側の該上記配管11経路上に連結されている。
また、該反応塔10側の該配管11の外周部には加熱器
16が設けられている。次に該石炭液化反応塔10の頭
塔部は分離器17の上部に配管18により連結されてい
る。さらに該分離器17の上部が減圧弁を経て常圧蒸留
塔19に、分離器17の下部が減圧弁を経て減圧蒸留塔
20にそれぞれ配管21、22により連結され、該常圧
蒸留塔19の頭塔部および底塔部が生成ガス捕集器2
3、軽中質油捕集器24および水捕集器25にそれぞれ
配管26、27および28により連結されている。一
方、上記減圧蒸留塔20の底塔部は残渣捕集器29に、
減圧蒸留塔20の頭塔部は一旦常圧に戻された後、常圧
ポンプを経て水素化反応塔30の頭塔部にそれぞれ配管
31および32で連結され、該水素化反応塔30の底塔
部が上記溶剤貯蔵槽3と配管33で連結されている。
1の構成としては、石炭貯蔵槽2、溶剤貯蔵槽3および
触媒貯蔵槽4が設けられ、これらはすべて配管5、6お
よび7により攪拌機8を備えてなる石炭スラリー調製槽
9の上頭部にそれぞれ連結されている。また該石炭スラ
リー調製槽9の底槽部は、石炭液化反応塔10の底塔部
に配管11で連結されており、該配管11の経路上に
は、高圧ポンプ12が設けられている。さらに水素貯蔵
槽13に配管14が連結され、該配管14の他端は高圧
水素ガスが供給できるように該高圧ポンプ12より該反
応塔10側の該上記配管11経路上に連結されている。
また、該反応塔10側の該配管11の外周部には加熱器
16が設けられている。次に該石炭液化反応塔10の頭
塔部は分離器17の上部に配管18により連結されてい
る。さらに該分離器17の上部が減圧弁を経て常圧蒸留
塔19に、分離器17の下部が減圧弁を経て減圧蒸留塔
20にそれぞれ配管21、22により連結され、該常圧
蒸留塔19の頭塔部および底塔部が生成ガス捕集器2
3、軽中質油捕集器24および水捕集器25にそれぞれ
配管26、27および28により連結されている。一
方、上記減圧蒸留塔20の底塔部は残渣捕集器29に、
減圧蒸留塔20の頭塔部は一旦常圧に戻された後、常圧
ポンプを経て水素化反応塔30の頭塔部にそれぞれ配管
31および32で連結され、該水素化反応塔30の底塔
部が上記溶剤貯蔵槽3と配管33で連結されている。
【0006】上記構成を有する石炭液化装置51を用い
て石炭液化を行う方法について詳述する。
て石炭液化を行う方法について詳述する。
【0007】まず、石炭貯蔵槽2から原料石炭、溶剤貯
蔵槽3から石炭液化用の循環溶剤がそれぞれ配管5、6
を通じて石炭スラリー調製槽9に送られ、さらに触媒貯
蔵槽4より、液化油収率を上げるために、触媒が同時に
配管7を通じて、通常常圧下で約60℃程度に加温され
た石炭スラリー調製槽9に添加され、攪拌機8を用いて
混合され、石炭スラリーが調製される。
蔵槽3から石炭液化用の循環溶剤がそれぞれ配管5、6
を通じて石炭スラリー調製槽9に送られ、さらに触媒貯
蔵槽4より、液化油収率を上げるために、触媒が同時に
配管7を通じて、通常常圧下で約60℃程度に加温され
た石炭スラリー調製槽9に添加され、攪拌機8を用いて
混合され、石炭スラリーが調製される。
【0008】ここで、石炭貯蔵槽2に貯蔵される原料石
炭としては、石炭液化反応で水素化分解反応を行わせる
ために、石炭中に含まれる5〜30重量%の水分を通常
1〜2重量%まで乾燥した後、150μm以下の粒度の
石炭粒子の収率が80%以上となるように粉砕された石
炭である。該石炭の粉砕には、ロッドミル、ボールミ
ル、振動ミルまたはディスクミルなどのいずれの粉砕機
をも用いることができる。
炭としては、石炭液化反応で水素化分解反応を行わせる
ために、石炭中に含まれる5〜30重量%の水分を通常
1〜2重量%まで乾燥した後、150μm以下の粒度の
石炭粒子の収率が80%以上となるように粉砕された石
炭である。該石炭の粉砕には、ロッドミル、ボールミ
ル、振動ミルまたはディスクミルなどのいずれの粉砕機
をも用いることができる。
【0009】上記石炭スラリーの濃度は、前記原料石炭
の乾燥重量に対する前記溶剤の重量比(溶剤/原料石
炭)で通常、1.0〜3.0程度の範囲であり、触媒の
添加量は、無水、無灰ベースの原料石炭に対して通常1
〜5%程度の範囲となるように調製される。
の乾燥重量に対する前記溶剤の重量比(溶剤/原料石
炭)で通常、1.0〜3.0程度の範囲であり、触媒の
添加量は、無水、無灰ベースの原料石炭に対して通常1
〜5%程度の範囲となるように調製される。
【0010】また、触媒としては、主に比較的安価で入
手の容易な鉄系触媒が用いられており、具体的には、合
成硫化鉄触媒または天然鉄鉱石触媒などが使用されてい
る。
手の容易な鉄系触媒が用いられており、具体的には、合
成硫化鉄触媒または天然鉄鉱石触媒などが使用されてい
る。
【0011】こうして得られた石炭スラリーは、高圧ポ
ンプ12で150〜190kg/cm2 の圧力に昇圧さ
れ、系内に装入される。その際、水素貯蔵槽13の水素
をコンプレッサーなどにて同じ圧力に昇圧し、得られた
高圧水素ガスを系内に供給して水素雰囲気とする。その
後、石炭スラリーは、さらに加熱器16により380〜
450℃に加熱された後、石炭液化反応塔10で該水素
ガスと反応して水素化分解する。
ンプ12で150〜190kg/cm2 の圧力に昇圧さ
れ、系内に装入される。その際、水素貯蔵槽13の水素
をコンプレッサーなどにて同じ圧力に昇圧し、得られた
高圧水素ガスを系内に供給して水素雰囲気とする。その
後、石炭スラリーは、さらに加熱器16により380〜
450℃に加熱された後、石炭液化反応塔10で該水素
ガスと反応して水素化分解する。
【0012】この際の水素化分解は、通常、反応温度が
430〜470℃、圧力が150〜190kg/cm2
で行われ、かかる分解反応によって原料石炭の液化反応
が進行する。
430〜470℃、圧力が150〜190kg/cm2
で行われ、かかる分解反応によって原料石炭の液化反応
が進行する。
【0013】石炭液化反応後の生成物は、配管18を通
じて該分離器17に送られ、該分離器17によって、生
成ガス、水および軽中質油(通常C5 〜260℃未満の
沸点留分)からなる成分と重質油(通常260℃以上の
沸点留分)および残渣からなる成分とに分離される。こ
のうち生成ガス、水および軽中質油からなる成分は、配
管21を通じ、減圧弁を経て常圧蒸留塔19に送られ、
生成ガス、水および軽中質油成分に分離され生成ガス捕
集器23、軽中質油捕集器24および水捕集器25に分
離捕集される。
じて該分離器17に送られ、該分離器17によって、生
成ガス、水および軽中質油(通常C5 〜260℃未満の
沸点留分)からなる成分と重質油(通常260℃以上の
沸点留分)および残渣からなる成分とに分離される。こ
のうち生成ガス、水および軽中質油からなる成分は、配
管21を通じ、減圧弁を経て常圧蒸留塔19に送られ、
生成ガス、水および軽中質油成分に分離され生成ガス捕
集器23、軽中質油捕集器24および水捕集器25に分
離捕集される。
【0014】さらに軽中質成分は必要に応じて軽質油と
中質油に蒸留操作により分離され、それぞれ所定の製品
油として回収することができる。
中質油に蒸留操作により分離され、それぞれ所定の製品
油として回収することができる。
【0015】一方、重質油および残渣からなる成分は、
配管22を通じ、減圧弁を経て減圧蒸留塔20に送ら
れ、該減圧蒸留塔20で減圧蒸留(10〜50torr
まで減圧)され、538℃以上の沸点留分のものは液化
残渣として配管31を通じて残渣捕集器29に排出され
除去される。
配管22を通じ、減圧弁を経て減圧蒸留塔20に送ら
れ、該減圧蒸留塔20で減圧蒸留(10〜50torr
まで減圧)され、538℃以上の沸点留分のものは液化
残渣として配管31を通じて残渣捕集器29に排出され
除去される。
【0016】他方、260〜538℃未満の沸点留分の
重質油は、一旦常圧に戻した後、配管32経路上に設け
られた高圧ポンプ(図示せず)および加熱器(図示せ
ず)により高温高圧下に保持され、Ni−Mo等の触媒
を充填した固定床の水素化反応塔30に送られて、水素
雰囲気下、通常300〜380℃、80〜120気圧で
該水素化反応塔30中で通常LHSVが1〜2時間、水
素ガスと反応させて水素化反応を行うことにより水素供
与性を高め、テトラリンなどの成分からなる溶剤を生成
することができる。得られた該溶剤は、配管33を通じ
て溶剤貯蔵槽3に戻すことにより石炭液化用溶剤として
循環使用されるものである。
重質油は、一旦常圧に戻した後、配管32経路上に設け
られた高圧ポンプ(図示せず)および加熱器(図示せ
ず)により高温高圧下に保持され、Ni−Mo等の触媒
を充填した固定床の水素化反応塔30に送られて、水素
雰囲気下、通常300〜380℃、80〜120気圧で
該水素化反応塔30中で通常LHSVが1〜2時間、水
素ガスと反応させて水素化反応を行うことにより水素供
与性を高め、テトラリンなどの成分からなる溶剤を生成
することができる。得られた該溶剤は、配管33を通じ
て溶剤貯蔵槽3に戻すことにより石炭液化用溶剤として
循環使用されるものである。
【0017】しかしながら、こうした水素供与能力を有
する石炭液化用溶剤によって水素移動の円滑化を図るこ
とで液化反応をより向上させる従来法の石炭の液化技術
では、経済性の面において、なお石油の代替エネルギー
として実用化できるレベルまで達しておらず、より良好
な転化率および液化油収率を得ることのできる石炭の液
化方法の開発が期待されているのが現状である。
する石炭液化用溶剤によって水素移動の円滑化を図るこ
とで液化反応をより向上させる従来法の石炭の液化技術
では、経済性の面において、なお石油の代替エネルギー
として実用化できるレベルまで達しておらず、より良好
な転化率および液化油収率を得ることのできる石炭の液
化方法の開発が期待されているのが現状である。
【0018】また、上述の石油代替エネルギーの1つと
して研究されている石炭の液化反応のように微粉石炭、
石炭系溶剤および触媒を混合したスラリーを還元性雰囲
気下、高温高圧条件で石炭の液化、特に水素化分解を通
じて燃料油(軽質油、中質油)を製造する方法とは全く
別のプロセスとして、石炭を水素や触媒を用いずにアン
トラセン油や石油系重質油などの溶剤を用いて高温で分
解抽出して液化することでコロイド燃料または広い意味
での重質油燃料を製造する溶剤抽出による石炭液化方法
が知られている。
して研究されている石炭の液化反応のように微粉石炭、
石炭系溶剤および触媒を混合したスラリーを還元性雰囲
気下、高温高圧条件で石炭の液化、特に水素化分解を通
じて燃料油(軽質油、中質油)を製造する方法とは全く
別のプロセスとして、石炭を水素や触媒を用いずにアン
トラセン油や石油系重質油などの溶剤を用いて高温で分
解抽出して液化することでコロイド燃料または広い意味
での重質油燃料を製造する溶剤抽出による石炭液化方法
が知られている。
【0019】上記溶剤抽出による石炭の液化方法では、
溶剤抽出にかなりの高温を必要とする点を改良する方法
として、溶剤存在下の石炭に放射線を照射することで石
炭の溶剤抽出を促進する方法が特開昭56−13559
5号に記載されている。
溶剤抽出にかなりの高温を必要とする点を改良する方法
として、溶剤存在下の石炭に放射線を照射することで石
炭の溶剤抽出を促進する方法が特開昭56−13559
5号に記載されている。
【0020】上記石炭の溶剤抽出に放射線を用いる液化
方法によれば、高分子量体が、室温付近においても、電
離性放射線によって分解されることに着目し、この知見
に基づき、高分子量体の石炭を熱分解に代わって放射線
を照射することにより低分子量体を生成させることで、
高温状態にすることなく共存する溶剤中への溶解性を増
加することができ、また高温条件で放射線照射を併用し
た場合には所望の重質油燃料の収率を高めることができ
るとするものである。
方法によれば、高分子量体が、室温付近においても、電
離性放射線によって分解されることに着目し、この知見
に基づき、高分子量体の石炭を熱分解に代わって放射線
を照射することにより低分子量体を生成させることで、
高温状態にすることなく共存する溶剤中への溶解性を増
加することができ、また高温条件で放射線照射を併用し
た場合には所望の重質油燃料の収率を高めることができ
るとするものである。
【0021】しかしながら、上記石炭の溶剤抽出による
液化方法では、石炭からコロイド燃料や重質油燃料を製
造することを目的とするため、条件次第で放射線照射に
より分解された分子が重合する場合でも特に問題となら
ないが、この石炭の溶剤抽出に放射線を用いる液化方法
を石炭から燃料油(軽質油、中質油)を製造する方法に
適用するには、照射時の温度、圧力条件が非常に広く、
また適正な照射条件も明示されておらず、重合を起こす
ような条件下では燃料油の収率が逆に低下する等、より
良好な転化率および液化油収率を得ることのできる石炭
の液化方法とはできないものであった。
液化方法では、石炭からコロイド燃料や重質油燃料を製
造することを目的とするため、条件次第で放射線照射に
より分解された分子が重合する場合でも特に問題となら
ないが、この石炭の溶剤抽出に放射線を用いる液化方法
を石炭から燃料油(軽質油、中質油)を製造する方法に
適用するには、照射時の温度、圧力条件が非常に広く、
また適正な照射条件も明示されておらず、重合を起こす
ような条件下では燃料油の収率が逆に低下する等、より
良好な転化率および液化油収率を得ることのできる石炭
の液化方法とはできないものであった。
【0022】さらに、上記放射線を用いる液化方法で
は、常温常圧下では、所望の重質油燃料の溶剤可溶分の
収率は、約2〜13重量%(また放射線を用いる場合
が、放射線を用いない場合に比して溶剤可溶分の増加量
が0.5〜5重量%)と低く、石炭を重質油燃料油とし
て十分に活用できておらず、また、上記放射線を用いる
液化方法において、より高収率を得ようとすれば、石炭
の溶剤抽出による液化反応条件を高温高圧下とし、これ
に放射線照射(必要により長時間照射)を行うことで得
られるが、そのためには通常の石炭の溶剤抽出による液
化反応装置に高温高圧装置および放射線装置を組み合わ
せなければならないが、こうしたプロセスは極めて複雑
化することが考えられ、また多くの解決すべき新たな課
題も生じると思われるが、こうしたプロセスについては
何等記載がされていない。
は、常温常圧下では、所望の重質油燃料の溶剤可溶分の
収率は、約2〜13重量%(また放射線を用いる場合
が、放射線を用いない場合に比して溶剤可溶分の増加量
が0.5〜5重量%)と低く、石炭を重質油燃料油とし
て十分に活用できておらず、また、上記放射線を用いる
液化方法において、より高収率を得ようとすれば、石炭
の溶剤抽出による液化反応条件を高温高圧下とし、これ
に放射線照射(必要により長時間照射)を行うことで得
られるが、そのためには通常の石炭の溶剤抽出による液
化反応装置に高温高圧装置および放射線装置を組み合わ
せなければならないが、こうしたプロセスは極めて複雑
化することが考えられ、また多くの解決すべき新たな課
題も生じると思われるが、こうしたプロセスについては
何等記載がされていない。
【0023】したがって、石炭の液化、特に水素化分解
を通じて燃料油(軽質油、中質油)を製造する方法を適
用するにあたっては、重合を起こさない適正な照射条件
の設定、さらに常温常圧下での液化油収率の向上または
高温高圧下での簡単なプロセスの構築など上記方法と同
様な課題の解決が必要であり、今日、上記放射線を用い
る液化方法に基づいて、より良好な転化率および高い液
化油収率を達成できる燃料油(軽質油、中質油)の製造
方法を容易に発明することはなお困難であるのが現状で
ある。
を通じて燃料油(軽質油、中質油)を製造する方法を適
用するにあたっては、重合を起こさない適正な照射条件
の設定、さらに常温常圧下での液化油収率の向上または
高温高圧下での簡単なプロセスの構築など上記方法と同
様な課題の解決が必要であり、今日、上記放射線を用い
る液化方法に基づいて、より良好な転化率および高い液
化油収率を達成できる燃料油(軽質油、中質油)の製造
方法を容易に発明することはなお困難であるのが現状で
ある。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上記問題点に鑑み、本
発明の目的は、石油代替エネルギーの1つとして、微粉
石炭、石炭系溶剤および触媒を混合したスラリーを還元
性ガス雰囲気下、高温高圧条件で石炭の液化、特に水素
化分解を通じて燃料油(軽質油、中質油)を製造する液
化方法において、比較的簡単なプロセスを用いて、より
良好な転化率および液化油収率を得ることのできる石炭
の液化方法を提供するものである。
発明の目的は、石油代替エネルギーの1つとして、微粉
石炭、石炭系溶剤および触媒を混合したスラリーを還元
性ガス雰囲気下、高温高圧条件で石炭の液化、特に水素
化分解を通じて燃料油(軽質油、中質油)を製造する液
化方法において、比較的簡単なプロセスを用いて、より
良好な転化率および液化油収率を得ることのできる石炭
の液化方法を提供するものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために、微粉石炭、石炭系溶剤および触媒を
混合した石炭スラリーを還元性ガス雰囲気下、高温高圧
条件で石炭の液化、特に水素化分解を通じて燃料油(軽
質油、中質油)を製造する新規な石炭液化方法について
鋭意研究した。特に、石炭スラリーの段階で放射線を照
射することにより化学反応がおこり、石炭性状が変化す
ることに着目して、石炭の液化反応の事前処理技術に放
射線照射を応用すべく種々検討した。その結果、石炭ス
ラリーに放射線を照射することにより、単位骨格構造が
芳香族性に富む多環構造をなしていて、それらが架橋で
つながって高分子体を形成している石炭中に溶剤が浸透
し、あるいは、そのような石炭中の分子の結合が切れて
イオンや遊離基を生成し、石炭構造を予め緩和させるこ
とで溶剤が石炭に膨潤した状態を形成できることがわか
った。これにより該石炭スラリーを還元性ガス雰囲気
下、高温高圧条件で石炭の液化、特に水素化分解が起こ
り易くなるため、液化油収率が向上でき、反応条件もマ
イルド化できて、さらにこの事前処理部分(低温低圧)
のプロセスを追加するだけですむから、非常にシンプル
なプロセスとすることができる。こうした知見に基づき
本発明を完成するに至ったものである。
を達成するために、微粉石炭、石炭系溶剤および触媒を
混合した石炭スラリーを還元性ガス雰囲気下、高温高圧
条件で石炭の液化、特に水素化分解を通じて燃料油(軽
質油、中質油)を製造する新規な石炭液化方法について
鋭意研究した。特に、石炭スラリーの段階で放射線を照
射することにより化学反応がおこり、石炭性状が変化す
ることに着目して、石炭の液化反応の事前処理技術に放
射線照射を応用すべく種々検討した。その結果、石炭ス
ラリーに放射線を照射することにより、単位骨格構造が
芳香族性に富む多環構造をなしていて、それらが架橋で
つながって高分子体を形成している石炭中に溶剤が浸透
し、あるいは、そのような石炭中の分子の結合が切れて
イオンや遊離基を生成し、石炭構造を予め緩和させるこ
とで溶剤が石炭に膨潤した状態を形成できることがわか
った。これにより該石炭スラリーを還元性ガス雰囲気
下、高温高圧条件で石炭の液化、特に水素化分解が起こ
り易くなるため、液化油収率が向上でき、反応条件もマ
イルド化できて、さらにこの事前処理部分(低温低圧)
のプロセスを追加するだけですむから、非常にシンプル
なプロセスとすることができる。こうした知見に基づき
本発明を完成するに至ったものである。
【0026】すなわち、本発明の目的は、(1)原料石
炭、溶剤および触媒を混合した石炭スラリーに放射線を
照射し、その後に還元性ガス雰囲気の高温高圧条件下で
石炭液化反応させることを特徴とする石炭液化方法によ
り達成される。
炭、溶剤および触媒を混合した石炭スラリーに放射線を
照射し、その後に還元性ガス雰囲気の高温高圧条件下で
石炭液化反応させることを特徴とする石炭液化方法によ
り達成される。
【0027】また、本発明においては、(2)放射線の
照射による放射線量が、102 〜1010レントゲンの範
囲であり、(3)放射線照射時の温度が、40〜100
℃、圧力が1〜10気圧であることが好ましい。
照射による放射線量が、102 〜1010レントゲンの範
囲であり、(3)放射線照射時の温度が、40〜100
℃、圧力が1〜10気圧であることが好ましい。
【0028】本発明の目的は、(4)石炭スラリーを循
環させながら放射線を照射する上記(1)ないし(3)
のいずれか一つに示す石炭液化方法によっても達成され
る。
環させながら放射線を照射する上記(1)ないし(3)
のいずれか一つに示す石炭液化方法によっても達成され
る。
【0029】本発明においては、(5)石炭スラリーの
濃度が、原料石炭の乾燥重量に対する溶剤の重量比(溶
剤/原料石炭)で1.0〜4.0の範囲であり、(6)
触媒が、16μm以下の収率90%以上の微粒子である
ことが好ましい。
濃度が、原料石炭の乾燥重量に対する溶剤の重量比(溶
剤/原料石炭)で1.0〜4.0の範囲であり、(6)
触媒が、16μm以下の収率90%以上の微粒子である
ことが好ましい。
【0030】さらに、本発明においては、(7)石炭ス
ラリーに対する触媒の配合量が、原料石炭の乾燥重量に
対して0.5〜5重量%であり、(8)石炭液化反応時
の高温高圧条件が、温度400〜500℃で、圧力10
0〜200気圧であることが好ましい。
ラリーに対する触媒の配合量が、原料石炭の乾燥重量に
対して0.5〜5重量%であり、(8)石炭液化反応時
の高温高圧条件が、温度400〜500℃で、圧力10
0〜200気圧であることが好ましい。
【0031】
【作用】本発明は、微粉石炭、石炭系溶剤および触媒を
混合した石炭スラリーを還元性ガス雰囲気下、高温高圧
条件で石炭の液化、特に水素化分解を通じて燃料油(軽
質油、中質油)を製造する石炭液化方法において、石炭
スラリーの段階で放射線を照射することにより、石炭構
造を予め緩和させ、溶剤が石炭に膨潤した状態を形成さ
せ、これにより該石炭スラリーを還元性ガス雰囲気下、
高温高圧条件で石炭の水素化分解の効率化を図ることで
液化油収率が向上でき、反応条件もマイルド化でき、さ
らに事前処理部分(低温低圧)のプロセスを追加するだ
けの非常にシンプルなプロセスからなる石炭液化方法で
ある。
混合した石炭スラリーを還元性ガス雰囲気下、高温高圧
条件で石炭の液化、特に水素化分解を通じて燃料油(軽
質油、中質油)を製造する石炭液化方法において、石炭
スラリーの段階で放射線を照射することにより、石炭構
造を予め緩和させ、溶剤が石炭に膨潤した状態を形成さ
せ、これにより該石炭スラリーを還元性ガス雰囲気下、
高温高圧条件で石炭の水素化分解の効率化を図ることで
液化油収率が向上でき、反応条件もマイルド化でき、さ
らに事前処理部分(低温低圧)のプロセスを追加するだ
けの非常にシンプルなプロセスからなる石炭液化方法で
ある。
【0032】以下、本発明を実施態様に基づき、より詳
細に説明する。
細に説明する。
【0033】図1は、本発明に係る石炭液化方法に用い
られる石炭液化装置の一実施態様の構成を模式的に表わ
す使用状態図である。
られる石炭液化装置の一実施態様の構成を模式的に表わ
す使用状態図である。
【0034】図1に示すように本発明に係わる石炭液化
装置1としては、石炭スラリー調製槽9から高圧ポンプ
12までの配管11経路上に循環ポンプ41、放射線照
射装置42および自動弁43を設け、弁43と石炭スラ
リー調製槽9の間の配管11上に設置した放射線照射装
置42以外の構成は、上述した図2に示す従来法による
石炭液化装置51と同様の構成を有するものである。な
お、図1において、図2に示す石炭液化装置51におけ
る構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付してあ
る。
装置1としては、石炭スラリー調製槽9から高圧ポンプ
12までの配管11経路上に循環ポンプ41、放射線照
射装置42および自動弁43を設け、弁43と石炭スラ
リー調製槽9の間の配管11上に設置した放射線照射装
置42以外の構成は、上述した図2に示す従来法による
石炭液化装置51と同様の構成を有するものである。な
お、図1において、図2に示す石炭液化装置51におけ
る構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付してあ
る。
【0035】上記構成を有する石炭液化装置1を使用し
て、本発明の方法に基づいて石炭を液化して液化油等を
得るには、一定の粒度以下に粉砕された石炭粒子が石炭
貯蔵槽2より配管5を通じて、また水素移動の円滑化を
図るために溶剤が溶剤貯蔵槽3より配管6を通じて、さ
らに液化油収率を上げるために触媒が触媒貯蔵槽4より
配管7を通じて石炭スラリー調製槽9に送られ、一定の
槽内雰囲気、圧力および温度条件に保持されながら攪拌
機8により混合され一定濃度の石炭スラリーが造られ
る。
て、本発明の方法に基づいて石炭を液化して液化油等を
得るには、一定の粒度以下に粉砕された石炭粒子が石炭
貯蔵槽2より配管5を通じて、また水素移動の円滑化を
図るために溶剤が溶剤貯蔵槽3より配管6を通じて、さ
らに液化油収率を上げるために触媒が触媒貯蔵槽4より
配管7を通じて石炭スラリー調製槽9に送られ、一定の
槽内雰囲気、圧力および温度条件に保持されながら攪拌
機8により混合され一定濃度の石炭スラリーが造られ
る。
【0036】ここで、石炭貯蔵槽2に貯蔵される本発明
の石炭液化方法に使用される原料石炭としては、特に限
定されるものでなく、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭等のすべ
てに利用できる。好ましくは、含酸素量の少ない瀝青
炭、亜瀝青炭等である。
の石炭液化方法に使用される原料石炭としては、特に限
定されるものでなく、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭等のすべ
てに利用できる。好ましくは、含酸素量の少ない瀝青
炭、亜瀝青炭等である。
【0037】該原料石炭としては、液化反応で水素化分
解反応を行わせるために、石炭中に含まれる5〜30重
量%の水分を通常1〜2重量%まで乾燥した後、通常1
50μm以下の粒度の石炭粒子の収率が80%以上、好
ましくは150μm以下の粒度の石炭粒子の収率が90
%以上、より好ましくは150μm以下の粒度の石炭粒
子の収率が100%となるように粉砕された石炭であ
る。該原料石炭が150μm以下の粒度の石炭粒子の収
率80%未満である場合には、操業上トラブルが発生し
易く、また液化反応が十分でないなど好ましくない。該
石炭の粉砕には、ロッドミル、ボールミル、振動ミル、
ディスクミルなどのいずれの粉砕機をも用いることがで
きる。
解反応を行わせるために、石炭中に含まれる5〜30重
量%の水分を通常1〜2重量%まで乾燥した後、通常1
50μm以下の粒度の石炭粒子の収率が80%以上、好
ましくは150μm以下の粒度の石炭粒子の収率が90
%以上、より好ましくは150μm以下の粒度の石炭粒
子の収率が100%となるように粉砕された石炭であ
る。該原料石炭が150μm以下の粒度の石炭粒子の収
率80%未満である場合には、操業上トラブルが発生し
易く、また液化反応が十分でないなど好ましくない。該
石炭の粉砕には、ロッドミル、ボールミル、振動ミル、
ディスクミルなどのいずれの粉砕機をも用いることがで
きる。
【0038】また、本発明に用いられる溶剤としては、
水素供与能のある油、例えばテトラリン、テトラヒドロ
アントラセンなど芳香族成分の含有量の高い油を用いこ
とが望ましく、例えば、本発明の方法により得られる重
質油を水素化することにより得られる石炭系溶剤(テト
ラリンなどを含む)などを用いることができる。該石炭
系溶剤を循環使用することにより該溶剤を別途用意する
必要もなくコストの低減が図れるものである。
水素供与能のある油、例えばテトラリン、テトラヒドロ
アントラセンなど芳香族成分の含有量の高い油を用いこ
とが望ましく、例えば、本発明の方法により得られる重
質油を水素化することにより得られる石炭系溶剤(テト
ラリンなどを含む)などを用いることができる。該石炭
系溶剤を循環使用することにより該溶剤を別途用意する
必要もなくコストの低減が図れるものである。
【0039】また、触媒としては、特に限定されるもの
ではないが、触媒能を有する金属種としては、例えば、
鉄、ニッケル、モリブデン、チタン、バナジウムおよび
ランタンなどが挙げられ、好ましくは、比較的安価で入
手しやすく、石炭液化反応で触媒作用の大きい鉄、ニッ
ケルなどであることから、通常、鉄系触媒、ニッケル系
触媒、コバルト系触媒、チタン系触媒、ゼオライト系触
媒、モリブデン触媒、バナジウム触媒、コバルト−モリ
ブデン系触媒およびランタン触媒などを用いることがで
きるが、このましくは比較的安価で入手の容易な鉄系触
媒が望ましく、具体的には、合成硫化鉄触媒、水酸化鉄
または天然鉄鉱石触媒などが挙げられる。
ではないが、触媒能を有する金属種としては、例えば、
鉄、ニッケル、モリブデン、チタン、バナジウムおよび
ランタンなどが挙げられ、好ましくは、比較的安価で入
手しやすく、石炭液化反応で触媒作用の大きい鉄、ニッ
ケルなどであることから、通常、鉄系触媒、ニッケル系
触媒、コバルト系触媒、チタン系触媒、ゼオライト系触
媒、モリブデン触媒、バナジウム触媒、コバルト−モリ
ブデン系触媒およびランタン触媒などを用いることがで
きるが、このましくは比較的安価で入手の容易な鉄系触
媒が望ましく、具体的には、合成硫化鉄触媒、水酸化鉄
または天然鉄鉱石触媒などが挙げられる。
【0040】次に、石炭スラリー調製槽9での該石炭ス
ラリーの濃度は、原料石炭の乾燥重量に対する溶剤の重
量比(溶剤/原料石炭)で通常1.0〜4.0、好まし
くは1.0〜2.0、より好ましくは1.0〜1.5の
範囲である。該濃度が原料石炭の乾燥重量に対する溶剤
の重量比(溶剤/原料石炭)で4.0を越える場合に
は、経済性が悪くなり過ぎ、反応効率が低下し、また原
料石炭の乾燥重量に対する溶剤の重量比(溶剤/原料石
炭)で1.0未満では、該スラリーの粘度が大きくな
り、撹拌による混合が均一になり難く長時間を要し、ま
た配管内での流動性が低下するため配管詰まりが発生す
るなど好ましくない。
ラリーの濃度は、原料石炭の乾燥重量に対する溶剤の重
量比(溶剤/原料石炭)で通常1.0〜4.0、好まし
くは1.0〜2.0、より好ましくは1.0〜1.5の
範囲である。該濃度が原料石炭の乾燥重量に対する溶剤
の重量比(溶剤/原料石炭)で4.0を越える場合に
は、経済性が悪くなり過ぎ、反応効率が低下し、また原
料石炭の乾燥重量に対する溶剤の重量比(溶剤/原料石
炭)で1.0未満では、該スラリーの粘度が大きくな
り、撹拌による混合が均一になり難く長時間を要し、ま
た配管内での流動性が低下するため配管詰まりが発生す
るなど好ましくない。
【0041】また、石炭スラリー調製槽9の石炭スラリ
ーへの触媒の添加量は、前記石炭粒子の乾燥重量に対し
て、通常0.5〜5重量%、好ましくは1〜4重量%、
より好ましくは2〜3重量%の範囲である。該添加量が
0.5重量%未満の場合には、添加による充分な効果が
得られず、また5重量%を越える場合には、添加量に見
合っただけの効果の増加が得られず、また経済性も悪く
なる。
ーへの触媒の添加量は、前記石炭粒子の乾燥重量に対し
て、通常0.5〜5重量%、好ましくは1〜4重量%、
より好ましくは2〜3重量%の範囲である。該添加量が
0.5重量%未満の場合には、添加による充分な効果が
得られず、また5重量%を越える場合には、添加量に見
合っただけの効果の増加が得られず、また経済性も悪く
なる。
【0042】一方、該触媒の大きさは、用いる種類によ
って異なるが、通常16μm以下の収率が90%以上、
好ましくは10μm以下の収率が90%以上、より好ま
しくは1μm以下の収率が90%以上である。該触媒の
大きさが16μm以下の収率90%未満の場合には、触
媒能が低下するなど好ましくない。
って異なるが、通常16μm以下の収率が90%以上、
好ましくは10μm以下の収率が90%以上、より好ま
しくは1μm以下の収率が90%以上である。該触媒の
大きさが16μm以下の収率90%未満の場合には、触
媒能が低下するなど好ましくない。
【0043】また、石炭スラリー調製槽9の槽内雰囲
気、圧力および温度条件は、槽内雰囲気としては、通常
は不活性ガス雰囲気、好ましくは還元性ガス雰囲気、よ
り好ましくは水素ガス含有雰囲気であり、温度は通常4
0〜100℃、好ましくは50〜80℃、より好ましく
は50〜70℃で、圧力は通常1〜10気圧、好ましく
は1〜5気圧、より好ましくは1〜2気圧である。
気、圧力および温度条件は、槽内雰囲気としては、通常
は不活性ガス雰囲気、好ましくは還元性ガス雰囲気、よ
り好ましくは水素ガス含有雰囲気であり、温度は通常4
0〜100℃、好ましくは50〜80℃、より好ましく
は50〜70℃で、圧力は通常1〜10気圧、好ましく
は1〜5気圧、より好ましくは1〜2気圧である。
【0044】該温度が40℃未満の場合には、撹拌に充
分な石炭スラリー濃度が得られず、また100℃を越え
る場合には、石炭の膨潤現象により石炭粒子の体積分率
が増加し、見掛けのスラリー濃度が上昇し、スラリーの
粘度が上昇すること、および溶剤が気化して石炭および
触媒の投入口が湿って投入時に閉塞するなど好ましくな
い。
分な石炭スラリー濃度が得られず、また100℃を越え
る場合には、石炭の膨潤現象により石炭粒子の体積分率
が増加し、見掛けのスラリー濃度が上昇し、スラリーの
粘度が上昇すること、および溶剤が気化して石炭および
触媒の投入口が湿って投入時に閉塞するなど好ましくな
い。
【0045】また上記圧力が1気圧未満では、圧力変動
により負圧となって空気を混入し、石炭を酸化させる可
能性があるなど好ましくなく、また、10気圧を越える
場合には、これに見合うだけの効果が得られず、安全性
の面からも好ましくない。
により負圧となって空気を混入し、石炭を酸化させる可
能性があるなど好ましくなく、また、10気圧を越える
場合には、これに見合うだけの効果が得られず、安全性
の面からも好ましくない。
【0046】次に、石炭スラリー調製槽9で得られた石
炭スラリーは、石炭スラリー調製槽9から循環ポンプ4
1により一定の速度で配管11内を搬送されながら放射
線照射装置42に送られ、一定の放射線量を照射された
後、弁43を高圧ポンプ12に石炭スラリーが流れるよ
うに開いて、高圧ポンプ12を通じて該石炭スラリーが
液化反応系に送られるか、あるいは一定の放射線量が照
射されるまで、弁43を配管44に搬送されるべく閉止
し、該配管44を通じて石炭スラリー調製槽9に戻され
循環される。該循環を繰り返すことで該石炭スラリー調
製槽9で得られた石炭スラリー全てが一定の放射線量を
照射された後、弁43を高圧ポンプ12に石炭スラリー
が流れるように開いて、高圧ポンプ12を通じて該石炭
スラリーが液化反応系に送られてもよい。
炭スラリーは、石炭スラリー調製槽9から循環ポンプ4
1により一定の速度で配管11内を搬送されながら放射
線照射装置42に送られ、一定の放射線量を照射された
後、弁43を高圧ポンプ12に石炭スラリーが流れるよ
うに開いて、高圧ポンプ12を通じて該石炭スラリーが
液化反応系に送られるか、あるいは一定の放射線量が照
射されるまで、弁43を配管44に搬送されるべく閉止
し、該配管44を通じて石炭スラリー調製槽9に戻され
循環される。該循環を繰り返すことで該石炭スラリー調
製槽9で得られた石炭スラリー全てが一定の放射線量を
照射された後、弁43を高圧ポンプ12に石炭スラリー
が流れるように開いて、高圧ポンプ12を通じて該石炭
スラリーが液化反応系に送られてもよい。
【0047】ここで放射線照射装置42において、配管
11内を流れる該石炭スラリーに照射される放射線量
は、用いる石炭種等により異なるが、通常102 〜10
10レントゲン、好ましくは104 〜108 、より好まし
くは105 〜107 の範囲である。該放射線量が102
レントゲン未満である場合には、十分な石炭性状の変化
を行うことができず、該石炭スラリーを用いて液化反応
を行っても、目的とする液状油収率を増加することがで
きず、また放射線量が1010レントゲンを越える場合に
は、石炭性状を変える上では特に問題がないが、放射線
装置が大型化もしくは放射線照射に長時間を要するな
ど、装置もしくは放射線照射工程にコストが掛かり、ま
た安全性の面からも好ましくない。
11内を流れる該石炭スラリーに照射される放射線量
は、用いる石炭種等により異なるが、通常102 〜10
10レントゲン、好ましくは104 〜108 、より好まし
くは105 〜107 の範囲である。該放射線量が102
レントゲン未満である場合には、十分な石炭性状の変化
を行うことができず、該石炭スラリーを用いて液化反応
を行っても、目的とする液状油収率を増加することがで
きず、また放射線量が1010レントゲンを越える場合に
は、石炭性状を変える上では特に問題がないが、放射線
装置が大型化もしくは放射線照射に長時間を要するな
ど、装置もしくは放射線照射工程にコストが掛かり、ま
た安全性の面からも好ましくない。
【0048】また上記放射線照射装置42における放射
線の照射時の温度は、上述の石炭スラリー調製槽9と同
じ温度条件とすることが好ましい。これは、放射線源が
高温により溶融する等の危険性を防止する観点ならびに
該温度条件を変化させると該放射線の照射時に余分の装
置を要するため好ましくない。同様に放射線の照射時の
圧力も、循環ポンプにより加圧される圧力分だけ石炭ス
ラリー調製槽9圧力よりも若干加圧状態となる以外は、
上述の石炭スラリー調製槽9と同じ圧力条件とすること
が好ましい。これは配管11が破裂などした場合に高圧
スラリーが放射線源に危害を与える等の危険性を防止す
る観点ならびに該条件を変化させると該放射線の照射時
に余分の装置を要するため好ましくない。
線の照射時の温度は、上述の石炭スラリー調製槽9と同
じ温度条件とすることが好ましい。これは、放射線源が
高温により溶融する等の危険性を防止する観点ならびに
該温度条件を変化させると該放射線の照射時に余分の装
置を要するため好ましくない。同様に放射線の照射時の
圧力も、循環ポンプにより加圧される圧力分だけ石炭ス
ラリー調製槽9圧力よりも若干加圧状態となる以外は、
上述の石炭スラリー調製槽9と同じ圧力条件とすること
が好ましい。これは配管11が破裂などした場合に高圧
スラリーが放射線源に危害を与える等の危険性を防止す
る観点ならびに該条件を変化させると該放射線の照射時
に余分の装置を要するため好ましくない。
【0049】さらに、上記放射線としては、コバルト6
0等を線源として得られるγ線、β線、電子線またはX
線などの比較的高エネルギーな放射線を利用することが
できる。さらに該線源には原子炉の運転や核燃料再処理
等により生じる放射性廃棄物等も有効利用することがで
きる。
0等を線源として得られるγ線、β線、電子線またはX
線などの比較的高エネルギーな放射線を利用することが
できる。さらに該線源には原子炉の運転や核燃料再処理
等により生じる放射性廃棄物等も有効利用することがで
きる。
【0050】また、本発明に用いられる放射線照射装置
42としては、特に限定されるものでなく、既存の放射
線装置が利用でき、例えば、配管11の周囲に同心円状
に鉛で遮蔽され、外部には放射線が漏れない円筒型の固
定装置を設け、該円筒型の固定装置の内周部にのみβ線
など特定な放射線のみ透過する窓を設けて該固定装置に
コバルト60等の線源を装填し、被照射物である石炭ス
ラリーを該配管11内を通すことで、該石炭スラリーに
一定量の放射線量を照射することができ、一度の照射で
は所定の放射線量を照射できない場合に限り該石炭スラ
リーを循環するものである。なお、上記構造の装置の場
合には、該放射線が照射される配管11の部分の材質は
長時間放射線の照射を受けることで熱を帯びないよう冷
却することが望ましい。また、好ましくは、該該固定装
置全体を水槽中に置くものである。これにより水中に放
射線源を置くこととなり、水を冷却剤および減速剤等に
用いることができ好ましいからである。なお本発明に用
いられる放射線照射装置42は、上記構成の装置に制限
されるものでなく、あらゆる放射源を利用する既存の放
射線装置が利用できることは言うまでもない。
42としては、特に限定されるものでなく、既存の放射
線装置が利用でき、例えば、配管11の周囲に同心円状
に鉛で遮蔽され、外部には放射線が漏れない円筒型の固
定装置を設け、該円筒型の固定装置の内周部にのみβ線
など特定な放射線のみ透過する窓を設けて該固定装置に
コバルト60等の線源を装填し、被照射物である石炭ス
ラリーを該配管11内を通すことで、該石炭スラリーに
一定量の放射線量を照射することができ、一度の照射で
は所定の放射線量を照射できない場合に限り該石炭スラ
リーを循環するものである。なお、上記構造の装置の場
合には、該放射線が照射される配管11の部分の材質は
長時間放射線の照射を受けることで熱を帯びないよう冷
却することが望ましい。また、好ましくは、該該固定装
置全体を水槽中に置くものである。これにより水中に放
射線源を置くこととなり、水を冷却剤および減速剤等に
用いることができ好ましいからである。なお本発明に用
いられる放射線照射装置42は、上記構成の装置に制限
されるものでなく、あらゆる放射源を利用する既存の放
射線装置が利用できることは言うまでもない。
【0051】次に、上記照射線照射された石炭スラリー
は、高圧ポンプ12で一定の圧力に昇圧され、系内に装
入される。その際、水素貯蔵槽13の水素をコンプレッ
サーなどにより昇圧し、同じ圧力の高圧還元性ガスを系
内に供給して還元性ガス雰囲気とする。さらに加熱器1
6により一定の温度に加熱された後、石炭液化反応塔1
0に一定のスラリー装入速度で装入され、還元性ガス雰
囲気下で該水素ガスと反応させて水素化分解させるもの
である。
は、高圧ポンプ12で一定の圧力に昇圧され、系内に装
入される。その際、水素貯蔵槽13の水素をコンプレッ
サーなどにより昇圧し、同じ圧力の高圧還元性ガスを系
内に供給して還元性ガス雰囲気とする。さらに加熱器1
6により一定の温度に加熱された後、石炭液化反応塔1
0に一定のスラリー装入速度で装入され、還元性ガス雰
囲気下で該水素ガスと反応させて水素化分解させるもの
である。
【0052】ここで、高圧ポンプ12による昇圧は、通
常100〜200気圧、好ましくは130〜190気
圧、より好ましくは160〜180気圧である。該高圧
ポンプ12としては、例えば、プランジャータイプのス
ラリーポンプを用いることができ、該プランジャーによ
ってスラリーが吸引および圧縮され、ピストンフローと
なって石炭液化反応塔10に供給されるものである。
常100〜200気圧、好ましくは130〜190気
圧、より好ましくは160〜180気圧である。該高圧
ポンプ12としては、例えば、プランジャータイプのス
ラリーポンプを用いることができ、該プランジャーによ
ってスラリーが吸引および圧縮され、ピストンフローと
なって石炭液化反応塔10に供給されるものである。
【0053】また、上記石炭スラリーに供給される高圧
還元性ガスは、上記石炭スラリーの圧力と同じガス圧力
となるように調整して供給されるものである。該還元性
ガスとしては、水素ガスおよび水素ガスに本発明の液化
反応後に回収されるリサイクル水素ガスを混合したもの
(この場合、水素ガス純度80%以上で可)を用いるこ
とができる。
還元性ガスは、上記石炭スラリーの圧力と同じガス圧力
となるように調整して供給されるものである。該還元性
ガスとしては、水素ガスおよび水素ガスに本発明の液化
反応後に回収されるリサイクル水素ガスを混合したもの
(この場合、水素ガス純度80%以上で可)を用いるこ
とができる。
【0054】さらに上記加熱器16としては、特に限定
されるものでなく、誘導式ヘリカルコイル等を用いるこ
とができる。該加熱器16により、石炭スラリーは、通
常350〜450℃、好ましくは380〜430℃、よ
り好ましくは、390〜410℃に加熱される。該加熱
温度が350℃未満の場合には、石炭液化反応塔10に
装入後、水素化分解に適した温度に達するまで時間を要
するため好ましくなく、450℃を越える場合には、配
管11内で水素化分解を生じ、配管11に損傷を招く恐
れがあるため好ましくない。
されるものでなく、誘導式ヘリカルコイル等を用いるこ
とができる。該加熱器16により、石炭スラリーは、通
常350〜450℃、好ましくは380〜430℃、よ
り好ましくは、390〜410℃に加熱される。該加熱
温度が350℃未満の場合には、石炭液化反応塔10に
装入後、水素化分解に適した温度に達するまで時間を要
するため好ましくなく、450℃を越える場合には、配
管11内で水素化分解を生じ、配管11に損傷を招く恐
れがあるため好ましくない。
【0055】また、石炭液化反応塔10での、反応温度
は、通常400〜500℃、好ましくは400〜460
℃、より好ましくは440〜460℃であり、また圧力
は、上述の高圧ポンプ12による昇圧により得られた圧
力と同じであり、反応時間(反応塔滞留時間)は、通常
40〜80分、好ましくは50〜70分、より好ましく
は50〜60分(またはスラリー装入速度が、100〜
130kg/hr、好ましくは100〜120kg/h
r、より好ましくは100〜110kg/hr)であ
る。かかる分解反応条件によって、原料石炭の液化反応
が進行するものである。上記反応温度が400℃未満で
は、石炭液化反応が不十分となり未反応の石炭スラリー
が多くなり液化油の収率が低下し、また500℃を越え
る場合には、水素化反応により生成した液化油がさらに
分解を受け、主にガス化が進行するなど液化油の収率が
低下するため好ましくない。また、ガス圧力が、100
気圧未満では、水素分圧の低下により石炭液化反応が不
十分となり液化油の収率が低下し、また、圧力が200
気圧を越える場合には、液化油がさらに分解しやすくな
り、かつ設備費が高くなって経済的に好ましくない。さ
らに反応時間(反応塔滞留時間)が、40分未満の場合
には石炭液化反応が不十分となり液化油の収率が低下
し、80分を越える場合には、生成した液化油がさらに
分解を受けてガス化するなど液化油の収率が低下し、あ
るいはむだな設備費がかかるため好ましくない。
は、通常400〜500℃、好ましくは400〜460
℃、より好ましくは440〜460℃であり、また圧力
は、上述の高圧ポンプ12による昇圧により得られた圧
力と同じであり、反応時間(反応塔滞留時間)は、通常
40〜80分、好ましくは50〜70分、より好ましく
は50〜60分(またはスラリー装入速度が、100〜
130kg/hr、好ましくは100〜120kg/h
r、より好ましくは100〜110kg/hr)であ
る。かかる分解反応条件によって、原料石炭の液化反応
が進行するものである。上記反応温度が400℃未満で
は、石炭液化反応が不十分となり未反応の石炭スラリー
が多くなり液化油の収率が低下し、また500℃を越え
る場合には、水素化反応により生成した液化油がさらに
分解を受け、主にガス化が進行するなど液化油の収率が
低下するため好ましくない。また、ガス圧力が、100
気圧未満では、水素分圧の低下により石炭液化反応が不
十分となり液化油の収率が低下し、また、圧力が200
気圧を越える場合には、液化油がさらに分解しやすくな
り、かつ設備費が高くなって経済的に好ましくない。さ
らに反応時間(反応塔滞留時間)が、40分未満の場合
には石炭液化反応が不十分となり液化油の収率が低下
し、80分を越える場合には、生成した液化油がさらに
分解を受けてガス化するなど液化油の収率が低下し、あ
るいはむだな設備費がかかるため好ましくない。
【0056】また、本発明では、触媒を図1に示すよう
に原料石炭、溶剤を混合した石炭スラリーに添加し、混
合した石炭スラリーの状態で、石炭液化反応塔10に供
給して石炭液化反応させる代わりに、原料石炭、溶剤を
混合した石炭スラリーとは別に直接石炭液化反応塔10
に供給して石炭液化反応させることもできる。この場合
の添加条件や反応条件等については、上述の触媒を石炭
スラリーの状態で石炭液化反応塔10に供給する場合と
同様に設定することができる。
に原料石炭、溶剤を混合した石炭スラリーに添加し、混
合した石炭スラリーの状態で、石炭液化反応塔10に供
給して石炭液化反応させる代わりに、原料石炭、溶剤を
混合した石炭スラリーとは別に直接石炭液化反応塔10
に供給して石炭液化反応させることもできる。この場合
の添加条件や反応条件等については、上述の触媒を石炭
スラリーの状態で石炭液化反応塔10に供給する場合と
同様に設定することができる。
【0057】続いて、上記石炭液化反応により得られた
生成物は、従来法と同様にして、配管18を通じて高温
分離器17送られ、該高温分離器17において生成ガス
(高圧ガスを含む)、水および軽中質油(通常C5 〜2
60℃未満の沸点留分)からなる成分と重質油(通常2
60℃以上の沸点留分)および残渣からなる成分とに分
離される。このうち生成ガス、水および軽中質油からな
る成分は、配管21を通じ、減圧弁を経て常圧蒸留塔1
9に送られ、生成ガス、水および軽中質油成分に分離さ
れ生成ガス捕集器23、軽中質油捕集器24および水捕
集器25に分離捕集される。
生成物は、従来法と同様にして、配管18を通じて高温
分離器17送られ、該高温分離器17において生成ガス
(高圧ガスを含む)、水および軽中質油(通常C5 〜2
60℃未満の沸点留分)からなる成分と重質油(通常2
60℃以上の沸点留分)および残渣からなる成分とに分
離される。このうち生成ガス、水および軽中質油からな
る成分は、配管21を通じ、減圧弁を経て常圧蒸留塔1
9に送られ、生成ガス、水および軽中質油成分に分離さ
れ生成ガス捕集器23、軽中質油捕集器24および水捕
集器25に分離捕集される。
【0058】ここで、生成ガスと共に回収される還元性
ガスは、さらに分離精製した後、リサイクル使用するこ
とができる。
ガスは、さらに分離精製した後、リサイクル使用するこ
とができる。
【0059】さらに上記軽中質成分は必要に応じて軽質
油(通常C5 〜220℃未満の沸点留分)と中質油(通
常220〜260℃未満の沸点留分)に通常用いられて
いる蒸留操作により分離され、それぞれ所定の製品油と
して回収することができる。
油(通常C5 〜220℃未満の沸点留分)と中質油(通
常220〜260℃未満の沸点留分)に通常用いられて
いる蒸留操作により分離され、それぞれ所定の製品油と
して回収することができる。
【0060】一方、上記重質油および残渣からなる成分
は、配管22を通じ、減圧弁を経て減圧蒸留塔20に送
られ、該減圧蒸留塔20で減圧蒸留(10〜80tor
rまで減圧)され、538℃以上の沸点留分のものは液
化残渣として配管31を通じて残渣捕集器29に排出さ
れ除去される。
は、配管22を通じ、減圧弁を経て減圧蒸留塔20に送
られ、該減圧蒸留塔20で減圧蒸留(10〜80tor
rまで減圧)され、538℃以上の沸点留分のものは液
化残渣として配管31を通じて残渣捕集器29に排出さ
れ除去される。
【0061】他方、260〜538℃未満の沸点留分の
重質油は、一旦常圧に戻した後、配管32経路上に設け
られた高圧ポンプ(図示せず)および加熱器(図示せ
ず)により高温高圧下に保持され、アルミナ担体にNi
−Mo触媒またはCo−Mo触媒などを担持させたもの
を充填した固定床の水素化反応塔30に送られ、水素雰
囲気下、通常270〜380℃、80〜120気圧で該
水素化反応塔30で通常LHSVが1〜2時間、水素ガ
スと反応させて水素化反応を行うことにより水素供与性
を高めてなるテトラリンなどの成分からなる水素化溶剤
を生成することができる。得られた該溶剤は、配管33
を通じて溶剤貯蔵槽3に戻すことにより石炭液化用溶剤
として循環使用されるものである。
重質油は、一旦常圧に戻した後、配管32経路上に設け
られた高圧ポンプ(図示せず)および加熱器(図示せ
ず)により高温高圧下に保持され、アルミナ担体にNi
−Mo触媒またはCo−Mo触媒などを担持させたもの
を充填した固定床の水素化反応塔30に送られ、水素雰
囲気下、通常270〜380℃、80〜120気圧で該
水素化反応塔30で通常LHSVが1〜2時間、水素ガ
スと反応させて水素化反応を行うことにより水素供与性
を高めてなるテトラリンなどの成分からなる水素化溶剤
を生成することができる。得られた該溶剤は、配管33
を通じて溶剤貯蔵槽3に戻すことにより石炭液化用溶剤
として循環使用されるものである。
【0062】
【実施例】以下、本発明の実施例について述べる。
【0063】実施例1 図1に示す本発明に係る石炭液化方法に用いられる石炭
液化装置1を用いて、石炭液化反応を行った。
液化装置1を用いて、石炭液化反応を行った。
【0064】本実施例1では、ロッドミル粉砕機を用い
て瀝青炭を150μm以下の粒度(収率80%)に粉砕
した3種類(A炭、B炭およびC炭、各石炭種の性状を
表1に示す)の原料石炭を10tずつ用いて、それぞれ
石炭液化を行った。いずれの液化反応も、まず石炭貯蔵
槽2の上記原料石炭が配管5を通じて、また溶剤貯蔵槽
3の石炭系溶剤(テトラリンを含む)が配管6を通じ
て、さらに触媒貯蔵槽4より16μm以下の収率が90
%の合成硫化鉄触媒の粒子が配管7を通じて石炭スラリ
ー調製槽9(槽内;還元性ガス雰囲気、60℃、1気
圧)に送られ、攪拌機8により混合され、石炭スラリー
濃度が前記原料石炭の乾燥重量に対する前記溶剤の重量
比(溶剤/原料石炭)1.5で、石炭スラリーへの触媒
の添加量が、前記原料石炭粒子の乾燥重量に対して3重
量%とする石炭スラリーを作製した。
て瀝青炭を150μm以下の粒度(収率80%)に粉砕
した3種類(A炭、B炭およびC炭、各石炭種の性状を
表1に示す)の原料石炭を10tずつ用いて、それぞれ
石炭液化を行った。いずれの液化反応も、まず石炭貯蔵
槽2の上記原料石炭が配管5を通じて、また溶剤貯蔵槽
3の石炭系溶剤(テトラリンを含む)が配管6を通じ
て、さらに触媒貯蔵槽4より16μm以下の収率が90
%の合成硫化鉄触媒の粒子が配管7を通じて石炭スラリ
ー調製槽9(槽内;還元性ガス雰囲気、60℃、1気
圧)に送られ、攪拌機8により混合され、石炭スラリー
濃度が前記原料石炭の乾燥重量に対する前記溶剤の重量
比(溶剤/原料石炭)1.5で、石炭スラリーへの触媒
の添加量が、前記原料石炭粒子の乾燥重量に対して3重
量%とする石炭スラリーを作製した。
【0065】続いて、石炭スラリー調製槽9で得られた
石炭スラリーは、石炭スラリー調製槽9から循環ポンプ
41により一定の速度で配管11内を搬送されながら放
射線照射装置42(装置内;常温、1気圧、配管11
内;60℃、1.5気圧)に送られ、該石炭スラリーに
106 レントゲンの放射線量が照射されるまで、弁43
を閉止して配管44を通じて石炭スラリー調製槽9に戻
され循環された(なお、下記放射線装置を用いたため3
0〜40回、石炭スラリーを循環させることで所定の放
射線量を照射できた)。該循環を繰り返すことで該石炭
スラリー調製槽9で得られた石炭スラリー全てが106
レントゲンの放射線量を照射された時点で、放射線の照
射を停止し、該弁43を高圧ポンプ12に石炭スラリー
が流れるように開いて、高圧ポンプ12を通じて石炭ス
ラリーを液化反応系に送った。
石炭スラリーは、石炭スラリー調製槽9から循環ポンプ
41により一定の速度で配管11内を搬送されながら放
射線照射装置42(装置内;常温、1気圧、配管11
内;60℃、1.5気圧)に送られ、該石炭スラリーに
106 レントゲンの放射線量が照射されるまで、弁43
を閉止して配管44を通じて石炭スラリー調製槽9に戻
され循環された(なお、下記放射線装置を用いたため3
0〜40回、石炭スラリーを循環させることで所定の放
射線量を照射できた)。該循環を繰り返すことで該石炭
スラリー調製槽9で得られた石炭スラリー全てが106
レントゲンの放射線量を照射された時点で、放射線の照
射を停止し、該弁43を高圧ポンプ12に石炭スラリー
が流れるように開いて、高圧ポンプ12を通じて石炭ス
ラリーを液化反応系に送った。
【0066】なお、本実施例の放射線照射装置42に
は、配管11の周囲に同心円状に鉛で遮蔽され、外部に
は放射線が漏れない円筒型の固定装置を設け、該円筒型
の固定装置の内周部にのみγ線のみ透過する窓を設けて
該固定装置にコバルト60の線源を装填し、被照射物で
ある石炭スラリーを該配管11内に通すことで、該石炭
スラリーに1010レントゲンの放射線量を照射すること
ができる装置を用いた。
は、配管11の周囲に同心円状に鉛で遮蔽され、外部に
は放射線が漏れない円筒型の固定装置を設け、該円筒型
の固定装置の内周部にのみγ線のみ透過する窓を設けて
該固定装置にコバルト60の線源を装填し、被照射物で
ある石炭スラリーを該配管11内に通すことで、該石炭
スラリーに1010レントゲンの放射線量を照射すること
ができる装置を用いた。
【0067】次に、上記石炭スラリーは、上記切換弁4
3を切り替えて、プランジャータイプのスラリーポンプ
である高圧ポンプ12に送られ、該高圧ポンプ12のプ
ランジャーによって石炭スラリーは吸引および圧縮され
て170気圧まで昇圧されピストンフローとなって石炭
液化反応塔10に供給される。その際、水素貯蔵槽13
の水素をコンプレッサーにより170気圧の高圧水素ガ
ス(水素ガス純度99%以上)とし、これを系内に供給
して、水素雰囲気にする。さらに加熱器16により40
0℃まで加熱された後、石炭液化反応塔10(塔内;4
50℃、170気圧)に水素雰囲気下で、スラリー装入
速度100〜110kg/hr(反応塔滞留時間60
分)として装入され、該水素雰囲気ガスと反応させて水
素化分解を行った。
3を切り替えて、プランジャータイプのスラリーポンプ
である高圧ポンプ12に送られ、該高圧ポンプ12のプ
ランジャーによって石炭スラリーは吸引および圧縮され
て170気圧まで昇圧されピストンフローとなって石炭
液化反応塔10に供給される。その際、水素貯蔵槽13
の水素をコンプレッサーにより170気圧の高圧水素ガ
ス(水素ガス純度99%以上)とし、これを系内に供給
して、水素雰囲気にする。さらに加熱器16により40
0℃まで加熱された後、石炭液化反応塔10(塔内;4
50℃、170気圧)に水素雰囲気下で、スラリー装入
速度100〜110kg/hr(反応塔滞留時間60
分)として装入され、該水素雰囲気ガスと反応させて水
素化分解を行った。
【0068】続いて、上記石炭液化反応により得られた
生成物は、配管18を通じて高温分離器17に送られ、
該高温分離器17において生成ガス、水および軽中質油
(C5 〜260℃未満の沸点留分)からなる成分と重質
油および残渣からなる成分とに分離された。このうち生
成ガス、水および軽中質油からなる成分は、配管21を
通じて減圧した後、常圧蒸留塔19に送られ、生成ガ
ス、水および軽中質油(液化油)成分に分離され生成ガ
ス捕集器23、軽中質油捕集器24および水捕集器25
に分離捕集された。ここで、生成ガスと共に回収される
含水素ガスは、さらに分離精製した後、リサイクル水素
ガスとして循環使用した。
生成物は、配管18を通じて高温分離器17に送られ、
該高温分離器17において生成ガス、水および軽中質油
(C5 〜260℃未満の沸点留分)からなる成分と重質
油および残渣からなる成分とに分離された。このうち生
成ガス、水および軽中質油からなる成分は、配管21を
通じて減圧した後、常圧蒸留塔19に送られ、生成ガ
ス、水および軽中質油(液化油)成分に分離され生成ガ
ス捕集器23、軽中質油捕集器24および水捕集器25
に分離捕集された。ここで、生成ガスと共に回収される
含水素ガスは、さらに分離精製した後、リサイクル水素
ガスとして循環使用した。
【0069】一方、重質油(260℃以上の沸点留分)
および残渣からなる成分は、配管22を通じて減圧した
後、減圧蒸留塔20に送られ、該減圧蒸留塔20で減圧
蒸留(10〜50torrまで減圧)され、538℃以
上の沸点留分のものは液化残渣として配管31を通じて
残渣捕集器29に排出され除去された。
および残渣からなる成分は、配管22を通じて減圧した
後、減圧蒸留塔20に送られ、該減圧蒸留塔20で減圧
蒸留(10〜50torrまで減圧)され、538℃以
上の沸点留分のものは液化残渣として配管31を通じて
残渣捕集器29に排出され除去された。
【0070】他方、260〜538℃未満の沸点留分の
重質油は、一旦常圧に戻した後、配管32経路上に設け
られた高圧ポンプ(図示せず)および加熱器(図示せ
ず)により高温高圧下に保持され、Ni−Mo触媒を充
填した固定床の水素化反応塔30に送られ、水素雰囲気
下、通常300〜380℃で80〜120気圧下で該水
素化反応塔30中でLHSVが1時間、水素ガスと反応
させて水素化反応を行うことにより水素供与性を高めて
なるテトラリンなどを含む成分からなる石炭系溶剤を生
成した。得られた該溶剤は、配管33を通じて溶剤貯蔵
槽3に戻すことにより石炭液化用溶剤として循環使用し
た。
重質油は、一旦常圧に戻した後、配管32経路上に設け
られた高圧ポンプ(図示せず)および加熱器(図示せ
ず)により高温高圧下に保持され、Ni−Mo触媒を充
填した固定床の水素化反応塔30に送られ、水素雰囲気
下、通常300〜380℃で80〜120気圧下で該水
素化反応塔30中でLHSVが1時間、水素ガスと反応
させて水素化反応を行うことにより水素供与性を高めて
なるテトラリンなどを含む成分からなる石炭系溶剤を生
成した。得られた該溶剤は、配管33を通じて溶剤貯蔵
槽3に戻すことにより石炭液化用溶剤として循環使用し
た。
【0071】以上、3種類(A炭、B炭およびC炭)の
原料石炭を10tずつ用いて、それぞれ石炭液化を行
い、得られた液化油(軽中質油)の収率をそれぞれ算出
した。得られた結果より図3に各石炭種に対する液化油
収率を表すグラフを示す。
原料石炭を10tずつ用いて、それぞれ石炭液化を行
い、得られた液化油(軽中質油)の収率をそれぞれ算出
した。得られた結果より図3に各石炭種に対する液化油
収率を表すグラフを示す。
【0072】比較例1 図2に示す従来の石炭液化方法に用いられる石炭液化装
置51を用いて、石炭液化反応を行った。
置51を用いて、石炭液化反応を行った。
【0073】本比較例1では、ロッドミル粉砕機を用い
て瀝青炭を150μm以下の粒度(収率80%)に粉砕
した3種類(A炭、B炭およびC炭、各石炭種の性状を
表1に示す)の原料石炭を10tずつ用いて、それぞれ
石炭液化を行った。いずれの液化反応も、まず石炭貯蔵
槽2の上記原料石炭が配管5を通じて、また溶剤貯蔵槽
3の石炭系溶剤(テトラリンを含む)が配管6を通じ
て、さらに触媒貯蔵槽4より16μm以下の収率が90
%の合成硫化鉄触媒の粒子が配管7を通じて石炭スラリ
ー調製槽9(槽内;還元性雰囲気、60℃、1気圧)に
送られ、攪拌機8により混合され、石炭スラリー濃度が
前記原料石炭の乾燥重量に対する前記溶剤の重量比(溶
剤/原料石炭)1.5で、石炭スラリーへの触媒の添加
量が、前記原料石炭粒子の乾燥重量に対して3重量%と
する石炭スラリーを作製した。
て瀝青炭を150μm以下の粒度(収率80%)に粉砕
した3種類(A炭、B炭およびC炭、各石炭種の性状を
表1に示す)の原料石炭を10tずつ用いて、それぞれ
石炭液化を行った。いずれの液化反応も、まず石炭貯蔵
槽2の上記原料石炭が配管5を通じて、また溶剤貯蔵槽
3の石炭系溶剤(テトラリンを含む)が配管6を通じ
て、さらに触媒貯蔵槽4より16μm以下の収率が90
%の合成硫化鉄触媒の粒子が配管7を通じて石炭スラリ
ー調製槽9(槽内;還元性雰囲気、60℃、1気圧)に
送られ、攪拌機8により混合され、石炭スラリー濃度が
前記原料石炭の乾燥重量に対する前記溶剤の重量比(溶
剤/原料石炭)1.5で、石炭スラリーへの触媒の添加
量が、前記原料石炭粒子の乾燥重量に対して3重量%と
する石炭スラリーを作製した。
【0074】次に、上記石炭スラリーは、プランジャー
タイプのスラリーポンプである高圧ポンプ12に送ら
れ、該高圧ポンプ12のプランジャーによって該石炭ス
ラリーは吸引および圧縮されて170気圧まで昇圧さ
れ、ピストンフローとなって石炭液化反応塔10に供給
される。その際、水素貯蔵槽13の水素をコンプレッサ
ーにより170気圧の高圧水素ガス(水素ガス純度99
%以上)とし、これを系内に供給して、水素雰囲気にす
る。さらに加熱器16により400℃まで加熱された
後、石炭液化反応塔10(塔内;450℃、170気
圧)に水素雰囲気下で、スラリー装入速度100〜11
0kg/hr(反応塔滞留時間60分)として装入さ
れ、該水素ガスと反応させて水素化分解を行った。
タイプのスラリーポンプである高圧ポンプ12に送ら
れ、該高圧ポンプ12のプランジャーによって該石炭ス
ラリーは吸引および圧縮されて170気圧まで昇圧さ
れ、ピストンフローとなって石炭液化反応塔10に供給
される。その際、水素貯蔵槽13の水素をコンプレッサ
ーにより170気圧の高圧水素ガス(水素ガス純度99
%以上)とし、これを系内に供給して、水素雰囲気にす
る。さらに加熱器16により400℃まで加熱された
後、石炭液化反応塔10(塔内;450℃、170気
圧)に水素雰囲気下で、スラリー装入速度100〜11
0kg/hr(反応塔滞留時間60分)として装入さ
れ、該水素ガスと反応させて水素化分解を行った。
【0075】続いて、上記石炭液化反応により得られた
生成物は、配管18を通じて高温分離器17に送られ、
該高温分離器17において生成ガス、水および軽中質油
(C5 〜260℃未満の沸点留分)からなる成分と重質
油および残渣からなる成分とに分離された。このうち生
成ガス、水および軽中質油からなる成分は、配管21を
通じ、減圧した後に常圧蒸留塔19に送られ、生成ガ
ス、水および軽中質油(液化油)成分に分離され生成ガ
ス捕集器23、軽中質油捕集器24および水捕集器25
に分離捕集された。ここで、生成ガスと共に回収される
含水素ガスは、さらに分離精製した後、リサイクル水素
ガスとして循環使用した。
生成物は、配管18を通じて高温分離器17に送られ、
該高温分離器17において生成ガス、水および軽中質油
(C5 〜260℃未満の沸点留分)からなる成分と重質
油および残渣からなる成分とに分離された。このうち生
成ガス、水および軽中質油からなる成分は、配管21を
通じ、減圧した後に常圧蒸留塔19に送られ、生成ガ
ス、水および軽中質油(液化油)成分に分離され生成ガ
ス捕集器23、軽中質油捕集器24および水捕集器25
に分離捕集された。ここで、生成ガスと共に回収される
含水素ガスは、さらに分離精製した後、リサイクル水素
ガスとして循環使用した。
【0076】一方、重質油(260℃以上の沸点留分)
および残渣からなる成分は、減圧した後、配管22を通
じて減圧蒸留塔20に送られ、該減圧蒸留塔20で減圧
蒸留(10〜50torrまで減圧)され、538℃以
上の沸点留分のものは液化残渣として配管31を通じて
残渣捕集器29に排出され除去された。
および残渣からなる成分は、減圧した後、配管22を通
じて減圧蒸留塔20に送られ、該減圧蒸留塔20で減圧
蒸留(10〜50torrまで減圧)され、538℃以
上の沸点留分のものは液化残渣として配管31を通じて
残渣捕集器29に排出され除去された。
【0077】他方、260〜538℃未満の沸点留分の
重質油は、一旦常圧に戻した後、配管32経路上に設け
られた高圧ポンプ(図示せず)および加熱器(図示せ
ず)により高温高圧下に保持され、Ni−Mo触媒を充
填した固定床の水素化反応塔30に送られ、水素雰囲気
下、300〜380℃、80〜120気圧で該水素化反
応塔30でLHSVが1間、水素ガスと反応させて水素
化反応を行うことにより水素供与性を高めてなるテトラ
リンなどを含む成分からなる石炭系溶剤を生成した。得
られた該溶剤は、配管33を通じて溶剤貯蔵槽3に戻す
ことにより石炭液化用溶剤として循環使用された。
重質油は、一旦常圧に戻した後、配管32経路上に設け
られた高圧ポンプ(図示せず)および加熱器(図示せ
ず)により高温高圧下に保持され、Ni−Mo触媒を充
填した固定床の水素化反応塔30に送られ、水素雰囲気
下、300〜380℃、80〜120気圧で該水素化反
応塔30でLHSVが1間、水素ガスと反応させて水素
化反応を行うことにより水素供与性を高めてなるテトラ
リンなどを含む成分からなる石炭系溶剤を生成した。得
られた該溶剤は、配管33を通じて溶剤貯蔵槽3に戻す
ことにより石炭液化用溶剤として循環使用された。
【0078】以上、3種類(A炭、B炭およびC炭)の
原料石炭を10tずつ用いて、それぞれ石炭液化を行
い、得られた液化油(軽中質油)の収率をそれぞれ算出
した。得られた結果より図3に各石炭種に対する液化油
収率を表すグラフを示す。
原料石炭を10tずつ用いて、それぞれ石炭液化を行
い、得られた液化油(軽中質油)の収率をそれぞれ算出
した。得られた結果より図3に各石炭種に対する液化油
収率を表すグラフを示す。
【0079】
【表1】
【0080】
【発明の効果】本発明の石炭液化反応では、液化反応の
事前処理として石炭スラリーに放射線を照射することに
より、石炭構造を予め緩和させることができ、その後、
液化反応での水素化分解の効率化を図ることができ、こ
れにより所望とする液化油収率をマイルドな条件(従来
に比しより低温低圧条件)でも向上させることができ、
経済性が向上する。
事前処理として石炭スラリーに放射線を照射することに
より、石炭構造を予め緩和させることができ、その後、
液化反応での水素化分解の効率化を図ることができ、こ
れにより所望とする液化油収率をマイルドな条件(従来
に比しより低温低圧条件)でも向上させることができ、
経済性が向上する。
【0081】さらに放射線照射を行う事前処理部分は、
常温常圧に近く、これに要する装置等を含めたプロセス
もシンプルにでき、実機化しやすいものとすることがで
きる。
常温常圧に近く、これに要する装置等を含めたプロセス
もシンプルにでき、実機化しやすいものとすることがで
きる。
【図1】 本発明に係る石炭液化方法に用いられる石炭
液化装置の一実施態様の構成を模式的に表わす使用状態
図である。
液化装置の一実施態様の構成を模式的に表わす使用状態
図である。
【図2】 従来技術として開示されている石炭液化方法
における石炭液化装置の一実施態様を示す概略図であ
る。
における石炭液化装置の一実施態様を示す概略図であ
る。
【図3】 各石炭種に対する液化油収率を表すグラフを
示す。
示す。
1、51…石炭液化装置、 2…石炭貯蔵槽、3
…溶剤貯蔵槽、 4…触媒貯蔵槽、5〜
7、11、14、18、21、22、26〜28、31
〜33、44…配管、8…攪拌機、
9…石炭スラリー調製槽、10…石炭液化反応塔、
12…高圧ポンプ、13…水素貯蔵槽、
15、43…自動弁、16…加熱器、
17…分離器、19…蒸留塔、
20…減圧蒸留塔、23…生成ガス捕集器、
24…軽中質油捕集器、25…水捕集器、
29…残渣捕集器、30…水素化反応塔、
41…循環ポンプ、42…放射線照射装置。
…溶剤貯蔵槽、 4…触媒貯蔵槽、5〜
7、11、14、18、21、22、26〜28、31
〜33、44…配管、8…攪拌機、
9…石炭スラリー調製槽、10…石炭液化反応塔、
12…高圧ポンプ、13…水素貯蔵槽、
15、43…自動弁、16…加熱器、
17…分離器、19…蒸留塔、
20…減圧蒸留塔、23…生成ガス捕集器、
24…軽中質油捕集器、25…水捕集器、
29…残渣捕集器、30…水素化反応塔、
41…循環ポンプ、42…放射線照射装置。
Claims (8)
- 【請求項1】 原料石炭、溶剤および触媒を混合した石
炭スラリーに放射線を照射し、その後に還元性ガス雰囲
気の高温高圧条件下で石炭液化反応させることを特徴と
する石炭液化方法。 - 【請求項2】 放射線の照射による放射線量が、102
〜1010レントゲンの範囲である請求項1に記載の石炭
液化方法。 - 【請求項3】 放射線照射時の温度が、40〜100℃
であり、圧力が1〜10気圧である請求項1または2に
記載の石炭液化方法。 - 【請求項4】 石炭スラリーを循環させながら放射線を
照射する請求項1ないし3のいずれかに記載の石炭液化
方法。 - 【請求項5】 石炭スラリーの濃度が、原料石炭の乾燥
重量に対する溶剤の重量比(溶剤/原料石炭)で1.0
〜4.0の範囲である請求項1ないし4のいずれかに記
載の石炭液化方法。 - 【請求項6】 触媒が、16μm以下の収率90%以上
の微粒子である請求項1ないし5のいずれかに記載の石
炭液化方法。 - 【請求項7】 石炭スラリーに対する触媒の配合量が、
原料石炭の乾燥重量に対して0.5〜5重量%である請
求項1ないし6のいずれかに記載の石炭液化方法。 - 【請求項8】 石炭液化反応時の高温高圧条件が、温度
400〜500℃で、圧力が100〜200気圧である
請求項1ないし7のいずれかに記載の石炭液化方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7978893A JPH06287567A (ja) | 1993-04-06 | 1993-04-06 | 石炭液化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7978893A JPH06287567A (ja) | 1993-04-06 | 1993-04-06 | 石炭液化方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06287567A true JPH06287567A (ja) | 1994-10-11 |
Family
ID=13699960
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7978893A Withdrawn JPH06287567A (ja) | 1993-04-06 | 1993-04-06 | 石炭液化方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06287567A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005232259A (ja) * | 2004-02-18 | 2005-09-02 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 親水性石炭スラリの製造方法及び装置 |
| US7303597B2 (en) * | 2002-10-15 | 2007-12-04 | Pratt & Whitney Rocketdyne, Inc. | Method and apparatus for continuously feeding and pressurizing a solid material into a high pressure system |
| US8307974B2 (en) | 2011-01-21 | 2012-11-13 | United Technologies Corporation | Load beam unit replaceable inserts for dry coal extrusion pumps |
| JP2014172772A (ja) * | 2013-03-07 | 2014-09-22 | Kobe Steel Ltd | 燃料生成システムおよび発電システム |
| US8851406B2 (en) | 2010-04-13 | 2014-10-07 | Aerojet Rocketdyne Of De, Inc. | Pump apparatus including deconsolidator |
| JP2015038212A (ja) * | 2008-10-28 | 2015-02-26 | キシレコ インコーポレイテッド | 材料の加工方法 |
| US9932974B2 (en) | 2014-06-05 | 2018-04-03 | Gas Technology Institute | Duct having oscillatory side wall |
-
1993
- 1993-04-06 JP JP7978893A patent/JPH06287567A/ja not_active Withdrawn
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7303597B2 (en) * | 2002-10-15 | 2007-12-04 | Pratt & Whitney Rocketdyne, Inc. | Method and apparatus for continuously feeding and pressurizing a solid material into a high pressure system |
| US7615198B2 (en) | 2002-10-15 | 2009-11-10 | Pratt & Whitney Rocketdyne, Inc. | Apparatus for continuously feeding and pressurizing a solid material into a high pressure system |
| US8011861B2 (en) | 2002-10-15 | 2011-09-06 | Pratt & Whitney Rocketdyne, Inc. | Method and apparatus for continuously feeding and pressurizing a solid material into a high pressure system |
| JP2005232259A (ja) * | 2004-02-18 | 2005-09-02 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 親水性石炭スラリの製造方法及び装置 |
| JP2015038212A (ja) * | 2008-10-28 | 2015-02-26 | キシレコ インコーポレイテッド | 材料の加工方法 |
| JP2016199765A (ja) * | 2008-10-28 | 2016-12-01 | キシレコ インコーポレイテッド | 材料の加工方法 |
| US10035958B2 (en) | 2008-10-28 | 2018-07-31 | Xyleco, Inc. | Processing materials |
| US8851406B2 (en) | 2010-04-13 | 2014-10-07 | Aerojet Rocketdyne Of De, Inc. | Pump apparatus including deconsolidator |
| US8307974B2 (en) | 2011-01-21 | 2012-11-13 | United Technologies Corporation | Load beam unit replaceable inserts for dry coal extrusion pumps |
| JP2014172772A (ja) * | 2013-03-07 | 2014-09-22 | Kobe Steel Ltd | 燃料生成システムおよび発電システム |
| US9932974B2 (en) | 2014-06-05 | 2018-04-03 | Gas Technology Institute | Duct having oscillatory side wall |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4234402A (en) | Sulfur removal from crude petroleum | |
| US4545879A (en) | Hydrodesulphurization of hydrocracked pitch | |
| US4148614A (en) | Process for removing sulfur from coal | |
| US4123230A (en) | Sulfur removal from coal | |
| EP1783194B1 (en) | A process for direct liquefaction of coal | |
| KR101409602B1 (ko) | 고활성 슬러리 촉매 조성물을 사용하여 중유를 개량하는방법 | |
| KR20110085838A (ko) | 수소전환공정을 위한 첨가물과 이의 제조방법 및 사용방법 | |
| US3813329A (en) | Solvent extraction of coal utilizing a heteropoly acid catalyst | |
| JPH0611403B2 (ja) | 水素化触媒の製造方法及びそれを用いる水素化変換方法 | |
| CN109082302B (zh) | 一种劣质/重质油浆态床温和加氢生产馏分油的方法 | |
| JPH06287567A (ja) | 石炭液化方法 | |
| CN107794073B (zh) | 煤的液化方法及其系统 | |
| Mo et al. | Direct liquefaction performance of sub-bituminous coal from Hefeng by solid super acids and pyrolysis kinetic analysis of the corresponding residue | |
| US5096569A (en) | Catalytic hydropyrolysis of carbonaceous material with char recycle | |
| JP3715729B2 (ja) | 石炭の液化方法 | |
| US4326945A (en) | Coal liquefaction process | |
| JP2014139268A (ja) | 石炭液化システム、重質油軽質化システム及び低品位石炭改質システム | |
| RU2852546C1 (ru) | Способ каталитической переработки угля в смеси с тяжелыми углеводородными фракциями | |
| JP3277202B2 (ja) | 石炭の液化方法 | |
| JPH06287570A (ja) | 石炭液化方法 | |
| JPS5889688A (ja) | 石炭の液化方法 | |
| JPH06287569A (ja) | 石炭液化方法 | |
| JP2933482B2 (ja) | 石炭の液化方法およびその装置 | |
| JPH05320664A (ja) | 石炭液化方法 | |
| Badger et al. | Coal liquefaction with solvent augmentation by heavy oil residues in presence of disposable iron catalyst |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000704 |