本発明の実施形態の内容を以下に列記して説明する。本発明は、以下のような構成を備える。
[項目1]
対象物を検出可能な計測センサを搭載した複数の移動体の動作を制御して、前記対象物の検出を行う制御システムにおいて、
前記計測センサにより取得した計測データに基づいて前記対象物を検出する対象物検出部と、
複数の前記移動体により単一または複数の小隊を編成するための前記小隊の編成内容に関する編成指令を決定する部隊編成指令決定部と、を備え、
前記部隊編成指令決定部は、前記対象物検出部により前記対象物を検出した場合に、検出した前記対象物の現在状態または将来予測される状態に応じて、前記小隊の前記編成指令を決定する、制御システム。
[項目2]
項目1に記載の制御システムにおいて、
前記部隊編成指令決定部の決定する前記小隊の前記編成指令には、前記小隊の数に関する情報が含まれる、制御システム。
[項目3]
項目1又は2に記載の制御システムにおいて、
前記部隊編成指令決定部は、前記対象物の現在状態または将来予測される状態に応じて、単一又は複数の前記小隊に対する役割を決定し、前記役割に応じて前記小隊の数の指定情報を含む前記編成指令を決定する、制御システム。
[項目4]
項目1乃至3のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記部隊編成指令決定部の決定する前記小隊の前記編成指令には、単一又は複数の前記小隊の各小隊に属する前記移動体の数に関する情報が含まれる、制御システム。
[項目5]
項目1乃至4のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記部隊編成指令決定部は、前記対象物の現在状態または将来予測される状態に応じて、単一又は複数の前記小隊に対する役割を決定し、前記役割に応じて各小隊に属する前記移動体の数の指定情報を含む前記編成指令を決定する、制御システム。
[項目6]
項目1乃至5のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記部隊編成指令決定部の決定する前記小隊の前記編成指令には、複数の前記小隊に属する前記移動体を複数の前記小隊の間で入れ替える指令情報が含まれる、制御システム。
[項目7]
項目1乃至6のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記小隊の編成内容に関するユーザ入力情報を受け付けるユーザ入力受付部を備え、
前記部隊編成指令決定部は、前記ユーザ入力情報に応じて、前記小隊の前記編成指令を決定する、制御システム。
[項目8]
項目1乃至7のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記部隊編成指令決定部の決定する前記編成指令は、無線通信ネットワークにより互いに直接接続または他の前記移動体を介して間接接続される複数の前記移動体で構成される前記小隊の編成内容の指定情報が含まれる、制御システム。
[項目9]
項目1乃至8のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記部隊編成指令決定部は、決定した前記小隊の前記編成内容に応じて、前記無線通信ネットワークによる複数の前記移動体の接続構成に関する情報を含む前記編成指令を決定する、制御システム。
[項目10]
項目1乃至9のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記小隊の編成内容に関するユーザ入力情報を受け付けるユーザ入力受付部を備え、
前記部隊編成指令決定部は、前記ユーザ入力情報に応じて、前記小隊の前記無線通信ネットワークの接続構成に関する情報を含む前記編成指令を決定する、制御システム。
[項目11]
項目1乃至10のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記部隊編成指令決定部は、単一又は複数の前記小隊毎に役割を指定する小隊動作指令を決定する、制御システム。
[項目12]
項目1乃至11のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記部隊編成指令決定部の決定する前記小隊動作指令には、
前記対象物の追跡、包囲、足止め、先回り、追跡引継ぎ、継続計測補足、もしくは待ち伏せ、
または前記計測データの保管、送受信、もしくは解析処理、
または他の前記移動体との通信中継、
または前記移動体に搭載した蓄電装置の充電、
の少なくともいずれかの役割を前記小隊毎に指定する情報が含まれる、制御システム。
[項目13]
項目1乃至12のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記部隊編成指令決定部の決定する前記小隊動作指令には、
前記対象物の追跡、包囲、足止め、先回り、追跡引継ぎ、継続補足もしくは待ち伏せを含む第一役割と、
前記計測データの保管、送受信、もしくは解析処理、他の前記移動体の通信中継の少なくともいずれかを含む第二役割、
のいずれか一方の役割を前記小隊毎に指定する情報が含まれる、制御システム。
[項目14]
項目1乃至13のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記部隊編成指令決定部の決定する前記小隊動作指令には、
前記対象物の追跡、包囲、足止め、先回り、追跡引継ぎ、継続補足もしくは待ち伏せを含む第一役割と、
前記計測データの保管、送受信、もしくは解析処理、他の前記移動体の通信中継の少なくともいずれかを含む第二役割、
の両方の役割を前記小隊毎に指定する情報が含まれる、制御システム。
[項目15]
項目1乃至14のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記部隊編成指令決定部の決定する前記小隊動作指令には、
前記対象物の追跡、包囲、足止め、先回り、追跡引継ぎ、継続補足もしくは待ち伏せを含む第一役割と、
前記計測データの保管、送受信、もしくは解析処理、他の前記移動体の通信中継の少なくともいずれかを含む第二役割、
のいずれか一方の役割を、複数の前記小隊の一部に対して指定する情報と、
前記第一役割と前記第二役割の両方の役割を、複数の前記小隊の他の一部に対して指定する情報が含まれる、制御システム。
[項目16]
項目1乃至15のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記小隊毎の役割に関するユーザ入力情報を受け付けるユーザ入力受付部を備え、
前記部隊編成指令決定部は、前記ユーザ入力情報に応じて、前記小隊毎の役割に関する前記小隊動作指令を決定する、制御システム。
[項目17]
項目1乃至16のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記部隊編成指令決定部は、前記小隊毎に指定した役割の前記小隊動作指令に応じて、前記小隊に属する少なくとも一部の前記移動体毎に役割、移動目標の少なくともいずれかを含む移動体動作指令を決定する、制御システム。
[項目18]
項目1乃至17のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記部隊編成指令決定部は、前記小隊毎に指定した役割の前記小隊動作指令に応じて、前記小隊毎の移動目標位置と移動目標時刻の少なくともいずれかを含む移動目標を決定する、制御システム。
[項目19]
項目1乃至18のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記部隊編成指令決定部は、
決定した前記編成内容の前記小隊を組成する際の前記小隊毎の組成位置、組成時刻、もしくは隊形形状、または前記編成内容の小隊を組成後の前記小隊毎の移動目標位置、移動目標時刻、または前記小隊に属する前記移動体の移動目標位置、移動目標時刻の少なくともいずれかを含む小隊の組成または展開に関する小隊展開指令を決定する、制御システム。
[項目20]
項目1乃至19のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記小隊毎の小隊展開指令の内容に関するユーザ入力情報を受け付けるユーザ入力受付部を備え、
前記部隊編成指令決定部は、前記ユーザ入力情報に応じて、前記小隊の前記小隊展開指令を決定する、制御システム。
[項目21]
項目1乃至20のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記部隊編成指令決定部により生成された指令に関する情報を表示出力する表示部を備える、制御システム。
[項目22]
項目1乃至21のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記部隊編成指令決定部により生成された指令を前記移動体へ送信する制御指令送信部を備える、制御システム。
[項目23]
項目1乃至22のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記部隊編成指令決定部により生成された指令に関する情報を外部へ送信する情報送信部を備える、制御システム。
[項目24]
項目1乃至23のいずれかに記載の制御システムにおいて、
前記移動体は、遠隔操縦または自律航行または自動航行により海上を移動可能であり、前記計測センサを用いて前記対象物の検出を行う無人艇である、制御システム。
[項目25]
対象物を検出可能な計測センサを搭載した複数の移動体の動作を制御して、前記対象物の検出を行う制御方法であって、
前記計測センサにより取得した計測データに基づいて前記対象物を検出する対象物検出ステップと、
前記対象物検出ステップにより前記対象物を検出した場合に、検出した前記対象物の現在状態または将来予測される状態に応じて、複数の前記移動体により単一または複数の小隊を編成するための前記小隊の編成内容を指定する編成指令を決定する部隊編成指令決定ステップと、を実行する制御方法。
[項目26]
対象物を検出可能な計測センサを搭載した複数の移動体の動作を制御して、前記対象物の検出を行うためのプログラムであって、
コンピュータに、
前記計測センサにより取得した計測データに基づいて前記対象物を検出する対象物検出命令と、
前記計測データに基づいて前記対象物を検出した場合に、検出した前記対象物の現在状態または将来予測される状態に応じて、複数の前記移動体により単一または複数の小隊を編成するための前記小隊の編成内容を指定する編成指令を決定する部隊編成指令決定命令、を実行させるプログラム。
<A.第1の実施形態>
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、以下に示す実施形態は、例を表すに過ぎず、その用途、目的又は規模等に応じて、他の既知の要素や代替手段を採用可能である。
[A.構成]
(A-1.システム構成)
まず、図1乃至図3を用いて、本発明の一実施形態に係る制御システム1のシステム構成について説明する。
(A-1-1.システム構成の概要)
図1は、本発明の一実施形態に係る制御システム1(以下「システム1」ともいう。)の全体構成図である。図1に示されるように、制御システム1は、無人艇システム1000と統括制御システム2000を備えている。また、統括制御システム2000は、外部の協調システム5000や外部システム6000とインターネット回線等を介して通信可能に構成されており、情報の入出力を行うことができる。統括制御システム2000は、地上基地局4000と通信衛星3000を介して、海上に展開する無人艇システム1000に対して制御指令を送信することができ、また、無人艇システム1000の動作ステータスや計測データを受信することができる。そのため、統括制御システム2000は、海上を航行して移動可能であり、対象物7000を検出可能な計測センサを搭載した複数の無人艇1010(「無人船舶」とも言う。)を有する無人艇システム1000の動作を遠隔から遠隔操縦制御または自律航行または自動航行させて、海上または海中の所定エリア(第一エリア)において計測センサを用いて対象物7000の探索や発見後の追跡などの作業を実行することができる。ここで、所定エリアとは、ユーザが設定または事前に設定可能な任意のエリアである。
無人艇システム1000は、単一機または複数機の無人艇1010を備えている。無人艇システム1000が複数の無人艇1010で構成される場合には、複数の無人艇1010は、互いに無線通信で接続されており通信ネットワークを構成することができる。また、無人艇1010は、自機に搭載された計測センサ(光学カメラ、IRカメラ、LiDARなどのレーザーセンサ、ミリ波センサやマイクロ波センサなどのレーダーセンサ、ソナー等の音波センサなど)により、船舶、ダイバー、漂流物、漂流者、クジラなどの海洋生物、防波堤、港湾部、洋上インフラ設備(風力発電設備、波力発電設備、海上プラント、海上滑走路など)、浮遊ブイ、生け簀、その他の物体を含む対象物7000の計測を行う機能を有する。
無人艇システム1000により検出された対象物7000の検出判定結果や計測データ、更には無人艇システム1000の各無人艇1010の動作ステータスの各種情報は、通信衛星3000と地上基地局4000を介して、統括制御システム2000に伝送される。統括制御システム2000は、無人艇システム1000からの取得情報や事前に取得した要望情報などに基づいて、無人艇システム1000に対する動作指令を決定する。生成された動作指令などの情報は、ユーザ端末装置8000に送信されてユーザに表示出力される。また、ユーザ端末装置8000を介してユーザからの動作指令等に関する介入指令を取得することができる。
(A-1-2.制御システム1の実空間への実装例)
図2は、実空間における制御システム1の実装イメージの一例を示す図である。図2に示す例では、図面右上に示す地上側に、地上基地局4000と、統括制御システム2000が設けられている。また、地上側には、統括制御システム2000とネットワークで接続された協調システム5000、外部システム6000、ユーザ端末装置8000が設けられる。
他方、図面左に示す海洋側には、無人艇システム1000が展開し、海洋に存在する対象物7000の探索や追跡などを行う。また、無人艇システム1000は、親機と複数の子機で構成される複数のグループ(1000a、1000b、1000c)を有し、各グループの間で直接または通信衛星3000を介して通信を行うことができる。
図2に示す例では、統括制御システム2000は、地上側の施設に実装される例を示しているが、これに限られず、本実施形態に示す統括制御システム2000に実装された機能の全部または一部の機能は、図示しない地上側の海岸エリアに設けられた沿岸現場拠点や海上側の有人母船などに搭載し、沿岸現場拠点や有人母船において無人艇システム1000の運用管理を行うことも可能である。
上記した図1及び図2に説明した実施形態の構成として、統括制御システム2000と無人艇システム1000の間における情報の送受信のための通信ネットワークとして、静止軌道(Geosynchronous orbit)または地球低軌道(Low Earth orbit)の通信衛星3000を用いた非地上系ネットワーク(Non-Terrestrial Network)を利用する例を説明したが、本発明はこれに限られず、HAPS(High Altitude Platform Station)と呼ばれる無人飛行体を用いた非地上系ネットワークを利用することもできる。この場合、例えば、高度8~50km程度を旋回飛行する無人飛行体を利用することができる。また、統括制御システム2000と無人艇1010の間における情報の送受信のための通信ネットワークとして、通信衛星3000やHAPSを経由せず、地上基地局4000から無人艇1010の間を直接無線通信で接続した通信ネットワークを利用することも可能である。なお、地上基地局4000は、不動の固定基地局に限らず、移動可能な移動基地局で構成されていても良い。更に他の例として、統括制御システム2000と無人艇システム1000の間の通信手段として、上記したような無線通信に限らず、光ファイバーケーブル等を用いた有線通信を利用することもできる。
(A-1-3.協調システム5000と外部システム6000の概要)
図3は、協調システム5000と外部システム6000の一例を示す図である。図3に示す通り、無人艇システム1000と統括制御システム2000を有する制御システム1は、ネットワークを介して、協調システム5000と外部システム6000とそれぞれ接続される。
また、協調システム5000は、例えば、民間警備団体、海洋調査団体、インフラ点検団体、民間救助団体、その他の外部協調団体のシステムを含む。民間警備団体関連施設には監視責任者、監視船には監視員が存在し、互いに連携して海洋エリアでの不審船や迷惑行為等の監視を行っている。
また、外部システム6000は、海洋エリアを航行する船舶の識別情報や運航状況の情報を取得する船舶運航監視システム(AIS)や、無人艇システム1000が展開するエリアやその周辺エリアにおける気象情報等(風、雨、雪、曇り、霧、波高などの情報)を提供する環境情報提供システムなどを含むシステムである。外部システム6000は、これらのシステム以外にも、海流や潮流の流速、方向、位置などの海象情報を提供するMDAシステム等を含んでいても良い。外部システム6000は、更に、太陽の高度や位置、月の高度な位置に関する情報を含んでいても良い。
(A-1-4.対象物7000の探索や追跡等を行う様子)
図4は、海上に展開された無人艇システム1000が対象物7000の探索等を行う様子を示す概念図である。図4に示す通り、グループを構成する複数の無人艇1010が海上に展開し、各無人艇1010に搭載された計測センサ1110により海上や海中の計測可能範囲内に存在する対象物7000を計測することができる。
計測した対象物7000の計測データや検出判定結果などは、無人艇1010の間の通信ネットワークを介して親機1001に集約され、親機1001から通信衛星3000に送信され、地上基地局4000やインターネット回線を介して統括制御システム2000に送信される。また、各無人艇1010には任意の方向に無人艇1010を航行可能な航行部1300が設けられており、統括制御システム2000により送信される動作指令に基づいて、対象物7000の探索や追跡等の各種任務を実行することが可能である。
(A-2.無人艇1000の構成)
次に、図5乃至図7を用いて、本発明の一実施形態に係る無人艇システム1000のシステム構成について説明する。
(A-2-1.無人艇システム1000の概要)
図5は、複数の無人艇により構成される無人艇システム1000を示す構成図である。図5に示す通り、無人艇システム1000は、1つまたは複数の小隊(1000a、1000b)により構成され、各小隊は互いに通信可能な複数の無人艇1010により構成される。また、各小隊を構成する複数の無人艇1010は、通信衛星3000と無線通信可能な親機1001、または親機1001と直接または間接的に通信可能な子機1002の役割を担うように構成される。親機1001は、通信衛星3000と通信接続し、複数の子機1002から収集した情報を集約して通信衛星3000に送信すると共に、通信衛星3000から取得した動作指令に関する情報や自ら生成した情報を各子機1002へ直接または間接的に伝送する機能を有する。
図5に示す小隊1000aは、親機1001と通信接続する一次接続子機10021と、一次接続子機10021と通信接続する二次接続子機10022と、二次接続子機10022と通信接続する三次接続子機10023を備えている。各子機(一次接続子機10021、二次接続子機10022、三次接続子機10023)は、それぞれ他の親機1001または子機1002から受信した情報を他の親機1001や子機1002に中継する機能を有することで、親機1001及び複数の子機1002の間で通信ネットワークを構成している。
図5では、親機1001と子機1002を有する小隊の構成を示したが、これに限られず、無人艇1010で構成される小隊1000は、通信部を備える複数の無人艇1010が互いに直接または間接的に無線通信可能な共通の無線通信ネットワークに接続された無人艇1010を一つの小隊1000として構成することができる。なお、上記したような無線通信ネットワークでお互いに接続される複数の無人艇1010に限らず、他の無人艇1010と無線通信を行わず、通信衛星3000と通信接続される親機の機能を有する単一の無人艇1010も小隊1000として定義することができる。また、上記したような直接または間接的な無線通信ネットワークでお互いに接続される複数の無人艇1010に限らず、通信衛星3000を介して互いに通信を行う複数の無人艇1010で小隊1000を構成することもできる。また、小隊の定義はこれらに限らず、他の基準により小隊の定義付けを行うことができる。
ここで、図1乃至図5では、複数の無人艇1010を用いて、海洋エリアなどの対象エリアにおいて対象物7000の探索や追跡などの活動を行うシステム構成を説明したが、本発明においては、水上を航行する無人の船舶である無人艇1010以外の移動体を利用することができる。つまり、本発明には、陸上を走行可能な車両、上空を飛行可能な飛行体、水中を移動可能な水中移動体、その他の移動体を適用することができる。また、本発明には、自律移動または遠隔操縦される無人機を移動体として適用することができるが、これに限られず、有人の移動体を一部または全部の移動体として利用することも可能である。
(A-2-2.グループを構成する無人艇1010の構成)
図6は、海上に展開された無人艇システム1000の隊形の一例を示す図である。図6に示す例では、複数の無人艇1010を海上に展開させて所定の任務を実行させる際に、複数の無人艇1010で構成するグループの隊形と通信接続関係を示している。
図6に示す小隊1000aは、1隻の親機1001と複数の子機1002を備えている。また、親機1001と複数の子機1002の間は、実線で示す無線通信により接続することで、海上における無線通信ネットワークを構成している。子機1002は、親機1001と無線通信接続する一次接続子機10021と、一次接続子機10021と無線通信接続する二次接続子機10022を有している。
なお、本実施形態においては、小隊を構成する際の子機1002による中継数は限定されず、三次接続子機、四次接続子機、それ以上の接続子機を備えていても良い。図6に示す一次接続子機10021は、親機1001と二次接続子機10022の間で情報の送受信を中継する機能を有することで、親機1001と複数の二次接続子機10022の間で情報の受け渡しが可能となる。
また、一次接続子機10021と無線通信接続される二次接続子機10022の台数は1機に限られず、複数の二次接続子機10022が一次接続子機10021と無線通信接続されることで、小隊1000a内で複数の無人艇1010が分岐する木構造状の通信ネットワークを構成することができる。また、各無人艇1010の間で無線通信可能な通信可能距離には上限があるため、互いに無線通信を行う二機の無人艇1010、例えば、親機1001と一次接続子機10021、及び一次接続子機10021と二次接続子機10022は、無人艇1010間の相対距離が図11に示すような監視計画に含まれる通信上限相対距離の範囲内に維持されるように、少なくともいずれか一方の無人艇1010の位置が制御される。
なお、もし無人艇1010間の相対距離が離れて、通信相手の無人艇1010が通信可能距離の範囲外に移動してしまった場合には、お互いの無線通信ができなくなり、統括制御システム2000からの制御指令を送信できなくなるため、互いに通信接続される二機の無人艇1010は、通信相手との相対距離が通信可能距離の範囲内に維持するための自己位置制御を他制御よりも高い優先度で行うことが望ましい。
一方で、互いに無線通信しない他の無人艇1010との間の相対距離は、上記した通信接続維持の必要が無い。一方で、無人艇システム1000の活動目的である対象物7000の探索を効率的に行うためには、各無人艇1010が近づき過ぎて、計測センサの計測範囲の大半が重複する状態よりも、各無人艇1010の計測センサの計測範囲が重ならない、または適度に重なるように、各無人艇1010が適度な距離を保つ状態の方が望ましいため、互いに通信接続しない各無人艇1010間の相対距離については、予め設定された定常時相対距離を保つように、少なくともいずれか一方の無人艇1010の位置が相対的に低い優先度で制御される。この定常時相対距離を保つ制御は、例えばBoidsアルゴリズムに基づく制御を適用することができる。
さらに、無人艇1010の間の相対距離が接近しすぎて衝突する可能性がある場合には、衝突を回避して無人艇1010の破損等を避けるために、相対的に高い優先度で相対距離を大きくする位置制御を実行することができる。
上記したように、互いに無線通信を行う無人艇1010同士の間の相対距離を通信可能距離の範囲内に維持する制御、および近距離に接近した他無人艇との衝突を回避する回避制御は、相対的に高い優先度で実行し、他方、互いに無線通信しない無人艇1010同士の間の相対距離は、平常時相対距離を保つ制御を相対的に低い優先度で実行することができる。このように複数の無人艇1010の距離関係は、無人艇1010の間の引力と斥力を制御することで調整することができる。
また、図6では単一の小隊内における複数の無人艇1010の距離関係を制御する例を説明したが、複数の小隊を展開させる場合には、複数の小隊間の距離関係を、同様に引力と斥力を制御することで調整することができる。なお、小隊間の距離が近づいても直ちに衝突には至らないため、小隊間の斥力は、小隊内の無人艇間の斥力よりも弱く設定し手も良い。
(A-2-3.無人艇1010の構成)
図7は、無人艇1010の機能構成を示す機能ブロック図である。なお、図7では、無人艇1010の機能ブロック図を説明するが、無人艇1010の親機1001や子機1002は、いずれも図7に示す構成と同様の機能を実装することができる。無人艇1010は、計測部1100と、自機状態判定部1200と、航行部1300と、通信部1400と、判定部1500と、記録部1600を備えている。
計測部1100は、計測センサ1110により海中の計測可能範囲に存在する対象物7000を検出し、対象物7000に関する計測情報を取得する機能部である。計測部1100は、計測センサ1110と計測制御部1120を備えている。
計測センサ1110は、海上の画像データを取得する1台(単眼)又は複数台の電子光学センサ(Electro-Opticalセンサ)、光学カメラ、赤外線センサ(IRセンサ)、ステレオカメラなどの光学式センサ、点群データを取得するLiDARなどのレーザーセンサ、ToFセンサ(Time of Flightセンサ)等の光学測距センサ、ミリ波やマイクロ波を検出するレーダーセンサを含んでいても良い。計測センサ1110は、無人艇1010の周辺を計測することで、海上の計測可能範囲内に存在する対象物7000の計測データを取得する。また、上記した各センサは、計測データに基づいて対象物までの距離を計測する測距センサとして利用することができる。
また、計測センサ1110は、上記した各センサの他に、超音波などの音波を利用するソナーなどを含む音波センサ(音波計測部とも言う)を有していても良い。音波センサは、水中に限らず水上の空気中においても利用することができ、音波センサを空気中で利用する場合には、発生させた音波が対象物に反射して戻ってくる音波を計測することで、対象物までの距離を計測する測距センサとして利用することができる。また、音波センサを水中で利用する場合には、音波センサは、音波を発生させて水中の物体に反響する音波を計測するアクティブソナーと、水中の物体から発生する音を計測するパッシブソナーのいずれであっても良い。アクティブソナーは、例えば、サイドスキャンソナー、マルチビームソナー、若しくはシングルビームソナーなどで構成することができる。また、音波センサは、USBLトランシーバや音響通信用モデムなどで構成されていても良い。
また、計測制御部1120は、計測センサ1110の姿勢を変更可能なセンサ姿勢変更装置を操作して、無人艇1010に対する計測センサ1110の3軸まわりの少なくともいずれかの姿勢角度を制御する。また、例えば、計測センサが光学式センサである場合には、計測制御部1120は、フレームレートやシャッタースピードなどを調整することができる。また、計測センサがレーザーセンサである場合には、計測制御部1120は、照射するレーザの出力を調整することができる。また、計測センサがレーダーセンサである場合には、計測制御部1120は、ミリ波やマイクロ波の出力を調整することができる。また、計測制御部1120は、計測センサの計測感度を任意の制御量に調整することができる。また、計測センサが光学式センサである場合には、計測制御部1120は、光学式センサのズーム量や解像度を任意の制御量に変更することができる。
次に、自機状態判定部1200は、航行状態判定部1210と内部状態判定部1220と外部状態判定部1230を備え、無人艇1010の航行状態、内部及び外部の状態を判定する機能部である。航行状態判定部1210は、自機の位置(二次元または三次元)、移動速度、機首方位、移動方向、移動加減速度、回頭速度、その他の航行状態に関する状態量を判定する。内部状態判定部1220は、自機に搭載したバッテリのエネルギー残量や燃料残量、エネルギー残量や燃料残量により算出可能な移動可能距離、自機に搭載された機器の一時的な異常状態(温度異常、通信異常など)、機器の故障状態を判定する。
また、外部状態判定部1230は、無人艇システム1000内の他の無人艇1010との無線通信、または通信衛星3000や地上基地局4000を介した統括制御システム2000との無線通信の通信強度(dB値など)、通信速度、通信遅延などの通信品質状態、または自機の周辺の海象状態(波高、波速度、海流速度、海流方向、潮流速度、潮流方向)、気象状態(風速、風向、気圧、気温、湿度)、天候状態(霧、雷、降雨、降雪、雹、霰、曇りなど)、海水状態(海水温、海水密度、塩分濃度、Ph値、藻場等の有無)、太陽関連情報(太陽位置(高度、方位、軌跡)、逆光、順光、日射量)、その他状態(月位置(高度、方位、軌跡、月齢)、電離層かく乱(太陽フレアなど))を判定することができる。
航行状態判定部1210による、自機の位置や移動速度や移動方向や加減速度の判定方法は、特に限定されないが、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)、GPS(Global Positioning System)、RTK-GNSS(Real Time Kinematic - Global Navigation Satellite System)等を用いて、現時刻における自機の位置、移動速度、移動方向を判定することができる。
また、航行状態判定部1210による、自機の位置や移動速度や移動方向や加減速度の判定方法の他の例として、例えば、計測センサ1110により海底形状を検出可能な場合には、予め記録した海底形状と計測センサ1110により検出した海底形状に基づいて、SLAM(Simultaneous Localization And Mapping)技術を用いて、現時刻における自機の位置、移動速度、移動方向を判定することができる。
ここで自己の位置情報は、少なくとも平面視での2次元での座標情報(例えば緯度、経度)を含み、好ましくは高度情報を含む3次元での座標情報を含む。また、加減速度は、判定した移動速度の時間変化量に基づいて算出することができる。
また、自機の機首方位の計測方法は、例えば、地磁気センサ、GNSSコンパス、海底形状を利用したSLAM技術等を用いて、現時刻における自機の機首方位を判定する。機首方位は、少なくともZ軸まわりの平面視での姿勢角(方位)を含み、好ましくはX軸、Y軸、及びZ軸の3軸まわりの姿勢情報であっても良い。また、回頭速度は、判定した機首方位情報の時間変化量に基づいて算出することができる。
次に航行部1300は、推力発生部1310と、姿勢制御機構1320と、航行制御部1330を備え、通信部1400を介して受信した動作指令に従って、自機を任意の方向に航行させる機能部である。推力発生部1310は、推力を発生可能なあらゆる手段を適用することが可能であり、一例として、エンジン又は電動モーターの動力を利用して駆動されるプロペラで構成することができる。また、推力発生部1310は、風を受けて推力を発生させる帆で構成することもでき、あるいは、波力を受けて推力を発生するウェイブグライダーで構成することもできる。
姿勢制御機構1320は、機体に設けられる舵板や、プロペラの姿勢角(主にZ軸回りのヨー角)を変更可能なプロペラ姿勢変更機構などで構成され、これらの角度を変更することにより自機の機首方向(ヨー角)を制御することができる。また、機体内の重量物体の位置をアクチュエータで変更する重心位置変更機構により、機体のX軸回りのロール角、Y軸回りのピッチ角の姿勢角についても制御することができる。
また、航行制御部1330は、推力発生部1310と姿勢制御機構1320を制御して自機の航行動作を制御する機能部である。航行制御部1330は、プログラマブルプロセッサ(例えば、中央処理ユニット(CPU)、MPU又はDSP)等の1つ以上のプロセッサを有し、メモリ(記憶部)にアクセス可能な処理ユニットを備える。メモリは、1つ以上の処理ステップを行うために処理ユニットが実行可能であるロジック、コード、及び/又はプログラム命令を記憶している。
処理ユニットは、自機の航行状態を制御するように構成された制御モジュールを含んでいる。例えば、制御モジュールは、自機の海面上における位置、移動速度、移動加減速度、機首方位、回頭速度、3軸回りの姿勢角を調整する。すなわち、航行制御部1330は、自機に前進、後進、加速、減速、回頭旋回等の各動作を行わせることで、自機の航行動作を制御する。
次に、通信部1400は、無人艇間通信部1410と統括制御通信部1420を備え、無人艇システム1000内の他の無人艇1010や統括制御システム2000と通信を行う機能部である。無人艇間通信部1410は、海上の無線通信ネットワークに利用する通信アンテナを備え、無人艇システム1000内の他の無人艇1010との間で通信を行う。統括制御通信部1420は、通信衛星3000と通信可能な衛星通信アンテナ、または地上基地局4000と通信可能な通信アンテナを備え、通信衛星3000や地上基地局4000を介して、統括制御システム2000と通信を行う。なお、通信部は、上記した各通信部以外に、AIS用アンテナやVHF用アンテナを備え、外部の監視船やAIS基地局と通信を行う通信部を備えていても良い。
次に、判定部1500は、計測センサ1110により取得された計測データの一次処理、データ圧縮などデータ処理を行う機能部である。判定部1500は、例えば、計測センサ1110により取得された計測後の生データ(計測データ)のデータ処理を行い、無人艇システム1000から統括制御システム2000へ無線伝送する送信用データを生成する一次処理を行うことができる。また、無人艇システム1000から統括制御システム2000へ送信用データを無線伝送する際の送信負荷が小さくなるように、判定部1500は、計測後の生データ(計測データ)を圧縮して送信用データを生成するデータ圧縮処理を行うことができる。
更には、判定部1500は、計測データを一次処理することにより、対象物7000の状態を判読して、検出物体の有無、検出物体の大きさなどを判読することができる。また、当該判読結果に応じて無人艇システム1000から統括制御システム2000への計測データや送信用データの送信要否、または送信するデータの選別などを行う機能を有していても良い。
次に、記録部1600は、計測データ記録部1610と自機状態記録部1620と判定情報記録部1630を備える。計測データ記録部1610は、計測部1100により計測された計測データを記録する。自機状態記録部1620は、自機状態判定部1200により判定された自機に関する各種状態情報を記録する。また、判定情報記録部1630は、判定部1500により判定された各種判定情報を記録する。
(A-3.統括制御システム2000の説明)
次に、図8を用いて、統括制御システム2000の機能とその内容について説明する。図8は、統括制御システム2000の機能構成を示す機能ブロック図である。図8に示す通り、統括制御システム2000は、情報インポート部2100と、発見前動作決定部2200と、無人艇状態判定部2300と、対象物検出判定部2400と、将来状態予測部2500と、中隊制御指令決定部2600と、小隊制御指令決定部2700、情報入出力部2800を備えている。
(A-3-1.情報インポート部2100)
情報インポート部2100は、統括制御システム2000内の各機能部において処理または利用される情報を無人艇1010、協調システム5000、外部システム6000、ユーザ端末装置8000などからインポートする機能部である。情報インポート部2100は、活動条件取得部2110、対象物判定条件2120、ステータス定義取得部2130、無人艇情報取得部2140を備えている。図9は、情報インポート部2100により取得される事前情報の一例を示す図である。
活動条件取得部2110は、対象物7000を発見する前の探索動作や発見後の追跡等の発見後動作を行うための活動条件に関する各種情報を受け付ける機能部である。図9に示す通り、活動条件取得部2110の取得する探索条件には、例えば、探索の対象となる対象エリア(海上または海中エリアの位置と範囲)、活動時間(活動実行の日時、期間、時刻、時間帯など)、探索目標(対象エリアに対する探索済のエリアの割合を示す探索率など)などが含まれる。この探索条件には、要求警戒レベルや要望探索率(探索対象エリアに対する探索済エリアの面積の比率)などの上記以外の要望情報が含まれていても良い。なお、例えば、活動条件取得部2110は、協調システム5000、ユーザ端末装置8000、または後述するユーザ入力受付部2820から探索を行うための要望条件を取得することができる。
対象物判定条件2120は、対象物検出判定部2400において実行される対象物の検出や状態判定の判定基準を予め取得する機能部である。図9に示す通り、対象物判定条件2120の取得する対象物判定条件には、例えば、対象物検出判定部2400の対象物検出部2410による対象物7000の検出判定の判定基準として、対象物の種別(船舶、ダイバー、海洋生物など)、大きさ(例えば、全長2m以上など)、形状などの基準情報が含まれる。なお、対象物の検出判定条件に関する情報は、外部システム6000のAISシステムなどから取得することも可能である。
ステータス定義取得部2130は、無人艇状態判定部2300において判定される無人艇1010の複数ステータスの各定義情報を予め取得する機能部である。図9に示す通り、ステータス定義取得部2130の取得する無人艇1010のステータス情報には、例えば、対象物を発見する前の探索時における探索時ステータス、対象物を発見した後の発見後ステータス、対象物の発見前後に共通する共通ステータスが含まれる。
探索時ステータスには、停泊探索、巡回探索などの探索に関するステータスが含まれる。また、発見後ステータスには、包囲、足止め、先回り、追跡、追跡の引継ぎ、待ち伏せ(監視捕捉)などの検出した対象物7000に対する対応動作のステータスが含まれる。共通ステータスには、他の無人艇1010の無線通信能力を補填する通信補填、データ蓄積/送受信、一次解析処理、エネルギー不足時における回復充電、エネルギー不足状態での巡回、停泊、移動、デプロイ、回収、無人艇1010の故障や異常検知、などの対象物の発見前後に共通するステータスが含まれる。
無人艇情報取得部2140は、通信衛星3000やHAPSや地上基地局4000などを介して無人艇1010から各種情報を取得する機能部である。例えば、無人艇情報取得部2140は、無人艇1010から、計測部1100で計測された計測データや、判定部1500により判定された判定結果や、自機状態判定部1200により判定された各種状態情報を取得する。
(A-3-2.発見前動作決定部2200)
発見前動作決定部2200は、無人艇1010により対象物7000を発見する前の状態における無人艇1010の動作指令を決定する機能部である。発見前動作決定部2200は、発見前中隊動作決定部2210と、発見前小隊動作決定部2220を備えている。
発見前中隊動作決定部2210は、無人艇1010により対象物7000を発見する前における、複数の小隊により構成される中隊レベルの動作指令を決定する機能部である。図10は、発見前中隊動作決定部により決定される中隊の動作指令の状態遷移を示す状態遷移図である。
図10に示す通り、中隊に対する動作指令には、任務前準備状態、任務オペレート状態、任務終了/中止状態が含まれる。また、任務前準備状態には、活動エリアまで無人艇システム1000を移動させる移動状態、活動エリアにおいて所定の隊形に展開する展開状態が含まれる。また、任務オペレート状態には、小隊に属する無人艇1010の入れ替え等を行い小隊の編成を変更する小隊変更状態、対象物の探索を行う探索状態、無人艇に搭載した蓄電装置の充電を行う回復充電状態、待機を行う待機状態、対象物を発見(検出)した後の対応アクションを行う発見後アクション状態が含まれる。また、任務終了/中止状態には、無人艇1010を無人艇1010の回収場所まで移動させる帰還状態、無人艇1010の回収を行う回収状態が含まれる。
発見前中隊動作決定部2210は、図10に示す動作指令に加えて、中隊を構成する複数の小隊の編成や、小隊を巡回させる巡回予定経路を決定することができる。ここで、小隊の編成や動作指令の決定は、エリア毎の警戒レベルや探索率に応じて小隊毎の行動エリア割り当てを決定しても良い。また、巡回予定経路を生成する場合、発見前中隊動作決定部2210は、予め取得した周辺海域における不動体や移動体の有無、種別、位置、大きさなどに関する情報に基づいて、これらの周辺物体と干渉しないように、相対距離が一定以上となるように巡回予定経路を生成することができる。この際、周辺海域における不動体や移動体の情報は、外部システム6000のAISシステムなどから取得することができる。
また、発見前中隊動作決定部2210は、小隊の隊形を決定する機能を有していても良い。その場合には、隊形変更に伴って無人艇間の距離が離れて通信が途切れないように、発見前動作決定部2200は、リアルタイムに無人艇間の相対距離や通信強度を監視して、通信可能な相対距離や通信を維持する範囲で隊形変更を決定する。隊形変更の完了有無を判定する機能を有していても良い。
発見前中隊動作決定部2210は、現在の中隊の動作実行状態を図10に示す各状態の中からリアルタイムに判定し、また無人艇情報取得部2140により取得する無人艇情報から現在の無人艇1010の状態を判定し、次に遷移させる中隊の動作指令状態を判定することができる。
発見前小隊動作決定部2220は、無人艇1010により対象物7000を発見する前における、複数の小隊毎の動作指令を決定する機能部である。図11は、発見前小隊動作決定部により決定される小隊の動作指令の一覧を示す図である。特に、図11は、中隊レベルの動作指令が探索状態である場合の小隊レベルの動作指令の一覧を示している。
図11に示す、小隊に対する動作指令には、探索、通信中継、データ解析、データ伝送、データ蓄積、待機、回復充電などが含まれる。探索の動作は、巡回しながら探索を行う巡回探索と、停泊しながら探索を行う停泊探索から選択される。通信中継の動作は、小隊内の他の無人艇1010に対して通信中継を行う動作である。データ解析の動作は、無人艇1010の判定部1500により計測データの一次解析を行う動作である。データ伝送の動作は、計測データ等を統括制御システム2000へ伝送する動作である。データ蓄積は、計測データ等を蓄積する動作である。また回復充電は、無人艇に搭載された蓄電装置を充電する動作であり、充電方法は太陽光パネル、波力発電、風力発電などの発電装置を利用した充電、外部からの給電、または外部から蓄電装置の交換などがある。
(A-3-3.無人艇状態判定部2300)
無人艇状態判定部2300は、無人艇1010の自機状態判定部1200により検出された情報に基づいて、無人艇1010の状態を検出または推定する機能部である。無人艇状態判定部2300は、状態検出部2310と、性能推定部2320を備えている。
状態検出部2310は、無人艇1010の自機状態判定部1200により検出された無人艇1010に関する各種状態情報に基づいて、例えば、無人艇1010の位置(二次元または三次元)、移動速度、機首方位、移動方向、移動加減速度、回頭速度、その他の航行状態に関する状態量、無人艇1010に搭載したバッテリのエネルギー残量や燃料残量、エネルギー残量や燃料残量により算出可能な移動可能距離、無人艇1010に搭載された機器の一時的な異常状態(温度異常、通信異常など)、機器の故障状態を検出することができる。
また、状態検出部2310は、無人艇システム1000内の無線通信、または通信衛星3000や地上基地局4000を介した統括制御システム2000との無線通信の通信強度(dB値など)、通信速度、通信遅延などの通信品質状態、または無人艇1010の周辺の海象状態(波高、波速度、海流速度、海流方向、潮流速度、潮流方向)、気象状態(風速、風向、気圧、気温、湿度)、天候状態(霧、雷、降雨、降雪、雹、霰、曇りなど)、海水状態(海水温、海水密度、塩分濃度、Ph値、藻場等の有無)、太陽関連情報(太陽位置(高度、方位、軌跡)、逆光、順光、日射量)、その他状態(月位置(高度、方位、軌跡、月齢)、電離層かく乱(太陽フレアなど))を判定することができる。
性能推定部2320は、状態検出部2310により検出した無人艇の航行状態、内部状態、外部状態に応じて、無人艇1010が発揮可能な計測性能、動力性能、通信性能などの各種性能を推定する機能部である。例えば、バッテリのエネルギー残量が少ない場合には計測性能、動力性能、通信性能に影響することが考えられる。また、無人艇1010の海象状態が悪い場合にも、計測性能、動力性能、通信性能に影響することが考えられる。そのため、性能推定部2320は、これらの各種状態を考慮して、無人艇1010が発揮可能な各種性能を推定する。
(A-3-4.対象物検出判定部2400)
対象物検出判定部2400は、無人艇1010に搭載した計測センサ1110により取得した計測データに基づいて、対象物7000を検出し、対象物7000の状態を判定する機能部である。対象物検出判定部2400は、対象物検出部2410と、対象物状態判定部2420を備えている。
対象物検出部2410は、対象物判定条件2120により取得した対象物判定条件に基づいて、無人艇1010から取得した計測データの分析を行い、対象物判定条件を満たす場合に対象物の検出判定を行う。
対象物状態判定部2420は、無人艇1010から取得した計測データの分析を行い、対象物検出部2410により検出した対象物7000の状態を判定する機能を有する。図12は、対象物状態判定部2420により判定される対象物の状態に関する判定結果の一例を示す図である。図12に示す通り、対象物状態判定部2420により判定される対象物の状態判定結果には、対象物タイプ、静的状態、動的状態、履歴情報などが含まれる。
図12に示す例では、対象物タイプには対象物7000の種別(船舶、ダイバー、海洋生物など)、大きさ、形状が含まれる。また、静的状態には対象物7000の向き、位置(二次元、または三次元の位置座標など)が含まれる。また、動的状態には対象物7000の移動有無(移動/静止)、移動速度、移動方向、加速度、減速度、旋回半径、回頭速度などが含まれる。また履歴情報には移動軌跡やその他の静的または動的な履歴情報が含まれる。
なお、対象物状態判定部2420は、計測データに基づいて、図12に示す各種判定項目の一部を確定判定できない場合には、過去の履歴情報などを用いて推定結果を算出することができる。
また、対象物検出判定部2400は、上記した各機能以外に、無人艇1010による対象物7000の計測状態を判定する機能を有していても良い。この場合、対象物検出判定部2400は、計測状態として、捕捉状態(計測部1100により対象物7000を継続計測できている状態)、計測振り切られ兆候あり状態(計測部1100により対象物7000を継続計測できているが対象物7000との距離が所定値以上になっている状態)、計測振り切られ確定状態(計測部1100により対象物7000を継続計測できているが対象物7000との距離が所定値以上で更に距離が拡大している状態)、計測ロスト状態(計測部1100により対象物7000を計測できず対象物7000の位置が確認できない状態)、が含まれる。
(A-3-5.将来状態予測部2500)
将来状態予測部2500は、無人艇1010に搭載した計測センサ1110により取得した計測データ、または対象物検出判定部2400による判定または推定結果などに基づいて、対象物7000の将来の動作状態や監視状態を予測する機能部である。将来状態予測部2500は、将来対象物動作予測部2510と、将来監視状態予測部2520を備えている。
将来対象物動作予測部2510は、例えば、図12に示すような対象物7000の状態に関する判定又は推定結果などに基づいて、対象物7000の将来の動作状態を予測算出する機能部である。将来対象物動作予測部2510は、図12に示す各種状態情報以外に、対象物7000の行動種別(逃走、かく乱、停止、沈黙、振り切り、威嚇、攻撃など)の判定結果に応じて、対象物7000の将来の動作状態を予測算出することもできる。
図13は、将来状態予測部2500による将来状態予測判定の判定項目の一例を示す図である。図13に示す例では、将来状態予測判定は、対象物7000の将来動作予測、将来時刻における静的状態、将来時刻における動的状態の判定項目が含まれる。
将来動作予測には、対象物7000の移動予測経路や予測目的地が含まれる。また将来時刻における静的状態には、位置座標や向きなどが含まれる。また将来時刻における動的状態には、移動有無(移動状態/静止状態)、移動速度、移動方向、旋回半径、旋回速度、加速度、減速度などが含まれる。なお、将来状態予測部2500は、一つの予測経路ではなく複数の予測経路を算出することができる。また、予測経路に替えて、複数の高確率通地点(最終目的地も含む)の情報を算出することもできる。
将来状態予測部2500は、図20に示す各種予測項目以外に、例えば、無人艇1010が対象物7000と将来遭遇する確率を示す遭遇率や、無人艇1010が計測部1100により対象物7000を将来検出する確率を示す対象発見確率などを算出する機能を有していても良い。
また、将来状態予測部2500は、予測した移動予測経路の妥当性を判定する機能を有していても良い。例えば、将来状態予測部2500は、対象物検出判定部2400により判定された最新の対象物7000の状態情報に基づいて、既に予測した移動予測経路が妥当であるか否かを判定することができる。当該判定結果として、例えば、予測経路正常、予測経路不定(妥当でない兆候有り)、予測経路異常(妥当でないことが確定。再予測が必要)を算出することができる。
また、対象物検出判定部2400により複数の対象物7000が検出される場合も考えられる。このような場合には、複数の対象物7000が位置や移動進路が近い1つの群として動作している場合には、複数の対象物7000を1つの群として将来の動作状態を予測算出する。また、複数の対象物7000が位置または移動進路が異なり別々に動作している場合には、各対象物7000の将来の動作状態を別々に予測することができる。
将来監視状態予測部2520は、将来対象物動作予測部2510による予測結果と、無人艇状態判定部2300による判定結果に応じて、将来の無人艇1010による対象物7000の監視状態の予測を行う機能部である。
例えば、将来監視状態予測部2520は、無人艇1010の計測部1100により対象物7000の検出を継続することができなくなる検出ロスト状態、あるいは、対象物7000との相対距離が所定値以上となり相対距離を縮めることができない追従不可能状態が将来発生するか否かを事前に予測することができる。また、検出ロスト状態が将来発生すると予測される場合には、無人艇1010による継続検出可能範囲や継続検出可能時間、またはロスト予測位置やロスト予測時間、または検出ロスト状態の発生時の対象物7000の移動予測方向、移動予測速度などを含むロスト予測情報を生成することができる。また、追従不可能状態が将来発生すると予測される場合には、無人艇1010による追跡可能範囲や追跡可能時間、または追従振り切られ予測位置や追従振り切られ予測時間、または追従不可能状態の発生時の対象物7000の移動予測方向、移動予測速度などを含む追跡振り切られ予測情報を生成することができる。
(A-3-6.中隊制御指令決定部2600)
中隊制御指令決定部2600は、無人艇1010により対象物7000を検出した後における中隊を構成する複数小隊の動作を制御する制御指令を決定する機能部である。特に、中隊制御指令決定部2600は、複数の無人艇1010により単一または複数の小隊を編成するための小隊の編成内容に関する編成指令等を決定する機能を有する。中隊制御指令決定部2600は、中隊内役割分担決定部2610と、中隊内編成決定部2620と、中隊内展開目標決定部2630を備える。
中隊内役割分担決定部2610は、検出した対象物7000の現在状態または将来予測される状態などの情報に応じて、単一又は複数の小隊毎に役割を指定する小隊動作指令を決定する機能部である。例えば、中隊内役割分担決定部2610の決定する小隊動作指令には、対象物7000の追跡、包囲、足止め、先回り、追跡引継ぎ、継続計測補足、もしくは待ち伏せ、または計測データの保管、送受信、もしくは解析処理、または他の無人艇1010との通信中継、または無人艇1010に搭載した蓄電装置の充電の少なくともいずれかの役割を小隊毎に指定する情報が含まれる。
ここで、中隊内役割分担決定部2610は、将来状態予測部2500による将来状態の予測結果に応じて、中隊レベルで必要とされる役割と優先して実行すべき役割を決定することができる。例えば、将来状態の予測結果毎に各種役割の優先順番を事前に設定し、この事前設定情報に基づいて、各種役割(包囲、足止め、先回り、追跡、追跡引継ぎ、待伏せなど)から、中隊レベルで優先して実行すべき役割とその優先順番を決定することができる。更に、中隊レベルで決定した優先して実行すべき役割に応じて、中隊内の複数の小隊に優先度の高い役割から順に割り当てる役割を決定することができる。
例えば、中隊レベルで「追跡」の役割を優先実行する場合には、第一優先を追跡、第二優先を追跡引継ぎ、待伏せ、第三優先を通信補填、データ蓄積/送受信、一次解析処理とすることができる。
他の例として、中隊レベルで「包囲」の役割を優先実行する場合には、第一優先を包囲、第二優先を追跡、追跡引継ぎ、待伏せ、第三優先を通信補填、データ蓄積/送受信、一次解析処理とすることができる。
他の例として、中隊レベルで「足止め」の役割を優先実行する場合には、第一優先を足止め、第二優先を追跡、追跡引継ぎ、待伏せ、第三優先を通信補填、データ蓄積/送受信、一次解析処理とすることができる。
他の例として、中隊レベルで「待伏せ(監視捕捉)」の役割を優先実行する場合には、第一優先を待伏せ(監視捕捉)、第二優先を包囲、足止め、先回り、追跡、追跡引継ぎ、第三優先を通信補填、データ蓄積/送受信、一次解析処理とすることができる。
他の例として、中隊レベルで「回復充電」の役割を優先実行する場合には、第一優先を回復充電、第二優先を包囲、足止め、先回り、待ち伏せ、第三優先を通信補填、データ蓄積/送受信、一次解析処理とすることができる。
なお、小隊動作指令に含まれる各種役割には、発見した対象物7000に対する対応アクション(追跡、包囲、足止め、先回り、追跡引継ぎ、継続補足もしくは待ち伏せなどを含む)と、発見した対象物7000の追跡等を補助支援する補助支援アクション(通信補填、データ蓄積/送受信、一次解析処理などを含む)と、その他の共通アクション(回復充電など)を含むことができる。また、対応アクションと補助支援アクションと共通アクションの内いずれかの役割(つまり、単一の役割)を小隊毎に指定することができる。
また、中隊内役割分担決定部2610が小隊毎に対応アクションと補助支援アクションと共通アクションの内いずれかの単一の役割を指定する例を説明したが、本実施形態はこれに限られず、小隊毎に複数の役割を指定することもできる。この場合には、対応アクションと補助支援アクションの両方の役割(つまり、複数の役割)を小隊毎に指定することができる。
また、中隊内の複数の小隊内の一部の小隊に対しては、対応アクションと補助支援アクションのいずれかの役割(つまり、単一の役割)を指定し、中隊内の複数の小隊内の他の一部の小隊に対しては、対応アクションと補助支援アクションの両方の役割(つまり、複数の役割)を指定することができる。
また、中隊内役割分担決定部2610は、小隊毎に割り当てられた役割に対して、警戒レベルを決定する機能を有していても良い。また、役割に対して付与された警戒レベルに応じて、後述する中隊内編成決定部2620において、小隊に属する無人艇1010の数を決定しても良い。つまり、警戒レベルの高い役割が割り当てられた小隊は無人艇1010の数を多く設定することができる。
また、中隊内役割分担決定部2610は、時間とともに変化する検出した対象物7000の現在状態または将来予測される状態などの情報に応じて、時間計と共に、小隊毎に割り当てた役割の変更、単一役割から複数役割兼務へ変更、複数小隊の間で役割の引継ぎ、複数小隊間で役割の入れ替えなどを決定することができる。
なお、中隊内役割分担決定部2610は、上記した小隊毎の役割を自動的に決定することもできるが、ユーザからの入力情報を受け付けた場合には、ユーザ入力情報に応じて小隊毎の役割を決定する機能を有していても良い。例えば、後述するユーザ入力受付部2820によりユーザ端末装置8000などから入力される小隊毎の役割に関するユーザ入力情報を受け付けて、中隊内役割分担決定部2610により、当該ユーザ入力情報に応じて、小隊毎の役割を決定することができる。
次に、中隊内編成決定部2620は、複数の前記移動体により単一または複数の小隊を編成するための小隊の編成内容に関する編成指令を決定する機能部である。例えば、中隊内編成決定部2620は、対象物検出判定部2400により対象物7000を検出した場合に、検出した対象物7000の現在状態または将来予測される状態に応じて、小隊の編成指令を決定することができる。また、検出した対象物7000の不審レベルや脅威度などに応じて小隊の編成指令を決定することができる。
中隊内編成決定部2620は、中隊を構成する小隊の数と、各小隊に属する無人艇1010の数を含む編成内容を決定することができ、中隊内編成決定部2620により決定する小隊の編成指令には、中隊を構成する小隊の数と、各小隊に属する無人艇1010の数に関する情報が含まれる。
また、中隊内編成決定部2620は、対象物検出判定部2400により判定される対象物7000の現在状態、または将来状態予測部2500により予測される将来予測状態に応じて、単一又は複数の小隊に対する役割を決定し、小隊毎の役割に応じて、中隊を構成する小隊の数と、各小隊に属する無人艇1010の数の指定情報を含む編成指令を決定することができる。
なお、編成指令の決定方法は、上記した方法に限られず、例えば、対象物検出判定部2400により判定される対象物7000の現在状態、または将来状態予測部2500により予測される将来予測状態に応じて、編成指令を決定することもできる。また他の例として、中隊内編成決定部2620は、対象物7000の検出状態に関わらず、単一又は複数の小隊に対する役割を決定し、小隊毎の役割に応じて、中隊を構成する小隊の数と、各小隊に属する無人艇1010の数の指定情報を含む編成指令を決定することができる。
また、中隊内編成決定部2620は、上記した小隊の数や小隊毎の無人艇1010の数に限らず、複数の小隊に属する無人艇1010を小隊の間で入れ替えることを決定することもできる。そのため、この場合には、部隊編成指令決定部の決定する小隊の編成指令には、複数の小隊に属する無人艇1010を複数の小隊の間で入れ替える指令情報が含まれる。
また、中隊内編成決定部2620は、決定した小隊の編成内容に応じて、無線通信ネットワークによる複数の無人艇1010の接続構成に関する情報を含む編成指令を決定する機能を有していても良い。ここで、無線通信ネットワークによる複数の無人艇1010の接続構成とは、例えば、図6に実線で示した小隊1000a内の複数の無人艇1010の間に構築される無線通信ネットワークの接続関係である。ここで、親機1001と一次接続子機10021は、他の無人艇1010と統括制御システム2000の間の通信補填の役割が割り当てられている。
また、中隊内編成決定部2620は、小隊1000a内の複数の無人艇1010の間に構築される無線通信ネットワークの接続関係を変更することを決定する場合には、接続関係の変更方法を決定する機能を有していても良い。例えば、無人艇Aと無人艇Bの間の接続関係を無人艇Aと無人艇Cに切り替える場合には、無人艇Aが無人艇Bと無人艇Cの両方と無線通信可能な範囲内に位置する状態(つまり、無人艇Bと無人艇Cの通信範囲のオーバーラップ範囲に無人艇Aが位置する状態)において、接続を切り替えることを決定することができる。
また、複数の無人艇1010の間に構築される無線通信ネットワークの接続構成に限らず、海上通信ブイ、飛行体(UAVなど)、海中の潜水艇(UUVなど)、地上通信局などを含む無線通信ネットワークの構成を決定する機能を有していても良い。更には、上記したような海上の無線通信ネットワークと地上側のネットワークを接続する接続経路を決定する機能を有していても良い。
なお、中隊内編成決定部2620は、上記した編成指令や無線通信ネットワークの接続構成などは自動的に決定することもできるが、ユーザからの入力情報を受け付けた場合には、ユーザ入力情報に応じて編成指令や無線通信ネットワークの接続構成などを決定する機能を有していても良い。例えば、後述するユーザ入力受付部2820によりユーザ端末装置8000などから入力される小隊の編成指令や無線通信ネットワークの接続構成に関するユーザ入力情報を受け付けて、中隊内編成決定部2620により、当該ユーザ入力情報に応じて、小隊の編成指令を決定することができる。
次に、中隊内展開目標決定部2630は、中隊内編成決定部2620により決定した編成内容の小隊を組成する際の小隊毎の組成位置、組成時刻、もしくは隊形形状、または編成内容の小隊を組成後の小隊毎の移動目標位置、移動目標時刻の少なくともいずれかを含む小隊の組成または展開に関する小隊展開指令を決定する機能部である。つまり、中隊内展開目標決定部2630は、小隊を編成する際の小隊としての動作目標と、小隊を組成後の小隊としての動作目標を決定することができる。
中隊内展開目標決定部2630は、例えば、将来監視状態予測部2520により予測した追跡を行う小隊が対象物の検出ロストが発生するロスト予測位置の情報に基づいて、検出ロストが発生する位置よりも手前の位置を、追跡引継ぎの役割が割り振られた小隊の移動目標位置(追跡引継ぎ位置)として決定することができる。
また、中隊内展開目標決定部2630は、小隊毎に指定した役割の小隊動作指令に応じて、小隊毎の移動目標位置と移動目標時刻の少なくともいずれかを含む移動目標を決定することができる。この場合の一例として、中隊内展開目標決定部2630は、例えば、小隊に包囲の役割が指定された場合に、対象物状態判定部2420により判定した対象物7000の現在位置、または将来監視状態予測部2520により予測した対象物7000の移動予測経路上の位置を、包囲の役割が割り振られた小隊の包囲位置として決定し、包囲位置で対象物7000を取り囲むように無人艇1010を移動させる目標位置を決定することができる。また中隊内展開目標決定部2630は、包囲目標時刻を決定することができる。
また、中隊内展開目標決定部2630は、例えば、小隊に先回りの役割が指定された場合に、将来監視状態予測部2520により予測した対象物7000の移動予測経路上の位置を、先回りの役割が割り振られた小隊の再回り位置として決定することができ、先回り位置への移動目標時刻を決定することができる。なお、中隊内展開目標決定部2630は、決定した先回り位置へ移動目標時刻よりも前に到着させることを優先して小隊を移動させ、先回り位置に到着後に、所定の隊形へ隊形変更を行う展開目標を決定する。
また、中隊内展開目標決定部2630は、例えば、小隊に継続捕捉の役割が指定された場合に、継続捕捉の役割が割り振られた小隊の移動目標位置を、対象物7000を計測可能なエリア範囲から決定することができる。また、中隊内展開目標決定部2630は、例えば、小隊に通信捕捉の役割が指定された場合に、通信補填の役割が割り振られた小隊の移動目標位置を、無人艇1010の間の通信可能距離の情報に基づいて、通信補填の対象となる無人艇1010から通信可能距離の範囲内に決定することができる。また、中隊内展開目標決定部2630は、例えば、小隊にデータ蓄積/送受信や一次解析処理の役割が指定された場合に、データ蓄積/送受信や一次解析処理の役割が割り振られた小隊の移動目標位置を、計測データの取得を行う無人艇1010と直接通信可能な範囲内に決定することができる。
また、中隊内展開目標決定部2630は、上記した小隊展開指令は自動的に決定することもできるが、ユーザからの入力情報を受け付けた場合には、ユーザ入力情報に応じて小隊展開指令を決定する機能を有していても良い。例えば、後述するユーザ入力受付部2820によりユーザ端末装置8000などから入力される小隊展開指令に関するユーザ入力情報を受け付けて、中隊内展開目標決定部2630により、当該ユーザ入力情報に応じて、小隊展開指令を決定することができる。
対象物検出判定部2400により計測ロスト状態(計測部1100により対象物7000を計測できず対象物7000の位置が確認できない状態)であることが判定された場合に、中隊制御指令決定部2600は、対象物7000の追跡を終了することを決定し、中隊に属する各小隊の数と規模と配置を対象物7000の発見前の状態に戻すことを決定してもよい。
(A-3-7.小隊制御指令決定部2700)
小隊制御指令決定部2700は、無人艇1010により対象物7000を検出した後における各小隊内の無人艇1010の動作を制御する無人艇動作指令を決定する機能部である。中隊制御指令決定部2600は、小隊内役割決定部2710と、小隊内移動目標決定部2720を備える。
小隊内役割決定部2710は、中隊内役割分担決定部2610により決定された小隊毎の役割に応じて、小隊に属する少なくとも一部(全部または一部)の無人艇1010毎に役割を決定することができる。例えば、小隊の役割が対象物7000の監視捕捉(待伏せ)である場合に、小隊の一部の無人艇1010は、対象物7000の計測データを取得(監視捕捉)し、他の一部の無人艇1010は、計測データの蓄積、送受信、一次解析処理を行い、他の一部の無人艇1010は、通信補填を行うことが考えられる。つまり、小隊としての任務を遂行するために必要な詳細な役割を小隊内の複数の無人艇1010に分担することができる。
小隊内役割決定部2710は、無人艇状態判定部2300により判定された無人艇1010毎の状態や性能の情報に基づいて、各役割の遂行可否を判定し、各無人艇1010に対して遂行可能な役割を割り当てる決定を行う。例えば、小隊内役割決定部2710は、バッテリのエネルギー残量が少ないと判断した無人艇1010に対しては、当該小隊に割当てられた役割の内容に関わらず、回復充電の役割を割り当てる決定を行う。また、他の例としては、対象物7000からの位置が相対的に近い無人艇1010には、直ちに対象物7000に接近することが求められる追跡や足止めや包囲の役割を割り当てる。他方で、対象物7000からの位置が相対的に遠い無人艇1010には、直ちに対象物7000に接近することが求められる追跡や足止めや包囲以外の役割(先回り、待伏せ(監視捕捉)、追跡引継ぎ、通信補填、データ蓄積/送受信、一次解析処理など)を割り当てることができる。また、先回り位置に最も近い無人艇1010には、先回りの役割を割り当てることができる。
小隊内役割決定部2710は、同一小隊内の複数の無人艇1010に対して追跡引継ぎの役割を割り当てる場合に、対象物7000の移動予測経路と、小隊内の無人艇1010の動力性能を比較して、各無人艇1010の追跡可能可否、追跡可能距離、追跡可能時間などを推定し、追跡引継ぎに適した無人艇1010に追跡引継ぎの役割を割り当てること決定することができる。なお、追跡引継ぎの役割を割り当てた無人艇1010に対しては、後述する小隊内移動目標決定部2720により、追跡引継ぎ位置への移動目標を決定する。
また、小隊内役割決定部2710は、同一小隊内の複数の無人艇1010に対して追跡の役割を割り当てる場合に、当該複数の無人艇1010の中から、追跡の動作をリードする追跡リード役と、追跡リード役に追従する無人艇1010をそれぞれ決定することができる。更に、小隊内役割決定部2710は、同一小隊内の複数の無人艇1010に対して追跡の役割を割り当てる場合に、複数の無人艇1010による追跡時隊形を決定することができる。追跡時隊形としては、対象物7000の後方から追跡する追従隊形、対象物7000の左右と後方の3か所に展開する包囲隊形、対象物7000の左右2か所に展開する包囲隊形、左右と前後の4か所に展開する包囲隊形などを選択することができる。
なお、小隊内役割決定部2710は、追跡中の追加アクション内容に関する追跡中追加アクション状態を決定することができる。例えば、追跡中追加アクション状態として、追跡アクションのみ、無人艇1010同士の衝突を防止しながら追跡するアクション、無人艇1010と対象物7000の衝突を防止しながら追跡するアクション、追跡中に無人艇1010を対象物7000に接近した状態で追跡させるアクション、無人艇1010を対象物7000から離れた位置で追跡させるアクション、を追跡中追加アクション状態として決定することができる。
小隊内移動目標決定部2720は、小隊に属する複数の無人艇1010の移動目標位置や移動目標時刻などの個別の無人艇1010の移動目標を決定することができる。ここで、小隊内移動目標決定部2720は、中隊内役割分担決定部2610により決定された小隊毎の役割に応じて、小隊に属する複数の無人艇1010の移動目標を決定することができるが、移動目標の決定方法はこれに限られず、小隊内移動目標決定部2720は、小隊の役割に関する情報ではなく、他の情報に基づいて小隊に属する複数の無人艇1010の移動目標を決定することもできる。
小隊制御指令決定部2700は、上記した機能に加えて、例えば、将来監視状態予測部2520により検出ロスト状態が将来発生すると予測し、かつ、先回りや引継ぎを行う他の無人艇1010が存在しない場合に、対象物7000に対して発信機、塗料などを付着するアクションを実行する機能を有していても良い。また、このような場合に、外部の協調システム5000などに検出ロスト状態に関する情報を送信しても良い。
(A-3-8.情報入出力部2800)
情報入出力部2800は、ユーザや外部のシステムなどから統括制御システム2000へ入力される情報の取得と、統括制御システム2000内の各機能部により生成された情報等の指令出力または表示出力を行う機能部である。情報入出力部2800は、表示部2810と、ユーザ入力受付部2820と、指令送信出力部2830と、情報送信部2840を備える。
表示部2810は、統括制御システム2000内の各機能部による取得情報、判定情報、決定情報などを表示出力する機能部である。例えば、表示部2810は、中隊制御指令決定部2600や小隊制御指令決定部2700により決定された指令情報を表示出力する機能を有する。
ユーザ入力受付部2820は、外部のユーザ端末装置8000や統括制御システム2000のユーザインターフェース装置から入力される各種情報に関するユーザ入力情報を受け付ける機能部である。例えば、ユーザ入力受付部2820は、小隊の編成指令、無線通信ネットワークの接続構成、小隊毎の役割、小隊展開指令などに関するユーザ入力情報を受け付けることができる。
指令送信出力部2830は、中隊制御指令決定部2600や小隊制御指令決定部2700により決定された指令情報を無人艇システム1000に対して送信出力する機能部である。
情報送信部2840は、中隊制御指令決定部2600や小隊制御指令決定部2700により決定された指令情報に関する情報を、外部の協調システム5000やユーザ端末装置8000へ送信出力する機能部である。
(A-4.制御システム1の制御フロー)
次に、制御システム1全体の制御フローを説明する。図14は、制御システム1の処理フローを示すフローチャート図である。
まず、情報インポート部2100により、事前情報などを取得する(ステップ101)。本ステップでは、例えば、図9に示すような、活動条件、対象物検出判定条件、無人艇ステータス事前定義情報などを取得する。
次いで、発見前動作決定部2200により、無人艇1010により対象物7000を発見する前の状態における無人艇1010の動作指令(探索指令など)を決定する(ステップ102)。本ステップにおける詳細処理は後述する。
次いで、無人艇状態判定部2300により判定した無人艇状態に応じて、探索動作指令を更新して、探索制御を実行する(ステップ103)。本ステップにおける詳細処理は後述する。
次いで、対象物検出部2410により対象物7000を検出するか否かに応じて、次に遷移する処理ステップを決定する(ステップ104)。本ステップでは、対象物7000を検出した場合にはステップ105に処理を遷移させ、他方で、対象物7000を検出しない場合にはステップ103に処理を遷移させる。
次いで、ステップ104において対象物7000を検出した場合には、対象物状態判定部2420により対象物7000の状態を判定する(ステップ105)。本ステップにおける詳細処理は後述する。
次いで、将来状態予測部2500により、対象物7000の将来の動作状態や監視状態を予測する(ステップ106)。本ステップにおける詳細処理は後述する。
次いで、中隊制御指令決定部2600により、無人艇1010により対象物7000を検出した後における中隊を構成する複数小隊の動作を制御する制御指令を決定する(ステップ107)。本ステップにおける詳細処理は後述する。
次いで、小隊制御指令決定部2700により、無人艇1010により対象物7000を検出した後における各小隊内の無人艇1010の動作を制御する無人艇動作指令を決定する(ステップ108)。本ステップにおける詳細処理は後述する。
次いで、無人艇状態判定部2300により判定した無人艇状態に応じて、対象物発見後の小隊に対する動作指令を更新して、探索制御を実行する(ステップ103)。本ステップにおける詳細処理は後述する。
(A-5.制御システム1内の制御シーケンス)
次に、制御システム1内の各システム間の制御シーケンスを説明する。図15は、制御システム1内のシステム間の信号のやり取りを示すシーケンス図である。
まず、ユーザ端末装置8000などから統括制御システム2000に対して活動条件などを含む要望情報が送信される。統括制御システム2000は、発見前動作決定部2200により無人艇1010の探索指令を決定し、探索指令を小隊Aの親機1001aへ送信する。また、親機1001aは小隊A内の子機10021aに探索指令を送信する。探索指令を受信した親機1001aと子機10021aは、探索指令に従って対象物7000の探索を実行する。
次いで、探索により子機10021aが対象物7000を検出した場合に、子機10021aは、対象物7000を計測した計測データを含む検出情報を親機1001aに送信する。また、親機1001aは、受信した検出情報を統括制御システム2000に送信する。
次いで、統括制御システム2000は、受信した検出情報に基づいて、対象物7000の状態判定や対象物7000の将来動作予測を行い、無人艇1010に対する発見後動作を生成し、生成した発見後動作の提案情報などをユーザ端末装置8000に送信する。
次いで、統括制御システム2000は、ユーザ端末装置8000から発見後動作などに対するユーザ入力情報を受け付ける。統括制御システム2000は、受け付けたユーザ入力情報に基づいて、発見後動作を確定させて、発見後動作指令を小隊Aの親機1001aへ送信する。また、親機1001aは小隊A内の子機10021aに発見後動作指令を送信する。発見後動作指令を受信した親機1001aと子機10021aは、発見後動作指令に従って、小隊Aの編成、無線通信ネットワークの接続構成、小隊Aの役割、展開動作、および無人艇1010の個々の動作を制御する。
(A-6.探索動作の実行)
以下に、図16乃至図18を用いて探索動作の実行方法について説明する。
(A-6-1.探索動作の決定処理フロー)
図16は、発見前動作決定部2200による探索指令の決定処理フローの一例を示すフローチャート図である。特に、図16では、図14に示した制御フローにおけるステップ102の詳細な処理フローを説明する。
まず、発見前中隊動作決定部2210により、探索時における中隊(複数の小隊の集まり)の動作を決定する(ステップ201)。本ステップでは、例えば、中隊を構成する複数の小隊の編成や、図10に示すような中隊レベルの動作指令を決定する。ここで、小隊の編成や動作指令の決定は、エリア毎の警戒レベルや探索率に応じて小隊毎の行動エリア割り当てを決定しても良い。また、複数の小隊の間で無人艇1010を入れ替えることにより編成を変更する場合には、エリア毎に設定された警戒レベル、探索率、小隊毎の内部状態、図11に示す小隊毎の動作ステータスなどに応じて、複数の小隊の間で無人艇1010を入れ替えを判定することができる。
次いで、発見前小隊動作決定部2220により、探索時における小隊の動作を決定する(ステップ202)。本ステップでは、例えば、図11に示すような役割を小隊毎に決定する。
次いで、発見前小隊動作決定部2220により、小隊毎に決定した役割に応じて、小隊に属する各無人艇1010の役割を決定する(ステップ203)。
次いで、上記した各ステップで決定した決定情報を表示出力する(ステップ204)。本ステップでは、表示部2810またはユーザ端末装置8000に対して、決定情報を表示出力する。
次いで、ユーザ入力受付部2820によりユーザ入力情報を受け付ける(ステップ205)。本ステップでは、受け付けたユーザ入力情報に応じて、上記した各ステップで決定した決定内容を修正することができる。
(A-6-2.探索動作の決定結果の表示例)
図17は、発見前動作決定部2200により決定された探索指令をユーザ提案する表示例の一例を示す図である。図17に示す例では、マップ上に、探索対象エリアや、複数の小隊(小隊A,B,C,D)の位置が表示される。また、小隊毎に決定された役割(巡回監視、停泊監視など)の情報が表示されている。さらに、マップ上には、巡回監視を行う小隊Aの巡回予定経路が表示される。
図17に示す通り、発見前動作決定部2200により生成された小隊Aの巡回予定経路は、他の小隊B,C,Dと一定の距離以上離れた位置を通過する巡回経路となっており、小隊同士が衝突することを回避するように巡回予定経路が生成されている。また、発見前動作決定部2200は、巡回予定経路だけではなく、小隊毎の行動エリア割り当てを行っても良い。なお、小隊毎の行動エリア割り当てを行う際は、エリア毎の警戒レベルや探索率に応じて小隊毎の行動エリア割り当てを決定しても良い。
また、巡回予定経路以外にも、発見前動作決定部2200は、探索時の各小隊の隊形変更(隊形伸縮、隊形分割など)を決定することができる。この際、隊形変更に伴って無人艇間の距離が離れて通信が途切れないように、発見前動作決定部2200は、リアルタイムに無人艇間の相対距離や通信強度を監視して、通信可能な相対距離や通信を維持する範囲で隊形変更を決定する。また、小隊同士がすれ違う際の隊形変更方法やすれ違い時に優先させる小隊などを決定することができる。
更に、画面の下側には、提案表示された小隊毎の配置、役割、巡回予定経路などの小隊の動作を承認、または修正するための操作ボタンが表示される。統括制御システム2000はこれらの操作ボタンを介して、ユーザ入力情報を受け付けることができる。
なお、図17には図示していないが、協調システム5000の監視船などが、無人艇システム1000の探索対象エリアの外部エリアを監視している場合には、当該協調システム5000の監視エリアとの境界付近で非監視状態となるエリアと時間を予測して、当該境界付近エリアが一定以上非監視状態とならないように、一時的に探索対象エリアを超えて外部エリアに進出する巡回予定経路を生成することもできる。
(A-6-3.探索動作の実行処理フロー)
図18は、探索動作の実行処理フローの一例を示すフローチャート図である。特に、図18では、図14に示した制御フローにおけるステップ103の詳細な処理フローを説明する。
まず、無人艇情報取得部2140により無人艇1010からの情報を取得する(ステップ301)。
次いで、無人艇状態判定部2300により、中隊及び小隊を構成する各無人艇1010の状態を判定する(ステップ302)。
次いで、性能推定部2320により、無人艇1010が発揮可能な計測性能、動力性能、通信性能などの各種性能を推定する(ステップ303)。
次いで、発見前動作決定部2200により、無人艇1010の状態や各種性能の情報に基づいて探索指令の更新を行う(ステップ304)。
次いで、ステップ304で決定した探索指令の更新情報を表示出力する(ステップ305)。本ステップでは、表示部2810またはユーザ端末装置8000に対して、更新情報を表示出力する。
次いで、ユーザ入力受付部2820によりユーザ入力情報を受け付ける(ステップ205)。本ステップでは、受け付けたユーザ入力情報に応じて、上記した探索指令を修正することができる。
(A-7.対象物の状態判定と将来状態予測)
以下に、図19乃至図21を用いて対象物7000の状態判定と小隊状態予測について説明する。
(A-7-1.対象物の状態判定処理フロー)
図19は、対象物検出判定部2400による対象物の状態判定処理フローの一例を示すフローチャート図である。特に、図19では、図14に示した制御フローにおけるステップ105の詳細な処理フローを説明する。
まず、無人艇情報取得部2140により、無人艇1010により計測された計測データを取得する(ステップ401)。
次いで、対象物検出部2410により、対象物7000の検出確定判定を行う(ステップ402)。
次いで、対象物状態判定部2420により、対象物7000の各種状態を判定する(ステップ403)。本ステップでは、例えば、図12に示すような各種状態を判定する。
次いで、ステップ402やステップ403で判定した対象物7000の検出結果や状態判定結果に関する情報を表示出力する(ステップ404)。本ステップでは、表示部2810またはユーザ端末装置8000に対して、状態情報を表示出力する。
次いで、ユーザ入力受付部2820によりユーザ入力情報を受け付ける(ステップ405)。本ステップでは、受け付けたユーザ入力情報に応じて、上記した対象物7000の検出判定結果や状態情報を修正することができる。
(A-7-2.対象物の将来状態予測処理フロー)
図20は、将来状態予測部2500による対象物の将来状態予測処理フローの一例を示すフローチャート図である。特に、図20では、図14に示した制御フローにおけるステップ106の詳細な処理フローを説明する。
まず、将来対象物動作予測部2510により、対象物7000の将来の動作状態を予測算出する(ステップ501)。
次いで、性能推定部2320により、将来の無人艇の各種性能を予測する(ステップ502)。
次いで、将来監視状態予測部2520により、将来の無人艇1010による対象物7000の監視状態の予測を行う(ステップ503)。
次いで、将来監視状態予測部2520により、無人艇1010により対象物7000を継続して監視するための条件を予測する(ステップ504)。
次いで、上記した各ステップで算出した予測結果を表示出力する(ステップ505)。本ステップでは、表示部2810またはユーザ端末装置8000に対して、予測結果を表示出力する。
次いで、ユーザ入力受付部2820によりユーザ入力情報を受け付ける(ステップ506)。本ステップでは、受け付けたユーザ入力情報に応じて、上記した予測情報を修正することができる。
(A-7-3.対象物の将来状態予測結果の表示例)
図21は、将来状態予測部2500による将来状態予測の判定結果をユーザ提案する表示例の一例を示す図である。図21に示す例では、マップ上に、対象物7000の初期発見位置、移動履歴、現在の位置と向き、および将来状態予測部2500により予測された移動予測経路が表示されている。
更に、画面の下側には、提案表示された予測情報などに対する承認、または修正するための操作ボタンが表示される。統括制御システム2000はこれらの操作ボタンを介して、ユーザ入力情報を受け付けることができる。
また、無人艇1010による活動エリアが予め定義されている場合には、将来状態予測部2500は、当該活動エリアと対象物7000の将来状態予測に基づいて、将来、対象物7000が活動エリアから退出する位置や時刻、または一度退出した対象物7000が活動エリアに再進入する位置や時刻を予測する機能を有していても良い。その場合には、図21に示す表示画面に、当該予測結果に関する情報が表示される。
(A-8.中隊の発見後動作指令の決定方法)
以下に、図22乃至図23を用いて、対象物7000の発見後における中隊に対する動作指令を決定する方法について説明する。
(A-8-1.中隊の発見後動作指令の決定処理フロー)
図22は、中隊制御指令決定部2600による中隊の発見後動作の決定処理フローの一例を示すフローチャート図である。特に、図22では、図14に示した制御フローにおけるステップ107の詳細な処理フローを説明する。
まず、中隊内役割分担決定部2610により、中隊レベルで必要な役割を決定する(ステップ601)。本ステップでは、例えば、複数の小隊の集合である中隊として求められる役割を決定する。ここで、中隊内役割分担決定部2610は、将来状態予測部2500による将来状態の予測結果に応じて、中隊レベルで優先して実行すべき役割を決定することができる。つまり、各種役割(包囲、足止め、先回り、追跡、追跡引継ぎ、待伏せなど)から優先して実行すべき役割を決定する。なお、上記した各種役割の優先情報や優先順番の情報は事前に設定されていても良い。
ここで、無人艇1010に割当てられる各種役割は、例えば下記のように定義することができる。追跡とは、対象物7000の近傍位置で対象物7000の動きに追従して移動する動作、追跡引継ぎとは、自機も追跡の一部に加わりながら対象物7000の動きに追従するメイン役を引き受ける動作、先回りは、自機は追跡に加わらず対象物7000の移動予測経路の前方に先行して移動する動作、包囲は、自機は追跡に加わらず対象物7000が接近しても動かず対象物7000の周りを包囲する動作である。
次いで、中隊内役割分担決定部2610により、中隊内の小隊毎の役割分担を決定する(ステップ602)。
次いで、中隊内編成決定部2620により、中隊内の複数小隊の編成構成を決定する(ステップ603)
次いで、中隊内展開目標決定部2630により、中隊内の複数小隊に対する展開目標を決定する(ステップ604)。
次いで、上記した各ステップで算出した決定結果を表示出力する(ステップ605)。本ステップでは、表示部2810またはユーザ端末装置8000に対して、決定結果を表示出力する。
次いで、ユーザ入力受付部2820によりユーザ入力情報を受け付ける(ステップ606)。本ステップでは、受け付けたユーザ入力情報に応じて、上記した決定結果を修正することができる。
(A-8-2.中隊レベル動作指令の提案情報の表示例)
図23は、中隊制御指令決定部2600による中隊の発見後動作の決定結果をユーザ提案する表示例の一例を示す図である。図23に示す例では、マップ上に、対象物7000の現在の位置と向き、将来の移動予測経路、及び中隊に属する複数の小隊(小隊A,B,C,D)の位置と隊形、追跡開始位置、追跡引継ぎ位置が表示されている。
また、画面下側に、各小隊に割り当てられた役割が表示される。本図に示す例では、小隊Aに追跡、小隊Bに追跡引継ぎ、小隊C及び小隊Dに待伏せ(監視捕捉)の役割がそれぞれ割り当てられている。更に、画面の下側には、提案表示された発見後動作に対する承認、または修正するための操作ボタンが表示される。統括制御システム2000はこれらの操作ボタンを介して、ユーザ入力情報を受け付けることができる。
(A-9.発見後動作のバリエーション)
中隊制御指令決定部2600により決定される発見後動作には、複数のバリエーションがある。図24乃至図28を用いて、発見後動作の各バリエーションについて説明する。
(A-9-1.発見後動作の第一パターン)
図24は、中隊制御指令決定部2600により決定される第一の発見後動作を実行する様子を示す図である。図24に示す例は、特に、中隊を構成する複数の小隊の数や小隊間での無人艇1010の入れ替えや移動が発生しないパターンを示している。図24の上側の図は、複数小隊の編成変更や小隊毎の役割決定を行う前の時刻t1における中隊内の各小隊(小隊A,B,C,D)の隊形や通信ネットワーク構成を示している。
図24の中央の図は、複数小隊の編成変更や小隊毎の役割決定を行った後の時刻t2における中隊内の各小隊(小隊A,B,C,D)の隊形や通信ネットワーク構成を示している。本図に示すパターンでは、複数の小隊の数や小隊間での無人艇1010の入れ替えや移動が発生しないパターンであるため、各小隊の編成は時刻t1から変更はなく、各小隊に対する役割が割り当てられている。小隊Aには監視捕捉、小隊Bには追跡引継ぎ、小隊C,Dには追跡の役割がそれぞれ割り当てられている。
図24の下側の図は、各小隊の展開指令を実行する時刻t3における各小隊の移動予定経路を示す図である。本図に示す例では、展開指令により、追跡の役割が割り当てられた小隊Cと小隊Dが対象物7000の追跡開始位置の付近に移動する。また、追跡引継ぎの役割が割り当てられた小隊Bは、追跡引継位置の付近に移動する。また、監視捕捉(待伏せ)の役割が割り当てられた小隊Aは、対象物7000の移動予測経路(点線矢印)の前方位置に移動する。
ここで、追跡引継ぎの役割が割り当てられた小隊Bは、対象物7000の移動予測経路の周辺に移動して、追跡を行う小隊Aや小隊Dから追跡の役割を引き継ぐ。また、監視捕捉(待伏せ)の役割が割り当てられた小隊Aは、追跡が将来不可能になると判定されたロスト予測位置とロスト予測時間の予測結果に応じて、ロスト予測位置付近に移動して待機する。このように、対象物7000の移動予測経路、移動速度、過去の移動履歴などに応じて、対象物7000に移動目的位置を予測して、長時間追跡が行えるように移動予測経路付近に複数の小隊を配置させる。この際、追跡引継ぎや監視捕捉(待伏せ)を行う小隊は、目標位置への移動を最優先に実行し、小隊の隊形を整える動作は、目標位置へ到着後に実行することができる。
(A-9-2.発見後動作の第二パターン)
次に、図25は、中隊制御指令決定部2600により決定される第二の発見後動作を実行する様子を示す図である。図25に示す例は、特に、中隊を構成する複数の小隊の数や規模は変更ないが、小隊間での無人艇1010の入れ替えが発生するパターンを示している。図25の上側の図は、複数小隊の編成変更を行う前の時刻t1における中隊内の各小隊(小隊A,B,C,D)の隊形や通信ネットワーク構成を示している。時刻t1において、各小隊を構成する無人艇1010に対する役割の割当が決定される。
図25の中央の図は、複数小隊の編成変更を行った後の時刻t2における中隊内の各小隊(小隊A,B,C,D)の隊形や通信ネットワーク構成を示している。本図に示すパターンでは、無人艇1010に対して決定された役割に応じて、小隊間での無人艇1010の入れ替えが行われ、役割毎に各小隊が編成されている。なお、編成後の各小隊の数と規模は時刻t1から変更はない。小隊Aには監視捕捉、小隊Bには追跡引継ぎ、小隊C,Dには追跡の役割がそれぞれ割り当てられている。
図25の下側の図は、各小隊の展開指令を実行する時刻t3における各小隊の移動予定経路を示す図である。本図に示す例では、展開指令により、追跡の役割が割り当てられた小隊Cと小隊Dが対象物7000の追跡開始位置の付近に移動する。また、追跡引継ぎの役割が割り当てられた小隊Bは、追跡引継位置の付近に移動する。また、監視捕捉の役割が割り当てられた小隊Aは、対象物7000の移動予測経路(点線矢印)の前方位置に移動する。
(A-9-3.発見後動作の第三パターン)
図26は、中隊制御指令決定部2600により決定される第三の発見後動作を実行する様子を示す図である。図26に示す例は、特に、中隊を構成する複数の小隊間で無人艇1010の入れ替えが行われて、小隊の数と各小隊の規模が変更されるパターンを示している。図26の上側の図は、複数小隊の編成変更を行う前の時刻t1における中隊内の各小隊(小隊A,B,C,D)の隊形や通信ネットワーク構成を示している。時刻t1において、各小隊を構成する無人艇1010に対する役割の割当が決定される。本図に示す例では、小隊Aと小隊Bの全ての無人艇1010、及び小隊Cと小隊Dの一部無人艇1010には包囲、小隊Cと小隊Dの他の一部の無人艇1010には監視捕捉の役割がそれぞれ割り当てられている。
図26の中央の図は、複数小隊の編成変更を行った後の時刻t2における中隊内の各小隊(小隊A,C)の隊形や通信ネットワーク構成を示している。本図に示すパターンでは、無人艇1010に対して決定された役割に応じて、小隊間での無人艇1010の入れ替えが行われ、役割毎に2つの小隊A,Cが編成されている。小隊Aは包囲、小隊Cは監視捕捉の役割を割り当てられた複数の無人艇により編成されている。
図26の下側の図は、各小隊の展開指令を実行する時刻t3における各小隊の移動予定経路を示す図である。本図に示す例では、展開指令により、包囲の役割が割り当てられた小隊Aが対象物7000の移動予測経路上に対象物7000の進行を妨げるように展開する。また、監視捕捉の役割が割り当てられた小隊Cは、例えば、対象物7000を検出可能な位置に移動する。
(A-9-4.発見後動作の第四パターン)
図27は、中隊制御指令決定部2600により決定される第四の発見後動作を実行する様子を示す図である。図27に示す例は、特に、中隊を構成する複数の小隊間で無人艇1010の入れ替えが行われて小隊の数と各小隊の規模が変更され、更に、編成変更後の小隊に複数の役割が割り当てられるパターンを示している。図27の上側の図は、複数小隊の編成変更を行う前の時刻t1における中隊内の各小隊(小隊A,B,C,D)の隊形や通信ネットワーク構成を示している。時刻t1において、各小隊を構成する無人艇1010に対する役割の割当が決定される。ここで、小隊Bの一部の無人艇1010には包囲と回復充電の複数の役割が割り当てられる。また、小隊Cの一部の無人艇1010には包囲と一次解析処理の複数の役割が割り当てられる。
図27の中央の図は、複数小隊の編成変更を行った後の時刻t2における中隊内の各小隊(小隊A,C)の隊形や通信ネットワーク構成を示している。本図に示すパターンでは、無人艇1010に対して決定された役割に応じて、小隊間での無人艇1010の入れ替えが行われ、役割毎に2つの小隊A,Cが編成されている。小隊Aは包囲及び一次解析処理及び回復充電、小隊Cは監視捕捉の役割を割り当てられた複数の無人艇により編成されている。
図27の下側の図は、各小隊の展開指令を実行する時刻t3における各小隊の移動予定経路を示す図である。本図に示す例では、展開指令により、包囲の役割が割り当てられた小隊Aが対象物7000の移動予測経路上に対象物7000の進行を妨げるように展開する。なお、小隊Aにおいて包囲に加えて他の役割(回復充電、一次解析処理)を割り当てられた無人艇1010は、包囲の任務と並行して回復充電や一次解析処理の役割を実行する。また、監視捕捉の役割が割り当てられた小隊Cは、例えば、対象物7000を検出可能な位置に移動する。
(A-9-5.発見後動作の第五パターン)
図28は、中隊制御指令決定部2600により決定される第五の発見後動作を実行する様子を示す図である。図28に示す例は、特に、図26や図27に示したような中隊を構成する複数の小隊間で無人艇1010の入れ替えが行われて小隊の数と各小隊の規模が変更されるパターンにおいて、時刻t3の後に、中隊の編成を再構築する時刻t4の様子を示している。図28の上側の図は、各小隊の展開指令を実行する時刻t3における中隊内の各小隊(小隊A,C)の展開する様子を示しており、図26や図27に示した時刻t3と同様の状況を示している。
図28の下側の図は、対象物7000により小隊Aの包囲網が突破されて、小隊Aの編成を再構築する例を示している。本図に示す例では、小隊Aが3つの新たな小隊に分割され、3つに分割される小隊に、それぞれ追跡、追跡引継ぎ、監視捕捉の各役割が割り当てられる。また、時刻t3において監視捕捉の役割が割り当てられていた小隊Cの役割が追跡に更新されている。
そのため、時刻t4においては、新たに追跡の役割が割り当てられた2つの小隊が対象物7000の追跡を行い、追跡引継ぎの役割を割り当てられた小隊が対象物7000の移動予測進路の前方に移動し、監視捕捉の役割を割り当てられた小隊が対象物7000を検出可能な位置に移動する。
(A-10.無人艇の発見後動作指令の決定方法)
以下に、図29及び図30を用いて、対象物7000の発見後における無人艇1010に対する動作指令を決定する方法について説明する。
(A-10-1.無人艇の発見後動作指令の決定処理フロー)
図29は、小隊制御指令決定部2700による無人艇1010の発見後動作の決定処理フローの一例を示すフローチャート図である。特に、図29では、図14に示した制御フローにおけるステップ108の詳細な処理フローを説明する。
まず、小隊内役割決定部2710により、無人艇毎の役割を決定する(ステップ701)。
次いで、小隊内移動目標決定部2720により、無人艇毎の移動目標位置や移動目標時刻などの移動目標を決定する(ステップ702)。
次いで、上記した各ステップで算出した決定結果を表示出力する(ステップ703)。本ステップでは、表示部2810またはユーザ端末装置8000に対して、決定結果を表示出力する。
次いで、ユーザ入力受付部2820によりユーザ入力情報を受け付ける(ステップ704)。本ステップでは、受け付けたユーザ入力情報に応じて、上記した決定結果を修正することができる。
(A-10-2.無人艇の発見後動作指令の提案情報の表示例)
図30は、小隊制御指令決定部2700による無人艇1010の発見後動作の決定結果をユーザ提案する表示例の一例を示す図である。図30に示す例では、マップ上に、対象物7000の現在の位置と向き、将来の移動予測経路、及び中隊に属する複数の小隊(小隊A,B,C,D)の位置と隊形、追跡開始位置、追跡引継ぎ位置が表示されている。
また、マップ上でユーザが選択した任意の小隊(例えば、小隊1000a)に属する複数の無人艇1010の詳細情報が表示される。例えば、小隊1000aを構成する各無人艇1010の識別情報、割り当てられた役割(役割1、役割2)、無人艇の配置、無線通信ネットワークで接続される通信接続先の機体識別情報などである。
更に、画面の下側には、提案表示された発見後動作に対する承認、または修正することができる操作ボタンが表示される。統括制御システム2000はこれらの操作ボタンを介して、ユーザ入力情報を受け付けることができる。
(A-11.発見後動作の実行処理)
以下に、図31乃至図33を用いて、発見後動作の実行処理について説明する。図31は、発見後動作を実行する際の小隊毎の役割の実行状態を示す状態遷移図である。図31は、特に、中隊内役割分担決定部2610により小隊毎に単一の役割を指令する場合の小隊毎の役割実行状態を示す状態遷移図である。中隊内役割分担決定部2610は、図31に示す小隊毎の役割実行状態を判定し、次に指令する役割を決定する。
図31に示す通り、中隊内役割分担決定部2610により決定される小隊毎の役割には、対応アクション(追跡、包囲、足止め、先回り、追跡引継ぎ、継続補足もしくは待ち伏せなどを含む)と、発見した対象物7000の追跡等を補助支援する補助支援アクション(通信補填、データ蓄積/送受信、一次解析処理などを含む)と、その他の共通アクション(回復充電など)を含むことができる。また、本図に示す例では、図示した対応アクションと補助支援アクションと回復充電等の共通アクションのいずれか一つを小隊の役割として決定することができる。
上記した図31では、中隊内役割分担決定部2610が小隊毎に単一の役割を指定する場合の小隊毎の役割実行状態の状態遷移図を示したが、本実施形態はこれに限られず、中隊内役割分担決定部2610は、小隊毎に複数の役割を指定することも可能である。図32及び図33では、このように小隊毎に複数の役割を指定する場合の小隊毎の役割実行状態を示している。
図32は、発見後動作を実行する際の小隊毎の対応アクションに関する役割の実行状態を示す状態遷移図である。図33は、発見後動作を実行する際の小隊毎の補助支援アクションに関する役割の実行状態を示す状態遷移図である。図32に示す状態遷移と図33に示す状態遷移は、同時並行して動作することができる。そのため、図32に示す対応アクションのいずれかの役割を実行中に並行して、図33に示す補助支援アクションのいずれかの役割を実行させることができる。
(A-12.ハードウェア構成)
図34は、統括制御システム2000のハードウェア構成図である。ここで、本発明における統括制御システム2000は、サーバ装置やPCなどの情報処理装置である。図示するように、統括制御システム2000は、入力装置100と、出力装置200と、処理装置300と、主記憶装置400と、補助記憶装置500と、通信装置600と、これらの各装置を電気的に接続するバス700と、を有する。
入力装置100は、ユーザ入力受付部2820を構成することができ、ユーザが統括制御システム2000に情報や指示を入力するための装置である。具体的には、入力装置100は、例えばタッチパネル、キーボード、マウスあるいはマイクロフォンのような音声入力装置である。
出力装置200は、統括制御システム2000により生成された各種情報を出力する装置であり、表示部2810を構成することができる。具体的には、出力装置200は、アイウェア、AR、VRのディスプレイ装置などで表示部2810を構成でき、またプリンタあるいはスピーカーであっても良い。
処理装置300は、例えば演算処理を行う装置である。具体的には、処理装置300は、例えば、CPU、マイクロプロセッサ、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、あるいはその他の演算できる半導体デバイス等である。
主記憶装置400は、読み出した各種情報を一時的に格納するRAMや処理装置300で実行されるプログラムやアプリケーションプログラムおよびその他の様々な情報等を格納するROMといったメモリ装置である。補助記憶装置500は、デジタル情報を記憶可能なHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。通信装置600は、外部との間で無線あるいは有線による情報通信を行う装置である。
上記した実施形態では、海上や水上で活動を行う複数の無人艇1010により構成されるグループ1000を利用した制御システム1について説明したが、本発明は無人艇1010などの船舶に限定されず、空中を移動可能な無人飛行体や海中を移動可能な無人潜水艇や陸上を移動可能な無人車両などのあらゆる移動体や無人機に適用することができる。
上述した実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
[A-2.本実施形態の効果]
上述した実施形態により、複数の移動体を用いた監視や調査などの活動を、より効率的に実行することができるシステムまたは制御方法等を提供する。一例として、複数の小隊の数や規模などを含む複数小隊の編成内容を状況に応じて決定することにより、複数の移動体を用いた監視や調査などの活動を、より効率的に実行することができる。