JP7762265B2 - 発酵ビールテイスト飲料及びその製造方法 - Google Patents
発酵ビールテイスト飲料及びその製造方法Info
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Description
第391頁、下から第15~13行、要約
「GC-MSの技術を使用して、淡色麦芽及び濃色麦芽中のパンのような芳香特性及び非常に低い風味閾値をする数種類の化合物を初めて同定した。」。
「麦芽を焙燥するかまたは麦汁を煮沸する場合、・・・[中略]・・・今までにまだ知られていない焙煎したような、ポップコーンのような、パンのような芳香を有する化合物が生じる。パンのような芳香特性を有する香気物質は、ビールにとって中心的な重要性がある。この香気物質は麦芽中の芳香の主成分であるが、この香気物質は、加熱殺菌された、高温環境で貯蔵した及び劣化したビールにおける悪い芳香の原因となることがある。」
「パンのような悪い芳香成分は、特に、ビールに熱負荷をかけるかまたはビールを不適切に輸送しかつ貯蔵した場合に検出される。高すぎる温度及び長すぎる作用時間での加熱殺菌の場合に、特に際立った「オフフレーバー」の印象が感じられる。図11は、典型的なパンのような悪い芳香を示す「過剰加熱殺菌された」ビールのガスクロマトグラムを示す。特性決定されたプロリン誘導体とほとんど同等の保持時間を示す、官能特性を有するいくつかのクロマトグラム部分が生じることが認められる。分取GC、キャピラリー-GC-NSD及びキャピラリー-GC-MSを用いて、4種の2-アセチルテトラヒドロピリジンを示準成分として特性決定することができた。」
該シトロネロールの濃度が5.0μg/l以上であり、
該2-アセチルテトラヒドロピリジン化合物の濃度が3.0μg/l以上である、発酵ビールテイスト飲料を提供する。
該シトロネロールの濃度を5.0μg/l以上に調節する工程、及び
該2-アセチルテトラヒドロピリジン化合物の濃度を3.0μg/l以上に調節する工程を包含する、発酵ビールテイスト飲料の製造方法を提供する。
本発明のビールテイスト飲料に含まれるシトロネロール(β-シトロネロール)は、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オールとも称される化合物であり、(+)-シトロネロール又は(-)-シトロネロールであってもよく、これらの混合物(異性体混合物)であってもよい。シトロネロールは柑橘系の香味を呈し、ビールテイスト飲料においてはアルコール刺激臭味に対するマスク効果や爽快な香りをもたらすなどの効果を発揮する。また、本発明で用いられるシトロネロールは天然物から単離又は抽出されたもの、食品化学的に許容される手法によって化学合成されたもの、シトロネロールを含有する原料に由来するもの、製造工程において、シトロネロールに変換される前駆体を含有する原料に由来するもの、のいずれであってもよい。
本発明のビールテイスト飲料に含まれる2-アセチル-3,4,5,6-テトラヒドロピリジンは、互変異性体として2-アセチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリジンを有する。したがって、2-アセチル-3,4,5,6-テトラヒドロピリジンをビールテイスト飲料に添加した場合、ビールテイスト飲料には、一般に、2-アセチル-3,4,5,6-テトラヒドロピリジン及び2-アセチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリジンが両方とも含有される。それらの存在比率は、周囲のpH環境等に依存して決定される。
本発明の発酵ビールテイスト飲料に含まれてよいリナロールは、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オールとも称される化合物であり、モノテルペンアルコールの一種である。リナロールは、スズラン様のさわやかな甘い香りを有する成分であり、ビールテイスト飲料においてはキレを良くする効果を発揮する。本発明で用いられるリナロールは天然物から単離又は抽出されたもの、食品化学的に許容される手法によって化学合成されたもの、リナロールを含有する原料に由来するもの、製造工程において、リナロールに変換される前駆体を含有する原料に由来するもの、のいずれであってもよい。リナロールを含有する原料としては、ホップ、ホップエキス、ホップ香料などが挙げられる。本発明の発酵ビールテイスト飲料に含まれるリナロールは、香料として市販されているリナロールを添加したものであってもよい。
本発明の発酵ビールテイスト飲料に、さらにスピリッツを含有させることもできる。スピリッツは、一般に、発酵ビールテイスト飲料のアルコール濃度を高める必要がある場合に、発酵ビールテイスト飲料に含有させる。スピリッツは、麦、米、そば、とうもろこし等の穀物を原料として、麦芽または必要により酵素剤を用いて糖化し、酵母を用いて発酵させた後、更に蒸留して得られる酒類であってよい。スピリッツは醸造用アルコールであってもよい。このときスピリッツの含有率は、香味に大きな影響を与えない程度に、1vol%以下、好ましくは0.5vol%以下である。
本発明の発酵ビールテイスト飲料は、デンプン質原料を加熱及び糖化して糖液を得、これにホップを添加し、酵母で発酵させることで製造される。製造方法の具体例を以下に説明する。
[ビールテイスト飲料の製造]
原料として麦芽の粉砕物を用意した。また、副原料として、米、コーンスターチ、大麦を用意した。原料と副原料とを混合し、麦芽使用比率70%のデンプン質原料を調製した。デンプン質原料に温水を加えて、加温し、原料を糖化させた。得られた糖化液を濾過し、煮沸釜において煮沸することで麦汁を得た。煮沸後、麦汁を沈殿槽(ワールプール等と呼ばれる)に移送し、ホップ粕等の沈殿物を除去した。沈殿物の除去後、熱交換器(プレートクーラー)により、適切な発酵温度にまで冷却した。冷却後、麦汁に酵母を接種して発酵させた。発酵後、濾過を行い、発酵ビールテイスト飲料を得た。
糖質の測定は公知の方法に従って行うことができ、当該試料の質量から、水分、タンパ
ク質、脂質、灰分及び食物繊維量を除いて算出する方法(食品表示基準(令和2年7月16日消食表第270号)参照)に従って行った。
発酵ビールテイスト飲料に、内部標準としてd5-Linaloolを20ppbになるように添加した後、10倍希釈した。得られた希釈サンプル15mlを30mL容バイアルに分取した。47μLのPDMS(ポリジメチルシロキサン)でコーティングした攪拌枝「Twister」(商品名)(長さ:20mm、Gerstel社製)を当該バイアルに入れ、蓋を締め、40℃で2時間攪拌し、攪拌枝にホップ香気成分を吸着させた。
20gのビールテイスト飲料に50μLの内部標準溶液(4μg/mLのATHP安定同位体)及び、200μLのギ酸及び10mLの蒸留水を加え、OASIS MCX 500mg/6ml(Waters)へ負荷した。
デンプン質原料の麦芽使用率を50%に調節することと、ホップの使用量を減らすこと以外は参考例1と同様にして、発酵ビールテイスト飲料を得、スペックの分析を行った。糖質濃度は1.5g/100ml、リナロールの濃度は20μg/l、シトロネロール濃度は3μg/l、ATHPの濃度は2μg/lであった。
参考例1-2よりもホップの使用量を増やしてリナロールの濃度を33μg/lに、シトロネロール濃度を5μg/lに増加させた。
比較例1の発酵ビールテイスト飲料にATHPを添加することでATHP濃度を、それぞれ、3μg/l、5μg/l、及び10μg/lに増加させた。
実施例1-1よりもさらにホップの使用量を増やしてリナロールの濃度を67μg/lに、シトロネロール濃度を10μg/lに増加させた。
実施例1-2の発酵ビールテイスト飲料にATHPを添加することでATHP濃度を、それぞれ、5μg/l、10μg/l、及び100μg/lに増加させた。
評点
4:とても弱い
3:弱い
2:強い
1:とても強い
評点
4:とても強い
3:強い
2:弱い
1:とても弱い
評点
4:とても弱い
3:弱い
2:強い
1:とても強い
デンプン質原料の麦芽使用率を24%に調節することと、ホップの使用量を減らすこと以外は参考例1と同様にして、発酵ビールテイスト飲料を得、スペックの分析を行った。糖質濃度は0g/100ml、リナロールの濃度は20μg/l、シトロネロール濃度は3μg/l、ATHPの濃度は1μg/lであった。
参考例2-2よりもホップの使用量を増やしてリナロールの濃度を33μg/lに、シトロネロール濃度を5μg/lに増加させた。
比較例2の発酵ビールテイスト飲料にATHPを添加することでATHP濃度を、それぞれ、3μg/l、5μg/l、及び10μg/lに増加させた。
実施例2-1よりもさらにホップの使用量を増やしてリナロールの濃度を67μg/lに、シトロネロール濃度を10μg/lに増加させた。
実施例2-2の発酵ビールテイスト飲料にATHPを添加することでATHP濃度を、それぞれ、5μg/l、10μg/l、及び100μg/lに増加させた。
デンプン質原料の麦芽使用率を10%に調節することと、ホップの使用量を減らすこと以外は参考例1と同様にして、発酵ビールテイスト飲料を得、スペックの分析を行った。糖質濃度は0g/100ml、リナロールの濃度は20μg/l、シトロネロール濃度は3μg/l、ATHPの濃度は0.5μg/lであった。
参考例3-2よりもホップの使用量を増やしてリナロールの濃度を33μg/lに、シトロネロール濃度を5μg/lに増加させた。
比較例3の発酵ビールテイスト飲料にATHPを添加することでATHP濃度を、それぞれ、3μg/l、5μg/l、及び10μg/lに増加させた。
実施例3-1よりもさらにホップの使用量を増やしてリナロールの濃度を67μg/lに、シトロネロール濃度を10μg/lに増加させた。
実施例3-2の発酵ビールテイスト飲料にATHPを添加することでATHP濃度を、それぞれ、5μg/l、10μg/l、及び100μg/lに増加させた。
Claims (8)
- シトロネロール、並びに2-アセチル-3,4,5,6-テトラヒドロピリジン及びその互変異性体である2-アセチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリジンから成る群から選択される少なくとも一種の2-アセチルテトラヒドロピリジン化合物を含む発酵ビールテイスト飲料であって、
該シトロネロールの濃度が5.0μg/l以上20.0μg/l以下であり、
該2-アセチルテトラヒドロピリジン化合物の濃度が3.0μg/l以上40.0μg/l以下であり、
前記2-アセチルテトラヒドロピリジン化合物の濃度(μg/l)と麦芽使用比率(%)との比率が0.08以上2.00以下である、発酵ビールテイスト飲料。 - 前記2-アセチルテトラヒドロピリジン化合物の濃度が3.0μg/l以上20.0μg/l以下である、請求項1に記載の発酵ビールテイスト飲料。
- リナロールを含み、シトロネロールの濃度とリナロールの濃度との比率が、0.1~0.5である、請求項1又は2に記載の発酵ビールテイスト飲料。
- 前記シトロネロールが、ホップ、ホップエキス及びホップ香料から成る群から選択される少なくとも一種に由来する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発酵ビールテイスト飲料。
- 前記2-アセチルテトラヒドロピリジン化合物は、添加された香料に由来するものである、請求項1~4のいずれか一項に記載の発酵ビールテイスト飲料。
- 糖質含有量が3.0g/100ml以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の発酵ビールテイスト飲料。
- スピリッツを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の発酵ビールテイスト飲料。
- シトロネロール、及び2-アセチル-3,4,5,6-テトラヒドロピリジン及びその互変異性体である2-アセチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリジンから成る群から選択される少なくとも一種の2-アセチルテトラヒドロピリジン化合物を含む発酵ビールテイスト飲料の製造方法であって、
該シトロネロールの濃度を5.0μg/l以上20.0μg/l以下に調節する工程、
該2-アセチルテトラヒドロピリジン化合物の濃度を3.0μg/l以上40.0μg/l以下に調節する工程、及び
前記2-アセチルテトラヒドロピリジン化合物の濃度(μg/l)と麦芽使用比率(%)との比率を0.08以上2.00以下に調節する工程を包含する、発酵ビールテイスト飲料の製造方法。
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