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JP7738831B1 - セルフライティング機能を有する船舶 - Google Patents

セルフライティング機能を有する船舶

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JP7738831B1
JP7738831B1 JP2025075561A JP2025075561A JP7738831B1 JP 7738831 B1 JP7738831 B1 JP 7738831B1 JP 2025075561 A JP2025075561 A JP 2025075561A JP 2025075561 A JP2025075561 A JP 2025075561A JP 7738831 B1 JP7738831 B1 JP 7738831B1
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亮浩 金井
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Oceanic Constellations
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Abstract

【課題】本発明によれば、船舶が反転した場合に、より確実に又はより短時間に反転状態から自動復元させることができる。
【解決手段】本発明は、水上を航行する船舶であって、前記船舶の船体が水面上で停泊又は定速航行しているときに水面と前記船体の外板の交線を含む面を喫水面とし、前記船舶の直進進行時の進行方向に形成される第一の直線上のいずれかの位置における前記第一の直線と垂直な面と前記船体の外板の交線で囲われる断面を鉛直断面とした場合に、前記第一の直線上の少なくともいずれかの位置における前記鉛直断面の形状が、前記喫水面と前記鉛直断面の交線の中点を通る鉛直線を基準として、左右非対称の形状となる、船舶である。
【選択図】図5

Description

本発明は、船舶の船体構造に関し、特に、セルフライティング機能を有する船舶の船体構造に関する。
近年、海洋データの収集、海上や海中エリアへの通信環境の提供、不審船等の探索、洋上インフラ等の点検など、様々な用途に比較的小型の無人船舶(以下、「無人艇」とも言う)などを利用することが検討されている。
特許文献1には、船尾近くに自動復元構造を備えたトリマランの船体構造が開示されている。特に、トリマランが反転した際に、船体が自動復元構造と主船体の隅に支えられて、船体の重心が大幅に上昇し、船体の縦軸を中心に回転して安定した通常姿勢に復元することができる船体構造が開示されている。
米国特許第11655008号
上記した無人船舶などを運行させる海洋エリアは、高波や強風などを含む気象や海象の影響またはその他の原因により無人船舶が反転してしまう場合がある。このように船舶が反転してしまった状態では、無人船舶を任意の位置に航行させることができず、または無人船舶に搭載したセンサ等による情報収集などの動作を実行することができない。そのため、無人船舶が反転した場合に、より確実にまたより迅速に自動復元(「セルフライティング」とも言う)することが求められる。
特許文献1には、船尾上部に設けられた自動復元構造により、通常姿勢に戻りやすい船体構造が開示されているものの、体積の大きな自動復元構造(浮体)を甲板上部に設ける必要があるため、風のなどの外乱の影響を受けやすくなり、無人船舶の動力性能が低下するという問題がある。また、体積の大きな自動復元構造(浮体)を甲板上部に設ける必要があるため、無人船舶の運搬が困難になり、保管に必要なスペースが大きくなるという問題がある。更には、甲板上部に設けた体積の大きな自動復元構造(浮体)の重量分と、自動復元構造(浮体)と船体の接合部の重量分が、船体全体の重量に追加されるため、船体重量が増加するという問題がある。
そこで、本発明は、上記した少なくともいずれかの問題を考慮してなされたものであり、船舶が反転した場合に、より確実に又はより短時間に反転状態から自動復元させることができる船舶を提供することを一つの目的とする。
本発明によれば、水上を航行する船舶であって、前記船舶の船体が水面上で停泊又は定速航行しているときに水面と前記船体の外板の交線を含む面を喫水面とし、前記船舶の直進進行時の進行方向に形成される第一の直線上のいずれかの位置における前記第一の直線と垂直な面と前記船体の外板の交線で囲われる断面を鉛直断面とした場合に、前記第一の直線上の少なくともいずれかの位置における前記鉛直断面の形状が、前記喫水面と前記鉛直断面の交線の中点を通る鉛直線を基準として、左右非対称の形状となる、船舶が得られる。
本発明によれば、より確実に又はより短時間に、船舶を反転状態から自動復元させることができる。
本発明の一実施形態に係る海上監視システム1の全体構成図である。 無人艇システム1000のシステム構成の一例を示す図である。 無人艇1010の機能構成を示す機能ブロック図である。 海中通信部1420を利用して海中対象物7200と通信を行う様子を示す概念図である。 無人艇1010の外部のハードウェア構成の一例を示す斜視図である。 無人艇1010の船体を右後ろから見た斜視図である。 無人艇1010の船体を左前から見た斜視図である。 無人艇1010の船体の三面図である。 無人艇1010の重心位置で進行方向に垂直な面により船体を切断する場合の船体外板のA-A断面図の一例を示す図である。 無人艇1010の重心位置で進行方向に垂直な面により船体を切断する場合の船体外板のA-A断面図の他の一例を示す図である。 無人艇1010の船体を進行方向に対して左右に分割する中央鉛直面の一例を示す図である。 無人艇1010が水上において反転した状態の一例を示す図である。 左右非対称の船体形状と比較するための左右対称の船体形状の斜視図を示す図である。 左右非対称と左右対称の船体形状の復元性能の比較結果を示す図である。 ロール角が150度の場合の左右対称船体形状(比較例)における重心と浮心の位置を示す後方側面図である。 ロール角が150度の場合の左右非対称船体形状における重心と浮心の位置を示す後方側面図である。 ロール角が140度乃至110度の場合の左右非対称船体形状における重心と浮心の位置を示す後方側面図である。 反転時に進行方向の左側から波を受ける場合の復元動作の様子を示す図である。 反転時に進行方向の右側から波を受ける場合の復元動作の様子を示す図である。 船体形状の第一の変形例におけるA-A断面図を示す図である。 船体形状の第二の変形例における斜視図を示す図である。 船体形状の第三の変形例における斜視図を示す図である。 A-A断面における船体内部の各機器の配置の一例を示すハードウェア構成図である。 構造境界線の位置で船体を水平方向に切断したB-B断面における船体内部の各機器の配置の一例を示すハードウェア構成図である。 A-A断面における船体内部の各機器の配置と船体外板の厚みの一例を示すハードウェア構成図である。 無人艇1010の右側面図の一例を示す図である。 無人艇1010の後方側面図の一例を示す図である。 統括制御システム2000及びユーザ端末5000のハードウェア構成図である。
本発明の実施形態の内容を以下に列記して説明する。本発明は、以下のような構成を備える。
[項目1]
水上を航行する船舶であって、
前記船舶の船体が水面上で停泊又は定速航行しているときに水面と前記船体の外板の交線を含む面を喫水面とし、
前記船舶の直進進行時の進行方向に形成される第一の直線上のいずれかの位置における前記第一の直線と垂直な面と前記船体の外板の交線で囲われる断面を鉛直断面とした場合に、
前記第一の直線上の少なくともいずれかの位置における前記鉛直断面の形状が、前記喫水面と前記鉛直断面の交線の中点を通る鉛直線を基準として、左右非対称の形状となる、船舶。
[項目2]
項目1に記載の船舶において、
前記船体は、前記進行方向の左右の側面形状が略対称となる左右対称部と、左右の側面形状が非対称となる左右非対称部を有し、
前記左右対称部は、前記喫水面よりも下側の少なくとも一部に設けられ、
前記左右非対称部は、前記喫水面よりも上側に設けられる、船舶。
[項目3]
項目1又は2に記載の船舶において、
前記船体は、前記進行方向の左右の側面形状が対称となる左右対称部と、左右の側面形状が非対称となる左右非対称部を有し、
前記左右対称部は、前記喫水面よりも下側、及び前記喫水面から前記喫水面よりも所定距離鉛直上側の位置の間に設けられ、
前記左右非対称部は、前記喫水面よりも所定距離上側の位置よりも上側に設けられる、船舶。
[項目4]
項目1乃至3のいずれかに記載の船舶において、
前記第一の直線の方向の前記船舶の重心位置付近において、前記第一の直線と垂直な面と前記船体の外板の交線で囲われる前記鉛直断面の形状が、前記喫水面と前記鉛直断面の交線の中点を通る鉛直線を基準として、左右非対称の形状となる船舶。
[項目5]
項目1乃至4のいずれかに記載の船舶において、
前記喫水面と前記鉛直断面の交線の中点を通り前記進行方向に生成した中央線を含む中央鉛直面により、前記進行方向に対して左右に分けられた右側の前記船体の体積と、左側の前記船体の体積が異なる、船舶。
[項目6]
項目1乃至5のいずれかに記載の船舶において、
前記左右非対称部の前記進行方向に対する第一側面の前記鉛直断面の外縁が、前記左右対称部の前記第一側面の前記鉛直断面の外縁よりも船体中央側に傾斜もしくは凹んでいる、船舶。
[項目7]
項目1乃至6のいずれかに記載の船舶において、
前記左右非対称部の前記進行方向に対する第二側面側の前記鉛直断面の外縁が、前記左右対称部の前記第二側面側の前記鉛直断面の外縁よりも船体外側に張り出している、船舶。
[項目8]
項目1乃至7のいずれかに記載の船舶において、
前記左右非対称部の前記進行方向に対する第一側面の前記鉛直断面の外縁が、前記左右対称部の前記第一側面の前記鉛直断面の外縁よりも船体中央側に傾斜もしくは凹んでおり、
前記左右非対称部の前記第一側面と対向する第二側面側の前記鉛直断面の外縁が、前記左右対称部の前記第二側面側の前記鉛直断面の外縁よりも船体外側に張り出している、船舶。
[項目9]
項目1乃至8のいずれかに記載の船舶において、
前記喫水面と前記鉛直断面の交線の中点を通り前記進行方向に生成した中央線の近傍位置、又は前記中央線の近傍の上側もしくは下側の位置が、前記船舶の重心位置となる、船舶。
[項目10]
項目1乃至9のいずれかに記載の船舶において、
前記船体は、左右の側面形状が対称となる左右対称部と、左右の側面形状が非対称となる左右非対称部を有し、
前記左右非対称部の前記進行方向に対する第一側面の前記鉛直断面の外縁が、前記喫水面の位置における前記第一側面の前記鉛直断面の外縁よりも船体中央側に傾斜もしくは凹んでおり、または前記左右非対称部の前記進行方向に対する前記第一側面とは逆側の第二側面の前記鉛直断面の外縁が、前記喫水面の位置における前記第二側面の前記鉛直断面の外縁よりも船体外側に張り出した船体形状であり、
前記船体の内部に設けられる機器、蓄電装置、ケーブル、他の重量物の少なくともいずれかを含む搭載物の総合重量の重心が、前記喫水面と前記鉛直断面の交線の中点を通り前記進行方向に生成した中央線を含む中央鉛直面よりも前記第一側面にずれた位置となるように前記搭載物を配置した、船舶。
[項目11]
項目1乃至10のいずれかに記載の船舶において、
前記船体は、左右の側面形状が対称となる左右対称部と、左右の側面形状が非対称となる左右非対称部を有し、
前記左右非対称部の前記進行方向に対する第一側面の前記鉛直断面の外縁が、前記喫水面の位置における前記第一側面の前記鉛直断面の外縁よりも船体中央側に傾斜もしくは凹んでおり、または前記左右非対称部の前記進行方向に対する前記第一側面とは逆側の第二側面の前記鉛直断面の外縁が、前記喫水面の位置における前記第二側面の前記鉛直断面の外縁よりも船体外側に張り出した船体形状であり、
前記船体の上面又は前記船体の上側又は船底の下側に設けられる機器、発電装置、他の重量物の少なくともいずれかを含む搭載物の総合重量の重心が、前記喫水面と前記鉛直断面の交線の中点を通り前記進行方向に生成した中央線を含む中央鉛直面よりも前記第一側面にずれた位置となるように前記搭載物を配置した、船舶。
[項目12]
項目1乃至11のいずれかに記載の船舶において、
前記船体は、左右の側面形状が対称となる左右対称部と、左右の側面形状が非対称となる左右非対称部を有し、
前記左右非対称部の前記進行方向に対する第一側面の前記鉛直断面の外縁が、前記喫水面の位置における前記第一側面の前記鉛直断面の外縁よりも船体中央側に傾斜もしくは凹んでおり、または前記左右非対称部の前記進行方向に対する前記第一側面とは逆側の第二側面の前記鉛直断面の外縁が、前記喫水面の位置における前記第二側面の前記鉛直断面の外縁よりも船体外側に張り出した船体形状であり、
前記喫水面と前記鉛直断面の交線の中点を通り前記進行方向に生成した中央線を含む中央鉛直面よりも前記第一側面の前記船体の外板の厚みが、前記中央鉛直面よりも前記第二側面の前記船体の外板よりも厚い、船舶。
[項目13]
水上を航行する船舶であって、
前記船舶の船体が水面上で停泊又は定速航行しているときに水面と前記船体の外板の交線を含む面を喫水面とし、
前記船舶の直進進行時の進行方向に形成される第一の直線上のいずれかの位置における前記第一の直線と垂直な面と前記船体の外板の交線で囲われる断面を鉛直断面と定義する場合に、
前記第一の直線上の少なくともいずれかの位置における前記鉛直断面を前記喫水面により上側と下側に分けた際の、前記上側の前記鉛直断面の図心と、前記下側の前記鉛直断面の図心の横方向の位置がずれている、船舶。
[項目14]
項目13に記載の船舶において、
前記上側の前記鉛直断面の第一側面の外縁が、前記第一側面と対向する第二側面の外縁よりも前記船体の中央側に傾斜もしくは凹んでいる、船舶。
[項目15]
項目13に記載の船舶において、
前記上側の前記鉛直断面の第二側面の外縁が、前記第二側面と対向する第一側面の外縁よりも前記船体の外側に張り出している、船舶。
[項目16]
項目13に記載の船舶において、
前記上側の前記鉛直断面の第一側面の外縁が、前記船体の中央側に傾斜もしくは凹んでおり、
前記上側の前記鉛直断面の第二側面の外縁が、前記船体の外側に張り出している、船舶。
[項目17]
水上を航行する船舶であって、
前記船舶の直進進行時の進行方向に形成される第一の直線上のいずれかの位置における前記第一の直線と垂直な面と前記船舶の船体の外板の交線で囲われる断面を鉛直断面と定義する場合に、
前記第一の直線上の少なくともいずれかの位置における前記鉛直断面を、上下方向の長さで下側の三分の一と、上側の三分の二に分けた際の、前記上側の前記鉛直断面の図心と、前記下側の前記鉛直断面の図心の横方向の位置がずれている船舶。
[項目18]
項目17に記載の船舶において、
前記上側の前記鉛直断面の第一側面の外縁が、前記第一側面と対向する第二側面の外縁よりも前記船体の中央側に傾斜もしくは凹んでいる、船舶。
[項目19]
項目17に記載の船舶において、
前記上側の前記鉛直断面の第二側面の外縁が、前記第二側面と対向する第一側面の外縁よりも前記船体の外側に張り出している、船舶。
[項目20]
項目17に記載の船舶において、
前記上側の前記鉛直断面の第一側面の外縁が、前記船体の中央側に傾斜もしくは凹んでおり、
前記上側の前記鉛直断面の第二側面の外縁が、前記船体の外側に張り出している、船舶。
<第1の実施形態>
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、以下に示す実施形態は、例を表すに過ぎず、その用途、目的又は規模等に応じて、他の既知の要素や代替手段を採用可能である。なお、本実施形態では、無人艇システム1000を海上監視システム1に適用した例を説明するが、これも実施形態の一例に過ぎず、無人艇システム1000は、他の洋上インフラの点検、洋上の海象や気象の観測、海洋生物の生態調査など他のさまざまな用途に適用することができる。
[A.構成]
(A-1.システム構成)
まず、図1を用いて、本発明の一実施形態に係る無人艇システム1000を用いた海上監視システム1の全体システム構成について説明する。
(A-1-1.海上監視システム1のシステム構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る海上監視システム1(以下「システム1」ともいう。)の全体構成図である。図1に示されるように、海上監視システム1は、無人艇システム1000と統括制御システム2000を備えている。また、統括制御システム2000は、インターネット回線6000等を介して図示しないユーザ端末5000と通信可能に構成されており、互いに情報の送受信を行うことができる。また統括制御システム2000は、上空アクセスポイント(図中では「上空AP」と記載)3100や地上アクセスポイント(図中では「上空AP」と記載)3200などを介して、海上に展開する無人艇システム1000に対して制御指令を送信することができ、また、無人艇システム1000から動作ステータスや計測データなどを受信することができる。
無人艇システム1000は、単一機または複数機の無人艇1010を備えている。無人艇システム1000が複数の無人艇1010で構成される場合には、複数の無人艇1010は、互いに無線通信(図中では点線で記載)で接続されており通信ネットワークを構成することができる。また、無人艇システム1000は、複数の無人艇グループ(1000a、1000b)を構成することもできる。その場合には、各無人艇グループの少なくとも1機の無人艇1010が上空アクセスポイント3100又は地上アクセスポイント3200を介して統括制御システム2000と無線通信を行う。
無人艇1010は、計測部1100を備え、計測部1100は海上の海上対象物7100を計測する海上計測センサ1110と、海中に存在する海中対象物7200を計測する海中計測センサ1120を備える。海上計測センサ1110は、例えば、船舶、漂流物、漂流者などの海上移動物や、洋上設備(風力発電設備、波力発電設備、洋上石油プラント、海上滑走路等)、海象(海流、潮流、波高、波周期、波速度)、気象、海岸生息生物(アザラシ、ペンギン、ホッキョクグマ等)、離島、岩礁、などを含む海上の海上対象物7100に関する計測データを取得することができる。また、海上対象物7100は、座礁ポイント、低潮線、海岸形状などの沿岸陸地部状態や、海水状態(塩分濃度、水素イオン指数、水温、海水成分、海水密度)、海洋生態(藻場、プランクトン等)、海洋生物生態(クジラ、ウミガメ、魚群等)などを含む海中の海中対象物7200に関する計測データを取得することができる。
また、無人艇1010は、自機状態判定部1200により自機の各種状態を判定することができる。また、無人艇1010は、通信部1400に含まれる無線通信部1410や海中通信部1420により海上の通信相手(他の無人艇1010など)や海中の通信相手(ダイバーや潜水艇)と情報の送受信を行うことができる。
無人艇1010の計測部1100により取得した計測データ、無人艇1010の状態情報、通信部1400により取得した通信相手の情報などを含む各種情報は、上空アクセスポイント3100や地上アクセスポイント3200を介して、統括制御システム2000に伝送される。統括制御システム2000は、無人艇システム1000から取得する計測データ、無人艇1010の状態情報及び通信部1400により取得した通信相手の情報などに基づいて、無人艇システム1000を構成する無人艇1010に対する制御指令を決定し、無人艇1010の動作を制御することができる。生成された制御指令などの情報は、図示しないユーザ端末5000などに表示され、ユーザ端末5000を介してユーザから指令入力を取得することもできる。
なお、統括制御システム2000と無人艇システム1000の間における情報の送受信のための非地上系ネットワーク(Non-Terrestrial Network)の一例として説明した上空アクセスポイント3100は、例えば静止軌道(Geosynchronous orbit)、中軌道(MEO)、地球低軌道(Low Earth orbit)、またはその他の軌道に投入される通信衛星3110や他の通信衛星を利用することができる。また、本発明に適用可能な通信ネットワークはこれに限られず、HAPS(High Altitude Platform Station)3120と呼ばれる無人飛行体を用いた非地上系ネットワークを利用することもできる。HAPSを利用する場合には、例えば、高度8~50km程度を旋回飛行する無人飛行体を利用することができる。
(A-1-2.無人艇システム1000のシステム構成)
図2は、無人艇システム1000のシステム構成の一例を示す図である。図2に示す通り、無人艇システム1000を構成する複数の無人艇1010は、上空アクセスポイント3100(又は地上アクセスポイント3200)と無線通信可能な親機1001、または親機1001と直接または間接的に通信可能な子機1002の役割を担うように構成される。また、複数の子機1002と親機1001の役割を担う複数の無人艇1010の間で互いに無線通信可能な無線通信ネットワークが構築される。なお、各無人艇グループ(1000a、1000b)は、少なくとも1機の親機1001と複数の子機1002を備えている。親機1001は、上空アクセスポイント3100(又は地上アクセスポイント3200)と無線通信接続され、複数の子機1002から収集した各種情報を集約して上空アクセスポイント3100(又は地上アクセスポイント3200)に送信すると共に、上空アクセスポイント3100(又は地上アクセスポイント3200)から取得した制御指令に関する情報を各子機1002へ直接または間接的に伝送する機能を有する。なお、地上側の統括制御システム2000と無人艇システム1000の間の無線通信経路は上空アクセスポイント3100を介した通信経路と、地上アクセスポイント3200を介した通信経路のいずれかを利用することができるが、これに限られず、他の通信経路を利用することも可能であり、また、これらの通信経路を冗長化して情報の送受信を行うこともできる。
図2に示す無人艇グループ1000aは、親機1001と通信接続する一次接続子機1002と、一次接続子機1002と通信接続する二次接続子機1002と、二次接続子機1002と通信接続する三次接続子機1002を備えている。各子機(一次接続子機1002、二次接続子機1002、三次接続子機1002)は、それぞれ他の親機1001または子機1002から受信した情報を他の親機1001や子機1002に中継する機能を有することで、無人艇グループ1000aに属するすべての無人艇1010と接続可能な通信ネットワークを構成している。
(A-1-3.無人艇1010のシステム構成)
次に、図3を用いて、無人艇1010のシステム構成について説明する。なお、本発明において、無人艇1010とは、自律航行や遠隔操縦の制御タイプを問わず、水上または水中を航行することが可能な移動体を意図し、バッテリーや内燃機関、または風力や波力などを利用した推力発生部1310により移動可能な移動式ブイを含む移動体を意味するものである。また、本実施形態では、本発明を無人艇1010に適用した例を説明するが、本発明は、人が乗船することのない無人船舶に限定されるものではなく、状況に応じて人が乗船することができる船舶、あるいは、状況に応じて人や有人ボート等をけん引することができる船舶など、海上で人を輸送することができる船舶にも適用することができる。
図3は、無人艇1010の機能構成を示す機能ブロック図である。なお、図3では、無人艇1010の機能ブロック図を説明するが、無人艇1010を親機1001と子機1002のいずれに利用する場合であっても、無人艇1010に実装する機能は、図3に示す構成と同様の機能とすることができる。無人艇1010は、計測部1100と、自機状態判定部1200と、航行部1300と、通信部1400と、電源部1500と、計測データ処理部1600と、記録部1700を備えている。
計測部1100は、無人艇1010周辺の海上または海中の計測可能範囲に存在する対象物7000を検出し、対象物7000に関する計測データを取得する機能部である。計測部1100は、海上計測センサ1110と、海中計測センサ1120と、計測制御部1130を備えている。
海上計測センサ1110は、周辺の海上エリアの画像データを取得する1台(単眼)又は複数台の電子光学センサ(Electro-Opticalセンサ)、光学カメラ、赤外線センサ(IRセンサ)、ステレオカメラなどの光学式センサ、点群データを取得するLiDARなどのレーザーセンサ、ToFセンサ(Time of Flightセンサ)等の光学測距センサ、ミリ波やマイクロ波を検出するレーダーセンサを含んでいても良い。海上計測センサ1110は、無人艇1010の周辺の海上エリアを計測することで、海上の計測可能範囲内に存在する海上対象物7100の計測データを取得する。また、上記した各センサは、計測データに基づいて対象物までの距離を計測する測距センサとして利用することができる。
海中計測センサ1120は、超音波などの音波を利用して、周辺の海中エリアの音響データを取得するソナーなどを含む音波センサ(音波計測部とも言う)、または光学式センサなどで構成することができる。音波センサは、発生させた音波が対象物に反射して戻ってくる音波を計測することで、計測を行う海中対象物7200までの距離を計測する測距センサとして利用することができる。また、音波センサは、音波を発生させて水中の物体に反響する音波を計測するアクティブソナーと、水中の物体から発生する音を計測するパッシブソナーのいずれであっても良い。アクティブソナーは、例えば、サイドスキャンソナー、マルチビームソナー、若しくはシングルビームソナーなどで構成することができる。また、音波センサは、USBLトランシーバや音響通信用モデムなどで構成されていても良い。
更に、海中計測センサ1120は、上記した各センサの他に、海水の塩分濃度、水素イオン指数(pH)、水温、海水成分、密度などの海水状態を計測する海水状態計測センサ、または、周辺海域の海流、潮流、波高、波周期、海流又は潮流の速度などの海象状態を計測する海象計測センサ、または周辺海上の気温、湿度、風速、日射量、気圧、雨量、他天候、空気質などの気象状態を計測する気象計測センサ、海中の藻場やプランクトンの状態を計測する海洋生態計測センサなどで構成されていても良い。
計測制御部1130は、海上計測センサ1110又は海中計測センサ1120の姿勢を変更可能なセンサ姿勢変更装置を操作して、無人艇1010に対する海上計測センサ1110又は海中計測センサ1120の3軸まわりの少なくともいずれかの姿勢角度を制御する。また、例えば、海上計測センサ1110又は海中計測センサ1120が光学式センサである場合には、計測制御部1130は、フレームレートやシャッタースピードなどを調整することができる。また、海上計測センサ1110又は海中計測センサ1120がレーザーセンサである場合には、計測制御部1130は、照射するレーザーの出力を調整することができる。また、海上計測センサ1110又は海中計測センサ1120がレーダーセンサである場合には、計測制御部1130は、ミリ波やマイクロ波の出力を調整することができる。また、計測制御部1130は、計測センサの計測感度を任意の制御量に調整することができる。また、海上計測センサ1110又は海中計測センサ1120が光学式センサである場合には、計測制御部1130は、光学式センサのズーム量や解像度を任意の制御量に変更することができる。
次に、自機状態判定部1200は、航行状態判定部1210と内部状態判定部1220と外部状態判定部1230を備え、無人艇1010の航行状態、内部及び外部の状態を判定する機能部である。航行状態判定部1210は、自機の位置(二次元または三次元)、移動速度、機首方位、移動方向、移動加減速度、回頭速度、ロール姿勢角、その他の航行状態に関する状態量を判定する。航行状態判定部1210は、検出したロール姿勢角に応じてロール角が100度以上または-100度以下の状態が継続している場合には、船体が反転状態であると判定することができる。内部状態判定部1220は、自機に搭載した発電部1510による発電量や、蓄電部1520(バッテリーなどで構成)のエネルギー残量や、燃料残量、エネルギー残量や燃料残量により算出可能な移動可能距離、自機に搭載された機器の一時的な異常状態(温度異常、通信異常など)、機器の故障状態を判定する。また、外部状態判定部1230は、無人艇システム1000内の他の無人艇1010との無線通信、または上空アクセスポイント3100(又は地上アクセスポイント3200)を介した統括制御システム2000との無線通信の通信強度(dB値など)、通信速度、通信遅延などの通信状態、または自機の周辺の海流や潮流(流速、流れ方向)、風速(風速、風向)、波高さ、天候(雨、雪、曇りなど)を判定する。
航行状態判定部1210による、自機の位置や移動速度や移動方向や加減速度の判定方法は、特に限定されないが、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)、GPS(Global Positioning System)、RTK-GNSS(Real Time Kinematic - Global Navigation Satellite System)等を用いて、現時刻における自機の位置、移動速度、移動方向を判定することができる。ここで自己の位置情報は、少なくとも平面視での2次元での座標情報(例えば緯度、経度)を含み、好ましくは高度情報を含む3次元での座標情報を含む。また、加減速度は、判定した移動速度の時間変化量に基づいて算出することができる。
また、自機の機首方位の計測方法は、例えば、地磁気センサ、GNSSコンパス、海底形状を利用したSLAM技術等を用いて、現時刻における自機の機首方位を判定する。機首方位は、少なくともZ軸まわりの平面視での姿勢角(方位)を含み、好ましくはX軸、Y軸、及びZ軸の3軸まわりの姿勢情報であっても良い。また、回頭速度は、判定した機首方位情報の時間変化量に基づいて算出することができる。
次に、航行部1300は、推力発生部1310と、姿勢制御機構部1320と、航行制御部1330を備え、通信部1400を介して統括制御システム2000から受信した制御指令に従って、自機を任意の方向に航行させる機能部である。推力発生部1310は、例えばプロペラで構成され、エンジン又は電動モーターの動力を利用してプロペラを駆動することにより推力を発生させることができる。また、推力発生部1310は、風を受けて推力を発生させる帆で構成することもでき、あるいは、波力を受けて推力を発生するウェイブグライダーで構成することもできる。
姿勢制御機構部1320は、無人艇1010の船体の下側に設けられる舵板、又はプロペラの姿勢角(主にZ軸回りのヨー角)を変更可能なプロペラ姿勢変更機構などで構成され、これらの角度を変更することにより無人艇1010の機首方向(ヨー角)を制御することができる。
航行制御部1330は、推力発生部1310からの出力と姿勢制御機構部1320の動作を制御して自機の航行動作を制御する機能部である。航行制御部1330は、プログラマブルプロセッサ(例えば、中央処理ユニット(CPU)、MPU又はDSP)等の1つ以上のプロセッサを有し、メモリ(記憶部)にアクセス可能な処理ユニットを備える。メモリは、1つ以上の処理ステップを行うために処理ユニットが実行可能であるロジック、コード、及び/又はプログラム命令を記憶している。
処理ユニットは、自機の航行状態を制御するように構成された制御モジュールを含んでいる。例えば、制御モジュールは、自機の海面上における位置、移動速度、移動加減速度、機首方位、回頭速度、3軸回りの姿勢角を調整する。すなわち、航行制御部1330は、自機に前進、後進、加速、減速、回頭旋回等の各動作を行わせることで、自機の航行動作を制御する。
次に、通信部1400は、無線通信部1410と、海中通信部1420と、通信制御部1430を備え、無人艇システム1000内の他の無人艇1010や、統括制御システム2000や、海上対象物7100や、海中対象物7200などと通信を行う機能部である。無線通信部1410は、海上の無線通信ネットワークに利用する通信アンテナを備え、無人艇システム1000内の他の無人艇1010や海上対象物7100との間で通信を行うことができる。また、無線通信部1410は、上空アクセスポイント3100や地上アクセスポイント3200と通信可能な長距離無線通信用のアンテナを備え、上空アクセスポイント3100や地上アクセスポイント3200を介して、統括制御システム2000と通信を行うことができる。なお、通信部1400は、上記した各通信部以外に、AIS用アンテナやVHF用アンテナを備え、外部の監視艇やAIS基地局と通信を行う通信部を備えていても良い。
海中通信部1420は、海中対象物7200と通信を行う機能部である。図4は、海中通信部1420を利用して海中対象物7200と通信を行う様子を示す概念図である。図4に示す例では、海中通信部1420として、USBLトランシーバや音響通信用モデムを用いて、水中ダイバーなどの海中対象物7200と水中通信を行う様子を示している。
海中通信部1420として、音響通信用モデムを用いる場合には、水中ダイバーなどの海中対象物7200に搭載された音響通信用モデムと相互に水中通信を行うことができる。また、海中通信部1420として、USBLトランシーバを用いる場合には、水中ダイバーなどの海中対象物7200に搭載された音響測位用トランスポンダと相互に水中通信を行うことができる。
USBLトランシーバや音響通信用モデムを用いて、相互通信が可能な水中ダイバーなどの位置検出を行う場合には、USBLトランシーバから音響信号(呼出)を送信し、ダイバー側に搭載された音響測位用トランスポンダから応答発信される音響信号(応答)をUSBLトランシーバで受信することにより、無人艇1010に対するダイバーの相対位置を検出することができる。また、無人艇1010内の航行状態判定部1210により算出する自己位置座標に基づいてダイバーの絶対位置座標を算出し、ダイバーの絶対位置座標を含むデータを音響通信用モデムからダイバーへ送信することができる。
通信制御部1430は、外部状態判定部1230により判定した、無人艇システム1000内の他の無人艇1010との無線通信、または上空アクセスポイント3100(又は地上アクセスポイント3200)を介した統括制御システム2000との無線通信の通信強度(dB値など)、通信速度、通信遅延などの通信状態、または自機の周辺の海流や潮流(流速、流れ方向)、風速(風速、風向)、波高さ、天候(雨、雪、曇りなど)などの判定結果に応じて、無線通信部1410や海中通信部1420による通信経路や無線周波数や通信手段などを制御する機能を有する。
また、通信制御部1430は、航行状態判定部1210により船体が反転した状態と判定した場合には、無線通信部1410や海中通信部1420により他の無人艇1010や統括制御システム2000に対して、復元動作の援助要請指令を送信することができる。当該援助要請指令を受けた他の無人艇1010は、反転した無人艇1010を横方向から接触して押すことで、復元動作を援助することができる。
次に、電源部1500は、発電部1510と、蓄電部1520と、電源制御部1530を備え、無人艇1010の動作に必要な電源を生成し、蓄積する機能を有する。発電部1510は、例えば、甲板に設けられた太陽光パネルや、海上の波の力を利用する波力発電装置や、風力発電装置や、ディーゼルエンジン発電装置や、燃料電池やその他の発電装置で構成することができ、無人艇1010の各種機能部の動作に必要な電力を発生させる機能部である。
蓄電部1520は、電源部1500により発電された電力を蓄電する機能部であり、バッテリーやキャパシターなどで構成することができる。
電源制御部1530は、発電部1510による発電動作や、蓄電部1520による充放電動作を制御する機能部である。
次に、計測データ処理部1600は、計測部1100により取得された計測データの一次処理、データ圧縮などデータ処理を行う機能部である。計測データ処理部1600は、例えば、計測部1100により取得された計測後の生データ(計測データ)のデータ処理を行い、無人艇システム1000から統括制御システム2000へ無線伝送する送信用データを生成する一次処理を行うことができる。また、無人艇システム1000から統括制御システム2000へ送信用データを無線伝送する際の送信負荷が小さくなるように、計測データ処理部1600は、計測後の生データ(計測データ)を圧縮して送信用データを生成するデータ圧縮処理を行うことができる。更には、計測データ処理部1600は、計測データを一次処理することにより、対象物7000の状態を判読し、当該判読結果に応じて無人艇システム1000から統括制御システム2000への計測データや送信用データの送信要否、または送信するデータの選別などを行う機能を有していても良い。
次に、記録部1700は、計測データ記録部1710と、自機状態記録部1720と、判定情報記録部1730を備える。計測データ記録部1710は、計測部1100により計測された計測データを記録する機能を有する。また、自機状態記録部1720は、自機状態判定部1200により判定された自機に関する各種状態情報を記録する機能を有する。また、判定情報記録部1730は、計測データ処理部1600により処理された処理後のデータを記録する機能を有する。
次に、重心位置制御機構部1800は、無人艇1010の船体内部に搭載された重量物の位置を変更するアクチュエータや給排水ポンプ等を備え、無人艇1010の重心位置を変更する機能を有する。例えば、重心位置制御機構部1800は、無人艇1010の直進進行時の進行方向をX軸、水平横方向をY軸、鉛直上下方向をZ軸とした場合のY軸方向、またはZ軸方向に重心位置を変更する機能を有することで、無人艇1010が水面上で上下反転した場合に、Y軸方向、またはZ軸方向に重心位置を変更させて、無人艇1010が通常姿勢に復元する動作を補助することができる。
(A-2.ハードウェア構成)
次に、図5乃至図27を用いて、無人艇1010のハードウェアの構成とその構成により得られる効果について説明する。
(A-2-1.無人艇1010の外部のハードウェア構成)
次に、図5を用いて無人艇1010の外部ハードウェアの構成について説明する。図5は、無人艇1010の外部のハードウェア構成の一例を示す斜視図である。図5に示す例では、無人艇1010の船体は、船体上面を構成する甲板と、船体側面を構成する右舷外板と左舷外板と、船体下側の船底外板を有する。無人艇1010の甲板の上部には、発電部1510として太陽光パネルが設置される。また、無人艇1010の船体の甲板にはポールが設置されており、当該ポールの上部には、海上計測センサ1110や無線通信部1410が設置される。このように、ポールの上部に海上計測センサ1110や無線通信部1410を設置することにより、海上計測センサ1110による海上の計測可能範囲を広げることができ、また、無線通信部1410による無線通信の通信性能(通信可能距離、通信強度など)を向上させることができる。
更に、船体の下側には、海中計測センサ1120や海中通信部1420や推力発生部1310(プロペラなど)や姿勢制御機構部1320(舵板)が設けられる。なお、海中計測センサ1120や海中通信部1420や推力発生部1310(プロペラなど)や姿勢制御機構部1320(舵板)は、無人艇1010の船体が水面上で停泊又は定速航行しているときに水面1910と船体の外板が交わる交線である喫水線1911(図中の点線)の下側に設けられる。
(A-2-2.無人艇1010の船体形状)
次に、図6乃至図8を用いて、無人艇1010の船体形状の特徴について説明する。図6は、無人艇1010の船体を右後ろから見た斜視図である。特に、図6の上側図は、船体を進行方向の右後ろ斜め上の位置から見た場合の斜視図を示しており、図6の下側図は、船体を進行方向の右後ろ斜め下の位置から見た場合の斜視図を示している。
図7は、無人艇1010の船体を左前から見た斜視図である。特に、図7は、船体を進行方向の左前斜め上の位置から見た場合の斜視図を示している。
図8は、無人艇1010の船体の三面図である。特に、図8の左上側の図は、船体を進行方向の後方から見た後方側面図であり、右上側の図は、船体を進行方向の右手側から見た右側面図であり、右下の図は、船体を下側から見た底面図である。
図6乃至図8に示す通り、本実施形態における無人艇1010の船体は、船体の上下方向(Z軸方向)の中央付近に一点鎖線で示した構造境界線1922を境に、構造境界線1922の上側に左右非対称部1920を設け、構造境界線1922の下側の全部または一部に左右対称部1921を設けている。ここで、左右対称部1921とは、進行方向に垂直なY-Z平面により船体を切断する場合の船体外板の鉛直断面と喫水面1912の交線の中心を通る鉛直線(中央鉛直線1930)を中心として、左右の鉛直断面の形状が略左右対称となる部分である。また、図6乃至図8には、無人艇1010が速度ゼロで停泊している場合における、水面1910と船体の交線である喫水線1911が示されている。ここで、船体の構造境界線1922は、喫水線1911よりも上下方向(Z軸方向)における所定距離上側の位置に設けられている。つまり、左右非対称部1920は、喫水線1911よりも上下方向(Z軸方向)において所定距離上側の位置(構造境界線1922の位置)よりも上側に設けられる。
また、左右対称部1921は、構造境界線1922の下側に設けられるため、上下方向(Z軸方向)において喫水線1911よりも下側に設けられ、更に、喫水線1911よりも所定距離上側の位置(構造境界線1922の位置)と喫水線1911の間に設けられる。
なお、図6乃至図8では、無人艇1010が速度ゼロで停泊している場合における、水面1910と船体の交線である喫水線1911を示したが、喫水線1911は、無人艇1010が定速で航行している場合における水面1910と船体の交線であっても良い。定速で航行している場合の喫水線1911であっても、上記した喫水線1911と左右非対称部1920と左右対称部1921の位置関係を満たす構造となる。
無人艇1010の航行時に外部から受ける抵抗は、風などよりも水の抵抗の方が無人艇1010の航行制御に与える影響度が大きい。そのため、水の抵抗がより小さくなり、かつ水の抵抗が左右均等となる船体形状が望ましい。そのため、船体の水の抵抗を受ける部分は、水の抵抗が小さく、かつ進行方向に対して左右対称の船体形状とすることが望ましい。ここで、水の抵抗を受ける船体部分は、無人艇1010は速度ゼロで停泊している場合や定速で航行している場合における水面1910と船体の交線を含む喫水面1912の下側の部分だけではなく、波がある場合や無人艇1010が加速や減速などを行った場合においては、喫水面1912よりも所定距離上側の部分も水の抵抗を受ける。そのため、上記したように、左右対称部1921は、喫水面1912の下側だけではなく、上下方向(Z軸方向)において喫水面1912から所定距離上側の位置(構造境界線1922の位置)の間にも設けることで、水の抵抗がより小さくなり、かつ水の抵抗が左右均等とすることができる。
図9は、無人艇1010の重心位置で進行方向に垂直な面により船体を切断する場合の船体外板のA-A断面図の一例を示す図である。特に、図9は、A-A断面図における喫水面1912と断面形状の位置関係を示している。以下に、図9を用いて本実施形態における船体形状の特徴を説明する。
図9に示すように、本実施形態における船体形状は、A-A断面図における船体外板断面と喫水面1912の交線の中点を通る鉛直線である中央鉛直線1930を基準として、船体外板断面の形状は左右非対称となっている。
また、図9に示すような無人艇1010の重心位置におけるA-A断面図、または無人艇1010の重心位置で進行方向のいずれかの位置で進行方向に垂直な面により船体を切断する場合の船体外板の断面において、本実施形態における船体形状は、喫水面1912よりも上側の断面形状の図心と、喫水面1912よりも下側の断面形状の図心の左右方向(Y軸方向)における位置がずれているという特徴を有する。
図10は、無人艇1010の重心位置で進行方向に垂直な面により船体を切断する場合の船体外板のA-A断面図の他の一例を示す図である。特に、図10は、A-A断面図における船体の上下方向の高さ寸法と断面形状の位置関係を示している。一般的に船舶における喫水面1912は船体の下側の底面から上側の甲板までの上下方向の高さに対して、少なくとも下側の1/4よりも高い位置が喫水面1912となるように設計されることが多い。そのため、図10に示すような無人艇1010の重心位置におけるA-A断面図、または無人艇1010の重心位置で進行方向のいずれかの位置で進行方向に垂直な面により船体を切断する場合の船体外板の断面において、本実施形態における船体形状は、船体の下側の底面から1/4の高さの水平面により断面形状を上限に分けた場合の、下側1/4の断面形状の図心と、上側3/4の断面形状の図心の左右方向(Y軸方向)における位置がずれているという特徴を有していても良い。なお、船舶における喫水面1912の位置は、船舶の巡航速度や重量などの様々な条件に応じて変更されるため、必ずしも図10に示したような船体下側から1/4の位置とはならず、断面の高さ方向の寸法に対して1/5~1/2程度の高さの位置になることもある。そのため、図10に示す図心位置を判断する際に上下に領域を分ける基準線は、船体下側から1/5~1/2の間の任意の値とすることができ、例えば、1/3とすることもできる。
図11は、無人艇1010の船体を進行方向に対して左右に分割する中央鉛直面1931の一例を示す図である。図11において、中央鉛直面1931とは、図9に示す喫水面1912と鉛直断面(A-A断面図に示す船体外板断面)の交線の中点を通り、無人艇1010の進行方向に生成した中央線を含む鉛直面である。本実施形態に示す例では、図11に示すように、この中央鉛直面1931により、無人艇1010の進行方向に対して船体を左右に分割した場合の中央鉛直面1931の右側の船体の体積は、中央鉛直面1931の左側の船体の体積とは異なる。図11に示す船体形状においては、中央鉛直面1931の右側の船体の体積は、中央鉛直面1931の左側の船体の体積よりも大きくなっている。
図9や図10に示す左右非対称の断面形状の一つの特徴は、左右非対称部1920の進行方向に対する左側面(第一側面)の外縁は、左右対称部1921の左側面(第一側面)の外縁よりも船体中央側に傾斜した(又は凹んだ)形状となっている点である。もしくは、図9や図10に示す左右非対称の断面形状において、進行方向に対する左側面(第一側面)の外縁は、進行方向に対する右側面(第二側面)の外縁よりも船体中央側に傾斜した(又は凹んだ)形状となっている。
また、図9や図10に示す左右非対称の断面形状の一つの特徴は、左右非対称部1920の進行方向に対する右側面(第二側面)の外縁が、左右対称部1921の右側面(第二側面)の外縁よりも船体の外側に張り出した形状となっている点である。もしくは、図9や図10に示す左右非対称の断面形状において、進行方向に対する右側面(第二側面)の外縁が、進行方向に対する左側面(第一側面)の外縁よりも船体の外側に張り出した形状となっている。
更に、図9や図10に示す左右非対称の断面形状の一つの特徴は、左右非対称部1920の進行方向に対する左側面(第一側面)の外縁が、左右対称部1921の左側面の外縁よりも船体中央側に傾斜し(又は凹んでおり)、かつ左右非対称部1920の進行方向に対する右側面(第二側面)の外縁が、左右対称部1921の右側面の外縁よりも船体の外側に張り出した形状となっていることが望ましい。もしくは、図9や図10に示す左右非対称の断面形状において、左右非対称部1920の進行方向に対する左側面(第一側面)の外縁が船体中央側に傾斜し(又は凹んでおり)、かつ左右非対称部1920の進行方向に対する右側面(第二側面)の外縁が船体の外側に張り出した形状となっていることが望ましい。
図9に示す左右非対称の船体の断面形状において、中央鉛直線1930と甲板の左右中央の甲板中央線との間の左右方向の距離であるずれ量は、一例として、甲板の最大横幅の15%の距離とすることができる。なお、このずれ量は、必ずしも15%とする必要はなく、15%以上であっても良く、また船体の重心位置が低い場合には、ずれ量を15%よりも小さくすることもできる。
(A-2-3.無人艇1010の復元性能の説明)
図12は、無人艇1010が水上において反転した状態の一例を示す図である。このように、無人艇1010が水上で反転してしまった状態では、航行部1300が機能せず無人艇1010を航行させることができない。また無人艇1010に搭載した計測部1100による計測データの取得動作を実行することができない。また、通信部1400による海上や海中における通信を行うこともできない。更には、発電部1510として太陽光パネル等を用いる場合には、発電を行うこともできない。そのため、より確実にまたより迅速に船体を通常の姿勢に復元させることが求められる。
以下に、上述した本実施形態における無人艇1010の左右非対称の船体形状が、左右対称の船体形状と比較して、復元性能がより高くなることを示すデータとその理由を説明する。
(A-2-3-1.左右対称と左右非対称の船体形状の比較)
図13は、左右非対称の船体形状と比較するための左右対称の船体形状の斜視図を示す図である。特に、図13の上側図は、船体を進行方向の右後ろ斜め上の位置から見た場合の斜視図を示しており、図13の下側図は、船体を進行方向の右後ろ斜め下の位置から見た場合の斜視図を示している。図13に示す左右対称の船体形状は、従来の船舶に適用されていた一般的な形状であり、船舶の進行方向(X軸方向)の任意の位置においてX軸と垂直な平面で船体を切断したY-Z平面の断面形状は、Y軸方向の中央を通るZ軸に平行な鉛直線を中心として左右対称となる船体形状である。
図14は、左右非対称と左右対称の船体形状の復元性能の比較結果を示す図である。特に、図14は、船舶の進行方向のベクトル(X軸)周りのロール姿勢角とロール角周りの復元モーメントの関係を示す図であり、図6等に示した左右非対称の船体形状(本実施形態)と、図13に示した左右対称の船体形状(比較例)を比較した結果を示している。図14に示す折れ線グラフ中において、左右非対称の船体形状の復元モーメントは実線で示され、左右対称の船体形状(比較例)の復元モーメントは点線で示されている。
図14の横軸は、船舶の進行方向のベクトル(X軸)周りのロール姿勢角を示しており、特に、X軸に対して左周りに回転する方向をプラスのロール角、X軸に対して右周りに回転する方向をマイナスのロール角として示している。また、図14の縦軸は、X軸に対して右周りに回転する方向のモーメントをプラスの復元モーメント、X軸に対して左周りに回転する方向のモーメントをマイナスの復元モーメントとして示している。
まず、図14に点線で示す左右対称の船体形状(比較例)の場合について説明する。左右対称の船体形状において、船体がX軸に対して左周りに回転する場合には、ロール角が0度~120度の間でロール角0度に戻ろうとする方向の復元モーメントが発生し、70度付近で復元モーメントがピークとなる。また、ロール角が120度~180度の間でロール角が180度(反転状態)となる方向の復元とは逆方向のモーメントが発生し、160度付近で逆方向のモーメントがピークとなる。
逆に、船体がX軸に対して右回りに回転する場合においては、ロール角が0度~-120度の間でロール角0度に戻ろうとする方向の復元モーメントが発生し、-70度付近で復元モーメントがピークとなる。また、ロール角が-120度~-180度の間でロール角が-180度にとなる方向の復元とは逆方向のモーメントが発生し、160度付近で逆方向のモーメントがピークとなる。
また、ロール角が180度(-180度)でモーメントがゼロとなるため、図12に示すように船体が反転した場合には、ロール角180度付近で船体の姿勢が安定する。この際、ロール角が180度を中心として120度~-120度の間は、ロール角が180度(-180度)にとなる方向の復元とは逆方向のモーメントが発生するため、船体がロール角0度の姿勢に戻るためには、波の力などにより船体のロール角が逆方向のモーメントに逆らって、120度以下または-120度以上になる必要がある。
次に、図14に実線示す左右非対称の船体形状(本実施形態)の場合について説明する。左右非対称の船体形状においては、船体がX軸に対して左周りに回転する場合には、ロール角が0度~120度の間でロール角0度に戻ろうとする方向の復元モーメントが発生し、70度付近で復元モーメントがピークとなる。また、ロール角が120度~165度付近の間はロール角が165度(反転状態)となる方向の復元とは逆方向のモーメントが発生し、150度付近で逆方向のモーメントがピークとなる。
ここで、図9や図10に示す左右非対称の断面形状において、左右非対称部1920の進行方向に対する左側面(第一側面)の外縁が、左右対称部1921の左側面(第一側面)の外縁よりも船体中央側に傾斜した(又は凹んだ)形状となっているため、ロール角150度付近の復元とは逆方向のモーメントのピーク値が、左右対称船体(比較例)よりも小さな値となっている。そのため、比較例よりも、X軸に対して右回りに回転してロール角がゼロの姿勢に戻る復元動作が生じやすい船体形状と言える。
また、図9や図10に示す左右非対称の断面形状において、進行方向に対する左側面(第一側面)の外縁が、進行方向に対する右側面(第二側面)の外縁よりも船体中央側に傾斜した(又は凹んだ)形状となっているため、ロール角150度付近の復元とは逆方向のモーメントのピーク値が、左右対称船体(比較例)よりも小さな値となっていると言うこともできる。そのため、比較例よりも、X軸に対して右回りに回転してロール角がゼロの姿勢に戻る復元動作が生じやすい船体形状と言える。
逆に、船体がX軸に対して右回りに回転する場合においては、ロール角が0度~-120度の間でロール角0度に戻ろうとする方向の復元モーメントが発生し、-70度付近で復元モーメントがピークとなる。また、ロール角が-120度~165度の間はロール角が165度にとなる方向の復元とは逆方向のモーメントが発生し、150度付近で逆方向のモーメントがピークとなる。
ここで、図9や図10に示す左右非対称の断面形状において、左右非対称部1920の進行方向に対する右側面(第二側面)の外縁が、左右対称部1921の右側面(第二側面)の外縁よりも船体の外側に張り出した形状となっているため、ロール角が-150度付近の復元とは逆方向のモーメントのピーク値が、左右対称船体(比較例)よりも大きな値となり、また、モーメントがゼロとなり反転状態で安定する角度が165度付近にずれる。そのため、ロール角150度付近の復元とは逆方向のモーメントが発生する角度範囲(120度~165度)が、左右対称船体(120度~180度)よりも狭くなっている。そのため、比較例よりも、X軸に対して右回りに回転してロール角がゼロの姿勢に戻る復元動作が生じやすい船体形状と言える。
また、図9や図10に示す左右非対称の断面形状において、進行方向に対する右側面(第二側面)の外縁が、進行方向に対する左側面(第一側面)の外縁よりも船体の外側に張り出した形状となっているため、ロール角が-150度付近の復元とは逆方向のモーメントのピーク値が、左右対称船体(比較例)よりも大きな値となり、また、モーメントがゼロとなり反転状態で安定する角度が165度付近にずれて、ロール角150度付近の復元とは逆方向のモーメントが発生する角度範囲(120度~165度)が、左右対称船体(120度~180度)よりも狭くなっていると言うこともできる。そのため、比較例よりも、X軸に対して右回りに回転してロール角がゼロの姿勢に戻る復元動作が生じやすい船体形状と言える。
更に、図9や図10に示す左右非対称の断面形状において、左右非対称部1920の進行方向に対する左側面(第一側面)の外縁が、左右対称部1921の左側面の外縁よりも船体中央側に傾斜し(又は凹んでおり)、かつ左右非対称部1920の進行方向に対する右側面(第二側面)の外縁が、左右対称部1921の右側面の外縁よりも船体の外側に張り出した形状となっている。そのため、図14に示す通り、反転状態で安定する角度165度付近からX軸に対して右回りに回転してロール角がゼロの姿勢に戻る復元動作を行う際の復元とは逆向きのモーメントのピーク値を低くでき、かつ逆向きのモーメントの発生する角度範囲を狭くできるため、X軸に対して右回りに回転してロール角がゼロの姿勢に戻る復元動作が、比較例よりも生じやすい船体形状と言える。
また、図9や図10に示す左右非対称の断面形状において、左右非対称部1920の進行方向に対する左側面(第一側面)の外縁が船体中央側に傾斜し(又は凹んでおり)、かつ左右非対称部1920の進行方向に対する右側面(第二側面)の外縁が船体の外側に張り出した形状となっている。そのため、図14に示す通り、反転状態で安定する角度165度付近からX軸に対して右回りに回転してロール角がゼロの姿勢に戻る復元動作を行う際の復元とは逆向きのモーメントのピーク値を低くでき、かつ逆向きのモーメントの発生する角度範囲を狭くできるため、X軸に対して右回りに回転してロール角がゼロの姿勢に戻る復元動作が、比較例よりも生じやすい船体形状と言うことができる。
次に、ロール角が150度の状態において、左右非対称の船体形状の方が、左右対称の船体形状(比較例)よりも復元を妨げる逆方向のモーメントの値が小さくなる理由について、図15及び図16を用いて説明する。
図15は、ロール角が150度の場合の左右対称船体形状(比較例)における重心と浮心の位置を示す後方側面図である。図14のグラフに示されたように、ロール角150度においては、左右対称の船体形状には、復元方向とは逆向きのモーメントが発生している。つまり、図15に示すように、重心周りに左回りのモーメントが発生し、船体が反転状態に戻る回転方向のモーメントが発生する。
図15の示すロール角150度の状態においては、船体の浮心の位置は重心位置よりも右側にずれた位置となる。また、浮心の位置に働く浮力ベクトルは、鉛直上向きに船体の重量と釣り合う大きさのベクトルとなる。そのため、重心周りに働くモーメントの大きさは、重心を通る鉛直線と浮心の距離と、浮力ベクトルの大きさの掛け算で求めることができる。
また、図16は、ロール角が150度の場合の左右非対称船体形状における重心と浮心の位置を示す後方側面図である。図14のグラフに示されたように、ロール角150度においては、左右非対称の船体形状には、復元方向とは逆向きのモーメントが発生している。つまり、図16に示すように、重心周りに左回りのモーメントが発生し、船体が反転状態に戻る回転方向のモーメントが発生する。
図16の示すロール角150度の状態において、船体の浮心の位置は、重心位置よりも右側にずれた位置となる。また、浮心の位置に働く浮力ベクトルは、鉛直上向きに船体の重量と釣り合う大きさのベクトルとなる。そのため、重心周りに働くモーメントの大きさは、重心を通る鉛直線と浮心の距離と、浮力ベクトルの大きさの掛け算で求めることができる。
ここで、図15に示した左右対称船体に発生するモーメントと、図16に示した左右非対称船体に発生するモーメントを比較した場合、図15の左右対称船体では、重心と浮心を結ぶ直線と鉛直線の成す角度が15度であるのに対して、図16の左右非対称船体では、重心と浮心を結ぶ直線と鉛直線の成す角度が10度であり、左右対称船体よりも角度Θが小さくなっていることが分かる。そのため、左右非対称船体の方が、重心を通る鉛直線と浮心の距離が小さくなり、モーメントがより小さくなる。
更に、図15の左右対称船体における重心と浮心の間の距離と、図16の左右非対称船体における重心と浮心の距離を比較すると、図16の左右非対称船体における重心と浮心の距離の方が長いことが分かる。そのため、左右非対称船体の方が、重心を通る鉛直線と浮心の距離が小さくなり、モーメントがより小さくなる。
図16の左右非対称船体は、左右非対称部1920の進行方向に対する左側側面が船体の中央側に傾斜しており(又は凹んでおり)、左右対称船体よりも船体の体積が少なくなっているため、上記したように、重心と浮心を結ぶ直線と鉛直線の成す角度がより小さくなり、重心と浮心の距離がより短くなるという特徴を有する。そのため、左右非対称船体の方が、重心を通る鉛直線と浮心の距離が小さくなり、モーメントの大きさがより小さくなる。
(A-2-3-2.左右非対称船体の復元の様子)
次に、図17を用いて、本実施形態に係る左右非対称の船体の姿勢が、ロール角140度から110度の角度に徐々に変化する場合に、各状態で発生するモーメントについて説明する。図17は、ロール角が140度乃至110度の場合の左右非対称船体形状における重心と浮心の位置を示す後方側面図である。
図17の上側に示すロール角140度及び130度においては、浮心の位置が重心の位置よりもY軸方向の右側にずれた位置に存在するため、重心を中心とした左回りのモーメント(復元とは逆向きのモーメント)が発生する。図17の中央下側に示すロール角120度においては、浮心の位置と重心の位置がY軸方向において略同一の位置となるため、重心を中心としたモーメントが発生しない。更に、図17の下側に示すロール角110度においては、浮心の位置が重心の位置よりもY軸方向において左側にずれた位置に存在するため、重心を中心とした右回りのモーメント(復元方向のモーメント)が発生する。
上記したように、本実施形態に係る左右非対称の船体の姿勢が120度よりも小さく角度まで変化した場合には、船体にはロール角0度に復元する方向のモーメントが発生し、船体の姿勢を復元させることができる。一方で、船体の姿勢が120度よりも大きな角度となる場合には、復元とは逆向きのモーメントが発生し、船体が反転した状態が継続する。
(A-2-3-3.水面の波と復元動作の関係)
次に、図18及び図19を用いて、水面に発生する波と船体の復元動作の関係について説明する。図18は、反転時に進行方向の左側から波を受ける場合の復元動作の様子を示す図である。特に、図18は、左右非対称の船体が反転時に左側から波を受ける場合に、進行方向(X軸方向)の右周りで船体がロール角0度の通常姿勢に復元する際の様子を示している。
図18の上側図は、時刻t1において船体のロール角が150度程度である場合に、進行方向の左側から船体の側面に波を受ける状態を示している。時刻t1の状態では、船体の左右非対称部1920の張り出し部1923が波により持ち上げられるため、右回りのモーメントが発生する。そして、図18の下側図に示す時刻t2において、船体のロール角が120度程度まで回転することができるため、時刻t2以降に船体はロール角0度の通常姿勢に復元することができる。
このように、左右非対称部1920の進行方向に対する右側面(第二側面)の外縁が、左右対称部1921の右側面(第二側面)の外縁よりも船体の外側に張り出した形状、もしくは、進行方向に対する右側面(第二側面)の外縁が、進行方向に対する左側面(第一側面)の外縁よりも船体の外側に張り出した形状により、張り出し部1923が左側から受ける波によりより大きな浮力を受けることができるため、張り出し部1923を有さない船体形状と比較して、復元性能を向上させることができる。
図19は、反転時に進行方向の右側から波を受ける場合の復元動作の様子を示す図である。特に、図19は、左右非対称の船体が反転時に右側から波を受ける場合に、進行方向(X軸方向)の右周りで船体がロール角0度の通常姿勢に復元する際の様子を示している。
図19の上側図は、時刻t1において船体のロール角が150度程度である場合に、進行方向の右側から船体の側面に波を受ける状態を示している。時刻t1の状態では、船体の右側が波により持ち上げられるため、左回りのモーメントが発生する。そして、図19の中央図に示す時刻t2において、船体のロール角が-170度程度まで回転する。この時刻t2において、船体の張り出し部1923が水面下に潜り込むため、図14のグラフにも示した通り、右回りの強いモーメントが発生する。そして、図19の下側図に示す時刻t3において、船体のロール角が120度程度まで回転することができるため、時刻t3以降に船体はロール角0度の通常姿勢に復元することができる。
このように、左右非対称部1920の進行方向に対する右側面(第二側面)の外縁が、左右対称部1921の右側面(第二側面)の外縁よりも船体の外側に張り出した形状、もしくは、進行方向に対する右側面(第二側面)の外縁が、進行方向に対する左側面(第一側面)の外縁よりも船体の外側に張り出した形状により、船体の右側から受ける波により、船体が回転して張り出し部1923が水面下に潜り込み、右回り強いモーメントを発生することができるため、張り出し部1923を有さない船体形状と比較して、復元性能を向上させることができる。
(A-2-4.無人艇1010の船体形状の変形例)
以下に、本発明に係る船体形状の変形例について説明する。図5乃至図19では、進行方向に対して右側に張り出し部1923を有し、左側が船体中央側に傾斜した(又は凹んだ)左右非対称の船体形状について説明したが、本発明の実施形態はこれに限られず、進行方向に対して左側に張り出し部1923を有し、右側が船体中央側に傾斜した(又は凹んだ)左右非対称の船体形状であっても良い。また、図5乃至図19に示す例では、船体の左右非対称部1920が、左右の一方側面に張り出し部1923を設け、他方側面に船体中央側に傾斜した(又は凹んだ)形状を設ける例を示したが、上記した特徴の片方の形状のみを備えた船体であっても良い。つまり、左右の一方側面に張り出し部1923を設けた船体形状、もしくは左右の一方側面に船体中央側に傾斜した(又は凹んだ)形状を設けた船体形状であっても良い。更には、船体の左右非対称部1920が、左右の両方側面に張り出し具合の異なる、つまり張り出し部分の体積が左右で異なる張り出し部1923を設けた船体形状とすることもできる。同様に、船体の左右非対称部1920が、左右の両方側面に傾斜又は凹み具合の異なる、つまり傾斜や凹みによる体積が左右で異なる形状を設けた船体形状とすることもできる。
次に、図20は、船体形状の第一の変形例におけるA-A断面図を示す図である。図20に示す船体形状は、図5乃至図11に示した船体形状よりも、船底から甲板までのZ軸方向の船体の高さが低くなっている。このように、船体の高さは適宜変更することができる。また、喫水面1912と構造境界線1922の間の距離も適宜変更することが可能である。
次に、図21は、船体形状の第二の変形例における斜視図を示す図である。図21に示す船体形状は、図5乃至図11に示した船体形状よりも、船底から甲板までのZ軸方向の船体の高さが高く、甲板の面積も広くなっている。更に、船体下側に設けた左右対称部1921と左右非対称部1920の体積比率を変更し、左右非対称部1920の体積比率を大きくした船体形状である。このように、船体の高さ、甲板の広さ、更には左右対称部1921と左右非対称部1920の体積比率は任意の値に適宜変更することが可能である。
次に、図22は、船体形状の第三の変形例における斜視図を示す図である。図22に示す船体形状は、進行方向の重心位置におけるA-A断面図においては、断面形状が左右非対称となっており、進行方向の他の位置では断面形状が左右非対称となっている船体形状である。このような船体形状も、図11に示すような無人艇1010の船体を進行方向に対して左右に分割する中央鉛直面1931により、無人艇1010の進行方向に対して船体を左右に分割した場合の中央鉛直面1931の右側の船体の体積は、中央鉛直面1931の左側の船体の体積とは異なる。つまり、図22に示す船体形状においては、中央鉛直面1931の右側の船体の体積は、中央鉛直面1931の左側の船体の体積よりも大きくなっている。そのため、図5乃至図11に示した船体形状と同様に、左右対称の船体形状と比較して、復元性能が向上するという効果を奏することができる。
(A-2-5.無人艇1010の内部のハードウェア構成)
次に、図23乃至図27を用いて、無人艇1010の船体内部のハードウェア構成及び船体外部のハードウェア構成の特徴について説明する。ここで、本実施形態における左右非対称の船体構造においては、船体の重量が張り出し部1923を有する船体の右側に偏るため、船体外板の重心位置が、図23や図24に示した中央鉛直面1931(喫水面1912と鉛直断面の交線の中点を通り進行方向に生成した中央線を含む中央鉛直面1931)よりも船体の右側の位置となる。しかし、船舶の航行性能を維持するためには、航行時の船体の姿勢を略水平(ロール角をゼロ度付近)に維持して、喫水面1912よりも下側の船体が自ら受ける抵抗を左右均等にすることが求められる。そのため、以下に示す例では、船体の外板の重量と、無人艇1010の船体内部に搭載された各機器を含めた無人艇1010の全体の重心位置が、進行方向に垂直なY-Z平面により船体を切断する場合の船体外板の鉛直断面と喫水面1912の交線の中心を通り前記進行方向に生成した中央線(図24に示す)の近傍位置、又は中央線の近傍の上側もしくは下側の位置となるように構成される。
(A-2-5-1.無人艇1010の内部搭載物の設置位置)
まず、無人艇1010の船体内部の搭載物の設置位置を調整することで、船体全体の重心位置を調整する例を説明する。図23は、A-A断面における船体内部の各機器の配置の一例を示すハードウェア構成図である。また、図24は、構造境界線1922の位置で船体を水平方向に切断したB-B断面における船体内部の各機器の配置の一例を示すハードウェア構成図である。
図23に示すように、A-A断面の位置における船体内部には、船体内部の下側にワイヤーハーネスが船体の長手方向に設けられており、中段に蓄電部を構成するバッテリーが設けられ、バッテリーの上段に自機状態判定部1200、航行制御部1330、電源制御部1530、計測データ処理部1600、記録部1700、重心位置制御機構部1800などの無人艇1010に搭載される他の機能部を構成する機器が搭載される。
上記したように、無人艇1010の全体の重心位置が中央鉛直面1931に含まれる位置、又は中央鉛直面1931の近傍の位置となるように、図23及び図24に示す例では、船体の内部に設けられる機器、蓄電装置、ケーブル、他の重量物の少なくともいずれかを含む搭載物の重心が、中央鉛直面1931よりも左側(第一側面側)にずれた位置となるように搭載物を配置している。より具体的には、図23及び図24に示す例では、船体の長手方向に複数搭載されたバッテリーの少なくとも一部が、バッテリーの重心位置が中央鉛直面1931よりも左側(第一側面側)、つまり張り出し部1923が設けられえた右側とは逆側に寄った位置に配置されており、船体内に搭載された搭載物の総合重量の重心位置が中央鉛直面1931よりも左側(第一側面側)となっている。なお、図24に示すように、バッテリーの全部が左側に偏って配置される必要はなく、複数のバッテリーの全体の重心位置が左側に偏っていれば良いため、後尾側の一部のバッテリーは中央鉛直面1931よりも右側に寄った位置に配置されていても良い。
なお、図23及び図24に示す例では、バッテリーの配置を調整して船体全体の重心位置を調整する例を説明したが、本発明はこれに限られず、ワイヤーハーネス、他の機器、又はその他の搭載物の重心位置が中央鉛直面1931よりも左側(第一側面側)に寄った位置となるように設けても良い。
(A-2-5-2.無人艇1010の船体外板の厚み)
次に、無人艇1010の船体の外板の厚みを調整することで、船体全体の重心位置を調整する例を説明する。図25は、A-A断面における船体内部の各機器の配置と船体外板の厚みの一例を示すハードウェア構成図である。
上記したように、図25に示す例では、中央鉛直面1931よりも左側(第一側面側)の船体外板の厚みが、右側(第二側面側)の船体外板の厚みよりも厚くなるように船体外板の厚みを調整することにより、無人艇1010の全体の重心位置が中央鉛直面1931に含まれる位置、又は中央鉛直面1931の近傍の位置となるように調整することができる。図25に示す例では、具体的には、船体下側の左右対称部1921と船体上側の左右非対称部1920の左側(第一側面側)の船体外板の厚みが、他の部分の船体外板の厚みよりも厚くなっている。
(A-2-5-3.無人艇1010の上側と下側の搭載物の設置位置)
次に、図26及び図27を用いて、無人艇1010の船体の上側と下側に搭載する搭載物の設置位置を調整することで、船体全体の重心位置を調整する例を説明する。図26は、無人艇1010の右側面図の一例を示す図である。また、図27は、無人艇1010の後方側面図の一例を示す図である。
図26及び図27に示すように、無人艇1010の船体の甲板にはポールが設置されており、当該ポールの上部には、海上計測センサ1110や無線通信部1410が設置される。例えば、このポールは、中央鉛直面1931よりも左側(第一側面側)にずれた位置に配置することで、無人艇1010の全体の重心位置が中央鉛直面1931に含まれる位置、又は中央鉛直面1931の近傍の位置となるように調整することができる。
また、図26及び図27に示すように、無人艇1010の船体の下側にはフィン状のキールが設置されており、当該キールの下側先端部には、内部に機器を搭載可能な機器搭載部が設けられる。この機器搭載部の内部には、海中計測センサ1120や海中通信部1420、または無人艇1010の重心位置を下げるための重量物などを搭載することができる。ここで、例えば、機器搭載部の内部に搭載される搭載物の重心が、中央鉛直面1931よりも左側(第一側面側)にずれた位置に配置することで、無人艇1010の全体の重心位置が中央鉛直面1931に含まれる位置、又は中央鉛直面1931の近傍の位置となるように調整することができる。
つまり、船体の上面又は船体の上側又は船底の下側に設けられる機器、発電装置、他の重量物の少なくともいずれかを含む搭載物の重心が、喫水面1912と鉛直断面の交線の中点を通り進行方向に生成した中央線を含む中央鉛直面1931よりも第一側面側にずれた位置となるように搭載物を配置することで、無人艇1010の全体の重心位置が中央鉛直面1931に含まれる位置、又は中央鉛直面1931の近傍の位置となるように調整することができる。
(A-2-6.統括制御システム2000のハードウェア構成)
図28は、統括制御システム2000及びユーザ端末5000のハードウェア構成図である。ここで、本発明における統括制御システム2000及びユーザ端末5000は、サーバ装置やPCなどの情報処理装置である。図示するように、統括制御システム2000は、入力装置100と、出力装置200と、処理装置300と、主記憶装置400と、補助記憶装置500と、通信装置600と、これらの各装置を電気的に接続するバス700と、を有する。
入力装置100は、ユーザ入力受付部を構成することができ、ユーザが統括制御システム2000に情報や指示を入力するための装置である。具体的には、入力装置100は、例えばタッチパネル、キーボード、マウスあるいはマイクロフォンのような音声入力装置である。
出力装置200は、統括制御システム2000により生成された各種情報を出力する装置であり、表示部2710を構成することができる。具体的には、出力装置200は、アイウェア、AR、VRのディスプレイ装置などで表示部を構成でき、またプリンタあるいはスピーカーであっても良い。
処理装置300は、例えば演算処理を行う装置である。具体的には、処理装置300は、例えば、CPU、マイクロプロセッサ、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、あるいはその他の演算できる半導体デバイス等である。
主記憶装置400は、処理の中で、任意のアドレスの記憶素子に対して随時、アクセスパターンに依存した待ち時間などを要することなく、読み出しや一時的な書き込みを行うRAMやROMを含むメモリ装置である。例えば、RAMは、処理装置300で実行されるプログラムやアプリケーションプログラムおよびその他の様々な処理の中で一時的に書き込みと読み出しが行われる。また、ROMは、装置の電源が喪失した場合であっても記録情報が失われない不揮発性メモリである。補助記憶装置500は、デジタル情報を記憶可能なHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。
通信装置600は、外部との間で無線あるいは有線による情報通信を行う装置であり、前述した情報通信部を構成することができる。
上述した実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
[B.本実施形態の効果]
上述した実施形態により、船舶が反転した場合に、より確実に又はより短時間に反転状態から自動復元させることができる船舶を得ることが可能となる。特に、船体の一部に左右非対称部1920を設けることで、船体が水面上で反転した場合の進行方向の軸周りの復元特性を右回りと左周りで異なる特性とすることができ、左右対称の船体形状よりもより確実又はより短時間に反転状態から自動復元できる船舶を得ることができる。
1…海上監視システム(システム)
100…入力装置 200…出力装置
300…処理装置 400…主記憶装置
500…補助記憶装置 600…通信装置
700…バス
1000…無人艇システム
1001…親機 1002…子機
1010…無人艇
1100…計測部 1110…海上計測センサ
1120…海中計測センサ 1130…計測制御部
1200…自機状態判定部 1210…航行状態判定部
1220…内部状態判定部 1230…外部状態判定部
1300…航行部 1310…推力発生部
1320…姿勢制御機構部 1330…航行制御部
1400…通信部 1410…無線通信部
1420…海中通信部 1430…通信制御部
1500…電源部 1510…発電部
1520…蓄電部 1530…電源制御部
1600…計測データ処理部
1700…記録部 1710…計測データ記録部
1720…自機状態記録部 1730…判定情報記録部
1800…重心位置制御機構部
1910…水面 1911…喫水線
1912…喫水面
1920…左右非対称部 1921…左右対称部
1922…構造境界線 1923…張り出し部
1930…中央鉛直線 1931…中央鉛直面
2000…統括制御システム
3100…上空アクセスポイント 3110…通信衛星
3120…HAPS 3200…地上アクセスポイント
5000…ユーザ端末
6000…インターネット回線
7000…対象物
7100…海上対象物 7200…海中対象物

Claims (20)

  1. 水上を航行し、反転した場合に自動復元する船舶であって、
    前記船舶の船体が水面上で停泊又は定速航行しているときに水面と前記船体の外板の交線を含む面を喫水面とし、
    前記船舶の直進進行時の進行方向に形成される第一の直線上のいずれかの位置における前記第一の直線と垂直な面と前記船体の外板の交線で囲われる断面を鉛直断面とした場合に、
    前記第一の直線上の少なくともいずれかの位置における前記鉛直断面の形状が、前記喫水面と前記鉛直断面の交線の中点を通る鉛直線を基準として、左右非対称の形状とすることにより、前記船舶のロール角がゼロ角の姿勢へ戻る復元動作が生じやすい船体形状とした、船舶。
  2. 請求項1に記載の船舶において、
    前記船体は、前記進行方向の左右の側面形状が略対称となる左右対称部と、左右の側面形状が非対称となる左右非対称部を有し、
    前記左右対称部は、前記喫水面よりも下側の少なくとも一部に設けられ、
    前記左右非対称部は、前記喫水面よりも上側に設けられる、船舶。
  3. 請求項1に記載の船舶において、
    前記船体は、前記進行方向の左右の側面形状が対称となる左右対称部と、左右の側面形状が非対称となる左右非対称部を有し、
    前記左右対称部は、前記喫水面よりも下側、及び前記喫水面から前記喫水面よりも所定距離鉛直上側の位置の間に設けられ、
    前記左右非対称部は、前記喫水面よりも所定距離上側の位置よりも上側に設けられる、船舶。
  4. 請求項1に記載の船舶において、
    前記第一の直線の方向の前記船舶の重心位置付近において、前記第一の直線と垂直な面と前記船体の外板の交線で囲われる前記鉛直断面の形状が、前記喫水面と前記鉛直断面の交線の中点を通る前記鉛直線を基準として、左右非対称の形状となる、船舶。
  5. 請求項1に記載の船舶において、
    前記喫水面と前記鉛直断面の交線の中点を通り前記進行方向に生成した中央線を含む中央鉛直面により、前記進行方向に対して左右に分けられた右側の前記船体の体積と、左側の前記船体の体積が異なる、船舶。
  6. 請求項2又は3に記載の船舶において、
    前記左右非対称部の前記進行方向に対する第一側面の前記鉛直断面の外縁が、前記左右対称部と前記左右非対称部の境界線の位置における前記第一側面の前記鉛直断面の外縁よりも船体中央側に傾斜もしくは凹んでいる、船舶。
  7. 請求項2又は3に記載の船舶において、
    前記左右非対称部の前記進行方向に対する第二側面側の前記鉛直断面の外縁が、前記左右対称部と前記左右非対称部の境界線の位置における前記第二側面側の前記鉛直断面の外縁よりも船体外側に張り出している、船舶。
  8. 請求項2又は3に記載の船舶において、
    前記左右非対称部の前記進行方向に対する第一側面の前記鉛直断面の外縁が、前記左右対称部と前記左右非対称部の境界線の位置における前記第一側面の前記鉛直断面の外縁よりも船体中央側に傾斜もしくは凹んでおり、
    前記左右非対称部の前記第一側面と対向する第二側面側の前記鉛直断面の外縁が、前記左右対称部と前記左右非対称部の境界線の位置における前記第二側面側の前記鉛直断面の外縁よりも船体外側に張り出している、船舶。
  9. 請求項1に記載の船舶において、
    前記喫水面と前記鉛直断面の交線の中点を通り前記進行方向に生成した中央線の近傍位置、又は前記中央線の近傍の上側もしくは下側の位置が、前記船舶の重心位置となる、船舶。
  10. 請求項1に記載の船舶において、
    前記船体は、左右の側面形状が対称となる左右対称部と、左右の側面形状が非対称となる左右非対称部を有し、
    前記左右非対称部の前記進行方向に対する第一側面の前記鉛直断面の外縁が、前記喫水面の位置における前記第一側面の前記鉛直断面の外縁よりも船体中央側に傾斜もしくは凹んでおり、または前記左右非対称部の前記進行方向に対する前記第一側面とは逆側の第二側面側の前記鉛直断面の外縁が、前記喫水面の位置における前記第二側面側の前記鉛直断面の外縁よりも船体外側に張り出した船体形状であり、
    前記船体の内部に設けられる機器、蓄電装置、ケーブル、他の重量物の少なくともいずれかを含む搭載物の総合重量の重心が、前記喫水面と前記鉛直断面の交線の中点を通り前記進行方向に生成した中央線を含む中央鉛直面よりも前記第一側面にずれた位置となるように前記搭載物を配置した、船舶。
  11. 請求項1に記載の船舶において、
    前記船体は、左右の側面形状が対称となる左右対称部と、左右の側面形状が非対称となる左右非対称部を有し、
    前記左右非対称部の前記進行方向に対する第一側面の前記鉛直断面の外縁が、前記喫水面の位置における前記第一側面の前記鉛直断面の外縁よりも船体中央側に傾斜もしくは凹んでおり、または前記左右非対称部の前記進行方向に対する前記第一側面とは逆側の第二側面側の前記鉛直断面の外縁が、前記喫水面の位置における前記第二側面側の前記鉛直断面の外縁よりも船体外側に張り出した船体形状であり、
    前記船体の上面又は前記船体の上側又は船底の下側に設けられる機器、発電装置、他の重量物の少なくともいずれかを含む搭載物の総合重量の重心が、前記喫水面と前記鉛直断面の交線の中点を通り前記進行方向に生成した中央線を含む中央鉛直面よりも前記第一側面側にずれた位置となるように前記搭載物を配置した、船舶。
  12. 請求項1に記載の船舶において、
    前記船体は、左右の側面形状が対称となる左右対称部と、左右の側面形状が非対称となる左右非対称部を有し、
    前記左右非対称部の前記進行方向に対する第一側面の前記鉛直断面の外縁が、前記喫水面の位置における前記第一側面の前記鉛直断面の外縁よりも船体中央側に傾斜もしくは凹んでおり、または前記左右非対称部の前記進行方向に対する前記第一側面とは逆側の第二側面側の前記鉛直断面の外縁が、前記喫水面の位置における前記第二側面側の前記鉛直断面の外縁よりも船体外側に張り出した船体形状であり、
    前記喫水面と前記鉛直断面の交線の中点を通り前記進行方向に生成した中央線を含む中央鉛直面よりも前記第一側面の前記船体の外板の厚みが、前記中央鉛直面よりも前記第二側面側の前記船体の外板よりも厚い、船舶。
  13. 水上を航行し、反転した場合に自動復元する船舶であって、
    前記船舶の船体が水面上で停泊又は定速航行しているときに水面と前記船体の外板の交線を含む面を喫水面とし、
    前記船舶の直進進行時の進行方向に形成される第一の直線上のいずれかの位置における前記第一の直線と垂直な面と前記船体の外板の交線で囲われる断面を鉛直断面と定義する場合に、
    前記第一の直線上の少なくともいずれかの位置における前記鉛直断面を前記喫水面により上側と下側に分けた際の、前記上側の前記鉛直断面の図心と、前記下側の前記鉛直断面の図心の横方向の位置がずれていることにより、前記船舶のロール角がゼロ角の姿勢へ戻る復元動作が生じやすい船体形状とした、船舶。
  14. 請求項13に記載の船舶において、
    前記上側の前記鉛直断面の第一側面の外縁が、前記第一側面と対向する第二側面の外縁よりも前記船体の中央側に傾斜もしくは凹んでいる、船舶。
  15. 請求項13に記載の船舶において、
    前記上側の前記鉛直断面の第二側面の外縁が、前記第二側面と対向する第一側面の外縁よりも前記船体の外側に張り出している、船舶。
  16. 請求項13に記載の船舶において、
    前記上側の前記鉛直断面の第一側面の外縁が、前記船体の中央側に傾斜もしくは凹んでおり、
    前記上側の前記鉛直断面の第二側面の外縁が、前記船体の外側に張り出している、船舶。
  17. 水上を航行し、反転した場合に自動復元する船舶であって、
    前記船舶の直進進行時の進行方向に形成される第一の直線上のいずれかの位置における前記第一の直線と垂直な面と前記船舶の船体の外板の交線で囲われる断面を鉛直断面と定義する場合に、
    前記第一の直線上の少なくともいずれかの位置における前記鉛直断面を、上下方向の長さで下側の四分の一と、上側の四分の三に分けた際の、前記上側の前記鉛直断面の図心と、前記下側の前記鉛直断面の図心の横方向の位置がずれていることにより、前記船舶のロール角がゼロ角の姿勢へ戻る復元動作が生じやすい船体形状とした、船舶。
  18. 請求項17に記載の船舶において、
    前記上側の前記鉛直断面の第一側面の外縁が、前記第一側面と対向する第二側面の外縁よりも前記船体の中央側に傾斜もしくは凹んでいる、船舶。
  19. 請求項17に記載の船舶において、
    前記上側の前記鉛直断面の第二側面の外縁が、前記第二側面と対向する第一側面の外縁よりも前記船体の外側に張り出している、船舶。
  20. 請求項17に記載の船舶において、
    前記上側の前記鉛直断面の第一側面の外縁が、前記船体の中央側に傾斜もしくは凹んでおり、
    前記上側の前記鉛直断面の第二側面の外縁が、前記船体の外側に張り出している、船舶。
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