JP7733011B2 - ゴム組成物、ゴム組成物の製造方法及びタイヤ - Google Patents
ゴム組成物、ゴム組成物の製造方法及びタイヤInfo
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Description
また、タイヤのトレッドゴムに用いるゴム組成物において、スチレン含有量が高い変性スチレン-ブタジエンゴムを配合して、タイヤのトレッドゴムのガラス転移温度(Tg)を上昇させる手法があるが、ウェット性能と低転がり抵抗性との両立には限界がある。
また、ウェット性能の向上のために、ゴム組成物に樹脂を添加する手法もあるが、樹脂を添加すると、通常走行時の温度領域における損失正接(tanδ)が上昇して、低ロス性が悪化してしまい、該ゴム組成物を適用したタイヤの転がり抵抗が大きくなってしまう。
また、下記特許文献1には、ゴム成分に、スチレン含量が30質量%以上のスチレン・アルキレンブロック共重合体を配合したゴム組成物が開示されており、該ゴム組成物は、ドライハンドリング性に優れつつ、ウェット性能と低ロス性とを両立できることが開示されている。
また、本発明は、ウェット性能に優れ、転がり抵抗の小さなタイヤを提供することを更なる課題とする。
前記ゴム成分が、天然ゴムと、高Tg変性スチレン-ブタジエンゴムと、該高Tg変性スチレン-ブタジエンゴムよりもガラス転移温度(Tg)が低い低Tg変性スチレン-ブタジエンゴムと、を含み、
前記高Tg変性スチレン-ブタジエンゴムは、両末端が変性されており、少なくとも一方の末端がアルコキシシランで変性されており、
前記低Tg変性スチレン-ブタジエンゴムは、一方の末端がアルコキシシランで変性されており、
前記高Tg変性スチレン-ブタジエンゴム(高Tg変性SBR)の含有量と、前記低Tg変性スチレン-ブタジエンゴム(低Tg変性SBR)の含有量と、の質量比(高Tg変性SBRの含有量/低Tg変性SBRの含有量)が1よりも大きいことを特徴とする。
前記ゴム成分と、前記充填剤と、前記樹脂と、前記グアニジン類と、を混練する第1混練工程と、
該第1混練工程で得られる混練物と、前記加硫剤と、を混練する第2混練工程と、
を含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、ウェット性能に優れ、転がり抵抗の小さなタイヤを提供することができる。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分と、充填剤と、樹脂と、を含む。また、本発明のゴム組成物においては、前記ゴム成分が、天然ゴムと、高Tg変性スチレン-ブタジエンゴムと、該高Tg変性スチレン-ブタジエンゴムよりもガラス転移温度(Tg)が低い低Tg変性スチレン-ブタジエンゴムと、を含む。ここで、前記高Tg変性スチレン-ブタジエンゴムは、両末端が変性されており、少なくとも一方の末端がアルコキシシランで変性されており、また、前記低Tg変性スチレン-ブタジエンゴムは、一方の末端がアルコキシシランで変性されており、また、前記高Tg変性スチレン-ブタジエンゴム(高Tg変性SBR)の含有量と、前記低Tg変性スチレン-ブタジエンゴム(低Tg変性SBR)の含有量と、の質量比(高Tg変性SBRの含有量/低Tg変性SBRの含有量)が1よりも大きい。
また、本発明のゴム組成物は、一方の末端がアルコキシシランで変性されている低Tg変性スチレン-ブタジエンゴムを含み、高Tg変性スチレン-ブタジエンゴム(高Tg変性SBR)の含有量と、低Tg変性スチレン-ブタジエンゴム(低Tg変性SBR)の含有量と、の質量比(高Tg変性SBRの含有量/低Tg変性SBRの含有量)を1よりも大きくすることで、該ゴム組成物を適用したタイヤのウェット性能を大幅に向上させることができる。
従って、本発明のゴム組成物によれば、タイヤに適用することで、タイヤの転がり抵抗を低減しつつ、ウェット性能を大幅に向上させることができる。
本発明のゴム組成物のゴム成分は、天然ゴムと、高Tg変性スチレン-ブタジエンゴムと、該高Tg変性スチレン-ブタジエンゴムよりもガラス転移温度(Tg)が低い低Tg変性スチレン-ブタジエンゴムと、を含み、更に他のゴム成分を含んでもよい。該ゴム成分は、ガラス転移温度(Tg)が異なる2種以上の変性スチレン-ブタジエンゴムを含む。
ここで、前記高Tg変性スチレン-ブタジエンゴム(高Tg変性SBR)の含有量と、前記低Tg変性スチレン-ブタジエンゴム(低Tg変性SBR)の含有量と、の質量比(高Tg変性SBRの含有量/低Tg変性SBRの含有量)は、1よりも大きい。
前記ゴム成分として、両末端変性の高Tg変性SBRや、片末端変性の低Tg変性SBRを含有することによって、ゴム組成物中の充填剤の分散性を高めることができるため、該ゴム組成物をタイヤに適用することで、ウェット性能を悪化させることなく、タイヤの転がり抵抗を低減することができる。また、前記ゴム成分中の高Tg変性SBRと低Tg変性SBRの質量比を適正化することで、該ゴム組成物を適用したタイヤの転がり抵抗の悪化を招くことなく、ウェット性能を更に高めることができる。
前記アルコキシシランは、少なくとも1つの窒素原子を含んでいることが好ましい。該窒素原子を含む基としては、例えば、第一アミノ基、加水分解可能な保護基で保護された第一アミノ基、第一アミンのオニウム塩残基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、イミン基、イミン残基、アミド基、加水分解可能な保護基で保護された第二アミノ基、環状第二アミノ基、環状第二アミンのオニウム塩残基、非環状第二アミノ基、非環状第二アミンのオニウム塩残基、イソシアヌル酸トリエステル残基、環状第三アミノ基、非環状第三アミノ基、ニトリル基、ピリジン残基、環状第三アミンのオニウム塩残基及び非環状第三アミンのオニウム塩残基からなる群から選択される官能基を有し、直鎖、分枝、脂環もしくは芳香族環を含む炭素数1~30の1価の炭化水素基、又は酸素原子、硫黄原子及びリン原子から選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を含んでいてもよい、直鎖、分枝、脂環又は芳香族環を含む炭素数1~30の1価の炭化水素基が挙げられる。
前記ゴム成分は、天然ゴムを含む。ゴム成分中の天然ゴムの割合は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、また、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。ゴム成分中の天然ゴムの割合を10質量%以上とすることで、天然ゴムの優れた物性が更に発現され、また、ゴム組成物を適用したタイヤのウェット性能を更に向上させ、転がり抵抗を更に低減できる。また、ゴム成分中の天然ゴムの割合が60質量%以下であれば、後述する高Tg変性SBRや低Tg変性SBRの割合を増やすことができる。
前記高Tg変性スチレン-ブタジエンゴム(「高Tg変性SBR」と略記することがある。)は、後述する低Tg変性スチレン-ブタジエンゴムよりもガラス転移温度(Tg)が高い。即ち、該高Tg変性スチレン-ブタジエンゴム及び低Tg変性スチレン-ブタジエンゴムにおける「高Tg」及び「低Tg」とは、一方の変性スチレン-ブタジエンゴムが、もう一方の変性スチレン-ブタジエンゴムよりも、ガラス転移温度(Tg)が相対的に高い又は低いことを示しており、ある温度よりも高い又は低いことを示すものではない。
なお、高Tg変性スチレン-ブタジエンゴムは、ガラス転移点(Tg)が、好ましくは-5℃~-35℃であり、より好ましくは-10℃~-30℃である。高Tg変性SBRのTgが高いことで、前記充填剤との親和性が高くなり、より優れた充填剤の分散性を得ることができる。
より具体的には、前記R5~R8は、置換又は非置換の炭素数1~10のアルキル基であってもよく、さらに具体的には、前記R5~R8は、それぞれ独立して置換又は非置換の、炭素数1~6のアルキル基であってもよい。
なお、前記R9~R12がアルキル基ではなく、加水分解可能な置換基の場合、N-R9R10及びN-R11R12の結合が水分存在下でN-Hに加水分解され、重合体の加工性に悪影響を及ぼし得る。
なお、前記R9~R12にアミノ基を保護するための保護基が結合するか、又は、水素が結合する場合には、前記式(2)で表される化合物による効果の具現が難しい可能性がある。水素が結合する場合、変性過程で陰イオンが水素と反応して反応性を失うようになって変性反応自体が不可能となり、保護基が結合する場合、変性反応が行われるが、重合体末端に結合した状態で後加工時に加水分解によって脱保護されて1級又は2級アミノ基になり、脱保護された1級又は2級アミノ基は、その後の配合時に配合物の高粘度化を引き起こし、加工性低下の原因になるおそれがある。
より具体的には、L1及びL2は、それぞれ独立して炭素数1~10のアルキレン基、さらに具体的には、メチレン基、エチレン基又はプロピレン基のような炭素数1~6のアルキレン基とすることができる。
また、前記重量平均分子量及び数平均分子量は、それぞれゲル透過型クロマトグラフィ(GPC)で分析されるポリスチレン換算分子量である。
前記変性SBRの重量平均分子量(Mw)が100,000g/mol未満であるか、又は数平均分子量(Mn)が50,000g/mol未満の場合、ゴム組成物に適用する際の引張特性の低下のおそれがある。また、重量平均分子量(Mw)が4,000,000g/molを超えているか、数平均分子量(Mn)が2,000,000g/molを超える場合には、変性SBRの加工性の低下によりゴム組成物の作業性が悪化し、混練が困難となり、また、ゴム組成物の物性を十分に向上させることが難しくなることがある。
より具体的には、前記変性SBRは、前記分子量分布とともに、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の条件を同時に満たしている場合には、ゴム組成物に適用した場合、ゴム組成物の粘弾性と加工性をバランスよく改善させることができる。
前記ムーニー粘度は、ムーニー粘度計、例えば、Monsanto社のMV2000Eで、100℃、ローター速度2±0.02rpmで、大ローターを使って測定することができる。このとき用いられた試料は、室温(23±3℃)で30分以上放置した後、27±3gを採取して、ダイキャビティの内部に満たしておき、プラテンを作動させて測定することができる。
また、式(3)において、R16は、単結合;置換基で置換又は非置換の炭素数1~20のアルキレン基;置換基で置換又は非置換の炭素数5~20のシクロアルキレン基;又は置換基で置換又は非置換の炭素数5~20のアリーレン基であり、ここで、上記置換基は、炭素数1~10のアルキル基、炭素数5~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~20のアリール基である。
また、式(3)において、R17は、炭素数1~30のアルキル基;炭素数2~30のアルケニル基;炭素数2~30のアルキニル基;炭素数1~30のヘテロアルキル基;炭素数2~30のヘテロアルケニル基;炭素数2~30のヘテロアルキニル基;炭素数5~30のシクロアルキル基;炭素数6~30のアリール基;炭素数3~30の複素環基;又は下記一般式(3a)若しくは一般式(3b)で表される作用基であり、mは1~5の整数であり、R17のうち少なくとも1つは、下記一般式(3a)若しくは一般式(3b)で表される作用基であり、mが2~5の整数の場合、複数のR17は、互いに同一であっても、異なってもよい。
また、式(3a)において、R17a2及びR17a3は、互いに独立に、炭素数1~10のアルキル基、炭素数5~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~20のアリール基で置換又は非置換の炭素数1~20のアルキレン基である。
また、式(3a)において、R17a4は、水素;炭素数1~30のアルキル基;炭素数2~30のアルケニル基;炭素数2~30のアルキニル基;炭素数1~30のヘテロアルキル基;炭素数2~30のヘテロアルケニル基;炭素数2~30のヘテロアルキニル基;炭素数5~30のシクロアルキル基;炭素数6~30のアリール基;炭素数3~30の複素環基であり、Xは、N、O又はS原子であり、但し、XがO又はSである場合、R17a4は存在しない。
また、式(3b)において、R17b2及びR17b3は、互いに独立に、炭素数1~30のアルキル基;炭素数2~30のアルケニル基;炭素数2~30のアルキニル基;炭素数1~30のヘテロアルキル基;炭素数2~30のヘテロアルケニル基;炭素数2~30のヘテロアルキニル基;炭素数5~30のシクロアルキル基;炭素数6~30のアリール基;炭素数3~30の複素環基である。
具体的には、例えば、炭化水素溶媒中で、式(3)で表される化合物を含む変性剤の存在下にて、ブタジエン単量体及びスチレン単量体を重合させることで、式(3)で表される化合物由来の変性基を、前記スチレン-ブタジエンゴムに付与することができる。
前記低Tg変性スチレン-ブタジエンゴム(「低Tg変性SBR」と略記することがある。)は、前記高Tg変性スチレン-ブタジエンゴムよりもガラス転移温度(Tg)が低い。即ち、前記高Tg変性スチレン-ブタジエンゴム及び前記低Tg変性スチレン-ブタジエンゴムにおける「高Tg」及び「低Tg」とは、一方の変性スチレン-ブタジエンゴムが、もう一方の変性スチレン-ブタジエンゴムよりも、ガラス転移温度(Tg)が相対的に高い又は低いことを示しており、ある温度よりも高い又は低いことを示すものではない。
なお、前記低Tg変性スチレン-ブタジエンゴムは、ガラス転移点(Tg)が、好ましくは-75℃~-45℃であり、より好ましくは-70℃~-50℃である。低Tg変性SBRのTgが低いことで、低ロス性とウェット性能とのバランスを更に向上させることができる。
また、該低Tg変性SBRと、上述の高Tg変性SBRと、のガラス転移温度(Tg)の差は、30℃以上が好ましく、35℃以上が更に好ましく、また、60℃以下が好ましく、50℃以下が更に好ましい。ガラス転移温度(Tg)の差がこれらの範囲内であると、Tgが異なる複数種類の変性SBRを含む効果が顕著になり、低ロス性とウェット性能とのバランスをより一層向上させることができる。
前記低Tg変性スチレン-ブタジエンゴムは、例えば、国際公開第2003/046020号、特開2007-217562号公報に記載の方法に従って、活性末端を有するSBRの末端に、種々のアルコキシシラン(変性剤)を反応させることで製造できる。
R19 a-Si-(OR20)4-a ・・・ (4)
A1は、飽和環状3級アミン化合物残基、不飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、ニトリル基、(チオ)イソシアナート基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、ニトリル基、ピリジン基、(チオ)ケトン基、アミド基、並びに加水分解性基を有する第一もしくは第二アミノ基の中から選択される少なくとも1種の官能基である。n4が2以上の場合には、A1は、同一でも異なっていてもよく、A1は、Siと結合して環状構造を形成する二価の基であってもよい。
R21は、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基であり、n1が2以上の場合には同一でも異なっていてもよい。
R23は、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基またはハロゲン原子であり、n3が2以上の場合には同一でも異なっていてもよい。
R22は、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基であり、いずれも窒素原子および/またケイ素原子を含有していてもよい。n2が2以上の場合には、R22は、互いに同一もしくは異なっていてもよいし、あるいは、一緒になって環を形成してもよい。
R24は、炭素数1~20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素数6~18の二価の芳香族炭化水素基であり、n4が2以上の場合には同一でも異なっていてもよい。
A2は、NRa(Raは、一価の炭化水素基、加水分解性基または含窒素有機基である)である。
R25は、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基である。
R27は、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基またはハロゲン原子である。
R26は、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基または含窒素有機基であり、いずれも窒素原子および/またはケイ素原子を含有していてもよい。p2が2の場合には、R26は、互いに同一でも異なっていてもよいし、あるいは、一緒になって環を形成していてもよい。
R28は、炭素数1~20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素数6~18の二価の芳香族炭化水素基である。
加水分解性基としては、トリメチルシリル基またはtert-ブチルジメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基が特に好ましい。
R31は、炭素数1~20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素数6~18の二価の芳香族炭化水素基である。
R32およびR33は、それぞれ独立して、加水分解性基、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基である。
R34は、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基であり、q1が2の場合には同一でも異なっていてもよい。
R35は、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基であり、q2が2以上の場合には同一でも異なっていてもよい。
R36は、炭素数1~20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素数6~18の二価の芳香族炭化水素基である。
R37は、ジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノメチル基、ジエチルアミノエチル基、メチルシリル(メチル)アミノメチル基、メチルシリル(メチル)アミノエチル基、メチルシリル(エチル)アミノメチル基、メチルシリル(エチル)アミノエチル基、ジメチルシリルアミノメチル基、ジメチルシリルアミノエチル基、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基であり、r1が2以上の場合には同一でも異なっていてもよい。
R38は、炭素数1~20のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基であり、r2が2の場合には同一でも異なっていてもよい。
一般式(8)で表されるアミノアルコキシシラン化合物の具体例としては、N-(1,3-ジメチルブチリデン)-3-トリエトキシシリル-1-プロパンアミンが挙げられる。
また、一般式(16)を満たす化合物の中でも、特に、N,N-ジメチル-2-(3-(ジメトキシメチルシリル)プロポキシ)エタンアミン、N,N-ビス(トリメチルシリル)-2-(3-(トリメトキシシリル)プロポキシ)エタンアミン、N,N-ジメチル-2-(3-(トリメトキシシリル)プロポキシ)エタンアミン、N,N-ジメチル-3-(3-(トリメトキシシリル)プロポキシ)プロパン-1-アミンが好ましい。
前記ゴム成分は、上述した天然ゴム(NR)、高Tg変性SBR、低Tg変性SBR以外に、更に他のゴム成分を含んでもよい。ここで、該他のゴム成分としては、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン-プロピレン共重合体等が挙げられる。これら他のゴム成分は、1種単独でも、2種以上のブレンドとして用いてもよい。
前記他のゴム成分を含有する場合には、前記ゴム成分中の当該他のゴム成分の割合は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下が更に好ましく、0質量%であってもよい。
本発明のゴム組成物は、充填剤を含む。充填剤を含むことで、ゴム組成物の補強性が向上する。
前記ゴム組成物中の充填剤の含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して40~125質量部の範囲が好ましい。ゴム組成物中の充填剤の含有量が、ゴム成分100質量部に対し、40質量部以上であると、ゴム組成物の補強が十分であり、該ゴム組成物を用いたタイヤの耐摩耗性が向上し、また、125質量部以下であると、ゴム組成物の弾性率が高くなり過ぎず、該ゴム組成物を用いたタイヤのウェット性能が向上する。
タイヤの耐摩耗性を更に向上させる観点から、ゴム組成物中の充填剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、48質量部以上であることが好ましく、53質量部以上であることがより好ましく、58質量部以上であることがより好ましく、62質量部以上であることが更に好ましい。また、タイヤのウェット性能を更に向上させる観点から、ゴム組成物中の充填剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、105質量部以下であることが好ましく、100質量部以下であることが好ましく、95質量部以下であることがより好ましく、90質量部以下であることがより好ましく、85質量部以下であることが更に好ましい。
前記充填剤は、シリカを含有することが好ましく、窒素吸着比表面積(BET法)が90m2/g以上330m2/g未満であるシリカを含有することが特に好ましい。充填剤がシリカを含むことで、ゴム組成物を適用したタイヤのウェット性能を更に向上させることができる。
シリカの窒素吸着比表面積(BET法)が90m2/g以上であると、ゴム組成物を適用したタイヤの耐摩耗性を更に向上させることができる。また、シリカの窒素吸着比表面積(BET法)が330m2/g未満であると、ゴム組成物を適用したタイヤのウェット性能を更に向上させることができる。
また、ゴム組成物を適用したタイヤの耐摩耗性を更に向上させる観点から、シリカの窒素吸着比表面積(BET法)は、90m2/g以上であることがより好ましく、95m2/g以上であることがより好ましく、150m2/g以上であることがより好ましく、170m2/g以上であることがより好ましく、180m2/g以上であることがより好ましく、190m2/g以上であることがより好ましく、195m2/g以上であることが更に好ましい。また、ゴム組成物を適用したタイヤのウェット性能を更に向上させる観点から、シリカの窒素吸着比表面積(BET法)は、300m2/g以下であることがより好ましく、280m2/g以下であることがより好ましく、270m2/g以下であることがより好ましく、250m2/g以下であることが更に好ましい。
前記充填剤は、カーボンブラックを含むことも好ましい。該カーボンブラックは、加硫ゴムを補強して、加硫ゴムの耐摩耗性を向上させる。
カーボンブラックとしては、特に限定されるものではなく、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFグレードのカーボンブラックが挙げられる。これらカーボンブラックは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記充填剤は、水酸化アルミニウムを含むことも好ましい。充填剤が水酸化アルミニウムを含むことで、ゴム組成物を適用したタイヤのウェット性能を更に向上させることができる。
前記充填剤は、シリカ、カーボンブラック、水酸化アルミニウム以外に、例えば、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機充填剤を含んでいてもよい。
本発明のゴム組成物は、樹脂を含む。樹脂を含むことで、低温領域のヒステリシスロスが上昇して、ゴム組成物を適用したタイヤのウェット性能を向上させることができる。
ゴム組成物中の樹脂の含有量は、樹脂による効果をより高める観点から、ゴム成分100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、7質量部以上であることが好ましく、9質量部以上であることが更に好ましい。また、タイヤからの樹脂の析出を抑制し、タイヤ外観の低下を抑制する観点から、ゴム組成物中の樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、14質量部以下であることが好ましく、13質量部以下であることがより好ましく、12質量部以下であることがより好ましく、11質量部以下であることが更に好ましい。
前記樹脂は、軟化点が110℃より高く、ポリスチレン換算の重量平均分子量が200~1600g/molである水添樹脂を含むことが好ましい。該水添樹脂は、前記ゴム成分に対する相溶性が高く、ゴム成分の運動性が制御され、通常走行時の温度領域におけるヒステリシスロス(tanδ)を維持しつつ、低温領域のヒステリシスロス(tanδ)を選択的に向上させることができるため、ゴム組成物を適用したタイヤの低転がり抵抗性とウェット性能とのバランスが更に向上する。
ゴム組成物からの水添樹脂の析出を抑制し、タイヤ外観の低下を抑制する観点から、水添樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、500g/mol以上であることがより好ましく、550g/mol以上であることがより好ましく、600g/mol以上であることがより好ましく、650g/mol以上であることがより好ましく、700g/mol以上であることが更に好ましい。また、ゴム成分への水添樹脂の相溶性を高め、水添樹脂による効果をより高める観点から、水添樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、1570g/mol以下であることがより好ましく、1530g/mol以下であることがより好ましく、1500g/mol以下であることがより好ましく、1470g/mol以下であることがより好ましく、1430g/mol以下であることがより好ましく、1400g/mol以下であることがより好ましく、1370g/mol以下であることがより好ましく、1330g/mol以下であることがより好ましく、1300g/mol以下であることがより好ましく、1200g/mol以下であることがより好ましく、1100g/mol以下であることがより好ましく、1000g/mol以下であることがより好ましく、950g/mol以下であることが更に好ましい。
なお、水添樹脂の軟化点及びポリスチレン換算の重量平均分子量は、後述する実施例に記載の方法で求めることができる。
水添樹脂の原料となる樹脂としては、C5系樹脂、C5-C9系樹脂、C9系樹脂、テルペン系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂、テルペン-芳香族化合物系樹脂等が挙げられ、これら樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
C5留分には、通常1-ペンテン、2-ペンテン、2-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン、3-メチル-1-ブテン等のオレフィン系炭化水素、2-メチル-1,3-ブタジエン、1,2-ペンタジエン、1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,2-ブタジエン等のジオレフィン系炭化水素等が含まれる。なお、C5系樹脂は、市販品を利用することができる。
C5-C9系樹脂としては、C9以上の成分の少ない樹脂が、ゴム成分との相溶性の観点から好ましい。ここで、「C9以上の成分が少ない」とは、樹脂全量中のC9以上の成分が50質量%未満、好ましくは40質量%以下であることを言うものとする。C5-C9系樹脂は、市販品を利用することができる。
C9系樹脂としては、例えば、インデン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等を主成分とする共重合体等が挙げられる。
ここで、樹脂全量中のジシクロペンタジエン由来成分が50質量%以上の場合、C5-DCPD系樹脂はジシクロペンタジエン系樹脂に含まれるものとする。樹脂全量中のジシクロペンタジエン由来成分が50質量%未満の場合、C5-DCPD系樹脂はC5系樹脂に含まれるものとする。更に第三成分等が少量含まれる場合でも同様である。
前記ゴム組成物は、前記水添樹脂以外の樹脂を更に含んでもよい。なお、前記水添樹脂以外の樹脂を更に含む場合、樹脂全体の軟化点と分子量の最適化の観点から、水添樹脂と、水添樹脂以外の樹脂の合計量(樹脂の総量)に対する水添樹脂の含有比率は、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、55質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましく、また、100質量%(即ち、樹脂の全てが前記水添樹脂)であってもよい。
また、タイヤのウェット性能を更に向上させる観点から、水添樹脂以外の樹脂としては、C5系樹脂、C9系樹脂、C5-C9系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン-芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びアルキルフェノール系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、その中でも、C9系樹脂またはC5-C9系樹脂から選択される樹脂が特に好ましい。
本発明のゴム組成物は、更に、下記一般式(1)で表されるシランカップリング剤を含むことが好ましい。
また、上記式(1)中、R4は、炭素数1~12であって、直鎖、分岐、もしくは環状の、飽和もしくは不飽和の、アルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、シクロアルケニルアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキルアルケニレン基、シクロアルケニルアルケニレン基、アリーレン基又はアラルキレン基である。
また、上記式(1)中の、前記R1、R2及びR3のうちの少なくとも1つは、-O-CjH2j+1であることが好ましい。
これらのシランカップリング剤は、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物は、更に、グアニジン類を含むことが好ましい。該グアニジン類としては、1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ-o-トリルグアニジン塩、1,3-ジ-o-クメニルグアニジン、1,3-ジ-o-ビフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-クメニル-2-プロピオニルグアニジン等が挙げられ、これらの中でも、ジフェニルグアニジン(DPG)が好ましい。これらグアニジン類は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、後述のように、前記ゴム成分と、前記充填剤と、前記樹脂と、を混練する第1混練工程において、グアニジン類を加えることで、ゴム組成物の粘度(未加硫粘度)が低下して、混練における作業性を向上させることができる。
前記ゴム組成物中のグアニジン類の含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して0.1~5質量部の範囲が好ましく、1~3質量部の範囲が更に好ましい。
本発明のゴム組成物は、更に、加硫剤を含むことが好ましい。該加硫剤としては、硫黄等が挙げられる。
前記加硫剤の含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して、硫黄分として0.1~10質量部の範囲が好ましく、1~4質量部の範囲が更に好ましい。
前記ゴム組成物は、既述のゴム成分、充填剤、樹脂、シランカップリング剤、グアニジン類及び加硫剤、並びに、必要に応じて、ゴム工業界で通常使用される各種成分、例えば、軟化剤、加工助剤、ステアリン酸、老化防止剤、亜鉛華、加硫促進剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して含有していてもよい。
前記ゴム組成物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、既述のゴム成分、充填剤及び樹脂に、必要に応じて適宜選択した各種成分を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。また、得られたゴム組成物を加硫することで、加硫ゴムとすることができる。
なお、前記グアニジン類は、加硫促進剤としての作用を有するため、例えば、最終的に得られるゴム組成物が加硫促進剤を含み、第1混練工程でグアニジン類を配合した場合、その後の混練工程(例えば、第2混練工程等)で配合する加硫促進剤の配合量を低減することができる。
本実施形態のゴム組成物は、タイヤを始めとする種々のゴム製品に利用できる。特には、本発明のゴム組成物は、タイヤ用のゴム組成物として好ましい。
本発明のタイヤは、上記のゴム組成物からなるトレッドゴムを具えることを特徴とする。かかる本発明のタイヤは、ウェット性能に優れ、転がり抵抗が小さい。
なお、本発明のタイヤは、好ましくは、空気入りタイヤである。
変性SBRのガラス転移温度(Tg)、結合スチレン量及びブタジエン部分のミクロ構造は、以下の方法で測定する。
合成した変性SBRを試料として、TAインスツルメンツ社製DSC250を用い、ヘリウム50mL/分の流通下、-100℃から20℃/分で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とした。
合成した変性SBRを試料として、試料100mgを、クロロホルムで100mLにメスアップし、溶解して測定サンプルとする。スチレンのフェニル基による紫外線吸収波長(254nm付近)の吸収量により、試料100質量%に対しての結合スチレン量(質量%)を測定する。なお、測定装置として、島津製作所社製の分光光度計「UV-2450」を用いる。
合成した変性SBRのブタジエン部分のミクロ構造は、1H-NMRスペクトル(1,2-ビニル結合の結合量)及び13C-NMRスペクトル(シス-1,4結合とトランス-1,4結合の含有量比)の積分比より求める。
水添樹脂の軟化点、重量平均分子量は、以下の方法で測定する。
水添樹脂の軟化点は、JIS-K2207-1996(環球法)に準拠して測定する。
以下の条件で、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により、水添樹脂の平均分子量を測定し、ポリスチレン換算の重量平均分子量を算出する。
・カラム温度:40℃
・注入量:50μL
・キャリアー及び流速:テトラヒドロフラン 0.6mL/min
・サンプル調製:水添樹脂約2.5gをテトラヒドロフラン10mLに溶解
表1に示す配合処方で、通常のバンバリーミキサーを用いて、第1混練工程、第2混練工程の順に混合を行って、実施例及び比較例のゴム組成物を調製した。なお、第1混練工程の終了後、混合物をバンバリーミキサーから一旦取り出し、その後、再度混合物をバンバリーミキサーに投入して、第2混練工程を実施した。また、第1混練工程における混合物の最高温度は145℃とし、第2混練工程におけるゴム組成物の最高温度は105℃とした。
得られたゴム組成物に対して、以下の方法で、ウェット性能、転がり抵抗性能、補強性、作業性を評価した。
各ゴム組成物を加硫して得られた加硫ゴムについて、損失正接(tanδ)を、粘弾性測定機にて、温度-5℃、初期歪を与えた後、動歪1%、周波数15Hzの条件で測定し、比較例1のtanδを100として指数表示した。指数値が大きい程、tanδが大きく、タイヤに適用した際のウェット性能が優れていることを示す。
各ゴム組成物を加硫して得られた加硫ゴムについて、損失正接(tanδ)を、粘弾性測定機にて、温度50℃、初期歪を与えた後、動歪1%、周波数15Hzの条件で測定し、比較例1のtanδの逆数を100として指数表示した。指数値が大きい程、tanδが小さく、タイヤに適用した際の転がり抵抗が小さいことを示す。
各ゴム組成物を加硫して得られた加硫ゴムについて、JIS K6251に準拠して、100℃で引張試験を行うことによって、EB(切断時伸び(%))及びTB(引張強さ(MPa))を測定し、TF(タフネス:EB×TB)を求め、比較例1のTF(タフネス)を100として指数表示した。指数値が大きい程、TF(タフネス)が高く、補強性に優れることを示す。
JIS K 6300に準拠して、ムーニー粘度ML1+4(130℃)を測定し、比較例1のムーニー粘度の逆数を100として指数表示した。指数値が大きい程、ムーニー粘度が低く、作業性に優れることを示す。
*2 低Tg変性SBR: 下記の方法で合成した低Tgアルコキシシラン変性スチレン-ブタジエンゴム、Tg=-65℃、結合スチレン量=10質量%
*3 高Tg変性SBR: 下記の方法で合成した高Tgアルコキシシラン変性スチレン-ブタジエンゴム、Tg=-25℃、結合スチレン量=41質量%
*4 シリカ: 東ソー・シリカ工業株式会社製、商品名「ニップシールAQ」
*5 水酸化アルミニウム: 昭和電工株式会社製、商品名「ハイジライト(登録商標)」
*6 カーボンブラック: 旭カーボン株式会社製、商品名「#80」
*7 ワックス: 精工化学株式会社製、商品名「サンタイトA」
*8 老化防止剤: 住友化学株式会社製、商品名「アンチゲン6C」
*9 水添C5系樹脂: Eastman社製、商品名「登録商標Impera E1780」、軟化点=130℃、重量平均分子量(Mw)=909g/mol
*10 シランカップリング剤A: ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、(平均硫黄鎖長:2.35)、Evonik社製、商品名「Si75(登録商標)」
*11 シランカップリング剤B: エトキシ(3-メルカプトプロピル)ビス(3,6,9,12,15-ペンタオキサオクタコサン-1-イルオキシ)シラン、エボニック・デグッサ社製、商品名「Si363(登録商標)」
*12 DPG: 1,3-ジフェニルグアニジン、住友化学株式会社製、商品名「ソクシノールD-G」
*13 加硫系: 加硫促進剤DPG(1,3-ジフェニルグアニジン)、加硫促進剤DM(ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド)、加硫促進剤NS(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)、加硫促進剤CZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)、硫黄(加硫剤)の合計配合量
*14 リターダー: 東レ株式会社製、商品名「リターダーCTP」
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、1,3-ブタジエンのシクロヘキサン溶液及びスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3-ブタジエン67.5g及びスチレン7.5gになるように加え、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン0.09mmolを加え、0.7mmolのn-ブチルリチウムを加えた後、50℃で1.5時間重合を行った。この際の重合転化率がほぼ100%となった重合反応系に対し、変性剤としてN,N-ビス(トリメチルシリル)-3-[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピルアミンを0.63mmol添加し、50℃で30分間変性反応を行った。その後、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)のイソプロパノール5質量%溶液2mLを加えて反応を停止させ、常法に従い乾燥して、片末端が変性された変性SBRを得た。
得られた片末端変性SBRは、ガラス転移温度(Tg)が-65℃であり、結合スチレン量が10質量%であった。
(i)変性開始剤の調製
真空乾燥させた4Lステンレススチール圧力容器を2つ用意する。最初の圧力容器にシクロヘキサン944g、下記構造式(3-1)で表される化合物161g及びテトラメチルエチレンジアミン86gを投入し、第1反応溶液を製造する。これと同時に、2番目の圧力容器に液状の20質量%n-ブチルリチウム318g及びシクロヘキサン874gを投入し、第2反応溶液を製造する。この時、下記構造式(3-1)で表される化合物、n-ブチルリチウム及びテトラメチルエチレンジアミンのモル比は、1:1:1である。各圧力容器の圧力を7barに維持した状態で、質量流量計を用いて連続式反応器内に、第1連続式チャネルに第1反応溶液を1.0g/minの注入速度で、第2連続式チャネルに第2反応溶液を1.0g/minの注入速度でそれぞれ注入する。この時、連続式反応器の温度を-10℃に維持し、バックプレッシャレギュレータを用いて内部圧力を3barに維持し、反応器内の滞留時間を10分以内になるように調節する。反応を終了して変性開始剤を得る。
3基の反応器が直列に連結された連続反応器のうち第1基反応器に、n-ヘキサンにスチレンが60質量%で溶解したスチレン溶液を7.99kg/h、n-ヘキサンに1,3-ブタジエンが60質量%で溶解した1,3-ブタジエン溶液を10.55kg/h、n-ヘキサン47.66kg/h、n-ヘキサンに1,2-ブタジエンが2.0質量%で溶解した1,2-ブタジエン溶液を10g/h、極性添加剤としてn-ヘキサンに2,2-ジ(2-テトラヒドロフリル)プロパンが10質量%で溶解した溶液を10.0g/h、上記製造例で製造された変性開始剤を292.50g/hの速度で注入する。この時、第1基反応器の温度は50℃となるように維持し、重合転換率が43%となった時、移送配管を通じて、第1反応器から第2反応器に重合物を移送する。
引き続き、第2反応器にn-ヘキサンに1,3-ブタジエンが60質量%で溶解した1,3-ブタジエン溶液を0.95kg/hの速度で注入する。この時、第2基反応器の温度は65℃となるように維持し、重合転換率が95%以上となった時、移送配管を通じて、第2反応器から第3反応器に重合物を移送する。
上記第2反応器から第3反応器に重合物を移送し、変性剤として下記構造式(2-1)で表される化合物が溶解した溶液を第3反応器に投入する(変性剤:活性Li=1:1mol)。第3反応器の温度は、65℃となるように維持する。
得られた両末端変性SBRは、ガラス転移温度(Tg)が-25℃であり、結合スチレン量が41質量%であり、ブタジエン部分のビニル結合量が45%であり、重量平均分子量(Mw)が440,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.6であった。
特には、高Tg変性SBRと低Tg変性SBRの質量比のみが異なる(1)比較例1、2と、実施例1、2との対比や、(2)比較例3と、実施例3との対比や、(3)比較例4と、実施例4との対比から、高Tg変性SBRの低Tg変性SBRに対する質量比を1よりも大きくすることで、低転がり抵抗性を維持しつつ、ウェット性能を大幅に向上させられることが分かる。
Claims (9)
- ゴム成分と、充填剤と、樹脂と、を含み、
前記ゴム成分が、天然ゴムと、高Tg変性スチレン-ブタジエンゴムと、該高Tg変性スチレン-ブタジエンゴムよりもガラス転移温度(Tg)が低い低Tg変性スチレン-ブタジエンゴムと、を含み、
前記高Tg変性スチレン-ブタジエンゴムは、一方の末端が下記一般式(2):
[式中、R 5 ~R 12 は、それぞれ独立して置換又は非置換の炭素数1~20のアルキル基であり;L 1 及びL 2 は、それぞれ独立して置換又は非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり;nは、2~4の整数である。]で表される化合物を含む変性剤によって変性されており、他方の末端が下記一般式(3):
[式中、R 13 ~R 15 は、互いに独立して、水素;炭素数1~30のアルキル基;炭素数2~30のアルケニル基;炭素数2~30のアルキニル基;炭素数1~30のヘテロアルキル基、炭素数2~30のヘテロアルケニル基;炭素数2~30のヘテロアルキニル基;炭素数5~30のシクロアルキル基;炭素数6~30のアリール基;又は炭素数3~30の複素環基であり、
R 16 は、単結合;置換基で置換又は非置換の炭素数1~20のアルキレン基;置換基で置換又は非置換の炭素数5~20のシクロアルキレン基;又は置換基で置換又は非置換の炭素数5~20のアリーレン基であり、ここで、上記置換基は、炭素数1~10のアルキル基、炭素数5~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~20のアリール基であり、
R 17 は、炭素数1~30のアルキル基;炭素数2~30のアルケニル基;炭素数2~30のアルキニル基;炭素数1~30のヘテロアルキル基;炭素数2~30のヘテロアルケニル基;炭素数2~30のヘテロアルキニル基;炭素数5~30のシクロアルキル基;炭素数6~30のアリール基;炭素数3~30の複素環基;又は下記一般式(3a):
(式中、R 17a1 は、置換基で置換又は非置換の炭素数1~20のアルキレン基;置換基で置換又は非置換の炭素数5~20のシクロアルキレン基;又は置換基で置換又は非置換の炭素数6~20のアリーレン基であり、ここで、上記置換基は、炭素数1~10のアルキル基、炭素数5~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~20のアリール基であり、R 17a2 及びR 17a3 は、互いに独立に、炭素数1~10のアルキル基、炭素数5~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~20のアリール基で置換又は非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、R 17a4 は、水素;炭素数1~30のアルキル基;炭素数2~30のアルケニル基;炭素数2~30のアルキニル基;炭素数1~30のヘテロアルキル基;炭素数2~30のヘテロアルケニル基;炭素数2~30のヘテロアルキニル基;炭素数5~30のシクロアルキル基;炭素数6~30のアリール基;炭素数3~30の複素環基であり、Xは、N、O又はS原子であり、但し、XがO又はSである場合、R 17a4 は存在しない。)若しくは下記一般式(3b):
(式中、R 17b1 は、置換基で置換又は非置換の炭素数1~20のアルキレン基;置換基で置換又は非置換の炭素数5~20のシクロアルキレン基;又は置換基で置換又は非置換の炭素数6~20のアリーレン基であり、ここで、上記置換基は、炭素数1~10のアルキル基、炭素数5~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~20のアリール基であり、R 17b2 及びR 17b3 は、互いに独立に、炭素数1~30のアルキル基;炭素数2~30のアルケニル基;炭素数2~30のアルキニル基;炭素数1~30のヘテロアルキル基;炭素数2~30のヘテロアルケニル基;炭素数2~30のヘテロアルキニル基;炭素数5~30のシクロアルキル基;炭素数6~30のアリール基;炭素数3~30の複素環基である。)で表される作用基であり、
mは1~5の整数であり、R 17 のうち少なくとも1つは、上記一般式(3a)若しくは上記一般式(3b)で表される作用基であり、mが2~5の整数の場合、複数のR 17 は、互いに同一であっても、異なってもよい。]で表される化合物を含む変性剤によって変性されており、
前記低Tg変性スチレン-ブタジエンゴムは、一方の末端が下記一般式(5):
[式中、n1+n2+n3+n4=4(但し、n2は1~4の整数であり、n1、n3およびn4は0~3の整数である)であり、
A 1 は、飽和環状3級アミン化合物残基、不飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、ニトリル基、(チオ)イソシアナート基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、ニトリル基、ピリジン基、(チオ)ケトン基、アミド基、並びに加水分解性基を有する第一もしくは第二アミノ基の中から選択される少なくとも1種の官能基であり、n4が2以上の場合には、A 1 は、同一でも異なっていてもよく、A 1 は、Siと結合して環状構造を形成する二価の基であってもよく、
R 21 は、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基であり、n1が2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、
R 23 は、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基またはハロゲン原子であり、n3が2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、
R 22 は、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基であり、いずれも窒素原子および/またケイ素原子を含有していてもよく、n2が2以上の場合には、R 22 は、互いに同一もしくは異なっていてもよいし、あるいは、一緒になって環を形成してもよく、
R 24 は、炭素数1~20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素数6~18の二価の芳香族炭化水素基であり、n4が2以上の場合には同一でも異なっていてもよい。]で表されるアミノアルコキシシラン化合物で変性されており、もう一方の末端が変性されておらず、
前記高Tg変性スチレン-ブタジエンゴム(高Tg変性SBR)の含有量と、前記低Tg変性スチレン-ブタジエンゴム(低Tg変性SBR)の含有量と、の質量比(高Tg変性SBRの含有量/低Tg変性SBRの含有量)が1よりも大きいことを特徴とする、ゴム組成物。 - 更に、下記一般式(1):
[式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して-O-CjH2j+1、-(O-CkH2k-)a-O-CmH2m+1又は-CnH2n+1で表され、j、m及びnは、それぞれ独立して0~12であり、k及びaは、それぞれ独立して1~12であり、R4は、炭素数1~12であって、直鎖、分岐、もしくは環状の、飽和もしくは不飽和の、アルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、シクロアルケニルアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキルアルケニレン基、シクロアルケニルアルケニレン基、アリーレン基又はアラルキレン基である。]で表されるシランカップリング剤を含む、請求項1に記載のゴム組成物。 - 更に、グアニジン類と、加硫剤と、を含む、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- 前記ゴム成分と、前記充填剤と、前記樹脂と、前記グアニジン類と、を混練する第1混練工程と、
該第1混練工程で得られる混練物と、前記加硫剤と、を混練する第2混練工程と、
を含むことを特徴とする、請求項3に記載のゴム組成物の製造方法。 - 前記グアニジン類が、1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)である、請求項3に記載のゴム組成物。
- 前記樹脂は、軟化点が110℃より高く、ポリスチレン換算の重量平均分子量が200~1600g/molである水添樹脂を含む、請求項1~3及び5のいずれか1項に記載のゴム組成物。
- 前記水添樹脂が、水添C5系樹脂、水添C5-C9系樹脂、及び水添ジシクロペンタジエン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項6に記載のゴム組成物。
- 前記樹脂の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して、2~15質量部である、請求項1~3及び5~7のいずれか1項に記載のゴム組成物。
- 請求項1~3及び5~8のいずれか1項に記載のゴム組成物からなるトレッドゴムを具えることを特徴とする、タイヤ。
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