JP7701861B2 - スチレン系樹脂組成物及びそれを用いたインジェクションブロー成形品 - Google Patents
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Description
本発明は、インジェクションブロー成形に適したスチレン系樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、環境負荷低減を目的にバイオマス度が10%以上のバイオマス可塑剤を含有し、インジェクションブロー成形により、強度に優れた中空容器を効率よく生産可能なスチレン系樹脂組成物である。
ゴム変性スチレン系樹脂に代表されるスチレン系樹脂は、その成形性・機械的強度から雑貨、食品包装、家電用品など多種多様の用途に応じて、種々の形態に加工又は成形して使用される。中でもスチレン系樹脂を用いて中空容器に加工又は成形する場合、深い容器の方が成形しやすく、生産性が高いインジェクションブロー成形での製造が広く用いられている。また、インジェクションブロー成形では、中空容器の口部のみを肉厚にすることができるため、口部をヒートシールする中空容器の製造に適している。
また、環境負荷低減の観点からバイオマス原料が注目されており、スチレン系樹脂と天然由来原料が複合したインジェクションブロー成形用材料の開発が進められている。例えば特許文献1にはゴム変性スチレン系樹脂とポリ乳酸とを含み、インジェクションブロー成形に適したスチレン系樹脂組成物が開示されている。
また、環境負荷低減の観点からバイオマス原料が注目されており、スチレン系樹脂と天然由来原料が複合したインジェクションブロー成形用材料の開発が進められている。例えば特許文献1にはゴム変性スチレン系樹脂とポリ乳酸とを含み、インジェクションブロー成形に適したスチレン系樹脂組成物が開示されている。
近年、インジェクションブロー成形の技術分野では、容器を薄肉化しても一定の強度を保つような、強度に優れた成形材料の開発が求められている。しかし、薄肉化することにより、口部衝撃が低下し、成形工場における空送の際などに割れが発生する問題が起こる。さらには、薄肉化により容器の座屈強度が低下し、容器に飲料を入れて運搬する際、荷重に耐えきれず容器の変形が起こるといった問題も起こる。そのため、口部衝撃と座屈強度とのバランスに優れた成形材料が求められる。さらには、容器成形の生産性を向上させる観点から、金型汚れの低減も要求されている。
例えば、特許文献2には、座屈強度及び口部強度の両方に優れた飲料用成形容器の技術が開示されている。
また、例えば特許文献3には、高分岐型インジェクションブロー成形用ゴム変性スチレン系樹脂組成物が開示されており、残存スチレンモノマー、残存重合溶媒の総量を減らし、金型汚れを低減する技術について言及されている。
例えば、特許文献2には、座屈強度及び口部強度の両方に優れた飲料用成形容器の技術が開示されている。
また、例えば特許文献3には、高分岐型インジェクションブロー成形用ゴム変性スチレン系樹脂組成物が開示されており、残存スチレンモノマー、残存重合溶媒の総量を減らし、金型汚れを低減する技術について言及されている。
上記特許文献1の技術は、スチレン系樹脂と植物由来の生分解性ポリマーの中では比較的高い融点、強靭性を備えたポリ乳酸とのポリマーアロイを検討しているが、スチレン系樹脂に対するポリ乳酸の相溶性は非常に低いため、中空容器市場において要求される耐衝撃性又は伸縮性など機械的特性を満足する製品設計を行うことが難しいという問題がある。また、ポリ乳酸はスチレン系樹脂と非相溶であるため、中空容器破材のリサイクルを行うのが困難であるという問題もある。
上記特許文献2の技術は、座屈強度と口部強度の両方に優れた飲料用成形容器について検討しているが、流動パラフィンを多量に使用しているため、成形時に発生する揮発成分が多くなり、その結果、成形時の金型汚れは悪化すると考えられえる。また、上記特許文献3の技術は、インジェクションブロー成形に優れ、残存スチレンモノマー、残存重合溶媒の総量が少ない成形材料について検討しているが、ホワイトオイルを多量に使用しているため金型汚れを低減させる効果は不十分と考えられる。さらには、特許文献2と特許文献3では、環境負荷低減を目的とするバイオマス原料は使用されていない。
そのため、上記特許文献1~3の技術では、バイオマス原料を使用しながら、中空容器の口部衝撃及び座屈強度を高い水準で維持しつつ、インジェクションブロー成形性に優れ、かつ成形時の金型汚れの低減させる技術については検討していない。
そこで、本発明はバイオマス原料を使用することにより環境負荷を低減し、かつインジェクションブロー成形した際に高い口部衝撃強度と座屈強度とを有し、当該成形時の金型汚れが少ないインジェクションブロー成形に適したスチレン系樹脂組成物を提供することである。
そのため、上記特許文献1~3の技術では、バイオマス原料を使用しながら、中空容器の口部衝撃及び座屈強度を高い水準で維持しつつ、インジェクションブロー成形性に優れ、かつ成形時の金型汚れの低減させる技術については検討していない。
そこで、本発明はバイオマス原料を使用することにより環境負荷を低減し、かつインジェクションブロー成形した際に高い口部衝撃強度と座屈強度とを有し、当該成形時の金型汚れが少ないインジェクションブロー成形に適したスチレン系樹脂組成物を提供することである。
本発明者は、上記問題点に鑑み、鋭意研究し、実験を重ねた結果、スチレン系重合体(A-1)及びゴム状重合体粒子(A-2)を含有するゴム変性スチレン系樹脂(A)と、バイオマス炭素比率(pMC%)が10%以上のバイオマス可塑剤(B)と、高級脂肪酸化合物(C)と、を特定の比率で混合したスチレン系樹脂組成物を用いることにより、上記の課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、スチレン系重合体(A-1)及びゴム状重合体粒子(A-2)を含有するゴム変性スチレン系樹脂(A)と、バイオマス炭素比率(pMC%)が10%以上のバイオマス可塑剤(B)と、高級脂肪酸化合物(C)と、を含有するスチレン系樹脂組成物であり、前記スチレン系樹脂組成物全体に対して、前記ゴム状重合体粒子(A-2)10~30質量%と、前記バイオマス可塑剤(B)0.1~15.0質量%と、離型剤となる高級脂肪酸化合物(C)が0.02~2.5質量%とを含有したスチレン系樹脂組成物である。
本発明は、スチレン系重合体(A-1)及びゴム状重合体粒子(A-2)を含有するゴム変性スチレン系樹脂(A)と、バイオマス炭素比率(pMC%)が10%以上のバイオマス可塑剤(B)と、高級脂肪酸化合物(C)と、を含有するスチレン系樹脂組成物であり、前記スチレン系樹脂組成物全体に対して、前記ゴム状重合体粒子(A-2)10~30質量%と、前記バイオマス可塑剤(B)0.1~15.0質量%と、離型剤となる高級脂肪酸化合物(C)が0.02~2.5質量%とを含有したスチレン系樹脂組成物である。
本発明によれば、環境負荷を低減し、インジェクションブロー成形性に優れ、かつインジェクションブロー成形した際に高い口部衝撃強度と座屈強度とを示し、当該成形時の金型汚れが少ないスチレン系樹脂組成物及び当該スチレン系樹脂組成からなる中空容器成形品を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[スチレン系樹脂組成物]
本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、スチレン系重合体(A-1)と、平均粒子径が0.9~7.0μmであるゴム状重合体粒子(A-2)と、バイオマス炭素比率(pMC比)が10%以上であるバイオマス可塑剤(B)と、高級脂肪酸化合物(C)とを含有する。
そして、スチレン系樹脂組成物全体に対して、前記ゴム状重合体粒子(A-2)の含有量は10~30質量%であり、前記バイオマス可塑剤(B)の含有量は0.1~15.0質量%であり、高級脂肪酸化合物(C)の含有量が0.02~2.5質量%である。
これにより、環境負荷の低減、かつ容器成形時において高い口部衝撃強度と座屈強度とを有し、インジェクションブロー成形に優れ、かつ成形時に金型汚れが少ないスチレン系樹脂組成物を提供できる。
また、前記スチレン系重合体(A-1)と前記ゴム状重合体粒子(A-2)とは、前記スチレン系重合体(A-1)及び前記ゴム状重合体粒子(A-2)を含有するゴム変性スチレン系樹脂(A)として、本実施形態のスチレン系樹脂組成物に配合されうる。そして、本実施形態のスチレン系樹脂組成物に配合されるゴム変性スチレン系樹脂(A)は、前記スチレン系重合体(A-1)を含むポリマーマトリックス相及び当該ポリマーマトリックス相に分散される前記ゴム状重合体粒子(A-2)を含有することが好ましい。さらに、前記ゴム変性スチレン系樹脂(A)に対して前記ゴム状重合体粒子(A-2)を10~30質量%含有するゴム変性スチレン系樹脂(A)は、スチレン系樹脂組成物全体(100質量%)に対して、82.5~99.88質量%含有することが好ましい。なお、高級脂肪酸化合物(C)は、離型剤として含有されうる。
換言すると、本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、当該スチレン系樹脂組成物全体(100質量%)に対して、ゴム変性スチレン系樹脂(A)82.5~99.88質量%及びバイオマス可塑剤(B)0.1~15.0質量%を含有し、高級脂肪酸化合物(C)を0.02~2.5質量%を含有することが好ましい。これにより、環境負荷の低減、かつ容器成形時において高い口部衝撃強度と座屈強度を有し、インジェクションブロー成形に優れ、かつ成形時に金型汚れが少ないスチレン系樹脂組成物を提供できる。
本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、スチレン系重合体(A-1)と、平均粒子径が0.9~7.0μmであるゴム状重合体粒子(A-2)と、バイオマス炭素比率(pMC比)が10%以上であるバイオマス可塑剤(B)と、高級脂肪酸化合物(C)とを含有する。
そして、スチレン系樹脂組成物全体に対して、前記ゴム状重合体粒子(A-2)の含有量は10~30質量%であり、前記バイオマス可塑剤(B)の含有量は0.1~15.0質量%であり、高級脂肪酸化合物(C)の含有量が0.02~2.5質量%である。
これにより、環境負荷の低減、かつ容器成形時において高い口部衝撃強度と座屈強度とを有し、インジェクションブロー成形に優れ、かつ成形時に金型汚れが少ないスチレン系樹脂組成物を提供できる。
また、前記スチレン系重合体(A-1)と前記ゴム状重合体粒子(A-2)とは、前記スチレン系重合体(A-1)及び前記ゴム状重合体粒子(A-2)を含有するゴム変性スチレン系樹脂(A)として、本実施形態のスチレン系樹脂組成物に配合されうる。そして、本実施形態のスチレン系樹脂組成物に配合されるゴム変性スチレン系樹脂(A)は、前記スチレン系重合体(A-1)を含むポリマーマトリックス相及び当該ポリマーマトリックス相に分散される前記ゴム状重合体粒子(A-2)を含有することが好ましい。さらに、前記ゴム変性スチレン系樹脂(A)に対して前記ゴム状重合体粒子(A-2)を10~30質量%含有するゴム変性スチレン系樹脂(A)は、スチレン系樹脂組成物全体(100質量%)に対して、82.5~99.88質量%含有することが好ましい。なお、高級脂肪酸化合物(C)は、離型剤として含有されうる。
換言すると、本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、当該スチレン系樹脂組成物全体(100質量%)に対して、ゴム変性スチレン系樹脂(A)82.5~99.88質量%及びバイオマス可塑剤(B)0.1~15.0質量%を含有し、高級脂肪酸化合物(C)を0.02~2.5質量%を含有することが好ましい。これにより、環境負荷の低減、かつ容器成形時において高い口部衝撃強度と座屈強度を有し、インジェクションブロー成形に優れ、かつ成形時に金型汚れが少ないスチレン系樹脂組成物を提供できる。
<ゴム変性スチレン系樹脂(A)(以下、(A)成分とも称する)>
本実施形態のゴム変性スチレン系樹脂(A)は、スチレン系重合体(A-1)及びゴム状重合体粒子(A-2)を必須に含有する。
そして、本実施形態において、ゴム変性スチレン系樹脂(A)とは、ポリマーマトリックス相としてのスチレン系重合体(A-1)中にゴム状重合体の粒子(ゴム状重合体粒子(A-2)と称する。)が分散しているものでありうる。また、ゴム変性スチレン系樹脂(A)は、ゴム状重合体の存在下でスチレン系単量体を重合させることにより製造することができる。
そのため、本実施形態におけるスチレン系樹脂組成物は、スチレン系重合体(A-1)及びゴム状重合体粒子(A-2)をそれぞれ別個に含有してもよく、あるいは前記スチレン系重合体(A-1)及び前記ゴム状重合体粒子(A-2)をゴム変性スチレン系樹脂(A)として含有してもよい。そして、本実施形態において、ゴム変性スチレン系樹脂(A)の含有量は、スチレン系樹脂組成物全体(100質量%)に対して、82.5~99.88質量%でありうる。また、ゴム変性スチレン系樹脂(A)の含有量は、好ましくは83~99質量%、より好ましくは84~98質量%、さらに好ましくは85~97質量%、よりさらに好ましくは86~96質量%でありうる。
以下、本実施形態におけるスチレン系樹脂組成物の一例として、ゴム変性スチレン系樹脂(A)を用いた実施態様について説明する。
本実施形態のゴム変性スチレン系樹脂(A)は、スチレン系重合体(A-1)及びゴム状重合体粒子(A-2)を必須に含有する。
そして、本実施形態において、ゴム変性スチレン系樹脂(A)とは、ポリマーマトリックス相としてのスチレン系重合体(A-1)中にゴム状重合体の粒子(ゴム状重合体粒子(A-2)と称する。)が分散しているものでありうる。また、ゴム変性スチレン系樹脂(A)は、ゴム状重合体の存在下でスチレン系単量体を重合させることにより製造することができる。
そのため、本実施形態におけるスチレン系樹脂組成物は、スチレン系重合体(A-1)及びゴム状重合体粒子(A-2)をそれぞれ別個に含有してもよく、あるいは前記スチレン系重合体(A-1)及び前記ゴム状重合体粒子(A-2)をゴム変性スチレン系樹脂(A)として含有してもよい。そして、本実施形態において、ゴム変性スチレン系樹脂(A)の含有量は、スチレン系樹脂組成物全体(100質量%)に対して、82.5~99.88質量%でありうる。また、ゴム変性スチレン系樹脂(A)の含有量は、好ましくは83~99質量%、より好ましくは84~98質量%、さらに好ましくは85~97質量%、よりさらに好ましくは86~96質量%でありうる。
以下、本実施形態におけるスチレン系樹脂組成物の一例として、ゴム変性スチレン系樹脂(A)を用いた実施態様について説明する。
-スチレン系重合体(A-1)及びポリマーマトリックス相-
本実施形態において、スチレン系重合体(A-1)を構成する単量体としては、スチレン系単量体(a)またはスチレン系化合物と共重合可能なビニル系単量体(b)であることが好ましい。
スチレン系重合体(A-1)を構成する単量体のうち、スチレン系単量体(a)の含有量は50~100質量%が好ましく、より好ましくは60~100質量%、さらに好ましくは70~100質量%、さらにより好ましくは80~100質量%、よりさらに好ましくは90~100質量%である。含有量は、それぞれ、プロトン核磁気共鳴(1H-NMR)測定機で測定したスペクトルの積分比から求めることができる。
スチレン系単量体(a)としては、スチレンの他に、例えばα―メチルスチレン、α―メチルp-メチルスチレン、о―メチルスチレン、m-メチルスチレン、p―メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、イソブチルスチレン、及びt-ブチルスチレン又はブロモスチレン及びインデン等のスチレン誘導体が挙げられる。特にスチレンが好ましい。これらのスチレン系単量体は、1種又は2種以上使用することができる。
本実施形態において、スチレン系重合体(A-1)を構成する単量体としては、スチレン系単量体(a)またはスチレン系化合物と共重合可能なビニル系単量体(b)であることが好ましい。
スチレン系重合体(A-1)を構成する単量体のうち、スチレン系単量体(a)の含有量は50~100質量%が好ましく、より好ましくは60~100質量%、さらに好ましくは70~100質量%、さらにより好ましくは80~100質量%、よりさらに好ましくは90~100質量%である。含有量は、それぞれ、プロトン核磁気共鳴(1H-NMR)測定機で測定したスペクトルの積分比から求めることができる。
スチレン系単量体(a)としては、スチレンの他に、例えばα―メチルスチレン、α―メチルp-メチルスチレン、о―メチルスチレン、m-メチルスチレン、p―メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、イソブチルスチレン、及びt-ブチルスチレン又はブロモスチレン及びインデン等のスチレン誘導体が挙げられる。特にスチレンが好ましい。これらのスチレン系単量体は、1種又は2種以上使用することができる。
本実施形態において、ビニル系単量体(b)としては、特に限定されないが例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。これらの不飽和カルボン酸エステル単量体は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態において、ポリスチレンとはスチレン系単量体(a)を重合した単独重合体であり、一般的に入手できるものを適宜選択して用いることができる。ポリスチレンを構成するスチレン系単量体(a)としては、スチレンの他に、α-メチルスチレン、α-メチル-p-メチルスチレン、ο-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、イソブチルスチレン、及びt-ブチルスチレン又はブロモスチレン及びインデン等のスチレン誘導体が挙げられる。特に工業的観点からスチレンが好ましい。これらのスチレン系単量体(a)は、1種又は2種以上使用することができる。ポリスチレンは本発明の効果を損なわない範囲で、上記のスチレン系単量体(a)単位以外の単量体単位をさらに含有することを排除しないが、典型的にはスチレン系単量体(a)単位からなる。
本実施形態において、スチレン系重合体(A-1)の重量平均分子量(Mw)は100,000~300,000であることが好ましく、より好ましくは120,000~260,000、さらに好ましくは140,000~240,000、さらに好ましくは150,000~230,000である。重量平均分子量(Mw)が100,000~300,000である場合、機械的強度と流動性とのバランスにより優れる樹脂が得られ、またゲル物の混入も少ない。なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用い、標準ポリスレン換算で得られる値である。
本実施形態において、スチレン系重合体(A-1)又は本実施形態のスチレン系樹脂組成物中にはアクロニトリル単量体単位、メタクリロニトリル単量体単位等のシアン化ビニル系単量体を実質的に含有しないことが好ましい。具体的には、スチレン系重合体(A-1)又はポリマーマトリックス相の総量に対して、シアン化ビニル系単量体が10質量%以下含有することが好ましく、5質量%以下含有することがより好ましく、2質量%以下含有することがさらに好ましい。
本実施形態のスチレン系重合体(A-1)の含有量は、スチレン系樹脂組成物全体(100質量%)に対して、65~99.88質量%が好ましく、より好ましくは85~99.88質量、87~99.5質量%、さらに好ましくは88~98質量%、さらにより好ましくは89~97質量%、よりさらに好ましくは90~96.5質量%である。
本実施形態のスチレン系重合体(A-1)の含有量は、スチレン系樹脂組成物全体(100質量%)に対して、65~99.88質量%が好ましく、より好ましくは85~99.88質量、87~99.5質量%、さらに好ましくは88~98質量%、さらにより好ましくは89~97質量%、よりさらに好ましくは90~96.5質量%である。
-ゴム状重合体-
本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、ゴム状重合体の粒子(=ゴム状重合体粒子(A-2))を必須に含有する。上記した通り、ゴム状重合体粒子(A-2)はゴム変性スチレン系樹脂(A)の一部としてスチレン系樹脂組成物に含有されてもよく、あるいはスチレン系重合体(A-1)に対して、ゴム変性スチレン系樹脂(A)に含まれるゴム状重合体粒子(A-2)とは別のゴム状重合体粒子(A-2)をさらに配合してスチレン系樹脂組成物に含有されてもよい。
本実施形態のゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物に含まれるゴム状重合体粒子(A-2)は、例えば、内側にスチレン系重合体(A-1)を内包してもよく、及び/又は外側にスチレン系重合体(A-1)がグラフトされてもよい。また、本実施形態のゴム状重合体粒子(A-2)は、コアとしてのスチレン系重合体(A-1)と、当該コアを包摂するシェルとしてのゴム状重合体とから構成される、コアシェル構造体だけでなく、複数のコアとしてのスチレン系重合体(A-1)と、当該複数のコアとしてのスチレン系重合体(A-1)を包摂するシェルとしてのゴム状重合体とから構成される、サラミ構造体を含む。
本実施形態において、スチレン系樹脂組成物全体(100質量%)に対して、ゴム状重合体粒子(A-2)の含有量(ゴム状重合体(例えば、ポリブタジエンなどの共役ジエン系ポリマー)自体の含有量と、ゴム状重合体粒子(A-2)内に内包されるスチレン系重合体(A-1)の含有量とを含む。)は、10~30質量%が好ましく、より好ましくは11~28質量%であり、さらに好ましくは12~27質量%であり、さらに好ましくは13~25質量%である。
本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、ゴム状重合体の粒子(=ゴム状重合体粒子(A-2))を必須に含有する。上記した通り、ゴム状重合体粒子(A-2)はゴム変性スチレン系樹脂(A)の一部としてスチレン系樹脂組成物に含有されてもよく、あるいはスチレン系重合体(A-1)に対して、ゴム変性スチレン系樹脂(A)に含まれるゴム状重合体粒子(A-2)とは別のゴム状重合体粒子(A-2)をさらに配合してスチレン系樹脂組成物に含有されてもよい。
本実施形態のゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物に含まれるゴム状重合体粒子(A-2)は、例えば、内側にスチレン系重合体(A-1)を内包してもよく、及び/又は外側にスチレン系重合体(A-1)がグラフトされてもよい。また、本実施形態のゴム状重合体粒子(A-2)は、コアとしてのスチレン系重合体(A-1)と、当該コアを包摂するシェルとしてのゴム状重合体とから構成される、コアシェル構造体だけでなく、複数のコアとしてのスチレン系重合体(A-1)と、当該複数のコアとしてのスチレン系重合体(A-1)を包摂するシェルとしてのゴム状重合体とから構成される、サラミ構造体を含む。
本実施形態において、スチレン系樹脂組成物全体(100質量%)に対して、ゴム状重合体粒子(A-2)の含有量(ゴム状重合体(例えば、ポリブタジエンなどの共役ジエン系ポリマー)自体の含有量と、ゴム状重合体粒子(A-2)内に内包されるスチレン系重合体(A-1)の含有量とを含む。)は、10~30質量%が好ましく、より好ましくは11~28質量%であり、さらに好ましくは12~27質量%であり、さらに好ましくは13~25質量%である。
本実施形態のゴム状重合体又はゴム状重合体粒子(A-2)の材料としては、例えば、ポリブタジエン、ポリスチレンを内包するポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、ポリクロロプレン、スチレン-ブタジエン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体等を使用できるが、ポリブタジエン又はスチレン-ブタジエン共重合体が好ましい。ポリブタジエンには、シス含有率の高いハイシスポリブタジエン及びシス含有率の低いローシスポリブタジエンの双方を用いることができる。また、スチレン-ブタジエン共重合体の構造としては、ランダム構造及びブロック構造の双方を用いることができる。これらのゴム状重合体は1種若しくは2種以上使用することもできる。また、ブタジエン系ゴムを水素添加した飽和ゴムを使用することもできる。
このようなゴム変性スチレン系樹脂(A)の例としては、HIPS(高衝撃ポリスチレン)、ABS樹脂(アクリロニトリルーブタジエンースチレン共重合体)、AES(アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴムースチレン共重合体)等が挙げられる。
このようなゴム変性スチレン系樹脂(A)の例としては、HIPS(高衝撃ポリスチレン)、ABS樹脂(アクリロニトリルーブタジエンースチレン共重合体)、AES(アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴムースチレン共重合体)等が挙げられる。
本実施形態において、ゴム変性スチレン系樹脂(A)中に含まれるゴム状重合体の含有量(ゴム状重合体(例えば、ポリブタジエンなどの共役ジエン系ポリマー)自体の含有量であり、ゴム状重合体粒子(A-2)内に内包されるスチレン系重合体(A-1)は含まれない。)は、ゴム変性スチレン系樹脂(A)の総量(100質量%)に対して、2.2~9.5質量%が好ましく、より好ましくは2.4~9.0質量%、より好ましくは2.5~8.5質量%、より好ましくは2.6~8.0質量%、より好ましくは2.7~7.5質量%、より好ましくは2.8~7.0質量%、さらに好ましくは3.1~6.5質量%である。ゴム状重合体の含有量が2.2質量%未満の場合、インジェクションブロー成形容器の口部衝撃強度が低下する危惧がある。また、ゴム状重合体の含有量が9.5質量%を超えると容器の座屈強度が低下する危惧がある。
なお、本開示で、ゴム変性スチレン系樹脂(A)中に含まれるゴム状重合体の含有量は、実施例の欄に記載の方法を用いて算出される値である。
なお、本開示で、ゴム変性スチレン系樹脂(A)中に含まれるゴム状重合体の含有量は、実施例の欄に記載の方法を用いて算出される値である。
本実施形態において、ゴム変性スチレン系樹脂(A)中に含まれるゴム状重合体粒子(A-2)の含有量(ゴム状重合体(例えば、ポリブタジエンなどの共役ジエン系ポリマー)自体の含有量と、ゴム状重合体粒子(A-2)内に内包されるスチレン系重合体(A-1)の含有量とを含む。)は、ゴム変性スチレン系樹脂(A)の総量(100質量%)に対して、10~30質量%が好ましく、より好ましくは11~28質量%であり、さらに好ましくは12~26質量%であり、さらに好ましくは13~25質量%である。
なお、本開示で、ゴム変性スチレン系樹脂(A)中に含まれるゴム状重合体粒子(A-2)の含有量は、実施例の欄に記載の方法を用いて算出される値である。
なお、本開示で、ゴム変性スチレン系樹脂(A)中に含まれるゴム状重合体粒子(A-2)の含有量は、実施例の欄に記載の方法を用いて算出される値である。
本実施形態において、ゴム変性スチレン系樹脂(A)中に含まれるゴム状重合体粒子(A-2)の平均粒子径の下限は口部衝撃強度と座屈強度とのバランスの観点から、0.9μmであることが好ましく、より好ましくは1.0μm、より好ましくは1.1μm、より好ましくは1.2μm、より好ましくは1.3μm、より好ましくは1.4μm、さらにより好ましくは1.5μmである。また、ゴム状重合体粒子(A-2)の平均粒子径の上限は7.0μmであることが好ましく、より好ましくは6.5μm、より好ましくは6.0μm、より好ましくは5.5μm、より好ましくは5.0μm、さらにより好ましくは4.5μmである。本開示で、ゴム変性スチレン系樹脂(A)中に含まれるゴム状重合体粒子(A-2)の平均粒子径は、実施例の欄に記載の方法を用いて算出される値である。
本実施形態において、ゴム変性スチレン系樹脂(A)中に含まれるスチレン系重合体(A-1)の還元粘度(これは、スチレン系重合体(A-1)の分子量の指標となる。)は、0.50~0.85dL/gの範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.55~0.80dL/gの範囲である。スチレン系重合体(A-1)の還元粘度が0.50dL/gより小さいと衝撃強度が低下し、当該還元粘度が0.85dL/gを超えると流動性が低下する。
なお、本開示でスチレン系重合体(A-1)の還元粘度は、トルエン溶液中で30℃、濃度0.5g/dLの条件で測定される値である。
なお、本開示でスチレン系重合体(A-1)の還元粘度は、トルエン溶液中で30℃、濃度0.5g/dLの条件で測定される値である。
-ゴム変性スチレン系樹脂(A)の製造方法-
本実施形態において、ゴム変性スチレン系樹脂(A)の製造方法は、特に制限されるものではないが、ゴム状重合体の存在下、スチレン系単量体(及び溶媒)を重合する塊状重合(若しくは溶液重合)、又は反応途中で懸濁重合に移行する塊状―懸濁重合、又はゴム状重合体のラテックスの存在下、スチレン系単量体を重合する乳化グラフト重合にて製造することができる。塊状重合においては、ゴム状重合体とスチレン系単量体、並びに必要に応じて有機溶媒、有機過酸化物、及び/又は連鎖移動剤を添加した混合溶液を、完全混合型反応器又は槽型反応器と複数の槽型反応器とを直列に連結し構成される重合装置に連続的に供給することにより製造することができる。
本実施形態において、ゴム変性スチレン系樹脂(A)の製造方法は、特に制限されるものではないが、ゴム状重合体の存在下、スチレン系単量体(及び溶媒)を重合する塊状重合(若しくは溶液重合)、又は反応途中で懸濁重合に移行する塊状―懸濁重合、又はゴム状重合体のラテックスの存在下、スチレン系単量体を重合する乳化グラフト重合にて製造することができる。塊状重合においては、ゴム状重合体とスチレン系単量体、並びに必要に応じて有機溶媒、有機過酸化物、及び/又は連鎖移動剤を添加した混合溶液を、完全混合型反応器又は槽型反応器と複数の槽型反応器とを直列に連結し構成される重合装置に連続的に供給することにより製造することができる。
本実施形態において、ゴム変性スチレン系樹脂(A)のポリマーマトリックス相であるスチレン系重合体(A-1)の重合方法は、特に制限はないが例えば、ラジカル重合法として、塊状重合法又は溶液重合法を好適に採用できる。重合方法は、主に、重合原料(単量体成分)を重合させる重合工程と、重合生成物から未反応モノマー、重合溶媒等の揮発分を除去する脱揮工程とを備える。
以下、本実施形態に用いることができるスチレン系重合体(A-1)の重合方法の一例について説明する。
当該スチレン系重合体(A-1)を得るために重合原料を重合させる際には、重合原料組成物中に、典型的には重合開始剤及び連鎖移動剤を含有させる。
スチレン系重合体(A-1)の重合に用いられる重合開始剤としては、有機過酸化物、例えば、2,2-ビス(t-ブチルペルオキシ)ブタン、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン(パーヘキサC)、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルペルオキシ)バレレート等のペルオキシケタール類、ジ-t-ブチルペルオキシド(パーブチルD)、t-ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド等のジアルキルペルオキシド類、アセチルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド等のジアシルペルオキシド類、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート等のペルオキシジカーボネート類、t-ブチルペルオキシアセテート等のペルオキシエステル類、アセチルアセトンペルオキシド等のケトンペルオキシド類、t-ブチルヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド類等を挙げることができる。分解速度と重合速度との観点から、なかでも、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン(パーヘキサC)が好ましい。単量体の合計量に対して0.005~0.08質量%添加することが好ましい。
スチレン系重合体(A-1)の重合に用いられる連鎖移動剤としては、例えばα-メチルスチレンリニアダイマー、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、1-フェニルー2-フルオレン、ジベンテン、クロロホルムなどのメルカプタン類、テルペン類、ハロゲン化合物、テレピノーレン等のテレピン類等を挙げることができる。この連鎖移動剤の使用量は、特に制限はないが、一般的には単量体に対して、0.005~0.3重量%程度添加することが好ましい。
当該スチレン系重合体(A-1)を得るために重合原料を重合させる際には、重合原料組成物中に、典型的には重合開始剤及び連鎖移動剤を含有させる。
スチレン系重合体(A-1)の重合に用いられる重合開始剤としては、有機過酸化物、例えば、2,2-ビス(t-ブチルペルオキシ)ブタン、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン(パーヘキサC)、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルペルオキシ)バレレート等のペルオキシケタール類、ジ-t-ブチルペルオキシド(パーブチルD)、t-ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド等のジアルキルペルオキシド類、アセチルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド等のジアシルペルオキシド類、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート等のペルオキシジカーボネート類、t-ブチルペルオキシアセテート等のペルオキシエステル類、アセチルアセトンペルオキシド等のケトンペルオキシド類、t-ブチルヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド類等を挙げることができる。分解速度と重合速度との観点から、なかでも、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン(パーヘキサC)が好ましい。単量体の合計量に対して0.005~0.08質量%添加することが好ましい。
スチレン系重合体(A-1)の重合に用いられる連鎖移動剤としては、例えばα-メチルスチレンリニアダイマー、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、1-フェニルー2-フルオレン、ジベンテン、クロロホルムなどのメルカプタン類、テルペン類、ハロゲン化合物、テレピノーレン等のテレピン類等を挙げることができる。この連鎖移動剤の使用量は、特に制限はないが、一般的には単量体に対して、0.005~0.3重量%程度添加することが好ましい。
スチレン系重合体(A-1)の重合方法としては、必要に応じて、重合溶媒を用いた溶液重合を採用できる。用いられる重合溶媒としては、芳香族炭化水素類、例えば、エチルベンゼン、ジアルキルケトン類、例えば、メチルエチルケトン等が挙げられ、それぞれ、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。重合生成物の溶解性を低下させない範囲で、他の重合溶媒、例えば脂肪族炭化水素類等を、芳香族炭化水素類にさらに混合することができる。これらの重合溶媒は、全単量体100質量部に対して、25質量部を超えない範囲で使用するのが好ましい。全単量体100質量部に対して重合溶媒が25質量部を超えると、重合速度が著しく低下し、且つ得られる樹脂の機械的強度の低下が大きくなる傾向がある。重合前に、全単量体100質量部に対して5~20質量部の割合で添加しておくことが、品質が均一化し易く、重合温度制御の点でも好ましい。
本実施形態において、スチレン系重合体(A-1)を得るための重合工程で用いる装置は、特に制限はなく、スチレン系樹脂の重合方法に従って適宜選択すればよい。例えば、塊状重合を採用する場合には、完全混合型反応器を1基、又は複数基連結した重合装置を用いることができる。また脱揮工程についても特に制限はない。例えば、塊状重合を採用する場合、最終的に未反応モノマーが、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下になるまで重合を進め、かかる未反応モノマー等の揮発分を除去するために、既知の方法にて脱揮処理する。より詳細には、例えば、フラッシュドラム、二軸脱揮器、薄膜蒸発器、押出機等の通常の脱揮装置を用いることができるが、滞留部の少ない脱揮装置が好ましい。なお、脱揮処理の温度は、通常、190~280℃程度であり、190~260℃がより好ましい。また脱揮処理の圧力は、通常0.13~4.0kPa程度であり、好ましくは0.13~3.0kPaであり、より好ましくは0.13~2.0kPaである。脱揮方法としては、例えば加熱下で減圧して揮発分を除去する方法、及び揮発分除去の目的に設計された押出機等を通して除去する方法が望ましい。
<バイオマス可塑剤(B)(以下、(B)成分とも称する。)>
本実施形態におけるスチレン系樹脂組成物は、バイオマス可塑剤(B)を含有する。そして、当該バイオマス可塑剤(B)は、バイオマス炭素比率(pMC%)が10%以上である。バイオマス炭素比率(pMC%)が上記範囲であれば、化石燃料の使用量を削減することができるため、環境負荷を低減しうるスチレン系樹脂組成物を提供できる。
本実施形態において、バイオマス炭素比率(pMC%)の下限は、好ましくは10%以上、より好ましくは25%以上、さらに好ましくは50%以上、さらにより好ましくは75%以上である。
本実施形態において、スチレン系樹脂組成物の総量(100質量%)に対して、バイオマス可塑剤(B)の含有量は、0.1~15.0質量%である。バイオマス可塑剤(B)の含有量の下限は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上である。バイオマス可塑剤(B)の含有量の上限は、好ましくは12.0質量%以下、より好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下であり、さらに好ましくは6.0質量%以下である。
バイオマス可塑剤(B)の含有量が多すぎると樹脂の流動性が上がり、インジェクションブロー成形時に糸曳きが発生し、成形品外観を損なう懸念がある。また、スリッド詰りを引き起こし、ブロー不良が頻繁に起きやすくなる。一方、バイオマス可塑剤(B)の含有量が少なすぎると口部衝撃強度が低下する。また、流動性が低下するため、生産性の低下が懸念される。
バイオマス可塑剤(B)はスチレン系樹脂組成物中に均一に分散していることが好ましい。より詳細には、例えば、スチレン系樹脂組成物の表面にバイオマス可塑剤(B)の単層を形成する、外部滑剤(例えば、重合体溶融物に不溶な滑剤)でないことが好ましい。バイオマス可塑剤(B)をスチレン系樹脂組成物中に均一に分散させる方法としては、例えば、ゴム変性スチレン系樹脂(A)とバイオマス可塑剤(B)を押出機で混練する方法や、重合原料を重合させる際に、重合原料組成物中に、バイオマス可塑剤(B)を含有させる方法などが挙げられる。
本実施形態におけるスチレン系樹脂組成物は、バイオマス可塑剤(B)を含有する。そして、当該バイオマス可塑剤(B)は、バイオマス炭素比率(pMC%)が10%以上である。バイオマス炭素比率(pMC%)が上記範囲であれば、化石燃料の使用量を削減することができるため、環境負荷を低減しうるスチレン系樹脂組成物を提供できる。
本実施形態において、バイオマス炭素比率(pMC%)の下限は、好ましくは10%以上、より好ましくは25%以上、さらに好ましくは50%以上、さらにより好ましくは75%以上である。
本実施形態において、スチレン系樹脂組成物の総量(100質量%)に対して、バイオマス可塑剤(B)の含有量は、0.1~15.0質量%である。バイオマス可塑剤(B)の含有量の下限は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上である。バイオマス可塑剤(B)の含有量の上限は、好ましくは12.0質量%以下、より好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下であり、さらに好ましくは6.0質量%以下である。
バイオマス可塑剤(B)の含有量が多すぎると樹脂の流動性が上がり、インジェクションブロー成形時に糸曳きが発生し、成形品外観を損なう懸念がある。また、スリッド詰りを引き起こし、ブロー不良が頻繁に起きやすくなる。一方、バイオマス可塑剤(B)の含有量が少なすぎると口部衝撃強度が低下する。また、流動性が低下するため、生産性の低下が懸念される。
バイオマス可塑剤(B)はスチレン系樹脂組成物中に均一に分散していることが好ましい。より詳細には、例えば、スチレン系樹脂組成物の表面にバイオマス可塑剤(B)の単層を形成する、外部滑剤(例えば、重合体溶融物に不溶な滑剤)でないことが好ましい。バイオマス可塑剤(B)をスチレン系樹脂組成物中に均一に分散させる方法としては、例えば、ゴム変性スチレン系樹脂(A)とバイオマス可塑剤(B)を押出機で混練する方法や、重合原料を重合させる際に、重合原料組成物中に、バイオマス可塑剤(B)を含有させる方法などが挙げられる。
本明細書におけるバイオマス炭素比率(pMC%)とは、バイオマス由来成分の炭素濃度(質量比率)を示すものであり、より詳細には、ASTM-D6866に準拠した放射性炭素(14C)測定方法によって得られた14C含有量の値である。当該放射性炭素(14C)測定方法は、化石燃料には14Cを含まず、かつバイオマス(又は生物)由来炭素は成長した時期の大気中14Cを吸収していることを利用して、バイオマス材料(又は生物)に含まれる炭素中の14C比率からバイオマス炭素比率(pMC%)を推定する方法である。
したがって、本実施形態の可塑剤中の全炭素原子中に含まれるC14の割合を測定することにより、バイオマス由来の炭素の割合を算出することができる。本発明においては、後述の実施例の欄で記載する方法を用いて、以下の式(1)により、バイオマス炭素比率(pMC%)を算出する。
式(1):
バイオマス炭素比率(pMC%)=(14C可塑剤/12C可塑剤)/(14C標準物質/12C標準物質)×100
また、標準物質はシュウ酸(SRM4990)を使用し、AMS法により(14C可塑剤/12C可塑剤)/(14C標準物質/12C標準物質)を算出した。
したがって、本実施形態の可塑剤中の全炭素原子中に含まれるC14の割合を測定することにより、バイオマス由来の炭素の割合を算出することができる。本発明においては、後述の実施例の欄で記載する方法を用いて、以下の式(1)により、バイオマス炭素比率(pMC%)を算出する。
式(1):
バイオマス炭素比率(pMC%)=(14C可塑剤/12C可塑剤)/(14C標準物質/12C標準物質)×100
また、標準物質はシュウ酸(SRM4990)を使用し、AMS法により(14C可塑剤/12C可塑剤)/(14C標準物質/12C標準物質)を算出した。
本実施形態のバイオマス可塑剤(B)の重量平均分子量(Mw)は、200~7500であることが好ましく、より好ましくは300~5000、さらに好ましくは400~3000である。バイオマス可塑剤の重量平均分子量(Mw)が200~7500である場合、機械的強度と流動性とのバランスにより優れるスチレン系樹脂組成物が得られ、またゲル物の混入も少ない。なお、重量平均分子量(Mw)は、後述の実施例の欄に記載の通り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用い、標準ポリスチレン換算で得られる値である。
本実施形態におけるバイオマス可塑剤(B)とは、バイオマス材料を原料の一部又は全部に使用する可塑剤をいい、バイオマス炭素比率(pMC%)が10%以上の可塑剤をいう。本実施形態のバイオマス可塑剤(B)は、植物由来のバイオマス材料を少なくとも原料の一部に使用し、かつバイオマス炭素比率(pMC%)が10%以上の可塑剤であり、植物油、植物油と鉱油との混合物、あるいはポリエステル系可塑剤であることが好ましく、天然植物油、変性植物油、天然植物油と鉱油との混合物、変性植物油と鉱油との混合物、天然植物油と変性植物油と鉱油との混合物、あるいはポリエステル系可塑剤であることがより好ましい。
なお、本明細書における植物油は、植物由来の油脂の総称であり、天然植物油及び変性植物油を含む。
なお、本明細書における植物油は、植物由来の油脂の総称であり、天然植物油及び変性植物油を含む。
本実施形態において、バイオマス可塑剤(B)は変性植物油を用いても良い。変性植物油は植物油を原料とした化合物をいい、より詳細には、植物起源の炭化水素系油の一部を官能基により変性されたものであり、植物油がエポキシ基、アミノ基又はエステル結合により変性されていることが好ましい。当該植物油としては、グリセリンと脂肪酸とのトリエステル体、植物油にモノアルコールを加え、エステル交換反応により得られた脂肪酸モノエステル、脂肪酸とモノアルコールとをエステル化反応させた脂肪酸モノエステル、及び脂肪酸から誘導されるエーテルを含む。
本実施形態における変性植物油の変性基(エポキシ基、アミノ基又はエステル結合の官能基)は、スチレン系樹脂組成物中、他の成分(スチレン系樹脂(A)も含む)又は変性植物油同士と実質的に重合しないことが好ましい。また、本実施形態において、前記変性植物油1gあたりの前記変性植物油の変性率が、1mmol%~50mmol%であることが好ましい。
上記変性植物油の変性率は、後述の実施例に記載の通り1H-NMR測定法により算出する。
本実施形態における変性植物油の変性基(エポキシ基、アミノ基又はエステル結合の官能基)は、スチレン系樹脂組成物中、他の成分(スチレン系樹脂(A)も含む)又は変性植物油同士と実質的に重合しないことが好ましい。また、本実施形態において、前記変性植物油1gあたりの前記変性植物油の変性率が、1mmol%~50mmol%であることが好ましい。
上記変性植物油の変性率は、後述の実施例に記載の通り1H-NMR測定法により算出する。
上記天然植物油の具体例としては、例えば、綿実油、キリ油、シアオイル、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、冬カボチャ油、雑穀油、オオムギ油、キノア油、ライ麦油、ククイ油、トケイソウ油、シアバター、アロエベラ油、甘扁桃油、桃核油、大豆油、カシュー油、ピーナッツ油、アボカド油、バオバブ油、ルリヂサ油、ブロッコリー油、キンセンカ油、椿油、キャノーラ油、ニンジン油、サフラワー油、亜麻油、アブラナ種子油、綿実油、ココナツ油、カボチャ種子油、小麦胚芽油、ホホバ油、ユリ油、マカデミア油、コーン油、メドフォーム油、モノイオイル、ヘイゼルナッツ油、杏仁油、クルミ油、オリーブ油、月見草油、パーム油、ブラックカラント種油、キーウィ種子油、グレープシード油、ピスタチオ油、ジャコウバラ油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、ヒマシ油、スイカ油又はこれら油の混合物が挙げられる。
本実施形態において変性植物油は、上記例示した天然植物油を水素化した油(例えば、水素化ヒマシ油);上記例示した天然植物油をエポキシ化した油(例えば、変性エポキシ化油);上記例示した天然植物油をアミノ化した油(例えば、変性アミノ化油)が挙げられる。当該変性エポキシ化油には、水酸化変性大豆油等に代表されるエポキシ官能基が開環した油、及び予め直接的に水酸化された油、カシュー油ベースのポリオールを含む。
本実施形態において変性植物油は、上記例示した天然植物油を水素化した油(例えば、水素化ヒマシ油);上記例示した天然植物油をエポキシ化した油(例えば、変性エポキシ化油);上記例示した天然植物油をアミノ化した油(例えば、変性アミノ化油)が挙げられる。当該変性エポキシ化油には、水酸化変性大豆油等に代表されるエポキシ官能基が開環した油、及び予め直接的に水酸化された油、カシュー油ベースのポリオールを含む。
本実施形態のバイオマス可塑剤(B)の具体例としては、例えば、パーム油、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、ヒマシ硬化油、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、ポリオキシエチレン化硬化ヒマシ油、オレイン酸エステル又はラウリン酸エステルが挙げられ、DIC株式会社製の「ポリサイザーW-1810-BIO」、「エポサイザー」;日油株式会社製の「ニューサイザー510R」、「ニューサイザー512」、;竹本油脂株式会社製の「パイオニンDシリーズ」;日清オイリオグループ株式会社製の「マルチエース20(S)」、「精製パーム油(S)」、伊藤製油株式会社製の「ヒマシ硬化油」が挙げられる。
本実施形態において、植物油(天然植物油及び変性植物油を含む。)の粘度は、25℃で1000mPa・s以下であることが好ましく、20~1000mPa.sであることがより好ましく、50~800mPa.sであることがさらにより好ましい。
本実施形態におけるバイオマス可塑剤(B)の融点は、-30~80℃であることが好ましく、より好ましくは-25~77℃、さらに好ましくは-22℃~74℃、よりさらに好ましくは-18℃~70℃、さらにより好ましくは-15℃~67℃、さらにより好ましくは―10℃~64℃、さらにより好ましくは-8℃~61℃、さらにより好ましくは-5℃~58℃、さらにより好ましくは-3℃~55℃、特に好ましくは-1℃~52℃である。バイオマス可塑剤(B)の融点が80℃超であると、バイオマス可塑剤(B)がスチレン系樹脂(A)に対して溶融しにくく、添加又は混合操作が困難になる。一方、バイオマス可塑剤(B)の融点が-30℃未満であると、使用可能なバイオマス可塑剤(B)の種類として不飽和結合を多く含有する化合物を使用する必要があるため、酸化劣化しやすく物性低下しやすい。なお、一般的には天然植物油の二重結合部は全てシス型であるため、二重結合が多いほど、分子間力低下し、融点が低下する傾向を示すと考えられる。
本実施形態において、スチレン系重合体(A-1)のSP値とバイオマス可塑剤(B)のSP値((cal/cm3)1/2)との差は好ましくは±2.5未満、より好ましくは2.4未満、より好ましくは±2.3未満、より好ましくは2.2未満、より好ましくは2.1未満、より好ましくは2.0未満、より好ましくは1.9未満、より好ましくは1.8未満、より好ましくは1.7未満、より好ましくは1.6未満、より好ましくは1.5未満、より好ましくは1.4未満、より好ましくは1.3未満、より好ましくは1.2未満、さらに好ましく±1.1未満、よりさらに好ましくは±1.0未満、さらにより好ましくは±0.9未満、よりさらにより好ましくは±0.8未満である。スチレン系重合体(A-1)のSP値とバイオマス可塑剤(B)のSP値との差が、±2.5以上であると両者が相容しにくくなる。
また、本実施形態におけるスチレン系重合体(A-1)のSP値は、7~11((cal/cm3)1/2)であることが好ましく、より好ましくは7.5~10.5((cal/cm3)1/2)、さらに好ましくは7.8~10.2((cal/cm3)1/2)、よりさらに好ましくは8.0~10.0((cal/cm3)1/2)であり、さらにより好ましくは8.0~9.8((cal/cm3)1/2)、さらに好ましくは8.0~9.6((cal/cm3)1/2)、さらにより好ましくは8.0~9.4((cal/cm3)1/2)、さらにより好ましくは8.0~9.2((cal/cm3)1/2)、さらにより好ましくは8.0~9.0((cal/cm3)1/2)である。
また、本実施形態におけるバイオマス可塑剤(B)のSP値の下限は7.4((cal/cm3)1/2)以上であることがより好ましく、より好ましくは7.5((cal/cm3)1/2)以上、より好ましくは7.6((cal/cm3)1/2)、より好ましくは7.7((cal/cm3)1/2)以上、さらにより好ましくは7.8((cal/cm3)1/2)以上である。当該SP値の上限は10.5((cal/cm3)以下であることが好ましく、より好ましくは10.4((cal/cm3)以下、より好ましくは10.3((cal/cm3)以下、より好ましくは10.2((cal/cm3)1/2)以下、より好ましくは10.1((cal/cm3)1/2)以下、より好ましくは10.0((cal/cm3)1/2)以下、より好ましくは9.8((cal/cm3)1/2)以下、より好ましくは9.6((cal/cm3)1/2)以下、より好ましくは9.4((cal/cm3)1/2)以下、より好ましくは9.2((cal/cm3)以下、より好ましくは9.0((cal/cm3)以下、さらにより好ましくは8.8((cal/cm3)1/2)以下である。また、本実施形態におけるバイオマス可塑剤(B)のSP値の好ましい範囲は、上記SP値の上限と、上記SP値の下限とを任意に組み合わせした範囲でありうる。
本実施形態において規定する溶解度パラメータ(SP値)は、下式に示す凝集エネルギー密度の関数を用いて算出している。
SP値((cal/cm3)1/2)=(△E/V)1/2 式(1)
(△Eは、分子間凝集エネルギー(蒸発熱)を示し、Vは、混合液の全体積を示し、△E/Vは、凝集エネルギー密度を示す。)
また、混合による熱量変化△Hmは、SP値を用いて次の式で示される。
△Hm=V(δ1-δ2)・Φ1・Φ2 ・・・式(2)
(δ1は、溶媒のSP値を示し、δ2は、溶質のSP値を示し、Φ1は、溶媒の体積分率を示し、Φ2は、溶質の体積分率を示す。)
上記の式(1)及び(2)より、δ1及びδ2の値が近いほど、△Hmは小さくなり、ギムスの自由エネルギーが小さくなるため、SP値の差が小さいもの同士は親和性が高くなる。
本明細書におけるSP値を求める方法としては、SP値が既知の各種溶剤との樹脂の溶解性を比較することで、最も良く相溶する溶剤のSP値から未知の樹脂のSP値を算出しており、具体的には濁度滴定法を用いて算出した。本実施形態では、主にモノマー組成から計算により求めた値を用いる。
本実施形態のバイオマス可塑剤(B)が高沸点であると成形時に発生するガスの量が少なくなるため、金型汚れ低減には有利に働く観点から、比較的高沸点(例えば、インジェクションブローの成形温度である260℃以上)であることが好ましい。バイオマス可塑剤(B)のSP値が上記範囲であると、分子間凝集エネルギー、つまり蒸発熱が所定範囲内に制御できるため、成形時に発生するガスの量を低減できる程度の高沸点になる傾向を示す。
また、本実施形態におけるスチレン系重合体(A-1)のSP値は、7~11((cal/cm3)1/2)であることが好ましく、より好ましくは7.5~10.5((cal/cm3)1/2)、さらに好ましくは7.8~10.2((cal/cm3)1/2)、よりさらに好ましくは8.0~10.0((cal/cm3)1/2)であり、さらにより好ましくは8.0~9.8((cal/cm3)1/2)、さらに好ましくは8.0~9.6((cal/cm3)1/2)、さらにより好ましくは8.0~9.4((cal/cm3)1/2)、さらにより好ましくは8.0~9.2((cal/cm3)1/2)、さらにより好ましくは8.0~9.0((cal/cm3)1/2)である。
また、本実施形態におけるバイオマス可塑剤(B)のSP値の下限は7.4((cal/cm3)1/2)以上であることがより好ましく、より好ましくは7.5((cal/cm3)1/2)以上、より好ましくは7.6((cal/cm3)1/2)、より好ましくは7.7((cal/cm3)1/2)以上、さらにより好ましくは7.8((cal/cm3)1/2)以上である。当該SP値の上限は10.5((cal/cm3)以下であることが好ましく、より好ましくは10.4((cal/cm3)以下、より好ましくは10.3((cal/cm3)以下、より好ましくは10.2((cal/cm3)1/2)以下、より好ましくは10.1((cal/cm3)1/2)以下、より好ましくは10.0((cal/cm3)1/2)以下、より好ましくは9.8((cal/cm3)1/2)以下、より好ましくは9.6((cal/cm3)1/2)以下、より好ましくは9.4((cal/cm3)1/2)以下、より好ましくは9.2((cal/cm3)以下、より好ましくは9.0((cal/cm3)以下、さらにより好ましくは8.8((cal/cm3)1/2)以下である。また、本実施形態におけるバイオマス可塑剤(B)のSP値の好ましい範囲は、上記SP値の上限と、上記SP値の下限とを任意に組み合わせした範囲でありうる。
本実施形態において規定する溶解度パラメータ(SP値)は、下式に示す凝集エネルギー密度の関数を用いて算出している。
SP値((cal/cm3)1/2)=(△E/V)1/2 式(1)
(△Eは、分子間凝集エネルギー(蒸発熱)を示し、Vは、混合液の全体積を示し、△E/Vは、凝集エネルギー密度を示す。)
また、混合による熱量変化△Hmは、SP値を用いて次の式で示される。
△Hm=V(δ1-δ2)・Φ1・Φ2 ・・・式(2)
(δ1は、溶媒のSP値を示し、δ2は、溶質のSP値を示し、Φ1は、溶媒の体積分率を示し、Φ2は、溶質の体積分率を示す。)
上記の式(1)及び(2)より、δ1及びδ2の値が近いほど、△Hmは小さくなり、ギムスの自由エネルギーが小さくなるため、SP値の差が小さいもの同士は親和性が高くなる。
本明細書におけるSP値を求める方法としては、SP値が既知の各種溶剤との樹脂の溶解性を比較することで、最も良く相溶する溶剤のSP値から未知の樹脂のSP値を算出しており、具体的には濁度滴定法を用いて算出した。本実施形態では、主にモノマー組成から計算により求めた値を用いる。
本実施形態のバイオマス可塑剤(B)が高沸点であると成形時に発生するガスの量が少なくなるため、金型汚れ低減には有利に働く観点から、比較的高沸点(例えば、インジェクションブローの成形温度である260℃以上)であることが好ましい。バイオマス可塑剤(B)のSP値が上記範囲であると、分子間凝集エネルギー、つまり蒸発熱が所定範囲内に制御できるため、成形時に発生するガスの量を低減できる程度の高沸点になる傾向を示す。
本実施形態において、鉱油としては、例えば、パラフィン系原油(流動パラフィンを含む。)、中間基系原油、ナフテン系原油等の原油を常圧蒸留して得られる常圧残油;これらの常圧残油を減圧蒸留して得られる留出油;当該留出油を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱蝋、接触脱蝋、水素化精製等の精製処理を1つ以上施して得られる鉱油;フィッシャー・トロプシュ法等により製造されるワックス(GTLワックス)を異性化することで得られる鉱油等が挙げられる。これらの鉱油は、単独で又は2種以上を併用してもよい。
本実施形態において、バイオマス可塑剤(B)として植物油と鉱油とを混合して使用する場合、バイオマス可塑剤(B)全体のバイオマス炭素比率(pMC比)が10%以上であれば特に制限されることはない。
本実施形態において、バイオマス可塑剤(B)として植物油と鉱油とを混合して使用する場合、バイオマス可塑剤(B)全体のバイオマス炭素比率(pMC比)が10%以上であれば特に制限されることはない。
<高級脂肪酸化合物(C)(以下、(C)成分とも称する。)>
本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、必須成分として高級脂肪酸化合物(C)をスチレン系樹脂組成物全体に対して0.02~2.5質量%含有する。高級脂肪酸化合物(C)は、離型剤として作用し、高級脂肪酸及び高級脂肪酸の金属塩からなる群から選択される1種又は2種以上でありうる。高級脂肪酸化合物(C)の含有量は、スチレン系樹脂組成物全体に対して、好ましくは0.04~2質量%、より好ましくは0.06~1.7質量%より好ましくは0.08~1.4質量%、さらに好ましくは0.1~1.0質量%でありうる。
高級脂肪酸化合物(C)が0.02質量%以下だと離型性が悪く、生産性の低下を招き好ましくない。また、高級脂肪酸化合物(C)は2.5質量%を超えて含有すると、離型性はそれ以上には改善されず、むしろ高級脂肪酸の分解劣化による樹脂の変色や成形品の焼け、焦げ、金型汚れの悪化等の問題が発生する懸念がある。
上記高級脂肪酸とは炭素原子数12~22の飽和直鎖カルボン酸であり、例えば、ステアリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸及びベヘニ酸等が挙げられる。また、高級脂肪酸の金属塩とは炭素原子数12~22の飽和直鎖カルボン酸の金属塩である。当該金属としては、例えば、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、バリウム、鉛、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられる。高級脂肪酸化合物(C)として高級脂肪酸及び高級脂肪酸塩を併用する場合、高級脂肪酸及び高級脂肪酸塩の合計量が0.02~2.5質量%の範囲内であればよく、これら高級脂肪酸又は高級脂肪酸塩は単独でも、あるいは二種以上の混合物でも用いることができる。
また、ポリエチレングリコール又は脂肪酸アルコール、シリコン系の添加剤と併用して、離型剤として用いることもできる。
本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、必須成分として高級脂肪酸化合物(C)をスチレン系樹脂組成物全体に対して0.02~2.5質量%含有する。高級脂肪酸化合物(C)は、離型剤として作用し、高級脂肪酸及び高級脂肪酸の金属塩からなる群から選択される1種又は2種以上でありうる。高級脂肪酸化合物(C)の含有量は、スチレン系樹脂組成物全体に対して、好ましくは0.04~2質量%、より好ましくは0.06~1.7質量%より好ましくは0.08~1.4質量%、さらに好ましくは0.1~1.0質量%でありうる。
高級脂肪酸化合物(C)が0.02質量%以下だと離型性が悪く、生産性の低下を招き好ましくない。また、高級脂肪酸化合物(C)は2.5質量%を超えて含有すると、離型性はそれ以上には改善されず、むしろ高級脂肪酸の分解劣化による樹脂の変色や成形品の焼け、焦げ、金型汚れの悪化等の問題が発生する懸念がある。
上記高級脂肪酸とは炭素原子数12~22の飽和直鎖カルボン酸であり、例えば、ステアリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸及びベヘニ酸等が挙げられる。また、高級脂肪酸の金属塩とは炭素原子数12~22の飽和直鎖カルボン酸の金属塩である。当該金属としては、例えば、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、バリウム、鉛、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられる。高級脂肪酸化合物(C)として高級脂肪酸及び高級脂肪酸塩を併用する場合、高級脂肪酸及び高級脂肪酸塩の合計量が0.02~2.5質量%の範囲内であればよく、これら高級脂肪酸又は高級脂肪酸塩は単独でも、あるいは二種以上の混合物でも用いることができる。
また、ポリエチレングリコール又は脂肪酸アルコール、シリコン系の添加剤と併用して、離型剤として用いることもできる。
<任意添加成分>
本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、上記(A)及び(B)成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて公知の添加剤、加工助剤等の任意添加成分を添加することができる。これら任意添加成分としては、難燃剤、分散剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、充填剤、ブロッキング防止剤、着色剤、ブルーミング防止剤、表面処理剤、抗菌剤、目ヤニ防止剤(特開2009-120717号公報に記載のシリコーンオイル、高級脂肪族カルボン酸のモノアミド化合物、及び高級脂肪族カルボン酸と1価~3価のアルコール化合物とを反応させてなるモノエステル化合物等の目やに防止剤)等を添加してもよい。
本実施形態において、スチレン系樹脂組成物は公知の難燃剤(リン系難燃剤、ブロム系などのハロゲン系難燃剤)を含有してもよい。しかし、スチレン系樹脂組成物中に含有されるバイオマス可塑剤(B)との反応により臭化水素などのガスの生成が危惧される観点から、ハロゲン系難燃剤の含有量は、スチレン系樹脂組成物の総量(100質量%)に対して、3質量%未満であることが好ましく、1質量%未満であることがより好ましい。
本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、上記(A)及び(B)成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて公知の添加剤、加工助剤等の任意添加成分を添加することができる。これら任意添加成分としては、難燃剤、分散剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、充填剤、ブロッキング防止剤、着色剤、ブルーミング防止剤、表面処理剤、抗菌剤、目ヤニ防止剤(特開2009-120717号公報に記載のシリコーンオイル、高級脂肪族カルボン酸のモノアミド化合物、及び高級脂肪族カルボン酸と1価~3価のアルコール化合物とを反応させてなるモノエステル化合物等の目やに防止剤)等を添加してもよい。
本実施形態において、スチレン系樹脂組成物は公知の難燃剤(リン系難燃剤、ブロム系などのハロゲン系難燃剤)を含有してもよい。しかし、スチレン系樹脂組成物中に含有されるバイオマス可塑剤(B)との反応により臭化水素などのガスの生成が危惧される観点から、ハロゲン系難燃剤の含有量は、スチレン系樹脂組成物の総量(100質量%)に対して、3質量%未満であることが好ましく、1質量%未満であることがより好ましい。
本実施形態におけるスチレン系樹脂組成物は、不可避的不純物を除き、金属元素を含有しないほうが好ましく、より具体的には、金属元素の含有量は、スチレン系樹脂組成物の総量(100質量%)に対して、3質量%未満であることが好ましく、1質量%未満、さらに好ましくは0.5質量%未満であることがより好ましい。スチレン系樹脂組成物に金属元素、特に金属粒子を含有すると、成形時に使用する金型が損傷されるだけではなく、金型の金属粉がスチレン系樹脂組成物に混入する虞が生じやすくなる。
上記金属元素とは、元素周期表の2族~12族の元素と、水素原子以外の1族と、ホウ素原子以外の13族と、Ge、As、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Se、Te、Po及びAtで表される元素と、をいう。これら金属元素は、単独又は二種類以上の合金、混合物の形として使用することができる。
本実施形態において、分散剤としては、脂肪酸エステル系化合物、ポリエチレングリコール系化合物、テルペン系化合物、ロジン系化合物、脂肪酸アミド、脂肪酸系化合物、又は脂肪酸金属塩系等を用いることができる。
上記酸化防止剤としては、フェノール系化合物、リン系化合物、チオエーテル系化合物等が挙げられる。
上記任意添加成分の合計含有量は、スチレン系樹脂組成物全体に対して、0.05~5質量%としてよい。
上記金属元素とは、元素周期表の2族~12族の元素と、水素原子以外の1族と、ホウ素原子以外の13族と、Ge、As、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Se、Te、Po及びAtで表される元素と、をいう。これら金属元素は、単独又は二種類以上の合金、混合物の形として使用することができる。
本実施形態において、分散剤としては、脂肪酸エステル系化合物、ポリエチレングリコール系化合物、テルペン系化合物、ロジン系化合物、脂肪酸アミド、脂肪酸系化合物、又は脂肪酸金属塩系等を用いることができる。
上記酸化防止剤としては、フェノール系化合物、リン系化合物、チオエーテル系化合物等が挙げられる。
上記任意添加成分の合計含有量は、スチレン系樹脂組成物全体に対して、0.05~5質量%としてよい。
本実施形態のスチレン系樹脂組成物に含有されるバイオマス可塑剤(B)として変性植物油を使用する場合、スチレン系樹脂組成物の総量(100質量%)に対して、水酸基含有化合物の含有量が3質量%未満であることが好ましく、1質量%未満であることがより好ましい。本実施形態の水酸基含有化合物とは、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フタル酸、といった水酸基をポリマー中に有する化合物をいう。水酸基含有化合物が3質量%以上では変性植物油と反応し、ゲル化が起こるため成形性が低下する、あるいは成形品の外観が悪化するという悪影響を及ぼす。スチレン系樹脂組成物に含有されるバイオマス可塑剤として、天然植物油を使用する場合は、水酸基含有化合物の量は規定しない。
本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、実質的に(A)成分、(B)成分、(C)成分及び任意添加成分のみからなっていてもよい。また、(A)成分及び(B)成分及び(C)成分のみ、又は(A)成分及び(B)及び(C)成分及び任意添加成分のみからなっていてもよい。
「実質的に(A)成分、(B)成分、(C)成分及び任意添加成分のみからなる」とは、スチレン系樹脂組成物の総量に対して、好ましくは85~100質量%、より好ましくは90~100質量%、さらに好ましくは95~100質量%、よりさらに好ましくは98~100質量%が(A)成分及び(B)成分及び(C)成分であるか、又は(A)成分、(B)成分、(C)成分及び任意添加成分であることを意味する。
なお、本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で(A)成分、(B)成分、(C)成分及び任意添加成分の他に不可避不純物を含んでいてもよい。
「実質的に(A)成分、(B)成分、(C)成分及び任意添加成分のみからなる」とは、スチレン系樹脂組成物の総量に対して、好ましくは85~100質量%、より好ましくは90~100質量%、さらに好ましくは95~100質量%、よりさらに好ましくは98~100質量%が(A)成分及び(B)成分及び(C)成分であるか、又は(A)成分、(B)成分、(C)成分及び任意添加成分であることを意味する。
なお、本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で(A)成分、(B)成分、(C)成分及び任意添加成分の他に不可避不純物を含んでいてもよい。
[スチレン系樹脂組成物の物性]
<メルトマスフローレート(MFR)>
本実施形態のスチレン系樹脂組成物のメルトマスフローレート(200℃、49N荷重の条件で測定)は、3.0~13.0であり、好ましくは3.3~11.5、好ましくは3.5~10.0、さらに好ましくは4.0~9.5である。メルトマスフローレートが3.0より低いと、流動性が悪く、成形時に充填不足となりやすい。成形温度及びコア温度を上げることにより成形可能となるが、離形バランスが崩れ、偏肉しやすく良品が得られない。また、メルトマスフローレートが11.0を超えると射出金型とパリソンの間に糸曳きという不良現象が生じやすく、連続成形が困難となる。
<メルトマスフローレート(MFR)>
本実施形態のスチレン系樹脂組成物のメルトマスフローレート(200℃、49N荷重の条件で測定)は、3.0~13.0であり、好ましくは3.3~11.5、好ましくは3.5~10.0、さらに好ましくは4.0~9.5である。メルトマスフローレートが3.0より低いと、流動性が悪く、成形時に充填不足となりやすい。成形温度及びコア温度を上げることにより成形可能となるが、離形バランスが崩れ、偏肉しやすく良品が得られない。また、メルトマスフローレートが11.0を超えると射出金型とパリソンの間に糸曳きという不良現象が生じやすく、連続成形が困難となる。
<ビカット軟化温度>
本実施形態のスチレン系樹脂組成物のビカット軟化温度は、75℃~100℃であることが好ましく、さらに好ましくは78℃~98℃、さらに好ましくは80℃~96℃である。
本実施形態のスチレン系樹脂組成物のビカット軟化温度は、75℃~100℃であることが好ましく、さらに好ましくは78℃~98℃、さらに好ましくは80℃~96℃である。
<ゴム状重合体粒子(A-2)の膨潤指数>
本発明のゴム状重合体粒子(A-2)の膨潤指数は、衝撃強度の観点から7.0~14であることが好ましく、より好ましくは7.5~13.5、さらに好ましくは8.0~13である。膨潤指数はゴム粒子の架橋度を表す指標である。膨潤指数を上記範囲とすることで、本発明のスチレン系樹脂組成物は衝撃特性に優れるものとなる。なお、本開示で、スチレン系樹脂組成物の膨潤指数は実施例の欄に記載の方法を用いて算出される値である。
本発明のゴム状重合体粒子(A-2)の膨潤指数は、衝撃強度の観点から7.0~14であることが好ましく、より好ましくは7.5~13.5、さらに好ましくは8.0~13である。膨潤指数はゴム粒子の架橋度を表す指標である。膨潤指数を上記範囲とすることで、本発明のスチレン系樹脂組成物は衝撃特性に優れるものとなる。なお、本開示で、スチレン系樹脂組成物の膨潤指数は実施例の欄に記載の方法を用いて算出される値である。
[インジェクションブロー成形品]
本実施形態のスチレン系樹脂組成物を原料として用いたインジェクションブロー成形品の製造方法としては、特に限定されるものではなく公知の方法により成形することができる。具体的には、インジェクションブロー成形では、まず射出成形によってスチレン系樹脂組成物から中間体(例えば有底のパリソン)を成形し、ついで、この中間体を軟化状態でコア(射出成形の雄金型)に付けたままでブロー成形金型内に移行させ、そして、コアから圧気をお送り込んでブロー成形金型内壁面まで膨らませることで、中空成形体(例えば容器)を成形することができる。
上記の成形法において、中間体をブロー成形する段階において、金型温度は35~75℃であることが好ましく、40~60℃であることがより好ましく、45~55℃であることがさらに好ましい。また、スチレン系組成物の温度は、210~260℃であることが好ましく、220~250℃であることがより好ましい。中間体の体積に対する容器の体積の倍率(体積の延伸倍率)は、1.5~7倍であることが好ましく、2~5倍であることがより好ましい。
本実施形態のスチレン系樹脂組成物を原料として用いたインジェクションブロー成形品の製造方法としては、特に限定されるものではなく公知の方法により成形することができる。具体的には、インジェクションブロー成形では、まず射出成形によってスチレン系樹脂組成物から中間体(例えば有底のパリソン)を成形し、ついで、この中間体を軟化状態でコア(射出成形の雄金型)に付けたままでブロー成形金型内に移行させ、そして、コアから圧気をお送り込んでブロー成形金型内壁面まで膨らませることで、中空成形体(例えば容器)を成形することができる。
上記の成形法において、中間体をブロー成形する段階において、金型温度は35~75℃であることが好ましく、40~60℃であることがより好ましく、45~55℃であることがさらに好ましい。また、スチレン系組成物の温度は、210~260℃であることが好ましく、220~250℃であることがより好ましい。中間体の体積に対する容器の体積の倍率(体積の延伸倍率)は、1.5~7倍であることが好ましく、2~5倍であることがより好ましい。
<測定及び評価方法>
各実施例及び比較例で得られた樹脂組成物及びインジェクションブロー成形体の物性評価は、次の方法に基づいて行った。
各実施例及び比較例で得られた樹脂組成物及びインジェクションブロー成形体の物性評価は、次の方法に基づいて行った。
(1)実施例及び比較例で使用したゴム変性スチレン系樹脂(A)中のスチレン系重合体(A-1)及びバイオマス可塑剤(B)の重量平均分子量の測定
スチレン系重合体(A-1)及びバイオマス可塑剤(B)の重量平均分子量を、下記の条件や手順で測定した。
・試料調製:測定試料5mgを10mLのテトラヒドロフランに溶解し、0.45μmのフィルターでろ過を行った。
・測定条件
機器:TOSOH HLC-8220GPC
(ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー)
カラム :SHODEX GPC KF―606Mを直列に2本接続
ガードカラム :SHODEX GPC KF―G 4A
温度 :40℃
キャリア :THF 0.50mL/min
検出器 :RI、UV:254nm
検量線 :検量線の作成には東ソー社製のTSK標準ポリスチレン11種類(F-850、F-450、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000)を用いた。3次直線の近似式を用いて検量線を作成した。
スチレン系重合体(A-1)及びバイオマス可塑剤(B)の重量平均分子量を、下記の条件や手順で測定した。
・試料調製:測定試料5mgを10mLのテトラヒドロフランに溶解し、0.45μmのフィルターでろ過を行った。
・測定条件
機器:TOSOH HLC-8220GPC
(ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー)
カラム :SHODEX GPC KF―606Mを直列に2本接続
ガードカラム :SHODEX GPC KF―G 4A
温度 :40℃
キャリア :THF 0.50mL/min
検出器 :RI、UV:254nm
検量線 :検量線の作成には東ソー社製のTSK標準ポリスチレン11種類(F-850、F-450、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000)を用いた。3次直線の近似式を用いて検量線を作成した。
(2)メルトマスフローレート(MFR)
実施例及び比較例で使用したゴム変性スチレン系樹脂(A)中のスチレン系重合体(A-1)のメルトマスフローレート(g/10分)は、ISO 1133に準拠して測定した(200℃、荷重49N)。
実施例及び比較例で使用したゴム変性スチレン系樹脂(A)中のスチレン系重合体(A-1)のメルトマスフローレート(g/10分)は、ISO 1133に準拠して測定した(200℃、荷重49N)。
(3)ビカット軟化温度(℃)の測定
本実施例及び比較例で使用したゴム変性スチレン系樹脂(A)及びスチレン系樹脂組成物のビカット軟化温度(℃)を、ISO 306に準拠して、荷重49Nで測定した。
本実施例及び比較例で使用したゴム変性スチレン系樹脂(A)及びスチレン系樹脂組成物のビカット軟化温度(℃)を、ISO 306に準拠して、荷重49Nで測定した。
(4)ゴム状重合体粒子(A-2)の含有率及び膨潤指数の測定
ゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物中のゴム状重合体粒子(A-2)の含有量(質量%)、膨潤指数を以下のように測定した。沈澱管にゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物1.00gを精秤し(この質量をW1とする)、トルエン20ミリリットルを加え23℃で1時間振とう後、遠心分離機(佐久間製作所社製、SS-2050A ローター:6B-N6L)にて温度4℃、回転数20000rpm、遠心加速度45100×Gで60分間遠心分離した。沈澱管を約45度にゆっくり傾け、上澄み液をデカンテーションして取り除いた。トルエンを含んだ不溶分の質量を精秤し(この質量をW2とする)、引き続き、160℃、3kPa以下の条件で1時間真空乾燥し、デシケータ内で室温まで冷却後、トルエン不溶分の質量を精秤した(この質量をW3とする)。
下記式により、ゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物中のゴム状重合体粒子(A-2)の含有量及び膨潤指数、即ち、ゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物中のゴム状重合体粒子(A-2)の含有量及び膨潤指数を求めた。
ゴム状重合体粒子(A-2)の含有量=W3/W1×100
ゴム状重合体粒子(A-2)の膨潤指数=W2/W3
ゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物中のゴム状重合体粒子(A-2)の含有量(質量%)、膨潤指数を以下のように測定した。沈澱管にゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物1.00gを精秤し(この質量をW1とする)、トルエン20ミリリットルを加え23℃で1時間振とう後、遠心分離機(佐久間製作所社製、SS-2050A ローター:6B-N6L)にて温度4℃、回転数20000rpm、遠心加速度45100×Gで60分間遠心分離した。沈澱管を約45度にゆっくり傾け、上澄み液をデカンテーションして取り除いた。トルエンを含んだ不溶分の質量を精秤し(この質量をW2とする)、引き続き、160℃、3kPa以下の条件で1時間真空乾燥し、デシケータ内で室温まで冷却後、トルエン不溶分の質量を精秤した(この質量をW3とする)。
下記式により、ゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物中のゴム状重合体粒子(A-2)の含有量及び膨潤指数、即ち、ゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物中のゴム状重合体粒子(A-2)の含有量及び膨潤指数を求めた。
ゴム状重合体粒子(A-2)の含有量=W3/W1×100
ゴム状重合体粒子(A-2)の膨潤指数=W2/W3
(5)平均粒径の測定
実施例及び比較例で使用したゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物中のゴム状重合体粒子(A-2)の平均粒径(μm)の測定は、以下の方法で測定した。
30μm径のアパーチャーチューブを装着したベックマンコールター株式会社製COULTER MULTISIZER III (商品名)にて、ペレット状のゴム変性スチレン系樹脂(A)又はペレット状のスチレン系樹脂組成物0.05gをジメチルホルムアミド約5ml中に入れ約2~5分間放置した。次にジメチルホルムアミド溶解分を適度の粒子濃度として測定し、体積基準のメジアン径を求めた。
実施例及び比較例で使用したゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物中のゴム状重合体粒子(A-2)の平均粒径(μm)の測定は、以下の方法で測定した。
30μm径のアパーチャーチューブを装着したベックマンコールター株式会社製COULTER MULTISIZER III (商品名)にて、ペレット状のゴム変性スチレン系樹脂(A)又はペレット状のスチレン系樹脂組成物0.05gをジメチルホルムアミド約5ml中に入れ約2~5分間放置した。次にジメチルホルムアミド溶解分を適度の粒子濃度として測定し、体積基準のメジアン径を求めた。
(6)ゴム状重合体の含有量の測定
実施例及び比較例で使用したゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物0.25gをクロロホルム50mLに溶解し、一塩化ヨウ素を加えてゴム成分中の二重結合を反応させた後、ヨウ化カリウムを加え、残存する一塩化ヨウ素をヨウ素に変え、チオ硫酸ナトリウムで逆滴定した(一塩化ヨウ素法)。この方法により、ゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物中に含まれるゴムの質量(この質量をW4とする)を測定し、この値とゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物の質量(この質量をW1とする)とから、ゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物中のゴム状重合体の含有量(質量%)を、次式により求めた。
ゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物中のゴム状重合体の含有量(質量%)=W4/W1×100
実施例及び比較例で使用したゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物0.25gをクロロホルム50mLに溶解し、一塩化ヨウ素を加えてゴム成分中の二重結合を反応させた後、ヨウ化カリウムを加え、残存する一塩化ヨウ素をヨウ素に変え、チオ硫酸ナトリウムで逆滴定した(一塩化ヨウ素法)。この方法により、ゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物中に含まれるゴムの質量(この質量をW4とする)を測定し、この値とゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物の質量(この質量をW1とする)とから、ゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物中のゴム状重合体の含有量(質量%)を、次式により求めた。
ゴム変性スチレン系樹脂(A)又はスチレン系樹脂組成物中のゴム状重合体の含有量(質量%)=W4/W1×100
(7)バイオマス可塑剤(B)含有量の定量
実施例及び比較例で使用したスチレン系樹脂組成物中におけるバイオマス可塑剤(B)の含有量の定量では、以下の(1)または(2)いずれかの手順を用いて行った。(1)求めた値と(2)から求めた値を比較しても同等の数値が得られた。
(7-1)NMRを用いた算出
2-ジメトキシエタンを内部標準物質として含んだ重水素化クロロホルム(1%TMS入り)に、植物油(グリセリン脂肪酸エステル)を溶解し、1H-NMR測定を行った。TMSのピークを0ppmの基準とすると、δ4.0~4.4ppmに植物油のエステル基に隣接した炭素に結合するプロトン由来のピークと3.4~3.6ppmに1,2ージメトキシメタン由来のピークが検出される。1,2ージメトキシメタン由来のピーク面積を1とした際の植物油由来のピーク面積を算出している。この操作を植物油の濃度を変化させて行うことで、植物油濃度の検量線を作成した。
実施例又は比較例で得られたペレット状のスチレン系樹脂組成物を重水素化クロロホルム(1%TMS入り)に溶解し、1H-NMR測定を行い、上記の検量線を用いることで、スチレン系樹脂組成物中の植物油含有量を定量した。
上記の方法では、他のピークが内部標準物質のピークと被り、定量するのが困難である場合、適宜、内部標準物質は適当な物質を使用してもよい。
また、植物油は5.0~5.5ppmに検出されるトリグリセリド由来のピークでも定量することが可能である。
(2)メタノール可溶分からの算出
実施例又は比較例で得られたペレット状のスチレン系樹脂組成物1.0g(この重さをW11とする)を20mL容量のスクリュー瓶に取り、メチルエチルケトンを10mL加えた。そして、振とう機で前記ペレットを完全に溶解させた後、メタノール5mLをさらに加え、スチレン系重合体(A-1)を不溶物として析出させ、遠心機を用いて2000Gで10分間遠心し、不溶物を遠心沈降させた。次いで、沈降した不溶分を140℃に昇温した乾燥機で、40分間予備乾燥させた後、同温度で20分間真空乾燥し、溶媒を完全に揮発させた。乾燥後の不溶分の質量を測定し、この質量をW12とした。測定した質量W11とW12を用いてメタノール可溶分(W13)を下記の通り、定義した。
メタノール可溶分(W13)=W11-W12とした。
また、本操作において、遠心機で遠心沈降させた後の上澄み液をGC-MS測定し、スチレン系オリゴマー、残存モノマー、残存溶媒、その他メタノールに可溶な可塑剤以外の低分子物質の含有量を定量し、スチレン系樹脂組成物1.0g中に含有されている質量(W14)を算出した。算出した質量W13、W14を用いてスチレン系樹脂組成物中におけるバイオマス可塑剤(B)の含有量を下記の通り求めた。
バイオマス可塑剤(B)の含有量=W13―W14
実施例及び比較例で使用したスチレン系樹脂組成物中におけるバイオマス可塑剤(B)の含有量の定量では、以下の(1)または(2)いずれかの手順を用いて行った。(1)求めた値と(2)から求めた値を比較しても同等の数値が得られた。
(7-1)NMRを用いた算出
2-ジメトキシエタンを内部標準物質として含んだ重水素化クロロホルム(1%TMS入り)に、植物油(グリセリン脂肪酸エステル)を溶解し、1H-NMR測定を行った。TMSのピークを0ppmの基準とすると、δ4.0~4.4ppmに植物油のエステル基に隣接した炭素に結合するプロトン由来のピークと3.4~3.6ppmに1,2ージメトキシメタン由来のピークが検出される。1,2ージメトキシメタン由来のピーク面積を1とした際の植物油由来のピーク面積を算出している。この操作を植物油の濃度を変化させて行うことで、植物油濃度の検量線を作成した。
実施例又は比較例で得られたペレット状のスチレン系樹脂組成物を重水素化クロロホルム(1%TMS入り)に溶解し、1H-NMR測定を行い、上記の検量線を用いることで、スチレン系樹脂組成物中の植物油含有量を定量した。
上記の方法では、他のピークが内部標準物質のピークと被り、定量するのが困難である場合、適宜、内部標準物質は適当な物質を使用してもよい。
また、植物油は5.0~5.5ppmに検出されるトリグリセリド由来のピークでも定量することが可能である。
(2)メタノール可溶分からの算出
実施例又は比較例で得られたペレット状のスチレン系樹脂組成物1.0g(この重さをW11とする)を20mL容量のスクリュー瓶に取り、メチルエチルケトンを10mL加えた。そして、振とう機で前記ペレットを完全に溶解させた後、メタノール5mLをさらに加え、スチレン系重合体(A-1)を不溶物として析出させ、遠心機を用いて2000Gで10分間遠心し、不溶物を遠心沈降させた。次いで、沈降した不溶分を140℃に昇温した乾燥機で、40分間予備乾燥させた後、同温度で20分間真空乾燥し、溶媒を完全に揮発させた。乾燥後の不溶分の質量を測定し、この質量をW12とした。測定した質量W11とW12を用いてメタノール可溶分(W13)を下記の通り、定義した。
メタノール可溶分(W13)=W11-W12とした。
また、本操作において、遠心機で遠心沈降させた後の上澄み液をGC-MS測定し、スチレン系オリゴマー、残存モノマー、残存溶媒、その他メタノールに可溶な可塑剤以外の低分子物質の含有量を定量し、スチレン系樹脂組成物1.0g中に含有されている質量(W14)を算出した。算出した質量W13、W14を用いてスチレン系樹脂組成物中におけるバイオマス可塑剤(B)の含有量を下記の通り求めた。
バイオマス可塑剤(B)の含有量=W13―W14
(8)変性率の算出
変性植物油を含有したスチレン系樹脂では、以下の(8-1)または(8-2)いずれかの手順を用いて1H-NMRにより変性植物油の変性率を算出することが可能である。
(8-1)実施例又は比較例で得られたペレット状のスチレン系樹脂組成物を重水素化クロロホルム(1%TMS入り)に溶解し、1H-NMR測定を行う。TMSを0ppmの基準とすると、δ2.8~3.2ppmにエポキシ基由来のピーク、δ4.0~4.4ppmに植物油のエステル基に隣接した炭素に結合するプロトン由来のピークが確認される。これにより上記二つのピーク面積比からエポキシ変性率を算出した。δ2.8~3.2ppmにエポキシ基由来のピーク、δ4.0~4.4ppmに植物油のエステル基に隣接した炭素に結合するプロトン由来のピークが検出されるが、それらのピークが他のピークと被ると定量が困難になるため、その場合は(2)の方法で定量を行う。
(8-2)実施例又は比較例で得られたペレット状のスチレン系樹脂組成物1gを20mL容量のスクリュー瓶に取り、メチルエチルケトンを10mL加えた。そして、振とう機でペレットを完全に溶解させた後、メタノールを5mL加えるとスチレン系樹脂組成物が溶液中に不溶分として析出させた。次いで、不溶部を取り除き、溶液部をナスフラスコに取り、エバポレーターで2時間真空引きして、メチルエチルケトン及びメタノールを揮発させた。その後、ナスフラスコ内に残った液体(植物油)を重水素化クロロホルム(1%TMS入り)に加え、1H-NMR測定を行った。TMSを0ppmの基準とすると、δ2.8~3.2ppmにエポキシ基由来のピーク、δ4.0~4.4ppmに植物油のエステル基に隣接した炭素に結合するプロトン由来のピークが確認される。これにより上記二つのピーク面積比からエポキシ変性率を算出した。
変性植物油を含有したスチレン系樹脂では、以下の(8-1)または(8-2)いずれかの手順を用いて1H-NMRにより変性植物油の変性率を算出することが可能である。
(8-1)実施例又は比較例で得られたペレット状のスチレン系樹脂組成物を重水素化クロロホルム(1%TMS入り)に溶解し、1H-NMR測定を行う。TMSを0ppmの基準とすると、δ2.8~3.2ppmにエポキシ基由来のピーク、δ4.0~4.4ppmに植物油のエステル基に隣接した炭素に結合するプロトン由来のピークが確認される。これにより上記二つのピーク面積比からエポキシ変性率を算出した。δ2.8~3.2ppmにエポキシ基由来のピーク、δ4.0~4.4ppmに植物油のエステル基に隣接した炭素に結合するプロトン由来のピークが検出されるが、それらのピークが他のピークと被ると定量が困難になるため、その場合は(2)の方法で定量を行う。
(8-2)実施例又は比較例で得られたペレット状のスチレン系樹脂組成物1gを20mL容量のスクリュー瓶に取り、メチルエチルケトンを10mL加えた。そして、振とう機でペレットを完全に溶解させた後、メタノールを5mL加えるとスチレン系樹脂組成物が溶液中に不溶分として析出させた。次いで、不溶部を取り除き、溶液部をナスフラスコに取り、エバポレーターで2時間真空引きして、メチルエチルケトン及びメタノールを揮発させた。その後、ナスフラスコ内に残った液体(植物油)を重水素化クロロホルム(1%TMS入り)に加え、1H-NMR測定を行った。TMSを0ppmの基準とすると、δ2.8~3.2ppmにエポキシ基由来のピーク、δ4.0~4.4ppmに植物油のエステル基に隣接した炭素に結合するプロトン由来のピークが確認される。これにより上記二つのピーク面積比からエポキシ変性率を算出した。
(9)口部衝撃強度
インジェクションブロー成形した容器のパーティングラインが上下になるように横に倒し、口部に落錘が当たるように容器を設置して、(株)東洋製作所製のデュポン衝撃試験機(No451)を用いて落錘衝撃強度(デュポン衝撃強度)を測定した。落下重錘の質量200g、撃心突端の半径9.4mmで、n=30で試験を行い、50%破壊高さから落錘衝撃強度を求めた。そして、3.0kg・cm以上を合格とした。
インジェクションブロー成形した容器のパーティングラインが上下になるように横に倒し、口部に落錘が当たるように容器を設置して、(株)東洋製作所製のデュポン衝撃試験機(No451)を用いて落錘衝撃強度(デュポン衝撃強度)を測定した。落下重錘の質量200g、撃心突端の半径9.4mmで、n=30で試験を行い、50%破壊高さから落錘衝撃強度を求めた。そして、3.0kg・cm以上を合格とした。
(10)口部圧縮強度
インジェクションブロー成形した容器のパーティングラインが上下になるように横に倒し、口部フランジが垂直に当たるようにして200mm/分の速度で圧縮し、10mm変形するまでの荷重を口部圧縮強度とした。当該測定には、2ショット分の容器を使用し、測定値を平均とした。そして、容器口部圧縮強度は23以上を合格とした。尚、測定装置として、島津製作所の卓上型精密万能試験機(オートグラフAGS-5kNX)を使用した。
インジェクションブロー成形した容器のパーティングラインが上下になるように横に倒し、口部フランジが垂直に当たるようにして200mm/分の速度で圧縮し、10mm変形するまでの荷重を口部圧縮強度とした。当該測定には、2ショット分の容器を使用し、測定値を平均とした。そして、容器口部圧縮強度は23以上を合格とした。尚、測定装置として、島津製作所の卓上型精密万能試験機(オートグラフAGS-5kNX)を使用した。
(11)座屈強度
インジェクションブロー成形した容器を圧縮試験用下部圧盤に固定し、圧縮試験機の可動部位に突設された圧縮負荷治具により、押圧速度200mm/分で負荷をかけた際の圧縮強度を測定した。尚、測定装置として、島津製作所の卓上型精密万能試験機(オートグラフAGS-5kNX)を使用した。測定した結果を下記基準で評価した。座屈強度が120N未満であると、剛性が不足し、実用場面で容器が座屈する等の弊害が生じるため120N以上を合格とした。
インジェクションブロー成形した容器を圧縮試験用下部圧盤に固定し、圧縮試験機の可動部位に突設された圧縮負荷治具により、押圧速度200mm/分で負荷をかけた際の圧縮強度を測定した。尚、測定装置として、島津製作所の卓上型精密万能試験機(オートグラフAGS-5kNX)を使用した。測定した結果を下記基準で評価した。座屈強度が120N未満であると、剛性が不足し、実用場面で容器が座屈する等の弊害が生じるため120N以上を合格とした。
(12)成形性(糸引き発生回数)
本実施例及び比較例の糸引き発生回数の評価方法は、射出ブロー成形機で円筒堅型の容器を成形する際、成形品底部に糸引きが目視確認できるか否かで評価を行った。射出ブロー成形機は住友重機工業株式会社製、SG125NPを用いた。シリンダー、ホットランナー温度240℃、金型温度50℃で成形を行った。10ショット分である140個の成形後の容器を確認し、糸引きが確認された個数で評価を行った。
本実施例及び比較例の糸引き発生回数の評価方法は、射出ブロー成形機で円筒堅型の容器を成形する際、成形品底部に糸引きが目視確認できるか否かで評価を行った。射出ブロー成形機は住友重機工業株式会社製、SG125NPを用いた。シリンダー、ホットランナー温度240℃、金型温度50℃で成形を行った。10ショット分である140個の成形後の容器を確認し、糸引きが確認された個数で評価を行った。
(13)成形性(ブロー不良回数)
本実施例及び比較例のブロー不良回数の評価方法は、射出ブロー成形機で円筒堅型の容器を成形する際、射出成形により成形されたパリソンが型から離れるか否かで評価を行った。射出ブロー成形機は住友重機工業株式会社製、SG125NPを用いた。シリンダー、ホットランナー温度240℃、金型温度50℃で成形を行った。成形後のパリソンが型に貼りついてしまい完全に離脱できない状態が確認できた場合に1個とカウントし、合計100回成形した際の離型不良回数で評価を行った。ブロー不良回数が10回を超えると生産性が低下するため、10回以下を合格とした。
本実施例及び比較例のブロー不良回数の評価方法は、射出ブロー成形機で円筒堅型の容器を成形する際、射出成形により成形されたパリソンが型から離れるか否かで評価を行った。射出ブロー成形機は住友重機工業株式会社製、SG125NPを用いた。シリンダー、ホットランナー温度240℃、金型温度50℃で成形を行った。成形後のパリソンが型に貼りついてしまい完全に離脱できない状態が確認できた場合に1個とカウントし、合計100回成形した際の離型不良回数で評価を行った。ブロー不良回数が10回を超えると生産性が低下するため、10回以下を合格とした。
(14)成形性(金型汚れ発生のショット数)
本実施例及び比較例のブロー不良回数の評価方法は、射出ブロー成形機で円筒堅型の容器を成形する際、金型に付着物が目視で確認されるまでのショット数を評価した。射出ブロー成形機は住友重機工業株式会社製、SG125NPを用いた。シリンダー、ホットランナー温度240℃、金型温度50℃で成形を行い、5ショット毎に金型付着物があるか否かを確認し、150ショットまで成形を行った。100ショット未満で金型付着物が確認されると、金型のメンテナンスに時間を要し、生産性が低下するため、100ショット以上を合格とした。
本実施例及び比較例のブロー不良回数の評価方法は、射出ブロー成形機で円筒堅型の容器を成形する際、金型に付着物が目視で確認されるまでのショット数を評価した。射出ブロー成形機は住友重機工業株式会社製、SG125NPを用いた。シリンダー、ホットランナー温度240℃、金型温度50℃で成形を行い、5ショット毎に金型付着物があるか否かを確認し、150ショットまで成形を行った。100ショット未満で金型付着物が確認されると、金型のメンテナンスに時間を要し、生産性が低下するため、100ショット以上を合格とした。
(15)SP値の算出
実施例・比較例において使用した各材料のSP値は、Hildebrand法(Hansen法を含む)を用いた溶解度パラメーターであり、文献値(「バイオマテリアルの基礎」 「石塚一彦・塙隆夫・前田瑞夫編」 日本医学館出版)又は「J.Appl.Polym.Sci.,12,2359(1968)」を参照して濁度滴定法により算出した。
なお、実施例・比較例のスチレン系樹脂組成物では、当該組成物中に配合される各成分が既知であるため、上記方法により容易にSP値を算出することができる。一方、未知のスチレン系樹脂組成物中に含まれるスチレン系ポリマー又は可塑剤の詳細が不明の場合、以下の手順(i)~(iv)によりSP値を算出できる。手順(i):スチレン系樹脂組成物から回収又は分離された対象となる試料(スチレン系ポリマー又は可塑剤)を、SP値が既知の溶媒に添加して、SP値が既知の溶媒に前記試料が溶解したか否かを判別する溶解試験を行う。手順(ii):次いで、手順(i)の溶解試験を行った溶媒のSP値を三次元プロットする。手順(iii):手順(i)及び手順(ii)の操作を溶媒15~20種類で実施する。手順(iv):前記試料が溶解した溶媒の座標を含み、かつ溶解しなかった溶媒の座標は含まない球を算出することにより、当該球の中心座標がHansenのSP値を表し、原点からの距離がHildebrandのSP値を表すことにより、Hildebrand法(Hansen法を含む)を用いた溶解度パラメーターを算出する。
上記手順(i)~(iv)により算出されたSP値は、上記文献値又は濁度滴定法により算出したSP値と概ね一致している。
実施例・比較例において使用した各材料のSP値は、Hildebrand法(Hansen法を含む)を用いた溶解度パラメーターであり、文献値(「バイオマテリアルの基礎」 「石塚一彦・塙隆夫・前田瑞夫編」 日本医学館出版)又は「J.Appl.Polym.Sci.,12,2359(1968)」を参照して濁度滴定法により算出した。
なお、実施例・比較例のスチレン系樹脂組成物では、当該組成物中に配合される各成分が既知であるため、上記方法により容易にSP値を算出することができる。一方、未知のスチレン系樹脂組成物中に含まれるスチレン系ポリマー又は可塑剤の詳細が不明の場合、以下の手順(i)~(iv)によりSP値を算出できる。手順(i):スチレン系樹脂組成物から回収又は分離された対象となる試料(スチレン系ポリマー又は可塑剤)を、SP値が既知の溶媒に添加して、SP値が既知の溶媒に前記試料が溶解したか否かを判別する溶解試験を行う。手順(ii):次いで、手順(i)の溶解試験を行った溶媒のSP値を三次元プロットする。手順(iii):手順(i)及び手順(ii)の操作を溶媒15~20種類で実施する。手順(iv):前記試料が溶解した溶媒の座標を含み、かつ溶解しなかった溶媒の座標は含まない球を算出することにより、当該球の中心座標がHansenのSP値を表し、原点からの距離がHildebrandのSP値を表すことにより、Hildebrand法(Hansen法を含む)を用いた溶解度パラメーターを算出する。
上記手順(i)~(iv)により算出されたSP値は、上記文献値又は濁度滴定法により算出したSP値と概ね一致している。
実施例及び比較例で用いた各材料は下記の通りである。
(ブタジエンゴム)
ポリブタジエンゴム(旭化成ケミカルズ社製ジエン55)、ポリブタジエンラバーUBEPOL BR(UBEエラストマー株式会社製BR15HB)
(ブタジエンゴム)
ポリブタジエンゴム(旭化成ケミカルズ社製ジエン55)、ポリブタジエンラバーUBEPOL BR(UBEエラストマー株式会社製BR15HB)
[バイオマス可塑剤(B)]
(変性植物油)
エポキシ化大豆油(製品名「ニューサイザー510R」(日油株式会社製)、重量平均分子量(Mw=1500)、バイオマス炭素比率(pMC%)100%、融点:5℃、SP値(Hansen法による計算値であり、分散力項(δD)、極性項(δP)及び水素結合項(δH)の3成分座標における原点からの距離):9.0((cal/cm3)1/2)、エポキシ変性率:1gあたり5mmol
エポキシ化アマニ油(製品名「O-180A」(株式会社ADEKA)、重量平均分子量(Mw=1500)、バイオマス炭素比率(pMC%)100%、融点:-2℃、SP値(Hansen法による計算値であり、分散力項(δD)、極性項(δP)及び水素結合項(δH)の3成分座標における原点からの距離):9.3((cal/cm3)1/2))、エポキシ変性率:1gあたり8mmol
(天然植物油)
パーム油(製品名「マルチエース20(S)」(日清オイリオグループ株式会社)、重量平均分子量(Mw=1000)、バイオマス炭素比率(pMC%)100%、融点:22℃、SP値(Hansen法による計算値であり、分散力項(δD)、極性項(δP)及び水素結合項(δH)の3成分座標における原点からの距離):8.2((cal/cm3)1/2))
大豆油(製品名「大豆白絞油(S)」(日清オイリオグループ株式会社)重量平均分子量(Mw=1000)、バイオマス炭素比率(pMC%)100%、融点-8℃、SP値(Hansen法による計算値であり、分散力項(δD)、極性項(δP)及び水素結合項(δH)の3成分座標における原点からの距離):8.2((cal/cm3)1/2))
ヒマシ硬化油(製品名「ヒマシ硬化油」(伊藤製油株式会社)、重量平均分子量(Mw=1000)、バイオマス炭素比率(pMC%)100%、融点85℃、SP値(Hansen法による計算値であり、分散力項(δD)、極性項(δP)及び水素結合項(δH)の3成分座標における原点からの距離を表す。):10.1((cal/cm3)1/2))
(変性植物油)
エポキシ化大豆油(製品名「ニューサイザー510R」(日油株式会社製)、重量平均分子量(Mw=1500)、バイオマス炭素比率(pMC%)100%、融点:5℃、SP値(Hansen法による計算値であり、分散力項(δD)、極性項(δP)及び水素結合項(δH)の3成分座標における原点からの距離):9.0((cal/cm3)1/2)、エポキシ変性率:1gあたり5mmol
エポキシ化アマニ油(製品名「O-180A」(株式会社ADEKA)、重量平均分子量(Mw=1500)、バイオマス炭素比率(pMC%)100%、融点:-2℃、SP値(Hansen法による計算値であり、分散力項(δD)、極性項(δP)及び水素結合項(δH)の3成分座標における原点からの距離):9.3((cal/cm3)1/2))、エポキシ変性率:1gあたり8mmol
(天然植物油)
パーム油(製品名「マルチエース20(S)」(日清オイリオグループ株式会社)、重量平均分子量(Mw=1000)、バイオマス炭素比率(pMC%)100%、融点:22℃、SP値(Hansen法による計算値であり、分散力項(δD)、極性項(δP)及び水素結合項(δH)の3成分座標における原点からの距離):8.2((cal/cm3)1/2))
大豆油(製品名「大豆白絞油(S)」(日清オイリオグループ株式会社)重量平均分子量(Mw=1000)、バイオマス炭素比率(pMC%)100%、融点-8℃、SP値(Hansen法による計算値であり、分散力項(δD)、極性項(δP)及び水素結合項(δH)の3成分座標における原点からの距離):8.2((cal/cm3)1/2))
ヒマシ硬化油(製品名「ヒマシ硬化油」(伊藤製油株式会社)、重量平均分子量(Mw=1000)、バイオマス炭素比率(pMC%)100%、融点85℃、SP値(Hansen法による計算値であり、分散力項(δD)、極性項(δP)及び水素結合項(δH)の3成分座標における原点からの距離を表す。):10.1((cal/cm3)1/2))
[その他]
(流動パラフィン)
流動パラフィン、製品名「PS350S」(三光化学工業株式会社製)、重量平均分子量(Mw=250)、バイオマス炭素比率(pMC%)0%、流動点:-12.5℃、SP値(文献値):7.3(cal/cm3)1/2
(ポリ乳酸)
ポリ乳酸、製品名「LX175」(Total Corbinion PLA製)、バイオマス炭素比率(pMC%)100%、融点:155℃、SP値(文献値):10.3(cal/cm3)1/2
(流動パラフィン)
流動パラフィン、製品名「PS350S」(三光化学工業株式会社製)、重量平均分子量(Mw=250)、バイオマス炭素比率(pMC%)0%、流動点:-12.5℃、SP値(文献値):7.3(cal/cm3)1/2
(ポリ乳酸)
ポリ乳酸、製品名「LX175」(Total Corbinion PLA製)、バイオマス炭素比率(pMC%)100%、融点:155℃、SP値(文献値):10.3(cal/cm3)1/2
[スチレン系樹脂組成物の製造方法]
[実施例1]
(組成物(PS-1)の製造方法)
スチレン92.1質量%、エチルベンゼン6.0質量%、ポリブタジエンゴム(旭化成ケミカルズ社製ジエン55)3.2質量%、マルチエース20(S)(日清オイリオグループ株式会社製)0.8質量%を混合溶解した重合液を、撹拌機を備え、3ゾーンで温度コントロール可能な6.2リットルの層流型反応器-1に3.24リットル/Hrで連続的に仕込み、温度を121℃/125℃/131℃に調整した。撹拌機の回転数は毎分70回転とした。反応器出口の反応率は26%であった。
続いて層流型反応器-1と直列に接続された撹拌機を備え、3ゾーンで温度コントロール可能な6.2リットルの層流型反応器-2に反応液を送った。撹拌機の撹拌数は毎分40回転とし、温度は136℃/140℃/144℃に設定した。続いて撹拌機を備え、3ゾーンで温度コントロール可能な6.2リットルの層流型反応器-3に反応液を送った。撹拌機の回転数は毎分10回転とし、温度は146℃/148℃/150℃に設定した。
重合反応器(層流型反応器-3)から連続して排出される重合体溶液を230℃に加熱した真空ベント付き押し出し機で、0.8kPaの減圧下、脱揮後ペレタイズしてペレット上状の組成物(PS-1)を作製した。
次いで、離型剤としてステアリン酸/ステアリン酸カルシウムの3:1の混合物をスチレン系樹脂組成物全体に対して0.25質量%となるように配合し、押出機で混錬して、実施例1のスチレン系樹脂組成物を製造した。また、当該スチレン系樹脂組成物のポリマーマトリックス相は、ポリスチレンを含有しており、当該ポリスチレンのSP値は、8.6(cal/cm3)1/2であった。
[実施例1]
(組成物(PS-1)の製造方法)
スチレン92.1質量%、エチルベンゼン6.0質量%、ポリブタジエンゴム(旭化成ケミカルズ社製ジエン55)3.2質量%、マルチエース20(S)(日清オイリオグループ株式会社製)0.8質量%を混合溶解した重合液を、撹拌機を備え、3ゾーンで温度コントロール可能な6.2リットルの層流型反応器-1に3.24リットル/Hrで連続的に仕込み、温度を121℃/125℃/131℃に調整した。撹拌機の回転数は毎分70回転とした。反応器出口の反応率は26%であった。
続いて層流型反応器-1と直列に接続された撹拌機を備え、3ゾーンで温度コントロール可能な6.2リットルの層流型反応器-2に反応液を送った。撹拌機の撹拌数は毎分40回転とし、温度は136℃/140℃/144℃に設定した。続いて撹拌機を備え、3ゾーンで温度コントロール可能な6.2リットルの層流型反応器-3に反応液を送った。撹拌機の回転数は毎分10回転とし、温度は146℃/148℃/150℃に設定した。
重合反応器(層流型反応器-3)から連続して排出される重合体溶液を230℃に加熱した真空ベント付き押し出し機で、0.8kPaの減圧下、脱揮後ペレタイズしてペレット上状の組成物(PS-1)を作製した。
次いで、離型剤としてステアリン酸/ステアリン酸カルシウムの3:1の混合物をスチレン系樹脂組成物全体に対して0.25質量%となるように配合し、押出機で混錬して、実施例1のスチレン系樹脂組成物を製造した。また、当該スチレン系樹脂組成物のポリマーマトリックス相は、ポリスチレンを含有しており、当該ポリスチレンのSP値は、8.6(cal/cm3)1/2であった。
[実施例2~36]
(組成物(PS-2)~(PS-35)及び(PS-44)の製造方法)
重合条件を表1-1の通り変更した以外は組成物(PS-1)と同様にして組成物(PS-2)~(PS-35)を製造した。実施例36のスチレン系樹脂組成物(組成物(PS-44))は、組成物(PS-36)を製造後、スチレン系樹脂組成物全体に対して、パーム油の含有量が3質量%であり、かつ離型剤としてステアリン酸/ステアリン酸カルシウムの3:1の混合物の含有量が0.25質量%となるように押出機で組成物(PS-36)と混錬して、製造した。
(組成物(PS-2)~(PS-35)及び(PS-44)の製造方法)
重合条件を表1-1の通り変更した以外は組成物(PS-1)と同様にして組成物(PS-2)~(PS-35)を製造した。実施例36のスチレン系樹脂組成物(組成物(PS-44))は、組成物(PS-36)を製造後、スチレン系樹脂組成物全体に対して、パーム油の含有量が3質量%であり、かつ離型剤としてステアリン酸/ステアリン酸カルシウムの3:1の混合物の含有量が0.25質量%となるように押出機で組成物(PS-36)と混錬して、製造した。
[比較例1~9]
<組成物(PS-36)~(PS-43)及び(PS-45)の製造方法>
重合条件を表1-2の通り変更した以外は組成物(PS-1)と同様にして組成物(PS-36)~(PS-43)を製造した。
比較例7のスチレン系樹脂組成物(組成物(PS-45))は、ポリ乳酸(PLA)の含有量がスチレン系樹脂組成物全体に対して3質量%となるよう組成物(PS-36)に添加し、離型剤としてステアリン酸/ステアリン酸カルシウムの3:1の混合物を添加して、二軸押し出し機で混錬して作製した。
<組成物(PS-36)~(PS-43)及び(PS-45)の製造方法>
重合条件を表1-2の通り変更した以外は組成物(PS-1)と同様にして組成物(PS-36)~(PS-43)を製造した。
比較例7のスチレン系樹脂組成物(組成物(PS-45))は、ポリ乳酸(PLA)の含有量がスチレン系樹脂組成物全体に対して3質量%となるよう組成物(PS-36)に添加し、離型剤としてステアリン酸/ステアリン酸カルシウムの3:1の混合物を添加して、二軸押し出し機で混錬して作製した。
本発明は、環境負荷の低減及びインジェクションブロー成形性に優れ、かつインジェクションブロー成形した際に、成形品の機械的強度に優れた、スチレン系樹脂組成物及び該スチレン系樹脂組成物からなるインジェクションブロー成形体を提供することである。当該スチレン系樹脂組成物から得られた成形体は、飲料容器等に好適に使用することができる。
Claims (6)
- スチレン系重合体(A-1)及び平均粒子径が0.9~7.0μmであるゴム状重合体粒子(A-2)を含むゴム変性スチレン系樹脂(A)と、バイオマス炭素比率(pMC%)が10%以上のバイオマス可塑剤(B)と、高級脂肪酸化合物(C)とを含有するスチレン系樹脂組成物であって、
スチレン系樹脂組成物全体(100質量%)に対して、
前記ゴム状重合体粒子(A-2)の含有量が10~30質量%であり、前記バイオマス可塑剤(B)の含有量が0.1~15質量%であり、前記高級脂肪酸化合物の含有量が0.02~2.5質量%である、スチレン系樹脂組成物。 - 前記バイオマス可塑剤(B)のSP値が7.4~10.5である、請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物。
- 前記スチレン系重合体(A-1)のSP値が7.0~11.0である、請求項1又は2に記載のスチレン系樹脂組成物。
- 前記スチレン系重合体(A-1)の重量平均分子量が14万~24万である、請求項1~3のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物。
- 前記スチレン系重合体(A-1)は、スチレン系樹脂組成物全体(100質量%)に対して65~99.88質量%含有し、かつ前記スチレン系重合体(A-1)の総量に対するスチレン系単量体単位の含有量が、50質量%以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物をインジェクションブロー成形して得られるインジェクションブロー成形品。
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