JP7746515B1 - シラン化合物およびその利用 - Google Patents
シラン化合物およびその利用Info
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Abstract
【解決手段】 化学式(I)で示されるシラン化合物。
【化1】
(式中、R1は、同一または異なって、水素原子または炭素数1~3のアルキル基を表し、R2は、炭素数1~3のアルキル基またはフェニル基を表し、R3は、水素原子、炭素数1~3のアルキル基またはフェニル基を表し、Xは、ヨウ素原子を表す。nは、1~5の整数を表し、mは、2~5の整数を表し、pは、1~3の整数を表す。)
【選択図】 なし
Description
即ち、第1の発明は、化学式(I)で示されるシラン化合物である。
第3の発明は、金属、無機材料および樹脂材料からなる群から選択される少なくとも1つの表面を処理するために用いることを特徴とする、第2の発明の表面処理剤である。
第4の発明は、第2の発明の表面処理剤を、金属、無機材料および樹脂材料からなる群から選択される少なくとも1つに接触させて当該少なくとも一方に化成皮膜を形成し、前記化成皮膜を介して互いに接着することを特徴とする接着方法である。
第5の発明は、金属、無機材料および樹脂材料からなる群から選択される2つの材料が、第2の発明の表面処理剤により形成された化成皮膜を介して接着されたことを特徴とするプリント配線板である。
第6の発明は、第1の発明の化合物と、樹脂または硬化性化合物とを含有する樹脂組成物である。
第7の発明は、第6の発明の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物である。
そして、本発明のシラン化合物は、分子内にヨウ素原子を2以上有することにより、表面処理剤の成分として使用した場合には、従来のシラン化合物(シランカップリング剤)を使用した場合に比べて、処理した被処理材表面の表面自由エネルギーを増加させることができ、被処理材と樹脂との接着性を向上させることが期待される。
また、本発明のシラン化合物を樹脂組成物の原料として使用した場合には、樹脂または硬化性化合物と本発明のシラン化合物との分子間相互作用が高まることで、樹脂組成物自体の表面自由エネルギーが増加し、均一な硬化物が得られることが期待される。
1.シラン化合物
本発明は、化学式(I)で示されるシラン化合物(以下、「本発明の化合物」と云うことがある)に関する。
本発明の化合物としては、例えば、化学式(I-1)~化学式(I-47)で示される化合物が挙げられる。
R1が、同一または異なって、炭素数1~3のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~2のアルキル基であることがより好ましい。
R2が、炭素数1~3のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~2のアルキル基であることがより好ましい。
R3が、水素原子または炭素数1~3のアルキル基であることが好ましく、水素原子または炭素数1~2のアルキル基であることがより好ましい。
nが、2~4の整数であることが好ましい。
mが、3~5の整数であることが好ましく、3~4の整数であることがより好ましい。
pが、2~3の整数であることが好ましい。
本発明の化合物は、化学式(II)で示される芳香族カルボン酸と、化学式(III)で示されるアミノアルキルシランとを、縮合剤(i)存在下で反応させることにより合成することができる(反応スキーム(A)参照)。
縮合剤(i)の使用量(仕込み量)は、化学式(II)で示される芳香族カルボン酸の使用量(仕込み量)に対して、0.1~10倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
塩基(ii)の使用量(仕込み量)は、化学式(II)で示される芳香族カルボン酸の使用量(仕込み量)に対して、0.1~10倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
更に、必要により、水等による洗浄や、活性炭処理、シリカゲルクロマトグラフィー、再結晶等の手段を利用して精製することができる。
本発明の表面処理剤は、本発明の化合物を含有するが、本発明の化合物を1種以上含有してもよい。
本発明の表面処理剤は、本発明の化合物と共に溶媒を含有していてもよい。溶媒としては、水、有機溶剤、水と有機溶剤の混合液が挙げられる。また、本発明の化合物の溶解(水溶液化)を促進させるために、可溶化剤(酸、アルカリ)を用いることができる。
本発明の表面処理剤は、本発明の化合物と、溶媒と、可溶化剤を適宜の手段を用いて混合することにより調製できる。
本発明の化合物の濃度が0.001重量%未満の場合、接着性の向上効果が十分に得られない虞があり、20重量%を超える場合には、接着性の向上効果がほぼ頭打ちとなり、本発明の化合物の使用量が増えるばかりで経済的でない。
また、表面処理剤中の銅イオンは、表面処理剤による銅回路の処理時に、銅回路に含まれる金属銅や酸化銅から溶出した銅イオンを含んでいてもよい。
3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプトシラン化合物、
ビニルトリクロルシラン、
ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン化合物、
p-スチリルトリメトキシシラン等のスチリルシラン化合物、
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、
3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン化合物、
3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリロキシシラン化合物、
3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、
3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、
3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシシラン化合物、
N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、
N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、
3-アミノプロピルトリメトキシシラン、
3-アミノプロピルトリエトキシシラン、
3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、
N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、
N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物、
3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイドシラン化合物、
3-クロロプロピルトリメトキシシラン等のクロロプロピルシラン化合物、
ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィドシラン化合物、および
3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン等のイソシアナトシラン化合物等を挙げることができる。
本発明の表面処理剤を適用する被処理材としては、例えば、金属、無機材料、樹脂材料等から形成された粒状、針状、繊維状、薄膜状、板状の他、無定形のものが挙げられる。
また、金属の態様としては、プリント配線板、リードフレーム等の電子デバイス、装飾品、建材等に使用される箔(例えば、電解銅箔、圧延銅箔)、メッキ膜(例えば、無電解銅メッキ膜、電解銅メッキ膜)、蒸着法、スパッタ法、ダマシン法等により形成された薄膜や、粒状、針状、繊維状、線状、棒状、管状、板状等の用途・形態において使用されるものが挙げられる。なお、近年の高周波の電気信号が流れる銅配線の場合には、銅の表面は平均粗さが0.1μm以下の平滑面であることが好ましい。銅の表面に、前処理として、ニッケル、亜鉛、クロム、スズ等のメッキを施してもよい。
本発明の表面処理剤を被処理材の表面に接触させる方法としては、特に制限はなく、浸漬、塗布、スプレー等の手段を採用することができる。表面処理剤と被処理材を接触させる時間(処理時間)については、1秒~10分とすることが好ましく、5秒~3分とすることがより好ましい。処理時間が1秒未満の場合には、被処理材表面に形成される皮膜の膜厚が薄くなり、材質の異なる材料間の接着力が十分に得られず、一方10分より長くしても、皮膜の膜厚に大差はなく、接着性の向上も期待できない。また、表面処理剤を被処理材表面に接触させる際の表面処理剤の温度については、5~50℃とすることが好ましいが、前記の処理時間との関係において、適宜設定すればよい。
前記の金属、無機材料、樹脂材料から選択される2つの材料を本発明の表面処理剤を使用して接着させることができる。本発明の表面処理剤により形成される皮膜を介して2つの材料を接着することで、互いの親和性を向上させることができるため、材質の異なる材料同士であってもより強固に接着することができる。前記の皮膜の厚みは、0.0001~1μmであることが好ましく、0.001~0.5μmであることがより好ましい。
本発明の表面処理剤を使用することにより、前述のように2つの材料、特に材質の異なる2つの材料を接着させることができるので、電気・電子用途(各種電気・電子部品やプリント配線板等の電子デバイス)、建築用途、土木用途、自動車用途、医療用途等の材料の製造に好適に利用することができる。
本発明の樹脂組成物は、本発明の化合物と、樹脂または硬化性化合物とを含有する。なお、本発明の樹脂組成物は、本発明の化合物を1種以上含有してもよい。
本発明の樹脂組成物は、本発明の化合物を含むので、硬化後の樹脂層は、隣接(接触)する層や部材、例えば、金属または無機材料の層や部材と高い強度で密着(接着)する。そのため、各種電気・電子用途(電気・電子部品等や、プリント配線板等の電子デバイス)、建築用途、土木用途、自動車用途、医療用途等の材料の製造に好適に利用することができる。
前記のプリント配線板は、前記のソルダーレジストインクを使用し、公知の方法で製造できる。
前記のプリプレグは、例えば、基材(紙、ガラスクロス、ガラス不織布等)に本発明の樹脂組成物を塗布する、または、基材を本発明の樹脂組成物中に浸漬して含浸させることにより製造できる。
前記の銅張積層板は、前記のプリプレグと銅箔とを積層することにより製造できる。
前記の樹脂付銅箔は、銅箔上に本発明の樹脂組成物を塗布し、乾燥、半硬化または硬化させることにより製造できる。
前記のプリント配線板において、「本発明の樹脂組成物により形成された樹脂層」の例としては、前記のソルダーレジスト、プリプレグ、樹脂付銅箔における樹脂等が挙げられる。本発明の樹脂組成物は半導体封止材料としても使用することができる。
・2,3,5-トリヨード安息香酸(化学式(II-8)参照、富士フイルム和光純薬製)
・3-アミノプロピルトリエトキシシラン(化学式(III-3)参照、富士フイルム和光純薬製)
・4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(富士フイルム和光純薬製)
・1,3-ジイソプロピルカルボジイミド(富士フイルム和光純薬製)
・N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ベンズアミド(化学式(1)参照、Catalysis Letters (2016), 146(9), 1718-1728に記載された方法に準拠して合成した。以下、「シラン化合物1」と云う。)
・4-ヨード-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ベンズアミド(化学式(2)参照、Advanced Synthesis & Catalysis (2012), 354(2-3), 313-320に記載された方法に準拠して合成した。以下、「シラン化合物2」と云う。)
4cm×4cmの電解銅箔(厚み:33μm)のM面に黄銅をめっき被覆した後、亜鉛と、クロム酸化物との混合物をめっき被覆し、これを試験片とした。続いて、この試験片を表面処理剤に浸漬(室温×5分)し、取り出して液切りした後、THFに浸漬して余分な表面処理剤を除去し、室温で24時間乾燥した。表面処理剤で処理した試験片のS面について、接触角計(協和界面科学製、DropMaster500)を使用し、表面自由エネルギー分散力成分γdと極性力成分γpが既知である水およびジヨードメタンを用いて試験片表面の接触角を測定した。
得られた接触角の結果から、Owenの近似式を利用して、固体表面のγS dとγS pを算出し、下式より表面自由エネルギーγSを算出した。
γS=γS d+γS p
<2,3,5-トリヨード-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ベンズアミドの合成>
容量500mLのフラスコに、2,3,5-トリヨード安息香酸14.99g(30mmol)、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン0.37g(3mmol)、3-アミノプロピルトリエトキシシラン7.97g(36mmol)、1,3-ジイソプロピルカルボジイミド4.54g(36mmol)、クロロホルム300gを混合し、40℃で20時間撹拌した。得られた反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/エタノール=10/1(wt/wt))により精製し、淡黄色固体6.75gを得た(収率:32%)。
・1H-NMR(DMSO-d6) δ: 8.43(t, 1H), 8.26(d, 1H), 7.49(d, 1H), 3.75(q, 6H), 3.15(dt, 2H), 1.56(quin., 2H), 1.15(t, 9H), 0.62(t, 2H).
これらのスペクトルデータより、得られた淡黄色固体は、化学式(I-8)で示される表題の化合物であるものと同定した。
THFとイオン交換水を95:5の割合で混合し、酢酸を用いてpHを4.5に調整した。この溶液に、実施例1で合成した2,3,5-トリヨード-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ベンズアミドを2重量%となるように添加した後、室温で5分間撹拌し、表面処理剤を調製した。
この表面処理剤を用いて評価試験(表面自由エネルギーの測定)を行ったところ、得られた試験結果は表1に示したとおりであった。
表面処理剤による処理を行っていない試験片を用いて評価試験(表面自由エネルギーの測定)を行ったところ、得られた試験結果は表1に示したとおりであった。
2,3,5-トリヨード-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ベンズアミドの代わりに、表1に示したシラン化合物を使用した以外は、実施例2と同様にして、表面処理剤を調製し、それらの表面処理剤を用いて評価試験(表面自由エネルギーの測定)を行ったところ、得られた試験結果は表1に示したとおりであった。
従って、本発明は、種々の電子部品やデバイスの小型化、薄型化、高周波化、高密度化等の実現に大いに貢献し得るものであるから、産業上の利用可能性は多大である。
Claims (7)
- 化学式(I)で示されるシラン化合物。
(式中、R1は、同一または異なって、水素原子または炭素数1~3のアルキル基を表し、R2は、炭素数1~3のアルキル基またはフェニル基を表し、R3は、水素原子、炭素数1~3のアルキル基またはフェニル基を表し、Xは、ヨウ素原子を表す。nは、1~5の整数を表し、mは、2~5の整数を表し、pは、1~3の整数を表す。) - 請求項1に記載の化合物を含有する表面処理剤。
- 金属、無機材料および樹脂材料からなる群から選択される少なくとも1つの表面を処理するために用いることを特徴とする、請求項2に記載の表面処理剤。
- 請求項2に記載の表面処理剤を、金属、無機材料および樹脂材料からなる群から選択される少なくとも1つに接触させて当該少なくとも一方に化成皮膜を形成し、前記化成皮膜を介して互いに接着することを特徴とする接着方法。
- 金属、無機材料および樹脂材料からなる群から選択される2つの材料が、請求項2に記載の表面処理剤により形成された化成皮膜を介して接着されたことを特徴とするプリント配線板。
- 請求項1に記載の化合物と、樹脂または硬化性化合物とを含有する樹脂組成物。
- 請求項6に記載の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
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| JP2015206115A (ja) * | 2014-04-08 | 2015-11-19 | 四国化成工業株式会社 | 金属の表面処理液及びその利用 |
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