以下、実施形態及び例示物を示して本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態及び例示物に限定されるものでは無く、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において、任意に変更して実施できる。
以下の説明において、層の面内レターデーションReは、別に断らない限り、Re=(nx-ny)×dで表される値である。ここで、nxは、層の厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表す。nyは、前記面内方向であってnxの方向に直交する方向の屈折率を表す。nzは厚み方向の屈折率を表す。dは、層の厚みを表す。測定波長は、別に断らない限り、550nmである。
以下の説明において、「円偏光」には、本発明の効果を著しく損なわない範囲であれば、楕円偏光も包含される。
[1.光学表示媒体の概要]
図1は、本発明の一実施形態に係る光学表示媒体100を模式的に示す斜視図である。また、図2は、本発明の一実施形態に係る光学表示媒体100を分解して模式的に示す分解斜視図である。図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態に係る光学表示媒体100は、保持部110と、表示部120とを備える。
保持部110は、光を透過可能な第一透光部111と、光を透過可能な第二透光部112と、前記の第一透光部111及び第二透光部112を接続する接続部113と、を備える。第一透光部111、接続部113及び第二透光部112は、継ぎ目なく連続的に形成されている。よって、第一透光部111、接続部113及び第二透光部112は、一体的に形成された単一の部材であることができるので、保持部110を破壊せずに第一透光部111、接続部113及び第二透光部112を分けることができないように設けられている。
第一透光部111と第二透光部112とは、対向して設けられている。そして、これら第一透光部111と第二透光部112との間に、表示部120が設けられている。よって、保持部110の第一透光部111、接続部113及び第二透光部112、並びに表示部120は環を形成し、この環の内に中空部130が形成されうる。光学表示媒体100を物品本体(図示せず)に取り付ける場合には、前記の中空部130に物品本体の一部を通して、光学表示媒体100を物品本体に固定することができる。
第一透光部111及び第二透光部112が光を透過可能であるので、それら第一透光部111及び第二透光部112の間に設けられた表示部120は、第一透光部111及び第二透光部112を通して見られることができる。本実施形態では、この表示部120が、偏光分離層121を備える。
偏光分離層121は、偏光分離機能を有する。「偏光分離機能」とは、一の偏光を反射し、それ以外の偏光を反射させる機能を表す。このような偏光分離機能としては、例えば、直線偏光分離機能、円偏光分離機能が挙げられる。「直線偏光分離機能」とは、ある振動方向を有する直線偏光を反射し、その直線偏光の振動方向に垂直な振動方向を有する直線偏光を透過させる機能を表す。また、直線偏光の「振動方向」とは、直線偏光の電場の振動方向を表す。「円偏光分離機能」とは、右回り及び左回りのうちの一方の回転方向の円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させる機能を表す。よって、偏光分離層121は、当該偏光分離機能を発揮できる波長範囲において、一の偏光を反射し、それ以外の偏光を透過させることができる。このような波長範囲における偏光分離層121の非偏光に対する反射率は、通常35%~50%、好ましくは40%~50%である。
表示部120が、前記のように偏光分離機能を有する偏光分離層121を備えるので、光学表示媒体100によれば、偏光を利用した特殊な像の表示ができる。すなわち、第一透光部111又は第二透光部112を通して表示部120を見た観察者に、偏光を利用した特殊な像を視認させることができる。このように特殊な像の表示は、他の表示媒体によっては再現の困難性が高いので、本実施形態に係る光学表示媒体100は真正性の識別用途の用いることが可能である。
さらに、表示部120が含む偏光分離層121は、保持部110の第一透光部111及び第二透光部112の両方に、直接又は間接的に接着されている。ある層がある部材に「直接」に接着されているとは、別に断らない限り、その層と部材との間に他の層が無いことを言う。また、ある層がある部材に「間接的」に接着されているとは、別に断らない限り、その層と部材との間に他の層があることを言う。このように接着されていることにより、第一透光部111及び第二透光部112に加わる応力が、偏光分離層121に伝わることができる。よって、物品本体から光学表示媒体100を取り外すべく第一透光部111又は第二透光部112に力が加えられた場合には、偏光分離層121が破壊されることができる。例えば、表示部120から第一透光部111又は第二透光部112を引き剥がす場合、その引き剥がしのための力を第一透光部111又は第二透光部112に加えると、その力が偏光分離層121に伝わり、偏光分離層121が破壊される。よって、光学表示媒体100は、物品本体に取り付けた後の再利用ができず、再利用の困難性を高めることができる。
[2.保持部]
保持部に含まれる第一透光部及び第二透光部は、光を透過させうることが求められる。よって、第一透光部及び第二透光部は、透明な材料で形成される。また、第一透光部、第二透光部及び接続部が連続して形成されることが求められるので、第一透光部、第二透光部及び接続部は、通常、共通の材料によって形成される。したがって、第一透光部、第二透光部及び接続部は、通常、共通の透明な材料で形成される。
前記の透明な材料としては、第一透光部及び第二透光部を透過する光を肉眼で視認できる程度の透明性を有する材料を用いうる。この透明な材料の厚み1mmの試験片で測定される厚み方向の全光線透過率は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。前記全光線透過率は、紫外・可視分光計を用いて、波長400nm~700nmの範囲で測定しうる。
通常、保持部の接続部は、光学表示媒体を物品本体に取り付ける場合に曲げられる。よって、前記の透明な材料は、可撓性を有することが好ましい。このように可撓性を有する透明な材料としては、樹脂が好ましく、熱可塑性樹脂がより好ましい。この熱可塑性樹脂は、重合体と、必要に応じて任意の成分を含みうる。重合体としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、及び脂環式構造含有重合体などが挙げられる。また、重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
第一透光部及び第二透光部は、光学等方性を有していてもよい。光学等方性を有する第一透光部及び第二透光部の測定波長550nmにおける面内レターデーションは、好ましくは0~20nm、より好ましくは0~10nm、特に好ましくは0~5nmでありうる。
第一透光部及び第二透光部は、光学異方性を有していてもよい。光学異方性を有する第一透光部及び第二透光部の測定波長550nmにおける面内レターデーションは、通常、20nmより大きい。光学異方性を有する第一透光部及び第二透光部は、好ましくは、1/4波長板として機能しうる面内レターデーション、又は、1/2波長板として機能しうる面内レターデーションを有する。
1/4波長板として機能しうる面内レターデーションの具体的な範囲は、測定波長550nmにおいて、好ましくは「{(2n1+1)/4}×550nm-30nm」以上、より好ましくは「{(2n1+1)/4}×550nm-20nm」以上、特に好ましくは「{(2n1+1)/4}×550nm-10nm」以上であり、好ましくは「{(2n1+1)/4}×550nm+30nm」以下、より好ましくは「{(2n1+1)/4}×550nm+20nm」以下、特に好ましくは「{(2n1+1)/4}×550nm+10nm」以下である。ここで、n1は、0以上の整数を表す。
1/2波長板として機能しうる面内レターデーションの具体的な範囲は、測定波長550nmにおいて、好ましくは「{(2n2+1)/2}×550nm-30nm」以上、より好ましくは「{(2n2+1)/2}×550nm-20nm」以上、特に好ましくは「{(2n2+1)/2}×550nm-10nm」以上であり、好ましくは「{(2n2+1)/2}×550nm+30nm」以下、より好ましくは「{(2n2+1)/2}×550nm+20nm」以下、特に好ましくは「{(2n2+1)/2}×550nm+10nm」以下である。ここで、n2は、0以上の整数を表す。
第一透光部の面内レターデーションと第二透光部の面内レターデーションとは、同じでもよく、異なっていてもよい。保持部の製造を簡単にする観点から、第一透光部及び第二透光部は同じ面内レターデーションを有することが好ましく、第一透光部、第二透光部及び接続部が同じ面内レターデーションを有することがより好ましい。
第一透光部、第二透光部及び接続部の形状は、光学表示媒体のデザインに応じて任意に設定し得る。第一透光部の平面形状と第二透光部の平面形状とは異なっていてもよいが、第一透光部及び第二透光部によって表示部を両側から強固に支持する観点からは、第一透光部の平面形状と第二透光部の平面形状とは同じであることが好ましい。第一透光部及び第二透光部の平面形状は、例えば、円形;楕円形;三角形、矩形、五角形等の多角形状;などでありうる。「平面形状」とは、別に断らない限り、厚み方向から見た形状を表す。
表示部によって表示される像の多様化の観点、及び、保持部自体のデザイン性の向上の観点から、第一透光部、第二透光部及び接続部には、開口が形成されていてもよい。この開口は、通常、第一透光部、第二透光部及び接続部を厚み方向に貫通する孔でありうる。開口の平面形状は、例えば、文字、記号、図形などでありうるが、これに限定されない。
第一透光部、第二透光部及び接続部は、通常、いずれも薄いフィルム状又はシート状の形状を有する。第一透光部、第二透光部及び接続部の厚みは、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上、特に好ましくは200μm以上であり、好ましくは2000μm以下、より好ましくは1000μm以下、特に好ましくは500μm以下である。
保持部は、必要に応じて、第一透光部、第二透光部及び接続部以外の部分を備えていてもよい。
保持部は、例えば、適切な材料で形成されたフィルム又はシートから第一透光部、第二透光部及び接続部を切り出すことを含む製造方法により、製造できる。この方法によれば、単一のフィルム又はシートから第一透光部、第二透光部及び接続部を切り出すので、連続的に形成された第一透光部、第二透光部及び接続部を円滑に製造できる。
[3.表示部]
表示部は、保持部の第一透光部と第二透光部との間に設けられた部分であり、1又は2以上の偏光分離層を備える。表示部は、偏光分離層に組み合わせて、更に任意の層を備えていてもよい。
〔3.1.偏光分離層〕
表示部は、直線偏光分離機能を有する偏光分離層を備えていてもよく、円偏光分離機能を有する偏光分離層を備えていてもよく、直線偏光分離機能を有する偏光分離層及び円偏光分離機能を有する偏光分離層を組み合わせて備えていてもよい。中でも、表示部は、円偏光分離機能を有する偏光分離層を備えることが好ましい。
直線偏光分離機能を有する偏光分離層としては、例えば、多層フィルム反射偏光子、拡散反射偏光子、ワイヤグリッド偏光子などが挙げられる。多層フィルム反射偏光子としては、例えば、3M社製Vikuiti DBEF、DBEFDなどが挙げられる。拡散反射偏光子の例としては、DRPFが挙げられる。ワイヤグリッド偏光子としては、Moxtek社製 Proflux偏光子が挙げられる。
円偏光分離機能を有する偏光分離層は、通常、当該円偏光分離機能を発揮できる波長範囲において、一方の回転方向の円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる。以下の説明では、偏光分離層が円偏光分離機能を発揮する波長範囲を、「選択反射範囲」ということがある。選択反射範囲における偏光分離層の非偏光に対する反射率は、通常35%~50%、好ましくは40%~50%である。
肉眼で視認できる表示態様を実現する観点から、選択反射範囲は、可視波長領域にあることが好ましい。可視波長領域とは、通常、400nm以上780nm以下の波長域をいう。
表示部が含む1以上の偏光分離層の選択反射範囲の波長幅は、広いことが好ましい。具体的な選択反射範囲の波長幅は、好ましくは70nm以上、より好ましくは100nm以上、更に好ましくは200nm以上、特に好ましくは400nm以上である。このように広い選択反射範囲を有する偏光分離層は、広い範囲の色の円偏光を反射できる。このように広い選択反射範囲を有する偏光分離層は、後述する第一反射層等の反射層と組み合わせる場合に、反射層の色の自由度を高めることができ、意匠性の高い表示態様が可能になる。選択反射範囲の波長幅の上限は、特段の制限はないが、例えば、600nm以下でありうる。
円偏光分離機能を有する偏光分離層は、円偏光分離機能を有する材料で形成できる。中でも、脆性が高く、応力によって容易に破壊されることができるので、偏光分離層は、コレステリック液晶組成物の硬化物を含有する材料で形成されることが好ましい。すなわち、偏光分離層は、コレステリック液晶組成物の硬化物を含有することが好ましい。
例えば、コレステリック液晶組成物の硬化物で形成された層を、偏光分離層として用いてもよい。通常、この層は、コレステリック液晶組成物の硬化物のみを含む。コレステリック液晶組成物とは、当該液晶組成物に含まれる液晶化合物を配向させた場合に、液晶化合物がコレステリック規則性を有した液晶相(コレステリック液晶相)を呈することができる組成物をいう。ここで便宜上「液晶組成物」と称する材料は、2以上の物質の混合物のみならず、単一の物質からなる材料をも包含する。
コレステリック液晶組成物の硬化物は、当該硬化物に含まれる分子がコレステリック規則性を有するので、円偏光分離機能を発揮できる。コレステリック規則性とは、ある平面上では分子軸が一定の方向に並んでいるが、それに重なる次の平面では分子軸の方向が少し角度をなしてずれ、さらに次の平面ではさらに角度がずれるというように、重なって配列している平面を順次透過して進むに従って当該平面中の分子軸の角度がずれて(ねじれて)いく構造である。即ち、ある層の内部の分子がコレステリック規則性を有する場合、分子は、層の内部のある第一の平面上では分子軸が一定の方向になるよう並ぶ。層の内部の、当該第一の平面に重なる次の第二の平面では、分子軸の方向が、第一の平面における分子軸の方向と、少し角度をなしてずれる。当該第二の平面にさらに重なる次の第三の平面では、分子軸の方向が、第二の平面における分子軸の方向から、さらに角度をなしてずれる。このように、重なって配列している平面において、当該平面中の分子軸の角度が順次ずれて(ねじれて)いく。このように分子軸の方向がねじれてゆく構造は、通常はらせん構造であり、光学的にカイラルな構造である。
通常、コレステリック液晶組成物の硬化物における反射は、円偏光を、そのキラリティを維持したまま反射する。
コレステリック液晶組成物の硬化物が円偏光分離機能を発揮する具体的な波長は、一般に、コレステリック液晶組成物の硬化物におけるらせん構造のピッチに依存する。らせん構造のピッチとは、らせん構造において分子軸の方向が平面を進むに従って少しずつ角度がずれていき、そして再びもとの分子軸方向に戻るまでの平面法線方向の距離である。このらせん構造のピッチの大きさを変えることによって、円偏光分離機能を発揮する波長を変えることができる。ピッチを調整する方法としては、例えば、特開2009-300662号公報に記載の方法を用いうる。具体例を挙げると、コレステリック液晶組成物において、カイラル剤の種類を調整したり、カイラル剤の量を調整したりする方法が挙げられる。特に、コレステリック液晶組成物の硬化物の層内において、らせん構造のピッチの大きさが連続的に変化していると、単一の層により広い波長範囲に亘る円偏光分離機能を得ることができる。
広い波長範囲で円偏光分離機能を発揮できるコレステリック液晶組成物の硬化物の層としては、例えば、(i)らせん構造のピッチの大きさを段階的に変化させたコレステリック液晶組成物の硬化物の層、及び、(ii)らせん構造のピッチの大きさを連続的に変化させたコレステリック液晶組成物の硬化物の層、等が挙げられる。
(i)らせん構造のピッチを段階的に変化させたコレステリック液晶組成物の硬化物の層は、例えば、らせん構造のピッチが異なる複数のコレステリック液晶組成物の硬化物の層を積層することによって得ることができる。積層は、予めらせん構造のピッチが異なる複数の層を作製した後に、各層を接着剤を介して固着することによって行なうことができる。または、積層は、ある層を形成した上に、別の層を順次形成していくことによって行なうこともできる。
(ii)らせん構造のピッチの大きさを連続的に変化させたコレステリック液晶組成物の硬化物の層は、例えば、液晶組成物の層に、1回以上の活性エネルギー線の照射処理及び/又は加温処理を含む広帯域化処理を施した後で、その液晶組成物の層を硬化させて得ることができる。前記の広帯域化処理によれば、らせん構造のピッチを厚み方向において連続的に変化させることができるので、コレステリック液晶組成物の硬化物の層が円偏光分離機能を発揮できる波長範囲(反射帯域)を拡張することができ、そのため、広帯域化処理と呼ばれる。
コレステリック液晶組成物の硬化物の層は、1層のみからなる単層構造の層でもよく、2層以上の層を含む複層構造の層であってもよい。コレステリック液晶組成物の硬化物の層に含まれる層の数は、製造のし易さの観点から、1~100であることが好ましく、1~20であることがより好ましい。
コレステリック液晶組成物の硬化物の層の製造方法に制限はない。コレステリック液晶組成物の硬化物の層の製造方法としては、例えば、特開2014-174471号公報、特開2015-27743号公報に記載の方法が挙げられる。コレステリック規則性におけるねじれ方向は、例えば、液晶組成物が含むカイラル剤の構造により適宜選択できる。具体例を挙げると、ねじれを右回りとする場合には、右旋性を付与するカイラル剤を含むコレステリック液晶組成物を用い、ねじれ方向を左回りとする場合には、左旋性を付与するカイラル剤を含むコレステリック液晶組成物を用いうる。
例えば、コレステリック液晶組成物の硬化物で形成されたフレークを含有する材料によって、偏光分離層を形成してもよい。よって、例えば、偏光分離層は、コレステリック液晶組成物の硬化物で形成されたフレークを含有する層であってもよい。コレステリック液晶組成物の硬化物のフレークは、コレステリック液晶組成物の硬化物の微小な層を含む顔料として用いることができる。よって、前記のフレークを含む層は、コレステリック液晶組成物の硬化物の層自体と同じく、円偏光分離機能を発揮できる。また、コレステリック液晶組成物の硬化物で形成されたフレークを含有する偏光分離層では、応力が加わった場合、一部のフレークが応力によって容易に層から離脱できる。よって、そのフレークを含む偏光分離層は、特に容易に破壊されることができる。通常、コレステリック液晶組成物の硬化物で形成されたフレークを含む層を形成する際に与えられるせん断力によって、フレークの主面と、そのフレークを含有する層の層平面とは、平行に又は平行に近くなるように配向される。
コレステリック液晶組成物の硬化物のフレークの粒径は、装飾性を得る上で、1μm以上が好ましい。中でも、フレークの粒径は、当該フレークを含む層の厚み以上であることが望ましい。この場合、各フレークを、フレークの主面と当該フレークを含有する層の層平面とが平行又は鋭角をなすように配向させやすい。そのため、フレークが効果的に受光できるようになるので当該フレークを含有する層の円偏光分離機能を高めることができる。フレークの粒径の上限は、成形性及び印刷適性を得る観点から、500μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。ここで、フレークの粒径とは、当該フレークと同面積の円の直径をいう。
コレステリック液晶組成物の硬化物で形成されたフレークとしては、例えば、上述したコレステリック液晶組成物の硬化物の層の破砕物を用いうる。このようなフレークは、例えば、特許第6142714号公報に記載の製造方法により製造できる。
コレステリック液晶組成物の硬化物で形成されたフレークを含有する層は、前記フレークに組み合わせて任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分としては、フレークを結着させるバインダーが挙げられる。バインダーとしては、例えば、ポリエステル系ポリマー、アクリル系ポリマー、ポリスチレン系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリビニル系ポリマー等の重合体が挙げられる。バインダーの量は、フレーク100重量部に対して、好ましくは20重量部以上、より好ましくは40重量部以上、特に好ましくは60重量部以上であり、好ましくは1000重量部以下、より好ましくは800重量部以下、特に好ましくは600重量部以下である。
コレステリック液晶組成物の硬化物で形成されたフレークを含有する層は、例えば、フレーク、溶媒、及び、必要に応じて任意の成分を含むインキを塗布し、乾燥させることにより、製造しうる。溶媒としては、水等の無機溶媒を用いてもよく、ケトン溶媒、アルキルハライド溶媒、アミド溶媒、スルホキシド溶媒、ヘテロ環化合物、炭化水素溶媒、エステル溶媒、およびエーテル溶媒などの有機溶媒を用いてもよい。溶媒の量は、フレーク100重量部に対して、好ましくは40重量部以上、より好ましくは60重量部以上、特に好ましくは80重量部以上であり、好ましくは1000重量部以下、より好ましくは800重量部以下、特に好ましくは600重量部以下である。
前記のインキは、バインダーとしての重合体の代わりに、又は重合体と組み合わせて、その重合体の単量体を含みうる。この場合、インキを塗布し、乾燥させた後で単量体を重合させることにより、コレステリック樹脂のフレークを含有する層を形成できる。単量体を含む場合は、インキは、重合開始剤を含むことが好ましい。
偏光分離層に応力が加えられた場合に当該偏光分離層が破壊されやすくするために、偏光分離層には、切り込みが形成されていることが好ましい。切り込みが形成された偏光分離層は、応力が加えられた場合に、切り込みを起点にして容易に破壊されることができる。この切り込みの形状に制限は無い。例えば、厚み方向から見てV字状の切り込みを形成してもよい。また、断続的に形成された線状の切り込みを形成してもよい。切り込みは、偏光分離層の厚み方向の全体に形成してもよく、偏光分離層の厚み方向の一部に形成してもよい。
光学表示媒体の偽造の困難性を高める観点、及び、偏光分離層を破壊されやすくする観点では、切り込みは、厚み方向から見て2以上の方向に複数形成することが好ましい。特に、コレステリック液晶組成物の硬化物で形成された偏光分離層に、2以上の方向に複数の切り込みが形成されていることが好ましい。この場合、偏光分離層に応力が加わると、切り込みで区分された一部の小片層が、容易に偏光分離層から離脱できる。よって、応力が加えられた場合に、偏光分離層を効果的に破壊され易くできる。
図3は、一例に係る偏光分離層121の一部を拡大して模式的に示す拡大平面図である。図3に示すように、偏光分離層121には、2以上の方向に複数の切り込み122が形成されている。よって、偏光分離層121は、前記の切り込み122によって複数の小片層123に区分されている。詳細には、偏光分離層121が含む各小片層123は、厚み方向から見て異なる位置に設けられており、小片層123同士の間は、偏光分離層121の厚み方向の全体に形成された切り込み122によって区分されている。そして、それら複数の小片層123が集合した群によって、一つの偏光分離層121が形成されている。
一つの偏光分離層121に含まれる小片層123は、厚み方向から見て、2以上の方向に並んで設けられている。以下の説明では、このように小片層123が並ぶ方向を、「配列方向」ということがある。これらの配列方向は、いずれも、厚み方向に垂直な方向であり、よって偏光分離層121の層平面に平行でありうる。よって、通常は、切り込み122を挟んで隣り合う小片層123を結ぶ線分を引いた場合、その線分は、前記の2以上の配列方向のいずれかと平行になる。配列方向の数は、通常2以上であり、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。例えば、厚み方向から見た小片層123の形状が正三角形である場合、一つの偏光分離層121に含まれる小片層123の配列方向の数は、3でありうる。また、例えば、厚み方向から見た小片層123の形状が矩形である場合、一つの偏光分離層121に含まれる小片層123の配列方向の数は、2でありうる。さらに、例えば、厚み方向から見た小片層123の形状が正六角形である場合、一つの偏光分離層121に含まれる小片層123の配列方向の数は、3でありうる。このように高い規則性で配置された小片層123によって形成される偏光分離層121は、一般に製造の困難性が高いので、偽造の困難性を高めることが可能である。
一つの偏光分離層121に含まれる小片層123の配列方向間の角度は、通常5°以上、より好ましくは10°以上、更に好ましくは30°以上、特に好ましくは40°以上であり、通常90°以下である。図3に示す例では、偏光分離層121に含まれる小片層123が、厚み方向に垂直な第一の配列方向X、並びに、厚み方向及び配列方向Xの両方に垂直な第二の配列方向Yに並んで設けられている例を示して説明する。
一つの偏光分離層121に含まれる各小片層123は、厚み方向から見て、同一の形状を有することが好ましい。同一の形状を有する一群の小片層123によって偏光分離層121を形成することは、特に製造の困難性が高いので、偽造の困難性を効果的に高めることができる。
厚み方向から見た各小片層123の形状は、特に限定されない。好ましい例としては、三角形、四角形、六角形等の多角形が挙げられる。中でも、正三角形、四角形及び正六角形が好ましく、四角形がより好ましく、平行四辺形が更に好ましく、正方形及び長方形等の矩形が更に好ましく、正方形が特に好ましい。
厚み方向から見た各小片層123の幅は、特定の範囲にあることが好ましい。具体的には、小片層123の幅は、好ましくは150μm以下、より好ましくは125μm以下、更に好ましくは100μm以下、特に好ましくは80μm以下である。下限は、特に制限は無く、通常0μmより大きく、好ましくは10μm以上である。小片層123の幅は、小片層123の輪郭に接するように複数引いた平行線同士の間の距離のうちで最も長い距離をいう。このように小さい小片層123は、裸眼では視認が難しいので、偽造の困難性を効果的に高めることができる。
2以上の方向に形成された切り込み122には、通常、厚み方向から見て第一の方向に延びる第一の切り込みとしての刻み目122xと、厚み方向から見て第一の方向とは異なる第二の方向に延びる第二の切り込みとしての刻み目122yと、が含まれる。これら刻み目122x及び122yは、厚み方向から見て直線状に延びていることが好ましい。さらに、これらの刻み目122x及び122yは、それぞれ、偏光分離層121の全体にわたって連続的に、直線状に延びていることがより好ましい。このような刻み目122x及び122yを含む切り込み122を採用した場合、小片層123を円滑に形成できる。
偏光分離層121の全体にわたって連続的に刻み目122x及び122yが直線状に延びている場合、切り込み122は、全体として格子状に設けられうる。そして、その切り込み122で区分された小片層123は、前記の刻み目122x及び122yが延びる方向に並びうる。図3に示す例では、偏光分離層121の全体にわたって第一の配列方向Xに連続的且つ直線状に伸びる第一群の刻み目122xと、偏光分離層121の全体にわたって第二の配列方向Yに連続的且つ直線状に伸びる第二群の刻み目122yと、を含む格子状の切り込み122が、矩形の小片層123を区分している。
一つの偏光分離層121に形成された切り込み122に含まれる刻み目122x及び122yのうち、同じ方向に延びる刻み目同士の間隔は、略同一であることが好ましい。よって、図3に示す例では、配列方向Xに延びる刻み目122x同士の間隔Pxは、略同一であることが好ましい。また、配列方向Yに延びる刻み目122y同士の間隔Pyは、略同一であることが好ましい。ここで、刻み目同士のある間隔(第一の間隔)と他の間隔(第二の間隔)とが略同一である、とは、第二の間隔が第一の間隔の90%以上110%以下であることを表す。この場合、通常は、厚み方向から見た各小片層123の形状を同一にすることができるので、偽造の困難性を効果的に高めることができる。
一つの偏光分離層121に形成された切り込み122に含まれる刻み目122x及び122yのうち、異なる方向に延びる刻み目の間隔は、略同一であることが好ましい。よって、本実施形態に示す例では、配列方向Xに延びる刻み目122x同士の間隔Pxと、配列方向Yに延びる刻み目122y同士の間隔Pyとが、略同一であることが好ましい。この場合、通常は、厚み方向から見た各小片層123の配置の規則性を高めることができるので、偽造の困難性を効果的に高めることができる。
図3に示す例のように、格子状の切り込み122が矩形の小片層123を区分している場合、前記の刻み目122x同士の間隔Px及び刻み目122y同士の間隔Pyは、小片層123の対応する辺の長さに一致しうる。また、間隔Px及びPyが小片層123の辺の長さに一致しない場合でも、それら間隔Px及びPyは、小片層123のサイズに相関しうる。よって、間隔Px及びPyは、小片層123のサイズに応じて設定することが好ましい。
一般的には、間隔Px及びPyが小さいほど、小片層123のサイズは小さい。また、小片層123のサイズが小さいほど、裸眼での視認が難しくなるので、偽造の困難性を高めることができる。したがって、偽造の困難性を向上させる観点では、間隔Px及びPyは、特定の小さい範囲にあることが好ましい。具体的には、間隔Px及びPyは、それぞれ、好ましくは150μm以下、より好ましくは125μm以下、更に好ましくは115μm以下、特に好ましくは100μm以下である。下限は、特に制限は無く、通常0μmより大きく、好ましくは10μm以上である。
切り込みが形成された偏光分離層は、通常、切り込みの無い偏光分離層を用意する工程と、その偏光分離層に切り込みを形成する工程と、を含む方法によって製造できる。切り込みの無い偏光分離層は、上述した方法によって製造して用意してもよく、市販の偏光分離層を購入して用意してもよい。偏光分離層に切り込みを形成する方法は、特に制限されないが、例えば、凹凸形状を有する部材で偏光分離層をプレスして切り込みを形成してもよい。具体的な切り込みの形成方法は、例えば、国際公開第2019/189246号に記載の方法を採用しうる。
切り込みが形成された偏光分離層の製造方法は、更に、当該偏光分離層を転写する工程を含んでいてもよい。例えば、支持体層及び偏光分離層を備える表示部を製造する場合、偏光分離層の製造方法は、仮支持体上に形成された偏光分離層に切り込みを形成した後で、その偏光分離層を支持体層に転写する工程を含んでいてもよい。この場合、偏光分離層を支持体層に転写する工程は、支持体層と、切り込みを形成された偏光分離層と、を必要に応じて接着剤層を介して貼り合わせることを含みうる。例えば、適切な平面形状を有する接着剤層を支持体層上に形成し、その接着剤層と切り込みが形成された偏光分離層とを貼り合わせる。その後、必要に応じて仮支持体を剥離することにより、支持体層上に偏光分離層を設けることができる。通常、仮支持体を剥離すると、支持体層の接着剤層が形成されたエリアでは、偏光分離層が仮支持体と別れ、支持体層上に残る。他方、支持体層の接着剤層が無いエリアでは、偏光分離層が仮支持体と別れることができないので、仮支持体と一緒に剥離される。よって、厚み方向から見た接着剤層の平面形状と同じ平面形状を有する偏光分離層を、支持体層上に簡単に設けることができる。前記の例と同じ方法により、第一透光部及び第二透光部上に、切り込みが形成された偏光分離層を形成してもよい。
偏光分離層の厚みは、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上であり、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下である。偏光分離層の厚みが前記範囲の下限値以上である場合、偏光の効果的な反射が可能となる。また、偏光分離層の厚みが前記範囲の上限値以下である場合、透明性を高めることができる。
〔3.1.1.反射基材層〕
表示部は、前記の偏光分離層として、一方の回転方向DAの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる反射基材層を含むことが好ましい。反射基材層は、厚み方向から見て、表示部の広い範囲に形成されていることが好ましく、表示部の全体に形成されていることがより好ましい。
反射基材層の選択反射範囲の波長幅は、広いことが好ましい。反射基材層の選択反射範囲の具体的な波長幅は、好ましくは70nm以上、より好ましくは100nm以上、更に好ましくは200nm以上、特に好ましくは400nm以上である。反射基材層の選択反射範囲の波長幅が広い場合、反射基材層によって反射できる円偏光の色の範囲を広くできるので、後述する第一反射層及び第二反射層等の反射層の色の自由度を高めることができ、意匠性の高い表示態様が可能になる。反射基材層の選択反射範囲の波長幅の上限は、特段の制限はないが、例えば、600nm以下でありうる。
〔3.1.2.第一反射層〕
表示部は、前記の偏光分離層として、反射基材層と第一透光部との間に設けられた第一反射層を含んでいてもよい。第一反射層は、厚み方向から見て、表示部の一部に設けられていてもよく、表示部の全体に設けられていてもよい。通常、厚み方向から見て、第一反射層は、反射基材層に重なるように設けられる。すなわち、表示部の厚み方向に対して垂直な面内方向での位置が、第一反射層の全体と、反射基材層の一部又は全体とで、通常、同じになっている。さらに、第一反射層は、表示部によって表示される像のデザインに応じた平面形状を有しうる。第一反射層の平面形状は、例えば、文字、記号、図形などでありうるが、これに限定されない。
第一反射層は、偏光分離層のうちの一つであるので、円偏光分離機能を有しうる。円偏光分離機能を有する第一反射層は、当該円偏光分離機能を発揮できる選択反射範囲において、一方の回転方向DB1の円偏光を反射し、その回転方向DB1とは逆の回転方向の円偏光を透過させることができる。第一反射層の選択反射範囲は、通常、反射基材層の選択反射範囲と重複する。第一反射層の選択反射範囲の一部と反射基材層の選択反射範囲の一部とが重複していてもよく、第一反射層の選択反射範囲の全部と反射基材層の選択反射範囲の一部とが重複していてもよく、第一反射層の選択反射範囲の一部と反射基材層の選択反射範囲の全部とが重複していてもよく、第一反射層の選択反射範囲の全部と反射基材層の選択反射範囲の全部とが重複していてもよい。中でも、第一反射層の選択反射範囲の全部が反射基材層の選択反射範囲の一部又は全部と重複していることにより、第一反射層の選択反射範囲が反射基材層の選択反射範囲内にあることが好ましい。よって、好ましくは、第一反射層の選択反射範囲の下限が、反射基材層の選択反射範囲の下限以上であり、また、第一反射層の選択反射範囲の上限が、反射基材層の選択反射範囲の上限以下である。
第一反射層が反射できる円偏光の回転方向DB1は、反射基材層が反射できる円偏光の回転方向DAと、同じでもよく、逆でもよい。中でも、第一反射層が反射できる円偏光の回転方向DB1は、反射基材層が反射できる円偏光の回転方向DAと、同じであることが好ましい。この場合、反射基材層を透過して第一反射層に光が進入する場合に、その光に含まれる少なくとも一部の円偏光(具体的には、反射基材層の選択反射範囲の円偏光)の回転方向と、第一反射層が反射できる円偏光の回転方向DB1とが、逆でありうる。したがって、第一反射層は、反射基材層を透過して第一反射層に進入する光を反射しないか、又はほとんど反射しないことができる。
〔3.1.3.第二反射層〕
表示部は、前記の偏光分離層として、反射基材層と第二透光部との間に設けられた第二反射層を含んでいてもよい。第二反射層は、厚み方向から見て、表示部の一部に設けられていてもよく、表示部の全体に設けられていてもよい。通常、厚み方向から見て、第二反射層は、第一反射層と同じく、反射基材層に重なるように設けられる。すなわち、表示部の厚み方向に対して垂直な面内方向での位置が、第二反射層の全体と、反射基材層の一部又は全体とで、通常、同じになっている。さらに、第二反射層は、表示部によって表示される像のデザインに応じた平面形状を有しうる。第二反射層の平面形状は、例えば、文字、記号、図形などでありうるが、これに限定されない。
第二反射層は、偏光分離層のうちの一つであるので、円偏光分離機能を有しうる。円偏光分離機能を有する第二反射層は、当該円偏光分離機能を発揮できる選択反射範囲において、一方の回転方向DB2の円偏光を反射し、その回転方向DB2とは逆の回転方向の円偏光を透過させることができる。第二反射層の選択反射範囲は、通常、反射基材層の選択反射範囲と重複する。第二反射層の選択反射範囲の一部と反射基材層の選択反射範囲の一部とが重複していてもよく、第二反射層の選択反射範囲の全部と反射基材層の選択反射範囲の一部とが重複していてもよく、第二反射層の選択反射範囲の一部と反射基材層の選択反射範囲の全部とが重複していてもよく、第二反射層の選択反射範囲の全部と反射基材層の選択反射範囲の全部とが重複していてもよい。中でも、第二反射層の選択反射範囲の全部が反射基材層の選択反射範囲の一部又は全部と重複していることにより、第二反射層の選択反射範囲が反射基材層の選択反射範囲内にあることが好ましい。よって、好ましくは、第二反射層の選択反射範囲の下限が、反射基材層の選択反射範囲の下限以上であり、また、第二反射層の選択反射範囲の上限が、反射基材層の選択反射範囲の上限以下である。
第二反射層が反射できる円偏光の回転方向DB2は、反射基材層が反射できる円偏光の回転方向DAと、同じでもよく、逆でもよい。例えば、第二反射層と反射基材層との間に光学異方性を有する位相差層が無い場合、第二反射層が反射できる円偏光の回転方向DB2は、反射基材層が反射できる円偏光の回転方向DAと、同じであることが好ましい。さらに、例えば、第二反射層と反射基材層との間に光学異方性を有する位相差層がある場合、第二反射層が反射できる円偏光の回転方向DB2は、反射基材層が反射できる円偏光の回転方向DAと、逆であることが好ましい。これらの場合、反射基材層を透過して第二反射層に光が進入する場合に、その光に含まれる少なくとも一部の円偏光(具体的には、反射基材層の選択反射範囲の円偏光)の回転方向と、第二反射層が反射できる円偏光の回転方向DB2とが、逆でありうる。したがって、第二反射層は、反射基材層を透過して第二反射層に進入する光を反射しないか、又はほとんど反射しないことができる。
〔3.2.支持体層〕
表示部は、任意の層として、支持体層を備えていてもよい。支持体層によれば、表示部を支持することができるので、表示部の製造に用いる表示部材の取り扱い性を良好にできる。支持体層の材料としては、透明な材料が好ましい。支持体層の材料の具体例としては、例えば、保持部の材料として挙げた熱可塑性樹脂が挙げられる。
支持体層は、光学等方性を有することが好ましい。光学等方性を有する支持体層の測定波長550nmにおける面内レターデーションは、好ましくは0~20nm、より好ましくは0~10nm、特に好ましくは0~5nmでありうる。
支持体層の形状は、制限は無い。支持体層の形状は、例えば、板状、シート状、フィルム状等でありうる。中でも、表示部を薄くする観点から、フィルム状の支持体層が好ましい。支持体層の厚みは、特段の制限は無いが、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、特に好ましくは20μm以上であり、好ましくは1mm以下、より好ましくは500μm以下、特に好ましくは200μm以下である。
〔3.3.位相差層〕
表示部は、任意の層として、光学異方性を有する位相差層を備えていてもよい。位相差層は、厚み方向から見て、表示部の一部に設けられていてもよく、表示部の全体に設けられていてもよい。通常、厚み方向から見て、位相差層の一部又は全体は、偏光分離層の一部又は全体に重なりうる。すなわち、表示部の厚み方向に対して垂直な面内方向での位置が、位相差層の一部又は全体と、偏光分離層の一部又は全体とで、同じになっている。
位相差層の面内レターデーションの範囲は、表示部によって表示される像のデザインに応じて設定しうる。例えば、位相差層は、1/4波長板として機能しうる面内レターデーションを有していてもよく、1/2波長板として機能しうる面内レターデーションを有していてもよい。
位相差層は、逆波長分散性を有することが好ましい。逆波長分散性とは、測定波長450nm及び550nmにおける面内レターデーションRe(450)及びRe(550)が、下記式(R1)を満たすことをいう。
Re(450)<Re(550) (R1)
逆波長分散性を有する位相差層は、広い波長範囲においてその光学的機能を発揮できる。よって、逆波長分散性を有する位相差層を用いることにより、位相差層によって広範な色の円偏光の偏光状態を適切に調整できる。よって、可視光波長全域に渡って表示のコントラストを高めることができるので視認性の高い表示態様が可能になる。
位相差層としては、例えば、延伸フィルムを用いることができる。延伸フィルムは、樹脂フィルムを延伸して得られるフィルムであり、樹脂の種類、延伸条件、厚み等の要素を適切に調整することで、任意の面内レターデーションを得ることができる。樹脂としては、通常、熱可塑性樹脂を用いる。この熱可塑性樹脂は、重合体と、必要に応じて任意の成分を含みうる。重合体としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、及び脂環式構造含有重合体などが挙げられる。また、重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。中でも、透明性、低吸湿性、寸法安定性及び加工性の観点から、脂環式構造含有重合体が好適である。脂環式構造含有重合体は、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有する重合体であり、例えば、特開2007-057971号公報に記載のものを用いうる。
位相差層としての延伸フィルムは、前記の樹脂から樹脂フィルムを製造した後で、その樹脂フィルムに延伸処理を施して、製造できる。延伸フィルムとしての位相差層の製造方法の具体例としては、例えば、国際公開第2019/059067号に記載の方法が挙げられる。
延伸フィルムの厚みは、特段の制限は無いが、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、特に好ましくは20μm以上であり、好ましくは1mm以下、より好ましくは500μm以下、特に好ましくは200μm以下である。
位相差層としては、例えば、液晶硬化層を用いてもよい。液晶硬化層とは、液晶性化合物を含む液晶組成物の硬化物で形成された層を表す。通常、液晶組成物の層を形成し、その液晶組成物の層に含まれる液晶性化合物の分子を配向させた後に、液晶組成物の層を硬化させることにより、液晶硬化層が得られる。この液晶硬化層は、液晶性化合物の種類、液晶性化合物の配向状態、厚み等の要素を適切に調整することで、任意の面内レターデーションを得ることができる。
液晶性化合物の種類は任意であるが、逆波長分散性を有する位相差層を得たい場合には、逆波長分散性液晶性化合物を用いることが好ましい。逆波長分散性液晶性化合物とは、ホモジニアス配向した場合に、逆波長分散性を示す液晶性化合物をいう。また、液晶性化合物をホモジニアス配向させる、とは、当該液晶性化合物を含む層を形成し、その層における液晶性化合物の分子の屈折率楕円体において最大の屈折率の方向を、前記層の面に平行なある一の方向に配向させることをいう。逆波長分散性液晶性化合物の具体例としては、例えば、国際公開第2014/069515号、国際公開第2015/064581号などに記載された化合物が挙げられる。
液晶硬化層の厚みは、特段の制限は無いが、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.0μm以上であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは7μm以下、特に好ましくは5μm以下である。
〔3.3.1.位相差基材層〕
表示部は、前記の位相差層として、位相差基材層を備えていてもよい。位相差基材層は、厚み方向から見て、表示部の広い範囲に形成されていることが好ましく、表示部の全体に形成されていることがより好ましい。特に、表示部が第二反射層を備える場合、位相差基材層は、反射基材層と第二反射層との間に設けられていることが好ましい。この場合、厚み方向から見て、第二反射層は、位相差基材層に重なるように設けられる。すなわち、表示部の厚み方向に対して垂直な面内方向での位置が、第二反射層の全体と、位相差基材層の一部又は全体とで、通常、同じになっている。
位相差基材層の面内レターデーションの範囲は、表示部によって表示される像のデザインに応じて設定しうる。位相差基材層は、特に、1/2波長板として機能しうる面内レターデーションを有することが好ましい。
〔3.3.2.位相差パターン層〕
表示部は、前記の位相差層として、位相差パターン層を備えていてもよい。位相差パターン層は、反射基材層と第一透光部との間に設けることが好ましい。また、位相差パターン層は、反射基材層と第二透光部との間に設けることが好ましい。
位相差パターン層は、厚み方向から見て、表示部の一部に設けられていてもよく、表示部の全体に設けられていてもよい。通常、厚み方向から見て、位相差パターン層は、反射基材層に重なるように設けられる。すなわち、表示部の厚み方向に対して垂直な面内方向での位置が、位相差パターン層の全体と、反射基材層の一部又は全体とで、通常、同じになっている。さらに、位相差パターン層は、表示部によって表示される像のデザインに応じた平面形状を有しうる。
位相差パターン層の面内レターデーションの範囲は、表示部によって表示される像のデザインに応じて設定しうる。位相差パターンは、1/4波長板として機能しうる面内レターデーションを有していてもよく、1/2波長板として機能しうる面内レターデーションを有していてもよい。
〔3.4.有色層〕
表示部は、任意の層として、有色層を備えていてもよい。有色層が可視波長範囲の一部又は全部で光を透過させないので、有色層を備える表示部は、非透明でありうる。
有色層は、反射基材層と第二透光部との間に設けることが好ましい。この場合、第一透光部、反射基材層及び有色層がこの順に並ぶので、第二透光部を通して表示部に進入した光を、有色層が遮ることができる。よって、第一透光部を通して表示部を見た場合に、反射基材層での反射光の視認性を向上させることができる。
また、有色層は、反射基材層と第一透光部との間に設けることが好ましい。この場合、第二透光部、反射基材層及び有色層がこの順に並ぶので、第一透光部を通して表示部に進入した光を、有色層が遮ることができる。よって、第二透光部を通して表示部を見た場合に、反射基材層での反射光の視認性を向上させることができる。
有色層は、可視波長範囲の一部又は全部の光を遮りうる材料で形成できる。有色層の材料としては、例えば、顔料及び染料等の着色剤を含む樹脂;紙;皮革;布;木材;金属;金属化合物;などが挙げられる。これらの材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
〔3.5.接着剤層〕
表示部は、任意の層として、接着剤層を備えていてもよい。接着剤層は、接着剤によって形成できる。接着剤は、狭義の接着剤(エネルギー線照射後、あるいは加熱処理後、23℃における剪断貯蔵弾性率が1MPa~500MPaである接着剤)のみならず、23℃における剪断貯蔵弾性率が1MPa未満である粘着剤(感圧接着剤等)をも包含する。接着剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
接着剤層は、光を透過させる透明な層であることが好ましい。また、接着剤層は、面内レターデーションを有していてもよいが、面内レターデーションの小さい光学等方性の層であることが好ましい。例えば、測定波長550nmにおける接着剤層の面内レターデーションは、好ましくは0~20nm、より好ましくは0~10nm、特に好ましくは0~5nmである。
〔3.6.その他の層〕
表示部は、上述した層に組み合わせて、更に任意の層を備えていてもよい。そのような任意の層の例としては、例えば、滑り性を良くするマット層;耐衝撃性ポリメタクリレート樹脂層などのハードコート層;反射防止層;防汚層;等が挙げられる。これら任意の層は、面内レターデーションが小さいことが好ましい。任意の層の具体的な面内レターデーションは、好ましくは20nm以下、より好ましくは10nm以下、特に好ましくは5nm以下であり、理想的には0nmである。このように面内レターデーションが小さい層は、光学等方性の層であるので、当該任意の層による偏光状態の変化を抑制できる。
[4.光学表示媒体の製造方法]
光学表示媒体の製造方法に制限は無い。光学表示媒体は、例えば、保持部を含む保持具を用意する工程と、表示部の一部又は全部を含む表示部材を用意する工程と、保持具が含む保持部の第一透光部及び第二透光部を表示部材に接着して光学表示媒体を得る工程と、を含む方法により、製造しうる。
例えば、保持部それ自体を保持具として用意する。また、偏光分離層を含み、更に必要に応じて支持体層、位相差層、有色層、接着剤層等の任意の層を含む表示部材を用意する。そして、保持具の第一透光部と表示部材の片側とを接着し、保持具の第二透光部と表示部材のもう片側とを接着する。前記の接着により、第一透光部と第二透光部との間に偏光分離層を含む表示部が設けられるので、上述した光学表示媒体を得ることができる。
例えば、保持部と、保持部の第一透光部上に設けられた偏光分離層(例えば、反射基材層、第一反射層、等)と、保持部の第二透光部上に設けられた偏光分離層(例えば、反射基材層、第二反射層、等)とを備える保持具を用意する。また、表示部の前記偏光分離層以外の部分の一部又は全体を含む表示部材を用意する。そして、保持具の第一透光部の偏光分離層側の面と表示部材の片側とを接着し、保持具の第二透光部の偏光分離層側の面と表示部材のもう片側とを接着する。前記の接着により、第一透光部と第二透光部との間に偏光分離層を含む表示部が設けられるので、上述した光学表示媒体を得ることができる。また、この例の方法を変更し、第一透光部及び第二透光部の一方のみに偏光分離層を設けた保持具を用いてもよい。
例えば、保持部と、保持部の第一透光部上に設けられた位相差層(例えば、位相差基材層、位相差パターン層、等)と、保持部の第二透光部上に設けられた位相差層(例えば、位相差基材層、位相差パターン層、等)とを備える保持具を用意する。また、表示部の前記位相差層以外の部分の一部又は全体を含む表示部材を用意する。そして、保持具の第一透光部の位相差層側の面と表示部材の片側とを接着し、保持具の第二透光部の位相差層側の面と表示部材のもう片側とを接着する。前記の接着により、第一透光部と第二透光部との間に偏光分離層を含む表示部が設けられるので、上述した光学表示媒体を得ることができる。また、この例の方法を変更し、第一透光部及び第二透光部の一方のみに位相差層を設けた保持具を用いてもよい。
前記の保持具と表示部材とを接着により、保持部の第一透光部、接続部及び第二透光部、並びに、表示部が環状に連結されるので、その環内に中空部が形成される。前記の接着は、通常、この中空部に物品本体の一部を通して、光学表示媒体を物品本体に固定することができるように行われる。このように固定された光学表示媒体は、光学表示媒体を破壊せずに物品本体から取り外すことの困難性が高い。よって、得られる光学表示媒体の再利用の困難性を高めることができる。
[5.光学表示媒体に係る第一実施形態]
以下、上述した光学表示媒体の表示部によって表示される像を説明するため、光学表示媒体の実施形態を具体的に説明する。ただし、光学表示媒体の実施形態は以下に説明するものに限定されない。
図4は、本発明の第一実施形態に係る光学表示媒体200を模式的に示す断面図である。図4に示すように、本発明の第一実施形態に係る光学表示媒体200は、保持具210及び表示部220を備える。
保持部210は、継ぎ目なく連続的に形成された第一透光部211、第二透光部212及び接続部213を備える。本実施形態に係る第一透光部211及び第二透光部212は光学等方性を有する透明な部分であり、互いに対向して設けられている。
表示部220は、第一透光部211及び第二透光部212の間に設けられている。表示部220は、接着剤層241、偏光分離層251、支持体層261及び接着剤層242を、第一透光部211側からこの順に備える。この構成において、偏光分離層251は、第一透光部211に対して、接着剤層241を介して間接的に接着されている。また、偏光分離層251は、第二透光部212に対して、支持体層261及び接着剤層242を介して間接的に接着されている。第一透光部211、接続部213、第二透光部212及び表示部220は環を形成し、この環の内に、光学表示媒体200を物品本体(図示せず)に取り付けるための中空部230が形成される。
本実施形態に係る光学表示媒体200において、偏光分離層251が直線偏光分離機能を有する場合を説明する。非偏光の照射光で光学表示媒体200が照らされると、ある振動方向を有する直線偏光は偏光分離層251で反射されるが、その直線偏光の振動方向に垂直な振動方向を有する直線偏光は偏光分離層251を透過する。よって、観察者は、偏光分離層251で反射された直線偏光を見る。
裸眼で観察した場合、観察者は、偏光分離層251で反射された直線偏光を視認できるので、偏光分離層251の像を視認できる。
また、直線偏光板の吸収軸と偏光分離層251で反射された直線偏光の振動方向とを垂直にして直線偏光板を通して観察した場合、観察者は、偏光分離層251で反射された直線偏光を視認できるので、偏光分離層251の像を視認できる。
さらに、直線偏光板の吸収軸と偏光分離層251で反射された直線偏光の振動方向とを平行にして直線偏光板を通して観察した場合、観察者は、偏光分離層251で反射された直線偏光を視認できないので、偏光分離層251の像を視認できない。
このように、表示部220を観察する観察者は、直線偏光板の有無、及び、直線偏光板の吸収軸の方向に応じて、異なる像を視認できる。したがって、光学表示媒体200により、特殊な表示態様を実現できる。
また、直線偏光の照射光で光学表示媒体200が照らされた場合、その直線偏光の振動方向と偏光分離層251の向きとに応じて、照射光は偏光分離層251で反射されたり反射されなかったりする。よって、表示部220を観察する観察者は、照射光としての直線偏光の振動方向と偏光分離層251の向きとの関係に応じて、異なる像を視認できる。したがって、この場合も、光学表示媒体200により、特殊な表示態様を実現できる。
次に、本実施形態に係る光学表示媒体200において、偏光分離層251が円偏光分離機能を有する場合を説明する。非偏光の照射光で光学表示媒体200が照らされると、ある回転方向の円偏光は偏光分離層251で反射されるが、その円偏光の回転方向と逆の回転方向の円偏光は偏光分離層251を透過する。よって、観察者は、偏光分離層251で反射された円偏光を見る。
裸眼で観察した場合、観察者は、偏光分離層251で反射された円偏光を視認できるので、偏光分離層251の像を視認できる。
また、偏光分離層251で反射された円偏光の回転方向と同じ回転方向の円偏光を透過させ、その逆の回転方向の円偏光を遮る円偏光板を通して観察した場合、観察者は、偏光分離層251で反射された円偏光を視認できるので、偏光分離層251の像を視認できる。
さらに、偏光分離層251で反射された円偏光の回転方向と同じ回転方向の円偏光を遮り、その逆の回転方向の円偏光を透過させる円偏光板を通して観察した場合、観察者は、偏光分離層251で反射された円偏光を視認できないので、偏光分離層251の像を視認できない。
このように、表示部220を観察する観察者は、円偏光板の有無、及び、円偏光板が透過させる円偏光の回転方向に応じて、異なる像を視認できる。したがって、光学表示媒体200により、特殊な表示態様を実現できる。
また、円偏光の照射光で光学表示媒体200が照らされた場合、その円偏光の回転方向に応じて、照射光は偏光分離層251で反射されたり反射されなかったりする。よって、表示部220を観察する観察者は、照射光としての円偏光の回転方向に応じて、異なる像を視認できる。したがって、この場合も、光学表示媒体200により、特殊な表示態様を実現できる。
図5は、本発明の第一実施形態に係る光学表示媒体200の製造方法の例を説明するため、光学表示媒体200を分解して模式的に示す破断断面図である。本実施形態に係る光学表示媒体200は、図5に示すように、例えば、第一透光部211、第二透光部212及び接続部213を含む保持部210を含む保持具240を用意する工程;偏光分離層251及び支持体層261を備える表示部材250を用意する工程;第一透光部211と表示部材250の偏光分離層251側の面とを接着剤層241を介して接着する工程;並びに、第二透光部212と表示部材250の支持体層261側の面とを接着剤層242を介して接着する工程;を含む製造方法により、製造できる。
[6.光学表示媒体に係る第二実施形態]
図6は、本発明の第二実施形態に係る光学表示媒体300を模式的に示す断面図である。図6に示すように、本発明の第二実施形態に係る光学表示媒体300は、保持部210及び表示部320を備える。保持部210は、第一実施形態と同じに設けられている。
表示部320は、第一透光部211及び第二透光部212の間に設けられている。表示部320は、偏光分離層としての第一反射層351、接着剤層241、偏光分離層としての反射基材層352、支持体層261、接着剤層242、及び、偏光分離層としての第二反射層353を、第一透光部211側からこの順に備える。この構成において、第一反射層351は、第一透光部211に対して直接に接着され、第二透光部212に対して接着剤層241、反射基材層352、支持体層261、接着剤層242、及び、第二反射層353を介して間接的に接着されている。また、反射基材層352は、第一透光部211に対して接着剤層241及び第一反射層351を介して間接的に接着され、第二透光部212に対して支持体層261、接着剤層242及び第二反射層353を介して間接的に接着されている。さらに、第二反射層333は、接着剤層242、支持体層261、反射基材層352、接着剤層241及び第一反射層351を介して間接的に接着され、第二透光部212に対して直接に接着されている。第一透光部211、接続部213、第二透光部212及び表示部320は環を形成し、この環の内に、光学表示媒体300を物品本体(図示せず)に取り付けるための中空部330が形成される。
厚み方向から見て、第一反射層351及び第二反射層353は、表示部320の一部に、特定の平面形状を有するように設けられている。図6では、第一反射層351が形成されていないエリアでは第一透光部211と接着剤層241とが離れている例を示すが、第一反射層351が形成されていないエリアで第一透光部211と接着剤層241とが接していてもよい。また、図6では、第二反射層353が形成されていないエリアでは第二透光部212と接着剤層242とが離れている例を示すが、第二反射層353が形成されていないエリアで第二透光部212と接着剤層242とが接していてもよい。
本実施形態において、反射基材層352は、一方の回転方向DAの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができるように設けられている。また、反射基材層352と第一透光部211との間に設けられた第一反射層351は、一方の回転方向DB1の円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができるように設けれている。反射基材層352が反射できる円偏光の回転方向DAと、第一反射層351が反射できる円偏光の回転方向DB1とは、同じである。さらに、反射基材層352と第二透光部212との間に設けられた第二反射層353は、一方の回転方向DB2の円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができるように設けられている。反射基材層352が反射できる円偏光の回転方向DAと、第二反射層353が反射できる円偏光の回転方向DB2とは、同じである。
本実施形態に係る光学表示媒体300を、右円偏光及び左円偏光の両方を含む非偏光の照射光で照らし、第一透光部211を通して表示部320を観察した場合を説明する。
第一反射層351が設けられたエリアでは、照射光が第一反射層351に進入する。この照射光の一部は、回転方向DB1の円偏光として反射される。
また、第一反射層351が設けられていないエリアでは、照射光が反射基材層352に進入する。この照射光の一部は、回転方向DAの円偏光として反射される。
第一反射層351及び反射基材層352で反射されなかった光は、第一反射層351及び反射基材層352を透過して、第二反射層353に進入しうる。回転方向DAの円偏光は反射基材層352で反射されるので、反射基材層352を透過して第二反射層353に進入する光の一部又は全部は、回転方向DAと逆の回転方向の円偏光となっている。本実施形態において、反射基材層352が反射できる円偏光の回転方向DAと、第二反射層353が反射できる円偏光の回転方向DB2とは、同じである。よって、第二反射層353に進入する光は、第二反射層353が反射できる回転方向DB2の円偏光を含まないか、少量しか含まない。したがって、第二反射層353に進入する光の全て又は大部分は、第二反射層353では反射されない。
このように、第一透光部211を通して表示部320を観察すると、第二反射層353で光の反射が生じないか反射が弱いので、観察者は、第二反射層353で反射される光を視認できない。よって、この観察者は、第一反射層351及び反射基材層352を視認するが、第二反射層353を視認できない。
次に、本実施形態に係る光学表示媒体300を、右円偏光及び左円偏光の両方を含む非偏光の照射光で照らし、第二透光部212を通して表示部320を観察した場合を説明する。
第二反射層353が設けられたエリアでは、照射光が第二反射層353に進入する。この照射光の一部は、回転方向DB2の円偏光として反射される。
また、第二反射層353が設けられていないエリアでは、照射光が反射基材層352に進入する。この照射光の一部は、回転方向DAの円偏光として反射される。
第二反射層353及び反射基材層352で反射されなかった光は、第二反射層353及び反射基材層352を透過して、第一反射層351に進入しうる。回転方向DAの円偏光は反射基材層352で反射されるので、反射基材層352を透過して第一反射層351に進入する光の一部又は全部は、回転方向DAと逆の回転方向の円偏光となっている。本実施形態において、反射基材層352が反射できる円偏光の回転方向DAと、第一反射層351が反射できる円偏光の回転方向DB1とは、同じである。よって、第一反射層351に進入する光は、第一反射層351が反射できる回転方向DB1の円偏光を含まないか、少量しか含まない。したがって、第一反射層351に進入する光の全て又は大部分は、第一反射層351では反射されない。
このように、第二透光部212を通して表示部320を観察すると、第一反射層351で光の反射が生じないか反射が弱いので、観察者は、第一反射層351で反射される光を視認できない。よって、この観察者は、第二反射層353及び反射基材層352を視認するが、第一反射層351を視認できない。
したがって、本実施形態に係る光学表示媒体300は、第一透光部211、表示部320及び第二透光部212が透明又は半透明でありながら、第一透光部211を通した観察で視認される表示部320の像と第二透光部212を通した観察で視認される表示部320の像とを相違させられるという、特殊な表示態様を実現できる。
また、円偏光の照射光で光学表示媒体300が照らされた場合、その円偏光の回転方向に応じて、照射光は第一反射層351、反射基材層352及び第二反射層353で反射されたり反射されなかったりする。よって、表示部320を観察する観察者は、照射光としての円偏光の回転方向に応じて、異なる像を視認できる。したがって、この場合も、光学表示媒体300により、特殊な表示態様を実現できる。
図7は、本発明の第二実施形態に係る光学表示媒体300の製造方法の例を説明するため、光学表示媒体300を分解して模式的に示す破断断面図である。本実施形態に係る光学表示媒体300は、図7に示すように、例えば、第一透光部211、第二透光部212及び接続部213を含む保持部210と、第一透光部211上に設けられた第一反射層351と、第二透光部212上に設けられた第二反射層353と、を含む保持具340を用意する工程;反射基材層352及び支持体層261を備える表示部材350を用意する工程;第一透光部211の第一反射層351が設けられた面と表示部材350の反射基材層352側の面とを接着剤層241を介して接着する工程;並びに、第二透光部212の第二反射層353が設けられた面と表示部材350の支持体層261側の面とを接着剤層242を介して接着する工程;を含む製造方法により、製造できる。
[7.光学表示媒体に係る第三実施形態]
図8は、本発明の第三実施形態に係る光学表示媒体400を模式的に示す断面図である。図8に示すように、本発明の第三実施形態に係る光学表示媒体400は、保持部210及び表示部420を備える。保持部210は、第一実施形態及び第二実施形態と同じに設けられている。
表示部420は、第一透光部211及び第二透光部212の間に設けられている。表示部420は、偏光分離層としての第一反射層351、接着剤層241、偏光分離層としての反射基材層352、支持体層261、位相差層としての位相差基材層471、接着剤層242、及び、偏光分離層としての第二反射層453を、第一透光部211側からこの順に備える。この構成において、第一反射層351は、第一透光部211に対して直接に接着され、第二透光部212に対して接着剤層241、反射基材層352、支持体層261、位相差基材層471、接着剤層242、及び、第二反射層453を介して間接的に接着されている。また、反射基材層352は、第一透光部211に対して接着剤層241及び第一反射層351を介して間接的に接着され、第二透光部212に対して支持体層261、位相差基材層471、接着剤層242及び第二反射層453を介して間接的に接着されている。さらに、第二反射層453は、接着剤層242、位相差基材層471、支持体層261、反射基材層352、接着剤層241及び第一反射層351を介して間接的に接着され、第二透光部212に対して直接に接着されている。第一透光部211、接続部213、第二透光部212及び表示部420は環を形成し、この環の内に、光学表示媒体400を物品本体(図示せず)に取り付けるための中空部430が形成される。
第一反射層351及び反射基材層352は、第二実施形態と同じに設けられている。よって、反射基材層352が反射できる円偏光の回転方向DAと、第一反射層351が反射できる円偏光の回転方向DB1とは、同じである。また、第二反射層453は、反射基材層352が反射できる円偏光の回転方向DAと、第二反射層453が反射できる円偏光の回転方向DB2とが逆であること以外は、第二実施形態と同じに設けられている。図8では、第一反射層351が形成されていないエリアでは第一透光部211と接着剤層241とが離れている例を示すが、第一反射層351が形成されていないエリアで第一透光部211と接着剤層241とが接していてもよい。また、図8では、第二反射層453が形成されていないエリアでは第二透光部212と接着剤層242とが離れている例を示すが、第二反射層453が形成されていないエリアで第二透光部212と接着剤層242とが接していてもよい。
位相差基材層471は、反射基材層352と第二反射層453との間に設けられており、光学異方性を有する。位相差基材層471は、1/2波長板として機能しうる面内レターデーションを有することが好ましい。本実施形態では、厚み方向から見て、位相差基材層471が、表示部320の全体の設けられている例を示す。ただし、位相差基材層471は、厚み方向から見て表示部320の一部に形成されていてもよい。
本実施形態に係る光学表示媒体400を、右円偏光及び左円偏光の両方を含む非偏光の照射光で照らし、第一透光部211を通して表示部420を観察した場合を説明する。
第一反射層351が設けられたエリアでは、照射光が第一反射層351に進入する。この照射光の一部は、回転方向DB1の円偏光として反射される。
また、第一反射層351が設けられていないエリアでは、照射光が反射基材層352に進入する。この照射光の一部は、回転方向DAの円偏光として反射される。
第一反射層351及び反射基材層352で反射されなかった光は、第一反射層351及び反射基材層352を透過して、位相差基材層471を通って、第二反射層453に進入しうる。回転方向DAの円偏光が反射基材層352で反射されるので、反射基材層343を透過した直後の時点では、透過光の一部又は全部は、回転方向DAと逆の回転方向の円偏光となっている。その後、この透過光は、位相差基材層471を通ることによってその回転方向が反転させられる。よって、第二反射層453に進入する時点では、透過光の一部又は全部は、回転方向DAと同じ回転方向の円偏光となっている。本実施形態において、反射基材層352が反射できる円偏光の回転方向DAと、第二反射層453が反射できる円偏光の回転方向DB2とは、逆である。よって、第二反射層453に進入する光は、第二反射層453が反射できる回転方向DB2の円偏光を含まないか、少量しか含まない。したがって、第二反射層453に進入する光の全て又は大部分は、第二反射層453では反射されない。
このように、第一透光部211を通して表示部320を観察すると、第二反射層453で光の反射が生じないか反射が弱いので、観察者は、第二反射層453で反射される光を視認できない。よって、この観察者は、第一反射層351及び反射基材層352を視認するが、第二反射層453を視認できない。
次に、本実施形態に係る光学表示媒体400を、右円偏光及び左円偏光の両方を含む非偏光の照射光で照らし、第二透光部212を通して表示部420を観察した場合を説明する。
第二反射層453が設けられたエリアでは、照射光が第二反射層453に進入する。この照射光の一部は、回転方向DB2の円偏光として反射される。
また、第二反射層453が設けられていないエリアでは、照射光が反射基材層352に進入する。この照射光の一部は、回転方向DAの円偏光として反射される。反射基材層352で反射された円偏光は、位相差基材層471を通ることによって回転方向を反転させられ、外部に出ていく。
第二反射層453及び反射基材層352で反射されなかった光は、第二反射層453及び反射基材層352を透過して、第一反射層351に進入しうる。回転方向DAの円偏光は反射基材層352で反射されるので、反射基材層352を透過して第一反射層351に進入する光の一部又は全部は、回転方向DAと逆の回転方向の円偏光となっている。本実施形態において、反射基材層352が反射できる円偏光の回転方向DAと、第一反射層351が反射できる円偏光の回転方向DB1とは、同じである。よって、第一反射層351に進入する光は、第一反射層351が反射できる回転方向DB1の円偏光を含まないか、少量しか含まない。したがって、第一反射層351に進入する光の全て又は大部分は、第一反射層351では反射されない。
このように、第二透光部212を通して表示部420を観察すると、第一反射層351で光の反射が生じないか反射が弱いので、観察者は、第一反射層351で反射される光を視認できない。よって、この観察者は、第二反射層453及び反射基材層352を視認するが、第一反射層351を視認できない。
したがって、本実施形態に係る光学表示媒体400は、第一透光部211、表示部420及び第二透光部212が透明又は半透明でありながら、第一透光部211を通した観察で視認される表示部420の像と第二透光部212を通した観察で視認される表示部420の像とを相違させられるという、特殊な表示態様を実現できる。
また、円偏光の照射光で光学表示媒体400が照らされた場合、その円偏光の回転方向に応じて、照射光は第一反射層351、反射基材層352及び第二反射層453で反射されたり反射されなかったりする。よって、表示部420を観察する観察者は、照射光としての円偏光の回転方向に応じて、異なる像を視認できる。したがって、この場合も、光学表示媒体400により、特殊な表示態様を実現できる。
図9は、本発明の第三実施形態に係る光学表示媒体400の製造方法の例を説明するため、光学表示媒体400を分解して模式的に示す破断断面図である。本実施形態に係る光学表示媒体400は、図9に示すように、例えば、第一透光部211、第二透光部212及び接続部213を含む保持部210と、第一透光部211上に設けられた第一反射層351と、第二透光部212上に設けられた第二反射層453と、を含む保持具440を用意する工程;反射基材層352、支持体層261及び位相差基材層471をこの順に備える表示部材450を用意する工程;第一透光部211の第一反射層351が設けられた面と表示部材450の反射基材層352側の面とを接着剤層241を介して接着する工程;並びに、第二透光部212の第二反射層453が設けられた面と表示部材450の位相差基材層471側の面とを接着剤層242を介して接着する工程;を含む製造方法により、製造できる。
[8.光学表示媒体に係る第四実施形態]
図10は、本発明の第四実施形態に係る光学表示媒体500を模式的に示す断面図である。図10に示すように、本発明の第四実施形態に係る光学表示媒体500は、保持部210及び表示部520を備える。保持部210は、第一実施形態~第三実施形態と同じに設けられている。
表示部520は、第一透光部211及び第二透光部212の間に設けられている。表示部520は、接着剤層241、偏光分離層としての第一反射層351、偏光分離層としての反射基材層352、支持体層261、偏光分離層としての第二反射層353、及び、接着剤層242を、第一透光部211側からこの順に備える。この構成において、第一反射層351は、第一透光部211に対して接着剤層241を介して間接的に接着され、第二透光部212に対して反射基材層352、支持体層261、第二反射層353及び接着剤層242を介して間接的に接着されている。また、反射基材層352は、第一透光部211に対して第一反射層351及び接着剤層241を介して間接的に接着され、第二透光部212に対して支持体層261、第二反射層353及び接着剤層242を介して間接的に接着されている。さらに、第二反射層353は、支持体層261、反射基材層352、第一反射層351及び接着剤層241を介して間接的に接着され、第二透光部212に対して接着剤層242を介して間接的に接着されている。第一透光部211、接続部213、第二透光部212及び表示部520は環を形成し、この環の内に、光学表示媒体500を物品本体(図示せず)に取り付けるための中空部530が形成される。
第一反射層351、反射基材層352及び第二反射層353は、第二実施形態と同じに設けられている。図10では、第一反射層351が形成されていないエリアでは反射基材層352と接着剤層241とが離れている例を示すが、第一反射層351が形成されていないエリアで反射基材層352と接着剤層241とが接していてもよい。また、図10では、第二反射層353が形成されていないエリアでは支持体層261と接着剤層242とが離れている例を示すが、第二反射層353が形成されていないエリアで支持体層261と接着剤層242とが接していてもよい。
本実施形態に係る光学表示媒体500は、第二実施形態に係る光学表示媒体300と同じく、特殊な表示態様を実現できる。
図11は、本発明の第四実施形態に係る光学表示媒体500の製造方法の例を説明するため、光学表示媒体500を分解して模式的に示す破断断面図である。本実施形態に係る光学表示媒体500は、図11に示すように、例えば、第一透光部211、第二透光部212及び接続部213を含む保持部210を含む保持具240を用意する工程;第一反射層351、反射基材層352、支持体層261及び第二反射層353をこの順に備える表示部材550を用意する工程;第一透光部211と表示部材550の第一反射層351側の面とを接着剤層241を介して接着する工程;並びに、第二透光部212と表示部材550の第二反射層353側の面とを接着剤層242を介して接着する工程;を含む製造方法により、製造できる。
[9.光学表示媒体に係る第五実施形態]
図12は、本発明の第五実施形態に係る光学表示媒体600を模式的に示す断面図である。図12に示すように、本発明の第五実施形態に係る光学表示媒体600は、保持部210及び表示部620を備える。保持部210は、第一実施形態~第四実施形態と同じに設けられている。
表示部620は、第一透光部211及び第二透光部212の間に設けられている。表示部620は、位相差層としての位相差パターン層672、接着剤層241、偏光分離層としての反射基材層352、有色層681、及び、接着剤層242を、第一透光部211側からこの順に備える。この構成において、反射基材層352は、第一透光部211に対して接着剤層241及び位相差パターン層672を介して間接的に接着され、第二透光部212に対して有色層681及び接着剤層242を介して間接的に接着されている。第一透光部211、接続部213、第二透光部212及び表示部620は環を形成し、この環の内に、光学表示媒体600を物品本体(図示せず)に取り付けるための中空部630が形成される。
反射基材層352は、第二実施形態~第四実施形態と同じに設けられている。
厚み方向から見て、位相差パターン層672は、表示部620の一部に、特定の平面形状を有するように設けられている。図12では、位相差パターン層672が形成されていないエリアでは第一透光部211と接着剤層241とが離れている例を示すが、位相差パターン層672が形成されていないエリアで第一透光部211と接着剤層241とが接していてもよい。また、位相差パターン層672は、1/4波長板として機能しうる面内レターデーション、又は、1/2波長板として機能しうる面内レターデーションを有する。
位相差パターン層672が1/4波長板として機能しうる面内レターデーションを有し、且つ、光学表示媒体600が右円偏光及び左円偏光の両方を含む非偏光の照射光で照らされた場合を説明する。この場合、第一透光部211を通して表示部620を裸眼で観察した観察者は、位相差パターン層672を視認することは難しい。しかし、直線偏光板を通して観察した観察者は、直線偏光板の吸収軸と表示パターン層651の遅相軸とがなす角度が適切である場合には、表示パターン層651を視認できる。
具体的には、反射基材層352に非偏光が入射すると、回転方向DAの円偏光が反射される。この円偏光は、位相差パターン層672が設けられていないエリアでは、円偏光のままで第一透光部211を通って出ていく。しかし、反射基材層352で反射された円偏光は、位相差パターン層672が設けられたエリアでは、1/4波長板として機能しうる位相差パターン層672を通ることによって直線偏光に変換される。この直線偏光の振動方向は、位相差パターン層672の遅相軸方向に依存する。よって、直線偏光板の吸収軸と表示パターン層651の遅相軸とがなす角度が適切である場合、位相差パターン層672を通ることによって得られる直線偏光の振動方向は、直線偏光板の吸収軸と平行又は垂直でありうる。直線偏光の振動方向と直線偏光板の吸収軸とが平行である場合、位相差パターン層672は、周囲よりも反射が弱い部分として視認できる。他方、直線偏光の振動方向と直線偏光板の吸収軸とが垂直である場合、位相差パターン層672は、周囲よりも反射が強い部分として視認できる。
位相差パターン層672が1/4波長板として機能しうる面内レターデーションを有し、且つ、光学表示媒体600が円偏光で照らされた場合を説明する。
光学表示媒体600を照らす円偏光の回転方向が、反射基材層352が反射できる円偏光の回転方向DAと同じである場合、位相差パターン層672が設けられていないエリアでは、反射基材層352はその円偏光を強い強度で反射できる。しかし、位相差パターン層672が設けられたエリアでは、位相差パターン層672によって円偏光が直線偏光に変換され、反射基材層342はその直線偏光を弱い強度でしか反射できない。よって、位相差パターン層672は、周囲よりも反射が弱い部分として視認できる。
他方、光学表示媒体600を照らす円偏光の回転方向が、反射基材層352が反射できる円偏光の回転方向DAと逆である場合、位相差パターン層672が設けられていないエリアでは、反射基材層352はその円偏光を反射できない。しかし、位相差パターン層672が設けられたエリアでは、位相差パターン層672によって円偏光が直線偏光に変換され、反射基材層352はその直線偏光の一部を反射できる。よって、位相差パターン層672は、周囲よりも反射が強い部分として視認できる。
位相差パターン層672が1/2波長板として機能しうる面内レターデーションを有し、且つ、光学表示媒体600が右円偏光及び左円偏光の両方を含む非偏光の照射光で照らされた場合を説明する。この場合、第一透光部211を通して表示部620を裸眼で観察した観察者は、位相差パターン層672を視認することは難しい。しかし、適切な円偏光板を通して観察した観察者は、位相差パターン層672を視認できる。
具体的には、反射基材層352に非偏光が入射すると、回転方向DAの円偏光が反射される。この円偏光は、位相差パターン層672が設けられていないエリアでは、回転方向DAの円偏光のままで第一透光部211を通って出ていく。しかし、位相差パターン層672が設けられたエリアでは、1/2波長板として機能しうる位相差パターン層672を通ることによって円偏光の回転方向が反転される。よって、円偏光板が回転方向DAの円偏光を透過してその逆の回転方向の円偏光を遮る場合、位相差パターン層672は、周囲よりも反射が弱いか反射が無い部分として視認できる。他方、円偏光板が回転方向DAの円偏光を遮りその逆の回転方向の円偏光を透過させる場合、位相差パターン層672は、周囲よりも反射が強い部分として視認できる。
位相差パターン層672が1/2波長板として機能しうる面内レターデーションを有し、且つ、光学表示媒体600が円偏光の照射光で照らされた場合を説明する。
光学表示媒体600を照らす円偏光の回転方向が、反射基材層352が反射できる円偏光の回転方向DAと同じである場合、位相差パターン層672が設けられていないエリアでは、反射基材層352はその円偏光を反射できる。しかし、位相差パターン層672が設けられたエリアでは、位相差パターン層672を通ることによって円偏光の回転方向が反転されるので、反射基材層352はその円偏光を反射できない。よって、位相差パターン層672は、周囲よりも反射が弱いか無い部分として視認できる。
他方、光学表示媒体600を照らす円偏光の回転方向が、反射基材層352が反射できる円偏光の回転方向DAと逆である場合、位相差パターン層672が設けられていないエリアでは、反射基材層352はその円偏光を反射できない。しかし、位相差パターン層672が設けられたエリアでは、位相差パターン層672を通ることによって円偏光の回転方向が反転されるので、反射基材層352はその円偏光を反射できる。よって、位相差パターン層672は、周囲よりも反射が強い部分として視認できる。
前記のように、本実施形態に係る光学表示媒体600は、照射光の種類、及び、偏光板の種類に応じて、異なる像を視認できる。したがって、光学表示媒体600により、特殊な表示態様を実現できる。また、光学表示媒体600は、有色層681を備えるので、表示部620を透過する光を排除して位相差パターン層672の視認性を高めたり、有色層681によってデザインを多様化させたりすることができる。
図13は、本発明の第五実施形態に係る光学表示媒体600の製造方法の例を説明するため、光学表示媒体600を分解して模式的に示す破断断面図である。本実施形態に係る光学表示媒体600は、図13に示すように、例えば、第一透光部211、第二透光部212及び接続部213を含む保持部210と、第一透光部211上に設けられた位相差パターン層672と、を含む保持具640を用意する工程;反射基材層352及び有色層681を備える表示部材650を用意する工程;第一透光部211の位相差パターン層672が設けられた面と表示部材650の反射基材層352側の面とを接着剤層241を介して接着する工程;並びに、第二透光部212と表示部材650の有色層681側の面とを接着剤層242を介して接着する工程;を含む製造方法により、製造できる。
[10.光学表示媒体に係る第六実施形態]
図14は、本発明の第六実施形態に係る光学表示媒体700を模式的に示す断面図である。図14に示すように、本発明の第六実施形態に係る光学表示媒体700は、保持部210及び表示部720を備える。保持部210は、第一実施形態~第五実施形態と同じに設けられている。
表示部720は、第一透光部211及び第二透光部212の間に設けられている。表示部720は、接着剤層241、位相差層としての位相差パターン層672、偏光分離層としての反射基材層352、有色層681、及び、接着剤層242を、第一透光部211側からこの順に備える。この構成において、反射基材層352は、第一透光部211に対して位相差パターン層672及び接着剤層241を介して間接的に接着され、第二透光部212に対して有色層681及び接着剤層242を介して間接的に接着されている。第一透光部211、接続部213、第二透光部212及び表示部720は環を形成し、この環の内に、光学表示媒体700を物品本体(図示せず)に取り付けるための中空部730が形成される。
反射基材層352は、第二実施形態~第五実施形態と同じに設けられている。また、位相差パターン層672は、第五実施形態と同じに設けられている。図14では、位相差パターン層672が形成されていないエリアでは接着剤層241と反射基材層352とが離れている例を示すが、位相差パターン層672が形成されていないエリアで接着剤層241と反射基材層352とが接していてもよい。
本実施形態に係る光学表示媒体700は、第五実施形態で説明した光学表示媒体600と同じく、特殊な表示態様を実現できる。また、光学表示媒体700は、第五実施形態で説明した光学表示媒体600と同じ利点を得ることができる。
図15は、本発明の第六実施形態に係る光学表示媒体700の製造方法の例を説明するため、光学表示媒体700を分解して模式的に示す破断断面図である。本実施形態に係る光学表示媒体700は、図15に示すように、例えば、第一透光部211、第二透光部212及び接続部213を含む保持部210を含む保持具240を用意する工程;位相差パターン層672、反射基材層352及び有色層681をこの順で備える表示部材750を用意する工程;第一透光部211と表示部材750の位相差パターン層672側の面とを接着剤層241を介して接着する工程;並びに、第二透光部212と表示部材750の有色層681側の面とを接着剤層242を介して接着する工程;を含む製造方法により、製造できる。
[10.光学表示媒体に係る第七実施形態]
図16は、本発明の第七実施形態に係る光学表示媒体800を模式的に示す断面図である。図16に示すように、本発明の第七実施形態に係る光学表示媒体800は、保持部210及び表示部820を備える。保持部210は、第一実施形態~第六実施形態と同じに設けられている。
表示部820は、第一透光部211及び第二透光部212の間に設けられている。表示部820は、位相差層としての位相差パターン層672、接着剤層241、偏光分離層としての反射基材層352、有色層681、偏光分離層としての反射基材層852、接着剤層242、及び、位相差層としての位相差パターン層872を、第一透光部211側からこの順に備える。この構成において、反射基材層352は、第一透光部211に対して接着剤層241及び位相差パターン層672を介して間接的に接着され、第二透光部212に対して有色層681、反射基材層852、接着剤層242及び位相差パターン層872を介して間接的に接着されている。また、反射基材層852は、第一透光部211に対して有色層681、反射基材層352、接着剤層241及び位相差パターン層672を介して間接的に接着され、第二透光部212に対して接着剤層242及び位相差パターン層872を介して間接的に接着されている。第一透光部211、接続部213、第二透光部212及び表示部820は環を形成し、この環の内に、光学表示媒体800を物品本体(図示せず)に取り付けるための中空部830が形成される。
反射基材層352は、第二実施形態~第六実施形態と同じに設けられている。また、反射基材層852は、設置位置以外は、反射基材層352と同じに設けられている。
位相差パターン層672は、第五実施形態及び第六実施形態と同じに設けられている。また、位相差パターン層872は、設置位置以外は、位相差パターン層672と同じに設けられている。図16では、位相差パターン層872が形成されていないエリアでは第二透光部212と接着剤層242とが離れている例を示すが、位相差パターン層872が形成されていないエリアで第二透光部212と接着剤層242とが接していてもよい。
本実施形態に係る光学表示媒体800は、第五実施形態で説明した光学表示媒体600と同じく、第一透光部211を通して表示部820を観察した場合に、特殊な表示態様を実現できる。さらに、本実施形態に係る光学表示媒体800は、表示部820が有色層681と第二透光部212との間に反射基材層852及び位相差パターン層872を備える。よって、第二透光部212を通して表示部820を観察した場合に、第一透光部211を通して表示部820を観察した場合と同じく、特殊な表示態様を実現できる。さらに、光学表示媒体800は、第五実施形態で説明した光学表示媒体800と同じ利点を得ることができる。
図17は、本発明の第七実施形態に係る光学表示媒体800の製造方法の例を説明するため、光学表示媒体800を分解して模式的に示す破断断面図である。本実施形態に係る光学表示媒体800は、図17に示すように、例えば、第一透光部211、第二透光部212及び接続部213を含む保持部210と、第一透光部211上に設けられた位相差パターン層672と、第二透光部212上に設けられた位相差パターン層872と、を含む保持具840を用意する工程;反射基材層352、有色層681及び反射基材層852をこの順で備える表示部材850を用意する工程;第一透光部211の位相差パターン層672が設けられた面と表示部材850の反射基材層352側の面とを接着剤層241を介して接着する工程;並びに、第二透光部212の位相差パターン層872が設けられた面と表示部材850の反射基材層852側の面とを接着剤層242を介して接着する工程;を含む製造方法により、製造できる。
[11.光学表示媒体に係る第八実施形態]
図18は、本発明の第八実施形態に係る光学表示媒体900を模式的に示す断面図である。図18に示すように、本発明の第八実施形態に係る光学表示媒体900は、保持部210及び表示部920を備える。保持部210は、第一実施形態~第七実施形態と同じに設けられている。
表示部920は、第一透光部211及び第二透光部212の間に設けられている。表示部920は、接着剤層241、位相差層としての位相差パターン層672、偏光分離層としての反射基材層352、有色層681、偏光分離層としての反射基材層852、位相差層としての位相差パターン層872、及び、接着剤層242を、第一透光部211側からこの順に備える。この構成において、反射基材層352は、第一透光部211に対して位相差パターン層672及び接着剤層241を介して間接的に接着され、第二透光部212に対して有色層681、反射基材層852、位相差パターン層872及び接着剤層242を介して間接的に接着されている。また、反射基材層852は、第一透光部211に対して有色層681、反射基材層352、位相差パターン層672及び接着剤層241を介して間接的に接着され、第二透光部212に対して位相差パターン層872及び接着剤層242を介して間接的に接着されている。第一透光部211、接続部213、第二透光部212及び表示部920は環を形成し、この環の内に、光学表示媒体900を物品本体(図示せず)に取り付けるための中空部930が形成される。
反射基材層352、反射基材層852、位相差パターン層672及び位相差パターン層872は、第七実施形態と同じに設けられている。図18では、位相差パターン層672が形成されていないエリアでは反射基材層352と接着剤層241とが離れている例を示すが、位相差パターン層672が形成されていないエリアで反射基材層352と接着剤層241とが接していてもよい。また、図18では、位相差パターン層872が形成されていないエリアでは反射基材層852と接着剤層242とが離れている例を示すが、位相差パターン層872が形成されていないエリアで反射基材層852と接着剤層242とが接していてもよい。
本実施形態に係る光学表示媒体900は、第七実施形態で説明した光学表示媒体800と同じく、第一透光部211を通して表示部920を観察した場合、及び、第二透光部212を通して表示部920を観察した場合のいずれにも、特殊な表示態様を実現できる。さらに、光学表示媒体900は、第五実施形態で説明した光学表示媒体800と同じ利点を得ることができる。
図19は、本発明の第八実施形態に係る光学表示媒体900の製造方法の例を説明するため、光学表示媒体900を分解して模式的に示す破断断面図である。本実施形態に係る光学表示媒体900は、図19に示すように、例えば、第一透光部211、第二透光部212及び接続部213を含む保持部210とを含む保持具240を用意する工程;位相差パターン層672、反射基材層352、有色層681、反射基材層852及び位相差パターン層872をこの順で備える表示部材950を用意する工程;第一透光部211と表示部材950の位相差パターン層672側の面とを接着剤層241を介して接着する工程;並びに、第二透光部212と表示部材950の位相差パターン層872側の面とを接着剤層242を介して接着する工程;を含む製造方法により、製造できる。
[12.光学表示媒体に係る第九実施形態]
図20は、本発明の第九実施形態に係る光学表示媒体1000を模式的に示す断面図である。図20に示すように、本発明の第九実施形態に係る光学表示媒体1000は、保持部1010及び表示部1020を備える。
保持部1010は、継ぎ目なく連続的に形成された第一透光部1011、第二透光部1012及び接続部1013を備える。本実施形態に係る第一透光部1011及び第二透光部1012は透明な部分であり、互いに対向して設けられている。
第一透光部1011には、厚み方向から見て一部に、特定の平面形状を有するように開口1014が形成されている。また、第一透光部1011は、光学異方性を有している。好ましくは、第一透光部1011は、1/4波長板として機能しうる面内レターデーション、又は、1/2波長板として機能しうる面内レターデーションを有する。本実施形態では、第一透光部1011、第二透光部1012及び接続部1013を含む保持部1010の全体が、第一透光部1011と同じ光学異方性を有する例を示す。
表示部1020は、第一透光部1011及び第二透光部1012の間に設けられている。表示部1020は、接着剤層241、偏光分離層としての反射基材層352、有色層681、及び、接着剤層242を、第一透光部1011側からこの順に備える。この構成において、反射基材層352は、第一透光部1011に対して接着剤層241を介して間接的に接着され、第二透光部212に対して有色層681及び接着剤層242を介して間接的に接着されている。第一透光部1011、接続部1013、第二透光部1012及び表示部1020は環を形成し、この環の内に、光学表示媒体1000を物品本体(図示せず)に取り付けるための中空部1030が形成される。
反射基材層352は、第二実施形態~第八実施形態と同じに設けられている。
第一透光部1011が1/4波長板として機能しうる面内レターデーションを有し、且つ、光学表示媒体1000が右円偏光及び左円偏光の両方を含む非偏光の照射光で照らされた場合を説明する。この場合、第一透光部1011を通して表示部1020を裸眼で観察した観察者は、第一透光部1011に形成された開口1014を視認することは難しい。しかし、直線偏光板を通して観察した観察者は、直線偏光板の吸収軸と第一透光部1011の遅相軸とがなす角度が適切である場合には、開口1014を視認できる。
具体的には、反射基材層352に非偏光が入射すると、回転方向DAの円偏光が反射される。この円偏光は、第一透光部1011に開口1014が形成されたエリアでは、円偏光のままで開口1014を通って出ていく。しかし、反射基材層352で反射された円偏光は、第一透光部1011に開口1014が形成されていないエリアでは、1/4波長板として機能しうる第一透光部1011を通ることによって直線偏光に変換される。この直線偏光の振動方向は、第一透光部1011の遅相軸方向に依存する。よって、直線偏光板の吸収軸と第一透光部1011の遅相軸とがなす角度が適切である場合、第一透光部1011を通ることによって得られる直線偏光の振動方向は、直線偏光板の吸収軸と平行又は垂直でありうる。直線偏光の振動方向と直線偏光板の吸収軸とが平行である場合、第一透光部1011は、開口1014よりも反射が弱い部分として視認できる。よって、開口1014は、周囲よりも反射が強い部分として視認できる。他方、直線偏光の振動方向と直線偏光板の吸収軸とが垂直である場合、第一透光部1011は、開口1014よりも反射が強い部分として視認できる。よって、開口1014は、周囲よりも反射が弱い部分として視認できる。
第一透光部1011が1/4波長板として機能しうる面内レターデーションを有し、且つ、光学表示媒体1000が円偏光で照らされた場合を説明する。
光学表示媒体1000を照らす円偏光の回転方向が、反射基材層352が反射できる円偏光の回転方向DAと同じである場合、第一透光部1011に開口1014が形成されたエリアでは、反射基材層352はその円偏光を強い強度で反射できる。しかし、第一透光部1011に開口が形成されていないエリアでは、第一透光部1011によって円偏光が直線偏光に変換され、反射基材層342はその直線偏光を弱い強度でしか反射できない。よって、第一透光部1011は、開口1014よりも反射が弱い部分として視認できる。よって、開口1014は、周囲よりも反射が強い部分として視認できる。
他方、光学表示媒体1000を照らす円偏光の回転方向が、反射基材層352が反射できる円偏光の回転方向DAと逆である場合、第一透光部1011に開口1014が形成されたエリアでは、反射基材層352はその円偏光を反射できない。しかし、第一透光部1011に開口が形成されていないエリアでは、第一透光部1011によって円偏光が直線偏光に変換され、反射基材層352はその直線偏光を反射できる。よって、第一透光部1011は、周囲よりも反射が強い部分として視認できる。よって、開口1014は、周囲よりも反射が弱い部分として視認できる。
第一透光部1011が1/2波長板として機能しうる面内レターデーションを有し、且つ、光学表示媒体1000が右円偏光及び左円偏光の両方を含む非偏光の照射光で照らされた場合を説明する。この場合、第一透光部1011を通して表示部1020を裸眼で観察した観察者は、第一透光部1011に形成された開口1014を視認することは難しい。しかし、適切な円偏光板を通して観察した観察者は、開口1014を視認できる。
具体的には、反射基材層352に非偏光が入射すると、回転方向DAの円偏光が反射される。この円偏光は、第一透光部1011に開口1014が形成されたエリアでは、回転方向DAの円偏光のままで開口1014を通って出ていく。しかし、第一透光部1011に開口1014が形成されていないエリアでは、1/2波長板として機能しうる第一透光部1011を通ることによって円偏光の回転方向が反転される。よって、円偏光板が回転方向DAの円偏光を透過してその逆の回転方向の円偏光を遮る場合、開口1014は、周囲よりも反射が強い部分として視認できる。他方、円偏光板が回転方向DAの円偏光を遮りその逆の回転方向の円偏光を透過させる場合、位相差パターン層672は、周囲よりも反射が弱いか反射が無い部分として視認できる。
第一透光部1011が1/2波長板として機能しうる面内レターデーションを有し、且つ、光学表示媒体1000が円偏光の照射光で照らされた場合を説明する。
光学表示媒体1000を照らす円偏光の回転方向が、反射基材層352が反射できる円偏光の回転方向DAと同じである場合、第一透光部1011に開口1014が形成されたエリアでは、反射基材層352はその円偏光を反射できる。しかし、第一透光部1011に開口1014が形成されていないエリアでは、第一透光部1011通ることによって円偏光の回転方向が反転されるので、反射基材層352はその円偏光を反射できない。よって、開口1014は、周囲よりも反射が強い部分として視認できる。
他方、光学表示媒体1000を照らす円偏光の回転方向が、反射基材層352が反射できる円偏光の回転方向DAと逆である場合、第一透光部1011に開口1014が形成されたエリアでは、反射基材層352はその円偏光を反射できない。しかし、第一透光部1011に開口1014が形成されていないエリアでは、第一透光部1011を通ることによって円偏光の回転方向が反転されるので、反射基材層352はその円偏光を反射できる。よって、開口1014は、周囲よりも反射が弱いか反射が無い部分として視認できる。
前記のように、本実施形態に係る光学表示媒体1000は、照射光の種類、及び、偏光板の種類に応じて、異なる像を視認できる。したがって、光学表示媒体1000により、特殊な表示態様を実現できる。また、光学表示媒体1000は、有色層681を備えるので、表示部1020を透過する光を排除して開口1014の視認性を高めたり、有色層681によってデザインを多様化させたりすることができる。
図21は、本発明の第九実施形態に係る光学表示媒体1000の製造方法の例を説明するため、光学表示媒体1000を分解して模式的に示す破断断面図である。本実施形態に係る光学表示媒体1000は、図21に示すように、例えば、第一透光部1011、第二透光部1012及び接続部1013を含む保持部1010を含む保持具1040を用意する工程;反射基材層352及び有色層681を備える表示部材650を用意する工程;第一透光部1011と表示部材650の反射基材層352側の面とを接着剤層241を介して接着する工程;並びに、第二透光部1012と表示部材650の有色層681側の面とを接着剤層242を介して接着する工程;を含む製造方法により、製造できる。
[13.光学表示媒体に係る第十実施形態]
図22は、本発明の第十実施形態に係る光学表示媒体1100を模式的に示す断面図である。図22に示すように、本発明の第十実施形態に係る光学表示媒体1100は、保持具1110及び表示部1120を備える。
保持部1110は、第一透光部1111だけでなく第二透光部1112にも開口1014及び1115が形成されていること以外は、第九実施形態に係る保持部1010と同じに設けられている。よって、保持部1110は、継ぎ目なく連続的に形成された第一透光部1111、第二透光部1112及び接続部1113を備える。第一透光部1111及び第二透光部1112は透明な部分であり、互いに対向して設けられている。
第一透光部1111には、厚み方向から見て一部に、特定の平面形状を有するように開口1014が形成されている。また、第二透光部1112には、厚み方向から見て一部に、特定の平面形状を有するように開口1115が形成されている。第一透光部1111及び第二透光部1112は、光学異方性を有している。
表示部1120は、第一透光部1111及び第二透光部1112の間に設けられている。表示部1020は、接着剤層241、偏光分離層としての反射基材層352、有色層681、偏光分離層としての反射基材層852、及び、接着剤層242を、第一透光部211側からこの順に備える。この構成において、反射基材層352は、第一透光部1111に対して接着剤層241を介して間接的に接着され、第二透光部1112に対して有色層681、反射基材層852及び接着剤層242を介して間接的に接着されている。また、反射基材層852は、第一透光部1111に対して有色層681、反射基材層352及び接着剤層241を介して間接的に接着され、第二透光部1112に対して接着剤層242を介して間接的に接着されている。第一透光部1111、接続部1113、第二透光部1112及び表示部1120は環を形成し、この環の内に、光学表示媒体1100を物品本体(図示せず)に取り付けるための中空部1130が形成される。
反射基材層352は、第二実施形態~第九実施形態と同じに設けられている。また、反射基材層852は、設置位置以外は、反射基材層352と同じに設けられている。
本実施形態に係る光学表示媒体1100は、第九実施形態で説明した光学表示媒体1000と同じく、第一透光部1111を通して表示部1120を観察した場合に、特殊な表示態様を実現できる。さらに、本実施形態に係る光学表示媒体1100は、表示部1120が有色層681と第二透光部212との間に反射基材層852を備え、且つ、第二透光部1012に開口1114が形成されている。よって、第二透光部1112を通して表示部1120を観察した場合に、第一透光部1111を通して表示部1120を観察した場合と同じく、特殊な表示態様を実現できる。さらに、光学表示媒体1100は、第九実施形態で説明した光学表示媒体1000と同じ利点を得ることができる。
図23は、本発明の第十実施形態に係る光学表示媒体1100の製造方法の例を説明するため、光学表示媒体1100を分解して模式的に示す破断断面図である。本実施形態に係る光学表示媒体1100は、図23に示すように、例えば、第一透光部1111、第二透光部1112及び接続部1113を含む保持部1110を含む保持具1140を用意する工程;反射基材層352、有色層681及び反射基材層852をこの順で備える表示部材850を用意する工程;第一透光部1111と表示部材850の反射基材層352側の面とを接着剤層241を介して接着する工程;並びに、第二透光部1112と表示部材850の反射基材層852側の面とを接着剤層242を介して接着する工程;を含む製造方法により、製造できる。
[14.光学表示媒体を備える物品]
上述した光学表示媒体は、真正性の識別用途に用いることができる。例えば、真正性の識別が求められる物品本体に、上述した光学表示媒体を装着することにより、光学表示媒体の表示部による特殊な表示態様を利用して、真正性の識別が可能な物品を得ることができる。
例えば、物品本体としてのバッグに光学表示媒体を装着する場合を例に挙げて説明する。図24は、本発明の一実施形態に係る物品1200の光学表示媒体100の近傍を拡大して模式的に示す斜視図である。図24に示すように、物品本体としてのバッグに光学表示媒体100を装着して物品1200を得る場合、そのバッグの取っ手部1210が光学表示媒体100の保持部110の接続部113の内側に形成される中空部130に通るように、光学表示媒体100を装着する。このように光学表示媒体100が装着されたバッグは、光学表示媒体100が上述した特殊な表示態様を実現してる場合、真正なものであると識別できる。また、バッグに装着された光学表示媒体100は、当該光学表示媒体100を破壊しなければバッグから取り外すことができないので、再利用の困難性が高められている。ここで、光学表示媒体100が取り付けられる位置は、取っ手部1210に限定されない。また、物品本体は、バッグに限定されない。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り重量基準である。また、以下の操作は、別に断らない限り、常温常圧大気中にて行った。
以下の説明において、市販の粘着剤としては、別に断らない限り、日東電工社製の透明延着テープ「LUCIACS CS9621T」(厚み25μm、可視光透過率90%以上、面内レターデーション3nm以下)を用いた。
[面内レターデーションの測定方法]
面内レターデーションは、測定波長550nmにおいて、位相差計(Axometrics社製「Axoscan」)を用いて測定した。
[CLC硬化層の反射率の測定方法]
複層フィルムから基材フィルムを剥離して、CLC硬化層を得た。このCLC硬化層に、非偏光(波長400nm~800nm)を入射したときの反射率を、紫外可視分光光度計(日本分光社製「UV-Vis 550」)を用いて測定した。
[製造例1:広帯域の右円偏光を反射できるCLC硬化層(CLC_W)の製造]
下記式(X1)で表される光重合性の液晶性化合物100部と、下記式(X2)で表される光重合性の非液晶性化合物25部と、カイラル剤(BASF社製「LC756」)8部と、光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュア907」)5部と、界面活性剤(AGCセイミケミカル社製「S-420」)0.15部と、溶媒としてのシクロペンタノン320部とを混合して、コレステリック液晶組成物を調製した。
基材フィルムとして、長尺のポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製「A4100」;厚み100μm)を用意した。この基材フィルムをフィルム搬送装置の繰り出し部に取り付け、当該基材フィルムを長尺方向に搬送しながら以下の操作を行った。
基材フィルムの表面に、搬送方向と平行な長尺方向へラビング処理を施した。次に、ラビング処理を施した基材フィルムの面に、ダイコーターを用いてコレステリック液晶組成物を塗工して、コレステリック液晶組成物の層を形成した。このコレステリック液晶組成物の層に、120℃で4分間加熱する配向処理を施した。その後、コレステリック液晶組成物の層に、広帯域化処理を施した。この広帯域化処理では、5mJ/cm2~30mJ/cm2の弱い紫外線照射と100℃~120℃の加温処理を交互に複数回繰り返すことで、得られるCLC硬化層の選択波長範囲の波長幅を所望の帯域幅に制御した。その後、800mJ/cm2の紫外線をコレステリック液晶組成物の層に照射して、コレステリック液晶組成物の層を硬化させた。これにより、基材フィルム、及び、厚み5.2μmのCLC硬化層を備える複層フィルムを得た。このCLC硬化層を、以下「CLC硬化層(CLC_W)」ということがある。
この複層フィルムのCLC硬化層(CLC_W)の反射率を、上述した測定方法で測定した。測定の結果、CLC硬化層(CLC_W)は、450nmから700nmまでの波長範囲に、非偏光に対する反射率が40%以上となる選択反射範囲を有していた。円偏光板を用いて調べたところ、このCLC硬化層(CLC_W)は、右円偏光を反射し、左円偏光を透過させるものであった。
[製造例2:赤色の右円偏光を反射できるCLC硬化層(CLC_R)の製造]
カイラル剤(BASF社製「LC756」)8部の代わりに、カイラル剤(BASF社製「LC756」)7部を用いた。また、広帯域化処理を実施しなかった。さらに、コレステリック液晶組成物の塗工量を、得られるCLC硬化層の膜厚が3.5μmとなるように変更した。以上の事項以外は、製造例1と同じ方法により、基材フィルム及びCLC硬化層を備える複層フィルムを製造した。このCLC硬化層を、以下「CLC硬化層(CLC_R)」ということがある。
この複層フィルムのCLC硬化層(CLC_R)の反射率を、上述した測定方法で測定した。測定の結果、CLC硬化層(CLC_R)は、650nm付近に中心波長を有し、半値幅が20nm程度の波長範囲に、非偏光に対する反射率が40%以上となる選択反射範囲を有していた。このCLC硬化層(CLC_R)での反射光は、目視で赤と認識された。円偏光板を用いて調べたところ、このCLC硬化層(CLC_R)は、右円偏光を反射し、左円偏光を透過させるものであった。
[製造例3:緑色の右円偏光を反射できるCLC硬化層(CLC_G)の製造]
広帯域化処理を実施しなかった。また、コレステリック液晶組成物の塗工量を、得られるCLC硬化層の膜厚が3.5μmとなるように変更した。以上の事項以外は、製造例1と同じ方法により、基材フィルム及びCLC硬化層を備える複層フィルムを製造した。このCLC硬化層を、以下「CLC硬化層(CLC_G)」ということがある。
この複層フィルムのCLC硬化層(CLC_G)の反射率を、上述した測定方法で測定した。測定の結果、CLC硬化層(CLC_G)は、550nm付近に中心波長を有し、半値幅が20nm程度の波長範囲に、非偏光に対する反射率が40%以上となる選択反射範囲を有していた。このCLC硬化層(CLC_G)での反射光は、目視で緑と認識された。円偏光板を用いて調べたところ、このCLC硬化層(CLC_G)は、右円偏光を反射し、左円偏光を透過させるものであった。
[製造例4:緑色の左(逆右)円偏光を反射できるCLC硬化層(CLC_rG)の製造]
カイラル剤(BASF社製「LC756」)8部の代わりに、下記式(X3)に示すD-マンニトール,1,4:3,6-ジヒドロ-,2,5-ビス[4-[[[6-[[[4-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)オキシ]ブトキシ]カルボニル]オキシ]-2-ナフタレニル]カルボニル]オキシ]ベンゾエート]8部を用いた。また、広帯域化処理を実施しなかった。さらに、コレステリック液晶組成物の塗工量を、得られるCLC硬化層の膜厚が3.5μmとなるように変更した。以上の事項以外は、製造例1と同じ方法により、基材フィルム及びCLC硬化層を備える複層フィルムを製造した。このCLC硬化層を、以下「CLC硬化層(CLC_rG)」ということがある。
この複層フィルムのCLC硬化層(CLC_rG)の反射率を、上述した測定方法で測定した。測定の結果、CLC硬化層(CLC_rG)は、550nm付近に中心波長を有し、半値幅が20nm程度の波長範囲に、非偏光に対する反射率が40%以上となる選択反射範囲を有していた。このCLC硬化層(CLC_rG)での反射光は、目視で緑と認識された。円偏光板を用いて調べたところ、このCLC硬化層(CLC_rG)は、左円偏光を反射し、右円偏光を透過させるものであった。
[製造例5:青色の右円偏光を反射できるCLC硬化層(CLC_B)の製造]
カイラル剤(BASF社製「LC756」)の量を10部へと変更した。また、広帯域化処理を実施しなかった。さらに、コレステリック液晶組成物の塗工量を、得られるCLC硬化層の膜厚が3.5μmとなるように変更した。以上の事項以外は、製造例1と同じ方法により、基材フィルム及びCLC硬化層を備える複層フィルムを製造した。このCLC硬化層を、以下「CLC硬化層(CLC_B)」ということがある。
この複層フィルムのCLC硬化層(CLC_B)の反射率を、上述した測定方法で測定した。測定の結果、CLC硬化層(CLC_B)は、450nm付近に中心波長を有し、半値幅が20nm程度の波長範囲に、非偏光に対する反射率が40%以上となる選択反射範囲を有していた。このCLC硬化層(CLC_B)での反射光は、目視で青と認識された。円偏光板を用いて調べたところ、このCLC硬化層(CLC_B)は、右円偏光を反射し、左円偏光を透過させるものであった。
[製造例6.切り込みが形成されたCLC硬化層(CLC_WB)の製造]
製造例1で製造した複層フィルムのCLC硬化層(CLC_W)に対して、国際公開第2019/189246号の実施例1に記載の方法で、直線状に複数の切り込みを形成して、CLC硬化層(CLC_WB)を得た。前記の切り込みは、互いに垂直な2方向に、50μm間隔で形成した。また、切り込みの深さは、CLC硬化層(CLC_W)の厚みより深く、且つ、基材フィルムを完全には切断しないように調整した。切り込みの深さの調整は、プレス圧を調整することにより行った。得られたCLC硬化層(CLC_WB)は、切り込みによって区画された多数の小片層を含んでいた。これらの小片層は、互いに垂直な2方向に並んでおり、いずれも、厚み方向から見て50μm角の正方形であった。
[製造例7:CLC硬化層(CLC_W)のフレーク(FW)を含むインキの製造]
製造例1で製造した複層フィルムから、CLC硬化層(CLC_W)を剥がした。CLC硬化層(CLC_W)を粉砕して、フレーク(FW)を得た。このフレーク(FW)10部を、スクリーンインキ(十条ケミカル社製「No.2500メジウム」)85部及び当該スクリーンインキの専用希釈剤(テトロン標準溶剤)5部と混合して、インキを得た。
[製造例8:CLC硬化層(CLC_R)のフレーク(FR)を含むインキの製造]
製造例1で製造した複層フィルムの代わりに、製造例2で製造した複層フィルムを用いたこと以外は製造例7と同じ方法により、CLC硬化層(CLC_R)のフレーク(FR)を含むインキを製造した。
[製造例9:CLC硬化層(CLC_G)のフレーク(FG)を含むインキの製造]
製造例1で製造した複層フィルムの代わりに、製造例3で製造した複層フィルムを用いたこと以外は製造例7と同じ方法により、CLC硬化層(CLC_G)のフレーク(FG)を含むインキを製造した。
[製造例10:CLC硬化層(CLC_rG)のフレーク(FG_r)を含むインキの製造]
製造例1で製造した複層フィルムの代わりに、製造例4で製造した複層フィルムを用いたこと以外は製造例7と同じ方法により、CLC硬化層(CLC_rG)のフレーク(FG_r)を含むインキを製造した。
[製造例11:CLC硬化層(CLC_B)のフレーク(FB)を含むインキの製造]
製造例1で製造した複層フィルムの代わりに、製造例5で製造した複層フィルムを用いたこと以外は製造例7と同じ方法により、CLC硬化層(CLC_B)のフレーク(FB)を含むインキを製造した。
[製造例12:位相差フィルム(H)の製造]
環式構造含有重合体としてのノルボルネン系重合体を含む樹脂フィルム(日本ゼオン社製「ZEONORフィルム」;押出成形によって製造されたフィルム。未延伸品)を用意した。この樹脂フィルムを、延伸温度130℃で一方向に延伸して、1/2波長板として機能できる面内レターデーションを有する位相差フィルム(H)を得た。この位相差フィルム(H)の厚みは38μm、面内レターデーションは280nmであった。
[製造例13:位相差フィルム(Q)の製造]
環式構造含有重合体としてのノルボルネン系重合体を含む樹脂フィルム(日本ゼオン社製「ZEONORフィルム」;押出成形によって製造されたフィルム。未延伸品)を用意した。この樹脂フィルムを、延伸温度130℃で一方向に延伸して、1/4波長板として機能できる面内レターデーションを有する位相差フィルム(Q)を得た。この位相差フィルムの厚みは47μm、面内レターデーションは143nmであった。
[実施例101]
(保持具の製造)
面内レターデーションを実質的に有さない光学等方性の塩化ビニル製フィルム(株式会社オカモト製、ニューセレブ(製品名)、膜厚300μm)を打ち抜いて、保持部としての保持具Aを得た。保持具Aは、丸みを帯びた矩形状の第一透光部及び第二透光部と、これら第一透光部及び第二透光部を接続するベルト状の接続部とを有していた。第一透光部及び第二透光部は、形状及びサイズが同じであった。単一のフィルムから打ち抜きによって製造されたので、保持具Aは一体成形されており、よって第一透光部、接続部及び第二透光部は継ぎ目なく連続的に形成されていた。
保持具Aの第一透光部の片面に、製造例7で製造したフレーク(FW)を含むインキをスクリーン印刷し、乾燥して、第一反射層を形成した。第一反射層は、厚み方向から見て、文字「Genuine」の鏡像の形状を有していた。
また、保持具Aの第二透光部の片面に、製造例7で製造したフレーク(FW)を含むインキをスクリーン印刷し、乾燥して、第二反射層を形成した。第二反射層は、厚み方向から見て、文字「ZEON Pro.」の鏡像の形状を有していた。
図25は、実施例101で製造された保持具Apを模式的に示す平面図である。図25に示すように、前記の印刷により、継ぎ目なく連続的に形成された第一透光部11、第二透光部12及び接続部13を含む保持具Aと、保持具Aの第一透光部11の片面に設けられた第一反射層14と、保持具Aの第二透光部12の片面に設けられた第二反射層15と、を備える保持具Apを得た。
(表示部材の製造)
長尺の透明な支持体(ノルボルネン系重合体を含む日本ゼオン社製の樹脂フィルム「ゼオノアフィルム ZF16」;面内レターデーションを有さない光学等方性のフィルム;膜厚100μm)の片面に、粘着剤を用いて、製造例1で製造した複層フィルムのCLC硬化層(CLC_W)を、ロールtoロールで貼り合わせた。その後、複層フィルムの基材フィルムを剥離して長尺の中間フィルムX1を得た。中間フィルムX1を、保持具Aの第一透光部と同じ形状に打ち抜いて、CLC硬化層(CLC_W)としての反射基材層と、粘着剤の層と、支持体とをこの順で備える表示部材A01を得た。
(タグの製造及び取り付け)
保持具Apの接続部を市販のバッグの取っ手部に引っ掛け、第一透光部と第二透光部とが対向するように接続部を湾曲させた。その後、第一透光部の第一反射層側の面を表示部材A01の片面に粘着剤で貼り合わせ、第二透光部の第二反射層側の面を表示部材A01のもう片面に粘着剤で貼り合わせた。前記の貼り合わせによって、第一透光部及び第二透光部の間に表示部材A01が固定されて、光学表示媒体としてのタグが得られた。タグは、保持具Apの接続部によって形成されるループ構造でバッグの取っ手部に取り付けられて、タグを破壊しない限り取り外せない状態となった。このタグにおいて、一体成形された第一透光部、第二透光部及び接続部からなる保持具Aが保持部として機能する。また、第一透光部及び第二透光部の間に設けられた部分(具体的には、「第一反射層/粘着剤/反射基材層/粘着剤/支持体/粘着剤/第二反射層」からなる部分)が、表示部として機能する。
[実施例102]
フレーク(FW)を含むインキの代わりに、製造例8で製造したフレーク(FR)を含むインキを用いたこと以外は、実施例101の工程(保持具の製造)と同じ方法によって、片面に第一反射層を設けられた第一透光部と、片面に第二反射層を設けられた第二透光部と、前記の第一透光部及び第二透光部を連続的に接続する接続部とを備える保持具Ap_Rを製造した。
保持具Apの代わりに前記の保持具Ap_Rを用いたこと以外は、実施例101の工程(タグの製造及び取り付け)と同じ方法によって、タグの製造及びバッグへの取り付けを行った。
[実施例103]
フレーク(FW)を含むインキの代わりに、製造例9で製造したフレーク(FG)を含むインキを用いたこと以外は、実施例101の工程(保持具の製造)と同じ方法によって、片面に第一反射層を設けられた第一透光部と、片面に第二反射層を設けられた第二透光部と、前記の第一透光部及び第二透光部を連続的に接続する接続部とを備える保持具Ap_Gを製造した。
保持具Apの代わりに前記の保持具Ap_Gを用いたこと以外は、実施例101の工程(タグの製造及び取り付け)と同じ方法によって、タグの製造及びバッグへの取り付けを行った。
[実施例104]
フレーク(FW)を含むインキの代わりに、製造例11で製造したフレーク(FB)を含むインキを用いたこと以外は、実施例101の工程(保持具の製造)と同じ方法によって、片面に第一反射層を設けられた第一透光部と、片面に第二反射層を設けられた第二透光部と、前記の第一透光部及び第二透光部を連続的に接続する接続部とを備える保持具Ap_Bを製造した。
保持具Apの代わりに前記の保持具Ap_Bを用いたこと以外は、実施例101の工程(タグの製造及び取り付け)と同じ方法によって、タグの製造及びバッグへの取り付けを行った。
[実施例105]
製造例1で製造したCLC硬化層(CLC_W)を備える複層フィルムの代わりに、製造例6で製造したCLC硬化層(CLC_WB)を備える複層フィルムを用いたこと以外は、実施例101の工程(表示部材の製造)と同じ方法によって、切り込みを形成されたCLC硬化層(CLC_WB)としての反射基材層と、粘着剤の層と、支持体とをこの順で備える表示部材A01Bを製造した。
表示部材A01の代わりに前記の表示部材A01Bを用いたこと以外は、実施例101の工程(タグの製造及び取り付け)と同じ方法によって、タグの製造及びバッグへの取り付けを行った。
[実施例106]
支持体として面内レターデーションを有さない光学等方性のアクリル板(アズワン社製「樹脂板材」;厚さ1.0mm)を用いたこと以外は、実施例101の工程(表示部材の製造)と同じ方法によって、表示部材A02を製造した。具体的には、板状のアクリル板の片面に、粘着剤を用いて、製造例1で製造した複層フィルムのCLC硬化層(CLC_W)を、ロールtoシートで貼り合わせた。その後、複層フィルムの基材フィルムを剥離して複層シートを得た。複層シートを、保持具Aの第一透光部と同じ形状に打ち抜いて、CLC硬化層(CLC_W)としての反射基材層と、粘着剤の層と、支持体とをこの順で備える表示部材A02を得た。
表示部材A01の代わりに前記の表示部材A02を用いたこと以外は、実施例101の工程(タグの製造及び取り付け)と同じ方法によって、タグの製造及びバッグへの取り付けを行った。
[実施例107]
実施例101の工程(表示部材の製造)で製造した表示部材A01の片面に、製造例7で製造したフレーク(FW)を含むインキをスクリーン印刷し、乾燥して、第一反射層を形成した。第一反射層は、厚み方向から見て、文字「Genuine」の形状を有していた。また、表示部材A01のもう片面に、製造例7で製造したフレーク(FW)を含むインキをスクリーン印刷し、乾燥して、第二反射層を形成した。第二反射層は、厚み方向から見て、文字「ZEON Pro.」の形状を有していた。これにより、第一反射層と、反射基材層と、粘着剤の層と、支持体と、第二反射層とをこの順で備える表示部材A21を得た。
保持具Apの代わりに実施例101の工程(保持具の製造)で製造した保持具Aを用い、表示部材A01の代わりに前記の表示部材A21を用いたこと以外は、実施例101の工程(タグの製造及び取り付け)と同じ方法によって、タグの製造及びバッグへの取り付けを行った。
[実施例108]
実施例105で製造した表示部材A01Bの片面に、製造例7で製造したフレーク(FW)を含むインキをスクリーン印刷し、乾燥して、第一反射層を形成した。第一反射層は、厚み方向から見て、文字「Genuine」の形状を有していた。また、表示部材A01のもう片面に、製造例7で製造したフレーク(FW)を含むインキをスクリーン印刷し、乾燥して、第二反射層を形成した。第二反射層は、厚み方向から見て、文字「ZEON Pro.」の形状を有していた。これにより、第一反射層と、切り込みを形成された反射基材層と、粘着剤の層と、支持体と、第二反射層とをこの順で備える表示部材A22を得た。
保持具Apの代わりに実施例101の工程(保持具の製造)で製造した保持具Aを用い、表示部材A01の代わりに前記の表示部材A22を用いたこと以外は、実施例101の工程(タグの製造及び取り付け)と同じ方法によって、タグの製造及びバッグへの取り付けを行った。
[実施例109]
第一反射層を形成するためのインキとして、フレーク(FW)を含むインキの代わりに、製造例9で製造したフレーク(FG)を含むインキを用いた。また、第二反射層を形成するためのインキとして、フレーク(FW)を含むインキの代わりに、製造例10で製造したフレーク(FG_r)を含むインキを用いた。以上の事項以外は、実施例101の工程(保持具の製造)と同じ方法により、片面に第一反射層を設けられた第一透光部と、片面に第二反射層を設けられた第二透光部と、前記の第一透光部及び第二透光部を連続的に接続する接続部とを備える保持具Ap_Grを製造した。
実施例101の工程(表示部材の製造)で製造した中間フィルムX1の支持体側の面に、粘着剤を介して、製造例12で製造した位相差フィルム(H)をロールtoロールで貼り合わせて、中間フィルムX2を得た。中間フィルムX2を、保持具Ap_Grの第一透光部と同じ形状に打ち抜いて、CLC硬化層(CLC_W)としての反射基材層と、粘着剤の層と、支持体と、粘着剤の層と、位相差フィルム(H)とをこの順で備える表示部材A11を得た。
保持具Ap_Grの接続部を市販のバッグの取っ手部に引っ掛け、第一透光部と第二透光部とが対向するように接続部を湾曲させた。その後、第一透光部の第一反射層側の面を表示部材A11のCLC硬化層(CLC_W)側の面に粘着剤で貼り合わせ、第二透光部の第二反射層側の面を表示部材A11の位相差フィルム(H)側の面に粘着剤で貼り合わせた。前記の貼り合わせによって、第一透光部及び第二透光部の間に表示部材A01が固定されて、光学表示媒体としてのタグが得られた。タグは、保持具Ap_Grの接続部によって形成されるループ構造でバッグの取っ手部に取り付けられて、タグを破壊しない限り取り外せない状態となった。このタグにおいて、一体成形された第一透光部、第二透光部及び接続部からなる保持具Aが保持部として機能する。また、第一透光部及び第二透光部の間に設けられた部分(具体的には、「第一反射層/粘着剤/反射基材層/粘着剤/支持体/粘着剤/位相差フィルム(H)/延着剤/第二反射層」からなる部分)が、表示部として機能する。
[観察]
水平な台に、文字が印刷された紙を置いた。当該紙面上に、上述した実施例101~109で製造したタグを、第一透光部が上向きとなるように置いた。非偏光源としての蛍光灯で照らしながら、タグを上から肉眼で観察した。実施例101~109のいずれのタグでも、第一反射層によって表される文字「Genuine」は視認されたが、第二反射層によって表される文字「ZEON Pro.」は視認されなかった。また、タグを通して、紙面の文字を視認することができた。
次いで、タグを裏返して、第二透光部が上向きとなるように紙面上に置いた。前記の蛍光灯で照らしながら、タグを上から肉眼で観察した。実施例101~109のいずれのタグでも、第一反射層によって表される文字「Genuine」は視認されなかったが、第二反射層によって表される文字「ZEON Pro.」は視認された。また、タグを通して、紙面の文字を視認することができた。
よって、実施例101~109のいずれのタグでも、タグ自体が透明でありながら、第一透光部側で視認できる像と第二透光部側で視認できる像とを相違させることができた。
[取り外し]
実施例101~109のタブを、保持部を切断せずにバッグの取っ手部から取り外すために、第一透光部又は第二透光部を表示部材から引き剥がした。引き剥がし後のタブを観察して、反射基材層、第一反射層及び第二反射層の様子を下記の基準で分類した。
状態A:第一反射層及び第二反射層の内部が破壊され、文字形状が破壊された。
状態B:反射基材層がやや破壊された。
状態C:反射基材層が大きく破壊された。
状態D:状態AとCが共に起きていた。
[結果]
前記の実施例101~109の結果を、下記の表に示す。
[検討]
表1に示したように、実施例101~109で製造されたタグは、いずれも透明であり、当該タグを通して下に置かれた紙面の文字を視認できた。そして、これらのタグは、前記のように透明でありながら、当該タグの裏側に形成された反射層によって形成される文字を視認されないという、通常では起こりえない現象を実現できた。
さらに、前記のタグは、保持部を切断せずにバッグの取っ手部から取り外すために、第一透光部又は第二透光部を表示部材から引き剥がした場合、反射基材層、第一反射層及び第二反射層といった偏光分離層が破壊された。この結果から、タグは、バッグの取っ手部から一度取り外すと再利用が不可能であり、再利用の困難性が高いことが確認された。
[実施例201]
(保持具の製造)
製造例13で製造した位相差フィルム(Q)を打ち抜いて、実施例101の工程(保持具の製造)で製造した保持具Aの第一透光部に収まるサイズの星形の位相差フィルム(Q)を得た。この星形の位相差フィルム(Q)を、保持具Aの第一透光部の片面に粘着剤を介して貼り合わせて、保持具Bpを得た。
図26は、実施例201で製造された保持具Bpを模式的に示す平面図である。図26に示すように、得られた保持具Bpは、継ぎ目なく連続的に形成された第一透光部11、第二透光部12及び接続部13を含む保持具Aと、保持具Aの第一透光部の片面に設けられた星型の位相差フィルム(Q)24と、を備えていた。
(表示部材の製造)
長尺の黒色の支持体(ポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルム、膜厚100μm)の片面に、粘着剤を用いて、製造例1で製造した複層フィルムのCLC硬化層(CLC_W)を、ロールtoロールで貼り合わせた。その後、複層フィルムの基材フィルムを剥離して長尺の中間フィルムX3を得た。中間フィルムX3を、保持具Aの第一透光部と同じ形状に打ち抜いて、CLC硬化層(CLC_W)としての反射基材層と、粘着剤の層と、黒色の支持体とをこの順で備える表示部材B01を得た。
(タグの製造及び取り付け)
保持具Bpの接続部を市販のバッグの取っ手部に引っ掛け、第一透光部と第二透光部とが対向するように接続部を湾曲させた。その後、第一透光部の位相差フィルム(Q)側の面を表示部材B01のCLC硬化層(CLC_W)側の面に粘着剤で貼り合わせ、第二透光部の片面を表示部材B01の黒色の支持体側の面に粘着剤で貼り合わせた。前記の貼り合わせによって、第一透光部及び第二透光部の間に表示部材B01が固定されて、光学表示媒体としてのタグが得られた。タグは、保持具Bpの接続部によって形成されるループ構造でバッグの取っ手部に取り付けられて、タグを破壊しない限り取り外せない状態となった。このタグにおいて、一体成形された第一透光部、第二透光部及び接続部からなる保持具Aが保持部として機能する。また、第一透光部及び第二透光部の間に設けられた部分(具体的には、「粘着剤/位相差フィルム(Q)/粘着剤/反射基材層/粘着剤/黒色の支持体/粘着剤」からなる部分)が、表示部として機能する。
[実施例202]
製造例101で製造したCLC硬化層(CLC_W)を備える複層フィルムの代わりに、製造例6で製造した形成されたCLC硬化層(CLC_WB)を備える複層フィルムを用いたこと以外は、実施例201の工程(表示部材の製造)と同じ方法によって、切り込みを形成されたCLC硬化層(CLC_WB)としての反射基材層と、粘着剤の層と、黒色の支持体とをこの順で備える表示部材B01Bを製造した。
表示部材B01の代わりに前記の表示部材B01Bを用いたこと以外は、実施例201の工程(タグの製造及び取り付け)と同じ方法によって、タグの製造及びバッグへの取り付けを行った。
[実施例203]
実施例201の工程(保持具の製造)と同じ方法により、製造例13で製造した位相差フィルム(Q)を打ち抜いて、星形の位相差フィルム(Q)を得た。この星形の位相差フィルム(Q)を、実施例202で製造した表示部材B01のCLC硬化層(CLC_WB)側の面に、粘着剤を介して貼り合わせて、表示部材B01B_Pを得た。
保持具Bpの代わりに実施例101の工程(保持具の製造)で製造した保持具Aを用い、表示部材B01の代わりに前記の表示部材B01B_Pを用いたこと以外は、実施例201の工程(タグの製造及び取り付け)と同じ方法によって、タグの製造及びバッグへの取り付けを行った。
[実施例204]
製造例13で製造した位相差フィルム(Q)を打ち抜いて、保持部としての保持具Cを得た。保持具Cは、丸みを帯びた矩形状の第一透光部及び第二透光部と、これら第一透光部及び第二透光部を接続するベルト状の接続部とを有していた。第一透光部及び第二透光部は、形状及びサイズが同じであった。単一のフィルムから打ち抜きによって製造されたので、保持具Cは一体成形されており、よって第一透光部、接続部及び第二透光部は継ぎ目なく連続的に形成されていた。その後、保持具Cの第一透光部に、当該第一透光部を厚み方向に貫通する星形の開口を形成して、保持具Cpを得た。
図27は、実施例204で製造された保持具Cpを模式的に示す平面図である。図27に示すように、得られた保持具Cpは、継ぎ目なく連続的に形成された第一透光部31、第二透光部32及び接続部33を含み、且つ、前記の第一透光部31に星形の開口34を有していた。
保持具Bpの代わりに前記の保持具Cpを用いたこと以外は、実施例201の工程(タグの製造及び取り付け)と同じ方法によって、タグの製造及びバッグへの取り付けを行った。
[実施例205]
保持具Bpの代わりに、実施例204で製造した保持具Cpを用いた。また、表示部材B01の代わりに、実施例202で製造した表示部材B01Bを用いた。以上の事項以外は、実施例201の工程(タグの製造及び取り付け)と同じ方法によって、タグの製造及びバッグへの取り付けを行った。
[観察]
水平な台上に、上述した実施例201~205で製造したタグを、第一透光部が上向きとなるように置いた。非偏光源としての蛍光灯で照らしながら、タグを上から肉眼で観察した。実施例201~205のいずれのタグでも、星形は視認できなかった。
次いで、観察者が、直線偏光板を備える偏光サングラスを着用した。そして、タグを鉛直方向の回転軸を中心にして水平方向に回転させながら、偏光サングラスを通してタグを上から観察した。実施例201~205のいずれのタグでも、一以上の回転角において、星形を視認できた。
よって、実施例201~205のいずれのタグでも、裸眼では視認できない星形の潜像を、偏光サングラスを着用して視認させることができた。
[取り外し]
実施例201~205のタブを、保持部を切断せずにバッグの取っ手部から取り外すために、第一透光部又は第二透光部を表示部材から引き剥がした。引き剥がし後のタブを観察して、反射基材層の様子を下記の基準で分類した。
状態B:反射基材層がやや破壊された。
状態C:反射基材層が大きく破壊された。
[結果]
前記の実施例201~205の結果を、下記の表に示す。
[検討]
表2に示したように、実施例201~205で製造されたタグは、いずれも裸眼では星形の潜像を視認できなかったが、偏光サングラスを介した反射光観察では当該潜像を視認できた。
さらに、前記のタグは、保持部を切断せずにバッグの取っ手部から取り外すために、第一透光部又は第二透光部を表示部材から引き剥がした場合、偏光分離層としての反射基材層が破壊された。この結果から、タグは、バッグの取っ手部ら一度取り外すと再利用が不可能であり、再利用の困難性が高いことが確認された。