(第1実施形態)
以下において、図1~図5を用いて本発明の第1実施形態について説明を行う。
(車両1の構造)
まず、図1を用いて、車両1の構造について説明を行う。なお、図1(A)は、車両1の右側面図である。また、図1(B)は、車両1の左側面図である。
図1に示す通り、車両1は、フロントガラス2と、リアガラス3と、フロントドア4と、リアドア5と、フロントドアガラス6と、リアドアガラス7と、フロントサイドビーム8と、リアサイドビーム9と、フロントピラー10と、センターピラー11と、リアピラー12とを備えている。
フロントガラス2は、一定の板厚で形成されており、車両1の幅方向中央部分が、車両1の前方側に突出するように、緩やかに湾曲している。
リアガラス3は、一定の板厚で形成されており、車両1の幅方向中央部分が、車両1の後方側に突出するように、緩やかに湾曲している。
フロントドア4は、フロントピラー10と、センターピラー11との間の空間に設けられ、運転者が運転席に乗車するための右フロントドア4aと、乗員が助手席に乗車するための左フロントドア4bとにより構成されている。また、フロントドア4は、インナパネルと、アウタパネルと、フロントドア4を開閉するためのドアノブとを備えている。
そして、フロントドア4のインナパネルの前端部には、右前ヒンジH1、左前ヒンジH2が配設されており、フロントピラー10に対して開閉可能に取り付けられている。
リアドア5は、センターピラー11と、リアピラー12との間の空間に設けられ、乗員が右後部座席に乗車するための右リアドア5aと、乗員が左後部座席に乗車するための左リアドア5bとにより構成されている。また、リアドア5は、インナパネルと、アウタパネルと、リアドア5を開閉するためのドアノブとを備えている。
そして、リアドア5のインナパネルの前端部には、右後ヒンジH3、左後ヒンジH4が配設されており、センターピラー11に対して開閉可能に取り付けられている。
フロントドアガラス6は、フロントドア4に設けられており、右フロントドア4aに設けられている右フロントドアガラス6aと、左フロントドア4bに設けられている左フロントドアガラス6bとにより構成されている。
リアドアガラス7は、リアドア5に設けられており、右リアドア5aに設けられている右リアドアガラス7aと、左リアドア5bに設けられている左リアドアガラス7bとにより構成されている。
フロントサイドビーム8は、フロントドア4の内部に配置され、インナパネルと接合されている。また、フロントサイドビーム8は、車両1の側方から受けた衝突荷重をフロントピラー10、及びセンターピラー11に伝達する。また、本実施形態において、フロントサイドビーム8は、その両端を結ぶ線よりも外側へ湾曲していることから、その両端を結ぶ線よりも外側へ凸状となる形状となっている。
リアサイドビーム9は、リアドア5の内部に設けられており、インナパネルと接合されている。また、リアサイドビーム9は、車両1の側方から受けた衝突荷重をセンターピラー11、及びリアピラー12に伝達する。また、本実施形態において、リアサイドビーム9は、その両端を結ぶ線よりも外側へ湾曲していることから、その両端を結ぶ線よりも外側へ凸状となる形状となっている。
フロントピラー10は、フロントガラス2の幅方向端部に沿って、車両1の上下方向を長手方向として延在して左右一対に設けられる。また、フロントピラー10は、フロントガラス2の右側に設けられた右フロントピラー10aと、フロントガラス2の左側に設けられた左フロントピラー10bとにより構成されている。なお、フロントピラー10には、右前ヒンジH1、左前ヒンジH2が取り付けられている。
センターピラー11は、フロントドア4と、リアドア5との間に設けられており、車両1の上下方向を長手方向として延在して左右一対に設けられる。また、センターピラー11は、右フロントドア4aと、右リアドア5aとの間に設けられた右センターピラー11aと、左フロントドア4bと、左リアドア5bとの間に設けられた左センターピラー11bとにより構成されている。なお、センターピラー11には、右後ヒンジH3、左後ヒンジH4が取り付けられている。
リアピラー12は、リアガラス3の幅方向端部に沿って、車両1の上下方向を長手方向として延在して左右一対に設けられる。また、リアピラー12は、リアガラス3の右側に設けられた右リアピラー12aと、リアガラス3の左側に設けられた左リアピラー12bとにより構成されている。
ここで、フロントピラー10と、センターピラー11と、リアピラー12とは、車両1の上下方向を長手方向として延在している。これにより、車両1の車室の上下方向の骨格を形成している。
(車両1のピラー構造)
次に、図2を用いて、車両1のピラー構造について説明を行う。なお、図2は、車両1の上方から視た上面図でもある。
図2に示す通り、フロントピラー10には、フロントストッパ13と当接する前当接部19が設けられている。ここで、前当接部19は、右フロントピラー10aに設けられた右前当接部19aと、左フロントピラー10bに設けられた左前当接部19bとにより構成されている。また、フロントストッパ13は、右フロントピラー10aと当接している右フロントストッパ13aと、左フロントピラー10bと当接している左フロントストッパ13bとにより構成されている。
ここで、本実施形態において、フロントピラー10の形状は、五角柱となっており、前当接部19と、フロントストッパ13とが略線接触により当接している。これにより、フロントピラー10は、フロントストッパ13により、車両1の前方向の移動が抑制される。
また、フロントピラー10の形状は、例えば、フロントストッパ13と対抗する部分の形状が、円錐状や角錐状であってもよい。この場合において、前当接部19は、フロントストッパ13と略点接触により当接することとなる。
ここで、フロントピラー10は、例えば、製造過程において板金に対して多用されるプレス加工等によって成形され、ルーフ、及びボディに対して溶接等により接合される。
そして、本実施形態において、フロントピラー10と、フロントストッパ13との間には、右前方間隙部16aと、左前方間隙部16bとからなる前方間隙部16が設けられている。これにより、右フロントピラー10aは、反時計回りの回転方向Bの回転が許容される。一方で、左フロントピラー10bは、時計回りの回転方向Aの回転が許容される。
また、フロントストッパ13は、フロントサイドビーム8の略近傍であって、フロントピラー10と、ピラー以外(より具体的には、フロントピラー10以外)の車体構造との間に設けられている。また、フロントストッパ13は、フロントピラー10以外の車体構造により支持されている。ここで、本実施形態において、フロントストッパ13を支持するフロントピラー10以外の車体構造とは、フロントストッパ13を支持可能であれば、どのような構造を適用してもよい。例えば、トーボードに取り付けられたリンフォースを適用することができるし、トルクボックスや、サイドシルを適用することもできる。
なお、フロントストッパ13は、フロントピラー10に取り付けられていてもよい。この場合において、フロントピラー10に取り付けられたフロントストッパ13は、車体側と相対回転することとなり、一定角度の回転が行われると、車体側の所定の位置に当接することで一定角度を超える回転が規制することとなる。
センターピラー11は、センターストッパ14と当接している。ここで、センターストッパ14は、右センターピラー11aと当接している右センターストッパ14aと、左センターピラー11bと当接している左センターストッパ14bとにより構成されている。
ここで、本実施形態において、センターピラー11の形状は、四角柱となっており、車両1の前方向の面と、車両1の後方向の面とが、それぞれセンターストッパ14と当接している。これにより、センターピラー11は、センターストッパ14により、車両1の前後方向の移動が抑制される。
また、センターピラー11の形状は、他の形状であってもよい。例えば、センターピラー11の前方向の面と、後方向の面とのそれぞれに突出部を設け、このそれぞれの突出部と、センターストッパ14とを略点接触により当接させることもできる。
ここで、センターピラー11は、例えば、製造過程において板金に対して多用されるプレス加工等によって成形され、ルーフ、及びボディに対して溶接等により接合される。
また、センターストッパ14は、フロントサイドビーム8の略近傍であって、センターピラー11と、ピラー以外(より具体的には、センターピラー11以外)の車体構造との間に設けられている。また、センターストッパ14は、センターピラー11以外の車体構造により支持されている。ここで、本実施形態において、センターストッパ14を支持するセンターピラー11以外の車体構造とは、センターストッパ14を支持可能であれば、どのような構造を適用してもよい。例えば、クロスメンバや、ルーフのブレース等を適用することができる。
なお、センターストッパ14は、センターピラー11に取り付けられていてもよい。この場合において、センターピラー11に取り付けられたセンターストッパ14は、車体側と相対回転することとなり、一定角度の回転が行われると、車体側の所定の位置に当接することで一定角度を超える回転が規制することとなる。
そして、本実施形態において、センターピラー11と、センターストッパ14との間には、右中央間隙部17aと、左中央間隙部17bとからなる中央間隙部17が設けられている。これにより、センターピラー11は、車両1の内側方向への回転が許容される。
リアピラー12は、リアストッパ15と当接している。ここで、リアストッパ15は、右リアピラー12aと当接している右リアストッパ15aと、左リアピラー12bと当接している左リアストッパ15bとにより構成されている。
ここで、本実施形態において、リアピラー12の形状は、フロントピラー10の形状と同様に、五角柱となっている。そして、リアピラー12と、リアストッパ15とが当接している。これにより、リアピラー12は、リアストッパ15により、車両1の後方向の移動が抑制される。なお、リアピラー12の形状は、フロントピラー10の形状と同様に、リアストッパ15と当接する部分がある形状であれば、どのような形状であってもよい。
また、本実施形態において、リアピラー12と、リアストッパ15との間には、右後方間隙部18aと、左後方間隙部18bとからなる後方間隙部18が設けられている。これにより、右リアピラー12aは、時計回りの回転方向Aの回転が許容される。また、左リアピラー12bは、反時計回りの回転方向Bの回転が許容される。
また、リアストッパ15は、リアサイドビーム9の略近傍であって、リアピラー12と、ピラー以外(より具体的には、リアピラー12以外)の車体構造との間に設けられている。また、リアストッパ15は、リアピラー12以外の車体構造により支持されている。ここで、本実施形態において、リアストッパ15を支持するリアピラー12以外の車体構造とは、リアストッパ15を支持可能であれば、どのような構造を適用してもよい。
なお、リアストッパ15は、リアピラー12に取り付けられていてもよい。この場合において、リアピラー12に取り付けられたリアストッパ15は、車体側と相対回転することとなり、一定角度の回転が行われると、車体側の所定の位置に当接することで一定角度を超える回転が規制することとなる。
(側面から衝突したときにおける車両1のピラー構造)
次に、図3を用いて、側面から衝突したときにおける車両1のピラー構造について説明を行う。なお、図3は、車両1の上方からピラーと、ストッパとを視た上面図でもある。
まず、図3(A)に示す通り、他の車両等が車両1の左側方から衝突すると、左フロントサイドビーム8bは、その両端を結ぶ線よりも外側へ湾曲する形状となっているので、左フロントピラー10bと、左センターピラー11bとに対して、左側方から受けた衝突荷重を伝達する。
ここで、従来における車体構造は、側面から衝撃荷重が伝達された場合に、フロントサイドビーム8が車室側に折れる際の引っ張り強度で衝撃を吸収することとなる。このため、衝撃を吸収するという観点でいうと、フロントサイドビーム8と、フロントピラー10とは関連が薄い。
これに対して、第1実施形態における車体構造は、他の車両等が車両1の左側方から衝突して左側面から衝突荷重が伝達された場合には、左フロントサイドビーム8bがその両端を結ぶ線よりも外側へ湾曲していることにより、左フロントサイドビーム8bに対して圧縮する力が作用するので、左フロントピラー10b及び左センターピラー11bの二本のピラーにより衝撃を吸収することとなる。
具体的には、左フロントサイドビーム8bは、左側面から衝撃荷重が伝達された場合に、まず、左フロントドア4bのインナパネルの前端面及び後端面に対して衝突荷重を伝達する。そして、衝突荷重が伝達された左フロントドア4bのインナパネルの前端面は、左前ヒンジH2に対して衝突荷重を伝達し、衝突荷重が伝達された左前ヒンジH2は、左フロントピラー10bに対して衝撃を伝達する。
また、衝突荷重が伝達された左フロントドア4bのインナパネルの後端面は、左センターピラー11bに対して変形し接触することで衝突荷重を伝達する。これによって、左フロントサイドビーム8bは、左フロントピラー10bと、左センターピラー11bとの二本のピラーに対して衝突荷重を伝達することになる。
ここで、図3(B)に示す通り、左フロントピラー10bは、左前当接部19bが左フロントストッパ13bに当接していることにより、車両1の前方向の移動が抑制される。一方で、左センターピラー11bは、左センターストッパ14bと当接していることにより、車両1の後方向の移動が抑制される。これにより、他の車両等が車両1の左側方から衝突した場合には、左フロントピラー10bと、左フロントストッパ13bとが当接すること、及び左センターピラー11bと、左センターストッパ14bとが当接することによって踏ん張ることとなるので、衝撃を吸収することができる。
なお、図3では、他の車両等が車両1の左側方から衝突した場合を説明したが、他の車両等が車両1の右側方から衝突した場合についても同様の作用を得ることができる。
(左前斜め方向から衝突したときにおける車両1のピラー構造)
次に、図4を用いて、左前斜め方向から衝突したときにおける車両1のピラー構造について説明を行う。なお、図4は、車両1の上方からピラーと、ストッパとを視た上面図でもある。
まず、図4(A)に示す通り、車両1の左前斜め方向から他の車両等が衝突すると、左フロントサイドビーム8bは、その両端を結ぶ線よりも外側へ湾曲する形状となっているので、左センターピラー11bに対して、左前斜め側方から受けた衝突荷重を伝達する。
具体的には、他の車両等が車両1の左前斜め方向から衝突すると、左フロントサイドビーム8bは、左フロントドア4bのインナパネルの後端面に対して衝突荷重を伝達する。また、衝突荷重が伝達されたインナパネルの後端面は、左センターピラー11bに対して変形し接触することで衝突荷重を伝達する。これによって、左フロントサイドビーム8bは、左センターピラー11bに対して衝突荷重を伝達する。
ここで、左センターピラー11bは、左センターストッパ14bと当接していることにより、車両1の前後方向の移動が抑制されているが、左中央間隙部17bが設けられていることにより、車室側への回転が許容される。
また、第1実施形態においては、図4(A)に示す通り、左フロントサイドビーム8bの端部の中心から車両1の前後方向に延出する線L1の延長が、左センターピラー11bの中心C1に対して車外側にオフセットされている。これにより、車両1の左前斜め方向から他の車両等が衝突した場合において、左センターピラー11bを回転させることができる。
そして、図4(B)に示す通り、車両1の左前斜め方向から他の車両等が衝突すると、左フロントサイドビーム8bから衝突荷重が伝達されたインナパネルの後端面は、左センターピラー11bの中心C1よりも車外側にオフセットされているので、左センターピラー11bの中心C1よりも車外側に対して衝突荷重が伝達され、回転モーメントが発生することとなる。これにより、左センターピラー11bは、反時計回りの回転方向Bに捻じれて回転し、その後に、左センターピラー11bは、車室側の左センターストッパ14bに接触することとなる。
これにより、左センターピラー11bが捻じれることにより衝撃を吸収することができ、この後に、左センターピラー11bが左センターストッパ14bに接触して踏ん張ることにより衝撃を吸収することができるので、車両1の左前斜め方向からの衝撃を吸収することができるとともに、加速度の立ち上がりを抑えることができる。
なお、図4では、他の車両等が車両1の左前斜め方向から衝突した場合を説明したが、他の車両等が車両1の右前斜め方向から衝突した場合についても同様の作用を得ることができる。
(左後斜め方向から衝突したときにおける車両1のピラー構造)
次に、図5を用いて、左後斜め方向から衝突したときにおける車両1のピラー構造について説明を行う。なお、図5は、車両1の上方からピラーと、ストッパとを視た上面図でもある。
まず、図5(A)に示す通り、車両1の左後斜め方向から他の車両等が衝突すると、左フロントサイドビーム8bは、その両端を結ぶ線よりも外側へ湾曲する形状となっているので、左フロントピラー10bに対して、左後斜め方向から受けた衝突荷重を伝達する。
具体的には、他の車両等が車両1の左後斜め方向から衝突すると、左フロントサイドビーム8bは、左フロントドア4bのインナパネルの前端面に対して衝突荷重を伝達する。そして、衝突荷重が伝達されたインナパネルの前端面は、左前ヒンジH2を介して左フロントピラー10bに対して衝突荷重を伝達する。
ここで、左フロントピラー10bは、左フロントストッパ13bの左前当接部19bと当接していることにより、車両1の前方向の移動が抑制されているが、左前方間隙部16bが設けられていることにより、時計回りの回転方向Aの回転が許容される。
また、第1実施形態においては、図5(A)に示す通り、左フロントサイドビーム8bの端部の中心から車両1の前後方向に延出する線L2の延長が、左フロントピラー10bの中心C2に対して車外側にオフセットされている。これにより、車両1の左後斜め方向から他の車両等が衝突した場合において、左フロントピラー10bを回転させることができる。
そして、図5(B)に示す通り、車両1の左後斜め方向から他の車両等が衝突すると、左フロントサイドビーム8bから衝突荷重が伝達されたインナパネルの前端面は、左フロントピラー10bの中心C2よりも車外側にオフセットされているので、左フロントピラー10bの中心C2よりも車外側に対して衝突荷重が伝達され、回転モーメントが発生することとなる。これにより、左フロントピラー10bは、時計回りの回転方向Aに捻じれて回転することとなる。そうすると、左フロントピラー10bに設けられ、第1左前衝突時接触部20a及び第2左前衝突時接触部20bからなる左前衝突時接触部20と、左フロントストッパ13bとが接触することとなる。
なお、図5では、他の車両等が車両1の左後斜め方向から衝突した場合を説明したが、他の車両等が車両1の右後斜め方向から衝突した場合についても同様の作用を得ることができる。
(第2実施形態)
次に、図6~図7を用いて、本発明の第2実施形態について説明を行う。
(第2実施形態における側面から衝突したときの車両1のピラー構造)
次に、図6を用いて、第2実施形態における側面から衝突したときの車両1のピラー構造について説明を行う。なお、図6は、車両1の上方からピラーと、ストッパとを視た上面図でもある。
第2実施形態におけるフロントストッパ13は、図6(A)に示す通り、車両1の内側と、後方側とが開放し、車両1の外側と、前方側とが閉塞した鍵型形状となっている。
また、第2実施形態においては、図6(A)に示す通り、左フロントサイドビーム8bの端部の中心から車両1の前後方向に延出する線L3の延長が、左フロントピラー10bの中心C1及び左センターピラー11bの中心C2に対して、車室側にオフセットされている。これにより、車両1の斜め方向から他の車両等が衝突した場合において、左フロントピラー10bまたは左センターピラー11bを回転させることができる。
まず、図6(A)に示す通り、他の車両等が車両1の左側方から衝突すると、左フロントサイドビーム8bは、その両端を結ぶ線よりも外側へ湾曲する形状となっているので、左フロントピラー10bと、左センターピラー11bとに対して、左側方から受けた衝突荷重を伝達する。
ここで、第2実施形態における車体構造は、第1実施形態における車体構造と同様に、他の車両等が車両1の左側方から衝突すると、左フロントサイドビーム8bに対して、圧縮する力が作用し、左フロントピラー10b及び左センターピラー11bの二本のピラーにより衝撃を吸収することとなる。
具体的には、左フロントサイドビーム8bは、左側面から衝突荷重が伝達された場合に、まず、左フロントドア4bのインナパネルの前端面及び後端面に対して衝突荷重を伝達する。そして、衝突荷重が伝達された左フロントドア4bのインナパネルの前端面は、左前ヒンジH2介して、左フロントピラー10bに対して衝突荷重を伝達する。また、衝突荷重が伝達された左フロントドア4bのインナパネルの後端面は、左センターピラー11bに対して変形し接触することで衝突荷重を伝達する。これらによって、左フロントサイドビーム8bは、左フロントピラー10bと、左センターピラー11bとの二本のピラーに対して衝突荷重を伝達することとなる。
ここで、図6(B)に示す通り、車両1の他の車両等が車両1の左側方から衝突すると、左フロントサイドビーム8bから衝突荷重が伝達されたインナパネルの前端面は、左フロントピラー10bの中心C2よりも車室側にオフセットされているので、左フロントピラー10bの中心C2よりも車室側に対して衝突荷重が伝達され、回転モーメントが発生することとなる。これにより、左フロントピラー10bは、反時計回りの回転方向Bに捻じれて回転することとなる。そうすると、左フロントピラー10bに設けられ、第1左前衝突時接触部20a及び第2左前衝突時接触部20bからなる左前衝突時接触部20と、左フロントストッパ13bとが接触することとなる。
これにより、左フロントピラー10bが捻じれることにより衝撃を吸収することができ、この後に、左フロントピラー10bの左前衝突時接触部20が左フロントストッパ13bに当接して踏ん張ることにより衝撃を吸収することができるので、車両1の左前斜め方向からの衝撃を吸収することができるとともに、加速度の立ち上がりを抑えることができる。
また、図6(B)に示す通り、車両1の他の車両等が車両1の左側方から衝突すると、左フロントサイドビーム8bから衝突荷重が伝達されたインナパネルの後端面は、左センターピラー11bの中心C1よりも車室側にオフセットされているので、左センターピラー11bの中心C1よりも車室側に対して衝突荷重が伝達され、回転モーメントが発生することとなる。これにより、左センターピラー11bは、時計回りの回転方向Aに捻じれて回転し、その後に、左センターピラー11bは、車室側の左センターストッパ14bに接触することとなる。
これにより、左センターピラー11bが捻じれることにより衝撃を吸収することができ、この後に、左センターピラー11bが左センターストッパ14bに接触して踏ん張ることにより衝撃を吸収することができるので、車両1の左側方からの衝撃を吸収することができるとともに、加速度の立ち上がりを抑えることができる。
なお、図6では、他の車両等が車両1の左側方から衝突した場合を説明したが、他の車両等が車両1の右側方から衝突した場合についても同様の作用を得ることができる。
(第2実施形態における左後斜め方向から衝突したときにおける車両1のピラー構造)
次に、図7を用いて、第2実施形態における左後斜め方向から衝突したときにおける車両1のピラー構造について説明を行う。なお、図7は、車両1の上方からピラーと、ストッパとを視た上面図でもある。
まず、図7(A)に示す通り、車両1の左後斜め方向から他の車両等が衝突すると、左フロントサイドビーム8bは、その両端を結ぶ線よりも外側へ湾曲する形状となっているので、左フロントピラー10bに対して、左後斜め方向から受けた衝突荷重を伝達する。
具体的には、他の車両等が車両1の左後斜め方向から衝突すると、左フロントサイドビーム8bは、左フロントドア4bのインナパネルの前端面及び後端面に対して衝突荷重を伝達する。そして、衝突荷重が伝達されたインナパネルの前端面は、左前ヒンジH2を介して、左フロントピラー10bに対して衝突荷重を伝達する。また、衝突荷重が伝達されたインナパネルの後端面は、左センターピラー11bに対して変形し接触することで衝突荷重を伝達する。
ここで、左フロントピラー10bは、左フロントストッパ13bの左前当接部19bと当接していることにより、車両1の前方向の移動が抑制されているが、左前方間隙部16bが設けられていることにより、反時計回りの回転方向Bの回転が許容される。
また、第2実施形態においては、図7(A)に示す通り、左フロントサイドビーム8bの前方端部の中心から前方に延出する線L4の延長が、左フロントピラー10bの中心C2に対して車室側にオフセットされている。これにより、車両1の斜め方向から他の車両等が衝突した場合において、左フロントピラー10bを回転させることができる。
そして、図7(B)に示す通り、車両1の左後斜め方向から他の車両等が衝突すると、左フロントサイドビーム8bから衝突荷重が伝達されたインナパネルの前端面は、左フロントピラー10bの中心C2よりも車室側にオフセットされているので、左フロントピラー10bの中心C2よりも車室側に対して衝突荷重が伝達され、回転モーメントが発生することとなる。これにより、左フロントピラー10bは、反時計回りの回転方向Bに捻じれて回転することとなる。そうすると、左フロントピラー10bに設けられ、左前衝突時接触部20と、左フロントストッパ13bとが接触することとなる。
これにより、左フロントピラー10bが捻じれることにより衝撃を吸収することができ、この後に、左フロントピラー10bの左前衝突時接触部20が左センターストッパ14bに当接して踏ん張ることにより衝撃を吸収することができるので、車両1の左前斜め方向からの衝撃を吸収することができるとともに、加速度の立ち上がりを抑えることができる。
なお、図7では、他の車両等が車両1の左後斜め方向から衝突した場合を説明したが、他の車両等が車両1の右後斜め方向から衝突した場合についても同様の作用を得ることができる。
また、図示はしないが、第2実施形態におけるリアストッパ15は、車両1の内側と、前方側とが開放し、車両1の外側と、後方側とが閉塞した鍵型形状となっている。
(変形例におけるフロントサイドビーム8)
次に、図8を用いて、変形例におけるフロントサイドビーム8について説明を行う。
上述した各実施形態におけるフロントサイドビーム8は、フロントピラー10に対して衝突荷重を伝達する接続部と、センターピラー11に対して衝突荷重を伝達する接続部とがそれぞれ単数となっている。これに対して、変形例におけるフロントサイドビーム8は、フロントピラー10に対して衝突荷重を伝達する接続部と、センターピラー11に対して衝突荷重を伝達する接続部とがそれぞれ複数設けられている。
具体的には、フロントピラー10に対して衝突荷重を伝達する接続部は、フロントピラー10に対して衝突荷重を伝達する第1接続部と、第1接続部の上方に設けられ、フロントピラー10に対して衝突荷重を伝達する第2接続部と、第1接続部の下方に設けられ、フロントピラー10に対して衝突荷重を伝達する第3接続部とにより構成されている。
また、センターピラー11に接続される接続部は、センターピラー11に対して衝突荷重を伝達する第4接続部と、第4接続部の上方に設けられ、センターピラー11に対して衝突荷重を伝達する第5接続部と、第4接続部の下方に設けられ、センターピラー11に対して衝突荷重を伝達する第6接続部とにより構成されている。
なお、リアサイドビーム9においても、変形例におけるフロントサイドビーム8と同様の構成とすることができる。
(変形例におけるセンターストッパ14)
次に、図9を用いて、変形例におけるセンターストッパ14について説明を行う。
上述した各実施形態におけるセンターストッパ14は、車両1の内側が拡幅した形状をしているが、これに限定されることなく、衝突時において、センターピラー11の前後方向の移動を抑制することができれば、どのような形状であってもよい。例えば、変形例におけるセンターストッパ14は、図9に示すように、車両1の外側に開放部を有する形状であってもよい。
(変形例における車両1)
次に、図10を用いて、変形例における車両1について説明を行う。なお、図10(A)は、変形例における車両1の右側面図である。また、図10(B)は、変形例における車両1の左側面図である。
上述した各実施形態における車両1は、フロントドア4と、リアドア5とを備えている。これに対して、変形例における車両1は、フロントドア4を備えているが、リアドア5を備えていない。即ち、変形例における車両1は、いわゆるクーペタイプとなっている。
そして、変形例における車両1は、フロントドア4の後方にパネル部21が設けられている。ここで、パネル部21は、右リアサイドビーム9aが内部に配置される右パネル部21aと、左リアサイドビーム9bが内部に配置される左パネル部21bとにより構成されている。このようなクーペタイプの車両1であっても、本発明を適用することができる。
このように、本発明における車体構造によれば、左フロントサイドビーム8bは、他の車両等が車両1の左側方から衝突すると、その両端を結ぶ線よりも外側へ湾曲する形状となっているので、左フロントピラー10bと、左センターピラー11bとに対して、左側方から受けた衝突荷重を伝達する。そして、左フロントピラー10bと、左フロントストッパ13bとが当接すること、及び左センターピラー11bと、左センターストッパ14bとが当接することによって踏ん張ることとなるので、衝撃を吸収することができる。
また、車両1の左前斜め方向から他の車両等が衝突すると、左センターピラー11bは、左フロントサイドビーム8bの後方端部の中心から後方に延出する線L1の延長が、左センターピラー11bの中心C1に対して車外側にオフセットされていること、及び左中央間隙部17bが設けられていることにより、反時計回りの回転方向Bに回転することとなる。そうすると、左センターピラー11bは、車室側の左センターストッパ14bに当接することとなる。これにより、左センターピラー11bが捻じれることにより衝撃を吸収することができ、この後に、左センターピラー11bが左センターストッパ14bに当接して踏ん張ることにより衝撃を吸収することができるので、車両1の左前斜め方向からの衝撃を吸収することができるとともに、加速度の立ち上がりを抑えることができる。
そして、車両1の左後斜め方向から他の車両等が衝突すると、左フロントピラー10bは、左フロントサイドビーム8bの前方端部の中心から前方に延出する線L2の延長が、左フロントピラー10bの中心C2よりも車外側にオフセットされていること、及び左前方間隙部16bが設けられていることにより、時計回りの回転方向Aに移動することとなる。そうすると、左フロントピラー10bに設けられ、左前衝突時接触部20と、左フロントストッパ13bとが当接することとなる。これにより、左フロントピラー10bが捻じれることにより衝撃を吸収することができ、この後に、左フロントピラー10bの左前衝突時接触部20が左センターストッパ14bに当接して踏ん張ることにより衝撃を吸収することができるので、車両1の左後斜め方向からの衝撃を吸収することができるとともに、加速度の立ち上がりを抑えることができる。
すなわち、本発明によれば、他の車両等が車両1の左側方から衝突した場合には、左フロントピラー10bが左フロントストッパ13bと当接すること、及び左センターピラー11bが左センターストッパ14bと当接することにより踏ん張ることで衝撃を吸収することができ、他の車両等が車両1の左前斜め側方から衝突した場合には、左センターピラー11bが捻じれること、及び左センターピラー11bと、左センターストッパ14bとが当接して踏ん張ることにより衝撃を吸収することができ、他の車両等が車両1の左後斜め側方から衝突した場合には、左フロントピラー10bが捻じれること、及び左フロントピラー10bと、左フロントストッパ13bとが当接して踏ん張ることにより衝撃を吸収することができる。
なお、本発明の実施について図面を用いて説明したが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。また、各図面で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、各図面の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図面を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。