JP7695065B2 - 含フッ素カルボン酸の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、腐食性を有さず安全性に優れた材料を使用し且つコストが低減された、含フッ素カルボン酸の製造方法を提供するものである。
[1]無機金属塩の存在下で、下記一般式(1)で表される含フッ素化合物を加水分解させることにより、下記一般式(2)で表される含フッ素カルボン酸を製造する、含フッ素カルボン酸の製造方法。
CaR2a+1-O-(CbR2b-O)k-CcR2c-COF (1)
CaR2a+1-O-(CbR2b-O)k-CcR2c-COOH (2)
(上記一般式(1)および(2)において、a、bおよびcはそれぞれ独立して1以上の整数であり、kは0以上の整数であり、Rはそれぞれ独立して水素原子またはフッ素原子であるが、Rの少なくとも一つはフッ素原子である。)
[2]無機金属塩の存在下で、下記一般式(3)で表される含フッ素化合物を加水分解させることにより、下記一般式(4)で表される含フッ素カルボン酸を製造する、含フッ素カルボン酸の製造方法。
FOC-CdR2d-(OCeR2e)l-OCfR2fO-(CgR2gO)m-ChR2h-COF (3)
HOOC-CdR2d-(OCeR2e)l-OCfR2fO-(CgR2gO)m-ChR2h-COOH (4)
(上記一般式(3)および(4)において、d、e、f、gおよびhはそれぞれ独立して1以上の整数であり、lおよびmはそれぞれ独立して0以上の整数であり、Rはそれぞれ独立して水素原子またはフッ素原子であるが、Rの少なくとも一つはフッ素原子である。)
[3]無機金属塩の存在下で、下記一般式(5)で表される含フッ素化合物を加水分解させることにより、下記一般式(6)で表される含フッ素カルボン酸を製造する、含フッ素カルボン酸の製造方法。
FOC-(CR2)n-COF (5)
HOOC-(CR2)n-COOH (6)
(上記一般式(5)および(6)において、nは1以上の整数であり、Rはそれぞれ独立して水素原子またはフッ素原子であるが、Rの少なくとも一つはフッ素原子である。)
[4]前記Rの全てがフッ素原子である、上記[1]から[3]までの何れか1つに記載の含フッ素カルボン酸の製造方法。
[5]前記無機金属塩は、Na、Mg、Al、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、およびGaからなる群から選択される少なくとも一種の金属の塩である、上記[1]から[4]までの何れか1つに記載の含フッ素カルボン酸の製造方法。
[6]前記無機金属塩は、Al2(SO4)3、NaCl、KCl、CaCl2、Na2SO4、MgSO4、K2SO4、およびK3PO4からなる群から選択される少なくとも一種の無機金属塩である、上記[1]から[5]までの何れか1つに記載の含フッ素カルボン酸の製造方法。
CaR2a+1-O-(CbR2b-O)k-CcR2c-COF (1)
CaR2a+1-O-(CbR2b-O)k-CcR2c-COOH (2)
(上記一般式(1)および(2)において、a、bおよびcはそれぞれ独立して1以上の整数であり、kは0以上の整数であり、Rはそれぞれ独立して水素原子またはフッ素原子であるが、Rの少なくとも一つはフッ素原子である。)
FOC-CdR2d-(OCeR2e)l-OCfR2fO-(CgR2gO)m-ChR2h-COF (3)
HOOC-CdR2d-(OCeR2e)l-OCfR2fO-(CgR2gO)m-ChR2h-COOH (4)
(上記一般式(3)および(4)において、d、e、f、gおよびhはそれぞれ独立して1以上の整数であり、lおよびmはそれぞれ独立して0以上の整数であり、Rはそれぞれ独立して水素原子またはフッ素原子であるが、Rの少なくとも一つはフッ素原子である。)
FOC-(CR2)n-COF (5)
HOOC-(CR2)n-COOH (6)
(上記一般式(5)および(6)において、nは1以上の整数であり、Rはそれぞれ独立して水素原子またはフッ素原子であるが、Rの少なくとも一つはフッ素原子である。)
上記一般式(1a)で表される化合物は好適な長さの鎖長と側鎖の分岐性を有するため、カルボニル炭素をより有効に電子欠乏状態とすることができる。この結果、一般式(2a)で表される含フッ素カルボン酸をより高い収率で効率的に製造することができる。
FOC-C2R4-OC2R4-OC3R6O-C2R4-COF (3a1)
HOOC-C2R4-OC2R4-OC3R6O-C2R4-COOH (4a1)
また、一般式(3)で表される含フッ素化合物は、下記一般式(3a2)で表される含フッ素化合物であるのが好ましい。さらに、一般式(4)で表される含フッ素カルボン酸は、一般式(4a2)で表される含フッ素カルボン酸であるのが好ましい。
上記一般式(3a1)および(3a2)で表される化合物ではカルボニル炭素をより有効に電子欠乏状態とすることができる。この結果、一般式(4a1)および(4a2)で表される含フッ素カルボン酸をより高い収率で効率的に製造することができる。
1000mlの反応器に、27質量%の硫酸アルミニウム水溶液649g(0.512mol)を添加した。該硫酸アルミニウム水溶液を水冷下で撹拌しながら、2,3,3,3-テトラフルオロ-2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロパノイルフルオリド340g(1.02mol)を滴下して加水分解反応を行わせた。得られた溶液を室温で1時間、撹拌した後に分相させ、下相(有機相)を分取した。分取した下相(有機相)に、フッ素イオン除去のために再度、27質量%の硫酸アルミニウム水溶液260g(0.205mol)を添加した後、撹拌、洗浄して分相させた。この後、下相の有機相374g(フッ素イオン濃度20ppm)を分取した。次に、分取した有機相に、氷冷下で98質量%の濃硫酸を添加して脱水した。濃硫酸の滴下後の有機相を室温に戻して1時間、撹拌した後、分相させて上相の有機相318gを得た。この有機相を減圧度0.2kPa、内温60~70℃で単蒸留し、留分として下記式(E)で表される2,3,3,3-テトラフルオロ-2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロパン酸307g(純度99.1質量%、収率90.4%)を得た。最終的に得られた生成物の分析結果を以下に示す。
19F-NMR(300MHz、C6F6):ppm -78.50、-78.96(c)、-80.42(e)、-81.44(a)、-84.91、-85.45(c)、-128.74(b)、-130.40(d)
1H-NMR(300MHz、アセトン-d6):ppm 12.98(f)
2000mlの反応器に、27質量%の硫酸アルミニウム水溶液864g(0.682mol)を添加した。該硫酸アルミニウム水溶液を水冷下で撹拌しながら、2-{1,1,2,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロポキシポリ[1-オキシ(トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-1,2-エタンジイル)]}テトラフルオロプロパノイルフルオリド(n=4~12)500gを滴下して加水分解反応を行わせた。得られた溶液を室温で1時間、撹拌した後に分相させ、494gの下相(有機相)を分取した。この有機相を減圧度0.2kPa、温水浴60℃の条件で3時間、エバポレータにより濃縮した。この後、得られた濃縮物に析出物が存在する場合には加圧濾過を行い、濃縮物487gを得た。次いで、得られた濃縮物を減圧度1Pa、内温110~130℃で薄膜蒸留を行い、留分として下記式(F)で表される2-{1,1,2,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロポキシポリ[1-オキシ(トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-1,2-エタンジイル)]}テトラフルオロプロパン酸400gを得た。最終的に得られた生成物の分析結果を以下に示す。
19F-NMR(300MHz、C6F6):ppm -77.24~-83.55(a、c、e、f、h)、-128.54(b)、-130.18(g)、-143.25(d)
1H-NMR(300MHz、TMS):ppm 11.91(i)
20Lの反応器に、27質量%の硫酸アルミニウム水溶液14176g(11.2mol)を添加した。該硫酸アルミニウム水溶液を水冷下で撹拌しながら、2,3,3,3-テトラフルオロ-2-[1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロポキシ]プロパノイルフルオリド7000g(13.6mol)を滴下して加水分解反応を行わせた。得られた溶液を室温で1時間撹拌した後に30分間、分相させ、下相(有機相)7320gを分取した。次に、分取した有機相6600gを減圧度1.0kPa、100~120℃で理論段数10段の精密蒸留を行い主留分として、下記式(G)で表される2,3,3,3-テトラフルオロ-2-[1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロポキシ]プロピオン酸5355gを得た(純度99GC%以上,収率87.5%)。最終的に得られた生成物の分析結果を以下に示す。
19F-NMR(300MHz、C6F6):ppm -77.60~-84.19(a,c,e,f,h)、-128.54(b)、-130.33(g)、-144.24(d)
1H-NMR(300MHz、TMS):ppm 13.10~11.50(i)
50mLのガラス反応器に27質量%の硫酸アルミニウム水溶液19.3g(0.030mol)を添加した。該硫酸アルミニウム水溶液を撹拌しながら2-[2-[1-[ジフルオロ[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(フルオロカルボキシ)エトキシ]メチル]-1,2,2,2-テトラフルオロエトキシ]-1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ]-2,3,3,3-テトラフルオロプロパノイルフルオリドを9.0g(0.015mol)滴下して加水分解反応を行った。得られた溶液を室温で2時間、撹拌した後に30分間、分相させ、下相(有機相)を分取して下記式(H)で表される2-[2-[2-(カルボキシジフルオロメトキシ)-1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロポキシ]-1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロポキシ]-2,3,3,3-テトラフルオロプロピオン酸9.6gを得た。最終的に得られた生成物の分析結果を以下に示す。
19F-NMR(400Hz,C6F6):ppm -76.26~-89.64(a,c,c’,e,f) -129.60(b) -143.92(d)
市水200gを入れた複数の500mlビーカーを用意し、各々のビーカーの市水中に無機金属塩としてNaCl、KCl、CaCl2、Na2SO4、MgSO4、Al2(SO4)3、K2SO4、K3PO4をそれぞれ飽和となるまで溶解させた。次いで、各々のビーカーの市水中に3,3,3-トリフルオロピルビン酸メチル200g(フッ化水素濃度86005ppm)を滴下し、撹拌後静置した。Al2(SO4)3を添加したビーカー中の市水のみを分相した。下相(有機相)を分取して該有機層中のフッ化水素濃度を測定したところ695ppmまで減少した。
30mlのガラス反応器に27質量%の硫酸アルミニウム8.0gを添加し、該硫酸アルミニウム水溶液を撹拌しながらα,ω-ジフルオロエタノイルフルオリドポリ(ジフルオロオキシメチレン-co-テトラフルオロオキシエチレン)を4.5g滴下して加水分解反応を行った。得られた溶液を1時間撹拌した後に30分間、分相させ、下相(有機相)を分取して下記式(I)で表されるα,ω-ジフルオロエタン酸ポリ(ジフルオロオキシメチレン-co-テトラフルオロオキシエチレン)4.8gを得た。最終的に得られた生成物の分析結果を以下に示す。
19F-NMR(400Hz,C6F6):ppm -52.63~-57.18(b,b’) -79.44~-81.22(a,a’) -87.92~-91.97(c)
20Lの反応器に、メタノール6.58kgを添加し、氷浴下で撹拌しながら、該メタノールに2,3,3,3-テトラフルオロ-2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロパノイルフルオリド12.39kgを滴下して、反応を行わせた。次いで、得られた溶液をpH6以上になるまで水洗し、Mg2SO4による脱水後に加圧濾過することにより、2,3,3,3-テトラフルオロ-2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロピオン酸メチルエステル11.86kgを得た(収率92.4%)。この後、1000mlの反応器に、2,3,3,3-テトラフルオロ-2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロピオン酸メチルエステル600.40gを添加した後、撹拌下でさらに27質量%の水酸化カリウムを含むメタノール溶液351.91gを滴下させた。次いで、溶液中のメタノール含量が1質量%以下になるまで、エバポレータにより溶液の濃縮を行い2,3,3,3-テトラフルオロ-2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロピオン酸カリウム642.45gを得た(粗収率100%)。この後、1000mlの反応器内に水719.53gおよび2,3,3,3-テトラフルオロ-2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロピオン酸カリウム915.75gを添加し、撹拌下でさらに硫酸394.9gを滴下させた。次いで、得られた溶液を静置した後、下相を回収した。次に、理論段数3段で下相の精密蒸留を行い、主留分として2,3,3,3-テトラフルオロ-2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロピオン酸544gを得た(収率66.2%)。全工程を通した2,3,3,3-テトラフルオロ-2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロピオン酸(純度99質量%超)の収率は61.2%であった。
反応器に、メタノール133.1kgを添加し、冷却下で撹拌しながら、該メタノールに2,3,3,3-テトラフルオロ-2-[1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロ2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロポキシ]プロパノイルフルオリド605.1kgを分添して、加水分解を行わせた。分添終了後2時間以上のエージング、1時間静置し、下相を回収した。次いで、得られた下相を5質量%の重曹水157.0kgで中和し、pH6になったところで有機相を回収した。さらに有機相に市水400kgを加え、30分以上撹拌、1時間以上静置し、2,3,3,3-テトラフルオロ-2-[1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロ2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロポキシ]プロピオン酸メチルエステルを598.9kg得た。この後、反応器に2,3,3,3-テトラフルオロ-2-[1,1,2,3,3,3,-ヘキサフルオロ2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロポキシ]プロピオン酸メチルエステル150.5kgを添加した後、撹拌下でさらに30質量%の水酸化カリウムを含むメタノール溶液61.5kgを滴下させた。次いで、減圧、加温によりメタノールを除去し、溶液が固化するまで溶液の濃縮を行った。この後、固形物に水83kgを加え、撹拌下でさらに濃硫酸43.6kgを分添し、50℃に加温し、1時間以上エージング、30分以上静置して下相を回収した。回収した下相を反応器に仕込み濃硫酸8.0kgを加え、15分撹拌、30分静置し、下相を回収し、粗3,3,3-テトラフルオロ-2-[1,1,2,3,3,3,-ヘキサフルオロ2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロポキシ]プロピオン酸150.5kgを得た。次に、別バッチで得た粗3,3,3-テトラフルオロ-2-[1,1,2,3,3,3,-ヘキサフルオロ2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロポキシ]プロピオン酸と合わせて計300.3kgを蒸留塔に仕込み、減圧、昇温によって低沸点成分を留去後、減圧度0.4kPa、66~72℃で主留を回収し、3,3,3-テトラフルオロ-2-[1,1,2,3,3,3,-ヘキサフルオロ2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロポキシ]プロピオン酸193.6kg(純度98GC%以上)を得た。
Claims (6)
- 無機金属塩(ただし、フッ化ナトリウムを除く)の存在下で、下記一般式(3)で表される含フッ素化合物を加水分解させることにより、下記一般式(4)で表される含フッ素カルボン酸を製造する、含フッ素カルボン酸の製造方法。
FOC-CdR2d-(OCeR2e)l-OCfR2fO-(CgR2gO)m-ChR2h-COF (3)
HOOC-CdR2d-(OCeR2e)l-OCfR2fO-(CgR2gO)m-ChR2h-COOH (4)
(上記一般式(3)および(4)において、d、e、f、gおよびhはそれぞれ独立して1以上の整数であり、lおよびmはそれぞれ独立して0以上の整数であり、Rはそれぞれ独立して水素原子またはフッ素原子であるが、Rの少なくとも一つはフッ素原子である。) - eが3である、請求項1に記載の含フッ素カルボン酸の製造方法。
- 無機金属塩の存在下で、下記一般式(5)で表される含フッ素化合物を加水分解させることにより、下記一般式(6)で表される含フッ素カルボン酸を製造する、含フッ素カルボン酸の製造方法。
FOC-(CR2)n-COF (5)
HOOC-(CR2)n-COOH (6)
(上記一般式(5)および(6)において、nは1以上の整数であり、Rはそれぞれ独立して水素原子またはフッ素原子であるが、Rの少なくとも一つはフッ素原子である。) - 前記Rの全てがフッ素原子である、請求項1から3までの何れか1項に記載の含フッ素カルボン酸の製造方法。
- 前記無機金属塩は、Na、Mg、Al、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、およびGaからなる群から選択される少なくとも一種の金属の塩である、請求項1から4までの何れか1項に記載の含フッ素カルボン酸の製造方法。
- 前記無機金属塩は、Al2(SO4)3、NaCl、KCl、CaCl2、Na2SO4、MgSO4、K2SO4、およびK3PO4からなる群から選択される少なくとも一種の無機金属塩である、請求項1から5までの何れか1項に記載の含フッ素カルボン酸の製造方法。
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| HAMAMOTO, S. et al.,Mechanistic Consideration of Fluoride Removal Using Aluminum Sulfate,Journal of Water and Environment Technology,2015年,Vol.13, No.1,pp.15-24 |
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