剥離コーティングを形成するための組成物が開示される。当該組成物は、
(i)式(R1
yR2
3-ySiO1/2)x(SiO4/2)1.0(ZO1/2)w[式中、各R1は、1~32個の炭素原子を有するヒドロカルビル基から独立して選択され、各R2は、R1、アルコキシ基、及びヒドロキシル基から独立して選択され、Zは独立してH又はアルキル基であり、yは0~3の整数であり、下付き文字xによって示される各シロキシ単位において独立して選択され、下付き文字zは0.05~0.99であり、下付き文字wは0~3である]を有するシリコーン樹脂と、
(ii)式(R1
2SiO2/2)n[式中、各R1は上記で定義され、nは3~15の整数である]を有する環状シロキサンと、
(iii)(A)(iii)(a)式(R3
y’R1
3-y’SiO1/2)x’(SiO4/2)1.0(ZO1/2)w’[各R3は独立してエチレン性不飽和基であり、下付き文字y’は1又は2であり、各R1は独立して選択され、上記で定義され、各Zは独立して選択され、上記で定義され、下付き文字x’は1~4であり、下付き文字w’は0~3である]を有する分岐状オルガノポリシロキサン又は(A)(iii)(b)停止剤のうちの少なくとも1つとの、重合触媒の存在下での反応生成物を含む(A)オルガノポリシロキサンを含む。
(i)シリコーン樹脂は、MQ樹脂と呼ばれることもあり、Mは(R0
3SiO1/2)シロキシ単位を示し、式中、Qは(SiO4/2)シロキシ単位を示し、R0はケイ素結合置換基を示す。そのようなMQ樹脂は当技術分野で知られ、溶媒中に配置されない限り、しばしば固体(例えば、粉末又はフレーク)形態である。当技術分野で理解されるように、Qシロキシ単位中のケイ素原子のうちの少なくともいくつかは、SiOZ部分(すなわち、ケイ素結合ヒドロキシル基又はアルコキシ基)を含み得る。Qシロキシ単位中に存在するそのようなSiOZ部分は、下付き文字wで示されるZO1/2部分を介して認識される。(i)シリコーン樹脂は、ケイ素結合有機基を含む任意のD又はTシロキシ単位を含まない。
(i)シリコーン樹脂の平均式は(R1
yR2
3-ySiO1/2)x(SiO4/2)1.0(ZO1/2)wであり、[M]x[Q]と表記することもできる。しかし、典型的には、当技術分野で使用される命名法では、Mシロキシ単位はトリメチルシロキシ単位であるが、(i)シリコーン樹脂中のR1及びR2がメチル基である必要はない。(i)シリコーン樹脂では、下付き文字xは、Qシロキシ単位のモル数を1に正規化した場合の、Mシロキシ単位とQシロキシ単位とのモル比を示す。xの値が大きいほど、(i)シリコーン樹脂の架橋密度は低くなる。xの値が減少すると、Mシロキシ単位の数が減少し、したがって、Mシロキシ単位を末端とすることなく、より多くのQシロキシ単位が網目状になるため、逆も当てはまる。(i)シリコーン樹脂の式がQシロキシ単位の含有量を1に正規化するという事実は、(i)シリコーン樹脂が1つのQ単位のみを含むことを意味するものではない。(i)シリコーン樹脂は、共にクラスター化又は結合された複数のQシロキシ単位を含む。更に、本開示及び上記の平均式の目的のために、完全に縮合又はキャップされていないケイ素結合ヒドロキシル基を含むシロキシ単位は、Qシロキシ単位と見なされ得る(ケイ素結合ヒドロキシル基を含むケイ素原子がケイ素-炭素結合を含まない限り)。このようなケイ素結合ヒドロキシル基は、縮合してQシロキシ単位を生じ得る。したがって、以下に説明するように、(i)シリコーン樹脂を本体化した後であっても、下付き文字xの値、及びMとQとのシロキシ単位の比率は、Qシロキシ単位中に存在する任意の残留ケイ素結合ヒドロキシル基が更に縮合した後も同じままである。例えば、(i)シリコーン樹脂は、ある特定の実施形態では、最大10重量パーセント、あるいは最大8重量パーセント、あるいは最大6重量パーセント、あるいは最大5重量パーセント、あるいは最大4重量パーセント、あるいは最大3重量パーセント、あるいは最大2重量パーセントのヒドロキシル基を含み得る。Qシロキシ単位中のいずれのSiOZ含有量も考慮しない場合、(i)シリコーン樹脂は、平均式(R1
yR2
3-ySiO1/2)x(SiO4/2)1.0を有する。
(i)シリコーン樹脂では、下付き文字xは、0.05~0.99、あるいは0.10~0.95、あるいは0.15~0.90、あるいは0.20~0.85、あるいは0.25~0.80、あるいは0.30~0.75である。特定の実施形態では、下付き文字xは、0.50~0.80、あるいは0.55~0.75、あるいは0.60~0.75、あるいは0.65~0.75、あるいは0.70~0.75である。別の特定の実施形態では、下付き文字xは0.05~0.85である。更に別の特定の実施形態では、下付き文字xは、0.4~0.90、あるいは0.70~0.85である。したがって、モル基準で、(i)シリコーン樹脂中のMシロキシ単位よりもQシロキシ単位が多い。
下付き文字wは、0~3、あるいは0~2、あるいは0~1、あるいは、0~0.9、あるいは0~0.8、あるいは0~0.7、あるいは0~0.6、あるいは0~0.5、あるいは0~0.4、あるいは0~0.3、あるいは0~0.2、あるいは0~0.1であり、(i)シリコーン樹脂のSiOZ含有量を表している。SiOZ含有量は、SiOH(式中、ZはH、又はシラノール基)、又はケイ素結合アルコキシ(式中、Zはアルキル)である。例えば、「(SiO4/2)(ZO1/2)」は、単一の酸素を介して「Z」基に結合したケイ素原子を有するQ型基を指す。NMRの命名法では、このような「(SiO4/2)(ZO1/2)」部分は依然としてQシロキシ単位と見なされる。Zがアルキル基である場合、アルキル基は、典型的には、C1~C8、あるいはC1~C6、あるいはC1~C4、あるいはC1~C2、あるいはC1(すなわちメチル)アルキル基である。
概して、R1に好適なヒドロカルビル基は、独立して、直鎖状、分岐状、環状、又はそれらの組み合わせであり得る。環状ヒドロカルビル基は、アリール基、及び飽和又は非共役環状基を包含する。環状ヒドロカルビル基は、独立して、単環式又は多環式であってもよい。直鎖状及び分岐状ヒドロカルビル基は独立して、飽和であっても不飽和であってもよい。直鎖状及び環状ヒドロカルビル基の組み合わせの一例は、アラルキル基である。ヒドロカルビル基の全般的な例としては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ハロカーボン基等、並びに誘導体、変形体、及びそれらの組み合わせが挙げられる。好適なアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル(例えば、イソプロピル及び/又はn-プロピル)、ブチル(例えば、イソブチル、n-ブチル、tert-ブチル、及び/又はsec-ブチル)、ペンチル(例えば、イソペンチル、ネオペンチル、及び/又はtert-ペンチル)、ヘキシル、ヘキサデシル、オクタデシル、並びに6~18個の炭素原子を有する分岐飽和炭化水素基が挙げられる。好適な非共役環状基の例としては、シクロブチル基、シクロヘキシル基、及びシシロヘプチル基が挙げられる。好適なアリール基の例としては、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、ベンジル、及びジメチルフェニルが挙げられる。好適なアルケニル基の例としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘプテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、及びシクロヘキセニル基が挙げられる。好適な一価ハロゲン化炭化水素基(すなわち、ハロ炭素基)の例としては、ハロゲン化アルキル基、アリール基、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ハロゲン化アルキル基の例としては、1つ以上の水素原子が、F又はClなどのハロゲン原子で置換された、上述のアルキル基が挙げられる。ハロゲン化アルキル基の具体例としては、フルオロメチル、2-フルオロプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、4,4,4-トリフルオロブチル、4,4,4,3,3-ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3-ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3-ノナフルオロヘキシル、及び8,8,8,7,7-ペンタフルオロオクチル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、2,3-ジフルオロシクロブチル、3,4-ジフルオロシクロヘキシル、及び3,4-ジフルオロ-5-メチルシクロヘプチル、クロロメチル、クロロプロピル、2-ジクロロシクロプロピル、及び2,3-ジクロロシクロペンチル基、並びにそれらの誘導体が挙げられる。ハロゲン化アリール基の例としては、1つ以上の水素原子が、F又はClなどのハロゲン原子で置換された、上述のアリール基が挙げられる。ハロゲン化アリール基の具体例としては、クロロベンジル基及びフルオロベンジル基が挙げられる。
特定の実施形態では、各R1は、1~32個、あるいは1~28個、あるいは1~24個、あるいは1~20個、あるいは1~16個、あるいは1~12個、あるいは1~8個、あるいは1~4個、あるいは1個の炭素原子を有するアルキル基から、及び2~32個、あるいは2~28個、あるいは2~24個、あるいは2~20個、あるいは2~16個、あるいは2~12個、あるいは2~8個、あるいは2~4個、あるいは2個の炭素原子を有するエチレン性不飽和基(すなわち、アルケニル基及び/又はアルキニル基)から独立して選択される。「アルケニル」は、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する非環状、分岐状又は非分岐状の一価炭化水素基を意味する。その具体例としては、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基、及びオクテニル基が挙げられる。「アルキニル」は、1つ以上の炭素-炭素三重結合を有する非環状、分岐状又は非分岐状の一価炭化水素基を意味する。その具体例としては、エチニル、プロピニル、及びブチニル基が挙げられる。エチレン性不飽和基の様々な例としては、CH2=CH-、CH2=CHCH2-、CH2=CH(CH2)4-、CH2=CH(CH2)6-、CH2=C(CH3)CH2-、H2C=C(CH3)-、H2C=C(CH3)-、H2C=C(CH3)CH2-、H2C=CHCH2CH2-、H2C=CHCH2CH2CH2-、HC≡C-、HC≡CCH2-、HC≡CCH(CH3)-、HC≡CC(CH3)2-、及びHC≡CC(CH3)2CH2-が挙げられる。典型的には、R1がエチレン性不飽和基である場合、エチレン性不飽和はR1の末端にある。当技術分野で理解されるように、エチレン性不飽和は脂肪族不飽和と呼ばれることがある。
少なくとも1つのR1が、エチレン性不飽和基、すなわち、アルケニル又はアルキニル基である場合、(i)シリコーン樹脂から形成された(A)オルガノポリシロキサンは、添加反応又はヒドロシリル化反応に関与して、上述のように、コーティング、例えば、剥離コーティングをもたらすことができる。しかしながら、(A)オルガノポリシロキサンは、各R1がアルキル基である場合であっても、特に剥離コーティングを形成するときのミスト防止特性に関して、(A)オルガノポリシロキサンは、官能化されない又は反応性ではないという驚くべき利点を提供する。
特定の実施形態では、(i)シリコーン樹脂中の各R1は独立して選択されたアルキル基である。これらの実施形態では、各R1がメチルであり、yが3である場合、(i)シリコーン樹脂は、式((CH3)3SiO1/2)x(SiO4/2)1.0(ZO1/2)wを有する。他の実施形態では、(i)シリコーン樹脂中の少なくとも1つのR1はエチレン性不飽和基である。(i)シリコーン樹脂中の少なくとも1つのR1がビニル基(エチレン性不飽和基として)である場合、残りのR1の各々はメチル基であり、下付き文字yが0である場合、(i)シリコーン樹脂は、ケイ素結合ビニル基を含む少なくとも1つのMシロキシ単位が存在する限りにおいて、以下のMシロキシ単位の任意の組み合わせを含むことができる:((CH3)3SiO1/2)、((CH3)2(CH=CH2)SiO1/2)、((CH3)(CH=CH2)2SiO1/2)、及び((CH=CH2)3SiO1/2)。典型的には、(i)シリコーン樹脂が、R1としてビニルなどの少なくとも1つのケイ素結合アルケニル基を含み、R1の残りがアルキル基、例えば、メチル基である場合、(i)シリコーン樹脂は、((CH3)3SiO1/2)及び((CH3)2(CH=CH2)SiO1/2)から選択されるMシロキシ単位を含む。上記の例は単なる例示であり、任意のメチル基を他の任意のアルキル又は更にヒドロカルビル基で置き換えることができ、任意のビニル基を任意の他のアルケニル又はエチレン性不飽和基で置き換えることができることは理解される。
R2は、R1、アルコキシ基、及びヒドロキシル基から独立して選択される。典型的には、各R2はR1から独立して選択される。しかしながら、当技術分野で理解されるように、(i)シリコーン樹脂は、本質的に、(i)シリコーン樹脂の形成から生じるある程度のケイ素が結合したヒドロキシル基及び/又はアルコキシ基を含む可能性があり、それは、典型的には、共加水分解/縮合によって得られる。したがって、R2のうちの1つ以上は、そのようなアルコキシ基又はヒドロキシル基が典型的には(i)シリコーン樹脂に意図的に含まれない場合であっても、アルコキシ基又はヒドロキシル基であり得る。
下付き文字yは、0~3、あるいは1~3、あるいは2~3、あるいは3の整数である。更に、下付き文字yは、下付き文字xによって示される各Mシロキシ単位において独立して選択される。したがって、(i)シリコーン樹脂は、例えば、yが3である場合は(R1
3SiO1/2)、yが2である場合は(R1
2R2SiO1/2)で表されるMシロキシ単位を含み得る。典型的には、(i)シリコーン樹脂中の全てのMシロキシ単位の過半数、すなわち少なくとも50モル%、あるいは少なくとも60モル%、あるいは少なくとも70モル%、あるいは少なくとも80モル%、あるいは少なくとも90モル%、あるいは少なくとも95モル%は、(R1
3SiO1/2)によって表される。(i)シリコーン樹脂中の全てのMシロキシ単位は、上記で定義された下付き文字xの目的で集まる。
単なる例として、(i)シリコーン樹脂の例示的な種としては、[(CH3)3SiO1/2]0.7[SiO4/2]及び[(CH3)2(CH=CH2)SiO1/2]0.7[SiO4/2]が挙げられる。別の例示的な種としては、Qシロキシ単位と組み合わされた[(CH3)3SiO1/2]及び[(CH3)2(CH=CH2)SiO1/2]単位が挙げられ、Mシロキシ単位の合計モル数は、Qシロキシ単位のモル数よりも少ない。
(i)シリコーン樹脂を、(ii)式(R1
2SiO2/2)n[式中、R1は上記で定義され、nは3~15の整数である]を有する環状シロキサンと反応させて、(A)オルガノポリシロキサンを生成させる。環状シロキサンでは、各R1は、典型的には、独立して選択されたアルキル基であり、最も典型的には、各R1は、メチル基である。各R1がメチル基である場合、(ii)環状シロキサンは、nに基づいて呼ばれ得る。例えば、nが3である場合、(ii)環状シロキサンはD3と呼ばれ、nが4である場合、(ii)環状シロキサンはD4と呼ばれるなどである。nが5である場合、(ii)環状シロキサンはD5と呼ばれるなどである。しかし、他の実施形態では、(ii)環状シロキサンの少なくとも1つのR1は、ケイ素結合エチレン性不飽和基、すなわち、ケイ素結合アルケニル又はアルキニル基である。例えば、(ii)環状シロキサンの少なくとも1つのR1がケイ素結合エチレン性不飽和基である場合、(ii)環状シロキサンは、例えば、メチルビニルシロキシ単位、又はジビニルシロキシ単位を含み得る。(ii)環状シロキサンの各Dシロキシ単位は、メチルビニルシロキシ単位がジメチルシロキシ単位と組み合わせて存在し得るように独立して選択される。
下付き文字nは、3~15、あるいは3~12、あるいは3~10、あるいは3~8、あるいは3~6、あるいは4~5である。更に、(ii)環状シロキサンは、異なる環状シロキサンのブレンド、例えば、nが4であるものと、nが5であるものとのブレンドを含み得る。特定の実施形態では、(ii)環状シロキサンは、シクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどのシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどのシクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、及びそれらの組み合わせの群から選択される。説明のみを目的として、デカメチルシクロペンタシロキサン及びオクタメチルシクロテトラシロキサンの化学構造を以下に示す。
(ii)環状シロキサンは、典型的には、100~750g/mol、あるいは150~500g/mol、あるいは275~375g/molの分子量を有する。
ある特定の実施形態では、(A)オルガノポリシロキサンは、(i)シリコーン樹脂と、(ii)環状シロキサンと、(A)(iii)(a)分岐オルガノポリシロキサンとの反応生成物である。(A)(iii)(a)分岐状オルガノポリシロキサンは、式(R3
y’R1
3-y’SiO1/2)x’(SiO4/2)1.0(ZO1/2)w’[各R3は独立してエチレン性不飽和基であり、下付き文字y’は1又は2であり、各R1は独立して選択され、上記で定義され、各Zは独立して選択され、上記で定義され、下付き文字x’は1~4であり、下付き文字w’は0~3である]を有する。好適なエチレン性不飽和基は、R1について上述したR3である。
(i)シリコーン樹脂と同様に、(A)(iii)(a)分岐状オルガノポリシロキサンは、MQ樹脂と呼ぶことができる。しかしながら、(i)シリコーン樹脂とは異なり、Mシロキシ単位とQシロキシ単位との比率を表すx’は1より大きい。(A)(iii)(a)分岐状オルガノポリシロキサンでは、x’は1~4、あるいは1~3.5、あるいは1~3、あるいは1~2.5、あるいは1~2である。他の実施形態では、x’は、1~4、あるいは1.5~3、あるいは1.5~2.5、あるいは1.75~2.25である。下付き文字w’は、0~3、あるいは0~2、あるいは0~1、あるいは、0~0.9、あるいは0~0.8、あるいは0~0.7、あるいは0~0.6、あるいは0~0.5、あるいは0~0.4、あるいは0~0.3、あるいは0~0.2、あるいは0~0.1である。
特定の実施形態では、y’は1である。下付き文字y’は、下付き文字x’によって示される各Mシロキシ単位において独立して選択される。したがって、(A)(iii)(a)分岐状オルガノポリシロキサンは、R3がビニルであり、R1がメチルである場合、例えば、ビニルジメチルシロキシ単位及びメチルジビニルシロキシ単位(y’が1であるMシロキシ単位、もう一方は、y’が2であるMシロキシ単位に対応している)を含むことができる。当技術分野で理解されるように、(A)(iii)(a)分岐状オルガノポリシロキサンは、なんらかの微量に基づいて(A)(iii)(a)分岐状オルガノポリシロキサンの平均単位式を明示的に説明していない場合でも、何らかの微量のケイ素結合ヒドロキシル及び/又はケイ素結合アルコキシ基を含み得る。
ある特定の実施形態では、(A)オルガノポリシロキサンは、(i)シリコーン樹脂と、(ii)環状シロキサンと、(A)(iii)(b)停止剤との反応生成物である。(A)(iii)(b)停止剤は、(i)シリコーン樹脂中の任意の残留ケイ素結合ヒドロキシル基をキャップするための任意の停止剤であり得る。(A)(iii)(b)停止剤は、例えば、シラン、シロキサン、又はシラザンであり得る。
例えば、特定の実施形態では、停止剤は、一般式R1
3SiX[各R1は、独立して選択され、かつ上記で定義され、Xは、加水分解性基、例えば、OH、カルボキシ基、ハロゲン原子などである]を有する。Xがハロゲン原子である場合、Xは、F、Cl、Br、I、及びAtから、あるいはF、Cl、及びBrから、あるいはF及びClから選択され得る。様々な実施形態では、XはClである。ある特定の実施形態では、各R1は、独立して選択され、上記で定義される。
R1及びXの選択に応じて、停止剤は、トリメチルクロロシラン、ジメチルエチルクロロシラン、トリメチルフルオロシラン、メチルジプロピルクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシランなどによって例示され得る。異なるトリオルガノハロシランの組み合わせは、停止剤として一緒に利用され得る。
シラン又はシラザン停止剤の他の特定の例は、トリメチルメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ジフェニルメチルメトキシシラン、ジメチルフェニルメトキシシラン、ジフェニルメチルコロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジビニルジシロキサン、及びそれらの加水分解物である。(A)(iii)(b)停止剤に好適なシロキサンの1つの具体的な例は、トリメチル末端ブロックポリジメチルシロキサンである。
特定の実施形態では、(A)(iii)(b)停止剤は、式R3
y’R1
3-y’Si-O-(SiR1
2O)m-SiR3
y’R1
3-y’[式中、R3及びR1は上記で独立して選択されかつ定義され、y’は上記で定義され、mは0~250の整数である]を有するシロキサンを含む。特定の実施形態では、mは、0~250、あるいは0~225、あるいは0~200、あるいは0~175、あるいは0~150、あるいは0~125、あるいは0~100、あるいは0~75、あるいは0~50、あるいは0~25、あるいは0~20、あるいは0~15、あるいは0~10、あるいは0~5、あるいは0又は1、あるいは0である。例えば、mが0であり、各y’が1であり、R1がメチルであり、R3がビニルである場合、(A)(iii)(b)停止剤はジビニルテトラメチルジシロキサンである。他の実施形態では、mは、0~250、あるいは25~225、あるいは50~200、あるいは100~200である。
他の実施形態では、(A)オルガノポリシロキサンは、(i)シリコーン樹脂と、(ii)環状シロキサンと、(A)(iii)(a)分岐状オルガノポリシロキサンと、(A)(iii)(b)停止剤との反応生成物である。
(i)シリコーン樹脂と、(ii)環状シロキサンと、(A)(iii)分岐状オルガノポリシロキサン及び/又は(A)(iii)(b)停止剤のうちの少なくとも1つと、を重合触媒の存在下で反応させる。典型的には、重合触媒は、反応が酸触媒反応又は塩基触媒反応のいずれかであるように、酸又は塩基である。したがって、特定の実施形態では、重合触媒は、強酸触媒、強塩基触媒、及びそれらの組み合わせの群から選択され得る。強酸触媒は、トリフルオロメタンスルホン酸などであり得る。重合触媒は、典型的には、強塩基触媒である。典型的には、この強塩基触媒はホスファゼン触媒であるが、ホスファゼン塩基触媒の代わりに、KOHなどの他の強塩基触媒を使用し得る。
ホスファゼン触媒は、概して少なくとも1つの-(N=P<)-単位((すなわち、ホスファゼン単位))を含み、通常、最大10個のそのようなホスファゼン単位を有するオリゴマーであり、例えば、平均1.5から最大5のホスファゼン単位を有する。ホスファゼン触媒は、例えば、クロロホスファゼン(ホスホニトリルクロリド)などのハロホスファゼン、酸素含有ハロホスファゼン、ホスファゼニウム塩などのホスファゼンのイオン性誘導体、特にパークロロオリゴホスファゼニウム塩などのハロゲン化ホスホニトリルのイオン性誘導体、又はその部分的に加水分解された形態である。
特定の実施形態では、重合触媒は、ホスファゼン塩基触媒を含む。ホスファゼン塩基触媒は、当技術分野で知られる任意のものでもよいが、典型的には、以下の化学式
((R4
2N)3P=N)t(R4
2N)3-tP=NR4
[式中、各R4は、水素原子、R1及びそれらの組み合わせの群から独立して選択され、tは1~3の整数である]を有する。R4がR1である場合、R4は、典型的には、1~20個、あるいは1~10個、あるいは1~4個の炭素原子を有するアルキル基である。任意の(R4
2N)部分の2つのR4基は、同じ窒素(N)原子に結合し、連結し、好ましくは5又は6個のメンバーを有する複素環を完成することができる。
あるいは、ホスファゼン塩基触媒は塩であり得、以下の代替化学式
[((R4
2N)3P=N)t(R4
2N)3-tP=N(H)R4]+[A-]、又は
[((R4
2N)3P=N)s(R4
2N)4-sP]+[A-]
[式中、各R4は独立して選択され、上記で定義され、下付き文字tは上記で定義され、下付き文字sは1~4の整数であり、[A]はアニオンであり、典型的には、フルオリド、ヒドロキシド、シラノレート、アルコキシド、カーボネート、バイカーボネートの群から選択される]のうちの1つを有し得る。一実施形態では、ホスファゼン塩基は水酸化アミノホスファゼニウムである。
重合触媒の存在下での反応は、(ii)環状シロキサンの開環及び(A)分岐状オルガノポリシロキサンへのDシロキシ単位の取り込みをもたらす。(i)シリコーン樹脂、(ii)環状シロキサン、(A)(iii)(a)分岐状オルガノポリシロキサン、及び/又は利用される(A)(iii)(b)停止剤の相対量は、(A)オルガノポリシロキサン中のDシロキシ単位の所望の含有量、並びに以下に記載されるQシロキシ単位の相対数の関数である。(A)オルガノポリシロキサンはQシロキシ単位に帰属する分岐を含み、直鎖状ではないが、(A)オルガノポリシロキサン中のDシロキシ単位の数は、(A)オルガノポリシロキサンの重合度(DP)と呼ばれ得る。同様に、(A)(iii)(a)分岐状オルガノポリシロキサン、及び/又は利用される(A)(iii)(b)停止剤の選択は、(A)オルガノポリシロキサンの所望の構造の関数である。
ある特定の実施形態では、(i)シリコーン樹脂と、(ii)環状シロキサンと、(A)(iii)分岐状オルガノポリシロキサン及び/又は(A)(iii)(b)停止剤とは、溶媒の存在下で、高温、例えば125~175℃で反応される。好適な溶媒は、炭化水素であってもよい。好適な炭化水素としては、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、若しくはキシレン、及び/又は脂肪族炭化水素、例えばヘプタン、ヘキサン、若しくはオクタンが挙げられる。あるいは、溶媒は、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、1,1,1-トリクロロエタン、又は塩化メチレンであってもよい。ビス(トリメチルシリル)水素リン酸塩などの錯化剤を反応後に使用し、重合触媒の活性を阻害し得る。当業者は、その選択及び反応条件の関数である、使用される重合触媒の触媒量を容易に決定し得る。溶媒は、従来の方法を介して反応後に除去することができる。
(i)シリコーン樹脂は、(i)シリコーン樹脂と、(ii)環状シロキサンと、(A)(iii)(a)分岐状オルガノポリシロキサン及び/又は(A)(iii)(b)停止剤と、を反応させる前に、任意選択で本体化され得る。当技術分野で理解されるように、シリコーン樹脂を本体化することは、典型的には、その形成からシリコーン樹脂中に存在し得る残留ケイ素結合ヒドロキシ基の更なる縮合を通じて分子量の増加をもたらす。(i)シリコーン樹脂を本体化することは、典型的には、概して(i)シリコーン樹脂が溶媒中に配置される間、(i)シリコーン樹脂を高温で加熱することを含む。好適な溶媒は上記に開示される。(i)シリコーン樹脂の本体化は、シラノール基の縮合からの副生成物として水をもたらす。
(A)オルガノポリシロキサンは、式(R1
yR2
3-ySiO1/2)x(R1
2SiO2/2)m(SiO4/2)(ZO1/2)w[式中、各R1及びR2は、上記したように独立して選択され、かつ定義され、各Zは、上記したように独立して選択され、かつ定義され、下付き文字y、x、及びwは上記で定義され、下付き文字mは3~3,000である]を有する。Dシロキシ単位、すなわち、(R1
2SiO2/2)単位は、(ii)環状シロキサンの開環、及び重合から形成される。更に、(A)(iii)(b)停止剤が利用され、下付き文字mが1以上である場合、追加のD単位が、(A)(iii)(b)停止剤からの(A)オルガノポリシロキサンに付与され得る。(A)オルガノポリシロキサンは、(A)(iii)(a)分岐状オルガノポリシロキサン及び/又は(A)(iii)(b)停止剤が反応に利用されるかどうかに関係なく典型的には上記の式を有する。その違いは、(A)オルガノポリシロキサン内のシロキシ単位のモル比に関係がある。Dシロキシ単位は、ある特定のMシロキシ単位とQシロキシ単位との間に挿入される。任意の所与の直鎖状シロキサン部分の各特定のQ及びMシロキシ単位の間に存在するDシロキシ単位の数は、それぞれの場合に異なり得る。上記の式は、(A)オルガノポリシロキサン中の位置に関係なく、(A)オルガノポリシロキサン中に存在する全てのD単位を表す。(A)オルガノポリシロキサン中の全てのQシロキシ単位が、Dシロキシ単位に結合できるわけではない。代わりに、かなりのQシロキシ単位が、典型的には、(A)オルガノポリシロキサンにおいてクラスター化される。特定の実施形態では、Dシロキシ単位は、(A)オルガノポリシロキサン中のQシロキシ単位間には存在せず、Dシロキシ単位は、Mシロキシ単位とQシロキシ単位との間に存在するのみである。したがって、(A)オルガノポリシロキサンは、一緒に結合したQシロキシ単位の高度に分岐した部分を含む。
特定の実施形態では、mは、3~3,000、あるいは3~2,000、あるいは3~1,000、あるいは3~750、あるいは3~500、あるいは50~500、あるいは100~500、あるいは110~475、あるいは120~450、あるいは130~425、あるいは140~400、あるいは150~375、あるいは160~350、あるいは170~325、あるいは180~300、あるいは190~275、あるいは200~250である。
(A)オルガノポリシロキサンの1つの例示的な種は、[(CH3)3SiO1/2]0.38[(CH3)2(CH=CH2)SiO1/2]1.22[(CH3)2SiO2/2]181.93[SiO4/2]である。(A)オルガノポリシロキサンの別の例示的な種は、[(CH3)3SiO1/2]0.69[(CH3)2(CH=CH2)SiO1/2]0.44[(CH3)2SiO2/2]228.83[SiO4/2]である。当技術分野で理解されるように、上記の式中の各下付き文字は、モル分率ではないが、その特定のシロキシ単位対Qシロキシ単位に基づくモル比である。これらの種は単なる例示であり、Mシロキシ単位のメチル基は、エチレン性不飽和基を含む他のヒドロカルビル基で置き換えることができ、ビニル基は他のエチレン性不飽和基で置き換えることができ、各特定のシロキシ単位のモル比は、この例示的な種から改変又は逸脱することができる。
組成物は、組成物の総重量に基づき、0超~15重量パーセント、あるいは0.5~10重量パーセント、あるいは0.75~7重量パーセント、あるいは1~4重量パーセントの量の(A)オルガノポリシロキサンを含む。
この組成物は、1分子あたり平均少なくとも2つのケイ素結合エチレン性不飽和基を有する(B)オルガノポリシロキサンを更に含む。特定の実施形態では、(B)オルガノポリシロキサンは、1分子あたり、末端脂肪族不飽和を有する平均少なくとも2つのケイ素結合基を有する。この(B)オルガノポリシロキサンは、直鎖状、分岐状、部分的に分岐状、環状、樹脂状(すなわち、三次元網目を有する)であるか、又は異なる構造の組み合わせを含み得る。ポリオルガノシロキサンは、平均式R1
aSiO(4-a)/2[式中、各R1は、独立して選択され、かつ上記で定義され、但し、各分子において、R1のうちの少なくとも2つは脂肪族不飽和を含み、下付き文字aは0<a≦3.2となるように選択される]を有し得る。(B)オルガノポリシロキサンについての上記の平均式は、あるいは(R1
3SiO1/2)b(R1
2SiO2/2)c(R1SiO3/2)d(SiO4/2)e[式中、R1は、上記で定義され、下付き文字b、c、d、及びeは、それぞれ独立に、≧0~≦1であり、但し、数量(b+c+d+e)=1である]として記載され得る。当業者であれば、このようなM、D、T、及びQ単位、並びにそれらのモル分率が、上述の平均式中の下付き文字aにどのように影響するかを理解する。T単位(下付き文字dによって示される)、Q単位(下付き文字eによって示される)、又はその両方は、典型的には、ポリオルガノシロキサン樹脂中に存在し、一方、下付き文字cによって示されるD単位は、典型的には、ポリオルガノシロキサンポリマー中に存在する(及びまた、ポリオルガノシロキサン樹脂又は分岐状ポリオルガノシロキサン中に存在してもよい)。
あるいは、(B)オルガノポリシロキサンは、実質的に直鎖状であり得るか、あるいは直鎖状であり得る。実質的に直鎖状オルガノポリシロキサンは、平均式R1
a’SiO(4-a’)/2[式中、各R1は上記で定義したとおりであり、下付き文字a’は、1.9≦a’≦2.2となるように選択される]を有し得る。
成分(B)の実質的に直鎖状オルガノポリシロキサンは、25℃で、流動性の液体であり得るか、又は未硬化のゴムの形態を有し得る。実質的に直鎖状オルガノポリシロキサンは、25℃で、10mPa・s~30,000,000mPa・s、あるいは10mPa・s~10,000mPa・s、あるいは100mPa・s~1,000,000mPa・s、あるいは100mPa・s~100,000mPa・sの粘度を有してもよい。粘度は、実質的に直鎖状のポリオルガノポリシロキサンの粘度に対して適切に選択されたスピンドル、すなわちRV-1~RV-7を備えたBrookfield LV DV-E粘度計を介して、25℃で測定することができる。
あるいは、(B)オルガノポリシロキサンが実質的に直鎖状又は直鎖状である場合、(B)オルガノポリシロキサンは平均単位式(R6R5
2SiO1/2)aa(R6R5SiO2/2)bb(R6
2SiO2/2)cc(R5
3SiO1/2)dd[式中、各R5は、脂肪族不飽和を含まない独立して選択された一価炭化水素基、又は脂肪族不飽和を含まない一価ハロゲン化炭化水素基であり、各R6は、アルケニル及びアルキニルからなる群から独立して選択され、下付き文字aaは、0、1、又は2であり、下付き文字bbは0以上であり、下付き文字ccは1以上であり、下付き文字ddは、0、1、又は2であり、但し、数量(aa+dd)≧2、数量(aa+dd)=2であり、但し、数量(aa+bb+cc+dd)は、3~2,000である]を有してもよい。あるいは、下付き文字cc≧0である。あるいは、下付き文字bb≧2である。あるいは、数量(aa+dd)は、2~10、あるいは2~8、あるいは2~6である。あるいは、下付き文字ccは、0~1,000、あるいは1~500、あるいは1~200である。あるいは、下付き文字bbは、2~500、あるいは2~200、あるいは2~100である。
R5の一価炭化水素基は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基、6~10個の炭素原子を有するアリール基、1~6個の炭素原子を有するハロゲン化アルキル基、6~10個の炭素原子を有するハロゲン化アリール基、7~12個の炭素原子を有するアラルキル基、又は7~12個の炭素原子を有するハロゲン化アラルキル基によって例示され、アルキル、アリール、及びハロゲン化アルキルは本明細書に記載のとおりである。あるいは、各R5はアルキル基である。あるいは、各R5は独立して、メチル、エチル、又はプロピルである。R5の各例は、同一でも異なってもよい。あるいは、各R5はメチル基である。
R6の脂肪族不飽和一価炭化水素基は、ヒドロシリル化反応を受けることができる。R6に好適な脂肪族不飽和炭化水素基は、本明細書で定義され、ビニル、アリル、ブテニル、及びヘキセニルによって例示されるアルケニル基、及び本明細書で定義され、エチニル及びプロピニルによって例示されるアルキニル基によって例示される。あるいは、各R6は、ビニル又はヘキセニルであってもよい。あるいは、各R6はビニル基である。(B)オルガノポリシロキサンのアルケニル又はアルキニル含有量は、(B)オルガノポリシロキサンの重量に基づき、0.1重量%~1重量%、あるいは0.2重量%~0.5重量%であり得る。
(B)オルガノポリシロキサンが実質的に直鎖状であるか、あるいは直鎖状である場合、少なくとも2つの脂肪族不飽和基は、ペンダント位置、末端位置、又はペンダント位置と末端位置の両方でケイ素原子に結合し得る。ペンダントケイ素結合脂肪族不飽和基を有する(B)オルガノポリシロキサンの特定の例として、(B)オルガノポリシロキサンは、平均単位式
[(CH3)3SiO1/2]2[(CH3)2SiO2/2]cc[(CH3)ViSiO2/2]bb[式中、下付き文字bb及びccは上述で定義したとおりであり、Viはビニル基を示す]を有してもよい。この平均式に関して、任意のメチル基が、異なる一価炭化水素基(アルキル又はアリールなど)で置換されてもよく、任意のビニル基が、異なる脂肪族不飽和一価炭化水素基(アリル又はヘキセニルなど)で置換されてもよい。あるいは、1分子あたり、平均少なくとも2つのケイ素結合脂肪族不飽和基を有するポリオルガノシロキサンの特定の例として、(B)オルガノポリシロキサンは平均式Vi(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]ccSi(CH3)2Vi[式中、下付き文字ccとViは上記で定義される]を有してもよい。ケイ素結合ビニル基で終端されたジメチルポリシロキサンは、単独で、又は(B)オルガノポリシロキサンとして直前に開示されたジメチル,メチル-ビニルポリシロキサンと組み合わせて使用され得る。この平均式に関して、任意のメチル基が、異なる一価炭化水素基で置換されてもよく、任意のビニル基が、任意の末端脂肪族不飽和一価炭化水素基で置換されてもよい。少なくとも2つのケイ素結合脂肪族不飽和基がペンダント及び末端の両方であり得るので、(B)オルガノポリシロキサンは、あるいは、平均単位式
[Vi(CH3)2SiO1/2]2[(CH3)2SiO2/2]cc[(CH3)ViSiO2/2]bb[式中、下付き文字bb及びcc並びにViは上述で定義されている]を有してもよい。
(B)オルガノポリシロキサンが実質的に直鎖状ポリオルガノシロキサンである場合、(B)オルガノポリシロキサンは、両方の分子末端がジメチルビニルシロキシ基でキャップされたジメチルポリシロキサン、両方の分子末端がジメチルビニルシロキシ基でキャップされたメチルフェニルポリシロキサン、両方の分子末端がジメチルビニルシロキシ基でキャップされたメチルフェニルシロキサンとジメチルシロキサンとのコポリマー、両方の分子末端がジメチルビニルシロキシ基でキャップされたメチルビニルシロキサンとメチルフェニルシロキサンとのコポリマー、両方の分子末端がジメチルビニルシロキシ基でキャップされたメチルビニルシロキサンとジフェニルシロキサンとのコポリマー、両方の分子末端がジメチルビニルシロキシ基でキャップされたメチルビニルシロキサンとメチルフェニルシロキサンとジメチルシロキサンとのコポリマー、両方の分子末端がトリメチルシロキシ基でキャップされたメチルビニルシロキサンとメチルフェニルシロキサンとのコポリマー、両方の分子末端がトリメチルシロキシ基でキャップされたメチルビニルシロキサンとジフェニルシロキサンとのコポリマー、両方の分子末端がトリメチルシロキシ基でキャップされたメチルビニルシロキサンとメチルフェニルシロキサンとジメチルシロキサンとのコポリマーによって例示され得る。
あるいは、(B)オルガノポリシロキサンは、
i)ジメチルビニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
ii)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
iii)ジメチルビニルシロキシ末端ポリメチルビニルシロキサン、
iv)トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
v)トリメチルシロキシ末端ポリメチルビニルシロキサン、
vi)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
vii)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン)、
viii)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン)、
ix)フェニル,メチル,ビニル-シロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
x)ジメチルヘキセニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
xi)ジメチルヘキセニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
xii)ジメチルヘキセニルシロキシ末端ポリメチルヘキセニルシロキサン、
xiii)トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
xiv)トリメチルシロキシ末端ポリメチルヘキセニルシロキサン
xv)ジメチルヘキセニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
xvi)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)及び
xvii)これらの組み合わせからなる群から選択される、実質的に直鎖状、あるいは直鎖状のポリオルガノシロキサンを含み得る。
あるいは、(B)オルガノポリシロキサンは、樹脂状ポリオルガノシロキサンを含み得る。樹脂状ポリオルガノシロキサンは、平均式R4
a”SiO(4-a”)/2[式中、各R4は、上に定義したように独立して選択され、下付き文字a”は、0.5≦a”≦1.7となるように選択される]を有してもよい。
樹脂状ポリオルガノシロキサンは、分岐状又は三次元網目状の分子構造を有する。25℃で、樹脂状ポリオルガノシロキサンは、液体の形態であっても固体の形態であってもよい。あるいは、樹脂状ポリオルガノシロキサンは、T単位のみを含むポリオルガノシロキサン、T単位を他のシロキシ単位(例えば、M、D、及び/又はQシロキシ単位)と組み合わせて含むポリオルガノシロキサン、又はQ単位を他のシロキシ単位(すなわち、M、D、及び/又はTシロキシ単位)と組み合わせて含むポリオルガノシロキサンによって例示することができる。典型的には、樹脂状ポリオルガノシロキサンは、T単位及び/又はQ単位を含む。樹脂状ポリオルガノシロキサンの具体例としては、ビニル末端シルセスキオキサン(すなわち、T樹脂)及びビニル末端MDQ樹脂が挙げられる。
あるいは、(B)オルガノポリシロキサンは、分岐状シロキサン、シルセスキオキサン、又は分岐状シロキサン及びシルセスキオキサンの両方を含み得る。
(B)オルガノポリシロキサンが異なるオルガノポリシロキサンのブレンドを含む場合、ブレンドは物理的ブレンド又は混合物であり得る。例えば、(B)オルガノポリシロキサンが分岐状シロキサンとシルセスキオキサンを含む場合、分岐状シロキサンとシルセスキオキサンとは、組成物中に存在する全ての成分の総重量に基づき、分岐状シロキサンの量とシルセスキオキサンを合わせた量が合計100重量部になるように、互いに対する量で存在する。分岐状シロキサンは、50~100重量部の量で存在してもよく、シルセスキオキサンは、0~50重量部の量で存在してもよい。あるいは、分岐状シロキサンは、50~90重量部の量で存在してもよく、シルセスキオキサンは、10~50重量部の量で存在してもよい。あるいは、分岐状シロキサンは、50~80重量部の量で存在してもよく、シルセスキオキサンは、20~50重量部の量で存在してもよい。あるいは、分岐状シロキサンは、50~76重量部の量で存在してもよく、シルセスキオキサンは、24~50重量部の量で存在してもよい。あるいは、分岐状シロキサンは、50~70重量部の量で存在してもよく、シルセスキオキサンは、30~50重量部の量で存在し得る。
(B)オルガノポリシロキサンの分岐状シロキサンは単位式(R7
3SiO1/2)p(R8R7
2SiO1/2)q(R7
2SiO2/2)r(SiO4/2)s[式中、各R7は、独立して、脂肪族不飽和を含まない一価炭化水素基、又は脂肪族不飽和を含まない一価ハロゲン化炭化水素基であり、各R8はアルケニル基又はアルキニル基であり、どちらも上述のとおりであり、下付き文字p≧0、下付き文字q>0、15≧r≧995、下付き文字sは>0である]を有してもよい。
直前の単位式では、下付き文字p≧0である。下付き文字q>0である。あるいは、下付き文字q≧3である。下付き文字rは、15~995である。下付き文字s>0である。あるいは、下付き文字s≧1である。あるいは、下付き文字pについては、22≧p≧0、あるいは、20≧p≧0、あるいは、15≧p≧0、あるいは、10≧p≧0、あるいは、5≧p≧0である。あるいは、下付き文字qについては、22≧q>0、あるいは、22≧q≧4、あるいは、20≧q>0、あるいは、15≧q>1、あるいは、10≧q≧2、あるいは、15≧q≧4である。あるいは、下付き文字rについては、800≧r≧15、あるいは、400≧r≧15である。あるいは、下付き文字sについては、10≧s>0、あるいは、10≧s≧1、あるいは、5≧s>0、あるいは、s=1である。あるいは、下付き文字sは、1又は2である。あるいは、下付き文字s=1である場合、下付き文字pは0であってもよく、下付き文字qは4であってもよい。
分岐状シロキサンは、少なくとも2つの、式(R7
2SiO2/2)m[式中、各下付き文字mは独立して2~100である]のポリジオルガノシロキサン鎖を含み得る。あるいは、分岐状シロキサンは、式(R7
2SiO2/2)o[式中、下付き文字oは、それぞれ独立して、1~100である]の4つのポリジオルガノシロキサン鎖に結合した式(SiO4/2)の少なくとも一単位を含んでもよい。あるいは、分岐状シロキサンは、式
[式中、下付き文字uは、0又は1であり、各下付き文字tは、独立して、0~995、あるいは15~995、あるいは0~100であり、各R9は、上に記載したように、独立して選択された一価炭化水素基であり、各R7は、独立して選択された、脂肪族不飽和を含まない一価炭化水素基、又は脂肪族不飽和を含まない一価ハロゲン化炭化水素基であり、各R8は、上に記載したように、それぞれアルケニル及びアルキニルからなる群から独立して選択される]を有してもよい。好適な分岐状シロキサンは、米国特許第6,806,339号及び米国特許出願公開第2007/0289495号に開示されているものによって例示される。
シルセスキオキサンは、単位式(R7
3SiO1/2)i(R8R7
2SiO1/2)f(R7
2SiO2/2)g(R7SiO3/2)h[式中、R7及びR8は上述のとおりであり、下付き文字i≧0であり、下付き文字f>0であり、下付き文字gは、15~995であり、下付き文字h>0である]を有し得る。下付き文字iは、0~10であってもよい。あるいは、下付き文字iについて、12≧i≧0、あるいは、10≧i≧0、あるいは、7≧i≧0、あるいは、5≧i≧0、あるいは、3≧i≧0である。
あるいは、下付き文字f≧1である。あるいは、下付き文字f≧3である。あるいは、下付き文字fについて、12≧f>0、あるいは、12≧f≧3、あるいは、10≧f>0、あるいは、7≧p>1、あるいは、5≧f≧2、あるいは、7≧f≧3である。あるいは、下付き文字gについて、800≧g≧15、あるいは、400≧g≧15である。あるいは、下付き文字h≧1である。あるいは、下付き文字hは、1~10である。あるいは、下付き文字hについて、10≧h>0、あるいは、5≧h>0、あるいは、h=1である。あるいは、下付き文字hは、1~10であり、あるいは、下付き文字hは、1又は2である。あるいは、下付き文字h=1の場合、下付き文字fは3であってもよく、下付き文字iは0であってもよい。下付き文字fの値は、単位式(ii-II)のシルセスキオキサンが、シルセスキオキサンの重量に基づいて、0.1重量%~1重量%、あるいは0.2重量%~0.6重量%のアルケニル含有量となるのに十分であってもよい。好適なシルセスキオキサンは、米国特許第4,374,967号に開示されているものによって例示される。
(B)オルガノポリシロキサンは式(R3
yR1
3-ySiO1/2)x’(R1
2SiO2/2)z’(SiO4/2)1.0(ZO1/2)w[式中、各R3は、独立して選択されたエチレン性不飽和基であり、下付き文字yは、下付き文字xによって示される各シロキシ単位において独立して選択され、各R1は独立して選択され、かつ上記で定義され、下付き文字x’は1.5~4であり、Zは独立して選択され、上記で定義され、下付き文字wは0~3であり、下付き文字z’は3~1,000である]を有してもよい。
(B)オルガノポリシロキサンは、構造、分子量、ケイ素原子に結合した一価基、及び脂肪族不飽和基の含有量などの少なくとも1つの特性が異なる組み合わせ又は2つ以上の異なるポリオルガノシロキサンを含み得る。組成物は、(B)オルガノポリシロキサンを、組成物の総重量に基づき、60~99.5重量パーセント、あるいは60~98重量パーセント、あるいは60~95重量パーセント、あるいは70~95重量パーセント、あるいは75から95重量パーセントの量で含み得る。
組成物が本質的に成分(A)及び(B)からなるか、あるいはそれらからなる場合、すなわち、触媒又は架橋剤が存在しない場合、その組成物は、ベース組成物と呼ばれ得る。ベース組成物は、典型的には、他の成分と組み合わせて、概してヒドロシリル化を介して硬化性である組成物を得て、この組成物を硬化して、剥離コーティングを得ることができる。別の言い方をすれば、ベース組成物は、典型的には、他の成分と組み合わせされて硬化性組成物を与え、これを使用し、剥離コーティング又はライナーを形成し得る。硬化性組成物は、剥離組成物又は剥離コーティング組成物と呼ばれ得る。
これら又は他の実施形態では、(A)オルガノポリシロキサン及び(B)オルガノポリシロキサンからなるベース組成物は、ベース組成物が流動性であるように、25℃における粘度を有する。例えば、ある特定の実施形態では、成分(A)及び(B)の選択に応じて、(A):(B)が重量に基づいて40:60のブレンドは、500~100,000、あるいは2,000~50,000、あるいは4,000~30,000センチポアズ(cP)の粘度を有する。粘度は、ベース組成物の粘度に対して適切に選択されたスピンドルを備えたBrookfield LV DV-E粘度計を介して測定することができる。
これら又は他の実施形態では、同じベース組成物は、500~500,000、あるいは1,000~250,000、あるいは10,000~150,000の重量平均分子量を有する。分子量は、ポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。
特定の実施形態では、組成物は、(C)1分子あたり平均少なくとも2つのケイ素結合水素原子を有する有機ケイ素化合物を更に含む。(C)有機ケイ素化合物は、直鎖状、分岐状、部分的に分岐状、環状、樹脂状(すなわち、三次元網目を有する)であり得る、又は異なる構造の組み合わせを含み得る。(C)有機ケイ素化合物は、典型的には、架橋剤であり、成分(B)のエチレン性不飽和基と、存在する場合、成分(A)のエチレン性不飽和基と、反応し、コーティングを、例えば、剥離コーティングを形成する。典型的には、(C)有機ケイ素化合物は、オルガノハイドロジェンシロキサンを含む。
(C)有機ケイ素化合物は、(C)有機ケイ素化合物が1分子あたり少なくとも2つのケイ素結合水素原子を含む限り、M、D、T及び/又はQシロキシ単位の任意の組み合わせを含み得る。これらのシロキシ単位を様々な方法で組み合わせて、環状、直鎖状、分岐状、及び/又は樹脂状(三次元網目状)の構造を形成することができる。(C)有機ケイ素化合物は、M、D、T及び/又はQ単位の選択に応じて、モノマー、ポリマー、オリゴマー、直鎖状、分岐状、環状、及び/又は樹脂状であり得る。
(C)有機ケイ素化合物は、上記したシロキシ単位に関して、1分子あたり平均少なくとも2つのケイ素結合水素原子を含むため、(C)有機ケイ素化合物は、任意選択で、ケイ素結合水素原子を全く含まないシロキシ単位と組み合わせて、ケイ素結合水素原子を含む次のシロキシ単位(R1
2HSiO1/2)、(R1H2SiO1/2)、(H3SiO1/2)、(R1HSiO2/2)、(H2SiO2/2)、及び/又は(HSiO3/2)[式中、各R1は、独立して選択され、かつ上記で定義されている]のいずれかを含み得る。
特定の実施形態では、(C)有機ケイ素化合物は、実質的に直鎖状、あるいは直鎖状のポリオルガノハイドロジェンシロキサンである。実質的に直鎖状、又は直鎖状のポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、単位式
(HR10
2SiO1/2)v’(HR10SiO2/2)w’(R10
2SiO2/2)z’(R10
3SiO1/2)y’
[式中、各R10は、独立して選択された一価炭化水素基であり、下付き文字v’は、0、1、又は2であり、下付き文字w’は1以上であり、下付き文字z’は0以上であり、下付き文字y’は、0、1、又は2であり、但し、数量(v’+y’)=2、数量(v’+w’)≧3である]を有する。R10の一価炭化水素基は、R1の一価炭化水素基について上に記載したしたとおりであってもよい。数量(v’+w’+z’+y’)は2~1,000であり得る。ポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、
i)ジメチルハイドロジェンシロキシ末端ポリ(ジメチル/メチルハイドロジェン)シロキサンコポリマー、
ii)ジメチルハイドロジェンシロキシ末端ポリメチルハイドロジェンシロキサン、
iii)トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチル/メチルハイドロジェン)シロキサンコポリマー、
iv)トリメチルシロキシ末端ポリメチルハイドロジェンシロキサン、並びに/又は
v)i)、ii)、iii)、iv)、及びv)のうちの2つ以上の組み合わせによって例示される。好適なポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、Dow Silicones Corporation(Midland,Michigan,USA)から市販されている。
特定の一実施形態では、(C)有機ケイ素化合物は直鎖状であり、ペンダントケイ素結合水素原子を含む。これらの実施形態では、(C)有機ケイ素化合物は、平均式
(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]z’[(CH3)HSiO]w’Si(CH3)3
[式中、z’及びw’は、上記で定義されている]を有するジメチル、メチル-ハイドロジェンポリシロキサンであり得る。当業者であれば、上記の例示的な式において、ジメチルシロキシ単位及びメチルハイドロジェンシロキシ単位は、ランダム又はブロック形態で存在してもよく、任意のメチル基を、脂肪族不飽和を含まない任意の他の炭化水素基で置換してもよいことを理解する。
別の特定の実施形態では、(C)有機ケイ素化合物は、直鎖状であり、末端ケイ素結合水素原子を含む。これらの実施形態では、(C)有機ケイ素化合物は、平均式
H(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]z’Si(CH3)2H
[式中、z’は上記で定義されているとおりである]を有するSiH末端ジメチルポリシロキサンであり得る。SiH末端ジメチルポリシロキサンは、単独で、又は直前に開示されたジメチル,メチルハイドロジェンポリシロキサンとの組み合わせで使用され得る。混合物が使用される場合、混合物中の各オルガノハイドロジェンシロキサンの相対量は変化し得る。当業者であれば、上の例示的な式における任意のメチル基が、脂肪族不飽和を含まない任意の他の炭化水素基で置換されてもよいことを理解する。
あるいは、(C)有機ケイ素化合物は、ペンダント及び末端ケイ素結合水素原子の両方を含み得る。
特定の実施形態では、(C)有機ケイ素化合物は、アルキルハイドロジェンシクロシロキサン又はアルキルハイドロジェンジアルキルシクロシロキサンコポリマーを含み得る。この種の好適なオルガノハイドロジェンシロキサンの具体例としては、(OSiMeH)4、(OSiMeH)3(OSiMeC6H13)、(OSiMeH)2(OSiMeC6H13)2、及び(OSiMeH)(OSiMeC6H13)3[式中、Meはメチル(-CH3)を表す]が挙げられる。
(C)有機ケイ素化合物に好適なオルガノハイドロジェンシロキサンの他の例は、1つの分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するものである。かかるオルガノハイドロジェンシロキサンは、各シロキサン環上に少なくとも1つのケイ素結合水素(SiH)原子を有する、少なくとも2つのシクロシロキサン環を有する任意のオルガノポリシロキサンであってもよい。シクロシロキサン環は、少なくとも3つのシロキシ単位(すなわち、シロキサン環を形成するために必要な最少数)を含有し、環状構造を形成するMシロキシ単位、Dシロキシ単位、Tシロキシ単位、及び/又はQシロキシ単位の任意の組み合わせであってもよく、但し、各シロキサン環における、Mシロキシ単位、Dシロキシ単位、及び/又はTシロキシ単位であってもよい環状シロキシ単位のうちの少なくとも1つは、1つのSiH単位を含む。これらのシロキシ単位は、それぞれ、その他の置換基がメチルである場合、MH、DH、及びTHシロキシ単位として表すことができる。
(C)有機ケイ素化合物は、構造、分子量、ケイ素原子に結合した一価基、及びケイ素結合水素原子の含有量などの少なくとも1つの特性が異なる組み合わせ又は2つ以上の異なるオルガノハイドロジェンシロキサンを含み得る。組成物は、(C)有機ケイ素化合物を、成分(C)中のケイ素結合水素原子と、成分(B)中のケイ素結合エチレン性不飽和基(及び、存在する場合は、成分(A)のケイ素結合エチレン性不飽和基)とのモル比を1:1~5:1、あるいは1.1:1~3.1の量で付与する量で含み得る。
特定の実施形態では、組成物は、(D)ヒドロシリル化反応触媒を更に含む。(D)ヒドロシリル化反応触媒は限定されず、ヒドロシリル化反応を触媒するための任意の既知のヒドロシリル化反応触媒であり得る。異なるヒドロシリル化反応触媒の組み合わせを使用してもよい。
ある特定の実施形態では、(D)ヒドロシリル化反応触媒は、第VIII族から第XI族までの遷移金属を含む。第VIII族~第XI族遷移金属には、最新のIUPAC命名法を参照する。第VIII族遷移金属は、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、及びハシウム(Hs)であり、第IX族遷移金属は、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、及びイリジウム(Ir)であり、第X族遷移金属は、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、及び白金(Pt)であり、第XI族遷移金属は、銅(Cu)、銀(Ag)、及び金(Au)である。それらの組み合わせ、それらの錯体(例えば、有機金属錯体)、及び他の形態のそのような金属は、(D)ヒドロシリル化反応触媒として使用され得る。
(D)ヒドロシリル化反応触媒に好適な触媒の追加の例としては、レニウム(Re)、モリブデン(Mo)、第IV族遷移金属(すなわち、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、及び/又はハフニウム(Hf))、ランタニド、アクチニド、並びに第I族及び第II族の金属錯化物(例えば、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、ストロンチウム(Sr)などを含むもの)が挙げられる。それらの組み合わせ、それらの錯体(例えば、有機金属錯体)、及び他の形態のそのような金属は、(D)ヒドロシリル化反応触媒として使用され得る。
(D)ヒドロシリル化反応触媒は、任意の好適な形態であり得る。例えば、(D)ヒドロシリル化反応触媒は固体であり得、その例としては、白金系触媒、パラジウム系触媒、及び同様の貴金属系触媒、並びにニッケル系触媒が挙げられる。その具体例としては、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、コバルト、及び同様の元素、並びにまた白金-パラジウム、ニッケル-銅-クロム、ニッケル-銅-亜鉛、ニッケル-タングステン、ニッケル-モリブデン、及び複数の金属の組み合わせを含む同様の触媒が挙げられる。固体触媒の更なる例としては、Cu-Cr、Cu-Zn、Cu-Si、Cu-Fe-AI、Cu-Zn-Ti、及び同様の銅含有触媒などが挙げられる。
(D)ヒドロシリル化反応触媒は、固体担体の中又は上に存在し得る。担体の例としては、活性炭、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、ゼオライト、及びその他の無機粉末/粒子(例えば硫酸ナトリウム)などが挙げられる。(D)ヒドロシリル化反応触媒はまた、ビヒクル、例えば、(D)ヒドロシリル化反応触媒を可溶化する溶媒、あるいは、(D)ヒドロシリル化反応触媒を単に運ぶが可溶化しないビヒクルに配置され得る。このようなビヒクルは、当技術分野において既知である。
特定の実施形態では、(D)ヒドロシリル化反応触媒は白金を含む。これらの実施形態では、(D)ヒドロシリル化反応触媒は、例えば、白金黒、塩化白金酸、塩化白金酸六水和物、塩化白金酸と一価アルコールとの反応生成物、白金ビス(エチルアセトアセテート)、白金ビス(アセチルアセトネート)、塩化白金、及びそのような化合物とオレフィン又はオルガノポリシロキサンとの錯体、並びにマトリックス又はコアシェル型化合物にマイクロカプセル化された白金化合物などの化合物によって例示される。マイクロカプセル化ヒドロシリル化触媒及びその調製方法はまた、米国特許第4,766,176号及び同第5,017,654号に例示されるように、当技術分野において既知であり、これらは、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。
(D)ヒドロシリル化反応触媒としての使用に好適なオルガノポリシロキサンとの白金錯体としては、1,3-ジエテニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン白金錯体が挙げられる。これらの錯体は、樹脂マトリックス中にマイクロカプセル化されていてもよい。あるいは、(D)ヒドロシリル化反応触媒は、1,3-ジエテニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン白金錯体を含み得る。(D)ヒドロシリル化反応触媒は、クロロ白金酸を、ジビニルテトラメチルジシロキサンなどの脂肪族不飽和有機ケイ素化合物、又はアルケン-白金-シリル錯体と反応させることを含む方法によって調製され得る。
(D)ヒドロシリル化反応触媒はまた、又は代わりに、光活性化可能なヒドロシリル化反応触媒であり得、それは、照射及び/又は熱を介して硬化を開始し得る。光活性化可能ヒドロシリル化反応触媒は、特に、150~800ナノメートル(nm)の波長を有する放射線に曝露すると、ヒドロシリル化反応を触媒することができる、任意のヒドロシリル化反応触媒であってもよい。
(D)ヒドロシリル化反応触媒に好適な光活性化可能なヒドロシリル化反応触媒の特定の例としては、白金(II)ビス(2,4-ペンタンジオエート)、白金(II)ビス(2,4-ヘキサンジオエート)、白金(II)ビス(2,4-ヘプタンジオエート)、白金(II)ビス(1-フェニル-1,3-ブタンジオエート、白金(II)ビス(1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオエート)、白金(II)ビス(1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタンジオエート)などの白金(II)β-ジケトネート錯体、(Cp)トリメチル白金、(Cp)エチルジメチル白金、(Cp)トリエチル白金、(クロロ-Cp)トリメチル白金、及び(トリメチルシリル-Cp)トリメチル白金[式中、Cpがシクロペンタジエニルを表す]等、(η-シクロペンタジエニル)トリアルキル白金錯体、[Pt[C6H5NNNOCH3]4、Pt[p-CN-C6H4NNNOC6H11]4、Pt[p-H3COC6H4NNNOC6H11]4、Pt[p-CH3(CH2)x-C6H4NNNOCH3]4、1,5-シクロオクタジエンPt[p-CN-C6H4NNNOC6H11]2、1,5-シクロオクタジエンPt[p-CH3O-C6H4NNNOCH3]2、[(C6H5)3P]3Rh[p-CN-C6H4NNNOC6H11]、及びPd[p-CH3(CH2)x-C6H4NNNOCH3]2[式中、xは1、3、5、11、又は17である]などのトリアゼンオキシド-遷移金属錯体、(η4-1,5-シクロオクタジエニル)ジフェニル白金、(η4-1,3,5,7-シクロオクタテトラエニル)ジフェニル白金、(η4-2,5-ノルボラジエニル)ジフェニル白金、(η4-1,5-シクロオクタジエニル)ビス-(4-ジメチルアミノフェニル)白金、(η4-1,5-シクロオクタジエニル)ビス-(4-アセチルフェニル)白金、及び(η4-1,5-シクロオクタジエニル)ビス-(4-トリフルオロメチルフェニル)白金などの、(η-ジオレフィン)(σ-アリール)白金錯体が挙げられるが、それらに限定されない。典型的には、光活性化可能ヒドロシリル化反応触媒は、Pt(II)β-ジケトネート錯体であり、より典型的には、触媒は、白金(II)ビス(2,4-ペンタンジオエート)である。
(D)ヒドロシリル化反応触媒は、触媒量、すなわち、所望の条件での硬化を促進するのに十分な量又は分量で組成物中に存在する。ヒドロシリル化反応触媒は、単一ヒドロシリル化反応触媒、又は2種以上の異なるヒドロシリル化反応触媒を含む混合物とすることができる。
(D)ヒドロシリル化反応触媒の触媒量は、>0.01ppm~10,000ppmであり得、あるいは、>1,000ppm~5,000ppmであり得る。あるいは、(D)ヒドロシリル化反応触媒の典型的な触媒量は、0.1ppm~5000ppm、あるいは1ppm~2000ppm、あるいは>0~1,000ppmである。あるいは、(D)ヒドロシリル化反応触媒の触媒量は、組成物の総重量に基づいて、0.01ppm~1,000ppm、あるいは0.01ppm~100ppm、あるいは20ppm~200ppm、あるいは0.01ppm~50ppmの白金族金属であり得る。
組成物は、(E)阻害剤、(F)アンカー添加剤、(G)ミスト防止剤(anti-mist additive)、(H)剥離改質剤、及び(I)ビヒクルのうちの1つ以上を更に含み得る。
特定の実施形態では、組成物は、(E)阻害剤を更に含む。(E)阻害剤は、同じ出発物質を含むが(E)阻害剤が省略された組成物と比較し、組成物の反応速度又は硬化速度を変更するために使用され得る。(E)阻害剤は、メチルブチノール、エチニルシクロヘキサノール、ジメチルヘキシノール、及び3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、1-ブチン-3-オール、1-プロピン-3-オール、2-メチル-3-ブチン-2-オール、3-メチル-1-ブチン-3-オール、3-メチル-1-ペンチン-3-オール、3-フェニル-1-ブチン-3-オール、4-エチル-1-オクチン-3-オール、及び1-エチニル-1-シクロヘキサノールなどのアセチレンアルコール、並びにそれらの組み合わせ;シクロアルケニルシロキサン、例えば1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラヘキセニルシクロテトラシロキサンによって例示されるメチルビニルシクロシロキサン、並びにこれらの組み合わせ;エン-イン化合物、例えば3-メチル-3-ペンテン-1-イン、3,5-ジメチル-3-ヘキセン-1-イン;ベンゾトリアゾールなどのトリアゾール類;ホスフィン;メルカプタン;ヒドラジン;アミン、例えばテトラメチルエチレンジアミン;ジアルキルフマレート、ジアルケニルフマレート、ジアルコキシアルキルフマレート、マレエート、例えばジアリルマレエート;ニトリル;エーテル;一酸化炭素;アルケン、例えばシクロオクタジエン、ジビニルテトラメチルジシロキサン;アルコール、例えばベンジルアルコール;並びにこれらの組み合わせによって例示される。あるいは、(E)阻害剤は、アセチレンアルコール(例えば、1-エチニル-1-シクロヘキサノール)及びマレエート(例えば、ジアリルマレエート、ビスマレエート、又はn-プロピルマレエート)並びにそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され得る。
あるいは、(E)阻害剤は、シリル化アセチレン化合物であり得る。理論に束縛されるものではないが、シリル化アセチレン化合物を添加すると、シリル化アセチレン化合物を含有していない組成物又は上述したものなどの有機アセチレンアルコール阻害剤を含有する組成物のヒドロシリル化からの反応生成物と比較したとき、組成物のヒドロシリル化反応から調製される反応生成物の黄変が低減すると考えられる。
シリル化アセチレン化合物は、(3-メチル-1-ブチン-3-オキシ)トリメチルシラン、((1,1-ジメチル-2-プロピニル)オキシ)トリメチルシラン、ビス(3-メチル-1-ブチン-3-オキシ)ジメチルシラン、ビス(3-メチル-1-ブチン-3-オキシ)シランメチルビニルシラン、ビス((1,1-ジメチル-2-プロピニル)オキシ)ジメチルシラン、メチル(トリス(1,1-ジメチル-2-プロピニルオキシ))シラン、メチル(トリス(3-メチル-1-ブチン-3-オキシ))シラン、(3-メチル-1-ブチン-3-オキシ)ジメチルフェニルシラン、(3-メチル-1-ブチン-3-オキシ)ジメチルヘキセニルシラン、(3-メチル-1-ブチン-3-オキシ)トリエチルシラン、ビス(3-メチル-1-ブチン-3-オキシ)メチルトリフルオロプロピルシラン、(3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オキシ)トリメチルシラン、(3-フェニル-1-ブチン-3-オキシ)ジフェニルメチルシラン、(3-フェニル-1-ブチン-3-オキシ)ジメチルフェニルシラン、(3-フェニル-1-ブチン-3-オキシ)ジメチルビニルシラン、(3-フェニル-1-ブチン-3-オキシ)ジメチルヘキセニルシラン、(シクロヘキシル-1-エチン-1-オキシ)ジメチルヘキセニルシラン、(シクロヘキシル-1-エチン-1-オキシ)ジメチルビニルシラン、(シクロヘキシル-1-エチン-1-オキシ)ジフェニルメチルシラン、(シクロヘキシル-1-エチン-1-オキシ)トリメチルシラン、及びこれらの組み合わせによって例示される。あるいは、(E)阻害剤は、メチル(トリス(1,1-ジメチル-2-プロピニルオキシ))シラン、((1,1-ジメチル-2-プロピニル)オキシ)トリメチルシラン、又はそれらの組み合わせによって例示される。(E)阻害剤として有用なシリル化アセチレン化合物は、酸受容体の存在下でクロロシランと反応させることによって上述のアセチレンアルコールをシリル化するなど、当技術分野で知られる方法によって調製され得る。
組成物中に存在する(E)阻害剤の量は、組成物の所望のポットライフ、組成物が一部分組成物であるか多部分組成物であるか、使用される特定の阻害剤、並びに成分(A)~(D)の選択及び量を含む様々な要因に依存する。しかし、存在する場合、(E)阻害剤の量は、組成物の総重量に基づき、0重量%~1重量%、あるいは0重量%~5重量%、あるいは0.001重量%~1重量%、あるいは0.01重量%~0.5重量%、あるいは0.0025重量%~0.025重量%であり得る。
特定の実施形態では、組成物は、(F)アンカー添加剤を更に含む。好適なアンカー添加剤は、ビニルアルコキシシランとエポキシ官能性アルコキシシランとの反応生成物;ビニルアルコキシシランとエポキシ官能性アルコキシシランとの反応生成物;並びに1分子当たり少なくとも1個の脂肪族不飽和炭化水素基及び少なくとも1つの加水分解性基を有するポリオルガノシロキサンとエポキシ官能性アルコキシシランとの組み合わせ(例えば、物理的なブレンド及び/又は反応生成物)(例えば、ヒドロキシ末端ビニル官能性ポリジメチルシロキサンとグリシドキシプロピルトリメトキシシランとの組み合わせ)により例示される。あるいは、アンカー添加剤は、ポリオルガノシリケート樹脂を含んでもよい。好適なアンカー添加剤及びその調製方法は、例えば、米国特許第9,562,149号、米国特許出願公開第2003/0088042号、同第2004/0254274号、及び同第2005/0038188号、並びに欧州特許第0556023号に開示されている。
好適なアンカー添加剤の更なる例としては、遷移金属キレート、アルコキシシランなどのハイドロカルボノオキシシラン、アルコキシシランとヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサンとの組み合わせ、又はこれらの組み合わせが挙げられる。(F)アンカー添加剤は、エポキシ、アセトキシ又はアクリレート基などの接着促進基を有する少なくとも1つの置換基を有するシランであり得る。接着促進基は、追加的又は代替的に、(D)ヒドロシリル化反応触媒に影響を与えない任意の加水分解性基であり得る。あるいは、(F)アンカー添加剤は、そのようなシランの部分縮合物、例えば、接着促進基を有するオルガノポリシロキサンを含み得る。あるいはまた、(F)アンカー添加剤は、アルコキシシランとヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサンとの組み合わせを含んでもよい。
あるいは、(F)アンカー添加剤は、不飽和又はエポキシ官能性化合物を含んでもよい。(F)アンカー添加剤は、不飽和又はエポキシ官能性アルコキシシランを含んでもよい。例えば、官能性アルコキシシランは、少なくとも1つの不飽和有機基又はエポキシ官能性有機基を含んでもよい。エポキシ官能性有機基は、3-グリシドキシプロピル及び(エポキシシクロヘキシル)エチルによって例示される。不飽和有機基は、3-メタクリロイルオキシプロピル、3-アクリロイルオキシプロピル、及び、ビニル、アリル、ヘキセニル、ウンデシレニル(undecylenyl)などの不飽和一価炭化水素基により例示される。不飽和化合物の具体例1つは、ビニルトリアセトキシシランである。
好適なエポキシ官能性アルコキシシランの具体例としては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシラン、(エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシシラン及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適な不飽和アルコキシシランの例としては、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、ウンデシレニルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
(F)アンカー添加剤はまた、これらの化合物の1つ以上の反応生成物又は部分反応生成物を含んでもよい。例えば、特定の実施形態では、(F)アンカー添加剤は、ビニルトリアセトキシシランと3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランとの反応生成物又は部分反応生成物を含んでもよい。あるいは、又はそれに加えて、(F)アンカー添加剤は、アルコキシ又はアルケニル官能性シロキサンを含んでもよい。
あるいは、(F)アンカー添加剤は、ヒドロキシ末端ポリオルガノシロキサンと上述のエポキシ官能性アルコキシシランとの反応生成物、又はヒドロキシ末端ポリオルガノシロキサンとエポキシ官能性アルコキシシランとの物理的ブレンドなどのエポキシ官能性シロキサンを含んでもよい。(F)アンカー添加剤は、エポキシ官能性アルコキシシランとエポキシ官能性シロキサンとの組み合わせを含んでもよい。例えば、(F)アンカー添加剤は、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランと、ヒドロキシ末端メチルビニルシロキサン及び3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランの反応生成物との混合物、又は3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランとヒドロキシ末端メチルビニルシロキサンとの混合物、又は3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランとヒドロキシ末端メチルビニル/ジメチルシロキサンコポリマーとの混合物によって例示される。
あるいは、(F)アンカー添加剤は、遷移金属キレートを含んでもよい。好適な遷移金属キレートとしては、チタネート、ジルコニウムアセチルアセトネートなどのジルコネート、アルミニウムアセチルアセトネートなどのアルミニウムキレート、及びこれらの組み合わせが挙げられる。あるいは、(F)アンカー添加剤は、グリシドキシプロピルトリメトキシシランとアルミニウムキレート又はジルコニウムキレートとの組み合わせなどの、遷移金属キレートとアルコキシシランとの組み合わせを含んでもよい。
組成物中に存在する(F)アンカー添加剤の特定の量は、使用される場合、基材のタイプ及びプライマーが使用されるかどうかを含む様々な要因に依存する。特定の実施形態では、(F)アンカー添加剤は、成分(B)の100重量部あたり、0~2重量部の量で組成物中に存在する。あるいは、(F)アンカー添加剤は、成分(B)の100重量部あたり、0.01~2重量部の量で組成物中に存在する。
特定の実施形態では、組成物は、(G)ミスト防止剤を更に含む。(G)ミスト防止剤は、組成物が剥離コーティングを調製するために使用されるときにミスト防止剤としても機能する成分(A)とは区別される。(G)ミスト防止剤は、特に高速コーティング装置を用い、コーティングプロセスにおけるシリコーンミスト形成を低減又は抑制するために組成物に使用され得る。(G)ミスト防止剤は、有機水素ケイ素化合物、オキシアルキレン化合物、又は1分子あたり少なくとも3つのケイ素結合アルケニル基を有するオルガノアルケニルシロキサン、及び好適な触媒の反応生成物であり得る。好適なミスト防止添加剤は、例えば、米国特許出願公開第2011/0287267号、米国特許第8,722,153号、米国特許第6,586,535号及び米国特許第5,625,023号に開示されている。
組成物に使用される(G)ミスト防止剤の量は、組成物のために選択される他の出発物質の量及びタイプを含む様々な要因に依存する。しかし、(G)ミスト防止剤は、典型的には、組成物の総重量に基づき、0重量%~10重量%、あるいは0.1重量%~3重量%の量で使用される。この量は、成分(A)に関連する量を除外し、成分(A)とは別個の異なる(G)ミスト防止剤にのみ関連する。
特定の実施形態では、組成物は、剥離力(組成物から形成された剥離コーティングとその被着体、例えば感圧接着剤を含むラベルとの間の接着力)のレベルを制御(減少)するために組成物において使用され得る(H)剥離改質剤を更に含む。(H)剥離改質剤のレベル又は濃度を調整することにより、必要な又は所望の剥離力を有する剥離コーティングが、改質剤を含まない組成物から配合され得る。成分(H)に好適な剥離改質剤の例としては、トリメチルシロキシ末端ジメチル、フェニルメチルシロキサンが挙げられる。あるいは、(H)剥離改質剤は、ヒドロキシル又はアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン樹脂と、少なくとも1つのヒドロキシル又は加水分解性基を有するジオルガノポリシロキサンとの縮合反応生成物であり得る。好適な剥離改質剤の例は、例えば、米国特許第8,933,177号及び米国特許出願公開第2016/0053056号に開示されている。使用される場合、(H)剥離改質剤は、成分(B)の100部あたり、0から85部、あるいは25~85部の量で組成物中に存在し得る。
特定の実施形態では、組成物は、(I)ビヒクルを更に含む。(I)ビヒクルは、典型的には、組成物の成分を可溶化し、成分が可溶化する場合、(I)ビヒクルは、溶媒と呼ばれ得る。好適なビヒクルとしては、直鎖状及び環状の両方のシリコーン、有機油、有機溶媒、並びにこれらの混合物が挙げられる。
典型的には、(I)ビヒクルは、組成物中に存在する場合、有機液体である。有機液体としては、油又は溶媒とみなされるものが挙げられる。有機液体としては、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、3つを超える炭素原子を有するアルコール、アルデヒド、ケトン、アミン、エステル、エーテル、グリコール、グリコールエーテル、ハロゲン化アルキル及びハロゲン化芳香族によって例示されるが、それらに限定されない。炭化水素としては、イソドデカン、イソヘキサデカン、アイソパーL(C11~C13)、アイソパー(C11~C12)、水素化ポリデセン、芳香族炭化水素、及びハロゲン化炭化水素が挙げられる。エーテル及びエステルとしては、イソデシルネオペンタノエート、ネオペンチルグリコールヘプタノエート、グリコールジステアレート、ジカプリリルカーボネート、ジエチルヘキシルカーボネート、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、エチル-3エトキシプロピオネート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、トリデシルネオペンタノエート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、オクチルドデシルネオペンタノエート、ジイソブチルアジペート、ジイソプロピルアジペート、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、オクチルエーテル、及びオクチルパルミテートが挙げられる。独立化合物又は(I)ビヒクルの成分として好適な追加の有機流体は、脂肪、油、脂肪酸、及び脂肪アルコールを含む。(I)ビヒクルはまた、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデアメチルヘプタシロキサン、ヘプタメチル-3-{(トリメチルシリル)オキシ)}トリシロキサン、ヘキサメチル-3,3,ビス{(トリメチルシリル)オキシ}トリシロキサン ペンタメチル{(トリメチルシリル)オキシ}シクロトリシロキサン、並びにポリジメチルシロキサン、ポリエチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、カプリリルメチコン、及びそれらの任意の混合物などの、25℃で1~1,000mm2/秒の範囲の粘度を有する低粘度オルガノポリシロキサン又は揮発性メチルシロキサン又は揮発性エチルシロキサン又は揮発性メチルエチルシロキサンであり得る。
特定の実施形態では、(I)ビヒクルは、ポリアルキルシロキサン、テトラヒドロフラン、ミネラルスピリット;ナフサ;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、又はn-プロパノールなどのアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトンなどのケトン、ベンゼン、トルエン、又はキシレンなどの芳香族炭化水素、ヘプタン、ヘキサン、又はオクタンなどの脂肪族炭化水素、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、又はエチレングリコールn-ブチルエーテルなどのグリコールエーテル、又はそれらの組み合わせであり得る。一実施形態では、組成物がエマルジョンの形態である場合、(I)ビヒクルは、代わりに、水性媒体、又は水を含み得る。
(I)ビヒクルの量は、選択されたビヒクルのタイプ、及び組成物中に存在する他の成分の量及びタイプを含む様々な要因に依存する。しかし、組成物中の(I)ビヒクルの量は、組成物の総重量に基づき、0重量%~99重量%、あるいは2重量%~50重量%であり得る。(I)ビヒクルは、例えば、混合及び送達を助けるために、組成物の調製中に添加され得る。(I)ビヒクルの全部又は一部は、組成物から剥離コーティングを調製する前及び/又はそれと同時に、組成物が調製された後に任意選択で除去され得る。
例えば、反応性希釈剤、芳香剤、防腐剤、着色剤、染料、顔料、酸化防止剤、熱安定剤、難燃剤、流動制御添加剤、殺生物剤、充填剤(増量及び補強充填剤を含む)、界面活性剤、チキソトロープ剤、pH緩衝剤等を含む、他の任意構成要素が組成物中に存在してもよい。組成物は、任意の形態であってもよく、組成物に更に組み込まれていてもよい。例えば、組成物は、エマルジョンの形態であってもよく、又はエマルジョンに組み込まれていてもよい。エマルジョンは、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、油中シリコーン型エマルジョン等であってもよい。組成物自体は、このようなエマルジョンの連続相又は不連続相であってもよい。
あるいは、組成物及びそれから形成される剥離コーティングは、微粒子を含まないか、又は組成物の0~30重量%などの限られた量の微粒子(例えば、充填剤及び/又は顔料)のみを含み得る。微粒子は、剥離コーティングを形成するのに使用されるコーティング装置に凝集するか、又はそうでなければアンカーする場合がある。更に、光学的透明性が所望の場合、微粒子は、剥離コーティング及びそれを使用して形成された剥離ライナーの光学的特性、例えば、透明性を妨げる可能性がある。微粒子は、被着体の接着に不利になることがある。
特定の実施形態では、組成物は、フルオロオルガノシリコーン化合物を含まない。硬化中、フルオロ化合物は、その表面張力が低いため、組成物の界面又はそれと共に形成された剥離コーティング、及び組成物が適用され、剥離コーティングが形成される基材、例えば組成物/PETフィルム界面に急速に移行し得ると考えられる。このような移動は、フッ素含有バリアを作製することによって、基材への剥離コーティング(組成物を硬化させることによって調製される)の接着を防ぐことがある。バリアを作製することにより、フルオロオルガノシリコーン化合物は、組成物のいずれの成分も界面で反応することが防がれ、硬化及び関連する特性に影響を及ぼすことがある。更に、フルオロオルガノシリコーン化合物は、通常、高価である。
その硬化可能な形態の組成物は、成分(A)~(D)、並びに上述の任意の任意選択成分を、任意の添加順序で、任意選択でマスターバッチ内にて、任意選択で剪断下、組み合わせることによって調製され得る。以下でより詳細に説明するように、組成物は、1つの部分の組成物、2つの成分又は2Kの組成物、又は複数の部分の組成物であり得る。例えば、成分(A)及び(B)は、組成物の単一の部分であり得る。以下に記載されるように、組成物が剥離コーティング又はコーティング基材を調製するために使用される場合、成分(A)及び(B)は、組成物が硬化性組成物になるように、成分(C)及び(D)、並びに任意の任意選択成分と組み合わせされる。組成物が成分(C)及び(D)を更に含む場合、その組成物は硬化性組成物と呼ばれ得る。任意選択の成分、ある特定の実施形態、又は以下のある特定の方法ステップに関する本明細書の任意の説明は、組成物及び硬化性組成物に等しく適用される。
様々な実施形態では、組成物は、その連続相及び不連続相の選択に応じ、エマルジョン、例えば、水中油型又は油中水型エマルジョンとして調製され得る。これらの実施形態では、(I)ビヒクルは、水性媒体又は水として組成物中に存在する。エマルジョンの油相は、組成物のシリコーン成分、すなわち、少なくとも成分(A)及び(B)、並びに存在する場合成分(C)を含む。特定の実施形態では、油相は、少なくとも成分(A)及び(B)、並びに存在する場合成分(C)を運ぶための有機油又はシリコーン油を更に含み得る。しかし、有機油又はシリコーン油は、エマルジョンを調製するのに必須ではない。更に、エマルジョンは、異なる成分の異なるエマルジョンを有する複数部型エマルジョンとすることができ、エマルジョンの複数部は、硬化に関連して組み合わされ、混合される。エマルジョンは、任意の部分に、上述の任意選択成分のいずれかを含むことができる。
使用される場合、有機油は、典型的には非反応性又は不活性であり、すなわち、有機油は、組成物の反応性成分の硬化に関連するいかなる反応にも関与しない。典型的には、シリコーン成分(例えば、成分(A)、(B)、及び存在する場合(C))は、エマルジョンの水相ではなく油相に分散する。
特定の実施形態では、好適な有機油は、少なくとも成分(A)及び(B)を溶解するもの、典型的には透明な溶液を形成するものである、少なくとも成分(A)及び(B)と組み合わせ、エマルジョンの形成前、形成中、及び/又は形成後に相分離することなく均一な分散液を形成し得るものを含む。有機油は、例えば以下のもの、直鎖状(例えば、n-パラフィン系)鉱油、分岐状(イソパラフィン系)鉱油、及び/又は環状(ナフテン系と呼ばれることもある)鉱油を含む油留分などの、油留分中の炭化水素が1分子当たり5~25個の炭素原子を含み、12~40個の炭素原子を含有する液体直鎖状又は分岐状パラフィンである炭化水素油、ポリイソブチレン(PIB)、トリオクチルホスファートなどのホスフェートエステル、ポリアルキルベンゼン、重質アルキレート、ドデシルベンゼン及び他のアルキルアレーンなどの直鎖状及び/又は分岐状アルキルベンゼン、脂肪族モノカルボン酸エステル、8~25個の炭素原子を含有する直鎖状又は分岐状アルケンあるいはこれらの混合物などの、直鎖状又は分岐状モノ不飽和炭化水素、並びに天然油及びそれらの誘導体のいずれか1つ又は組み合わせであってもよい。
一実施形態では、有機油は、鉱油留分、天然油、アルキルシクロ脂肪族化合物、ポリアルキルベンゼンを含むアルキルベンゼン、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
有機油としての使用に好適なアルキルベンゼン化合物としては、例えば、重質アルキレートアルキルベンゼン及びアルキルシクロ脂肪族化合物が挙げられる。重質アルキレートアルキルベンゼンとしては、例えば、アルキル及び/又は他の置換基により置換されたベンゼンなどの、アリール基を有するアルキル置換アリール化合物が挙げられる。更なる例としては、米国特許第4,312,801号(その全体が参考として組み込まれる)に記載されている増量剤が挙げられる。
鉱油留分、又は任意の他の有機油と組み合わせた鉱油留分の任意の好適な混合物を、有機油として使用してもよい。有機油の更なる例としては、アルキルシクロヘキサン及びパラフィン系炭化水素が挙げられる(直鎖状、分岐状又は環状であってよい)。環状パラフィン系炭化水素は、単環式及び/又は多環式炭化水素(ナフテン系)であってよい。
別の実施形態では、有機油は天然油を含んでもよい。天然油は、石油由来でない油である。より具体的には、天然油は動物並びに/又は植物性物質(種子及びナッツを含む)に由来する。一般的な天然油としては、脂肪酸の混合物、特に、いくらかの不飽和脂肪酸を含有する混合物のトリグリセリドが挙げられる。あるいは、有機油は、エステル交換植物油、ボイル天然油、吹込天然油、又は濃化油(例えば加熱重合油)などの天然油の誘導体でもよい。天然油は種々の供給源に由来してよく、例えば、小麦胚芽、ヒマワリ、ブドウ種子、ヒマ、シア、アボカド、オリーブ、ダイズ、スイートアーモンド、ヤシ、菜種、綿実、ヘーゼルナッツ、マカダミア、ホホバ、クロフサスグリ、オオマツヨイグサ、及びこれらの組み合わせを含んでよい。
上で例示した液体の代わりに、有機油はワックスなどの固体であってもよい。有機油がワックスを含む場合、ワックスは、典型的には、30~100℃の融点を有する。ワックスは例えば、石油由来のワックスなどの炭化水素ワックス、蜜蝋、ラノリン、タロー、カルナバ、キャンデリラ、トリベヘニンなどの、カルボキシルエステルを含むワックス、又は、マンゴーバター、シアバター若しくはカカオバターなどの、「バター」と呼ばれる、より柔らかいワックスを含む、植物種子、果物、ナッツ、若しくは穀粒由来のワックスであってよい。あるいは、ワックスはポリエーテルワックス又はシリコーンワックスであってよい。
特に、有機油が鉱油を含む場合、有機油と少なくとも成分(A)及び(B)とは、典型的には混和性であり、すなわち、均一な混合物を形成する。対照的に、有機油が天然油を含む場合、有機油と少なくとも成分(A)及び(B)とは、一般に非混和性であり、すなわち、不均一な混合物を形成する。
成分(A)、(B)、及び任意選択で成分(C)及び/又は(D)と、使用される場合、有機油及び/又はシリコーン油を組み合わせることによって形成される混合物は、不均一又は均一であり得る。有機油は、少なくとも成分(A)及び(B)、任意選択でまた存在する場合成分(C)及び(D)を可溶化するか、あるいは部分的に可溶化し得る。有機油は、成分(A)及び(B)が有機油に可溶化又は溶解するかどうかに応じ、担体又は溶媒と呼ばれることがある。混合物は、任意選択の混合又は撹拌を用い、任意の添加順序を含む任意の方法で形成され得る。
本方法は、混合物、水性媒体、及び界面活性剤を組み合わせてエマルジョンを形成することを更に含む。混合物は、典型的には、エマルジョンの水性媒体中の不連続相である。エマルジョンは、剪断の適用によって、例えば、混合、振盪、撹拌などによって形成され得る。エマルジョンの不連続相は、概して、水性媒体中に粒子として存在する。粒子は液体であり、概して、球状又は他の形状を有してよく、選択した成分、及びその相対量に基づいて、種々のサイズを有してよい。
通常、エマルジョンの不連続相は、水性媒体中の粒子として存在する。粒子は液体であり、概して、球状又は他の形状を有してよく、選択した成分、及びその相対量に基づいて、種々のサイズを有してよい。例えば、Malvern Panalytical Ltd(Malvern,UK)から入手可能なMastersizer 3000粒径分析器を使用して、レーザ回析粒径分析(すなわち、レーザ光散乱)によって、粒径及びエマルジョン粒子の分布曲線を決定することができる。当業者には理解されるように、報告された体積メジアン直径(VMD又は「Dv(0.5)」)は、中間点直径(μm)を表し、すなわち、粒子の50%の直径は中央値より大きく、粒子の50%は中央値よりも小さい。同様に、報告されたDv(0.9)は、粒子の体積分布の90%が下回る直径を表し、報告されたDv(0.1)は、粒子の体積分布の10%が下回る直径を表す。いくつかの実施形態では、剥離コーティング組成物は、1.5μm未満、例えば0.3~1.0μm、あるいは0.4~0.9μmのDv(0.5)を含むエマルジョンとして調製される。これらの又は他の実施形態では、エマルジョンは、3.0μm未満、例えば0.5~2.5μm、あるいは1.2~2.0μmのDV(0.9)を含む。これらの又は他の実施形態では、エマルジョンは、0.9μm未満、例えば0.1~0.7μm、あるいは0.2~0.5μmのDV(0.1)を含む。上述の範囲を超えた粒子径及び分布が使用されてもよく、これらは、例えば、剥離コーティング組成物の所望の特性(例えば、粘度、透明度、透光性等)を考慮して、当業者によって典型的に選択されるであろう。
水性媒体は水を含む。水は任意の供給源からのものであってよく、例えば、蒸留、逆浸透等により任意選択で精製されてよい。水性媒体は、以下に記載するように、水以外の1つ以上の追加成分を更に含んでもよい。
界面活性剤は、様々な成分を乳化できるか、又はエマルジョンの安定性を改善できる任意の界面活性剤でもよい。例えば、界面活性剤は、1つ以上の、アニオン性、カチオン性、非イオン性、及び/又は両性界面活性剤、ジメチコンコポリオールなどの有機変性シリコーン:グリセロールのオキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化エーテル;セテアレス-30、C12~15パレス-7などの脂肪アルコールのオキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化エーテル;PEG-50ステアレート、PEG-40モノステアレートなどのポリエチレングリコールの脂肪酸エステル;スクロースステアレート、スクロースココエート及びソルビタンステアレートなどの糖類エステル及びエーテル並びにそれらの混合物;DEAオレス-10ホスフェートなどのリン酸エステル及びそれらの塩;ジナトリウムPEG-5シトレートラウリルスルホサクシネート及びジナトリウムリシノールアミドMEAスルホサクシネートなどのスルホサクシネート;ナトリウムラウリルエーテルサルフェートなどのアルキルエーテルサルフェート;イセチオネート;ベタイン誘導体、並びにこれらの混合物を含んでもよい。
特定の実施形態では、界面活性剤にはアニオン性界面活性剤が含まれる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、カルボキシレート(2-(2-ヒドロキシアルキルオキシ)酢酸ナトリウム))、アミノ酸誘導体(N-アシルグルタメート、N-アシルグリシネート、又はアシルサルコシネート)、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート及びそのオキシエチレン化誘導体、スルホネート、イセチオネート及びN-アシルイセチオネート、タウレート及びN-アシルN-メチルタウレート、スルホサクシネート、アルキルスルホアセテート、ホスフェート及びアルキルホスフェート、ポリペプチド、アルキルポリグルコシドのアニオン性誘導体(アシル-D-ガラクトシドウロネート)、及び脂肪酸石鹸、アルカリ金属スルホリシネート(sulforicinates);ヤシ油酸のスルホン化モノグリセリドなどの脂肪酸のスルホン化グリセリルエステル;ナトリウムオレイリセチアネート(sodium oleylisethianate)などのスルホン化一価アルコールエステルの塩;オレイルメチルタウリドのナトリウム塩などのアミノスルホン酸のアミド;スルホン酸パルミトニトリルなどの脂肪酸ニトリルのスルホン化物;α-ナフタレンモノスルホン酸ナトリウムなどのスルホン化芳香族炭化水素;ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合生成物;オクタヒドロアントラセンスルホン酸ナトリウム;ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸アルカリ金属塩、ラウリル硫酸アンモニウム及びラウリル硫酸トリエタノールアミン;ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、アルキルアリールエーテル硫酸ナトリウム、及びアルキルアリールエーテル硫酸アンモニウムなどの、8個以上の炭素原子を有するアルキル基を有する硫酸エーテル;8個以上の炭素原子を有するアルキル基を1つ以上有するアルキルアリールスルホン酸塩;例えば、ヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、セチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、及びミリスチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩によって例示されるアルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩;CH3(CH2)6CH2O(C2H4O)2SO3H、CH3(CH2)7CH2O(C2H4O)3.5SO3H、CH3(CH2)8CH2O(C2H4O)8SO3H、CH3(CH2)19CH2O(C2H4O)4SO3H、及びCH3(CH2)10CH2O(C2H4O)6SO3Hをはじめとするポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル;アルキルナフチルスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、及びアミン塩、並びにこれらの混合物が挙げられる。
これらの又は他の実施形態では、界面活性剤にはカチオン性界面活性剤が含まれる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、様々な脂肪酸アミン及びアミド並びにそれらの誘導体、また脂肪酸アミン及びアミドの塩が挙げられる。脂肪族脂肪酸アミンの例としては、ドデシルアミン酢酸塩、オクタデシルアミン酢酸塩、及びタロー脂肪酸のアミンの酢酸塩、ドデシルアナリン(dodecylanalin)などの脂肪酸を有する芳香族アミンの同族体、ウンデシルイミダゾリンなどの脂肪族ジアミンから誘導された脂肪族アミド、ウンデシルイミダゾリンなどの脂肪族ジアミンから誘導された脂肪族アミド、オレイルアミノジエチルアミンなどの二置換アミンから誘導された脂肪族アミド、エチレンジアミンの誘導体、第四級アンモニウム化合物並びにその誘導体として、タロートリメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、及びヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアルキルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、デシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジドデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムヒドロキシドなどのジアルキルジメチルアンモニウムヒドロキシド、タロートリメチルアンモニウムヒドロキシドによって例示されるもの、ヤシ油、トリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルポリオキシエチレンココアンモニウムクロリド、及びジパルミチルヒドロキシエチルアンモニウムメトサルフェート、β-ヒドロキシエチルステアリルアミドなどのアミノアルコールのアミド誘導体、長鎖状脂肪酸のアミン塩、並びにこれらの混合物が挙げられる。
これらの又は他の実施形態では、界面活性剤には非イオン性界面活性剤が含まれる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、ラウリル、イソ-トリデシル、分岐デシル、セチル、ステアリル又はオクチル等)、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、エトキシ化トリメチルノナノール、ポリオキシアルキレングリコール変性ポリシロキサン界面活性剤、ポリオキシアルキレン置換シリコーン(レーキ又はABn型)、シリコーンアルカノールアミド、シリコーンエステル、シリコーングリコシド、ジメチコンコポリオール、ポリオールの脂肪酸エステル、例えばソルビトール及びグリセリルモノ-、ジ-、トリ-及びセスキ-オレアートとステアレート、グリセリル並びにポリエチレングリコールラウレート;ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル(ポリエチレングリコールモノステアレート及びモノラウレートなど)、ソルビトールのポリオキシエチレン化脂肪酸エステル(ステアレート及びオレエートなど)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
これらの又は他の実施形態では、界面活性剤は両性界面活性剤を含む。両性界面活性剤としては、例えば、アミノ酸界面活性剤、ベタイン酸界面活性剤、トリメチルノニルポリエチレングリコールエーテル、及び2,6,8-トリメチル-4-ノニルオキシポリエチレンオキシエタノール(6EO)(OSi Specialties,Witco Company(Endicott,NY)によりTergitol(登録商標)TMN-6として販売されている)などの11~15個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基を含有するポリエチレングリコールエーテルアルコール、2,6,8-トリメチル-4-ノニルオキシポリエチレンオキシエタノール(10EO)(OSi Specialties,Witco Company(Endicott,NY)によりTergitol(登録商標)TMN-10として販売されている)、アルキレン-オキシポリエチレンオキシエタノール(C11~15第二級アルキル,9EO)(OSi Specialties,Witco Company(Endicott,NY)によりTergitol(登録商標)15-S-9として販売されている)、アルキレンオキシポリエチレンオキシエタノール(C11~15第二級アルキル、15 EO)(OSi Specialties,Witco Company(Endicott,NY)によりTergitol(登録商標)15-S-15として販売されている)、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(40EO)(Rohm and Haas Company(Philadelphia,Pa)によりTriton(登録商標)X405として販売されている)などの様々な量のエチレンオキシド単位を有するオクチルフェノキシポリエトキシエタノール、非イオン性エトキシ化トリデシルエーテル(Emery Industries(Mauldin,S.C.)により、総合的な商品名Trycolとして入手可能)、ジアルキルスルホサクシネートのアルカリ金属塩(American Cyanamid Company(Wayne,N.J.)から総合的な商品名Aersolとして入手可能)、ポリエトキシ化第四級アンモニウム塩及び第一級脂肪族アミンのエチレンオキシド縮合生成物(Armak Company(Chicago,Illinois)から商品名Ethoquad,Ethomeen,又はArquadとして入手可能)、ポリオキシアルキレングリコール変性ポリシロキサン、N-アルキルアミドベタイン及びその誘導体、タンパク質及びその誘導体、グリシン誘導体、スルタイン、アルキルポリアミノカルボキシレート及びアルキルアンホアセテート、並びにこれらの混合物が挙げられる。これらの界面活性剤はまた、他の供給元から様々な商標名で入手することができる。
当業者であれば、エマルジョン中の成分の相対量及びその調製方法を容易に最適化することができる。例えば、剥離コーティング組成物(例えば、硬化性組成物)がエマルジョンの形態である場合、エマルジョンを二部型エマルジョンとして、反応性構成要素及び/又は触媒をそこから分離することができる。いくつかの実施形態では、エマルジョンは、特定の不揮発分(non-volatile content、NVC)を含むように調製される。例えば、CEM Corporation(Matthews,North Carolina,USA)から入手可能なSmart System5 Moisture and Solids Analyzerを使用して、連続マスバランスによるマイクロ波媒介乾燥(すなわち、統合マイクロ波乾燥チャンバ、電子天秤、及び赤外線温度コントローラを含むマイクロプロセッサ制御システム)でエマルジョンの試料を評価して、NVCを決定することができる。当業者には理解されるように、NVCは、試料乾燥後に残存する固体の重量に基づいて、(重量%で)計算及び報告される。いくつかの実施形態では、剥離コーティング組成物は、25~60重量%、例えば30~50、あるいは35~45、あるいは39~43重量%のNVCを含むエマルジョンとして調製される。
組成物でコーティング基材を調製する方法は、基材上に組成物を、適用すること、すなわち、配置することを含む。本方法は、基材上に硬化性組成物を硬化させ、その結果、基材上に剥離コーティングを形成させて、コーティング基材を得ることを更に含む。硬化は、高温、例えば、50℃~180℃、あるいは50℃~120℃、あるいは50℃~90℃で加熱し、コーティング基材を得ることによって実施され得る。当業者であれば、硬化性組成物の成分及び基材組成物又は構造体の材料の選択を含む様々な要因に応じて、適切な温度を選択することができる。
硬化性組成物は、任意の好適な方法で基材上に配置又は分配することができる。典型的には、硬化性組成物はウェットコーティング技術により、ウェット形態で適用される。硬化性組成物は、i)スピンコーティング;ii)ブラシコーティング;iii)ドロップコーティング;iv)スプレーコーティング;v)ディップコーティング;vi)ロールコーティング;vii)フローコーティング;viii)スロットコーティング;ix)グラビアコーティング;x)メイヤーバーコーティング;又はxi)i)~x)のうちのいずれか2つ以上の組み合わせ;によって適用することができる。典型的には、硬化性組成物を基材上に配置することにより、基材上にウェット付着物が生じ、次いで、これが硬化されて、硬化したフィルム、すなわち基材上の硬化性組成物から形成された剥離コーティングを含む、コーティング基材を得る。
基材は限定されず、任意の基材であってもよい。硬化したフィルムは、基材から分離可能であってもよく、又はその選択に応じて、物理的及び/又は化学的に基材に結合されていてもよい。基材は、ウェット付着物を硬化するための、一体型ホットプレート又は一体型若しくは独立型の炉にかけられてもよい。基材は、任意選択で、連続的又は非連続的な形状、サイズ、寸法、表面粗さ、及びその他の特性を有してもよい。あるいは、基材は、高温の軟化点温度を有してもよい。しかし、硬化性組成物及び方法は、そのようには限定されない。
あるいは、基材は、熱硬化性及び/又は熱可塑性であってもよいプラスチックを含んでもよい。しかし、基材は、ガラス、金属、セルロース(例えば、紙)、木材、厚紙、板紙、シリコーン、若しくはポリマー材料、又はこれらの組み合わせであるか、あるいは含んでいてもよい。
好適な基材の具体例としては、クラフト紙、ポリエチレンコーティングクラフト紙(PEKコーティング紙)、感熱紙、普通紙などの紙基材;ポリアミド(PA)などのポリマー基材;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステルなどのポリエステル;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンなどのポリオレフィン;スチレン樹脂;ポリオキシメチレン(POM);ポリカーボネート(PC);ポリメチレンメタクリレート(PMMA);ポリ塩化ビニル(PVC);ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリフェニレンエーテル(PPE);ポリイミド(PI);ポリアミドイミド(PAI);ポリエーテルイミド(PEI);ポリスルホン(PSU);ポリエーテルスルホン;ポリケトン(PK);ポリエーテルケトン;ポリビニルアルコール(PVA);ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリエーテルケトンケトン(PEKK);ポリアリレート(PAR);ポリエーテルニトリル(PEN);フェノール樹脂;フェノキシ樹脂;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロハンなどのセルロース;ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素化樹脂;ポリスチレン型、ポリオレフィン型、ポリウレタン型、ポリエステル型、ポリアミド型、ポリブタジエン型、ポリイソプレン型、フルオロ型などの熱可塑性エラストマー;並びにこれらのコポリマー及び組み合わせが挙げられる。
硬化性組成物、又はウェット付着物は、典型的には、ある時間にわたり、高温で硬化される。当該時間は、典型的には、硬化性組成物の硬化、すなわち架橋をもたらすのに十分である。時間は、0超~8時間、あるいは0超~2時間、あるいは0超~1時間、あるいは0超~30分、あるいは0超~15分、あるいは0超~10分、あるいは0超~5分、あるいは0超~2分であってもよい。時間は、使用される高温、選択される温度、所望のフィルム厚さ、及び硬化性組成物中の任意の水又はビヒクルの存在の有無を含む、様々な要因に応じて決定される。
硬化性組成物を硬化させるステップは、典型的には、0.1秒~50秒、あるいは1秒~10秒、あるいは0.5秒~30秒の滞留時間を有する。選択される滞留時間は、基材の選択、選択される温度、及びライン速度に応じて異なり得る。本明細書で使用するとき、滞留時間は、硬化性組成物又はウェット付着物が高温にさらされる時間を指す。滞留時間は、硬化性組成物、ウェット付着物、又はその部分的に硬化した反応中間体が、典型的には硬化を開始する高温にさらされなくなった後であっても進行中の硬化がある場合があるので、硬化時間とは区別される。あるいは、コーティングされた物品は、オーブン内のコンベヤーベルト上で調製することができ、滞留時間は、オーブンの長さ(例えばメートル単位)をコンベヤーベルトのライン速度(例えば、メートル/秒)で割ることによって計算することができる。
当該時間は、硬化の反復、例えば、第1の硬化及び後硬化に細分でき、第1の硬化は、例えば1時間であり、後硬化は、例えば3時間である。高温は、このような反復において、室温を上回る任意の温度から、独立して選択されてもよく、各反復において同じであってもよい。
(I)ビヒクルの任意選択の存在及び選択に応じ、組成物の硬化はまた、乾燥のステップを含み得る。例えば、組成物が、(I)ビヒクルが存在し、水を含むようなエマルジョンの形態である場合、硬化のステップはまた、典型的には、エマルジョンから水を乾燥又は除去して除去する。乾燥は、硬化と同時に行われてもよく、又は硬化と別個であってもよい。
フィルム及びコーティング基材の厚さ及び他の寸法に応じて、コーティング基材は、反復プロセスを介して形成することができる。例えば、第1の付着物を形成し、第1の高温に第1の時間にわたってさらして、部分的に硬化した付着物を得ることができる。次いで、第2の付着物を、部分的に硬化した付着物上に配置し、第2の高温に第2の時間にわたってさらして、第2の部分的に硬化した付着物を得ることができる。この部分的に硬化した付着物はまた、第2の高温に第2の時間にわたってさらされる間に更に硬化する。第3の付着物を、第2の部分的に硬化した付着物上に配置し、第3の高温に第3の時間にわたってさらして、第3の部分的に硬化した付着物を得ることができる。第2の部分的に硬化した付着物はまた、第2の高温に第2の時間にわたってさらされる間に更に硬化する。このプロセスを、コーティングされた物品を所望どおりに構築するために、例えば1~50回繰り返すことができる。部分的に硬化した層の複合体は、最終後硬化に供され、例えば、上述の高温及び時間にさらされる。各高温及び時間は独立して選択されてもよく、互いに同じであっても異なっていてもよい。物品が反復プロセスを介して形成される場合、各付着物は、独立して選択されてもよく、硬化性組成物において選択される成分、それらの量、又は両方が異なってもよい。あるいは、更に、各反復層は、このような反復プロセスにおいて部分的に硬化されるだけではなく、完全に硬化することができる。
あるいは、付着物は、ウェットフィルムを含んでもよい。あるいは、反復プロセスは、部分的に硬化した層の硬化状態に応じて、ウェットオンウェットであってもよい。あるいは、反復プロセスは、ウェットオンドライであってもよい。
基材上に硬化性組成物から形成されたフィルムを備えるコーティング基材は、フィルム及び基材の相対厚さなどの様々な寸法を有してもよい。フィルムは、最終使用用途に応じて変化し得る厚さを有する。フィルムは、0超~4,000μm、あるいは0超~3,000μm、あるいは0超~2,000μm、あるいは0超~1,000μm、あるいは0超~500μm、あるいは0超~250μmの厚さを有してもよい。しかし、他の厚さ、例えば、0.1~200μmも想到される。例えば、フィルムの厚さは、0.2~175μm;あるいは、0.5~150μm;あるいは、0.75~100μm;あるいは、1~75μm;あるいは、2~60μm;あるいは3~50μm、あるいは、4~40μmであってもよい。あるいは、基材がプラスチックである場合、フィルムは、0超~200μm、あるいは0超~150μm、あるいは0超~100μmの厚さを有してもよい。
所望であれば、フィルムは、その最終使用用途に応じて、更なる処理を受けることができる。例えば、フィルムは、酸化物付着(例えば、SiO2付着)、レジスト付着、及びパターニング、エッチング、化学ストリッピング、コロナ若しくはプラズマストリッピング、金属被覆、又は金属付着を受けることができる。このような更なる処理技術は、全般的に公知である。このような付着は、化学蒸着(低圧化学蒸着、プラズマ増強化学蒸着、及びプラズマ支援化学蒸着等)、物理蒸着、又は他の真空蒸着技術であってもよい。多くのこのような更なる処理技術は、高温、特に真空蒸着を伴い、優れた熱的安定性を考慮すると、これに対してフィルムは十分に適している。しかし、フィルムの最終用途に応じて、このような更なる処理によりフィルムを使用することができる。
コーティング基材は、多様な最終使用用途に使用することができる。例えば、コーティング基材は、コーティング用途、包装用途、接着剤用途、繊維用途、布地又は織物用途、建築用途、輸送用途、エレクトロニクス用途、又は電気用途に使用することができる。しかし、硬化性組成物は、コーティング基材を調製する以外の最終使用用途、例えばシリコーンゴムなどの物品の調製に使用することができる。
あるいは、コーティング基材は、例えば、アクリル樹脂型感圧接着剤、ゴム型感圧接着剤、及びシリコーン型感圧接着剤、並びにアクリル樹脂型接着剤、合成ゴム型接着剤、シリコーン型接着剤、エポキシ樹脂型接着剤、及びポリウレタン型接着剤などの任意の感圧接着剤を含む、テープ又は接着剤用の剥離ライナーとして使用することができる。基材の各主表面は、両面テープ又は接着剤のためにその上に配置されたフィルムを有し得る。
あるいは、硬化性組成物が、例えば剥離コーティング又はライナーを形成するために剥離コーティング組成物として配合される場合、剥離コーティング組成物は、例えば、成分を共に混合して一部分組成物を調製することによって調製され得る。しかし、使用時(例えば、基材に適用する直前)に部分が組み合わされるまで、SiH官能基(例えば、(C)有機ケイ素化合物)を有する成分及び(D)ヒドロシリル化反応触媒が別個の部分に貯蔵される多部分組成物として剥離コーティング組成物を調製することが望ましい場合がある。硬化性組成物が剥離コーティング組成物である場合、剥離コーティング組成物は、上述のようにコーティング基材を形成するために使用でき、剥離コーティングは、基材、例えば、基材の表面に剥離コーティング組成物を適用及び硬化することによって形成される。
例えば、多部分硬化性組成物は、
(A)オルガノポリシロキサン、(B)1分子あたり平均少なくとも2つのケイ素結合エチレン性不飽和基を含むオルガノポリシロキサン、及び(D)ヒドロシリル化反応触媒、並びに任意選択で存在する場合、(F)アンカー添加剤、及び(I)ビヒクルのうちの1つ以上を含むベース部分という(A)部と、
(C)1分子あたり平均少なくとも2つのケイ素結合水素原子を有する有機ケイ素化合物、並びに任意選択で存在する場合、(F)アンカー添加剤及び/又は(I)ビヒクルを含む硬化剤部分という(B)部とを含む。使用される場合、(E)阻害剤は、(A)部、(B)部、又はその両方に添加され得る。(A)部と(B)部とは、(A):(B)の重量比で、1:1~30:1、1:1~10:1、あるいは1:1~5:1、あるいは1:1~2:1で組み合わせ得る。(A)部及び(B)部は、例えば、剥離コーティング組成物を調製するために部を組み合わせる方法、剥離コーティング組成物を基材に適用する方法、及び剥離コーティング組成物を硬化する方法についての説明書と共に、キットに提供することができる。
あるいは、(F)アンカー添加剤が存在する場合、(A)部又は(B)部のいずれかに組み込むか、別個の(第3の)部分に追加することができる。
剥離コーティング組成物は、スプレー、ドクターブレード、ディッピング、スクリーン印刷などの任意の簡便な手段によって、又はロールコーター、例えば、オフセットウェブコーター、キスコーター、若しくはエッチングされたシリンダーコーターによって基材に適用することができる。
本発明の剥離コーティング組成物は、上述のものなどの任意の基材に適用することができる。あるいは、剥離コーティング組成物は、ポリマーフィルム基材、例えばポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、又はポリスチレンフィルムに適用することができる。剥離コーティング組成物は、あるいは、プラスチックコーティング紙、例えば、ポリエチレンでコーティングされた紙、グラシン、スーパーカレンダー紙、又はクレーコーティングクラフトをはじめとする、紙基材に適用することができる。剥離コーティング組成物は、あるいは、金属箔基材、例えばアルミニウム箔に適用することができる。
特定の実施形態では、コーティング基材を調製する方法は、基材上に剥離コーティング組成物を適用又は配置する前に、基材を処理することを更に含んでもよい。基材の処理は、プラズマ処理又はコロナ放電処理などの任意の簡便な手段によって実施することができる。あるいは、基材は、プライマーを適用することによって処理することができる。特定の例では、剥離コーティング組成物から剥離コーティングを基材上に形成する前に基材が処理される場合、剥離コーティングのアンカーは改善され得る。
剥離コーティング組成物が(I)ビヒクルを含む場合、この方法は、(I)ビヒクルを除去することを更に含み得、それは、(I)ビヒクルの全部又は一部を除去するのに十分な時間50℃~100℃で加熱するなどの任意の従来の手段によって実施され得る。方法は、剥離コーティング組成物を硬化して、基材の表面上に剥離コーティングを形成することを更に含んでもよい。硬化は、100℃~200℃で加熱することなどの任意の従来の手段によって実施することができる。
製造コーター条件下で、硬化は、120℃~150℃の空気温度で、1秒~6秒、あるいは1.5秒~3秒の滞留時間で行うことができる。加熱は、オーブン、例えば、空気循環オーブン若しくはトンネル炉内で、又は加熱されたシリンダの周りにコーティングされたフィルムを通すことによって行うことができる。
以下の実施例は、本発明を例示することを意図しており、決して本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
実施例で使用される特定の成分を下の表1に記載し、続いて、実施例でも使用される特性決定及び評価の手順を記載する。
核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance、NMR)スペクトル法
核磁気共鳴(NMR)スペクトルを、ケイ素を含まない10mmのチューブ及びCDCl3/Cr(AcAc)3溶媒を使用して、NMR BRUKER AVIII(400MHz)上で得る。29Si-NMRスペクトルの化学シフトを、内部溶媒共鳴を基準とし、テトラメチルシランに対して報告する。
動的粘度(Dynamic Viscosity、DV)
動的粘度(DV)を、LV-4スピンドルを備えたBrookfield DV-2T粘度計を使用して、(~21.3℃)の室温で、測定する。
X線蛍光(XRF)
X線蛍光(XRF)は、Oxford Instruments Lab-X3500ベンチトップXRFアナライザーで実施される。
ミストレベル評価(MLE)
ミスト評価は、換気システムを備えた密閉チャンバー内に配置された特注の2ロールコーターを含むミスト評価システムを使用して行う。コーターは、ゴム製の底部ロール(ネオプレン)の上に積み重ねられた構成で配置されたトップロール(クロム)を含み、試料パンの上に配置され、モーターによって駆動される(動作中、毎分1000メートルの回転)。各ロールは、直径6インチ及び幅12インチである。換気システムは、空気を筺体の背壁に引き込むように構成され、空気流(マグネットゲージでの0.20~0.25インチの水(すなわち、0.05~0.062kPa)の速度)を測定/監視するための、筺体の天井に位置決めされたマグネチックゲージ、ミストを収集するための、コーターのトップロール(6インチ)の中心の上方に位置決めされた2つのミスト収集管、及び各ミスト収集管に接続されたエアロゾルモニタ(DustTrak8530、5秒毎にミストレベルを記録する)を含む。
試料(600g)を試料パンに配置し、これを底部ロールの下方に挿入して収集し、フィルムとしてトップロールに移送する。コーターは6分間操作され、コーターから生成されたミストは、ミスト収集管によって収集され、エアロゾルモニタによって測定する。120秒間~360秒の間に得られたミストレベルが平均化され、試料のミスト値で報告される。
ミスト値工業的評価(Mist Level Industrial Evaluation、MLIE)
ミスト値の工業的評価(MLIE)を、クロム鋼及びゴムスリーブ付きロールが交互に積層する構成の5つのローラーを有する、6ロールコーティングヘッドに基づいて、工業用パイロットライン上で実施する。具体的には、2つの底部ロールは共に水平に整列して、コーティングバスが保持されるニップ(すなわち、「第1のニップ」)を形成し、残りのロールは垂直に整列して、コーティングバスと紙表面との間で1つのロールから次のロールへの試料の移動を促進して、上部2つのロールとの間に形成されたニップ(すなわち、「第2のニップ」)でコーティングする。各ロールは、独立に、別個のモータによって駆動する。ミスト収集固定パイプは、第2のニップから20cm未満に位置し、エアロゾルモニタ(DustTrak 8530)に接続している。
試料は、コーティングバス内に配置され、各ロールは、別々の速度で独立に駆動し、独立した圧力設定を使用して、一緒に押圧されて、コーティングバスから紙表面へのローララインに沿った、コーティングの厚さの段階的な減少を促進する。最上部の2つのロールは、ミスト評価期間の最終的な望ましい速度(例えば、1000m/分の回転)に近い速度で駆動され、この間、ミスト値を記録し、平均化し、試料のミスト値(mg/m3で)として報告する。
硬化性能:抽出可能分百分率
試料組成物の硬化性能は、抽出可能分パーセント値(抽出可能分%)を決定することによって評価する。具体的には、試料組成物をコーティングし、基材(グラシン紙)上で硬化させて、コーティング基材を形成し、直ちに、3つの試料ディスクに切断する(ダイカッター、1.375インチ(3.49cm))。この試料ディスクは、混入及び/又は損傷を最小限に抑えるためにピンセットのみによって取り扱う。各試料ディスクを、XRFで分析して、初期コーティング重量(Wi
s)を決定し、溶媒(メチルイソブチルケトン、40mL)を入れた個々のボトル(100mL、蓋で覆う)内に入れ、実験台で30分間静置浸漬する。次いで、各試料ディスクをボトルから取り出し、コーティングした面を上にしてきれいな表面(ティッシュペーパ)に置き、(吸い取り/拭き取りせずに)残留溶媒を蒸発させ、XRFで分析して最終コーティング重量(Wf
s)を決定する。各試料の抽出可能分%は、溶媒浸漬からのコーティング重量の変化パーセントであり、すなわち、式[(Wi
s-Wf
s)/Wi×100%)を使用して計算する。抽出可能分%は、コーティング基材から抽出可能な試料組成物の非硬化成分(例えば、非架橋シリコーン)の量を示し、例えば、抽出可能分%が低いほど、硬化性能が高い/より良いことを示す。
比較例CC1
オルガノポリシロキサン(A-C1)を、以下のある特定の例と一緒にブランク/対照として試験及び/又は分析し、組成物(CC1)として言及する。
比較例CC2
50重量部のオルガノポリシロキサン(A-C2)(溶媒1中の63%固形分)と49部のオルガノポリシロキサン(B1)とのブレンドを調製し、溶媒1をストリップして、ポリマーブレンドを得る。抑制剤2(0.2重量%)をポリマーブレンドに添加して、組成物を得て、その組成物を、以下のある特定の例と一緒に試験及び/又は分析し、組成物(CC2)として言及する。
調製例1
分岐状オルガノポリシロキサン(iii-a)(17.15g)、シリコーン樹脂(i)(10.00g)及び環状シロキサン(ii)(2000.00g)を、コンデンサー、熱電対、及び機械的撹拌機を備えた3Lの3つ口丸瓶フラスコ中で、N2保護下、室温で一緒に混合して、混合物を形成する。その混合物を加熱し150℃に保持し、重合触媒1(0.012g)を添加して重合を開始させる。3.25時間後、反応混合物を80℃に冷却し、阻害剤1(0.044g)を充填し、室温まで冷却し、拭き取り式膜蒸発機(240℃、0~1トル)において真空で濃縮して、一般式M0.38MVi
1.22D181.93Q(「オルガノポリシロキサンA1」)の無色で粘稠な液体を得る。次いで、オルガノポリシロキサンA1を、29Si-NMR、GPC、及びDVによって分析し、その結果を、オルガノポリシロキサン(A-C1)から得られた同様の結果と一緒に、更に以下の表2に示す。
調製例2
シリコーン樹脂(i)(7.88g)、シロキサン(iii-b)(0.65g)、及び環状シロキサン(ii)を、コンデンサー、熱電対、及び機械的撹拌機を備えた3Lの3つ口丸瓶フラスコ中で、N2保護下、室温で一緒に混合して、混合物を形成する。その混合物を加熱し150℃に保持し、重合触媒1(0.0036g)を添加して重合を開始させる。3.25時間後、その反応混合物を80℃に冷却し、阻害剤1(0.044g)を添加する。一般式M
0.69M
Vi
0.44D
228.83Qのガム様生成物が、室温に冷却した後、最終生成物(「オルガノポリシロキサンA2」)として得られる。次いで、オルガノポリシロキサンA2を、
29Si-NMR、GPC、及びDVによって分析し、その結果を、オルガノポリシロキサン(A-C1)から得られた同様の結果と一緒に、以下の表2に示す。
実施例1~2及び比較例1~4
剥離コーティングを形成するための様々な組成物を、オルガノポリシロキサン(B1)及び上述したある特定の成分及び組成物を用いて調製して、実施例1~2及び比較例1~4を得る。次いで、その組成物を、DVによって分析し、MLEによって評価する。実施例1~2及び比較例1~4の特定の成分、パラメータ、及び評価結果を、以下の表3に示す。
示されているように、本発明の組成物は、それを使用して調製された剥離コーティングにミスト抑制を提供する。更に、本発明の組成物を利用すると(すなわち、従来/比較のエアロゾル/ミスト抑制剤と比較して)、ミスチングはより低い。
実施例3~4及び比較例5
剥離コーティングを形成するための様々な組成物を調製して、実施例3~4及び比較例5を得る。次いで、組成物を、1000m/分のライン速度で上述したようにMLIEによって評価する。実施例3~4及び比較例5の特定の成分、パラメータ、及び評価結果を、以下の表4に示す。実施例3は、調製例1で調製したオルガノポリシロキサンA1を含み、実施例4は、上記の調製例2で調製したオルガノポリシロキサンA2を含む。MLIEに従って測定された平均ミストレベル、及び硬化性能(抽出可能分%)が測定され、以下の表4に含まれている。
示されているように、本発明の組成物は、それを使用して調製された剥離コーティングにミスト抑制を提供する。更に、本発明の組成物を利用すると(すなわち、従来/比較のエアロゾル/ミスト抑制剤と比較して)、ミスチングはより低い。
用語の定義及び使用
仕様で使用される略語の定義を、以下の表5に示す。
全ての量、比及び百分率は、特に指示しない限り、重量に基づく。組成物中の全ての出発物質の量は、総計100重量%である。発明の概要及び要約書は、参照により本明細書に組み込まれる。冠詞「a」、「an」、及び「the」は、それぞれ明細書の文脈によって特に指示されない限り、1つ以上を指す。単数形は、別途記載のない限り、複数形を含む。範囲の開示は、その範囲自体及び範囲内に包含される任意のもの、並びに端点を含む。例えば、2.0~4.0の範囲の開示は、2.0~4.0の範囲だけでなく、2.1、2.3、3.4、3.5、及び4.0も個別に含み、並びに範囲内に包含される任意の他の数も含む。更に、例えば、2.0~4.0の範囲の開示は、例えば、2.1~3.5、2.3~3.4、2.6~3.7、及び3.8~4.0の部分集合、並びにその範囲内に包含される任意の他の部分集合も含む。同様に、マーカッシュ群の開示は、その群全体を含み、そこに包含される任意の個別の要素及び下位群も含む。例えば、マーカッシュ群「水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアリール基」の開示には、その要素である個々のアルキル、下位群であるアルキル及びアリール、並びに任意の他の個々の要素及びその中に包含される下位群を包含する。