以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
実施の形態1.
まず本実施の形態の第1例の半導体装置の構成について、図1〜図4を用いて説明する。なお、説明の便宜のため、X方向、Y方向、Z方向が導入されている。図1を参照して、本実施の形態の第1例の半導体装置101は、パワーモジュール100と、パワーモジュール100に接続される放熱部材としてのヒートシンク200とを備えている。パワーモジュール100は、半導体素子1と、半導体素子1が接続された配線部材2と、配線部材2に接続された絶縁層3と、配線部材2に絶縁層3を介して接続された金属部品4と、封止材5とを含んでいる。したがって金属部品4は半導体素子1に固定されており、逆に言えば金属部品4に半導体素子1が搭載されている。封止材5は、半導体素子1と、配線部材2と、絶縁層3と、金属部品4の一部(図1のZ方向上方の領域)とを封止している。封止材5は金属部品4の少なくとも一部(図1のZ方向下方の領域)を露出している。
半導体素子1はシリコンなどの半導体材料により形成されたチップ状の部材であり、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などの回路素子が組み込まれている。配線部材2はたとえば半導体素子1を載置するリードフレームであり、たとえば銅系または鉄系の材料により形成されている。絶縁層3は、たとえば窒化アルミニウムからなる絶縁性を有する平板状の部材であり、たとえば平面視において矩形状を有している。半導体素子1は、配線部材2としてのリードフレームとたとえばはんだにより接合されている。またリードフレームは絶縁層3を介して金属部品4に接合されている。
封止材5が、半導体素子1、配線部材2、絶縁層3と、金属部品4の一部とを封止することにより、半導体素子1および配線部材2が外部環境から保護される。また電気的短絡を防ぐ観点から絶縁される必要がある部位が封止材5に覆われることにより、絶縁される必要がある部位に対する高い絶縁信頼性が得られる。封止材5は樹脂ケース内に樹脂材料を充填する方法、または金型に樹脂材料を流し込むことにより樹脂ケースを用いずに形成する方法により、図1に示す半導体素子1などを封止する態様となるように形成される。なお金属部品4の一部(図1のZ方向上方の領域)は封止材5に覆われるが、金属部品4の他の一部(図1のZ方向下方の領域)は封止材5から露出している。金属部品4の封止材5から露出する下側の領域は、ヒートシンク200と対向している。
金属部品4は半導体素子1の発する熱を拡散する役割を有しており、そのためにZ方向に関して厚みを有している。金属部品4に拡散された熱は、さらにその下方のヒートシンク200に伝搬される。ヒートシンク200には、半導体素子1および配線部材2から発生した熱を半導体装置101の外部に放出させるための放熱フィンが形成されている。この放熱フィンにより、ヒートシンク200から半導体装置101の外部に放熱される。
金属部品4およびヒートシンク200は、熱伝導率が高い材料により形成されることが好ましく、これにより当該各部材の熱抵抗を低減することができる。具体的には、金属部品4およびヒートシンク200は、アルミニウム、銅、アルミニウムおよび銅を主成分とする合金材料から選択されるいずれかにより形成されることが好ましい。あるいはこれらの材料を組み合わせることにより金属部品4およびヒートシンク200が形成されてもよい。たとえばアルミニウムを主成分とする金属材料または合金材料により金属部品4およびヒートシンク200が形成された場合、それらの部材をより軽量化させることができる。
なお金属部品4の硬度はヒートシンク200の硬度と異なっていてもよい。金属部品4はヒートシンク200よりも硬度が高くてもよいし、逆に金属部品4はヒートシンク200よりも硬度が低くてもよい。
金属部品4とヒートシンク200とは一体となるように、たとえば接続されている。つまりZ方向に関する金属部品4の最下部と、ヒートシンク200の最上部とにおいて、両部材の境界が不明瞭となるように互いに固着されている。具体的には、金属部品4の最下部には複数の凹凸部としての第1の凹凸部CV1および第2の凹凸部CV2が形成されている。第1の凹凸部CV1および第2の凹凸部CV2において、金属部品4の下部とヒートシンク200の上部とが一体となっている。ここで第1の凹凸部CV1および第2の凹凸部CV2は、後述する加工前の傾き補正機構部C1,V1および接続部C2,V2に相当する部分(完成品にて残存する場合はその残存する傾き補正機構部C1,V1および接続部C2,V2)を含む領域であり、金属部品4の下部とヒートシンク200の上部とが一体化された部分からなる(金属により形成された)領域を意味するものとする。金属部品4とヒートシンク200とを固着させたときにおいて、好ましくは第2の凹凸部CV2の壁面部分では、金属部品4およびヒートシンク200の少なくともいずれかに若干の塑性変形が起きる程度まで加圧される。この加圧により、当該壁面部分には金属部品4とヒートシンク200とのお互いを挟みあう圧縮の残留が蓄積され、固着力が高められる。このため振動および衝撃に対する保証をするための設計が容易となる。また後述するように当該第2の凹凸部CV2は、圧縮の残留歪みが残ることにより、凹部と凸部との壁面間の接触熱抵抗を低減するという作用も発揮される。
図1においてはX方向中央部に1つの第1の凹凸部CV1が配置されており、これをX方向左右側双方から挟むように複数の第2の凹凸部CV2が互いに間隔をあけて配置されている。図1においては第1の凹凸部CV1のX方向左側および右側に4つずつの第2の凹凸部CV2が配置されているが、これは断面図であるため、実際には半導体装置101にはより多くの数の第2の凹凸部CV2が配置されていてもよい。
複数の凹凸部の一部である第1の凹凸部CV1は、複数の凹凸部のうち第1の凹凸部CV1以外の他の一部である第2の凹凸部CV2よりも、高さ方向すなわちZ方向に関する寸法が大きい。
図2は図1中の特に第1の凹凸部CV1に相当する、金属部品4とヒートシンク200とが一体化された領域の構成をより詳細に示す概略拡大断面図である。図2を参照して、第1の凹凸部CV1の壁面は、第1の壁面部分S1と、第2の壁面部分S2とを含んでいる。第1の壁面部分S1は高さ方向すなわちZ方向に対する第1の傾斜角度IA1を有しており、第1の凹凸部CV1のZ方向最上部に隣接する領域に、たとえば丸みを帯びて形成されている。第2の壁面部分S2はZ方向に対する第2の傾斜角度IA2を有しており、第1の壁面部分S1のたとえばZ方向下側に直線状に形成されている。第2の傾斜角度IA2は第1の傾斜角度IA1とは異なっており、たとえば図2においては、第1の傾斜角度IA1の方が第2の傾斜角度IA2よりも大きい。
図3は、図1のように金属部品4とヒートシンク200とが一体化される前の両部材の態様を示している。図3を参照して、一体化される前においては、金属部品4の最下面には、当該最下面に対して図の上方にへこんだ凹部としての傾き補正機構部C1と、当該最下面に対する凹部としての接続部C2とが形成されている。またヒートシンク200の最上面には、当該最上面に対して図の上方に突起した凸部としての傾き補正機構部V1と、当該最上面に対する凸部としての接続部V2とが形成されている。ここではこれらの傾き補正機構部C1,V1および接続部C2,V2は、その凹部または凸部を構成する表面(壁面)を意味するものとする。
互いに対向する金属部品4の最下面とヒートシンク200の最上面とをたとえば互いに接触するように接近させることにより、傾き補正機構部C1に傾き補正機構部V1が挿入され、接続部C2に接続部V2が挿入される。そのように挿入された状態で傾き補正機構部C1と傾き補正機構部V1とがたとえば接続により一体化されることで、第1の凹凸部CV1が形成されている。同様に接続部C2と接続部V2とがたとえば接続により一体化されることで、第2の凹凸部CV2が形成されている。再度図2を参照して、その一体化の結果、第1の凹凸部CV1の壁面の少なくとも一部には、傾き補正機構部C1と傾き補正機構部V1とが互いに強固に接続等された強固定部10が形成されている。強固定部10は後述するように、たとえば傾き補正機構部C1と傾き補正機構部V1とのかしめ加工により形成されている。図2においては強固定部10は一例として第1の凹凸部CV1のZ方向上部であり、第1の壁面部分S1およびそれに隣接する領域に形成されるが、これに限らずたとえばそのZ方向下部に形成されてもよい。
なお第2の凹凸部CV2についても基本的には以上に述べた第1の凹凸部CV1と同様の構成を有している。
傾き補正機構部C1は、金属部品4の最下面に対する第1の凹部として形成されており、図3においてはそのX方向中央部に1つ形成されている。接続部C2は、金属部品4の最下面に対する第2の凹部として形成されており、図3においてはX方向に関して複数(4つ)ずつ並んだものが傾き補正機構部C1を左右両側から挟むように形成されている。傾き補正機構部V1は、ヒートシンク200の最上面に対する第1の凸部として形成されており、図3においてはそのX方向中央部に1つ形成されている。接続部V2は、金属部品4の最上面に対する第2の凸部として形成されており、図3においてはX方向に関して複数(4つ)ずつ並んだものが傾き補正機構部V1を左右両側から挟むように形成されている。ただし図3は断面図であり、実際にはより多くの数の接続部C2,V2が形成されている。
このように、金属部品4には複数の凹部としての傾き補正機構部C1および接続部C2が、ヒートシンク200には複数の凸部としての傾き補正機構部V1および接続部V2が、それぞれ形成されている。ただしこれとは逆に、金属部品4に複数の凸部が、ヒートシンク200に複数の凹部が形成されてもよい。
複数の傾き補正機構部C1と複数の傾き補正機構部V1とが接触する複数の第1の凹凸部CV1において、金属部品4とヒートシンク200とが一体となっている。また複数の接続部C2と複数の接続部V2とが接触する複数の第2の凹凸部CV2においても、金属部品4とヒートシンク200とが一体となっている。このように、金属部品4とヒートシンク200とは、第1の凹凸部CV1と第2の凹凸部CV2とが接触してなる複数の凹凸部において一体となっている。
図3を参照して、図1のように金属部品4とヒートシンク200とが一体化される前の状態において、傾き補正機構部C1の壁面のZ方向に対する傾斜角度は、傾き補正機構部V1の壁面のZ方向に対する傾斜角度よりも、少なくとも一部において大きい。なお図3においては、傾き補正機構部C1のZ方向に対する傾斜角度は、傾き補正機構部V1のZ方向に対する傾斜角度よりも、その全体において大きい。その結果、たとえば図2に示すように、第1の凹凸部CV1のX方向の幅、すなわち図2のX方向に関する第1の凹凸部CV1の寸法は、その第1の凹凸部CV1に含まれる凹部の底部側(図2の上側)に向かうほど小さくなっている。
図4を参照して、Z方向に関して傾き補正機構部C1は接続部C2よりも寸法が大きく、傾き補正機構部V1は接続部V2よりも寸法が大きい。図3に示す金属部品4に形成される傾き補正機構部C1の底部99(Z方向最上部)のX方向に関する幅D1よりも、ヒートシンク200に形成される傾き補正機構部V1の先端97(Z方向最上部)のX方向に関する幅D2の方が大きい。また図4の傾き補正機構部C1の開口部95(Z方向最下部)のX方向に関する幅D3は、傾き補正機構部V1の付根部93(Z方向最下部)のX方向に関する幅D4と(ほぼ)等しい。また図4の接続部C2の底部99のX方向に関する幅D5よりも、ヒートシンク200に形成される接続部V2の先端97のX方向に関する幅D6の方が大きい。このことが、金属部品4とヒートシンク200とを固着したときに、凹部と凸部との壁面が若干の塑性変形を起こす関係であるといえる。また図4の接続部C2の開口部95のX方向に関する幅D7は、接続部V2の付根部93のX方向に関する幅D8と(ほぼ)等しい。
その結果、壁面のZ方向に対する傾斜角度は、傾き補正機構部C1の傾斜角度IA3の方が傾き補正機構部V1の傾斜角度IA4よりも大きく、接続部C2の傾斜角度IA5の方が接続部V2の傾斜角度IA6よりも大きい。また図4においては傾き補正機構部C1の壁面のZ方向に対する傾斜角度IA3は、接続部C2の壁面のZ方向に対する傾斜角度IA5と(ほぼ)等しい。なお図4においては傾き補正機構部V1のZ方向に対する傾斜角度IA4の方が接続部V2の当該傾斜角度IA6よりも大きく、接続部V2はZ方向に対して傾かないように(Z方向に沿って)延びているが、このような態様に限られない。
なおここでは傾き補正機構部V1および接続部V2のそれぞれは、上記のように配置された傾き補正機構部C1および接続部C2のそれぞれと、X方向に関する中央部の位置がほぼ等しくなり、傾き補正機構部C1および接続部C2のそれぞれと嵌合可能となるように、配置されている。またここでは傾き補正機構部C1と傾き補正機構部V1とのZ方向に関する高さはほぼ等しく、接続部C2と接続部V2とのZ方向に関する高さもほぼ等しくなっている。
また図3および図4中においては傾き補正機構部C1の底部99および傾き補正機構部V1の先端97はその角部が尖っている。しかし当該角部は丸みを帯びていてもよい。このことは接続部C2,V2についても同様である。
次に本実施の形態の第1例の半導体装置101の製造方法について、図5〜図8を用いて説明する。図5および図6を参照して、まずパワーモジュール100が準備される。パワーモジュール100は、半導体素子1と、半導体素子1が接続された配線部材2と、配線部材2に接続された絶縁層3と、配線部材2に絶縁層3を介して接続された金属部品4と、封止材5とを含んでいる。したがって金属部品4は半導体素子1に固定されている。封止材5は、半導体素子1と、配線部材2と、絶縁層3と、金属部品4の一部(図1のZ方向上方の領域)とを封止している。封止材5は金属部品4の少なくとも一部(図1のZ方向下方の領域)を露出している。またパワーモジュール100に接続される放熱部材としてのヒートシンク200が準備される。
パワーモジュール100を構成する金属部品4に複数の凹部または凸部のいずれか一方が形成されており、ヒートシンク200に複数の凹部または凸部のいずれか他方が形成されている。図5および図6においては金属部品4の最下部に、最終的に第1の凹凸部となるべき凹部である第1の凹部としての傾き補正機構部C1と、最終的に第2の凹凸部となるべき凹部である第2の凹部としての接続部C2とが形成されている。またヒートシンク200の最上部に、最終的に第1の凹凸部となるべき凸部である第1の凸部としての傾き補正機構部V1と、最終的に第2の凹凸部となるべき凸部である第2の凸部としての接続部V2とが形成されている。これらは図5に示すようにY方向に沿って延びるように形成されていてもよい。
金属部品4およびヒートシンク200がアルミニウムを主成分とする金属材料または合金材料からなる場合、上記凹部および凸部を有する金属部品4およびヒートシンク200は、鍛造、ダイキャスト、押し出しなどの機械加工により形成される。なお、生産性および放熱性能を考慮した場合、金属部品4およびヒートシンク200は鍛造、押し出しにより形成されることがより好ましい。
傾き補正機構部C1,V1および接続部C2,V2は、図4に示す寸法および形状となるように形成されていることが好ましい。すなわちZ方向に関して傾き補正機構部C1は接続部C2よりも寸法が大きく、傾き補正機構部V1は接続部V2よりも寸法が大きい。また傾き補正機構部C1の一体化前壁面C10および傾き補正機構部V1の一体化前壁面V10は高さ方向に対して傾斜した傾斜面であり、一体化前壁面C10の傾斜角度IA3は一体化前壁面V10の傾斜角度IA4と異なっている。具体的には、一体化前壁面C10の高さ方向に対する傾斜角度IA3は、一体化前壁面V10の高さ方向に対する傾斜角度IA4よりも少なくとも一部において(図6においては全体において)大きい。傾き補正機構部C1は、底部側(図のZ方向上側)に向かうほどその一体化前壁面C10の間のX方向の幅が小さくなっていることが好ましい。
また上述のように、図4に示す傾き補正機構部C1の底部99のX方向に関する幅D1よりも、傾き補正機構部V1の先端97のX方向に関する幅D2の方が大きく、かつ先端97の幅D2よりも傾き補正機構部C1の開口部95のX方向に関する幅D3の方が大きいことが好ましい。
図6、図7および図8を参照して、次に、複数の凹部と凸部とを互いに嵌合して複数の凹凸部を形成することにより、金属部品4とヒートシンク200とが一体化される。金属部品4の傾き補正機構部C1およびヒートシンク200の傾き補正機構部V1、ならびに金属部品4の接続部C2およびヒートシンク200の接続部V2が互いに対向するように配置された状態で、互いに接触するように接近する。これにより、傾き補正機構部C1および傾き補正機構部V1、ならびに接続部C2および接続部V2が互いに嵌合される。嵌合する際には、図7に示すように、たとえばパワーモジュール100の上に板状の加圧手段20が載置され、この加圧手段20にZ方向下向きの加圧力Fが加えられる。これにより、互いに嵌合される傾き補正機構部C1および傾き補正機構部V1、ならびに接続部C2および接続部V2が塑性変形する。このように凹部および凸部の表面が塑性変形することにより新しく露出した金属面同士が接触するように、お互いに嵌合され固着される。すなわち傾き補正機構部C1および傾き補正機構部V1、ならびに接続部C2および接続部V2は、金属材料の塑性変形によるいわゆるかしめ加工により、強固定部10(図2参照)を有するように互いに固着される。
ここで、複数の凹部と凸部とを互いに嵌合する際に、傾き補正機構部C1および傾き補正機構部V1は、接続部C2および接続部V2よりも先に互いに接触する。つまり特に図6を参照して、傾き補正機構部C1の一体化前壁面C10と傾き補正機構部V1の一体化前壁面V10とは、接続部C2と接続部V2との壁面同士よりも先に互いに接触する。これは、傾き補正機構部C1が接続部C2よりZ方向寸法が大きく、傾き補正機構部V1が接続部V2よりZ方向寸法が大きいことと、上記のようにたとえば図4の幅D1より幅D2の方が大きいこととなどにより可能となる。また複数の傾き補正機構部C1と複数の接続部C2との最下部(開口部)のZ方向の位置(高さ)がほぼ等しく、かつ複数の傾き補正機構部V1と複数の接続部V2との最下部(付根部)のZ方向の位置(高さ)がほぼ等しいように形成されている。このため図4に示すように傾き補正機構部C1の底部99は接続部C2の底部よりもZ方向上側(奥側)に配置され、傾き補正機構部V1の先端97は接続部V2の先端よりもZ方向上側(奥側)に配置される。このことによっても、一体化前壁面C10が一体化前壁面V10よりも先に互いに接触することが可能となっている。そして互いに接触した傾き補正機構部C1と傾き補正機構部V1とが互いに接触することにより傾き補正機構部C1および傾き補正機構部V1の少なくともいずれか一方が塑性変形する。言い換えれば互いに接触した傾き補正機構部C1と傾き補正機構部V1とが互いに干渉されながら、かしめ加工が進行する。
以上のように加圧力Fを用いて金属部品4とヒートシンク200とを一体化する加工を行なうことにより、図8に示すように塑性変形された第1の凹凸部CV1および第2の凹凸部CV2を有する半導体装置が形成される。形成された第1の凹凸部CV1は、第2の凹凸部CV2よりも、高さ方向の寸法が大きい。
上記のように、塑性変形(かしめ加工)された強固定部10は、図2の一例のように第1の凹凸部CV1の第1の壁面部分S1上に形成されてもよいが、それよりZ方向下方の第2の壁面部分S2上に形成されてもよい。たとえば図4のように、底部99の幅D1よりも先端97の幅D2の方が大きく、開口部95の幅D3と付根部93の幅D4とがほぼ等しい場合には、傾き補正機構部C1,V1の嵌合後には特に先端97の幅D2が凹部C1の狭い幅D1の中に食い込むことによるかしめ加工が顕著となる。このため図4の寸法を有する材料を用いた場合には、Z方向に関する比較的上方の第1の壁面部分S1上に強固定部10が形成される可能性が高くなる。逆にたとえば図4の幅D4が図4の幅D3より大きい場合には、傾き補正機構部C1,V1の嵌合後には特に付根部93が狭い幅D3の中に食い込むことによるかしめ加工が顕著となるため、Z方向に関する比較的下方の第2の壁面部分S2上に強固定部10が形成される可能性が高くなる。
次に、本実施の形態の第2例の半導体装置102の構成について、図9〜図12を用いて説明する。図9を参照して、本実施の形態の第2例の半導体装置102は、半導体装置101と基本的に同様の構成を有している。このため図9において半導体装置101と同様の構成である部分については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。半導体装置102は半導体装置101に対し、第1の凹凸部CV1および第2の凹凸部CV2の位置関係において異なっている。具体的には、半導体装置102においては、X方向に関する左右両端に1つずつの第1の凹凸部CV1が配置されており、これらに挟まれるように複数(6つ)の第2の凹凸部CV2が配置されている。つまり半導体装置102においては、第1の凹凸部CV1は、第2の凹凸部CV2を挟むように1対のみ配置されている。このため半導体装置102の製造工程においては第1の凹凸部CV1がそのように形成される。この点において半導体装置102は、X方向に関する中央部に1つの第1の凹凸部CV1が配置されており、これを左右両側から挟むように複数(4つ)ずつの第2の凹凸部CV2が配置される半導体装置101と異なっている。
図10を参照して、半導体装置102における第1の凹凸部CV1の構成は、図6に示す半導体装置101における第1の凹凸部CV1の構成と基本的に同様である。つまり図11および図12を参照して、半導体装置102においては基本的に、第1の凹凸部CV1を形成する傾き補正機構部C1および傾き補正機構部V1の形状、寸法、傾き角度などは半導体装置101のそれらに準じている。具体的には、たとえば図12の傾き補正機構部C1の底部99のX方向に関する幅D1よりも、傾き補正機構部V1の先端97のX方向に関する幅D2の方が大きい。図12の傾き補正機構部C1の開口部95(Z方向最下部)のX方向に関する幅D3は、傾き補正機構部V1の付根部93(Z方向最下部)のX方向に関する幅D4と(ほぼ)等しい。その結果、壁面のZ方向に対する傾斜角度は、傾き補正機構部C1の方が傾き補正機構部V1よりも大きい。ただし傾き補正機構部C1の傾斜角度IA3は接続部C2の傾斜角度IA5より大きく、傾き補正機構部V1の傾斜角度IA4は接続部V2の傾斜角度IA6よりも大きい。
なお図11および図12においては、接続部C2と接続部V2とは、いずれもその壁面はZ方向に沿う方向に延びており、傾斜していない。つまり接続部C2の傾斜角度IA5および接続部V2の傾斜角度IA6はほぼゼロとなっている。ただしこのような態様に限らず、たとえば接続部V2が傾き補正機構部V1と、壁面のZ方向に対する傾き角度が(ほぼ)等しくなるように傾斜した構成であってもよい。また寸法D5〜D8においては、少なくとも接続部V2が接続部C2に挿入可能な大小関係を有している。
図13を参照して、図9に示す半導体装置102を形成する際に準備されるパワーモジュール100およびヒートシンク200の態様は基本的に半導体装置101の製造時に準備されるパワーモジュール100等と同様である。すなわち図9のパワーモジュール100と同様に、図13のパワーモジュール100においても、傾き補正機構部C1,V1および接続部C2,V2は、Y方向に沿って延びるように形成されてもよい。しかし図14を参照して、傾き補正機構部C1,V1および接続部C2,V2は、平面視においてドット状あるいはマトリックス状に分散配置されるように形成されてもよい。この場合においても図13の構成と同様の作用効果が期待できる。
次に、本実施の形態の第3例の半導体装置103の構成について、図15〜図18を用いて説明する。図15を参照して、本実施の形態の第3例の半導体装置103は、半導体装置102と基本的に同様の構成を有している。このため図15において半導体装置102と同様の構成である部分については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。半導体装置103は半導体装置102に対し、第1の凹凸部CV1の壁面の形状において異なっている。
図15および図16を参照して、1対の第1の凹凸部CV1のそれぞれは、その内側すなわち第2の凹凸部CV2側の壁面については、半導体装置101,102と同様に第1の壁面部分S1と第2の壁面部分S2とを含む構成となっている。ただし当該第1の凹凸部CV1は、X方向に関する外側においては、やや曲面状の壁面となっている。なお強固定部10については半導体装置101,102と同様に設けられている。
図17および図18を参照して、半導体装置103を形成する際(一体化する前)には、傾き補正機構部C1の接続部C2と隣接しない側すなわち図の外側の壁面は、曲面形状となっている。すなわち傾き補正機構部C1は、接続部C2と隣接する図の内側の壁面C11が平面状となっているのに対し、接続部C2と隣接しない側すなわち図の外側の壁面C12が曲面状となっている。なお傾き補正機構部V1の壁面は、半導体装置101,102の場合と同様に、平面状の壁面C11と接触可能な平面状の壁面V11と、曲面状の壁面C12と接触可能な平面状の壁面V12とを有している。半導体装置101と同様に傾き補正機構部C1に傾き補正機構部V1を挿入しかしめ加工することにより、図15および図16に示すような第1の凹凸部CV1が形成されるように変形固着される。
なお半導体装置103における第2の凹凸部CV2の壁面の傾き、およびそれを構成する接続部C2,V2の壁面の傾き角度が、半導体装置102のそれらとは異なっている(図14のドット状の各部についても同様)。しかし基本的に第2の凹凸部およびそれを構成する接続部C2,V2の傾き角度は任意である。つまりこれらの傾き角度は、第2の凹凸部CV2の熱抵抗を安定化させることが可能な限り、任意の角度とすることができる。
次に、本発明の背景について説明しながら、本実施の形態の作用効果について説明する。
パワーモジュールとヒートシンクとを有する半導体装置の製造工程において、パワーモジュールの金属部品およびヒートシンクのそれぞれに形成される凹凸形状の接続部は、鍛造、ダイキャスト、押し出しなどの機械加工により形成される。このため形成される凹凸形状の接続部には寸法ばらつきおよび位置ばらつきが生じる。このため金属部品とヒートシンクとの一体化の際に、特別な調整機構なしに金属部品とヒートシンクとを傾きなどの位置ばらつきが生じないように正確に位置決めすることは困難である。仮にそのような調整を行なわずに金属部品とヒートシンクとを一体化すれば、両者間のかしめ加工時に金属部品およびヒートシンクの寸法ばらつきおよび位置ばらつきにより、パワーモジュールまたはヒートシンクが傾いた状態で凹凸部が嵌合する可能性がある。
パワーモジュールまたはヒートシンクが傾き嵌合された状態で両者間にかしめ加工がなされれば、加圧力を加えた場合に傾いた状態でかしめられてしまう。このため、パワーモジュールとヒートシンクとの接続部における熱抵抗が増加し、かしめ加工後のアセンブリ工程において組み付け不良が起こる可能性がある。また傾きを抑制するために許容量以上の過剰な加圧力を加えた場合、封止材が割れる可能性がある。
一方、上記のような不具合を回避し正確に位置決めするためには、大型で複雑な装置を用いて位置の調整を行なう必要があると考えられるが、そのようにすれば半導体装置の生産性が低下するという問題が生じる。
そこで本実施の形態においては、凹部と凸部とを嵌合して半導体装置を構成する金属部品4とヒートシンク200とを一体化する工程において、傾き補正機構部C1,V1を含む第1の凹凸部CV1が、接続部C2,V2を含む第2の凹凸部CV2よりも高さ方向の寸法が大きい。傾き補正機構部C1,V1の壁面は高さ方向に対して傾斜しており、それらの間の傾斜角度は互いに異なっている。このため一体化する工程においては、傾き補正機構部C1と傾き補正機構部V1とが互いに干渉されながらかしめ加工が進行する。
つまり傾き補正機構部C1と傾き補正機構部V1との壁面の傾斜角度が互いに異なることにより、傾き補正機構部V1を傾き補正機構部C1に挿入する際には、傾き補正機構部C1を形成する凹部の底部99(図4参照)に傾き補正機構部V1の凸部の先端97が接触する(完全に入り込む)前に傾き補正機構部V1が傾き補正機構部C1に引っかかる。言い換えれば、当該挿入時に、傾き補正機構部V1の壁面V10(図6参照)は傾き補正機構部C1の壁面C10に接触する構成となっている。
上記のように底部99に先端97が接触し凹部に凸部が完全に挿入される前に傾き補正機構部V1が傾き補正機構部C1に引っかかる、すなわち傾き補正機構部V1と傾き補正機構部C1とが仮置きされる。このような効果をより高めるために、本実施の形態においては、傾き補正機構部C1,V1が接続部C2,V2よりも先に互いに接触する構成となっている。その後は加圧力Fを加えることにより、傾き補正機構部C1,V1の有する傾き調整の機能により、傾き補正機構部C1,V1が水平な状態になるように調整される。これにより金属部品4がヒートシンク200に対して水平な状態となる。さらに加圧力Fを加えれば、上記の水平な状態を維持しながら傾き補正機構部C1,V1の特に底部99および先端97に近い領域であり第1の壁面部分S1に近い領域において塑性変形がなされ、かしめられる。やがて接続部C2と接続部V2とも互いに嵌合および接続され、第2の凹凸部CV2となる。
このように傾き補正機構部C1の一体化前壁面C10と傾き補正機構部V1の一体化前壁面V10とが接続部C2,V2よりも先に互いに接触するため、傾き補正機構部C1,V1は両者間の傾きを補正する役割をもたらす。すなわち、仮にパワーモジュール100とヒートシンク200との位置決めが不適切であった場合でも、加圧手段20を用いてパワーモジュール100がZ方向下向きに加圧されれば、傾き補正機構部V1の先端97は傾き補正機構部C1の、X方向左右側のいずれか一方の一体化前壁面C10に接触する。すると、パワーモジュール100は加圧手段20へ加えられる加圧力FによりZ方向下方に押し下げられていくため、傾き補正機構部V1の先端97は、これが接触した傾き補正機構部C1の一体化前壁面C10のテーパに倣ってX方向に移動する。金属部品4の長手方向がX方向となるように調整機構を配置する構成とすれば、傾き補正効果がより発揮されるため、より好ましい。
パワーモジュール100の金属部品4の上側の部材の主面、すなわち封止材5の上側および下側の主面を平坦とすることが好ましい。このようにすれば、加圧手段20を用いたパワーモジュール100の加圧時にパワーモジュール100と加圧手段20とが面接触し、垂直方向に荷重を加え、かつ水平方向に移動可能な構成が実現可能である。このためパワーモジュール100の封止材5の上面、すなわちパワーモジュール100全体の主面には加圧手段20と接触する領域が設けられ、当該領域が平坦面とされることが好ましい。当該平坦面はパワーモジュール100全体の主面の全面に亘る必要は必ずしもないが、たとえばパワーモジュール100の長手方向において、中心点を挟んで同じ距離だけ離れた2つの領域を設け、当該領域の上面を加圧手段20と接触可能な平坦な領域とすることが好ましい。このようにすれば、最小限の面積の平坦面において加圧手段20と接触可能とし、垂直方向の加圧および水平方向の移動の双方が可能となる。これはパワーモジュール100全体の主面には機種名、ロット番号、製造番号、意匠などを表示する領域を設けることが常であるため、パワーモジュール100の全面を加圧領域とすれば、側面などに表示領域を設けることになりその表示の工程が煩雑となり不経済であるためである。
また傾き補正機構部C1,V1にはこれらを平坦に調整する機能を有することから、先端97がX方向に移動することにより、金属部品4がヒートシンク200に対して水平な状態となる。さらに加圧力Fを加えれば、上記の水平な状態を維持しながら傾き補正機構部C1,V1の特に底部99および先端97に近い領域であり第1の壁面部分S1に近い領域において塑性変形がなされ、かしめられる。やがて接続部C2と接続部V2とも互いに嵌合および接続され、第2の凹凸部CV2となる。
このことにより、パワーモジュール100のX方向の位置がヒートシンク200に対して自動的に正確な位置に一意的に決められる。
すなわち傾き補正機構部C1,V1は、接続部C2,V2に先立って互いに接触しながら両者間の相対位置を一意的に決定するという、位置決めガイドのような役割を有している。したがって傾き補正機構部C1,V1により、大掛かりな画像検査装置または精密な位置決め手段を用いることなく、自動的にかつ高精度に、パワーモジュール100をヒートシンク200に対して位置決めすることができ、パワーモジュール100の傾きを抑制することができる。これにより、傾きおよび位置ずれのない高い位置精度の状態でかしめ加工による一体化がなされる。このように位置精度を高める効果は、傾き補正機構部C1,V1が1つのみ配置される半導体装置101よりも、傾き補正機構部C1,V1が2つ配置される半導体装置102においていっそう顕著となる。
接続部C2,V2同士の接触前に傾き補正機構部C1,V1が接触し位置決めすることにより、それに続いて接続部C2,V2も高精度に位置決めされる。このため傾き補正機構部C1,V1による第1の凹凸部CV1および接続部C2,V2による第2の凹凸部CV2は、熱抵抗が増加したりばらついたりすることなく、低い熱抵抗値(高い放熱性)でのパワーモジュール100からヒートシンク200への熱輸送を可能とする。また傾きを抑制できることから加圧力Fを過剰に増加させる必要もないため、半導体装置101〜103としてのヒートシンク一体型パワーモジュールの信頼性をより高めることができる。
このように傾き補正機構部C1,V1が接触して傾きおよび位置を補正する機能を有するため、傾き補正機構部C1,V1の形状および寸法の条件さえ満足すれば、接続部C2,V2の形状および寸法の大小関係等は特に不問である場合もある。このため接続部C2,V2の形状等の考慮が必要最低限でよくなり、生産性をより向上させることができる可能性があるといえる。
さらに、本実施の形態においては、底部99の幅D1よりも先端97の幅D2が大きく、先端97の幅D2よりも開口部95の幅D3が大きいことが好ましい。傾き補正機構部C1の壁面の傾斜角度IA3が、傾き補正機構部V1の壁面の傾斜角度IA4よりも(少なくとも一部において)大きく、傾き補正機構部C1は底部側に向かうほどその壁面の間の幅が小さくなっていることが好ましい。このような構成を有することにより、傾き補正機構部C1の内部に傾き補正機構部V1を容易に挿入できる。また、傾き補正機構部C1の両方の壁面に傾き補正機構部V1の先端97の両端を接触させることができる。その結果、傾き補正機構部C1,V1は、接続部C2,V2に先立って互いに接触しながら両者間の相対位置を一意的に決定することができる。
さらに、たとえば半導体装置103を形成する傾き補正機構部C1は、平面状の壁面C11と曲面状の壁面C12とを有している。これにより第1の凹凸部CV1も、部分的に曲面状の壁面を有している。この実施例(第3例)においては、平面状の壁面C11が傾き補正機構部C1,V1の嵌合時の位置補正の機能を有している。具体的には、たとえ当該嵌合時に位置がずれていても、傾き補正機構部V1の先端が傾斜面である傾き補正機構部C1の壁面C11上を接触しながら滑ることにより位置ずれを補正することができる。したがってX方向に関する片面のみが位置ずれ補正に寄与する平面状の壁面C11であればよく、X方向に関する他の面については位置ずれ補正に寄与する形状でなくてもよい。したがって、傾き補正機構部C1の特に接続部C2に隣接しない側の壁面については、その形状の条件を他の部分に比較して緩和させることができる。よって、傾き補正機構部C1の加工時に生じる寸法公差の影響を考慮すべき部分の数を減らすことができ、生産性をより向上させることができる可能性がある。
なお本実施の形態における完成品である半導体装置101〜103の第1の凹凸部CV1の壁面は、高さ方向に対する第1の傾斜角度IA1を有する第1の壁面部分S1と、第1の傾斜角度IA1とは異なる第2の傾斜角度IA2を有する第2の壁面部分S2とを含んでいる。完成品を分析して上記特徴を見出すことにより、本実施の形態の製法により形成された半導体装置101〜103であることを検証できる。
また金属部品4とヒートシンク200との硬度が異なることにより、両者のかしめ加工時の荷重を調整することができ、たとえば当該荷重が過剰になることを抑制することができる。
その他、たとえば半導体装置102,103のように第1の凹凸部CV1が、第2の凹凸部CV2を挟むように、すなわち平面視におけるX方向の端面に近い端部領域に1対のみ配置されていることにより、これよりも多数の第1の凹凸部CV1を有する場合に比べて、傾き補正機構部C1,V1が水平な状態を維持しながら第1の凹凸部CV1を嵌合させるという効果をより高めることができる。
実施の形態2.
まず本実施の形態の第1例の半導体装置の構成について、図19〜図22を用いて説明する。図19を参照して、本実施の形態の第1例の半導体装置201は、半導体装置102と基本的に同様の構成を有している。このため図19において半導体装置102と同様の構成である部分については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。図19および図20を参照して、半導体装置201は半導体装置102に対し、第1の凹凸部CV1の第1の壁面部分S1および第2の壁面部分S2のZ方向に対する第1の傾斜角度IA1、第2の傾斜角度IA2、ならびに第2の凹凸部CV2の壁面のZ方向に対する傾斜角度が異なっている。
図20における第1の傾斜角度IA1および第2の傾斜角度IA2は、図10における半導体装置102の第1の傾斜角度IA1および第2の傾斜角度IA2よりも小さい。また図21および図22を参照して、半導体装置201における第1の凹凸部CV1を形成する傾き補正機構部C1の傾斜角度IA3は傾き補正機構部V1の傾斜角度IA4よりも大きい。また傾き補正機構部C1の底部99のX方向の幅D1が、傾き補正機構部V1の先端97のX方向の幅D2よりも小さい。
本実施の形態においては、接続部C2の傾斜角度IA5および接続部V2の傾斜角度IA6がゼロではない角度を有しており、接続部C2および接続部V2の壁面もZ方向に対して傾斜している。また傾斜角度IA5と傾斜角度IA6との間には数度の差異が設けられている。
図23〜図27を参照して、半導体装置201の製造方法は基本的に実施の形態1の半導体装置102(101)の製造方法を示す図5〜図8の各工程に準ずる。すなわち図23および図24は図5に、図25は図6に、図26は図7に、図27は図8に、概ね対応する。ただし図23〜図27においては図5〜図8と比較して、傾き補正機構部C1,V1の傾斜角度および幅などの寸法が異なっており、また傾き補正機構部C1,V1の数も異なっている。上記形状および寸法を有する傾き補正機構部C1,V1などを用いて嵌合および一体化を行なうことにより、実施の形態1と同様に、接続部C2,V2の接触前に傾き補正機構部C1,V1が接触して傾き補正および位置決めを行なうことができる。
次に、本実施の形態の第2例の半導体装置202の構成について、図28〜図29を用いて説明する。図28および図29を参照して、本実施の形態の第2例の半導体装置202は、半導体装置201と基本的に同様の構成を有している。このため図28および図29において半導体装置201と同様の構成である部分については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。半導体装置202は半導体装置201に対し、以下の点において異なっている。
図28中X方向に並ぶ第2の凹凸部CV2のうち最も第1の凹凸部CV1に近い側の第2の凹凸部CV2を考える。この第2の凹凸部CV2の第1の凹凸部CV1側における最下部から、これに隣接する第1の凹凸部CV1のX方向に関する中央部までの、X方向に関する距離をD11とする。また上記第1の凹凸部CV1のX方向に関する中央部から、これに隣接する金属部品4のX方向端面までの、X方向に関する距離をD12とする。このとき、距離D12が距離D11より小さくなっている。
金属部品4は、そのX方向に関する端面および端面に隣接する領域において、屈曲部30を始点としてX方向外側に反るように屈曲している。屈曲部30は、金属部品4とヒートシンク200とが一体化された第1の凹凸部CV1と金属部品4との境界付近に現れ、本来Z方向に延びるべき金属部品4がZ方向に対して傾斜するように延びる部分の始点(最も付根の部分)を意味している。
第1の凹凸部CV1の屈曲部30と隣接しない側(図29の右側)については半導体装置201と同様に、第1の凹凸部CV1はZ方向に対する第1の傾斜角度IA1を有する第1の壁面部分S1と、それとは異なる第2の傾斜角度IA2を有する第2の壁面部分S2とを有している。これに対し金属部品4が屈曲部30から屈曲する部分は、これらの傾斜角度IA1,IA2よりも、Z方向に対する傾斜角度IA11が大きくなっている。この大きな傾斜角度IA11を有する第3の壁面部分S3は傾き補正機構部C1の一部である。このためここでは屈曲部30から屈曲した第3の壁面部分S3も第1の凹凸部CV1に含まれるものとする。また金属部品4の端面に隣接する領域において金属部品4がX方向外側に反ることにより、屈曲部30より下側の領域では金属部品4が外側に沿った部分と傾き補正機構部V1との間に隙間が形成されている。この隙間の部分も第1の凹凸部CV1に含まれるものとする。
半導体装置202においては、第1の凹凸部CV1の壁面は、第1の傾斜角度IA1を有する第1の壁面部分S1と、これとは異なる第2の傾斜角度IA2を有する第2の壁面部分S2とに加え、さらにこれらとは異なる傾斜角度IA11を有する第3の壁面部分S3を有している。
図30〜図31を参照して、半導体装置202の製造方法は基本的に半導体装置201の製造方法を示す図23〜図27の各工程に準ずる。ただし金属部品4を含むパワーモジュール100と、これに接続されるヒートシンク200とに形成される傾き補正機構部C1,V1および接続部C2,V2の位置関係において、半導体装置202の製造方法は半導体装置201の製造方法と異なっている。
すなわち、図30中X方向に並ぶ接続部C2のうち最も傾き補正機構部C1に近い側の接続部C2を考える。この接続部C2の傾き補正機構部C1側における最下部から、これに隣接する傾き補正機構部C1のX方向に関する中央部までの、X方向に関する距離をD13とする。また上記傾き補正機構部C1のX方向に関する中央部から、これに隣接する金属部品4のX方向端面までの、X方向に関する距離をD14とする。このとき、距離D14が距離D13より小さくなっている。また複数の傾き補正機構部V1および接続部V2のそれぞれは、上記のように配置された傾き補正機構部C1および接続部C2のそれぞれと、X方向に関する中央部の位置がほぼ等しくなり、傾き補正機構部C1および接続部C2のそれぞれと嵌合可能となるように、配置されている。
上記のような寸法の条件を満たすように傾き補正機構部C1,V1および接続部C2,V2が準備された後、実施の形態1などと同様の加圧力を加える手法により第1の凹凸部CV1および第2の凹凸部CV2が形成され、かしめ加工により金属部品4とヒートシンク200とが一体化される。このとき、当該加圧力により、X方向に関する左端部および右端部に配置される第1の凹凸部CV1のさらに外側の領域が、屈曲部30から外側に延びるように屈曲される。
ここで、半導体装置202の製造においては、凹部が形成される部材の硬度よりも凸部が形成される部材の硬度が高くなるように、金属部品4とヒートシンク200との材質が調整されることが好ましい。ここでは金属部品4に凹部が、ヒートシンク200に凸部が形成されるため、金属部品4よりもヒートシンク200の硬度が高くなるように形成される。このようにすれば、加圧力を加えた際に金属部品4がヒートシンク200よりも優先的に変形し、X方向外側に屈曲しやすくなる。このため傾き補正機構部C1,V1が接続部C2,V2におけるかしめ加工の信頼性等に与える影響を最小限とすることができ、これにより、金属部品4などの傾きを抑制する効果をいっそう高めることができる。
次に、本実施の形態の第3例の半導体装置203の構成について、図32〜図33を用いて説明する。図32および図33を参照して、本実施の形態の第3例の半導体装置203は、半導体装置202と基本的に同様の構成を有している。このため図32および図33において半導体装置202と同様の構成である部分については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。半導体装置203は半導体装置202に対し、第1の凹凸部CV1のZ方向最上部すなわち金属部品4の傾き補正機構部C1の底部99と、傾き補正機構部V1のZ方向最上部である先端97との間に隙間91が形成されている点において異なっている。
隙間91は傾き補正機構部C1により形成されるため、ここでは当該隙間91と、その真上の傾き補正機構部C1も第1の凹凸部CV1に含まれるものとする。また半導体装置202と同様に半導体装置203についても、屈曲部30から屈曲した第3の壁面部分S3、および金属部品4の外側に沿った部分と傾き補正機構部V1との隙間も、第1の凹凸部CV1に含まれるものとする。
後述するように、半導体装置203においては、第1の凹凸部CV1にはかしめ加工による強固定部10があまり形成されない場合がある。半導体装置203においては、第1の凹凸部CV1の壁面は、隙間91の部分の傾き補正機構部C1としての、第1の傾斜角度IA1を有する第1の壁面部分S1と、これとは異なる第2の傾斜角度IA2を有する、一体化された領域の壁面としての第2の壁面部分S2とに加え、これらとは異なる傾斜角度IA11を有する第3の壁面部分S3を有している。第2の壁面部分S2は傾き補正機構部C1と傾き補正機構部V1とが一体化されることにより形成されるが、第2の傾斜角度IA2はたとえば第1の傾斜角度IA1よりも小さくなっている。これに対し、傾斜角度IA11はたとえば第1の傾斜角度IA1よりも大きくなっている。
図34〜図35を参照して、半導体装置203の製造方法は基本的に半導体装置202の製造方法を示す図30〜図31の各工程に準ずる。ここでも凹部が形成される金属部品4の硬度よりも凸部が形成されるヒートシンク200の硬度が高くなるように、金属部品4とヒートシンク200との材質が調整されることが好ましい。ただしここでは、凹形状の傾き補正機構部C1の高さ方向の寸法h1が、凸形状の傾き補正機構部V1の高さ方向の寸法h2よりも高くなっている。このため半導体装置203の製造工程においては傾き補正機構部C1,V1がそのように形成される。この点において図34〜図35の各工程は、両者の高さがほぼ等しい図30〜図31の各工程と異なっている。このようにすれば、傾き補正機構部V1の先端と傾き補正機構部C1の底部とが接触しなくなる。これにより図33に示すような隙間91が形成される。このため、第1の凹凸部CV1におけるZ方向の公差の影響を抑制することができる。
隙間91は次のような作用も発揮する。ヒートシンク200および金属部品4の製造工程としてはダイキャストおよび機械加工を伴うが、ダイキャストを行なう場合には、加工される表面に細かい金属粉が脱離する場合がある。また機械加工の場合には加工により生じるキリコが加工される表面に付着される場合がある。そのような金属粉またはキリコなどの異物が介在した場合、第1の凹凸部CV1を構成する各壁面同士の密着性が阻害されるという課題がある。ヒートシンク200および金属部品4を構成する金属材料は塑性変形することが可能である。このため、ヒートシンク200および金属部品4の異物と接した領域が変形することにより、ある程度は第1の凹凸部CV1を構成する各壁面同士を接触させることは可能である。しかしその異物の大きさによっては第1の凹凸部CV1を構成する各壁面同士を完全に密着させることはできない恐れがある。これに対して隙間91は異物が第1の凹凸部CV1を構成する各壁面同士を接触させるときに当該壁面の表面を滑って隙間91に入り込む。これにより、隙間91は第1の凹凸部CV1を構成する各壁面同士を強固に確保することを可能とする。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態においても実施の形態1と同様に、傾き補正機構部C1,V1が接続部C2,V2よりも先に互いに接触し、傾き補正機構部V1の先端97が傾き補正機構部C1の一体化前壁面C10のテーパに倣ってX方向に移動する。これにより、傾き抑制および正確な位置決めを可能とする。
しかしながら、たとえば第1例の半導体装置201のような比較的大きい第1の傾斜角度IA1および第2の傾斜角度IA2を有する場合には、接続部C2,V2が完全にかしめ加工されるために必要な加圧力が増加してしまう。
そこで、たとえば第2例の半導体装置202のように、距離D12(D14)を距離D11(D13)よりも小さくする。これにより、傾き補正機構部C1よりもX方向外側の部分を外側に屈曲させることにより、剛性を低下させることができ、加圧力を外側に逃がすことができる。
なおこの場合、加圧力が加わった際には傾き補正機構部C1の接続部C2に隣接しない側(X方向外側)が塑性変形しやすい。金属部品4の傾き補正をするために傾き補正機構部C1と傾き補正機構部V1とが嵌合された後、さらに加圧されて接続部C2と接続部V2とがかしめられる際に、接続部C2と接続部V2とが意図しない態様で引っ掛かり傾いたり変形したりする不具合が起こり得る。このような不具合が、加圧力をX方向外側に逃がすことにより抑制され、接続部C2と接続部V2とからなる第2の凹凸部CV2の傾きなどに起因する放熱性能の低下を抑制することができる。
さらに、たとえば第3例の半導体装置203のように、傾き補正機構部C1を傾き補正機構部V1よりも高さ方向の寸法を大きくするように形成する。これにより、完成品の第1の凹凸部CV1は傾き補正機構部C1の底部99との間に隙間91を有する構成となるか、またはこのような隙間91を有さない場合であっても加圧力により塑性変形をほとんど起こさないような接触状態となる。つまりこの場合、一体化させる工程においてかしめ加工を進行させても、かしめ加工による強固定部10があまり形成されない場合がある。
このようにすることができれば、傾き補正機構部C1,V1およびこれらによる第1の凹凸部CV1が、第2の凹凸部CV2を形成するための接続部C2,V2のかしめ加工時に第2の凹凸部CV2に与える影響が小さくなる。このため、たとえば実施の形態1の半導体装置103のように、傾き補正機構部C1のX方向に関する片側の壁面のみ形状制御し他の片側の壁面については曲面を含む任意形状とすることもできる。このようにすれば、傾き補正機構部C1の形状の自由度が高くなる。したがって、たとえば機械加工により傾き補正機構部C1に形成されるR形状部により、そこに挿入される傾き補正機構部V1が意図しない態様で引っ掛かり傾いたり変形したりする不具合を抑制することができる。つまり傾き補正機構部C1,V1を形成する加工時に生じる公差により第1の凹凸部CV1が影響を受ける可能性を低減することができる。
なお本実施の形態においては、接続部C2の傾斜角度IA5と接続部V2の傾斜角度IA6との間には数度の差異が設けられている。このようにすれば、接続部C2,V2のかしめ加工において両者が塑性変形することにより、第2の凹凸部CV2の強度および熱抵抗が所望の値となるように制御することができる。本実施の形態においては、第2の凹凸部CV2の数を増加させるか、または隣り合う第2の凹凸部CV2の間隔を小さくすることにより、第2の凹凸部CV2における金属部品4とヒートシンク200との接続強度を増加させることができる。
また本実施の形態のようにかしめ加工により金属部品4とヒートシンク200とをグリスレス接続する場合、両者の接続部に生じる接触熱抵抗を低減させることが課題となる。一般的に接触熱抵抗は接触面にかかる面圧と接触面積とに依存することが知られている。本実施の形態においては、接触面にかかる面圧は接触部の強度と相関関係にあることが確認された。このため、接続部C2,V2の数および間隔を変更することにより、接触熱抵抗を低減できるとともに高い接触強度を確保することができる。また本実施の形態においては、嵌合する工程において傾き補正機構部C1,V1が接続部C2,V2よりも先に接触する条件が達成されていればよい。接続部C2,V2の寸法および形状は、所望の接続強度および熱抵抗を実現できるよう、金属部品4およびヒートシンク200の形成方法およびそれらへの許容荷重の条件によって適宜変更してもよい。
一例として、接続部C2,V2のZ方向の高さを2mm、傾き補正機構部C1のZ方向の高さを4mmとし、傾き補正機構部V1のZ方向の高さを3.5mmとする。また傾き補正機構部C1の傾斜角度IA3を8.6°、傾き補正機構部V1の傾斜角度IA4を8.0°、傾き補正機構部C1の開口部95の幅D3(図4参照)を2.9mm、傾き補正機構部V1の付根部93の幅D4(図4参照)を3.0mmとする。この場合、第1の凹凸部CV1および第2の凹凸部CV2において、1.0W/m・Kの熱伝導グリス30μm相当の熱抵抗を実現可能であることが確認できた。ただし熱抵抗は、上述した値に一意的に決定されるわけではなく、接続部C2,V2の凹凸構造の高さおよび数などを変化させることにより、設計上必要となる広範囲の熱抵抗値を実現することが可能である。
実施の形態3.
まず本実施の形態の第1例の半導体装置の構成について、図36〜図39を用いて説明する。図36を参照して、本実施の形態の第1例の半導体装置301は、半導体装置102,201と基本的に同様の構成を有しており、複数の第1の凹凸部CV1は、X方向に関して複数の第2の凹凸部CV2を挟むように1対のみ配置されている。このため図36において半導体装置102,201と同様の構成である部分については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。図36および図37を参照して、半導体装置301は半導体装置102,201に対し、第1の凹凸部CV1の態様において大きく異なっている。
本実施の形態においては、金属部品4には複数の凹部としての接続部C2、および複数の他の凹部としての傾き補正機構部C1が形成されている。ヒートシンク200には複数の凸部としての傾き補正機構部V1および接続部V2が、それぞれ形成されている。しかし逆に金属部品4に複数の凸部が、ヒートシンク200に複数の凹部および他の凹部が形成されてもよい。他の凹部としての傾き補正機構部C1には外斜面部80が含まれている。外斜面部80はX方向外側を向き、Z方向に対して傾斜している。すなわち外斜面部80は傾き補正機構部C1を構成する壁面の一部である。
図37を参照して、半導体装置301にてX方向の間隔をあけて1対配置された第1の凹凸部CV1は、そのそれぞれに含まれる1対の凸部としての傾き補正機構部V1が、その付根部93側から先端97側へ、傾き補正機構部C1の外斜面部80に沿いかつZ方向に対して傾斜するように延びている。図37中に点線で示す凸部中央線DLは、概ね傾き補正機構部V1の延びる方向に沿って延びている。凸部中央線DLは、Z方向に対して傾斜するように延びている。
半導体装置301の傾き補正機構部V1においても、特にそのX方向内側の壁面には、金属部品4とのかしめ加工により一体化されたことによる強固定部10が形成されていてもよい。またこのかしめ加工により、第1の凹凸部CV1は、特にそのX方向内側の壁面が、Z方向に対する第1の傾斜角度IA1を有する第1の壁面部分S1と、第1の傾斜角度IA1とは異なる第2の傾斜角度IA2を有する第2の壁面部分S2とを含んでいる。なお第1の凹凸部CV1は特にそのX方向外側において傾き補正機構部C1および傾き補正機構部V1の壁面が残存しているが、ここではこれらの傾き補正機構部C1および傾き補正機構部V1の壁面、および傾き補正機構部C1と傾き補正機構部V1との間の隙間も、第1の凹凸部CV1に含めることにする。このため本実施の形態においては、上記の第1の壁面部分S1および第2の壁面部分S2の他にも、X方向外側にて残存する傾き補正機構部C1および傾き補正機構部V1の壁面の角度が互いに異なることにより、互いに傾斜角度の異なる2つの壁面を有するということもできる。
図37に示すようにX方向の外側においては傾き補正機構部C1および傾き補正機構部V1の壁面が残存し、隙間が形成されている。また傾き補正機構部C1の底部99と傾き補正機構部V1の先端97との間にも隙間が形成されている。なお傾き補正機構部C1の壁面と傾き補正機構部V1の壁面とは少なくとも1点である接触点90において互いに接触し一体化されてもよい。
図38を参照して、本実施の形態においては、図36のように金属部品4とヒートシンク200とが一体化される前の状態において、傾き補正機構部V1と傾き補正機構部C1とのX方向に関する中央部の位置が異なっている。具体的には、1対の第1の凹凸部CV1となるべき1対の傾き補正機構部C1の底部99の中央部間距離D21は、1対の傾き補正機構部V1の先端97の中央部間距離D22よりも大きい。ここで中央部間距離とは、たとえば1対の傾き補正機構部C1のそれぞれのX方向に関する中央部(底部99の中央部)同士の距離を意味する。なお本実施の形態においても、接続部V2と接続部C2とはX方向に関する中央部の位置がほぼ等しくなっている。ここでは逆に1対の傾き補正機構部C1の中央部間距離D21の方が、1対の傾き補正機構部V1の中央部間距離D22よりも小さくてもよい。この場合、図37とは逆に、傾き補正機構部V1はX方向外側にてかしめられ、X方向内側にてその壁面が残存する態様となる。
より詳しくは、図39を参照して、上記のように1対の傾き補正機構部C1の底部99の中央部間距離D21は、1対の傾き補正機構部V1の先端97の中央部間距離D22よりも大きい。また傾き補正機構部C1の底部99の幅D28よりも傾き補正機構部V1の先端97の幅D26の方が大きく、かつ傾き補正機構部V1の先端97の幅D26よりも傾き補正機構部C1の開口部95の幅D27の方が大きい。また傾き補正機構部V1の付根部93の最大幅D25が傾き補正機構部C1の開口部95の幅D27よりも小さい。
次に本実施の形態の第1例の半導体装置301の製造方法について、図40〜図43を用いて説明する。半導体装置301の製造方法は基本的には実施の形態1の半導体装置101の製造方法に準ずる。ただし上記のように、1対の傾き補正機構部C1の底部99の中央部間距離は、1対の傾き補正機構部V1の先端97の中央部間距離よりも大きい。図40を参照して、傾き補正機構部C1はZ方向に対して傾斜した壁面C11および壁面C12を含み、傾き補正機構部V1はZ方向に対して傾斜した壁面V11および壁面V12を含むと考えれば、一体化する工程において互いに嵌合する際に、接続部C2と接続部V2とが互いに接触する前に、X方向内側の壁面V11がX方向内側の壁面C11に接触する。
図41〜図43を参照して、図6〜図8の工程と同様に、パワーモジュール100の上の加圧手段20への加圧力Fにより、互いに嵌合される傾き補正機構部C1および傾き補正機構部V1、ならびに接続部C2および接続部V2が塑性変形する。
このとき、傾き補正機構部C1に比べて中央部間距離の小さい傾き補正機構部V1は、中央部間距離の大きい傾き補正機構部C1の位置に整合するように傾き補正機構部C1内に挿入されるために、Z方向に対して傾斜しながら傾き補正機構部C1内に挿入される。このように傾き補正機構部V1が傾斜することにより、壁面V11は壁面C11のテーパに倣ってX方向に移動するように塑性変形する。金属部品4の長手方向がX方向となるように、調整機構を配置する構成とすると、傾き補正効果がより発揮されるため、より好ましい。これにより互いに接触した傾き補正機構部C1と傾き補正機構部V1とが互いに接触することにより傾き補正機構部C1および傾き補正機構部V1の少なくともいずれか一方が塑性変形し、かしめ加工が進行する。以上により、第2の凹凸部CV2を挟むように1対のみの第1の凹凸部CV1が形成される。
ここで、半導体装置301の製造においては、凸部が形成される部材の硬度よりも凹部が形成される部材の硬度が高くなるように、金属部品4とヒートシンク200との材質が調整されることが好ましい。ここでは金属部品4に凹部が、ヒートシンク200に凸部が形成されるため、ヒートシンク200よりも金属部品4の硬度が高くなるように形成される。このようにすれば、加圧力Fを加えた際に傾き補正機構部V1の凸部中央線DLが傾くように変形しやすくなる。このため傾き補正機構部C1と傾き補正機構部V1との接触後、さらに加圧されて接続部C2と接続部V2とが接触しかしめられる際に傾き補正機構部C1と傾き補正機構部V1との引っ掛かりによる意図せぬ力を、傾き補正機構部V1の変形により外部に逃がしやすくできる。このため接続部C2,V2のかしめ加工に対する影響を小さくすることができ、接続部C2,V2の傾きを抑制することができる。したがって接続部C2,V2から形成される第2の凹凸部CV2の放熱性能に対する影響を小さくすることができる。
次に、本実施の形態の第2例の半導体装置302の構成について、図44〜図46を用いて説明する。図44〜図46を参照して、本実施の形態の第2例の半導体装置302は、半導体装置301と基本的に同様の構成を有しているため、詳細な説明を繰り返さない。図45に示す半導体装置302は、傾き補正機構部V1が傾き補正機構部C1の底部99に接触し、両者間に隙間が形成されずに金属部品4とヒートシンク200とが一体化された構成であってもよい。
このような構成とするために、たとえば図46および図39を参照して、本実施の形態の第2例の半導体装置302においては、本実施の形態の第1例の半導体装置301と比較して、傾き補正機構部V1の最大幅D25が小さくなり、傾き補正機構部V1の傾斜角度IA4が小さくなっているが、傾き補正機構部V1の先端幅D26は変化しない。あるいは変形例として、本実施の形態の第2例の半導体装置302においては、本実施の形態の第1例の半導体装置301と比較して、傾き補正機構部V1の傾斜角度IA4を変化させずに、幅D25およびD26を小さくしてもよい。
なお上記変形例においては、傾き補正機構部C1の底部99の幅D28よりも傾き補正機構部V1の先端97の幅D26の方が大きくなくても(たとえば小さくても)よい。
次に、本実施の形態の第3例の半導体装置303の構成について、図47〜図49を用いて説明する。図47〜図49を参照して、本実施の形態の第3例の半導体装置303は、半導体装置301,302と基本的に同様の構成を有しているため、半導体装置303において半導体装置301,302と同様の構成である部分については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。ただし図47の半導体装置303においては、金属部品4には傾き補正機構部C1の代わりに単なる平面としての外斜面部80が複数形成されている。半導体装置303においては、この複数の外斜面部80と、凸部としての複数の傾き補正機構部V1とが接触し、これらが一体となるように、第1の凹凸部CV1が複数(1対)形成されている。
半導体装置301においては、外斜面部80は凹形状の傾き補正機構部C1のX方向内側に、その内壁面の一部として配置されている。半導体装置303においてもこれと同様の位置に外斜面部80が配置されているが、当該外斜面部80は傾き補正機構部C1内に傾き補正機構部C1に含まれる部分として形成されているのではなく、金属部品4の最外部に形成されている。すなわち半導体装置303は半導体装置301に比べて、第1の凹凸部CV1がX方向に関してその外側が露出するように配置されている点において異なっている。
図47に示した第1の凹凸部CV1は、他の凹部としての傾き補正機構部C1を含むように形成されている半導体装置301,302とは構成が異なっている。
次に、半導体装置303の製造方法のうち、特に半導体装置301の製造方法と異なる点について、図49を用いて説明する。図49を参照して、金属部品4には、凹形状の傾き補正機構部C1の代わりに、外斜面部C16が形成されている。すなわち金属部品4には複数の外斜面部C16および複数の凹部としての接続部C2が形成され、ヒートシンク200には複数の凸部としての傾き補正機構部V1および接続部V2が形成されている。
外斜面部C16は金属部品4の、半導体装置301における傾き補正機構部C1の形成される領域に形成されている。すなわち外斜面部C16はX方向に関する左右両端に、接続部C2を挟むように形成されている。
外斜面部C16はその壁面がX方向外側を向き露出するように形成され、Z方向に対する傾斜角度IA3を有するように形成されている。外斜面部C16のZ方向寸法は接続部C2のZ方向寸法よりも大きい。また1対の第1の凹凸部CV1となるべき1対の外斜面部C16の底部99の内周間距離D31は、1対の第1の凹凸部CV1となるべき1対の傾き補正機構部V1の先端97の中央部間距離D32よりも大きい。
ここで外斜面部C16の底部99とは、外斜面部C16のZ方向最上部の平面視における外側を囲むように配置される、XY平面に沿う平面である。このため外斜面部C16の底部99は外斜面部C16の最上部と交差し、当該最上部とZ座標がほぼ等しい。また内周間距離D31とは、1対の外斜面部C16の底部99すなわち1対の外斜面部C16のZ方向に関する最上部同士の、X方向に関する距離を意味する。
このように外斜面部C16および接続部C2が形成された金属部品4と、半導体装置301などと同様に壁面V11,V12を有する傾き補正機構部V1および接続部V2が形成されたヒートシンク200とが、上記他の各実施例と同様に嵌合され一体化される。このときパワーモジュール100の上の加圧手段20への加圧力Fにより、半導体装置301の製造方法と同様に、外斜面部C16の内周間距離D31に比べて中央部間距離D32の小さい傾き補正機構部V1は、内周間距離の大きい外斜面部C16の位置に整合するように外斜面部C16の壁面と一体化しようとする。このために傾き補正機構部V1は、Z方向に対して傾斜しながら外斜面部C16と一体化するように塑性変形すなわちかしめ加工され、図47および図48に示すような態様となる。このように、外斜面部C16と傾き補正機構部V1とが互いに接触することにより外斜面部C16および傾き補正機構部V1の少なくともいずれか一方が塑性変形し、かしめ加工が進行する。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態の上記各例においても、他の実施の形態と同様に、加圧力Fを利用して、傾き補正機構部V1が傾き補正機構部C1または外斜面部C16と互いに接触することにより、傾き補正機構部C1または外斜面部C16と、傾き補正機構部V1との少なくともいずれか一方が塑性変形し、かしめ加工が進行する。底部99に先端97が接触する前に傾き補正機構部V1が傾き補正機構部C1または外斜面部C16に接することによるガイド効果をより高めるために、傾き補正機構部C1(外斜面部C16)および傾き補正機構部V1が接続部C2,V2よりも先に互いに接触する構成となっている。
このことは、たとえば第1例および第2例においては、図38および図46における距離D21が距離D22よりも大きいことにより実現されている。すなわち、仮にパワーモジュール100とヒートシンク200との位置決めが不適切であった場合でも、加圧手段20を用いてパワーモジュール100がZ方向下向きに加圧されれば、傾き補正機構部V1の通常はX方向内側の壁面V11と傾き補正機構部C1の壁面C11とが最初に接触する。すると、パワーモジュール100は加圧手段20への加圧力FによりZ方向下方に押し下げられていくため、傾き補正機構部V1は、壁面C11に倣ってX方向に移動する。これによりやがて、傾き補正機構部V1の他方の壁面である壁面V12と傾き補正機構部C1の壁面C12とも接触する。このようにして接続部C2,V2よりも前に、X方向に関する左右双方において傾き補正機構部V1が傾き補正機構部C1に接触する。このことにより、パワーモジュール100のXY方向の位置がヒートシンク200に対して自動的に正確な位置に一意的に決められる。したがって本実施の形態においても実施の形態1と同様に、傾き補正機構部C1,V1は、パワーモジュール100の正確な位置決めおよび傾き抑制の作用効果を奏することができる。
上記加工法を用いるため、第1の凹凸部CV1は、傾き補正機構部V1が付根部93側から先端97側へ、高さ方向に対して傾斜するように延び、第1の傾斜角度IA1を有する第1の壁面部分S1と、第2の傾斜角度IA2を有する第2の壁面部分S2とを有する態様となる。
なお特に第2例の半導体装置302においては上述のように、必ずしも傾き補正機構部C1の底部99の幅D28よりも傾き補正機構部V1の先端97の幅D26の方が大きくなくても(たとえば小さくても)よい。本実施の形態においては1対の傾き補正機構部C1の底部99の中央部間距離D21が1対の傾き補正機構部V1の先端97の中央部間距離D22よりも大きい。このため、傾き補正機構部V1が付根部93側から先端97側へ、高さ方向に対して傾斜するように延びる。これにより、傾き補正機構部V1の先端97が傾き補正機構部C1の底部99に達する前に、傾き補正機構部V1の壁面V11,V12が傾き補正機構部C1の壁面C11,C12の双方に接することによるガイド効果が得られると考えられるため、D28はD26より小さくてもよい。
この考え方に基づき、半導体装置302の傾き補正機構部C1から、接続部C2に隣接しない側(X方向外側)の部分を取り除いたものが半導体装置303である。半導体装置303においては第1の凹凸部CV1のX方向外側に金属部品4が配置されない構成となるため、第1の凹凸部CV1のかしめ加工による強固定部10が半導体装置301,302などより少なくなる。このため当該強固定部10が接続部C2,V2のかしめ加工による第2の凹凸部CV2の形成時に与える影響をより小さくすることができる。半導体装置303の例においては、傾き補正機構部V1の先端97の幅D26が傾き補正機構部C1の開口部95の幅D27より小さいという条件を満たすことが好ましい。
実施の形態4.
図50〜図54はすべて、上記の各半導体装置の製造方法に含まれる、加圧手段20による複数の凹部と凸部とを互いに嵌合させる工程を示す概略断面図または概略平面図である。たとえば図7および図8に示すように、上記の各実施の形態1〜3においては、加圧手段20はパワーモジュール100上面の全面に載置される例を示している。ただし上記の実施の形態1に示したとおり、図7および図8の構成においても、パワーモジュール100上面の全面にて加圧手段20と接触可能であるとは限らない。本実施の形態においては、パワーモジュール100の平面視における全体での加圧力Fの印加ができない場合を示している。
たとえば図50および図51を参照して、ここには金属部品4とヒートシンク200とを一体化する工程において、加圧手段20がパワーモジュール100の平面視における一部の領域(中央部付近)のみに1つ設置され、その部分のみに加圧力Fが作用する場合を示している。実施の形態1で説明した傾き補正機構部C1,V1の傾き補正および位置決めの効果を十分に得るためには、平面視における、封止材5、金属部品4およびヒートシンク200のそれぞれの中央部の中心点21に相当する位置を含むように加圧手段20が設置され、その加圧手段20の部分のみに加圧力Fが作用する構成とすることが好ましい。ここで金属部品4にはその平面視における中心点21に対して点対称となるように複数の凹部または凸部である接続部C2,V2などが形成される場合、金属部品4の特に凹凸部分の中心点21に相当する位置を含むように加圧手段20が設置されることになる。
たとえば図52〜図54を参照して、ここには金属部品4とヒートシンク200とを一体化する工程において、加圧手段20がパワーモジュール100の平面視における一部の領域に2つ設置され、その部分のみに加圧力Fが作用する場合を示している。この場合、金属部品4の中央部の(特に凹凸部分の)中心点21に対して互いに点対称となる位置、すなわち中心点21を挟んで同じ距離だけ離れた2つの位置のそれぞれに1つずつ、合計2つの加圧手段20が配置され、そこに加圧力Fが作用することが好ましい。ここで互いに点対称となる位置の2つの加圧手段20は、図53のようにX方向に関して中心点21を挟むように配置されてもよいし、図54のようにX方向およびY方向に対して斜め方向に関して中心点21を挟むように配置されてもよい。なお金属部品4の中央部の(特に凹凸部分の)中心点21に対して互いに点対称となる位置に配置されれば、3つ以上の加圧手段20が配置されてもよい。
このようにパワーモジュール100の平面視における一部の領域のみに加圧手段20が配置され加圧される場合においても、金属部品4の中心点21、または金属部品4の凹凸部分の中心点21に対して点対称となるように少なくとも1つ以上の加圧手段20が設置されることが好ましい。なおここで中心点21に対して点対称となる1つの加圧手段20とは、図50および図51のように中心点21と重なるように加圧手段20が設置される場合を意味する。このようにすれば、傾き補正機構部C1,V1は他の実施の形態1〜3と同様の作用効果を奏することができる。
なお、図50〜図54のように加圧手段20をパワーモジュール100の平面視における一部の領域のみに配置する場合、加圧手段20によって加圧される領域と加圧されない領域との境界およびそれに隣接する領域において樹脂の封止材5の変形による応力集中が起こる。このため、仮に上記位置に半導体素子1があれば、上記応力によって半導体素子1が割れる可能性がある。したがって当該境界以外の領域に半導体素子1が配置されることが好ましい。上記境界を避けるように半導体素子1を配置することにより、上記境界への応力集中に起因する半導体素子1の割れを抑制することができ、生産性をいっそう向上させることができる。
以上に述べた各実施の形態(に含まれる各例)に記載した特徴を、技術的に矛盾のない範囲で適宜組み合わせるように適用してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。