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JP7217391B1 - 複合体及びその製造方法、並びに、積層体及びその製造方法 - Google Patents

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JP7217391B1 JP2022554354A JP2022554354A JP7217391B1 JP 7217391 B1 JP7217391 B1 JP 7217391B1 JP 2022554354 A JP2022554354 A JP 2022554354A JP 2022554354 A JP2022554354 A JP 2022554354A JP 7217391 B1 JP7217391 B1 JP 7217391B1
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Abstract

本開示の一側面は、多孔質の窒化物焼結板と、上記窒化物焼結板の気孔に充填された第1樹脂と、を含む樹脂充填板と、上記樹脂充填板の主面上の少なくとも一部に設けられた、第2樹脂を含む半硬化樹脂層と、を有し、上記第1樹脂の硬化率が70%以上であり、上記半硬化樹脂層が熱硬化性樹脂を含有する、複合体を提供する。

Description

本開示は、複合体及びその製造方法、樹脂充填板、並びに、積層体及びその製造方法に関する。
パワーデバイス、トランジスタ、サイリスタ、及びCPU等の部品においては、使用時に発生する熱を効率的に放熱することが求められる。このような要請から、従来、電子部品を実装するプリント配線板の絶縁層の高熱伝導化を図ったり、電子部品又はプリント配線板を、電気絶縁性を有する熱インターフェース材(Thermal Interface Materials)を介してヒートシンクに取り付けたりすることが行われてきた。このような絶縁層及び熱インターフェース材には、放熱部材として、樹脂と窒化ホウ素等のセラミックスとで構成される複合体が用いられる。
このような複合体として、多孔性のセラミックス焼結体(例えば、窒化ホウ素焼結体)に樹脂を含浸させた複合体が検討されている(例えば、特許文献1参照)。また、回路基板と樹脂含浸窒化ホウ素焼結体とを有する積層体において、窒化ホウ素焼結体を構成する一次粒子と回路基板とを直接接触させて、積層体の熱抵抗を低減し、放熱性を改善することも検討されている(例えば、特許文献2参照)。
国際公開第2014/196496号 特開2016-103611号公報
高電圧下で使用される回路基板等と共に使用される複合体にはより絶縁性に優れることが求められる。
本開示は、被着体への接着後に優れた絶縁性を発揮し得る複合体及びその製造方法を提供することを目的とする。本開示はまた、上述の複合体を調製するために好適な樹脂充填板を提供することを目的とする。本開示はまた、優れた絶縁性を有する積層体及びその製造方法を提供することを目的とする。
上述のような複合体では樹脂部が半硬化状態に維持されており、金属シート等の被着体との接続時に樹脂を更に硬化させることによって接着性の向上を図っている。本発明者らは検討によって、樹脂が半硬化状態であり接続時の加熱によって流動的となることで、複合体の側面から樹脂の一部が流れ出し、複合体中の樹脂量の低下、ボイド等の発生を招き、期待し得るほどの絶縁性が発揮されない場合があることを見出した。本開示は、当該知見に基づいてなされたものである。
本開示の一側面は、多孔質の窒化物焼結板と、上記窒化物焼結板の気孔に充填された第1樹脂と、を含む樹脂充填板と、上記樹脂充填板の主面上の少なくとも一部に設けられた、第2樹脂を含む半硬化樹脂層と、を有し、上記第1樹脂の硬化率が70%以上であり、上記半硬化樹脂層が熱硬化性樹脂を含有する、複合体を提供する。
上記複合体は、樹脂充填板に充填されている第1樹脂の硬化率が比較的高くなっていることによって、被着体に接続する際の樹脂の流れ出しが抑制され得る。樹脂充填板に充填された樹脂は硬化率が高いためにそれ自体では十分な接着性を有しない。しかし、上記複合体は、樹脂充填板の主面上の少なくとも一部に半硬化樹脂層を更に有する。これによって、上記複合体は、被着体への接着性に優れ、且つ優れた絶縁性を発揮し得る。
上記第1樹脂の硬化率と上記第2樹脂の硬化率との差が30%以上であってよい。第1樹脂の硬化率が第2樹脂の硬化率よりも30%以上硬化が進んだ状態であることによって、被着体への接続時における樹脂の流れ出しをより低減し、接着性も十分に確保することができる。
上記第1樹脂の硬化率が90%以下であってよい。第1樹脂の硬化率が90%以下であることによって、柔軟性を適度に確保することができ、流通時、被着体への加圧接着時などにおいて複合体が破損等することをより抑制できる。
上記半硬化樹脂層の厚さが、上記窒化物焼結板の厚さの0.5~25.0%であってよい。半硬化樹脂層の厚さが上記範囲内であることによって、接着性と放熱性とをより高水準で両立可能な積層体を調製できる。
上記樹脂充填板の主面における表面粗さRzが3~25μmであってよい。樹脂充填板の主面における表面粗さRzが上記範囲内であることによって、樹脂充填板と半硬化樹脂層との接着力をより向上させることができ、樹脂充填板と半硬化樹脂層との界面に空隙等ができることを抑制し、複合体内部での放熱性の低下をさらに抑制できる。このような作用によって、上記樹脂充填板は、接着性と放熱性とをより高水準で両立可能な積層体を調製するために好適に使用できる。
上記窒化物焼結板のメジアン細孔径が0.3~6.0μmであってよい。窒化物焼結板のメジアン細孔径が上記範囲内であることで、第1樹脂の充填性を向上させ、且つ窒化物焼結板の熱伝導率を向上させることができる。また上記充填性を確保することで第2樹脂との濡れ性を向上することもでき、樹脂充填板と半硬化樹脂層との接着性をより向上することができる。
本開示の一側面は、上述の複合体と、上記複合体上に設けられた金属シートと、を備える、積層体を提供する。
上記積層体は、上述の複合体を備えることから、優れた絶縁性を発揮し得る。
本開示の一側面は、多孔質の窒化物焼結板と、上記窒化物焼結板の気孔に充填された樹脂と、を含み、上記樹脂の硬化率が70%以上である、樹脂充填板を提供する。
上記樹脂充填板は、充填された樹脂の硬化率が高く、加熱された場合であっても当該樹脂が窒化物焼結板から流れ出すことが抑制されている。このため上記樹脂充填板は、上述の複合体の製造に好適に使用できる。
上記樹脂充填板において、上記樹脂の硬化率が90%以下であってよい。樹脂の硬化率が90%以下であることによって、柔軟性を適度に確保することができ、流通時などにおける破損等することをより抑制できる。
上記樹脂充填板において、主面における表面粗さRzが3~25μmあってよい。樹脂充填板の主面における表面粗さRzが上記範囲内であることによって、樹脂充填板上に半硬化樹脂層をより容易に設けることができる。
本開示の一側面は、多孔質の窒化物焼結板に第1樹脂組成物を含浸して樹脂含浸体を得る含浸工程と、上記樹脂含浸体を加熱して気孔に充填された上記樹脂組成物を硬化又は半硬化して第1樹脂を含む樹脂充填板を得る硬化工程と、第2樹脂を含む半硬化樹脂層を上記樹脂充填板の主面上の少なくとも一部に設ける被覆工程と、を有し、上記第1樹脂の硬化率が70%以上である、複合体の製造方法を提供する。
上記製造方法は、硬化工程において第1樹脂の硬化率が所定値以上となるように硬化を進行させ、樹脂充填板中に第1樹脂を十分に固定化させ、再加熱による第1樹脂の流れ出しを抑制しつつ、被覆工程において第2樹脂を含む半硬化状態の半硬化樹脂層を設けることによって、複合体の被着体への接着性を付与させることができる。このような製法によって、被着体への接着後に優れた絶縁性を発揮し得る複合体を提供できる。
上記被覆工程では、上記樹脂充填板に第2樹脂組成物を付着させ、加熱することによって、上記樹脂充填板の主面上の少なくとも一部に上記半硬化樹脂層を設ける工程であってよい。被覆工程が上述のような工程であることによって、第2樹脂の硬化率を自由に調整することができ、複合体の用途に合った樹脂硬化率とすることができる。
上記被覆工程では、上記樹脂充填板に第2樹脂組成物の半硬化物を接着することによって、上記樹脂充填板の主面上の少なくとも一部に上記半硬化樹脂層を設ける工程であってよい。被覆工程が上述のような工程であることによって、第2樹脂の樹脂厚さを均一化することができ、得られる複合体は被着体とのより安定した接着強度を発揮し得る。
本開示の一側面は、上述の製造方法で得られた複合体と、金属シートと、を積層し、加熱及び加圧する積層工程を有する、積層体の製造方法を提供する。
上記積層体の製造方法は、上述の複合体を用いることから、優れた絶縁性を発揮し得る積層体を提供できる。
本開示によれば、被着体への接着後に優れた絶縁性を発揮し得る複合体及びその製造方法を提供できる。本開示によればまた、上述の複合体を調製するために好適な樹脂充填板を提供できる。本開示によればまた、優れた絶縁性を有する積層体及びその製造方法を提供できる。
図1は、複合体の一例を示す斜視図である。 図2は、図1のII-II線に沿った断面を示す模式図である。 図3は、積層体の一例を示す断面図である。
以下、場合によって図面を参照して、本開示の実施形態を説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用い、場合によって重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、各要素の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本明細書において例示する材料は特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。組成物中の各成分の含有量は、組成物中の各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
複合体の一実施形態は、多孔質の窒化物焼結板と、上記窒化物焼結板の気孔に充填された第1樹脂と、を含む樹脂充填板と、上記樹脂充填板の主面上の少なくとも一部に設けられた、第2樹脂を含む半硬化樹脂層と、を有する。上記第1樹脂の硬化率が70%以上である。また上記半硬化樹脂層が熱硬化性樹脂を含有する。複合体の形状は特に限定されず、例えば、シート状であってよい。
図1は、複合体の一例を示す斜視図である。図2は、図1のII-II線に沿った断面を示す模式図である。複合体10は、樹脂充填板12と、樹脂充填板12の一対の主面12aの両主面上に半硬化樹脂層14を有する。図1においては、複合体10は、樹脂充填板12の両方の主面12aの全体を覆うように半硬化樹脂層14を設けられた例で示したが、被着体との接着性を確保できればよく、半硬化樹脂層14が樹脂充填板12の少なくとも一部に設けられていればよい。ただし半硬化樹脂層14を部分的に設ける場合には、被着体との接触時にガス等をかみこまないように中央に設けられることが望ましく、半硬化樹脂層14が溶融し広がる影響を低減する観点から、樹脂充填板12の主面12aの面積よりも小さくなるように半硬化樹脂層14を設けてもよい。また、複合体10は、半硬化樹脂層14が樹脂充填板12の両方の主面12a上に設けられた例で示したが、樹脂充填板12の接着性によっては、一方の主面であってもよい。また、複合体10は、樹脂充填板12の側面に半硬化樹脂層を更に有していてもよい。ただし、本開示に係る複合体においては樹脂充填板12からの第1樹脂の流れ出しは十分に抑制されており、半硬化樹脂層を樹脂充填板12の側面に設けなくてもよい。
複合体10の厚さは、例えば、10.0mm未満、5.0mm未満、又は2.0mm未満であってもよい。複合体10の厚さの下限は、例えば、0.1mm以上、0.2mm以上、0.3mm以上、又は0.5mm以上であってよい。これによって、複合体10を十分に小型化することができる。このような複合体10は、例えば半導体装置の部品として好適に用いられる。複合体10の厚さは上述の範囲内で調整してよく、0.1mm以上10.0mm未満、又は0.2mm以上2.0mm未満でってよい。
複合体10の厚さは、主面に直交する方向に沿って測定される。複合体10の厚さが一定ではない場合、任意の10箇所を選択して厚さの測定を行い、その算術平均値が上述の範囲であればよい。
樹脂充填板12の主面12aのサイズは特に限定はなく、例えば、50mm以上、200mm以上、500mm以上、800mm以上、又は1000mm以上であってもよい。樹脂充填板12の主面12aのサイズは、一般に同一であるが、完全に一致している必要はなく、互いに異なっていてもよい。
樹脂充填板12の主面12aにおける表面粗さRzの上限値は、例えば、25μm以下、23μm以下、又は20μm以下であってよい。表面粗さRzの上限値が上記範囲内であると、樹脂充填板と半硬化樹脂層との界面に空隙等ができることを抑制し、複合体内部での放熱性の低下を更に抑制できる。樹脂充填板12の主面12aにおける表面粗さRzの下限値は、例えば、3μm以上、5μm以上、又は7μm以上であってよい。表面粗さRzの下限値が上記範囲内であると、樹脂充填板と半硬化樹脂層との接着力をより向上させることができる。樹脂充填板12の主面12aにおける表面粗さRzは上述の範囲内で調整してよく、例えば、3~25μmであってよく、7~20μmであってよい。樹脂充填板12の両方の主面12aにおける表面粗さRzは、同一であっても、異なってもよいが、異なる場合であっても主面12aの両者が上述の範囲内であることが望ましい。
本明細書における表面粗さRzは、JIS B 0601:2013「製品の幾何特性使用(GPS)-表面性状:輪郭曲線方式-用語、定義及び表面性状パラメータ」で規定される最大高さ粗さを意味する。表面粗さRzは、JIS B 0601:2013の記載に準拠して測定される値である。
樹脂充填板12における第1樹脂の体積比率は、樹脂充填板12の全体積を基準として、例えば、30~60体積%、又は35~55体積%であってよい。樹脂充填板12における多孔質の窒化物焼結板を構成する窒化物粒子の体積比率は、樹脂充填板12の全体積を基準として、例えば、40~70体積%、又は45~65体積%であってよい。このような体積比率の樹脂充填板12は、優れた強度を発揮し得る。
多孔質の窒化物焼結板としては、例えば、窒化ホウ素焼結板等が挙げられる。窒化物焼結板は、窒化物の一次粒子同士が焼結して構成される窒化物粒子と気孔とを含有する。窒化物焼結板の気孔のメジアン細孔径は、例えば、6.0μm以下、5.0μm以下、4.0μm以下、又は3.5μm以下であってよい。このような窒化物焼結板は、気孔のサイズが小さいことから、窒化物粒子の粒子同士の接触面積を十分に大きくすることができる。したがって、熱伝導率を高くすることができる。窒化物焼結板の気孔のメジアン細孔径は、例えば、0.3μm以上、0.5μm以上、1.0μm以上、又は1.5μm以上であってよい。このような窒化物焼結板は、接着する際に加圧すると十分に変形できるため、他部材(被着体)との密着性に優れる。窒化物焼結板の気孔のメジアン細孔径は上述の範囲内で調整してよく、例えば、0.3~6.0μm、又は1.5~3.5μmであってよい。
窒化物焼結板の気孔のメジアン細孔径は、以下の手順で測定することができる。まず、複合体を加熱して半硬化樹脂層及び第1樹脂を除去する。そして、水銀ポロシメーターを用い、0.0042MPaから206.8MPaまで圧力を増やしながら窒化物焼結板を加圧したときの細孔径分布を求める。横軸を細孔径、縦軸を累積細孔容積としたときに、累積細孔容積が全細孔容積の50%に達するときの細孔径がメジアン細孔径である。水銀ポロシメーターとしては、例えば、株式会社島津製作所製のものを用いることができる。
窒化物焼結板の気孔率、すなわち、窒化物焼結板における気孔の体積(V1)の比率は、30~65体積%であってよく、40~60体積%であってよい。気孔率が大きくなり過ぎると窒化物焼結板の強度が低下する傾向にある。一方、気孔率が小さくなり過ぎると複合体が他部材と接着される際にしみ出す樹脂が少なくなる傾向にある。
気孔率は、窒化物焼結板の体積及び質量から、かさ密度[B(kg/m)]を算出し、このかさ密度と窒化物の理論密度[A(kg/m)]とから、下記式(1)によって求めることができる。窒化物焼結板は、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、又は窒化ケイ素からなる群から選択される少なくとも一種を含んでよい。窒化ホウ素の場合、理論密度Aは2280kg/mである。窒化アルミニウムの場合、理論密度Aは3260kg/mである。窒化ケイ素の場合、理論密度Aは3170kg/mである。
気孔率(体積%)=[1-(B/A)]×100 (1)
窒化物焼結板が窒化ホウ素焼結体である場合、かさ密度Bは、800~1500kg/mであってよく、1000~1400kg/mであってもよい。かさ密度Bが小さくなり過ぎると窒化物焼結板の強度が低下する傾向にある。一方、かさ密度Bが大きくなり過ぎると樹脂の充填量が減少して複合体の良好な接着性が損なわれる場合がある。
窒化物焼結板の厚さは、例えば、10.0mm以下、5.0mm以下、又は2.0mm以下であってもよい。窒化物焼結板の厚さの下限は、例えば、0.1mm以上、又は0.5mm以上であってよい。窒化物焼結板の厚さは、主面に直交する方向に沿って測定され、厚さが一定ではない場合、任意の10箇所を選択して厚さの測定を行い、その平均値が上述の範囲であればよい。窒化物焼結板の厚さは上述の範囲内で調整してよく、例えば、0.1~10.0mm、又は0.5~2.0mmであってよい。
樹脂充填板12に含まれる第1樹脂は、主剤及び硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物(Cステージ)又は半硬化物(Bステージ)である。硬化物は、樹脂組成物の硬化反応が完全に進行したものである。半硬化物は、樹脂組成物の硬化反応が一部進行したものである。半硬化物は、その後の硬化処理によって、更に硬化させることができる。
第1樹脂は、樹脂組成物中の主剤及び硬化剤が反応して生成する熱硬化性樹脂等を含んでもよい。上記半硬化物は、樹脂成分として、熱硬化性樹脂に加えて主剤及び硬化剤等のモノマーを含んでもよい。複合体に含まれる樹脂が硬化物(Cステージ)となる前の半硬化物(Bステージ)であることは、例えば、示差走査熱量計によって確認することができる。
樹脂充填板12に含まれる第1樹脂は、従来の樹脂充填板に比べて樹脂の硬化率を進行させたものである。第1樹脂の硬化率は70%以上であるが、例えば、72%以上、75%以上、又は80%以上であってよい。第1樹脂の硬化率が上記範囲内であると、被着体との接着時における第1樹脂の流れ出しを更に抑制され、得られる積層体の絶縁性を更に向上させることができる。第1樹脂の硬化率の上限値は、特に限定されるものではないが、例えば、90%以下、88%以下、又は85%以下であってよい。第1樹脂の硬化率の上限値が上記範囲内であることによって、柔軟性を適度に確保することができ、流通時、被着体への加圧接着時などにおいて複合体が破損等することをより抑制できる。第1樹脂の硬化率は上述の範囲内で調整してよく、例えば、70~90%、又は72~85%であってよい。
第1樹脂の硬化率は、示差走査熱量計を用いた測定によって決定することができる。まず、未硬化の状態の樹脂組成物2mgを完全に硬化させた際に生じる単位質量当たりの発熱量Qを測定する。そして、複合シートが備える樹脂から採取したサンプル10mgを同様に昇温させて、完全に硬化させた際に生じる単位質量当たりの発熱量Rを求める。このとき、示差走査熱量計による測定に使用するサンプルの質量は、発熱量Qの測定に用いた樹脂組成物と同一とする。樹脂中に熱硬化性を有する成分がc(質量%)含有されているとすると、下記式(A)によって複合シートに含浸している樹脂組成物の硬化率が求められる。なお、樹脂が完全に硬化したか否かは、示差走査熱量測定によって得られる発熱曲線において、発熱が終了することで確認することができる。
含浸されている樹脂組成物の硬化率(%)={1-[(R/c)×100]/Q}×100・・・(A)
第1樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シアネート樹脂、シリコーンゴム、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、マレイミド樹脂、マレイミド変性樹脂、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)樹脂、AAS(アクリロニトリル-アクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴム-スチレン)樹脂、ポリグリコール酸樹脂、ポリフタルアミド、及びポリアセタールからなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでいてよい。
半硬化樹脂層14は第2樹脂を含み、第1樹脂の硬化率よりも低い。半硬化樹脂層14を有することによって、複合体10は被着体への接着性に優れる。第1樹脂の硬化率と第2樹脂の硬化率との差は、例えば、30%以上、35%以上、又は40%以上であってよい。第2樹脂の硬化率は、半硬化樹脂層14から採取するサンプルを用いて、第1樹脂の硬化率を測定するのと同様にして測定することができる。
第2樹脂の成分は第1樹脂と同一であっても、異なってもよいが、樹脂充填板12と半硬化樹脂層14との接着性を向上させ、複合体10と被着体とを接着した後の絶縁性を向上させる観点からは、同一の樹脂で構成されることが望ましい。
半硬化樹脂層14の厚さは、接着力と放熱性との両立を図る観点から調整してよい。半硬化樹脂層14の厚さは、窒化物焼結板の厚さを基準として、例えば、25.0%以下、20.0%以下、又は15.0%以下であってよい。半硬化樹脂層14の厚さの上限値が上記範囲内であることで、放熱性の低下を十分に抑制できる。半硬化樹脂層14の厚さは、窒化物焼結板の厚さを基準として、例えば、0.5%以上、1.0%以上、又は2.0%以上であってよい。半硬化樹脂層14の厚さの下限値が上記範囲内であることで、半硬化樹脂層14の樹脂充填板への固着がより強固なものとなり、また被着体との接着性をより向上させることができる。半硬化樹脂層14の厚さは上述の範囲内で調整してよく、窒化物焼結板の厚さを基準として、例えば、0.5~25.0%、又は2.0~15.0%であってよい。
上述の複合体10は、加熱時の第1樹脂の流れ出しが抑制されていることから、金属シート等と積層する場合においても樹脂充填体の性状変化が実用上、十分に抑制されており、高度な絶縁性を要求される積層体を形成するために有用である。積層体の一実施形態は、上記複合体と、上記複合体上に設けられた金属シートと、を有する。上記複合体と、金属シートとは複合体の有する半硬化樹脂層の硬化物によって接合されていてもよい。つまり、積層体の一態様では、樹脂充填板、硬化樹脂層、及び金属シートをこの順に備える。この場合、樹脂充填体及び金属シートは硬化樹脂層を介して接合されている。
金属シートは、シート形状を有する金属製のものであれば特に制限されない。上述の複合体の説明で挙げた被着体(他部材)が金属シートであってよい。金属シートは、金属板であってよく、金属箔であってもよい。金属シートの材質は、例えば、アルミニウム、及び銅等が挙げられる。
図3は、積層体の一例を示す断面図である。図3は、積層体20を積層方向に沿って切断したときの断面を示している。積層体20は、図1及び図2の複合体10と、複合体10の両主面上に積層された金属シート22とを備える。複数ある金属シート22の材質及び厚さは互いに同じであってよく、異なっていてもよい。また、複合体10の両方の主面に金属シート22を備えることは必須ではない。変形例では、複合体10の一方の主面のみに金属シート22を備えていてもよい。
積層体20における金属シート22は、半硬化樹脂層14に接している。これによって、金属シート22と複合体10とが高い密着性で接着している。この状態を固定するために、半硬化樹脂層14を硬化させ、硬化樹脂層としてもよい。積層体20は、このように金属シート22と複合体10とが高い密着性で接着しているため、例えば放熱部材として、半導体装置等に好適に用いることができる。
積層体20の厚さは、例えば、12.0mm未満、6.0mm未満、又は3.0mm未満であってよい。積層体20の厚さの下限は、例えば、0.6mm以上であってよい。これによって、積層体20を十分に小型化することができる。このような積層体20は、例えば半導体装置の部品として好適に用いられる。積層体20の厚さは上述の範囲内で調整してよく、例えば、0.6mm以上12.0mm未満、又は0.6mm以上6.0mm未満であってよい。
積層体20は、複合体10を備えるため、熱伝導性と絶縁信頼性を高水準に両立することができる。例えば、第1樹脂の硬化率を予め高めておくことによって、積層体を形成する際の第1樹脂の流れ出しが十分に抑制されており、樹脂充填板に期待される絶縁性を十分に発揮させ得る。
上述の複合体は、例えば、以下のような方法で製造することができる。複合体の製造方法の一実施形態は、多孔質の窒化物焼結板に第1樹脂組成物を含浸して樹脂含浸体を得る含浸工程と、上記樹脂含浸体を加熱して気孔に充填された上記樹脂組成物を硬化又は半硬化して第1樹脂を含む樹脂充填板を得る硬化工程と、第2樹脂を含む半硬化樹脂層を上記樹脂充填板の主面上の少なくとも一部に設ける被覆工程と、を有する。ここで、上記第1樹脂の硬化率が70%以上である。
多孔質の窒化物焼結板は、予め調製された窒化物焼結板を使用してもよく、また、次のような焼結工程で調製した窒化物焼結板を用いてもよい。多孔質の窒化物焼結板として、予め調製された窒化物焼結板を使用する場合には、後述する焼結工程は省略することができる。
焼結工程によって窒化物焼結板を調製する場合には、まず、窒化物を含む原料粉末を準備する。原料粉末に含まれる窒化物は、例えば、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、及び窒化ケイ素からなる群から選択される少なくとも一種の窒化物を含有してよい。窒化ホウ素を含有する場合、窒化ホウ素は、アモルファス状の窒化ホウ素であってよく、六方晶状の窒化ホウ素であってもよい。窒化物焼結板として窒化ホウ素焼結板を調製する場合、原料粉末として、例えば、平均粒径が0.5~10.0μmであるアモルファス窒化ホウ素粉末、又は、平均粒径が3.0~40.0μmである六方晶窒化ホウ素粉末を用いることができる。
焼結工程では、窒化物粉末を含む配合物を成形して焼結し窒化物焼結体を得てもよい。成形は、例えば、一軸加圧で行ってよく、冷間等方加圧(CIP)法で行ってもよい。成形の前に、焼結助剤を配合して配合物を得てもよい。焼結助剤としては、例えば、酸化イットリウム、酸化アルミニウム及び酸化マグネシウム等の金属酸化物、炭酸リチウム及び炭酸ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、並びにホウ酸等が挙げられる。焼結助剤を配合する場合は、焼結助剤の配合量は、窒化物及び焼結助剤の合計100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、又は0.10質量部以上であってよい。焼結助剤の配合量は、窒化物及び焼結助剤の合計100質量部に対して、例えば、20.00質量部以下、15.00質量部以下又は10.00質量部以下であってよい。焼結助剤の添加量を上記範囲内とすることで、窒化物焼結体のメジアン細孔径を後述の範囲に調整し易くなる。焼結助剤の配合量は上述の範囲内で調整してよく、窒化物及び焼結助剤の合計100質量部に対して、例えば、0.01~20.00質量部、又は0.10~10.00質量部であってよい。
配合物は、例えば、ドクターブレード法によってシート状の成形体としてよい。成形方法は特に限定されず、金型を用いてプレス成形を行って成形体としてもよい。成形圧力は、例えば、5~350MPaであってよい。成形体の形状は、厚さが2mm未満のシート状であってよい。このようなシート状の成形体を用いて窒化物焼結板を製造すれば、窒化物焼結板を切断することなく、厚さが2mm未満のシート状の複合体を製造することができる。また、ブロック状の窒化物焼結体を切断してシート状とする場合に比べて、成形体の段階からシート状にすることによって、加工による材料ロスを低減することができる。したがって、高い歩留まりで複合体を製造することができる。
焼結工程の焼結温度は、例えば、1600℃以上であってよく、1700℃以上であってもよい。焼結温度は、例えば、2200℃以下であってよく、2000℃以下であってもよい。焼結時間は、例えば、1時間以上であってよく、30時間以下であってもよい。焼結時の雰囲気は、例えば、窒素、ヘリウム、及びアルゴン等の不活性ガス雰囲気下であってよい。
焼結には、例えば、バッチ式炉及び連続式炉等を用いることができる。バッチ式炉としては、例えば、マッフル炉、管状炉、及び雰囲気炉等を挙げることができる。連続式炉としては、例えば、ロータリーキルン、スクリューコンベア炉、トンネル炉、ベルト炉、プッシャー炉、及び大形連続炉等を挙げることができる。このようにして、窒化物焼結体又は窒化物焼結板を得ることができる。窒化物焼結体はブロック状であってよい。
窒化物焼結体がブロック状である場合、2mm未満の厚さとなるように加工する切断工程を行ってもよい。切断工程では、窒化物焼結体を、例えば、ワイヤーソーを用いて切断する。ワイヤーソーは、例えば、マルチカットワイヤーソー等であってよい。このような切断工程によって、例えば厚さが2mm未満のシート状の窒化物焼結板を得ることができる。これによって、次の含浸工程において、窒化物焼結体に第1樹脂組成物を円滑に含浸することができる。
含浸工程では、窒化物焼結体の気孔に10~500mPa・sの粘度を有する第1樹脂組成物を含浸して樹脂含浸体を得る。窒化物焼結体の厚さを小さくすることで、第1樹脂組成物の含浸を円滑にすることができる。また、第1樹脂組成物の粘度を含浸に適した範囲にすることによって、樹脂充填体の充填率を十分に高くすることができる。
窒化物焼結板に第1樹脂組成物を含浸する際の第1樹脂組成物の粘度は、例えば、440mPa・s以下、390mPa・s以下、又は340mPa・s以下であってよい。このように第1樹脂組成物の粘度を低くすることによって、第1樹脂組成物の含浸を十分に促進することができる。窒化物焼結板に第1樹脂組成物を含浸する際の第1樹脂組成物の粘度は、例えば、15mPa・s以上、又は20mPa・s以上であってよい。このように第1樹脂組成物の粘度に下限を設けることによって、一旦気孔内に含浸した第1樹脂組成物が気孔から流出することをより抑制することができる。第1樹脂組成物の粘度は上述の範囲内で調整してよく、例えば、15~440mPa・s、又は20~340mPa・sであってよい。第1樹脂組成物の粘度は、モノマー成分を一部重合して調整してもよく、溶剤を加えて調整してもよい。
上述の第1樹脂組成物の上記粘度は、窒化物焼結板に第1樹脂組成物を含浸する際の第1樹脂組成物の温度(T1)における粘度である。この粘度は、回転式粘度計を用いて、剪断速度が10(1/秒)、温度(T1)の下で測定される値である。したがって、温度T1を変えることによって、窒化物焼結板に第1樹脂組成物を含浸する際の粘度を調節してもよい。
窒化物焼結板に第1樹脂組成物を含浸する際の温度(T1)は、例えば、第1樹脂組成物を半硬化する温度(T2)以上、且つ温度T3(=T2+20℃)未満であってよい。温度(T2)は、例えば、80~140℃であってよい。窒化物焼結板への第1樹脂組成物の含浸は、加圧下で行ってよく、減圧下で行ってもよい。含浸する方法は特に限定されず、第1樹脂組成物中に窒化物焼結板を浸漬してもよいし、窒化物焼結板の表面に第1樹脂組成物を塗布することで行ってもよい。
含浸工程は、減圧条件下及び加圧条件下のどちらで行ってもよく、減圧条件下での含浸と、加圧条件下での含浸とを組み合わせて行ってもよい。減圧条件下で含浸工程を実施する場合における含浸装置内の圧力は、例えば、1000Pa以下、500Pa以下、100Pa以下、50Pa以下、又は20Pa以下であってよい。加圧条件下で含浸工程を実施する場合における含浸装置内の圧力は、例えば、1MPa以上、3MPa以上、10MPa以上、又は30MPa以上であってよい。
窒化物焼結板における気孔の細孔径を調整することによって、毛細管現象による樹脂組成物の含浸を促進し、樹脂充填体における樹脂の充填率を調整してもよい。このような観点から、窒化物焼結板のメジアン細孔径は、例えば、0.3~6.0μm、0.5~5.0μm、又は1.0~4.0μmであってもよい。
第1樹脂組成物は、例えば、硬化又は半硬化反応によって上述の複合体の説明で挙げた樹脂となるものを用いることができる。
第1樹脂組成物は溶剤を含んでいてもよい。溶剤としては、例えば、エタノール、及びイソプロパノール等の脂肪族アルコール、2-メトキシエタノール、1-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、1-エトキシ-2-プロパノール、2-ブトキシエタノール、2-(2-メトキシエトキシ)エタノール、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、及び2-(2-ブトキシエトキシ)エタノール等のエーテルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、及びエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びジイソブチルケトン等のケトン、並びにトルエン、及びキシレン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。
第1樹脂組成物は、熱硬化性であり、例えば、シアネート基を有する化合物、ビスマレイミド基を有する化合物及びエポキシ基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、硬化剤と、を含有してよい。
シアネート基を有する化合物としては、例えば、ジメチルメチレンビス(1,4-フェニレン)ビスシアナート、及びビス(4-シアネートフェニル)メタン等が挙げられる。ジメチルメチレンビス(1,4-フェニレン)ビスシアナートは、例えば、TACN(三菱ガス化学株式会社製、商品名)として商業的に入手可能である。
ビスマレイミド基を有する化合物としては、例えば、N,N’-[(1-メチルエチリデン)ビス[(p-フェニレン)オキシ(p-フェニレン)]]ビスマレイミド、及び4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド等が挙げられる。N,N’-[(1-メチルエチリデン)ビス[(p-フェニレン)オキシ(p-フェニレン)]]ビスマレイミドは、例えば、BMI-80(ケイ・アイ化成株式会社製、商品名)として商業的に入手可能である。
エポキシ基を有する化合物としては、例えば、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、及び多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。例えば、HP-4032D(DIC株式会社製、商品名)として商業的に入手可能である1,6-ビス(2,3-エポキシプロパン-1-イルオキシ)ナフタレン等であってもよい。
硬化剤は、ホスフィン系硬化剤及びイミダゾール系硬化剤を含有してもよい。ホスフィン系硬化剤はシアネート基を有する化合物又はシアネート樹脂の三量化によるトリアジン生成反応を促進し得る。ホスフィン系硬化剤としては、例えば、テトラフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボレート、及びテトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等が挙げられる。テトラフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボレートは、例えば、TPP-MK(北興化学工業株式会社製、商品名)として商業的に入手可能である。
イミダゾール系硬化剤はオキサゾリンを生成し、エポキシ基を有する化合物又はエポキシ樹脂の硬化反応を促進する。イミダゾール系硬化剤としては、例えば、1-(1-シアノメチル)-2-エチル-4-メチル-1H-イミダゾール、及び2-エチル-4-メチルイミダゾール等が挙げられる。1-(1-シアノメチル)-2-エチル-4-メチル-1H-イミダゾールは、例えば、2E4MZ-CN(四国化成工業株式会社製、商品名)として商業的に入手可能である。
ホスフィン系硬化剤の含有量は、シアネート基を有する化合物、ビスマレイミド基を有する化合物及びエポキシ基を有する化合物の合計量100質量部に対して、例えば、5質量部以下、4質量部以下、又は3質量部以下であってよい。ホスフィン系硬化剤の含有量は、シアネート基を有する化合物、ビスマレイミド基を有する化合物及びエポキシ基を有する化合物の合計量100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、又は0.5質量部以上であってよい。ホスフィン系硬化剤の含有量が上記範囲内であると、樹脂含浸体の調製が容易である。ホスフィン系硬化剤の含有量は上述の範囲内で調整してよく、シアネート基を有する化合物、ビスマレイミド基を有する化合物及びエポキシ基を有する化合物の合計量100質量部に対して、例えば、0.1~5質量部であってよい。
イミダゾール系硬化剤の含有量は、シアネート基を有する化合物、ビスマレイミド基を有する化合物及びエポキシ基を有する化合物の合計量100質量部に対して、例えば、0.1質量部以下、0.05質量部以下、又は0.03質量部以下であってよい。イミダゾール系硬化剤の含有量は、シアネート基を有する化合物、ビスマレイミド基を有する化合物及びエポキシ基を有する化合物の合計量100質量部に対して、例えば、0.001質量部以上、又は0.005質量部以上であってよい。イミダゾール系硬化剤の含有量が上記範囲内であると、樹脂含浸体の調製が容易である。イミダゾール系硬化剤の含有量は上述の範囲内で調整してよく、シアネート基を有する化合物、ビスマレイミド基を有する化合物及びエポキシ基を有する化合物の合計量100質量部に対して、例えば、0.001~0.1質量部であってよい。
第1樹脂組成物は、主剤及び硬化剤とは別の成分を含んでよい。その他の成分としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びアルキド樹脂等のその他の樹脂、シランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、表面調整剤、並びに湿潤分散剤等を更に含んでもよい。これらのその他の成分の含有量は、第1樹脂組成物全量を基準として、例えば、20質量%以下であってよく、10質量%以下であってよく、5質量%以下であってよい。
硬化工程では、含浸工程によって得られた樹脂含浸体における第1樹脂組成物を硬化又は半硬化させることによって、硬化率が70%以上となる第1樹脂を含む樹脂充填板を調製する。硬化工程では、第1樹脂組成物(又は必要に応じて添加される硬化剤)の種類に応じて、加熱、及び/又は光照射により、第1樹脂組成物を硬化又は半硬化させる。
硬化工程において、加熱によって第1樹脂組成物を硬化又は半硬化させる場合の加熱温度は、例えば、80~130℃であってよい。第1樹脂組成物の半硬化又は硬化によって得られる第1樹脂は、樹脂成分として、シアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の熱硬化性樹脂を含有してよい。まただい1樹脂は、硬化剤を含有してもよい。第1樹脂は、これらの成分の他に、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びアルキド樹脂等のその他の樹脂、並びに、シランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、表面調整剤、及び湿潤分散剤等に由来する成分を含有してもよい。
硬化工程は樹脂含浸体の周囲に第1樹脂組成物が存在する状況で行うことが好ましい。このようにすることによって、第1樹脂組成物の硬化収縮によって体積が減じる場合にも樹脂含浸体の周囲から第1樹脂組成物が供給され、空隙が生じることを更に抑制することができる。また硬化反応を停止させ、冷却する際に生じる第1樹脂の固化収縮によって体積が減じる場合にも周囲に同様の樹脂が存在することによって、やはり空隙の発生を抑制し得る。
被覆工程では樹脂充填板の主面上の少なくとも一部に第2樹脂を含む半硬化樹脂層を設けることで、複合体を調製する。被覆工程は、例えば、硬化工程で得られた樹脂充填板に第2樹脂組成物を付着させ、加熱することによって、樹脂充填板の主面上の少なくとも一部に半硬化樹脂層を設ける工程であってよく、また予め調製された第2樹脂組成物の半硬化物を接着することによって、樹脂充填板の主面上の少なくとも一部に半硬化樹脂層を設ける工程個であってもよい。
被覆工程における、被覆の方法は特に限定されず、第2樹脂組成物中に樹脂充填板を浸漬してもよいし、樹脂充填板の表面に第2樹脂組成物を塗布することで行ってもよいし、別途調製した半硬化物樹脂層を接着することで行ってもよい。別途調製した半硬化物樹脂層を接着する手段は、別途支持体上に設けられた半硬化物樹脂層を転写する方法であってよい。樹脂充填体に付着する第2樹脂組成物の量は、第2樹脂組成物の粘度で調節してもよい。
樹脂充填板に付着する際の第2樹脂組成物の粘度は、例えば、10~500mPa・s、又は15~400mPa・sであってよい。
第2樹脂組成物の上記粘度は、樹脂充填体に第2樹脂組成物を付着する際の第2樹脂組成物の温度(T4)における粘度である。この粘度は、回転式粘度計を用いて、剪断速度が10(1/秒)であり、温度(T4)の下で測定される。温度(T4)を変えることによって、樹脂充填体に第2樹脂組成物を付着する際の粘度を調節してもよい。この粘度は、第2樹脂組成物の温度(T4)を変えるによって調整してもよいし、第1樹脂組成物と同様に溶剤の配合量を変えることで調整してもよい。
第2樹脂組成物の含有成分は、第1樹脂組成物で例示したものと同じものを使用できる。第2樹脂組成物と第1樹脂組成物の組成は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。樹脂充填板に第2樹脂組成物を付着した後、第2樹脂組成物を硬化又は半硬化させて第2樹脂を得る。第2樹脂組成物(又は必要に応じて添加される硬化剤)の種類に応じて、加熱、及び/又は光照射により、第2樹脂組成物を硬化又は半硬化させる。
加熱によって第2樹脂組成物を硬化又は半硬化させる場合の加熱温度は、例えば、80~130℃であってよい。第1樹脂組成物と第2樹脂組成物の組成が同一である場合、ここでの加熱温度を硬化工程時の加熱温度よりも低く設定すること、又は加熱時間を短く設定することによって、第1樹脂の硬化率よりも第2樹脂の硬化率を低くすることができる。
第2樹脂組成物の半硬化又は硬化によって得られる第2樹脂は、樹脂成分として、シアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の熱硬化性樹脂、並びに硬化剤を含有してよい。第2樹脂は、これらの成分の他に、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びアルキド樹脂等のその他の樹脂、並びに、シランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、表面調整剤、及び湿潤分散剤等に由来する成分を含有してもよい。
上述の製造方法は、焼結工程、含浸工程、硬化工程及び被覆工程の他の工程を有してもよい。他の工程としては、例えば、樹脂充填板の主面の表面粗さRzを調整する工程等が挙げられる。表面粗さRzを調整は、例えば、研磨、及び、表面粒子の除去等によって行うことができる。
積層体の製造方法の一実施形態は、上述の複合体と、金属シートと、を積層し、加熱及び加圧する積層工程を有する。上記複合体としては、上述のいずれかの製造方法で得られた複合体を用いることができる。すなわち、積層体の製造方法は、上述の製造方法に加えて、上記積層工程を有する製造方法であってよい。金属シートは、金属板であってよく、金属箔であってもよい。
積層工程では、複合体の主面上に金属シートを配置する。複合体と金属シートの主面同士を接触させた状態で、主面同士が対向する方向に加圧するとともに、加熱する。なお、加圧と加熱は必ずしも同時に行う必要はなく、加圧して圧着した後に加熱してもよい。
このようにして得られた積層体は、半導体装置等の製造に用いることができる。一方の金属シート上に半導体素子を設けてもよい。他方の金属シートは冷却フィンと接合されてもよい。
以上、本開示の幾つかの実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に何ら限定されるものではない。また、上述した実施形態についての説明内容は、互いに適用することができる。
以下、本開示について、実施例及び比較例を用いてより詳細に説明する。なお、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[窒化物焼結板の作製]
新日本電工株式会社製のオルトホウ酸100質量部と、デンカ株式会社製のアセチレンブラック(商品名:HS100)35質量部とをヘンシェルミキサーを用いて混合した。得られた混合物を、黒鉛製のルツボ中に充填し、アーク炉にて、アルゴン雰囲気で、2200℃にて5時間加熱し、塊状の炭化ホウ素(BC)を得た。得られた塊状物を、ジョークラッシャーで粗粉砕して粗粉を得た。この粗粉を、炭化珪素製のボール(φ10mm)を有するボールミルによってさらに粉砕して粉砕粉を得た。
調製した粉砕粉を、窒化ホウ素製のルツボに充填した。その後、抵抗加熱炉を用い、窒素ガス雰囲気下で、2000℃、0.85MPaの条件で10時間加熱した。このようにして炭窒化ホウ素(BCN)を含む焼成物を得た。
粉末状のホウ酸と炭酸カルシウムを配合して焼結助剤を調製した。調製にあたっては、100質量部のホウ酸に対して、炭酸カルシウムを50.0質量部配合した。このときのホウ素とカルシウムの原子比率は、ホウ素100原子%に対してカルシウムが17.5原子%であった。焼成物100質量部に対して焼結助剤を20質量部配合し、ヘンシェルミキサーを用いて混合して粉末状の配合物を調製した。
配合物を、粉末プレス機を用いて、150MPaで30秒間加圧して、シート状(縦×横×厚さ=50mm×50mm×0.35mm)の成形体を得た。成形体を窒化ホウ素製容器に入れ、バッチ式高周波炉に導入した。バッチ式高周波炉において、常圧、窒素流量5L/分、2000℃の条件で5時間加熱した。その後、窒化ホウ素製容器から窒化ホウ素焼結体を取り出した。このようにして、シート状(四角柱状)の窒化ホウ素焼結体を得た。窒化ホウ素焼結板の厚さは0.36mmであった。
<メジアン細孔径の測定>
得られた窒化ホウ素焼結体について、株式会社島津製作所製の水銀ポロシメーター(装置名:オートポアIV9500)を用い、0.0042MPaから206.8MPaまで圧力を増加しながら細孔容積分布を測定した。積算細孔容積が全細孔容積の50%に達する細孔径を、「メジアン細孔径」とした。結果を表1に示す。
[樹脂充填板の作製]
市販のエポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、商品名:エピコート807)100質量部に対し、市販の硬化剤(日本合成化学工業株式会社製、商品名:アクメックスH-8を10質量部配合して、樹脂組成物を調製した。調製した樹脂組成物を120℃で15分間加熱した後、その温度を維持したままディスペンサーを用いて、窒化ホウ素焼結体の上側の主面上に滴下して樹脂組成物を含浸した。樹脂組成物の滴下量は、窒化ホウ素焼結体の気孔の総体積の1.5倍とした。樹脂組成物の一部は、窒化ホウ素焼結体に含浸せず、主面上に残存した。
大気圧下、窒化ホウ素焼結体の上側の主面上に残存する樹脂組成物を、ステンレス製のスクレーパー(株式会社ナルビー製)を用いて平滑化した。余剰分の樹脂組成物を除去し、主面が平滑である樹脂含浸体を得た。
樹脂含浸体を、大気圧下、160℃で60分間加熱して樹脂組成物を半硬化させた。このようにして、四角柱状の複合シート(縦×横×厚さ=50mm×50mm×0.36mm)を作製した。複合シートの主面の一部には、窒化ホウ素焼結体が露出していた。
<第1樹脂の硬化率の測定>
上記半硬化物に含まれている樹脂組成物の硬化率は、示差走査熱量計を用いた測定によって決定した。まず、未硬化の状態の樹脂組成物2mgを完全に硬化させた際に生じる単位質量当たりの発熱量Qを測定した。そして、複合体が備える半硬化物から採取したサンプル10mgを同様に昇温させて、完全に硬化させた際に生じる単位質量当たりの発熱量Rを求めた。このとき、示差走査熱量計による測定に使用するサンプルの質量は、発熱量Qの測定に用いた樹脂組成物と同一とした。半硬化物中に熱硬化性を有する成分がc(質量%)含有されているとして、下記式(A)によって複合体に含浸している樹脂組成物の硬化率が求めた。第1樹脂の硬化率は85%であった。
含浸されている樹脂組成物の硬化率(%)={1-[(R/c)×100]/Q}×100・・・(A)
<第1樹脂の充填率の測定>
樹脂充填板に含まれる第1樹脂の充填率を、以下の式(3)によって求めた。結果は表1に示すとおりであった。
樹脂充填板における第1樹脂の充填率(体積%)={(樹脂充填板のかさ密度-窒化ホウ素焼結板のかさ密度)/(樹脂充填板の理論密度-窒化ホウ素焼結板のかさ密度)}×100 …(3)
窒化ホウ素焼結板及び樹脂充填板のかさ密度は、JIS Z 8807:2012の「幾何学的測定による密度及び比重の測定方法」に準拠し、窒化ホウ素焼結板又は樹脂充填板の各辺の長さ(ノギスによって測定)から計算した体積と、電子天秤によって測定した窒化ホウ素焼結板又は樹脂充填板の質量に基づいて求めた(JIS Z 8807:2012の9項参照)。樹脂充填板の理論密度は、下記式(4)によって求めた。
樹脂充填板の理論密度=窒化ホウ素焼結板のかさ密度+樹脂の真密度×(1-窒化ホウ素焼結板のかさ密度/窒化ホウ素の真密度) … (4)
窒化ホウ素焼結板及び樹脂の真密度は、JIS Z 8807:2012の「気体置換法による密度及び比重の測定方法」に準拠し、乾式自動密度計を用いて測定した窒化ホウ素焼結板及び第1樹脂の体積及び質量から求めた(JIS Z 8807:2012の11項の式(14)~(17)参照)。
[複合体の作製]
上述のようにして得た樹脂充填板は表面粗さRzが18μmであった。
次に、樹脂充填板を調製する際に調製したのと同じ方法によって樹脂組成物を用意し、当該樹脂組成物を160℃で30分間加熱し、硬化率を38%に調整し、第2樹脂組成物とした。第2樹脂組成物をその温度を維持したまま、樹脂充填板の主面に滴下した。大気圧下、樹脂充填板の主面に滴下した第2樹脂組成物をシリコーンゴム製のヘラを用いて塗り伸ばし、主面全体に樹脂組成物を塗り広げた後、室温まで冷却することによって、第2樹脂を含む半硬化樹脂層を設けた複合体を得た。半硬化樹脂層の厚さは0.03mmであった。
<第2樹脂の硬化率の測定>
第1樹脂と同様の方法によって、第2樹脂の硬化率を測定した。第2樹脂の硬化率は38%であった。
<積層体作製時の流れ出し量の評価>
銅板(縦×横×厚さ=20mm×20mm×1mm)を片面に、もう片面をテフロンシートで挟み、上述の複合体(縦×横×厚さ=20mm×20mm×0.36mm)を配置して、複合体及び銅板の積層体を作製した。当該積層体を200℃及び5MPaの条件下で5分間加熱及び加圧した後、200℃及び大気圧の条件下で2時間加熱処理した。これによって積層体を得た。この積層体に対し、積層体を作製する際の流れ出し量を以下の手順で評価した。上記積層体得るための加熱処理後、積層体を積層方向に垂直な方向から平面視する画像を取得し、取得した画像を、画像解析ソフト(GNU General Public License社製、GIMP)を用いて二値化処理して、流れ出した第1樹脂及び第2樹脂に由来する領域と、それ以外の領域とに区別した。二値化した画像から、第1樹脂及び第2樹脂に由来する領域の面積Yを決定し、銅板の面積に対する比(Y/Xの値)を算出した。結果を表1に示す。
<積層体の絶縁破壊電圧の測定>
得られた複合体を、2枚の銅板間に上記複合体を配置し、200℃及び5MPaの条件下で5分間加熱及び加圧して、更に200℃及び大気圧の条件下で2時間加熱して得られる積層体を調製した。上述の積層体を用いて絶縁破壊電圧の測定を行った。まず、積層体の一方の面に、直径が20mmの円形状となるようにエッチングレジスト剤をスクリーン印刷し、上記積層構造体の他方の面には、全面にエッチングレジスト剤をスクリーン印刷した。印刷後、エッチングレジスト剤に紫外線を照射して硬化させレジストを形成した。次に、円形状のレジストが形成された側の銅板を塩化第二銅液でエッチングし、積層体の一方の面に直径が20mmの円形状の銅回路を形成した。このようにして、測定対象である、円形状の銅回路が形成された上記積層構造体を得た。得られた積層構造体を対象として、JIS C2110-1:2016にしたがって、耐圧試験器(菊水電子工業株式会社製、装置名:TOS-8700)を用い、絶縁破壊電圧を測定した。
(実施例2)
[樹脂充填板の作製]
容器に、シアネート基を有する化合物が80質量部、ビスマレイミド基を有する化合物が20質量部、エポキシ基を有する化合物が50質量部となるように測り取り、上記3種の化合物合計量100質量部に対して、ホスフィン系硬化剤を1質量部及びイミダゾール系硬化剤を0.01質量部加えて混合した。なお、エポキシ樹脂が室温で固体状態であったため、80℃程度に加熱した状態で混合した。得られた熱硬化性組成物の100℃における粘度は、10mPa・秒であった。調製した樹脂組成物を100℃にした後、その温度を維持したままディスペンサーを用いて、窒化ホウ素焼結体の上側の主面上に滴下して樹脂組成物を含浸した。樹脂組成物の滴下量は、窒化ホウ素焼結体の気孔の総体積の1.5倍とした。樹脂組成物の一部は、窒化ホウ素焼結体に含浸せず、主面上に残存した。
熱硬化性組成物の調製には、以下の化合物を用いた。
シアネート基を有する化合物:ジメチルメチレンビス(1,4-フェニレン)ビスシアナート(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TA-CN)
ビスマレイミド基を有する化合物:N,N’-[(1-メチルエチリデン)ビス[(p-フェニレン)オキシ(p-フェニレン)]]ビスマレイミド(ケイ・アイ化成株式会社製、商品名:BMI-80)
エポキシ基を有する化合物:1,6-ビス(2,3-エポキシプロパン-1-イルオキシ)ナフタレン(DIC株式会社製、商品名:HP-4032D)
ホスフィン系硬化剤:テトラフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボレート(化学株式会社製、商品名:TPP-MK)
イミダゾール系硬化剤:1-(1-シアノメチル)-2-エチル-4-メチル-1H-イミダゾール(四国化成工業株式会社製、商品名:2E4MZ-CN)
次に、大気圧下、窒化ホウ素焼結体の上側の主面上に残存する樹脂組成物を、ステンレス製のスクレーパー(株式会社ナルビー製)を用いて平滑化した。余剰分の樹脂組成物を除去し、主面が平滑である樹脂含浸体を得た。
樹脂含浸体を、大気圧下、80℃で60時間加熱して樹脂組成物を半硬化させた。このようにして、四角柱状の複合シート(縦×横×厚さ=50mm×50mm×0.38mm)を作製した。複合シートの主面の一部には、窒化ホウ素焼結体が露出していた。
次に、樹脂充填板を調製する際に調製したのと同じ方法によって樹脂組成物を用意し、当該樹脂組成物を120℃で7時間加熱し、硬化率を32%に調整し、第2樹脂組成物とした。第2樹脂組成物をその温度を維持したまま、樹脂充填板の主面に滴下した。大気圧下、樹脂充填板の主面に滴下した第2樹脂組成物をシリコーンゴム製のヘラを用いて塗り伸ばし、主面全体に樹脂組成物を塗り広げた後、室温まで冷却することによって、第2樹脂を含む半硬化樹脂層を設けた複合体を得た。半硬化樹脂層の厚さは0.03mmであった。
(比較例1)
窒化物焼結版の厚さを0.40mmにしたこと、第1樹脂の硬化率を29%としたこと、第2樹脂の硬化率を35%としたこと、第2樹脂の厚さを0.01mmとしたこと以外は、実施例1と同様の手順によって、複合体及び積層体を調製した。
(比較例2)
窒化物焼結版の厚さを0.37mmにしたこと、第1樹脂の硬化率を48%としたこと、第2樹脂の硬化率を40%としたこと、第2樹脂の厚さを0.05mmとしたこと以外は、実施例2と同様の手順によって、複合体及び積層体を調製した。
実施例2、及び比較例1,2で調製した複合体及び積層体について、第1樹脂の充填率及び硬化率、表面粗さRz、第2樹脂の硬化率、並びに半硬化樹脂層を実施例1と同様に測定した。実施例2、及び比較例1,2で調製した積層体の製造について、流れ出し量及び絶縁破壊電圧の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0007217391000001
本開示によれば、被着体への接着後に優れた絶縁性を発揮し得る複合体及びその製造方法を提供できる。本開示によればまた、上述の複合体を調製するために好適な樹脂充填板を提供できる。本開示によればまた、優れた絶縁性を有する積層体及びその製造方法を提供できる。
10…複合体、12…樹脂充填板、12a…主面、14…半硬化樹脂層、20…積層体、22…金属シート。

Claims (11)

  1. 多孔質の窒化物焼結板と、前記窒化物焼結板の気孔に充填された第1樹脂と、を含む樹脂充填板と、
    前記樹脂充填板の主面上の少なくとも一部に設けられた、第2樹脂を含む半硬化樹脂層と、を有し、
    前記第1樹脂の硬化率が70%以上であり、
    前記半硬化樹脂層が熱硬化性樹脂を含有し、
    前記半硬化樹脂層における前記熱硬化性樹脂以外のその他の成分の含有量が20質量%以下である、複合体。
  2. 前記第1樹脂の硬化率と前記第2樹脂の硬化率との差が30%以上である、請求項1に記載の複合体。
  3. 前記第1樹脂の硬化率が90%以下である、請求項1又は2に記載の複合体。
  4. 前記半硬化樹脂層の厚さが、前記窒化物焼結板の厚さの0.5~25.0%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の複合体。
  5. 前記樹脂充填板の主面における表面粗さRzが3~25μmである、請求項1~4のいずれか一項に記載の複合体。
  6. 前記窒化物焼結板のメジアン細孔径が0.3~6.0μmである、請求項1~5のいずれか一項に記載の複合体。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の複合体と、前記複合体上に設けられた金属シートと、を備える、積層体。
  8. 多孔質の窒化物焼結板に第1樹脂組成物を含浸して樹脂含浸体を得る含浸工程と、
    前記樹脂含浸体を加熱して気孔に充填された前記樹脂組成物を硬化又は半硬化して第1樹脂を含む樹脂充填板を得る硬化工程と、
    第2樹脂を含む半硬化樹脂層を前記樹脂充填板の主面上の少なくとも一部に設ける被覆工程と、を有し、
    前記第1樹脂の硬化率が70%以上であり、
    前記半硬化樹脂層が熱硬化性樹脂を含有し、
    前記半硬化樹脂層における前記熱硬化性樹脂以外のその他の成分の含有量が20質量%以下である、複合体の製造方法。
  9. 前記被覆工程では、前記樹脂充填板に第2樹脂組成物を付着させ、加熱することによって、前記樹脂充填板の主面上の少なくとも一部に前記半硬化樹脂層を設ける、請求項に記載の複合体の製造方法。
  10. 前記被覆工程では、前記樹脂充填板に第2樹脂組成物の半硬化物を接着することによって、前記樹脂充填板の主面上の少なくとも一部に前記半硬化樹脂層を設ける、請求項に記載の複合体の製造方法。
  11. 請求項10のいずれか一項に記載の製造方法で得られた複合体と、金属シートと、を積層し、加熱及び加圧する積層工程を有する、積層体の製造方法。
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