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JP7746515B1 - シラン化合物およびその利用 - Google Patents

シラン化合物およびその利用

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JP7746515B1
JP7746515B1 JP2024217151A JP2024217151A JP7746515B1 JP 7746515 B1 JP7746515 B1 JP 7746515B1 JP 2024217151 A JP2024217151 A JP 2024217151A JP 2024217151 A JP2024217151 A JP 2024217151A JP 7746515 B1 JP7746515 B1 JP 7746515B1
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尚登 奥村
晃生 田原
琢磨 武田
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Shikoku Chemicals Corp
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Abstract

【課題】 本発明は、新規なシラン化合物およびその用途を提供することを目的とする。具体的には、新規なシラン化合物、該シラン化合物を含有する表面処理剤およびその接着方法、前記シラン化合物を含有する樹脂組成物およびその硬化物を提供することを目的とする。
【解決手段】 化学式(I)で示されるシラン化合物。
【化1】
(式中、Rは、同一または異なって、水素原子または炭素数1~3のアルキル基を表し、Rは、炭素数1~3のアルキル基またはフェニル基を表し、Rは、水素原子、炭素数1~3のアルキル基またはフェニル基を表し、Xは、ヨウ素原子を表す。nは、1~5の整数を表し、mは、2~5の整数を表し、pは、1~3の整数を表す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規なシラン化合物および該化合物の利用に関する。
近年、プリント配線板は、電子機器・電子部品の小型化、薄型化等に対応すべく多層化が進められており、所謂多層プリント配線板は、片面または両面に銅箔等からなる回路を設けた内層用回路板に、プリプレグを介して外層用回路板もしくは銅箔を重ね、これを一体化することによって製造されている。ところで、このような多層プリント配線板においては、内層用回路板に形成された銅回路と、外層用回路板または銅箔とを積層させるプリプレグの絶縁接着樹脂との間の接着性の確保が重要な課題となっている。
特許文献1には、銅箔とプリプレグの接着性と、銅箔とプリプレグを接着して得られる銅張積層板の半田耐熱性を向上させる銅箔表面処理剤に関する発明が記載されている。この文献には、当該表面処理剤の成分として、イミダゾール環を有するトリアルコキシシラン化合物とテトラアルコキシシラン化合物を併用する点が開示されている。しかしながら、これらのシラン化合物を含む表面処理剤は、接着性の点でいまだ改善の余地があった。
特許文献2には、シランカップリング剤およびポリマー組成物に関する発明が記載されている。この文献には、ガラスや金属とゴムの接着用プライマーに使用されるシランカップリング剤の成分として、トリアゾールやチアジアゾール等の含窒素複素環と、トリメトキシシリル基やトリエトキシシリル基等のシリル基が、有機基を介して結合された構造の物質が種々開示されている。しかしながら、これらのシラン化合物を含むポリマー組成物は、接着性の点でいまだ改善の余地があった。
特開平7-286160号公報 特開2002-363189号公報
本発明は、新規なシラン化合物およびその用途を提供することを目的とする。具体的には、新規なシラン化合物、該シラン化合物を含有する表面処理剤およびその接着方法、前記シラン化合物を含有する樹脂組成物およびその硬化物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、分子内にヨウ素原子を2つ以上有するシラン化合物が新規な化合物であり、該化合物を含む表面処理剤により被処理材の表面を処理することで、該表面の表面自由エネルギーが増加する(例えば、接触角が小さくなる)ことを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、第1の発明は、化学式(I)で示されるシラン化合物である。
(式中、Rは、同一または異なって、水素原子または炭素数1~3のアルキル基を表し、Rは、炭素数1~3のアルキル基またはフェニル基を表し、Rは、水素原子、炭素数1~3のアルキル基またはフェニル基を表し、Xは、ヨウ素原子を表す。nは、1~5の整数を表し、mは、2~5の整数を表し、pは、1~3の整数を表す。)
第2の発明は、第1の発明の化合物を含有する表面処理剤である。
第3の発明は、金属、無機材料および樹脂材料からなる群から選択される少なくとも1つの表面を処理するために用いることを特徴とする、第2の発明の表面処理剤である。
第4の発明は、第2の発明の表面処理剤を、金属、無機材料および樹脂材料からなる群から選択される少なくとも1つに接触させて当該少なくとも一方に化成皮膜を形成し、前記化成皮膜を介して互いに接着することを特徴とする接着方法である。
第5の発明は、金属、無機材料および樹脂材料からなる群から選択される2つの材料が、第2の発明の表面処理剤により形成された化成皮膜を介して接着されたことを特徴とするプリント配線板である。
第6の発明は、第1の発明の化合物と、樹脂または硬化性化合物とを含有する樹脂組成物である。
第7の発明は、第6の発明の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物である。
本発明のシラン化合物は、分子内にシリル基(-Si(OR(R3-p/式中、R、Rおよびpは前記と同様である。)を有するので、表面処理剤の成分または樹脂組成物の原料としての利用が期待される。
そして、本発明のシラン化合物は、分子内にヨウ素原子を2以上有することにより、表面処理剤の成分として使用した場合には、従来のシラン化合物(シランカップリング剤)を使用した場合に比べて、処理した被処理材表面の表面自由エネルギーを増加させることができ、被処理材と樹脂との接着性を向上させることが期待される。
また、本発明のシラン化合物を樹脂組成物の原料として使用した場合には、樹脂または硬化性化合物と本発明のシラン化合物との分子間相互作用が高まることで、樹脂組成物自体の表面自由エネルギーが増加し、均一な硬化物が得られることが期待される。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.シラン化合物
本発明は、化学式(I)で示されるシラン化合物(以下、「本発明の化合物」と云うことがある)に関する。
本発明の化合物としては、例えば、化学式(I-1)~化学式(I-47)で示される化合物が挙げられる。
本発明の化合物において、好ましい置換基は以下の通りである。
が、同一または異なって、炭素数1~3のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~2のアルキル基であることがより好ましい。
が、炭素数1~3のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~2のアルキル基であることがより好ましい。
が、水素原子または炭素数1~3のアルキル基であることが好ましく、水素原子または炭素数1~2のアルキル基であることがより好ましい。
nが、2~4の整数であることが好ましい。
mが、3~5の整数であることが好ましく、3~4の整数であることがより好ましい。
pが、2~3の整数であることが好ましい。
2.合成方法
本発明の化合物は、化学式(II)で示される芳香族カルボン酸と、化学式(III)で示されるアミノアルキルシランとを、縮合剤(i)存在下で反応させることにより合成することができる(反応スキーム(A)参照)。
(式中、R~R、X、m、nおよびpは、前記と同様である。)
化学式(II)で示される芳香族カルボン酸としては、化学式(II-1)~化学式(II-16)で示される芳香族カルボン酸が挙げられる。
これらの芳香族カルボン酸は、市販の試薬を購入して使用できる。
化学式(III)で示されるアミノアルキルシランとしては、化学式(III-1)~化学式(III-32)で示されるアミノアルキルシランが挙げられる。
これらのアミノアルキルシランは、市販の試薬を購入して使用できる。
化学式(III)で示されるアミノアルキルシランの使用量は、化学式(II)で示される芳香族カルボン酸の使用量(仕込み量)に対して、0.1~10倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
縮合剤(i)としては、例えば、1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド、1,3-ジイソプロピルカルボジイミド、1,3-ジ-tert-ブチルカルボジイミド、1,3-ジ-p-トリルカルボジイミド、1-tert-ブチル-3-エチルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドメチオジド、1-シクロヘキシル-3-(2-モルホリノエチル)カルボジイミドメト-p-トルエンスルホナート、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、ジフェニルリン酸アジド、ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(PyBOP)、ヘキサフルオロリン酸(7-アザベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(PyAOP)、ヘキサフルオロリン酸ブロモトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(BroP)、ヘキサフルオロリン酸クロロトリスピロリジノホスホニウム(PyCloP)、ヘキサフルオロリン酸ブロモトリスピロリジノホスホニウム(PyBroP)、3-(ジエトキシホスホリルオキシ)-1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H)-オン(BEPBT)等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
縮合剤(i)の使用量(仕込み量)は、化学式(II)で示される芳香族カルボン酸の使用量(仕込み量)に対して、0.1~10倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
本反応の実施においては、反応を促進するために塩基(ii)を使用してもよい。また、必要により、反応溶媒(iii)を適宜使用してもよい。
塩基(ii)としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)、ピリジン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン、ピコリン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、イミダゾール、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム、リン酸三リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三セシウム、リン酸水素二リチウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二セシウム、リン酸二水素リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素セシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、リチウムアルコキシド(リチウムメトキシド等)、ナトリウムアルコキシド(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等)、カリウムアルコキシド(t-ブトキシカリウム等)等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
塩基(ii)の使用量(仕込み量)は、化学式(II)で示される芳香族カルボン酸の使用量(仕込み量)に対して、0.1~10倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
反応溶媒(iii)としては、反応を阻害しない限りにおいては特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等が挙げられ、必要によりこれらを組み合わせて、その適宜量を使用することができる。
本反応において、反応温度は、20~80℃の範囲に設定されることが好ましい。また、反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜設定されるが、1~96時間の範囲に設定することが好ましい。
本反応終了後、得られた反応液から、例えば、反応溶媒の留去による反応液の濃縮や溶媒抽出法等の手段によって、目的物である本発明の化合物を取り出すことができる。
更に、必要により、水等による洗浄や、活性炭処理、シリカゲルクロマトグラフィー、再結晶等の手段を利用して精製することができる。
3.表面処理剤
本発明の表面処理剤は、本発明の化合物を含有するが、本発明の化合物を1種以上含有してもよい。
本発明の表面処理剤は、本発明の化合物と共に溶媒を含有していてもよい。溶媒としては、水、有機溶剤、水と有機溶剤の混合液が挙げられる。また、本発明の化合物の溶解(水溶液化)を促進させるために、可溶化剤(酸、アルカリ)を用いることができる。
本発明の表面処理剤は、本発明の化合物と、溶媒と、可溶化剤を適宜の手段を用いて混合することにより調製できる。
前記の有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、ブタノール、tert-ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフルフリルアルコール、フルフリルアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、2-ピロリドン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、炭酸ジメチル、エチレンカーボネート、N-メチルピロリドン、γ-ブチロラクトン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
前記の酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、2-エチル酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、グリコール酸、乳酸、グルコン酸、グリセリン酸、マロン酸、コハク酸、レブリン酸、安息香酸、シュウ酸、酒石酸、リンゴ酸、ベンゼンスルホン酸、トシル酸、メタンスルホン酸、5-スルホサリチル酸、4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸、3-メチル-4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸、4-アミノベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、ベンゼントリスルホン酸、スルファミン酸、アミノ酸等の有機酸等が挙げられる。これらの酸は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
前記のアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物や、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、へプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、アリルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-1-プロパノール、N,N-ジメチルエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピリジン等のアミン類等が挙げられる。これらのアルカリは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
溶媒として水と有機溶剤の混合液を使用する場合、表面処理剤の調製方法としては、本発明の化合物と水を混合した後に有機溶剤を加えてもよいし、本発明の化合物と水および有機溶剤の混合液を混合してもよいし、本発明の化合物と有機溶剤を混合した後に水を加えてもよい。また、表面処理剤の調製に使用される水としては、イオン交換水や蒸留水等の純水が好ましい。
本発明の表面処理剤における本発明の化合物の濃度は、0.001~20重量%の範囲であることが好ましい。
本発明の化合物の濃度が0.001重量%未満の場合、接着性の向上効果が十分に得られない虞があり、20重量%を超える場合には、接着性の向上効果がほぼ頭打ちとなり、本発明の化合物の使用量が増えるばかりで経済的でない。
表面処理剤の安定性や化成皮膜の均一性を向上させるために、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオンや銅イオン、鉄イオン、亜鉛イオンなどの金属イオンを生成する物質を用いることもできる。
ハロゲン化物イオンは、化成皮膜の平坦部を均一に形成する効果を示す。ハロゲン化物イオンを生成する物質としては、例えば、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、フッ化アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅等が挙げられる。ハロゲン化合物は他の成分の不純物として含まれていてもよい。
表面処理剤中におけるハロゲン化物イオンの含有量は、特に限定されず、例えば、0.1mol/L以下(特に0~0.1mol/L)が好ましく、0.05mol/L以下(特に0~0.05mol/L)であることがより好ましく、0.02mol/L以下(特に0~0.02mol/L)であることがさらに好ましく、0.01mol/L以下(特に0~0.01mol/L)であることが特に好ましい。
銅イオンは、化成皮膜の強度を高めたり、金属と樹脂との接着強度を高めたりすることができる。銅イオンの価数は、1価でも2価でもよい。銅イオンを生成する物質としては、例えば、金属銅、硫酸銅(およびその水和物(特に五水和物))、ギ酸銅(およびその水和物(特に四水和物))、硝酸銅、塩化第一銅、塩化第二銅、酢酸銅(およびその水和物(特に一水和物))、水酸化銅、酸化銅、硫化銅、炭酸銅、臭化第一銅、臭化第二銅、リン酸銅、安息香酸銅が挙げられる。
また、表面処理剤中の銅イオンは、表面処理剤による銅回路の処理時に、銅回路に含まれる金属銅や酸化銅から溶出した銅イオンを含んでいてもよい。
表面処理剤中における銅イオンの含有量は、特に限定されず、例えば、1mol/L以下(特に0mol/L以上1mol/L以下)が好ましく、0.5mol/L以下(特に0mol/L以上0.5mol/L以下)がより好ましく、0.1mol/L以下(特に0mol/L以上0.1mol/L以下)がさらに好ましく、0.01mol/L以下(特に0mol/L以上0.01mol/L以下)が特に好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲において、公知のカップリング剤を併用してもよい。公知のカップリング剤としては、チオール基(メルカプト基)、ビニル基、エポキシ基、(メタ)アクリル基、アミノ基、クロロプロピル基等を有するシラン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等が挙げられる。
前記のシラン系カップリング剤としては、例えば、
3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプトシラン化合物、
ビニルトリクロルシラン、
ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン化合物、
p-スチリルトリメトキシシラン等のスチリルシラン化合物、
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、
3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン化合物、
3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリロキシシラン化合物、
3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、
3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、
3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシシラン化合物、
N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、
N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、
3-アミノプロピルトリメトキシシラン、
3-アミノプロピルトリエトキシシラン、
3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、
N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、
N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物、
3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイドシラン化合物、
3-クロロプロピルトリメトキシシラン等のクロロプロピルシラン化合物、
ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィドシラン化合物、および
3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン等のイソシアナトシラン化合物等を挙げることができる。
本発明の表面処理剤は通常、-1~12のpHで調整可能である。本発明の表面処理剤は、3~11.5のpHを有することが好ましい。また、酸性領域であれば3~7のpHを有することがより好ましく、塩基性領域であれば8~11.5のpHを有することがより好ましく、8.5~9.5のpHを有することがさらに好ましい。
なお、本発明の表面処理剤は、前記の他、適用する被処理材(後述)の種類、用途等に応じて、適宜の添加剤を含有していてもよい。
(被処理材)
本発明の表面処理剤を適用する被処理材としては、例えば、金属、無機材料、樹脂材料等から形成された粒状、針状、繊維状、薄膜状、板状の他、無定形のものが挙げられる。
前記の金属としては、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、スズ、鉄、銀、金およびこれらの合金等が挙げられる。この合金の具体例として、銅合金では、銅を含む合金であれば特に限定されず、例えば、Cu-Ag系、Cu-Te系、Cu-Mg系、Cu-Sn系、Cu-Si系、Cu-Mn系、Cu-Be-Co系、Cu-Ti系、Cu-Ni-Si系、Cu-Zn-Ni系、Cu-Cr系、Cu-Zr系、Cu-Fe系、Cu-Al系、Cu-Zn系、Cu-Co系等の合金が挙げられる。また、その他の合金では、アルミニウム合金(Al-Si合金)、ニッケル合金(Ni-Cr合金)、鉄合金(Fe-Ni合金、ステンレス)等が挙げられる。これらの金属の中では、銅および銅合金が好ましい。
また、金属の態様としては、プリント配線板、リードフレーム等の電子デバイス、装飾品、建材等に使用される箔(例えば、電解銅箔、圧延銅箔)、メッキ膜(例えば、無電解銅メッキ膜、電解銅メッキ膜)、蒸着法、スパッタ法、ダマシン法等により形成された薄膜や、粒状、針状、繊維状、線状、棒状、管状、板状等の用途・形態において使用されるものが挙げられる。なお、近年の高周波の電気信号が流れる銅配線の場合には、銅の表面は平均粗さが0.1μm以下の平滑面であることが好ましい。銅の表面に、前処理として、ニッケル、亜鉛、クロム、スズ等のメッキを施してもよい。
前記の無機材料としては、例えば、シリコン、セラミックや、フィラーとして使用されるカーボン、無機塩およびガラス等が挙げられる。具体的には、シリコン、炭化ケイ素、シリカ、ガラス、珪藻土、珪酸カルシウム、タルク、硝子ビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト等のケイ素化合物、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化チタン等の酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム等の水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、硫酸バリウム、石膏等の硫酸塩、チタン酸バリウム等のチタン酸塩、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物、鱗片状黒鉛(天然黒鉛)、膨張黒鉛、膨張化黒鉛(合成黒鉛)等のグラファイト類、活性炭類、炭素繊維類、カーボンブラック等が挙げられる。これらの無機材料の中では、シリコン、セラミック(アルミナ、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素やチタン酸バリウム)、ガラスおよび無機塩が好ましい。
前記の樹脂材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の何れであってもよい。具体的には、耐熱性や絶縁性に優れた、アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、オレフィン樹脂、フッ素含有樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶樹脂等が挙げられ、これらを混合したり、互いに変性したりして、組み合わせたものであってもよい。また、これらの樹脂の重合度に特に制限はなく、表面処理後に、適宜重合(硬化)したものであってもよい。これらの樹脂材料の中では、アクリレート樹脂、エポキシ樹脂およびポリイミド樹脂が好ましい。
(表面処理方法)
本発明の表面処理剤を被処理材の表面に接触させる方法としては、特に制限はなく、浸漬、塗布、スプレー等の手段を採用することができる。表面処理剤と被処理材を接触させる時間(処理時間)については、1秒~10分とすることが好ましく、5秒~3分とすることがより好ましい。処理時間が1秒未満の場合には、被処理材表面に形成される皮膜の膜厚が薄くなり、材質の異なる材料間の接着力が十分に得られず、一方10分より長くしても、皮膜の膜厚に大差はなく、接着性の向上も期待できない。また、表面処理剤を被処理材表面に接触させる際の表面処理剤の温度については、5~50℃とすることが好ましいが、前記の処理時間との関係において、適宜設定すればよい。
本発明の表面処理剤と被処理材を接触させた後は、水洗してから乾燥させてもよいし、水洗せずに乾燥させてもよい。乾燥温度は、室温~150℃の範囲とすることが好ましい。なお、水洗に使用する水としては、イオン交換水や蒸留水等の純水が好ましいが、水洗の方法や時間には特に制限なく、スプレーや浸漬等の手段による適宜の時間で構わない。
本発明の表面処理剤を金属の表面に接触させる場合は、予め、銅イオンを含む水溶液を金属の表面に接触させてもよい。この銅イオンを含む水溶液は、金属の表面に形成される皮膜の厚み(膜厚)を均一にさせる機能を有する。銅イオンを含む水溶液の銅イオン源としては、水に溶解する銅塩であれば特に限定されず、硫酸銅、硝酸銅、塩化銅、ギ酸銅、酢酸銅等の銅塩が挙げられる。銅塩を水に可溶化するために、アンモニアや塩酸等を添加してもよい。また、本発明の表面処理剤を金属の表面に接触させた後に、酸性水溶液またはアルカリ性水溶液を金属の表面に接触させてもよい。この酸性水溶液またはアルカリ性水溶液も、前記の銅イオンを含む水溶液と同様に、金属の表面に形成される皮膜の厚みを均一にさせる機能を有する。酸性水溶液およびアルカリ性水溶液は、特に限定されないが、酸性水溶液としては、硫酸、硝酸、塩酸等の鉱酸を含む水溶液や、ギ酸、酢酸、乳酸、グリコール酸、アミノ酸等の有機酸を含む水溶液等が挙げられる。アルカリ性水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物や、アンモニア、エタノールアミン、モノプロパノールアミン等のアミン類等を含む水溶液が挙げられる。
本発明の表面処理剤は、前記の金属、無機材料および樹脂材料から選択される少なくとも1つの被処理材の表面を処理するために使用することができる。本発明の表面処理剤を使用して被処理材の表面を処理することにより、被処理材表面に皮膜が形成し、他の材料との接着性を高めることができる。この皮膜は耐熱性が高く、例えば、はんだリフロー加熱(260℃程度)によっても接着力は保持される。なお、この処理による効果を高めるために、表面処理した被処理材を加熱処理してもよい。
(接着方法)
前記の金属、無機材料、樹脂材料から選択される2つの材料を本発明の表面処理剤を使用して接着させることができる。本発明の表面処理剤により形成される皮膜を介して2つの材料を接着することで、互いの親和性を向上させることができるため、材質の異なる材料同士であってもより強固に接着することができる。前記の皮膜の厚みは、0.0001~1μmであることが好ましく、0.001~0.5μmであることがより好ましい。
接着方法としては、公知の方法を採用することができるが、例えば、金属、無機材料、樹脂材料から選択される被処理材の表面に本発明の表面処理剤を接触させて皮膜を形成し、形成した皮膜の一部または全体に他の被処理材を塗布、圧着、混合等の手段や、接着剤、接着シート(フィルム)の利用あるいはこれらの手段を組み合わせて接着する方法が挙げられる。
また、金属、無機材料、樹脂材料から選択される2つの被処理材の表面に、本発明の表面処理剤を接触させて、2つの被処理材の表面にそれぞれ皮膜を形成し、2つの被処理材を圧着、混合等の手段や、接着剤、接着シート(フィルム)の利用あるいはこれらの手段を組み合わせて接着する方法が挙げられる。
(表面処理剤の利用)
本発明の表面処理剤を使用することにより、前述のように2つの材料、特に材質の異なる2つの材料を接着させることができるので、電気・電子用途(各種電気・電子部品やプリント配線板等の電子デバイス)、建築用途、土木用途、自動車用途、医療用途等の材料の製造に好適に利用することができる。
本発明の表面処理剤は、金属、特に銅または銅合金から形成される被処理材に対して、好適に使用することができる。例えば、銅回路(銅配線層)と、半硬化または硬化したプリプレグやソルダーレジスト、半硬化または硬化したドライフィルム(絶縁樹脂層)との間の接着性(密着性)を高めることを目的とする場合に好適であり、銅配線層に接して絶縁樹脂層を有するプリント配線板において、銅配線層と絶縁樹脂層との間の接着性を高めることができる。
本発明の表面処理剤を適用した例として、当該表面処理剤により処理された銅箔、プリプレグ、銅張積層板、シート状部材や、銅箔と樹脂層が当該表面処理剤による皮膜を介して積層された樹脂付銅箔の他、これらの部材を備えたプリント配線板等が挙げられる。
前記のプリント配線板は、例えば、本発明の表面処理剤と銅張積層板に形成された銅配線層の表面を接触させて、その後水洗・乾燥した後、銅配線層表面に絶縁樹脂層を形成させることにより製造することができる。この接触の方法については、前述のとおりであり、表面処理剤中への銅配線層の浸漬または表面処理剤による銅配線層表面へのスプレー等が簡便かつ確実であり好ましい。
また、前記の水洗の方法についても特に制限はないが、洗浄水中への銅配線層の浸漬または洗浄水による銅配線層表面へのスプレーが簡便かつ確実であり好ましい。前記の絶縁樹脂層の形成には、公知の方法、例えば半硬化の樹脂材料を貼り付ける方法や溶剤を含む液状の樹脂材料を塗布する手段等を採用することができる。次いで、上下の配線を導通させる為に、ビアホールを形成する。このプロセスを繰り返すことにより、多層プリント配線板を製造できる。
前記の銅配線層については、無電解メッキ法、電解メッキ法、蒸着法、スパッタ法、ダマシン法等どのような方法で作製されたものでもよく、インナービアホール、スルーホール、接続端子等を含んだものでもよい。
ところで、特開2009-19266号公報には、金属表面にシランカップリング剤を含む液を塗布する工程と、前記液を塗布した金属表面を、25~150℃の温度で且つ5分以内で乾燥を行う工程と、乾燥させた金属表面を水洗する工程を含むことを特徴とするシランカップリング剤皮膜の形成方法に関する発明が記載されている。また、前記金属表面には、予め表面処理として、浸漬めっき液によりスズ等の接着性金属層を形成してよいとされている。本発明の表面処理剤は、前記のシランカップリング剤を含む液として使用することができるものである。なお、この特許公報に記載された事項は、引用により本明細書の一部を成すものとする。
4.樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、本発明の化合物と、樹脂または硬化性化合物とを含有する。なお、本発明の樹脂組成物は、本発明の化合物を1種以上含有してもよい。
前記の「樹脂または硬化性化合物」は、熱可塑性樹脂や、熱または活性エネルギー線硬化性樹脂のモノマー、該モノマーの部分重合物または半硬化物を包含する。熱または活性エネルギー線硬化性樹脂の場合、Aステージ樹脂、Bステージ樹脂、Cステージ樹脂の何れの状態であってもよい。
この様な「樹脂または硬化性化合物」としては、耐熱性や絶縁性に優れた、アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、オレフィン樹脂、フッ素含有樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶樹脂等が挙げられ、これらを混合したり、互いに変性したりして、組み合わせたものであってもよい。これらの中では、アクリレート樹脂、エポキシ樹脂およびポリイミド樹脂が好ましい。
本発明の樹脂組成物における本発明の化合物の含有量は、0.001~10重量%の範囲の割合であることが好ましく、0.01~5重量%の範囲の割合であることがより好ましい。本発明の化合物の含有量が0.001重量%未満である場合には、接着性の向上効果が十分ではなく、含有量が10重量%を超える場合には、接着性の向上効果がほぼ頭打ちとなり、トリアジン化合物の使用量が増えるばかりで経済的でない。
本発明の樹脂組成物には、本発明の化合物と、樹脂または硬化性化合物の他、用途等に応じて、溶媒(水、有機溶剤、水と有機溶剤の混合液)、添加剤(硬化剤、硬化促進剤、難燃剤、染料、顔料、紫外線吸収剤、滑剤、フィラー等)等を適宜量含んでいてもよい。前記の有機溶剤は、前述の3.表面処理剤の項で記載した有機溶剤を使用できる。
本発明の樹脂組成物は公知の方法により調製することができる。例えば、本発明の化合物を有機溶剤に溶解させ、固形または液状の樹脂または硬化性化合物に混合することにより調製することができる。また、本発明の化合物を樹脂または硬化性化合物に直接添加して混合して、樹脂組成物を調製してもよい。
(樹脂組成物の利用)
本発明の樹脂組成物は、本発明の化合物を含むので、硬化後の樹脂層は、隣接(接触)する層や部材、例えば、金属または無機材料の層や部材と高い強度で密着(接着)する。そのため、各種電気・電子用途(電気・電子部品等や、プリント配線板等の電子デバイス)、建築用途、土木用途、自動車用途、医療用途等の材料の製造に好適に利用することができる。
本発明の樹脂組成物を使用した具体例としては、例えば、本発明の樹脂組成物を成分とするソルダーレジストインク、該ソルダーレジストインクにより形成されたソルダーレジスト層を備えるプリント配線板、基材(紙、ガラスクロス、ガラス不織布等)と本発明の樹脂組成物とから構成されるプリプレグ、該プリプレグと銅箔とから構成される銅張積層板、銅箔と本発明の樹脂組成物により形成された樹脂層とから構成される樹脂付銅箔、本発明の樹脂組成物により形成された樹脂層を備えるプリント配線板、本発明の樹脂組成物を成分とする半導体封止材料等を挙げることができる。
前記のソルダーレジスト層は、前記のソルダーレジストインクを適宜の基板上に塗布し、乾燥して形成された樹脂層を、熱や活性エネルギー線を用いて硬化させることにより得られる。
前記のプリント配線板は、前記のソルダーレジストインクを使用し、公知の方法で製造できる。
前記のプリプレグは、例えば、基材(紙、ガラスクロス、ガラス不織布等)に本発明の樹脂組成物を塗布する、または、基材を本発明の樹脂組成物中に浸漬して含浸させることにより製造できる。
前記の銅張積層板は、前記のプリプレグと銅箔とを積層することにより製造できる。
前記の樹脂付銅箔は、銅箔上に本発明の樹脂組成物を塗布し、乾燥、半硬化または硬化させることにより製造できる。
前記のプリント配線板において、「本発明の樹脂組成物により形成された樹脂層」の例としては、前記のソルダーレジスト、プリプレグ、樹脂付銅箔における樹脂等が挙げられる。本発明の樹脂組成物は半導体封止材料としても使用することができる。
また、本発明の表面処理剤や樹脂組成物を適用した部材には、優れた接着性、耐熱性、絶縁性等を付与できるので、必要に応じて適宜の助剤を含有させることにより、導電性ペースト、アンダーフィル、ダイアタッチ材、半導体チップマウンティング材、非導電性接着剤、液晶シール剤、ディスプレイ材料、リフレクター、塗料、接着剤、ワニス、エラストマー、インク、ワックス、シール剤等とすることができる。
以下、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において使用した主原料は、以下のとおりである。
[主原料]
・2,3,5-トリヨード安息香酸(化学式(II-8)参照、富士フイルム和光純薬製)
・3-アミノプロピルトリエトキシシラン(化学式(III-3)参照、富士フイルム和光純薬製)
・4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(富士フイルム和光純薬製)
・1,3-ジイソプロピルカルボジイミド(富士フイルム和光純薬製)
比較例(評価試験)で使用したシラン化合物は、以下のとおりである。
・N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ベンズアミド(化学式(1)参照、Catalysis Letters (2016), 146(9), 1718-1728に記載された方法に準拠して合成した。以下、「シラン化合物1」と云う。)
・4-ヨード-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ベンズアミド(化学式(2)参照、Advanced Synthesis & Catalysis (2012), 354(2-3), 313-320に記載された方法に準拠して合成した。以下、「シラン化合物2」と云う。)
実施例および比較例において採用した評価試験(表面自由エネルギーの測定)の方法は、以下のとおりである。
[表面自由エネルギーの測定]
4cm×4cmの電解銅箔(厚み:33μm)のM面に黄銅をめっき被覆した後、亜鉛と、クロム酸化物との混合物をめっき被覆し、これを試験片とした。続いて、この試験片を表面処理剤に浸漬(室温×5分)し、取り出して液切りした後、THFに浸漬して余分な表面処理剤を除去し、室温で24時間乾燥した。表面処理剤で処理した試験片のS面について、接触角計(協和界面科学製、DropMaster500)を使用し、表面自由エネルギー分散力成分γdと極性力成分γpが既知である水およびジヨードメタンを用いて試験片表面の接触角を測定した。
得られた接触角の結果から、Owenの近似式を利用して、固体表面のγS dとγS pを算出し、下式より表面自由エネルギーγSを算出した。
γS=γS d+γS p
〔実施例1〕
<2,3,5-トリヨード-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ベンズアミドの合成>
容量500mLのフラスコに、2,3,5-トリヨード安息香酸14.99g(30mmol)、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン0.37g(3mmol)、3-アミノプロピルトリエトキシシラン7.97g(36mmol)、1,3-ジイソプロピルカルボジイミド4.54g(36mmol)、クロロホルム300gを混合し、40℃で20時間撹拌した。得られた反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/エタノール=10/1(wt/wt))により精製し、淡黄色固体6.75gを得た(収率:32%)。
得られた淡黄色固体のH-NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR(DMSO-d6) δ: 8.43(t, 1H), 8.26(d, 1H), 7.49(d, 1H), 3.75(q, 6H), 3.15(dt, 2H), 1.56(quin., 2H), 1.15(t, 9H), 0.62(t, 2H).
これらのスペクトルデータより、得られた淡黄色固体は、化学式(I-8)で示される表題の化合物であるものと同定した。
〔実施例2〕
THFとイオン交換水を95:5の割合で混合し、酢酸を用いてpHを4.5に調整した。この溶液に、実施例1で合成した2,3,5-トリヨード-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ベンズアミドを2重量%となるように添加した後、室温で5分間撹拌し、表面処理剤を調製した。
この表面処理剤を用いて評価試験(表面自由エネルギーの測定)を行ったところ、得られた試験結果は表1に示したとおりであった。
〔比較例1〕
表面処理剤による処理を行っていない試験片を用いて評価試験(表面自由エネルギーの測定)を行ったところ、得られた試験結果は表1に示したとおりであった。
〔比較例2~3〕
2,3,5-トリヨード-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ベンズアミドの代わりに、表1に示したシラン化合物を使用した以外は、実施例2と同様にして、表面処理剤を調製し、それらの表面処理剤を用いて評価試験(表面自由エネルギーの測定)を行ったところ、得られた試験結果は表1に示したとおりであった。
表1に示した試験結果より、表面処理剤として本発明の化合物を使用することにより、基材表面の表面自由エネルギーを増加させることができる。そのため、本発明の化合物を表面処理剤の成分として使用することで、被処理材と樹脂との接着性を向上させ得る。
本発明のシラン化合物は、分子内にヨウ素原子を2以上有することにより、表面処理剤の成分として使用した場合には、処理した被処理材表面の表面自由エネルギーを増加させることができ、被処理材と樹脂との接着性を向上させることが期待される。そのため、被処理材の表面を粗化することなく、平滑な状態に保持した状態で、樹脂との接着性を十分に確保できる。
従って、本発明は、種々の電子部品やデバイスの小型化、薄型化、高周波化、高密度化等の実現に大いに貢献し得るものであるから、産業上の利用可能性は多大である。

Claims (7)

  1. 化学式(I)で示されるシラン化合物。
    (式中、Rは、同一または異なって、水素原子または炭素数1~3のアルキル基を表し、Rは、炭素数1~3のアルキル基またはフェニル基を表し、Rは、水素原子、炭素数1~3のアルキル基またはフェニル基を表し、Xは、ヨウ素原子を表す。nは、1~5の整数を表し、mは、2~5の整数を表し、pは、1~3の整数を表す。)
  2. 請求項1に記載の化合物を含有する表面処理剤。
  3. 金属、無機材料および樹脂材料からなる群から選択される少なくとも1つの表面を処理するために用いることを特徴とする、請求項2に記載の表面処理剤。
  4. 請求項2に記載の表面処理剤を、金属、無機材料および樹脂材料からなる群から選択される少なくとも1つに接触させて当該少なくとも一方に化成皮膜を形成し、前記化成皮膜を介して互いに接着することを特徴とする接着方法。
  5. 金属、無機材料および樹脂材料からなる群から選択される2つの材料が、請求項2に記載の表面処理剤により形成された化成皮膜を介して接着されたことを特徴とするプリント配線板。
  6. 請求項1に記載の化合物と、樹脂または硬化性化合物とを含有する樹脂組成物。
  7. 請求項6に記載の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
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WO2017170600A1 (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 旭化成株式会社 感光性樹脂組成物、硬化レリーフパターンの製造方法及び半導体装置

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