JP7758165B2 - 熱間プレス部材 - Google Patents
熱間プレス部材Info
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- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21D—WORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21D22/00—Shaping without cutting, by stamping, spinning, or deep-drawing
- B21D22/20—Deep-drawing
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Description
前記被覆層は、FeAl合金相とZn相とを含み、
25℃の空気飽和した0.5質量%NaCl水溶液中における自然浸漬電位が、銀-塩化銀-飽和塩化カリウム電極基準で-1100~-900mVである、熱間プレス部材。
本発明の一実施形態における熱間プレス部材は、鋼材と、前記鋼材の少なくとも一方の面の上の被覆層とを有する。前記被覆層は、FeAl合金相とZn相とを含む。そして、本実施形態の熱間プレス部材は、25℃の空気飽和した0.5質量%NaCl水溶液中における自然浸漬電位が、銀-塩化銀-飽和塩化カリウム電極基準で-1100~-900mVである。
本発明では、後述するように被覆層の成分と自然浸漬電位を制御することにより上記課題を解決している。したがって、母材となる鋼材としては特に限定されることなく任意の鋼材を用いることができる。
C :0.1~0.5%、
Si:0.1~2.0%、
Mn:0.1~5.0%、
P :0.02%以下、
S :0.01%以下、
Al:0.1%以下、および
N :0.01%以下を含有し、
残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成。
Nb:0.05%以下、
Ti:0.05%以下、
B :0.0050%以下、
Cr:1.0%以下、および
Sb:0.03%以下
からなる群より選択される少なくとも1つを含有することができる。
Cは、マルテンサイトなどの組織を形成させることで強度を向上させる作用を有する元素である。1000MPa級を超える強度を得るという観点からは、C含有量を0.1%以上とすることが好ましい。一方、C含有量が0.5%を超えると、スポット溶接部の靱性が劣化する。したがって、C含有量は0.5%以下とすることが好ましい。
Siは、鋼を強化して良好な材質を得るために有効な元素である。前記効果を得るために、Si含有量を0.1%以上とすることが好ましい。一方、Si含有量が2.0%を超えるとフェライトが安定化されるため、焼き入れ性が低下する。そのため、Si含有量は2.0%以下とすることが好ましい。
Mnは、鋼の高強度化に有効な元素である。優れた機械特性と強度を確保するという観点からは、Mn含有量を0.1%以上とすることが好ましい。一方、Mn含有量が過剰であると焼鈍時の表面濃化が増加し、鋼材に対する被覆層の密着性に影響を及ぼす。そのため、被覆層の密着性を向上させるという観点からは、Mn含有量を5.0%以下とすることが好ましい。
P含有量が過剰であると、鋳造時のオーステナイト粒界へのP偏析に伴う粒界脆化により、局部延性が劣化する。そしてその結果、鋼材の強度と延性のバランスが低下する。そのため、鋼材の強度と延性のバランスを向上させるという観点からは、P含有量を0.02%以下とすることが好ましい。一方、P含有量の下限についてはとくに限定されず、0%であってよい。しかし、過度の低減は製造コストの増加を招くことから、P含有量は0.001%以上とすることが好ましい。
Sは、MnSなどの介在物となって、耐衝撃性の劣化や溶接部のメタルフローに沿った割れの原因となる。そのため、S含有量は極力低減することが望ましく、具体的には0.01%以下とすることが好ましい。また、良好な伸びフランジ性を確保するという観点からは、0.005%以下とすることがより好ましい。一方、S含有量の下限についてはとくに限定されず、0%であってよい。しかし、過度の低減は製造コストの増加を招くことから、S含有量は0.0001%以上とすることが好ましい。
Alは、脱酸剤として作用する元素である。しかし、Al含有量が0.1%を超えると、焼入れ性が低下する。そのため、Al含有量は0.1%以下とすることが好ましい。一方、Al含有量の下限は特に限定されないが、脱酸剤としての効果を高めるという観点からは、Al含有量は0.01%以上とすることが好ましい。
N含有量が0.01%を超えると、熱間プレス前の加熱時にAlNが生成し、焼入れ性が低下する。そのため、N含有量は0.01%以下とすることが好ましい。一方、N含有量の下限は特に限定されず、0%であってよい。しかし、過度の低減は製造コストの増加を招くことから、N含有量は0.001%以上とすることが好ましい。
Nbは、鋼の強化に有効な成分であるが、過剰に含まれると形状凍結性が低下する。したがって、Nbを添加する場合、Nb含有量を0.05%以下とすることが好ましい。一方、Nb含有量の下限は特に限定されず、0%であってよい。
Tiは、Nbと同様に鋼の強化に有効な成分であるが、過剰に含まれると形状凍結性が低下する。したがって、Tiを添加する場合、Ti含有量を0.05%以下とすることが好ましい。一方、Ti含有量の下限は特に限定されず、0%であってよい。
Bは、オーステナイト粒界からのフェライト生成および成長を抑制する作用を有する元素である。しかし、過剰なBの添加は成形性を大きく損なう。そのため、Bを添加する場合、成形性を向上させるという観点からは、B含有量を0.0050%以下とすることが好ましい。一方、B含有量の下限は限定されないが、Bの添加効果を高めるという観点からは、0.0002%以上とすることが好ましい。
Crは、鋼の強化および焼き入れ性向上のために有用な元素である。しかし、Crは高価な元素であるため、Crを添加する場合、合金コストを低減するためにCr含有量を1.0%以下とすることが好ましい。一方、Cr含有量の下限は特に限定されないが、Crの添加効果を高めるという観点からは、0.1%以上とすることが好ましい。
Sbは、熱間プレス中に鋼板表層の脱炭を防止する効果を有する元素である。しかし、Sbが過剰であると圧延荷重の増加を招くため生産性が低下する。そのため。Sbを添加する場合、生産性のさらなる向上の観点から、Sb含有量を0.03%以下とすることが好ましい。一方、Sb含有量の下限は特に限定されないが、Sbの添加効果を高めるという観点からは、0.003%以上とすることが好ましい。
本発明の熱間プレス部材は、鋼板の表層に、FeAl合金相とZn相とを含む被覆層を備えている。前記被覆層は、鋼板の少なくとも一方の面に設けられていればよく、両面に設けられていてもよい。前記Zn相は、外観耐食性、とくに耐赤錆性の向上に寄与する。また、前記FeAl合金相は、穴あき耐食性に寄与するとともに、Zn相の腐食速度を低減する効果を有する。
上述したように、前記FeAl合金相は、穴あき耐食性に寄与するとともに、Zn相の腐食速度を低減する効果を有する相である。本発明においては、FeとAlを合計で80原子%以上含有する相をFeAl合金相と定義する。前記FeAl合金相は、エネルギー分散型X線分析(EDS)により測定した化学組成に基づいて同定することができる。より具体的には、実施例に記載した方法でFeAl合金相の有無を判定することができる。
自然浸漬電位を上記の範囲とするためには、被覆層がZn相を含む必要がある。Zn相が存在することにより、塗膜の傷部や塗装端部など塗膜による防錆機能が低下した箇所からの腐食(外観腐食)の速度が低減され、良好な外観品質を維持することができる。また、腐食にともなって発生する水素に起因する遅れ破壊の危険性を低減することができる。
本発明においては、熱間プレス部材の自然浸漬電位が銀-塩化銀-飽和塩化カリウム電極(SSE)基準で-1100~-900mVであることが重要である。自然浸漬電位を前記範囲とすることで、熱間プレス部材を構成する鋼材に対するカソード防食性能が最も良好となり、優れた外観耐食性が得られる。また、腐食にともなって発生する水素に起因する遅れ破壊を低減することができる。
次に、本発明の熱間プレス部材の好適な製造方法について説明する。
熱間プレスにおける加熱工程の雰囲気ガスとしては、空気や露点を低下させた乾燥空気を用いることが経済的であり一般的である。これら、一般的な雰囲気ガスの下でAlとZnを含有するめっき鋼板を加熱した場合、蒸発または酸化により、熱間プレス後の部材の表面に金属状態のZn相がほとんど残存しなくなる。発明者らは、加熱工程の雰囲気が加熱後の表面のZnの存在状態におよぼす影響を鋭意検討した。その結果、雰囲気ガスとして空気に加えて純酸素を供給して酸化性を高めることで、最終的に得られる熱間プレス部材の被覆層に金属状態のZn、すなわち前記Zn相を多量に残存させ得ることを見出した。これは、前記加熱工程で熱間プレス用鋼板の表層に緻密な酸化亜鉛皮膜が形成され、さらなる酸化および蒸発が抑制されるためである。
前記加熱工程における加熱温度がAc3変態点より低いと、熱間プレス部材として必要な強度を得ることができない場合がある。そのため、前記加熱温度はAc3変態点以上とすることが好ましい。一方、加熱温度が1000℃を超えると、操業コストが増大する。そのため、前記加熱温度は1000℃以下とすることが好ましく、950℃以下とすることがより好ましく、900℃以下とすることがさらに好ましい。特に、酸素濃度が22体積%未満である場合には、前記加熱温度を850℃以下とすることが好ましい。
Ac3変態点(℃)=881-206C+53Si-15Mn-1Cr…(1)
ただし、(1)式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。含有されていない元素の含有量は0として計算する。
前記加熱工程において、加熱を開始してから前記加熱温度に到達するまでの昇温時間が短いと、FeとAlの合金化反応の進行が不十分となる。そのため、前記昇温時間は60秒以上とすることが好ましい。特に、FeAl合金相の平均粒径を3μm以上とする観点からは、前記昇温時間を120秒以上とすることがより好ましい。一方、前記昇温時間が600秒を超えると、ZnのFeAl合金相への固溶が進み、Zn相の量が減少する。そのため、Zn相の量を確保するという観点からは、前記昇温時間を600秒以下とすることが好ましく、240秒以下とすることがより好ましい。
前記加熱工程においては、前記加熱温度に到達した後、さらに前記加熱温度に保持してもよい。しかし、前記加熱温度に保持する時間(保持時間)が300秒を超えると、ZnのFeAl合金相への固溶が進み、Zn相の量が減少する。そのため、Zn相の量を確保するという観点からは、前記保持時間を300秒以下とすることが好ましい。一方、保持を行うことは必須ではないため、保持時間の下限は0秒である。しかし、熱間プレスの操業安定性の観点からは、5秒以上の保持を行うことが好ましい。
得られた熱間プレス部材の自然浸漬電位を以下の手順で測定した。まず、ハット形状に成形された熱間プレス部材の上面の平坦部から、打抜き加工により直径16mmの試料を3個採取した。前記試料の中央部における直径10mmの領域を作用極、銀-塩化銀-飽和塩化カリウム電極(SSE)を参照電極として、25±5℃の空気飽和した0.5質量%NaCl水溶液中で浸漬電位を測定した。作用極が前記NaCl水溶液に浸漬されてから、60秒以降600秒までの間の浸漬電位の時間平均を、その試料の自然浸漬電位とした。異なる3試料の自然浸漬電位の平均値を、評価対象の熱間プレス部材の自然浸漬電位とした。測定結果を表3、4に示す。
熱間プレス部材の上面の平坦部から試験片を採取し、前記試験片の断面を観察することによりFeAl合金相の有無を判定した。前記断面の観察は、観察する面を鏡面に仕上げた後、SEMを用いて行い、加速電圧15kV、倍率1000倍での反射電子像を得た。前記反射電子像において、母材と比較し暗コントラスト、すなわち電子密度の小さい領域でEDSによる点分析を行った。前記分析により得られた化学組成において、FeとAlの合計含有量が80原子%以上である領域を、FeAl合金相と見なした。
熱間プレス部材の上面の平坦部から試験片を採取し、前記試験片の断面を観察することによりFeAl合金相の平均粒径を測定した。前記断面の観察は、観察する面を鏡面に仕上げた後、SEMを用いて行い、加速電圧5kV、倍率500倍での反射電子像を得た。次いで、結晶方位コントラストに基づいて前記反射電子像からFeAl合金相の結晶粒を特定し、特定された個々の結晶粒の長径と短径を測定した。得られた長径と短径の平均値を各FeAl合金相の粒径とした。無作為に選択した20個のFeAl合金相の粒径の平均値を、その熱間プレス部材におけるFeAl合金相の平均粒径とした。
被覆層中のZn相の有無は、熱間プレス部材の断面をSEM-EBSDで観察することにより判断した。具体的には、鏡面に仕上げた熱間プレス部材の断面を、SEM-EBSDを用い、加速電圧15kV、倍率2000倍で観察して反射電子像を得た。Zn相は、前記反射電子像において、FeAl金属間化合物相と比較し明コントラストであり、かつ六方晶構造を有する組織として判別される。
前記Zn相の付着量は、熱間プレス部材から採取した試料をアノード電解することにより被覆層中のZn相を水溶液中に溶解し、得られた水溶液をICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析法)で定量分析することにより求めた。具体的には、まず、ハット形状に成形された熱間プレス部材の上面の平坦部から、打抜き加工により直径48mmの試料を3個採取した。前記試料の表面のうち、測定対象面以外をマスキングした。次いで、前記試料を作用極、白金メッシュ電極を対極とし、3%水酸化ナトリウム-1%塩化アルミニウム水溶液中で4mA/cm2で定電流アノード電解した。電位が急峻に貴化した点で電解を停止し、液中のZn量をICP-MSで定量分析して溶解したZnの量を測定した。前記Znの量を熱間プレス部材の表面積で除することでZn相の付着量を求めた。
次に、得られた熱間プレス部材の外観耐食性を評価するために、以下の手順で塗装端面からの塗膜膨れおよび塗装端面からの赤錆の発生を試験した。
塗装端面からの塗膜膨れ幅
1:塗膜膨れ幅>5mm
2:3mm<塗膜膨れ幅≦5mm
3:2mm<塗膜膨れ幅≦3mm
4:1mm<塗膜膨れ幅≦2mm
5:塗膜膨れ幅≦1mm
1:端面の赤錆面積率>50%
2:30%<端面の赤錆面積率≦50%
3:20%<端面の赤錆面積率≦30%
4:10%<端面の赤錆面積率≦20%
5:端面の赤錆面積率≦10%
Claims (3)
- 鋼材と、前記鋼材の少なくとも一方の面の上の被覆層とを有し、
前記被覆層は、FeAl合金相とZn相とを含み、
25℃の空気飽和した0.5質量%NaCl水溶液中における自然浸漬電位が、銀-塩化銀-飽和塩化カリウム電極基準で-1100~-900mVである、熱間プレス部材。 - 前記被覆層における前記Zn相の付着量が、前記鋼材の片面あたり5~60g/m2である、請求項1に記載の熱間プレス部材。
- 前記FeAl合金相の平均粒径が3~20μmである、請求項1または2に記載の熱間プレス部材。
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|---|---|---|---|
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-
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Non-Patent Citations (1)
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|---|
| 坂入 正敏,Al含有めっき鋼板の耐食性向上を目指した電気化学的表面処理法の開発,2006年度技術研究報告書,日本,公益財団法人JFE21世紀財団,2006年,第57-第64ページ,ttps://www.jfe-21st-cf.or.jp/jpn/hokoku_pdf_2006/07.pdf |
Also Published As
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