以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で種々の変更をすることができる。
本発明の長尺フィルムは、少なくとも一方の面の短尺方向の少なくとも一方の端部に凹凸部を有する基材フィルムと、少なくとも1種の重合性液晶化合物を含有する重合性液晶組成物の硬化物層を含む転写可能な機能層とを有する。本発明の長尺フィルムにおいて、前記転写可能な機能層は基材フィルムの凹凸部を有する面側に積層されており、基材フィルムの短尺方向全幅をA、基材フィルムに存在する凹凸部の短尺方向幅の合計をB、前記機能層の短尺方向幅をCとした場合に、B+C>Aを満たす。
図1は、これに限定されるものではないが本発明の長尺フィルムを短尺方向から見た層構成の一例を示す断面図である。図1において、本発明の長尺フィルム11は、基材フィルム1と機能層2とを積層してなる。基材フィルム1の機能層2が積層される面の両端部には凹凸部3が設けられており、各凹凸部3上の一部に重なるように機能層2が積層されている。基材フィルム1の短尺方向の全幅をA、基材フィルム1の両端に設けられた凹凸部3の各短尺方向幅の合計をB(図1中のB1+B2)、機能層2の短尺方向の全幅をCとした場合に、B+CがAより大きくなる。
本明細書において「転写可能な機能層」とは、基材フィルムを剥離して、他の基材や光学フィルムなどの他の部材へ転写することが可能な層を意味し、重合性液晶化合物を含有する重合性液晶化合物の硬化物層(以下、「液晶硬化物層」ともいう)を含む。該機能層は、本発明の効果に影響を及ぼさず、転写後に光学フィルムとして機能し得る限り、液晶硬化物層以外の層を含んでいてもよい。そのような他の層としては、配向膜や、保護層やハードコート層などの硬化樹脂層、液晶硬化物層等の機能層を偏光フィルムなどの他の部材と接着するための粘接着剤層などが挙げられる。本発明の長尺フィルムが基材フィルムと液晶硬化物層以外の層を含む場合、本明細書においては、基材フィルムから剥離されて他の部材へ転写される層をすべて含めて機能層という。
本発明の長尺フィルムは、上述の通り、基材フィルムの短尺方向全幅をA、基材フィルムに存在する凹凸部の短尺方向幅の合計をB、前記機能層の短尺方向幅をCとした場合に、B+C>Aを満たす構成を有する。すなわち、本発明の長尺フィルムでは、機能層の一部が基材フィルムに存在する少なくとも一部の凹凸部上に積層されている。基材フィルムの端部に凹凸部を設けることにより、基材フィルム上に機能層を形成する際に該凹凸部と該凹凸部に積層される機能層との間にアンカー効果を生じることができ、密着性が向上しやすくなる。また、凹凸部と接していない領域における密着性が相対的に下がることにより、機能層を基材フィルムから剥離するとき、基材フィルム上の凹凸部に沿って機能層が剥離しやすくなる。
例えば、基材フィルムの端部に長尺方向に直線的に一定の幅で凹凸部を設けることにより、長尺フィルムの端部で機能層を剥離方向(流れ方向)に対して直線的に剥離することができる。これにより、転写時に長尺フィルムの端部における機能層の脱離を抑制し、直線的できれいな端部断面の機能層を他の部材へ転写することができ、使用時の取り効率や歩留まりが向上し得る。また、機能層に覆われた凹凸部では、搬送時やロール状で保管する際の押圧、時間の経過に伴うヘタリ(凹凸部の突起が小さくなること)が生じにくいため、長期保管後でも機能層を基材フィルムから容易にかつ綺麗に剥離することができる。
本発明の長尺フィルムを構成する機能層は、該機能層の幅方向の全体にわたって基材フィルム上に積層されていることが好ましい。したがって、基材フィルムの短尺方向全幅Aと機能層の短尺方向幅Cとが、A≧Cの関係にあることが好ましく、A>Cの関係であることがより好ましい。
本発明においては、基材フィルムの端部に長尺方向に対して直線的に凹凸部が存在することが好ましく、基材フィルムの両端部に長尺方向に対して直線的に凹凸部が存在することがより好ましい。また、機能層の両端部が、それぞれ、基材フィルムの両端部に存在する凹凸部と一定の幅で重なり合って積層されていることがより好ましい。長尺フィルムがこのような構成を有することにより、機能層を基材フィルムから剥離し、他の部材へ転写する際に本発明の上記効果をより高めることができる。さらに、基材フィルムと機能層との間に生じるアンカー効果を高めるために、機能層の基材フィルムと隣接する側の層が、基材フィルム上に直接塗布した後硬化して形成される層であることが好ましく、例えば、液晶硬化物層または光配向膜であることが好ましい。
本発明において、機能層を基材フィルムから剥離する際の剥離力は、好ましくは0.02N/25mm以上1N/25mm未満である。剥離力が上記範囲内であると、機能層と基材フィルムとの間に適度な密着性が生じるため、基材フィルムの凹凸部に沿って機能層が剥離できる。また同時に、転写時に機能層が搬送ロール等に付着することによる脱離等を抑制しながら、適度な剥離性を有するため機能層を基材フィルムから容易にかつ綺麗に剥離することができる。機能層の基材フィルムからの剥離性と適度な密着性の観点から、上記剥離力は、より好ましくは0.03N/25mm以上、さらに好ましくは0.05N/25mm以上であり、また、より好ましくは0.5N/25mm以下、さらに好ましくは0.3N/25mm以下である。剥離力は、基材フィルムに設ける凹凸部の幅、凹凸の高さや形状、基材フィルムや基材フィルムと接する機能層の面を構成する材料、機能層を塗布・硬化する際の条件等により制御することができる。
なお、本発明において、上記剥離力は、機能層と基材フィルムとの界面、あるいは機能層内の転写される層と基材フィルムとともに剥離される層との界面において、速度300mm/分で基材フィルムを剥離する際の基材剥離力(N/25mm)を意味し、具体的には、後述する実施例に記載の方法に従い測定できる。
本発明において、機能層の面内平均厚みXと凹凸部の凸部最大高さYとの関係が、1.0<Y/X≦15.0を満たすことが好ましい。機能層と基材フィルム上の凹凸部とが上記関係を満たすことにより、長尺フィルムのハンドリング性が向上しやすく、また、長尺フィルムをロール状に巻回した際の巻きズレや長期保管時の変形(ブロッキング)を抑制する効果が高まりやすい。Y/Xの値が大きくなりすぎると、フィルム端部で顕著に貼りつきが発生しやすくなり、面内においてもフィルムロールの変形が多くなりやすい。本発明において、Y/Xの値は、より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは2.0以上であり、また、より好ましく12.0以下、さらに好ましくは10.0以下である。
本発明において、「機能層の面内平均厚み」とは、機能層を構成する全ての層の総厚みを、基材フィルムの凹凸部と重なる部分を含まない範囲で短尺方向に測定した面内平均値を意味する。また、「凹凸部の凸部最大高さ」とは、凹凸部のない基材フィルム面から凹凸部の中で最大の高さとなる凸部の頂点までの高さを意味する。機能層の面内平均厚みXと凹凸部の凸部最大高さYは、それぞれ、例えば接触式膜厚計を用いて測定することができ、具体的には、後述する実施例に記載の方法に従い測定できる。
本発明の長尺フィルムを構成する基材フィルムとしては、例えば、薄膜ガラスや樹脂フィルム等が挙げられるが、加工性の観点から樹脂フィルムが好ましい。樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびノルボルネン系ポリマーのようなポリオレフィン;環状オレフィン系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリエチレンテレフタレート;ポリメタクリル酸エステル;ポリアクリル酸エステル;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、およびセルロースアセテートプロピオネートのようなセルロースエステル;ポリエチレンナフタレート;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリフェニレンスルフィドおよびポリフェニレンオキシドのようなプラスチックが挙げられる。このような樹脂を、溶媒キャスト法、溶融押出法等の公知の手段により製膜して基材とすることができる。本発明の効果に影響を及ぼさない限りにおいて、基材フィルムの表面には、シリコーン処理のような離型処理、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理が施されていてもよい。
基材フィルムとして市販の製品を用いてもよい。市販のセルロースエステル基材としては、例えば、フジタックフィルムのような富士写真フィルム株式会社製のセルロースエステル基材などが挙げられる。市販の環状オレフィン系樹脂としては、たとえば、「Topas(登録商標)」のようなTicona社(独)製の環状オレフィン系樹脂;「アートン(登録商標)」のようなJSR株式会社製の環状オレフィン系樹脂;「ゼオノア(ZEONOR)(登録商標)」、および「ゼオネックス(ZEONEX)(登録商標)」のような日本ゼオン株式会社製の環状オレフィン系樹脂;「アペル」(登録商標)のような三井化学株式会社製の環状オレフィン系樹脂が挙げられる。市販されている環状オレフィン系樹脂基材を用いることもできる。市販の環状オレフィン系樹脂基材としては、「エスシーナ(登録商標)」および「SCA40(登録商標)」のような積水化学工業株式会社製の環状オレフィン系樹脂基材;「ゼオノアフィルム(登録商標)」のようなオプテス株式会社製の環状オレフィン系樹脂基材;「アートンフィルム(登録商標)」のようなJSR株式会社製の環状オレフィン系樹脂基材が挙げられる。
薄型化、機能層の基材フィルムからの剥離容易性,重合性液晶化合物の配向容易性、耐溶媒性および低複屈折性等の観点から、基材フィルムとしては、セルロース系樹脂フィルムあるいはオレフィン系樹脂フィルムが好ましく、セルロース系樹脂フィルムがより好ましい。一般に、溶媒キャスト法により製造されるセルロース系樹脂フィルムでは、フィルム表面に滑り性を付与することが難しく、該フィルム上に積層される層との密着性が高くなり、長尺ロール状に巻き取った際、貼りつきが起こりやすい。さらに、この長尺フィルムロールを繰り出す場合に、機能層が裏面の基材フィルムと密着していることでランダムに剥がれを生じ、部分的に脱落してしまうおそれがある。このような場合においても、基材端部に凹凸部を設けて、該凹凸部における機能層との密着性をさらに高めるとともに、凹凸のない領域では機能層と裏面の基材フィルムとの間に空隙を設けることで、凹凸のない領域での貼りつき・脱落を抑制し、凹凸部と凹凸のない領域との間に基材フィルムと機能層との密着性に適度な差を生じさせることにより、機能層を基材フィルムから剥離方向に直線的に剥離しやすくすることができる。このため、本発明はセルロース系樹脂フィルムを用いる場合に特に有利であり得る。
本発明において、基材フィルム上の凹凸部は、いわゆるナーリングと呼ばれ、通常、基材フィルムの巻き取り時に、基材面同士の接触や貼りつきを抑制するための構造として機能するものである。このような凹凸部の形状や、材質、形成方法は、長尺フィルムを構成する基材フィルムや機能層、所望の剥離力等に応じて、従来公知のものの中から適宜選択すればよい。
凹凸部は、例えば、基材フィルムを巻き取る際に、基材フィルムの端部の所望の領域に形成することが好ましい。凹凸部は、基材フィルムの一方の面のみに形成しても、両面に形成してもよい。また、凹凸部は、基材フィルムの少なくとも一方の端部にのみ設けてもよいが、機能層の基材フィルムからの良好な剥離性を得るためには、基材フィルムの両端部に設けることが好ましい。
凹凸部は、基材フィルムの短尺方向の端部において、長尺方向に平行して帯状に設けられることが好ましい。帯状に設けられる凹凸部の短尺方向幅は、長尺フィルムの短尺方向幅、長尺フィルムを構成する基材フィルムや機能層、所望の剥離力、長尺フィルムの厚み等に応じて適宜決定すればよいが、通常、各端部においてそれぞれ、基材フィルムの短尺方向幅の0.2~5%程度の幅である。各凹凸部の短尺方向幅が前記範囲内であると、凹凸部と機能層との間に適度なアンカー効果が生じやすく、基材フィルムと機能層との良好な剥離性が得られやすい。例えば、短尺方向幅が1000~2000mmの基材フィルムの場合、凹凸部の短尺方向幅は、好ましくは1mm以上、より好ましくは3mm以上、さらに好ましくは5mm以上であり、また、好ましくは50mm以下、より好ましくは30mm以下、さらに好ましくは20mm以下である。
凹凸部の高さは、長尺フィルムの短尺方向幅、凹凸部の短尺方向幅、機能層の厚み、長尺フィルムを構成する基材フィルムや機能層、所望の剥離力、長尺フィルムの厚み等に応じて適宜決定すればよい。好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上であり、また、好ましくは500μm以下、より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。各凹凸部の高さが前記範囲内であると、凹凸部と機能層との間に適度なアンカー効果が生じやすく、基材フィルムと機能層との良好な剥離性が得られやすい。
なお、ここでいう凹凸部の高さとは、機能層を積層していない基材フィルムにおいて凹凸部のない基材フィルム表面を基準とした場合の各凹凸の平均高さを意味する。具体的には、例えば、接触式膜厚計を用いて基材フィルムの凹凸部の存在しない範囲を幅方向に1mmピッチで測定することで平均総厚みを算出し、同様に幅方向同位置の端部の凹凸部の存在する範囲の測定により、凹凸部平均総厚みを算出することで、差分より凹凸部平均高さを測定、算出することができる。
凹凸部1cm2当たりの凹凸の数(密度)は、好ましくは20個以上、より好ましくは50個以上、また、好ましくは1000個以下、より好ましくは500個以下、さらに好ましくは200個以下である。各凹凸は、凹凸部に均一に存在していることが好ましい。各凹凸部の密度が前記範囲内であると、凹凸部と機能層との間に適度なアンカー効果が生じやすく、基材フィルムと機能層との良好な剥離性が得られやすい。
凹凸部を構成する各凹凸の形状としては、例えば、角錐台形、円錐台形、円丘形、波形、格子形、不定形等が挙げられる。各凹凸のサイズは、長尺フィルムの短尺方向幅、凹凸部の短尺方向幅、凹凸部の密度、長尺フィルムを構成する基材フィルムや機能層、所望の剥離力、長尺フィルムの厚み等に応じて適宜決定すればよい。例えば、凹凸を基材フィルム面でフィルム面と平行に切断した際の断面形状が円形または略円形である場合、該断面形状の直径は、好ましくは50~1000μm程度であり、より好ましくは100~3000μmである。
凹凸部を基材フィルム上に形成する方法としては、例えば1対のロールで挟持する方法が一般的である。1対のロールの片側のみにエンボス加工されたロールを用いる片押しであっても、両方にエンボス加工されたロールを用いる両押しあってもよい。また、その他レーザー等で加工してもよい。このような凹凸部の具体例としては、例えば、国際公開第2010/143524号、特開2007-91784号公報等に記載のものが挙げられる。
また、凹凸部を有する基材フィルムとして市販品を用いてもよい。市販品としては、「KC8UX2M」、「KC8UY」、および「KC4UY」のようなコニカミノルタオプト株式会社製のセルロースエステル基材などが挙げられる。
基材フィルムの厚みは、基材フィルムの材質等に応じて適宜決定すればよいが、通常、5~300μmであり、好ましくは10~150μmである。フィルムの長尺化と巻き取り後の品質の観点からは、20~80μmであることがより好ましい。
基材フィルムの短尺方向幅は、0.5~3mが好ましく、より好ましくは0.6~2.5m、さらに好ましくは0.8~2.2mである。長尺フィルムはロール状に巻き取られることが好ましく、その長さは、1巻き取りロール当たり100~10000mが好ましく、より好ましくは500~7000m、さらに好ましくは1000~6000mである。
本発明の長尺フィルムを構成する機能層は、少なくとも1種の重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物の硬化物層を含む。前記硬化物層は、重合性液晶化合物が該硬化物層平面に対して水平方向や垂直方向等の特定方向に配向した状態で硬化した液晶硬化物層である。
本発明において重合性液晶化合物は、重合性基、特に光重合性基を有する液晶化合物である。重合性液晶化合物としては、所望の光学特性を有する液晶硬化物層を形成し得るものである限り特に限定されず、例えば位相差フィルムの分野において従来公知の重合性液晶化合物を用いることができる。
重合性基とは、重合反応に関与しうる基をいう。光重合性基とは、重合性基であって、光重合開始剤から発生した反応活性種、例えば活性ラジカルや酸などによって重合反応に関与し得る基のことをいう。光重合性基としては、例えばビニル基、ビニルオキシ基、1-クロロビニル基、イソプロペニル基、4-ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基およびオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。重合性液晶化合物が示す液晶性はサーモトロピック性液晶であってもよいし、リオトロピック性液晶であってもよいが、緻密な膜厚制御が可能な点でサーモトロピック性液晶が好ましい。また、サーモトロピック性液晶における相秩序構造としてはネマチック液晶でもスメクチック液晶でもディスコチック液晶でもよい。重合性液晶化合物は単独または二種以上組み合わせて使用できる。
重合性液晶化合物としては、一般に正波長分散性を示す重合性液晶化合物と逆波長分散性を示す重合性液晶化合物とが挙げられ、どちらか一方の種類の重合性液晶化合物のみを使用することもできるし、両方の種類の重合性液晶化合物を混合して用いることもできる。本発明の長尺フィルムから転写して機能層を組み込んだ画像表示装置において正面反射色相を向上させやすく、光学特性に優れる長尺フィルムを得られやすいことから、重合性液晶化合物を単独で特定方向に配向した状態で重合することにより得られる重合体が逆波長分散性を示す重合性液晶化合物を含むことが好ましい。
逆波長分散性を発現しやすい観点から、いわゆるT字型またはH型の分子構造を有する重合性液晶化合物が好ましく、より強い逆波長分散が得られる観点からT字型の分子構造を有する重合性液晶化合物がより好ましい。
重合性液晶化合物としては、下記(A)~(D)の特徴を有する化合物であることが好ましい。
(A)ネマチック相またはスメクチック相を形成し得る化合物である。
(B)該重合性液晶化合物の長軸方向(a)上にπ電子を有する。
(C)長軸方向(a)に対して交差する方向〔交差方向(b)〕上にπ電子を有する。
(D)長軸方向(a)に存在するπ電子の合計をN(πa)、長軸方向に存在する分子量の合計をN(Aa)として下記式(i)で定義される重合性液晶化合物の長軸方向(a)のπ電子密度:
D(πa)=N(πa)/N(Aa) (i)
と、交差方向(b)に存在するπ電子の合計をN(πb)、交差方向(b)に存在する分子量の合計をN(Ab)として下記式(ii)で定義される重合性液晶化合物の交差方向(b)のπ電子密度:
D(πb)=N(πb)/N(Ab) (ii)
とが、式(iii)
0≦〔D(πa)/D(πb)〕<1 (iii)
の関係にある〔すなわち、交差方向(b)のπ電子密度が、長軸方向(a)のπ電子密度よりも大きい〕。上記記載のように長軸およびそれに対して交差方向上にπ電子を有する重合性液晶化合物は、一般にT字構造となりやすい。
上記(A)~(D)の特徴において、長軸方向(a)およびπ電子数Nは以下のように定義される。
・長軸方向(a)は、例えば棒状構造を有する化合物であれば、その棒状の長軸方向である。
・長軸方向(a)上に存在するπ電子数N(πa)には、重合反応により消失するπ電子は含まない。
・長軸方向(a)上に存在するπ電子数N(πa)には、長軸上のπ電子およびこれと共役するπ電子の合計数であり、例えば長軸方向(a)上に存在する環であって、ヒュッケル則を満たす環に存在するπ電子の数が含まれる。
・交差方向(b)に存在するπ電子数N(πb)には、重合反応により消失するπ電子は含まない。
上記を満たす重合性液晶化合物は、長軸方向にメソゲン構造を有している。このメソゲン構造によって、液晶相(ネマチック相、スメクチック相)を発現する。本発明の一態様において、重合性液晶化合物はネマチック相を形成し得る化合物であることが好ましい。
上記(A)~(D)を満たす重合性液晶化合物を、液晶硬化膜を形成する膜(層)上に塗布し、相転移温度以上に加熱することにより、ネマチック相やスメクチック相を形成することが可能である。この重合性液晶化合物が配向して形成されたネマチック相またはスメクチック相では通常、重合性液晶化合物の長軸方向が互いに平行になるように配向しており、この長軸方向がネマチック相またはスメクチック相の配向方向となる。このような重合性液晶化合物を膜状とし、ネマチック相またはスメクチック相の状態で重合させると、長軸方向(a)に配向した状態で重合した重合体からなる重合体膜を形成することができる。この重合体膜は、長軸方向(a)上のπ電子と交差方向(b)上のπ電子により紫外線を吸収する。ここで、交差方向(b)上のπ電子により吸収される紫外線の吸収極大波長をλbmaxとする。λbmaxは通常300nm~400nmである。π電子の密度は、上記式(iii)を満足していて、交差方向(b)のπ電子密度が長軸方向(a)のπ電子密度よりも大きいので、交差方向(b)に振動面を有する直線偏光紫外線(波長はλbmax)の吸収が、長軸方向(a)に振動面を有する直線偏光紫外線(波長はλbmax)の吸収よりも大きな重合体膜となる。その比(直線偏光紫外線の交差方向(b)の吸光度/長軸方向(a)の吸光度の比)は、例えば1.0超、好ましくは1.2以上、通常30以下であり、例えば10以下である。
上記特徴を有する重合性液晶化合物は、一般に、一方向に配向した状態で重合させたときにその重合体の複屈折率が逆波長分散性を示すものであることが多い。具体的には、例えば、下記式(X)で表される化合物が挙げられる。
式(X)中、Arは置換基を有していてもよい芳香族基を有する二価の基を表す。ここでいう芳香族基とは、例えば後述する(Ar-1)~(Ar-23)で例示される基が挙げられる。またArは芳香族基を2個以上有していてもよい。該芳香族基中には窒素原子、酸素原子、硫黄原子のうち少なくとも1つ以上が含まれていてもよい。Arに含まれる芳香族基が2つ以上である場合、2つ以上の芳香族基は互いに単結合、-CO-O-、-O-などの二価の結合基で結合していてもよい。
G1およびG2はそれぞれ独立に、二価の芳香族基または二価の脂環式炭化水素基を表す。ここで、該二価の芳香族基または二価の脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のフルオロアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基に置換されていてもよく、該二価の芳香族基または二価の脂環式炭化水素基を構成する炭素原子が、酸素原子、硫黄原子または窒素原子に置換されていてもよい。
L1、L2、B1およびB2はそれぞれ独立に、単結合または二価の連結基である。
k、lは、それぞれ独立に0~3の整数を表し、1≦k+lの関係を満たす。ここで、2≦k+lである場合、B1およびB2、G1およびG2は、それぞれ互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
E1およびE2はそれぞれ独立に、炭素数1~17のアルカンジイル基を表し、炭素数4~12のアルカンジイル基がより好ましい。また、アルカンジイル基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-C(=O)-で置換されていてもよい。
P1およびP2は互いに独立に、重合性基または水素原子を表し、少なくとも1つは重合性基である。
G1およびG2は、それぞれ独立に、好ましくは、ハロゲン原子および炭素数1~4のアルキル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい1,4-フェニレンジイル基、ハロゲン原子および炭素数1~4のアルキル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい1,4-シクロヘキサンジイル基であり、より好ましくはメチル基で置換された1,4-フェニレンジイル基、無置換の1,4-フェニレンジイル基、または無置換の1,4-trans-シクロヘキサンジイル基であり、特に好ましくは無置換の1,4-フェニレンジイル基、または無置換の1,4-trans-シクロへキサンジイル基である。
また、複数存在するG1およびG2のうち少なくとも1つは二価の脂環式炭化水素基であることが好ましく、また、L1またはL2に結合するG1およびG2のうち少なくとも1つは二価の脂環式炭化水素基であることがより好ましい。
L1およびL2はそれぞれ独立に、好ましくは、単結合、炭素数1~4のアルキレン基、-O-、-S-、-Ra1ORa2-、-Ra3COORa4-、-Ra5OCORa6-、-Ra7OC=OORa8-、-N=N-、-CRc=CRd-、または-C≡C-である。ここで、Ra1~Ra8はそれぞれ独立に単結合、または炭素数1~4のアルキレン基を表し、RcおよびRdは炭素数1~4のアルキル基または水素原子を表す。L1およびL2はそれぞれ独立に、より好ましくは単結合、-ORa2-1-、-CH2-、-CH2CH2-、-COORa4-1-、または-OCORa6-1-である。ここで、Ra2-1、Ra4-1、Ra6-1はそれぞれ独立に単結合、-CH2-、-CH2CH2-のいずれかを表す。L1およびL2はそれぞれ独立に、さらに好ましくは単結合、-O-、-CH2CH2-、-COO-、-COOCH2CH2-、または-OCO-である。
B1およびB2はそれぞれ独立に、好ましくは、単結合、炭素数1~4のアルキレン基、-O-、-S-、-Ra9ORa10-、-Ra11COORa12-、-Ra13OCORa14-、または-Ra15OC=OORa16-である。ここで、Ra9~Ra16はそれぞれ独立に単結合、または炭素数1~4のアルキレン基を表す。B1およびB2はそれぞれ独立に、より好ましくは単結合、-ORa10-1-、-CH2-、-CH2CH2-、-COORa12-1-、または-OCORa14-1-である。ここで、Ra10-1、Ra12-1、Ra14-1はそれぞれ独立に単結合、-CH2-、-CH2CH2-のいずれかを表す。B1およびB2はそれぞれ独立に、さらに好ましくは単結合、-O-、-CH2CH2-、-COO-、-COOCH2CH2-、-OCO-、または-OCOCH2CH2-である。
kおよびlは、逆波長分散性発現の観点から2≦k+l≦6の範囲が好ましく、k+l=4であることが好ましく、k=2かつl=2であることがより好ましい。k=2かつl=2であると対称構造となるため好ましい。
P1またはP2で表される重合性基としては、エポキシ基、ビニル基、ビニルオキシ基、1-クロロビニル基、イソプロペニル基、4-ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、およびオキセタニル基等が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基およびビニルオキシ基が好ましく、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基がより好ましい。
Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、置換基を有していてもよい芳香族複素環、および電子吸引性基から選ばれる少なくとも1つを有することが好ましい。当該芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等が挙げられ、ベンゼン環、ナフタレン環が好ましい。当該芳香族複素環としては、フラン環、ベンゾフラン環、ピロール環、インドール環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアゾール環、トリアジン環、ピロリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チエノチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、およびフェナンスロリン環等が挙げられる。なかでも、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、またはベンゾフラン環を有することが好ましく、ベンゾチアゾール環を有することがさらに好ましい。また、Arに窒素原子が含まれる場合、当該窒素原子はπ電子を有することが好ましい。
式(X)中、Arで表される基が有するπ電子の合計数Nπは、通常6以上であり、8以上が好ましく、より好ましくは10以上であり、さらに好ましくは14以上であり、特に好ましくは16以上である。また、好ましくは32以下であり、より好ましくは26以下であり、さらに好ましくは24以下である。
Arに含まれる芳香族基としては、例えば以下の基が挙げられる。
式(Ar-1)~式(Ar-23)中、*印は連結部を表し、Z0、Z1およびZ2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~12のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~12のアルキルスルフィニル基、炭素数1~12のアルキルスルホニル基、カルボキシル基、炭素数1~12のフルオロアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数1~12のアルキルチオ基、炭素数1~12のN-アルキルアミノ基、炭素数2~12のN,N-ジアルキルアミノ基、炭素数1~12のN-アルキルスルファモイル基または炭素数2~12のN,N-ジアルキルスルファモイル基を表す。また、Z0、Z1およびZ2は、重合性基を含んでいてもよい。
Q1およびQ2は、それぞれ独立に、-CR2’R3’-、-S-、-NH-、-NR2’-、-CO-または-O-を表し、R2’およびR3’は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1~4のアルキル基を表す。
J1およびJ2は、それぞれ独立に、炭素原子、または窒素原子を表す。
Y1、Y2およびY3は、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。
W1およびW2は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、メチル基またはハロゲン原子を表し、mは0~6の整数を表す。
Y1、Y2およびY3における芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ビフェニル基等の炭素数6~20の芳香族炭化水素基が挙げられ、フェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。芳香族複素環基としては、フリル基、ピロリル基、チエニル基、ピリジニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を少なくとも1つ含む炭素数4~20の芳香族複素環基が挙げられ、フリル基、チエニル基、ピリジニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基が好ましい。
Y1、Y2およびY3は、それぞれ独立に、置換されていてもよい多環系芳香族炭化水素基または多環系芳香族複素環基であってもよい。多環系芳香族炭化水素基は、縮合多環系芳香族炭化水素基、または芳香環集合に由来する基をいう。多環系芳香族複素環基は、縮合多環系芳香族複素環基、または芳香環集合に由来する基をいう。
Z0、Z1およびZ2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~12のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~12のアルコキシ基であることが好ましく、Z0は、水素原子、炭素数1~12のアルキル基、シアノ基がさらに好ましく、Z1およびZ2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、シアノ基がさらに好ましい。また、Z0、Z1およびZ2は重合性基を含んでいてもよい。
Q1およびQ2は、-NH-、-S-、-NR2’-、-O-が好ましく、R2’は水素原子が好ましい。中でも-S-、-O-、-NH-が特に好ましい。
式(Ar-1)~(Ar-23)の中でも、式(Ar-6)および式(Ar-7)が分子の安定性の観点から好ましい。
式(Ar-16)~(Ar-23)において、Y1は、これが結合する窒素原子およびZ0と共に、芳香族複素環基を形成していてもよい。芳香族複素環基としては、Arが有していてもよい芳香族複素環として前記したものが挙げられるが、例えば、ピロール環、イミダゾール環、ピロリン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、インドール環、キノリン環、イソキノリン環、プリン環、ピロリジン環等が挙げられる。この芳香族複素環基は、置換基を有していてもよい。また、Y1は、これが結合する窒素原子およびZ0と共に、前述した置換されていてもよい多環系芳香族炭化水素基または多環系芳香族複素環基であってもよい。例えば、ベンゾフラン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環等が挙げられる。
本発明において液晶硬化物層を形成する重合性液晶化合物として、例えば、下記式(Y)で表される基を含む化合物(以下、「重合性液晶化合物(Y)」ともいう)を用いてもよい。重合性液晶化合物(Y)は一般に正波長分散性を示す傾向にある。これらの重合性液晶化合物は単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
P11-B11-E11-B12-A11-B13- (Y)
[式(Y)中、P11は、重合性基を表わす。
A11は、2価の脂環式炭化水素基または2価の芳香族炭化水素基を表わす。
B11は、-O-、-S-、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-、-CO-NR16-、-NR16-CO-、-CO-、-CS-または単結合を表わす。R16は、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表わす。
B12およびB13は、それぞれ独立に、-C≡C-、-CH=CH-、-CH2-CH2-、-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-O-C(=O)-O-、-CH=N-、-N=CH-、-N=N-、-C(=O)-NR16-、-NR16-C(=O)-、-OCH2-、-OCF2-、-CH2O-、-CF2O-、-CH=CH-C(=O)-O-、-O-C(=O)-CH=CH-、-H、-C≡Nまたは単結合を表わす。
E11は、炭素数1~12のアルカンジイル基を表わし、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1~5のアルコキシ基で置換されていてもよく、該アルコキシ基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。また、該アルカンジイル基を構成する-CH2-は、-O-または-CO-に置き換わっていてもよい。]
A11の芳香族炭化水素基および脂環式炭化水素基の炭素数は、3~18の範囲であることが好ましく、5~12の範囲であることがより好ましく、5または6であることが特に好ましい。A11で表される2価の脂環式炭化水素基および2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基で置換されていてもよく、該炭素数1~6のアルキル基および該炭素数1~6アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。A11としては、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、1,4-フェニレン基が好ましい。
E11としては、直鎖状の炭素数1~12のアルカンジイル基が好ましい。該アルカンジイル基を構成する-CH2-は、-O-に置き換っていてもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、へキサン-1,6-ジイル基、へプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基およびドデカン-1,12-ジイル基等の炭素数1~12の直鎖状アルカンジイル基;-CH2-CH2-O-CH2-CH2-、-CH2-CH2-O-CH2-CH2-O-CH2-CH2-および-CH2-CH2-O-CH2-CH2-O-CH2-CH2-O-CH2-CH2-等が挙げられる。
B11としては、-O-、-S-、-CO-O-、-O-CO-が好ましく、中でも、-CO-O-がより好ましい。
B12およびB13としては、それぞれ独立に、-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-O-C(=O)-O-が好ましく、中でも、-O-または-O-C(=O)-O-がより好ましい。
P11で示される重合性基としては、重合反応性、特に光重合反応性が高いという点で、ラジカル重合性基またはカチオン重合性基が好ましく、取り扱いが容易な上、液晶化合物の製造自体も容易であることから、重合性基は、下記の式(P-11)~式(P-15)で表わされる基であることが好ましい。
[式(P-11)~(P-15)中、
R
17~R
21はそれぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基または水素原子を表わす。]
式(P-11)~式(P-15)で表わされる基の具体例としては、下記式(P-16)~式(P-20)で表わされる基が挙げられる。
P11は、式(P-14)~式(P-20)で表わされる基であることが好ましく、ビニル基、p-スチルベン基、エポキシ基またはオキセタニル基がより好ましい。
P11-B11-で表わされる基が、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であることがさらに好ましい。
重合性液晶化合物(Y)としては、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)または式(VI)で表わされる化合物が挙げられる。
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-B16-E12-B17-P12 (I)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-F11 (II)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-E12-B17-P12 (III)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-F11 (IV)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-E12-B17-P12 (V)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-F11 (VI)
[式中、
A11、B11~B13およびP11は上記と同義であり、
A12~A14はそれぞれ独立に、A11と同義であり、B14~B16はそれぞれ独立に、B12と同義であり、B17はB11と同義であり、E12はE11と同義であり、P12はP11と同義である。
F11は、水素原子、炭素数1~13のアルキル基、炭素数1~13のアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ジメチルアミノ基、ヒドロキシル基、メチロール基、ホルミル基、スルホ基(-SO3H)、カルボキシル基、炭素数1~10のアルコキシカルボニル基またはハロゲン原子を表わし、該アルキル基およびアルコキシ基を構成する-CH2-は、-O-に置き換っていてもよい。]
重合性液晶化合物(Y)の具体例としては、液晶便覧(液晶便覧編集委員会編、丸善(株)平成12年10月30日発行)の「3.8.6 ネットワーク(完全架橋型)」、「6.5.1 液晶材料 b.重合性ネマチック液晶材料」に記載された化合物の中で重合性基を有する化合物、特開2010-31223号公報、特開2010-270108号公報、特開2011-6360号公報および特開2011-207765号公報記載の重合性液晶が挙げられる。
重合性液晶化合物(Y)の具体例としては、下記式(I-1)~式(I-4)、式(II-1)~式(II-4)、式(III-1)~式(III-26)、式(IV-1)~式(IV-26)、式(V-1)~式(V-2)および式(VI-1)~式(VI-6)で表わされる化合物が挙げられる。なお、下記式中、k1およびk2は、それぞれ独立して、2~12の整数を表わす。これらの重合性液晶化合物(Y)は、その合成の容易さ、または、入手の容易さの点で好ましい。
重合性液晶化合物(X)および(Y)は、いずれも、水平配向させて使用することも垂直配向して使用することもできる。
重合性液晶化合物の中でも、波長300~400nmの間に極大吸収波長を有する重合性液晶化合物であることが好ましい。重合性液晶組成物に光重合開始剤が含まれる場合、長期保管時に重合性液晶化合物の重合反応およびゲル化が進行するおそれがある。しかし、重合性液晶化合物の極大吸収波長が300~400nmであれば保管中に紫外光が曝露されても、光重合開始剤からの反応活性種の発生および該反応活性種による重合性液晶化合物の重合反応およびゲル化の進行を有効に抑制できる。従って、重合性液晶組成物の長期安定性の点で有利となり、得られる液晶硬化膜の配向性および膜厚の均一性を向上できる。なお、重合性液晶化合物の極大吸収波長は、溶媒中で紫外可視分光光度計を用いて測定できる。該溶媒は重合性液晶化合物を溶解し得る溶媒であり、例えばクロロホルム等が挙げられる。
重合性液晶組成物中の重合性液晶化合物の含有量は、重合性液晶組成物の固形分100質量部に対して、例えば70~99.5質量部であり、好ましくは80~99質量部であり、より好ましくは85~98質量部であり、さらに好ましくは90~95質量部である。重合性液晶化合物の含有量が上記範囲内であれば、得られる液晶硬化物層の配向性の観点から有利である。なお、重合性液晶組成物が2種以上の重合性液晶化合物を含む場合、重合性液晶組成物に含まれる全ての液晶化合物の総量が上記含有量の範囲内であることが好ましい。また、本明細書において、重合性液晶組成物の固形分とは、重合性液晶組成物から有機溶媒等の揮発性成分を除いた全ての成分を意味する。
重合性液晶組成物は、重合性液晶化合物に加えて、溶媒、光重合開始剤、レベリング剤、酸化防止剤、光増感剤、垂直配向促進剤、重合性非液晶化合物などの添加剤をさらに含んでいてもよい。これらの成分は、それぞれ、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性液晶組成物は、通常、溶媒に溶解した状態で基材フィルム等に塗布されるため、溶媒を含むことが好ましい。溶媒としては、重合性液晶化合物を溶解し得る溶媒が好ましく、また、重合性液晶化合物の重合反応に不活性な溶媒であることが好ましい。溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、1-メトキシ-2-プロパノール、2-ブトキシエタノールおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ-ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートおよび乳酸エチル等のエステル溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;ペンタン、ヘキサンおよびヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素溶媒;トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素溶媒;アセトニトリル等のニトリル溶媒;テトラヒドロフランおよびジメトキシエタン等のエーテル溶媒;クロロホルムおよびクロロベンゼン等の塩素含有溶媒;ジメチルアセトアミド、ジメチルホルミアミド、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等のアミド系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または二種以上組み合わせて使用できる。中でも、フィルムコーティングの観点から、アルコール溶媒、エステル溶媒、ケトン溶媒、塩素含有溶媒、アミド系溶媒および芳香族炭化水素溶媒から選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、重合性液晶化合物の溶解性の観点から、エステル溶媒、ケトン溶媒、アミド系溶媒、芳香族炭化水素溶媒から選択される少なくとも1種を用いることがより好ましい。
重合性液晶組成物中の溶媒の含有量は、重合性液晶組成物100質量部に対して、好ましくは50~98質量部、より好ましくは70~95重量部である。したがって、重合性液晶組成物100質量部に占める固形分は、2~50質量部が好ましい。固形分が50質量部以下であると、重合性液晶組成物の粘度が低くなることから、膜の厚みが略均一になり、ムラが生じ難くなる傾向がある。上記固形分は、製造しようとする重合性液晶硬化物層の厚みを考慮して適宜定めることができる。
重合開始剤は、熱または光の寄与によって反応活性種を生成し、重合性液晶化合物等の重合反応を開始し得る化合物である。反応活性種としては、ラジカルまたはカチオンまたはアニオン等の活性種が挙げられる。中でも反応制御が容易であるという観点から、光照射によってラジカルを発生する光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンジルケタール化合物、オキシム化合物、α-ヒドロキシケトン化合物、α-アミノケトン化合物、トリアジン化合物、ヨードニウム塩およびスルホニウム塩が挙げられる。具体的には、イルガキュア(Irgacure、登録商標)907、イルガキュア184、イルガキュア651、イルガキュア819、イルガキュア250、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア127、イルガキュア2959、イルガキュア754、イルガキュア379EG(以上、BASFジャパン株式会社製)、セイクオールBZ、セイクオールZ、セイクオールBEE(以上、精工化学株式会社製)、カヤキュアー(kayacure)BP100(日本化薬株式会社製)、カヤキュアーUVI-6992(ダウ社製)、アデカオプトマーSP-152、アデカオプトマーSP-170、アデカオプトマーN-1717、アデカオプトマーN-1919、アデカアークルズNCI-831、アデカアークルズNCI-930(以上、株式会社ADEKA製)、TAZ-A、TAZ-PP(以上、日本シイベルヘグナー社製)およびTAZ-104(三和ケミカル社製)が挙げられる。
重合性液晶組成物において含まれる光重合開始剤は、少なくとも1種類であり、複数種を組み合わせて用いてもよいが、1種類または2種類であることが好ましい。
光重合開始剤は、光源から発せられるエネルギーを十分に活用でき、生産性に優れるため、極大吸収波長が300nm~400nmであると好ましく、300nm~380nmであるとより好ましく、中でも、α-アセトフェノン系重合開始剤、オキシム系光重合開始剤が好ましい。
α-アセトフェノン化合物としては、2-メチル-2-モルホリノ-1-(4-メチルスルファニルフェニル)プロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジルブタン-1-オンおよび2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-(4-メチルフェニルメチル)ブタン-1-オン等が挙げられ、より好ましくは2-メチル-2-モルホリノ-1-(4-メチルスルファニルフェニル)プロパン-1-オンおよび2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジルブタン-1-オンが挙げられる。α-アセトフェノン化合物の市販品としては、イルガキュア369、379EG、907(以上、BASFジャパン(株)製)およびセイクオールBEE(精工化学社製)等が挙げられる。
オキシムエステル系光重合開始剤は、光が照射されることによってフェニルラジカルやメチルラジカル等のラジカルを生成させる。このラジカルにより重合性液晶化合物の重合が好適に進行するが、中でもメチルラジカルを発生させるオキシムエステル系光重合開始剤は重合反応の開始効率が高い点で好ましい。また、重合反応をより効率的に進行させるという観点から、波長350nm以上の紫外線を効率的に利用可能な光重合開始剤を使用することが好ましい。波長350nm以上の紫外線を効率的に利用可能な光重合開始剤としては、オキシムエステル構造を含むトリアジン化合物やカルバゾール化合物が好ましく、感度の観点からはオキシムエステル構造を含むカルバゾール化合物がより好ましい。オキシムエステル構造を含むカルバゾール化合物としては、1,2-オクタンジオン、1-[4-(フェニルチオ)-2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)等が挙げられる。オキシムエステル系光重合開始剤の市販品としては、イルガキュアOXE-01、イルガキュアOXE-02、イルガキュアOXE-03(以上、BASFジャパン株式会社製)、アデカオプトマーN-1919、アデカアークルズNCI-831(以上、株式会社ADEKA製)等が挙げられる。
光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、通常、0.1~30質量部であり、好ましくは1~20質量部であり、より好ましくは1~15質量部である。上記範囲内であれば、重合性基の反応が十分に進行し、かつ、重合性液晶化合物の配向を乱し難い。
本発明において組成物の安定性を制御する目的から、酸化防止剤を組成物中に添加していても良い。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、キノン系酸化防止剤、ニトロソ系酸化防止剤から選ばれる一次酸化防止剤であってもよいし、リン系酸化防止剤および硫黄系酸化防止剤から選ばれる二次酸化防止剤であってもよい。重合性液晶化合物の重合性基がラジカル重合性基である場合には、反応を阻害しにくいという点から二次酸化防止剤であるリン系酸化防止剤および硫黄系酸化防止剤が好ましい。
酸化防止剤の含有量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、好ましくは0.01~3.0質量部であり、より好ましくは0.01~1.0質量部である。
増感剤を用いることにより、光重合開始剤を高感度化することができる。光増感剤としては、例えば、キサントン、チオキサントン等のキサントン類;アントラセンおよびアルキルエーテル等の置換基を有するアントラセン類;フェノチアジン;ルブレンが挙げられる。光増感剤としては、例えば、キサントン、チオキサントン等のキサントン類;アントラセンおよびアルキルエーテル等の置換基を有するアントラセン類;フェノチアジン;ルブレンが挙げられる。
光増感剤の含有量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、通常0.01~10質量部であり、好ましくは0.05~5質量部であり、さらに好ましくは0.1~3質量部である。
レベリング剤とは、重合性液晶組成物の流動性を調整し、組成物を塗布して得られる塗膜をより平坦にする機能を有する添加剤であり、例えば、シリコーン系、ポリアクリレート系およびパーフルオロアルキル系のレベリング剤が挙げられる。レベリング剤として市販品を用いてもよく、具体的には、DC3PA、SH7PA、DC11PA、SH28PA、SH29PA、SH30PA、ST80PA、ST86PA、SH8400、SH8700、FZ2123(以上、全て東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341、X22-161A、KF6001、(以上、全て信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF-4446、TSF4452、TSF4460(以上、全てモメンティブ パフォーマンス マテリアルズ ジャパン合同会社製)、フロリナート(fluorinert)(登録商標)FC-72、同FC-40、同FC-43、同FC-3283(以上、全て住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)R-08、同R-30、同R-90、同F-410、同F-411、同F-443、同F-445、同F-470、同F-477、同F-479、同F-482、同F-483(以上、いずれもDIC(株)製)、エフトップ(商品名)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(以上、全て三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S-381、同S-382、同S-383、同S-393、同SC-101、同SC-105、KH-40、SA-100(以上、全てAGCセイミケミカル(株)製)、商品名E1830、同E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)、BM-1000、BM-1100、BYK-352、BYK-353およびBYK-361N(いずれも商品名:BM Chemie社製)等が挙げられる。レベリング剤は単独または2種以上を組み合わせて使用できる。
レベリング剤の含有量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、0.01~10質量部が好ましく、0.05~3質量部がさらに好ましい。レベリング剤の含有量が、上記範囲内であると、得られる液晶硬化物層がより平滑となる傾向にあるため好ましい。
重合性液晶組成物は、重合性液晶化合物と、溶媒や光重合開始剤などの重合性液晶化合物以外の成分とを所定温度で撹拌等することにより得ることができる。
本発明の一態様において、機能層が含む硬化物層(液晶硬化物層)は、下記式(1)および(2)で表される光学特性を有する。該液晶硬化物層は、通常、重合性液晶化合物が該硬化物層平面に対して水平方向に配向した状態で硬化してなる硬化物(以下、「水平配向液晶硬化物層」ともいう)である。
Re(450)/Re(550)≦1.00 (1)
100nm≦Re(550)≦150nm (2)
[式(1)および(2)中、Re(λ)は波長λnmにおける面内位相差値を表す。]
式(1)を満たす場合、該液晶硬化物層は、短波長での面内位相差値が長波長での面内位相差値よりも小さくなる、いわゆる逆波長分散性を示す。逆波長分散性が向上し、本発明の長尺フィルムから該液晶硬化物層を含む機能層を偏光フィルムに転写して得られる楕円偏光板を表示装置に適用した場合の正面色相が向上するため、Re(450)/Re(550)は、好ましくは0.70以上、より好ましくは0.78以上であり、また、好ましくは1未満、より好ましくは0.95以下、さらに好ましくは0.92以下である。
上記面内位相差値は、液晶硬化物層の厚みdAによって、調整することができる。面内位相差値は、下記式:
Re(λ)=(nxA(λ)-nyA(λ))×dA
〔式中、nxA(λ)は液晶硬化物層の層面内における波長λでの主屈折率を表し、nyA(λ)はnxAと同一面内でnxAの方向に対して直交する方向の波長λでの屈折率を表し、dAは液晶硬化物層の層厚を表す〕
によって決定されることから、所望の面内位相差値(Re(λ):波長λ(nm)における液晶硬化物層の面内位相差値)を得るには、3次元屈折率と層厚dAとを調整すればよい。なお、3次元屈折率は、重合性液晶化合物の分子構造並びに配向状態に依存する。
また、液晶硬化物層の面内位相差Re(550)が式(2)の範囲内であると、該液晶硬化物層はいわゆるλ/4板として機能し、これを含む機能層を表示装置に適用した際の正面反射色相の向上効果に優れる。上記面内位相差値のさらに好ましい範囲は、130nm≦Re(550)≦150nmである。
また、機能層が含む硬化物層が、上記式(2)に代えて下記式(3)で表される光学特性を有していてもよく、この場合、式(4)を満たす光学特性を有することが好ましい。このような液晶硬化物層も、通常、重合性液晶化合物が該硬化物層平面に対して水平方向に配向した状態で硬化してなる水平配向液晶硬化物層となる。
200nm≦Re(550)≦300nm (3)
1.00≦Re(450)/Re(550) (4)
[式(3)および(4)中、Re(λ)は液晶硬化物層の波長λnmにおける面内位相差値を表す。]
液晶硬化物層が式(3)および(4)を満たすと、該液晶硬化物層はいわゆるλ/2板として機能し、これを含む機能層を表示装置に適用した際の正面反射色相の向上効果に優れる。この場合の面内位相差値Re(550)のさらに好ましい範囲は、220nm≦Re(550)≦280nmである。
本発明の別の一態様において、機能層が含む硬化物層(液晶硬化物層)は、下記式(5)で表される光学特性を有する。該液晶硬化物層は、通常、重合性液晶化合物が該液晶硬化物層平面に対して垂直方向に配向した状態で硬化してなる硬化物(以下、「垂直配向液晶硬化物層」ともいう)である。
-150nm≦Rth(550)≦-20nm (5)
[式(5)中、Rth(550)は硬化物層の波長550nmにおける厚み方向の位相差値を表す。]
液晶硬化物層の厚み方向の位相差値Rth(550)が式(5)の範囲内であると、これを含む機能層を表示装置に適用した際の斜方反射色相の向上効果に優れる。上記位相差値のさらに好ましい範囲は、-30nm≦Rth(550)≦-100nmである。
本発明において、機能層が含む硬化物層が垂直配向液晶硬化物層である場合、該液晶硬化物層が下記式(6)を満たすことが好ましく、式(5)と式(6)を同時に満たすことがより好ましい。
Rth(450)/Rth(550)≦1.00 (6)
[式(6)中、Rth(λ)は硬化物層の波長λnmにおける厚み方向の位相差値を表す。]
上記式(5)を満たすことにより、該垂直配向液晶硬化物層を含む機能層において短波長側で楕円率の低下を抑制することができ、斜方反射色相を向上させることができる。上記Rth(450)/Rth(550)の値は、より好ましくは0.95以下、さらに好ましくは0.92以下であり、特に好ましくは0.9以下であり、また、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.75以上、さらに好ましくは0.8以上である。なお、Rth(λ)は、3次元屈折率および膜厚dCにより制御することができる。
上記厚み方向の位相差値は、下記式:Rth(λ)=((nxC(λ)+nyC(λ))/2-nzC(λ))×dC
[式中nxC(λ)は波長λnmにおける液晶硬化物層の面内主屈折率、nyC(λ)は波長λnmにおける、nxC(λ)に対して面内で直交する方向の屈折率、nzC(λ)は波長λnmにおける液晶硬化物層の厚み方向の屈折率を示し、nxC(λ)=nyC(λ)である場合には、nxC(λ)はフィルム面内で任意の方向の屈折率とすることができ、dCは液晶硬化物層の膜厚を示す]
によって決定されることから、所望の膜厚方向の位相差値Rth(550)を得るためには、3次元屈折率と膜厚dCとを調整すればよい。なお、3次元屈折率は、重合性液晶化合物の分子構造並びに配向状態に依存する。
液晶硬化物層の厚みは、好ましくは0.1~5.0μm、より好ましくは0.2~4.0μm、さらに好ましくは0.4~3.0μmである。液晶硬化層の厚みが増すと機械強度も高くなり、機能層が切れ難くなる傾向にあり、液晶硬化物層の厚みが上記範囲内であると、別の光学フィルム等に機能層を転写する際にチギレが発生しやすくなる。本発明においては基材フィルムの端部に設けられた凹凸部上に機能層の一部が積層されていることから、該端部において生じる適度なアンカー効果によりチギレの発生を効果的に抑制することができ、上記範囲の厚みを有する場合に本発明の効果をより顕著に得られやすい。
本発明の長尺フィルムは、例えば、
長尺の基材フィルムまたは後述する配向膜などの上に、少なくとも1種の重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥し、かつ、該重合性液晶組成物中の重合性液晶化合物を配向させる工程、および、
配向状態を保持したまま光照射により重合性液晶化合物を重合させ、液晶硬化物層を形成する工程
を含む方法により製造することができる。
本発明において、重合性液晶組成物の塗膜は、本発明の長尺フィルムを構成する基材フィルム上、または、後述するような長尺の基材フィルム上に形成された配向膜などの上に重合性液晶組成物を塗布することにより形成することができる。重合性液晶組成物を基材フィルム等に塗布する方法としては、スピンコーティング法、エクストルージョン法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法、アプリケータ法などの塗布法、フレキソ法などの印刷法等の公知の方法が挙げられる。
次いで、溶媒を乾燥等により除去することにより、乾燥塗膜が形成される。乾燥方法としては、自然乾燥法、通風乾燥法、加熱乾燥および減圧乾燥法等が挙げられる。この際、重合性液晶組成物から得られた塗膜を加熱することにより、塗膜から溶媒を乾燥除去させるとともに、重合性液晶化合物を塗膜平面に対して所望の方向(例えば、水平または垂直方向)に配向させることができる。塗膜の加熱温度は、用いる重合性液晶化合物および塗膜を形成する基材等の材質などを考慮して、適宜決定し得るが、重合性液晶化合物を液晶相状態へ相転移させるために、通常、液晶相転移温度以上の温度であることが必要である。重合性液晶組成物に含まれる溶媒を除去しながら、重合性液晶化合物を所望の配向状態とするため、例えば、前記重合性液晶組成物に含まれる重合性液晶化合物の液晶相転移温度(スメクチック相転移温度またはネマチック相転移温度)程度以上の温度まで加熱することができる。加熱温度は、好ましくは重合性液晶化合物の液晶相(ネマチック相)転移温度よりも3℃以上高い、より好ましくは5℃以上高い温度である。加熱温度の上限値は特に限定されないが、加熱による塗膜や基材等への損傷を避けるため、好ましくは180℃以下、より好ましくは150℃以下である。
なお、液晶相転移温度は、例えば、温度調節ステージを備えた偏光顕微鏡や、示差走査熱量計(DSC)、熱重量示差熱分析装置(TG-DTA)等を用いて測定することができる。また、重合性液晶化合物として2種以上を組み合わせて用いる場合、上記相転移温度は、重合性液晶組成物を構成する全重合性液晶化合物を重合性液晶組成物における組成と同じ比率で混合した重合性液晶化合物の混合物を用いて、1種の重合性液晶化合物を用いる場合と同様にして測定される温度を意味する。また、一般に重合性液晶組成物中における重合性液晶化合物の液晶相転移温度は、重合性液晶化合物単体としての液晶相転移温度よりも下がる場合があることが知られている。
加熱時間は、加熱温度、用いる重合性液晶化合物の種類、溶媒の種類やその沸点およびその量等に応じて適宜決定し得るが、通常、0.5~10分であり、好ましくは0.5~5分である。
塗膜からの溶媒の除去は、重合性液晶化合物の液晶相転移温度以上への加熱と同時に行ってもよいし、別途で行ってもよいが、生産性向上の観点から同時に行うことが好ましい。重合性液晶化合物の液晶相転移温度以上への加熱を行う前に、重合性液晶組成物から得られた塗膜中に含まれる重合性液晶化合物が重合しない条件で塗膜中の溶媒を適度に除去させるための予備乾燥工程を設けてもよい。かかる予備乾燥工程における乾燥方法としては、自然乾燥法、通風乾燥法、加熱乾燥および減圧乾燥法等が挙げられ、該乾燥工程における乾燥温度(加熱温度)は、用いる重合性液晶化合物の種類、溶媒の種類やその沸点およびその量等に応じて適宜決定し得る。
次いで、得られた乾燥塗膜において、重合性液晶化合物の配向状態を保持したまま、光照射により重合性液晶化合物を重合させることにより、所望の配向状態で存在する重合性液晶化合物の重合体である液晶硬化物層が形成される。重合方法としては、通常、光重合法が用いられる。光重合において、乾燥塗膜に照射する光としては、当該乾燥塗膜に含まれる光重合開始剤の種類、重合性液晶化合物の種類(特に、該重合性液晶化合物が有する重合性基の種類)およびその量に応じて適宜選択される。その具体例としては、可視光、紫外光、赤外光、X線、α線、β線およびγ線からなる群より選択される1種以上の光や活性電子線等の活性エネルギー線が挙げられる。中でも、重合反応の進行を制御し易い点や、光重合装置として当分野で広範に用いられているものが使用できるという点で、紫外光が好ましく、紫外光によって、光重合可能なように、重合性液晶組成物に含有される重合性液晶化合物や光重合開始剤の種類を選択しておくことが好ましい。また、重合時に、適切な冷却手段により乾燥塗膜を冷却しながら光照射することで、重合温度を制御することもできる。このような冷却手段の採用により、より低温で重合性液晶化合物の重合を実施すれば、基材が比較的耐熱性が低いものを用いたとしても、適切に液晶硬化物層を形成できる。また、光照射時の熱による不具合(基材の熱による変形等)が発生しない範囲で重合温度を高くすることにより重合反応を促進することも可能である。光重合の際、マスキングや現像を行うなどによって、パターニングされた硬化物層を得ることもできる。
前記活性エネルギー線の光源としては、例えば、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ、ガリウムランプ、エキシマレーザー、波長範囲380~440nmを発光するLED光源、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。
紫外線照射強度は、通常、10~3,000mW/cm2である。紫外線照射強度は、好ましくは光重合開始剤の活性化に有効な波長領域における強度である。光を照射する時間は、通常0.1秒~10分であり、好ましくは0.1秒~5分、より好ましくは0.1秒~3分、さらに好ましくは0.1秒~1分である。このような紫外線照射強度で1回または複数回照射すると、その積算光量は、10~3,000mJ/cm2、好ましくは50~2,000mJ/cm2、より好ましくは100~1,000mJ/cm2である。積算光量がこの範囲内であると、重合性液晶組成物が十分に硬化し、良好な転写性を得ることができる。また、液晶硬化物層を含む長尺フィルム全体の着色を抑制することができる。
本発明の一態様において、液晶硬化物層は配向膜上に形成され得る。配向膜は、重合性液晶化合物を所望の方向に液晶配向させる、配向規制力を有するものである。この中でも、重合性液晶化合物を水平方向に配向させる配向規制力を有する配向膜を水平配向膜、垂直方向に配向させる配向規制力を有する配向膜を垂直配向膜と呼ぶことがある。配向膜上に液晶硬化物層を形成することで、重合性液晶化合物が精度よく配向した液晶硬化物層を得ることができ、表示装置等に組み込んだ際に優れた光学特性を示す機能層を得ることができる。配向規制力は、配向膜の種類、表面状態やラビング条件等によって任意に調整することが可能であり、配向膜が光配向性ポリマーから形成されている場合は、偏光照射条件等によって任意に調整することが可能である。
配向膜としては、重合性液晶組成物の塗布等により溶解しない溶媒耐性を有し、また、溶媒の除去や重合性液晶化合物の配向のための加熱処理における耐熱性を有するものが好ましい。配向膜としては、配向性ポリマーを含む配向膜、光配向膜および表面に凹凸パターンや複数の溝を有するグルブ配向膜、配向方向に延伸してある延伸フィルム等が挙げられ、配向角の精度および品質の観点から光配向膜が好ましい。
配向性ポリマーとしては、例えば、分子内にアミド結合を有するポリアミドやゼラチン類、分子内にイミド結合を有するポリイミドおよびその加水分解物であるポリアミック酸、ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリオキサゾール、ポリエチレンイミン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびポリアクリル酸エステル類が挙げられる。中でも、ポリビニルアルコールが好ましい。配向性ポリマーは単独または2種以上を組み合わせて使用できる。
配向性ポリマーを含む配向膜は、通常、配向性ポリマーが溶媒に溶解した組成物(以下、「配向性ポリマー組成物」ともいう)を基材フィルム等の配向膜を形成すべき表面に塗布し、溶媒を除去する、または、配向性ポリマー組成物を基材に塗布し、溶媒を除去し、ラビングする(ラビング法)ことで得られる。溶媒としては、重合性液晶組成物に用い得る溶媒として先に例示した溶媒と同様のものが挙げられる。
配向性ポリマー組成物中の配向性ポリマーの濃度は、配向性ポリマー材料が、溶媒に完溶できる範囲であればよいが、溶液に対して固形分換算で0.1~20%が好ましく、0.1~10%程度がさらに好ましい。
配向性ポリマー組成物として、市販の配向膜材料をそのまま使用してもよい。市販の配向膜材料としては、サンエバー(登録商標、日産化学工業(株)製)、オプトマー(登録商標、JSR(株)製)などが挙げられる。
配向性ポリマー組成物を基材フィルム等の配向膜を形成すべき表面に塗布する方法としては、重合性液晶組成物を基材フィルムへ塗布する方法として例示したものと同様のものが挙げられる。
配向性ポリマー組成物に含まれる溶媒を除去する方法としては、自然乾燥法、通風乾燥法、加熱乾燥および減圧乾燥法等が挙げられる。
配向膜に配向規制力を付与するために、必要に応じてラビング処理を行うことができる(ラビング法)。ラビング法により配向規制力を付与する方法としては、ラビング布が巻きつけられ、回転しているラビングロールに、配向性ポリマー組成物を基材に塗布しアニールすることで基材表面に形成された配向性ポリマーの膜を接触させる方法が挙げられる。ラビング処理を行う時に、マスキングを行えば、配向の方向が異なる複数の領域(パターン)を配向膜に形成することもできる。
光配向膜は、通常、光反応性基を有するポリマーおよび/またはモノマーと溶媒とを含む組成物(以下、「光配向膜形成用組成物」ともいう)を、配向膜を形成すべき基材表面に塗布し、溶媒を除去後に偏光(好ましくは、偏光UV)を照射することで得られる。光配向膜は、照射する偏光の偏光方向を選択することにより、配向規制力の方向を任意に制御することができる点でも有利である。
光反応性基とは、光照射することにより液晶配向能を生じる基をいう。具体的には、光照射により生じる分子の配向誘起または異性化反応、二量化反応、光架橋反応もしくは光分解反応等の液晶配向能の起源となる光反応に関与する基が挙げられる。中でも、二量化反応または光架橋反応に関与する基が、配向性に優れる点で好ましい。光反応性基として、不飽和結合、特に二重結合を有する基が好ましく、炭素-炭素二重結合(C=C結合)、炭素-窒素二重結合(C=N結合)、窒素-窒素二重結合(N=N結合)および炭素-酸素二重結合(C=O結合)からなる群より選ばれる少なくとも1つを有する基が特に好ましい。
C=C結合を有する光反応性基としては、ビニル基、ポリエン基、スチルベン基、スチルバゾール基、スチルバゾリウム基、カルコン基およびシンナモイル基等が挙げられる。C=N結合を有する光反応性基としては、芳香族シッフ塩基、芳香族ヒドラゾンなどの構造を有する基が挙げられる。N=N結合を有する光反応性基としては、アゾベンゼン基、アゾナフタレン基、芳香族複素環アゾ基、ビスアゾ基、ホルマザン基、および、アゾキシベンゼン構造を有する基等が挙げられる。C=O結合を有する光反応性基としては、ベンゾフェノン基、クマリン基、アントラキノン基およびマレイミド基等が挙げられる。これらの基は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリルオキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、ハロゲン化アルキル基などの置換基を有していてもよい。
中でも、光二量化反応に関与する光反応性基が好ましく、光配向に必要な偏光照射量が比較的少なく、かつ、熱安定性や経時安定性に優れる光配向膜が得られやすいという点で、光反応性基はシンナモイル基およびカルコン基が好ましい。特に、液晶硬化物層が重合性基として(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性液晶化合物から形成される場合、該液晶硬化物層との密着性をより向上させることができるため、配向膜を形成する光反応性基を有するポリマーとしては、当該ポリマー側鎖の末端部が桂皮酸構造となるようなシンナモイル基を有するものが特に好ましい。
光配向膜形成用組成物に含まれる溶媒としては、重合性液晶組成物に用い得る溶媒として先に例示した溶媒と同様のものが挙げられ、光反応性基を有するポリマーあるいはモノマーの溶解性に応じて適宜選択することができる。
光配向膜形成用組成物中の光反応性基を有するポリマーまたはモノマーの含有量は、ポリマーまたはモノマーの種類や目的とする光配向膜の厚みによって適宜調節できるが、光配向膜形成用組成物の質量に対して、少なくとも0.2質量%とすることが好ましく、0.3~10質量%の範囲がより好ましい。また、光配向膜を形成するポリマーは、製造が容易である点、配向した液晶硬化物層が重合性基として(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性液晶化合物から形成される場合に該液晶硬化物層との密着性を向上可能な点から、(メタ)アクリルポリマーであることが好ましい。光配向膜の特性が著しく損なわれない範囲で、光配向膜形成用組成物は、ポリビニルアルコールやポリイミドなどの高分子材料や光増感剤を含んでいてもよい。
配向膜を形成すべき表面に光配向膜形成用組成物を塗布する方法としては、配向性ポリマー組成物を塗布する方法と同様の方法が挙げられる。塗布された光配向膜形成用組成物から、溶媒を除去する方法としては例えば、自然乾燥法、通風乾燥法、加熱乾燥及び減圧乾燥法等が挙げられる。
偏光を照射するには、配向膜を形成すべき表面上に塗布された光配向膜形成用組成物から溶媒を除去したものに直接、偏光UVを照射する形式であってよい。また、当該偏光は、実質的に平行光であると特に好ましい。照射する偏光の波長は、光反応性基を有するポリマーまたはモノマーの光反応性基が、光エネルギーを吸収し得る波長領域のものがよい。具体的には、波長250~400nmの範囲のUV(紫外線)が特に好ましい。当該偏光照射に用いる光源としては、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、KrF、ArFなどの紫外光レーザーなどが挙げられ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプおよびメタルハライドランプがより好ましい。これらの中でも、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプおよびメタルハライドランプが、波長313nmの紫外線の発光強度が大きいため好ましい。前記光源からの光を、適当な偏光子を通過して照射することにより、偏光UVを照射することができる。かかる偏光子としては、偏光フィルターやグラントムソン、グランテーラーなどの偏光プリズムやワイヤーグリッドタイプの偏光子を用いることができる。
なお、ラビングまたは偏光照射を行う時に、マスキングを行えば、液晶配向の方向が異なる複数の領域(パターン)を形成することもできる。
グルブ(groove)配向膜は、膜表面に凹凸パターンまたは複数のグルブ(溝)を有する膜である。等間隔に並んだ複数の直線状のグルブを有する膜に重合性液晶化合物を塗布した場合、その溝に沿った方向に液晶分子が配向する。
グルブ配向膜を得る方法としては、感光性ポリイミド膜表面にパターン形状のスリットを有する露光用マスクを介して露光後、現像およびリンス処理を行って凹凸パターンを形成する方法、表面に溝を有する板状の原盤に、硬化前のUV硬化樹脂の層を形成し、形成された樹脂層を基材フィルム等の配向膜を形成すべき表面へ移してから硬化する方法、および、配向膜を形成すべき表面に形成した硬化前のUV硬化樹脂の膜に、複数の溝を有するロール状の原盤を押し当てて凹凸を形成し、その後硬化する方法等が挙げられる。
配向膜(配向性ポリマーを含む配向膜または光配向膜)の厚みは、通常10~10000nmの範囲であり、好ましくは10~2500nmの範囲であり、より好ましくは10~1000nm以下であり、さらに好ましくは10~500nm、特に好ましい50~250nmの範囲である。
本発明において、機能層を構成する液晶硬化物層が垂直配向液晶硬化物層である場合、該液晶硬化物層が少なくとも1種の垂直配向促進剤を含むことにより、上記配向膜を介することなく、基材フィルム上などの液晶硬化物層を形成すべき表面に直接液晶硬化物層を形成することができる。本明細書において、垂直配向促進剤とは硬化物層平面に対して垂直方向へ重合性液晶化合物の液晶配向を促進させる材料を意味する。液晶硬化物層が垂直配向促進剤を含むことにより、基材フィルム上等に垂直配向膜を形成することなく直接垂直配向液晶硬化物層を形成することができるため、長尺フィルムの製造工程が簡素化され、生産性よく長尺フィルムを製造することができる。
垂直配向促進剤としては、基材フィルム上に重合性液晶組成物を塗布した際に、塗膜の基材フィルム側界面において重合性液晶化合物に対して静電反発力を生じるような成分が好ましい。このような成分としては、例えばイオン性化合物が挙げられ、液晶硬化物層の配向欠陥の発生を抑制する観点から、垂直配向促進剤としては非金属原子からなるイオン性化合物を含むことが好ましい。重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物が、非金属原子からなるイオン性化合物を含むと、該組成物から形成された乾燥塗膜においては、静電相互作用によって重合性液晶化合物に対する垂直配向規制力が発現し、乾燥塗膜内において重合性液晶化合物を膜平面に対して垂直方向に配向させることができる。これにより、重合性液晶化合物が垂直配向した状態を保持して液晶硬化物層を形成することができる。
非金属原子からなるイオン性化合物(以下、単に「イオン性化合物」ともいう)としては、たとえば、オニウム塩(より具体的には、窒素原子がプラスの電荷を有する第四級アンモニウム塩、第三級スルホニウム塩、およびリン原子がプラスの電荷を有する第四級ホスホニウム塩等)が挙げられる。これらのオニウム塩のうち、重合性液晶化合物の垂直配向性をより向上させ得る観点から第四級オニウム塩が好ましく、入手性および量産性を向上させる観点から、第四級ホスホニウム塩または第四級アンモニウム塩がより好ましい。オニウム塩は分子内に2つ以上の第四級オニウム塩部位を有していてもよく、オリゴマーやポリマーであってもよい。
イオン性化合物の分子量は、100以上10,000以下であることが好ましい。分子量が上記範囲内であると、重合性液晶組成物の塗布性を確保したまま重合性液晶化合物の垂直配向性を向上させやすい。イオン性化合物の分子量は、より好ましくは5000以下、さらに好ましくは3000以下である。
イオン性化合物のカチオン成分としては、例えば、無機のカチオンおよび有機のカチオンが挙げられる。中でも、重合性液晶化合物の配向欠陥を生じ難いことから、有機のカチオンが好ましい。有機のカチオンとしては、例えば、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、アンモニウムカチオン、スルホニウムカチオンおよびホスホニウムカチオン等が挙げられる。
イオン性化合物は一般的に対アニオンを有する。上記カチオン成分の対イオンとなるアニオン成分としては、例えば、無機のアニオンおよび有機のアニオンが挙げられる。中でも、重合性液晶化合物の配向欠陥を生じ難いことから、有機のアニオンが好ましい。なお、カチオンとアニオンとは、必ずしも一対一の対応となっている必要があるわけではない。
アニオン成分としては、具体的に例えば、以下のようなものが挙げられる。
クロライドアニオン〔Cl-〕、
ブロマイドアニオン〔Br-〕、
ヨーダイドアニオン〔I-〕、
テトラクロロアルミネートアニオン〔AlCl4
-〕、
ヘプタクロロジアルミネートアニオン〔Al2Cl7
-〕、
テトラフルオロボレートアニオン〔BF4
-〕、
ヘキサフルオロホスフェートアニオン〔PF6
-〕、
パークロレートアニオン〔ClO4
-〕、
ナイトレートアニオン〔NO3
-〕、
アセテートアニオン〔CH3COO-〕、
トリフルオロアセテートアニオン〔CF3COO-〕、
フルオロスルホネートアニオン〔FSO3
-〕、
メタンスルホネートアニオン〔CH3SO3
-〕、
トリフルオロメタンスルホネートアニオン〔CF3SO3
-〕、
p-トルエンスルホネートアニオン〔p-CH3C6H4SO3
-〕、
ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン〔(FSO2)2N-〕、
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン〔(CF3SO2)2N-〕、
トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタニドアニオン〔(CF3SO2)3C-〕、
ヘキサフルオロアーセネートアニオン〔AsF6
-〕、
ヘキサフルオロアンチモネートアニオン〔SbF6
-〕、
ヘキサフルオロニオベートアニオン〔NbF6
-〕、
ヘキサフルオロタンタレートアニオン〔TaF6
-〕、
ジメチルホスフィネートアニオン〔(CH3)2POO-〕、
(ポリ)ハイドロフルオロフルオライドアニオン〔F(HF)n
-〕(たとえば、nは1~3の整数を表す)、
ジシアナミドアニオン〔(CN)2N-〕、
チオシアンアニオン〔SCN-〕、
パーフルオロブタンスルホネートアニオン〔C4F9SO3
-〕、
ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドアニオン〔(C2F5SO2)2N-〕、
パーフルオロブタノエートアニオン〔C3F7COO-〕、および
(トリフルオロメタンスルホニル)(トリフルオロメタンカルボニル)イミドアニオン〔(CF3SO2)(CF3CO)N-〕。
イオン性化合物の具体例は、上記カチオン成分とアニオン成分との組合せから適宜選択することができる。具体的なカチオン成分とアニオン成分の組合せである化合物としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
(ピリジニウム塩)
N-ヘキシルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N-オクチルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N-メチル-4-ヘキシルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N-ブチル-4-メチルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N-オクチル-4-メチルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N-ヘキシルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-オクチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-メチル-4-ヘキシルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ブチル-4-メチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-オクチル-4-メチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ヘキシルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-オクチルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-メチル-4-ヘキシルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-ブチル-4-メチルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-オクチル-4-メチルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-ヘキシルピリジニウム p-トルエンスルホネート、
N-オクチルピリジニウム p-トルエンスルホネート、
N-メチル-4-ヘキシルピリジニウム p-トルエンスルホネート、
N-ブチル-4-メチルピリジニウム p-トルエンスルホネート、および
N-オクチル-4-メチルピリジニウム p-トルエンスルホネート。
(イミダゾリウム塩)
1-エチル-3-メチルイミダゾリウム ヘキサフルオロホスフェート、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウム p-トルエンスルホネート、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム メタンスルホネートなど。
(ピロリジニウム塩)
N-ブチル-N-メチルピロリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N-ブチル-N-メチルピロリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ブチル-N-メチルピロリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-ブチル-N-メチルピロリジニウム p-トルエンスルホネートなど。
(アンモニウム塩)
テトラブチルアンモニウム ヘキサフルオロホスフェート、
テトラブチルアンモニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
テトラヘキシルアンモニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
トリオクチルメチルアンモニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
テトラブチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
テトラヘキシルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
トリオクチルメチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
テトラブチルアンモニウム p-トルエンスルホネート、
テトラヘキシルアンモニウム p-トルエンスルホネート、
トリオクチルメチルアンモニウム p-トルエンスルホネート、
(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム p-トルエンスルホネート、
(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム ジメチルホスフィネート
1-(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,1,1-トリブチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,1,1-トリメチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-(3-トリメトキシシリルブチル)-1,1,1-トリブチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-(3-トリメトキシシリルブチル)-1,1,1-トリメチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-{(3-トリエトキシシリルプロピル)カルバモイルオキシエチル)}-N,N,N-トリメチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、および
N-[2-{3-(3-トリメトキシシリルプロピルアミノ)-1-オキソプロポキシ}エチル]-N,N,N-トリメチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド。
(ホスホニウム塩)
トリブチル(2-メトキシエチル)ホスホニウム ビス (トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
トリブチルメチルホスホニウムビス (トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1,1,1-トリメチル-1-[(トリメトキシシリル)メチル]ホスホニウム ビス (トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1,1,1-トリメチル-1-[2-(トリメトキシシリル)エチル]ホスホニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1,1,1-トリメチル-1-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]ホスホニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1,1,1-トリメチル-1-[4-(トリメトキシシリル)ブチル]ホスホニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1,1,1-トリブチル-1-[(トリメトキシシリル)メチル]ホスホニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1,1,1-トリブチル-1-[2-(トリメトキシシリル)エチル]ホスホニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、および
1,1,1-トリブチル-1-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]ホスホニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド。
これらのイオン性化合物はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、ホスホニウム塩、ピリジニウム塩、アンモニウム塩からなるイオン性化合物が好ましい。
重合性液晶化合物の垂直配向性をより向上させ得る観点から、イオン性化合物はカチオン部位の分子構造中にSi元素および/またはF元素を有していることが好ましい。イオン性化合物がカチオン部位の分子構造中にSi元素および/またはF元素を有していると、イオン性化合物を重合性液晶化合物から形成される硬化物層の表面に偏析させやすくなる。中でも、構成する元素が全て非金属元素であるイオン性化合物として、下記イオン性化合物(i)~(iii)等が好ましい。
(イオン性化合物(i))
(イオン性化合物(ii))
(イオン性化合物(iii))
例えば、ある程度鎖長の長いアルキル基を有する界面活性剤を用いて基材表面を処理し、液晶の配向性を向上させる方法(例えば、「液晶便覧」の第2章 液晶の配向と物性(丸善株式会社発行)等を参照)を応用して重合性液晶化合物の垂直配向性をより向上させることができる。すなわち、ある程度鎖長の長いアルキル基を有するイオン性化合物を用いて基材表面を処理することにより、重合性液晶化合物の垂直配向性を効果的に向上させることができる。
具体的には、イオン性化合物が下記式(7)を満たすことが好ましい。
5<M<16 (7)
式(7)中、Mは下記式(8)で表される。
M=(プラスの電荷を有する原子上に直接結合される置換基の内、分子鎖末端までの共有結合数が最も多い置換基の、プラスの電荷を有する原子から分子鎖末端までの共有結合数)÷(プラスの電荷を有する原子の数) (8)
イオン性化合物が上記(7)を満たすことにより、重合性液晶化合物の垂直配向性を効果的に向上させることができる。
なお、イオン性化合物の分子中にプラスの電荷を有する原子が2つ以上存在する場合、プラスの電荷を有する原子を2つ以上有する置換基については、基点として考えるプラスの電荷を有する原子から数えて最も近い別のプラスの電荷を有する原子までの共有結合数を、上記Mの定義に記載の「プラスの電荷を有する原子から分子鎖末端までの共有結合数」とする。また、イオン性化合物が繰返し単位を2つ以上有するオリゴマーやポリマーである場合には、構成単位を一分子として考え、上記Mを算出する。プラスの電荷を有する原子が環構造に組み込まれている場合、環構造を経由して同プラスの電荷を有する原子に至るまでの共有結合数、または環構造に結合している置換基の末端までの共有結合数のうち、共有結合数が多い方を上記Mの定義に記載の「プラスの電荷を有する原子から分子鎖末端までの共有結合数」とする。
重合性液晶組成物における非金属原子からなるイオン性化合物の含有量は、通常、該組成物に含まれる重合性液晶化合物100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上であり、また、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下である。非金属原子からなるイオン性化合物の含有量が上記範囲内であると、重合性液晶組成物の良好な塗布性を維持しながら、重合性液晶化合物の垂直配向性を効果的に促進させることができる。
垂直配向促進剤として、基材フィルム上に重合性液晶組成物を塗布した際に、得られる硬化物層の基材フィルムとは反対側の界面における表面エネルギーを下げることにより、重合性液晶化合物を膜平面に対して垂直方向へ配向させる垂直配向規制力を発揮し得る成分を含んでもよい。このような成分としては、例えば非イオン性シラン化合物やレベリング剤などが挙げられ、非イオン性シラン化合物が好ましい。重合性液晶組成物が非イオン性シラン化合物を含むと、非イオン性シラン化合物が該組成物の表面張力を低下させ、該組成物から形成された乾燥塗膜においては、乾燥塗膜と空気界面に非イオン性シラン化合物が偏在する傾向にあり、重合性液晶化合物に対する垂直配向規制力を高め、乾燥塗膜内において重合性液晶化合物を膜平面に対して垂直方向に配向させることができる。これにより、重合性液晶化合物が垂直配向した状態を保持して液晶硬化物層を形成することができる。
非イオン性シラン化合物は、非イオン性であってSi元素を含む化合物である。非イオン性シラン化合物としては、例えば、ポリシランのようなケイ素ポリマー、シリコーンオイルおよびシリコーンレジンのようなシリコーン樹脂、並びにシリコーンオリゴマー、シルセスシロキサンおよびアルコキシシランのような有機無機シラン化合物(より具体的には、シランカップリング剤等)等が挙げられる。これらの非イオン性シラン化合物は、1種を単独で用いてもよく、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、隣接する層との密着性をより向上させる観点から、シランカップリング剤が好ましい。
非イオン性シラン化合物は、シリコーンモノマータイプのものであってもよく、シリコーンオリゴマー(ポリマー)タイプのものであってもよい。シリコーンオリゴマーを(単量体)-(単量体)コポリマーの形式で示すと、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマーおよび3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマーのようなメルカプトプロピル基含有のコポリマー;メルカプトメチルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、メルカプトメチルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、メルカプトメチルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマーおよびメルカプトメチルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマーのようなメルカプトメチル基含有のコポリマー;3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、3-メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、3-メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、3-メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、3-メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、3-メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマーおよび3-メタクリロキシイルオプロピルメチルジエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマーのようなメタクリロイルオキシプロピル基含有のコポリマー;3-アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、3-アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、3-アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、3-アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、3-アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、3-アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、3-アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマーおよび3-アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマーのようなアクリロイルオキシプロピル基含有のコポリマー;ビニルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、ビニルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、ビニルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、ビニルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、ビニルメチルジメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、ビニルメチルジメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、ビニルメチルジエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマーおよびビニルメチルジエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマーのようなビニル基含有のコポリマー;3-アミノプロピルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、3-アミノプロピルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、3-アミノプロピルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、3-アミノプロピルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマーおよび3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマーのようなアミノ基含有のコポリマー等が挙げられる。
シランカップリング剤は、末端にビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、カルボキシル基、およびヒドロキシル基からなる群から選択される少なくとも1種のような官能基と、少なくとも1つのアルコキシシリル基またはシラノール基とを有するSi元素を含む化合物である。これらの官能基を適宜選定することにより、垂直配向した液晶硬化物層の機械的強度の向上、表面改質、液晶硬化物層と隣接する層との密着性向上などの特異な効果を付与することが可能となる。密着性の観点からは、シランカップリング剤がアルコキシシリル基ともう1つの異なる反応基(たとえば、上記官能基)とを有するシランカップリング剤であることが好ましい。さらに、シランカップリング剤が、アルコキシシリル基と極性基とを有するシランカップリング剤であることが好ましい。シランカップリング剤がその分子内に少なくとも1つのアルコキシシリル基と、少なくとも1つの極性基とを有すると、重合性液晶化合物の垂直配向性がより向上しやすく、垂直配向促進効果が顕著に得られる傾向にある。極性基としては、例えば、エポキシ基、アミノ基、イソシアヌレート基、メルカプト基、カルボキシル基およびヒドロキシル基が挙げられる。なお、極性基はシランカップリング剤の反応性を制御するために適宜置換基または保護基を有していてもよい。
シランカップリング剤としては、具体的に例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルジメトキシメチルシランおよび3-グリシドキシプロピルエトキシジメチルシランが挙げられる。
また、市販のシランカップリング剤としては、たとえば、KP321、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341、X22-161A、KF6001、KBM-1003、KBE-1003、KBM-303、KBM-402、KBM-403、KBE-402、KBE-403、KBM-1403、KBM-502、KBM-503、KBE-502、KBE-503、KBM-5103、KBM-602、KBM-603、KBM-903、KBE-903、KBE-9103、KBM-573、KBM-575、KBM-9659、KBE-585、KBM-802、KBM-803、KBE-846、およびKBE-9007のような信越化学工業(株)製のシランカップリング剤が挙げられる。
重合性液晶組成物における非イオン性シラン化合物の含有量は、通常、該組成物に含まれる重合性液晶化合物100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上であり、また、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下である。非イオン性シラン化合物の含有量が上記範囲内であると、重合性液晶組成物の良好な塗布性を維持しながら、重合性液晶化合物の垂直配向性を効果的に促進させることができる。
本発明において、垂直配向液晶硬化物層を形成するための重合性液晶組成物は、垂直配向促進剤として、非金属原子からなるイオン性化合物および非イオン性シラン化合物のうちの少なくとも1種を含むことが好ましく、非金属原子からなるイオン性化合物を含むことがより好ましく、非金属原子からなるイオン性化合物および非イオン性シラン化合物をともに含むことがより好ましい。重合性液晶組成物が、非金属原子からなるイオン性化合物および非イオン性シラン化合物の両方を含むことにより、重合性液晶組成物から形成された乾燥塗膜においては、基材側界面における非金属原子からなるイオン性化合物に由来する静電相互作用と、非基材側界面における非イオン性シラン化合物に由来する表面エネルギー低下効果により、液晶硬化物層の両界面において重合性液晶化合物に対する垂直配向規制力が生じるため、重合性液晶化合物の垂直配向がより促進されやすくなる。これにより、重合性液晶化合物がより精度よく垂直配向した状態を保持して液晶硬化物層を形成することができる。
さらに、垂直配向液晶硬化物層を形成するための重合性液晶組成物にヒドロキシル基またはカルボキシル基と反応し得る官能基と(メタ)アクリロイル基とを分子内に有する化合物のような重合性非液晶化合物(以下、「プレ反応化合物」ともいう)を加えることで、コロナ処理やプラズマ処理等により表面にヒドロキシル基またはカルボキシル基が存在する基材との密着性を高めることができ、基材の表面処理状態や垂直配向液晶硬化膜に含まれるプレ反応化合物の種類および含有量等を調整することにより、積層体の基材剥離力Pを制御し得る。これにより、垂直配向膜なしで形成された垂直配向液晶硬化物層と基材フィルムとが最適な密着力により積層され、かつ、最適な基材剥離力を示す長尺フィルムを得ることができる。
本発明において、機能層を構成する液晶硬化物中の重合性液晶化合物の分子配向方向が、基材フィルムの長尺方向面内に対して水平であり、かつ、基材フィルムの長尺方向に対して平行方向でない場合にその効果は顕著となりやすい。重合性液晶化合物の分子配向方向が基材フィルムの長尺方向に対して平行方向でないとは、重合性液晶化合物が水平配向し、その配向方向が長尺方向と平行でないことを意味する。基材フィルムの長尺方向と重合性液晶化合物の配向方向とが上記関係性にある場合、後述するような長尺方向に吸収軸あるいは透過軸をもつ偏光フィルムを含む光学フィルム等へ、Roll to Roll方式を用いて、本発明の長尺フィルムから機能層を転写して長尺貼合することが可能となる。その一方で、転写の際に重合性液晶化合物の分子配向方向が剥離方向、すなわち長尺方向と一致しないため、液晶硬化物層の端部がギザギザにちぎれやすくなる。このような場合にも、基材端部に凹凸部を設けて、該凹凸部における機能層との密着性をさらに高めるとともに、凹凸のない領域で機能層と裏面の基材フィルムとの間に微細な空隙を設けることで、凹凸のない領域での貼りつき・脱落を抑制し、凹凸部と凹凸のない領域との間に基材フィルムと機能層との密着性に適度な差を生じさせることにより、機能層が基材フィルムから剥離方向に直線的に剥離しやすくなり、転写時に端部のちぎれの発生を抑え、高い生産性と品質を確保し得る。
さらに、機能層を構成する液晶硬化物中の重合性液晶化合物の分子配向方向が、基材フィルムの長尺方向面内に対して実質的に鉛直方向である場合においてもその効果は顕著となりやすい。重合性液晶化合物の分子配向方向が、基材フィルムの長尺方向面内に対し鉛直方向であるとは、重合性液晶化合物が垂直配向することを意味する。このような場合、液晶硬化物層において重合性液晶化合物が水平配向している場合と同様に、転写の際に重合性液晶化合物の分子配向方向が剥離方向、すなわち長尺方向と一致しないため、液晶硬化物層の端部がギザギザにちぎれやすくなるが、基材端部に凹凸部を設けて、凹凸部と凹凸のない領域との間に基材フィルムと機能層との密着性に適度な差を生じさせることにより、機能層が基材フィルムから剥離方向に直線的に剥離しやすくなり、転写時に端部のちぎれの発生を抑え、高い生産性と品質を確保し得る。
本発明の長尺フィルムを構成する機能層は、液晶硬化物層および配向膜以外の他の層を含んでもよい。そのような他の層としては、例えば、保護層やハードコート層などの硬化樹脂層、液晶硬化物層等の機能層を偏光フィルムなどの他の部材と接着するための粘接着剤層などが挙げられる。また、配向方向の異なる複数の液晶硬化物層や配向規制力の異なる複数の配向膜を含んでいてもよい。
硬化樹脂層を含む場合、その厚みは、機能層全体の薄型化の観点から0.1~10μmであり、好ましくは0.5~5μmである。
硬化樹脂層は、例えば、シクロオレフィンポリマー(COP)やポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)等のフィルムや、重合性モノマーを含む硬化樹脂層形成用組成物を硬化させた硬化樹脂層であってよい。薄膜化の観点からは、硬化樹脂層形成用組成物の硬化樹脂層が好ましい。硬化樹脂層は多層からなっていてもよいが、生産性の観点から2層以下であることが好ましく、より好ましくは単層である。また、硬化樹脂層は光学的に等方的であることが好ましい。硬化樹脂層が光学的に等方的であると、液晶硬化物層と組み合わせた際に、液晶硬化物層の光学特性に影響を及ぼし難く、高い光学特性を有する機能層を得ることができる。
なお、本明細書においては、硬化樹脂層を形成するために使用する硬化樹脂層形成用組成物に含まれる重合性基のうち、最も数が多い官能基を代表して樹脂を総称することがある。すなわち、例えば、硬化樹脂層形成用組成物中に含まれる重合性基のうち、アクリロイルオキシ基の数が最も多い場合にはアクリル樹脂、エポキシ基の数が最も多い場合にはエポキシ樹脂などというように呼称する場合がある。
硬化樹脂層は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ウレタン樹脂およびメラミン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。上記から選択される少なくとも1種の樹脂を含むことにより、硬化性が高く、重合性液晶化合物の硬化物層と組み合わせた際の信頼性を向上させやすくなる。
硬化樹脂層を構成する硬化樹脂層形成用組成物は、硬化性化合物として、ラジカル重合性モノマー、カチオン重合性モノマー、熱重合性モノマー等の硬化可能な重合性モノマーを含有する組成物である。反応速度が高く生産性が向上すること、および、重合性液晶化合物の硬化物層と組み合わせた際の信頼性を向上させやすいことから、ラジカル重合性モノマーまたはカチオン重合性モノマーを含むことがより好ましい。
前記硬化樹脂層の形成に適するラジカル重合性モノマーとしては、例えば、多官能(メタ)アクリレート化合物などの(メタ)アクリレート化合物;多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物などのウレタン(メタ)アクリレート化合物;多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物などのエポキシ(メタ)アクリレート化合物;カルボキシル基変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物、ポリエステル(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。これらは、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、重合性モノマーとしては、重合性液晶化合物の硬化物層と組み合わせた際の信頼性を向上させる観点、隣接する層との密着性を向上させる観点、生産性を向上させる観点から、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性モノマーを含むことが好ましく、多官能(メタ)アクリレート化合物を含むことがより好ましく、多官能アクリレート化合物を含むことが特に好ましい。
多官能(メタ)アクリレート化合物は、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基、好ましくは(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を意味し、その例としては、分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を2個有する2官能(メタ)アクリレートモノマー、分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を3個以上有する3官能以上の(メタ)アクリレートモノマー等が挙げられる。なお、本明細書において、用語「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」または「メタクリレート」を意味し、用語「(メタ)アクリロイル」も同様に、「アクリロイル」または「メタクリロイル」を意味する。
多官能(メタ)アクリレート化合物は、1種類または2種類以上の多官能(メタ)アクリレート化合物を含んでいてもよい。また、2種類以上の多官能(メタ)アクリレート化合物を含む場合、それぞれの多官能(メタ)アクリレート化合物間で、(メタ)アクリロイル基の数は同一であっても、異なっていてもよい。
2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレートおよびネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートおよびポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;テトラフルオロエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のハロゲン置換アルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族ポリオールのジ(メタ)アクリレート;水添ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の水添ジシクロペンタジエンまたはトリシクロデカンジアルカノールのジ(メタ)アクリレート;1,3-ジオキサン-2,5-ジイルジ(メタ)アクリレート〔別名:ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート〕等のジオキサングリコールまたはジオキサンジアルカノールのジ(メタ)アクリレート;ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジアクリレート物、ビスフェノールFエチレンオキサイド付加物ジアクリレート物等のビスフェノールAまたはビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート;ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、ビスフェノールFジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物等のビスフェノールAまたはビスフェノールFのエポキシジ(メタ)アクリレート;シリコーンジ(メタ)アクリレート;ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのジ(メタ)アクリレート;2,2-ビス[4-(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシフェニル]プロパン;2,2-ビス[4-(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシシクロヘキシル]プロパン;2-(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-5-エチル-5-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキサン〕のジ(メタ)アクリレート;トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能(メタ)アクリレートモノマーは、分子内に3個の(メタ)アクリロイル基、好ましくは(メタ)アクリロイルオキシ基を有するモノマーであり、その例としては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物の反応物、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、プロピレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物などが挙げられる。
4官能(メタ)アクリレートモノマーは、分子内に4個の(メタ)アクリロイル基、好ましくは(メタ)アクリロイルオキシ基を有するモノマーであり、その例としては、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
5官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えばジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、プロピレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物などが挙げられる。
6官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えばジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
7官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えばトリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、エチレンオキサイド変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、プロピレンオキサイド変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物などが挙げられる。
8官能(メタ)アクリレートモノマーは、分子内に8個の(メタ)アクリロイル基、好ましくは(メタ)アクリロイルオキシ基を有するモノマーであり、その例としては、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
硬化樹脂層の形成に適するカチオン重合性モノマーとしては、例えばエポキシ基を有するエポキシ化合物、オキセタニル基を有するオキセタン化合物等が挙げられる。
エポキシ化合物は分子内に少なくとも1つ以上のエポキシ基を有する重合性モノマーであり、例えば脂環式エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物等が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物は、脂環式環に直接結合したエポキシ基を分子内に少なくとも1個有する化合物である。例えば、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジエチレングリコールビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチルエーテル)、エチレングリコールビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)エーテルなどが挙げられる。これらの脂環式エポキシ化合物は、単独または2種以上を組み合わせて使用できる。
芳香族エポキシ化合物は、分子内に芳香族環とエポキシ基を有する化合物である。その具体例として、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールSのジグリシジルエーテル等のビスフェノール型エポキシ化合物またはそのオリゴマー;フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型のエポキシ樹脂;2,2’,4,4’-テトラヒドロキシジフェニルメタンのグリシジルエーテル、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノンのグリシジルエーテル等の多官能型のエポキシ化合物;エポキシ化ポリビニルフェノール等の多官能型のエポキシ樹脂などが挙げられる。これらの芳香族エポキシ化合物は、単独または2種以上を組み合わせて使用できる。
水素化エポキシ化合物は、上記の芳香族エポキシ化合物の核水添物が水素化エポキシ化合物となる。これらは、対応する芳香族エポキシ化合物の原料である芳香族ポリヒドロキシ化合物、典型的にはビスフェノール類に対し、触媒の存在下および加圧下で選択的に水素化反応を行うことにより得られる多価アルコール、典型的には水添ビスフェノール類を原料とし、これにエピクロロヒドリンを反応させてクロロヒドリンエーテルとし、さらにそれをアルカリで分子内閉環させる方法によって製造できる。これらの水素化エポキシ化合物は、単独または2種以上を組み合わせて使用できる。
脂肪族エポキシ化合物には、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルがある。その具体例として、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコールやプロピレングリコール、グリセリンのような脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド)を付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらの脂肪族エポキシ化合物は、単独または2種以上を組み合わせて使用できる。
オキセタン化合物は分子内に少なくとも1個以上のオキセタニル基を含有する化合物であり、その具体例として、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン(オキセタンアルコールとも呼ばれる)、2-エチルヘキシルオキセタン、1,4-ビス〔{(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ}メチル〕ベンゼン(キシリレンビスオキセタンとも呼ばれる)、3-エチル-3〔{(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ}メチル〕オキセタン、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、3-(シクロヘキシルオキシ)メチル-3-エチルオキセタンなどを挙げることができる。
硬化樹脂層の形成に適する熱重合性モノマーとしては、例えばメラミン化合物が挙げられる。メラミン化合物としては、例えばヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン等が挙げられる。メラミン化合物は、単独または2種以上を組み合わせて使用できる。
また、他の重合性モノマーとして、イソシアネート化合物と分子内にヒドロキシル基を有するアルコール化合物の組み合わせが挙げられ、ウレタン樹脂が製造される。ウレタン樹脂、ウレア樹脂の製造に使用されるイソシアネート化合物は通常分子内に2つ以上のイソシアナト基(-NCO)を有しており、芳香族、脂肪族または脂環式の各種ジイソシアネートを用いることができる。具体例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ジフェニルジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、およびこれらのうち芳香環を有するジイソシアネートの核水添物などを挙げることができる。また、ウレタン樹脂に使用されるアルコール化合物は通常分子内にヒドロキシル基を2つ以上有し、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ヒドロキシピバリン酸のネオペンチルグリコールエステル、1,4-シクロヘキサンジオール、スピログリコール、トリシクロデカンジメチロール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、3-メチルペンタン-1,3,5-トリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グルコース類などを挙げることができる。
上記重合性モノマーは、硬化時や硬化後の加熱により発生するカールを抑制する観点、加工特性を向上させる観点、基材フィルムや液晶硬化物層との密着性を調整する観点、生産性を向上させる観点、耐溶媒性を向上させる観点、液晶硬化物層と組み合わせた際の信頼性を向上させる観点から、適宜選択することができる。本発明において、硬化樹脂層は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ウレタン樹脂およびメラミン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。また、例えば、2種以上のラジカル重合性モノマーを用いてもよいし、ラジカル重合性モノマーとカチオン重合性モノマーを組み合わせてもよい。特に、生産性を向上させる観点からラジカル重合性モノマーを含有することが好ましい。
硬化樹脂層形成用組成物は、前記重合性モノマーに加え、光重合開始剤、熱重合開始剤、溶媒、酸化防止剤、光増感剤、レベリング剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、光安定剤、粘着付与剤、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤、色素、帯電防止剤、および紫外線吸収剤等の添加剤をさらに含むことができる。これらの添加剤は硬化樹脂層形成用組成物の固形分の質量に対して、通常0.1~15質量%程度である。なお、本明細書において固形分とは、硬化樹脂層形成用組成物に溶媒が含まれる場合、該組成物から溶媒を除いた成分の合計量を意味する。
硬化樹脂層形成用組成物において、重合性モノマーの含有量は組成物の固形分100質量部に対して、好ましくは50質量部以上であり、より好ましくは60質量部以上である。前記の範囲であると、液晶硬化物層と組み合わせた際の信頼性を向上させやすい。
前記硬化樹脂層形成用組成物は、重合開始剤を含んでいることが好ましい。重合開始剤としては光重合開始剤や熱重合開始剤等が挙げられるが、生産性が向上する観点から光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤は、可視光線、紫外線、X線、電子線等の活性エネルギー線の照射により、重合性モノマーの硬化を開始できるものであれば特に限定されず、重合性モノマーの種類に合わせて光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤を適宜使用することができる。光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤としては、具体的には、液晶硬化物層を形成する重合性液晶組成物に配合し得るものとして先に例示した重合開始剤と同様のものが挙げられる。
硬化樹脂層形成用組成物が重合開始剤を含む場合、その含有量は、硬化性化合物の総量100質量部に対して、好ましくは0.1~10質量部、より好ましくは0.5~7質量部である。重合開始剤の含有量が、上記の下限値以上であると重合開始能が十分に発現され、重合開始剤の含有量が上記の上限値以下であると重合開始剤が残存しにくくなる。
硬化樹脂層形成用組成物が溶媒を含む場合、硬化樹脂層形成用組成物に添加している重合性モノマーや重合開始剤などを十分に溶解させる観点、基材フィルムを溶解させない観点に応じて適宜選択することができる。例えば、先に記載の重合性液晶組成物で用い得る溶媒を使用することができる。溶媒の含有量は、硬化樹脂層形成用組成物に含まれる成分の総量100質量部に対して、1~10000質量部、好ましくは10~1000質量部、より好ましくは20~500質量部程度であってよい。
本発明において、機能層の構成は、液晶硬化物層を含み、かつ、本発明の効果に影響を及ぼさない限り特に限定されるものではない。液晶硬化物層に加えて、配向膜や硬化樹脂層等の他の層を含む場合、各層の積層順序は適宜選択できるが、機能層が液晶硬化物層、配向膜および硬化樹脂層を含む場合、好ましくは、液晶硬化物層、配向膜、硬化樹脂層がこの順に隣接して存在する。このような順で各層が積層されていると、液晶硬化物層中、特に該層の硬化時に十分な光量が到達し難い液晶硬化物層の深部(配向膜側)に、未硬化の重合性液晶化合物が存在していても、硬化樹脂層により該未硬化重合性液晶化合物の拡散を防止することができる。機能層を基材フィルムから剥離して他の部材へ転写した後、硬化樹脂層により該未硬化重合性液晶化合物の他の部材への拡散を防止することができる。これにより、本発明の長尺フィルムから転写した機能層を含む位相差板や楕円偏光板において、液晶硬化物層中に含まれる未硬化重合性液晶化合物等が、該液晶硬化物層に近接または隣接する層(特に粘接着剤層)に拡散するのを効果的に抑制することができる。したがって、本発明の好適な一態様において、機能層は粘接着剤層をさらに含み、粘接着剤層を介して他の光学フィルム(例えば、偏光フィルムなど)と積層される。このような機能層としては、液晶硬化物層、配向膜、硬化樹脂層がこの順に隣接して存在することが好まく、粘接着剤層は液晶硬化物層側に設けられてもよいし、硬化樹脂層側に設けられてもよい。
本発明の長尺フィルムを構成する機能層が硬化樹脂層を含む場合、硬化樹脂層は、例えば、先に説明したような硬化樹脂層形成用組成物を基材フィルム上に塗布した後、溶媒を含む場合には溶媒を乾燥除去し、重合性モノマーを硬化させることにより得られる。
硬化樹脂層形成用組成物を基材フィルム上に塗布する方法としては、重合性液晶組成物を基材フィルム上等に塗布する方法として先に例示した方法と同様の方法が挙げられる。
また、硬化樹脂層形成用組成物が溶媒を含む場合に溶媒を乾燥除去する方法としては、例えば、自然乾燥法、通風乾燥法、加熱乾燥および減圧乾燥法等が挙げられる。
本発明において機能層が粘接着剤層を含む場合、これを構成する粘接着剤としては、例えば、感圧式粘着剤、乾燥固化型接着剤および化学反応型接着剤が挙げられる。化学反応型接着剤としては、例えば、活性エネルギー線硬化型接着剤が挙げられる。なお、粘接着剤層は本発明の長尺フィルムの機能層の一構成層として設けられてもよいし、本発明の長尺フィルムから基材フィルムを剥離した後該剥離面等に設けてもよい。
感圧式粘着剤は、通常、ポリマーを含み、溶媒を含んでいてもよい。ポリマーとしては、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、またはポリエーテル等が挙げられる。中でも、アクリル系ポリマーを含むアクリル系の粘着剤は、光学的な透明性に優れ、適度の濡れ性や凝集力を有し、接着性に優れ、さらには耐候性や耐熱性等が高く、加熱や加湿の条件下で浮きや剥がれ等が生じ難いため好ましい。
アクリル系ポリマーとしては、エステル部分のアルキル基がメチル基、エチル基またはブチル基等の炭素数1~20のアルキル基である(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリル酸やヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーとの共重合体が好ましい。
このような共重合体を含む感圧式粘着剤は、粘着性に優れており、被転写体に貼合した後に取り除くときも、被転写体に糊残り等を生じさせることなく、比較的容易に取り除くことが可能であるので好ましい。アクリル系ポリマーのガラス転移温度は、25℃以下が好ましく、0℃以下がより好ましい。このようなアクリル系ポリマーの質量平均分子量は、10万以上であることが好ましい。
溶媒としては、重合性液晶組成物等に用い得る溶媒として挙げられた溶媒等が挙げられる。感圧式粘着剤は、光拡散剤を含有していてもよい。光拡散剤は、粘着剤に光拡散性を付与する添加剤であり、粘着剤が含むポリマーの屈折率と異なる屈折率を有する微粒子であればよい。光拡散剤としては、無機化合物からなる微粒子、および有機化合物(ポリマー)からなる微粒子が挙げられる。アクリル系ポリマーを含めて、粘着剤が有効成分として含むポリマーの多くは1.4~1.6程度の屈折率を有するため、その屈折率が1.2~1.8である光拡散剤から適宜選択することが好ましい。粘着剤が有効成分として含むポリマーと光拡散剤との屈折率差は、通常、0.01以上であり、表示装置の明るさと表示性の観点からは、0.01~0.2が好ましい。光拡散剤として用いる微粒子は、球形の微粒子、それも単分散に近い微粒子が好ましく、平均粒径が2~6μmである微粒子がより好ましい。屈折率は、一般的な最小偏角法またはアッベ屈折計によって測定される。
無機化合物からなる微粒子としては、酸化アルミニウム(屈折率1.76)および酸化ケイ素(屈折率1.45)等が挙げられる。有機化合物(ポリマー)からなる微粒子としては、メラミンビーズ(屈折率1.57)、ポリメタクリル酸メチルビーズ(屈折率1.49)、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体樹脂ビーズ(屈折率1.50~1.59)、ポリカーボネートビーズ(屈折率1.55)、ポリエチレンビーズ(屈折率1.53)、ポリスチレンビーズ(屈折率1.6)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率1.46)、およびシリコーン樹脂ビーズ(屈折率1.46)等が挙げられる。光拡散剤の含有量は、通常、ポリマー100質量部に対して、3~30質量部である。
感圧式粘着剤の厚みは、その密着力等に応じて決定されるため、特に制限されないが、通常、1μm~40μmである。加工性や耐久性等の点から、当該厚さは3μm~25μmが好ましく、5μm~20μmがより好ましい。粘着剤から形成される粘接着剤層の厚さを5μm~20μmとすることにより、本発明の長尺フィルムから転写された該機能層を含む光学フィルムを備える表示装置を正面から見た場合や斜めから見た場合の明るさを保ち、表示像のにじみやボケを生じ難くすることができる。
乾燥固化型接着剤は、溶媒を含んでいてもよい。乾燥固化型接着剤としては、水酸基、カルボキシル基またはアミノ基等のプロトン性官能基とエチレン性不飽和基とを有するモノマーの重合体、または、ウレタン樹脂を主成分として含有し、さらに、多価アルデヒド、エポキシ化合物、エポキシ樹脂、メラミン化合物、ジルコニア化合物、および亜鉛化合物等の架橋剤または硬化性化合物を含有する組成物等が挙げられる。水酸基、カルボキシル基またはアミノ基等のプロトン性官能基とエチレン性不飽和基とを有するモノマーの重合体としては、エチレン-マレイン酸共重合体、イタコン酸共重合体、アクリル酸共重合体、アクリルアミド共重合体、ポリ酢酸ビニルのケン化物、および、ポリビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、メチロール基変性ポリビニルアルコール、および、アミノ基変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。水系の粘接着剤におけるポリビニルアルコール系樹脂の含有量は、水100質量部に対して、通常、1~10質量部であり、好ましくは1~5質量部である。
ウレタン樹脂としては、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂等が挙げられる。ここでいうポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とは、ポリエステル骨格を有するウレタン樹脂であって、その中に少量のイオン性成分(親水成分)が導入された樹脂である。係るアイオノマー型ウレタン樹脂は、乳化剤を使用せずに、水中で乳化してエマルジョンとなるため、水系の粘接着剤とすることができる。ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂を用いる場合は、架橋剤として水溶性のエポキシ化合物を配合することが有効である。
エポキシ樹脂としては、ジエチレントリアミンまたはトリエチレンテトラミン等のポリアルキレンポリアミンとアジピン酸等のジカルボン酸との反応で得られるポリアミドポリアミンに、エピクロロヒドリンを反応させて得られるポリアミドエポキシ樹脂等が挙げられる。係るポリアミドエポキシ樹脂の市販品としては、“スミレーズレジン(登録商標)650”および“スミレーズレジン675”(以上、住化ケムテックス株式会社製)、“WS-525”(日本PMC株式会社製)等が挙げられる。エポキシ樹脂を配合する場合、その添加量は、ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して、通常、1~100質量部であり、好ましくは1~50質量部である。
乾燥固化型接着剤から形成される粘接着剤層の厚さは、通常、0.001~5μmであり、好ましくは0.01~2μmであり、さらに好ましくは0.01~0.5μmである。乾燥固化型接着剤から形成される粘接着剤層が厚すぎると、外観不良となり易い。
活性エネルギー線硬化型接着剤は、溶媒を含んでいてもよい。活性エネルギー線硬化型接着剤とは、活性エネルギー線の照射を受けて硬化する接着剤である。活性エネルギー線硬化型接着剤としては、エポキシ化合物とカチオン重合開始剤とを含有するカチオン重合性の接着剤、アクリル系硬化成分とラジカル重合開始剤とを含有するラジカル重合性の接着剤、エポキシ化合物等のカチオン重合性の硬化成分およびアクリル系化合物等のラジカル重合性の硬化成分の両者を含有し、さらにカチオン重合開始剤およびラジカル重合開始剤を含有する接着剤、および、これら重合開始剤を含まずに電子ビームを照射することで硬化される接着剤等が挙げられる。
中でも、アクリル系硬化成分と光ラジカル重合開始剤とを含有するラジカル重合性の活性エネルギー線硬化型接着剤、エポキシ化合物と光カチオン重合開始剤とを含有するカチオン重合性の活性エネルギー線硬化型接着剤が好ましい。アクリル系硬化成分としては、メチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリル酸等が挙げられる。エポキシ化合物を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤は、エポキシ化合物以外の化合物をさらに含有していてもよい。エポキシ化合物以外の化合物としては、オキセタン化合物やアクリル化合物等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤および光カチオン重合開始剤としては、重合性液晶組成物に用い得るものとして例示したのと同様の重合開始剤が挙げられる。ラジカル重合開始剤並びにカチオン重合開始剤の含有量は、活性エネルギー線硬化型接着剤100質量部に対して、通常、0.5~20質量部であり、好ましくは1~15質量部である。
活性エネルギー線硬化型接着剤には、さらに、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤および消泡剤等が含有されていてもよい。
活性エネルギー線としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線および電子線等が挙げられ、紫外線および電子線が好ましい。好ましい紫外線の照射条件は、液晶硬化物層の形成時における重合性液晶組成物の硬化条件と同様である。
本発明の長尺フィルムは、Roll to Roll方式を用いて、基材フィルムから機能層を剥離して他の光学フィルム等へ転写する際に、機能層を剥離方向(長尺方向)に対して直線的に剥離しやすく、転写時や転写後の機能層の端部におけるちぎれや脱離の抑制効果に優れる。これにより、長尺フィルムにおいて有していた機能層の光学特性を維持したまま、生産性よく機能層を転写することができるため、高い光学特性が求められる位相差板や楕円偏光板などの光学積層体の製造に好適に用いることができる。
例えば、上記式(1)および(2)または(3)および(4)を満たす液晶硬化物層を含む機能層を有する本発明の長尺フィルムから、基材フィルムを剥離して該機能層を偏光フィルムへ転写することにより楕円偏光板を作製し得る。この際、必要に応じて粘接着剤層を介することにより、機能層と偏光フィルムとを貼合してもよい。
偏光フィルムは、偏光機能を有するフィルムであり、吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸フィルムや吸収異方性を有する色素を塗布したフィルムを偏光子として含むフィルム等が挙げられる。吸収異方性を有する色素としては、例えば、二色性色素が挙げられる。
吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸フィルムを偏光子として含むフィルムは通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより、その二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、およびホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造された偏光子の少なくとも一方の面に接着剤を介して透明保護フィルムで挟み込むことで作製される。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することによって得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他の単量体との共重合体が用いられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85~100モル%程度であり、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールも使用することができる。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1,000~10,000程度であり、好ましくは1,500~5,000の範囲である。
このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光フィルムの原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものでなく、公知の方法で製膜することができる。ポリビニルアルコール系原反フィルムの膜厚は、例えば、10~150μm程度とすることができる。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素による染色の前、染色と同時、または染色の後で行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前に行ってもよいし、ホウ酸処理中に行ってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行うことも可能である。一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶媒を用い、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常3~8倍程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの二色性色素による染色は、例えば、二色性色素を含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法によって行われる。
二色性色素として、具体的には、ヨウ素や二色性の有機染料が用いられる。二色性の有機染料としては、C.I.DIRECT RED 39などのジスアゾ化合物からなる二色性直接染料および、トリスアゾ、テトラキスアゾなどの化合物からなる二色性直接染料等が挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理前に、水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は通常、ヨウ素およびヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100質量部あたり、通常、0.01~1質量部程度である。またヨウ化カリウムの含有量は、水100質量部あたり、通常、0.5~20質量部程度である。染色に用いる水溶液の温度は、通常20~40℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常20~1,800秒程度である。
一方、二色性色素として二色性の有機染料を用いる場合は通常、水溶性二色性染料を含む水溶液にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液における二色性有機染料の含有量は、水100質量部あたり、通常、1×10-4~10質量部程度であり、好ましくは1×10-3~1質量部であり、さらに好ましくは1×10-3~1×10-2質量部である。この水溶液は、硫酸ナトリウム等の無機塩を染色助剤として含んでいてもよい。染色に用いる二色性染料水溶液の温度は、通常、20~80℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常、10~1,800秒程度である。
二色性色素による染色後のホウ酸処理は通常、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液に浸漬する方法により行うことができる。このホウ酸水溶液におけるホウ酸の含有量は、水100質量部あたり、通常2~15質量部程度であり、好ましくは5~12質量部である。二色性色素としてヨウ素を用いた場合には、このホウ酸水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましく、その場合のヨウ化カリウムの含有量は、水100質量部あたり、通常0.1~15質量部程度であり、好ましくは5~12質量部である。ホウ酸水溶液への浸漬時間は、通常60~1,200秒程度であり、好ましくは150~600秒、さらに好ましくは200~400秒である。ホウ酸処理の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50~85℃、さらに好ましくは60~80℃である。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬する方法により行うことができる。水洗処理における水の温度は、通常5~40℃程度である。また浸漬時間は、通常1~120秒程度である。
水洗後に乾燥処理が施されて、偏光子が得られる。乾燥処理は例えば、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行うことができる。乾燥処理の温度は、通常30~100℃程度であり、好ましくは50~80℃である。乾燥処理の時間は、通常60~600秒程度であり、好ましくは120~600秒である。乾燥処理により、偏光子の水分率は実用程度にまで低減される。その水分率は、通常5~20質量%程度であり、好ましくは8~15質量%である。水分率が前記範囲内であると適度な可撓性を有し、かつ、良好な熱安定性を有する偏光子が得られる。
こうしてポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、一軸延伸、二色性色素による染色、ホウ酸処理、水洗および乾燥をして得られる偏光子の厚さは好ましくは5~40μmである。
吸収異方性を有する色素を塗布したフィルムとしては、液晶性を有する二色性色素を含む組成物、または、二色性色素と重合性液晶とを含む組成物を塗布して得られるフィルム等が挙げられる。当該フィルムは、好ましくは、その片面または両面に保護フィルムを有する。当該保護フィルムとしては、先に例示した基材フィルムと同一のものが挙げられる。
吸収異方性を有する色素を塗布したフィルムは薄い方が好ましいが、薄すぎると強度が低下し、加工性に劣る傾向がある。当該フィルムの厚さは、通常20μm以下であり、好ましくは5μm以下であり、より好ましくは0.5~3μmである。
前記吸収異方性を有する色素を塗布したフィルムとしては、具体的には、特開2012-33249号公報等に記載のフィルムが挙げられる。
このようにして得られた偏光子の少なくとも一方の面に、接着剤を介して透明保護フィルムを積層することにより偏光フィルムが得られる。透明保護フィルムとしては、先に例示した基材フィルムと同様の透明フィルムを好ましく用いることができる。
本発明の長尺フィルムが機能層として水平配向液晶硬化物層を含む場合、本発明の長尺フィルムから機能層を偏光フィルムへ転写する際に、機能層を構成する水平配向液晶硬化物層の遅相軸(光軸)と偏光フィルムの吸収軸との成す角が45±5°となるように転写することが好ましい。
本発明の長尺フィルムから転写された機能層を含む楕円偏光板等の光学積層体は、さまざまな表示装置に用いることができる。
表示装置とは、表示素子を有する装置であり、発光源として発光素子または発光装置を含む。表示装置としては、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、無機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、タッチパネル表示装置、電子放出表示装置(例えば電場放出表示装置(FED)、表面電界放出表示装置(SED))、電子ペーパー(電子インクや電気泳動素子を用いた表示装置、プラズマ表示装置、投射型表示装置(例えばグレーティングライトバルブ(GLV)表示装置、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を有する表示装置)および圧電セラミックディスプレイなどが挙げられる。液晶表示装置は、透過型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置、反射型液晶表示装置、直視型液晶表示装置および投写型液晶表示装置などのいずれをも含む。これらの表示装置は、2次元画像を表示する表示装置であってもよいし、3次元画像を表示する立体表示装置であってもよい。特に本発明の長尺フィルムから転写された機能層を含む楕円偏光板は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置および無機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置に好適に用いることができ、液晶表示装置やタッチパネル表示装置にも好適に用いることができる。これらの表示装置は、高い信頼性を有する楕円偏光板を備えることにより、良好な画像表示特性を発現することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。なお、例中の「%」および「部」は、特記ない限り、それぞれ質量%および質量部を意味する。
1.実施例1
(1)水平配向膜形成用組成物(A1)の調製
下記構造の光配向性材料5部(重量平均分子量:30000)とシクロペンタノン(溶媒)95部とを成分として混合し、得られた混合物を80℃で1時間攪拌することにより、水平配向膜形成用組成物(A1)を得た。
(2)重合性液晶化合物の調製
水平配向液晶硬化膜の形成に用いるため、下記分子構造を有する重合性液晶化合物(X1)および重合性液晶化合物(Y1)を、それぞれ調製した。重合性液晶化合物(X1)は、特開2010-31223号公報に記載の方法に準じて製造した。また、重合性液晶化合物(Y1)は、特開2009-173893号公報に記載の方法に準じて製造した。
(3)重合性液晶組成物(B1)の調製
重合性液晶化合物(X1)および重合性液晶化合物(Y1)を質量比90:10で混合し、混合物を得た。得られた混合物100質量部に対して、レベリング剤「BYK-361N」(BYK-Chemie社製)0.10質量部、レベリング剤「F-556」(DIC社製)0.25質量部と、光重合開始剤として2-ジメチルアミノ-2-ベンジル-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン(BASFジャパン株式会社製「イルガキュア(登録商標)369(Irg369)」)3質量部とBASFジャパン株式会社製「イルガキュアOXE-03」7.5質量部を添加した。さらに、固形分濃度が13%となるようにシクロペンタノンを添加した。この混合物を80℃で1時間攪拌することにより、重合性液晶組成物(B1)を得た。
重合性液晶化合物(X1)の1mg/50mLテトラヒドロフラン溶液を調製し、測定用試料を得た。光路長1cmの測定用セルに測定用試料を入れ、紫外可視分光光度計(株式会社島津製作所製「UV-2450」)にセットして吸収スペクトルを測定し、得られた吸収スペクトルから極大吸収度となる波長を読み取ったところ、波長300~400nmの範囲における極大吸収波長λmaxは350nmであった。
(4)液晶硬化物層の作製
基材の両端部に、それぞれ、短尺方向幅15mm(短尺方向幅の合計30mm)の凹凸部を設けられているトリアセチルセルロースフィルム(KC4UY、コニカミノルタ株式会社製)上に、水平配向膜形成用組成物(A1)を表1の「機能層塗工幅C」として示す幅となるようにダイコーティング法により塗布した。この際、水平配向膜形成用組成物(A1)の塗膜の端部が、基材フィルムの両端からそれぞれ7.5mmずつ内側に位置し、塗膜の両端の凹凸部にそれぞれ7.5mmずつ被覆するよう塗布した。次いで、100℃で2分間加熱乾燥した後、偏光UVを配向規制力の方向が上記フィルムの長尺方向に対して45°の角度をなすように100mJ(313nm基準)照射し、上記フィルム上に水平配向膜を形成した。得られた水平配向膜の膜厚をエリプソメータで測定したところ、0.2μmであった。続いて重合性液晶組成物(B1)を、塗布膜の平均膜厚が17μmとなるよう、水平配向膜上に該膜と同幅でダイコーティング法にて塗布し、120℃で2分間加熱乾燥し、さらに紫外線照射装置を用いて、重合性液晶組成物(B1)を塗布した面側から紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長365nmにおける積算光量:500mJ/cm2)することにより、液晶硬化物層/水平配向膜/基材フィルムからなる、長尺フィルム(長さ:2000m)を得た。得られた長尺フィルムを、内径6インチのFRPコアに巻き取った。
端部の凹凸部にかからない範囲で、基材フィルム/水平配向膜/液晶硬化物層の長尺フィルムについて接触式膜厚計にて幅方向に測定した平均総厚みから、同一箇所の機能層(水平配向膜および液晶硬化物層からなる)を剥離した後の基材フィルム分を幅方向に測定した平均基材厚み分を差し引いて、機能層の面内平均厚みXを確認したところ、2μmであった。また、同様に幅方向同位置の長尺フィルム端部を接触式膜厚計にて1mmピッチで測定した凸部最大高さYは、7μmであった。この巻き取った長尺フィルムを23℃55%RH環境下に1週間保管後、繰り出したところ、面内で顕著な貼りつきはなく、機能層の脱落はなかった。
(5)長尺フィルムの特性評価
<機能層の剥離性評価>
機能層の塗工端部から5mmずつ内側となるようリンテック社製25μm感圧式粘着剤を貼合し、その上にコニカミノルタ株式会社製のトリアセチルセルロースフィルム(KC6UA)を貼合した。このトリアセチルセルロースフィルムを長尺方向と平行に剥離し、機能層を転写させ、転写後の基材フィルム側の機能層剥離状態を蛍光灯下、反射で目視観察した。
長尺方向と平行に良好に剥離できた場合を〇、たとえばギザギザになるような剥離不良が起こった場合を×、として判定した。結果を表2に示す。
<基材剥離力の測定>
機能層および基材フィルムからなる長尺フィルムの幅方向中央部をサンプリングし、液晶硬化物層側にコロナ処理を実施した後、リンテック社製25μm感圧式粘着剤を介して縦12cm×横10cm×厚み0.7mmのガラスに貼合した(構成:基材フィルム/機能層/粘着剤層/ガラス)。得られたサンプルに対して、基材側からカッターで25mm幅の切れ込みを作製した。作製したサンプルを島津製作所株式会社製オートグラフ「EZ-L」にセットし、ガラス面に対して平行方向に300mm/分の速度で25mm幅基材を剥離するときの剥離力を確認した。結果を表2に示す。
<液晶硬化物層の位相差値測定>
前述の基材フィルム、水平配向膜、液晶硬化物層からなる長尺フィルムの液晶硬化物層側にコロナ処理を実施し、リンテック社製25μm感圧式粘着剤を介して縦4cm×横4cm×厚み0.7mmのガラスに貼合後、基材フィルムを剥離した。王子計測機器株式会社製のKOBRA-WPRを用いて液晶硬化物層のRe(450)およびRe(550)を測定し、α=Re(450)/Re(550)を算出した。結果を表2に示す。
2.実施例2
(1)硬化樹脂層形成用組成物(C1)の調製
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(アロニックスM-403 東亞合成株式会社製多官能アクリレート)50部、アクリレート樹脂(エベクリル4858 ダイセルユーシービー株式会社製)50部、2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モリフォリノプロパン-1-オン(イルガキュア907;チバ スペシャルティケミカルズ社製)3部をイソプロパノール250部に溶解した溶液を調製し、アクリレート化合物を含んでなる硬化樹脂層形成用組成物(C1)を得た。
(2)硬化樹脂層の作製
実施例1と同様の凹凸部が設けられているトリアセチルセルロースフィルム上に、硬化樹脂層形成用組成物(C1)を表1の「機能層塗工幅C」として示す幅となるようにダイコーティング法により塗布した。この際、硬化樹脂層形成用組成物(C1)の塗膜の端部が、基材フィルムの両端からそれぞれ7.5mmずつ内側に位置し、塗膜の両端の凹凸部にそれぞれ7.5mmずつ被覆するよう塗布した。次いで、60℃で1分間乾燥した後、さらに紫外線照射装置を用いて、硬化樹脂層形成用組成物(C1)を塗布した面側から紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長365nmにおける積算光量:400mJ/cm2)することにより、硬化樹脂層を形成した。この時、別途トリアセチルセルロースフィルムと硬化樹脂層との積層体を王子計測機器株式会社「KOBRA-WPR」にてRe(550)を測定したところ、位相差値は5nm以下であり光学的に等方であることを確認した。
続いて、得られた硬化樹脂層上に実施例1と同様の方法で水平配向膜および液晶硬化物層を形成することにより、液晶硬化物層/水平配向膜/硬化樹脂層/基材フィルムからなる長尺フィルムを1000m得た。得られた長尺フィルムを、内径6インチのFRPコアに巻き取った。この硬化樹脂層/水平配向膜/液晶硬化物層からなる機能層の面内平均厚みXを確認したところ、4μmであった。また、凸部最大高さYは9μmであった。巻き取った長尺フィルムを23℃55%RH環境下に1週間保管後、繰り出したところ、面内で顕著な貼りつきはなく、機能層の脱落はなかった。実施例1と同様にして剥離性等の評価を行った。結果を表2に示す。
3.実施例3
基材フィルムとして日本ゼオン株式会社製の基材COPフィルム(ZF-14-50)を用い、加熱したエンボスロールを押し当てて基材フィルム両端にそれぞれ12.5mm幅のナーリング部を設け、コロナ処理を実施した。この基材フィルム上に、硬化樹脂層形成用組成物(C1)を表1の「機能層塗工幅C」として示す幅となるようにダイコーティング法により塗布した。この際、硬化樹脂層形成用組成物(C1)の塗膜の端部が、基材フィルムの両端からそれぞれ7.5mmずつ内側に位置し、塗膜の両端の凹凸部にそれぞれ5mmずつ被覆するよう塗布した。それ以外は、実施例2と同様にして長尺フィルムを作製し、機能層の面内平均厚みXを確認したところ、4μmであった。また、凸部最大高さYは8μmであった。巻き取った長尺フィルムを23℃55%RH環境下に1週間保管後、繰り出したところ、面内で顕著な貼りつきはなく、機能層の脱落はなかった。実施例1と同様にして剥離性等の評価を行った。結果を表2に示す。
4.実施例4
(1)重合性液晶組成物(B2)の調製
特開2016-81035号公報を参考にして調製した重合性液晶化合物(X2)100質量部に対して、レベリング剤「BYK-361N」(BYK-Chemie社製)0.10質量部、レベリング剤「F-556」(DIC社製)0.25質量部と、光重合開始剤として2-ジメチルアミノ-2-ベンジル-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン(BASFジャパン株式会社製「イルガキュア(登録商標)369(Irg369)」)3質量部とBASFジャパン株式会社製「イルガキュアOXE-03」7.5質量部を添加した。さらに、固形分濃度が13%となるようにシクロペンタノンを添加した。この混合物を80℃で1時間攪拌することにより、重合性液晶組成物(B2)を得た。
重合性液晶化合物(X2)の1mg/50mLテトラヒドロフラン溶液を調製し、測定用試料を得た。光路長1cmの測定用セルに測定用試料を入れ、紫外可視分光光度計(株式会社島津製作所製「UV-2450」)にセットして吸収スペクトルを測定し、得られた吸収スペクトルから極大吸収度となる波長を読み取ったところ、波長300~400nmの範囲における極大吸収波長λmaxは352nmであった。
重合性液晶組成物(B1)にかえて、(B2)を用いた以外は、実施例1と同様にして長尺フィルムを作製した。機能層の面内平均厚みXを確認したところ2μmであった。また、凸部最大高さYは7μmであった。巻き取った長尺フィルムを23℃55%RH環境下に1週間保管後、繰り出したところ、面内で顕著な貼りつきはなく、機能層の脱落はなかった。実施例1と同様にして剥離性等の評価を行った。結果を表2に示す。
5.実施例5
(1)重合性液晶組成物(B3)の調製
国際特許公開2015/025793号公報を参考にして調製した重合性液晶化合物(X3)100質量部に対して、レベリング剤「BYK-361N」(BYK-Chemie社製)0.10質量部、レベリング剤「F-556」(DIC社製)0.25質量部と、光重合開始剤として2-ジメチルアミノ-2-ベンジル-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン(BASFジャパン株式会社製「イルガキュア(登録商標)369(Irg369)」)3質量部とBASFジャパン株式会社製「イルガキュアOXE-03」7.5質量部を添加した。さらに、固形分濃度が13%となるようにシクロペンタノンを添加した。この混合物を80℃で1時間攪拌することにより、重合性液晶組成物(B3)を得た。
重合性液晶化合物(X3)の1mg/50mLテトラヒドロフラン溶液を調製し、測定用試料を得た。光路長1cmの測定用セルに測定用試料を入れ、紫外可視分光光度計(株式会社島津製作所製「UV-2450」)にセットして吸収スペクトルを測定し、得られた吸収スペクトルから極大吸収度となる波長を読み取ったところ、波長300~400nmの範囲における極大吸収波長λmaxは352nmであった。
重合性液晶組成物(B1)にかえて、(B3)を用いた以外は、実施例1と同様にして長尺フィルムを作製した。機能層の面内平均厚みXを確認したところ2μmであった。また、凸部最大高さYは7μmであった。巻き取った長尺フィルムを23℃55%RH環境下に1週間保管後、繰り出したところ、面内で顕著な貼りつきはなく、機能層の脱落はなかった。実施例1と同様にして剥離性等の評価を行った。結果を表2に示す。
6.実施例6
(1)重合性液晶組成物(B4)の調製
下記式(LC242)に示す液晶化合物LC242:PaliocolorLC242(BASF社 登録商標)100質量部に対して、レベリング剤「BYK-361N」(BYK-Chemie社製)0.10質量部、レベリング剤「F-556」(DIC社製)0.25質量部と、重合開始剤Irg369 3質量部とを添加し、固形分濃度が13質量部となるようにシクロペンタノンを添加した。この混合物を80℃で1時間攪拌することにより、重合性液晶組成物(B4)を得た。
重合性液晶化合物(LC242)
液晶化合物LC242:PaliocolorLC242(BASF社登録商標)
基材フィルムとして、実施例1と同様の凹凸部が設けられているトリアセチルセルロースフィルムを用い、このトリアセチルセルロースフィルム上に、水平配向膜形成用組成物(A1)を表1の「機能層塗工幅C」として示す幅となるようにダイコーティング法により塗布した。この際、水平配向膜形成用組成物(A1)の塗膜の端部が、基材フィルムの両端からそれぞれ7.5mmずつ内側に位置し、塗膜の両端の凹凸部にそれぞれ7.5mmずつ被覆するよう塗布した。次いで、100℃で2分間加熱乾燥した後、偏光UVを配向規制力の方向が上記フィルムの長尺方向に対して15°の角度をなすように100mJ(313nm基準)照射し、上記フィルム上に水平配向膜を形成した。得られた水平配向膜の膜厚をエリプソメータで測定したところ、0.2μmであった。続いて重合性液晶組成物(B4)を、塗布膜の平均膜厚が17μmとなるよう、水平配向膜上に該膜と同幅でダイコーティング法にて塗布し、80℃で1分間加熱乾燥し、さらに紫外線照射装置を用いて、重合性液晶組成物を塗布した面側から紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長365nmにおける積算光量:500mJ/cm2)することにより、液晶硬化物層/水平配向膜/基材フィルムからなる、長尺フィルムを500m得た。得られた長尺フィルムを、内径6インチのFRPコアに巻き取った。機能層の面内平均厚みXを確認したところ2μmであった。また、凸部最大高さYは8μmであった。巻き取った長尺フィルムを23℃55%RH環境下に1週間保管後、繰り出したところ、面内で顕著な貼りつきはなく、機能層の脱落はなかった。実施例1と同様にして剥離性等の評価を行った。結果を表2に示す。
7.実施例7
(1)垂直配向重合性液晶組成物(B5)の調製
信越化学工業株式会社製の「KBE-903」13質量部とシクロペンタノン87質量部との混合液、および昭和電工株式会社製「カレンズMOI-EG」13質量部とシクロペンタノン87質量部との混合液を、KBE-903:カレンズMOI-EG=1.00:1.35(質量比)となるように混合した後、30℃で16時間保温して、ヒドロキシル基またはカルボキシル基と反応し得る官能基(ヒドロキシシリル基)と(メタ)アクリロイル基(アクリロイル基)とを分子内に有する化合物(プレ反応化合物)を含む混合液(以下、混合液(1)という場合がある。)を得た。
続いて、重合性液晶化合物(X1)と重合性液晶化合物(Y1)とを質量比90:10で混合し、混合物を得た。得られた混合物100質量部に対して、レベリング剤「F-556」(DIC社製)0.25質量部、特願2016-514802号公報を参考にして調製したイオン性化合物A(分子量:645)2.0質量部、光重合開始剤としてIrgacure369E(BASFジャパン株式会社製)6質量部、2以上の(メタ)アクリロイル基を有する重合性非液晶性化合物として新中村化学工業株式会社製「APG-700」(2官能)1.0質量部を添加し、固形分濃度が13%となるようにシクロペンタノンを添加した。さらに、ヒドロキシル基またはカルボキシル基と反応し得る官能基と(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物(プレ反応化合物)が、前記重合性液晶化合物(X1)および(Y1)の混合物100質量部に対して2.35質量部となるように、混合液(1)を添加し、混合物を得た。得られた混合物を80℃で1時間攪拌することにより、垂直配向重合性液晶組成物(B5)を得た。
実施例1と同様の凹凸部が設けられているトリアセチルセルロースフィルム((KC4UY、コニカミノルタ株式会社製))上に、垂直配向重合性液晶組成物(B5)を、塗布膜の平均膜厚が9.5μmとなるよう表1の「機能層塗工幅C」として示す幅でダイコーティング法にて塗布した。この際、垂直配向重合性液晶組成物(B5)の塗膜の端部が、基材フィルムの両端からそれぞれ7.5mmずつ内側に位置し、塗膜の両端の凹凸部にそれぞれ7.5mmずつ被覆するよう塗布した。次いで、120℃で90秒間加熱乾燥した後、紫外線照射装置を用いて、重合性液晶組成物(B5)を塗布した面側から紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長365nmにおける積算光量:500mJ/cm2)することにより、液晶硬化物層/基材フィルムからなる長尺フィルムを1000m得た。得られた長尺フィルムを、内径6インチのFRPコアに巻き取った。この面内平均厚みXを確認したところ1μmであった。また、凸部最大高さYは6μmであった。巻き取った長尺フィルムを23℃55%RH環境下に1週間保管後、繰り出したところ、面内で顕著な貼りつきはなく、機能層の脱落はなかった。実施例1と同様にして剥離性等の評価を行った。結果を表2に示す。
<垂直配向液晶硬化物層のRth測定>
前記手順にて作製した基材フィルム、(垂直配向)液晶硬化物層から成る長尺フィルムの液晶硬化物層側にコロナ処理を実施し、リンテック社製25μm感圧式粘着剤を介して縦4cm×横4cm×厚み0.7mmのガラスに貼合後、基材フィルムを剥離した。得られたガラス、粘着剤、液晶硬化物層からなる積層体について、王子計測機器株式会社製KOBRA-WPRを使用して光学特性測定用サンプルへの光の入射角を変化させて正面位相差値、および進相軸中心に40°傾斜させたときの位相差値を測定した。各波長における平均屈折率は日本分光株式会社製のエリプソメータ M-220を用いて測定した。また、膜厚は前述の面内平均厚みを用いた。前述の正面位相差値、進相軸中心に40°傾斜させたときの位相差値、平均屈折率、膜厚の値から、王子計測機器技術資料(http://www.oji-keisoku.co.jp/products/kobra/reference.html)を参考に3次元屈折率を算出した。得られた3次元屈折率から、以下の式に従って各垂直配向液晶硬化物層の光学特性を計算した。結果を表2に示す。
RthC(λ)=((nxC(λ)+nyC(λ))/2-nzC(λ))×dC
なお、RthC(λ)は波長λnmにおける垂直配向液晶硬化物層の厚み方向の位相差値を表す。また、nxC(λ)は波長λnmにおける垂直配向液晶硬化物層の面内主屈折率、nyC(λ)は波長λnmにおける、nxC(λ)に対して面内で直交する方向の屈折率、nzC(λ)は波長λnmにおける垂直配向液晶硬化物層の厚み方向の屈折率を示し、nxC(λ)=nyC(λ)である場合には、nxC(λ)はフィルム面内で任意の方向の屈折率とすることができ、dCは垂直配向液晶硬化物層の膜厚を示す。
8.実施例8
実施例2と同様にトリアセチルセルロースフィルム上に硬化樹脂層を作製し、さらに実施例7と同様の手法で長尺フィルムを作製した。機能層の面内平均厚みXを確認したところ3μmであった。また、凸部最大高さYは8μmであった。巻き取った長尺フィルムを23℃55%RH環境下に1週間保管後、繰り出したところ、面内で顕著な貼りつきはなく、機能層の脱落はなかった。実施例1と同様にして剥離性等の評価を行った。結果を表2に示す。
9.実施例9
基材フィルムとして日本ゼオン株式会社製の基材COPフィルム(ZF-14-50)を用い、加熱したエンボスロールを押し当てて基材フィルム両端にそれぞれ12.5mm幅のナーリング部を設け、コロナ処理を実施した。この基材フィルム上に、硬化樹脂層形成用組成物(C1)を表1の「機能層塗工幅C」として示す幅となるようにダイコーティング法により塗布した。この際、硬化樹脂層形成用組成物(C1)の塗膜の端部が、基材フィルムの両端からそれぞれ7.5mmずつ内側に位置し、塗膜の両端の凹凸部にそれぞれ5mmずつ被覆するよう塗布した。それ以外は実施例8と同様にして長尺フィルムを得た。機能層の面内平均厚みXを確認したところ3μmであった。また、凸部最大高さYは11μmであった。巻き取った長尺フィルムを23℃55%RH環境下に1週間保管後、繰り出したところ、面内で顕著な貼りつきはなく、機能層の脱落はなかった。実施例1と同様にして剥離性等の評価を行った。結果を表2に示す。
10.実施例10
(1)垂直配向膜形成用組成物(A2)の作製
0.5%のポリイミド(日産化学工業株式会社製「サンエバーSE-610」)、72.3%のN-メチル-2-ピロリドン、18.1%の2-ブトキシエタノール、9.1%のエチルシクロヘキサン、および0.01%のDPHA(新中村化学製)を混合して、垂直配向膜形成用組成物(A2)を作製した。
基材フィルムとして、実施例9と同様にナーリング部を設けたCOPフィルムを用いた。このCOPフィルム上に、垂直配向膜形成用組成物(A2)を表1の「機能層塗工幅C」として示す幅となるようにダイコーティング法により塗布した。この際、垂直配向膜形成用組成物(A2)の塗膜の端部が、基材フィルムの両端からそれぞれ7.5mmずつ内側に位置し、塗膜の両端の凹凸部にそれぞれ5mmずつ被覆するよう塗布した。80℃で1分間加熱乾燥し、上記フィルム上に垂直配向膜を形成した。続いて重合性液晶組成物(B4)を、塗布膜の平均膜厚が5μmとなるよう、垂直配向膜上に該膜と同幅でダイコーティング法にて塗布し、80℃で1分間加熱乾燥し、さらに紫外線照射装置を用いて、重合性液晶組成物(B4)を塗布した面側から紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長365nmにおける積算光量:500mJ/cm2)することにより、液晶硬化物層/垂直配向膜/基材フィルムからなる長尺フィルムを得た。機能層の面内平均厚みXを確認したところ1μmであった。また、凸部最大高さYは9μmであった。巻き取った長尺フィルムを23℃55%RH環境下に1週間保管後、繰り出したところ、面内で顕著な貼りつきはなく、機能層の脱落はなかった。実施例1と同様にして剥離性等の評価を行った。結果を表2に示す。
11.比較例1
実施例1と同様の凹凸部を設けられているトリアセチルセルロースフィルム上に、表1の「機能層塗工幅C」として示す幅になるよう水平配向膜形成用組成物(A1)および重合性液晶組成物(B1)を塗布した以外は実施例1と同様の方法にて長尺フィルムを得た。なお、水平配向膜形成用組成物(A1)の塗布は、水平配向膜形成用組成物(A1)の塗膜の端部が、基材フィルムの両端からそれぞれ25mmずつ内側に位置し、基材フィルムの両端に設けられた凹凸部に塗膜の両端がかからないよう塗布した。
機能層の面内平均厚みXを確認したところ2μmであった。また、凸部最大高さYは2μmであった。巻き取った長尺フィルムを23℃55%RH環境下に1週間保管後、繰り出したところ、面内で貼りつきが発生し、フィルムロールの変形が見られた。また、機能層の剥離性評価の結果、端部がギザギザにチギレ、脱落した。実施例1と同様にして剥離性等の評価を行った。結果を表2に示す。