JP2009028007A - 麦芽アルコール飲料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】麦芽と大麦を原料とし、最終発酵度を87%以下とすることを特徴とする麦芽アルコール飲料の製造方法、酵母に資化される糖質の供給源となる原料が、麦芽と大麦のみであることを特徴とする麦芽アルコール飲料の製造方法、原料中の大麦の使用比率が、麦芽の使用比率以上であることを特徴とする麦芽アルコール飲料の製造方法、最終発酵度を、80〜87%とすることを特徴とする麦芽アルコール飲料の製造方法、原料として、さらにアルコール含有蒸留液を用いることを特徴とする麦芽アルコール飲料の製造方法、及び、該製造方法により製造した麦芽アルコール飲料。
【選択図】なし
Description
そもそもこのような渋味や雑味は、大麦に多量に含まれているポリフェノール等の渋味成分や雑味成分によるものであり、原料として使用する大麦量が多くなればなるほど、糖化工程や発酵工程において、大麦から溶出して製品中に移行してしまう渋味成分や雑味成分が多くなり、麦芽アルコール飲料に渋味や雑味が付与され易くなると考えられている。
したがって、例えば、麦芽の使用比率が低い麦芽アルコール飲料において、液糖等の発酵性の良好な副原料を併用して大麦の使用比率を抑えることにより、渋味や雑味等を抑えることができる。しかしながら、この場合には、不足している麦芽感を補うことができず、香味を改善することは困難である。
また、本発明は、酵母に資化される糖質の供給源となる原料が、麦芽と大麦のみであることを特徴とする麦芽アルコール飲料の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、原料中の大麦の使用比率が、麦芽の使用比率以上であることを特徴とする麦芽アルコール飲料の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、最終発酵度を、80〜87%とすることを特徴とする麦芽アルコール飲料の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、原料として、さらにアルコール含有蒸留液を用いることを特徴とする麦芽アルコール飲料の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前記いずれか記載の麦芽アルコール飲料の製造方法によって製造された麦芽アルコール飲料を提供するものである。
まず、製麦工程として、収穫された麦を、水に浸けて適度に発芽させた後、熱風により焙燥して、麦芽を製造する。該麦芽は常法により破砕してもよい。
次に、糖化工程として、主原料である麦芽と、副原料である麦芽以外の澱粉質から麦汁を調製する。まず、麦芽の破砕物、大麦等の副原料、及び温水を仕込槽に加えて混合してマイシェを調製する。マイシェの調製は、常法により行うことができ、例えば、35〜50℃で20〜90分間保持することにより行うことができる。また、必要に応じて、主原料と副原料以外にも、後述する糖化酵素やプロテアーゼ等の酵素剤や、スパイスやハーブ類等の香味成分等を添加してもよい。その後、該マイシェを徐々に昇温して所定の温度で一定期間保持することにより、麦芽由来の酵素やマイシェに添加した酵素を利用して、澱粉質を糖化させる。糖化処理時の温度や時間は、用いる酵素の種類やマイシェの量、目的とする麦芽アルコール飲料の品質等を考慮して、適宜決定することができ、例えば、60〜72℃にて30〜90分間保持することにより行うことができる。糖化処理後、76〜78℃で10分間程度保持した後、マイシェを麦汁濾過槽にて濾過することにより、透明な麦汁を得る。その他、麦芽の一部、大麦の一部又は全部、及び温水を仕込釜に加えて混合して調製したマイシェを、糖化処理した後、前述の仕込槽で糖化させたマイシェと混合したものを、麦汁濾過槽にて濾過することにより麦汁を得てもよい。
式(1) 最終発酵度(%)= {(S−F)/S}×100
なお、エキスとは、麦汁や麦芽アルコール飲料に含まれている液部に溶出している可溶性蒸発残渣となる固形分の量若しくは濃度であり、通常は重量%で表わされる。一般には、試料液の比重(20℃/20℃)を種々の方法で測定し、これから換算表(プラトーのエキス表)又は換算式を用いて、シュークロース相当量(同じ比重のシュークロース水溶液のシュークロース重量%)として求められる。
つまり、最終発酵度が高くなりすぎると、マスキング成分が糖化されてしまい、渋味等が強く感じられるようになると推察される。但し、後記表1からも明らかであるように、渋味等は、最終発酵度の増大に伴い直線的に強くなるのではなく、最終発酵度が87%以下であれば、最終発酵度にかかわらずほとんど感じられないが、最終発酵度が87%を超えると急激に強くなる。このことから、渋味成分等のマスキング効果を得るためには、麦芽アルコール飲料中のマスキング成分の濃度が一定量以上であることが重要であり、このために最終発酵度が87%以下であることが必要であると推察される。
仕込槽、濾過槽、煮沸釜、ワールプール、プレートクーラー、200Lの発酵タンクからなる200Lスケール醸造設備において、一般的な製造方法で発泡酒を製造した。なお、仕込槽と煮沸釜は、蒸気ジャケットを用いて温度パターンを自由に設定することができる上、攪拌機で内部溶液の温度分布を一定に保つことができるものである。また、濾過槽は、堆積した麦芽層を均一にする解槽機とステンレス製の篩からなっている。
まず、仕込槽に、粉砕した麦芽50kgと大麦50kgと温水を投入して、マイシェを調製した。該マイシェにさらに糖化酵素、プロテアーゼ、β−グルカナーゼを添加した後、60〜72℃にて糖化させる。糖化処理後のマイシェを、濾過槽を用いて濾過することにより、麦芽粕と麦汁に分離した。得られた麦汁を煮沸釜に投入し、ホップ50gを添加して煮沸した後、ワールプールでタンパク質等の粕を除去する。その後、該麦汁をプレートクーラーにより8℃まで冷却した後、プラインコントロールによって温度制御ができる200L発酵タンクに移した。200L発酵タンク中の麦汁に泥状酵母を加え、6〜12℃で発酵させた後、−1℃にして貯酒を行った。得られた発酵液を濾過して酵母を取り除き、目的の麦芽アルコール飲料である発泡酒(アルコール度5%程度)を製造した。仕込槽における酵素使用量及び糖化条件を調整することにより、最終発酵度の異なる4種類の発泡酒を得ることができた。
発泡酒の物理化学分析は、ビール分析の国際基準とされているEBC(European Brewery Convention)のAnalytica−EBC標準法に準じて行った。具体的には、各発泡酒の最終発酵度、原麦汁エキス、ポリフェノール量、苦味価、FAN(遊離アミノ態窒素)、pHについて分析した。
官能検査は、訓練された10名のパネリストで行い、味わい、軽快感、渋・雑味の強さについて評価した。評価基準は1から5までの5段階とし、ほとんど感じなければ1、非常に強く感じれば5として評価した。
最終発酵度が低い発泡酒1は、渋味や雑味を感じず、非常に味わい(麦芽感)深いが、その一方で、発泡酒の特徴であるすっきり感が失われていた。最終発酵度の高い発泡酒4は、すっきり軽快な味感となっている一方で、渋味、雑味を強く感じるパネリストが多いことがわかった。発泡酒2と3は、渋味や雑味をほとんど感じることなく、味わい(麦芽感)と軽快さを持ち合わせたバランスの取れたものであった。麦芽感と軽快さのバランスの境界値は、発泡酒1と2の間、及び発泡酒3と4の間にあり、その代用特性値として最終発酵度を適用し得ることが分かった。
すなわち、本実施例の結果から、麦芽と大麦を原料とし、大麦の使用比率が麦芽の使用比率以上である場合に、最終発酵度を87%以下とすることにより、充分な麦芽感を有し、渋味や雑味が抑えられた麦芽アルコール飲料を製造し得ること、及び、最終発酵度を80〜87%とすることにより、渋味や雑味が少なく、麦芽感と軽快さを持ち合わせたバランスのよい麦芽アルコール飲料を製造し得ることが明らかである。
Claims (6)
- 麦芽と大麦を原料とし、最終発酵度を87%以下とすることを特徴とする麦芽アルコール飲料の製造方法。
- 酵母に資化される糖質の供給源となる原料が、麦芽と大麦のみであることを特徴とする、請求項1記載の麦芽アルコール飲料の製造方法。
- 原料中の大麦の使用比率が、麦芽の使用比率以上であることを特徴とする、請求項1又は2記載の麦芽アルコール飲料の製造方法。
- 最終発酵度を、80〜87%とすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか記載の麦芽アルコール飲料の製造方法。
- 原料として、さらにアルコール含有蒸留液を用いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか記載の麦芽アルコール飲料の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか記載の麦芽アルコール飲料の製造方法によって製造された麦芽アルコール飲料。
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