定義
特に明記されない限り、本明細書及び特許請求の範囲で用いられる下記の語は、以下に示される下記の意味を有する。
「処置すること(treating)」又は「処置(treatment)」への言及は、予防(prophylaxis)並びに状態の確立された症状の緩和を包含することを理解されたい。それ故に、様子(state)、障害(disorder)、又は状態(condition)の「処置すること(treating)」又は「処置(treatment)」は下記を包含する:(1)様子、障害若しくは状態に罹患しているか、又はその素因がある可能性があるが、まだ様子、障害若しくは状態の臨床症状若しくは無症状症状を経験若しくは示していないヒトに発症する様子、障害若しくは状態の臨床症状の出現を予防若しくは遅延させること、(2)様子、障害若しくは状態を阻害すること、すなわち、疾患の進行若しくはその再発(維持療法の場合)を又はその少なくとも1つの臨床症状若しくは無症状症状を、阻止、低減若しくは遅延させること、又は、(3)疾病の緩和又は減弱をすること、すなわち、様子、障害若しくは状態、又はその臨床的若しくは無症状症状のうちの少なくとも1つの退行を引き起こすこと。
「治療的有効量」は、疾病を処置するために哺乳動物に投与された場合に、該疾病のためのそのような処置をもたらすのに十分な化合物の量を意味する。「治療的有効量」は、化合物、処置されるべき哺乳動物の、疾患及びその重症度、並びに年齢、体重などによって変わるだろう。
語「ハロ」又は「ハロゲン」は、周期表の第17族のハロゲンの1つを云う。特に、この語は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子を云う。好ましくは、この語は、フッ素原子又は塩素原子を云う。
語「Cm-n」は、m個~n個の炭素原子を有する基を云う。
語「C1~6アルキル」は、1、2、3、4、5、又は6個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐状の炭化水素鎖、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、及びn-ヘキシル、を云う。「C1~4アルキル」は同様に、4個以下の炭素原子を含むそのような基を云う。アルキレン基は、二価のアルキル基であり、且つ直鎖状又は分岐状であってもよく、且つ分子の残りの部分に2つの結合点を有する。その上、アルキレン基は例えば、この段落にリストされているそれらアルキル基の1つに対応しうる。アルキル基及びアルキレン基は、非置換あってもよく又は1以上の置換基で置換されていてもよい。ありうる置換基が、下記に記載されている。アルキル基のための置換基は、ハロゲン、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子、OH、C1~C4アルコキシでありうる。代替的に、アルキル基についての他の置換基が用いられうる。
語「C1~6ハロアルキル」、例えば「C1~4ハロアルキル」、は、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子から各場合に独立して選択される少なくとも1つのハロゲン原子で置換された炭化水素鎖を云う。該ハロゲン原子は、炭化水素鎖上の任意の位置に存在しうる。例えば、C1~6ハロアルキルは、クロロメチル、フルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロエチル、例えば1-クロロメチル及び2-クロロエチル、トリクロロエチル、例えば1,2,2-トリクロロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、フルオロエチル、例えば1-フルオロメチル及び2-フルオロエチル,トリフルオロエチル、例えば1,2,2-トリフルオロエチル及び2,2,2-トリフルオロエチル、クロロプロピル、トリクロロプロピル、フルオロプロピル、トリフルオロプロピルを云いうる。
語「C2~6アルケニル」は、少なくとも1つの二重結合を含み且つ2、3、4、5、又は6個の炭素原子を有するところの分岐状又は直鎖状の炭化水素鎖を包含する。1以上の二重結合が、E又はZ異性体として存在しうる。該二重結合は、炭化水素鎖のあらゆる任意の位置にありうる。例えば、「C2~6アルケニル」は、エテニル、プロペニル、ブテニル、ブタジエニル、ペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、及びヘキサジエニルでありうる。
語「C2~6アルキニル」は、少なくとも1つの三重結合を含み且つ2、3、4、5、又は6個の炭素原子を有するところの分岐状又は直鎖状の炭化水素鎖を包含する。該三重結合は、炭化水素鎖のあらゆる任意の位置にありうる。例えば、「C2~6アルキニル」は、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル及びヘキシニルでありうる。
語「C3~6シクロアルキル」は、3、4、5又は6個の炭素原子を含む飽和炭化水素環系を包含する。例えば、「C3~C6シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクル(bicycle)[2.1.1]ヘキサン、又はビシクル(bicycle)[1.1.1]ペンタンでありうる。
語「ヘテロシクリル」(heterocyclyl)、「複素環の」(heterocyclic)又は「複素環」(heterocycle)は、非芳香族の飽和された若しくは部分的に飽和された単環式若しくは縮合された、架橋された、又はスピロ二環式の1以上の複素環系を包含する。単環式複素環は、環上に窒素原子、酸素原子又は硫黄から選択される1~5個(適切には、1、2、又は3個)のヘテロ原子を有する約3~12個(適切には、3~7個)の環原子を含みうる。二環式複素環は、環内に、7~17個の員環原子、好適には7~12個の員環原子、を含みうる。1以上の二環式複素環の環は、縮合、スピロ、又は架橋された環系でありうる。複素環基の例は、環状エーテル、例えばオキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、ジオキサニル、及び置換された環状エーテルを包含する。環位置に少なくとも1つの窒素原子を含む複素環は例えば、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロトリアジニル、テトラヒドロピラゾリル、テトラヒドロピリジニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニル、3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル等を包含する。典型的な硫黄含有ヘテロ環は、テトラヒドロチエニル、ジヒドロ-1,3-ジチオール、テトラヒドロ-2H-チオピラン、及びヘキサヒドロチエピンを包含する。他の複素環は、ジヒドロオキサチオリル、テトラヒドロオキサゾリル、テトラヒドロ-オキサジアゾリル、テトラヒドロジオキサゾリル、テトラヒドロオキサチアゾリル、ヘキサヒドロトリアジニル、テトラヒドロオキサジニル、テトラヒドロピリミジニル、ジオキソリニル、オクタヒドロベンゾフラニル、オクタヒドロベンズイミダゾリル、及びオクタヒドロベンゾチアゾリルを包含する。硫黄含有複素環について、SO基又はSO2基を含む酸化硫黄複素環がまた包含される。例は、テトラヒドロチエニル及びチオモルホリニル、例えばテトラヒドロチエン1,1-ジオキシド及びチオモルホリニル1,1-ジオキシド、のスルホキシド及びスルホンの形態を包含する。1又は2個のオキソ基(=O)を有するヘテロシクリル基、例えば、2-オキソピロリジニル、2-オキソイミダゾリジニル、2-オキソピペリジニル、2,5-ジオキソピロリジニル、2,5-ジオキソイミダゾリジニル、又は2,6-ジオキソピペリジニル、についての好適な値、1又は2個である。特定のヘテロシクリル基は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む、飽和単環式の3~7員環のヘテロシクリルであり、例えばアゼチジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル1,1-ジオキシド、チオモルホリニル、チオモルホリニル1,1-ジオキシド、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル,又はホモピペラジニルである。当業者は理解する通り、任意の複素環は、任意の適切な原子を介して、例えば炭素原子又は窒素原子を介して、別の基に結合されうる。例えば、語「ピペリジノ」又は「モルホリノ」は、窒素環を介して結合されているピペリジン-1-イル又はモルホリン-4-イル環を云う。
語「架橋された環系」は、2つの環が2超の原子を共有するところの環系を包含する。例えば、Advanced Organic Chemistry,by Jerry March,4th Edition,Wiley Interscience,pages 131-133,1992年を参照。架橋されたヘテロシクリル環系の例は、アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザビシクロ[2.2.2]オクタン、アザビシクロ[3.2.1]オクタン、及びキヌクリジンを包含する。
語「スピロ二環系」は、2つの環系が1つの共通のスピロ炭素原子を共有するところの環系を包含する。すなわち、該複素環は、単一の共通スピロ炭素原子を介して、別の炭素環または複素環に結合されている。スピロ環系の例は、3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン、2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、6-アザスピロ[3.4]オクタン、2-オキサ-6-アザスピロ[3.4]オクタン、2-アザスピロ[3.3]ヘプタン、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン、6-オキサ-2-アザスピロ[3.4]オクタン、2,7-ジアザ-スピロ[4.4]ノナン、2-アザスピロ[3.5]ノナン、2-オキサ-7-アザスピロ[3.5]ノナン、及び2-オキサ-6-アザスピロ[3.5]ノナンを包含する。
「ヘテロシクリル-Cm-nアルキル」は、Cm-nアルキレン基に共有結合されたヘテロシクリル基を包含し、それらの両方は、本明細書において定義されている。
語「芳香族」は、置換基全体に適用される場合に、共役π系に寄与する全ての原子が同じ平面にある環内又は環系内の共役π系に4n+2個の電子を有する単環系又は多環系を包含する。
語「アリール」は、芳香族炭化水素環系を包含する。該環系は、共役π系に寄与する全ての原子が同じ平面にある環内の共役π系に4n+2個の電子を有する。例えば、「アリール」は、フェニル及びナフチルでありうる。アリール系それ自体は、他の基で置換されうる。
語「ヘテロアリール」は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子から選択される1以上の(例えば、1~4個、特には1、2又は3個の)ヘテロ原子を取り込んでいる芳香族の単環又は二環式環を包含する。該環又は該環系は、共役πシステムに寄与する全ての原子が同じ平面にある共役πシステムに4n+2個の電子を有する。
ヘテロアリール基の例は、5~12個の環員、より一般的には5~10個の環員、を含む単環式基及び二環式基である。ヘテロアリール基は例えば、5員環又は6員環の単環式環又は9員若しくは10員の二環式環、例えば縮合された5員及び6員環又は2つの縮合した6員環から形成された二環式構造、であることができる。各環は、典型的には窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選択される約4つまでのヘテロ原子を含みうる。典型的には、ヘテロアリール環は、最大3個のヘテロ原子、より一般的には最大2個の、例えば単一のヘテロ原子含む。1つの実施態様において、該ヘテロアリール環は、少なくとも1つの環窒素原子を含む。該ヘテロアリール環における該窒素原子は、イミダゾール若しくはピリジンの場合の通り塩基性であることができ、又はインドール若しくはピロールの窒素の場合のように本質的に非塩基性であることができる。一般に、ヘテロアリール基に存在する基本的な窒素原子の数は、該環のアミノ基の置換基を含めて、5未満である。
ヘテロアリールの例は、フリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,3,5-トリアゼニル、ベンゾフラニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアゾリル、インダゾリル、プリニル、ベンゾフラザニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、プテリジニル、ナフチリジニル、カルバゾリル、フェナジニル、ベンゾイソキノリニル、ピリドピラジニル、チエノ[2,3-b]フラニル、2H-フロ[3,2-b]-ピラニル、5H-ピリド[2,3-d]-o-オキサジニル、1H-ピラゾロ[4,3-d]-オキサゾリル、4H-イミダゾ[4,5-d]チアゾリル、ピラジノ[2,3-d]ピリダジニル、イミダゾ[2,1-b]チアゾリル、及びイミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジニルを包含する。環位置に少なくとも1つの窒素原子を含むヘテロアリール基の例は、ピロリル,オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,3,5-トリアゼニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアゾリル、インダゾリル、プリニル、ベンゾフラザニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、及びプテリジニルを包含する。「ヘテロアリール」はまた、部分的に芳香族の二環式又は多環式の環系をカバーし、ここで、少なくとも1つの環が芳香族環であり、他の1以上の環が非芳香族の飽和又は部分的に飽和環であり、但し、少なくとも1つの環が窒素原子、酸素原子又は硫黄原子から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む。部分的に芳香族のヘテロアリール基の例は、例えばテトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、ジヒドロベンズチエニル、ジヒドロベンズフラニル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、2,2-ジオキソ-1,3-ジヒドロ2-ベンゾチエニル、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾフラニル、インドリニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジニル、1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-b]ピラジニル、及び3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジニルを包含する。
5員環のヘテロアリール基の例は、ピロリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、フラザニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、及びテトラゾリル基を包含するが、これらに限定されない。
6員環のヘテロアリール基の例は、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、及びトリアジニルを包含するが、これらに限定されない。
5員環に縮合した6員環を含む二環式ヘテロアリール基の特定の例は、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイソオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、イソベンゾフラニル基、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、プリニル基(例えば、アデニニル基、グアニル基)、インダゾリル基、ベンゾジオキソリル基、ピロロピリジン基、及びピラゾロピリジニル基を包含するが、これらに限定されない。
2つの縮合6員環を含有する二環式ヘテロアリール基の特定の例は、キノリニル基、イソキノリニル基、クロマニル基、チオクロマニル基、クロメニル基、イソクロメニル基、クロマニル基、イソクロマニル基、ベンゾジオキサニル基、キノリジニル基、ベンゾオキサジニル基、ベンゾジアジニル基、ピリドピリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、及びプテリジニル基を包含するが、これらに限定されない。
「ヘテロアリール-Cm-nアルキル-」は、Cm-nアルキレン基に共有結合されたヘテロアリール基を包含し、それらの両方は、本明細書において定義されている。ヘテロアラルキル基の例は、ピリジン-3-イルメチル等を包含する。
語「任意的に置換されていてもよい」は、置換されている基、構造又は分子、及び、置換されていない基、構造又は分子のいずれかを包含する。
任意の置換基が「1以上の」基から選択される場合、この定義は、特定の基のうちの1つから選択される全ての置換基又は特定の基のうちの2以上から選択される置換基を含むと理解されるべきである。
句「本発明の化合物」は、一般的に且つ特定的の両方で本明細書において開示されている化合物を意味する。
下記の
式1
における終了する結合は、該結合が構造に示されていない別の原子に接続されていることを表す。環状構造内部で終了し且つ環構造の原子で終了しない結合は、該結合が、原子価によって許されている該環構造中の原子のいずれかに接続されうることを表す。
部分が置換されている場合、それは、化学的に可能であり且つ原子価の要件と一致するところの部分上の任意の点で置換されうる。該部分は、1以上の置換基、例えば1、2、3又は4つの置換基によって置換されうる;任意に、1つの基に1又は2の置換基がある。2以上の置換基がある場合、該置換基は同じであってもよく又は異なっていてもよい。
置換基はそれらが化学的に可能である位置のみで存在し、当業者は過度の努力なしに化学的にありうる置換基且つありえない置換を決定することができる。
オルト、メタ及びパラ置換は、当技術分野においてよく理解されている語である。疑いがないために、「オルト」置換は、隣接する炭素が置換基を持っている置換パターンであり、単純な基、例えば下記の例のフルオロ基
又は該分子の他の部分、下記
式2
で終わる結合によって示される通り、分子の他の部分である。
「メタ」置換は、2つの置換基が炭素上にあり、1つの炭素が互いに除去されている置換パターンである。すなわち、置換された炭素間に1つの炭素原子がある。言い換えると、別の置換基を持つ原子から離れた2番目の原子に置換基がある。例えば、下記の基はメタ置換されている。
「パラ」置換は、2つの置換基が炭素上にあり、2つの炭素が互いに除去されている置換パターンである。すなわち、置換された炭素間に2つの炭素原子がある。言い換えると、別の置換基を持つ原子から離れた3番目の原子に置換基がある。例えば、下記の基はパラ置換されている。
語「アシル」は、例えばヒドロキシル基、例えば式R-C(O)-を有する基、の除去によって有機酸から誘導される有機基を包含し、ここで、Rは、H、C1~6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、フェニル基、ベンジル基、又はフェネチル基などから選択されうる。Rは、H又はC1-3アルキルである。1つの実施態様において、アシルは、アルキル-カルボニルである。アシル基の例は、ホルミル、アセチル、プロピオニル、及びブチリルを包含するが、これらに限定されない。特定のアシル基は、アセチル(Acとしてまた表される)である。
本明細書の説明及び特許請求の範囲を通して、語「含む(comprise)」及び「含む(contain)」、並びにそれらの変形は、「含むがこれらに限定されない」ことを意味し、それらは、他の残基、添加物、成分、整数又は工程を除外することを意図されない(及び除外されない)。本明細書の詳細な説明及び特許請求の範囲を通して、単数形は、文脈が他に必要としない限り、複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、文脈が他に必要としない限り、単数性と同様に複数を企図するものとして理解されるべきである。
本発明の特定の観点、実施態様又は実施例に関連して説明された特徴、整数、特性、化合物、化学部分又は化学基は、それらと互換性か無い限り、本明細書に記載された他の任意の観点、実施態様又は実施例に適用可能であると理解されるべきである。本明細書に開示されている全ての機能(添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)及び/又はそこに開示されている方法又はプロセスの全ての工程は、そのような特徴及び/又は工程の少なくとも幾つかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わされうる。本発明は、上述の任意の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示された特徴の新規な任意のもの若しくは新規な任意の組み合わせ、又はそこに開示されている任意の方法若しくはプロセスの工程の新規な任意のもの若しくは新規な任意の組み合わせに及ぶ。
読者の注意は、本出願に関連して本明細書と同時に又はそれ以前に出願され、本明細書で公開される全ての論文及び文書に向けられており、そのような全ての論文及び文書の内容は参照によって本明細書に取り込まれる。
本発明の化合物を構成する様々な官能基及び置換基は典型的には、化合物の分子量が1000を超えないように選択される。より一般的には、該化合物の分子量は750未満、例えば700未満であり、又は650未満、又は600未満、又は550未満である。より好ましくは、該分子量は、525未満であり、例えば500以下である。
本発明の任意の化合物の適切な又は好ましい特徴はまた、他の任意の態様の好適な特徴でありうる。
本発明は、本発明の化合物の医薬的に許容される塩を企図する。これらは、該化合物の酸付加塩及び塩基塩を含みうる。これらは、化合物の酸付加塩及び塩基塩でありうる。
適切な酸付加塩は、非毒性の塩を形成する酸から形成される。例は、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カムシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチレート、1,5-ナフタレンジスルホン酸塩、2-ナプシレート、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素/リン酸二水素、サッカラート、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、及びトリフルオロ酢酸塩を包含する。
好適な塩基塩は、非毒性の塩を形成する塩基から形成される。例は、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リシン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン、亜鉛塩を包含する。酸及び塩基のヘミ塩、例えばヘミ硫酸塩及びヘミカルシウム塩、がまた形成されうる。好適な塩のレビューは、Stahl及びWermuthによる"Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use" by Stahl and Wermuth(Wiley-VCH,Weinheim,Germany,2002年)を参照。
本発明の化合物の医薬的に許容される塩は、例えば、下記の1以上によって調製されうる:
(i)本発明の化合物を所望の酸又は塩基と反応させることによって;
(ii)本発明の化合物の好適な前駆体から酸若しくは塩基に不安定な保護基を除去することにより、又は所望の酸若しくは塩基を使用して、好適な環状前駆体、例えばラクトン若しくはラクタム、を環開環することによって、又は
(iii)本発明の化合物のうちの1つの塩を、適切な酸若しくは塩基との反応により、又は好適なイオン交換カラムにより、別の塩に転化することによって。
これらの方法は典型的に、溶液中で行われる。結果として生じた塩は沈殿し、そしてろ過によって集められてもよく、又は溶媒のエバポレーションによって回収されてもよい。結果として生じた塩のイオン化度は、完全にイオン化されたものからほとんどイオン化されていないものまで様々でありうる。
同じ分子式を有するが、それらの原子の結合の性質若しくは順序、又はそれらの原子の空間配置が異なる化合物は、「異性体」と呼ばれる。空間におけるそれらの原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。互いに鏡像ではない立体異性体は「ジアステレオマー」と呼ばれ、及び、互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は「エナンチオマー」と呼ばれる。化合物が不斉中心を有する場合に、例えば、4つの異なる基に結合されている場合に、一対の鏡像異性体が可能である。エナンチオマーは、その非対称中心の絶対配置によって特徴付けることができ、カーン(Cahn)及びプレログ(Prelog)のR及びSシーケンス規則によって、又は分子が偏光面を回転させて右旋性若しくは左旋性として指定される方法(すなわち、それぞれ(+)又は(-)-異性体として)によって記載されている。キラル化合物は、個々のエナンチオマーとして、又はそれらの混合物として存在することができる。等割合の鏡像異性体を含む混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。本発明の化合物が2以上の立体中心を有する場合に、(R)及び(S)の立体異性体の任意の組み合わせが企図される。(R)及び(S)の立体異性体の組み合わせは、ジアステレオマーの混合物又は単一のジアステレオ異性体を結果として生じうる。本発明の化合物は、単一の立体異性体として存在してもよく、又は立体異性体の混合物、例えばラセミ混合物及び他の鏡像異性体混合物、並びにジアステレオマー混合物、であってもよい。混合物が鏡像異性体の混合物である場合に、鏡像異性体過剰率は、上記に開示されたもののいずれかでありうる。該化合物が単一の立体異性体である場合に、該化合物は依然として不純物として他のジアステレオ異性体又は鏡像異性体を含みうる。従って、単一の立体異性体は必ずしも100%の鏡像異性体過剰率(e.e.:enantiomeric excess)又はジアステレオマー過剰率(d.e.:diastereomeric excess)を有しているわけではないが、少なくとも85%のe.e.又はd.e.を有することができる。
本発明の化合物は、1以上の不斉中心を有しうる;それ故に、そのような化合物は、個々の(R)-若しくは(S)-立体異性体として、又はそれらの混合物として生成されることができる。特に指示されない限り、本明細書及び特許請求の範囲における特定の化合物の説明又は命名は、個々の鏡像異性体及びそれらのラセミ体又はその他の混合物の両方を含むことが意図されている。立体化学の決定及び立体異性体の分離の方法は、当技術分野においてよく知られており(「Advanced Organic Chemistry」,4th edition J.March,John Wiley and Sons,New York,2001年,第4章の説明を参照)、例えば光学的に活性な出発物質からの合成又はラセミ体の分割による合成が知られている。本発明の化合物の幾つかは、幾何異性体中心(E-及びZ-異性体)を有しうる。本発明は、LOX阻害活性を有する、全ての光学異性体、ジアステレオ異性体及び幾何異性体、並びにそれらの混合物を包含することが理解されるべきである。
本明細書に記載されている化合物及び塩は、同位体標識(または、「放射標識」)されうる。従って、1以上の原子が、典型的に自然界において見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子に置換される。取り込まれることができる放射性核種の例は、2H(重水素の場合は「D」とまた表記される)、3H(トリチウムの場合は「T」とまた表記される)、11C、13C、14C、15O、17O、18O、18F等を包含する。使用される放射性核種は、その放射標識された特定の用途に依存するだろう。例えば、イン・ビトロ(in vitro)競合アッセイのために、3H又は14Cがしばしば有用である。放射イメージング用途のために、11C又は18Fがしばしば有用である。幾つかの実施態様において、放射性核種は3Hである。幾つかの実施態様において、放射性核種は14Cである。幾つかの実施態様において、放射性核種は11Cである。そして、幾つかの実施態様において、放射性核種は18Fである。
本発明の或る化合物は、例えば溶媒和形態及び非溶媒和形態、例えば水和形態等、で存在しうることがまた理解されるべきである。本発明は、LOX阻害活性を有するそのような全ての溶媒和形態を包含することが理解されるべきである。
本発明の或る化合物は多型を示しうること、及び本発明は、LOX阻害活性を有するそのような全ての形態を包含することがまた理解されるべきである。
本発明の化合物は、多くの異なる互変異性形態で存在し得、そして、本発明の化合物への言及は、そのような形態の全てを包含する。誤解を避けるために、化合物が幾つかの互変異性体のうちの1つで存在でき、そして1つだけが具体的に説明又は示されている場合であっても、他の全てが本発明の化合物に包含されている。互変異性型の例は、ケト型、エノール型、エノレート型を包含し、例えば、下記の互変異性体のペアが挙げられる:ケト/エノール(下記の図)、イミン/エナミン、アミド/イミノアルコール、アミジン/アミジン(amidine/amidine)、ニトロソ/オキシム、チオケトン/エンチオール、及びニトロ/アシニトロ。
本発明の化合物のイン・ビボ(in vivo)効果は、本発明の化合物の投与後に人体内又は動物の体内で形成される1以上の代謝産物によって部分的に発揮されうる。
本明細書の説明及び特許請求の範囲を通して、語「含む(comprise)」及び「含む(contain)」、並びにそれらの変形は、「含むがこれらに限定されない」ことを意味し、それらは、他の残基、添加物、成分、整数又は工程を除外することを意図されない(及び除外されない)。本明細書の詳細な説明及び特許請求の範囲を通して、単数形は、文脈が他に必要としない限り、複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、文脈が他に必要としない限り、単数性と同様に複数を企図するものとして理解されるべきである。
本発明の特定の観点、実施態様又は実施例に関連して説明された特徴、整数、特性、化合物、化学部分又は化学基は、それらと互換性か無い限り、本明細書に記載された他の任意の観点、実施態様又は実施例に適用可能であると理解されるべきである。本明細書に開示されている全ての機能(添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)及び/又はそこに開示されている方法又はプロセスの全ての工程は、そのような特徴及び/又は工程の少なくとも幾つかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わされうる。本発明は、上述の任意の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示された特徴の新規な任意のもの若しくは新規な任意の組み合わせ、又はそこに開示されている任意の方法若しくはプロセスの工程の新規な任意のもの若しくは新規な任意の組み合わせに及ぶ。
読者の注意は、本出願に関連して本明細書と同時に又はそれ以前に出願され、本明細書で公開される全ての論文及び文書に向けられており、そのような全ての論文及び文書の内容は参照によって本明細書に取り込まれる。
本発明の化合物の調製に関する更なる情報は、実施例の部において提供される。実施例に記載されている一般的な反応スキーム及び特定の方法は、本発明の更なる観点を形成する。
上記で定義されたプロセスから得られる本発明の結果物である化合物は、当技術分野で周知の技術を用いて単離及び精製されることができる。
本発明の化合物は、単一の結晶形で又は結晶形の混合物で存在してもよく、又はそれらはアモルファスであってもよい。従って、医薬的使用のために意図された本発明の化合物は、結晶性又はアモルファス生成物として投与されうる。それらは、例えば、沈殿、結晶化、凍結乾燥、又は噴霧乾燥、若しくはエバポレーションによる乾燥などの方法によって、固体プラグ、粉末、又はフィルムとして得られうる。マイクロ波乾燥又は無線周波数乾燥が、この目的のために使用されうる。
本明細書で定義されるプロセスは、特に本発明の化合物が異なる塩形態の混合物として形成される状況において、本発明の化合物を塩交換に付する工程をさらに含みうる。好適には、塩交換は、本発明の化合物を好適な固体支持体又は樹脂上に固定化すること、そして該化合物を適切な酸で溶出して、本発明の化合物の単一の塩を生成することを含む。
本発明の更なる観点において、本明細書で定義されるプロセスのいずれか1つによって得られることが可能な本発明の化合物が提供される。
上記の反応スキームにおいて及び本明細書の実施例において記載されている或る中間体は新規である。そのような新規の中間体又はその塩、特にその医薬的に許容される塩、は、本発明の更なる観点を形成する。
医薬組成物
他の観点に従うと、本発明は、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩、及び医薬的に許容される賦形剤を含む医薬製剤を提供する。
好適な医薬製剤の選択及び調製のための慣用的な手順は例えば、「Pharmaceuticals-The Science of Dosage Form Designs」,M.E.Aulton,Churchill Livingstone,1988年に記載されている。
本発明の組成物は、経口使用(例えば、錠剤、ロゼンジ(lozenges)、ハードカプセル又はソフトカプセル、水性又は油性の懸濁液、乳濁液、分散性粉末又は顆粒、シロップ又はエリキシルとして)のために、局所使用(例えば、クリーム、軟膏、ゲル、又は水性若しくは油性の溶液若しくは懸濁液として)のために、吸入による投与用(例えば、微粉又は液体エアゾールとして)のために、空気混入による投与用(例えば、微粉として)のために、又は非経口投与(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、腹腔内若しくは筋肉内投与のための無菌の水性若しくは油性溶液として、又は直腸投与のための坐剤として)のために好適な形態でありうる。
本発明の組成物は、当技術分野で周知の、慣用的な医薬賦形剤を使用する慣用的な手順によって得られうる。従って、経口使用のために意図された組成物は例えば、1以上の着色剤、甘味剤、香味剤及び/又は保存剤を含みうる。
状態の治療において使用するための本発明の化合物の有効量は、温血動物、特にヒト、の状態の症状を症状的に緩和するか、又は該状態の進行を遅らせるのに十分な量である。
1以上の賦形剤と組み合わされて単一の剤形を生成する活性成分の量は、処置される宿主及び特定の投与経路に応じて必然的に変化するであろう。例えば、ヒトへの経口投与のために意図された製剤は一般に、全組成物の約5~約98重量パーセントまで変化する適切な且つ便利な量の賦形剤と混合された、例えば0.5mg~0.5gの活性剤(より好適には0.5~100 mg、例えば1~30mg)を含むだろう。
本発明の化合物の処置又は予防目的のための投与量のサイズは、当然のことながら、医学の周知の原則に従って、動物又は患者の状態の性質及び重症度、年齢及び性別、並びに投与経路に応じて変化するだろう。
治療又は予防目的で本発明の化合物を使用する際に、それは、例えば0.1mg/kg~100mg/kg、1mg/kg~75mg/kg、1mg/kg~50mg/kg、1mg/kg~20mg/kg、又は5mg/kg~10mg/kgの体重から選択される一日投与量の範囲における一日投与量が受け取られるように一般的に投与され、必要に応じて分割投与されるだろう。一般に、非経口経路が用いられる場合、より低い用量が投与されるだろう。従って、例えば、静脈内又は腹腔内投与の場合、例えば、0.1mg/kg~30mg/kg体重の範囲の用量が一般的に用いられるだろう。同様に、吸入剤による投与の場合、例えば0.05mg/kg~25mg/kg体重の範囲の用量が用いられるだろう。好適には本発明の化合物は、例えば錠剤の形態又はカプセル剤の形態で経口投与される。経口投与される一日投与量は、例えば、1mg~2000mg、5mg~2000mg、5mg~1500mg、10mg~750mg、又は25mg~500mgから選択される総一日投与量でありうる。典型的には、単位剤形は、本発明の化合物の約0.5mg~0.5gを含むだろう。
治療用途及び応用
他の観点に従うと、本発明は、医薬品として使用するための、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩を提供する。
本発明の更なる観点は、LOXによって介在される疾病又は医療状態の処置において使用するための、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩を提供する。
LOXによって介在される疾病又は医療状態の処置のための医薬品の製造において、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩を使用する方法がまた提供される。
LOXによって介在される疾病又は医療状態を処置することを必要とする対象において、LOXによって介在される疾病又は医療状態を処置する方法であって、該対象に、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量を投与することを含む上記方法がまた提供される。
特に明記されない限り、LOXによって介在される疾病又は医療状態を処置することへの言及は、LOX、LOXL1、LOXL2、LOXL3又はLOXL4のうちの1つによって介在される疾病又は医療状態を包含することを意図される。
本出願の下記の部分において、特定の疾病又は状態の処置において使用するための、本発明の化合物又は医薬的に許容される塩が言及されている。本明細書における特定の使用のための化合物への何らかの言及はまた、(i)その疾病又は状態の処置のための医薬品の製造における本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩の使用;並びに、(ii)対象の疾病又は状態を処置する方法であって、対象に、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩の治療的有効量を投与することを含む上記方法、に対する言及であることが意図されていることが理解されるべきである。
LOXによって介在される医療状態の疾患は、本出願にリストされている疾病又は医療状態のいずれかでありうる。
本発明の背景で説明されている通り、LOXファミリーの役割は、疾病、例えば癌、において明確な役割を果たしうる。従って、LOXの選択的阻害は有利でありうる。1つの実施態様において、LOX、LOXL1、LOXL2、LOXL3又はLOXL4の選択的阻害において使用するために本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩が提供される。当業者において、LOXファミリーの2以上のメンバーを阻害することが有利でありうる。従って、当業者において、は、LOX、LOXL1、LOXL2、LOXL3又はLOXL4から選択されるLOXファミリーの2以上のメンバーの阻害において使用するための本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩が提供される。
増殖性疾患-LOX及び癌
本発明の更なる観点は、増殖性疾患の処置において使用するための、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩を提供する。該増殖性疾患は、悪性又は非悪性でありうる。
本発明の背景で述べられている通り、LOXは、原発癌及び転移において重要な役割を果たす。原発腫瘍成長と転移とにおけるLOXのこの役割を支持する証拠が、以下に記載されている。
研究は、LOXが結腸直腸癌及び肺癌(Gao,Xiao等 2010年,Baker,Cox等 2011年)及び神経膠芽腫(Mammoto,Jiang等 2013年)の原発腫瘍の成長において基本的な役割を果たすことを示している。PDAC KRASmut/p53wt細胞(それは、内因的に低レベルのLOXを発現)は、高レベルのヒトLOXを発現するように設計されている。これらの細胞を用いたマウス同種移植モデルにおいて、原発腫瘍が有意に増加される(Miller,Morton等 2015年)。リジルオキシダーゼ活性は、老化安定性に直接影響を与えることにより、侵襲性膵管腺癌(PDAC:pancreatic ductal adenocarcinoma)のトランスジェニックマウスモデルにおける原発腫瘍の成長に関与する(Wiel,Augert等 2013年)。
LOXの発現は、エストロゲン受容体陰性疾病を有する乳癌患者の70%以上で、頭頸部癌患者の80%で、原発結腸直腸癌(CRC:colorectal carcinomas)の33%で、及びCRCを有する患者からの転移組織の48%で(Baker,Cox等 2011年)、並びに、アルコール依存症の歴史を有する肝硬変肝細胞癌患者で(Huang,Ho等 2013年)上昇されている。LOXはまた、肺腺癌(Wilgus,Borczuk等 2011年)、LKB1-変異型肺癌(Gao,Xiao等 2010年)、侵襲性前立腺腺癌(Stewart,Gray等 2008年)、ブドウ膜黒色腫(Abourbih,Di Cesare等 2010年)、口腔及び中咽頭扁平上皮癌(Albinger-Hegyi,Stoeckli等 2010年)、甲状腺癌(Boufraqech,Nilubol等 2015年)、明細胞腎臓細胞癌(Vitalba等 2016年)、骨髄増殖性疾患、特に骨髄線維症(Papadantonakis,Matsuura等 2012年,Tadmor,Bejar等 2013年)、及び膵臓癌(Sansom 2012年,Miller,Morton等 2015年)で過剰発現されている。
リシル-オキシダーゼ様アイソフォーム及び癌
LOXL2は、細胞外コラーゲンとエラスチンとの架橋化に関与するLOXファミリーの別のメンバーである(Vadasz,Kessler等 2005年),(Kim,Kim等 2010年)。保存されたC末端領域に加えて、LOXL2タンパク質は、細胞表面受容体及び接着分子、並びにサイトカイン受容体様ドメインで一般的に見られるスカベンジャー受容体のシステインに富む領域を有する。
LOXL2の発現は、Barker等で説明されている通り、乳癌、胃癌、結腸癌、食道癌、頭頸部癌、肺癌、喉頭癌で上方制御されること(Barker,Cox等 2012年)、及び腎細胞癌で上方制御されること(Hase,Jingushi等 2014年),(Nishikawa,Chiyomaru等 2015年)が見つけられている。LOXL2の高発現は、Barker等で説明されている通り、扁平上皮癌、喉頭癌、食道癌、及び乳癌の患者の予後不良、結腸及び乳癌における増加した転移、並びに、膵臓癌細胞における薬剤耐性に関連付けられている(Barker,Cox等 2012年)。追加的に、LOXL2の上方制御は、他の方法では非侵襲性の乳癌細胞の侵襲性が高まることが示されている(Akiri,Sabo等 2003年)。その上、LOXL2及びLOXL4は、乳房同所性マウスモデルにおける転移ニッチ形成のために必要とされる(Wong等 2011年)。LOXL2の発現は、胆管細胞癌における、リンパ節転移、組織学的悪性度、及び胆管癌の予後不良に関連しており、及びLOXL2のノックダウンは、浸潤及び転移を減少させる(Xu,Li等 2014年)。HCC転移は、腫瘍組織及びHCC患者の血清で過剰発現されるLOXL2に依存する(Wong,Tse等 2014年)。
LOXL2転写はHIF-1によって調節され、且つ低酸素状態におけるLOXL2の上方制御は、上皮間葉転換(EMT:epithelial to mesenchymal transition)をもたらすE-カドヘリン(E-cadherin)を下方制御することが示されており(Schietke,Warnecke等 2010年)、それは、腫瘍の進行、浸潤、及び転移の重要な工程である。これは、LOXL2が、マウスの扁平上皮癌及び紡錘細胞癌におけるEMTと腫瘍の進行との両方に関与していることが示された他のレポートと一致している(Fong,Dietzsch等 2007年),(Moreno-Bueno,Salvador等 2011年)。LOXL2発現は、CRCにおいて明確に関連している(Offenberg,Brunner等 2008年)。LOXL2はまた、Srcキナーゼ/局所接着キナーゼ(Src/FAK:Src kinase/focal adhesion kinase)経路の活性化にリンクされており、そして、これは、分泌されたLOXL2が胃腫瘍細胞の浸潤及び転移を誘発する主要な経路であると思われる(Peng,Ran等 2009年)。
或る癌、例えば基底様乳癌及び喉頭扁平上皮癌、において、LOXL2の核周囲発現は、腫瘍の侵襲性及び予後不良のマーカーである(Moreno-Bueno,Salvador等 2011年),(Peinado,Moreno-Bueno等 2008年)。
Barry-Hamilton等は、LOXL2抗体処置が乳癌細胞の心臓内注入からの骨転移を有意に減少させることを報告した(Barry-Hamilton,Spangler等 2010年)。加えて、Barker等は、LOXL2阻害が乳癌細胞の自然発生的な肺、肝臓、骨の転移に対して非常に効果的であるという前臨床証拠を提供した(Barker,Chang等 2011年)。それ故に、LOXL2はまた、原発癌及び転移性癌の有望な治療標的でもある。
本発明の背景で述べられている通り、LOX及びLOXL2は同様の細胞外プロセスに関与していると考えられているが、それらは異なる役割を持っているようである。
LOXファミリーの他のメンバー、LOXL1、LOXL3、及びLOXL3はまた、癌を含む増殖状態に関与している(本発明の背景を参照)。
従って、1つの実施態様において、癌の処置において使用するための本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩が提供される。1つの実施態様において、癌は非転移性である。従って、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、対象における原発腫瘍の処置において使用されるものでありうる。
癌転移におけるLOXの役割
上昇されたLOX発現は、転移及び患者の低下された生存率に関連付けられる(Baker,Cox等 2011年,Wilgus,Borczuk等 2011年)。増加されたLOX発現は、頭頸部癌患者(Albinger-Hegyi,Stoeckli等 2010年,Toustrup,Sorensen等 2011年)、胃癌(Kasashima,Yashiro等 2015年)、肝細胞(Zhu,Huang等 2015年)、非小細胞肺癌(Liu,Ping等 2014年)及び星状細胞腫(da Silva,Uno等 2015年)、喉頭癌(Se,2017年)において、疾病の程度、すなわちエストロゲン受容体(ER:estrogen receptor)-陰性腫瘍を有する乳癌患者における増加された遠隔転移及び低下された全生存率(Erler,Bennewith等 2006年)、に関連付けられている。LOX発現は、膵臓癌における生存不良の決定要因である(Miller,Morton等 2015年)。LOXの阻害は、同所性に成長したヒト乳癌のマウスにおける転移を排除し(Erler,Bennewith等 2006年)、且つヒト結腸直腸癌モデルの腫瘍血管新生を阻害する(Baker,Bird等 2013年)。
LOXに対して惹起され且つその酵素活性を阻害することが示されているポリクローナル抗体は、転移性ヒト乳癌の同所性モデルにおいて、腫瘍細胞のレシピエントマウスの肺及び肝臓への転移性拡散を阻止することができた(Erler等 2006年)。shRNAをもちいるLOX発現の抑制は乳癌細胞の転移性拡散を阻止し、そのBAPN、LOXの非選択的小分子阻害剤はマウスにおけるこれらの細胞の転移性腫瘍成長を阻止することができる(Erler等 2006年)。その上、遺伝的(shRNA)、抗体(Ab:antibody)又は不可逆的非選択的小分子阻害剤BAPNによる腫瘍分泌LOXの阻害は、同所性ヒト乳房腫瘍又は循環ヒト乳癌細胞(Bondarevar,Downey等 2009年,Erler,Bennewith等 2009年,Levental,Yu等 2009年)、CRC(Baker,Cox等 2011年)、HCC(Huang,Ho等 2013年)、LKB1-変異型肺腺癌(Gao,Xiao等 2010年)、未分化の甲状腺癌(Boufraqech,Nilubol等 2015年)、及びマウスにおけるPDAC(Sansom 2012年;Miller,Morton等 2015年)の浸潤及び転移を有意に減少させた。原発乳房腫瘍におけるLOXの高発現は、溶骨性病変の形成をもたらす;LOX活性のサイレンシング又は阻害は、腫瘍に起因する骨転移を抑制する(Cox,Rumney等 2015年)。BAPN及び新規な阻害剤であるCCT365623は、肺に転移する自然発生乳癌のマウスモデルにおける転移性肺腫瘍の負担を有意に減少させる(Tang等 2017年)。
LOXファミリーメンバー(特に、LOX及びLOXL2)は、癌細胞の転移の広がりにおいて重要な役割を果たす(Erle,Bennewith等 2006年,Bondareva,Downey等 2009年,Erler,Bennewith等 2009年,Levental,Yu等 2009年,Gao,Xiao等 2010年)。低酸素症(固形腫瘍がサイズで約1cm3を超える場合に不十分血液供給のために発生する状態)に応答して、癌細胞はLOXを生成して循環内に分泌する(Erler,Bennewith等 2009年)。
LOXは、イン・ビトロ(in vitro)での癌細胞の浸潤を調節する。従って、LOXの高レベルを発現する癌細胞は、3DコラーゲンI及びマトリゲルマトリックス(Matrigel matrices)に侵入する増加した能力を示す(Kirschmann,Seftor等 2002年),(Erler,Bennewith等 2006年)。その上、LOXの実験的過剰発現は癌細胞の浸潤を促進し、一方、RNA干渉(RNAi;短いヘアピンRNA[shRNA:short hairpin RNA]又は低分子干渉RNA[siRNA:small interfering RNA])又はアンチセンス技術を用いて)は、癌細胞のイン・ビトロ(in vitro)浸潤活性を阻害する(Kirschmann,Seftor等 2002年),(Erler,Bennewith等 2006年)。同様に、LOXの非選択的小分子阻害剤であるベータ-アミノプロピオニトリル(BAPN)はまた、幾つかのヒト癌細胞株イン・ビトロ(in vitro)浸潤活性をブロックする(Kirschmann,Seftor等 2002年),(Erler,Bennewith等 2006年)。LOXは、BAPNによって阻害されることができるEMTによって介在される子宮頸癌細胞における低酸素症に誘発された浸潤及び移動を促進する(Yang,Li等 2013年)。これらの研究は、癌細胞の浸潤的行動においてLOXを巻き込む。
LOXの重要な機能の1つは、遠隔地で行動して、転移の将来の部位でニッチ(niche)を事前状態にすることである。腫瘍細胞転移は、侵入骨髄由来樹状細胞(BMDCs:bone marrow-derived dendritic cells)を用いて、目的の器官に形成されるこれらの「前転移ニッチ」(premetastatic niches)により促進される。この「巣作り」(nest-building)活動は、LOXが標的の器官における目立たない部位で沈着された場合に開始される(Erler,Bennewith等 2009年)。骨髄由来細胞の補充(recruitment)は、癌のニッチな条件付け及び転移の拡大に不可欠な工程であることが研究で示されている(Kaplan等 2005年)。このメカニズムは、癌細胞が原発腫瘍から最初に移動する場合に、癌細胞の浸潤的活動及び転移の最も初期の段階に対するLOXの重要性を強調する。BMDC及びLOXはヒトの転移組織中に共局在し、且つLOXの阻害は乳癌転移のモデルにおいてBMDCの補充(recruitment)及び転移を防ぐことができることが示されている。
転移の初期段階におけるその役割に加えて、LOXが新しい転移部位に到達したら、LOXは癌細胞の成長を維持する必要があるという証拠があり、なぜならば、転移性疾患の発症後においてでさえも、LOXの阻害はこれらの病変の退縮を引き起こすためである(Erler,Bennewith等 2006年),(Erler,Bennewith等 2009年),(Bondareva,Downey等 2009年)。LOXの枯渇はプラスチック上の腫瘍細胞増殖に影響を与えないけれども、それは、組換え基底膜(マトリゲル)マトリックスにおける増殖を抑制する(Erler,Bennewith等 2006年)。その上、LOXがshRNAによって阻害される場合に、癌細胞は肺にコロニーを効率的に形成せずに(Erler等 2006年)、マウスがLOX中和抗体で処置されると、転移性肺腫瘍が退縮することがわかった(Erler,Bennewith等 2006年)。特に、ヒト乳癌細胞がLOXを発現する細胞からの馴化培地と同時注入された場合に、ヒト乳癌細胞による肺のコロニー形成は高められたが、マウスがBAPN又はLOX抗体の存在下、馴化培地で処置された場合、これはブロックされた(Erler,Bennewith等 2009年)。これらの発見は、転移性増殖を維持するために腫瘍分泌LOXの必要性を示す。
LOXは、インテグリンのシグナル伝達の下流にある接着斑キナーゼ(FAK:focal adhesion kinase)のリン酸化に必須である(Erler,Bennewith等 2006年)。FAKは、幾つかのシグナル伝達分子と相互作用し且つ細胞の生存のために重要なチロシンキナーゼである(van Nimwegen及びvan de Water 2007年)。LOXを介在したコラーゲン架橋化は、CRCのイン・ビトロ(in vitro)モデルにおける且つイン・ビボ(in vivo)モデルにおける増加された組織の硬さ、及びFAK/SRCシグナル伝達の活性化を結果として生じる。高レベルの酵素活性LOXを発現する細胞は、増殖、浸潤、及び転移するための増加された能力を有する。従って、LOXは幾つかのレベルで転移性腫瘍成長において細胞依存性及び細胞自律性の両方の役割を有する:おそらく原発部位からの移動を強化することによって、癌細胞が局所的に浸潤する能力を高める;BMDCs、そして次に腫瘍細胞の到着のための準備において将来の転移部位を調整する;ニッチにコロニーを形成すると、癌細胞の生存/増殖をサポートする。
腫瘍手術に対する宿主応答は、LOXによって媒介されるメカニズムで更なる肺転移を促進することができる。LOX活性をブロックすると、手術後の肺転移の危険性が減少する(Chen,2017年)。
従って、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、対象における転移性癌の処置における使用のためのものでありうる。
本発明の他の実施態様において、腫瘍細胞の運動性の阻害剤として使用されるものでありうる、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩が提供される。本発明の他の実施態様において、転移性腫瘍成長の阻害をもたらす哺乳類癌細胞の播種及び侵襲性の阻害剤として使用されるものでありうる、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩が提供される。特に、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、固形腫瘍疾病の封じ込め及び/又は処置において使用するための抗侵襲剤としての使用のためのものでありうる。
LOXファミリー、線維芽細胞、及び間質
癌に関連付けられた線維芽細胞は、様々な成長因子及びサイトカインを通じて癌細胞補充線維芽細胞によって補充され、且つ癌の成長、生存、局所浸潤及び転移を促進する筋線維芽細胞の微小環境を形成する(Karagiannis,Poutahidis等 2012年)。癌における筋線維芽細胞の持続的な存在は、線維形成の癌特異的なタイプである、脱形成に寄与する。線維形成及び増加された線維症は、幾つかの癌、例えば乳癌、膵臓癌、結腸直腸癌、胃癌及び肝細胞癌、の進行に関連付けられている(Barker,Cox等 2012年)。線維形成はまた、間質が豊富な腫瘍における免疫療法に対する耐性の固有のメカニズムである(Zhao及びSubramanian,2017年)。LOX及びLOXファミリーメンバーは、細胞外マトリックスの再モデリング及び線維形成に必須の役割を有する(Levental,2009;Xiao,2012年)。癌細胞によって又は活性化された線維芽細胞によってのいずれかで分泌される、リシルオキシダーゼファミリーメンバーの発現は、腫瘍ECM、腫瘍間質、又は幾つかの癌の腫瘍に関連付けられた血管系、例えば結腸直腸癌、膵臓癌、乳癌、喉頭癌、子宮内膜、精巣、肝細胞、腎臓(Barker等(Barker,Cox等 2012年)によって説明された)、胃癌(Kasashima,Yashiro等 2014年)、並びに、それらの進行及び転移に関与すること(Akiri,Sabo等 2003年,Barry-Hamilton,Spangler等 2010年,Barker,Bird等 2013年),(Pickup,Laklai等 2013年)に関連して見つけられている。LOXL4の発現は、角化嚢胞性歯原性腫瘍(KCOT:keratocystic odontogenic tumors)間質組織、及び原発KCOT間質性線維芽細胞(Jiang,Sima等 2014年)において高められる。
1つの実施態様において、線維形成(desmoplasia)の処置において使用するための本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩が提供される。
本明細書において議論された通り、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、癌の処置において使用され得、非転移性又は転移性であり、且つ下記から選択される、固形腫瘍又は血液学的(「液体」)癌でありうる:
(1) 癌腫:例えば、重層扁平上皮由来の腫瘍(扁平上皮癌)及び器官又は腺内に発生した腫瘍(腺癌)を含む癌腫。例は、乳癌、結腸癌、肺癌、前立腺癌、卵巣癌、食道癌(食道腺癌及び扁平上皮癌を含むが、それらに限定されない)、基底様乳癌、基底細胞癌(皮膚癌の形態)、扁平上皮癌(様々な組織)、頭頸部癌(扁平上皮癌を含むが、それに限定されない)、胃癌(胃腺癌、消化管間質腫瘍を含むが、それらに限定されない)、印環細胞癌、膀胱癌(移行上皮癌(膀胱の悪性新生物)を含むが、それに限定されない)、気管支原性肺癌、結腸直腸癌(結腸癌及び直腸癌を含むが、それらに限定されない)、肛門癌、胃癌、肺癌(肺の小細胞癌及び非小細胞癌、肺腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌、細気管支肺胞癌、及び中皮腫を含むが、それらに限定されない)、神経内分泌腫瘍(消化管、乳房、及び他の器官のカルチノイドを含むが、それらに限定されない)、副腎皮質癌、甲状腺癌、膵臓癌(膵管腺癌、膵臓腺癌、腺房細胞癌、浸潤癌を伴う膵管内乳頭粘液性腫瘍、浸潤癌を伴う粘液性嚢胞腫瘍、膵島細胞癌、及び神経内分泌腫瘍)、乳癌(乳管癌、小葉癌、炎症性乳癌、明細胞癌、粘液性癌を含むが、それらに限定されない)、卵巣癌(卵巣上皮癌、又は表面上皮間質腫瘍、例えば漿液性腫瘍、類内膜腫瘍、及び粘液性嚢胞腺癌、性索間質性腫瘍を含む表面上皮間質腫瘍を含むが、それらに限定されない)、肝臓及び胆管癌(肝細胞癌、胆管細胞癌、及び血管腫を含むが、それらに限定されない)、前立腺癌、腺癌、脳腫瘍(神経膠腫、神経膠芽腫、及び髄芽腫を含むが、それらに限定されない)、胚細胞性腫瘍、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、腎癌(腎臓細胞癌、明細胞癌、及びウィルムス腫瘍を含むが、それらに限定されない)、髄様癌、腺管上皮内癌又は胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胚性癌腫、子宮頸癌、子宮癌(子宮内膜腺癌、子宮漿液性乳頭状癌、子宮明細胞癌、子宮肉腫、及び平滑筋肉腫、混合ミューラー腫瘍を含むが、それらに限定されない)、精巣癌、骨形成癌、上皮性癌、肉腫様癌、上咽頭癌、喉頭癌、及び口腔及び口咽頭癌癌腫を包含する;
(2) 肉腫、骨肉腫及び骨原性肉腫(骨);軟骨肉腫(軟骨);平滑筋肉腫(平滑筋);横紋筋肉腫(骨格筋);中皮肉腫及び中皮腫(体腔の膜嚢);線維肉腫(線維性肉腫);血管肉腫及び血管内皮腫(血管);脂肪肉腫(脂肪組織);神経膠腫及び星状細胞腫(脳に見られる神経原性結合組織);粘液肉腫(原発性胚性結合組織);脊索腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、ユーイング肉腫、間葉系腫瘍及び間葉系腫瘍(混合結合組織タイプ)、並びに、他の軟部組織肉腫を包含する;
(3) 骨髄腫及び多発性骨髄腫;
(4) 造血器腫瘍:例えば、骨髄性白血病及び顆粒球性白血病(骨髄性白血球シリーズ及び顆粒球性白血球シリーズの悪性腫瘍);リンパ性、リンパ球性、及びリンパ芽球性の白血病(リンパ性血液細胞シリーズ及びリンパ球性血液細胞シリーズの悪性腫瘍);真性赤血球増加症及び赤血球症(様々な血液細胞製品の悪性腫瘍、しかし、赤血球が優勢);骨髄線維症を包含する造血器腫瘍;
(5) リンパ腫:例えば、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫を包含するリンパ腫;
(6) 神経系の固形腫瘍:例えば髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫瘍、乏突起神経膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、及びシュワン細胞腫を包含する、神経系の固形腫瘍;
(7) 黒色腫、ブドウ膜黒色腫及び網膜芽細胞腫;並びに、
(8) 混合型:例えば、腺扁平上皮癌、混合中胚葉腫瘍、癌肉腫、又は奇形癌を包含する混合型。
特定の実施態様において、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、膵臓癌、結腸直腸癌、乳癌、及び肺癌から選択される癌の処置において使用されうる。
本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩本発明は、良性の増殖性疾患の処置において使用されうる。良性疾患は、良性腫瘍、例えば血管腫、肝細胞腺腫、海綿状血管腫、限局性結節性過形成、聴神経腫瘍、神経線維腫、胆管腺腫、胆管嚢腫、線維腫、脂肪腫、平滑筋腫、中皮腫、奇形腫、粘液腫、結節性再生性過形成、トラコーマ、化膿性肉芽腫、ほくろ、子宮筋腫、甲状腺腺腫、副腎皮質腺腫又は下垂体腺腫でありうる。良性の状態は、子宮内膜症、又は角化嚢胞性歯原性腫瘍でありうる。
線維性疾病
本発明の背景で説明されている通り、LOX及びLOXLは、線維性疾病に関係している。従って、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、線維性障害の処置において使用されるためのものでありうる。該線維性障害は、例えば損傷(例えば、瘢痕化、治癒)又は単一の細胞株から生じる過剰な線維性組織(例えば、線維腫)に応じて、例えば修復又は反応過程によって引き起こされる過剰な線維症、例えば、組織又は器官における過剰の線維性結合組織、によって特徴付けられる障害でありうる。
LOXは、症状の緩和に伴う腎臓線維症及びその阻害の病因に関与している(Di Donato,Ghiggeri等 1997年,Haase 2009年,Chen,Lin等 2015年)。高尿酸血症は、高血圧、腎内血管疾患、及び腎臓障害を結果として生じ、且つ腎臓におけるリシルオキシダーゼ(LOX)及びフィブロネクチンの増加された発現に関連付けられている(Yang,Wang等 2010年)。潜在的な増加された局所線維症の故に、増加されたLOX活性は、腎臓移植後の遅延された移植不全に関連している(Zhi,2017年)。
疾病の病態におけるLOX又はLOXL2の同様の関与、及び症状の減少は、肺線維症で実証されている(Barry-Hamilton,Spangler等 2010年),(Haase 2009年,Cox,Bird等 2013年,Chien,Richards等 2014年)。
LOX及びLOXL2は、肝線維症(Kagan 1994年,Marshall及びSmith 2011年),(Ricard-Blum,Bresson-Hadni等 1996年),(Smith及びVan Vlasselaer 2011年),(Georges,Hui等 2007年)、肝硬変(肝線維症の最終段階)(Kagan 1994年)、及び関連する疾病、例えばウィルソン病及び原発性胆汁性肝硬変(Vadasz,Kessler等 2005年)に関与している。多くの線維性状態:骨髄線維症(原発性骨髄線維症、真性多血症、又は本態性血小板血症骨髄線維症)、特発性肺線維症(IPF:idiopathic pulmonary fibrosis)、非アルコール性脂肪性肝炎による肝線維症(NASH:non-alcoholic steatohepatitis)、HIV及び/又はC型肝炎感染若しくは原発硬化性胆管炎(PSC:primary sclerosing cholangitis)、並びにNASHによる代償性肝硬変、に含まれているLOXファミリー阻害剤(例えば、シムツズマブ(simtuzumab)、ヒト化LOXL2抗体)についての治療指示は、強皮症及び全身性硬化症の患者で増加する(Chanoki,Ishii等 1995年),(Rimar,Rosner等 2014年)。リシルオキシダーゼのレベルが、強皮症及び全身性硬化症の患者において増加される。
LOX阻害剤は、ヒトのデュピトラン(Dupuytren's)、ケロイド及び瘢痕線維芽細胞(scar 線維芽細胞)におけるコラーゲンの再モデリング及びコラーゲン構造の再構築を支援する(Priyanka,2016年)。
線維性障害は、上記の3つの段落で説明したもののいずれかでありうる。1つの実施態様において、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、下記から選択される線維性障害の処置において使用されるものでありうる:
(i) 肺に影響を与える線維性状態、例えば嚢胞性繊維症に続発する肺線維症;特発性肺線維症;石炭労働者の進行性塊状線維症;原因不明の線維化性胞隔炎、慢性線維化間質性肺炎、間質性肺疾患(ILD:interstitial lung disease)、急性間質性肺炎(DPLD:diffuse parenchymal lung disease)、気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)、若しくは慢性喘息;又は
(ii) 肝臓、例えば肝硬変、及び関連する状態に影響を与える線維性状態
例えば慢性ウイルス性B型若しくはC型肝炎、ウィルソン病、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD:non-alcoholic fatty liver disease)、アルコール性脂肪性肝炎(ASH:alcoholic steatohepatitis)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH:non-alcoholic steatohepatitis)、原発性胆汁性肝硬変(PBC:primary biliary cirrhosis)、胆汁性肝硬変若しくは自己免疫性肝炎;又は
(iii) 腎臓に影響を与える線維性状態、例えば糖尿病性腎症、膀胱尿管逆流症、尿細管間質性腎臓線維症;糸球体腎炎(glomerulonephritis)若しくは糸球体腎炎(glomerular nephritis)、例えば限局性分節性糸球体硬化症及び膜性糸球体腎炎を包含する糸球体腎炎、又はメサンジオキャピラリー糸球体腎炎;又は
iv) 心臓又は血管系に影響を与える線維性状態、例えば心内膜心筋線維症;陳旧性心筋梗塞;心房性線維症;うっ血性心不全、心筋症、高血圧性心疾患(HHD:hypertensive heart disease)、高血圧(例えば、肺高血圧症)及び高血圧に関連付けられた線維症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄(例えば、冠状動脈、頸動脈、及び大脳病変)、並びに心虚血性イベントに関連付けられた心疾患事象;又は
(v) 縦隔に影響を与える線維性状態、例えば縦隔線維症;又は
(vi) 骨に影響を与える線維性状態、例えば骨髄線維症、例えば原発骨髄線維症、真性赤血球増加症、又はポスト(post)本態性血小板血症を包含する骨髄線維症;又は
(vii) 後腹膜に影響する線維性状態、例えば後腹膜線維症の皮膚;又は
(viii) 皮膚に影響を与える線維性状態、例えば腎性全身性線維症、ケロイド形成、及び瘢痕、全身性硬化症若しくは強皮症;又は
(ix) 消化管に影響を与える線維性状態、例えば、線維性腸障害、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、若しくはクローン病;又は
(x) 結合組織に影響を与える線維性状態、例えば関節線維症;若しくは嚢炎;又は
(xi) 眼に影響を与える線維性状態。例えば、手術後の眼線維症、又は偽落屑症候群緑内障。
LOXファミリー、血管新生、及び血管系透過性
血管新生、すなわち新しい血管の形成は、腫瘍の成長及び進行に不可欠である。
LOX及びLOXL2は、多くの腫瘍モデル、例えば結腸直腸癌(Baker,Bird等 2013年)、卵巣癌、肺癌(Zaffryar-Eilot,Marshal等 2013年)、黒色腫(Osawa,Ohga等 2013年)、神経膠芽腫(Mammoto,Jiang等 2013年)、において、血管新生を促進する際の重要な役割を果たす。LOXは、腫瘍内皮細胞において過剰発現する(Osawa,Ohga等 2013年)。増加した腫瘍発現は、増加したVEGF発現に関連付けられている(Mammoto,Jiang等 2013年),(Baker,Bird等 2013年)。
さらに、LOXL2阻害は、卵巣癌異種移植及び肺同種移植のマウスモデルにおいて、血管の正常化及び増加した腫瘍灌流をもたらした(Zaffryar-Eilot,Marshall等 2013年)。
過剰な血管新生は、上記の癌に加えて多くの疾病に関与する。LOXは、内皮バリアの硬さを調節することによって血管透過性を仲介する。異常な血管透過性、例えば肺水腫及び急性呼吸促拍症候群(ARDS:acute respiratory distress syndrome)又はエンドトキシン誘発性肺損傷(endotoxin-induced lung injury)などの疾病においてみられる異常な血管透過性、は、LOX阻害によって清浄化されることができる(Mammoto,Mammoto等 2013年),(Ingber及びMammoto 2014年)。
従って、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、抗血管新生薬としての使用のためのものでありうる。本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、血管の正常化において使用されるものでありうる。
1つの実施態様において、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、肺塞栓症、気腫、胸水、肺水腫、脳腫脹、胸水、心膜液貯留、及び腹水の処置における使用のためでありうる。
1つの実施態様において、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、虚血、虚血発作、虚血性心疾患、脳梗塞、末梢血管疾患、象皮病、リンパ管閉塞の処置における使用のためでありうる。
1つの実施態様において、該処置は、加齢黄斑変性(AMD:age-related macular degeneration)、糖尿病性網膜症、及び未熟児網膜症の処置である。
炎症性疾患
悪化した炎症及び肺関門機能障害は、危険なほど高い罹患率及び死亡率を有する状態である急性呼吸促拍症候群(ARDS:acute respiratory distress syndrome)の特徴である。増加したLOX活性は、細菌のリポ多糖(LPS:lipopolysaccharide)で誘発された炎症に関連付けられている。LOX抑制によるLPS誘発性ECM架橋及び硬化の阻害は、EC炎症活性化及び肺機能障害を減少させた。従って、LOX阻害剤はARDSの治療において有用である可能性がある(Mambetsariev,Tian等 2014年)。LOX及びLOXL1の減少並びにコラーゲンの架橋化の減少は、高血圧のアンジオテンシンII誘発化モデルにおける減少された炎症に関連付けられている(Gonzalez,Rhaleb等 2014年)。
1つの実施態様において、炎症状態の処置において有用でありうる本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩が提供される。炎症状態は、本明細書に記載されているもののいずれかでありうる。例えば、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、急性炎症(例えば、急性感染によって媒介される)の処置において使用されるものでありうる。
1つの実施態様において、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、慢性炎症性疾患、例えば炎症性腸疾患(例えば、クローン病及び潰瘍性大腸炎)、乾癬、サルコイドーシス、関節リウマチ、骨関節炎、乾癬性関節炎、ライター症候群、外傷性関節炎、風疹性関節炎、急性滑膜炎、痛風性関節炎及び脊椎炎から選択される疾病、の処置において使用されるものでありうる。
1つの実施態様において、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、関節リウマチ;骨関節炎;乾癬性関節炎;ライター症候群;外傷性関節炎;風疹性関節炎;急性滑膜炎;痛風性関節炎;又は脊椎炎;糖尿病若しくは痛風の処置において使用されるものでありうる。
1つの実施態様において、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、乾癬;湿疹;サルコイドーシス、アレルギー性鼻炎;アレルギー性結膜炎;喘息、急性呼吸促拍症候群、急性肺損傷(ALI:acute lung injury)、急性呼吸促拍症候群(ARDS:acute respiratory distress syndrome)、エンドトキシン誘発性肺損傷、肺炎症、慢性閉塞性肺疾患、及び全身性悪液質の処置において使用されるものでありうる。
1つの実施態様において、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、関節リウマチ、骨関節炎、乾癬性関節炎、ライター症候群、外傷性関節炎、風疹性関節炎、急性滑膜炎、痛風性関節炎、又は脊椎炎、糖尿病若しくは痛風の処置において使用されるものでありうる。
1つの実施態様において、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、内毒血症;毒素性ショック症候群、炎症性腸疾患、アテローム性動脈硬化症、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、骨吸収疾患、骨粗しょう症、糖尿病、再灌流傷害、移植片対宿主反応、同種移植片拒絶、敗血症、敗血症性ショック、内毒素性ショック、グラム陰性敗血症、糸球体腎炎、再狭窄、血管炎、又は血栓症の処置に使用されるものでありうる。
当業者において、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、多発性筋炎、全身紅はん性、又は間質性腎炎の処置において使用されるものでありうる。
循環器疾患
LAPによるBAPN処理を用いたコラーゲンクロスリンクの中断は、マウスモデルにおける心筋線維症を軽減させ、それは、コラーゲン調節、そしてそれにより加齢に伴う心筋線維症の潜在的な治療標的として有用である(Rosin,Sopel等 2015年)。LOXの増加された発現は、心筋線維症及び心機能障害に関連付けられている(Zibadi,Vazquez等 2010年),(Gao,Xiao等 2010年),(Lopez,Gonzalez等 2010年)。心房細動を有する患者の左心房心筋は、高いレベルのリシルオキシダーゼ及びフィブロネクチン発現、並びにコラーゲン架橋を発現する。フィブロネクチンの上方制御は、心臓の線維芽細胞におけるLOXによって介在される(Adam, Theobald等 2011年)。LOX阻害剤は、線維性心房再モデリング予防のために有用であることができる。阻止抗体を用いることによるLOXの阻害は、マウスモデルにおいて心臓線維症及び梗塞の拡大を低減させる(Gonzalez-Santamaria 2016年)。
リシルオキシダーゼは実験的肺高血圧症における因果的役割を果たし、且つBAPNによる阻害は症状を軽減させる(Nave,Mizikova等 2014年)。LOXは、高血圧性心疾患(HHD:hypertensive heart disease)及び高血圧性起源の心不全(HF:heart failure)を有する患者において、架橋化された、それ故に不溶性コラーゲンの形成、そしてそれに続く左心室硬直及び収縮機能障害を促進する(Lopez,Gonzalez等 2013年),(Lopez,Querejeta等 2012年)。LOXL1の役割は心肥大において示唆されており、BAPN投与は、イン・ビボ(in vivo)でアンギオテンシンII誘発心肥大を生体内で阻害する(Ohmura,Yasukawa等 2012)。LOXノックダウンは、高脂肪食誘発性肥満における心臓及び血管の線維症を減ずる(Martinez-Martinez,2016年)。
リシルオキシダーゼ阻害は、再発性再狭窄を減少又は予防するための治療法として提案されてきている(Nuthakki,Fleser等 2004年),(Brasselet,Durand等 2005年)。増加されたLOX活性が、アテローム性動脈硬化症において観察されている(Kagan,Raghavan等 1981年)。LOXは、増加された血栓症、例えば骨髄増殖性疾患、慢性腎疾患、及び動脈狭窄、に関連付けられた他の病状において過剰発現し、そして血小板凝集を促進する(Shinobu等 2016年)。
従って、1つの実施態様において、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、
本発明の化合物、またはその医薬的に許容される塩は、循環器疾患例えばこの項で言及されている疾病のうちのいずれか1つ、の処置、例えばアテローム性動脈硬化症、心筋線維症;線維性心房の再モデリングの予防、陳旧性心筋梗塞;うっ血性心不全、心筋症、高血圧性心疾患(HHD:hypertensive heart disease)、高血圧(例えば、肺高血圧症)及び高血圧に関連付けられた線維症、再狭窄(例えば、冠状動脈、頸動脈、及び脳の病変)、及び心虚血性事象に関連付けられた心疾患の処置、における使用でありうる。
神経学的状態
本発明の背景で説明されている通り、LOXは、神経学的状態、例えばアルツハイマー病及び他の神経学的状態を含む神経学的状態、に関連付けられている。従って、1つの実施態様において、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、LOX又はLOXLにより媒介される神経状態の処置における使用のためのものでありうる。神経学的状態は、アルツハイマー病(AD:Alzheimer's disease)及びオランダ型のアミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D:hereditary cerebral hemorrhage with amyloidosis of the Dutch type)又は非アルツハイマー型痴呆でありうる。
LOXは脳損傷の部位で増加し(Gilad,Kagan等 2001年)、そして、脊髄損傷及びその阻害は、片側脊髄解剖モデルにおいて加速された機能回復をもたらす(Gilad及びGilad 2001年)。従って、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、神経損傷の処置、例えば脊髄損傷後の神経再生の促進及び/又は回復の促進、において使用されるものでありうる。
肺疾病
LOXL2及びLOXL3は、LOXL2及びLOXL3の両方がPAP組織において発現されているが、通常の肺組織で発現されていない故に、原発性肺胞タンパク症(PAP:Primary Alveolar Proteinosis)における役割を有している可能性が高い(Neufeld及びBrekhman 2009年)。過剰なリシルオキシダーゼ活性は、気管支肺異形成の病理学的肺特性に関連さされている(Kumarasamy,Schmitt等 2009年)。本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、原発性肺胞タンパク症(PAP:primary alveolar proteinosis)又は気管支肺異形成症の処置において使用されるものでありうる。
眼疾病
増加されたLOXL2レベルは緑内障手術後の失敗に関連づけられておりそして、LOXL2抗体による処置は、病的な血管新生、炎症、及び眼の線維症を減少させた(Park,Kim等 2014年),(Van Bergen,Marshall等 2013年),(Stalmans,Van Bergen等 2011年)。リシルオキシダーゼ型酵素の発現は、線維性損傷と並行して、レーザー誘発性老化脈絡膜血管新生(CNV:choroidal neovascularization)のモデルにおいて、加齢黄斑変性(AMD:age-related macular degeneration)を増加させる。LOX又はLOXL2の阻害は、レーザー誘発性CNV後の血管新生及び線維症を予防する。それ故に、LOX及びLOXL阻害剤は、血管新生、例えば加齢黄斑変性(AMD:age-related macular degeneration)、糖尿病性網膜症、及び未熟児網膜症によって特徴付けられる状態の処置において有用である(Stalmans,Marshall等 2010年)。LOXL1の発現は、偽落屑症候群/緑内障組織における異常な線維形成の初期段階において増加される(Zenkel,Krysta等 2011年),(Schlotzer-Schrehardt,Pasutto等 2008年)。
本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、LOX又はLOXLによって介在される眼の状態、例えば上記の段落においてリストされた眼の状態、の処置において使用されるものでありうる。
他の疾病
LOXは、人間の脂肪組織において発現する主要なイソ酵素であり、及びその発現は肥満患者からのサンプルにおいて強く上方制御されている。β-アミノプロピオニトリルは、ラットにおける食事誘発性肥満の体重増加を減らし且つ代謝プロファイルを改善し(Miana,Galan等 2015年)、及び局所脂肪組織の炎症を減らす(Halberg,Khan等 2009年)。1つの実施態様において、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、肥満の処置において使用されるものでありうる。
LOXは、細菌感染及びその後の線維性合併症の新規な治療標的として提案されている。LOXは黄色ブドウ球菌(Staphylococcus Aureus)での感染において上方制御され、及びBAPNでの阻害は、結果として生じる膿瘍の形態及びコラーゲン形成に影響する(Beerlage,Greb等 2013年)。LOXはまた、幾つかの寄生性疾患に関係している:LOX及びLOXLは住血吸虫症における肝肉芽腫発生の初期段階において上方制御され(Decitre,Gleyzal等 1998年)、及びBAPN阻害は、PZQ単独と比較した場合に駆虫薬PZQとの組み合わせにおいて肉芽腫のサイズを減らし、且つ卵の負荷を減らす(Giboda,Zenka等 1992年)。
1つの実施態様において、該化合物は、細菌性感染症、例えば黄色ブドウ球菌(Staphylococcus Aureus)による感染症、の処置において使用されるものである。本発明の化合物は、感染症に関連付けられた膿瘍形成を予防又は阻止するために、感染症に関連付けられた線維症の処置又は予防において使用されるものである。膿瘍の形成は、細菌が増殖するための好ましい微小環境を提供することができる。膿瘍形成の阻害は、それが感染の部位での抗生物質へのバセルティア(bacertia)の高められた曝露を提供しうるという点で有益でありうる。なぜならば、膿瘍によって提供されるシールド効果が低減又は排除されるためである。従って、本発明の化合物を抗生物質と組み合わせた処置は、高められた抗菌効果を提供しうる。本発明の化合物はまた、感染の根絶及び感染部位の治癒後の組織線維症の予防又は阻害において使用されるものでありうる。
1つの実施態様において、該化合物は、寄生虫感染症、例えば住血吸虫症、の処置において使用されるものである。
EGFR介在された状態
上皮増殖因子受容体(EGFR:epiderma growth factor receptor)、成長因子受容体チロシンキナーゼ、及び/又はそのリガンドの上昇されたレベルは、多くの癌タイプにおいて観察され、且つ腫瘍成長の促進に関与している。EGFR阻害剤は、多くの癌、例えばNSCLC、膵臓癌、扁平上皮癌、皮膚癌、甲状腺癌、結腸直腸癌、前立腺癌、胃癌、腎臓癌、乳癌、頭頸部癌、神経膠腫、髄膜腫、中皮腫、子宮頸癌表皮癌を包含する多くの癌、に向けられている(Bianco等(Bianco,Gelardi等 2007年)によって説明されている)。上昇されたEGFRは、頭頸部癌、卵巣癌、子宮頸癌、膀胱癌、食道癌の予後不良の強力な指標として機能することがわかった(Nicholson,Gee等 2001年)。EGFR阻害剤はまた、転移性前立腺癌(Ree,Bratland等 2008年)、胆管癌、例えばERRFI1に変異を有する胆管細胞癌(Borad,Carpten等 2014年)の処置のために提案されている。
EGFRのキナーゼ活性の遮断は、最大の治療的有効性に達しない。LOX阻害剤は表面EGFRのレベルを低下させ、これらの化合物がEGFR活性化を低下されることに影響を有する可能性を示唆する(Tang等 2017年)。
EGFR阻害剤は、多くの他の疾病、例えば肥満の予防及び処置(Threadgill及びBarrick 2007年)、アルツハイマー病の処置(Ma 2013年)、クラミジア感染症及び関連疾病の処置(Tsang及びFurdui 2015年)、ウィルス性疾患の処置(Jung 2010年)、軸索再生の促進(He及びKoprivica 2007年)、過角化症、角化細胞過形成及び/又は魚鱗癬によって特徴付けられる遺伝性皮膚の処置(Alexandrescu 2009年)、として標的化されている。
表面のEGFRレベル及びEGFRシグナル伝達の調節におけるLOX阻害剤の役割を考えると、LOX阻害剤は、EGFR阻害剤によって標的とされることができる疾病の処置に有用であること可能性がある。
1つの実施態様において、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、EGFRの阻害により改善される障害(例えば、疾病)の処置において使用されるものでありうる。EGFR媒介された状態は例えば、この項又は本発明の詳細な説明の他の項に記載されているもののうちのいずれかでありうる。本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は、EGFRを過剰発現する癌の処置において使用されるものでありうる。EGFRを過剰発現する癌は例えば、NSCLC、膵臓癌、扁平上皮癌、皮膚癌、甲状腺癌、結腸直腸癌、前立腺癌、腎臓癌、乳癌、頭頸部癌、神経膠腫、中皮腫、表皮癌、卵巣癌、子宮頸癌、膀胱癌、及び道癌、又は胆管癌、例えば胆管細胞癌、でありうる。
1つの実施態様において、該化合物は、ウィルス感染、例えばライノウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ピコルナウイルス、メタニューモウイルス、ハンタウイルス、麻疹ウイルス、エプスタインバーウイルス、単純ヘルペスウイルス、又はサイトメガロウイルス、の処置における使用のためのものである。
1つの実施態様において、該化合物はクラミジア感染症の処置における使用のためのものである。
1つの実施態様において、該化合物は、遺伝性皮膚障害の処置において使用されるものである。例えば、角質化障害は、ダリエー病(Darier's disease)、ヘイリー・ヘイリー病(Hailey-Hailey disease)、紅皮性常染色体性劣性層状魚鱗癬、非紅皮性常染色体性劣性層状魚鱗癬、常染色体優性層状魚鱗癬、水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症、掌蹠角化症、変異性紅斑角皮症、いぼ状表皮母斑、毛孔性紅色粃糠疹、ネザートン症候群、特発性尋常性、尋常性魚鱗癬、連珠毛、毛様性角化症、水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症、非水疱型先天性魚鱗癬、シェーグレンラーソン(Sjogren-Larsson)症候群、変異性紅斑角皮症、水晶体過角化症、変異性紅斑角皮症(eythrokeratodermia figurate variabilis)、ボーウィンケル(Vohwinkel)の断節性角皮症、ハーレクイン(Harlequin)魚鱗癬、及びテイ(Tay's)症候群のうちから選択される。
LOX及びEGFR
1つの観点において、本発明は、EGFRの過剰発現に関連付けられる癌における使用のためのリシルオキシダーゼ阻害剤に関する。
他の観点において、本発明は、EGFRの過剰発現に関連付けられる癌の処置又は予防のための医薬品の製造におけるリシルオキシダーゼ阻害剤の使用方法に関する。
好適には、全ての観点において、該癌は、NSCLC、膵臓癌、扁平上皮癌、皮膚癌、甲状腺癌、結腸直腸癌、前立腺癌、腎臓癌、乳癌、頭頸部癌、神経膠腫、中皮腫、表皮癌、卵巣癌、子宮頸癌、膀胱癌、及び食道癌、並びに胆管癌、例えば胆管細胞癌、からなる群から選択されうる。
好適には、全ての観点において、該リシルオキシダーゼ阻害剤は、本発明の化合物又は本発明の医薬組成物でありうる。
好適には、本発明の全ての観点において、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤は、MATN2の発現を下方制御し、及び/又はSMAD2を活性化しうる。好適には、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤は、HTRA1の発現を下方制御しうる。任意的に、本発明の全ての観点において、発明のリシル阻害剤は、リシルオキシダーゼの成熟を阻害し得、及び/又はリシルオキシダーゼの触媒活性を阻害しうる。好適には、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤は、MAO-A及び/又はMAO-Bを阻害しなくともよい。
さらなる観点において、本発明は、対象における癌を処置又は予防するであって、該対象に、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含み、ここで、該対象が、EGFRの過剰発現に関連付けられる癌を有する、上記方法に関する。
任意的に、該方法は、該対象の生体試料中のEGFRレベルを決定すること、そしてEGFRの存在が該生体試料において過剰発現されている決定された場合に、該対象に、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤を投与することを含みうる。
任意的に、該方法はさらに、該対象の生体試料中のMATN2、pSMAD2、若しくはHTRA1、又はそれらの組み合わせのレベルを決定すること、そして、
a) MATN2のレベルが、基準サンプルよりも大きい;及び/又は
b) pSMAD2のレベルが、基準サンプルよりも低い;及び/又は
c) HTRA1のレベルが、基準サンプルよりも大きい
場合に、該対象に、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤を投与することの工程を含みうる。
任意的に、該対象は、NSCLC、膵臓癌、扁平上皮癌、皮膚癌、甲状腺癌、結腸直腸癌、前立腺癌、腎臓癌、乳癌、頭頸部癌、神経膠腫、中皮腫、表皮癌、卵巣癌、子宮頸癌、膀胱癌、及び食道癌、並びに胆管癌、例えば胆管細胞癌、からなる群から選択される癌を有しうる。
好適には、本発明の全ての観点において、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤は、MATN2又はHTRA1の発現を下方制御し、及び/又はSMAD2を活性化する。任意的に、本発明の全ての観点において、本発明のリシル阻害剤は、リシルオキシダーゼの成熟を阻害し得、及び/又はリシルオキシダーゼの触媒活性を阻害しうる。好適には、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤は、MAO-A及び/又はMAO-Bを阻害しなくともよい。
他の観点において、本発明は、患者集団における癌を処置するために、本発明のリシルオキシダーゼ阻害の感受性率(有効率)を増大させる方法であって、EGFR及び/又はMATN2及び/又はHTRA1バイオマーカーを過剰発現する亜集団を選択することを含む上記方法に関する。任意的に、該亜集団は、pSMAD2を過少発現しうる。
さらなる観点において、本発明は、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤に対する応答性又は感受性の増加された見込みを有する対象を同定する方法であって、
a. 該対象の生体試料中のEGFR、MATN2、及びHTRA1のうちの1以上のレベルを決定すること
を含み、
ここで、基準サンプルと比較して、EGFR、MATN2、及びHTRA1のうちの1以上の増加されたレベルが、該対象におけるリシルオキシダーゼ阻害剤に対する応答性又は感受性の増加された見込みを示す、上記方法に関する。
他の観点において、本発明は、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤に対する応答性又は感受性を有する対象を同定する方法であって、
a) 該対象の生体試料中のEGFR、MATN2、及びHTRA1のうちの1以上のレベルを決定すること
を含む上記方法に関する。
任意的に、本発明の全ての方法において、該患者がリシルオキシダーゼ阻害剤に対する応答性又は感受性の増加された見込みを有するとして同定される場合に、該方法がさらに、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤の治療的有効量を投与する工程を含みうる。
さらなる観点において、本発明は、癌を有する対象のための処置レジメンを決定する方法であって、
a) 生体試料中のEGFR、MATN2、及びHTRA1のうちの1以上のレベルを決定すること;そして、
b) EGFR、MATN2、及びHTRA1のうちの1以上のレベルが、基準サンプルと比較して上昇している場合に、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤の治療的有効量を含む処置レジメンを投与すること
を含む上記方法に関する。
バイオマーカー
それ故に、本発明は、好ましくは対象がLOX阻害療法を開始する前に、LOX阻害療法に対する応答を予測する為の臨床試験の可能性を提供する。そのような試験は、患者がLOX阻害療法に対して応答する可能性があるかどうかを臨床医に知らせ、そして該患者が応答する可能性が低いと予測された場合に該臨床医が代替療法を開始できるようにするだろう。これは、現在の「試行錯誤」アプローチに頼るのではなく、適切な治療法での処置を早期にターゲット化することで患者に利益をもたらすだろう。それ故に、そのような試験は、最大の効果が達成されるときに、それらの疾病における患者に対するLOX妨害害療法のより適切なターゲット化を早期に可能にし、そしてそれらの薬物をより費用効果の高い方法で使用することで、これらの薬物への大きなアクセスを結果として生じうる。
本発明は、可能性の高い応答者(responders)と非応答者(non-responders)とを識別できるようにするのに有利であり、従って、非応答者に代替処置が提供され得、非応答者に(それ故に、中庸または良好な応答者でありうる)LOX阻害害療法が提供されうる。それ故に、本発明の結果として、LOX抵阻害療法は、よりターゲット化された且つ費用対効率の高い様式で用いられうる。
本明細書に開示されているバイオマーカー及び層化(stratification)観点の目的のために、「LOX阻害剤」は、発現を低減し、触媒活性を低減し、又はLOXの成熟を予防することができる剤である。好適には、該LOX阻害剤は、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩である。
リシルオキシダーゼの任意の好適な供給源は、LOX阻害の測定のために用いられうる。酵素は、当技術分野で知られている任意の供給源、例えば酵母、微生物、及び哺乳動物を包含する供給源、から誘導され、単離され、又は組換え生産されることができ、それは検出可能な試薬を生成できるか、又は好適なアッセイにおいて生物学的に活性であるであろう好適な生成物の生成を可能にするであろう。1つの実施態様において、リシルオキシダーゼは、ヒト、牛、又はその他の哺乳類起源に由来する。例えば、Williams等,Anal.Biochem.113:336(1985年);Kirschmann等 上記参照;Cancer Res.62:4478-83(2002年)を参照;LOXは、Accession No.NP00238(プレタンパク質配列);Accession No.NM02317(DNA配列)。リシルオキシダーゼの酸化を触媒する酵素活性をなお実質的に保持する機能的断片又はリシルオキシダーゼの誘導体がまた使用されることができる。該リシルオキシダーゼ酵素は、プレプロタンパク質、プロタンパク質、タンパク質、又はそれらの生物学的に活性な断片である場合がある。
リシルオキシダーゼの酵素活性は、任意の好適な方法によって評価されることができる。リシルオキシダーゼ活性の評価方法の例は、例えば、Trackman等,Anal.Biochem.113:336-342(1981年);Kagan等,Methods Enzymol.82A:637-49(1982年);Palamakumbura等,Anal.Biochem.300:245-51(2002年);Albini等,Cancer Res.47:3239-45(1987年);Kamath等,Cancer Res.61:5933-40(2001年)の方法を包含する。
リシルオキシダーゼの酵素活性は、リシルオキシダーゼ副産物、例えばH2O2産生、コラーゲンピリジニウム残留物アンモニウム生産;アルデヒド産物生産;リシル酸化、又はデオキシピリジノリン(Dpd:deoxypyridinoline)、を検出すること及び/又は定量化することによって評価されうる。イン・ビトロ(in vitro)における細胞浸潤能力;イン・ビトロ(in vitro)における細胞接着及び成長;並びに、インビボ(in vivo)における転移性成長を検出及び定量化しうる。インビボ(in vivo)において、好適な同系モデル、ヒト腫瘍異種移植モデル、同所性モデル、転移モデル、トランスジェニックモデル、及び遺伝子ノックアウトモデルを包含するが、それらに限定されない。例えば、Teicher,Tumors Models in Cancer Research(Humana Press 2001年)を参照。
化合物が、該化合物の非存在下で観察されたものと比較して、リシルオキシダーゼの発現又は活性を低下させた場合に、該化合物はリシルオキシダーゼ発現又は生物活性の阻害剤である。1つの実施態様において、化合物が、該化合物の非存在下で観察されたものと比較して、転移の発生率を低下させ、さらなる試験において転移性腫瘍シスの成長を阻害する場合、該化合物はリシルオキシダーゼの阻害剤である。
腫瘍阻害は、慣用的な任意の測定方法を用いて定量化されることができる。例えば、転移の発生率は、これらの部位の相対的な播種(例えば、関与する器官系の数)と、相対的な腫瘍負荷とを調べることによって評価されることができる。転移性増殖は、必要に応じて、顕微鏡分析又は巨視的分析によって確認することができます。腫瘍転移は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%以上減少されることができる。
1つの実施態様において、リシルオキシダーゼ発現はプロモーター分析を用いて評価される。プロモーター活性分析の為の任意の慣用的な系が使用されることができる。典型的には、レポーター遺伝子系は、プロモーター活性がレポーター分子の発現を結果として生じるように、レポーター分子に結合されリシルオキシダゼプロモーターを用いてプロモーター活性を検出することを可能にする。例えば、Ausubel等 Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley & Sons,現行版)の第9.6章を参照。
また、LOXは、そのmRNAの分解によって阻害されうる。遺伝子調節のこの形態に対するアプローチは、Wilson等「Modulation of LDL receptor mRNA stability by phorbol esters in human liver cell culture models」 Lipid Res.38,437-446(1997年)に記載されている。
本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤化合物は、本明細書で記載されたLOX阻害療法において使用されうる。
本発明は、好ましい応答を示すものとして従来技術から予測することが出来なかったバイオマーカーを用いて、抗LOX阻害療法に対する応答の予測のための改善された方法を提供する。
この項全体を通して、患者及び対象という語は、LOX阻害療法に対する応答の見込みを決定することが望ましい個体を云うために、本明細書において互換的に使用される。そのような個体は、癌を有しているか、又は癌を有する傾向にあるか、又は癌を展開すると予測されている。
本明細書において使用されるバイオマーカーは、プロセス、事象、又は状態の生物学的に導き出されたインジケーターである。バイオマーカーは、診断方法、例えば臨床スクリーニング及び予後評価、の方法において、且つ治療の結果のモニタリングすること、特定する治療的処置、薬物スクリーニング及び展開に応答する見込みが最も高い患者を同定することにおいて用いられることができる。バイオマーカーは遺伝子である得、LOX阻害療法に対する反応者と非反応者との間で異なる発現を示す。バイオマーカー遺伝子の発現(転写及び任意的に、翻訳)は、本明細書において標的分子と呼ばれる、遺伝子の発現産物を測定することによって決定されうる。2以上のバイオマーカーの組み合わせは、本明細書において、LOX阻害療法に応答する見込みと相関するパネル又は遺伝的シグネチャと云われうる。
応答を予測することは、対象における処置の見込みのある効果の決定をすることを意味する。予測は典型的には、関連する処置を開始する前に行われる評価を意味し、しかしながら、対象が代替処置を受けている間に、特定の処置に対する見込みのある応答の予測が行うれうることができることが理解される。本発明の範囲内で、処置に対する応答を予測することはまた、LOX阻害療法に対する継続的な見込みのある応答を評価することを含む。それ故に、応答反応の予測は、LOX阻害療法の過程の間に見込みのある応答の決定を含みうる。
サンプルは、組織サンプル、例えば生検サンプル、及び体液サンプル、を含む群から選択されうる。体液サンプルは血液サンプルでありうる。血液サンプルは末梢血サンプルでありうる。それは、全血サンプル又はその細胞抽出物でありうる。1つの実施態様において、好ましくは、該サンプルは組織サンプルである。
本明細書中の標的分子のレベルは、サンプル中の標的分子の量の尺度を云う。該レベルは、特定のバイオマーカー(すなわち、DNA、RNA又はタンパク質)に特異的な発現を示すの1つの種類の標的分子の測定値に基づきうる。代替的に、該レベルは、特定のバイオマーカー(すなわち、2以上のDNA、RNA及びタンパク質)に特異的な発現を示す2以上の種類の標的分子の組み合わせの測定に基づきうる。標的分子のレベルは、標的分子の量の直接的な尺度として表されうる(例えば、濃度(mg/体積 サンプル)又はRPKM)(例えば、濃度(mg/体積サンプル)又はRPKM)。
上昇されたレベルは、癌を有さない対象における同じ標的分子のレベルと比較して、標的分子のレベル(すなわち、量)における増加を意味する。上昇されたレベルは、対照と比較して、統計的に有意な任意の増加を含む。癌又はEGFRの過剰発病に関連付けられた疾病を有さない対象におけるバイオマーカーの発現を示す標的分子のレベルは、基準値又はベースライン値と呼ばれうる。
遺伝子発現を表す標的分子の上昇されたレベルは、調査中の患者サンプルに存在する標的分子の量を、対照サンプルの標的分子の量を示す参照値と比較することによって評価されうる。
「同じ」(same)レベルの標的分子又はバイオマーカー発現への本明細書における言及は、サンプルのバイオマーカー発現が参照値又はベースライン値と同一であることを示す。「同様の」(similar)レベルの標的分子又はバイオマーカー発現への本明細書における参照は、サンプルのバイオマーカー発現が参照値又はベースライン値と同一でないが、又はそれらの間の差が統計的に有意ではない、すなわち該レベルは同等の量を有する、ことを示す。
基準値又はベースライン値の決定のための好適な対照サンプルは、EGFRの過剰発現に関連付けられる疾患を有しない且つ癌のない個体に由来しうる。対照サンプルは、調査中の患者の一致する年齢でありうる。基準値又はベースライン値は、好適な個体から取得され得、複数の分析のための一般的な基準値として使用されうる。
LOX阻害療法に対する好ましい応答は、処置又は緩和、並びに状態の確立された症状の緩和を含みうるが、それらに限定されない。それ故に、様子、障害又は状態の「処置する」(treating)又は「処置」(treatment)は、下記を包含する:(1)様子、障害若しくは状態に罹患しているか、又はその素因がある可能性があるが、まだ様子、障害若しくは状態の臨床症状若しくは無症状症状を経験若しくは示していないヒトに発症する様子、障害若しくは状態の臨床症状の出現を予防若しくは遅延させること、(2)様子、障害若しくは状態を阻害すること、すなわち、疾患の進行若しくはその再発(維持療法の場合)を又はその少なくとも1つの臨床症状若しくは無症状症状を、阻止、低減若しくは遅延させること、又は、(3)疾病の緩和又は減弱をすること、すなわち、様子、障害若しくは状態、又はその臨床的若しくは無症状の症状のうちの少なくとも1つの退行を引き起こすこと。従って、LOX阻害療法に対する好ましい応答は、腫瘍成長の増殖及び/又は転転の遅延の遅延又は減少を含む。
本明細書において使用される標的分子は、バイオマーカータンパク質;及びバイオマーカータンパク質をコードする核酸からなる群から選択されうる。核酸は、DNA又はRNAでありうる。1つの実施態様において、核酸はmRNAである。標的分子への本明細書における言及は、1つの種類の生体分子(すなわち、DNA 又はRNA又はタンパク質)又は2以上の種類のそのような生体分子の組み合わせが含まれ、全ては同じバイオマーカーの発現を示す。
結合パートナーは、相補的核酸;アプタマー;受容体、抗体又は抗体断片を含む群から選択されうる。特異的結合パートナーは、標的分子ではない分子への非特異的結合と区別できる様式で、少なくとも1つのそのような標的分子に結合できる結合パートナーを意味する。好適な区別は例えば、そのような結合の大きさの区別可能な違いに基づきうる。
本発明の一つの観点は、1以上の標的分子を利用し得、各標的分子は、EGFR、MATN2、HTRA1、及びpSMAD2からなる群から選択される異なるバイオマーカーの発現を示す。本発明のこの観点は、2以上又は3以上の標的分子を利用し得、それぞれは、EGFR、MATN2、HTRA1、及びpSMAD2からなるグループから選択される異なるバイオマーカーの発現を示す。
1つの実施態様において、本発明は、EGFRの発現を示す標的分子を利用しうる。
1つの実施態様において、本発明は、MATN2の発現を示す標的分子を利用しうる。
1つの実施態様において、本発明は、2以上の標的分子、又は3以上のバイオマーカーを使用し得、それぞれは、異なるバイオマーカーの発現を示す。例えば、ここで、該バイオマーカーは、EGFRとMATN2、MATN2とpSMAD2、又はEGFRとpSMAD2である。
それ故に、本発明は、LOX阻害療法に応答する可能性が低いか又は反応する可能性が高い対象を同定する発現シグネチャを同定する。1つの実施態様において、該シグネチャは、MATN2の上方制御、EGFRの上方制御、ホモ三量体HTRA1の上方制御、pSMAD2の下方制御、又はそれらの組み合わせによって特徴付けられる。
本発明に従って、感受性(有効性)率を増大させる方法又はLOX阻害剤に対する反応性の増加された見込みを同定する方法が好ましくは、イン・ビトロ(in vitro)で行われうるが、本発明の方法はまた、イン・ビボ(in vivo)で行われるであろうことが理解されるであろう。
標的分子のレベルは、標的分子の結合パートナーを用いて調査されうる。結合パートナーは、標的分子に特異的でありうる。本発明の文脈において、標的分子に特異的な結合パートナーは、標的分子ではない分子への非特異的結合と区別できる様式で、少なくとも1つのそのような標的分子に結合することができる。好適な区別は例えば、そのような結合の大きさの区別可能な差異に基づきうる。
タンパク質標的への言及は、遺伝子が発現されるときに生成される転写物の翻訳で生成される前駆体又は変異体を含みうる。それ故に、タンパク質が最初の翻訳とその成熟型との間で修飾を受ける場合、前駆体及び/又は成熟タンパク質は、好適な標的分子として使用されうる。上記のように、タンパク質標的分子は患者のサンプル内に保存され、従って、その検出を容易にすることができる技術は、当業者に周知であろう。タンパク質標的は、患者のサンプルの細胞内で見つかってもよく、又は細胞から分泌若しくは放出されうる。
標的分子がタンパク質である本発明の実施態様において、結合パートナーは、対象から得られたサンプル中のタンパク質のレベルを決定するために用いられうる。好適な結合パートナーは、アプタマー、受容体、及び抗体又は抗体フラグメントからなる群から選択されうる。サンプル中のタンパク質のレベルを決定するための好適な方法が、当技術分野で利用可能である。例えば、本発明の方法又は装置の或る実施態様において結合パートナーは抗体又は抗体断片であり、及び標的分子の検出は免疫学的方法を利用する。本発明の方法又は装置の或る実施態様において、免疫学的方法は、変異体を含む酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA:enzyme-linked immunosorbent assay)、例えばサンドイッチELISA;放射免疫アッセイ(RIA:radioimmuno assays)、でありうる。当業者において、免疫学的方法は、側方流動装置を利用しうる。他の好適な技術は、マルチプレックスアッセイ、例えばルミネックス又はプロテオミクスMRM又は蛍光活性化細胞選別(FACS:fluorescence activated cell sorting);化学発光を包含する。
或る実施態様において、結合パートナーは、例えばレポーター部分を用いて、例えば発蛍光団、発色基質又は発色酵素、を用いて標識されうる。本発明がレポーター部分を利用することが望まれる場合、該レポーター部分は、該結合パートナーに直接結合されうる。そのような実施形態の例は、標識化された抗体を利用するものが包含される。代替的に、該レポーター部分は、該結合パートナーと相互作用するレポーター分子に結合されうる。そのような実施形態の例は、ビオチン/アビジン錯体によってレポーター部分に間接的に結合された抗体を利用するものを包含する。
標的分子が核酸である実施態様において、結合パートナーは、例えばマイクロアレイ又はチップで提供される、相補的な核酸及びアプタマーでありうる。サンプル中の核酸標的分子のレベルを決定するための方法が、当技術分野において利用可能である。1つの実施態様において、遺伝子発現を表す好適な標的分子は、タンパク質を産生するように翻訳可能なRNA転写物を含みうる。この種のmRNAは典型的に、患者のサンプル内で見つけられるだろう。特に、患者サンプルの白血球、例えば好中球、のトランスクリプトームは、非応答者を決定するための改善された感受性及び特異性、及び/又は抗TNF療法に対する良好な応答者をバイオマーカーシグネチャに提供することがわかっており、及びmRNA、特にトランスクリプトーム、の使用は、好ましい実施形態を表しうる。標的分子としてのmRNAの使用は、mRNAを検出するためのアッセイ(例えば、定量的rtPCR等)が、タンパク質を検出するための方法(例えば、ELISAs)よりも安価である傾向があるという利点を有する。mRNAアッセイはより簡単に多重化でき、ハイスループット分析を可能にし;核酸は一般的に、それらのタンパク質対応物よりも高い安定性を示し;そして、核酸を取得して増幅するためのサンプルの処理は一般的に、タンパク質よりも簡単である。
mRNAが、集められ、精製され、そして必要に応じて増幅されることができる技術は、当業者に周知である。1つの実施態様において、本発明は、バイオマーカーの発現を決定するためにトランスクリプトーム解析を利用しうる。例えばトランスクリプトーム解析によって、サンプル中のRNAレベルを決定するための好適な手法は、例えば核酸ライブラリーへの結合を検出することによるハイブリダイゼーション手法、定量的PCR、並びにタグベースのシーケンスを含むハイスループットシーケンス、例えばSAGE(serial analysis of gene expression)及びRNA-seqを包含しうる。
上記の例は非限定的であり、本発明の方法は、必要な標的分子の存在又は上昇されたレベルが検出されうる任意の適切なアッセイを利用しうる。好適なアッセイは、検出される標的分子の性質、及び/又は使用される患者サンプルの性質を参照して決定されうることが理解されるであろう。
複数のサンプルが、同時に、逐次に、又は別々に処理されうる。複数のサンプルは、例えばハイスループット法で、同時に処理されうる。
好適には、本発明はまた、本明細書に開示される層別化又はバイオマーカー法を実施するためのキットを提供しうる。そのようなキットは、など、必要な標的分子の存在又は上昇されたレベルを検出できる化合物、例えば本発明の1以上のバイオマーカーに対する抗体、を備えうる。任意的に、該キットはさらに、使用の為の説明書一式、キットを使用して検出される少なくともバイオマーカーの基準値又はベースライン値を提供するチャート、及び試薬を含みうる。
患者のサンプル中の標的分子の量又は濃度が一旦決定されると、この情報は、LOX阻害療法に対する予測される応答の評価の基礎として使用され得、次に、それは、患者の処置のための好適な方針を示唆する為に使用されうる。該評価は、定性的又は定量的である。
バイオマーカーの上昇されたレベルは、ベースラン値又は基準値のレベルと比較して、少なくとも10%、15、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100%以上を含みうる。1つの実施態様において上昇されたレベルは、ベースライン値又は基準値に対して1倍以上の差、例えば、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、15、若しくは20、又はそれらの間の任意の範囲、の倍差でありうる。1つの実施態様において、より高いレベルは、ベースラインのレベルに対して1~15倍の差であり、例えば、ベースラインレベルに対して1.5~12倍の差である。更なる実施態様において、より高いレベルは、ベースラインレベルに対して1~7倍の差である。使用される標的分子に依存して、上昇レベルが同じバイオマーカーと異なりうることが理解される。核酸及びタンパク質標的分子が特定の任意のバイオマーカーのために使用される場合、上昇されたレベルは、標的分子について個別に表されていてもよく、又は標的分子の合計若しくは平均として表されていてもよい。
本発明は、バイオマーカー又は合計若しくは複数のバイオマーカーの上昇値に基づいて、定量的な出力を生成しうる。代替的に、本発明は、見込みのある応答、例えばはい/いいえ;上昇した;上昇されていない;応答者(responder)/非応答者(non-responder);EULAR基準に基づく、良好、中庸または程度等、に基づいて、定性的な出力を提供しうる。2以上の標的分子のレベルが決定される場合、複合スコアが決定され得、それは、同じ標的分子の参照値の複合スコアと比較されうる。
或る実施態様において、本発明の方法又は装置がさらに、患者の生理学的測定を調査することを含みうる。
更なる実施態様において、癌を有する対象を処置するための方法であって、ここで、それは、該癌が参照値と比較してEGFRの過剰発現に関連付けられる以前に決定されており(又は、以前に推定されており)、該方法は、該対象に、本発明のLOX阻害剤の治療的有効量を投与することを含む上記方法を提供する。
更なる実施態様において、癌を有する対象を処置するための方法であって、ここで、それは、MATN2の発現を示す標的分子が参照値と比較して該対象からのサンプルで増加されることが以前に決定されており(又は、以前に推定されており)、該方法は、該対象に、本発明のLOX阻害剤の治療的有効量を投与することを含む上記方法を提供する。
更なる実施態様において、癌を有する対象を処置するための方法であって、ここで、それは、ホモ三量体HTRA1の発現を示す標的分子が参照値と比較して該対象からのサンプルで増加されることが以前に決定されており(又は、以前に推定されており)、該方法は、該対象に、本発明のLOX阻害剤の治療的有効量を投与することを含む上記方法を提供する。
更なる実施態様において、癌を有する対象を処置するための方法であって、ここで、それは、pSMAD2の発現を示す標的分子が参照値と比較して該対象からのサンプルで減少されることが以前に決定されており(又は、以前に推定されており)、該方法は、該対象に、本発明のLOX阻害剤の治療的有効量を投与することを含む上記方法を提供する。
LOX阻害剤は、EGFR膜局在化を妨害し、EGFRシグナル伝達を遮断し、そして、それによってEGFRの過剰発現に関連付けられる癌における腫瘍成長を抑制する。かくして、LOX阻害剤は、EGFRの過剰発現に関連付けられる癌の処置に特に有用性を有する。
1つの観点において、本発明は、EGFRの過剰発現に関連付けられる癌の処置又は予防において使用するための、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤に関する。
他の観点において、本発明は、EGFRの過剰発現に関連付けられる癌の処置又は予防のための医薬品の製造において、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤を使用する方法に関する。
さらなる観点において、本発明は、対象における癌を処置又は予防する方法であって、該対象に、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含み、ここで、該対象が、癌を有し、又はEGFRの過剰発現に関連付けられる癌の素質を有する、上記方法に関する。
任意的に、該方法は、該対象の生体試料中のEGFRレベルを決定すること、そしてEGFRの存在が該生体試料において過剰発現されている決定された場合に、該対象に、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤を投与することを含みうる。
「EGFR過剰発現」によって、それは、同じ組織型の非癌性細胞と比較して、癌細胞内又は癌上の(好ましくは表面での)EGFR遺伝子の増加されたコピー又は増加されたEPGRタンパク質の存在を意味する。従って、1つの実施態様において、過剰発現は、蛍光イン・サイチュ(in-situ)ハイブリダイゼーション(FISH:fluorescent in-situ hybridization)によって決定される通り、EGFR遺伝子の少なくとも2倍の増幅として、又は免疫組織化学(IHC:immunohistochemistry)アッセイにおける抗EGFR抗体を用いる陽性染色として定義されうる。加えて又は代替的に、過剰発現は、特異的抗体で標識された細胞膜の画分によって測定されうる;従って、EGFRの過剰発現は、少なくとも1%又は少なくとも2%又は少なくとも3%の膜性染色及び1+(又は2+又は3+)強度、又は少なくとも10%の膜性染色として定義されうる。その上、細胞は、EGFRを発現しない又はEGFRの検出できないレベルを有する細胞、低レベルのEGFRを発現する細胞(約1000~約100,00受容体/細胞)、中程度のレベルのEGFR(約10,000~約100,000受容体/細胞)及び高レベルのEGFRを発現する細胞(約1×106以上の受容体/細胞)として分類されうる。それ故に、本発明のLOX阻害剤を用いての処置に感受性の癌は、EGFR遺伝子の2倍以上の増幅、陽性(1+、2+、又は3+)IHCアッセイ、少なくとも1%又は少なくとも10%の膜性染色、中レベル度又は高レベルのEGFRによって特徴付けられる癌、好ましくは高レベルのEGFRによって特徴付けられる癌細胞、である。好適には、過剰発現は、免疫組織化学(IHC:immunohistochemistry)アッセイにおいて抗EGFR抗体(好ましくは、抗HER1)を用いて決定されうる。
任意的に、該方法はさらに、該対象の生体試料中のMATN2、pSMAD2、又はMATN2及びpSMAD2の両方のレベルを決定すること、そして、
a) MATN2のレベルが、基準サンプルよりも大きい;
b) pSMAD2のレベルが、基準サンプルよりも低い;又は
c) MATN2のレベルが、基準サンプルよりも大きく、且つpSMAD2のレベルが、基準サンプルよりも低い
場合に、該対象に、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤を投与することの工程を含みうる。
好適には、該癌は、NSCLC、膵臓癌、扁平上皮癌、皮膚癌、甲状腺癌、結腸直腸癌、前立腺癌、腎臓癌、乳癌、頭頸部癌、神経膠腫、中皮腫、表皮癌、卵巣癌、子宮頸癌、膀胱癌、及び食道癌、並びに胆管癌、例えば胆管細胞癌、からなる群から選択されうる。
任意的に、本発明の全ての観点において、該リシルオキシダーゼ阻害剤は、リシルオキシダーゼの成熟を阻害し得、及び/又はリシルオキシダーゼの触媒活性を阻害しうる。好適には、該リシルオキシダーゼ阻害剤は、MAO-A及び/又はMAO-Bを阻害しうる。好適には、MAO-A及び/又はMAO-Bの阻害は、実施例に記載された通り、イン・ビトロ(in vitro)オキシダーゼ-A/-B活性アッセイを用いて、決定されうる。好適には、該リシルオキシダーゼ阻害剤は、DAO及び/又はhERGを阻害しない。
他の観点において、本発明は、患者集団における癌を処置するために、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤の感受性率(有効率)を増大させる方法であって、EGFRを過発現する及び任意的に、MATN2及び/又はHTRA1を過発現する亜集団を選択することを含む該方法に関する。任意的に、該亜集団はまた、pSMAD2の低下された発現を示しうる。
「LOX阻害剤に対する応答性又は感受性の増加された見込み」によって、LOX阻害療法に関連付けられた好ましい効果のより高い予測が意味される。
さらなる観点において、本発明は、癌を有する対象のための処置レジメンを決定する方法であって、
a) 生体試料中のEGFR(及び任意的に、MATN2又はHTRA1)のレベルを決定すること;そして、
b) EGFR(及び任意的に、増加したMATN2及び/又はHTRA1)のレベルが、基準サンプルと比較して上昇している場合に、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤の治療的有効量を含む処置レジメンを投与すること治療的有効量を含む処置レジメンを投与すること
を含む上記方法に関する。
MATN2
Matrilin2(MATN2:Matrilin2)は、10個のEGF様繰り返しを持つ分泌型タンパク質である(Wagener,R.等 The matrilins-adaptor proteins in the extracellular matrix.FEBS Lett 579,3323-3329,doi:10.1016/j.febslet.2005.03..018 (2005年))。ヒトMATN2のタンパク質配列は、uniprot(Universal protein resource)参照番号O00339-1から入手されうる。
有利には、本発明は、組換えヒトMATN2が細胞の表面でのEGFRのレベルを増加させ、従って、MATN2は、EGFで誘発されたEGFR活性を強く高めることを驚くべきことに示した。理論に拘束されることを望まないが、MATN2結合が細胞表面でEGFRをトラップして、活性化のためにEGFにそれを提示すると考えられている。
LOX阻害剤はEGFRの増加された内部移行(internalisation)をもたらすMATN2の発現を下方制御することができることが驚くべくことに見つけられた。従って、本発明のLOX阻害剤は、基準サンプルと比較してMATN2の上昇されたレベルを有する癌の処置において特に有用性を有しうる。
好適には、MATN2のレベルは、市販の抗ヒトMATN2抗体(例えば、R&Dから)を用いて、免疫蛍光を用いて決定されうる。例えば、サンプルは、原発抗MATN2抗体とのインキュベーションに付され、匹筒基、蛍光二次抗体(例えば、Life Technologiesから入手可能なもの)、そして次に、レベルが、共焦点イメージングを用いて決定された。MATN2のレベルが増加した場合にも決定されることができるように、同じ手順が基準サンプルについて行われた。
従って、MATN2(任意的に、EGFRと組み合わせて)は、発明のリシルオキシダーゼ阻害剤での処置のために、癌を患う患者の応答性又は感受性を予測するためのバイオマーカーとして使用されうる。任意的に、1以上の更なるバイオマーカー、例えばpSMAD2、が使用されうる。
他の観点において、本発明は、患者集団における癌を処置するために、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤の感受性率(有効率)を増大させる方法であって、MATN2の発現が高められた亜集団を選択することを含む上記方法に関する。任意的に、該亜集団はまた、pSMAD2の低下された発現を示しうる。
さらなる観点において、本発明は、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤に対する応答性又は感受性の増加された見込みを有する対象を同定する方法であって、
a. 該対象の生体試料中のMATN2のレベルを決定すること
を含み、
ここで、基準サンプルと比較して、MATN2の増加されたレベルが、該対象におけるリシルオキシダーゼ阻害剤に対する応答性又は感受性の増加された見込みを示す、上記方法に関する。
他の観点において、本発明は、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤に対する応答性又は感受性を有する対象を同定する方法であって、
a. 該対象の生体試料中のMATN2のレベルを決定すること
を含み、
ここで、基準サンプルと比較して、MATN2の増加されたレベルが、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤に対する応答性又は感受性を有する対象を同定する、上記方法に関する。
任意的に、本発明の全ての方法において、該方法はさらに、該対象がリシルオキシダーゼ阻害剤に対する応答性又は感受性の増加された見込みを有すると同定された場合に、リシルオキシダーゼ阻害剤の治療的有効量を投与する工程を含みうる。
さらなる観点において、本発明は、癌を有する対象のための処置レジメンを決定する方法であって、
a) 生体試料中のMATN2のレベルを決定すること;そして、
b) MATN2のレベルが、基準サンプルと比較して上昇している場合に、リシルオキシダーゼ阻害剤の治療的有効量を含む処置レジメンを投与すること
を含む上記方法に関する。
Smadタンパク質は、複数のシグナル伝達経路を仲介するシグナルトランスデューサー及び転写モジュレーターである。SMAD2は、トランスフォーミング増殖因子(TGF:transforming growth factor)-ベータのシグナルを仲介し、従って、複数の細胞プロセス、例えば細胞増殖、アポトーシス、及び分化、を調節する。このタンパク質は、受容体活性化のためのSmadアンカー(SARA:Smad anchor for receptor activation)タンパク質との相互作用を通じてTGF-ベータ受容体に動員される。TGF-ベータ信号に応答して、このタンパク質はTGF-ベータ受容体によってリン酸化される。ヒトタンパク質配列は、uniprot(Universal protein resource)参照番号Q15796から入手されうる。
本発明は、LOX欠損細胞におけるSMAD2の強力な活性化と、及びTGFβ1がMATN2 mRNAを下方制御することを驚くべきことに見つけた。理論に拘束されることを望まないが、LOX阻害剤が、MATN2の下方制御をもたらすであろうSMAD2を活性化しうると考えられている。従って、SMAD2の活性化(それは、ホスホ-SMAD2(pSMAD2:phospho-SMAD2)の上方制御によって測定されうる)は、細胞表面でのEGFRの減少をもたらすであろう。従って、SMAD2は、LOX阻害剤での処置に対する応答を決定するためのバイオマーカーとして用いられうる。
好適には、pSMAD2のレベルは、抗pSMAD2抗体(例えば、Milliporeから市販されているもの)を使用して決定されうる。
HTRA1
HTRA1は、成熟TGFβ1を開裂することによってTGFβ1シグナル伝達を阻止することが知られている分泌型セリンプロテアーゼである。HTRA1のためのタンパク質配列は、uniprot(Universal protein resource)参照番号Q92743 バージョン1から入手されうる。
有利には、本発明は、LOXの枯渇が、細胞外ホモ三量体HTRA1、すなわちこの酵素の活性型、のレベルを低下させ、及び、HTRA1は、SMAD2活性を抑制し、且つLOX枯渇細胞におけるMATN2発現を救うことを驚くべきことに示した。理論に拘束されることを望まないが、HTRA1を減少させることは、SMAD2を活性にし、MATN2 mRNAの発現における減少を生じることが考えられている。本発明は、MATN2結合が細胞表面でEGFRをトラップして、活性化のためにEGFにそれを提示することを示した通り、HTRA1の上昇したタンパク質安定性は、LOX阻害剤での処置に対する応答の増加された見込みを示すであろうことが考えられている。従って、HTRA1は、バイオマーカーとして使用されうる。
従って、該LOX阻害剤は、基準サンプルと比較して、HTRA1の上昇されたレベルを有する癌の処置に特に有用でありうる。
好適には、HTRA1のレベルは、市販の抗ヒトHTRA1抗体(anti-human HTRA1 antibody,R&D)を用いた免疫蛍光法を用いて決定されうる。例えば、サンプルが原発抗HTRA1抗体、引き続き蛍光二次抗体(例えば、Life Technologiesから入手されるもの)とのインキュベーションに付され得、そして次に、レベルが共焦点イメージングを用いて決定されうる。HTRA1レベルが増加されているかどうかを判断されることができるように、同じ手順が基準サンプルについて実行される。
さらなる観点において、本発明は、癌を有する対象のための処置レジメンを決定する方法であって、
a) 生体試料中のHTRA1のレベルを決定すること;そして、
b) HTRA1のレベルが、基準サンプルと比較して上昇している場合に、リシルオキシダーゼ阻害剤の治療的有効量を含む処置レジメンを投与すること
を含む、上記方法に関する。
イン・ビトロ(in vitro)方法
本発明はまた、細胞におけるEGFRを内部移行する又はEGFR発現を低減するイン・ビトロ(in vitro)方法であって、該細胞を本発明のLOX阻害剤と接触させる工程を含む上記方法を提供する。
他の観点において、本発明はさらに、細胞におけるMATN2発現を下方制御するイン・ビトロ(in vitro)方法であって、該細胞を本発明のLOX阻害剤と接触させる工程を含む上記方法を提供する。
さらなる観点において、本発明はまた、細胞を本発明のLOX阻害剤と接触させることを含む、細胞におけるpSMAD2を上方制御することを提供する。
好適には、全ての観点において、該細胞は、細胞株、好ましくは哺乳動物細胞株、でありうる。
好適には、該細胞は、癌細胞、好ましくはEGFRの過剰発現に関連付けられる癌細胞、でありうる。
例えば癌の処置のための組み合わせ治療
LOX阻害は、他の薬物の有効性を改善するため、又は多数のメカニズムを通じて薬物処置に対する耐性に対処するための有用な方法であることができる。LOXのsiRNAとの特異的阻害は、喉頭癌Hep-2細胞のアポトーシスを誘発し、及び化学療法薬、例えばシスプラチン(Dong,Lu等 2014年)に対する且つ放射線(Dong,Xin等 2014年)に対するHep-2細胞の感受性を高める。LOXの発現及び分泌は、電離放射線(IR:ionizing radiation)及び低酸素症に応答して増加され、LOXが、致死量未満で照射された腫瘍細胞及び腫瘍の進行におけるIR誘発性の移動性表現型に寄与しうることを示唆し;それ故に、LOX阻害剤は、放射線療法と組み合わせて用いられて、減らされた放射線量を受け取る周囲組織における副作用を減らすことができる(Shen,Sharma等 2014年)。LOX及びLOXL2阻害は、腫瘍環境において、血管透過性を変化させたり、又は脈管構造を正常化したりすることができ、それは薬物の送達又は有効性(Ingber及びMammoto 2014年),(Marshall,Spangler等 2012年)、例えば、卵巣癌の異種移植及び化学療法剤、例えばタキソール、を用いた肺同種移植マウスモデルにおいて処置の改善された有効性(Zaffryar-Eilot,Marshall等 2013年)、を高めることができる(Ingber及びMammoto 2014年),(Marshall,Spangler等 2012年)。リシルオキシダーゼの薬理学的阻害は薬物送達を改善し、且つ抗VEGF耐性腫瘍における薬物送達及び治療応答に対するVEGFアブレーションの悪影響を逆転させた(Roehrig等 2017年)。細胞外マトリックスは、化学療法剤に対する耐性において重要な役割を果たすことが提案されている。(ECMの代理として)コラーゲンにおいて成長された細胞についてのLOXの阻害は、化学療法剤、例えばエルロチニブ、シスプラチン又はメトトレキサート、に対するコラーゲン依存性の増加された耐性を逆転させることが示されている(Smith及びHolzer 2010年)。薬物の拡散及び有効性が、3D細胞培養(2Dでない)におけるECMに対するLOX及びLOXLsの酵素作用により低下され、及びドキソルビシン及びパクリタキセルに対する感受性はBAPNでの阻害によって回復されることができる(Schuetze,Roehrig等 2015年)。LOX阻害剤はゲムシタビンと相乗作用して腫瘍を殺し、且つ膵臓マウスモデルにおいて腫瘍のない生存を有意に延長した。これは、間質の変化に関連付けられ、且つマクロファージ及び好中球の腫瘍内への浸潤を増加した。それ故に、標的であるLOXは、外科的に切除可能な疾患における結果を改善する可能性がある(Miller,Morton等 2015年)。
本発明の化合物は、治療効果を提供するために単独で使用されうる。本発明の化合物はまた、1以上の追加の抗腫瘍剤及び/又は放射線療法と組み合わせて使用されうる。
そのような化学療法は、抗癌剤の下記のカテゴリーの1つ以上を含みうる:
(i) 抗増殖薬/抗悪性腫瘍薬、及びそれらの組み合わせ、例えばアルキル化剤(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ベンダムスチン、メルファラン、クロラムブシル、クロルメチン、ブスルファン、テモゾラミド、ニトロソウレア、イホスファミド、メルファラン、ピポブロマン、トリエチレン-メラミン、トリエチレンチオホスポラミン(triethylenethiophoporamine)、カルムスチン、ロムスチン、ストロプトゾシン及びダカルバジン);代謝拮抗物質(例えば、ゲムシタビン、及び葉酸代謝拮抗薬、例えばフルオロピリミジン様5-フルオロウラシル及びテガフール、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シメトコレキサート、ペメトレキセド、ロイコボリン、シトシンアラビノシド、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、ペントスタチン、及びゲムシタビン、並びにヒドロキシ尿素、並びにトリフルラシルを有するトリフルリジン;抗生物質(例えば、アントラサイクリン、例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシンC、ダクチノマイシン、ミトラマイシン);有糸分裂阻害薬(例えば、ビンカアルカロイド、例えば
ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン及びビノレルビン、並びにタキソイド、例えばタキソール及びタキソテール、並びにポロキナーゼ阻害剤;エリブリン);プロテアソーム阻害剤、例えばカーフィルゾミブ及びボルテゾミブ;インターフェロン療法;並びに、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エピポドフィロトキシン、例えばエトポシド及びテニポシド、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン、ミトキサントロン、及びカンプトテシン);
ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ara-C、パクリタキセル(Taxol(商標))、ナブパクリタキセル、ドセタキセル、ミトラマイシン、デオキシコ-ホルマイシン、マイトマイシンC、L-アスパラギナーゼ、インターフェロン(特に、IFN-アルファー)、エトポシド、テニポシド、DNA脱メチル化剤(例えば、アザシチジン又はデシタビン):並びに、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC:histone de-acetylase)阻害剤(例えば、ボリノスタット、MS-275、パノビノスタット、ロミデプシン、バルプロ酸、モセチノスタット(MGCD0103)、及びプラシノスタットSB939;並びに、ベリノスタット、パノビノスタット);トラベクチン;
(ii) 細胞分裂阻害剤、例えば抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、ヨードキシフェン)、抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、及びシプロテロンアセテート)、LHRHアンタゴニスト、又はLHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリン、リュープロレリン、及びブセレリン)、プロゲストゲン(例えば、メゲストロールアセテート)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール、及びエキセメスタンのような)、並びに5α-レダクターゼの阻害剤、例えばフィナステリド;並びに、ナベルベン、CPT-ll、アナストラゾール、レトラゾール、カペシタビン、シクロホスファミド、イフォサミド、及びドロロキサフィン;並びに、アビラテロン、エンザルタミド;ソマトスタチンの類似体、例えばランレオチド;
(iii) 抗侵入剤、例えばダサチニブ及びボスチニブ(SKI-606)、並びにメタロプロテイナーゼ阻害剤、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化受容体機能の阻害剤、又はヘパラナーゼに対する抗体;
(iv) 増殖因子機能の阻害剤:例えば、そのような阻害剤は、増殖因子抗体及び増殖因子受容体抗体、例えば、抗erbB2抗体トラスツズマブ[Herceptin(商標)]、抗HER2抗体ペルツズマブ;抗EGFR抗体パニツムマブ、抗erbB1抗体セツキシマブ、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば上皮増殖因子ファミリーの阻害剤(例えば、EGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、6-アクリルアミド-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-キナゾリン-4-アミン(CI 1033)、アファチニブ、バンデタニブ、オシメルチニブ、及びロシレチニブ)、erbB2 チロシンキナーゼ阻害剤、例えばラパチニブ)、並びに共刺激分子に対する抗体、例えばCTLA-4、4-lBB及びPD-1、又はサイトカインに対する抗体(IL-I0、TGF-ベータ);線維芽細胞増殖因子受容体ファミリーの阻害剤、例えばポナチニブ、ニンテダニブ、レンバチニブ、ドビチニブ、ルシタニブ、ダヌセルチニブ(danusertinib)、ブリバチニブ、エルダフィチニブ、PD173074、PD-166866、AZD4547、BGJ398、LY2874455、TAS-120、ARQ 087、BLU9931、DEBIO 1347、FGF401、BAY-1163877、FIIN-2、H3B-6527、PRN1371、BLU554、S49076、SU5416、SU6668、ENMD-2076、GP-369、IMCA1、PRO-001、R3mab;FGFリガンド結合をブロックする抗体(リガンドトラップ)、例えばFP-1039;FGFR二量体化を妨げる抗体、例えばMFGR1877S;FGFRファミリーをターゲットとする抗体-薬物コンジュゲート、例えばBAY1187982;肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤;インスリン成長因子ファミリーの阻害剤;細胞アポトーシスのタンパク質レギュレーターのモジュレーター(例えば、Bcl-2阻害剤);血小板由来成長因子ファミリーの阻害剤、例えばイマチニブ及び/又はニロチニブ(AMN107);
セリン/スレオニンキナーゼの阻害剤(例えば、Ras/Rafシグナル伝達阻害剤、例えばファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、
シグナル伝達などの阻害剤、ソラフェニブ、チピファルニブ及びロナファーニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ)、MEKを介した細胞シグナル伝達の阻害剤(例えば、トラメチニブ、コビメチニブ)及び/又はAKTキナーゼ、c-kit阻害剤、abl キナーゼ阻害剤、例えばポナチニブ、PI3キナーゼ阻害剤、Plt3キナーゼなどの阻害剤、CSF-1Rキナーゼ阻害剤、IGF受容体、キナーゼ阻害剤;オーロラ(aurora)キナーゼ阻害剤及びサイクリン依存性キナーゼ阻害剤、例えばCDK2及び/又はCDK4阻害剤、又はCDK4/CDK6阻害剤、例えばパルボシクリブ;CCR2、CCR4又はCCR6のアンタゴニスト;mTORキナーゼ阻害剤、例えばエベロリムス;ヤヌス(Janus)キナーゼファミリー阻害剤、例えばルキソリチニブ;ブラントン(Brunton)のチロシンキナーゼ阻害剤、例えばイブルチニブ;未分化リンパ腫キナーゼ-ALK、例えばセリチニブ、クリゾチニブ、アレクチニブ;c-Metキナーゼ阻害剤、例えばカボザンチニブ;ヘッジホッグ(hedgehog)シグナル伝達経路阻害剤、例えばビスモデギブ及びソニデギブ;並びにRAFキナーゼ阻害剤、例えばBAL3833、又は国際公開第2006043090号パンフレット、国際公開第WO2009077766号パンフレット、国際公開第WO2011092469号パンフレット、又は国際公開第WO2015075483号パンフレットに記載されている他のRAF阻害剤;
(v) 抗血管新生剤、例えば血管内皮増殖因子の効果を阻害するもの[例えば、抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ(Avastin(商標))、抗VEGF2抗体ラムシルマブ;組換え融合タンパク質ジブ-アフリベルセプト(ziv-aflibercept)];サリドマイド;ポマリドマイド;レナリドマイド;並びに、例えばVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、例えばレゴラフェニブ、バンデタニブ、バタラニブ、スニチニブ、アキシチニブ及びパゾパニブ、並びにレンバチニブ;
(vi) 遺伝子治療アプローチ、例えば異常な遺伝子、例えば異常なp53又は異常なBRCA1若しくはBRCA2、を置き換えるアプローチを含む遺伝子治療アプローチ;腫瘍溶解性ウィルス、例えばタリモジーン・ラハーパレプベック(talimogene laherparepvec);
(vii) 免疫療法アプローチ、例えば抗体療法を含むアプローチ、例えばデノスマブ、オビヌツズマブ、ブリナトムマブ、ジヌツキシマブ、イダルシズマブ、ダラツムマブ、ネシツムマブ、エロツズマブ、オララツマブ、アレムツズマブ、リツキシマブ、イブリツモマブ チウクセタン(Zevalin(登録商標))、及びオファツムマブ;インターフェロン、例えばインターフェロンα、ペグインターフェロンα-2b;インターロイキン、例えばIL-2(アルデスロイキン);インターロイキン阻害剤、例えばIRAK4阻害剤;癌ワクチン、例えば予防ワクチンと処置ワクチンを含む癌ワクチン、例えばHPVワクチン、例えばガーダシル、サーバリックス、オンコファージ、シプリューセル(Sipuleucel)-T(Provenge);gp100;樹状細胞ベースのワクチン(例えば、Ad.p53 DC);トール様受容体モジュレーター、例えばTLR-7又はTLR-9アゴニスト;PD-1、PD-L1、PD-L2、及びCTL4-Aモジュレーター(例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、アテゾリズマブ)、抗体及びワクチン;他のIDO阻害剤(例えば、インドキシモド(indoximod));抗PD-1モノクローナル抗体(例えば、MK-3475及びニボルマブ);抗PDL1モノクローナル抗体(例えば、MEDI-4736及びRG-7446);抗PDL2モノクローナル抗体;並びに、抗CTLA-4抗体(例えば、イピリムマブ(ipilumumab));抗体薬物複合体、例えば、ブレンツキシマブベドチン、トラスツズマブエムタンシン;
(viii) 細胞毒性剤、例えばフルダリビン(フルダラ(fludara))、クラドリビン、ペントスタチン(Nipent(商標));
(ix) 標的療法、例えばPI3K阻害剤、例えばイデラリシブ及びペリフォシン;SMAC(second mitochondriaderived activator of caspases:カスパーゼのミトコンドリア由来の2番目の活性化因子)模倣薬(アポトーシスタンパク質(IAP:Inhibitor of Apoptosis Proteins)アンタゴニスト(IAPアンタゴニスト)の阻害剤としても知られている)。これらの薬剤は、例えばXIAP、cIAP1及びcIAP2、を抑制するように作用し、そしてそれによって、細胞アポトーシス経路を再確立する。特定のSMAC模倣薬は、ビリナパント(Birinapant)(TL32711,TetraLogic Pharmaceuticals)、LCL161(Novartis)、AEG40730(Aegera Therapeutics)、SM-164(University of Michigan)、LBW242(Novartis)、ML101(Sanford-Burnham Medical Research Institute)、AT-406(Ascenta Therapeutics/University of Michigan)、GDC-0917(Genentech)、AEG35156(Aegera Therapeutic)、及びHGS1029(Human Genome Sciences);並びに、ユビキチンプロテアソーム系を標的とする薬剤(UPS:ubiquitin proteasome system)、例えばボルテゾミブ、イキサゾミブ、カーフィルゾミブ、マリゾミブ(NPI-0052)、及びMLN9708;並びに、DNA修復阻害剤、例えばオラパリブ、ルカパリブ(rucaparib);抗アポトーシスBCLタンパク質ファミリー阻害剤、例えばベネトクラックス(venetoclax)を包含する。
(xii) キメラ抗原受容体、抗癌ワクチン、及びアルギナーゼ阻害剤。
追加の抗腫瘍剤は、単一の薬剤、又は本明細書にリストされた追加の1以上の剤でありうる。
本発明の化合物と一緒に用いられうる特定の抗癌剤には例えば、下記を包含する:
そのような併用治療は、処置の個々の成分の同時、逐次、又は別々に投与によって達成されうる。そのような組み合わせ製品は、本発明の化合物を本明細書の上記の治療上有効な投与量範囲内で使用し、他の医薬活性剤をその承認された投与量範囲内で使用する。
本明細書において、語「組み合わせ」が使用される場合に、それは同時、別々又は逐次の投与を云うと理解されるべきである。本発明の1つの観点において、「組み合わせ」は、同時投与を云う。他の観点において、本発明の「組み合わせ」は、別々の投与を云う。本発明の更なる観点において、「組み合わせ」は逐次投与を云う。投与が逐次又は別々である場合に、第2の成分の投与の遅延は、組み合わせの有益な効果を失うようなものであってはならない。
併用処置が用いられる幾つかの実施態様において、本発明の化合物の量及び他の1以上の医薬的に活性な薬剤の量は、組み合わされる場合に、患者における標的障害を処置するために治療上有効である。この文脈において、組み合わされた量が、組み合わされたときに、障害の症状又は他の有害な影響を低減又は完全に緩和するのに、障害を治癒するのに、障害を逆転するのに、障害を完全に停止するのに、又は障害の進行を遅延するのに、又は障害が悪化する危険性を減らすのに十分である場合に、該組み合わされた量は「治療的有効量」である。典型的には、そのような量は、例えば、本発明の化合物について本明細書に記載された投与量範囲及び他の医学的に活性な1以上の化合物の承認又は別の方法で公開された1以上の投与量範囲から始めることにより、当業者により決定されうる。
本発明のさらなる観点において、癌の併合処置において使用するための、本明細書の上部で定義された本発明の化合物及び本明細書の上部で定義された追加の抗癌剤が提供される。
本発明のさらなる観点において、癌の併合処置のための、本明細書の上部で定義された本発明の化合物と本明細書の上部で定義された追加の抗癌剤とを含む医薬製品が提供される。
本発明のさらなる観点において、癌を患うヒト又は動物の対象の処置の方法であって、該対象に、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩の治療的有効量を、本明細書の上記で定義された追加の抗癌剤と一緒に、同時に、逐次に、又は別々に投与することを含む上記方法が提供される。
本発明のさらなる観点において、癌の処置において、本明細書の上部で定義された追加の抗癌剤と一緒に、同時に、逐次に、又は別々に使用するための本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩が提供される。
本発明の化合物はまた、放射線療法と組み合わせて使用されうる。好適な放射線療法処置は例えば、X線治療、陽子線治療又は電子線治療を包含する。放射線療法はまた、放射性核種剤、例えば131I、32P、90Y、89Sr、153Sm、又は223Ra、の使用を含みうる。そのような放射性核種療法は、よく知られており、且つ市販されている。
本発明のさらなる観点において、放射線療法と組み合わせて癌の処置において使用するための、本明細書の上部で定義された本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩が提供される。
本発明のさらなる観点において、癌を患うヒト対象又は動物対象の処置の方法であって、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩の治療的有効量を、放射線療法と同時に、逐次に、又は別々に、該対象に投与することを含む上記方法が提供される。
合成
下記の合成方法の説明において、且つ出発物質を調製するために使用される参照合成方法において、溶媒、反応雰囲気、反応温度、実験時間及び後処理の選択を包含する提案された全ての反応条件が当業者によって選択されることができることが理解されるべきである。
分子の様々な部分に存在する官能基は、利用される試薬及び反応条件に適合しなければならないことは、有機合成の当業者によって理解される。
必要な出発物質は、有機化学の標準的な手順によって得られうる。そのような出発物質の調製は、下記の代表的なプロセスの変形と関連して、且つ付随する実施例において記載されている。代替的に、必要な出発物質は、有機化学者の通常の技術の範囲内である、例示された手順と類似の手順によって入手可能である。
以下に定義されている方法における本発明の化合物の合成中に、又は或る出発物質の合成中に、それらの望ましくない反応を防ぐために或る置換基を保護することが望ましい場合があることが理解されるだろう。当業者である化学者は、そのような保護がいつ必要とされるか、そしてそのような保護基がどのようにして配置され得、そして後で除去されうることを理解するであろう。
保護基の例については、該課題に関する多くの一般的なテキストの1つ、例えば、Theodora Greenによる「Protective Groups in Organic Synthesis」(発行所:John Wiley & Sons)を参照。保護基は、問題の保護基の除去のために適切であるとして、文献に記載されているか、又は当業者である化学者に既知の任意の慣用的な方法によって除去されうる。そのような方法は、分子の他の場所での基の妨害を最小限にして保護基の除去をもたらすように選択される。
従って、反応物が、例えば基、例えばアミノ、カルボキシ又はヒドロキシを含む場合に、本明細書において言及される幾つかの反応において該基を保護することが望ましい場合がある。
例として、アミノ基又はアルキルアミノ基の為の好適な保護基は例えば、アシル基、例えばアルカノイル基、例えばアセチル又はトリフルオロアセチル、アルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、又はt-ブトキシカルボニル基、アリールメトキシカルボニル基、例えばベンジルオキシカルボニル、又はアロイル基、例えばベンゾイル、である。上記の保護基の脱保護条件は、保護基の選択によって必然的に変わる。従って、例えば、アシル基、例えばアルカノイル又はアルコキシカルボニル基又はアロイル基は、例えば好適な塩基、例えばアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウム又は水酸化ナトリウム、での加水分解によって除去されうる。代替的に、アシル基、例えばter-ブトキシカルボニル基は、例えば好適な酸、例えば塩酸、硫酸又はリン酸又はトリフルオロ酢酸、での処理によって除去されうる。そして、アリールメトキシカルボニル基、例えばベンジルオキシカルボニル基、は、例えば触媒、例えば炭素上のパラジウム、上での水素化によって、又はルイス酸、例えばBF3.OEt2、での処理によって除去されうる。第一級アミノ基の為の好適な代替的な保護基は例えばフタロイル基であり、それは、アルキルアミン、例えばジメチルアミノプロピルアミン、での又はヒドラジンでの処理によって除去されうる。
ヒドロキシ基の為の好適な保護基は例えば、アシル基、例えばアルカノイル基、例えばアセチル、アロイル基、例えばベンゾイル基、又はアリールメチル基、例えばベンジル基、である。上記の保護基の脱保護条件は、保護基の選択によって必然的に変わる。従って、例えば、アシル基、例えばアルカノイル又はアロイル基、は、例えば好適な塩基、例えばアルカリ金属水酸化物、例えばリチウム、水酸化ナトリウム又はアンモニア、での加水分解によって除去されうる。代替的には、アリールメチル基、例えばベンジル基は、例えば触媒、例えば炭素上のパラジウム、上での水素化によって除去されうる。
カルボキシ基の為の好適な保護基は例えば、エステル化基、例えばメチル基又はエチル基、であり、それは、例えば塩基、例えば水酸化ナトリウム、での加水分解によって除去され得、又は例えばt-ブチル基は、酸、例えば有機酸、例えばトリフルオロ酢酸、での処置によって除去され得、又は例えばベンジル基は、触媒、例えば炭素上のパラジウム、での水素化によって除去されうる。
うる。
樹脂はまた、保護基として使用されうる。
I.架橋化ピペリジン4-オン誘導体の調製のための一般的な方法
方法A
ジメチルスルホキシド(1~2.5M)中のアニリン(1~1.2当量)、2-シクロヘキセン-1-オン(1.6~2.5当量)、L-又はD-プロリン(0.3当量)、及び37%の水性ホルムアルデヒド(1当量)の溶液が、室温で又は50℃で、最大24時間撹拌された。室温に冷やされた後、混合物が酢酸エチルで希釈され、次に、水、そして塩水で洗われた。有機相が、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして、減圧下で蒸発された。結果として生じた残渣が、シクロヘキサン中の酢酸エチルのグラジエントを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、又は場合によっては、シクロヘキサンからの再結晶によって、精製された。該生成物は、純粋で得られたか、又は場合によっては、2-シクロヘキセン-1-オンでコンタミされていた。後者の場合、それは、更なる精製無しに、次の工程において使用された。
中間体:
(1R,4S)-7,7-ジメチル-2-(4-モルホリノフェニル)-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-5-オン
一般的な方法Aを用いて、ジメチルスルホキシド(10mL)中の4-モルホリノアニリン(1g,5.6mmol)、4,4-ジメチル-2-シクロヘキセン-1-オン(982μL,7.47mmol)、L-プロリン(161mg,1.4mmol)及び37%の水性ホルムアルデヒド(349μL,4.67mmol)の溶液が、50℃で、24時間撹拌された。後処理、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィーの後に、(1R,4S)-7,7-ジメチル-2-(4-モルホリノフェニル)-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-5-オン(889mg,50%)が得られた。
1H NMR (500 MHz, MeOD-d4) δ6.97-6.92 (m, 2H), 6.73-6.68 (m, 2H), 3.92 (t, 1H, J = 2.9 Hz), 3.85-3.81 (m,4H), 3.53-3.42 (m, 2H), 3.03-2.96 (m, 4H), 2.71 (dd, 1H, J = 19.0, 3.3 Hz), 2.53 (p, 1H, J = 2.8 Hz), 2.42 (dd, 1H, J = 19.0, 3.3 Hz), 1.82 (dd, 1H, J = 13.8, 3.2Hz), 1.74 (d, 1H, J = 13.8 Hz), 1.10 (s, 3H), 1.07 (s, 3H)。HRMS:C19H27N2O2についての計算値 [M+H]+ 315.2028;実測値 315.2118
下記の中間体化合物が、置換された試薬を用いて、前述の方法論により調製された。必要な出発物質は、市販されているか、文献に記載されているか、又は過度の実験無しに有機合成の当業者によって容易に合成された。
II.架橋化ホモピペラジノン誘導体の調製のための一般的な方法
方法B(シュミット(Schmidt)反応)
濃硫酸(0.4~1M)中の架橋化ピペリジン4-オン(1当量)の0℃での撹拌溶液に、アジ化ナトリウム(1.5~2.5当量)が注意深く加えられた。反応混合物が、0℃で撹拌され、又は30分後に室温まで温められ、そして、30分~2時間、室温で撹拌された。次に、混合物が、0℃に冷やされ、氷で希釈され、水酸化ナトリウムペレット(又は、水酸化ナトリウムの3M水性溶液)の注意深い添加によって塩基性にされ、そしてジクロロメタン(又は、酢酸エチル)で抽出された。一緒にされた有機層が、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして、減圧下で蒸発された。結果として生じた残渣が、酢酸エチル中のメタノールのグラジエント(又は、シクロヘキサン中の酢酸エチルのグラジエント、又はジクロロメタン中の酢酸エチルのグラジエント)を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製されて、2つの個々の位置異性体を与えた。幾つかの場合において、該位置異性体は、分離されることができず、そして混合物として次の工程において用いられた。
中間体:
(1S,5S)-9,9-ジメチル-6-(4-モルホリノフェニル)-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-2-オン;及び
(1S,5R)-9,9-ジメチル-6-(4-モルホリノフェニル)-2,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-オン
方法Bを用いて、濃硫酸(17mL)中の(1R,4S)-7,7-ジメチル-2-(4-モルホリノフェニル)-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-5-オン(885mg,2.89mmol)の溶液を、アジ化ナトリウム(365mg,5.62mmol)と反応させた。後処理、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィーの後に、260.6mgの(1S,5S)-9,9-ジメチル-6-(4-モルホリノフェニル)-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-2-オン(27%)及び145.6mgの(1S,5R)-9,9-ジメチル-6-(4-モルホリノフェニル)-2,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-オン(17%)が得られた。
(1S,5S)-9,9-ジメチル-6-(4-モルホリノフェニル)-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-2-オン (B1a)
1H NMR (500 MHz,MeOD-d4) δ 7.01-6.96 (m, 2H), 6.79-6.74 (m, 2H), 3.88-3.81(m, 5H), 3.55 (dd, 1H, J = 13.5, 3.1 Hz), 3.51-3.42 (m, 2H), 3.39-3.34 (m, 1H),3.05-2.99 (m, 4H), 2.85-2.80 (m, 1H), 1.92-1.88 (m, 1H), 1.71 (dd, 1H, J = 14.3,5.8 Hz), 1.21 (s, 3H), 1.09 (s, 3H)。HRMS:C19H28N3O2についての計算値 [M+H]+ 330.2137;実測値 330.2187
(1S,5R)-9,9-ジメチル-6-(4-モルホリノフェニル)-2,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-オン (B1b)
1H NMR (500 MHz, MeOD-d4)δ 6.99-6.94 (m,2H), 6.76-6.71 (m, 2H), 3.86-3.81 (m, 4H), 3.68-3.62 (m, 2H), 3.54 (dd, 1H, J = 11.0, 4.1 Hz), 3.45-3.41 (m, 1H), 3.03-2.99 (m, 4H), 2.83 (dd, 1H, J = 18.7, 3.2Hz), 2.74-2.67 (m, 1H), 1.92-1.88 (m, 1H), 1.76 (dd, 1H, J = 14.4, 5.0 Hz), 1.17(s, 3H), 1.06 (s, 3H)。HRMS:C19H28N3O2についての計算値 [M+H]+ 330.2137;実測値 330.2176
下記の中間体化合物が、置換された試薬を用いて、前述の方法論により調製された。
中間体:
(1S,5S)-6-(4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-2-オン;及び、
(1S,5R)-6-(4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)フェニル)-9,9-ジメチル-2,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-オン
方法Bを用いて、濃硫酸(25mL)中の(1R,4S)-2-(4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)フェニル)-7,7-ジメチル-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-5-オン(329.6mg,0.946mmol)の溶液を、アジ化ナトリウム(123mg,1.89mmol)と反応させた。後処理、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィーの後に、(1S,5S)-6-(4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-2-オンと(1S,5R)-6-(4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)フェニル)-9,9-ジメチル-2,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-オン(38%)との129mgの混合物が得られ、そして、更なる精製無しに次の工程において用いられた。HRMS:C20H28N3OF2についての計算値 [M+H]+ 364.2156;実測値 364.2110.
方法C(ベックマン反応)
架橋化ピペリジン4-オン(1当量)、ヒドロキシルアミンの塩酸塩(5当量)、トリエチルアミン(5当量)、メタノール(2M)及びジクロロメタン(2M)の混合物が、50℃で、16時間攪拌された。室温に冷やされた後、反応混合物がジクロロメタンで希釈され、1:1の水/塩水で洗われ、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして減圧下で蒸発された。中間体であるオキシムがテトラヒドロフラン(1M)中に溶解され、そして0℃に冷やされた。塩化チオニル(1.2当量)が加えられ、そして反応混合物が0℃で、1時間撹拌され、次に、重炭酸ナトリウムの飽和水性溶液でクエンチされ、そして酢酸エチルで希釈された。2つの層の分離後、有機相が重炭酸ナトリウムの飽和水性溶液で2回以上洗われ、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして減圧下で蒸発された。結果として生じた残渣が、シクロヘキサン中の酢酸エチルのグラジエント又は酢酸エチル中のメタノールのグラジエントを用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製された。
中間体:
(1S,5S)-9-(4-エトキシフェニル)-3,9-ジアザスピロ[ビシクロ[3.2.2]ノナン-6,1'-シクロヘキサン]-2-オン;及び、
(1S,5R)-9-(4-エトキシフェニル)-2,9-ジアザスピロ[ビシクロ[3.2.2]ノナン-6,1'-シクロヘキサン]-3-オン
方法Cを用いて、(1R,4S)-2-(4-エトキシフェニル)-2-アザスピロ[ビシクロ[2.2.2]オクタン-7,1'-シクロヘキサン]-5-オン(3.23g,10.3mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(3.58g,51.5mmol)、トリエチルアミン(7.19mL,51.5mmol)、メタノール(70mL)、及びジクロロメタン(35mL)の混合物が、室温で3時間撹拌された。DCM(100mL)が添加された。後処理後、テトラヒドロフラン(103mL)中に溶解された中間体であるオキシムを、塩化チオニル(903μL,12.4mmol)と、0℃で、2時間反応させた。後処理、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィーの後に、285mgの(1S,5S)-9-(4-エトキシフェニル)-3,9-ジアザスピロ[ビシクロ[3.2.2]ノナン-6,1'-シクロヘキサン]-2-オン(9%)及び457mgの(1S,5R)-9-(4-エトキシフェニル)-2,9-ジアザスピロ[ビシクロ[3.2.2]ノナン-6,1'-シクロヘキサン]-3-オン(14%)が得られた。
(1S,5S)-9-(4-エトキシフェニル)-3,9-ジアザスピロ[ビシクロ[3.2.2]ノナン-6,1'-シクロヘキサン]-2-オン
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ6.90 - 6.80 (m, 2H), 6.67 - 6.59 (m, 2H), 5.97 (br, 1H), 3.98 (q, J = 7.0 Hz,2H), 3.81 (br, 1H), 3.56 (m, 1H), 3.50 (dt, J = 12.6, 2.7 Hz, 1H), 3.42 (ddd, J = 12.7, 3.0, 1.7 Hz, 1H), 3.36 (dd, J = 10.8, 4.8 Hz, 1H), 2.91 (m, 1H), 1.92(m, 1H), 1.69 - 1.23 (m, 14H).
(1S,5R)-9-(4-エトキシフェニル)-2,9-ジアザスピロ[ビシクロ[3.2.2]ノナン-6,1'-シクロヘキサン]-3-オン
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ6.99 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 6.89 - 6.83 (m, 2H), 6.65 - 6.59 (m, 2H), 3.98(q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.69 - 3.60 (m, 2H), 3.53 - 3.43 (m, 2H), 2.83 (dd, J = 18.6, 3.4 Hz, 1H), 2.78 (dd, J = 18.6, 4.0 Hz, 1H), 1.91 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 1.70 (dd, J = 14.4, 5.0 Hz, 1H), 1.64 - 1.17 (m, 13H).
下記の中間体化合物が、置換された試薬を用いて、前述の方法論により調製された。
方法D(連続フローケミストリーを用いたオキサジリジンの光化学転位)
第1の工程において、無水ジクロロメタン(又はトルエン)(0.05~0.5M)中のケトンA1a(1当量)とモレキュラーシーブ(3~4オングストロームの,0.5~15g)との混合物が、ベンジルアミン(1~1.1当量)に加えられ、引き続き、パラトルエンスルホン酸(水和物形態)若しくは酢酸(触媒量)が加えら、又酸触媒は加えられなかった。反応混合物が、室温で、4~48時間おかれ、次に、グラスウールを通してろ過されて、モレキュラーシーブを除いた。イミンを含む溶液が、冷やされ(-78℃~0℃)、無水ジクロロメタン(又はトルエン)(0.1~0.7M)中のメタ-クロロ過安息香酸(1~1.7当量)の溶液に滴下された。反応物が、完了までこの温度で撹拌され、次に、チオ硫酸ナトリウムの水性溶液及び金属炭酸塩の水溶液、又は金属炭酸水素(10%~飽和)及び水でクエンチされた。相が分離され、そして有機相がジクロロメタン(又はトルエン)で抽出された。一緒にされた有機相が、10%の水性の金属炭酸水素塩溶液、塩水で続けて洗われ、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして、減圧下で蒸発された。結果として生じた残渣が、シクロヘキサン中の酢酸エチルのグラジエントを用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製されて、ジアステレオマーの混合物(9:1~1:1)としてオキサジリジンを与えた。代替的に、主要物のオキサジリジンジアステレオ異性体は、好適な溶媒系、例えばエーテル/ヘキサン、から再結晶されうる。
第2の工程において、オキサジリジンの光化学転位が、連続フロー条件下で達成された。シクロヘキサン(又はアセトニトリル又はエーテル)(0.5~6 g.L-1)中のオキサジリジンの溶液が、窒素(又は、アルゴン)で完全に脱ガスされて、次に、広域スペクトルのUV又はUV-C光源で照射される部分を含むUV透過チューブ(フッ素化エチレンプロピレンチューブが好ましい)を通じてポンプで送られ(流速:0.2mL/分~10mL/分)され、そして次に、出口で集められた。連続運転は、1日当たり最大8gの質量流量が実証された。溶媒が真空下でエバポレーションされ、そしてリサイクルされて、5.9:1~9:1の比率の架橋化ホモピペラジノンの位置異性体の混合物を与えた。結果として生じた残渣が、シクロヘキサン中の酢酸エチルのグラジエントを用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製された。
中間体:
(1S,5S)-3-ベンジル-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-2-オン;及び、
(1S,5R)-2-ベンジル-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-2,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-オン
方法Dを用いて、第1の工程において、無水ジクロロメタン(35mL)中の(1R,4S)-2-(4-エトキシフェニル)-7,7-ジメチル-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-5-オン(3.00g,11.0mmol)及び4オングストロームのモレキュラーシーブ(7g)の混合物を、ベンジルアミン(1.20mL,11.0mmol)及びTsOH・H2O(10mg,触媒量)と、室温で、6時間反応させた。ろ過後、イミン溶液が-10℃に冷やされ、そして、ジクロロメタン(35mL)中のmCPBAの溶液(4.18g,18.7mmol)と、-10℃、45分で反応させ、次に、室温まで温められた。後処理、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィーの後に、ジアステレオマーの混合物としての2.87gの(1S,4R)-2'-ベンジル-5-(4-エトキシフェニル)-8,8-ジメチル-5-アザスピロ[ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3'-[1,2]オキサジリジン](69%)が得られた。
(1S,2R,4R)-2'-ベンジル-5-(4-エトキシフェニル)-8,8-ジメチル-5-アザスピロ[ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3'-[1,2]オキサジリジン](主な異性体)
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.43 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.37 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 7.31 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 6.60 (d, J = 9.1 Hz,2H), 3.98 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 3.90 (app q, J = 15.1 Hz, 2H),3.58 (t, J = 2.5 Hz, 1H), 3.51 (dt, J = 10.9, 2.5 Hz, 1H), 3.26 (dt, J = 9.8, 2.2 Hz, 1H), 2.61 (dd, J = 15.5, 2.2 Hz, 1H), 2.26 (dd, J = 15.5, 3.5 Hz, 1H), 1.67 (t, J = 2.5 Hz, 1H), 1.60 - 1.57 (m, 2H), 1.39 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 0.98 (s, 3H), 0.89 (s, 3H)。HRMS:C24H31N2O2についての計算値 [M+H]+ 379.2307;実測値 379.2302
(1S,2S,4R)-2'-ベンジル-5-(4-エトキシフェニル)-8,8-ジメチル-5-アザスピロ[ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3'-[1,2]オキサジリジン](マイナーな異性体)
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.44 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.38 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 7.31 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 6.61 (d, J = 9.1 Hz,2H), 3.98 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 3.92 (d, J = 14.2 Hz, 1H), 3.71 (d, J = 14.2 Hz, 1H), 3.62 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 3.38 - 3.34 (m,2H), 2.42 (dq, J = 15.5, 3.2 Hz, 2H), 1.83 (dq, J = 13.6, 1.9 Hz,1H), 1.72 (t, J = 2.5 Hz, 1H), 1.53 (dt, J = 13.6, 2.5 Hz, 1H), 1.39 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.18 (s, 3H), 1.08 (s, 3H)。HRMS:C24H31N2O2についての計算値 [M+H]+ 379.2307;実測値 379.2302
第2の工程において、ジアステレオマーのオキサジリジン混合物の光化学転位が、連続フロー条件下で達成された。シクロヘキサン(368mL)中の(1S,4R)-2'-ベンジル-5-(4-エトキシフェニル)-8,8-ジメチル-5-アザスピロ[ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3'-[1,2]オキサジリジン](1.20g,3.17mmol)の溶液がアルゴンで30分間、脱ガスされ、次に、HPLCポンプ(流速:0.75mL/分)を介して、Phillips TUV 4W UV-Cバルブ(λmax=254nm,光化学経路長=5.10m,平均滞留時間:185秒)で照射される部分を含むFEPチューブ(全長15.00m;内径:760μm;容量:6800μL)を通じてポンプで送られ、そして出口で集められた。減圧下でのエバポレーション、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィーの後、854mgの(1S,5S)-3-ベンジル-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-2-オン(71%)及び150mgの(1S,5R)-2-ベンジル-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-2,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-オン(12%)が得られた。
(1S,5S)-3-ベンジル-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-2-オン
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.32 - 7.24 (m, 5H), 6.86 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.65 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 4.82 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 4.26 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 3.99 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 3.62 (t, J = 3.2 Hz, 1H), 3.58 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 3.41 (dd, J = 5.4, 10.7 Hz, 1H), 3.37 (d, J = 3.5 Hz, 2H), 3.17-3.15 (m, 1H), 1.95 (d, J = 14.2 Hz, 1H), 1.68 (dd, J = 5.7, 14.2 Hz, 1H), 1.39 (t, J = 6.9Hz, 3H), 1.07 (s, 3H), 0.94 (s, 3H)。HRMS:C24H31N2O2についての計算値 [M+H]+379.2380;実測値 379.2364
(1S,5R)-2-ベンジル-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-2,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-オン
1H NMR (500 MHz,CDCl3) δ 7.36 - 7.30 (m, 5H), 6.85 (d, J = 9.1 Hz,2H), 6.63 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 4.80 (d, J = 14.8 Hz, 1H), 4.53 (d, J = 14.8 Hz, 1H), 3.99 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 3.66 - 3.64 (m,1H), 3.51 (t, J = 3.8 Hz, 1H), 3.43 - 3.39 (m, 1H), 3.31 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 2.93 (dq, J = 4.1, 12.9 Hz, 2H), 1.70 (dt, J = 2.2,14.2 Hz, 1H), 1.55 (dd, J = 4.7, 14.5 Hz, 1H), 1.39 (t, J = 6.9Hz, 3H), 1.11 (s, 3H), 1.07 (s, 3H)。HRMS:C24H31N2O2についての計算値 [M+H]+ 379.2380;実測値 379.2364
III.架橋化ホモピペラジノン誘導体の還元のための一般的な方法
方法E
無水テトラヒドロフラン(0.3~1M)中の架橋化ホモピペラジノン(1当量)の溶液に、テトラヒドロフラン(1.0M又は2.0M,2~6当量)中の水素化アルミニウムリチウム又は固体の水素化アルミニウムリチウム(4~6当量)の溶液が0℃で滴下された。混合物が還流で3~24時間撹拌され、次に、室温に冷やされ、そして水(水素化アルミニウムリチウムの1mmol当たり0.05mL)、水酸化ナトリウムの2.0M水性溶液(水素化アルミニウムリチウムの1mmol当たり0.1mL)、そして再び、水(水素化アルミニウムリチウムの1mmol当たり0.1mL)が加えられた。混合物が、30分間、室温で撹拌され、酢酸エチルで希釈され、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして減圧下で濃縮されて架橋されたホモピペラジン誘導体をあたえた。この物質は、更なる精製無しに又は、(任意的に、アンモニアの1M水性溶液の添加とともに)ジクロロメタン中のエタノール(若しくは、メタノール)のグラジエントを使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって更に精製して、次の工程において使用された。
中間体:
4-(4-((1R,5S)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-6-イル)フェニル)モルホリン (E1)
方法Eを用いて、無水テトラヒドロフラン(7.6mL)中の(1S,5S)-9,9-ジメチル-6-(4-モルホリノフェニル)-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-2-オン(250mg,0.76mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン(2.2mL)中の水素化アルミニウムリチウムの2.0M溶液と反応させた。後処理後、282mgのコンタミされた4-(4-((1R,5S)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-6-イル)フェニル)モルホリンが得られた。この物質は、更なる精製無しに、次の工程において使用された。
HRMS:C19H30N3Oについての計算値 [M+H]+ 316.2344;実測値 316.2315
下記の中間体化合物が、置換された試薬を用いて、前述の方法論により調製された。
中間体:
(1R,5S)-6-(4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン及び(1S,5R)-6-(4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)フェニル)-9,9-ジメチル-2,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン (E9)-混合物として使用された
方法Eを用いて、無水テトラヒドロフラン(4mL)中の(1S,5S)-6-(4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-2-オン及び(1S,5R)-6-(4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)フェニル)-9,9-ジメチル-2,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-オン(198mg,0.544mmol)の混合物を、テトラヒドロフラン (2.72 mL)中の1.0M溶液の水素化アルミニウムリチウムと反応させた。後処理後、(1R,5S)-6-(4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンと(1S,5R)-6-(4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)フェニル)-9,9-ジメチル-2,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンとの115mgの混合物が得られた。この物質は、更なる精製無しに、次の工程において使用された。HRMS:C20H30N3F2についての計算値 [M+H]+ 350.2363;実測値 350.2440
中間体(E-3)のための代替方法
代替的に、(1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンは、連続フローで、オキサジリジンの下記の光化学転位後に得られる架橋化ホモピペラジノンの還元によって調製されることができる。第1の工程において、方法Eを用いて、テトラヒドロフラン(5mL)中の(1S,5S)-3-ベンジル-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-2-オン(105mg,0.28mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン(1.83mL,1.83mmol)中の1.0M溶液の水素化アルミニウムリチウムと、還流で30分間反応させた。後処理後、98mgの(1R,5S)-3-ベンジル-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(97%)が得られ、そして、更なる精製無しに次の工程において用いられた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.38 - 7.33 (m, 4H), 7.30-7.27 (m, 1H), 6.88 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 6.56 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 4.01 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 3.58 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 3.50 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 3.31 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 3.28 (dd, J = 10.1 及び 2.5 Hz, 1H), 3.16 -3.10 (m, 2H), 3.05 - 3.01 (m, 1H), 2.38 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 2.33 -2.31 (m, 1H), 2.23 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 2.00 (d, J = 12.9 Hz,1H), 1.41 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.37-1.33 (m, 1H), 1.22 (s, 3H), 0.86 (s, 3H)。HRMS:C24H33N2Oについての計算値 [M+H]+ 365.2587;実測値 365.2590
第2の工程において、2,2,2-トリフルオロエタノール(5mL)中の(1R,5S)-3-ベンジル-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(98mg,0.27mmol)の溶液に、1,4,-シクロヘキサジエン(255μL,2.70mmol)、引き続き、炭素上のパラジウム(palladium on carbon)(10重量/重量%,10mg,10重量%)が加えられた。該溶液は窒素で脱ガスされ、次に、還流で、36時間加熱された。室温まで冷やされた後、反応混合物は、セライトパッドを通じてろ過され、次に、減圧下で濃縮されて、54mgの(1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(73%)を与えた。表Eにおける分析データ、項目3。
中間体:
(1R,5S)-6-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン -E10
第1の工程において、ジクロロメタン(25mL)中の(1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(4.31g,15.72mmol)の0℃での撹拌溶液に、ジクロロメタン(39.29mL,39.29mmol)中の三臭化ほう素の1.0M溶液が滴下された。反応混合物が、3時間、0℃で撹拌され、次に、炭酸水素ナトリウム(15mL)の飽和水性溶液でクエンチされた。ジ-tert-ブチルジカーボネート(3.60g,16.50mmol)が加えられ、そして、混合物が室温で、6時間撹拌された。完了に応じて、複数の相が分離され、そして水性相がジクロロメタンで抽出された。一緒にされた有機抽出物が塩水で洗われ、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして、減圧下で蒸発された。結果として生じた残渣が、シクロヘキサン中の酢酸エチルのグラジエントを用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製されて、4.74gの(1S,5S)-6-(4-ヒドロキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチル(87%)を与えた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 6.79 (br s, 2H), 6.51 (br s, 2H), 4.95 (br s, 1H), 4.51 - 4.21 (m,2H), 3.48 - 2.98 (m, 3H), 2.88 (d, J = 13.9 Hz, 1H), 2.44 (m, 1H), 1.54 (t, J = 12.0 Hz, 1H), 1.47 (s, 9H), 1.42 (dd, J = 13.9 及び 6.3 Hz, 2H),1.06 (s, 3H), 0.88 (s, 3H)。HRMS:C20H31N2O3についての計算値 [M+H]+347.2329;実測値 347.2313
第2の工程において、2-クロロエチルメチルエーテル(796μL,8.71mmol)が、(1S,5S)-6-(4-ヒドロキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチル(1.00g,2.90mmol)と炭酸セシウム(2.84g,8.71mmol)との混合物に加えられた。反応混合物が、マイクロ波照射下で、2.5時間、95℃に加熱された。室温まで冷やされた後、混合物がろ過され、そして濾過物が減圧下で濃縮された。結果として生じた残渣が、シクロヘキサン中の酢酸エチルのグラジエントを用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製されて、1.01gの(1S,5S)-6-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチル(86%)を与えた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3)δ 6.88 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.55 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.48 - 4.21 (m, 2H), 4.06 (t, J = 4.9 Hz, 2H), 3.72 (t, J = 4.9 Hz, 2H), 3.44 (s, 3H), 3.41 - 3.35 (m, 1H), 3.27 (dd, J = 10.4 及び 1.9 Hz, 1H), 3.18 - 3.09 (m, 1H), 2.87 (d, J = 13.9 Hz, 1H), 2.45 (m, 1H), 1.54 (t, J = 13.9 Hz, 1H), 1.46 (s, 9H), 1.44 - 1.40 (m, 2H), 1.06 (s, 3H), 0.87 (s, 3H)。HRMS:C23H37N2O4についての計算値 [M+H]+ 405.2748;実測値 405.2763
第3の工程において、ジクロロメタン(7mL)とトリフルオロ酢酸(7mL)との混合物中の(1S,5S)-6-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチル(600mg,1.48mmol)の溶液が、室温で、4時間撹拌され、次に、該溶媒が、減圧下でエバポレーションされて、トリフルオロ酢酸塩として(1R,5S)-6-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンを与え、それは、更なる精製無しに使用された。HRMS:C18H28N2O2についての計算値 [M+H]+ 305.2229;実測値 305.2226
中間体:
(1R,5S)-9,9-ジメチル-6-(4-(ピリジン-2-イルオキシ)フェニル)-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン -E11
ジメチルホルムアミド中の、(1S,5S)-6-(4-ヒドロキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチル(257mg,0.74mmol)、2-ブロモピリジン(107μL,1.11mmol)、ピコリン酸(37mg,0.30mmol)、及び炭酸セシウム(604mg,1.85mmol)の混合物に、ヨウ化銅(I)(28mg,0.15mmol)が加えられた。反応混合物が、マイクロ波照射下で、3.5時間、100℃に加熱された。室温に冷やされた後、混合物がろ過され、そして濾過物が水で希釈され、そして、酢酸エチルで抽出された。一緒にされた有機相が、水、そして塩水で洗われ、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして減圧下で濃縮された。結果として生じた残渣が、シクロヘキサン中の酢酸エチルのグラジエントを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによってろ過されて、172mgの(1S,5S)-9,9-ジメチル-6-(4-(ピリジン-2-イルオキシ)フェニル)-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチル(55%)を与えた。
1H NMR (500 MHz,CDCl3) δ8.22 - 8.18 (m,1H),7.66 -7.61 (m,1H),7.03 (d,J = 9.2 Hz,2H),6.95 - 6.92 (m,1H),6.85 (d,J = 8.5 Hz,1H),6.63 (d,J = 9.2 Hz,2H),4.53 -4.24 (m,2H),3.47 -3.43 (m,1H),3.31 (dd,J = 10.4 及び1.9 Hz,1H),3.24 - 2.97 (m,2H),2.85 (d,J = 13.6 Hz,1H),2.46 (br s,1H),1.56 (t,J = 13.9 Hz,1H),1.49(s,9H),1.45 -1.42 (m,1H),1.08 (s,3H),0.91(s,3H)。HRMS:C21H26N3O3についての計算値 [M-tBu+2H]+ 368.1974;実測値 368.1977
第2の工程において、ジクロロメタン(5mL)とトリフルオロ酢酸(5mL)の混合物中の(1S,5S)-9,9-ジメチル-6-(4-(ピリジン-2-イルオキシ)フェニル)-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチル(172mg,0.41mmol)の溶液が、室温で、4時間撹拌され、次に、溶媒が減圧下でエバポレーションされて、トリフルオロ酢酸塩として(1R,5S)-9,9-ジメチル-6-(4-(ピリジン-2-イルオキシ)フェニル)-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンを与え、それは、更なる精製無しに使用された。HRMS:C20H26N3Oについての計算値 [M+H]+ 324.2076;実測値 324.2075
中間体:
(1R,5S)-6-(4-エトキシ-3-フルオロフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン (E-12)
アセトニトリル(15mL)中の(1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(195mg,0.71mmol)の0℃での撹拌された溶液に、Selectfluor(529mg,1.49mmol)が加えられた。反応混合物が、0℃で1時間撹拌され、さらに1.5時間、室温まで温められ、チオ硫酸ナトリウムの飽和水性溶液(2mL)でクエンチされ、そして減圧下で濃縮された。ジクロロメタン(15mL)及び水(10mL)が加えられ、相が分離され、そして有機相が水/塩水で洗われ、そして減圧下で濃縮されて、(1R,5S)-6-(4-エトキシ-3-フルオロフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンを含む197mgの粗生成物を与えた。この残渣は、更なる精製無しに、次の工程において使用された。HRMS:C17H26N2OFについての計算値 [M+H]+ 293.2029;実測値 293.2026
方法F
無水テトラヒドロフラン(0.5M)中の架橋化ホモピペラジノン(1当量)の溶液に、ボラン-テトラヒドロフラン錯体(1.0M)(5当量)が、0℃で滴下された。混合物が、還流温度で、1~5日間撹拌され、次に、エタノール(又は、ジエチルアミン)(大過剰)でクエンチされ、そして、還流温度で、1日再び撹拌された。室温に冷やされた後、混合物が減圧下で濃縮されて、粗生成物を与えた。この物質は、更なる精製無しに、次の工程において使用された。
中間体:
4-(4-((1R,5S)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-6-イル)フェニル)チオモルホリン-1,1-ジオキシド (F-1)
方法Fを用いて、無水テトラヒドロフラン(10mL)中の(1S,5S)-6-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-2-オン(375.0mg,0.993mmol)の溶液を、1.0Mのボランテトラヒドロフラン錯体(4.96mL)と反応させた。後処理後、4-(4-((1R,5S)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-6-イル)フェニル)チオモルホリン-1,1-ジオキシドを含む粗生成物が得られ、そして、更なる精製無しに次の工程において用いられた。HRMS:C19H30N3O2Sについての計算値 [M+H]+ 364.2014;実測値 364.2112
中間体:
4-(4-((1R,5S)-9,9-ジメチル-2,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-6-イル)フェニル) チオモルホリン-1,1-ジオキシド (F-2)
方法Fを用いて、無水テトラヒドロフラン(2mL)中の(1R,5S)-6-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-9,9-ジメチル-2,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-オン(100mg,0.265mmol)の溶液を、1.0Mのボランテトラヒドロフラン錯体(1.32mL)と反応させた。後処理後、4-(4-((1R,5S)-9,9-ジメチル-2,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-6-イル)フェニル)チオモルホリン-1,1-ジオキシドを含む粗生成物が得られ、そして、更なる精製無しに次の工程において用いられた。HRMS:C19H30N3O2Sについての計算値 [M+H]+ 364.2059;実測値 364.2053
IV.尿素リンカーを有する化合物の合成のための一般的な方法
方法G
ジクロロメタン(又は、テトラヒドロフラン)(0.25~1M)中の架橋されたホモピペラジン誘導体(1当量)の溶液に、トリエチルアミン(1~5当量)及びイソシアン酸(1~1.5当量)が加えられた。反応混合物が、室温で、2~72時間、撹拌され、次に、減圧下で濃縮された。結果として生じた残渣が、酢酸エチル中のメタノールのグラジエント(又は、シクロヘキサン中の酢酸エチルのグラジエント)を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製された。幾つかの実施例において、粗生成物が、水中のメタノール(10~100%)のグラジエント(各溶媒中の+0.1%のトリエチルアミン又は蟻酸)を用いて分取HPLCによって、又はシリカゲルカラムクロマトグラフィーと分取HPLCとの両方によって、精製された。
実施例1
(1S,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-N-(4-メトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボキサミド
方法Gを用いて、テトラヒドロフラン(3mL)中の(1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(80mg,0.3mmol)の溶液を、p-メトキシフェニルイソシアン酸(60μL,0.45mmol)と反応させた。後処理、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィーの後に、50mgの(1S,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-N-(4-メトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボキサミド(39%)が得られた。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.36 (s, 1H), 7.33 - 7.27 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 6.84 - 6.77 (m, 4H), 6.59 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 4.36 (m, 2H), 3.96 - 3.86 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.71 (s, 3H), 3.51 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 3.22 - 3.09 (m, 2H), 2.97 (d, J = 13.2 Hz,1H), 2.86 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 2.49 (t, 1H), 1.54 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 1.41 -1.33 (m, 1H), 1.28 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.99 (s, 3H), 0.81 (s, 3H)。HRMS:C25H33N3O3についての計算値 [M+H]+ 424.5558;実測値 424.5142
実施例2
(1S,5S)-N-エチル-6-(4-フルオロフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボキサミド
方法Gを用いて、ジクロロメタン(3mL)とトリエチルアミン(25μL,0.18mmol)との混合物中の(1R,5S)-6-(4-フルオロフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(45mg,0.18mmol)の溶液を、エチルイソシアン酸(14μL,0.18mmol)と反応させた。後処理、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィーの後に、46mgの(1S,5S)-N-エチル-6-(4-フルオロフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボキサミド(80%)が得られた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.02 - 6.81 (m, 2H), 6.59 - 6.41 (m, 2H), 4.45 (s, 1H), 4.26 (dd, J = 13.4 及び 8.2 Hz, 1H), 4.09 (ddd, J = 12.7, 4.3 及び 1.4 Hz, 1H), 3.41 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 3.37 - 3.20 (m, 3H), 3.18 - 3.13 (m, 1H), 3.11(dd, J = 12.7 及び 1.2 Hz, 1H), 2.90 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 2.49 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 1.62 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 1.42 (dd, J = 13.7 及び 6.5 Hz, 1H),1.13 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.05 (s, 3H), 0.87 (s, 3H)。HRMS:C18H26N3FNaOについての計算値 [M+Na]+ 342.1952;実測値 342.1955
実施例3
(1S,5S)-N-エチル-6-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボキサミド
第1の工程において、ジクロロメタン中の(1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(100mg,0.37mmol)の溶液を、ジクロロメタン(1mL,1mmol)中の三臭化ほう素の1M溶液と、室温で、3時間反応させた。反応混合物が酢酸エチルで希釈されて、0℃に冷やされ、水でゆっくりとクエンチされ、次に、酢酸エチルで抽出された。一緒にされた有機相が、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして、減圧下で蒸発されて、50mgの4-((1R,5S)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-6-イル)フェノールを与えた。この残渣は、更なる精製無しに、次の工程において使用された。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ8.61(bs, 1H), 8.42 (bs, 1H), 6.68-6.66 (m, 2H), 6.60 - 6.55 (m, 2H), 3.59 (bd,1H), 3.19 (m, 1H), 1.84 (m, 1H), 1.70 (d, J = 10.1 Hz, 1h), 1.58 (dd, 2H), 1.52 (m, 1H), 1.32-1.22 (m, 1H), 1.18 (t, 1H), 1.09 (s, 3H), 0.80 (s, 3H)。HRMS:C15H23N2Oについての計算値 [M+H]+ 247.1810;実測値 247.1848
第2の工程において、方法Gを用いて、ジメチルスルホキシド(2mL)中の4-((1R,5S)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-6-イル)フェノール(50mg,0.2mmol)の溶液を、N-エチルイソシアン酸(30uL,0.4mmol)と、室温で、一晩反応させた。次に、反応混合物が、水で希釈され、そして、酢酸エチルで抽出された。一緒にされた有機相が、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして、減圧下で蒸発されて、20mgの(1S,5S)-N-エチル-6-(4-ヒドロキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボキサミドを与えた。この残渣は、更なる精製無しに、次の工程において使用された。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.40 (s, 1H), 6.61 (m, 2H), 6.45 (m, 2H), 6.41 (t, J = 5.4 Hz, 1H),4.24 - 4.21 (m, 1H), 4.16 (dd, J = 13.7 及び 8.3 Hz, 1H), 3.38 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 3.13 (dd, J = 10.2 及び 2.4 Hz, 1H), 3.08 -3.00 (m, 3H), 2.80 (dd, J = 13.3 及び 1.2 Hz, 1H), 2.71 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 2.40 (br s, 1H), 1.44 -1.39 (m, 1H), 1.32 - 1.25 (m, 1H), 0.99 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 0.94 (s, 3H), 0.77(s, 3H)。HRMS:C18H27N3O2についての計算値 [M+H]+ 318.2182;実測値 318.2162
第3の工程において、テトラヒドロフラン(2mL)とジメチルホルムアミド(1mL)との混合物中の(1S,5S)-N-エチル-6-(4-ヒドロキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボキサミド(60mg,0.2mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(鉱物油中60%,26mg,0.65mmol)が加えられ、次に、10分後、ブロモエチルメチルエーテル(40mg,0.3mmol)が加えられた。反応混合物が、室温で、一晩撹拌され、次に、水で希釈され、そして、酢酸エチルで抽出された。一緒にされた有機層が、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして、減圧下で蒸発された。結果として生じた残渣が、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製されて、(1S,5S)-N-エチル-6-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボキサミド(8mg,10%)を与えた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ6.95 - 6.85 (m, 2H), 6.62 - 6.53 (m, 2H), 4.42 (s, 1H), 4.29 (dd, J = 13.4 及び 8.2 Hz, 1H), 4.08 (dt, J = 8.2 及び 3.5 Hz, 3H), 3.79 - 3.69 (m, 2H), 3.46 (s, 3H), 3.44 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 3.35 - 3.25 (m, 3H), 3.16 (t, J = 12.8 Hz, 2H), 2.93 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 2.51 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 1.64 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 1.44 (dd, J = 13.7 及び 6.4 Hz, 1H), 1.16 (t, J = 7.2 Hz, 3H),1.08 (s, 3H), 0.90 (s, 3H)。HRMS:C21H33N3O3についての計算値 [M+H]+ 376.2600;実測値 376.2575
方法H
ジクロロメタン(又は、クロロホルム)(0.5~2M)とトリエチルアミン(又は、N,N-ジイソプロピルエチルアミン)(3~10当量)との混合物中の架橋されたホモピペラジン誘導体(1当量)の溶液に、トリホスゲン(0.5~1.4当量)が加えられた。室温で、15~60分の撹拌後に、アミン又はヒドラジン(5~25当量)が加えられた。反応混合物が、室温で、2~72時間撹拌され、次に、塩化アンモニウムの5%水性溶液(又は、重炭酸ナトリウムの飽和水性溶液)、水、そして塩水で洗われ、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして蒸発乾固された。1つの例において、クエン酸の10%水性溶液が、塩基性水性溶液で洗われる前に、有機相を洗うために使用される。結果として生じた残渣が、酢酸エチル中のメタノールのグラジエント(又は、ジクロロメタン中の酢酸エチルのグラジエント、若しくはジクロロメタン中のアセトンのグラジエント)を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製された。幾つかの実施例において、粗生成物が、水中のメタノール(10~100%)のグラジエント(各溶媒中の0.1%のジエチルアミン又は蟻酸を有する)を用いて分取HPLCによって、又はシリカゲルカラムクロマトグラフィーと分取HPLCとの両方によって、精製された。
実施例4
(1S,5S)-N-(2-ヒドロキシエチル)-9,9-ジメチル-6-(4-モルホリノフェニル)-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボキサミド
方法Hを用いて、ジクロロメタン(8.3mL)及びトリエチルアミン(1.16mL,8.30mmol)中の4-(4-((1R,5S)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-6-イル)フェニル)モルホリン(262mg,0.83mmol)の溶液を、トリホスゲン(295mg,1.00mmol)と、次に2-アミノエタノール(496μL,8.30mmol)と反応させた。後処理、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィーの後に、260mgの(1S,5S)-N-(2-ヒドロキシエチル)-9,9-ジメチル-6-(4-モルホリノフェニル)-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボキサミド(78%)が得られた。
1H NMR (500 MHz, MeOD-d4) δ 7.00-6.90 (m, 2H), 6.70-6.60 (m,2H), 4.31-4.19 (m, 2H), 3.83 (t, 4H, J = 4.7 Hz), 3.62-3.56 (m, 3H), 3.32-3.26 (m, 4H), 3.11-2.89 (m, 6H), 2.53-2.47 (m, 1H), 1.59 (d, 1H, J = 13.7 Hz), 1.46 (dd, 1H, J = 13.7 及び 6.5 Hz), 1.05 (s, 3H), 0.88 (s, 3H)。HRMS:C22H35N4O3についての計算値 [M+H]+ 403.2634;実測値 403.2676
下記の実施例化合物が、置換された試薬を用いて、前述の方法論により調製された。
実施例30
(1S,5S)-6-(4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)フェニル)-N-(2-ヒドロキシエチル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボキサミド
方法Hを用いて、ジクロロメタン(10mL)及びジイソプロピルエチルアミン(731μL,4.20mmol)中の(1R,5S)-6-(4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンと(1S,5R)-6-(4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)フェニル)-9,9-ジメチル-2,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(146.6mg,0.420mmol)との混合物を、トリホスゲン(124.6mg,0.420mmol)と、次に2-アミノエタノール(251μL,4.20mmol)と反応させた。後処理後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー及び分取HPLCを行い、16.6mgの(1S,5S)-6-(4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)フェニル)-N-(2-ヒドロキシエチル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボキサミド(9%)が得られた。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 6.92-6.86 (m, 2H), 6.58-6.53 (m, 2H), 6.45 (t, 1H, J = 5.4 Hz), 4.29-4.22 (m, 1H), 4.17 (dd, 1H, J = 13.9 及び 8.2 Hz), 3.45 (d, 1H, J = 4.4 Hz), 3.37 (t, 2H, J = 6.3 Hz), 3.18-3.03 (m, 8H), 2.81 (d, 1H, J = 13.7 Hz), 2.73 (d, 1H, J = 13.7 Hz), 2.41 (t,1H, J = 7.2 Hz), 2.11-1.99 (m, 4H), 1.43 (d, 1H, J = 13.4 Hz), 1.31 (dd, 1H, J = 13.5 及び 6.4Hz), 0.95 (s, 3H), 0.78 (s, 3H)。HRMS: C23H35N4O2F2についての計算値[M+H]+ 437.2683;実測値 437.2809
環Aの修飾を介する代替経路
(1S,5S)-6-(4-ブロモフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチル-中間体F-2
第1の工程において、方法Eを用いて、テトラヒドロフラン(11.1mL)中の(1S,5S)-9,9-ジメチル-6-フェニル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-2-オン(682mg,2.80mmol)の溶液を、水素化アルミニウムリチウムの1.0M溶液(5.6mL,5.60mmol)と反応させた。後処理後、結果として生じた残渣が、ジクロロメタン(14mL)とトリエチルアミン(779mL,5.59mmol)との混合物中に溶解され、そして、それを、ジ-tert-ブチルジカーボネート(834mL,3.63mmol)と、室温で、16時間反応させた。次に、反応混合物が、ジクロロメタン(80mL)で希釈され、水酸化ナトリウムの1M水性溶液(100mL)で洗われ、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして減圧下で濃縮された。粗生成物が、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製されて、670mgの(1S,5S)-9,9-ジメチル-6-フェニル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチル-中間体F-1(73%)を与えた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.29 - 7.20 (m, 2H), 6.73 - 6.61 (m, 3H), 4.57 - 4.24 (m, 2H), 3.48(m, 1H), 3.31 (dd, J = 10.6 及び 2.6 Hz, 1H), 3.25 - 2.95 (m, 2H), 2.86 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 2.46 (m, 1H), 1.65 - 1.52 (m, 2H), 1.47 (br s, 9H), 1.08 (br s, 3H), 0.90 (s,3H)。LRMS(ESI) m/z 275 (M-tBu+2H)+
第2の工程において、N-ブロモスクシンイミド(207mg,1.16mmol)が、テトラヒドロフラン(5.8mL)中の(1S,5S)-9,9-ジメチル-6-フェニル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチル(383mg,1.16mmol)の溶液に加えられた。反応混合物が、室温で、16時間撹拌されて、次に、ハイドロサルファイトナトリウムの飽和水性溶液(5mL)でクエンチされ、5分間激しく撹拌され、そして、水(40mL)で希釈された。水性相が、ジクロロメタン(2×40mL)で抽出された。一緒にされた有機相が、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして減圧下で濃縮された。粗生成物が、(シクロヘキサン中の酢酸エチルの0~15%のグラジエントを用いて)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製されて、無色の油として(1S,5S)-6-(4-ブロモフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチルを与えた(433mg,91%)。
1H NMR (500 MHz,CDCl3) δ 7.34 - 7.28 (m,2H),6.54 - 6.45 (m,2H),4.55 - 4.19 (m,2H),3.40 (m,1H),3.26 (dd,J = 10.5 及び 2.6 Hz,1H),3.19 - 2.93 (m,2H),2.86 (d,J = 13.9 Hz,1H),2.46 (m,1H),1.69 - 1.42 (m,11H),1.08 (s,2H),0.88 (s,3H)。LRMS (ESI) m/z 353/355 (M-tBu+2H)+
方法I.ハロアリールのブッフバルト(Buchwald)置換
tert-ブタノールとトルエン(1:3~1:5,体積/体積)との混合物中の(1S,5S)-6-(4-ブロモフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチル(1当量)の溶液を、酢酸パラジウム(II)又はPd2(dba)3(0.05当量)と反応させ、X-Phos(0.1~0.2当量)及びナトリウムtert-ブトキシド(1~2当量)が、110℃で、2~72時間加熱された。室温まで冷やされた後、反応混合物が、セライトパッドを通じてろ過され、そして減圧下で濃縮された。任意的に、結果として生じた残渣がEtOAc中に溶解され、そして、水、そして塩水で抽出され、MgSO4で乾燥され、ろ過され、そしてエバポレーションされた。粗生成物が、シクロヘキサン若しくはDCM中の酢酸エチルのグラジエント、又はEtOAc中のメタノールのグラジエントを用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製される。
下記の中間体は、下記の方法Iを使用して得られた。
(1S,5S)-6-(4-ブチルフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチル-中間体F-6
無水トルエン(5mL)中の(1S,5S)-6-(4-ブロモフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチル(240mg,0.586mmol)、Pd2dba3(27mg,5モル%)及びXPhos(56mg,20モル%の溶液が、窒素で、5分間脱ガスされた。次に、nBuLi(1.6M,ヘキサン中,0.44mL,0.703mmol)が、室温で撹拌しながら5分間掛けて滴下され、80℃に加熱する前に、18時間撹拌された。次に、反応混合物が飽和水性NH4Clでクエンチされ、そしてジエチルエーテル(40mL)と水性NaHCO3(40mL)との間で分離された。有機相が塩水(40mL)で洗われ、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして濃縮されて、粗生成物を与え、それは2~20%の酢酸エチル/シクロヘキサンで溶出する、シリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製されて、淡黄色の油として(1S,5S)-6-(4-ブチルフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチル(138mg,収率61%)を与えた。LCMS m/z 387.3006 実測値 (M+H)+,,24H39N2O2
(1S,5S)-6-(4-((2-ヒドロキシエチル)チオ)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチル-中間体F-7
PhI(OAc)2(362mg,1.12mmol)が、MeCN(10mL)中の(1S,5S)-9,9-ジメチル-6-フェニル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチル(337mg,1.02mmol)及びNH4SCN(233 mg,3.06mmol)の溶液に加えられた。反応混合物が、室温で、3時間撹拌され、そして次に、H2O(100mL)で希釈された。水性層がDCM(3×80mL)で抽出された。一緒にされた有機層が、MgSO4で乾燥され、そしてろ過された。溶媒が減圧下で除去され、そして、粗生成物が、クロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン 0→25%)によって精製されて、白い泡として(1S,5S)-9,9-ジメチル-6-(4-チオシアナートフェニル)-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチル(362mg,91%)を与えた。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ 7.50 -7.39 (m, 2H), 6.69 - 6.60 (m, 2H), 4.60 - 4.21 (m, 2H), 3.47 (d, J =18.5 Hz, 1H), 3.31 (dd, J = 10.8, 2.7 Hz, 1H), 3.24 - 2.81 (m, 3H), 2.48(m, 1H), 1.65 - 1.57 (m, 1H), 1.51 - 1.40 (m, 10H), 1.10 (s, 3H), 0.90 (s, 3H)。MS (ESI) m/z410 [M+Na]+.
H2O(0.5 mL)中のNa2S.9H2O(223mg,0.929mmol)の溶液が、EtOH(2.1mL)中の(1S,5S)-9,9-ジメチル-6-(4-チオシアナートフェニル)-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチル(360mg,0.929mmol)及び2-ブロモエタノール(73mL,1.02mmol)の溶液に加えられた。反応混合物が、60℃で、3時間撹拌された。室温に冷やされた後、混合物が、H2O(80mL)で希釈され、そしてDCM(3×60mL)で抽出された。一緒にされた有機層が塩水(100mL)で洗われ、MgSO4で乾燥され、そしてろ過された。溶媒が減圧下で除去され、そして粗生成物が、クロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン 0→50%)によって精製されて、無色の油(73mg,19%)として(1S,5S)-6-(4-((2-ヒドロキシエチル)チオ)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチルを与えた。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ 7.37 - 7.29 (m, 2H), 6.59 - 6.52 (m, 2H),4.53 - 4.20 (m, 2H), 3.75 - 3.60 (m, 2H), 3.44 (m, 1H), 3.27 (dd, J = 10.5, 2.6Hz, 1H), 3.20 - 2.94 (m, 2H), 2.92 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 2.86 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 2.53 - 2.34 (m, 2H), 1.56 (t, J = 13.6 Hz, 1H), 1.42 (s, 10H), 1.07 (s,3H), 0.88 (s, 3H)。MS (ESI) m/z 429 [M+Na]+
方法J.Boc脱保護、及び尿素の形成
第1の工程において、塩酸の4.0M溶液中のN-tert-ブトキシカルボニルカルバメートの懸濁物又は溶液及び任意的な、共溶媒が、室温で、0.5~2時間撹拌され、次に、減圧下で濃縮された。次に、残渣が、方法Hを用いて、所望の尿素に転化された。
例では、ジオキサン(18mL)中の塩酸の4.0M溶液中の(1S,5S)-6-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボン酸tert-ブチル(F-3)(1.70g,3.67mmol)の溶液が、室温で、1時間撹拌され、次に、減圧下で濃縮された。次に、残渣が、ジクロロメタン(24mL)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.4mL,13.8mmol)との混合物中に溶解されて、それを、トリホスゲン(410mg,1.38mmol)及びチオモルホリン-1,1-ジオキシド(745.2mg,5.52mmol)と反応させた。後処理、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィーの後に、1.25gの(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)((1S,5S)-6-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)メタノン(86%)が得られた(実施例8)。
下記の実施例化合物が、置換された試薬を用いて、前述の方法論により調製された。
実施例37
(1S,5S)-6-(4-ホルミルフェニル)-N-(2-ヒドロキシエチル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボキサミド
Ac2O(447mL,4.73mmol)が、DCM(16mL)中の(1S,5S)-N-(2-ヒドロキシエチル)-9,9-ジメチル-6-フェニル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボキサミド(1.0g,3.15mmol)の溶液に加えられた。反応混合物が、室温で、16時間撹拌され、そして次に、DCM(100mL)で希釈された。有機層が、H2O(100mL)で洗われ、MgSO4で乾燥され、そしてろ過された。溶媒が減圧下で除去され、そして粗生成物が、クロマトグラフィー(EtOAc/DCM 0→100%)によって精製されて、白い泡として2-((1S,5S)-9,9-ジメチル-6-フェニル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボキサミド)エチルアセテート(933mg,82%)を生じた。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ 7.28 -7.22 (m, 2H), 6.70 (m, 1H), 6.67 - 6.62 (m, 2H), 4.91 (br, 1H), 4.29 (dd, J= 13.4, 8.4 Hz, 1H), 4.25 - 4.16 (m, 2H), 4.09 (ddd, J = 12.8, 4.6, 1.8Hz, 1H), 3.61 - 3.42 (m, 3H), 3.32 (dd, J = 10.5, 2.5 Hz, 1H), 3.22 (dt, J = 10.5, 2.7 Hz, 1H), 3.16 (dd, J = 12.9, 1.4 Hz, 1H), 2.91 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 2.52 (m, 1H), 2.08 (s, 3H), 1.62 (d, J = 13.7 Hz, 1H),1.46 (dd, J = 13.7, 6.5 Hz, 1H), 1.06 (s, 3H), 0.91 (s, 3H)。MS (ESI) m/z360 [M+H]+
塩化オキサリル(192mL,2.26mmol)が、DMF(2.8mL)中の2-((1S,5S)-9,9-ジメチル-6-フェニル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボキサミド)エチルアセテート(203mg,0.565mmol)の溶液に、0℃で滴下された。反応混合物が、室温で、3時間撹拌された。2MのNaOH(2.8mL)が加えられ、そして混合物は、それがEtOAc(40mL)で希釈される前に、更に16時間撹拌された。有機層が、H2O(3×40mL)で洗われ、MgSO4で乾燥され、そしてろ過された。溶媒が減圧下で除去され、そして、粗生成物がクロマトグラフィー(THF/DCM 0→100%)によって精製されて、白い泡(238mg,等量)を生じた。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d)δ 9.70 (s, 1H), 7.73 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.68 (d, J = 8.6 Hz,2H), 5.52 (br, 1H), 4.33 - 4.18 (m, 2H), 3.94 (m, 1H), 3.75 - 3.65 (m, 2H),3.61 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 3.44 - 3.34 (m, 3H), 3.30 (d, J = 11.2Hz, 1H), 3.13 (d, J = 13.3 Hz, 1H), 2.92 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 2.52 (m, 1H), 1.66 (d, J = 13.9 Hz, 1H), 1.49 (dd, J = 13.9, 6.6Hz, 1H), 1.09 (s, 3H), 0.89 (s, 3H). 13C NMR (126 MHz, クロロホルム-d) δ 190.43, 159.47, 153.75, 132.39, 125.55, 110.37, 63.22, 61.13, 50.53, 49.66, 47.90, 44.00, 35.59, 35.41, 31.99, 31.93, 28.82。HRMS (ESI):C19H28N3O3 ([M+H]+)について:計算値 346.2130;観測値 346.2122
実施例38
2-((1S,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)-4,5-ジヒドロオキサゾール
塩化メシル(546μL,7.05mmol)が、ジクロロメタン(16mL)とトリエチルアミン(9.40mmol)との混合物中の(1S,5S)-N-(2-ヒドロキシエチル)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-カルボキサミド(実施例12)(1.70g,4.70mmol)の溶液に加えられた。反応混合物が、室温、1時間撹拌され、次に、水(40mL)が加えられ、そして水性相がジクロロメタン(2×20mL)で抽出された。一緒にされた有機層が、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして、減圧下で蒸発された。結果として生じた残渣が、ジメチルホルムアミド(16mL)中に溶解され、そして、メタンスルフィン酸ナトリウム(930mg,7.74mmol)が加えられた。混合物が、100℃で、24時間撹拌された。室温まで冷やされた後、酢酸エチル(50mL)が加えられ、そして、有機相が、1:1の水/塩水の混合物(3×50mL)で洗われ、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして、減圧下で蒸発された。結果として生じた残渣が、シクロヘキサン中のアセトン(5~100%)のグラジエントを用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製されて、432mgの2-((1S,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)-4,5-ジヒドロオキサゾール(27%)を生じた。
1H NMR (500 MHz,CDCl3) δ 6.89 - 6.80 (m, 2H), 6.59 - 6.50 (m, 2H), 4.35 - 4.26 (m,2H), 4.25 - 4.15 (m, 2H), 3.97 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.79 (t, J = 8.5 Hz, 2H), 3.40 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 3.29 (dd, J = 10.2, 2.3Hz, 1H), 3.21 - 3.13 (m, 2H), 3.03 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 2.46 (m, 1H),1.65 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 1.44 (dd, J = 13.8, 6.5 Hz, 1H), 1.38 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.07 (s, 3H), 0.89 (s, 3H)。HRMS:C20H30N3O2についての計算値 [M+H]+ 344.2333;実測値 344.2335
V.N-アルキルリンカーを有する化合物の合成のための一般的な方法
方法K
無水アセトニトリル(又は、ジメチルホルムアミド又は、テトラヒドロフラン又は、ジクロロメタン)(0.2~1M)中の架橋されたホモピペラジン誘導体(1当量)、アルキルブロミド(又は、クロリド)(1~1.5当量)、及び炭酸セシウム(又はトリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン又は炭酸カリウム)(1.5~5当量)の混合物が、90℃で、マイクロ波照射下で(又は、室温で、80℃まで、マイクロ波照射なしで)、3~4時間(又は、12~96時間、マイクロ波照射なしで)撹拌された。室温まで冷やされた後、反応混合物が、ろ過され、そして減圧下で蒸発されるか、又は、ジクロロメタン(又は、酢酸エチル)で希釈され、そして水、そして塩水で洗われるかのいずれかが行われた。一緒にされた有機層が、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして、減圧下で蒸発された。両方の場合において、結果として生じた残渣が、酢酸エチル中のメタノールのグラジエント、又はシクロヘキサン中の酢酸エチルのグラジエント、又はジクロロメタン中のアセトンのグラジエントを用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製された。幾つかの実施例において、粗生成物が、水中のメタノール(10~100%)のグラジエント(各溶媒中の0.1%のジエチルアミン又は蟻酸を有する)を用いた分取HPLC、又はシリカゲルカラムクロマトグラフィーと分取HPLCとの両方によって精製された。望まれる場合に、酸性塩が、この製品を酸または無水ハロゲン化水素溶液で処理し、引き続き、減圧下で濃縮することによって調製されうる。
実施例39:
4-((1R,5S)-6-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)ブタンニトリル(塩酸塩)
方法Kを用いて、ジメチルホルムアミド(8mL)中の4-(4-((1R,5S)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-6-イル)フェニル)チオモルホリン-1,1-ジオキシド(749mg,1.59mmol)及びブロモブチロニトリル(159μL,1.59mmol)の溶液を、炭酸カリウム(661mg,4.78mmol)と反応させた。後処理、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィーの後に、生成物が、ジオキサン(3.2mL)中の塩化水素の4.0M溶液中で、1時間、室温で撹拌され、そして減圧下で濃縮されて、441.4mgの4-((1R,5S)-6-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)ブタンニトリル塩酸塩(51%)を与えた。
1H NMR (500 MHz, MeOD-d4) δ 6.97 (d, 2H, J = 8.5 Hz), 6.59 (d, 2H, J = 8.5 Hz), 3.61-3.54 (m,4H), 3.40 (d, 1H, J = 5.0 Hz), 3.29-3.23 (m, 1H), 3.22-3.09 (m, 6H), 3.08-3.01 (m, 1H), 2.56-2.48 (m, 3H), 2.47-2.41 (m, 1H), 2.40-2.34 (m, 1H), 2.29 (d, 1H, J = 11.6 Hz), 2.19-2.14 (m, 1H), 1.94-1.73 (m, 3H), 1.37 (dd, 1H, J = 13.1 及び 6.4 Hz), 1.21 (s, 3H), 0.85 (s, 3H)。HRMS:C23H35N4O2Sについての計算値 [M+H]+ 431.2436;実測値 431.2386
下記の実施例の化合物が、置換された試薬を用いて、前述の方法論により調製された。
実施例46
4-((1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)-3-ヒドロキシブタンニトリル
無水アセトニトリル(15mL)中の(1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(500mg,1.82mmol)及び炭酸セシウム(592mg,1.82mmol)の溶液に、(R)-4-クロロ-3-ヒドロキシブチロニトリル(175μL,1.82mmol)が加えられ、結果として生じた混合物が、90℃まで、マイクロ波照射下、4時間加熱された。冷やされた後、混合物がろ過され、そして濾過物が、真空で濃縮された。ピリジン(7mL)及び無水酢酸(7mL)が加えられ、そして、結果として生じた混合物が8時間撹拌された。水が加えられ、そして混合物が酢酸エチルで抽出された。一緒にされた有機抽出物が、水酸化アンモニウムの飽和水性溶液(2×15mL)で洗われ、乾燥され(硫酸マグネシウム)、ろ過され、そして真空で濃縮された。シクロヘキサン中の酢酸エチルのグラジエントを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーは、(R)-1-シアノ-3-((1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)プロパン-2-イルアセテート(383mg,53%)を与えた。この物質の一部(11mg,0.03mmol)に、テトラヒドロフラン(1mL)、メタノール(0.5mL)、水(1mL)及び6Mの水性HCl(0.2mL)が加えられ、そして結果として生じた混合物が、還流下、16時間加熱された。反応が冷やされ、1MのNaOH(1.2mL)でクエンチされ、そしてエーテルで抽出された。一緒にされた有機抽出物は、塩水で洗われ、乾燥され(硫酸マグネシウム)、ろ過され、そして真空で濃縮されて、純粋な4-((1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)-3-ヒドロキシブタンニトリル(9mg,91%)を与えた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 6.86 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.54 (d, J = 8.8 Hz, 2H),3.99 (p, J = 5.4 Hz, 1H), 3.98 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 3.60 (br s,1H), 3.35 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 3.29 (dd, J = 10.1及び2.5 Hz, 1H), 3.16- 3.06 (m, 3H), 2.69 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 2.60 (dd, J = 16.7 及び 5.4 Hz, 1H), 2.53 - 2.47 (m, 3H), 2.40 (m, 1H), 2.29 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 1.77 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 1.45 (dd, J = 12.9 及び 6.6 Hz, 1H), 1.39 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.19 (s, 3H), 0.89 (s, 3H)。HRMS:C21H31N3O2についての計算値 [M+H]+358.2489;実測値 358.2502
実施例47
(1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3-(1-メチルピペリジン-4-イル)-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
ジクロロメタン(30mL)及び酢酸(5mL)中の(1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(750mg,2.7mmol)の溶液を、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(2.65g,42mmol)及び1-メチルピペリジン-4-オン(750mg,7.6mmol)と、室温で、4日間(1-メチルピペリジン-4-オンの追加の4mLが、3日目に加えられた)、反応させた。次に、反応混合物が、重炭酸ナトリウムの水性溶液で中性化され、そして、酢酸エチルで抽出された。一緒にされた有機層が、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして、減圧下で蒸発された。結果として生じた残渣が、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製されて、70mgの(1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3-(1-メチルピペリジン-4-イル)-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(7%)を与えた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 6.89 - 6.82 (m, 2H), 6.57 - 6.50 (m, 2H), 3.99 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.33 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 3.25 (dd, J = 10.0 及び 2.4 Hz, 1H), 3.16 - 2.91 (m, 6H), 2.58 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 2.45 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 2.36 (s, 3H), 2.09 (s,1H), 1.86 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 1.86 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 1.83 - 1.65 (m, 5H), 1.39 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.32 - 1.29 (m, 1H), 1.16 (s, 3H), 0.85 (s, 3H)。HRMS: C23H37N3Oについての計算値 [M+H]+ 372.3015;実測値 372.3384
実施例48
(1R,5S)-3-(2-(1H-ピラゾール-4-イル)エチル)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
2-(1H-ピラゾール-4-イル)エタン-1-オール(300mg,2.7mmol)がDCM(10mL)中に溶解され、DIPEA(1.9mL)が加えられ、そして溶液が0℃に冷やされた。メタンスルホニルクロリド(620μL,8.3mmol)が加えられ、溶液が1時間撹拌され、次に、それはDCM(20mL)で希釈され、そして10%の水性クエン酸(2x20mL)及び水(20mL)で抽出された。有機層が、MgSO4で乾燥され、そしてろ過された。溶媒が減圧下で除去されて、そして、粗生成物がクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc 0→100%)によって精製されて、2-(1-(メチルスルホニル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチルメタンスルホネート(450mg,62%)を生じた。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.20 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 0.8 Hz, 1H),4.39 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.50 (s, 3H), 3.17 (s, 3H), 2.91 (t, J = 6.6, 0.9 Hz, 2H).
(1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(274mg,1mmol)がアセトニトリル(10mL)中に溶解され、2-(1-(メチルスルホニル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチルメタンスルホネート(450mg,1.7mmol)、Na2CO3(210mg,2mmol)及びNaI(300mg,2mmol)が加えられ、そして反応混合物が、還流で、12時間加熱された。溶媒がエバポレーションされ、残渣がEtOAc(30mL)と水(30mL)とに分けられ、有機層が、MgSO4で乾燥され、そしてろ過された。溶媒が減圧下で除去され、そして、粗生成物が、クロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0→40%)によって精製されて、(1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3-(2-(1-(メチルスルホニル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチル)-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(420mg,94%)を生じた。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ 8.10 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 6.76 (d, J = 9.0Hz, 2H), 6.50 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 3.89 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.44 (s, 3H), 3.18 - 3.12 (m, 2H), 3.12 - 2.98 (m, 2H), 2.68 - 2.52 (m, 4H), 2.32(s, 1H), 2.14 (dd, J = 11.4, 3.5 Hz, 2H), 1.69 (d, J = 12.8 Hz,1H), 1.26 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.24 - 1.14 (m, 2H), 0.98 (s, 3H), 0.74(s, 3H)。MS (ESI) m/z 447 [M+H]+
(1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3-(2-(1-(メチルスルホニル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチル)-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(140mg,0.31mmol)が、エタノール(3mL)及び水(3mL)中に溶解された。KOH(112mg,2mmol)が加えられ、そして反応混合物が12時間還流され、次にEtOAc(20mL)で希釈され、そして、飽和水性NH4Cl(2x20mL)及び水(20mL)で抽出された。有機層が、MgSO4で乾燥され、そしてろ過された。溶媒が減圧下で除去されて、(1R,5S)-3-(2-(1H-ピラゾール-4-イル)エチル)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(90mg,79%)を生じた。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.48 (s, 1H), 7.50 (br s, 1H), 7.35 (br s, 1H), 6.76 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 6.51 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 3.89 (q, J = 6.9 Hz,2H), 3.23 - 3.11 (m, 2H), 3.11 - 2.97 (m, 2H), 2.66 - 2.53 (m, 4H), 2.32 (s,1H), 2.15 (t, J = 12.0 Hz, 2H), 1.77 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 1.27 (t, J = 7.0 Hz, 4H), 1.24 - 1.20 (m, 1H), 1.07 (s, 3H), 0.76 (s, 3H)。MS (ESI) m/z369 [M+H]+
VI.N-アシルリンカーを有する化合物の合成の一般的な方法
方法L
無水ジクロロメタン(0.2~1M)中の架橋されたホモピペラジン誘導体(1当量)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1~5当量)との混合物に、酸塩化物(1~1.5当量)が滴下された。室温で、2~16時間撹拌後、反応混合物がジクロロメタン(又は、酢酸エチル)で希釈され、そして、水及び塩水で洗われた。有機層が、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして、減圧下で蒸発された。結果として生じた残渣が、酢酸エチル中のメタノールのグラジエント又はシクロヘキサン中の酢酸エチルのグラジエントを用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製された。
実施例49
4-((1S,5S)-6-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)-4-オキソブタンニトリル
方法Jを用いて、ジクロロメタン(7mL)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(216μL,1.24mmol)との混合物中の4-(4-((1R,5S)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-6-イル)フェニル)チオモルホリン-1,1-ジオキシド(300mg,0.83mmol)の溶液を、3-シアノプロパノイルクロリド(97mg,0.83mmol)と、4時間反応させた。後処理、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィーの後に、241mgの4-((1S,5S)-6-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)-4-オキソブタンニトリル(66%)が得られた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 6.94 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.60 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.87 (dd, J = 13.9 及び 3.3 Hz, 0.6H), 4.62 (dd, J = 13.9 及び 7.3 Hz, 0.4H), 3.97 - 3.90 (m, 1H), 3.63 (t, J = 5.0 Hz, 4H), 3.52 - 3.47 (m, 1H), 3.43 - 3.40 (d, J = 13.2 Hz, 0.4H), 3.47 - 3.28 (m, 1H), 3.24 - 3.14 (m, 5.6H), 3.01 (d, J = 13.7 Hz, 0.4H), 2.92 (d, J = 13.9 Hz, 0.6H), 2.82 - 2.51 (m, 5H), 1.57 - 1.43 (m,2H), 1.06 (s, 1.2H), 1.01, (s, 1.8H), 0.94 (s, 1.2H), 0.91 (s, 1.8H)。HRMS:C23H33N4O3Sについての計算値 [M+H]+ 445.2273;実測値 445.2270
下記の実施例の化合物が、置換された試薬を用いて、前述の方法論により調製された。
方法M
ジクロロメタン(0.5M)中の架橋されたホモピペラジン誘導体(1当量)及び酸(1.1当量)の溶液に、トリエチルアミン(5当量)及び4-ジメチルアミノピリジン(1当量)が0℃で加えられた。0℃で、10分後、エチルカルボジイミド塩酸塩(1.1当量)が加えられ、そして混合物が、室温で、24時間撹拌された。次に、反応混合物が、ジクロロメタンで希釈され、炭酸カリウムの1M水性溶液、塩酸の1M水性溶液、そして塩水で洗われ、無水硫酸ナトリウムで乾燥され、ろ過され、そして減圧下で濃縮された。結果として生じた残渣が、シクロヘキサン中の酢酸エチルのグラジエント又は酢酸エチル中のメタノールのグラジエントを用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製された。
実施例 51
((1S,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン
方法Mを用いて、ジクロロメタン(10mL)中の(1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(200mg,0.729mmol)及びピコリン酸(108mg,0.87mmol)の溶液を、トリエチルアミン(0.5mL,3.64mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(89mg,0.729mmol)及びエチルカルボジイミド塩酸塩(154mg,0.80mmol)と、24時間反応させた。後処理、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィーの後に、61mgの((1S,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン(33%)が得られた。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) (主な回転異性体) δ 8.59 (t, 1H, J = 5.0 Hz), 7.79-7.74 (m, 1H), 7.55 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 7.35-7.29 (m, 1H), 6.87 (d, 2H, J = 8.7 Hz), 6.65-6.46 (m, 2H), 5.07-4.79 (m, 1H), 4.14-3.87 (m, 3H), 3.64-3.45 (m, 1H), 3.36-3.06 (m, 4H), 2.39 (t, 1H, J = 6.4 Hz), 2.02 (d, 1H, J = 13.9 Hz), 1.51-1.43 (m, 1H), 1.40-1.36 (m, 3H), 0.92 (s, 3H), 0.86 (s, 3H)。HRMS:C28H33N4O2についての計算値 [M+H]+ 457.2598;実測値 457.2586
下記の実施例の化合物が、置換された試薬を用いて、前述の方法論により調製された。
実施例53
2-アミノ-N-(2-((1S,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)-2-オキソエチル)アセトイミダミド
(1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(411mg,1.5mmol)が乾燥DMF(8mL)中に溶解され、HATU(684mg,1.8mmol)、DIPEA(1.7mL)及びBoc-N-グリシン(262mg,1.5mmol)が加えられ、そして反応混合物が、72時間、室温で撹拌された。反応混合物がAcOEt(100mL)で希釈され、そして水(50mL)、10%の水性クエン酸(50mL)、飽和Na2CO3(50mL)、そして水(50mL)で抽出された。有機層が、MgSO4で乾燥され、そしてろ過された。溶媒が減圧下で除去され、そして粗生成物がクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン 0→50%)によって精製されて、tert-ブチル(2-((1S,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)-2-オキソエチル)カルバメート(620mg,96%)を与えた。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 6.79 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.76-6.67 (m, 1H), 6.58 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 4.70-4.47 (m, 1H), 3.98 - 3.81 (m, 4H), 3.79-3.64 (m, 1H), 3.56- 3.46 (m, 1H), 3.21-3.14 (m, 1H), 3.17 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 3.09 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 2.70 (2d, J = 13.8 Hz, 1H), 2.50-2.43 (m, 1H), 1.51-1.31 (m, 2H), 1.39 (s, 9H), 1.27 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.02, 0.89 (2s, 3H), 0.80, 0.78 (2s, 3H)。MS (ESI) m/z 432 [M+H]+
tert-ブチル(2-((1S,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)-2-オキソエチル)カルバメート(350mg,0.81mmol)がDCM(4mL)中に溶解され、ジオキサン(2mL)中の4MのHClが加えられ、そして反応混合物が、1.5時間撹拌された。溶媒がエバポレーションされ、DCM(5mL)が加えられ、そして溶媒が、再びエバポレーションされた。DCMの添加及び再エバポレーションがもう一度繰り返された。2-アミノ-1-((1S,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)エタン-1-オンジヒドロクロリドが、ピンクの固体として得られた(320mg,97%)。それは、精製無しに次の工程において用いられた。
2-アミノ-1-((1S,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)エタン-1-オンジヒドロクロリド(90mg,0.22mmol)がエタノール(5mL)中に溶解され、トリエチルアミン(140mL,1mmol)が加えられ、引き続き、ベンジル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エタンイミドチオエートヒドロブロミド(Collins,Shearer等,1998年)(80mg,0.22mmol)が加えられた。反応混合物が、室温で、12時間撹拌され、次に、溶媒がエバポレーションされ、そして残渣が、クロマトグラフィー(EtOAc/MeOH 0→20%)によって精製されて、tert-ブチル(2-((2-((1S,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-イミノエチル)カルバメート(95 mg,86%)を生じた。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.05 (s, 2H), 8.87 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 7.46 (s, 1H), 6.80 (d, J = 9.7 Hz, 2H), 6.60 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 4.49-4.30 (m, 2H),4.29-4.09 (m, 2H), 4.04-3.97 (m, 2H), 3.90 (d, J = 10 Hz, 2H), 3.88-3.81 (m,1H), 3.60 - 3.53 (m, 1H), 3.21 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 3.17 - 3.08 (m,2H), 2.79 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 1.52-1.33 (m, 2H), 1.41 (s, 9H), 1.27 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.04, 0.91 (2s, 3H), 0.81 (d, J = 20.5 Hz, 3H)。MS(ESI) m/z 488 [M+H]+
tert-ブチル(2-((2-((1S,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-イミノエチル)カルバメート(90mg,0.18mmol)が、DCM(3mL)中に溶解され、ジオキサン(2mL)中の4MのHClが加えられ、そして、反応混合物が、1.5時間撹拌された。溶媒がエバポレーションされ、DCM(5mL)が加えられ、そして溶媒が、再びエバポレーションされた。DCMの添加及び再エバポレーションがもう一度繰り返された。2-アミノ-N-(2-((1S,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)-2-オキソエチル)アセトイミダミド三塩酸塩(62mg,69%)が得られた。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.78 (br s, 2H), 9.43 (s, 1H), 8.70 (s, 3H), 6.88 - 6.73 (m, 2H),6.61 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 4.67 (d, J = 15 Hz, 1H), 4.44 (d, J =17.5 Hz, 1H), 4.36 - 4.13 (m, 2H), 4.02 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 3.90 (qd, J = 8.7, 8.0, 6.0 Hz, 3H), 3.62 - 3.53 (m, 1H), 3.24 - 3.08 (m, 4H), 2.83 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 1.51 - 1.34 (m, 2H), 1.27 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.98 (2s, 3H), 0.82 (2s, 3H)。MS (ESI) m/z 388 [M+H]+
VII.N-スルホニルリンカー又はN-スルホンアミドリンカーを有する化合物の合成の一般的な方法
方法N
ジクロロメタン(又は、1,2-ジクロロエタン)(0.3~0.5M)とトリエチルアミン(又は、ピリジン若しくはN,N-ジイソプロピルエチルアミン)(1~2当量)との混合物中の架橋されたホモピペラジン誘導体(1.0当量)の溶液に、スルホニルクロリド又はスルファモイルクロリド(1~3当量)が加えられた。触媒量の4-ジメチルアミノピリジン(0.25当量)がまた加えられた。反応混合物が、室温で、12~24時間撹拌され、次にジクロロメタン(又は、酢酸エチル)で希釈され、そして塩基性水性溶液(重炭酸ナトリウム又は、水酸化ナトリウムの2.0M溶液で飽和された)、水又は塩水で洗われた。次に、有機相が、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして蒸発乾固された。結果として生じた残渣が、シクロヘキサン中の酢酸エチルのグラジエントを用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製された。
実施例54
(1S,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3-(プロピルスルホニル)-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
方法Nを用いて、ジクロロメタン(3mL)とピリジン(25μL,0.3mmol)との混合物中の(1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(70mg,0.26mmol)の溶液を、プロパン-1-スルホニルクロリド(34μL,0.3mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(5mg,0.045mmol)と反応させた。後処理、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィーの後に、30mgの(1S,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3-(プロピルスルホニル)-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(30%)が得られた。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 6.78 (d, J = 9.0Hz, 2H), 6.57 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 3.95 (dd, J = 12.3, 4.8 Hz, 1H), 3.90 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.82 - 3.78 (m, 1H), 3.57 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 3.20 - 3.17 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 3.07 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 3.03 - 2.87 (m, 3H), 2.46 - 2.41 (m,1H), 1.75 - 1.52 (m, 5H), 1.35 (dd, J = 13.2, 6.4 Hz, 1H), 1.27 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.12 (s, 3H), 0.93 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 0.79 (s, 3H)。HRMS:C20H33N2O3Sについての計算値 [M+H]+ 381.2341;実測値 381.2178
下記の実施例の化合物は、置換された試薬を用いて、前述の方法論により調製された。
VIII.N-アリールリンカーを有する化合物の合成
実施例58
N-(4-((1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)フェニル)アセトアミド (8721)
(1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(274mg,1mmol)が乾燥DMF(3mL)中に溶解され、4-フルオロニトロベンゼン(141mg,1mmol)及びK2CO3(166mg,1.2mmol)が加えられ、そして反応混合物が、85℃で、48時間加熱された。冷却後、反応混合物が水(30mL)で希釈され、そして黄色の析出物がろ過によって回収され、そしてデシケーター中でKOHで乾燥されて、(1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3-(4-ニトロフェニル)-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(350mg,89%)を生じた。MS (ESI) m/z396 [M+H]+
(1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3-(4-ニトロフェニル)-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(300mg,0.76mmol)がエタノール(25mL)中に懸濁され、活性炭素(150mg)上の10%のパラジウムが加えられ、そして反応混合物が、水素の環境下で、5時間撹拌された。触媒がろ過され、溶媒がエバポレーションされ、そして、粗生成物が、クロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0→30%)によって精製されて、4-((1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)アニリン(150mg,54%)を生じた。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 6.77 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 6.71 (d, J = 8.3 Hz, 2H),6.56 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 6.47 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 4.56 (s, 2H), 3.89 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.56 (dd, J = 11.6, 4.7 Hz, 1H), 3.48 (s, 2H), 3.22 (dd, J = 10.3, 2.6 Hz, 1H), 3.10 (d, J = 10.2 Hz,1H), 2.74 (d, J = 12.0 Hz, 2H), 2.44 (s, 1H), 1.83 (d, J = 13.0Hz, 1H), 1.35 (dd, J = 13.0, 6.3 Hz, 1H), 1.27 (t, J = 7.0 Hz,3H), 1.14 (s, 3H), 0.82 (s, 3H)。MS (ESI) m/z 366 [M+H]+
4-((1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)アニリン(75mg,0.2mmol)がDCM(2mL)中に溶解され、DIPEA(92mL,0.5mmol)が加えられ、引き続き、無水酢酸(19mL,0.2mmol)が加えられた。反応混合物が、48時間、室温で撹拌され、次に、それはDCM(20mL)で希釈され、そして、10%の水性クエン酸(2x20mL)及び水(20mL)で抽出された。有機層が、MgSO4で乾燥され、そしてろ過された。溶媒が減圧下で除去され、そして、粗生成物が、クロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0→25%)によって精製されて、N-(4-((1R,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)フェニル)アセトアミド(14mg,17%)を生じた。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.66 (s, 1H), 7.37 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 6.86 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 6.78 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 6.59 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 3.90 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.78 (dd, J = 12.3, 7.9 Hz, 2H), 3.55 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 3.24 (dd, J = 10.3, 2.6 Hz, 1H), 3.13 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 2.83(d, J = 12.0 Hz, 2H), 1.98 (s, 3H), 1.73 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 1.43 - 1.36 (m, 1H), 1.27 (t, J = 6.9 Hz, 4H), 1.06 (s, 3H), 0.83 (s,3H)。MS (ESI) m/z 408 [M+H]+
中間体:
(1R,5S)-3-(1,1-ジオキシドチオモルホリン-4-カルボニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-6-カルボン酸tert-ブチル
アセトニトリル(30mL)及び水(10mL)中の(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)((1S,5S)-6-(4-エトキシフェニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)メタノン(1.07g,2.46mmol)の0℃の溶液に、硝酸セリウムアンモニウム(4.03g,7.36mmol)が、少量ずつ加えられ、そして混合物が、室温で、5時間撹拌された。アセトニトリルが。減圧下で除去され、そして、水(20mL)及びジクロロメタン(40mL)が加えられた。この混合物は強く撹拌され、次に、反応が、NaHCO3(10%水性溶液)及びNa2S2O3(10%水性溶液)の滴下によってクエンチされた。ジ-tert-ブチルジカーボネート(2.00g,9.16mmol)が加えられ、そして、混合物が、16時間、強く撹拌された。結果として生じたエマルジョンが、セライトを通じてろ過された(ジクロロメタン)。相が分離され、そして水性相が、ジクロロメタン(3×30mL)で、pH=9で抽出された。一緒にされた有機相が食塩水で洗浄され、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして、減圧下で蒸発された。カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル)は、(1R,5S)-3-(1,1-ジオキシドチオモルホリン-4-カルボニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-6-カルボン酸tert-ブチル(334mg,33%)を与えた。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) 回転異性体の混合物として観察された: δ 4.25 (dd, J = 13.8, 8.0 Hz, 0.6H), 4.19 (dd, J = 13.8, 8.0 Hz, 0.3H), 3.95 - 3.80 (m, 2H), 3.80 - 3.71 (m, 2H), 3.69 - 3.58 (m, 2H), 3.51 (dt, J = 12.2, 2.7 Hz, 0.3H), 3.45 (dt, J = 12.2, 2.7 Hz, 0.6H), 3.29 (dd, J =12.9, 1.4 Hz, 0.6H), 3.25 - 3.16 (m, 3.3H), 3.04 - 2.94 (m, 2H), 2.90 (ps t, J = 14.4 Hz, 1H), 2.42 (t, J = 7.6 Hz, 0.3H), 2.37 (d, J = 7.6 Hz, 0.6H), 1.67 - 1.59 (m, 1H), 1.41 - 1.33 (m, 1H), 1.49 (s, 9H), 1.00 (s, 3H),0.93 (s, 3H)。HRMS:C15H26N3O5Sについての計算値 [(M-tBu)+H]+360.1593;実測値 360.1584
方法O
ジクロロメタン又はジエチルエーテル(0.1M)中のBoc保護されたホモピペラジン(1当量)の溶液に、トリフルオロ酢酸又はHCl(ジオキサン中の4.0M)の半分又は等量が加えられた。1~4時間、室温で撹拌後、反応物は減圧下で濃縮されて、tert-ブタノール及びトルエン(1:3体積/体積,基質中、0.1Mまで)が加えられ、引き続き、ホスフィン配位子(0.1~0.2当量)、酢酸パラジウム(II)(0.05~0.1当量)、ナトリウムtert-ブトキシド(2~6当量)、及びアリールハライド(1.2~1.5当量)が加えられた。反応混合物が、4~72時間、110℃に加熱された。冷やされた後、揮発性成分が真空で除去され、残渣がジクロロメタン中に溶解され、そしてセライトを通じてろ過された。濾過物が、減圧下で濃縮された。粗生成物が、シクロヘキサン又はジクロロメタン中の酢酸エチルのグラジエント又は酢酸エチル中のメタノールのグラジエントを用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製された。
実施例63
((1S,5S)-6-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)メタノン
方法Oを用いて、(1R,5S)-3-(1,1-ジオキシドチオモルホリン-4-カルボニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-6-カルボン酸tert-ブチル(100mg,0.24mmol)を、ジクロロメタン(2mL)中、リフルオロ酢酸(1mL)と、1時間反応させた。揮発成分が減圧下で除去されて、粗生成物((1S,5S)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)メタノン(83mg)を与えた。tert-ブタノール及びトルエン(2mL,1:3体積/体積)が加えられ、引き続き、X-Phos(11.5mg,0.02mol)、酢酸パラジウム(II)(2.7mg,0.01mol)、ナトリウムtert-ブトキシド(116mg,1.20mmol)、及び6-ブロモ-1,4-ベンゾジオキサン(39μL,0.29mmol)が加えられた。反応混合物が、24時間、110℃に加熱された。冷やされた後、揮発性成分が真空で除去された。後処理、そしてカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル)は、((1S,5S)-6-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)メタノン(25mg,23%)を与えた。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ 6.79 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.16 (s, 2H), 4.31 - 4.16 (m,6H), 3.92 (d, J = 10.0 Hz, 2H), 3.80 - 3.71 (m, 1H), 3.69 - 3.58 (m,1H), 3.36 (d, J = 11.8 Hz, 3H), 3.26 - 3.09 (m, 1H), 3.04 - 2.91 (m,1H), 2.53 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.18 (s, 2H), 1.67 (d, J = 13.9Hz, 2H), 1.44 (dd, J = 13.9, 6.6 Hz, 1H), 0.96 (s, 3H), 0.90 (s, 3H)。HRMS:C22H32N3O5Sについての計算値 [M+H]+ 450.2063;実測値 450.2047
下記の実施例の化合物が、置換された試薬を用いて、前述の方法論により調製された。
実施例68:
(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)((1S,5S)-6-(4-メトキシシクロヘキシル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)メタノン
ジエチルエーテル(1mL)中の(1R,5S)-3-(1,1-ジオキシドチオモルホリン-4-カルボニル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-6-カルボン酸tert-ブチル(102mg,0.25mmol)にHCl(4.0M,ジオキサン中,3mL)が加えられ、そして、反応物が、室温で、1時間撹拌された。揮発性成分が減圧下で除去され、そして残渣がジクロロエタン(2.5mL)中に溶解された。4-メトキシシクロヘキサノン(38μL,0.29mmol)が滴下され、引き続き、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(104mg,0.49mmol)及び酢酸(2滴,触媒量)が加えられ、反応物が、4時間撹拌された。水(3mL)及びジエチルエーテル(3mL)が加えられ、そして、水性相が、水酸化ナトリウム(2M溶液)を用いて、pH=12にされた。相が分離され、そして、水性相が、ジエチルエーテル(3×5mL)で抽出された。一緒にされた有機相が食塩水で洗浄され、無水硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、そして、減圧下で蒸発された。カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル)が、(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)((1S,5S)-6-(4-メトキシシクロヘキシル)-9,9-ジメチル-3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)メタノン(25mg,24%)を与えた。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ 4.07 (dt, J = 13.4, 7.8 Hz, 1H), 3.79 - 3.69 (m, 3H), 3.69 - 3.60 (m, 2H), 3.36 - 3.28 (m,4H), 3.25 - 3.15 (m, 2H), 3.14 - 3.03 (m, 1H), 3.02 - 2.94 (m, 1H), 2.92 - 2.76 (m, 2H), 2.70 - 2.54 (m, 2H), 2.30 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 2.12 - 1.60 (m,5H), 1.59 - 1.46 (m, 3H), 1.37 - 1.20 (m, 4H), 1.03 (s, 3H), 0.85 (s, 3H)。HRMS: C21H38N3O4Sについての計算値 [M+H]+428.2583;実測値 428.2579
材料及び方法
包嚢アッセイ(Tang等,2017年)におけるLOX活性
細胞培養及びトランスフェクション
本研究において用いられた全ての細胞株が、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC:American Type Culture Collection)から購入された。マイコプラズマ汚染が、PCRによって日常的に監視された。使用された細胞は、マイコプラズマ陽性であるとわからなかった。MDCK細胞株が、10%ウシ胎児血清(FBS:fetal bovine serum)及び1%ペニシリンストレプトマイシン溶液(Pen Strep)で補充された(DMEM:Dulbecco’s Modified Eagle Medium)中で培養された。MDCK細胞におけるGFP構築物トランスフェクションのために、リポフェクタミン3000が、製造者のプロトコルに従って用いられた。細胞は、いずれも5mg/mlでG418(Life Technologies)を用いて選択された。全ての細胞培養試薬が、Life Technologiesから購入された。
MDCK包嚢を作製するために、細胞が、10%FBSを含むDMEMで補充された2%マトリゲルを含むマトリゲル(Corning)で培養された。包嚢は、青の後の研究の前に10日間形成された。
LOX発現構築物のクローニング
マウスのLOX cDNAが、OriGeneから購入された。次に、完全長のLOX cDNAが、下記のプライマー,GAGAGAGCTAGCATGCGTTTCGCCTGGG(順方向プライマー)及びTCTCTCCTCGAGATACGGTGAAATTGTGCAGCC(逆方向プライマー),を用いてpEGFP-N1(Clonetech)又はバイオセンサーベクターproGFP2-N1(Hanson,2004年)内にPCRクローニングされた。従って、pEGFP-N1又はproGFP2-N1内への挿入のために、NheI及びXhoI制限部位が順方向プライマー及び逆方向プライマーに追加された。変異型LOX構築物が、テンプレートとしてLOX-GFPを用いて、製造元のプロトコルに従って、QuickChange II部位特異的変異誘発キット(Agilent Technologies)を用いて作成された。LOX変異型構築物のroGFP2バージョンを生成するために、LOX変異型cDNAが、NheI及びXhoIを用いてpEGFP-N1からproGFP2-N1へ写された。
共焦点イメージング及び画像解析
全ての顕微鏡写真は、ライカ(Leica)TCS SP8 X共焦点システムで撮影された。LOXバイオセンサーイメージングのために、生の(live)MDCK包嚢が使用された。酸化されたバイオセンサーは405nmのレーザーを用いて励起され、一方、還元されたバイオセンサーは488nmのレーザーで励起された。バイオセンサーの発光は、連続スキャンを用いて、500nm~530nmの範囲で記録された。比率の画像は、公開されたプロトコル{Kardash,2011年#376}に従って生成された。公開されたプロトコルはYFP/CFP比の画像を生成するが、本発明者等はそれを用いて、酸化された(Oxidised)/還元された(Reduced)(roGFP2比)比の画像を生成した。MDCK包嚢の底面でのroGFP2比が、LOX阻害を示すために用いられた。LOX阻害剤が、イメージングの前に30分間加えられた。
(DMSOビヒクルで処理された)対照の包嚢と比較した、LOX阻害剤による包嚢アッセイにおけるLOXの阻害が表1に示されている。明確にするために、DMSO処理された包嚢の読み取り値は0%阻害(阻害無し)を表し、且つ1mMでのBAPNの読み取り値は100%阻害(完全阻害)として使用される。
LOX阻害剤のイン・ビボ(in vivo)評価
動物の手順
動物に関する全ての手順は、1986年の動物(科学的手順)法に基づく国内総局の規制に従って且つ国立癌研究所の委員会のガイドラインに従って、癌研究所及び癌研究英国マンチェスター研究所の動物福祉及び倫理審査機関により承認された。腫瘍のサイズは、腫瘍の長さ、幅、深さのキャリパー測定によって決定され、且つ体積は、体積=0.5236x長さx幅x深さ(mm)として計算された。動物実験を行うための我々のライセンスに従って、動物が苦痛、過度の体重減少(>20%)又は病気の兆候を示した場合、該動物は実験から除外された。
LOX阻害剤の経口耐性
6週齢の2匹のCD1、NCR又はBalb/c雌マウスが、20gの体重当たり0.2mlで、水中の、5.25%のTween20/生理食塩水(体積:体積)又は5%のDMSOにおいて、治療のために計画された用量(200mg/kg/日)で試験化合物の懸濁物を、1日に1回、連続4日間、金属強制飼養によってpo投与された。
マウスは最後の投与後、最大15日間観察され、そしてそれらの体重は4日毎に測定された。体重が72時間を超えて20%超低下しない場合、化合物は耐容であると見なされる。
イン・ビボ(in vivo)で試験された本発明の化合物は、試験された用量で良好な耐容性を示し、且つ5%未満の体重減少を示すか、又は耐容性試験において及び更により長い治療試験において体重増加を示す。
イン・ビボ(in vivo)腫瘍モデル研究
PDAC同種移植:6週齢のCD1 nu/nu雌マウスが、右側腹部に、動物1匹当たり、100ulの懸濁液で2x106個のPDAC TRP53 R172H(p53 mut)細胞を皮下に接種された。幾つかの実実施例において、金属強制飼養による経口投与が、細胞接種後、1日後に、動物1匹当たり1日0.2ml/20g体重で、2~4週間、1日1回、5.25%のtween20/生理食塩水又は5%のDMSO/水に溶解された化合物を用いて開始された。他の実施例において、7~8匹のマウスのグループが、約100mm3の中央値サイズを有する腫瘍体積を層化に割り当てた後の処置に割り当てられた。金属強制飼養による経口投与が、10日目当たり、動物当たり、0.2ml/20g体重で、2週間、1日1回、5.25%のtween20/生理食塩水又は5%のDMSO/水に溶解された化合物を用いて開始された。対照動物は、同様の用量のビヒクル(5.25%のtween20/生理食塩水)を受けた。腫瘍及び体重は、1週間に2回、キャリパーを用いて測定される。研究の終わりに、動物が殺処分され、そしてサンプルが採取され、固定され又は液体窒素で瞬間凍結される。凍結サンプルは分析されるまで摂氏-80℃に保たれ、そして固定化されたサンプルが目的のマーカーに従って染色された。
SW620異種移植:NCrマウスが、右側腹部に、動物1匹当たり、100ulの懸濁液で5x106個のSW620細胞を皮下に接種された。7~8匹のマウスのグループが、約100mm3の中央値サイズを有する腫瘍体積を層化に割り当てた後の処置に割り当てられた。投与が、10~13日目に、動物1匹当たり0.2ml/20g体重で、2週間、1日1回、開始された。投薬は、0.2ml/20g体重で、5.25%のtween20/生理食塩水又は5%のDMSO/水に溶解された化合物を用いて、金属強制飼養によって経口的に投与された。対照動物は、同様の用量のビヒクル(5.25%のtween20/生理食塩水、又は5%のDMSO/水)を受けた。腫瘍及び体重は、1週間に2回、キャリパーを用いて測定される。研究の終わりに、動物が殺処分され、そしてサンプルが採取され、固定され又は液体窒素で瞬間凍結される。凍結サンプルは分析されるまで摂氏-80℃に保たれ、そして固定化されたサンプルが目的のマーカーに従って染色された。
MDA-MB-231異種移植。Charles Riverからの6週齢のNcrヌード雌マウスが、100ul PB(50:50マトリゲル)中のMDA-MB-231 Luc 4x10^6で、3番目の上部乳首乳脂肪パッド中に注射された。細胞接種後、腫瘍が約10日で平均80mm3に達すると、該動物は8匹の4つのグループに割り当てられる。次に、LOX阻害剤処置が、0.2ml/20gの体重で、1日1回、最大28日間連続して行われる。腫瘍及び体重は、1週間に2回、キャリパーを用いて測定され、そして、該動物は、IVIS 200イメージングマシンを用いた生物発光による非浸潤的方法を用いて、毎週150mg/kgのルシフェリンを用いて腹腔内又は皮下に投与して画像化されることができる。研究の終わりに、動物が殺処分され、そしてサンプルが採取され、固定され又は液体窒素で瞬間凍結される。凍結サンプルは分析されるまで摂氏-80℃に保たれ、そして固定化されたサンプルが目的のマーカーに従って染色された。
トランスジェニックマウス乳癌モデルのLOX阻害剤処置
MMTV-PyMT(Guy等,1992年)(FVB)雌マウスは、該動物は腫瘍が検出されなかった場合に、生後70日からLOX阻害剤処置グループに非統計的方法によって無作為化された。マウスは、ビヒクル中のLOX阻害剤での強制経口投与によって毎日、又は強制経口投与による毎日のビヒクル(水中の5%のDMSO/2.5%のTween20)によって処置された。腫瘍サイズは、腫瘍の長さ、幅、及び深さのノギス測定によって盲検で決定され、そして体積は、0.5236×長さ×幅×深さ(mm)として計算された。全ての実験において、マウスが、人道的に殺され、そして原発腫瘍が倫理的限界又は健康状態の兆候に達したときに、乳腺腫瘍及び肺が集められた。
処置の有効性の評価について、化合物処置とビヒクル対照処置との間のの平均腫瘍体積の比率(T/C)が計算されます。ビヒクル処置された対照群と比較して、化合物処置群の腫瘍体積における減少は、T/C<1を結果として生じる。膵臓癌モデル、結腸直腸癌モデル、及び乳癌モデルにおいてT/Cによって測定された通り、本発明に記載されているLOX阻害剤の有効性は、表2に示されており、且つ、、でT/Cによって測定されます。をに示し、提示された全てのデータについて有意(p<0.05)である。
肺転移の定量化のため、全てのマウス組織サンプルが、10%のホルマリン(Sigma)中で固定さて、そしてパラフィン中に包埋された。サンプルが切断され、そしてヘマトキシリン及びエオシン(H&E)で染色された。サンプルが、ライカSCN400スライドスキャナーを用いて画像化された。肺転移は、ImageScopeのペンツールを使用して手動で選択された。肺転移数がカウントされ、そして面積がImageScopeを用いて測定され。研究者は実験群を知らされていなかった。化合物処置とビヒクル対照処置との間の平均転移面積の比率(T/C)が計算される。化合物処置とビヒクル対照処置(T/C)との間の平均転移数の比率がまた計算される。転移領域における減少及び/又はビヒクル処置対照群と比較した化合物処置群の転移数における減少は、T/C<1を結果として生じた。肺への乳癌転移のモデルにおいてT/Cによって測定される場合に、本発明に記載されているLOX阻害剤の抗転移効果が、表2に示されており、且つ提示された全てのデータについて有意である(p<0.05)。
有意性,p<0.05
特に明記されない限り、全ての値はT/Cであり、全ての容量は、200mg/kg po qdである。
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