剥離コーティング組成物を形成するためのベース組成物が開示される。ベース組成物は、本明細書において単に組成物と称され得る。
ベース組成物は、任意の溶媒の非存在下で25℃で液体である(A)シリケート樹脂を含む。(A)シリケート樹脂は、代替的に、シリコーン樹脂と称され得るが、(A)シリケート樹脂中のQシロキシ、又はSiO4/2単位の存在を考慮して、シリケート樹脂である。一般に、シリコーン樹脂、具体的にはシリケート樹脂は、その三次元網目状構造により、25℃で固体である。固体シリコーン樹脂の処理の困難さを考慮して、シリコーン樹脂は、典型的には溶媒中に溶解され、溶媒、例えば脂肪族又は芳香族炭化水素溶媒中に溶解した固体シリコーン樹脂を含むか、又はそれからなるシリコーン樹脂組成物として利用される。このようにして、シリコーン樹脂組成物は、25℃又は室温で液体であり、シリコーン樹脂組成物をより容易に処理することが可能になる。例えば、シリコーン樹脂組成物は、液体形態の様々な最終使用用途のために、他の成分又は組成物と組み合わせることができる。同様に、任意の溶媒の非存在下で25℃で固体である従来のシリコーン樹脂は、液体シリコーンと易混和性ではない。これは、シリコーン組成物を調製する場合に、25℃で固体である従来のシリコーン樹脂を、液体シリコーン、例えば、液体オルガノポリシロキサンと、有機溶媒の非存在下で容易に混合又は可溶化することができないことを意味する。したがって、従来のシリコーン樹脂をシリコーン組成物中で利用する場合、有機溶媒が、典型的には、シリコーン組成物を形成する目的で必要とされ、後に、組成物の形態において、又は硬化時のいずれかに揮発する。
しかしながら、シリコーン組成物の欠点の1つは、溶媒が典型的には最終使用用途で除去されることである。例えば、シリコーン組成物を利用してフィルム又は物品を形成する場合、溶媒は、典型的には、このようなフィルム又は物品を形成するときに除去される。これには、例えば揮発を介して、溶媒を除去するための追加の処理工程、並びにエネルギー及び関連コストが必要になる。
対照的に、(A)シリケート樹脂は、任意の溶媒の非存在下で25℃で液体である。したがって、(A)シリケート樹脂が25℃で液体であることは、従来のシリコーン樹脂とは異なり、任意の溶媒、例えば有機溶媒の存在に起因しない。(A)シリケート樹脂は、任意の溶媒又は担体ビヒクルを含まないシリケート樹脂からなる。また更に、(A)シリケート樹脂は、任意の溶媒の非存在下で25℃で液体であるだけでなく、(A)シリケート樹脂は、ベース組成物中で1分子当たり平均して少なくとも2つのケイ素結合エチレン性不飽和基を含む(B)オルガノポリシロキサンと混和性である。これにより、任意の溶媒を必要とせずに、又はベース組成物から溶媒を除去するための関連する処理工程を必要とせずに、ベース組成物を容易に形成することが可能になる。
「液体」とは、(A)シリケート樹脂が25℃で流動性であり、かつ/又は任意の溶媒の非存在下で25℃で測定可能な粘度を有することを意味する。典型的には、(A)シリケート樹脂の粘度は、(A)シリケート樹脂の粘度に対して適切に選択されたスピンドルを備えたBrookfield LV DV-E粘度計を介して25℃で測定可能である。(A)シリケート樹脂の粘度は、特に、以下に記載されるように、その中に存在するM、D、T、及び/又はQシロキシ単位の含有量に基づいて変動し得る。
具体的な実施形態では、(A)シリケート樹脂は、平均式
[W]a[X]b[Y]cを有し、
式中、0<a<1であり、0<b<1であり、かつ0<c<1であるが、但し、a+b+c=1であることを条件とする。下付き文字a、b、及びcは、(A)シリケート樹脂中のW、X及びY単位のモル分率である。
(A)シリケート樹脂の上記の平均式では、[W]、[X]、及び[Y]は、より一般的な命名法[M]、[D]、及び[Q]の代わりに利用される。当該技術分野で理解されるように、Mシロキシ単位は、1つのシロキサン結合(すなわち、-O-Si-)を含み、Dシロキシ単位は、2つのシロキサン結合を含み、Qシロキシ単位は、4つのシロキサン結合を含む。
しかしながら、本開示の目的のために、[W]は、シロキサン結合又はその前駆体であり得る、1つの-Si-O-結合を含むシロキシ単位を示す。シロキサン結合の前駆体は、-Si-OZ結合であり、式中、Zは、独立して、H、アルキル基、又はK+若しくはNa+などのカチオン、代替的に、H又はアルキル基である。シラノール基及びアルコキシ基は、加水分解及び/又は縮合して、シロキサン結合を得ることができ、典型的には大部分のシリコーン樹脂中に本質的に存在する。シロキサン結合のこのような前駆体は、シリコーン樹脂を増粘することによって最小化することができ、これにより、副生成物としての水及び/又はアルコールとの更なる縮合がもたらされる。したがって、本開示の目的のために、[W]は、[R3SiO1/2]を示し、式中、各Rは、独立して選択されるヒドロカルビル基である。
更に、本開示の目的のために、[X]は、独立して、シロキサン結合又はその前駆体であり得る、2つの-Si-O-結合を含むシロキシ単位を示す。したがって、本開示の目的のために、[X]は、[R2SiO1/2(OZ)]b’[R2SiO2/2]b’’であり、式中、各Rは、独立して選択され、かつ上記で定義され、0≦b’≦bであり、0≦b’’≦bであるが、但し、b’+b’’=bであることを条件とし、各Zは、独立して、H、アルキル基、又はカチオンである。下付き文字b’及びb’’は、下付き文字b’で示される[X]シロキシ単位と、下付き文字b’’で示されるものとの相対モル分率をそれぞれ示し、b’及びb’’の合計は、bである。b’で示される[X]シロキシ単位では、1つのシロキサン結合及び1つのSi-OZ結合が存在し、下付き文字b’’で示される[X]シロキシ単位では、2つのシロキサン結合が存在する。
更に、本開示の目的のために、[Y]は、独立して、シロキサン結合又はその前駆体であり得る、4つの-Si-O-結合を含むシロキシ単位を示す。したがって、本開示の目的のために、[Y]は、[Si(OZ)c’O4-c’/2]であり、式中、各Zは、独立して選択され、かつ上記に定義され、下付き文字c’は、0~3の整数であり、かつ(A)シリケート樹脂中の下付き文字cで示される各シロキシ単位において独立して選択される。(A)シリケート樹脂は、下付き文字cで示されるシロキシ単位を含み得、c’は0であり、c’は1であり、c’は2であり、c’は3である。[Y]で表されるシロキシ単位は、1つ、2つ、3つ、又は4つのシロキサン結合を有し得、残りは、Si-OZ部分である。
特定の実施形態では、下付き文字aは、ゼロ超~0.9、代替的に0~0.8、代替的に0超~0.7、代替的に0超~0.6、代替的に0超~0.5である。具体的な実施形態では、下付き文字aは、0.10~0.50、代替的に0.15~0.40、代替的に0.25~0.35である。
これら又は他の実施形態では、下付き文字bは、ゼロ超~0.9、代替的に0超~0.8、代替的に0超~0.7、代替的に0超~0.6、代替的に0超~0.5、代替的に0超~0.4である。具体的な実施形態では、下付き文字bは、0.10~0.30、代替的に0.15~0.30、代替的に0.15~0.25である。下付き文字b’及びb’’は、[X]で表される特定のシロキシ単位の相対量を定義する。上述のように、0≦b’≦bであり、0≦b’’≦bであるが、但し、b’+b’’=bであることを条件とする。下付き文字b’が0であり得る一方で下付き文字b’’がbであるか、又は下付き文字b’がbであり得る一方で下付き文字b’’が0である。b’及びb’’で示される両方のシロキシ単位が(A)シリケート樹脂中に存在する場合、0<b’<bであり、0<b’’<bであるが、但し、b’+b’’=bであることを条件とする。
これら又は他の実施形態では、下付き文字cは、ゼロ超~0.9、代替的に0超~0.8、代替的に0超~0.7、代替的に0超~0.6である。代替的に、これら又は他の実施形態では、cは、0.1~0.9、代替的に0.2~0.9、代替的に0.3~0.9、代替的に0.4~0.9である。具体的な実施形態では、下付き文字cは、0.35~0.60、代替的に0.40~0.55である。
Rは、独立して選択されるヒドロカルビル基であり、平均して少なくとも1つ、代替的に少なくとも2つである、Rは、(A)シリケート樹脂の1分子当たりのエチレン性不飽和基である。一般に、Rに好適なヒドロカルビル基は、独立して、直鎖状、分岐状、環状、又はそれらの組み合わせであり得る。環状ヒドロカルビル基は、アリール基、及び飽和又は非共役環状基を包含する。環状ヒドロカルビル基は、独立して、単環式又は多環式であり得る。直鎖状及び分岐状ヒドロカルビル基は、独立して、飽和又は不飽和であり得る。直鎖状及び環状ヒドロカルビル基の組み合わせの一例は、アラルキル基である。ヒドロカルビル基の一般的な例としては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ハロカーボン基など、並びに誘導体、変形体、及びそれらの組み合わせが挙げられる。好適なアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル(例えば、イソプロピル及び/又はn-プロピル)、ブチル(例えば、イソブチル、n-ブチル、tert-ブチル、及び/又はsec-ブチル)、ペンチル(例えば、イソペンチル、ネオペンチル、及び/又はtert-ペンチル)、ヘキシル、ヘキサデシル、オクタデシル、並びに6~18個の炭素原子を有する分岐状飽和炭化水素基が挙げられる。好適な非共役環状基の例としては、シクロブチル、シクロヘキシル、及びシシロヘプチル基が挙げられる。好適なアリール基の例としては、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、ベンジル、及びジメチルフェニルが挙げられる。好適なアルケニル基の例としては、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘプテニル、ヘキセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニル、及びシクロヘキセニル基が挙げられる。好適な一価ハロゲン化炭化水素基(すなわち、ハロカーボン基)の例としては、ハロゲン化アルキル基、アリール基、及びそれらの組み合わせが挙げられる。ハロゲン化アルキル基の例としては、1つ以上の水素原子がF又はClなどのハロゲン原子で置換された、上述のアルキル基が挙げられる。ハロゲン化アルキル基の具体例としては、フルオロメチル、2-フルオロプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、4,4,4-トリフルオロブチル、4,4,4,3,3-ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3-ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3-ノナフルオロヘキシル、及び8,8,8,7,7-ペンタフルオロオクチル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、2,3-ジフルオロシクロブチル、3,4-ジフルオロシクロヘキシル、及び3,4-ジフルオロ-5-メチルシクロヘプチル、クロロメチル、クロロプロピル、2-ジクロロシクロプロピル、及び2,3-ジクロロシクロペンチル基、並びにそれらの誘導体が挙げられる。ハロゲン化アリール基の例としては、1つ以上の水素原子がF又はClなどのハロゲン原子で置換された、上述のアリール基が挙げられる。ハロゲン化アリール基の具体例としては、クロロベンジル及びフルオロベンジル基が挙げられる。
具体的な実施形態では、各Rは、1~32、代替的に1~28、代替的に1~24、代替的に1~20、代替的に1~16、代替的に1~12、代替的に1~8、代替的に1~4、代替的に1個の炭素原子を有するアルキル基から、及び2~32、代替的に2~28、代替的に2~24、代替的に2~20、代替的に2~16、代替的に2~12、代替的に2~8、代替的に2~4、代替的に2個の炭素原子を有するエチレン性不飽和基(すなわち、アルケニル基及び/又はアルキニル基)から独立して選択される。「アルケニル」は、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する非環状、分岐状、又は非分岐状の一価炭化水素基を意味する。その具体例としては、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基、及びオクテニル基が挙げられる。「アルキニル」は、1つ以上の炭素-炭素三重結合を有する非環状、分岐状、又は非分岐状の一価炭化水素基を意味する。その具体例としては、エチニル、プロピニル、及びブチニル基が挙げられる。エチレン性不飽和基の様々な例としては、CH2=CH-、CH2=CHCH2-、CH2=CH(CH2)4-、CH2=CH(CH2)6-、CH2=C(CH3)CH2-、H2C=C(CH3)-、H2C=C(CH3)-、H2C=C(CH3)CH2-、H2C=CHCH2CH2-、H2C=CHCH2CH2CH2-、HC≡C-、HC≡CCH2-、HC≡CCH(CH3)-、HC≡CC(CH3)2-、及びHC≡CC(CH3)2CH2-が挙げられる。典型的には、Rがエチレン性不飽和基である場合、エチレン性不飽和は、Rの末端である。当該技術分野で理解されるように、エチレン性不飽和は、脂肪族不飽和と称され得る。
具体的な実施形態では、下付き文字bで示されるシロキシ単位のみが、エチレン性不飽和を有するR基を含む。これらの実施形態では、下付き文字a及びcで示されるシロキシ単位のR基は、エチレン性不飽和を含まず、その具体例は、メチルである。特定の実施形態では、(A)シリケート樹脂は、下付き文字bで示されるシロキシ単位として、ジメチルシロキシ単位及びメチルビニルシロキシ単位の両方を含む。他の実施形態では、(A)シリケート樹脂は、下付き文字bで示されるシロキシ単位として、メチルビニルシロキシ単位を含むが、ジメチルシロキシ単位を含まない。このようなシロキシ単位の相対量は、(A)シリケート樹脂を調製するときに選択的に制御され得る。当該技術分野で理解されるように、上に記載のシロキシ単位は、単に例示的なものであり、メチルは、他のヒドロカルビル基で置換されてもよく、ビニルは、他のエチレン性不飽和基で置換されてもよい。
特定の実施形態では、(A)シリケート樹脂は、各分子中のSiの総モル数に基づいて、12~80、代替的に15~70、代替的に15~60、代替的に15~50、代替的に15~40、代替的に15~30パーセントのSiOZ部分の含有量を有する。SiOZ部分の含有量は、29Si-NMRを介して計算することができる。具体的には、(A)シリケート樹脂中の以下のシロキシ単位のモル含有量が判定される。
W=R3SiO1/2
X1=R2(OZ)SiO1/2
X2=R2SiO2/2
T1=R(OZ)2SiO1/2
T2=R(OZ)SiO2/2
T3=RSiO3/2
Y1=(OZ)3SiO1/2
Y2=(OZ)2SiO1/2
Y3=(OZ)SiO3/2
Y4=SiO4/2
モル%としてのケイ素原子に対するOZ含有量は、標識に対応するピーク下の積分面積に対応する式中の各ピークの標識によって、以下の式で計算することができる。
上述の実施形態では、(A)シリケート樹脂中にTシロキシ単位は存在しないが、他の実施形態では上記の計算に含まれる。
これら又は他の実施形態では、(A)シリケート樹脂は、代替的に(A)シリケート樹脂の総重量に基づいて、0超~10重量パーセントのケイ素結合エチレン性不飽和基を有する。ケイ素結合エチレン性不飽和基の重量パーセントは、(A)シリケート樹脂の粘度とは独立しており、これは、特定のシロキサンポリマー又はビヒクルに分散されるとその粘度の関数になる従来の固体シリコーン樹脂のケイ素結合エチレン性不飽和基の重量パーセントとは異なる。したがって、例えば、(A)シリケート樹脂の粘度に影響を与えることなく、ケイ素結合エチレン性不飽和基の重量パーセントを増加させることができる。ケイ素結合エチレン性不飽和基の重量パーセントは、以下に記載されるように、(A)シリケート樹脂を調製するときに選択的に制御され得る。
これら又は他の実施形態では、(A)シリケート樹脂中のケイ素結合エチレン性不飽和基の重量パーセントは、(A)シリケート樹脂の粘度とは独立して選択的に制御され得る。対照的に、ケイ素結合エチレン性不飽和基を含む従来のシリコーン樹脂では、その含有量は、粘度の関数であり、特定の粘度でケイ素結合エチレン性不飽和基の含有量を選択的に制御する能力を制限し、本質的に特定の最終使用用途を制限する。様々な実施形態では、(A)シリケート樹脂は、1,000~100,000、代替的に1,000~50,000、代替的に1,000~10,000の重量平均分子量を有する。分子量は、ポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPC)を介して測定され得る。これら又は他の実施形態では、(A)シリケート樹脂は、25℃で10~500,000、代替的に10~250,000、代替的に10~100,000cPの粘度を有する。粘度は、当該技術分野で理解されるように、(A)シリケート樹脂の粘度に対して適切に選択されたスピンドルを備えたBrookfield LV DV-E粘度計を介して25℃で測定され得る。(A)シリケート樹脂の粘度及び分子量は、(A)シリケート樹脂を調製するときに制御され得る。
様々な実施形態では、シリケート樹脂は、MQ樹脂から調製され、Mは、(R0SiO3/2)シロキシ単位を指定し、Qは、(SiO4/2)シロキシ単位を指定し、式中、R0は、ケイ素結合置換基を指定する。このようなMQ樹脂は、当該技術分野で既知であり、溶媒中に配置されない限り、多くの場合、固体(例えば、粉末又はフレーク)形態である。しかしながら、典型的には、当該技術分野で利用される命名法では、Mシロキシ単位は、トリメチルシロキシ単位であるが、MQ樹脂は、メチル基以外のヒドロカルビル基を含み得る。典型的には、しかしながら、MQ樹脂のMシロキシ単位は、トリメチルシロキシ単位である。
MQ樹脂は、式MnQを有し得、式中、下付き文字nは、Qシロキシ単位のモル数を1に正規化した場合の、Mシロキシ単位のQシロキシ単位に対するモル比を指す。nの値が大きいほど、MQ樹脂の架橋密度は低くなる。nの値が減少するとMシロキシ単位の数が減少し、したがって、Mシロキシ単位を介して末端とすることなく、より多くのQシロキシ単位が網状になるため、逆も当てはまる。MQ樹脂の式がQシロキシ単位の含有量を1に正規化するという事実は、MQ樹脂が1つのQ単位のみを含むことを意味するものではない。典型的には、MQ樹脂は、一緒にクラスター化又は結合された複数のQシロキシ単位を含む。MQ樹脂は、特定の実施形態では、最大4、代替的に最大3、代替的に最大2重量パーセントのヒドロキシル基を含み得る。
具体的な実施形態では、下付き文字nは、<1であり、例えば、下付き文字nは、0.05~0.99、代替的に0.10~0.95、代替的に0.15~0.90、代替的に0.25~0.85、代替的に0.40~0.80である。これらの実施形態では、モル基準では、Mシロキシ単位よりもQシロキシ単位がMQ樹脂中に多く存在する。しかしながら、nは、>1であり得、他の実施形態では、例えば>1~6、代替的に>1~5、代替的に>1~4、代替的に>1~3、代替的に>1~2であり得る。
具体的な実施形態では、(A)シリケート樹脂をMQ樹脂から調製するために、MQ樹脂を塩基触媒の存在下でシラン化合物と反応させる。シラン化合物は、典型的には、ケイ素結合エチレン性不飽和基及び2つのケイ素結合アルコキシ基を含む。ケイ素結合アルコキシ基は、独立して選択され得、典型的には、1~10、代替的に1~8、代替的に1~6、代替的に1~4、代替的に1又は2、代替的に1個の炭素原子を有する。例えば、ケイ素結合アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどであり得る。例えば、シラン化合物は、式R2Si(OR)2を有し得、式中、各Rは、独立して選択され、アルコキシ基の一部ではない少なくとも1つのRは、エチレン性不飽和基である。
(A)シリケート樹脂を調製する方法では、塩基触媒は、典型的には、MQ樹脂のシロキサン結合を、典型的にはMとQシロキシ単位との間で切断してSiOZ基を得、Zは上記で定義されている。シラン化合物は、加水分解し、SiOZ基と縮合して、その中に組み込まれ得る。切断されたシロキシ結合と、シラン化合物に起因する直鎖状シロキシ単位を含めることと両方によって、(A)シリケート樹脂は、任意の溶媒の非存在下で25℃で液体になる。
シラン化合物は、Dシロキシ単位、すなわち、[X]及び下付き文字bで示されるものとして(A)シリケート樹脂に組み込まれるため、シラン化合物は、所望のDシロキシ単位に基づいて選択され得る。例えば、(A)シリケート樹脂がメチルビニルシロキシ単位を含む場合、シラン化合物は、メチルビニルジアルコキシシラン、例えばメチルビニルジメトキシシランである。(A)シリケート樹脂がジメチルシロキシ単位及びメチルビニルシロキシ単位を含む場合、シラン化合物は、ジメチルジメトキシシランと組み合わせてメチルビニルジメトキシシランを含み得る。したがって、シラン化合物は、2つ以上の異なるシラン化合物を同時に含み得る。
MQ樹脂と比較して利用されるシラン化合物の相対量は、(A)シリケート樹脂中の所望の下付き文字bの関数である。より多くのDシロキシ単位が所望される場合、より多くのシラン化合物が利用され、その逆も同様である。当業者であれば、この詳細な説明に従う実施例を含む本明細書の説明を考慮して、このような含有量を選択的に制御する方法を理解する。
MQ樹脂及びシラン化合物は、触媒の存在下で反応する。典型的には、触媒は、MQ樹脂とシラン化合物との間の反応が酸触媒反応又は塩基触媒反応のいずれかであるように、酸又は塩基である。典型的には、反応は、塩基触媒化である。したがって、特定の実施形態では、触媒は、強酸触媒、強塩基触媒、及びそれらの組み合わせの群から選択され得る。強酸触媒は、トリフルオロメタンスルホン酸などであり得る。触媒は、典型的には、強塩基触媒である。典型的には、強塩基触媒はKOHであるが、ホスファゼン塩基触媒などの他の塩基触媒を利用してもよい。
ホスファゼン触媒は、一般に、少なくとも1つの-(N=P<)-単位(すなわち、ホスファゼン単位)を含み、通常、最大10のこのようなホスファゼン単位を有する、例えば、平均1.5~最大5のホスファゼン単位を有する、オリゴマーである。ホスファゼン触媒は、例えば、クロロホスファゼン(ホスホニトリルクロリド)などのハロホスファゼン、酸素含有ハロホスファゼン、ホスファゼニウム塩などのホスファゼンのイオン性誘導体、特にパークロロオリゴホスファゼニウム塩などのハロゲン化ホスホニトリルのイオン性誘導体、又はその部分的に加水分解された形態であり得る。
具体的な実施形態では、触媒は、ホスファゼン塩基触媒を含む。ホスファゼン塩基触媒は、当該技術分野で既知である任意のものであり得るが、典型的には、以下の化学式を有し、
((R3
2N)3P=N)t(R3
2N)3-tP=NR3
式中、各R3は、水素原子、R、及びそれらの組み合わせの群から独立して選択され、tは、1~3の整数である。R3がRである場合、R3は、典型的には、1~20、代替的に1~10、代替的に1~4個の炭素原子を有するアルキル基である。任意の(R3
2N)部分の2つのR3基は、同じ窒素(N)原子に結合し、連結して、好ましくは5又は6個のメンバーを有する複素環を完成させ得る。
代替的に、ホスファゼン塩基触媒は、塩であり得、以下の代替化学式
[((R3
2N)3P=N)t(R3
2N)3-tP=N(H)R3]+[A-]、又は
[((R3
2N)3P=N)s(R3
2N)4-sP]+[A-]のうちの1つを有し、
式中、各R3は、独立して選択され、かつ上記で定義され、下付き文字tは、上記で定義され、下付き文字sは、1~4の整数であり、[A]は、アニオンであり、典型的には、フルオリド、ヒドロキシド、シラノレート、アルコキシド、カーボネート、バイカーボネートの群から選択される。一実施形態では、ホスファゼン塩基は、水酸化アミノホスファゼニウムである。
特定の実施形態では、MQ樹脂及びシラン化合物は、溶媒の存在下で、高温、例えば、75~125℃で反応する。好適な溶媒は、炭化水素であり得る。好適な炭化水素としては、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、若しくはキシレン;及び/又は脂肪族炭化水素、例えばヘプタン、ヘキサン、若しくはオクタンが挙げられる。代替的に、溶媒は、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、1,1,1-トリクロロエタン、又は塩化メチレンであり得る。酢酸などの中和剤を利用して、反応後に触媒を中和し得る。当業者であれば、その選択及び反応条件の関数である、利用される触媒の触媒量を容易に判定することができる。得られた(A)シリケート樹脂は、従来の技術、例えばストリッピング又は他の揮発技術を介して、反応生成物から単離又は回収され得る。
ベース組成物は、ベース組成物の総重量に基づいて、0超~100重量パーセント未満の量で(A)シリケート樹脂を含む。(A)シリケート樹脂の相対量は、ベース組成物の最終使用用途の関数である。ベース組成物を利用して剥離コーティング組成物を調製する場合、ベース組成物中の(A)シリケート樹脂の含有量は、剥離コーティング組成物及びそれから調製された剥離コーティングの所望の特性に基づいて選択される。特定の実施形態では、(A)シリケート樹脂は、剥離コーティング組成物及びそれから調製された剥離コーティング中の剥離改質剤としての役割を果たす。
典型的には、ベース組成物の残りは、以下に記載されるように、成分(B)を含み、代替的に成分(B)である。特定の実施形態では、ベース組成物は、任意の溶媒、特に有機溶媒を実質的に含まない。実質的に含まないとは、ベース組成物が、ベース組成物の総重量に基づいて、5未満、代替的に1未満、代替的に0.5未満、代替的に0.25未満、代替的に0.1未満、代替的に0重量パーセントの量で有機溶媒を含むことを意味する。加えて、以下に記載されるように、ベース組成物は、典型的には、ベース組成物を得るために混合物から溶媒をストリップする必要がないように有機溶媒を含む、任意の溶媒の非存在下で形成される。
組成物は、1分子当たり平均して少なくとも2つのケイ素結合エチレン性不飽和基を有する(B)オルガノポリシロキサンを更に含む。特定の実施形態では、(B)オルガノポリシロキサンは、1分子当たり、末端脂肪族不飽和を有する平均して少なくとも2つのケイ素結合基を有する。この(B)オルガノポリシロキサンは、直鎖状、分岐状、部分的に分岐状、環状、樹脂状(すなわち、三次元網目を有する)であり得るか、又は異なる構造の組み合わせを含み得る。ポリオルガノシロキサンは、平均式R4
aSiO(4-a)/2を有し得、式中、各R4は、一価炭化水素基又は一価ハロゲン化炭化水素基から独立して選択されるが、但し、各分子において、R4のうちの少なくとも2つが、脂肪族不飽和を含むことを条件とし、下付き文字aは、0<a≦3.2となるように選択される。R4に好適な一価炭化水素基及び一価ハロゲン化炭化水素基は、Rについて上述されている。ポリオルガノシロキサンの上記の平均式は、代替的に、(R4
3SiO1/2)b(R4
2SiO2/2)c(R4SiO3/2)d(SiO4/2)eと表記され得、式中、R4は上記で定義され、下付き文字b、c、d、及びeは、各々独立して≧0~≦1であるが、但し、数量(b+c+d+e)=1であることを条件とする。当業者であれば、このようなM、D、T、及びQ単位、並びにそれらのモル分率が、上記の平均式中の下付き文字aにどのように影響を及ぼすかを理解する。T単位(下付き文字dで示される)、Q単位(下付き文字eで示される)、又はその両方は、典型的には、ポリオルガノシロキサン樹脂中に存在し、一方、下付き文字cで示されるD単位は、典型的には、ポリオルガノシロキサンポリマー中に存在する(及びまた、ポリオルガノシロキサン樹脂又は分岐状ポリオルガノシロキサン中に存在し得る)。
代替的に、(B)オルガノポリシロキサンは、実質的に直鎖状であり得、代替的に直鎖状である。実質的に直鎖状のオルガノポリシロキサンは、平均式R4
a’SiO(4-a’)/2を有し得、式中、各R4は、上記で定義したとおりであり、下付き文字a’は、1.9≦a’≦2.2となるように選択される。
25℃で、成分(B)の実質的に直鎖状のオルガノポリシロキサンは、流動性液体であり得るか、又は未硬化ゴムの形態を有し得る。実質的に直鎖状のオルガノポリシロキサンは、25℃で、10mPa・s~30,000,000mPa・s、代替的に10mPa・s~10,000mPa・s、代替的に100mPa・s~1,000,000mPa・s、及び代替的に100mPa・s~100,000mPa・sの粘度を有し得る。粘度は、実質的に直鎖状のポリオルガノポリシロキサンの粘度に対して適切に選択されたスピンドル、すなわちRV-1~RV-7を備えたBrookfield LV DV-E粘度計を介して、25℃で測定され得る。典型的には、成分(B)は、成分(A)との混和性のために25℃で流動性液体である。
代替的に、(B)オルガノポリシロキサンが実質的に直鎖状又は直鎖状である場合、(B)オルガノポリシロキサンは、平均単位式(R6R5
2SiO1/2)aa(R6R5SiO2/2)bb(R6
2SiO2/2)cc(R5
3SiO1/2)ddを有し得、式中、各R5は、脂肪族不飽和を含まない独立して選択される一価炭化水素基、又は脂肪族不飽和を含まない一価ハロゲン化炭化水素基であり、各R6は、アルケニル及びアルキニルからなる群から独立して選択され、下付き文字aaは、0、1、又は2であり、下付き文字bbは、0以上であり、下付き文字ccは、1以上であり、下付き文字ddは、0、1、又は2であるが、但し、数量(aa+dd)≧2、数量(aa+dd)=2であることを条件とし、但し、数量(aa+bb+cc+dd)が、3~2,000であることを条件とする。代替的に、下付き文字cc≧0である。代替的に、下付き文字bb≧2である。代替的に、数量(aa+dd)は、2~10、代替的に2~8、及び代替的に2~6である。代替的に、下付き文字ccは、0~1,000、代替的に1~500、及び代替的に1~200である。代替的に、下付き文字bbは、2~500、代替的に2~200、及び代替的に2~100である。
R5の一価炭化水素基は、1~6個の炭素原子のアルキル基、6~10個の炭素原子のアリール基、1~6個の炭素原子のハロゲン化アルキル基、6~10個の炭素原子のハロゲン化アリール基、7~12個の炭素原子のアラルキル基、又は7~12個の炭素原子のハロゲン化アラルキル基によって例示され、アルキル、アリール、及びハロゲン化アルキルは、本明細書に記載のとおりである。代替的に、各R5は、アルキル基である。代替的に、各R5は、独立して、メチル、エチル、又はプロピルである。R5の各事例は、同一でも異なってもよい。代替的に、各R5は、メチル基である。
R6の脂肪族不飽和一価炭化水素基は、ヒドロシリル化反応を受けることが可能である。R6に好適な脂肪族不飽和炭化水素基は、本明細書で定義され、かつビニル、アリル、ブテニル、及びヘキセニルによって例示されるアルケニル基と、本明細書で定義され、かつエチニル及びプロピニルによって例示されるアルキニル基と、によって例示される。代替的に、各R6は、ビニル又はヘキセニルであり得る。代替的に、各R6は、ビニル基である。(B)オルガノポリシロキサンのアルケニル又はアルキニル含有量は、(B)オルガノポリシロキサンの重量に基づいて、0.1重量%~1重量%、代替的に0.2重量%~0.5重量%であり得る。
(B)オルガノポリシロキサンが実質的に直鎖状であり、代替的に直鎖状である場合、少なくとも2つの脂肪族不飽和基は、ペンダント位置、末端位置、又はペンダント位置と末端位置との両方でケイ素原子に結合し得る。ペンダントケイ素結合脂肪族不飽和基を有する(B)オルガノポリシロキサンの具体例として、(B)オルガノポリシロキサンは、平均単位式
[(CH3)3SiO1/2]2[(CH3)2SiO2/2]cc[(CH3)ViSiO2/2]bbを有し得、式中、下付き文字bb及びccは、上記で定義され、Viはビニル基を示す。この平均式に関して、任意のメチル基が、異なる一価炭化水素基(アルキル又はアリールなど)で置換されてもよく、任意のビニル基が、異なる脂肪族不飽和一価炭化水素基(アリル又はヘキセニルなど)で置換されてもよい。代替的に、1分子当たり、平均して少なくとも2つのケイ素結合脂肪族不飽和基を有するポリオルガノシロキサンの具体例として、(B)オルガノポリシロキサンは、平均式Vi(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]ccSi(CH3)2Viを有し得、式中、下付き文字cc及びViは、上記で定義される。ケイ素結合ビニル基で終端されたジメチルポリシロキサンは、単独で、又は(B)オルガノポリシロキサンとして直前に開示されたジメチル、メチル-ビニルポリシロキサンと組み合わせて使用され得る。この平均式に関して、任意のメチル基が、異なる一価炭化水素基で置換されてもよく、任意のビニル基が、任意の末端脂肪族不飽和一価炭化水素基で置換されてもよい。少なくとも2つのケイ素結合脂肪族不飽和基がペンダント及び末端の両方であり得るため、(B)オルガノポリシロキサンは、代替的に平均単位式
[Vi(CH3)2SiO1/2]2[(CH3)2SiO2/2]cc[(CH3)ViSiO2/2]bbを有し得、式中、下付き文字bb及びcc並びにViは、上記で定義される。
(B)オルガノポリシロキサンが実質的に直鎖状のポリオルガノシロキサンである場合、(B)オルガノポリシロキサンは、両方の分子末端がジメチルビニルシロキシ基でキャップされたジメチルポリシロキサン、両方の分子末端がジメチルビニルシロキシ基でキャップされたメチルフェニルポリシロキサン、両方の分子末端がジメチルビニルシロキシ基でキャップされたメチルフェニルシロキサンとジメチルシロキサンとのコポリマー、両方の分子末端がジメチルビニルシロキシ基でキャップされたメチルビニルシロキサンとメチルフェニルシロキサンとのコポリマー、両方の分子末端がジメチルビニルシロキシ基でキャップされたメチルビニルシロキサンとジフェニルシロキサンとのコポリマー、両方の分子末端がジメチルビニルシロキシ基でキャップされたメチルビニルシロキサンとメチルフェニルシロキサンとジメチルシロキサンとのコポリマー、両方の分子末端がトリメチルシロキシ基でキャップされたメチルビニルシロキサンとメチルフェニルシロキサンとのコポリマー、両方の分子末端がトリメチルシロキシ基でキャップされたメチルビニルシロキサンとジフェニルシロキサンとのコポリマー、両方の分子末端がトリメチルシロキシ基でキャップされたメチルビニルシロキサンとメチルフェニルシロキサンとジメチルシロキサンとのコポリマーによって例示され得る。
代替的に、(B)オルガノポリシロキサンは、
i)ジメチルビニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
ii)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
iii)ジメチルビニルシロキシ末端ポリメチルビニルシロキサン、
iv)トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
v)トリメチルシロキシ末端ポリメチルビニルシロキサン、
vi)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
vii)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン)、
viii)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン)、
ix)フェニル,メチル,ビニル-シロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
x)ジメチルヘキセニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
xi)ジメチルヘキセニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
xii)ジメチルヘキセニルシロキシ末端ポリメチルヘキセニルシロキサン、
xiii)トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
xiv)トリメチルシロキシ末端ポリメチルヘキセニルシロキサン
xv)ジメチルヘキセニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
xvi)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)及び
xvii)それらの組み合わせからなる群から選択される、実質的に直鎖状、代替的に直鎖状のポリオルガノシロキサンを含み得る。
代替的に、(B)オルガノポリシロキサンは、樹脂状ポリオルガノシロキサンを含み得る。樹脂状ポリオルガノシロキサンは、平均式R4
a”SiO(4-a”)/2を有し得、式中、各R4は、上記に定義したように独立して選択され、下付き文字a”は、0.5≦a”≦1.7となるように選択される。
樹脂状ポリオルガノシロキサンは、分岐状又は三次元網状の分子構造を有する。25℃で、樹脂状ポリオルガノシロキサンは、液体の形態であっても固体の形態であってもよい。代替的に、樹脂状ポリオルガノシロキサンは、T単位のみを含むポリオルガノシロキサン、T単位を他のシロキシ単位(例えば、M、D、及び/又はQシロキシ単位)と組み合わせて含むポリオルガノシロキサン、又はQ単位を他のシロキシ単位(すなわち、M、D、及び/又はTシロキシ単位)と組み合わせて含むポリオルガノシロキサンによって例示され得る。典型的には、樹脂状ポリオルガノシロキサンは、T単位及び/又はQ単位を含む。樹脂状ポリオルガノシロキサンの具体例としては、ビニル末端シルセスキオキサン(すなわち、T樹脂)及びビニル末端MDQ樹脂が挙げられる。
代替的に、(B)オルガノポリシロキサンは、分岐状シロキサン、シルセスキオキサン、又は分岐状シロキサン及びシルセスキオキサンの両方を含み得る。
(B)オルガノポリシロキサンが異なるオルガノポリシロキサンのブレンドを含む場合、ブレンドは、物理的ブレンド又は混合物であり得る。例えば、(B)オルガノポリシロキサンが分岐状シロキサン及びシルセスキオキサンを含む場合、分岐状シロキサン及びシルセスキオキサンは、組成物中に存在するすべての成分の合計重量に基づいて、分岐状シロキサンの量及びシルセスキオキサンの合わせた量が合計100重量部になるように、互いに対する量で存在する。分岐状シロキサンは、50~100重量部の量で存在し得、シルセスキオキサンは、0~50重量部の量で存在し得る。代替的に、分岐状シロキサンは、50~90重量部の量で存在し得、シルセスキオキサンは、10~50重量部の量で存在し得る。代替的に、分岐状シロキサンは、50~80重量部の量で存在し得、シルセスキオキサンは、20~50重量部の量で存在し得る。代替的に、分岐状シロキサンは、50~76重量部の量で存在し得、シルセスキオキサンは、24~50重量部の量で存在し得る。代替的に、分岐状シロキサンは、50~70重量部の量で存在し得、シルセスキオキサンは、30~50重量部の量で存在し得る。
(B)オルガノポリシロキサンの分岐状シロキサンは、単位式(R7
3SiO1/2)p(R8R7
2SiO1/2)q(R7
2SiO2/2)r(SiO4/2)sを有し得、式中、各R7は、独立して、脂肪族不飽和を含まない一価炭化水素基、又は脂肪族不飽和を含まない一価ハロゲン化炭化水素基であり、各R8は、アルケニル基又はアルキニル基であり、その両方は、上述のとおりであり、下付き文字p≧0であり、下付き文字q>0であり、15≧r≧995であり、下付き文字sは、>0である。
直前の単位式では、下付き文字p≧0である。下付き文字q>0である。代替的に、下付き文字q≧3である。下付き文字rは、15~995である。下付き文字s>0である。代替的に、下付き文字s≧1である。代替的に、下付き文字pについては、22≧p≧0、代替的に20≧p≧0、代替的に15≧p≧0、代替的に10≧p≧0、及び代替的に、5≧p≧0である。代替的に、下付き文字qについては、22≧q>0、代替的に22≧q≧4、代替的に20≧q>0、代替的に15≧q>1、代替的に10≧q≧2、及び代替的に15≧q≧4である。代替的に、下付き文字rについては、800≧r≧15、及び代替的に400≧r≧15である。代替的に、下付き文字sについては、10≧s>0、代替的に、10≧s≧1、代替的に5≧s>0、及び代替的に、s=1である。代替的に、下付き文字sは、1又は2である。代替的に、下付き文字s=1である場合、下付き文字pは、0であり得、下付き文字qは、4であり得る。
分岐状シロキサンは、式(R7
2SiO2/2)m,の少なくとも2つのポリジオルガノシロキサン鎖を含有し得、式中、各下付き文字mは、独立して2~100である。代替的に、分岐状シロキサンは、式(R7
2SiO2/2)oの4つのポリジオルガノシロキサン鎖に結合した式(SiO4/2)の少なくとも1つの単位を含み得、式中、各下付き文字oは、独立して1~100である。代替的に、分岐状シロキサンは、以下の式を有し得、
式中、下付き文字uは、0又は1であり、各下付き文字tは、独立して、0~995、代替的に15~995、及び代替的に0~100であり、各R9は、独立して選択された一価炭化水素基であり、各R7は、上述のように、独立して選択される、脂肪族不飽和を含まない一価炭化水素基、又は脂肪族不飽和を含まない一価ハロゲン化炭化水素基であり、各R8は、上述のように、アルケニル及びアルキニルからなる群から独立して選択される。好適な分岐状シロキサンは、米国特許第6,806,339号及び米国特許出願公開第2007/0289495号に開示されているものによって例示される。
具体的な実施形態では、分岐状シロキサンは、式(R2
yR1
3-ySiO1/2)x(R1R2SiO2/2)z(SiO4/2)を有し、式中、各R1は、エチレン性不飽和を含まない、独立して選択されるヒドロカルビル基であり、各R2は、R1及びエチレン性不飽和基から独立して選択され、下付き文字yは、下付き文字xで示される各シロキシ単位において独立して選択され、かつ1又は2であり、各々、下付き文字xは、1.5~6であり、下付き文字zは、3~1,000である。エチレン性不飽和を含まないヒドロカルビル基及びエチレン性不飽和基の具体例は、Rについて上に記載されている。
シルセスキオキサンは、単位式
(R7
3SiO1/2)i(R8R7
2SiO1/2)f(R7
2SiO2/2)g(R7SiO3/2)hを有し得、式中、R7及びR8は、上述のとおりであり、下付き文字i≧0であり、下付き文字f>0であり、下付き文字gは、15~995であり、下付き文字h>0である。下付き文字iは、0~10であり得る。代替的に、下付き文字iについて、12≧i≧0、代替的に10≧i≧0、代替的に7≧i≧0、代替的に5≧i≧0、及び代替的に3≧i≧0である。
代替的に、下付き文字f≧1である。代替的に、下付き文字f≧3である。代替的に、下付き文字fについて、12≧f>0、代替的に12≧f≧3、代替的に10≧f>0、代替的に7≧f>1、代替的に5≧f≧2、及び代替的に7≧f≧3である。代替的に、下付き文字gについて、800≧g≧15、及び代替的に400≧g≧15である。代替的に、下付き文字h≧1である。代替的に、下付き文字hは、1~10である。代替的に、下付き文字hについて、10≧h>0、代替的に5≧h>0、及び代替的にh=1である。代替的に、下付き文字hは、1~10であり、代替的に、下付き文字hは、1又は2である。代替的に、下付き文字h=1の場合、下付き文字fは3であり得、下付き文字iは、0であり得る。下付き文字fの値は、単位式(ii-II)のシルセスキオキサンが、シルセスキオキサンの重量に基づいて、0.1重量%~1重量%、代替的に0.2重量%~0.6重量%のアルケニル含有量となるのに十分であり得る。好適なシルセスキオキサンは、米国特許第4,374,967号に開示されているものによって例示される。
(B)オルガノポリシロキサンは、構造、分子量、ケイ素原子に結合した一価基、及び脂肪族不飽和基の含有量などの少なくとも1つの特性が異なる組み合わせ又は2つ以上の異なるポリオルガノシロキサンを含み得る。組成物は、組成物の総重量に基づいて、60~99.5、代替的に60~98、代替的に60~95、代替的に70~95、代替的に75~95重量パーセントの量で、(B)オルガノポリシロキサンを含み得る。
これら又は他の実施形態では、(A)シリケート樹脂及び(B)オルガノポリシロキサンを含む、代替的に、それらからなるベース組成物は、ベース組成物が流動性であるように、25℃での粘度を有する。例えば、特定の実施形態では、成分(A)及び(B)の選択に依存して、(A):(B)の重量基準で40:60のブレンドは、500~100,000、代替的に2,000~50,000、代替的に4,000~30,000センチポアズ(cP)の粘度を有する。粘度は、ベース組成物の粘度に対して適切に選択されたスピンドルを備えたBrookfield LV DV-E粘度計を介して測定され得る。上記の粘度範囲は、ベース組成物が、有機溶媒を含む任意の溶媒を含まない場合である。
これら又は他の実施形態では、同じベース組成物は、500~500,000、代替的に1,000~250,000、代替的に10,000~150,000の重量平均分子量を有する。分子量は、ポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を介して測定され得る。
ベース組成物を調製する方法も提供される。方法は、(A)シリケート樹脂及び(B)オルガノポリシロキサンを組み合わせて、ベース組成物を得ることを含む。典型的には、(A)シリケート樹脂は、(B)オルガノポリシロキサン中に配置される。しかしながら、成分(A)及び(B)は、任意の様式で、任意の添加順序で、任意選択的に撹拌又は他の混合で組み合わされ得る。(A)シリケート樹脂が(B)オルガノポリシロキサンと混和性又はその中で混和性であるため、この方法は、典型的には、いずれの溶媒も含まない。
ベース組成物を含む剥離コーティング組成物も提供される。剥離コーティング組成物は、1分子当たり平均して少なくとも2つのケイ素結合水素原子を有する(C)有機ケイ素化合物を更に含む。(C)有機ケイ素化合物は、直鎖状、分岐状、部分的に分岐状、環状、樹脂状(すなわち、三次元網目を有する)であり得るか、又は異なる構造の組み合わせを含み得る。(C)有機ケイ素化合物は、典型的には架橋剤であり、コーティング、例えば剥離コーティングを形成するとき、成分(B)のエチレン性不飽和基と、存在する場合、成分(A)のものと反応する。典型的には、(C)有機ケイ素化合物は、オルガノハイドロジェンシロキサンを含む。
(C)有機ケイ素化合物は、(C)有機ケイ素化合物が1分子当たり少なくとも2つのケイ素結合水素原子を含む限り、M、D、T、及び/又はQシロキシ単位の任意の組み合わせを含み得る。これらのシロキシ単位を様々な様式で組み合わせて、環状、直鎖状、分岐状、及び/又は樹脂状(三次元網目状)の構造を形成することができる。(C)有機ケイ素化合物は、M、D、T、及び/又はQ単位の選択に依存して、モノマー、ポリマー、オリゴマー、直鎖状、分岐状、環状、及び/又は樹脂状であり得る。
(C)有機ケイ素化合物が上に記載のシロキシ単位に関して、1分子当たり平均して少なくとも2つのケイ素結合水素原子を含むため、(C)有機ケイ素化合物は、ケイ素結合水素原子を含む以下のシロキシ単位(R2HSiO1/2)、(RH2SiO1/2)、(H3SiO1/2)、(RHSiO2/2)、(H2SiO2/2)、及び/又は(HSiO3/2)のいずれかを、任意選択的に、いずれのケイ素結合水素原子も含まないシロキシ単位と組み合わせて含み得、式中、Rは、独立して選択され、かつ上記で定義される。
具体的な実施形態では、(C)有機ケイ素化合物は、実質的に直鎖状、代替的に直鎖状のポリオルガノハイドロジェンシロキサンである。実質的に直鎖状又は直鎖状のポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、単位式
(HR10
2SiO1/2)v’(HR10SiO2/2)w’(R10
2SiO2/2)x’(R10
3SiO1/2)y’を有し、式中、各R10は、独立して選択される一価炭化水素基であり、下付き文字v’は、0、1、又は2であり、下付き文字w’は、1以上であり、下付き文字x’は、0以上であり、下付き文字y’は、0、1、又は2であるが、但し、数量(v’+y’)=2、数量(v’+w’)≧3であることを条件とする。R10の一価炭化水素基は、Rの一価炭化水素基について上述したしたとおりであり得る。数量(v’+w’+x’+y’)は、2~1,000であり得る。ポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、
i)ジメチルハイドロジェンシロキシ末端ポリ(ジメチル/メチルハイドロジェン)シロキサンコポリマー、
ii)ジメチルハイドロジェンシロキシ末端ポリメチルハイドロジェンシロキサン、
iii)トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチル/メチルハイドロジェン)シロキサンコポリマー、
iv)トリメチルシロキシ末端ポリメチルハイドロジェンシロキサン、並びに/又は
v)i)、ii)、iii)、iv)、及びv)のうちの2つ以上の組み合わせによって例示される。好適なポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、Dow Silicones Corporation(Midland,Michigan,USA)から市販されている。
1つの具体的な実施形態では、(C)有機ケイ素化合物は、直鎖状であり、ペンダントケイ素結合水素原子を含む。これらの実施形態では、(C)有機ケイ素化合物は、平均式
(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]x’[(CH3)HSiO]w’Si(CH3)3
を有するジメチル、メチル-ハイドロジェンポリシロキサンであり得、式中、x’及びw’は、上記で定義される。当業者であれば、上記の例示的な式において、ジメチルシロキシ単位及びメチルハイドロジェンシロキシ単位が、ランダム又はブロック形態で存在し得、任意のメチル基を、脂肪族不飽和を含まない任意の他の炭化水素基で置換し得ることを理解する。
別の具体的な実施形態では、(C)有機ケイ素化合物は、直鎖状であり、末端ケイ素結合水素原子を含む。これらの実施形態では、(C)有機ケイ素化合物は、平均式
H(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]x’Si(CH3)2H
有するSiH末端ジメチルポリシロキサンであり得、式中、x’は上記に定義したとおりである。SiH末端ジメチルポリシロキサンは、単独で、又は直前に開示されたジメチル,メチルハイドロジェンポリシロキサンと組み合わせて利用され得る。混合物が利用される場合、混合物中の各オルガノハイドロジェンシロキサンの相対量は、変動し得る。当業者であれば、上記の例示的な式における任意のメチル基が、脂肪族不飽和を含まない任意の他の炭化水素基で置換され得ることを理解する。
代替的にまた、(C)有機ケイ素化合物は、ペンダント及び末端ケイ素結合水素原子の両方を含み得る。
また別の具体的な実施形態では、(C)有機ケイ素化合物は、式Hy’R1
3-y’Si-(OSiR1
2)m-(OSiR1H)m’-OSiR1
3-y’Hy’を有し、式中、各R1は、エチレン性不飽和を含まない、独立して選択されるヒドロカルビル基であり、各y’は、0又は1から独立して選択され、下付き文字m及びm’は、各々0~1,000であるが、但し、m及びm’が、同時に0ではなく、m+m’が、1~1,000であることを条件とする。
特定の実施形態では、(C)有機ケイ素化合物は、アルキルハイドロジェンシクロシロキサン又はアルキルハイドロジェンジアルキルシクロシロキサンコポリマーを含み得る。この種類の好適なオルガノハイドロジェンシロキサンの具体例としては、(OSiMeH)4、(OSiMeH)3(OSiMeC6H13)、(OSiMeH)2(OSiMeC6H13)2、及び(OSiMeH)(OSiMeC6H13)3が挙げられ、式中、Meは、メチル(-CH3)を表す。
(C)有機ケイ素化合物に好適なオルガノハイドロジェンシロキサンの他の例は、1つの分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するものである。このようなオルガノハイドロジェンシロキサンは、各シロキサン環上に少なくとも1つのケイ素結合水(SiH)原子を有する、少なくとも2つのシクロシロキサン環を有する任意のオルガノポリシロキサンであり得る。シクロシロキサン環は、少なくとも3つのシロキシ単位(すなわち、シロキサン環を形成するために必要な最少数)を含有し、環状構造を形成するM、D、T、及び/又はQシロキシ単位の任意の組み合わせであり得るが、但し、各シロキサン環上に、Mシロキシ単位、Dシロキシ単位、及び/又はTシロキシ単位であり得る環状シロキシ単位のうちの少なくとも1つが、1つのSiH単位を含有することを条件とする。これらのシロキシ単位は、それぞれ、他の置換基がメチルである場合に、MH、DH、及びTHシロキシ単位として表すことができる。
(C)有機ケイ素化合物は、構造、分子量、ケイ素原子に結合した一価基、及びケイ素結合水素原子の含有量などの少なくとも1つの特性が異なる組み合わせ又は2つ以上の異なるオルガノハイドロジェンシロキサンを含み得る。剥離コーティング組成物は、成分(C)中のケイ素結合水素原子の成分(B)中のケイ素結合エチレン性不飽和基(及び存在する場合、成分(A)のもの)に対するモル比を、1:1~5:1、代替的に1.1:1~3.1の量でもたらす量で、(C)有機ケイ素化合物を含み得る。
特定の実施形態では、剥離コーティング組成物は、(D)ヒドロシリル化反応触媒を更に含む。(D)ヒドロシリル化反応触媒は限定されず、ヒドロシリル化反応を触媒するための任意の既知のヒドロシリル化反応触媒であり得る。異なるヒドロシリル化反応触媒の組み合わせが利用され得る。
特定の実施形態では、(D)ヒドロシリル化反応触媒は、第VIII族から第XI族までの遷移金属を含む。第VIII族~第XI族遷移金属には、最新のIUPAC命名法を参照する。第VIII族遷移金属は、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、及びハシウム(Hs)であり、第IX族遷移金属は、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、及びイリジウム(Ir)であり、第X族遷移金属は、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、及び白金(Pt)であり、第XI族遷移金属は、銅(Cu)、銀(Ag)、及び金(Au)である。それらの組み合わせ、それらの錯体(例えば、有機金属錯体)、及び他の形態のこのような金属は、(D)ヒドロシリル化反応触媒として利用され得る。
(D)ヒドロシリル化反応触媒に好適な触媒の追加の例としては、レニウム(Re)、モリブデン(Mo)、第IV族遷移金属(すなわち、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、及び/又はハフニウム(Hf))、ランタニド、アクチニド、並びに第I族及び第II族の金属錯化物(例えば、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、ストロンチウム(Sr)などを含むもの)が挙げられる。それらの組み合わせ、それらの錯体(例えば、有機金属錯体)、及び他の形態のこのような金属は、(D)ヒドロシリル化反応触媒として利用され得る。
(D)ヒドロシリル化反応触媒は、任意の好適な形態であり得る。例えば、(D)ヒドロシリル化反応触媒は、固体であり得、その例としては、白金系触媒、パラジウム系触媒、及び同様の貴金属系触媒、並びにニッケル系触媒も挙げられる。その具体例としては、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、コバルト、及び同様の元素、並びにまた白金-パラジウム、ニッケル-銅-クロム、ニッケル-銅-亜鉛、ニッケル-タングステン、ニッケル-モリブデン、及び複数の金属の組み合わせを含む同様の触媒が挙げられる。固体触媒の追加の例としては、Cu-Cr、Cu-Zn、Cu-Si、Cu-Fe-AI、Cu-Zn-Ti、及び同様の銅含有触媒などが挙げられる。
(D)ヒドロシリル化反応触媒は、固体担体中又は固体担体上にあり得る。担体の例としては、活性炭、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、ゼオライト、及び他の無機粉末/粒子(例えば硫酸ナトリウム)などが挙げられる。(D)ヒドロシリル化反応触媒はまた、ビヒクル、例えば、(D)ヒドロシリル化反応触媒を可溶化する溶媒、代替的に、(D)ヒドロシリル化反応触媒を単に運ぶが可溶化しないビヒクル中に配置され得る。このようなビヒクルは、当該技術分野において既知である。
具体的な実施形態では、(D)ヒドロシリル化反応触媒は、白金を含む。これらの実施形態では、(D)ヒドロシリル化反応触媒は、例えば、白金黒、クロロ白金酸、クロロ白金酸六水和物、クロロ白金酸と一価アルコールとの反応生成物、白金ビス(エチルアセトアセテート)、白金ビス(アセチルアセトネート)、塩化白金、及びこのような化合物とオレフィン又はオルガノポリシロキサンとの錯体、並びにマトリックス又はコアシェル型化合物にマイクロカプセル化された白金化合物などの化合物によって例示される。マイクロカプセル化ヒドロシリル化触媒及びその調製方法はまた、米国特許第4,766,176号及び同第5,017,654号に例示されるように、当該技術分野において既知であり、これらの特許は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
(D)ヒドロシリル化反応触媒としての使用に好適なオルガノポリシロキサンとの白金錯体としては、1,3-ジエテニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン白金錯体が挙げられる。これらの錯体は、樹脂マトリックス中にマイクロカプセル化され得る。代替的に、(D)ヒドロシリル化反応触媒は、1,3-ジエテニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン白金錯体を含み得る。(D)ヒドロシリル化反応触媒は、クロロ白金酸を、ジビニルテトラメチルジシロキサンなどの脂肪族不飽和有機ケイ素化合物、又はアルケン-白金-シリル錯体と反応させることを含む方法によって調製され得る。アルケン-白金-シリル錯体は、例えば、0.015モルの(COD)PtCl2を、0.045モルのCOD及び0.0612モルのHMeSiCl2と混合することによって調製され得る。
(D)ヒドロシリル化反応触媒はまた、又は代替的に、光活性化可能なヒドロシリル化反応触媒であり得、それは、照射及び/又は熱を介して硬化を開始し得る。光活性化可能なヒドロシリル化反応触媒は、特に、150~800ナノメートル(nm)の波長を有する放射線に曝露すると、ヒドロシリル化反応を触媒すること可能である、任意のヒドロシリル化反応触媒であり得る。
(D)ヒドロシリル化反応触媒に好適な光活性化可能なヒドロシリル化反応触媒の具体例としては、白金(II)β-ジケトネート錯体、例えば、白金(II)ビス(2,4-ペンタンジオエート)、白金(II)ビス(2,4-ヘキサンジオエート)、白金(II)ビス(2,4-ヘプタンジオエート)、白金(II)ビス(1-フェニル-1,3-ブタンジオエート、白金(II)ビス(1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオエート)、白金(II)ビス(1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタンジオエート)、(η-シクロペンタジエニル)トリアルキル白金錯体、例えば、(Cp)トリメチル白金、(Cp)エチルジメチル白金、(Cp)トリエチル白金、(クロロ-Cp)トリメチル白金、及び(トリメチルシリル-Cp)トリメチル白金[式中、Cpがシクロペンタジエニルを表す]、トリアゼンオキシド-遷移金属錯体、例えば、Pt[C6H5NNNOCH3]4、Pt[p-CN-C6H4NNNOC6H11]4、Pt[p-H3COC6H4NNNOC6H11]4、Pt[p-CH3(CH2)x-C6H4NNNOCH3]4、1,5-シクロオクタジエンPt[p-CN-C6H4NNNOC6H11]2、1,5-シクロオクタジエンPt[p-CH3O-C6H4NNNOCH3]2、[(C6H5)3P]3Rh[p-CN-C6H4NNNOC6H11]、及びPd[p-CH3(CH2)x-C6H4NNNOCH3]2[式中、xは1、3、5、11、又は17である]、(η-ジオレフィン)(σ-アリール)白金錯体、例えば、(η4-1,5-シクロオクタジエニル)ジフェニル白金、η4-1,3,5,7-シクロオクタテトラエニル)ジフェニル白金、(η4-2,5-ノルボラジエニル)ジフェニル白金、(η4-1,5-シクロオクタジエニル)ビス-(4-ジメチルアミノフェニル)白金、(η4-1,5-シクロオクタジエニル)ビス-(4-アセチルフェニル)白金、及び(η4-1,5-シクロオクタジエニル)ビス-(4-トリフルオロメチルフェニル)白金、が挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、光活性化可能なヒドロシリル化反応触媒は、Pt(II)β-ジケトネート錯体であり、より典型的には、触媒は、白金(II)ビス(2,4-ペンタンジオエート)である。
(D)ヒドロシリル化反応触媒は、触媒量、すなわち、所望の条件でその硬化を促進するのに十分な量(amount)又は分量(quantity)で剥離コーティング組成物中に存在する。(D)ヒドロシリル化反応触媒は、単一のヒドロシリル化反応触媒、又は2つ以上の異なるヒドロシリル化反応触媒を含む混合物であり得る。
(D)ヒドロシリル化反応触媒の触媒量は、>0.01ppm~10,000ppmであり得、代替的に、>1,000ppm~5,000ppmであり得る。代替的に、(D)ヒドロシリル化反応触媒の典型的な触媒量は、0.1ppm~5000ppm、代替的に1ppm~2000ppm、代替的に>0~1,000ppmである。代替的に、(D)ヒドロシリル化反応触媒の触媒量は、組成物の総重量に基づいて、0.01ppm~1,000ppm、代替的に0.01ppm~100ppm、代替的に20ppm~200ppm、代替的に0.01ppm~50ppmの白金族金属であり得る。
剥離コーティング組成物は、(E)阻害剤、(F)アンカー添加剤、(G)防曇剤、(H)剥離改質剤、及び(I)ビヒクルのうちの1つ以上を更に含み得る。
特定の実施形態では、剥離コーティング組成物は、(E)阻害剤を更に含む。(E)阻害剤は、同じ出発材料を含有するが(E)阻害剤が省略された組成物と比較して、剥離コーティング組成物の反応速度又は硬化速度を変更するために使用され得る。(E)阻害剤は、アセチレンアルコール、例えば、メチルブチノール、エチニルシクロヘキサノール、ジメチルヘキシノール、及び3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、1-ブチン-3-オール、1-プロピン-3-オール、2-メチル-3-ブチン-2-オール、3-メチル-1-ブチン-3-オール、3-メチル-1-ペンチン-3-オール、3-フェニル-1-ブチン-3-オール、4-エチル-1-オクチン-3-オール、及び1-エチニル-1-シクロヘキサノール、並びにそれらの組み合わせ;シクロアルケニルシロキサン、例えば、1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラヘキセニルシクロテトラシロキサンによって例示されるメチルビニルシクロシロキサン、並びにそれらの組み合わせ;エン-イン化合物、例えば、3-メチル-3-ペンテン-1-イン、3,5-ジメチル-3-ヘキセン-1-イン;ベンゾトリアゾールなどのトリアゾール類;ホスフィン;メルカプタン;ヒドラジン;アミン、例えば、テトラメチルエチレンジアミン;ジアルキルフマレート、ジアルケニルフマレート、ジアルコキシアルキルフマレート、マレエート、例えばジアリルマレエート;ニトリル;エーテル;一酸化炭素;アルケン、例えば、シクロオクタジエン、ジビニルテトラメチルジシロキサン;アルコール、例えば、ベンジルアルコール;並びにそれらの組み合わせによって例示される。代替的に、(E)阻害剤は、アセチレンアルコール(例えば、1-エチニル-1-シクロヘキサノール)及びマレエート(例えば、ジアリルマレエート、ビスマレエート、又はn-プロピルマレエート)並びにそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され得る。
代替的に、(E)阻害剤は、シリル化アセチレン化合物であり得る。理論に束縛されるものではないが、上述のものなどのシリル化アセチレン化合物を含有しない組成物又は有機アセチレンアルコール阻害剤を含有する組成物のヒドロシリル化による反応生成物と比較して、シリル化アセチレン化合物を添加することによって、剥離コーティング組成物のヒドロシリル化反応から調製される反応生成物の黄変が低減すると考えられる。
シリル化アセチレン化合物は、(3-メチル-1-ブチン-3-オキシ)トリメチルシラン、((1,1-ジメチル-2-プロピニル)オキシ)トリメチルシラン、ビス(3-メチル-1-ブチン-3-オキシ)ジメチルシラン、ビス(3-メチル-1-ブチン-3-オキシ)シランメチルビニルシラン、ビス((1,1-ジメチル-2-プロピニル)オキシ)ジメチルシラン、メチル(トリス(1,1-ジメチル-2-プロピニルオキシ))シラン、メチル(トリス(3-メチル-1-ブチン-3-オキシ))シラン、(3-メチル-1-ブチン-3-オキシ)ジメチルフェニルシラン、(3-メチル-1-ブチン-3-オキシ)ジメチルヘキセニルシラン、(3-メチル-1-ブチン-3-オキシ)トリエチルシラン、ビス(3-メチル-1-ブチン-3-オキシ)メチルトリフルオロプロピルシラン、(3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オキシ)トリメチルシラン、(3-フェニル-1-ブチン-3-オキシ)ジフェニルメチルシラン、(3-フェニル-1-ブチン-3-オキシ)ジメチルフェニルシラン、(3-フェニル-1-ブチン-3-オキシ)ジメチルビニルシラン、(3-フェニル-1-ブチン-3-オキシ)ジメチルヘキセニルシラン、(シクロヘキシル-1-エチン-1-オキシ)ジメチルヘキセニルシラン、(シクロヘキシル-1-エチン-1-オキシ)ジメチルビニルシラン、(シクロヘキシル-1-エチン-1-オキシ)ジフェニルメチルシラン、(シクロヘキシル-1-エチン-1-オキシ)トリメチルシラン、及びそれらの組み合わせによって例示される。代替的に、(E)阻害剤は、メチル(トリス(1,1-ジメチル-2-プロピニルオキシ))シラン、((1,1-ジメチル-2-プロピニル)オキシ)トリメチルシラン、又はそれらの組み合わせによって例示される。(E)阻害剤として有用なシリル化アセチレン化合物は、酸受容体の存在下でクロロシランと反応させることによって上述のアセチレンアルコールをシリル化するなど、当該技術分野で既知の方法によって調製され得る。
剥離コーティング組成物中に存在する(E)阻害剤の量は、剥離コーティング組成物の所望のポットライフ、剥離コーティング組成物が一部型組成物であるか又は複数部型組成物であるか、使用される特定の阻害剤、並びに成分(A)~(D)の選択及び量を含む様々な要因に依存する。しかしながら、存在する場合、(E)阻害剤の量は、剥離コーティング組成物の総重量に基づいて、0%~1%、代替的に0%~5%、代替的に0.001%~1%、代替的に0.01%~0.5%、及び代替的に0.0025%~0.025%であり得る。
特定の実施形態では、剥離コーティング組成物は、(F)アンカー添加剤を更に含む。好適なアンカー添加剤は、ビニルアルコキシシランとエポキシ官能性アルコキシシランとの反応生成物;ビニルアセトキシシランとエポキシ官能性アルコキシシランとの反応生成物;並びに1分子当たり少なくとも1つの脂肪族不飽和炭化水素基及び少なくとも1つの加水分解性基を有するポリオルガノシロキサンとエポキシ官能性アルコキシシランとの組み合わせ(例えば、物理的なブレンド及び/又は反応生成物)(例えば、ヒドロキシ末端ビニル官能性ポリジメチルシロキサンとグリシドキシプロピルトリメトキシシランとの組み合わせ)によって例示される。代替的に、アンカー添加剤は、ポリオルガノシリケート樹脂を含み得る。好適なアンカー添加剤及びその調製方法は、例えば、米国特許第9,562,149号、米国特許出願公開第2003/0088042号、同第2004/0254274号、及び同第2005/0038188号、並びに欧州特許第0556023号によって開示されている。
好適なアンカー添加剤の更なる例としては、遷移金属キレート、アルコキシシランなどのハイドロカルボノオキシシラン、アルコキシシランとヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサンとの組み合わせ、又はそれらの組み合わせが挙げられる。(F)アンカー添加剤は、エポキシ、アセトキシ、又はアクリレート基などの接着促進基を有する少なくとも1つの置換基を有するシランであり得る。接着促進基は、追加的又は代替的に、(D)ヒドロシリル化反応触媒に影響を与えない任意の加水分解性基であり得る。代替的に、(F)アンカー添加剤は、このようなシランの部分縮合物、例えば、接着促進基を有するオルガノポリシロキサンを含み得る。代替的に更に、(F)アンカー添加剤は、アルコキシシランとヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサンとの組み合わせを含み得る。
代替的に、(F)アンカー添加剤は、不飽和又はエポキシ官能性化合物を含み得る。(F)アンカー添加剤は、不飽和又はエポキシ官能性アルコキシシランを含み得る。例えば、官能性アルコキシシランは、少なくとも1つの不飽和有機基又はエポキシ官能性有機基を含み得る。エポキシ官能性有機基は、3-グリシドキシプロピル及び(エポキシシクロヘキシル)エチルによって例示される。不飽和有機基は、3-メタクリロイルオキシプロピル、3-アクリロイルオキシプロピル、及び、ビニル、アリル、ヘキセニル、ウンデシレニルなどの不飽和一価炭化水素基によって例示される。不飽和化合物の1つの具体例は、ビニルトリアセトキシシランである。
好適なエポキシ官能性アルコキシシランの具体例としては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシラン、(エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシシラン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。好適な不飽和アルコキシシランの例としては、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、ウンデシレニルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
(F)アンカー添加剤はまた、これらの化合物のうちの1つ以上の反応生成物又は部分反応生成物を含み得る。例えば、具体的な実施形態では、(F)アンカー添加剤は、ビニルトリアセトキシシランと3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランとの反応生成物又は部分反応生成物を含み得る。代替的に又は追加的に、(F)アンカー添加剤は、アルコキシ又はアルケニル官能性シロキサンを含み得る。
代替的に、(F)アンカー添加剤は、上述のような、ヒドロキシ末端ポリオルガノシロキサンとエポキシ官能性アルコキシシランとの反応生成物、又はヒドロキシ末端ポリオルガノシロキサンとエポキシ官能性アルコキシシランとの物理的ブレンドなどのエポキシ官能性シロキサンを含み得る。(F)アンカー添加剤は、エポキシ官能性アルコキシシランとエポキシ官能性シロキサンとの組み合わせを含み得る。例えば、(F)アンカー添加剤は、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランと、ヒドロキシ末端メチルビニルシロキサン及び3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランの反応生成物との混合物、又は3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランとヒドロキシ末端メチルビニルシロキサンとの混合物、又は3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランとヒドロキシ末端メチルビニル/ジメチルシロキサンコポリマーとの混合物によって例示される。
代替的に、(F)アンカー添加剤は、遷移金属キレートを含み得る。好適な遷移金属キレートとしては、チタネート、ジルコニウムアセチルアセトネートなどのジルコネート、アルミニウムアセチルアセトネートなどのアルミニウムキレート、及びそれらの組み合わせが挙げられる。代替的に、(F)アンカー添加剤は、グリシドキシプロピルトリメトキシシランとアルミニウムキレート又はジルコニウムキレートとの組み合わせなどの、遷移金属キレートとアルコキシシランとの組み合わせを含み得る。
剥離コーティング組成物中に存在する(F)アンカー添加剤の特定の量は、利用される場合、基材の種類及びプライマーが使用されるか否かを含む様々な要因に依存する。特定の実施形態では、(F)アンカー添加剤は、成分(B)の100重量部当たり、0~2重量部の量で剥離コーティング組成物中に存在する。代替的に、(F)アンカー添加剤は、成分(B)の100重量部当たり、0.01~2重量部の量で剥離コーティング組成物中に存在する。
特定の実施形態では、組成物は、(G)防曇剤を更に含む。(G)防曇剤は、特に高速コーティング装置を用い、コーティングプロセスにおけるシリコーンミスト形成を低減又は抑制するために剥離コーティング組成物に利用され得る。(G)防曇剤は、オルガノハイドロジェンケイ素化合物、オキシアルキレン化合物、又は1分子当たり少なくとも3つのケイ素結合アルケニル基を有するオルガノアルケニルシロキサン、及び好適な触媒の反応生成物であり得る。好適な防曇剤は、例えば、米国特許出願公開第2011/0287267号、米国特許第8,722,153号、米国特許第6,586,535号、及び米国特許第5,625,023号に開示されている。代替的に、(G)防曇剤は、任意選択的に2つ以上のケイ素結合エチレン性不飽和基を含み得るMDQ樹脂を含み得る。
剥離コーティング組成物に利用される(G)防曇剤の量は、剥離コーティング組成物のために選択される他の出発物質の量及び種類を含む様々な要因に依存する。しかしながら、(G)防曇剤は、典型的には、剥離コーティング組成物の総重量に基づいて、0重量%~10重量%、代替的に0.1重量%~3重量%の量で利用される。この量は、成分(A)に関連する量を除外し、成分(A)とは別個の異なる(G)防曇剤にのみ関連する。
特定の実施形態では、剥離コーティング組成物は、(H)剥離改質剤を更に含み、これは、剥離力(剥離コーティング組成物から形成された剥離コーティングとその被着体、例えば感圧接着剤を含むラベルとの間の接着力)のレベルを制御する(減少させる)ために剥離コーティング組成物に使用され得る。(H)剥離改質剤は、ベース組成物が剥離コーティングを調製するために利用される場合に剥離改質剤としても役割を果たす成分(A)とは区別される。(H)剥離改質剤のレベル又は濃度を調整することにより、必要な又は所望の剥離力を有する剥離コーティングが、改質剤を含まない組成物から配合され得る。成分(H)に好適な剥離改質剤の例としては、トリメチルシロキシ末端ジメチル、フェニルメチルシロキサンが挙げられる。代替的に、(H)剥離改質剤は、ヒドロキシル又はアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン樹脂と、少なくとも1つのヒドロキシル又は加水分解性基を有するジオルガノポリシロキサンとの縮合反応生成物であり得る。好適な剥離改質剤の例は、例えば、米国特許第8,933,177号及び米国特許出願公開第2016/0053056号に開示されている。利用される場合、(H)剥離改質剤は、成分(B)の100部当たり、0~85部、代替的に25~85部の量で剥離コーティング組成物中に存在し得る。
特定の実施形態では、剥離コーティング組成物は、(I)ビヒクルを更に含む。(I)ビヒクルは、典型的には、剥離コーティング組成物の成分を可溶化し、成分が可溶化する場合、(I)ビヒクルは、溶媒と称され得る。好適なビヒクルとしては、直鎖状及び環状の両方のシリコーン、有機油、有機溶媒、並びにこれらの混合物が挙げられる。
典型的には、(I)ビヒクルは、剥離コーティング組成物中に存在する場合、有機液体である。有機液体は、油又は溶媒と見なされるものを含む。有機液体は、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、3つを超える炭素原子を有するアルコール、アルデヒド、ケトン、アミン、エステル、エーテル、グリコール、グリコールエーテル、ハロゲン化アルキル、及びハロゲン化芳香族によって例示されるが、これらに限定されない。炭化水素としては、イソドデカン、イソヘキサデカン、Isopar L(C11~C13)、Isopar H(C11~C12)、水素化ポリデセン、芳香族炭化水素、及びハロゲン化炭化水素が挙げられる。エーテル及びエステルとしては、イソデシルネオペンタノエート、ネオペンチルグリコールヘプタノエート、グリコールジステアレート、ジカプリリルカーボネート、ジエチルヘキシルカーボネート、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、エチル-3エトキシプロピオネート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、トリデシルネオペンタノエート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(propylene glycol methylether acetate、PGMEA)、プロピレングリコールメチルエーテル(propylene glycol methylether、PGME)、オクチルドデシルネオペンタノエート、ジイソブチルアジペート、ジイソプロピルアジペート、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、オクチルエーテル、及びオクチルパルミテートが挙げられる。独立化合物又は(I)ビヒクルの原料として好適な追加の有機流体としては、脂肪、油、脂肪酸、及び脂肪アルコールが挙げられる。(I)ビヒクルはまた、25℃で1~1,000mm2/秒の範囲の粘度を有する低粘度オルガノポリシロキサン又は揮発性メチルシロキサン又は揮発性エチルシロキサン又は揮発性メチルエチルシロキサン、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデアメチルヘプタシロキサン、ヘプタメチル-3-{(トリメチルシリル)オキシ)}トリシロキサン、ヘキサメチル-3,3,ビス{(トリメチルシリル)オキシ}トリシロキサンペンタメチル{(トリメチルシリル)オキシ}シクロトリシロキサン、並びにポリジメチルシロキサン、ポリエチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、カプリリルメチコン、及びそれらの任意の混合物であり得る。
具体的な実施形態では、(I)ビヒクルは、ポリアルキルシロキサン、テトラヒドロフラン;ミネラルスピリット;ナフサ;アルコール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、又はn-プロパノール;ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトン;芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、又はキシレン;脂肪族炭化水素、例えば、ヘプタン、ヘキサン、又はオクタン;グリコールエーテル、例えば、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、又はエチレングリコールn-ブチルエーテル;又はそれらの組み合わせから選択される。
(I)ビヒクルの量は、選択されるビヒクルの種類、並びに剥離コーティング組成物中に存在する他の成分の量及び種類を含む様々な要因に依存する。しかしながら、剥離コーティング組成物中の(I)ビヒクルの量は、剥離コーティング組成物の総重量に基づいて、0%~99重量%、代替的に0%~50重量%であり得る。(I)ビヒクルは、例えば混合及び送達を助けるために、剥離コーティング組成物の調製中に添加され得る。剥離コーティングを剥離コーティング組成物から調製する前及び/又はそれと同時を含む、剥離コーティング組成物を調製した後、(I)ビヒクルのすべて又は一部分が任意選択的に除去され得る。しかしながら、典型的には、剥離コーティング組成物は、(I)ビヒクルを含まず、したがって、剥離コーティング組成物は、無溶剤剥離コーティング組成物である。
例えば、反応性希釈剤、芳香剤、防腐剤、着色剤、染料、及び充填剤、例えば、シリカ、石英、又はチョークを含む、他の任意選択的な成分が剥離コーティング組成物中に存在し得る。
代替的に、剥離コーティング組成物及びそれから形成される剥離コーティングは、微粒子を含まなくてもよいか、又は剥離コーティング組成物の0~30重量%などの限られた量の微粒子(例えば、充填剤及び/又は顔料)のみを含有する。微粒子は、剥離コーティングを形成するのに使用されるコーティング装置に凝集するか、又はそうでなければ固着する可能性がある。加えて、光学的透明性が所望される場合、微粒子は、剥離コーティング及びそれで形成された剥離ライナーの光学的特性、例えば、透明性を妨げる可能性がある。微粒子は、被着体の接着に不利になり得る。
特定の実施形態では、剥離コーティング組成物は、フルオロオルガノシリコーン化合物を含まない。硬化中、フルオロ化合物は、その表面張力が低いため、剥離コーティング組成物又はそれで形成された剥離コーティングと、剥離コーティング組成物が適用され、かつ剥離コーティングが形成される基材との界面、例えば組成物/PETフィルム界面に急速に移行し得ると考えられる。このような移行は、フッ素含有バリアを作製することによって、基材への剥離コーティング(剥離コーティング組成物を硬化させることによって調製される)の接着を防止し得る。バリアを作製することによって、フルオロオルガノシリコーン化合物は、剥離コーティング組成物のいずれの成分も界面で反応することを防止し、硬化及び関連する特性に影響を与え得る。更に、フルオロオルガノシリコーン化合物は、通常、高価である。
剥離コーティング組成物は、上述の成分(A)~(D)、並びに任意の任意選択的な成分を、任意の添加順序で、任意選択的にマスターバッチ内で、かつ任意選択的に剪断下で組み合わせることによって調製され得る。特定の実施形態では、剥離コーティング組成物は、成分(A)及び(B)を含むか、代替的にそれらからなるベース組成物を形成し、ベース組成物を成分(C)及び(D)と組み合わせることによって調製される。以下により詳細に記載されるように、剥離コーティング組成物は、一部型組成物、二部型成分若しくは2K組成物、又は複数部型組成物であり得る。例えば、成分(A)及び(B)は、剥離コーティング組成物の単一部分であり得る。以下に記載されるように剥離コーティング組成物を利用して剥離コーティング又はコーティング基材を調製する場合、成分(A)及び(B)は、剥離コーティング組成物が硬化性組成物になるように、成分(C)及び(D)、並びに任意選択的な成分と組み合わせられる。剥離コーティング組成物が成分(C)及び(D)を更に含む場合、剥離コーティング組成物は、硬化性組成物と称され得る。
コーティング基材を剥離コーティング組成物で調製する方法は、剥離コーティング組成物を基材上に適用すること、すなわち、配置することを含む。この方法は、硬化性組成物を基材上に硬化させて、剥離コーティングを基材上に形成させ、コーティング基材を得ることを更に含む。硬化は、高温、例えば、50℃~180℃、代替的に50℃~120℃、代替的に50℃~90℃で加熱して、コーティング基材を得ることによって実施され得る。当業者であれば、硬化性組成物の成分及び基材組成物又は構造体の材料の選択を含む様々な要因に依存して、適切な温度を選択することができるであろう。
硬化性組成物は、任意の好適な様式で基材上に配置又は分配され得る。典型的には、硬化性組成物は、ウェットコーティング技術を介して、ウェット形態で適用される。硬化性組成物は、i)スピンコーティング、ii)ブラシコーティング、iii)ドロップコーティング、iv)スプレーコーティング、v)ディップコーティング、vi)ロールコーティング、vii)フローコーティング、viii)スロットコーティング、ix)グラビアコーティング、x)メイヤーバーコーティング、又はxi)i)~x)のうちのいずれか2つ以上の組み合わせによって適用され得る。典型的には、硬化性組成物を基材上に配置することにより、基材上にウェット付着物が生じ、その後、これを硬化させて、硬化したフィルム、すなわち基材上の硬化性組成物から形成された剥離コーティングを含む、コーティング基材を得る。
基材は限定されず、任意の基材であり得る。硬化したフィルムは、基材から分離可能であり得るか、又はその選択に依存して、物理的及び/又は化学的に基材に結合され得る。基材は、ウェット付着物を硬化するための、一体型ホットプレート又は一体型若しくは独立型の炉にかけられ得る。基材は、任意選択的に、連続的又は非連続的な形状、サイズ、寸法、表面粗さ、及び他の特性を有し得る。代替的に、基材は、高温の軟化点温度を有し得る。しかしながら、硬化性組成物及び方法は、そのようには限定されない。
代替的に、基材は、熱硬化性及び/又は熱可塑性であり得る、プラスチックを含み得る。しかしながら、基材は、代替的に、ガラス、金属、セルロース(例えば、紙)、木材、厚紙、板紙、シリコーン、若しくはポリマー材料、又はそれらの組み合わせであり得るか、又はそれを含み得る。
好適な基材の具体例としては、クラフト紙、ポリエチレンコーティングクラフト紙(PEKコーティング紙)、感熱紙、普通紙などの紙基材;ポリアミド(polyamide、PA)などのポリマー基材;ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate、PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(polytrimethylene terephthalate、PTT)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate、PEN)、液晶ポリエステルなどのポリエステル;ポリエチレン(polyethylene、PE)、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、ポリブチレンなどのポリオレフィン;スチレン樹脂;ポリオキシメチレン(polyoxymethylene、POM);ポリカーボネート(polycarbonate、PC);ポリメチレンメタクリレート(polymethylenemethacrylate、PMMA);ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC);ポリフェニレンスルフィド(polyphenylene sulfide、PPS);ポリフェニレンエーテル(polyphenylene ether、PPE);ポリイミド(polyimide、PI);ポリアミドイミド(polyamideimide、PAI);ポリエーテルイミド(polyetherimide、PEI);ポリスルホン(polysulfone、PSU);ポリエーテルスルホン;ポリケトン(polyketone、PK);ポリエーテルケトン;ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol、PVA);ポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketone、PEEK);ポリエーテルケトンケトン(polyetherketoneketone、PEKK);ポリアリレート(polyarylate、PAR);ポリエーテルニトリル(polyethernitrile、PEN);フェノール樹脂;フェノキシ樹脂;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロハンなどのセルロース;ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素化樹脂;ポリスチレン型、ポリオレフィン型、ポリウレタン型、ポリエステル型、ポリアミド型、ポリブタジエン型、ポリイソプレン型、フルオロ型などの熱可塑性エラストマー;並びにそれらのコポリマー及び組み合わせが挙げられる。
硬化性組成物、又はウェット付着物は、典型的には、ある時間にわたり、高温で硬化される。時間は、典型的には、硬化性組成物の硬化、すなわち、架橋を達成するのに十分である。時間は、0超~8時間、代替的に0超~2時間、代替的に0超~1時間、代替的に0超~30分、代替的に0超~15分、代替的に0超~10分、代替的に0超~5分、代替的に0超~2分であり得る。時間は、利用される高温、選択される温度、所望のフィルム厚さ、及び硬化性組成物中の任意の水又はビヒクルの存在の有無を含む、様々な要因に依存する。
硬化性組成物を硬化させることは、典型的には、0.1秒~50秒、代替的に1秒~10秒、代替的に0.5秒~30秒の滞留時間を有する。選択される滞留時間は、基材の選択、選択される温度、及びライン速度に依存し得る。本明細書で使用するとき、滞留時間は、硬化性組成物又はウェット付着物が高温に供される時間を指す。滞留時間は、硬化性組成物、ウェット付着物、又はその部分的に硬化した反応中間体が、典型的には硬化を開始する高温に供されなくなった後であっても進行中の硬化がある場合があるため、硬化時間とは区別される。代替的に、コーティングされた物品は、オーブン内のコンベヤーベルト上で調製され得、滞留時間は、オーブンの長さ(例えばメートル単位)をコンベヤーベルトのライン速度(例えば、メートル/秒)で割ることによって計算され得る。
時間は、硬化の反復、例えば、第1の硬化及び後硬化に細分でき、第1の硬化は、例えば1時間であり、後硬化は、例えば3時間である。高温は、このような反復において、室温を上回る任意の温度から独立して選択され得、各反復において同じであり得る。
フィルム及びコーティング基材の厚さ及び他の寸法に依存して、コーティング基材は、反復プロセスを介して形成することができる。例えば、第1の付着物を形成し、第1の時間にわたって第1の高温に供して、部分的に硬化した付着物を得てもよい。次いで、第2の付着物を、部分的に硬化した付着物上に配置し、第2の時間にわたって第2の高温に供して、第2の部分的に硬化した付着物を得てもよい。この部分的に硬化した付着物はまた、第2の時間にわたって第2の高温に供される間に更に硬化する。第3の付着物を、第2の部分的に硬化した付着物上に配置し、第3の時間にわたって第3の高温に供して、第3の部分的に硬化した付着物を得てもよい。第2の部分的に硬化した付着物はまた、第2の時間にわたって第2の高温に供される間に更に硬化する。このプロセスを、例えば1~50回繰り返して、コーティングされた物品を所望どおりに構築し得る。部分的に硬化した層の複合体は、最終後硬化に供され、例えば、上述の高温及び時間に供され得る。各高温及び時間は、独立して選択されてもよく、互いに同一であっても異なっていてもよい。物品が反復プロセスを介して形成されるとき、各付着物は、独立して選択されてもよく、硬化性組成物において選択される成分、それらの量、又は両方が異なってもよい。代替的に更に、各反復層は、このような反復プロセスにおいて部分的に硬化されるだけではなく、完全に硬化され得る。
代替的に、付着物は、ウェットフィルムを含み得る。代替的に、反復プロセスは、部分的に硬化した層の硬化状態に依存して、ウェットオンウェットであり得る。代替的に、反復プロセスは、ウェットオンドライであり得る。
硬化性組成物から形成されたフィルムを基材上に備えるコーティング基材は、フィルム及び基材の相対厚さを含む、様々な寸法を有し得る。フィルムは、その最終使用用途に依存して変動し得る厚さを有する。フィルムは、0超~4,000μm、代替的に0超~3,000μm、代替的に0超~2,000μm、代替的に0超~1,000μm、代替的に0超~500μm、代替的に0超~250μmの厚さを有し得る。しかしながら、他の厚さ、例えば、0.1~200μmも想到される。例えば、フィルムの厚さは、0.2~175μm、代替的に0.5~150μm、代替的に0.75~100μm、代替的に1~75μm、代替的に2~60μm、代替的に3~50μm、及び代替的に4~40μmであり得る。代替的に、基材がプラスチックである場合、フィルムは、0超~200、代替的に0超~150μm、及び代替的に0超~100μmの厚さを有し得る。
所望される場合、フィルムは、その最終使用用途に依存して、更なる処理に供され得る。例えば、フィルムは、酸化物付着(例えば、SiO2付着)、レジスト付着及びパターニング、エッチング、化学ストリッピング、コロナ若しくはプラズマストリッピング、金属被覆、又は金属付着に供され得る。このような更なる処理技術は、一般的に既知である。このような付着は、化学蒸着(低圧化学蒸着、プラズマ増強化学蒸着、及びプラズマ支援化学蒸着など)、物理蒸着、又は他の真空蒸着技術であり得る。多くのこのような更なる処理技術は、高温、特に真空蒸着を伴い、その優れた熱的安定性を考慮すると、フィルムはそれに十分に適している。しかしながら、フィルムの最終用途に依存して、このような更なる処理を用いてフィルムが利用され得る。
コーティング基材は、多様な最終使用用途に利用され得る。例えば、コーティング基材は、コーティング用途、包装用途、接着剤用途、繊維用途、布地又は織物用途、建築用途、輸送用途、エレクトロニクス用途、又は電気用途に利用され得る。しかしながら、硬化性組成物は、コーティング基材を調製する以外の最終使用用途、例えば、シリコーンゴムなどの物品の調製に利用され得る。
代替的に、コーティング基材は、例えば、アクリル樹脂型感圧接着剤、ゴム型感圧接着剤、及びシリコーン型感圧接着剤、並びにアクリル樹脂型接着剤、合成ゴム型接着剤、シリコーン型接着剤、エポキシ樹脂型接着剤、及びポリウレタン型接着剤を含む、任意の感圧接着剤を含む、テープ又は接着剤用の剥離ライナーとして利用され得る。基材の各主表面は、両面テープ又は接着剤のためにその上に配置されたフィルムを有し得る。
代替的に、硬化性組成物が、例えば剥離コーティング又はライナーを形成するために剥離コーティング組成物として配合される場合、剥離コーティング組成物は、例えば、成分を一緒に混合して一部型組成物を調製することによって調製され得る。しかしながら、使用時(例えば、基材に適用する直前)に部分が組み合わされるまで、SiH官能基(例えば、(C)有機ケイ素化合物)を有する成分及び(D)ヒドロシリル化反応触媒が別個の部分に貯蔵される複数部型組成物として剥離コーティング組成物を調製することが望ましい場合がある。硬化性組成物が剥離コーティング組成物である場合、剥離コーティング組成物を利用して上述のようにコーティング基材を形成することができ、剥離コーティングは、基材、例えば、基材の表面に剥離コーティング組成物を適用及び硬化することによって形成される。
例えば、複数部型硬化性組成物は、
(A)シリケート樹脂、1分子当たり平均して少なくとも2つのケイ素結合エチレン性不飽和基を含む(B)オルガノポリシロキサン、及び(D)ヒドロシリル化反応触媒、並びに任意選択的に存在する場合、(F)アンカー添加剤、及び(I)ビヒクルのうちの1つ以上を含むベース部分という部分(A)と、
1分子当たり平均して少なくとも2つのケイ素結合水素原子を有する(C)有機ケイ素化合物、並びに任意選択的に存在する場合、(F)アンカー添加剤及び/又は(I)ビヒクルを含む硬化剤部分という部分(B)と、を含み得る。利用される場合、(E)阻害剤は、部分(A)、部分(B)、又はその両方に添加され得る。部分(A)及び部分(B)は、1:1~30:1、代替的に1:1~10:1、代替的に1:1~5:1、代替的に1:1~2:1の重量比(A):(B)で組み合わせられ得る。部分(A)及び部分(B)は、例えば、剥離コーティング組成物を調製するために部分を組み合わせる方法、剥離コーティング組成物を基材に適用する方法、及び剥離コーティング組成物を硬化させる方法についての説明書とともに、キットに提供され得る。
代替的に、(F)アンカー添加剤が存在する場合、部分(A)若しくは部分(B)のいずれかに組み込まれ得るか、又は別個の(第3の)部分に添加され得る。
剥離コーティング組成物は、例えば、スプレー、ドクターブレード、ディッピング、スクリーン印刷などの任意の簡便な手段によって、又はロールコーター、例えば、オフセットウェブコーター、キスコーター、若しくはエッチングされたシリンダーコーターによって基材に適用することができる。
本発明の剥離コーティング組成物は、上述のものなどの任意の基材に適用することができる。代替的に、剥離コーティング組成物は、ポリマーフィルム基材、例えばポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、又はポリスチレンフィルムに適用され得る。剥離コーティング組成物は、代替的に、プラスチックコーティング紙、例えば、ポリエチレンでコーティングされた紙、グラシン、スーパーカレンダー紙、又はクレーコーティングクラフトを含む、紙基材に適用することができる。剥離コーティング組成物は、代替的に、金属箔基材、例えばアルミニウム箔に適用することができる。
特定の実施形態では、コーティング基材を調製する方法は、剥離コーティング組成物を基材上に適用又は配置する前に、基材を処理することを更に含み得る。基材の処理は、プラズマ処理又はコロナ放電処理などの任意の簡便な手段によって実施され得る。代替的に、基材は、プライマーを適用することによって処理され得る。特定の事例では、剥離コーティング組成物から剥離コーティングを基材上に形成する前に基材が処理される場合、剥離コーティングのアンカーが改善され得る。
剥離コーティング組成物が(I)ビヒクルを含む場合、この方法は、(I)ビヒクルを除去することを更に含み得、それは、(I)ビヒクルの全部又は一部分を除去するのに十分な時間にわたって50℃~100℃で加熱するなどの任意の従来の手段によって実施され得る。この方法は、剥離コーティング組成物を硬化させて、剥離コーティングを基材の表面上に形成することを更に含み得る。硬化は、100℃~200℃で加熱することなどの任意の従来の手段によって実施され得る。
製造コーター条件下で、硬化は、120℃~150℃の空気温度で、1秒~6秒、代替的に1.5秒~3秒の滞留時間で達成され得る。加熱は、オーブン、例えば、空気循環オーブン若しくはトンネル炉内で、又は加熱されたシリンダの周りにコーティングされたフィルムを通すことによって実施され得る。
以下の実施例は、本発明を例示することを意図しており、決して本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。実施例で利用される特定の成分を下の表1に記載し、続いて、実施例で利用される特性化及び評価の手順も記載する。
核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance、NMR)スペクトル法
核磁気共鳴(NMR)スペクトルを、ケイ素を含まない10mmのチューブ及びCDCl3/Cr(AcAc)3溶媒を使用して、NMR BRUKER AVIII(400MHz)上で得る。29Si-NMRスペクトルの化学シフトを、内部溶媒共鳴を基準として、テトラメチルシランに対して報告する。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析は、示差屈折計、オンライン示差粘度計、低角度光散乱(LALS:15°及び90°の検出角度)、及びカラム(2 PL Gel Mixed C、Varian)から構成される三重検出器を備えたAgilent 1260 Infinity IIクロマトグラフ上で行う。移動相として、トルエン(HPLC grade、Biosolve)を、流速1mL/分で使用する。
動的粘度(Dynamic Viscosity、DV)
動的粘度(DV)を、CPA-52Zスピンドルを備えたBrookfield DV-III Ultra Programmable粘度計で、0.5mLの体積の試料を使用して、25℃の温度で測定する。
X線蛍光(X-Ray Fluorescence、XRF)
X線蛍光(XRF)は、Oxford Instruments Lab-X3500ベンチトップXRFアナライザーで行う。
SiOZ含有量
SiOZ部分の含有量は、29Si-NMRを介して計算することができる。具体的には、各(A)シリケート樹脂中の以下のシロキシ単位のモル含有量が判定される。
W=R3SiO1/2
X1=R2(OZ)SiO1/2
X2=R2SiO2/2
T1=R(OZ)2SiO1/2
T2=R(OZ)SiO2/2
T3=RSiO3/2
Y1=(OZ)3SiO1/2
Y2=(OZ)2SiO2/2
Y3=(OZ)SiO3/2
Y4=SiO4/2
モル%としてのケイ素原子に対するOZ含有量は、標識に対応するピーク下の積分面積に対応する式中の各ピークの標識によって、以下の式で計算することができる。
実施例におけるRは、メチル又はビニルであり得る。
硬化性能:抽出可能分パーセンテージ
試料組成物の硬化性能は、抽出可能分パーセント値(抽出可能分%)を判定することによって評価する。具体的には、試料組成物をコーティングし、基材(グラシン紙)上で硬化させて、コーティング基材を形成し、直ちに、3つの試料ディスクに切断し(ダイカッター、1.375インチ(3.49cm))、この試料ディスクは、汚染及び/又は損傷を最小限に抑えるためにピンセットのみによって取り扱う。各試料ディスクを、XRFを介して分析して、初期コーティング重量(Wi
s)を判定してから、溶媒(メチルイソブチルケトン、40mL)を含有する個々のボトル(100mL、蓋で覆う)内に入れ、実験台で30分間静置浸漬する。次いで、各試料ディスクをボトルから取り出し、コーティングした面を上にしてきれいな表面(ティッシュペーパ)に置き、(吸い取り/拭き取りせずに)残留溶媒を蒸発させ、XRFを介して分析して、最終コーティング重量(Wf
s)を判定する。各試料の抽出可能分%は、溶媒浸漬からのコーティング重量の変化パーセントであり、すなわち、式[(Wi
s-Wf
s)/Wi×100%)を使用して計算される。抽出可能分%は、コーティング基材から抽出可能な試料組成物の非硬化成分(例えば、非架橋シリコーン)の量を示し、例えば、抽出可能分%が低いほど、硬化性能が高い/良好であることを示す。
硬化性能:アンカー(ROR%)
アンカー指数を介して、すなわち、耐摩擦パーセント(rub-off resistance、ROR%)値を判定することによって、試料組成物のアンカーを評価する。具体的には、試料組成物をコーティングし、基材(グラシン紙)上で硬化させて、コーティング基材を形成する。硬化直後に、コーティング基材を、2つの試料ディスクに切断し(ダイカッター、1.375インチ(3.49cm))、各試料ディスクを、XRFを介して分析して、初期コーティング重量(Wi
a)を判定する。次いで、各試料ディスクを、テーバータイプの摩耗試験(例えば、ASTM D4060-19、「Standard Test Method for Abrasion Resistance of Organic Coatings by the Taber Abraser」など)と同様の方法で、自動摩耗装置を使用して負荷(1.9kg)下のフェルトで摩耗させ、続いてXRFで分析して最終コーティング重量(Wf
a)を判定する。各試料のROR%を、式[Wf
s/Wi
s]×100%)を使用して計算する。ROR%は、コーティングが基材にアンカーしている強度を示し、例えば、ROR%が高いほど、高い/良好なアンカー、ROR%が高いほど良好であることを示す。
調製実施例1:シリケート樹脂(A1)
300gの溶媒1、続いて300gのMQ樹脂を、磁気撹拌棒を備えた2Lフラスコに配置した。109.0グラムのシラン化合物1及び0.30グラムの触媒をフラスコに配置した。フラスコの内容物を窒素下100℃で撹拌し、フラスコでの反応の進行を、GCを介して監視した。10時間後、フラスコの内容物を23℃に冷却し、0.5グラムの中和剤をフラスコに配置して触媒を中和した。フラスコの反応生成物を1ミクロンのフィルタに通して濾過し、透明かつ粘稠な液体を得た。シリケート樹脂(A1)を、roto-vapを介した揮発性物質の除去によって反応生成物から単離した。シリケート樹脂(A1)は、各々GPCを介して測定される場合に、25℃で39,000cPのDV、2,969の重量平均分子量、及び1.46の多分散性を有する無色の液体であった。(A1)シリケート樹脂は、23.5モル%のSiOZ含有量及び6.46重量%のビニル含有量を有した。
調製実施例2:シリケート樹脂(A2)
300gの溶媒1、続いて300gのMQ樹脂を、磁気撹拌棒を備えた2Lフラスコに配置した。165.0グラムのシラン化合物1及び0.30グラムの触媒をフラスコに配置した。フラスコの内容物を窒素下100℃で撹拌し、フラスコ内での反応の進行を、GCを介して監視した。10時間後、フラスコの内容物を23℃に冷却し、0.5グラムの中和剤をフラスコに配置して触媒を中和した。フラスコの反応生成物を1ミクロンのフィルタに通して濾過し、透明かつ粘稠な液体を得た。シリケート樹脂(A2)を、roto-vapを介した揮発性物質の除去によって反応生成物から単離した。シリケート樹脂(A2)は、各々GPCを介して測定される場合に、25℃で450cPのDV、3,160の重量平均分子量、及び1.65の多分散性を有する無色の液体であった。(A2)シリケート樹脂は、30.9モル%のSiOZ含有量及び7.58重量%のビニル含有量を有した。
調製実施例3:シリケート樹脂(A3)
300gの溶媒1、続いて300gのMQ樹脂を、磁気撹拌棒を備えた2Lフラスコに配置した。217.9グラムのシラン化合物1及び0.30グラムの触媒をフラスコに配置した。フラスコの内容物を窒素下100℃で撹拌し、フラスコ内での反応の進行を、GCを介して監視した。10時間後、フラスコの内容物を23℃に冷却し、0.5グラムの中和剤をフラスコに配置して触媒を中和した。フラスコの反応生成物を1ミクロンのフィルタに通して濾過し、透明かつ粘稠な液体を得た。シリケート樹脂(A3)を、roto-vapを介した揮発性物質の除去によって反応生成物から単離した。シリケート樹脂(A3)は、各々GPCを介して測定される場合に、25℃で200cPのDV、2,636の重量平均分子量、及び1.50の多分散性を有する無色の液体であった。(A3)シリケート樹脂は、37.3モル%のSiOZ含有量及び8.26重量%のビニル含有量を有した。
調製実施例4:シリケート樹脂(A4)
300gの溶媒1、続いて300gのMQ樹脂を、磁気撹拌棒を備えた2Lフラスコに配置した。20.16グラムのシラン化合物1、105.3グラムのシラン化合物2、及び0.30グラムの触媒をフラスコに配置した。フラスコの内容物を窒素下100℃で撹拌し、フラスコ内での反応の進行を、GCを介して監視した。10時間後、フラスコの内容物を23℃に冷却し、0.36グラムの中和剤をフラスコに配置して触媒を中和した。フラスコの反応生成物を0.45ミクロンのフィルタに通して濾過し、透明かつ粘稠な液体を得た。シリケート樹脂(A4)を、roto-vapを介した揮発性物質の除去によって反応生成物から単離した。シリケート樹脂(A4)は、各々GPCを介して測定される場合に、25℃で75,000cPのDV、5,450の重量平均分子量、及び1.7149の多分散性を有する無色の液体であった。(A4)シリケート樹脂は、19.12モル%のSiOZ含有量及び1.12重量%のビニル含有量を有した。
調製実施例5:シリケート樹脂(A5)
300gの溶媒1、続いて300gのMQ樹脂を、磁気撹拌棒を備えた2Lフラスコに配置した。20.2グラムのシラン化合物1、131.1グラムのシラン化合物2、及び0.30グラムの触媒をフラスコに配置した。フラスコの内容物を窒素下100℃で撹拌し、フラスコ内での反応の進行を、GCを介して監視した。10時間後、フラスコの内容物を23℃に冷却し、0.5グラムの中和剤をフラスコに配置して触媒を中和した。フラスコの反応生成物を0.45ミクロンのフィルタに通して濾過し、透明かつ粘稠な液体を得た。シリケート樹脂(A5)を、roto-vapを介した揮発性物質の除去によって反応生成物から単離した。シリケート樹脂(A5)は、各々GPCを介して測定される場合に、25℃で9,500cPのDV、7,380の重量平均分子量、及び1.8996の多分散性を有する無色の液体であった。(A5)シリケート樹脂は、25.33モル%のSiOZ含有量及び1.09重量%のビニル含有量を有した。
調製実施例6:シリケート樹脂(A6)
調製実施例5と同じ方法を繰り返した。シリケート樹脂(A6)は、各々GPCを介して測定される場合に、25℃で9,900cPのDV、5,820の重量平均分子量、及び1.7562の多分散性を有する無色の液体であった。(A6)シリケート樹脂は、25.35モル%のSiOZ含有量及び0.24重量%のビニル含有量を有した。
実施例1~11:
実施例1~11は、調製実施例1~6で調製されたシリケート樹脂を含む剥離コーティング組成物である。実施例1~11の各々では、特定のシリケート樹脂を(B1)オルガノポリシロキサンと組み合わせてベース組成物を得、各特定のベース組成物を阻害剤1、有機ケイ素化合物(C1)、及び触媒(D1)と組み合わせて、剥離コーティング組成物を得る。実施例1~11の各剥離コーティング組成物は、無溶剤であり、シリケート樹脂が(B1)オルガノポリシロキサンと混和性であるため、任意の溶媒の非存在下で調製される。実施例1~11の各々では、SiH:SiViモル比は、2:1モル:モルであり、実施例1~11の各々の総Pt含有量は、100ppmである。以下の表2は、実施例1~11の剥離コーティング組成物を調製するために利用されるグラム単位の各成分の相対量を記載する。
比較実施例1~9:
比較実施例1~9(C.E.1~9と表示)は、比較剥離コーティング組成物である。比較実施例1~9の各々では、SiH:SiViモル比は、2:1モル:モルであり、比較実施例1~9の各々の総Pt含有量は、100ppmである。以下の表3は、比較実施例1~9の比較剥離コーティング組成物を調製するために利用されるグラム単位の各成分の相対量を示す。
実施例12~22及び比較実施例10~18:コーティング基材
実施例1~11及び比較実施例1~9の剥離コーティング組成物を利用して、コーティング基材を調製する。具体的には、各組成物を基材(グラシン紙)上にコーティングし、硬化させて(出口ウェブオーブン温度:165.56℃、滞留時間:28.4秒)コーティング基材を形成し、その試料を、即時抽出可能分%、即時ROR%、7日間のRTエージングROR%、及び1ヶ月のRTエージングROR%について評価する。7日間及び1ヶ月のRTエージングROR%は、40lbs下50%RHで設定時間にわたってRTでエージングした後に行われる。結果を以下の表4及び5に記載する。表4及び5では、n/aは、値が測定されなかったことを示す。実施例12は、実施例1の組成物を利用し、実施例13は、実施例2の組成物を利用し、実施例14は、実施例3の組成物を利用する、などである。比較実施例10~18の比較実施例1~9の組成物に対する相関関係にも同じことが当てはまる。
剥離力、7日間のエージング剥離力、及び1ヶ月のエージング剥離力を、様々な速度、すなわち、0.3m/分(MPM)、10m/分(MPM)、100m/分(MPM)、及び300m/分(MPM)で、180度の引剥で測定した。剥離力を、RT及び50%RHで40lbs下Tesa 7475標準テープでラミネートした後、Imass SP-2100及びZPE-1100W剥離試験システムを介して測定した。エージング剥離力を、指定の時間にわたって40lbs下でRT及び50%RHでエージングすることによって測定する。結果を以下の表6~8に記載する。表6~8では、THは、剥離力が測定には高過ぎることを示し、n/aは、測定を行わなかったことを示す。
実施例23~25
実施例23~25は、調製実施例1~3で調製したシリケート樹脂を含む更なる剥離コーティング組成物である。実施例23~25の各々では、特定のシリケート樹脂を(B1)オルガノポリシロキサンと組み合わせてベース組成物を得、各特定のベース組成物を阻害剤1、有機ケイ素化合物(C1)、及び触媒(D1)と組み合わせて、剥離コーティング組成物を得る。実施例23~25の各剥離コーティング組成物は、無溶剤であり、シリケート樹脂が(B1)オルガノポリシロキサンと混和性であるため、任意の溶媒の非存在下で調製される。以下の表9は、実施例23~25の剥離コーティング組成物を調製するために利用されるグラム単位の各成分の相対量を記載する。
比較実施例19~20:
比較実施例19~20(C.E.19~20と表示)は、比較剥離コーティング組成物である。以下の表10は、比較実施例19~20の比較剥離コーティング組成物を調製するために利用されるグラム単位の各成分の相対量を示す。
実施例26~28及び比較実施例21~22:
実施例23~25及び比較実施例19~20の剥離コーティング組成物を利用して、コーティング基材を調製する。具体的には、各組成物を基材(グラシン紙)上にコーティングし、硬化させて(出口ウェブオーブン温度:165.56℃、滞留時間:11秒)コーティング基材を形成し、その試料を、即時抽出可能分%、即時ROR%、及び様々な速度、すなわち、0.3m/分(MPM)、10m/分(MPM)、100m/分(MPM)、及び300m/分(MPM)及び180度の引剥での剥離力について評価する。剥離力を、50分間エージングした後にRT及び50%RHで40lbs下Tesa 7475標準テープでラミネートした後、Imass SP-2100及びZPE-1100W剥離試験システムを介して測定した。結果を以下の表11に記載する。実施例26は、実施例23の組成物を利用し、実施例27は、実施例24の組成物を利用し、実施例28は、実施例25の組成物を利用する。同じ相関関係が、比較実施例21~22及び比較実施例19~20の組成物に適用される。
用語の定義及び使用
本明細書で使用される略語の定義は、以下の表12にある。
添付の特許請求の範囲が、詳細な説明に説明する特定の化合物、組成物、又は方法を表現することに限定されず、添付の特許請求の範囲の範疇の特定の実施形態間で変動し得ることを理解されたい。