JP7763775B2 - 液晶部材および偏光レンズ - Google Patents
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Description
[1] 重合性基を有する液晶化合物が配向された状態で固定化された液晶層を備え、
液晶化合物が磁化率異方性を有し、
液晶層の厚み方向の両端の2つの主面のうち、少なくとも一方の主面は、凹形状、凸形状、および、凹凸形状のいずれかを有する非平坦面であり、
2つの主面それぞれの近傍の領域に存在する液晶化合物の遅相軸が平行である、液晶部材。
[2] 液晶化合物の磁化率異方性ΔXが|ΔX|≧1×10-8である、[1]に記載の液晶部材。
[3] 液晶層の厚さが10μm以上である、[1]または[2]に記載の液晶部材。
[4] 非平坦面が光軸を有し、光軸に直交する面を基準面とすると、2つの主面それぞれの近傍の領域に存在する液晶化合物の遅相軸は、基準面に平行である、[1]~[3]のいずれかに記載の液晶部材。
[5] 非平坦面がレンズ形状を有する、[1]~[4]のいずれかに記載の液晶部材。
[6] 液晶層の一方の主面側に配置される、光軸を有する光学部材を有し、
光学部材の光軸に直交する面を基準面とすると、2つの主面それぞれの近傍の領域に存在する液晶化合物の遅相軸は、基準面に平行である、[1]~[3]のいずれかに記載の液晶部材。
[7] 光学部材が光源である、[6]に記載の液晶部材。
[8] 液晶層の2つの主面のうち、一方が非平坦面であり、他方が平坦面であり、
平坦面である主面を基準面とすると、2つの主面それぞれの近傍の領域に存在する液晶化合物の遅相軸は、基準面に平行である、[1]~[3]のいずれかに記載の液晶部材。
[9] [1]~[8]のいずれかに記載の液晶部材を有する、偏光レンズ。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味で使用される。
本明細書において、「同じ」等は、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。
本発明の液晶部材は、
重合性基を有する液晶化合物と重合開始剤とを含む液晶組成物を配向した状態で重合して形成された液晶層を備え、
液晶化合物が磁化率異方性を有し、
液晶層の厚み方向の両端の2つの主面のうち、少なくとも一方の主面は、凹形状、凸形状、および、凹凸形状のいずれかを有する非平坦面であり、
2つの主面それぞれの近傍の領域に存在する液晶化合物の遅相軸が平行である、液晶部材である。
図1に示す例では、支持体30の液晶層36a側の面が曲面状の凹凸形状を有しており、この凹凸形状の面に接する液晶層36aの第2主面13aが曲面状の凹凸形状を有している。凹凸形状を有する第2主面13aは、本発明における非平坦面である。一方、液晶層36aの、支持体30とは反対側の第1主面11は、平坦面である。
図2に示す例では、液晶化合物40は棒状液晶化合物であり、液晶層36aの全域において、その遅相軸の方向が平坦面である第1主面11に平行で、図中左右方向に平行である。すなわち、図2中、破線で囲んだ、第1主面11近傍の第1の領域12に存在する液晶化合物40の遅相軸と、第2主面13a近傍の第2の領域14aに存在する液晶化合物40の遅相軸とは平行である。また、平坦面である第1主面11を基準面として、第1の領域12に存在する液晶化合物40の遅相軸、および、第2主面13a近傍の第2の領域14aに存在する液晶化合物40の遅相軸は、この基準面に平行である。なお、棒状液晶化合物において遅相軸は屈折率が最も高くなる軸である。棒状液晶化合物では、遅相軸は、棒形状の長軸方向に沿っている。
しかしながら、液晶層の界面(両主面)近傍の領域における液晶化合物の配向角度は、液晶層と隣接するものとの相互作用に影響される。そのため、凹凸形状を有する液晶層の場合には、液晶化合物を所定の方向に配向させても、凹凸形状を有する主面(非平坦面)近傍の領域では、凹凸形状の影響によって、例えば、液晶化合物は凹凸形状に沿って配向してしまう。また、液晶化合物の配向状態は近接する液晶化合物との間の相互作用に影響を受ける。そのため、非平坦面近傍の領域の液晶化合物の配向角度の影響が、この非平坦面から離れた位置に存在する液晶化合物の配向角度にも影響して、非平坦面から反対側の主面までの間で液晶化合物の配向角度が徐々に変化する。その結果、液晶層の所望の光学特性が得られなくなってしまうという問題があった。
偏光子および検光子をクロスニコルに配置し、その間に液晶層を挟んで、液晶層の配向状態を偏光顕微鏡で観察し、液晶層の面内の遅相軸角度を決定する。続いて、この遅相軸角度に沿って液晶層の断面の切片をとり、切片をステージに置き、視野範囲がおよそ50μm程度になるよう倍率を設定する。切片を回転させながら観察し、第1主面から1μmの位置、および、第2主面から1μmの位置について、後述する基準面に対する角度として決定する。これで消光角度が決定されるが、遅相軸の角度は消光角度に平行又は直交の2つの可能性が残るため、顕微鏡に鋭敏色板(530nm波長板)を挿入し、波長板の遅相軸と色味の関係から遅相軸の角度を決定する。
第1主面から1μmの位置における遅相軸の角度と第2主面から1μmの位置における遅相軸の角度とが一致していれば、すなわち、平行であれば、本発明に該当すると判定する。
まず、液晶化合物を含む液晶組成物を配向膜であらかじめ配向させ硬化した試料を用意する。これをSQUID(超電導量子干渉計)に、(1)外部磁界と遅相軸を平行に配置、および、(2)外部磁界と遅相軸を垂直に配置、の2通りの配置で外部磁界に応答して生じる磁気モーメントを測定し、試料体積で除した値を算出する。(1)の配置で測定した値と、(2)の配置で測定した値との差の絶対値を、磁化率異方性|ΔX|とする。
図5および図6に示す液晶層36bは、第1主面11が平坦面であり、第2主面13bが、断面が直角三角形状のマイクロプリズム列が図中矢印Dで示す方向に形成された非平坦面である。第2主面13bは、第1主面11に垂直な平面と、この平面とは異なる角度で傾斜した平面とを交互に組み合わせた凹凸形状ということができる。
なお、図5においては、第1主面11近傍および第2主面13bの近傍に存在する液晶化合物40のみを概念的に図示している。この点については、以下の図7、図9、図11についても同様である。
図7に示す液晶層36cは、第1主面11が平坦面であり、第2主面13cが、断面が二等辺三角形状のマイクロプリズム列が形成された非平坦面である。第2主面13cは、第1主面11に対して傾斜した平面と、この平面とは異なる角度で傾斜した平面とを交互に組み合わせた凹凸形状ということができる。
図8に示す液晶部材10dは、支持体30dと液晶層36dとを有する。
支持体30dは、一方の主面に略球冠状の凹部を有している。すなわち、支持体30dは凹レンズ形状を有するということができる。
図9に示す液晶部材10eは、支持体30eと液晶層36eとを有する。
支持体30eは、一方の主面に略球冠状の凸部を有している。すなわち、支持体30eは凸レンズ形状を有するということができる。
図10に示す液晶層36hは、第1主面11hが凹凸形状を有する非平坦面であり、また、第2主面13hが凹凸形状を有する非平坦面である。
このように液晶層の両方の主面が非平坦面であってもよい。
なお、図8および図9それぞれに示す例では、液晶層の非平坦面の光軸W1に直交する面と、液晶層の平坦面(第1主面)とは平行である。
なお、図8および図9それぞれに示す例では、支持体の主面の光軸W2に直交する面と、液晶層の平坦面(第1主面)とは平行である。
図11に液晶部材の他の一例を概念的に表す図を示す。
図11に示す液晶部材10iは、LED(light emitting diode)基板52とLED基板52上に所定の間隔で配列された複数のLED54とを有する光源50と、光源50の、LED54が配置された側の面に積層された液晶層36iとを有する。
図12に示す液晶部材10jは、光源50bと、光源50bの光を出射する側に配置された液晶層36jとを有する。
光源50bは、LED等の指向性を有する光を出射する光源である。
支持体30は、液晶層を支持するものである。
支持体30は、液晶層を支持できるものであれば、各種のシート状物(フィルム、板状物)が利用可能である。
支持体30の厚さは、1~1000μmが好ましく、3~250μmがより好ましく、5~150μmがさらに好ましい。
上述したように、液晶層は、重合性基を有する液晶化合物40を配向した液晶相を固定してなる液晶層であり、液晶化合物の遅相軸の向きが第1主面側の第1の領域と、第2主面側の第2領域とで平行である。
液晶層は、液晶化合物の遅相軸の向きを所定の方向に配向した液晶相を層状に固定して形成できる。
液晶相を固定した構造は、液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている構造であればよく、典型的には、重合性液晶化合物を所定の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、外場または外力によって配向形態に変化を生じさせることない状態に変化した構造が好ましい。
なお、液晶相を固定した構造においては、液晶相の光学的性質が保持されていれば十分であり、液晶層において、液晶化合物は液晶性を示さなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、液晶性を失っていてもよい。
以上の工程によって、少なくとも一方の主面が非平坦面で、2つの主面それぞれの近傍の領域に存在する前記液晶化合物の遅相軸が平行である液晶層を形成することができる。
ここで、液晶層の形成において、配向規制力は、多くの場合、ラビングや光配向などの配向膜によって2次元的に与えられる。しかしながら、配向膜によって配向規制が可能な厚みは高々10μmほどであり、これを超える厚みになると、配向角度に揺らぎが生じたり、配向欠陥が生じたりするため、所望の光学特性が得られないことがある。
これに対して、電場や磁場を用いることで、非接触でかつ厚みの制約を受けることなく液晶化合物の配向を3次元的に制御できることが知られている。その際、液晶化合物に求められる物性は、電場については誘電率異方性、磁場については磁化率異方性である。このうち、電場を用いる場合には、電極の配置や安定した電界の発生などの制約があるが、磁場を用いる場合は、永久磁石または電磁石の配置次第で、自由な方向に配向させることが可能である。
液晶層を形成するための液晶組成物は、重合性基を有する液晶化合物と重合開始剤とを含む。また、液晶組成物には、必要に応じて、架橋剤、界面活性剤、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、および、金属酸化物微粒子等を、光学的性能等を低下させない範囲で添加することができる。
重合性基を有する液晶化合物としては、棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物を用いることができる。
重合性基を有する棒状液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、および、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類等が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、米国特許第5622648号明細書、米国特許第5770107号明細書、国際公開第95/22586号、国際公開第95/24455号、国際公開第97/00600号、国際公開第98/23580号、国際公開第98/52905号、特開平1-272551号公報、特開平6-16616号公報、特開平7-110469号公報、特開平11-80081号公報、および、特開2001-328973号公報等に記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007-108732号公報や特開2010-244038号公報に記載のものを好ましく用いることができる。
重合開始剤は、光重合開始剤および熱重合開始剤のいずれも用いることができる。
紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であるのが好ましい。
光重合開始剤の例には、α-カルボニル化合物(米国特許第2367661号、米国特許第2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α-炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、米国特許第2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60-105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)、ならびに、オキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、液晶化合物の含有量に対して0.1~20質量%であるのが好ましく、0.5~12質量%であるのがさらに好ましい。
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、および、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレートおよびエチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2-ビスヒドロキシメチルブタノール-トリス[3-(1-アジリジニル)プロピオネート]および4,4-ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネートおよびビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ならびに、ビニルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、液晶組成物の固形分質量に対して、3~20質量%が好ましく、5~15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲内であれば、架橋密度向上の効果が得られやすく、液晶相の安定性がより向上する。
液晶層を形成する際に用いる液晶組成物は、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤は、安定的に、または迅速に、液晶化合物の配向に寄与する配向制御剤として機能できる化合物が好ましい。界面活性剤としては、例えば、シリコ-ン系界面活性剤およびフッ素系界面活性剤が挙げられ、フッ素系界面活性剤が好ましく例示される。
なお、界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤として、特開2014-119605号公報の段落[0082]~[0090]に記載の化合物が好ましい。
液晶組成物は溶媒を含んでいてもよい。溶媒には、制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましい。
有機溶媒には、制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、および、エーテル類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が好ましい。
以下、液晶部材の用途について例示する。
図8、図9および図12に示す例のように、液晶層の主面がレンズ形状を有する場合には、その形状によって集光レンズあるいは発散レンズとしての光学的機能を発現する。また、例えば、液晶化合物がこのレンズ形状の光軸に直交する基準面に対して平行に配列されることで、液晶層は遅相軸と進相軸を有する異方性層となるが、支持体と液晶層の進相軸方向の屈折率を略同じ屈折率とすることで、進相軸方向の偏光に対しては光学的な作用を起こさず、遅相軸方向の偏光に対してレンズとしての機能を発現させることができる。これにより、液晶部材は、特定の偏光方向の光に対して集光レンズあるいは発散レンズとして作用する偏光レンズとして機能する。
<液晶部材の作製>
(液晶組成物の調製)
下記重合性液晶モノマー1(NLO-2224)に、オキシムエステル化合物系の下記光重合開始剤(Irgacure OXE01、BASF社製)を対液晶モノマー重量比率0.01重量%で添加し、メチルエチルケトンで溶解し、固形分濃度36vol%の溶液とし、液晶組成物を調製した。重合性液晶モノマー1は、磁化率異方性|ΔX|が1×10-8の磁化率異方性を有する液晶化合物である。なお、磁化率異方性は上記方法で測定した。
次に、支持体として、図13に示すような1辺50mmの正方形の中央に、直径25mm、深さ1mmの球面レンズ形状の凹部が配置された青板ガラス基材を準備し、この青板ガラス基材の凹部側表面に、上記液晶組成物をスピンコート法により塗布し、80℃の空気下にて2分間置き、溶媒を乾燥させた。レンズ形状の凹部が固形分で満たされるまで塗布、乾燥を繰り返し、塗膜を形成した。このとき、塗膜の持つ2つの主面のうち、空気界面側の主面が液晶層の第1主面であり、支持体側の主面が液晶層の第2主面となる。
以上により、図13および図14に示すような支持体および液晶層を有する液晶部材を作製した。図14は、図13のAの破線で示す断面図である。
磁場を印加する方向が第1主面に対してなす角度を45°とした以外は、実施例1と同様にして液晶部材を作製した。
液晶化合物として、磁化率異方性が|ΔX|が1×10-10の磁化率異方性を有さない液晶化合物(下記重合性液晶モノマー2)を用いた以外は、実施例1と同様にして液晶部材を作製した。
支持体に液晶組成物を塗布した後、磁場を印加せずに、紫外性を照射して重合させた以外は、実施例1と同様にして液晶部材を作製した。
印加する磁場強度を0.5Tとした以外は、実施例1と同様にして液晶部材を作製した。
<配向角度>
作製した液晶部材を、偏光子および検光子をクロスニコルに配置した中に挟んで、偏光顕微鏡(ECLIPSE LV100 POL ニコン株式会社製)で観察し、液晶層の面内の遅相軸の角度を決定した。続いて、この遅相軸角度に沿って液晶層の断面の切片をとり(図15参照)、ステージに置き、視野範囲がおよそ50μm程度になるよう倍率を設定した。試料を回転させながら観察し、第1主面近傍の第1の領域(図16参照)、および、第2主面近傍の第2の領域(図17参照)のそれぞれの複数個所で視野径1μmの領域における透過光量が最小となるステージ角度を、第1主面(基準面)に対する角度として決定した。これで消光角度が決定できたが、これだけでは、遅相軸の角度は消光角度に平行又は直交の2つの可能性が残るため、顕微鏡に鋭敏色板(530nm波長板)を挿入し、波長板の遅相軸と色味の関係から遅相軸の方向を決定した。なお、図16は、図15のBで示す領域の拡大図であり、図17は、図15のCで示す領域の拡大図である。
作製した液晶部材を偏光レンズとして用いた場合の結像性能を以下のようにして評価した。
図18に示すように作製した液晶部材をIPS(In Plane Switching)パネルディスプレイ(DELL社製SE2416H)60の50cm前方に配置し、ディスプレイ60に表示された画像の結像状態を目視にて評価した。なお、ディスプレイ60から出射される光の偏光方向と、液晶層の遅相軸方向とが平行になるように液晶部材を配置した。
ボケや歪みなく結像した場合をA、ボケや歪みが生じたり、レンズとしての拡大/縮小機能を果たさなかったりした場合をBと評価した。
結果を表1に示す。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
11、11h、11j 第1主面
12 第1の領域
13、13a~13j 第2主面
14、14a、14d、14f、14g、14h 第2の領域
30 支持体
36、36a~36j 液晶層
40 液晶化合物
50、50b 光源
52 LED基板
54 LED
60 液晶パネル
110 従来の液晶部材(光学素子)
111 第1主面
112 第1の領域
113 第2主面
114 第2の領域
W1、W2、W3 光軸
A 断面
B、C 領域
D 配列方向
Claims (9)
- 重合性基を有する液晶化合物が配向された状態で固定化された液晶層を備え、
前記液晶化合物が磁化率異方性を有し、
前記液晶層の厚み方向の両端の2つの主面のうち、少なくとも一方の主面は、凹凸形状を有する非平坦面であり、
面内方向において、前記液晶化合物の遅相軸が、前記凹凸形状の凹部および凸部の配列方向と平行に配列されており、
前記2つの主面それぞれの近傍の領域に存在する前記液晶化合物の遅相軸が平行である、液晶部材。 - 前記液晶化合物の磁化率異方性ΔXが|ΔX|≧1×10-8である、請求項1に記載の液晶部材。
- 前記液晶層の厚さが10μm以上である、請求項1または2に記載の液晶部材。
- 前記非平坦面が光軸を有し、前記光軸に直交する面を基準面とすると、前記2つの主面それぞれの近傍の領域に存在する前記液晶化合物の遅相軸は、前記基準面に平行である、請求項1~3のいずれか一項に記載の液晶部材。
- 前記非平坦面がレンズ形状を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の液晶部材。
- 前記液晶層の一方の主面側に配置される、光軸を有する光学部材を有し、
前記光学部材の光軸に直交する面を基準面とすると、前記2つの主面それぞれの近傍の領域に存在する前記液晶化合物の遅相軸は、前記基準面に平行である、請求項1~3のいずれか一項に記載の液晶部材。 - 前記光学部材が光源である、請求項6に記載の液晶部材。
- 前記液晶層の2つの主面のうち、一方が前記非平坦面であり、他方が平坦面であり、
平坦面である前記主面を基準面とすると、前記2つの主面それぞれの近傍の領域に存在する前記液晶化合物の遅相軸は、前記基準面に平行である、請求項1~3のいずれか一項に記載の液晶部材。 - 請求項1~8のいずれか一項に記載の液晶部材を有する、偏光レンズ。
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