JP7769481B2 - 熱収縮性多層フィルム - Google Patents
熱収縮性多層フィルムInfo
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Description
基材1は、熱可塑性樹脂を含有している。熱可塑性樹脂としては、例えば、プロピレン系樹脂及び石油樹脂を含有することができる。以下、説明する。
プロピレン系樹脂としては、熱収縮性を発現する観点から、プロピレンを主成分として、α-オレフィンを共重合成分とする二元、又は、三元ランダム共重合体が好ましい。α-オレフィンとしては、具体的には、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン等からなるものが好ましく、2種類以上のα-オレフィンを含んでいても良い。共重合成分であるα-オレフィンの比率は1~10モル%であるのが好ましい。また、プロピレン系樹脂としては、異なるプロピレン-α-オレフィンランダム共重合体の混合物であってもよい。
石油樹脂はナフサの熱分解によって生成したC5留分やC9留分、あるいはこれらの混合物を重合して得られた樹脂、並びにこれらの水素添加物である。これらの中でも、フィルムの100℃以下における軟化を抑制したり、透明性や剛性を確保する観点より、一部または完全に水素化された脂環構造を有する、水添脂環族炭化水素樹脂が好ましい。また、C5留分やC9留分中の単一、または複数の成分を精製し重合したものであっても同じく使用することもできる。
基材1の厚みは、例えば、熱収縮性多層フィルム100全体を構成する樹脂の厚みに対して、50%以上、90%以下であることが好ましく、60%以上、84%以下であることがより好ましく、70%以上、80%以下であることがより好ましい。
中間層2は、主として環状オレフィン系樹脂及び石油樹脂を含有している。また、これに加え、エチレン系樹脂をさらに含有することができる。
環状オレフィン系樹脂は、熱収縮率を高めるとともに、熱収縮性多層フィルム100の製造時の延伸性も高めることができる。環状オレフィン系樹脂としては、環状オレフィンコポリマー(COC)が好ましい。環状オレフィンコポリマーは、例えばα―オレフィンと環状オレフィンとを共重合させることにより得られる。
エチレン系樹脂としては、分岐状低密度ポリエチレン樹脂や直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、またはこれらの混合物が挙げられる。また、エチレンとα-オレフィンとの共重合体が挙げられる。α-オレフィンとしては、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン等が挙げられる。上記共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。特に、中間層2は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含有することが好ましい。
石油樹脂としては、基材1の説明で既に述べたような石油樹脂を使用することができる。中間層2は、基材1と同じ石油樹脂を含有してもよく、異なった石油樹脂を含有してもよい。中間層2は、中間層2を構成する樹脂成分100質量%に対し、上記石油樹脂を5質量%以上、35質量%以下含有することが好ましく、10質量%以上、30質量%以下含有することがより好ましく、15質量%以上、25質量%以下含有することがさらに好ましい。
中間層2の厚みは、熱収縮性多層フィルム100全体を構成する樹脂の厚みに対して、例えば、5%以上、25%以下であることが好ましく、8%以上、20%以下であることがより好ましく、10%以上、15%以下であることがさらに好ましい。
表面層3は、熱可塑性樹脂を含有する。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂等、またはこれらの少なくとも1つを混合したものを用いることができる。また、表面層3は微粒子をさらに含有してもよい。このような微粒子が含まれることで、表面層3に凹凸を形成することができる。これにより、微粒子がアンチブロッキング剤として機能し、熱収縮性多層フィルム100のブロッキングの強度を低減することができる。以下、説明する。
スチレン系樹脂としては、例えば、スチレンブタジエン共重合体、水添スチレン系熱可塑性エラストマーを用いることができる。スチレン系樹脂の市販品としては、例えばクリアレン(デンカ社製)等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、特に限定されないが、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
エチレン系樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、分岐状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、または、これらの混合物が挙げられる。また、市販品としては、中間層の説明において既に例示したものが挙げられる。
環状オレフィン系樹脂の詳細については、上述したとおりである。表面層3に環状オレフィン系樹脂を用いると、光沢性が増し表面性状をよくすることができる。さらに、本実施形態では、中間層2も環状オレフィン系樹脂を含有するため、表面層3に環状オレフィン系樹脂を用いると、中間層2との層間接着強度が向上する。
表面層3に含有される微粒子は、有機系微粒子または無機系微粒子のいずれも用いることができる。有機系微粒子としては、アクリル系樹脂微粒子、スチレン系樹脂微粒子、スチレン―アクリル系樹脂微粒子、ウレタン系樹脂微粒子、シリコーン系樹脂微粒子等の有機系微粒子を用いることができる。これらは架橋されていても架橋されてなくてもよいが、微粒子の耐熱性を高めるために架橋されていることが望ましい。中でも上記環状オレフィン系樹脂との相溶性の観点からアクリル系樹脂微粒子が好ましく、ポリメタクリル酸メチル系架橋微粒子がさらに好ましい。また、上記有機系微粒子のうち、市販品としては、例えば、テクポリマー(積水化成品工業社製)、ファインスフェア(日本ペイント社製)、ガンツパール(アイカ工業社製)、アートパール(根上工業社製)等が挙げられる。
表面層3の厚みは、熱収縮性多層フィルム100全体を構成する樹脂の厚みに対して0.1%以上、10%以下であることが好ましく、0.3%以上、8%以下であることがより好ましく、0.5%以上、3%以下であることがさらに好ましい。表面層3の厚みを上記範囲とすることで、熱収縮性多層フィルム100の耐皮脂白化性を向上させることができる。
本発明の熱収縮性多層フィルム全体の厚みは、15μm以上、50μm以下であることが好ましく、20μm以上、45μm以下であることがより好ましく、25μm以上、40μm以下であることがさらに好ましい。
基材1、中間層2、及び表面層3は、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、蛍光増白剤、着色剤等の添加剤を含有してもよい。
熱収縮性多層フィルム100を70℃温水中に10秒間浸漬した後、20℃の水に10秒間浸漬し、取り出したときの主収縮方向(TD方向)の熱収縮率は、5%以上であることが好ましく、30%以下であることが好ましい。また、80℃温水中に10秒間浸漬した後、20℃の水に10秒間浸漬し、取り出したときの主収縮方向の熱収縮率は、30%以上であることが好ましく、60%以下であることが好ましい。また、90℃温水中に10秒間浸漬した後、20℃の水に10秒間浸漬し、取り出したときの主収縮方向の熱収縮率は、50%以上であることが好ましく、70%以下であることが好ましい。また、98℃温水中に10秒間浸漬した後、20℃の水に10秒間浸漬し、取り出したときの主収縮方向の熱収縮率は、60%以上であることが好ましく、80%以下であることが好ましい。
熱収縮性多層フィルム100は、これに限定されないが、例えば主収縮方向を周方向とする筒状に成形され、ペットボトル、金属罐等の容器に装着されるラベルまたは包装材のベースフィルムとして用いられ得る。このため、熱収縮性多層フィルム100には、容器に装着する際にラベルまたは包装材の筒状体が折れたり崩れたりしないように、一定の剛性が求められる。熱収縮性多層フィルム100の主収縮方向に直交する方向(MD方向)のヤング率は、1.3(GPa)を超えることが好ましい。また、熱収縮性多層フィルム100の主収縮方向のヤング率は、1.6(GPa)を超えることが好ましい。
熱収縮性多層フィルム100を製造する方法は特に限定されないが、共押出法により各層を同時に成形する方法が好ましい。上記共押出法がTダイによる共押出である場合、積層の方法は、フィードブロック方式、マルチマニホールド方式、又は、これらを併用した方法のいずれであってもよい。
熱収縮性多層フィルム100は、熱収縮性、剛性、透明性及び皮脂白化に対する耐性に優れる。このため、熱収縮性多層フィルム100の用途は特に限定されないが、例えば、ペットボトル、金属罐等の容器に装着される熱収縮性ラベル及び包装体のベースフィルムとして好適に用いられる。このような熱収縮性ラベルは、例えば印刷済みの熱収縮性多層フィルム100を適宜帯状にカットしたものとすることができる。この熱収縮性ラベルの両端部を重ね合わせた状態で溶剤によりシールし、筒状に形成したものを容器にかぶせ、シュリンクトンネルによって熱を加えると、熱収縮性ラベルが装着された容器が得られる。これに例示されるように、本開示に係る熱収縮性多層フィルムを含む熱収縮性ラベルもまた、本開示の1つである。
本実施形態の熱収縮性多層フィルム100によれば、表面層3の厚みが熱収縮性多層フィルム100全体を構成する樹脂の厚みに対して0.1%以上、10%以下であり、中間層2が石油樹脂を適量含む。これにより、人の手が接触した箇所が、皮脂によって熱収縮後に白化して外観に好ましくない影響を及ぼすことが抑制される。また、石油樹脂は、熱収縮性多層フィルムの靭性及び剛性を低下させる傾向にあるが、熱収縮性多層フィルム100は、中間層2が石油樹脂及び環状オレフィン系樹脂をそれぞれ適量含有しているため、全体としての靱性及び剛性を維持することができる。
以下の通り、実施例1~9及び比較例1~3に係る熱収縮性多層フィルムを作製した。実施例1~9及び比較例1~3は、図1に示す5層構造とした。
上記実施例1~9及び比較例1~3について、以下の評価を行った。
実施例1~9及び比較例1~3に係る熱収縮性多層フィルムから、同じ大きさのサンプルを切り出し、JIS K7136に基づいてヘイズ(%)を測定した。
皮脂相当物としてオレイン酸50質量%、パルミチン酸ステアリル40質量%、スクアレン10質量%からなる混合試薬を、熱収縮性多層フィルムから切り出したサンプルの表裏両面に塗布し、気温40℃で30分放置した。その後、JIS K7136に基づいてヘイズ(%)を測定し、混合試薬塗布前のヘイズと比較した。混合試薬塗布前のヘイズからの増加程度が少ないものを順にレベル1,レベル2,レベル3と評価した。つまり、レベル1は比較的高い耐皮脂白化性を有することを示し、レベル2は許容範囲の耐皮脂白化性を有することを示し、レベル3は耐皮脂白化性が基準に満たないことを示す。
実施例1~9及び比較例1~3に係る熱収縮性多層フィルムそれぞれの任意の箇所から、縦100mm×横100mm(フィルムのTD方向を縦方向、MD向を横方向とする)の大きさの測定用サンプルを3枚ずつ切り出した。それぞれの測定用サンプルを温水中に10秒間浸漬した後、20℃の水に10秒間浸漬した。水から取り出された後の測定用サンプルのTD方向の長さL1及びMD方向の長さL2を測定し、それぞれの方向についての熱収縮率を以下の式に従って算出し、3枚のサンプルの平均値を算出した。
熱収縮率(%)={(100-Ln)/100}×100 (n=1,2)
温水は、70℃、80℃、90℃、98℃の温水を用い、それぞれについて熱収縮率を算出した。
実施例1~9及び比較例1~3に係る熱収縮性多層フィルムのそれぞれの任意の箇所から、縦100mm×横100mm(フィルムのTD方向を縦方向、MD向を横方向とする)の大きさの測定用サンプルを切り出した。これらを40℃に調整した低温恒温器(IL-82 ヤマト科学社製)に7日間静置し、熱収縮率と同様に式に従って自然収縮率を算出した。
実施例1~9及び比較例1~3に係る熱収縮性多層フィルムのそれぞれの任意の箇所から、縦250mm×横5mm(フィルムのMD方向を縦方向、TD向を横方向とする)の大きさの測定用サンプル及び縦250mm×横5mm(フィルムのTD方向を縦方向、MD向を横方向とする)の大きさの測定用サンプルを切り出した。測定用サンプル及びストログラフ(VE-1D 東洋精機製作所社製)を用いて、ASTM D882に準拠し、MD方向及びTD方向のヤング率(GPa)をそれぞれ測定した。
実施例1~9及び比較例1~3に係る熱収縮性多層フィルムのそれぞれの任意の箇所から、縦40mm×横10mm(フィルムのMD方向を縦方向、TD向を横方向とする)の大きさの測定用サンプルを切り出した。測定用サンプルをストログラフ(VE-1D 東洋精機製作所社製)にセットし、JISK-6732に準拠し、引張破断伸度を測定した。測定時の気温は5℃、引張り速度は100mm/minであった。引張破断伸度(靱性)の評価は、100%以上で破断であれば「可」とし、100%未満で破断であれば「不可」とした。
実施例1~9及び比較例1~3に係る熱収縮性多層フィルムのそれぞれの任意の箇所から、縦100mm×横30mm(フィルムのTD方向を縦方向、MD向を横方向とする)の大きさの測定用サンプルを2枚ずつ切り出した。次に、2枚の測定用サンプルを、同一面同士が縦40mm×横30mmの面積で重なり合うようにした。続いて、この重なり合った測定用サンプルを2枚のガラス板で挟み、その上から、サンプルが重なり合っている部分に5kgのおもりを載せた。このようにセットされたサンプルを40℃の恒温槽の中に入れ、48時間放置した。その後、恒温槽より取り出したサンプルを、剥離試験器(Peeling TESTER HEIDON-17 新東科学株式会社製)にセットし、引張り速度200mm/minで180°に引っ張り、2枚のサンプルが剥離する剥離接着強度をブロッキングの強度とした。ブロッキングの強度の評価は、2000g/cm以下であれば「可」とし、2000g/cm超であれば「不可」とした。
実施例1~9及び比較例1~3に係る熱収縮性多層フィルムのそれぞれの任意の箇所から、縦100mm×横10mm(フィルムのTD方向を縦方向、MD向を横方向とする)の大きさの測定用サンプルを切り出した。測定用サンプルを剥離試験器(Peeling TESTER HEIDON-17 新東科学株式会社製)にセットし、引張り速度500mm/minで180度方向に剥離させたときの23℃での強度(N/10mm)を測定した。層間接着強度の評価は、層間剥離が基材と中間層との界面であれば「良好」、層間剥離が表面層と中間層との界面である場合は、0.20N/10mm以上を「可」とした。
評価結果は以下の通りである。
2 中間層
3 表面層
Claims (4)
- 第1面及び第2面を有し、熱可塑性樹脂を含有する基材と、
前記基材の第1面及び第2面の少なくとも一方に積層される中間層と、
前記中間層に積層され、環状オレフィン系樹脂を含有する表面層と、
を備え、
前記中間層は、50質量%以上、90質量%以下の環状オレフィン系樹脂、5質量%以上、35質量%以下の石油樹脂、及び30質量%以下のエチレン系樹脂を含有し、
前記表面層と前記中間層の環状オレフィン系樹脂とは、ガラス転移温度が同じであり、
前記表面層の厚みは、熱収縮性多層フィルム全体を構成する樹脂の厚みに対して10%以下である、
熱収縮性多層フィルム。 - 前記中間層は、10質量%以上、30質量%以下の前記石油樹脂を含有する、
請求項1に記載の熱収縮性多層フィルム。 - 前記基材の第1面及び第2面に前記中間層がそれぞれ積層され、
前記各中間層に、前記表面層がそれぞれ積層されている、
請求項1または2に記載の熱収縮性多層フィルム。 - 請求項1から3のいずれかに記載の熱収縮性多層フィルムを含む熱収縮性ラベル。
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